○前谷
説明員 資料についてはお出しいたしますが、大体の概略の
事情を御
説明申し上げたいと思います。
需給計画につきましては、先般統計
調査部の方におきまして、作況の
報告があ
つたわけでございます。しかしこれは作況の
報告でありまして、現実に県別においてどういう作況になるかということがわかりませんが、現在そういう作況のもとにおきまして、どういうふうな
需給計画を立てるべきかということを検討いたしておるわけであります。これが成案を得ますればお
手元に差上げたいと存じておりますが、大体の
考え方といたしましては、やはり国内の集荷を重点に置きまして、多少外米の
増加もございます。と同時に、またさらに問題を送るような形になろうかと思いますが、二十九年度におきまする早食いというような問題等も
考えてみまして、外米に多く依存するということは、同時に外米の価格を上げますし、また
国家経済から見ましても、できろだけその点は避けたい。外米の輸入を最小限度に持
つて行きたいということで検討いたしておりますので、成案を得ましたならば御
説明をいたしたいと存ずるわけであります。
人造米の問題につきましては、お話のようにわれわれといたしましても、これが
一つの日本の国内の食糧資源を、日本人の食習慣に合せた形において利用するということの、
一つのおもしろい
考え方ではないかというふうに
考えているわけであります。ただお話のように、この問題につきましてコストの問題が
一つと、それから品質の問題が
一つあるわけであります。たとえば澱粉をこれに利用いたします場合に、現在のかんしよ澱粉の形におきましては、澱粉製造の立地
条件及び製造設備の
関係で、どうしても砂の混入ということが避け得られないわけであります。この砂の混入いたしました澱粉をも
つて人造米の原料に使用するということになりますと、どうしても品質が悪化いたしまして、消費者にアツピールしないという点が多々あるのでありまして、現在少量に使
つております場合におきましては、ばれいしよ澱粉を使
つておりますが、日本の大きな資源といたしましてのかんしよ澱粉を利用いたします場合においては、どうしてもこの砂の問題を解決しなければならないわけであります。従いましてわれわれといたしましては、現在人造米につきましては、まず第一に農林規格法によ
つてひとつ規格を設けたい。そしてそれを検査することによ
つて、規格に合わないものの販売を停止するわけではございませんけれ
ども、規格に合
つたものはそれを公示いたしまして、これが品質の保証をする、それによ
つて消費者の選択にまかせたいということが第一点として
考えているわけであります。
第二点は、お話のように特許権の問題があるわけであります。特許権の問題は、現在までの状態で見ますと、ある種の小麦でありますとか、砕米でありますとか、澱粉を混合して粒型にいたしますまでが特許権になりまして、食糧研究所におきまして、それをさらに完成いたしますにはそれにコーテイングする。つまりのり化してたいた場合においても全然中身が出ないで、べとべとにならない。また比重その他の
関係におきましても米と同様にいたしまして、それによ
つて、たく場合においても一箇所に固まらないとかいうような、米と同じ性質を持たすように、混合して粒型にするということに、さらに加工をいたしまして、熱処理を加えることによ
つて、コーテイングすることによ
つて米と同じような性質を生み出そうという研究ができたわけであります。ただこの点につきましては特許の出願中でありまして、特許は御承知のように期間がかかるものでありますから、すぐには参らないかと思います。そういたしますと、どうしても特許の問題を解決いたしまして、そしてこれが最も品質のよいものについて大量
生産ができるように持
つて行かなければならない。そのために、今具体的には特許権者といろいろ話し合
つております。
考え方といたしましては、政府が補助をいたしますか、直接やりますか問題がありますが、特許権を解消いたしまして自由に使えるようにしたい。同時に機械の形も現在の状態におきましては、大量
生産する場合には機数を多くしなければならないということになりまして、現実の意味での大量
生産という段階にはないわけであります。それもやはり特許権の解消によりまして、単位当りの機械の大きさを大きくして、もつと流れ作業式に大規模にでき得るようにすることによ
つてコストも安くなろうか、かように
考えて、その特許権の問題をぜひとも処理いたしたいというふうに
考えております。
その次はただいま申しましたように、かんしよ澱粉を利用するために砂を取除く装置をやる、これにつきましては、現在の個々の澱粉工場におきましてそういう装置をするか、あるいは新しく設ける合成米工場において、特別の施設によ
つてその砂を取除く装置をするか、こういう点についても検討いたしているわけであります。ただ現在といたしましては、政府は、まだ合成米につきましては品質が向上の途中にあるわけでございまして、政府が買上げることによりまして、消費者とメーカーとの間に連繋が保てることによ
つて品質の
関係がストツプするわそれが多分にあるわけでございます。品質が向上いたしまして大体りつぱなものになるまでの間は、むしろ政府が介入すると申しますか、買上げるということが、品質向上の面から
考えまして不適当ではなかろうかというふうに
考えております。