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小林(信)
委員 災害に対する御熱意は十分わかりますが、
災害というものは予想しないときに起るのです。現在
教科書が自由採択である以上は、こういう非常な事態に対処する策としては、困難をきわめる問題だと思います。
従つて文部省としては、そういう点に対しては、いつでもただちに手配ができるような
措置がされておらなければ、現行の
教科書制度においては、これは無責任だということになるわけです。御熱意はわかりますけれども、ただちにそれが手配ができて、
罹災児童に対して、全部とはいわなくても、その七割なり八割なりは、ただちに
教科書が配付できるということでなければならない、これはもり半箇月以上もたつているわけですから、完了するような態勢でなければ、
教育的な
対策じやないと思う。今
お話を聞けば、それに対する
費用すらどうのこうのということですが、こういうふうなことは、早く
措置ができるように、常々御用意なさらなければならぬと思うのです。現行法におけるところの
教科書対策というものは、まことにむずかしいものであります。平常私たちがお伺いしておりましても、それに対する
対策というものは、まことに
文部省としてもずさんのような感がしてならないのであります。どうか万全の
措置をとつていただきたい。私たちが参りましても、家は流れても、あるいは家財道具が流れてしまつても、それでも、あしたからの子供の
教科書がないということについて、親たちは非常に心配しておられたのです。そうして昔の国定
教科書のように——これは問題は別なんですが、すぐに商店へ行つて買えるものならいい、ところが
教科書がいろいろであるから、買おうとしても、本がないという状態で、非常に困つておる。これはぜひとも国会で、あるいは
文部省で手配をしてくださいということを、私たちは
要望されて来たのです。
文部省としましても、局長さんがただちにこれは発表をしておるのですが、いまもつてそういうふうな
措置をすることができないのは、非常に遺憾と言わなければならないわけです。とにかく
教科書の問題は、お父さんが官庁に勤めておつて転任すれば、もう
教科書は手に入らぬということで、非常に困つておるのですが、こういうような問題は、当然
措置されてなければならぬところなんです。ひとつよろしく御手配をお願いいたします。
それから、いつもながら
災害が起きますと、ただちに
学校というものが避難所になるわけですが、やはり今回におきましても、あの大
被害でございますから、ただちに罹災者が
校舎に収容されております。これに対しましては、もちろんあのお困りに
なつておる方たちに対しまして、ただちに使用できる
校舎が提供されたことは、私は当然だと思います。しかし
当局としましては、あの罹災者の方たちには、当然ほかの責任者があるわけですから、その人たちが手配をして、
学校というものはすぐ勉強ができるように、なるべく早くやつていただきたい。
学校関係が黙つておれば、ほかの責任者が、
学校はあいているのだからいいわ、というのでもつて、
校舎が長く使用されることになる。そうして今でも住宅を建てるということは簡単にできないのでございますから、もし
学校当局あるいは
文部当局が、他の官庁に対して責任を追究するというような
措置がなされなければ、あの戦災後に現われたような問題が起きるのではないか。そうしてまた、
学校当局が一人で困窮するようなことも起きないとも限らない。住宅問題等は、当然他の官庁において責任を持つものがあるわけでございますから、そういうところに、
文部省当局は官庁同士として、積極的に働きかけなければならぬし、われわれ国会におきましても、住宅問題等は当面の責任者が打開すべきであるというふうに
考えるわけであります。この点についての
文部省の
対策を伺いたい。また、今これらに使用されておる
学校数、避難着の数というものがおわかりでしたらこの際御
説明願いたいと思います。