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1953-06-24 第16回国会 衆議院 電気通信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十四日(水曜日)     午後一時三十三分開議  出席委員    委員長 成田 知巳君    理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君   理事 橋本登美三郎君 理事 小泉 純也君    理事 原   茂君 理事 松前 重義君    理事 中村 梅吉君    庄司 一郎君       齋藤 憲三君    廣瀬 正雄君       甲斐 政治君    三輪 壽壯君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  金光  昭君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  庄司 新治君  委員外出席者         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 六月二十三日  公衆電気通信法案内閣提出第九一号)  有線電気通信法案内閣提出第九二号)  有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(  内閣提出第九三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  公衆電気通信法案内閣提出第九一号)  有線電気通信法案内閣提出第九二号)  有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(  内閣提出第九三号)     —————————————
  2. 成田知巳

    成田委員長 これより開会いたします。  昨日本委員会に付託されました公衆電気通信法案有線電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案、右三法案一括議題として審査を進めます。  まず政府より提案理由説明を求めます。塚田郵政大臣
  3. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この機会に、実は先般本委員会所管業務の御説明を申し上げたものの若干の補足をいたしたいと存じます。あの際にはまだ日本電信電話公社の二十八年度予算案が決定しておりませんでしたために、御説明申し上げられなかつたのでありますが、その後同予算案が決定いたしましたので、この機会にその概要について御説明申し上げます。  同公社の二十八年度予算は、損益、建設等勘定にわかれますが、各勘定間の振替による重複額を控除した純計額は、収入支出とも一千一百四十三億余円でありまして、前年度に比較して一百六十六億余円の増加となります。主要勘定について申し上げますと、まず損益勘定におきましては収入支出とも九百四十九億余円で、昨年度に比し一百九十四億余円の増であります。その収入増加額のうち、三百三十四億円は通信料金改訂によるものであります。この料金改訂による増収分は、老朽施設に対する特別償却等経営損費に約五十八億円、建設改良工事費財源として資本勘定へ繰入れ七十六億円とに充当されます。  建設勘定としましては、収入、支出とも四百六十一億円でありますが、この資金損益勘定より資本勘定を通じて繰入れられます額が、減価償却費一百九十一億円を含めまして二百六十七億円余、電信電話債券発行によるものが公募債券額七十五億円を含めまして一百二十三億円、その他設備負担金等によりまして七十一億円であります。この資金をもつて電信電話拡充五箇年計画の第一年度として電話加入者十四万、市外電話回線十八万キロメートル、電話分局開始九局等の建設を主とする工程を予定いたしております。  以上を通じまして、従来の電気通信関係予算と異なつております点を申し上げますと、従来は施設整備拡張財源の大宗は毎年の財政資金にたよつており、また減価償却もその必要額を計上し得なかつたのでありますが、今後は電信電話債券の発行による民間からの資金調達と相まつて、今回の料金改訂により、適正な減価償却費の計上、事業収入よりの繰入金等をもつて現有施設維持建設改良の主たる財源とすることにしたことであります。  以上簡単でございますが、公社予算案概要についての説明を終ります。  次に本委員会に付託になつております有線電気通信法案公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案提案理由を御説明いたします。  この三法案につきましては、去る第十五回特別国会に提出し審議未了なつたものでありますが、前国会衆議院において修正せられた事項を改めるとともに、減価償却費不足及び設備拡充資金の一部を補うため料金別表に必要な改訂を加え、再提出いたしたのであります。  現在電気通信こ関する法律としましては、有線私設電信電話を監督規律するとともに、公衆電気通信業務を規律するものとしての電信法があり、無線に関する電信電話設備並びに運用を監督規律するものとして電波法があり、日本電信電話公社による電気通信設備建設及び保存のための土地使用については電信線電話線建設条例があり、電信電話料金については電信電話料金法があるのでありますが、これらの法律につきましては、電波法電信電話料金法を除きましては、明治中期に制定せられて以来、長年月の間ほとんどすえ置かれているのでありまして、これを現在の実情に沿うよう改正することとし、有線電気通信設備設置に対する監督法規として有線電気通信法を、公社または国際電信電話株式会社が提供する電信電話サービスに関する基本的事項規定するとともに、公社がその電気通信設備建設保全するため必要とする土地使用に関する事項をあわせて規定するため公衆電気通信法を、またこれらの二つ法律施行するため必要な経過規定その他関係法律の改正を行うため、これら二つ法律施行法を制定しようとするものであります。  次に法案規定してありますおもな内容について申し上げます。  まず有線電気通信法案につきましては、第一は、電気通信の利便を広くするため、有線電気通信設備設置及び使用については、でき得る限り自由にすることを建前とし、ただ公社または会社が行う公衆電気通信業務独占を侵されることのないようにするため、公社または会社以外の者が有線電気通信設備設置し、または使用するについて次のような制限を設けております。  まず有線電気通信設備設置については、一人の専用に供するものは自由でありますが、二人以上の者が共同して設置することは、公社または会社業務独占の侵害となるおそれのない特定の場合に限りこれを認めることとし、また他人設置した有線電気通信設備との接続につきましても、共同設置と同様の取扱いをすることとしております。また公社または会社以外の者の設置した有線電気通信設備については、その設備を用いて他人通信を媒介し、その他他人通信の用に供することを業とすることを制限しておりますが、社会経済生活実情に即応させるようにするため、前に申し上げました他人設備接続を認める場合において相互接続するとき、その他の法律において別段の規定がある場合等において認めることといたしております。  第二としては、行政簡素化並びに有線電気通信設備設置者の手数を簡略化する趣旨から、届出報告等手続必要最小限度といたしますとともに、有線電気通信設備設置及び使用に関する規律の保持についても、できる限り設置者の自律にまつ建前をとり、許可事項は極力少くしたのでありますが、技術基準について指導する必要があるものについては、原則として工事の開始前に届出を要することとしております。  第三に、他人設置した有線電気通信設備に漏話、雑音等妨害を与えないようにするため、また人体または物件損傷を与えないようにするため、設備設置及び保存上必要な技術的条件として必要最小限度基準を定め、もしこの基準に適合しないために、他人設備妨害を与え、または人体もしくは物件損傷を与えると認める場合においては、郵政大臣はその設備使用の停止または改修を命ずることができることとしております。  次に公衆電気通信法案について申し上げます。法案は第一章から第八章までにわかれておりまして、第一章は総則でありまして、このうち現行制度と異なるおもなる改正事項といたしましては、第一点として、従来日本国有鉄道船舶等の私設の電気通信設備設置者に対し、主務大臣供用命令により電報事務の一部を取扱わせていたのを改め、郵政省が取扱う場合と同様、事務委託によることとし、その他必要と認める場合においては、他の者にも広く電報電話事務の一部を委託することができることといたしております。  第二点といたしましては、国際電信電話株式会社が行う国際電気通信業務範囲政令で明定することとし、公社は右の政令で定める業務以外の国際通信業務を行い、両者業務範囲が重複しないようにしておるのであります。これら末端の業務につきましては両者はその重要なる事項についで、郵政大臣認可を受けて相互事務委託ができるようにしております。第二章は電報に関する規定でありまして、電報種類、伝送及び配達の順序等規定しておりまして、官報、局報、私報の区別をなくしたほかは、現在の取扱いとほとんど相違はありません。  第三章は電話に関する規定でありまして、現行制度と異なる重要な改正事項としましては、まず、普通加入区域外加入電話設置するときは、新設に要する費用について現在は設備料として実費の料金を徴収しているのを改めまして、その負担合理化をはかることとしたこと、次に加入電話種類として現在の単独電話及び共同電話のほかに甲種増設電話機、いわゆるPBXを加えたこと、加入電話利用関係を私法上の契約関係であることを明定したこと、また電話加入権の取扱及び電話譲渡禁止等に関する政令の失効に伴い、電話加入権の譲渡は自由となりましたが、投機的な加入申込みを抑制するため、電話加入権を譲渡した者がその加入電話同一加入区域内において、一年以内に加入申込みをしたときは、その加入申込みについては事実上承諾できないこととすることであります。  第四章は公衆電気通信設備専用についての規定であります。  第五章は料金に関する規定であります。現在各種サービスに対する料金は、すべて法律をもつて定められているのでありますが、これを改め、主要な料金法律で定め、その他の料金公社または会社郵政大臣認可を受けて定めることとといたしております。  なお現在料金滞納の場合は、国税滞納処分の例によつて徴収することができることとなつているのでありますが、今後はすべて一般の民事上の手続によつて取立てることに改めました。なお料金改訂につきましては、後ほど御説明申し上げます。  第六章は土地使用に関する規定でありまして、公社において公衆電気通信業務の川場に供する線路、空中線及びこれらの付属設備設置するため、他人土地等使用する必要があり、かつ適当であるときは、土地收用法によらないで、この章に規定する手続に従い使用権を設定できることとし、別に政令で定めるところにより対価を支払うことといたしております。また他人土地の一時使用、立入り、植物の伐採等をなし得る旨を規定しておりますが、これによつて生じた損失に対しては、適正な方法で適正な補償をすることといたしております。  第七章は雑則でありまして、現行制度と異なる主要な事項としましては、構内交換電話交換設備内線電話機または専用設備端末機器設置保存については、現在原則として公社独占とし、特別の場合に限り加入者または専用者の自営を認めているのでありますが、利用者要望等にかんがみ、今後は公社が行うほか、加入者または専用者が自由に建設保存を行うことを認めることといたしました。  但しこの場合において、これらの設置について公社郵政大臣認可を受けて定める技術基準に適合することを要し、かつ郵政省令で定めるところにより交換設備種類に応じた資格を有する工事担任者によつて建設保存を行わせることとしております。  また現在においては、電信電話サービスを提供すべき場合において提供しなかつたため利用者損害を与えたときには、一切その損害を賠償しないことになつておりますが、これを改めまして、その損害が不可抗力及び利用者故意過失によつて生じた場合を除いて、一定の場合に一定額限定賠償をすることといたしております。  第八章罰則に関する事項規定しておりますが、公社または会社業務法規である建前上極力罰則は少くし、この法律の実施を確保するため必要なもののみを規定しております。  次に料金改訂について申し上げます。わが国の電信電話事業の当面している最大問題は、拡張資金不足のため、積滞している厖大な電話需要を充足することができないことと、投下資本維持が不十分であるため、そのサービスが低下していることにあります。このためには、設備拡張に要する資金を確保し、安定した長期計画を遂行するとともに、資産の健全なる維持をはかるため必要な償却費を計上し、老朽施設の徹底的取替を行うことが肝要であります。この要請を満たすため、一面公社をして必要経費を極力節約し、経営の合理化を推進せしめることはもちろんでありますが、他面上記所要資金の一部をまかなうため、やむを得ず本年八月一日より約二五%の増収をはかるため、所要電信電話料金値上げを行うことといたしたのであります。  その概要を申し上げますと、まず内国電報については、現在多額の赤字を生じており、給与ベース改訂に伴い、ますますその傾向が増大いたしまするので、相当大幅の値上げを行う必要があるのでありますが、今回は最小限度値上げにとどめることとし、市外電報基本料現行十字まで五十円を六十円に改正し、累加料その他の電報料はすえ置くことといたしております。  次に市内電話料金につきましては、度数制局市内通話一度数ごとに現在の五円を十円に値上げするとともに、基本料について最低度数制を採用し、一箇月六十度数までの通話度数料基本料に含めることとし、これに伴い度数制局における事務用住宅用区別を廃止することとし、定額制局における使用料度数制局料金との均衡を考慮して、平均二七%の値上げを行うことといたしました。なお度数制局における度数料及び基本料の合計は、平均約五割の値上げと相なります。附加使用料加入料及び装置料につきましてはすえ置くことといたしました。  次に市外通話料については、現在近距離区間における料金が相当原価を割つておりますので、これを経費に対応する合理的な料金に是正するという見地からこの際この区間料金値上げを行うこととし、現行の待時区間最低料金七円を十円とし、三百八十キロまでの区間についてそれぞれ十円ずつの値上げを行い、これを越える区間についてはすえ置くことといたします。また即時、準即時区間料金は、現行待区間普通通話料の約五割増となつていますが、CLR方式等の採用を考慮して五ないし八割増とすることといたしております。  また市外専用電話料については、市外通話料値上げに伴う値上げのみとし、市外通話料に対する倍率は変更いたしません。  最後に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法について申し上げます。  前に申し上げました有線電気通信法及び公衆電気通信法施行期日を八月一日と定め、また、これらの法律施行に伴い、これらの法律に吸収せられる電信線電話線建設条例電信法及び電信電話料金法の三法を廃止し、これらの法律の廃止に伴い必要な経過規定規定しております。  このうち主な事項といたしましては、明治三十九年から大正八年までの間に五円ないし十五円を納付して今日に至るまで電話設置を見ないものが原簿上約十二万あるのでありますが、この際これらの権利の帰属を確定整理してなるべくすみやかに架設して行くこととしたことであります。  なお有線電気通信法及び公衆電気通信法施行に伴い、電話設備費負担臨時措置法電波法海底線保護万国連合条約罰則等関係法令を改正することといたしております。  以上まことに簡単でありますが、有線電気通信法案等の三法案提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。     —————————————
  4. 成田知巳

    成田委員長 この際お諮りいたします。ただいま説明を聞きました三法案につきまして、審査の必要上来る三十日及び七月一日の両日に、参考人意見を聞くことといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 成田知巳

    成田委員長 御異議なしと認め、さように決します。  なお参考人の選定につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 成田知巳

    成田委員長 御異議なしと認め、さように決します。     —————————————
  7. 成田知巳

    成田委員長 それでは質疑に入ります。質疑通告順に従いこれを許します。松前車養君。
  8. 松前重義

    松前委員 電気通信省電信電話公社に移行するに伴いまして、国際電信電話事業国際電信電話株式会社に移行されたのであります。国際電信電話株式会社設立に関しましては、いろいろ異論をはさむものもあつたのでありますけれども、今日一応会社ができ上つて運用されておるのでありますが、この国際電信電話株式会社のその後の運用状況、あるいはまた株式配分状況、あるいは本年度における収支見込み、あるいはまた国際電信電話事業は、終戦後における国際的な通信需要か満たすために起つたものでありまして、戦争中あるいは戦争前における設備を全部継承いたしておりますので、現在のところ必ずしもその設備の全部を使つておるものとは認められないのでありますが、その辺の設備をどのくらいの割合で使つておるのであるか、こういう点について少しばかり大臣から御説明を願いたいと思います。
  9. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 まことに恐縮でございますが、どうもこまかいことはまだあまりよく説明を受けておりません。側か国際電信電話株式会社株式が今度大体全額売却されまして、それが今度の拡張資金に三十二億入つて来るということになつておりますので、私も先般来それがどんなところに売却される予定なつておるか、従つて将来この会社株主がどういう人たちによつて構成されるかについて関心を持つて問いただしておつたのでありますが、まだ私のところまで説明が参つておりませんので、恐縮でございますが、事務当局からわかる範囲でお聞き願いたいと思います。
  10. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問につきましては、本日は詳細な資料手元に持ち合せておりませんので、ただいまわかりますことにつきまして概要お答え申し上げたいと思います。  第一点の、会社設立後における運用状況はどうなつておるかというお尋ねでございますが、御承知のように本年の四月一日から国際電信電話株式会社が、従来公社のやつておりました国際電気通信業務を継承して業務開始いたしたわけでございますが、その後におきます業務運行状況は、大体において正常な運行を続けておるというふうに見ておるわけでございます。第二の株式配分状況でございますが、御承知のように当会社資本金は三十三億でございますがそのうちの三十二億円は、公社の持つておりました設備現物出資することによります、現物出資に対します株式と相なつておるわけでございます。この現物出資に対します株は、会社より公社に交付いたしまして、さらに公社から政府の方にその株は帰属いたしておるのでございます。そこで本年度の当初の計画におきましては、この国際電電会社株式につきましては、三十二億のうち二十億を民間に売り出すことになつておつたわけでありますが、それにつきましては、大蔵省の方が国有財産の管理、処分という主管庁でございまして、大蔵省におきまして、この二十億につきましては、先般安定株主を確保するという建前から、金融機関あるいは報道機関、大会社等にこの株式配分いたしたわけであります。この株式額面額出しております。なおあとの十二億につきましては、当初これを出す予定なつておりませんでしたので、これにつきましてはただいままだ政府の方で保有いたしております。これにつきましては、今回定まりました本予算によりまして、三十二億全部を本年度中に売り出しまして、それによります対価公社建設資金にまわすことといたしておりますので、これにつきましてはさらに本年度中に売り払うという予定なつておると思いますが、時期等につきましてはただいまのところまだ判明いたしておらないように存じております。  次に第三点の、本年度収支状況見込みはどうかというお尋ねでございますが、これにつきましては、まだ創業早々でございまして、確たる見込みにつきまして、われわれの方としてもまだ数字的の検討をいたしておりません。その点御了承願いたいと存じます。  最後の第四点の、戦前の設備につきましては全部復旧していないではないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、お話のごとく戦前持つておりました対外通信回線の全部がまだ復旧いたしておりません。本日は手元資料を持つてつておりませんので、そのうちのどれだけが残つているかということにつきましては御説明いたしかねますが、主要な回線につきましてはすでに復旧を見ております。戦前持つておりました全部の回線につきましては、まだまだ復旧していないというのが現状でございます。概要お答え申し上げます。
  11. 松前重義

    松前委員 株の配分その他につきましては、あとでよろしゆうございますから、内容の少しこまかい資料を頂戴したいと思います。それから設備運用についても同じでございます。それから収支見込みについては、先般伺つてみますと、大体会社ではでき上つておるそうであります。おそらく政府でこれを御存じないはずはないと思うのでありますが、大分もうかるものだから、あまり表面にお出しにならないのじやないかと邪推しておるのですけれども、その内容についてやはり資料をお願いしたいと思います。大体国際電信電話株式会社の問題につきましては、その資料を拝見しました上でまた後日お尋ねをいたします。  もう一つは、十五国会政府から提案されました公衆電気通信法案の中に含まれております料金値上げについては、大体平均一割であつたと記憶しております。ところが同じ吉田内閣のもとにおいて、わずかに数箇月を経た今日、このように二割五分程度も上げなければならないという理由について、詳しく御説明を願いたいと思います。特に前回に一割ということでお出しになつたのが、今回は二割五分にもなつたということは、同じ政策を持つておる内閣において、どういう理由によつてそういうことになつたのか、これを御説明願いたいと思います。
  12. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この問題につきましては、私が郵政大臣に就任いたしましてから、いろいろと検討いたしまして、この前に一割になりましたときのいきさつなども調べてみましたところ、この前の一割という考え方の当時も、公社側としてはやはり今と同じように二割五分もしくはそれ以上、約三割に近い数字の値上げを希望しておつたようなわけです。しかし大蔵省その他の、主として財政当局意見として、そんなに一律に国の事業を上げるということは、他の公社事業、たとえば国鉄、そういうようなものに及ぼす影響もどうであろうかということで、あの場合には一応一割というところで押えられたように聞いたのであります。もしそういう考え方であるならば、自分は多少考え方を異にする。電話鉄道などの場合と違いまして、一応利用する人たちが制限されておるのであります。加入しておる人たちが大部分御利用になるのであるから、この点において、だれでもが自由に利用される鉄道などの場合と違うのではないか。何にしましても設備改良、拡充しなければならないという必要は、これはもうどなたも意見の一致されているところなのでありまして従つてこの必要を満たすために、必ずしも他の国の事業と同じ歩調をとらないでいいということであれば、もう少し大幅に考えてもいいのではないかというように、いろいろと検討いたしました結果、さてどの辺の数字、たとえば二割くらいがどうであろうか、二割五分くらいがどうであろうか、それから電話料金の今までの料金と他の物価との上りぐあいはどうであるか、またこれを上げることによつて、日本の国民所得の配分の上に及ぼすいろいろな変化などはどうなるかというようなことを、きわめて多方面にわたつて検討いたしまして、この程度であるならばさしつかえないのじやないか、そいうような考え方から、一応二割五分ということにいたしたわけでございます。
  13. 松前重義

    松前委員 きわめて抽象的な御意見でございましたが、設備資金を出すために値上げをするのだというお話があつたようでありますが、それに間違いはございませんか。
  14. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 それに間違いございません。
  15. 松前重義

    松前委員 設備資金というものは——大体そのような毎日の通話料金でもつて設備資金に充てるということは、必ずしも事業経営としては適当でないと思われるのであります。言いかえると、現在の加入者負担において将来の加入者の分を増設して行くというような概念は、非常に安易な道ではあつても、まじめな建設への道ではない、このように私どもは思うのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
  16. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 その点はまことに御指摘の通りであると思うのでありまして、その点は私もずいぶんいろいろと考えたのでありますが、先ほどもちよつと申し上げましたように、電話設備改良し、拡充して行きますのは、将来の利用者の利益になると同時に、現在の加入者の利益にもなるということで、そういう考え方からすれば、この設備改良、拡充するという費用は、将来の加入者も背負つていただく、現在の加入者も背負つていただく、こういうように考える方がいいのではないか。従つて今度のこの設備改良資金を調達いたします考え方でも、約五箇年間に二千七百億くらいの資金を調達したいと考えておるのであります。これだけ料金値上げいたしましても、やはり相当にまだ、御承知のように七十五億からの公募債を募集しなければならない。また電話を持つていただきます場合に、個々の方々にそれぞれ債券を持つていただかなければならぬ。こういうように、これからの新しい設備拡充に伴いまして、さらにふえて行きます公社自体の債務と、それから今まで公社が負つております債務、そういうものを考えて行きますと、この五箇年計画か成就したあかつきにおきましての公社自体の経理状況というものは、その限度がもうぎりぎりである。それ以上外部資金をもつてまかなつて行つた場合には、結局金利に追われてしまつて、その時期になつ公社経営がうまく行くようになるというのには、考えられないほどの非常に大幅の値上げをしなければやつて行けなくなるのではないか、こういうふうにも考えられますので、一部分現在の加入者にも将来の設備拡充の金を負担していただくという意味合いにおいて、この機会値上げをいたしたのしあります。
  17. 松前重義

    松前委員 あとでよろしゆうございますが、どのくらいの程度を加入者増設に必要なる資金として、今回の値上りの金額の中から充当されるのであるかということを、表をもつて後日お示し願いたいと思います。その次は、日本の通信工業の問題であります。日本の通信工業は、輸出工業としては、日本の民族性に非常に適合したものであると私どもは思つております。でありまするから、将来日本の貿易その他の問題を考えても、当然このような、資材のいらないもので、しかも頭を使い、人力を使つたものを輸出しなければ、日本の立つ道はないと私どもはいつも考えております。ところがこれらを海外に輸出しようとして先般。パキスタンでありましたか、インドでありましたか、ある商社が入札をしてみたところが、西ドイツの商社の入札の倍であつたということであります。大体国際価格としては、倍まで行かなくとも、それに近い値段でもつて出しなければ、外国への貿易はもちろんできないし、日本の生産工業は成り立つて行かない、こういうふうに私どもは見ておるのであります。このような意味からいたしまして、西ドイツの電話機その他のいわゆる電信電話の機械類が、半額でつくれるというようなことであるといたしまするならば、日本の通信工業の合理化をはかることによつて建設資金の大幅な節約と、あるいは同じ予算をもつてすれば、まあ二倍とまでは行かなくとも、相当これは伸ばして行くことができるということが言えるのであります。これは全般的な産業政策ともちろん密接な関係を持つのでありますが、少くとも電信電話の機械類の需要者の主たるものは電信電話公社でありますので、それを監督される郵政省といたしまして、どのような具体的な案をお持ちになつておるか、これらのコストの引下げ、あるいはまた技術的な指導、あるいはその生産、あるいは海外貿易というようなものをくるめまして、お話を願いたいと思います。
  18. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 具体的な案はまだ、まことに申訳ない話でありますが、これというて考えておるものはないのであります。あるいは事務当局におきまして、何か考えたものがあれば、後ほどお答えいたしますが、私といたしましては、ただ自分の一般的なものの考え方としては、御説まことにごもつともだと思うのであります。厖大なる設備の拡充計画をいたします場合に、購入いたしますものが非常に高いということであれば、それが安くなれば、同じ金でもつとたくさん改良、拡充ができる。しかしそういうふうに日本のものが非常に高いということは、これは通信工業だけに限つたことでなく、日本工業、ことに戦争から終戦にかけて長い間設備改良、改善などを怠つてつたというような事情その他いろいろな事情、これは日本の産業全体に付随しておることであります。そこで公社がいろいろ設備を拡充いたします。と機器とかそういう物に対しての需要が出て参ります。そこに若干の利益も生むでありましようから、そういうものはさらに設備の拡充というようなものに振り向けてもらつて、そうして企業自体の合理化をして、もつと安くていいものをつくるようにして行く。そういうことが、政府が今度こういう計画を二割五分の値上げをもつて遂行いたします副作用として、出て来るのではないかというようなことも考えておるわけであります。従つて非常にたくさんの資金をもつて設備拡充計画に乗り出して、そしてただ業界を利益させるというだけの考え方でなしに、それを通して、この産業をもつと合理的に、安くていいものをつくるというあり方に持つて行く呼び水にしたいというようなことも考えておるわけであります。
  19. 松前重義

    松前委員 どうもまだあまり内容を御存じないようであります。私から申し上げるのもどうかと思いますが、事務当局からでもけつこうでありますが、要するにただいまのお話の中で、あげ足をとるわけではありませんけれども、コスト高というものは、すべての日本の産業に共通のものであるからとお逃げになつたようでありますが、実はこれは少し性質が違うのでありまして、石炭の値段が高い、電力料金も高い、あるいはまた、その他の基礎材料が非常に高い。それを使つて製造したところの硫安というようなもののコスト高の説明には、基礎産業から生れて来る石炭その他が高いのでありますから、十分言えるのでありますが、電信電話の機械類のごとき、ほとんど石炭その他に依存するところのないものには、これはちよつと言えないのであります。でありますから、これは所管は通産省に属しておつても、通産省の方はほとんどおわかりにならぬでありましようから、郵政省自体がこれらの問題の解決に乗り出さなくてはならぬと思うのです。ことにこれだけの予算を使つて相当な拡張をしようとなさつておられるときに、ただむだ使いしてメーカーの高いものを買つてやるだけで、何らの施策もなくてこれを流し込む一方であるということは、まことにもつたいない話で、国際市場への進出もほとんど不可能になるというようなことでは、非常なむだ使いになつてしまうという感じがするのであります。ただいまの問題につきましては、事務当局から抱負、経編、その他公社の指導方針、あるいはメーカーに対するあなた方の態度、そういう点を御説明願いたいのであります。
  20. 庄司新治

    庄司政府委員 お答え申し上げたいと思います。先ほど指摘されましたように、日本でつくつております電気通信機械が国際市場に出た場合に、競争し得るかどうかという問題は、一、二調べましたところ、平均の価格よりは高いようであります。この高い理由は一体どこにあるかということが、やはり根本的に解決されなければならないのでありますが、電気通信機械という面に限り、さらに無線機を除く有線に限りますと、現在のメーカーが発注を受けておる受注先といいますか、それの大部分は電信電話公社でございます。もつと端的に言いますと、現在の有線電気通信機械メーカーは、公社に非常に依存しておるということが言えるのでありまして、現在公社に依存しておりますこういうメーカーの生産コストを、どういうふうにすれば下げることができるかということに相なるわけでありますが、先ほど大臣からも少しお話がありましたように、公社予算建前といいますか、かつて電気通信省あるいは逓信省時代の当時を振り返つてみますと、予算が通りましていよいよメーカーに発注するまでの時期、あるいは発注してから納入されるまでの時期を、年間を通じて考えますと、非常にでこぼこがあるのであります。ある時期に固まつて注文が出て行くことがあり得るのでありまして、こういうような状態であれば、メーカーとしてはそのどつと固まつて来た注文に応じ得るような設備をしたいという気持になるのは当然でありまして、これがも上フラットに出るとすれば、必要の量に対して設備ももう少し少くて済むし、人も少くて済むだろうというようなことが、観念的には考えられるのでありまして、こういう点を是正するならば、メーカーとしても非常にコストを切り下げることができるのではなかろうかと思うのであります。上からば注文を年間を通じて平均して出すことができるかどうかということでありますが、公社のある年度建設資金のわくがどのくらいになるかということが、相当長期にわたつてはつきりするならば、割合にそういう計画発注的なことができるのではないかというように考えております。ところが従来は、公社建設資金のわくを、政府資金に依存するというと語弊がありますが、ぎりぎり一ぱいにならなければはつきりしない。国会最後のところまでといいますか、政府部内といいますか、とにかく年度末ぎりぎりにならなければきまらないというのが従来の実情であつたのでありまして、今度そういう年度一ぱいぎりぎりでなくて、ある程度資金が安定すれば、発注もある程度計画的にできるということによつて、コストを引下げ得るのではないかというようなことも考えておるのでございます。  それから、これは発注技術の問題になつたわけでありますが、そのほか根本的には、一つの機械をつくる場合に、通信機械でいえば、材料費よりも工費の方が多いという御指摘のあつたように、技術的に相当改善、くふうを加えることによつて、単価も安く、性能のいい機械がつくれるということは当然でありまして、この点に対しましては、公社電気通信研究所をつくりまして、そこで技術的な点に対しては、メーカーだけでなくて、メーカーと公社と相まつて技術的な進歩をはかつておるように聞いておるのであります。簡単でありますがお答えいたします。
  21. 松前重義

    松前委員 ただいまの御説明はある程度首肯し得るのでありますが、ただ問題は、計画発注をすることによつて年度別にあまり無理のない発注をすることによつて、メーカーは計画生産に移ることができる。従つてコスト低下が可能であるということでありました。でありますならば、この五箇年計画の中に盛り込まれておる数字の中には、コストの引下げを見込んでおいでになるかどうか、お伺いいたします。
  22. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この計画は、一応コストの引下げを含まない数字であります。機器の値段は現在の通りであるという想定のもとに計画をいたしております。
  23. 松前重義

    松前委員 これは議論になりますが、およそ計画なるものは、少くとも日本の今最も切実なる要求であるコスト引下げその他についての具体的な目標と自信のある施策が講ぜられるならば、当然コストは引下げ得るものであります。ただいまの御説明の中にあつたいろいろ研究機関庫うということ、あるいは、計画生産によつてコストを下げるということ、これはまことにもつともな施策ではあります。しかしそれが具体的に予算の中においてどのように生きておるかということは、後刻私ももう少し調べて御質問をしたいと思うのであります。とにかく当然コスト引下げ覚込んで、計画を組むべきだということを私は申し上げたいのであります。この問題につきましては、後日また御質問いたします。  もう一つはこの法案の中に盛られておるPBXの問題でありますが、PBX郵政省においてPBX工事のできぐあいを監督して、合格、不合格をおきめになるのでありますか、いかがですか。
  24. 庄司新治

    庄司政府委員 PBXの検査は、公社で検査をするという建前にしております。
  25. 松前重義

    松前委員 PBXに関する監督上の規定その他のものをおつくりになつておいでになりますか。
  26. 庄司新治

    庄司政府委員 ちよつと御質問がはつきりしなかつたのでありますけれども、PBXの検査をする場合の技術基準のことでございましようか、あるいは検査をする人の場合でございましようか、はつきりしなかつたのでありますが……。
  27. 松前重義

    松前委員 両方を含みます。
  28. 庄司新治

    庄司政府委員 PBX技術基準といいますと、PBX公社の線に接続する場合に、接続することによつて公社側設備に何らかの影響を与えるわけでありますが、その影響が公社が現在保守しておりますレベル程度の影響を及ぼすものであればいいという前提のもとに、PBXに対してもある程度の技術基準を適用しまして、この技術基準に適合しないものは接続しないと  いう建前なつておりましてその技術基準は現在一応下乗でありますが用意してございます。  それからもう一点、その技術基準ができておりました場合に、これを検査するということになるわけでございますが、この検査は公社の職員がこれに当るという建前なつておりまして、公社の職員も現在つくりつつある技術基準を技術的に判断できるような人たちをもつてこれに充てるという方針で、PBX接続の件数が今にわかにたくさんは出ない、漸増して来るという考えのもとに、現在おる職員をもつて検査に充当するということにしてありまして、将来検査件数がふえるに従つて検査要員を養成してふやすということにしております。
  29. 松前重義

    松前委員 PBXを担当するであろうところの人の資格その他についての基準あるいは試験制度その他はおつくりになつておられますか。
  30. 庄司新治

    庄司政府委員 ただいまの御質問は、PBXを試験するという建前ではなくしてPBXを保守し、あるいは建設する技術者の資格をどうするかという趣旨の御質問だと思いますが、PBX施設建設したり、あるいは保守したりするためには、ただたれでもこういう施設建設に当つていい、あるいは保守に当つていいとは言えないのでありまして、ある程度の資格といいますか、能力のある人がこれに当らなければならぬということは当然であります。そういう意味で今度はPBX施設をされるというときには、ある程度の試験を課することにいたしておるのでございます。
  31. 松前重義

    松前委員 今の問題については、資料がありましたらひとつ御提出を願いたいと思います。  それからもう一つ、PBX施設しようとする人はしろうとであります。電信電話のことはおわかりにならない人である。そしてPBX施設してやる工事者はくろうとであります。従つてそのしろうとに対してくろうとである工事者は適当にごまかして、そうしてちよつとした故障でもこれを直したときに非常に多額の金を請求する。かつてPBX民間に移譲されておつたときに、そういう弊害が非常に多かつた。そういうふうに技術は達者だけれども、信頼のおけない人間によつてこれが行われるときに、非常に弊害がかつて行われたことがある。であるからしてこれを統一して、できるだけ大きな会社に責任あるやり方をきせて、大衆に迷惑をかけないようにしなくちやいけないということを痛感されておつた事態があつて、今日のように電電公社が直接やるようになつたのであります。これらにつきましては、今後はその工事価格の問題については、これは郵政省であるか、電電公社であるか存じませんが、何らかの干渉というと語弊があるが、全然関心を持たれないのでありますか。
  32. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは全然ほつておくというわけにはいかないのではないかと考えております。ただどういうぐあいにいたしたらよいか、自分もまだはつきりわかりませんが、ただものの考え方といたしましては、公社の者もする、民間の者もする、また民間の者の場合には御指摘のようにあまり信用のおけない、小規模の者にやらせるということでなくして、何らかの制限を設けて、そうしてその上に適当な監督規定を置くというようなことが必要ではないかと考えております。とにかく利用者たる一般国民大衆に御迷惑をかけないということを頭に置いて、いろいろ考えて行かなくちやならないと考えております。
  33. 松前重義

    松前委員 抽象的なお話としては一応考えられるのでありますけれども、ひとつ具体的の内容についてお示しを願いたいと思います。信用ある者にやらせると申されますが、いかなる者が信用ある者であるか。あるいはまたコストの問題その他について、これを公社程度にやらせればよろしいというものの、なかなかしろうとではそれがわからない。信頼を持つてそういう人に頼むわけにいかない。それなら公社に頼んだらいいじやないかということも言えましようが、その辺はむしろ業者の方は口がうまいでしようし、上手に注文はとつて来るというようなことで、だんだん弊害が多くなるおそれがありますので、これらに対処する郵政省としての、ただいま大臣の御説明になられましたことの具体的な内容をお示し願いたいと思います。これだけを私は御質問申し上げまして、あとは後日いろいろな資料をいただきましてから質問をいたしたいと思います。
  34. 庄司新治

    庄司政府委員 ただいまの松前委員の御質問に対して、具体的にこうこうこういう手を打つのだというふうなはつきりしたものは、まだ用意できておらないのであります。それで将来そういう点について十分研究をいたしまして、具体案をつくりたいと考えております。
  35. 松前重義

    松前委員 その点は非常に重大な問題でありますので、この委員会の継続されておる間におつくりになりまして御提出を願いたいと思います。
  36. 成田知巳

    成田委員長 今松前委員の御請求になりました、たとえば国際電信電話株式会社株式の売却一営業状況その他の資料でございますが、大体いつごろまでにお出し願えますか。
  37. 庄司新治

    庄司政府委員 一週間くらいでよろしゆうございますか。
  38. 成田知巳

    成田委員長 では間違いなく……。甲斐政治君。
  39. 甲斐政治

    ○甲斐委員 ここに三法案が提出されております。それぞれ重要な点を含んでおるものでありますが、大臣は就任以来日浅く、十分御研究がないかもわかりませんし、われわれもきよう始めて正式にこの法案をいただいたわけで、さらに研究いたしまして、おいおい御質問いたしたいと思いますが、ただこのうちの、一般国民生活に最も影響を再起す、また輿論も相当沸騰する形になつて来ておる料金の問題であります。これに関しましては、すでに日銀の政策委員会から値上げ反対の申入れがあつたと聞いております。それから私どもの手元に、証券業者であるとかあるいは中小企業者、各種団体、また東京都の二十三特別区の区長であるとか議長であるとか、その他各方面から陳情書の形や要望書の形で、反対の意思が表明されて来ておるわけであります。これについては大臣もすでにごらんになつたことと思います。ごらんになつたといたしますならば、こうした反対意見が首肯すべきものであるか、もつともであるか、あるいはとるに足らない反対意見であるか、どうお考えになつておるか、承りたいと思うのであります。  それからさらに私どもの知るところによりますと、証券取引所においては、この値上げのために年間十数億料金の支払いをたくさんしなくてはならないということを言われておるし、また中小企業者の今の貧困状態、これはここで御説明するまでもないと思いますが、この値上げによつてきわめて大きい打撃を受けなければならない。また通信機関、放送機関等、頻繁に電話を使うところにおいては、同様のことが言われると思うのであります。公社側の御説明によりますと、電話を持つておるところにおいては、こうした値上りがあつてもこれに対する負担能力があるから、設備改善のためにそういう値上げによつて負担をわかつてもらうというのでありますけれども、申すまでもなく電話というものは、国民の生活必需品であります。単に加入者だけが利用するわけではありません。またこの値上げによつて、さらに言えば、わが国のインフレに対して相当高進する動機を与えることになることもわれわれはおそれておるのであります。こういう意味からいたしまして、この値上げについては十分検討になつたと思いますが、これに対する所見を承りたいと思います。  次に、また二割五分の値上げということが言われておりますけれども、現実においてはもつと大幅になり、公衆電話において一〇〇%、一般家庭電話において三二%というような計算が成り立つのであります。さらにまた、頻繁にこれを使うところにおきましては、二割五分ではなくして五割、六割、あるいは八割以上にも値上りが現実に結果するというようなことになるように拝されるのでありますが、これらについてはどうお考えでありましようか。われわれといたしましては、この問題について明日電電公社の方からの説明も承り、また数字的に具体的に研究をいたしまして、いずれつつ込んで御説明を承りたいと思いますが、とりあえず以上のことだけをまず御質問したいと思います。
  40. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 お尋ね電話料金値上げに対するいろいろな反対論というものは私どもも値上げを決定いたします前及び決定をいたしました後においても聞いておりますが、大別いたしまして一般的な物価の観点からの反対論と、個々の利用される方々の立場からの反対論と、二様にわけられると思うのであります。日銀の政策委員などが要望いたしました意見は、政府が低物価政策を推進しておる今日、国が自分の政策でもつて料金を決定できるこういう事業値上げをすることは、適当でないじやないかという考え方であると思うのであります。また証券業者や報道機関からの反対論は利用者側の立場からであると、こういうように了解している。一般的な観点からの、政府は低物価政策をとつている。それに自分のものを値上げするということは適当でない、これは考え方としてはまさにその通りであると思うのであります。その点は十分考慮いたしたのであり、従つて前回が一割というところへおちつきましたのも、その考え方が強く出て来たからであると思いますが、私もいろいろ検討いたしました結果、今日の情勢ではこの程度の値上げをいたしましても、そういう意味においては大きく日本の経済に響くところがないじやないか、こういうように考えましたのがこの二割五分に賛成をいたしました理由であり、また個々の利用者の立場としての反対論は、非常にたくさん使つておられる方々は、急激にその電話支出がふえるのでありまして前年度から今年度にかけて、また前期から今期にかけて業績の上に非常に大きな変化が来るという意味において、経営がその面から苦しくなつて来るということは確かにあると考えておりますので、この面からの反対論に対して、今度の値上げ料率のこまかい内訳について、若干考えなければならぬ一面があるのかもしれないということを、実はその後において考えておるわけであります。これは国会の御審議を通じて皆さん方の御意見も伺い、その上でなお検討してみたいと考えております。  それから二割五分と称しながら、実はそれ以上になつておるというのは御指摘の通りでありまして、手数料などは百パーセント値上げで、平均いたしまして大体三割近い値上げということになつておるように考えられます。しかしそれと同時に、たとえば市外通話などは、現在は普通通話でありますけれども、ほとんど通らないということで、ちよつと急ぐのはほとんど特急でもつてつておる。特急は普通の三倍ということになつておるのでありますから、これは設備拡充などができるようになつて、普通で今の特急くらいのスピードでどんどん出てくるようになれば、その結果、形式的には料率の値上げはあつたが、そのあかつきには実質的にはかえつて安い費用でもつと早く電話が通ずるようになるという利便も得られるという考え方も、設備改良、拡充が行わられれば、市外、市内ともに全般的に出て来るのではないか。従つて一応今日は値上げが出て来るけれども、長い将来——長い将来と申しても、逐次設備改善ができて来れば、かえつて実質的には値下げができるのではないか、こういうように考えて、なるべく早くそういう状態に持つて行きたいというように考えましたのが、今度の値上げをいたした理由であります。
  41. 成田知巳

    成田委員長 中村梅吉君。
  42. 中村梅吉

    中村(梅)委員 私はまず第一に委員長にお願いを一つ申し上げたいと思います。この電話料金値上げの問題は、今も甲斐君からお話のように、世間に非常に大きく影響を及ぼしでおるので、この委員会でこれをきめるについては十分慎重な検討を加える必要があるだろうと思う。そういう意味から言いますと、電電公社予算予算委員会審議の権限に属しておりますが、この委員会において一度電電公社予算の御説明を詳細に拝聴いたしまして、そして予算内容を十分に検討してこれほどの値上げをしなくても他に節約捻出すべき余地があるのではないか、こういう点を十分検討してみる必要があると思う。さような意味において、委員長において次の理事会にお諮りの上、上がるべくその点を御配慮を願いたいと思います。  それから大臣に、電信電話事業に関する根本的な問題について、またこういう拡張建設計画についての政府考え方について、実は伺いたいと思うの。ありますが、まだ大臣も就任早々のことであられますから、次の機会において大臣の出席を得てわれわれ質疑をかわす機会がありますならば、その機会に譲りたいと思います。いかがでしようか。
  43. 成田知巳

    成田委員長 最初の予算の問題でございますか、あす電電公社の総裁、副総裁、理事の方に御出席願いまして、公社事業全般についての説明を聞くことになつておりますから、その際あわせて予算の問題もお聞き願いまして、引続いて政府委員の形で出席を願いまして十分予算の点は検討したいと思つております。きよう御了承願いたいと思つております。  それでは本日の質疑はこの程度で打切りまして、この際お諮りいたしたいと思いますが、ただいまも中村委員から御要望がありましたのに関連をしておるのでありますが、日本電信電話公社の総裁、副総裁、理事等に、本委員会に出席を求める場合の取扱いについて御了承を得ておきたいと存じます。すなわち日本電信電話公社経営については、本委員会として所管大臣政府委員に出席を求めて説明を聴取し、あるいは質疑をいたすことが当然でありますが、しかしながら今後審査または調査の過程におきまして、直接公社の総裁、副総裁、理事等より、独自の立場で意見あるいは説明を求める必要がしばしば起り得ると考えられます。かような場合におきまして、その都度参考人として出席を求めることなく、説明員に準じて委員長において適宜出席を求めることといたしたいと存じますが、この点につきましては他の委員会における、たとえば国鉄、専売公社の総裁等に対する取扱にも同様にいたしておりますので、先例によりまして本委員会もまたさような取扱いをいたしたいと存じますが、御異議ございませんでしようか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 成田知巳

    成田委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十八分散会