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金光政府委員 ただいま松前
委員の
お話がありました外国の電気通信
事業経営の会社であります大北電信会社とそれから商業太平洋会社、それから
電電公社及び国際
電信電話会社の
関係はどうかというお尋ねだと存じますが、商業太平洋電信会社は松前
委員も御承知のように、戦前におきましては小笠原におきまして東京からの回線布設をいたしまして、
アメリカとの通信をや
つてお
つたわけであります。戦時中に回線が障害になりまして、終戦後これが復旧方をしばしば同会社へ申入れ等もいたしましたが、現在におきましては商業太平洋会社自体が
アメリカ国内におきまして
解散のうき目を見まして、現在はこの回線をそのまま放置された
状態にあるわけであります。現在におきましては、海底線による日米間の電信連絡というものは、おそらく近い将来において再開の道はないのじやないかと存じております。
それから次に大北電信会社でございますが、これも
昭和十五年だ
つたと存じますが、従来持
つておりました
日本長崎端におきます陸揚権というものを消滅させるということに許可状を改訂したわけであります。その後そのまま戦争に入りましたために、この点につきましては当然
日本側としましても、陸揚権を消滅したというふうに了解しているわけでございますが、終戦後におきましてこれもデンマーク国の外交機関を通じまして、これが通信の再開方を当時の司令部を通じて話があ
つたわけであります。当時戦前におきます改訂の許可状によりましては、陸揚権を消滅した後に三箇年後におきましては、その施設を撤去するということにな
つてお
つたわけでありますが、戦争に入りましたためにその施設はそのまま残
つてお
つたわけです。そこで終戦後においては司令部の仲介によ
つて、一応そういう陸揚権の消滅云々の問題は触れないことにして、現在すでに設備自体が残
つているので、これによる欧州向けの通信を再開したらどうかということで、現在におきましては長崎端におきます電報局の運用は、当時の電気通信、その後において電電、現在においては国際電電会社がこの運用に当
つておりまして、従来大北会社の持
つて、おりました海底線及び長崎端におきます電報局設備によ
つて、欧州との間の通信を実施しているわけでございます。これらの根本的な問題につきましては、戦時中における大北会社線の持
つてお
つた海底線の修理等の問題とあわせまして、現在デンマーク国の外交機関より
日本国
政府に対しまして、損害賠償等の外交上の要求があるわけでございます。これらの点につきましてはまだ解決を見ておりません。郵政省としては外務省と十分連絡をとりまして、これらの解決に当りたいというふうに存じているわけであります。そうい
つたような
関係で従来ありました外国通信会社の
関係というものは、長崎における大北会社の
関係が残
つているだけでございまして、
あとは国際電気通信に関する限り、
日本電電公社及び国際
電信電話会社が全部自主的に
経営しているわけであります。
そこで
電電公社とそれから国際
電信電話会社との、国際電気通信業務の分界はどうな
つているかということになりますと、これは公衆電気通信法の中で、この範囲は政令でも
つて定めるということに相な
つておりまして、この政令の内容としては、われわれとしては一応
電電公社のやります国際電気通信業務は西南諸島、いわゆる沖縄との間の通信、及び船舶を相手といたします海岸局
——これは現在
公社がや
つておりますが、この海岸局を通じての外国船舶局との間に行われます外国無線電信、これは
公社が実施いたしますが、その他の欧米及びアジア地域あるいは太洋州方面に対します国際通信は、あげて国際
電信電話会社がこれをやるということにな
つております。