○
辻原委員 確かに
提案理由にもそういうことが述べられておりますが、私はだんだん
年月がた
つて来て、現在の
方法がよいから問題が起
つておらないのではなくして、初めはあまりにもこの問題が
複雑であり、それに伴う
一つの
認定講習が形式的あるいは過重であるというために、大々的なこれに対する
混乱が起
つたわけであります。その後起
つて来ないというのは、起らないのじやなくして、これはもうしかたがない、何とかと
つて行かなくてはどうにもこうにもならぬのじやないかという、そういうあきらめに似た感じで、今向
つているというふうに私は
考えているわけであります。だから問題がないのではなくして、問題があ
つても、もうやむを得ないのだ、ただ目をつむ
つて機械的にこの
単位を
修得して行くよりほか
方法がない、こういうふうな事柄が実際この問題には隠されているのじやないか、こういうふうに
考えております。同時に、実際この
免許状を取扱う人々はなれて来たには違いありませんが、なお依然として各府県の
事務当局を見てみますと、この
免許事務を取扱われるためにとられる事務ヴオリユームというものは、他に比して非常に大きいということを、私はかねかね感ずるわけであります。これは小さな各郡市にある
教育委員会の出張所をのぞきましてもこの事務が大半を占めている。こういうことは、どうも行政上から見てもあまり適当でない。だからその根源であるところの
施行法の
改正というものをなるべくすみやかにして、そういう面からも行政のヴオリユームを減らして行くということを、もつと切実にお
考えなさる方が私はいいじやないか。この
計画をそのまま推進して行くよりも、そのことの方が冗費の節約でもありますし、また実際それによ
つてみな喜ぶのでありますから、何も私は固守する必要はないと思う。おそらくどこへ参りましても何とかこれを
簡素化してくれという声は、これはもうだれの口からも、実際行政にあずか
つておる人もまたこれをとろうとしておる現職者も、また将来これをとらんとしておる者も、全部そのことは希望を持
つておる。
簡素化することによ
つて何も
教員の
資格が落ちて来るわけではないむしろ実質的の
研修制度に切りかえたならばより有効な
研修の機会が持てるというふうに私も
考えますので、そういうような
考え方はひとつ是正をしていただきたいと思います。いろいろ申し上げたいことはありますが、時間もございませんので、
結論として、ともかく
文部省は早急にこれに対して根本的な問題の検訂を
審議会に
諮問する、こういうふうに承りましたので、できる限りすみやかに当局としてもその案をお持ちになるように要望したしまして、根本的な問題についての私の質問は終りたいと思います。
そこでこの
法案を
審議するにあた
つて二、三承
つておきたいと思うのでありますが、第一条においては、新しい
検定制度を設ける場合、その検定を行う対象として三つあげられております。いわゆる
普通免許状を授与する場合には実務経験等について
一つの参酌にな
つておると記憶しておりますが、ここでは実務経験が省かれて、人物、学力、身体の三つにな
つております。ところがこの場合の
検定制度というのは、そこに載
つておりますように、
一つの
免許状を持
つてお
つて他の
教科を
検定制度によ
つてとる場合でありますから、
一つの
免許状を取得する場合にすでにその人物であるとか、身体の条件とかい
つたものは、審査の上で
免許状が交付されておるものであります。とすればここで三つの事柄をダブ
つてやる必要はないのではないか。むしろこの場合に必要とするものは、直接学力に関する検定であ
つていいのではないか、思うのであります。この点は重複する感じを持つのでありますが、どうでありますか。実務を省かれたのもおそらく重複するから省かれたのだろうと思うのであります。それなら実務を省かれたと同じように——身体についてはそのときどきの条件がありますから、これは場合によ
つたら必要とするかもしれませんけれども、人物については一応適当であるということで、その
免許状を与えて教壇に立たしておるわけでありますから、特にそれをダブ
つてやる必要は何らないのではないかと思いますが、その点についてはいかがでございますか。