運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-06-25 第16回国会 衆議院 電気通信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十五日(木曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 成田 知巳君    理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君   理事 橋本登美三郎君 理事 小泉 純也君    理事 原   茂君 理事 松前 重義君    理事 中村 梅吉君    庄司 一郎君       玉置 信一君    齋藤 憲三君       柴田 義男君    甲斐 政治君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  金光  昭君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  庄司 新治君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     梶井  剛君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社経理局長   秋草 篤二君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 本日の会議に付した事件  公衆電気通信法案内閣提出第九一号)  有線電気通信法案内閣提出第九二号)  有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(  内閣提出第九三号)  日本電信電話公社事業運営状況に関する件     —————————————
  2. 成田知巳

    成田委員長 ただいまより開会いたします。  公衆電気通信法案有線電気通信法案並びに有声電気通信法及び公衆電気通信法施行法案一括議題とし、審査を進めます。質疑に入ります前に、日本電信電話公社総裁梶井氏より発言を求められておりますので、これを許します。梶井説明員
  3. 梶井剛

    梶井説明員 私が梶井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは日本電信電話公社経営を直接担当する者といたしまして、公社経営上の諸問題につきまして概略説明申し上げたいと存じます。  まず公社発足以来の事業の概況を申し上げます。昨年八月公社発足以来、公社設立趣旨にかんがみ、その経営を合理的かつ能率的な体制にし、公社の使命である電信電話サービス改善を促進するため、極力努力して参つております。すなわち昨年十一年には機構の簡素化能率化を断行いたし、この結果、管理要員から千五百名、管理所廃止によつて一万二千五百名、合計一万四千名を現場を充実するため配置がえしたのであります。さらに作業方法合理化し、現場事務につきましては、附帯事務簡素化電話の繁忙時における交換作業円滑化をはかるための時間制賃金要員の採用、小局における電信電話共通服務及び夜間電報請負制度拡充電話による電報送達拡充等を行い、また管理事務につきましても、従来の煩瑣な事務手続企業体にふさわしく極力簡素化して参つたのであります。  従業員能率は次第に向上し、昭和二十年度を基準としてこれを一〇〇といたしますと、昭和二十七年度において、加入数は一四四、市外通話発信時数は一九四に増加しているのに対し、電話従業員数は一〇六、発信電報数は一二に増加しているのに対し、電信従業員数は一〇五となつているにすぎず、また電信電話保守要員の一人当り電話機受持数は一二七、建設工事要員の一人当り負担量も一二七と向上いたしております。  資材につきましては、在庫品を極力活用し、購買を抑制し、作業資産の回転を向上させることに努めた結果、資材在庫は逐次減少いたしておりますが、本年度におきましてもさらにこれを徹底して行く考えであります。  工事につきましても、工事計画早期樹立工事早期着工工事計画、設計、施工等に関する地方機関自立性確立等工事能率化に努めておりまして、二十八年度工事につきましては、すでに年度開始前に工事着手を行い、かつ工事が年間を通じて毎月平均して行われるよう詳細な工事線表を作成して、全工事能力能率的に発揮するように努めているのであります。なお二十七年度工事につきましては、加入者開通予算工程を四万も上まわる成績を上げましたにもかかわらず、基礎設備工事について相当量繰越を見ましたことはまことに遺憾でありますが、これも一部を除いては八月中には全部完了の見込みであります。  従業員給与につきましては、昨年十一月以来、ほぼ国鉄及び専売均衡のとれた給与といたしましたのでありますが、従業員勤労意欲の高揚と能率向上とによりまして、事業収支は、予算に比して収入においては約二十億の増収となる見込みであります。  昨年度においての、電信電話サービスの成果について申し上げますと、まず加入電話につきましては、共同加入三万七千を含む十八万一千の増加でありまして、総加入数百五十五万に達しました。この増加数事業創始以来の最高成績であります。しかしながら加入申込みで受理できない、いわゆる積滞数は、二十六年度末の三十四万五千が二十七年度末において三十七万七千に増加いたしております。  次に市内電話のかかる率につきましては、逐次向上いたしておりますが、六大都市における平均が五三・三%といつた状態で、まだ十分な成績を上げ得ないのでありまして、加入電話増加による輻輳救済代表番号制度拡充等施設の促進を必要といたしております。  公衆電話につきましては、簡易公衆電話委託公衆電話を合せまして、千百八十五増加し、合計七千三百九十となり、戦前の五千百四十八を上まわつているのでありますが、なお整備改善を要する状態であります。  市外電話につきましては、十五万五千キロの回線増加し、総計百十一万五千キロと戦前最高の八十万七千キロを三八%も越えたのでありますが、通話数において七八%の増加を見ておりますので、東京大阪間、東京名古屋間、東京仙台間等主要区間においては、待合せが、特急通話平均三十分程度になるという改善を見ております。しかし全体には待合せ時間が不均衡であつて、いまだに二時間、三時間の待合せを要する区間も少くなく、近郊通話においても交通機関によるよりも待合せ時間が長いといつたところも残つており、市外電話設備の大幅な拡張を必要といたしておるのであります。  次に電報につきましては、速度においても、正確度においても、ほぼ戦前水準に達しております。また電信電話施設の、障害につきましては、ようやく戦前程度水準に回復して参つたのでありますが、老朽施設戦時規格施設等、取替を必要とするものを相当多く擁しておりまして、これが保全に苦心いたしておるのであります。なお加入区域合併手動式電話自動化も進めておりますが、これらはごく一部しかできない状態であります。  また従来の電話機より通話明瞭度の高い四号電話機に約十万箇を取りかえたこと、一般専用線が二百五十二回線と従前の四四%も増加したこと、電報受付機関を増置するため、三百五十の郵便局、百三十の簡易公衆電話及び委託公衆電話電報受付事務を開始したこと等は、いささかサービス改善に一歩を進めたものと存じます。  公社も本年度において設立第二年を迎えるのでありますが、戦後電信電話事業に寄せられた社会の要望は非常に大きく、なかんずく電話サービス改善電話普及が濃も熾烈でありまして、公社はその設立一の自酌から一日も早くこの要望にこたえねばならない次第であります。この趣旨から、すでに昭和二十八年度事業運営方策を定めて各機関に示達し、さらに経営合理化を推進し、サービス根本的改善をはかつたのでありますが、二十八年度予算案におきましてもあとで述べます通り、一層能率向上経費節減サービス改善に努めているのであります。  御承知のごとく電信電話事業は、多年にわたり国家財政制約を受け、そのため電話については需要供給原則を無視して長年の間制限開通を行わざるを得なかつたため、電話戦前においても他事業に比して著しく立ち遅れ、電話に市価を生ずるような世界に例を見ない状態を示し、また市外電話につきましても、待合せ時間があるのが原則であるといつた状態のまま現在に及んだのでありまして、累積した拡充整備の不足の欠陥が、わが国における電話を容易に世界水準に達せしめ得ない窮地に追い込み、政治、経済、文化の各般にわたりはかり知れない損失を及ぼしているのであります。このような状態に対処しますには、長期電信電話拡充整備計画を立て、これを着実に実行して行く必要がありますので、公社発足とともに電信電話拡充長期計画を検討したのでありますが、資金確保可能性をも考え、電信電話拡張改良五箇年計画案を設定したのであります。  この計画は、加入電話を現在の四五%、市外電話回線を一〇六%、市外専用線を五二%増加するのでありまして、立遅れの最もはなはだしい電話基幹産業並水準にまで引上げ、わが国電話問題を根本的に解決する基礎をつくるための必要最小限度のものであります。この計画実施に要する資金は二千七百億円に上りますが、これを確保し得て計画実施が可能となりますと、重点的には電話サービスを格段に改善し得ることになる次第でありますが、この計画をもつてしても、国内全体の要望を満足させるにはなおほど遠いものがありますので、資金確保がさらに可能となれば、なお計画を追加する必要がありますし、またその後引続き五箇年計画等長期計画を用意しなければならないのであります。従つて五箇年計画実施拡張改良資金確保することが、わが国電話普及し、改善する根本的な要件となるのでありますが、御承知のように戦後の電信電話の復興は主として政府貸付金に依存し、新規電話架設についてはなお加入者設備負担金負担願う措置によつたのでありまして、公社発足以後は電信電話債券によつて資金確保することも可能となつたのであります。しかしながら政府貸付金及び電信電話債権につきましては、それぞれおのずから限度がありますし、加入者負担も現在最高九万円となつておりまして、これをさらに高額とすることは、電話普及をはばむこととなることは過去の事実が示しており、在来の政府貸付金及び設備負担金あるいは電信電話債券によつて、本計画実施確保し得るやいなや多大の不安を持つものであります。  他面、電話設備拡張改良と申しましても、たとえば市外電話回線を増すということは、市外通話が早くかかることとなり、明らかに現在の利用者の便益を増すものであり、また磁石式共電式に、共電式自動式にと方式を変更いたしますことも、現在の利用者利便となるものであり加入区域合併大都市における中継線増設のごときも、いずれもほとんど現在の加入者利便を増大するものであるばかりでなく、新規加入者がふえること自体が現在の電話利用の価値をその数に従つて増大するものであることは、電話サービスの特徴でありまして、五箇年計画におきましても、その建設資金の大部分はこれらのために投ぜられるものであり、新規加入者のみに負担をかけるべきものでないことは、特に現在の利用者の方々に御了解を願いたい点であります。  今回の電話料金改訂は、現行料金をもつてしては、既存設備減価償却も十分行われず、また建設改良に用いた借入金に対する利払いも困難な事実にかんがみまして、ある程度料金値上げが必要と考えられたのであります。もとより独占公益事業として、料金偽上げについてはきわめて慎重に、かつまた消極的に考えねばならぬことは申すまでもないことでありますが、現行料金をもつてしては、減価償却利子支払い、さらにまた元金の償還も不可能の状態であつては、わが国電話サービス改善する計画実施は困難でありますし、なおまた現行料金が他の公益事業料金と比較して必ずしも高位にないという事実をも考え、特に改良資金確保をはかるため料金値上げ措置政府に求める次第であります。公社といたしましては正確、迅速にして十分な電話サービスを広く公平に、そして適正な料金で国民の皆様に提供することを目伊として、まずその基礎を一日も早く確立するため、やむを得ず料金改訂を求めた次第でありまして、この措置国会の御承認を得られ、実施することとなりますならば、まさにわが国電詰問題根本的解決が可能となると確信いたすものであります。  最後に予算について申し上げます。昭和二十八年度公社予算案は、公社の当面する最大の問題であります事業経営基礎確立、安定した建設改良資金確保職員給与改善及び事業の合理的、能率的運営予算編成上の基本方針として、前に述べました五箇年計画及び料金改訂前提として定めたものであります。なお本年度より日本電信電話公社法が全面的に適用されることとなりますので、予算弾力化予算流用繰越等、前年度に比し大幅に改善され、事業経営の面からきわめて合口理的となり、企業体にふさわしい予算となつております。以下公社予算案内容につきまして御説明申し上げます。  損益勘定収入支出はともに総額で九百四十億円となつておりまして、前年度に比較して百九十四億円の増加であります。この収入の中には、本年八月より実施予定しております料金改訂による増収額百三十四億円を含んでおります。また支出におきましては、減価償却費のほかに七十六億円の金額を建設勘定に繰入れることになつております。支出内容をさらに説明申し上げますと、まず人件費につきましては、二百八十四億円でありまして、総経費の三二%を占めており、前年度支出予算において人件費が占めていた割合の二九%に比較いたしますと、四%三の増加になつております。この人件費増加は、当公社職員給与ベース国鉄及び専売公社とほぼ均衡のとれたベースにいたしたためでありまして、給与総額算定基礎となつております要員計画におきましては、施設拡張事業量増加にもかかわらず、新規増加については現在要員稼動能率を高めることを前提とし七、相当圧縮を加えている次第であります。次に利子は四十一億円で、総経費の五%を占めており、前年度支出割合に比して一%の増加となつております。また減価償却費は百九十一億円で、総経費の二二%を占め、前年度支出割合に比較して四%の増となつております。しかしながら以上の経費を除く一般経常物件費は三百五十六億円でありまして、総経費の四一%に当つておりますが、これは前年度支出割合と比較いたしますと八%の減となつており、絶対額においては十七億円の節減になつておるのであります。従いまして二十八年度損益勘定予算につきましては、事業設備拡張に伴い当然増加すべき減価償却費及び利子のごときもののほかは、事業経営費については相当思い切つた合理化能率化実施することとし、従業員の待遇についてはできる限り改善いたすことにした次第であります。なお前国会に提出いたしました不成立予算と比較いたしまして、料金改定率増加に伴う収支増加約五十三億円以外の点については、ほとんど変更を加えておりません。  次に建設勘定について御説明申し上げます。建設勘定収入支出はともに総額四百六十一億円となつておりまして、前年度と比較いたしますと百一億円の増加であります。前年度に較べまして特異な点は、運用部資金借入金を二十八年度はとりやめといたしまして百三十五億円減少したこと、電信電話債券発行額が百三億円増加し、そのうち七十五億円は一般公募によつて確得することとしたこと、それから料金改訂により損益勘定よりの繰入金が新たに七十六億円増加したことの三点であります。不成立予算に対しましては、預金部資金の借入四十億円をとりやめ、公募債券発行額百億円を七十五億円に減じ、これにかわるものとして、国際電信電話会社株式売却代繰入金二十億円を三十二億円に増加し、料金改訂に伴う損益勘定よりの繰入金二十一億円を七十六億円に増加いたしまして、国家財政負担を軽減し、一方安定した自己資金による建設改良資金確保方針をとり、総額においては変更を加えなかつたのであります。  建設改良工事計画につきましては、その重点を最も電話需要の急迫いたしております大都市電話充足及びその相互間の市外通話サービス迅速化、将来の電話増設基礎となる電話局舎及び市外ケーブル施設建設、並びに老朽施設の取替、改良に置いております。すなわち市内電話につきましては、需要の大部分を占めております東京に四万、大阪に一万八千八百の加入電話増設予定するとともに、昭和二十九年度以降における電話増設に備えて必要な電話局都心部建設することといたしておりますが、その他の都市においても、できる限り電話増設電話局建設をはかる予定であります。なお農村に対しましても、郵便局はあつて電話のない村に対し、通話機関を設置いたしますほか、できる限り公衆電話を設置して、農村に対する電話普及をはかる予定であります。次に市外通話につきましては、大阪名古屋相互間の通話待合せなく接続できるようにし、また京浜間あるいは阪神間等大都市周辺通話改善をはかりますとともに、四国、山陰、東北、北海道方面に対して幹線ケーブルまたは超短波無線搬送設備を整備し、市外通話改善をはかることといたしております。  以上をもちまして、公社の当面の諸問題に関しまする概略の御説明を終りたいと存じます。
  4. 成田知巳

    成田委員長 次に秋草公社経理局長より発言を求められておりますので、これを許します。秋草説明員
  5. 秋草篤二

    秋草説明員 ただいま総裁から事業概要並びに料金値上げ趣旨について説明がありましたが、私、経理局長としまして、その補足をさせていただきたいと思います。  二十八年度は、公社発足してから完全なる第一年度でありまして、前回の二十度に比べますと、いろいろな点におきまして、根本的な改革が行われております。すなわち経理面におきましては、公社法が全面的に適用されますので、従来の長い間の財務会計制度から離れまして、公社法のみの適用を受けることになつたのであります。詳しく申しますと、私どもの念頭の問題でありました官庁会計からの脱却ができたといつていいのでありまして、財政法会計法あるいは国有財産法、そうしたものの制約から脱却しまして、公社法によつて一切の財務会計が規制されるということになつたのであります。この点はわずかの経験でございますが、非常なる効果がありまして、私ども会計に従事する職員の一人としまして、非常に喜んでおる次第でございます。  さて、そうした根本的な改革が行われましたあとに、本年度予算ができるわけでありますが、今度の予算につきましては、公社法にございます通ら、今までと違いまして、公社企業活動につきましては、主として内部統制にまかせる。従来の歳入歳出予算款項目節によつておるところの大蔵省の統制というものが、非常に大幅になくなりまして、内部的な統制、内部的な自主的な責任にまかせていただくということになりまして、大幅なものとしては、お手元に差上げてあります予算総則というものに、概括的な拘束規定を設けまして、これに基いて細部的な活動総裁に一任していただくというのが、法律の建前になつておるのであります。その点につきまして、私どもは内部的には非常なる責任を感ずるのでありまして、またこれに伴う諸般の内部的な手続制度も整備しなければならないということになつたのであります。その点は、たとえて申しますと、予算性格が非常にかわりましたので、決算制度を徹底的に確立する必要がある。この点は数箇年前から着手しておりますので、やや満足すべき手続ができるようになつたのでありまして、いわゆる民間におきますところの企業会計制度というものが確立できたと申し得ると思います。それから会計監査につきましても、内部監査の強化という点は当然私ども自主的に考えなければならぬ問題となつておるわけであります。それから予算につきましても、従来の財政法的な予算と違いますので、内部的な予算統制を常時やる必要が生じて参りました。ことに通信局にこうした統制を大幅にまかせるということになりましたので、そうした予算統制の仕方も考え、またこれを監督する方途も本社で行わなければならない、こういう迫も当然考えなければ、公社法のできました目的に沿わないのでありまして、非常なる責任を感じておる次第であります。こうした考え方から初めて予算総則をつくつたのでありますが、それにつきまして概略説明申し上げたいと存じます。  予算総則はお手元に抜萃を差上げてございますが、まず十七条、十八条と申しますのは、いわゆる昔財政法予算外国庫債務負担行為といつたものでございます。これの内容財政法にうたわれた性格と同じでありまして、要するに予算にない支出を前年度に、たとえば二十九年度に支払うべきものを二十八年度中に契約なりそうした債務行為を行うことの許される範囲であります。それが十七条、十八条に掲げてございます。十七条にございますのは、建物を建てる場合、物をたくさん買う場合にも、年度末に来年度のものを用意するという必要から、そうしたお許しを得ておるわけでございます。十八条は風水害その他緊急なる場合にやむを得す予算外に物を買つたり、その他の役務の契約をするというような必要から出た一つ規定でございます。  それから十九条におきましては、今まではいわゆる財政法におきまして、官庁予算として款項目拘束というものは非常に厳正で、これの流用というものはなかなかきびしかつたのでございますが、こうしたことによつて企業活動というものはかえつて阻害されるという結果が生じておりましたので、公社法の改正の大きな目的はここにあつたのでございます。そこで今回公社法にのつとりまして、この点は役職員給与あるいは交際費、それから建設改良費の中の一部、あるいは予備費、こうしたもの以外は自由である。しかしこの四つのものにつきましても、郵政大臣監督機関承認を得て、これまた絶対流用ができないものでもない。そうした場合には監督官庁承認を必要とするということに、きわめて大幅な弾力が与えられたのであります。  それから二十条は繰越しの問題でありますが、財政法会計法時代官庁会計では、予算繰越しというものはきわめて厳正でございました。特別会計法になりましてこの点は逐次改善されたのでございますが、いまだ不満足でありましたのが、公社になりましてこの点は非常に自由になつた。ここに役職員給与交際費以外のものは、繰越しは自由であるということに相なつた次第であります。  二十一条につきましては、これは資金についての拘束国会が付与しておる規定でございますが、資金について一時借入金というのがございます。これは民間で申しますところのいわゆる運転資金のようなものでありまして、事業経営の中途において金が足りない、資本計画等においては一応目途はあるが一時、穴が明くというときに金を借りて来るという最高限度が、百二十億ということになつております。百二十億円は借りてもなせば、むろんまた百二十億円が限度になるわけでありまして、これは短期の借入れでございます。その次は、いわゆる公募社債に対する限度でありまして、これは七十五億を本年度は御審議を得ることになつておるのでありますが、一般の銀行、証券業者引受によりまして発行されるところの公募債限度が七十五億であります。そのほかもう一つ加入者引受、それから専用線引受受益者負担、こうしたものの限度額を八十五億としてございます。これについて、一言御説明を加えますと、この八十五億につきましては、収入支出予算におきましては四十八億を計上しておるのでございますが、八十五億との差額はいわゆる弾力条項でございます。従いましてその差額の三十七億というものは私ども企業努力によつて加入者増設、あるいは地元の債券引受が可能なれば、それだけの募集は許されるという意味でございます。それからその次にあとの方に、電信電話債券発行差額について特別な例外が認められておりますが、債券を募集します際に額面発行ができないで、たとえば九十九万円というような発行をするという場合に、多少資金調達に穴が明くわけでございますが、その分は資金の調達使用額まで発行を許されるという意味でございます。  二十二条の方は、一応収入支出予算において私ども企業活動の大幅の規制は受けておるのでありますが、事業の量が非常に多くなりまして、それに伴つて収入も多くなつて来る。そうした場合には事業活動に応じて、郵政大臣承認があれば、その増加する収入の一部を事業活動支出に使つてもよろしいという規定であります。これがいわゆる支出額に対する弾力条項と申してもよいかと思います。  それから二十三条は、公社法におきますところの財務会計制度について一つの規制的なポイントとして給与額というものが残されておるのでありますが、この給与総額をここでうたつておるのであります。私ども従業員給与総額を、役職員の業務手当その他あらゆる俸給、手当というものを一本にしまして、三百三十五億何がしという総額規定しておるのであります。原則として、給与総額というものを逸脱することはできないのであります。ただ特別な例外としまして災害があつた場合とか、あるいは不時の業務事態が発生しまして、当然支出しなければならないところの義務的な給与基準を守らなければならぬという場合に、この給与総額をオーバーするということが、郵政大臣承認を得てできることになつております。それから二十三条の後半の方に一つ特別な能率向上対策のための給与が認められておるのであります。これも電気通信省時代の後半期におきまして試みられた制度でありますが、これを予算総則に明らかにうたうことにいたしまして、私ども事業活動能率向上によつて収入予定より増加して来た、あるいは従業員の努力によつて経費が非常に節減することができたという場合には、その増収額なり節減額なりの一部を、郵政大臣は大蔵大臣と協議の上、従業員に還元するという規定でございます。いわゆる特別な給与と申すものでございます。  二十四条は臨時の給与と申すものでありまして、経済事情の変動とか、予測することのできない事態が突発しまして、どうしても臨時の給与を支給しなければならない、これはいわば給与予備費といつてもよろしいかと思いますが、二億ほどございます。  二十五条は当然な規定でありまして、私どもの勘定は損益勘定建設勘定、資本勘定、それから貯蔵品割掛勘定、工作勘定、この五つの勘定になつておるのでありますけれども、この貯蔵品割掛勘定、工作勘定と申しますのは、民間企業で申します中間勘定であります。貯蔵品割掛勘定と申しますのは、物品を調達するための一切の経費であります。調達に要する経費はむろんのこと、輸送、倉庫保管、整理、梱包、そうしたものに要する一切の経費を一応貯蔵品割掛勘定から出しておるのであります。こうしたものは結局は損益勘定なり建設勘定に転嫁されて通り抜けて行くのであります。工作勘定は、全国に私どもの工場がございまして、修繕をやつております。その修繕の工作をこの工作勘定で一応しぼるわけでありまして、その工作工場におきますところの工作活動をここの勘定に一応掲げまして、結局これは事業の保全なり建設のために使われるのであつて、すべてそこに流れて行くのであります。従つて中間勘定であります。そうしたものでありますがゆえに、ここに掲げております勘定の数字は、むろん必要に応じて多少超過してもさしつかえないのでありまして、これは事業会計原則から当然のことでございます。  最後に二十六条に書いてあることは、私どもは物を買うことは現在予算上の拘束は別に受けないのであります。資金計画として認められている範囲において、最も合理的な物の買い方をすることは必要なのであります。幾ら幾ら買えということも必要でなければ、幾ら以上買つてはいけないということも企業から考えればおかしいのでありまして、品物を最も有効に回転させるということに尽きるのであります。しかしながら現在の段階では年度末になつて百五十億以上の貯蔵になつてはならぬという、ここに最高限度をしかれておるわけであります。やむを得ざる事態が起きても、ここまでしか保有はいけないという規定がございます。そのほかに、一番最初の十七条に申しましたいわゆる來年度予算のために物を買つておく金額というものも、それぞれ物品につきましては五十億、本年度の二月、三月ごろに来年度のために用意することのできる金額は五十億、それから建物その他の建設を契約しておくということも三十億は許されるだろうというのが、予算書の数字としては表われております。  以上をもちまして総員の概要の説明を終りたいと思いますが、なお手元に差上げましたところの数字について御質問がございますればお答え申したいと思いますが、今回の大きな問題としますると、先ほど総裁説明申し上げましたように、料金改訂が大きく収入面に反映いたしまして、そのために建設勘定資金計画に大きく今までとはかわつた性格が現われて来ております。料金問題につきまして、なぜその必要があるかというようなことは、詳細総裁から御説明申し上げましたので、私からは省略さしていただきます。ただここで特に減価償却の問題について二言だけ申し上げておきますと、従来私どもの前身、電気通信省あるいは逓信省におきまして、八十年の電気通信事業の固定資産の維持が行われていなかつた。怠つて来た。と申しますのは、減価償却制度というものを採用いたしましたのは昭和二十四年の電気通信省になつてからでありまして、その以前におきましては、こうした民間におきます資本の実態を維持するという会計学的な制度は採用されておらなかつたのであります。最も原始的な取替補充という制度で行われて来たのでありますが、その制度も絶無ではないのでございますが、きわめてわずかの取替補充であつたわけであります。今日まで資本維持をしなかつた欠点が来ておると申して過言でないのでありまして、そのために一挙にこれを取返すということは、非常なる一時的経費負担になるわけでございして、特に特別償却のごときものは、大体二百三十五、六億のものを急いで今すぐにでもしなければいけないものがあるのでありますが、これを一挙にやるということは非常に大きな料金負担になるというので、大体十年でこれを早く片づけようという考えが一つあります。それからも・一つは、資産を再評価いたしまして償却する、償却費を換算するということは当然でございますが、これも一応前庭までは、昭和十四年の六月現在の、いわゆる民間で申します再評価法の基準にのつとつてつてつたのでございますが、その後の物価変動もかなりはげしくありましたので、大蔵省と協議の上、一応二十六年三月現在までの変動にあらためて基準を置きまして、ここに最も合理的な再評価を一応考え、それにのつとつたノルマルな減価償却費を計上したということがあるのであります。そうしたものを合計しまして、年間百九十一億ほどの減価償却が見込まれたのでありますが、この程度でも実は長い間の資本維持を怠つて来たことを取返すことは十分ではないのであります。大体大きな問題について御説明を終りたいと思いますが、何か御質問があつたらお答えをいたしたいと思います。
  6. 成田知巳

    成田委員長 ただいまより質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。玉置信一君。
  7. 玉置信一

    ○玉置委員 私は二、三分間時間をかりまして、総裁にお伺いしてみたいと思います。  わかり切つたような話でありますが、国の経営と独占公企事業なつ公社経営と比較いたしまして、公社になることによつて、かつての国の経営とどういうように異なる点が出て来るか。どういう点が現在の国内の需要者に改善され、あるいは喜ばれるというような点についての何か御方針があると思うのでありますが、伺いますと、総裁はその道のエキスパートのように漏れ承つておりますので、まずその点を最初にお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
  8. 梶井剛

    梶井説明員 公社が発足いたしましてからまた一年に足りませんので、従来の政府経営の場合と、公社が委託されて経営する場合との相違が、顕著に結果としてはまだ十分に現われてはおりません。しかしただいま経理局長が御説明いたしましたように、会計法上の制約が非常に少くなりましたために、経費を最も有効適切に使い得るということが第一の問題であります。それは現実の問題といたしまして、最初計画を立てておりましてもなかなかその計画通り実行がうまく運ばない。しかしその場合には適当に流用をいたしまして、そうして他の有効適切な方面にその金を使うことができる。従つて会計法上の制約がないために、きわめて能率的に、合理的に事業が運べるということであります。  それからその次の問題は、公社といたしまして事業経営して行きます際に、収入予定よりもよけい上つた、あるいは支出予定よりも少くなつたというような場合に、それは決算の面におきまして剰余としてその金額が出て来るわけであります。その金額は、その翌年の予算において財源として認められ得るということであります。従つてどもとしましては、従業員もみな働きがいがある。働いてできるだけ経費をむだ使いしないようにすることによつて、公衆の利便をそれだけふやすことができるという考えになりまして、勤労意欲が著しく違つて参りましたということであります。  その他こまかい問題といたしましては、われわれは当初前年度において計画を立てておりますけれども、事実地方の特殊の事情が十分にわからない場合がときどきございます。そういう場合に、その地方の方のいろいろな要望を伺いまして、そうして当初の計画を多少なり変更し得るということであります。たとえばある地域が特に非常に通信上の不自由をしておられる。それをわれわれが十分了承しませんで、もしそのまま放置しておきますならば、その土地の方は非常に不便を感じられるわけでありますが、その事情を私らが伺いまして、計画の中にできるだけ編入して行く。つまり計画弾力性が与えられまして、先ほど申しましたように予算のわくの中で流用することによつて、その土地の方の要望を入れることかできるということであります。  それからこれは先ほど申しましたように、公社になりました結果、従来の官庁の場合と違いまして、社債を募集することができる。従つて拡張改良の財源は、単に政府の財政のわくばかりでなく、社債消化の程度に応じまして、社債によつて財源を見出すことができる。従つて従来よりも拡張改良資金が得られやすくなつたのではないだろうかという感じがいたします。しかし事実この予算の面におきましては、御承知の通り政府預金部資金はゼロになつておりまして、そうして社債のわくも本年度におきましては、すでに三箇月経過しておりますので、社債消化の面からいつて、当初百億でありましたものが、七十五億に減らされるというようなこともありまして、実際問題といたしましては、蕨府の預金部資金を借りる限りにおきましては、政府の財政の影響を受けるということは、これは免れないことであります。しかし今後政府預金部資金を全然拝借しないということになりますと、あとは社債の募集し得る限度というものによつて、われわれは拡張資金が得られるということになるのでありまして、公社の信用そのもの並びに金融市場における消化力というものによつて建設資金が得られる。それからこれは全然今手をつけておらないのでありますが、電力事業におけると同じように、もし外資導入ができるということでありますならば、その外資導入せられた金額だけは、やはり建設改良資金として得られるというような点でございます。以上大体大きな項目だけ申し上げます。
  9. 玉置信一

    ○玉置委員 ただいまの総裁のお話で、国の経営と異なつて将来考えられることは、外資導入の便宜のみにあるように考えられるのですが、それがない限りは、どうも先ほどの全般的な総裁の御説明を聞いておりますと、結局は資金の問題に帰してしまうように思う。五箇年計画の遂行にあたつて、あるいは今後の社会情勢といいますか、国内情勢あるいは産業その他万般にわたる面から考えて、一般需要度が増して来る。そうなりますと、それに即応した施設をしようとすると、何といつて資金にもどつて来るわけですが、それで資金の面は、お話を聞きますとはつきりしましたが、公募によるという点につきましても、これはなかなか容易ではないのではないか、社債消化の点についての見通し等も承れれば幸いでありますが、私案は一昨年アメリカに参りまして、アメリカの電信電話の実情等もほんのアウト・ラインだけを見て参りましたが、あそこまで発達すると、まつたくこれはすべての点に非常に恵まれるように考えました。特に向うは申すまでもなく会社でやつておるようですが、商店の注文取りのように月々きめまして、年末は特別サービスをいたして、私の局に電報を打つようにしてもらいたいというようなことで、個々を訪問して非常なサービスをいたしておる。あそこまで行くことが公社になつて私は非常に意義があるのではないかと思いますが、しかし公社たる本質的な面から考えると、そこまでは行けない。会社でなくてはやれないということはよくわかりますが、公社なつた以上は、金の面は無視できませんが、資金の面ばかりでなくて、何かもう少し別な、もつと形のかわつた経営方針が生れそうであるように考える。せんだつて新橋の公衆電話に行つて、皆さんのお話を聞くと、非常に憤慨しておる。何で憤慨しておるかと思つて聞いてみますと、どの電話もどの電話もこわれて出ませんというのです。故障のことはやむを得ないとしても、こういうような故障が全国的にあるのじやないか、そこまで調査をすることもサービスとして大事なことじやないかと思います。かような小さな問題を例に指摘して申し上げることは当を得ませんが、少くとも経営方針についてはもつと形のかわつた方向に進むべきじやないかと思いますが、何かもう少し斬新的といいますか、良案といいますか、経営方針についての総裁のお話を承ることができれば非常に幸いと思います。  それから先ほど局長さんから工作工場という言葉がありましたが、この工作工場においてはどういうものをつくつておられますか。今日の電話架設資材というものは多く民間の工場に依存しおるのじやないかとわれわれは考えておりますが、ただいま工作工場があるということを聞きますと、これは電話架設の上にどの程度寄与いたしておるか。  それからこれは、しろうとでありますからよくわかりませんが、電信事業においては最初から黒字になつて見通しのついておるものでありましようが、電話事業においては、なかなか容易でないように私も承つておりますが、これらの見通し等もお伺いできれば非常に幸いと思います。
  10. 梶井剛

    梶井説明員 先ほど申しました通りに、公社発足以来まだ一年になりませんので、サービス改善という点につきましては、まだ十分行き届いておらない点が多々ございます。ただいま例にあげられました新橋の公衆電話のように、故障で公衆に非常な御不便をかけておる点があると思うのですが、公衆電話は不幸にしまして料金がほとんどと申してもいいほど、二割ぐらいしか入らないというような現状になつております。従つて公衆百電話に小さいコインを入れてやるようにしなくてはならないのでありますが、過去における日本の硬貨の発行がおそかつたために、そういう電話機を使うことができなかつた。本年度から硬貨の用いられる公衆電話機を使いまして、よく通ずるようにいたしたいと考えておる次第であります。もちろん公社となりました以上は、先ほど申し上げましたように、公社の使命というものは、公衆へ最もいいサービスを提供するということでありますから、私どもサービス本位ということで全従業員要望しております。しかしただいま申しましたように、このサービス改善というものは施設を伴つて参らぬといけませんので、やはり年々歳々改善して行く以外には、飛躍的に改善するということが非常に困難であるということでございます。  それから次の工作工場でございますが、仰せの通りに器材は民間の製造会社から購入しております。ただわれわれといたしましては修理をする工場を持つていないと、撤去したものをそのまま放置するわけに参りません。従つてそれの原因を確かめる、そしてこれを修理してさらに再使用するというために、きわめて小規模の修理工場を持つております。これを工作工場と申しておるにすぎません。量の多いものはもちろんかような工作工場でやることも不可能であり、また事実やりますれば不経済に流れますから、そういうことはやらない方針をとつております。  電信の問題でございまするが、電信は御承知の通り世界各国においても収支相償わない事業でございます。それで公社の電信事業においても、二十七年度において約五十数億円の赤字を出しております。その赤字は電話の収益によつて補う以外に方法はございません。電話の方は、大体において地方の電話割合に収益が上りません。しかし現在においては市外通話によつて収益が比較的上つております。それで収支が償つて、なお電信の赤字を補つておるわけでありますが、今後電話をだんだん拡充整備して参りますと、ある意味において、収入は一回線当り必ずしもふえるとは申せないであろうと思います。たとえば東京大阪間に現在特急通話、至急通話あるいは普通通話をやつております。しかし回線がだんだんふえて参りますと、特急通話割合はだんだん減つて参ります。至急通話割合もだんだん減つて参りまして、普通通話が大部分になります。従つて料金収入という点からいうとあるいは減るのではないか。回線がふえるに従つて消化する通数はふえますから、待合時分が短縮されて、今の収入単位としては減つて行くのではないだろうか。しかしこれは、たとい収入単位が減つても当然のサービスであります。現在の不便な電話を便利にするためでありますから、われわれとしては当然いたして参らなければならぬわけであります。先ほどアメリカの例を申されましたが、アメリカは世界で一番電話の発達しておる国でございます。そしてまた過去においてずつと民営でやつて来ておりますから、事業経営上においてもよほど能率的にやつておるものと考えなくてはなりません。ただアメリカの賃金は日本の賃金よりも非常に高いものですから、日本の約倍の人件費支出されております。しかし向うとしては人件費をできるだけ少くするために、自動交換等を広く使い、またその他無線局、中継局、中継所というところも、だんだん無人の中継所、無人の無線局を使うようにいたしております。そういうようなわけで、われわれとしては低家賃で行われておるからこそ、三十数パーセントの人件費で済んでおるのでありますが、将来だんだん国民生活が向上するに従つて、もつと高能率を発揮しなければならぬ。従つて電話事業の将来については、利便が増せば増すほど経営能率化合理化を行わなくてはならぬのでありまして、将来経営が楽になるというような安心感は絶対に持つておるわけではありません。
  11. 玉置信一

    ○玉置委員 先ほど農村に対するお話がございましたが、私案は北海垣出身でありまして、六大都市を除いた他の商業都市と比較いたしますと、原始産業が主である北海道の電話網というものは、御承知のようにきわめて少いわけです。ことに農漁村、その中でも漁村のように、季節的に見まして原始産業の中でも最もはなやかにして非常に忙しい仕事をしておる面に対しての電話がきわめて少い。公益事業という性格からいたしまして、これを内容的に見れば、形に現われないまでも、プール的に行けるわけであります。私はこういう面にもつと積極的に仕事を進めて行くべきでないかと思うのですが、現在どういうお考えでおられるか、この点をお伺いいたしたい。
  12. 梶井剛

    梶井説明員 もちろん公共事業といたしまして、われわれは収益本位で事業経営しておりません。しかし現在の電話需要という点から見ますと、農村は比較的普及しておつて大都市の方が要望が熾烈になつておる。そのために先ほど申したように大都市に相当重点を置かなければならぬということを申したのであります。しかし市外通話という点におきましては、農村割合に不便になつておると思います。従つて今後におきましては市外線は重要都市ばかりでなく、僻地に至るまでできるだけ連絡をよくし、かつ待合時間を少くするという方針で五箇年計画を立てております。ただ現状におきましては、御承知の通り北海道は地域が非常に広く、いわば一平方キロメーターに対する人口の密度が中央よりもずつと少いものでございますから、市外線において僻地まで十分に行き届いてないという点があると思います。しかし今後北海道開発計画と同時に通信施設もそれに即応してやつて行こうという考えであります。
  13. 玉置信一

    ○玉置委員 それではあとは一応保留しておきます。
  14. 成田知巳

    成田委員長 原茂君。
  15. 原茂

    ○原(茂)委員 詳細な御説明の資料をいただきましたが、これはこまかい点はあとへ保留しておきたいと思います。郵政大臣がおいでになりますと今日は非常によかつたのですが、大臣よりもつとベテランがおいでになりますから、足りないところは補つてもらうことにいたしまして、まず第一に、今度御提案になつております全般的な問題から入りたいと思います。公衆電気通信法案全体を通じまして、PBXの問題、日常の問題と、料金値上げ、これが一番大きな問題になると思うのです。  料金の位上げの方を先にお伺いしますが、前の十五国会におきましては約一割の姉上げということであつたのです。今回料金改訂増収額百三十四億という資料が配られたわけでありますが、料金値上げ内容を簡単に先にお伺いしたいと思います。同時に、何ゆえにさきの十五国会の一割が、半年足らずのうちに今御説明願うような率にかわつて来たのか、その間のこまかい説明をお伺いしたいと思います。
  16. 梶井剛

    梶井説明員 この前の国会に提出しました予算は、仰せの通り一割の料金値上げになつております。それは増収率において一割ですが、今度は増収率において二割五分になつております。その当時の考えといたしましては、私ども五箇年計画を立てまして、将来を見ましたところが、何分にも事業経営借入金本位で行われておりますために、年々歳々利子の支払いが増して行くのであります。そして五箇年の後半期におきましては、利子の支払いの負担によりまして赤字になつてしまうということを承知いたしました。従つて現在の料金で参りましては、将来拡張は十分にできないのでありまして、赤字の補填だけは今日やつておかぬと、そのときになつて急にはできないという考えのもとに、実は計算をいたしたのであります。従来は、御承知の通りに大蔵省の預金部資金を相当借りております。これに対しては全然返済をしておりません。従つて利子だけを支払えばよろしかつたのであります。ところが今回新規加入者負担してもらいまする社債、これは五箇年間すえ置きの後に、六年目から五箇年間に年年償還しなければならぬ。それからまた一般公募の社債につきましては、まだ条件がはつきりきまつておりませんけれども民間の社債は大体三年間すえ置きで、その後に一挙に償還するというような現在における経済情勢にあります。公社の社債は、政府が保証されますので、三年というような短期でなくともさしつかえないだろうけれども、五年または七年のすえ置きでもつて、その後に一挙に償還するというような方法をとらなければならないだろうという説でございます。従つて今後預金部資金一般公募の社債にかわります際には、これをかりに五年すえ置くものといたしますと、六年後においては償還しなければならないということになるのであります。この減債基金と申しますか、年々歳々償還する資金を積み立てておきませんと、六年目にさような多額な剰余金が出るというわけには参らない。従つて一般公募の社債の方針をとられると同時に、われわれはさらに将来のことを考えまして、収支相償うだけの積立金をしておかなくてはならぬ。その積立金はもちろん現金で積み立てておくわけではありませんので、それを拡張改良資金流用して行くという考えであるわけであります。また預金部資金につきましても、現実の問題といたしまして永久に返さないということはできないと思います。従つてわれわれはもつと長期に返す。かりに二十年間にこれを償還するものといたしますると、どうしてもある程度の償還財源がない限りはできない。そういうようなことを考えた上に、さらに従来減損償却は、二十四年六月の物価指数をもつて減損償却の積立てをやつておるわけであります。ところが大蔵省と話し合いました結果、その後インフレーシヨンが進んでおりまして物価指数も相当かわつておりますので、二十六年の三月の物価指数によつて減損償却をやつてもいいということになりました。従つて現在は不完全な減損償却をやつておるわけでありまするから、それを完全に減損償却するならば、さらに収入が不足であるということに相なります。また終戦後非常な赤字でありました当時におきましては、減損償却というものは全然しなかつた。従つて現在におきましては、償却不足の金額というものが相当ございます。今後十箇年間にその償却不足の分をだんだんに補導して行くというような計画のもとにやつて参りますと、さらに財減が必要になつて来る。これらのものを、あわせ考えまして計算いたしましたところが、二割七・八分の料金の値上げを必要とするという結論が出るのであります。従つて今回大蔵省との折衝の結果、二割五分の増収率にするということが出て参つたわけであります。
  17. 原茂

    ○原(茂)委員 増収率が二五%というのには何か含みがあるのですか。増収率というのは、消費者が支払う額がそのまま増収率になると解釈してよろしゆうございますか。
  18. 梶井剛

    梶井説明員 そうでございません。増収率というのは、つまり財源で見ますものですから、それだけの収入増がなければつじつまが合わないというわけでございます。従つてそれだけの増収を得ようとしまして料金改訂するといたしますと、二五%ではなくて、二七%か八%というような料金値上げの率におのずからなるわけであります。なおそのほかにわれわれといたしましては、さような料金値上げをいたしますると利用域というものが当然に起ります。それらの経験に徴しまして、どういうものは何パーセント落ちるかという大体の数字を持つているわけであります。それによつて利用減をさらに引いて計算をいたしまして、二五%の増収率に対してはどれくらいの料金値上げを必要とするかという計数を出したのであります。
  19. 原茂

    ○原(茂)委員 本来この種の事業内容向上を期そうというので、それをすべて一般大衆に向けることは、私どもにとつては反対しなければならない立場にあるわけですが、公社でお考えになりましても、この料金値上げが当然だとは、ちよつとお考えになつていないだろうと思う。ここへ来るまでにはすいぶんあの手この手、もう少し値上げの率を低くする方法はないだろうかということを考えたものと思うのです。そこで考えた中に、今御説明のあつたものに私の考えついたことをひとつお考えになつたらどうかと思うのでお伺いしたいのです。預金部資金の償却は今返還をやつていないのです。が、これの利子の約四十一億は払つておりますし、払わなければいけない組入れをしておるわけです。この利子の支払い停止ということをもし考えて行けば、値上げの率が大分少くなつて行くので、少しでも大衆に迷惑をかけないという点から、もう一つ何か手があるとすれば、利子の支払い四十一億を停止するというようなことを関係大臣と相談したことがおありかどうか、今後そういうことを思い切つてつてみないかどうか、その御意思を伺いたい。
  20. 梶井剛

    梶井説明員 利子を支払うことは、私どもは実は当然の義務だと今まで考えておりまして、従つて支払い停止をするということは相談いたしましても、とうていまとまらないと考えておりますために、今日までさような協議をしたことはございません。
  21. 原茂

    ○原(茂)委員 それでけつこうですが、従来でも利払い停止をやつたことはほかの方面でもたくさんあるわけですから、そう何もあきらめずに、この際値上げをできるだけ低くするためには、相当つつ込んでお考えになつてもいいのではないか。その点、またあとでできたらお考えを願いたい。  次にPBXの問題ですが、最初にお伺いしたいのは、公社総裁の立場として、この問題が起きます当初から自営にすることに積極的でおありになつたのか、むしろ公社よりは郵政当局関係からこのことを強く希望されたり、要求されたために、これに応ずる態勢で、このPBXの自営がこの法案の中に織り込まれて来たのかどうかということを率直にお答え願いたい。
  22. 梶井剛

    梶井説明員 公社がPBXを直営しておるわけでありまするが、御承知の通り従来私設交換の設備につきましては、希望者からその設備を全部寄贈してもらうということをやつておつたわけであります。それが相当の金額に上るにもかかわらず、それを設備される人の所有権に属さないで、公社の所有権に属するということは、いかにも財産権の侵害になるように考えられるのであります。しかし今日におきましてはそれを改めまして、もしそういうような場合におきましては、その相当の金額に対しまして社債を発行する。そうして将来において償還するという制度をとつておりまするから、財産権の侵害にはもはやなつておりません。しかしそれにいたしましても、私設を希望する方の都合によりましては、自分の思うような設計の私設交換をやりたいという方法もございます。また自分が自由に保守をし、自分が自由にそれを変更するということのできる自由さを持ちたいという方もございます。そういう意味におきまして、私設交換を自営したいという希望の方が相当出ております。従つてわれわれといたしましては、すべてを公社でやらなければならないというようなことを主張する理由が見出されません。従つてどもは、現状から申しますると、PBXは公社がやつておりました方が成績がよろしいのでございます。ではございまするけれども、そういう民間の方々の希望をいれるということを絶対に拒むということができませんので、その希望におきましては、その方の自由にやつていただこうという考えにすぎないのでございます。決して積極的にこちらから考えてやつたわけではありません。
  23. 原茂

    ○原(茂)委員 御説明によりますと、民間でどんどんやらせるというようなことに対しては、公社は従来の成績などから見ても賛成ではなかつたように聞いたわけですが、しかしそれでもこの法案がもうすでに三国会を通じて審議されておりますうちに、巷間うわさに聞きますと、PBXの自営に関係して、大きな民間会社ができて、これを通じてこの仕事をトンネル式にやつて行こう、こういうような話を、もうすでに私ども耳にしておりますが、公社あるいは監督官庁である郵政省からお考えになつても、将来こういう民間会社ができる場合、できるだけ大きなものに一本化して、これに何がしかの公社としての援助なり、あるいは指導を行おう、こういつたようなお気持がすでにおありなのではないか、こんなふうにもとれるわけですが、その点に対してお答えを願いたいと思います。
  24. 梶井剛

    梶井説明員 ただいま初めてそういう話を伺いました。私自身としては、そういうことを考えてはいません。ただ常識的に考えますると、昔施設業者というものが相当数多くありました。それが相手がしろうとでありますために、ときによると信用のない施設業者は、悪いものを供給した例もないとは言えないのであります。そういお意味から申しまして、われわれとしては十分それを検査して、そして認定した後に使つてもらうわけですが、そういう場合に非常な手数がかかる。そういう点から申しますと、できれば信用のある、有力なる施設業者と申しますか、会社というものがありますれば、われわれの方としては手数が省けるということは言い得ると思います。それで今日の仕事の運営から申しましても、要するにできるだけ信用のあるいいところでやつてもらうことが一番安心でありますから、そういうものがあればいいと思いますけれども、現状においては全然ありませんので、現状において信用のあるところにやつていただくよりしかたがない、そう考えます。
  25. 原茂

    ○原(茂)委員 それで将来これがもし成立した場合でも、公社あるいは当局が国際電信電話株式会社との連繋になりますが、それに対して連繋を持つたというような関係のことは、一切しないということがわかつたわけですが、それはその点でけつこうです。  あとは、今経理局長の御説明の中の問題から先に入つて行きたいと思いますが、予算総則の二十二条で「事業のため直接必要とする経費」この支出は大臣に相談して総裁がかつてに使うことができる、こういうことになつておりますが、この直接必要とする経費の、特に内部統制にまかされているそうですから、大体予想される内容を御説明願いたいと思います。
  26. 秋草篤二

    秋草説明員 「直接必要とする経費」と申しますのは、ここで事業量増加した、従つて収入増加した、だからその差額支出に充てるといつても、その使い道が、たとえば線路の保守に使う、機械の修繕に使う、そういうような事業自体の直接の経費増加に充てるものでなければいけない、従いまして、逆に申しますれば、たとえば厚生施設に使う、病院に使う、あるいは倉庫を建てる、そういうことになりますと、これは直接事業の必要とする経費であるとは申せないわけであります。ですから、問題によつては、限界が非常にむずかしいものがありますが、常識的に相当はつきりわかるわけてあります。
  27. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、従業員の給料などは入りますか。
  28. 秋草篤二

    秋草説明員 これは給与ペースがございますから、超勤のようなものは一応入つております。本俸のようなものをこれによつて直すということは当然できません。
  29. 原茂

    ○原(茂)委員 この問題は、あとで詳細にわたつてまた質問いたします。
  30. 成田知巳

    成田委員長 今の原君の質問に関連しましてお尋ねしたいのですが、直接必要とする経費という中には、超勤は入るというお話だつたですが、あと二十三条の二項の関係、これはいつも問題になつておる点ですが、この際明らかにしておいた方がいいといます、
  31. 秋草篤二

    秋草説明員 先ほど原先生の御質問に対するお答えを、ちよつと訂正させていただきます。「直接必要とする経費」の中に給与はあるかということでございましたが、これは超勤は入つておりません。賃金でございます。それから二十三条の後半の、いわゆる能率向上対策費でありますが、これはここに明らかに前項の規定にかかわらず、と書いてあります通り、この給与総額のほかに、能率向上のため超過勤務手当、それから賃金も含まれておりますが。そうした経費を出すことができるということになつております。
  32. 成田知巳

    成田委員長 今二十二条の解釈を御訂正になつて、超勤は入つていない、賃金だと言われたですが、これはどういう意味ですか。
  33. 秋草篤二

    秋草説明員 二十二条は二十三条と違いまして、われわれの給与総額というものは一応二十三条で押えられているわけです。この二十二条でうたいますのは、二十三条以外の経費について、事業量増加があつた場合にはその収入の一杯を、直接必要とする経費に秀でることができるのであつて、それには給与総額にないものをうたつておるのであります。従つて超過勤務のようなもの、その他本俸は入つておりません、こういう意味でございます。
  34. 成田知巳

    成田委員長 そこで私お尋ねしたいのですが、直接必要とする経費というのは、超勤が入つておるという御説明を訂正されますと、超勤は入つていない賃金だというわけですね。賃金が直接必要とする経費の中に入るのですか。
  35. 秋草篤二

    秋草説明員 賃金も入るのです。いわゆる庁費の中には賃金が入るのです。これは人件費ではないのです。
  36. 成田知巳

    成田委員長 賃金というのは人件事ではないのですね。
  37. 秋草篤二

    秋草説明員 そうです。
  38. 成田知巳

    成田委員長 それで二十二条と二十三条の関係ですが、二十二条は事業量増加というので、たとえば職員の勤務成績向上というよりは、客観的な事業量増加によつて予定した金額に比して収入増加し、経費節減される、こういうものは直接必要とする経費に充当することができる。その場合は郵政大臣承認を得ればいいということになつておりますが、二十三条の職員給与の場合、これは二十二条と違つて職員能率向上によつて収入増加し、経費が減少したわけです。この場合、二十二条の場合は郵政大臣承認を得て経費に充当できるにもかかわらず、二十三条の場合は郵政大臣が大蔵大臣に協議して定めるところにより郵政大臣承認を得る。これ工逆じやないかという気がするのですが……。能率向上なんですから、当然郵政大臣承認を得ればいいので、大蔵大臣と協議する必要はないのじやないか。二十二条の場合は客観的な事業量の旭川ですから、この場合はむしろ逆に大蔵大臣が協議してもいいと思いますが、その点はどうですか。
  39. 秋草篤二

    秋草説明員 この精神は公社法をつくりますときの精神からあつたと思うのでございますが、予算のわくをできるだけとりはずすという議論があつたわけです。そこで結局国会で法律ができますときに、給与総額というものについて一番最終的な規制を置こう、これが徹底した一つの精神であつたのであります。そこでこの給与総額というものを乱すと申しますか、超過するということ、これが一番問題であり、警戒すべきことである。あと総裁の自主的な活動にまかせても、給与総額だけは最も厳正に取扱わなければいかぬという原則が徹底しておりましたために、能率対策に伴うところの費用増というものでも、やはり大蔵大臣というものがここに入つておるわけであります。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 次の質問に入りますが、今の点に結局関連するわけですが、総裁がきよう御説明になりました資料の第三ページの終りの方に従業員給与についてうたつて勤労意欲の高揚と能率向上によつて事業収支予算に比して二十億の増収を見込んでおられる。この二十億の増収は一体二十三条の後半の「前項の規定にかかわらず、」という条項に当てはまる金額でございましようか。
  41. 秋草篤二

    秋草説明員 ただいま原先生の御質問の二十七年度勤労意欲による収入増加、これが二十三条に当てはまるかどうか。これは一概に全部当てはまるとも申せませんし、また当てはまらないとも言えないのであります。と申しますのは、ここで総裁が御説明したものは収入総額でありまして、むろんそれには事業量増加に伴うものもございますし、能率向上に伴うものもあるのであります。現に能率向上に伴うものとしまして二十七年度に私どもの方では能対費、能率向上対策費と申しますが、これに対して二十七年度は、ちよつと数字は正確に記憶はありませんが、十億ほどのものを従業員能率対策費として支出したのであります。一部は未収入に上つておりますから、二十八年度に現金は払うことになりますが、一部は払い済みであります。でありますから、そこに総額がただ載つておるのでありまして、それは分析しなければ一概には出て参りません。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 この説明の資料の従業員給与についてという見出しで、二十億の収入増が見込まれておる。その内容従業員能率向上の結果生じた金額だという説明があつた。とすればこの前項の規定にかかわらず公社職員能率向上による、経営改革による収入予定より増加した場合には、予定より費用が節減したときはという条項に当てはまるのが当然じやないかと考えるのでありますが、いかがですか。
  43. 秋草篤二

    秋草説明員 これは特に従業員給与についてという見出しでは、ございません。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 間違いですか。
  45. 秋草篤二

    秋草説明員 そうです。そういう態度ではないのであります。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。それと川前に委員長が御質問されたのでありますが、今の二十三条の後半のものと二十二条の直接必要とする経費、これとの関連は、人件費ではなくして賃金だからという御答弁が先ほどあつたのであります。そこで人件費というのと賃金というのとを詳しく御説明していただきたい。
  47. 秋草篤二

    秋草説明員 この言葉は民間で使う人件費というのとちよつと合わないような感じがいたしますが、人件費と申しますのは給与総額といつた方が早いと思います。物件費というのは私どもの内部的な建前では非常に広い意味にとられております。たとえば物件費と申しましても、退職手当とか、旅費とか、それから庁費、これらはほんとうのいわゆる物の金でありますが、狭い意味の物件費であります。それから賃金とか委託業務費とかいうものを、内部的に物件費と称しているのでありまして、これは予算上の科目とか何かではないのでありまして、内部の予算作一成上の名称としてやつておるのであります。賃金は明らかに官庁では今まで物件費になつておるのであります。人件費に入つておらないのであります。
  48. 梶井剛

    梶井説明員 先ほど原委員のPBXの御質問に対しまして、私のお答えしましたことがちよつと間違つておりましたので、訂正さしていただきます。現在PBXの施設のときには、設備費の負担金は金でもらつております。今度この国会に提案されております公衆通信法で初めて社債に切りかえられるのでありまして、現在すでに社債に切りかえておるわけではありません。
  49. 成田知巳

    成田委員長 ちよつとお尋ねしたいのですが、今の原君の質問に関連してですが、「従業員給与につきましては、昨年十一月以来、ほぼ国鉄及び専売均衡のとれた給与といたしたのでありますが、従業員の勤労意慾の高揚と能率向上とによりまして事業収支は、予算に比して収入においては約二十億の増収となる見込みであります。」こう御説明になつておるのでありますが、これと今度苦労しておつくりになりました予算総則の問題でありますが、二十三条二項ですが、今秋草説明員の方では、従業員給与ということは間違いだというお話でありますが、内容を読みまして、どうしても二十三条二項に該当するのではないかと思いますが、どうなんでありましようか。
  50. 靱勉

    ○靱説明員 初めの予定より収入が上りました場合には、この二十三条後段によりまして、報奨と申しますか、特別の給与として支給できます。従いまして私ども二十七年度分を清算いたしまして、特別手当を出すということは在来もやつて参りましたが、ようやく現金をもつて支給できるような態勢にこれによつてなつた次第であります。
  51. 成田知巳

    成田委員長 そうしますと、念を押すようでありますが、秋草さんの言われた従業員給与云々というのは間違いだというのは、そうじやなかつたのですね。この通り読んでよろしゆうございますか。
  52. 靱勉

    ○靱説明員 ただいま申した点でありますが、二十億の残があつたから、それをただちに全部特別給与にするということではないという点だけは御了承願いたいと思います。  それからもう一つ秋草説明員からお答え申しましたが、二十三条の前段の方の、この予算基礎なつ給与準則を実施するため必要ある場合には云々と書いてありまして、その場合に給与総額変更郵政大臣から承認を得るときにはこの限りでないとなつておりますので、給与総額としましては、その二、三行前に括弧して書いてありますように、あるいは超過勤務手当あるいは、特殊勤務手当というものは全部含んでおるのであります。従いましてこの予算基礎なつ給与準則、すなわち家族手当をこのくらい出すということにしておきましたが、予定より家族の方がふえたという計算になつた場合におきましては、郵政大臣承認を得て、前にきめておりまする給与総額を越えて給与として出すことができますので、その点なお御訂正申し上げます。
  53. 原茂

    ○原(茂)委員 ついでにこの件でもう一つお伺いしておきたいのですが、二十八年度総額は決定しておるわけですが、この予算総則の二十三条によつて今いつた二十億その他が追加支払われますが、二十八年度の支払い総額は、それが加算されたものに自動的になるのですか。
  54. 秋草篤二

    秋草説明員 それは二十八年度予算には関係ございません。なぜかと申しますと、公社法におきましては民間と別に、先ほど総裁が二十億の増収があつたと言われましたが、私も申しましたように、それが全部、能率対策費として出せるものではありませんけれども、一部は出せるのであります。約十億と申しましたが、それに対してすでに一部は物で支払済みであります。ところが実際問題として二十七年度の後半期の清算差額は、技術上二十七年度中には支払いは不可能であります。民間だつたらそういうようなものを翌年度に出すことも可能でありますが、官庁では今までできなかつたのであります。今度は二十七年度の決算に支払い未済として計上してあるのであります。ですから、その支払い未済を解除すれば、二十八年度予算に関係なく現金は出せることになつております。
  55. 原茂

    ○原(茂)委員 次は、少し違つたことをお伺いしておきたいのであります。昨日も松前委員から通信工業に対していろいろお話があつたのですが、特に通信工業においては、国際的に日本は立遅れの感が深いことは御承知の通りですが、こういう間にあつて公社工事を進めて行くのに、できるだけ通信工業の向上発展を促進する、指導する、あるいはそういう意欲を盛り込んだ施策をして行かなければならないという発言があつた。それに対してその通り実施しつつあり、今後もそうするという御回答がなされたわけですが、今日以後もその面で、わが国の通信工業界でできるようなものを外国に依存して、これを輸入するといつたようなことはなさらないであろうと思うのですが、その点に対する公社の御方針を伺つておきたいと思います。
  56. 梶井剛

    梶井説明員 ただいま公社で使つておりまする資材のほとんどは、国産でまかなつております。しかし戦時中に発達いたしましたある種の通信器材は、わが国ではまだ生産されておらないものがございます。また将来においては生産され得るとは思いますけれども、それまでの間相当の年月が必要であろうと考えております。さようなものにつきましては、一夫分輸入をしなければならないと考えておりますけれども、さように輸入しましたものにつきましても、将来においては、できるだけ国産に置きかえる、国産で全部まかないたいと考えております。
  57. 原茂

    ○原(茂)委員 その点で一つお伺いしておきたいのは、東京大阪間のマイクロウエーブの整備はすでにできたと思うのですが、これからやろうとして今計画されている大阪、福岡間も、国産ですでにできて十二分に役立つておる以上は、国産でおやりになつてもいいと思うのですが、そういう計画をなされているのですか。
  58. 梶井剛

    梶井説明員 確かに東京大阪間のマイクロウエーブにつきましては、一応国産でやりつつあります。しかし、実情を申し上げますと、この性能はまだ欧米のそれとかなり隔たつております。このまま研究を進めて欧米の域に達しますのには、やはり数年を要するだろうと思います。従つて大阪、福岡間に対しましては、欧米の性能のいいものを輸入いたしまして、そして日本の現在やつておるものをさらに急速に進歩発達せしめたいという考えを持つておるわけでありまして、例で申しますると、アメリカがニユーヨーク、サンフランシスコ間に、平和条約締結の際に設置をいたしましたマイクロウエーブは、波長は今日本で使つておりますのと同じ四千サイクルですけれども、使われております電話回線数、それは四百八十チャンネルであります。今公社東京大阪間にやつておりますのは、現状におきましては、大体三十チャンネルくらいしかできません。英国やフランスでやつておりますものも、そんなわずかなチャンネルのものではありません。これを欧米程度まで発達せしめるのには、まだ相当研究の余地がございます。希望としましては、アメリカ通りに四百八十チャンネルでやりたいのでありますけれども、現在の技術の程度ではちよつと困難と思います。
  59. 原茂

    ○原(茂)委員 これは国務大臣がおいでになると特にお伺いしたかつたのですが、かわりに政府委員からお答え願つてけつこうです。きよう新聞などで見ましても、通産省では輸出入のリンク制を拡大してまで、外貨の使用に相当神経質な対策を考えているようですが、ただアメリカのものがいいからというだけで——あるいは国内の通信工業の刺激剤として確かに必要だとは思いますが、今の僅少な、しかも貴重な外貨の中から、この程度のものに対して使われるということ、わが国にとつての重要さの順位として、それほど高度のものかどうか、少しく疑問があると思うのですが、この点政府当局の方ではどうお考えになつておりますか。
  60. 庄司新治

    庄司政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。これは大臣に伺つて申し上げるのでなくて、私の考えになるかもしれませんが、外貨を使う場合に、一回使つてそれだけで効果が終つてしまうものと、一回便つたけれども、それが種になりどんどんその価値がふくれるものとあると思うのであります。それでただいま公社で考えておられるような外貨の使い方は、一度使うときにはあるいは惜しいかもしれませんが、それによつて生ずる利益といいますか、効果といいますか、それは非常に大きなものであろうと思います。そういう意味で、外貨のわくが非常に厖大なものであれば、これは考えなければならぬかと思いますが、全体の占めるパーセンテージがそう大きくなければ、むしろそういうふうな考え方で外国のものを輸入してもいいのじやないか、こういうふうに私は考えます。
  61. 原茂

    ○原(茂)委員 その程度の理由でしたら、今国内には外貨を使つてぜひ輸入したい、あるいは施設したいものがたくさんあるはずです。そんな理由では納得できないわけです。その論法から行きますと、たとえばテレビの受像機を外国から輸入するように聞いておりますが、これはどうなるのですか。
  62. 庄司新治

    庄司政府委員 これはちよつと弱りました。テレビの受像機の関係は私の関係でございますので、こういうことを申し上げて逃げてよいかどうかわかりませんが、ちよつとお答え申し上げかねます。
  63. 原茂

    ○原(茂)委員 その点は無理もないと思うのです。  なお総裁の御説明の中に、この計画実施に要する資金は二千七百億円に上る、これを確保し得ても、なお、ということがありまして、政府資金あるいは債券にはおのずから限度があることを総裁はお認めになつておりますが、はたして将来この厖大な資金をまかない得るかどうか、お見通しをひとつお伺いしたいと思います。
  64. 梶井剛

    梶井説明員 本年度は四百六十一億の建設資金であります。次年度以降もちろん増加して行きまして、総額が二千七百億ということでありますが、われわれといたしましては、将来できるだけ社債のわくを広げてもらい、あるいは政府からの借入金をふやしてもらうという方法によつて、さらに努力をしなければならぬと考えております。
  65. 原茂

    ○原(茂)委員 社債のわくを広げるのと政府借入金、この二点で将来ともおやりになるお考えであるのか、あるいは先ほども御質問いたしましたように、外資の導入などについても考慮されて行くのかどうか、そこをちよつと……。
  66. 梶井剛

    梶井説明員 外貨の導入につきましては、先般世界銀行のガーナー副頭取等が来ましたときも、私説明書を持つてつてお話をしてみました。しかしただちにイエス、ノーの返事はいただけませんでした。さらに最近の電力一の外資導入の様子を見ておりますとこれはほんとうの現金の導入ではなくて、アメリカから日本でできない機械類を買われる際に、その代金が外資導入の形において入つて来るようにも思われます。そういう意味におきまして、実は私どももアメリカのある銀行の東京の支店へ行きまして、われわれがもし外国からさような機械を買うような場合においては、その代金に対して貸付けてもらえるだろうか、そして何年かすえ置いて、何年か後においてそれを償還する方法が可能であろうかどうかと相談してみました。そうしましたら、その人個人の意見としては、可能のように思う。しかし具体的にその金額等がきまらぬとはつきりした返事ができないけれども、一応能否につきましてニューヨークの本店へ問合せて返事をするということになつております。その後実際問題としてそういうことが起つておらぬものですから、まだその返事を急いでもらいにも行つておりませんけれども、現在の電力事業における火力の電源装置、ことにハイ・テンプレチヤー、ハイ・プレッシャーの材料は日本でちよつとむずかしい、最近は非常なハイ・テンプレチャー、ハイ・プレツシヤーになつており、日本の機械工業ではちよつとむずかしいので、そういうものは輸入されると聞いておりますが、さような場合にはもちろん向うの銀行から借りて支払うという形になるだろうと思います。私どもも具体的にそういう問題が起りましたらば、電力事業の場合の例にのつとり卒して、少しでも外資を導入したいという考えでおります。
  67. 原茂

    ○原(茂)委員 外資の導入について、ガーナー副頭取にお会いになつたときの資料が提出できるものでしたら、もう少し具体的に知らせていただきたいと思います。と申しますのは、関係当局、特に大臣は事前にこのことは承知しておられるのではないかと思うのです。それを見た上で大臣に少し違つた方面からお伺いしたいと思いますので、その計画があつたら概略説明でけつこうですから、次会に提出していただきたいと思います。
  68. 梶井剛

    梶井説明員 これは計画と申すほど具体化しておりませんのです。前の高瀬郵政大臣当時に、一応の調書と申しますよりも、計数的な表でありますが、将来に対する収支関係などの表をつくりまして、一応仮定的につくつたのですが、それによつて償還ができるという見込みが立ちませんと、これは金を貸してくれといつても、意味をなさぬわけでありますから、仮定的に立てまして、そうして大臣にごらんに入れた上で話に参りましたという程度でありまして、まだ具体的に資料を差上げるほどの状態になつており益せん。
  69. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。それはけつこうです。なお十五ページの従業員の待遇についてできる限り改善する、今問題になつておりますのは夏季手当ですが、夏季手当に対して今どんな構想を持たれ、どの程度公社の腹案をお持ちなのか、ひとつお答え願いたいと思います。
  70. 靱勉

    ○靱説明員 お答え申し上げます。組合からは夏季手当といたしましては、一箇月の要求があつた次第でございますが、これは原委員も御存じのところかと存じますが、前国会におきまして公社職員給与改善につきましては、電通委員会におきましてもいろいろ御審議いただき、また御援助をいただいた次第でございますが、その結果協定書の締結になりまして、この六月を迎えた次第であります。そこで協定の趣旨から申しますと、一般公務員のような率が必ずしも出ないということに、予算的な状況においてはなつておつた次第でございますが、すでに御案内のように、六月分の御定予算におきましては、〇・五の夏季手当といいますか、期末手当の予算国会で御承認になつております。そういう事情等を考えまして、組合との間におきまして、一応の妥結を見た次第でございますけれども、それはとうてい二月には及びもつかない状況にあります。従いまして組合におきましても、完全にこれをもつて公社との団体交渉が終つたという状態にはなつておりませんが、六月分の暫定予算の範囲におきまして、ある妥結を見ておる次第でございます。
  71. 原茂

    ○原(茂)委員 できるだけ、私どもの立場からは、一応打切らないで、それ以上に出すように用意していただくことをお願いしておきまして、あとの方に譲りますが、最後に国際電信電話の問題がきのうも少し出たようでありますが、この会社が発足して以来、今どんな状態になつているかを、その進展の内容をひとつ総裁からお伺いしたいと思います。
  72. 梶井剛

    梶井説明員 この問題は私がお答えするよりも、監督官庁である郵政省からお答えいたした方がよろしいと思います
  73. 金光昭

    ○金光政府委員 ただいまの原委員の御質問、非常に漠然とした御質問であつたのでございますが、大体どういうことをお尋ねになつておるのでございましようか。
  74. 原茂

    ○原(茂)委員 総裁にお伺いしておつたのは、総裁がこの間調印されたようですからそれでお伺いしたのですが、大体この会社の機構が整備されたかどうか、施設の点ももちろん今進展中でしようが、従業員の問題を特にお伺いしたいわけですが、所定の従業員が全部求められたかどうか、その点を先にお伺いしたい。
  75. 金光昭

    ○金光政府委員 国際電信電話株式会社は、御承知のように四月一日から業務を開始したわけでございますが、その前に従来公社でやつておりました国際電気通信業務関係の従業員を会社の方に移管いたしまして、それによつて国際通信業務が、会社に移管に伴つて業務に支障を来さないようにということで、会社に移るべき人員等についても、公社及び会社間において十分協議、打合せの上、大約三千三百人の人が国際電電会社の方に移つたわけでございます。その人数をもつていたしますれば、現在の国際電気通信業務の運行には支障ない人員だと考えております。なお会社創業後におきます状況について申し上げますれば、会社発足当時におきましては、東京大阪の国際電報局及び国際電話局だけが、会社自体の営業場所であつたわけでございますが、その後たとえば大阪あるいは神戸、名古屋等、順次会社といたしまして国際電報等の相当多い場所につきましては、会社自体の営業所を設置して参りまして、サービス改善等に努めつつあるわけでございます。なおただいま原委員がお話かけになりました公社と会社との間の協定云々というお話でございますが、これは一応国際電気通信業務は、大半は国際電電会社で行い、ごく一部の国際電気通信業務のみを公社で行うということになつておりますが、その大半は国際電気通信業務、たとえば欧州、アメリカ等に発着いたします電報あるいは電話につきましても、その全部を会社自体の手でやるということはできないわけでありまして、ただいま申し上げましたように、ごく主要都市のみについて会社は自分自身の営業所を持つわけでございますが、その他の箇所から出ます電報等、たとえば水戸から出ますアメリカ行きの電報等につきましては、水戸と東京との間は当然公社の手によつて、その電報は通信されるわけでございます。それらの公社と会社との間には、いろいろと業務の面におきまして相互に委託をして行う部面がございますので、それらの点についての委託協定を最近締結したわけでございます。なお会社の業務につきましては、四月早々よりおおむね順調な経過をたどつております。電報の通数、あるいは電話の通数等においても、昨年の同月に比べまして増加しておるという状況でございます。
  76. 原茂

    ○原(茂)委員 そうしますと、公社から譲渡されるべき財産というものは、すでに譲渡済みになつたわけでしようか。
  77. 金光昭

    ○金光政府委員 公社から出資または譲渡いたします財産につきましては、会社発足のときに全部出資または譲渡されております。
  78. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました、従業員が約三千三百人移動したのですが、今何かの問題で移動していない人が多少あるように聞いておりますが、その点は、それではないものと解釈してよろしゆうございますか。
  79. 金光昭

    ○金光政府委員 ただいまのところ、そういう問題はないように存じております。
  80. 原茂

    ○原(茂)委員 ではそう解釈します。なおこの移動された従業員給与の問題ですが、公社にいたときと、この国際に行つた場合、今と比較いたしまして、どうでしよう。差がありますか。
  81. 金光昭

    ○金光政府委員 国際電電会社におきまする給与の立て方と公社給与の立て方とには、多少開きもございまして、それらの全部を比較してみなければわからないわけでございますが、われわれの聞きますところでは、会社と公社との間には、いろいろな階層によつて違いさすが、幾分は会社の方が上まわつておるのではないかと存じております。
  82. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで大分上まわつておるところもあるわけなんですが。たまたま公社から会社に行つたためによくなつた、これを逆にとりますと、残つた公社の人が非常に羨望、うらやましいような感じを持つわけですが、扱つている業務が違うから別だといつても、やはり働く者は通信業務という一般的な考えから、やはり残つた立場の人は、国際に行つた人と同じような待遇を、同じような率で上げることをこれからきつと熾烈に考えるだろうと思います。そういうことを公社としましては一応用意しておかないと、私は経営上不自然だと思いますし、不用意だと思うのですが、公社にそういう心構え、用意がおありかどうか、そのくらいの用意がなければいけないと私は考えるわけですが、ひとつその点の、つい近くの見通しの問題です。
  83. 梶井剛

    梶井説明員 実は国際電信電話株式会社ができますときに、私どもといたしましては、会社の待遇が公社の待遇と同じであることを希望いたしました。しかし会社の側から見ますると責任者としては、多少でもよくならぬと、むしろ現在従事している人が公社を離れて会社に来てくれないという懸念を持たれたようであります。そういう関係で、今政府委員からお答えがありましたように、会社の方が少しよくなつおる。われわれとしましては、こちらは政府一つ機関でございまして、向うは純粋の民間会社である。従つてわれわれは、政府機関として、国鉄並びに専売公社と同じ基準に従わなければならないという方が重くなりまして、国際電信電話株式会社と同じようにするということにつきましては、ちよつと困難ではないかと考えております。
  84. 原茂

    ○原(茂)委員 これは質問ではありませんが、いつも国鉄専売、それと公社と三すくみになつておる、その上に大蔵省がうまく便乗しては、その賃金をお互いにブレーキをかけつこしているようになつておる。このような状態にありますから、独立採算を強要されている公社ですから、思い切つて政府機関であるというような考えから脱却して、三者のうちうんと飛び出してやろうという気持を強くお持ちにならないと、いつまでも向上しないと思いますから、ひとつ希望しておきます。
  85. 成田知巳

    成田委員長 中村梅吉君。
  86. 中村梅吉

    中村(梅)委員 原君の質問に関連して、忘れないうちにちよつと伺つておきたいと思います。  先ほど梶井総裁から、今後とも公社債並びに政府資金の拡大に努力して行くというお話でありましたが、今年の春提案されたときの料金引上げ計画によりますと、預金部資金が四十億許されることになつておりましたが、今回は削られております。百億の公社債が七十五億になつたのは、これは運用期間が暫定予算期間のために減りましたからやむを得ないという見方ができますが、何ゆえに四十億の、預金部資金削られてしまつたか、この説明を一応受けないと納得ができないのであります。これは政府の方から削られたのか、あるいは公社の方で今度の料金引上げ計画に伴つて辞退したという形になつているのか、そのいずれであるをはつきり承つておきたいと思います。
  87. 梶井剛

    梶井説明員 もちろんこれは政府の財政の都合上かに削られたものでありまして、せつかく貸していただく金を公社から御辞退するというような気持ちは毛頭持つておりません。資金が多ければ多いほど、早く加入者の便宜が増すわけでありますから、貸していただける限りわれわれは借りたいという気持でございます。
  88. 成田知巳

    成田委員長 次会は公報をもつてお知らせ申し上げることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時五分散会