○井上委員 これはか
つて農林委員会に
農林漁業
資金の
公庫が創設される法案が出ました場合にこれと同じ問題が起りました。つまり代行
手数料が非常に高過ぎる、実際直接
農林漁業
金融公庫が各府県別に店を持ちまして、そこでみずから書類を扱
つた場合と、委託をいたしました場合とでは
手数料が年間に二億円から違
つて来ろのであります。これは
農林漁業
金融公庫からの資料に基いて検討したことがありますが、これもまた四分五厘というような高い
手数料を払う実績から
考えますならばこれは相当問題があろうと思います。そういう
金融機関に貴重なわれわれの税金を食われておる。これはわれわれの税金ですから、黙
つてはおりませんよ。あなた方の税金なのです。だからこの
金融問題については
手数料の問題とともにもう少し通産委員会でも真剣に御検討願いたい。同時にこの貸出し
条件が、さきにも問題になりましたが、一千万円、五百人以下ということを対象にしておる。先般
大蔵委員会に全国銀行協会と、地方銀行の代表者を呼びまして、中小
金融に対してどのくらい金を貸しておるかという資料をと
つたことがある。そうしましたら、市中銀行の方では全体の貸出しの三二%を一千万円以下の
中小企業に貸しておる。地方銀行もまた三二%ほどのものが一千万円以下に貸されておるという
説明をしておるのであります。しかもあなた方の貸出し
条件を見ると、第一は担保物件ははつきりしたかということに
なつておる。今日担保物件をはつきりして、金を貸してもらおうという人は
金融にそう困
つておりません。これをひとつ
長官、よく
考えてもらわなければならない。担保がありさえすれば、現実には
金融に困りはしませんよ。ほんとうに困
つているのはそれよりはるかに下の、実は二十万、三十万という零細な
資金のいる人なのです。そこへ目途を置かずに最高限をきめるということを言うけれ
ども、これと貸出し
条件を結んでごらんなさい。結局最も回収のいいものを対象にして貸すということになるのです。そういうことなら市中銀行がやるから、何も別にこんなものをつくる必要はない。ほんといは零細な
中小企業者を救い上げて、将来十分振興できる対策を
考えて行くことが必要だということを私は方針としては確立させなければならぬと思う。どう貸倒れにならないようにするかということについても技術的な検討はしなければなりませんが、ただ一千万円以下、五百万円以下ということになりますれば、やはりどんどん貸して行かれた場合には、いわゆる少額の
金融というものはなかなか困難で、まして担保のないものはどんどんはねられて行く。現実に国民
金融公庫が受付けておりますうちで、貸付けておりますのは、わずかに三十七、八パーセントにすぎない。これは全部担保を取ることを
条件にしているのです。最初から担保がなければいかぬ。やむにやまれぬものは保証人制度でや
つておりますけれ
ども、やはり回収ということをやかましく言う
関係で、担保物件はやかましく言
つておる。だからあと七割の人ははねられておる。そのはねられたのが
御存じのやみ
金融に行
つて、法外の高い
金利に不渡り手形を出さなければならぬ現状に追い込まれているのでしよう。それはこれを救うというのではないのですか。これがまたそれと同じことをや
つたのでは、これは何の役にもたちませんよ。実際真剣に
考えていただきまして、せつかくつくるものだからそういう面に十分力を入れてもらわなければいかぬが、どう
考えていますか。