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1953-10-13 第16回国会 衆議院 通商産業委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月十三日(火曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 中村 幸八君 理事 伊藤卯四郎君    理事 首藤 新八君       小川 平二君    土倉 宗明君       柳原 三郎君    加藤 清二君       齋木 重一君    中崎  敏君       山口シヅエ君  委員外出席者         通商産業事務官         (繊維局繊政課         長)      杉村正一郎君         通商産業事務官         (繊維局絹化繊         課長)     岡嶋 楢文君         中小企業庁長官 岡田 秀男君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    石井由太郎君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部金融課長) 小林 貞雄君         中小企業金融公         庫総裁     坂口 芳久君         中小企業金融公         庫理事     中野 哲夫君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 八月十日  委員有田八郎君辞任につき、その補欠として川  上貫一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 八月十日  硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案  (内閣提出、第一六八号)  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (山手滿男君外十一名提出衆法第一七号)  電気事業及びガス事業に関する事項  貿易振興状況並びに貿易資金調達現状に関  する事項  中小企業金融状況並びに中小企業等協同組合  の組合の結成及び活動状況に関する事項  鉱業、採石業鉄鋼業繊維工業化学工業、  機械工業その他一般工業の実状特に需給並びに  金融状況及び企業合理化進行状況等に関する  事項 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  中小企業に関する件  繊維に関する件     —————————————
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日はまず中小企業に関し質疑の通告がありますので、これを許します。首藤新八君。
  3. 首藤新八

    首藤委員 私はこの際中小企業関連いたして、金融公庫の問題並びに信用保険の問題、さらに安定法問題等等につきまして、休会中私が見聞したことで、われわれの考え方と非常に違つた面に走つておる点あるいは実態に即しない点等々について、今から御質問をしたいと存ずるのであります。  まず私は、金融公庫の問題から御質問をいたしたいと考えまするが、前国会を通過いたしました中小企業金融公庫発足は、全国中小商工業者がいまだかつてないほどの期待と熱意と関心を持つて、これが発足を待つたのであります。なぜ今回の公庫に対してかようにいまだかつてないほどの業者期待を持つたかといいますると、終戦後、幾たびか中小企業金融難を打開いたすべく財政資金がいろいろの名目によつて融資されたのでありまするが、このほとんどがいわゆる設備資金に限定されてそれと同様の重要性を持つ運転資金がいつも排除されたのでありますが、今回の法案は初めから設備運転資金ともに同様のウエートを持ち、そうして長期資金を維持するということに大きな関心期待とを持たれたと存ずるのであります。しかるに公庫は九月の十一日に発足いたしたのでありまするが、その後の情勢を見ますると、まつたくわれわれの期待に反するものがたくさんあるのであります。第一番は、ただいま申し上げたように、当然設備資金と同様のウエートを持つはずの運転資金が、今回もまた閑却されるような融資方法をとつておるのであります。先月の初めであつたかと記憶いたしまするが、坂口総裁大阪においでになつてそうしてその説明をされたそうでありまするが、この途中新聞記者に対して、ただいま申し上げたような、今回の融資設備並びに設備関連をする運転資金、これに限定するというような新聞記事があつたわけであります。私はさようなことは万あるまい、特にこの公庫法が提案された場合に、この政府提案理由説明に対しましても、この点をはつきり明確にいたしておりまするとともに、現在融資以対象としてどちらが重要性を持つかと考えますれば、すでに設備は十二分に拡張されて、むしろ現在の経済不況は、あまりにも生産過剰である、これが不況の一番大きな原因となつておるのであります。それよりも、資金がないことによつて投売りがされ、あるいは無謀な競争がされるというような点が、現在の不況の一番根本的原因であることは、すでに議論余地はないのであります。かるがゆえに、現在の情勢から考えますれば、設備資金よりもむしろ運転資金重点を置かなければならぬということは、おそらく経済関心を持つておる者はほとんど一致する意見だと私は確信いたすものであります。しかるにもかかわらず、かような新聞記事が載つておりましたので、ただちに私は、今日御出席になつておりまする中野理事に対して、かようなことが事実かどうかということを確かめたところが、中野理事は、決してさようなことはない、法律通り運転資金と同様の重要性考え、同様の融資をするということであつたから、私もさもあるべきことだと安心いたしておつたのであります。しかもその後いよいよ融資が始まりますると、やはり設備あるいは設備関連を有する運転資金に限定しておる。これはすでに代理貸しをやつておりますところの金融機関を集めた際の説明であり、そうして同時に、その後の処理上にいたしましても、一切合財が、設備あるいはこれに関連する運転資金に限定するということ、それ以外の受付はしないというような方法をとつておりますることによつて、非常に期待しておつたところの中小工業者がまた非常な失望をいたしておるのであります。今後かような方法によつて融資されますると、われわれが立法した精神に反するのであります。そもそも今回の公庫法は、昨年の十二月の中旬にわれわれ中小企業議員連盟が、年末金融並びに中小企業長期資金金融打開策という決議案を提案し、それによつて政府資金が出るようになつたのであります。当時のわれわれの考え方として、先ほど申し上げたように設備よりも今度は運転資金重点を置いた、精神のこもつた決議案を出したわけであります。しかるに結果においてかような誤つた方向金融がされるということは、きわめて遺憾でありまするが、これに対して中小企業庁長官並びに公庫の、今日は中野理事が見えておりまするが、どういうお考えでこういう方向にやつておるのか、その点の御答弁を願いたい、かように思います。
  4. 岡田秀男

    岡田説明員 公庫が設立されました趣旨につきましてはただいまお話になりました通りでございまして、中小企業者に対しまして設備資金並びに長期運転資金を貸し与えるいうことがその趣旨てございます。従いまして公庫といたしましては、決して、長期運転資金貸出につきまして、これを設備資金貸出より軽く見るとかいうような考えは毛頭ないのでございまするが、この法律が施行されましたのが去る八月一日でございまして、その後総裁以下の人事の選任をいたし、業務開始準備をいたしたわけでございまするが、何分ほんとう準備をやるといたしますれば、ある程度の準備期間ちようだいいたさねば、ほんとう運営というものはむずかしいかと存じたのでございますけれども、何分四月にできそうになつておりまして、ただいまのお話にありましたように、中小企業者公庫開店を一日も早くしてほしいという希望が強いのにかんがみまして、いささか準備は不十分であつたかと存じますけれども、九月の十一日に拙速をたつとんで店開きをさせたような次第であります。従いまして、たとえば代理店選定等につきましても、十分に全国金融機関につきましていろいろと調査するというようなことも困難でございましたので、さしあたり日本開発銀行代理店のうちから十一大銀行関係のものを除きましたものをとりあえず代理店に選定したというような状況店開きをいたしたのでございます。さような状況でございまして、業務運営して行くという点から考えてみますと、設備資金でございますれば、一応設備と結びついておりますので、業務運営をやつて行きます上に比較的簡単でございます。ところが運転資金ということになりますと、借りかえをやるということがどういうことになるかとか、いろいろと長期運転資金であるかないかというような選別も相当むずかしい。そういう関係から、公庫それ自体窓口金融機関との間におきまするところの、阿吽の呼吸と申しますか、その辺のところが十分気合いがかかりまして、運営が円滑にレールに乗るまで、長期運転資金というものについては、ちよつと時間的余裕を与えてもらつた方が、公庫運営をまともにやつて行きます上に適当じやないか。要は開店拙速主義でやりました関係上、当分の間長期運転資金については公庫準備ができるまで窓口において貸し出すのにちよつと時間的余裕を与えてほしいという意味で、先はどお話になりましたような考え方公庫の方から代理店の方へ流しておるのでございます。今代理店選定業務開発銀行の引継ぎました以外のものにつきまして鋭意進めておる段階でございまして、大体代理店公庫との関係が安定して、すなおに行き出しますれば、長期運転資金事務も速急に取上げて行くという段階でございます。中小企業者の要望が、設備資金もさることながら、運転資金について非常に熾烈であるということにつきましては、まことに御同感でございますので、公庫長期運転資金に対する貸出しを一日も早くやりますように私どもといたしましても今後とも督励し、一緒になつて準備を進めて行きたいと考えておる段階でございます。
  5. 首藤新八

    首藤委員 今長官の御答弁によりますと、設備資金の方が事務的に簡単であるというような御答弁のように了解したのでありますが、さような考え方を持つこと自体実態を無視した結果でありまして、先ほども申しましたごとく今日の不況の一番の原因は、各産業を通じて生産過剰であります。生産過剰なるがゆえに国家の経済政策も従来の自由放任主義から計画性を加える必要があるのではないかというのが、すでに大勢の輿論をなしつつあるわけであります。かくのごとく設備がすでに十二分に充足しておる。ただしかしながら、これが原価を安くするし、合理化のために非常に顕著な効果がある、こういうものは躊躇なく取上げなければなりませんが、大体において設備の過剰であることはすでに議論余地がないのであります。一番困つておるのは、先ほど来申し上げておりますごとく運転資金であります。そうしてわれわれの意志もまた運転資金融資を円滑にいたしたいということにほんとうの目的があるわけであります。従って今の設備資金の方が簡単であるというようなことは、究極担保としてこれの方がはつきりするという点でないかと考えるのでありますが、しかるならば、せつかく信用保険法が適用されしおるのであります。この際こそ運転貝金の方が非常に貸出しの事務的困難な状態があるならば、信用保険法を十二分に活用して、そうしてそれによつて一日も早く切迫しておる運転資金を円滑にするという方向に向うべきでははいかと考えるのであります。しかも一説によりますと、この公庫事務局といいますか、この大部分が開発銀行から来ておる。従つてどうしても従来の事務の経験から設備の方に重点を置きたがるくせがあるということも聞いておるのでありますが、もしそういうことであるならば、ますます立法精神に反する方向に向つて行くのであります。業者の影響はむろんといたしまして、その点の根本的堅実な経済政策を立てたいというわれわれの念願はまつたく水泡に帰するわけでありますので、この際そういう誤つた考え方を一擲せられて、そうして早急に運転資金設備資金同様、むしろ設備よりも運転資金重点を置くという方向に転向するように中小企業庁当局としても指示していただきたいと考えるのでありますが、これに対して御所見を承りたい。
  6. 岡田秀男

    岡田説明員 設備資金の方が簡単だと申しましたのは、別に担保関係からさように申し上げたのではございませんので、冠どもといたしましても、日本現状がある程度設備過剰の状況を呈しておることにつきましては承知いたしておるのでございます。設備資金といたしましても、設備の拡張ということに重点を置くより、内容的の近代化内容健全化方向設備資金を使用していただきたいというふうな考えを持ち、そういうように宣伝をいたしておるのでございます。長期運転貸金関係につきましては、運転資金の本来の性質から申しますと、大体商業関係におきましても、工業関係におざましても、一年までの期間を要する運転資金というものは、どつちかといえば例外的な関係に立つものと思うのでございまして、公庫一般金融補完作用をするという趣旨から申しましても、ほんとうに一年以上の長期にならなくてはならぬという筋の運転資金を選別し、これをつかまえるということが必要であろうかと思うのであります。さような作業をいたします上において、公庫窓口との間の関係というものがほんとうに円滑にすべつて行くという段階にならぬとうまく行かぬのじやないかという意味におきまして、拙速主義開業いたしました関係から、さような準備をもう少し整えるためにある程度の時間的余裕をいただきたいという趣旨から、運転資金につきまして多少のブレーキをかけておるというのが現状であります。御趣旨の点は私どもも十分痛感いたしておりますので、長期運転資金公庫から貸出しを一日も早く軌道に乗せますように、中小企業庁といたしましても十分処置して参りたいと考えます。
  7. 首藤新八

    首藤委員 以上、私の質問に対して公庫の今日までとつて来た事務印処理方法あるいは今後に対するお考え公庫から一応承つてみたいと思います。
  8. 坂口芳久

    坂口説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、岡田長官からお答えになりました通り考えております。従いまして設備資金のみに限らず、運転貸金につきましても融資いたしたいと応えておりまして、お手元に差上げました公庫案内の中にもそのことを誓いておいたのであります。資金の使途については設備資金並びに長期運転資金——大阪で私が話しましたときはちふうど開店の前でありまして、長期運資金というのは非常に解釈がむずかしい。運転資金でございますとすぐに明確な定義ができるのでございますが、長期運転資金と申しますとどういうものを言うか、非常にむずかしいという話をいたしました。それと、国会におきます政府委員答弁を聞いておりますと、設備関連した長期運転質金というような答弁がありましたので、それが一番わかりやすいものですから、さしあたりはそれからやつたらどうかというような気持だつたのでございます。従つて長期運転資金を出さないというつもりはなかつたのでございます。それに非常に開店を急ぎまして、開発銀行でやつておりました代理店をそのままさしあたつて代理店にいたしましたので、そちらの方では長期運転資金を扱つておらなかつたから、十一日からすぐやつてくれ、それにはとりあえず前に開発銀行でやつてつた長期設備資金を先に取上げた一—取上げた傾向があつたかもしれませんが、そういう意味で、公庫開発銀行関係の者が来たから運転資金を出さないというようなことはないのでございます。なお中野理事から私の説明を補足いたしたいと思います。
  9. 中野哲夫

    中野説明員 お答え申し上げます。公庫といたしましては、設備資金長期運転資金は法の精神から申すとこれを平等に、むしろいずれも——ちよつと御意見と違う点があるかと思いますが、長期資金重点を置くとか、運転資金重点を置くとか、あるいは設備資金重点を置くとかいうことは考えておりませんので、実は開業前の理事会からも、それはまつたく平等に考えるというのが法の趣旨ではないか、こういう信念を持つて進んでおります。ただ今長官及び総裁からお話のありました通り、普通の運転資金というのは、学問的に言いますといろいろな議論があるでしようが、現実に短期運転資金が、いわゆる根だまり資金というようなものは、工業についても商業についてもあり得るのではないか、もう一歩進めますと、短期の借入が長期化した、そういうものも長期運転資金だろうかということに相なりますと、かなり範囲も広くなりますが、ただいまの来年の三月までの百億の金では、現在御承知通り一兆数千億というものが中小企業長期資金になつておりますので、そこらをよほど適切な限界を見つけて融資いたしませんと、大半が長期運転資金にまわる、それではかえつて法趣旨にも合わないじやないかというようなことを、実はぎようもここへ出かけます前に、理事会長期運転資金限界についていろいろ議論をいたしておつたところなんでございます。今から三週間くらい前でございますが、開業直後に代理銀行にもいろいろ長期運転資金借入れの申入れがあるだろうから、そういう場合にどういう内容の話があるか、それから、それに対して窓口銀行としてどういう意見を持つておるかというようなことを全部照会の手紙を出して教えていただこうじやないか、そういう各方面のいろいろの意見も参酌して、借入れる方では非常に待つておられるわけでございますから、なるべく早く態度を鮮明にしようじやないか、そういうことですが、私きのう現在で見ますと、その窓口銀行から名案もいただいておらぬような状況でございます。いずれにいたしましても歳末金融の方になりますれば、当然長期運転資金の問題が起るので、なるべく早い機会公庫として原案をきめ、通産、大蔵監督官庁の御指示も得て態度を鮮明にし、両方にウエートを異にしないように並列した貸出し方針を確立いたしたい、かように考える次第でございます。
  10. 首藤新八

    首藤委員 われわれが運転資金に特に重点を置きますのは、御承知通り中小企業者はおおむね個人、あるいはまた法人でありましても個人同様の内容を持つ法人であります。従つて過去七年の間に物価はおおむね三百倍ないしそれ以上の騰貴をいたしておる、ところが資本金は、ただいま申し上げたような個人あるいは個人と同様の法人でありますから、さような何百倍にマツチするような資本金は集まらないのであります。ここに先ほど申し上げた資金がないことによつて投売がされる、そうして経済界全般に非常な暗い影を生ずる。従つてこの禍根を一掃するのでなければ、中小企業者の健全な発展はあり得ない。かるがゆえに今度の法案は特にこの運転資金重点を置いたわけであります。しかるにもかかわらず、先ほどから申し上げておる通りに、結果はやはり設備資金重点を置かれておる、運転資金を軽視するというような業者の意向もあり、またわれわれ立法者といたしましても、非常な不満があるわけであります。この点は特に公庫当事者は十二分に理解されて、将来研究してからやるというようなことを言わずして——五箇年とあるけれども、五箇年で貸す必要はない、五箇年以内であればいい、相手によれば一年であり、一年半であり、二年であり、適当にこの融資理由あるいは融資をするところの相手信用等等をしんしやくされて、適当にやつたらよいのであつて従つて融資する上において設備資金と何らの相手はないと私は考えるのである。  それからもう一つは、手続が非常にめんどうだということでありますが、これも私はどういう手続を必要とするのか聞いてないのでありますが、代理貸しをしておるところの窓口が非常に手続がめんどうで、なかなか容易でないということであります。おそらくこれも開発銀行融資手続をそのまま踏襲したのじやないかと思いますが、要するに今回の公庫融資は普通の金融機関では融資が困難なものを対象とするということが第一条に明記されておるのであります。この第一条の明記、これが非常な意義を持つものであります。この点を当事者はとくとお考えになつて、さような融資をする上において、めんどうな手続をできない相手に対してそういうめんどうな手続をさせるというような考え方もこの際一擬してもらわなければならぬと思うのであります。それと同時に各窓口に対して運転資金融資受付は当分控えてもらいたいという通牒を出してあるそうでありますが、これらも即刻撤廃してそれぞれ受付けるという方法をとつていただきたいと思いますが、この点に対してはどういうお考えを持つておられるか、はつきり答えていただきたい。
  11. 坂口芳久

    坂口説明員 手続簡易化につきましてはお説の通りでございまして、私もそういうつもりでやつております。お手元借入れ申込書の要旨を案内の中にも入れておきましたが、長期資金を貸しますに必要最小限度手続のつもりでおりますが、なおそういう声がございますならば、さらに申込みの手続簡易化についても努力をいたしたいと思います。そうして御趣旨に沿つて参りたいと思います。運転資金につきましては今お話がございましたので、なるべく早い機会にこの運転資金範囲を広げて行きたいと思つております。それにつきましても何か御名案がありましたら私どもも教えていただきたいと思つております。大体のところは先ほど中野理事が申しましたように、この年末には間に合うようにいたして行きたいと思います。肩がわりとの関係もありまして、運転資金につきましては非常にむずかしい点があります。その辺のところを非常に考慮しながらやつておりますが、なるべく早い機会に御趣旨のようなことを考えて行きたいと思います。
  12. 首藤新八

    首藤委員 運転資金融資する上においていい方法があつたら教えていただきたいというのでありますが、もしお聞きくだされば私の方から教えてあげてもいいと思うのであります。要すに法の精神を生かして一日も早く期待しておる中小企業者に満足を与えるという方向に御精神願いたいということであります。  その次にお伺いしたいのは、この代理店指定でありますが、これは附帯決議といたしまして、商工組合中央金庫、相互銀行信用金庫、地方銀行及び日本興業銀行、農林組合中央金庫、こういうふうになつておるわけであります。ところがその信用金庫の、指定も、どうも今日までの状態から見ますると、われわれの考えておつたような指定をしていないきらいが多分にある。これは私の選挙区を申し上げては恐縮でありますが、たとえば神戸の例をとりましても、人口が百万の大都市であります。ところがこれの現在代理貸し窓口を引受けておりますものは、わずかに相互銀行と商工中金だけであります。信用金庫は相当たくさんありますが、その信用金庫一つもまだ指定されていないというような状態になつておるわけであります。従つてこの百万の大工業都市神戸に二つより窓口がない。これではあまりにも他の地域に比較いたしまして窓口が少な過ぎる。従つて融資の点でもきわめて低いものに甘んじなければならぬというような不公平を生じて来るのでありますが、この信用金庫に対しては今日までどういう方法指定して参つたか、その内容を承りたいと思います。
  13. 岡田秀男

    岡田説明員 先ほど長期運転資金の御質問のときに申し上げましたように、公庫につきましては、法律施行後一日も早く、たといその運用において若干の不十分な点がありましても、店開きを急ごうということで、九月の十一日に開店をいたしたのでございます。そのために全国の非常に数の多い金融機関、たとえば信用金庫だけとりましても、五百六十を越える数があるのでございます。これらの金融機関につきまして、公庫代理店になつていただきたい方々と折衝をし、そうしてその代理店を選定するということをやる時間的余裕がなかつたわけでございます。そこでまずさしあたり従来開発銀行中小企業向け貸出しにつきまして業務を一部委託しておりました金融機関を、議会の決議がございましたので、いわゆる大銀行を除きましたものを当分の間そのまま公庫代理店としてお願いをいたしまして、それでまず店開きをし、現在まで約一月前後やつてつたわけでございます。この附帯決議にもございますように、公庫の金が全国にあまねく行き渡るようにしなければならぬという趣旨からいたしましても、また御指摘になりましたように、たとえば神戸なら神戸という特定の地域を取上げてみましても、もう少し窓口を増加しなければならぬということは当然のことでございます。われわれといたしましては、信用金庫なりあるいは信用組合なりを相当数公庫に追加をして代理業務をやつていただくようにいたしたいと存じまして、いろいろの資料を各金融機関からとつたり、また各方面の御意見等も聴取いたしまして、少くとも百三、四十くらいのものはもつとふやそう、現在の指定いたしておりますものが百八十くらいあるのでございます。それに対しまして相当大幅な増加をいたそうと鋭意今検討中でございまして、もうここ一週間足らずのうちにはぜひさようなことを最終的に決定いたしまして、御指摘のような不便の点を解消いたしたいというのでやつている段階でございます。
  14. 首藤新八

    首藤委員 なお私はこの際委員長に対して一つ質問なりお願いをいたしたいと思うのでありますが、それはただいま問題になつております受託機関の問題でありまして、これは国会附帯決議といたして、先ほど申し上げたような五つの機関が一応指定されております。しかしながらこれをつぶさに実際にわたつて検討いたしますと、先ほど申し上げましたように、神戸のような大都市に現在はわずかに相互銀行と商工中金だけである。神戸で最もたくさんの中小企業融資をしている神戸銀行が、地方銀行でありながら大銀行に入つておるということから除外されている。これはひとり神戸の例だけでなく、名古屋におけるところの東海銀行、あるいは大阪におけるところの大和銀行、みな大体同様の状態にあると思うのであります。これらを除外いたしますれば、その受ける打撃の一番大きいのは中小企業者自身でありまして、せつかくかような中小企業育成の立法をしながら、結果においては逆な方向に陥るおそれがありますので、国会附帯決議ではありますけれども、一応再検討いたして、もう少し実態に沿うような方向に修正することがいいんじやないかというような気持を持つておるわけであります。さらに信用協同組合でありますが、これは附帯決議においては、商工組合中央金庫を通じて融資をする、商工組合中央金庫の下部機関になつておりますが、しかし今日の信用協同組合の持つておる力といいますか、ほんとうに末端の業者まで徹底した融資をいたしておりますのは、実にこの信用協同組合であると申し上げても過言でないと信ずるものであります。この信用協同組合が商工組合中央金庫を通じて融資を受けるということになつておりますことは、事実において手数料あるいは事務上等におきましても、決して業者の利益にならないような点が多々あると思うのであります。この際この代理機関に対しましては、一括して委員会でもう一応再検討して、実態に沿うような方向に持つて行く必要があると思いますので、この点ひとつ委員長の御意見を伺いたいと思うのであります。
  15. 大西禎夫

    大西委員長 お答え申し上げます。ただいま御指摘の通りの問題が、大蔵委員会の方から私どもの方に参つております。それで一応当委員会附帯決議といたしまして決定を見ております問題でありますので、後刻理事会その他の方法をもつて、皆さんととくと御相談してきめて参りたい、かように考えております。
  16. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 ただいま附帯決議に関する窓口範囲の問題が出ているようでございますが、私の郷里につきましても神戸と同じようなケースが当てはまると思います。たとえて申しますと、今度災害を受けました知多郡という一郡は、山梨県一県、鳥取県一県の税金よりもはるかに大きい税金を納めるほど、経済が動いておるわけです。一ノ宮一つだけでも、福井県一県よりも大きく経済が動いている。ところがこの窓口が許されておるところを見ますと、そこにほとんど許されておる窓口がない。なぜないか、そこに信用金庫とかあるいは相互銀行というものがなければやむを得ないですけれども、あるにもかかわらず、それが許されていないという状況です。従つて東海銀行に頼まなければならぬじやないかという御意見が出ているわけです。それで私の考えからすれば、あの附帯決議が行われるときには、慎重審議されたはずなんです。従つてこれをまず十分に実行に移して、それでなお不足であるとか、それでは運営上足りないということになれば、当然十一大銀行も考慮する余地があると思いますけれども、まだその信用金庫も、あるいは信用組合も十分に行われていない先にそれを考えるということは、これは法の精神及び附帯決議を忠実に守るという意味において、やや欠ける点があるじやないか、こう思いまするが、この点先ほど来のお話によりますと、開銀のあと継ぎをやつたとか、あるいは復金のあと継ぎをやつたものだけをさしあたつて許すということでありますので、当初としてはやむを得ぬと思いますが、早急にこれに対してあれをふやす、これをふやす前にまずあの附帯決議を忠実に実行するために範囲考えるということをまず行つていただきたい、かように考えますが、この点岡田さんなりあるいは坂口さんなりのお考えをひとつお漏らし願えれば幸いだと思います。最初に福井県云々申しましたが、悪ければこれは取消します。
  17. 首藤新八

    首藤委員 加藤委員は私とは若干違つた意見を述べたようでありまするが、先ほど委員長が、後刻理事会その他によつて慎重に検討しようということでありまするから、私はこれ以上この問題には触れることを御遠慮申し上げたいと思います。  そこでその次にお伺いしたいと思いますのは、これは企業庁の長官にお伺いしたいと思いますが、信用保険法の適用がきわめて不徹底である。今日まで幾たびかこの問題は議論されたのでありますが、今日なお保険法の存在さえ知らない代理機関がたくさんあることに、私はいささか驚いております。実は具体的に申し上げますれば、先般神戸の興業銀行の支店でありまするが、ここに金融公庫融資を頼みに行つた方のお話によると、信用保険法という、そういう法律があること自体知らない。従つて今日までこれを一回も適用したことはないということであります。せつかく中小企業金融難を打開いたすべくつくつた法案が、かような大銀行、しかも中小企業に相当の理解があると思われる興銀さえもこれを知らないというに至つては、他の一般金融機関はほとんどこれを問題にしていないのじやないか。現に今日までこれを適用した融資の額が、われわれの当初期待した金額よりもはるかに低い。この低いことが、徹底していないことを何よりも雄弁に立証しているのではないかとも考えられるのであります。この際こういう面に対しては、もつと積極的に徹底するような方途を講じて、そうしてせつかくできた法案を生かして使う。そしてこの中小企業金融難をこの面からも打開して行くという点に、できるだけの熱意を示してもらいたいと思うのでありまするが、長官はどういうお考えを持つておるか、この点ひとつ答弁願いたいと思います。
  18. 岡田秀男

    岡田説明員 御指摘の通りでありますればはなはだ慚愧にたえないのでございます。私どもといたしましては、たとえば先般の第十六回国会におきましても、信用保険法の一部改正法案が成立をいたしたのでございまして、それに伴いまして全国主要のところで、その地域内の全部の金融機関にお集まりを願いまして、説明会を開催いたしたのであります。東京でもやりましたし、その他主要都市におきまして、全部の金融機関に御案内を差上げまして御参集を願い、信用保険につきましても詳細の御説明をいたしたのでございます。金融機関が知らぬということにつきましては、いささか私どもといたしましては、当該金融機関があまりにも怠慢じやないかという気が私から申せばいたすのでございますけれども、しかしそれはともかくといたしまして、われわれの努力の至らざる点もあるかと思いますので、なお一段とこの普及徹底に努力を惜しまないつもりであります。御指摘のような点のないことを期しまして、今後努力いたします。
  19. 首藤新八

    首藤委員 申し上げるまでもなく信用保険法担保力の薄弱あるいは信用の薄弱という点から中小工業融資が不円滑である、これを補うべくつくつた法案であります。従つてこの法案を十二分に活用いたしますれば、担保力が不十分であろうとも、中小企業金融は、おのずから打開されることになつておるのでありますから、せつかくこれが徹底周知のために、格段の努力をしていただきたいということを特に私はお願いしておきたいと思います。  なお私一人が長時間質問するということはどうかと思いますが、もう一点お伺いしておきたいと思います。中小企業安定法の運用であります。これも前国会におきまして、昨年立法した内容にあまり大きな欠陥がありますので、これを修正して、大体完全な法案といたしたと考えておるのであります。従つて業者の方では一日も早くこれを運用してもらいたい、そうして安定した業界を実現したいということで、非常な熱意と努力をいたしておるのでありますが、結局それが役所の方において渋滞して、いまだ一つも審議会にかかつたものがないということを聞いておるのであります。この問題に対してはどういう程度になつておるかこの点を承りたいと思います。
  20. 岡田秀男

    岡田説明員 特定中小企業の安定に関する臨時措置法が先般の国会におきまして中小企業安定法と名も改まりまして、内容におきましても相当充実したことになつておることはその通りでございます。私どもといたしましては、中小企業者不況に対処する方途かそれだけ強化されたということに相なるわけでございます。今後この法の運用を上手にやることによりまして、中小企業者の保護をはかりたい、かよりに考えておるのでございますが、現在のところこの調整組合が設立いたされておりますものは八十ございます。調整規定ができておりますものが五十九に相なつておるのでございます。中小企業安定法の二十九条に関連いたします調整命令の発動につきまして、関係業界から出ておりまする申請書は、正式にはタオルの業界から一つございます。マツチにつきましては一応申請がございましたけれども、書類の内部に不備な点がございますので、これが是正方を頼みまして、一応引取つてもらつたようなかつこうになつております。それらのものが現在出ておる状況でございます。タオルにつきましては、正式に書類といたしましては完備しておるのでございます。それが現在の経済状況におきまして、アウトサイダー命令を出す、あるいは設備の新設禁止命令を出すということが必要であるかどうかという点を、具体的に検討中の状況でございます。
  21. 首藤新八

    首藤委員 先程来公庫の問題で申し上げた通り、われわれは中小工業者の現在の不況は、根本は金融難でありますけれども、しかし一方においては計画性がなさ過ぎる。要するに自由放任過ぎるという点もまた見のがしてはならぬ大きな原因だと考えておるわけであります。従つて右手では金融して、左手で計画性を加えてやる、この二つによつて初めて田本の中小工業者の現実の経営ができる、これが一つ欠けてもとうてい目的は達成できないということを考えて、この安定法並びに公庫法については、人は格別の関心を持つのであります。従つておそらく現在八十何ぼの調整組合をつくつてある産業は、あの昨年の不完全きわまる法案でさえも、溺れる右はわらをもつかむという気持から、あの調整組合をつくつておるわけであります。従つて今回の修正した法案は、業界が大体これを円滑に運用いたしますれば安定するという自信の持てる法案であります。従つて産業界も、一日も早く第二十九条の命令を出してもらいたいということに非常に期待を持つておると存ずるのであります。今承りますればタオルだけで、マツチはまだ完全でないということでありますが、早晩私は各調整組甘からそれぞれの申請が出ると考えておるのであります。もしこれが遅れますれば、この調整組合の発動によつて業界が安定するという考え方から、新しく業を始める者が続出するの情勢にあるということであります。せつかく安定法をつくりながら、さような情勢になりますれば、かえつて安定法は結果において不安定法になつて来る。そこで間髪を入れず、要するに新しい思惑的な業者が続々として現われない間において躊躇なく指令を出して、そうして完全な一つの計画経済的な内容を有する調整組合を運用するような方向にしておいていただかなければならぬと思うのであります。これ以上私は御質問することを遠慮いたしますが、各産業界、調整組合からそういう申請のあつた場合には、いつまでも役所の寄議という口実で渋滞することなく、躊躇なくこれらの指令を出して、そうしてそれらの産業が一日も早く安定する方向発足できるような御指導をしていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問はきようはこの程度でやめておきたいと思います。
  22. 大西禎夫

    大西委員長 中小企業に関して他に御質疑はありませんか。——小平君。
  23. 小平久雄

    ○小平(久)委員 本日は公庫発足後最初の委員会でありますので、私は公庫運営が実際にどんなふうに行われているかという点について、この際一、二点伺つておきたいと思うのであります。  まず第一は、公庫資金の割当というものが実際にどんなふうに行われておるのか。多分各金融機関別に大体のわく等が決定されて流れて行つているのじやないかと思うのですが、そういう点は実際どんなふうに行われておるのか、これを一点伺いたいと思います。  それと同時に、今度公庫発足するにあたりましては、先ほど首藤委員からもお話がありました通り、一般中小企業者が非常に期待をいたしておつたのであります。しかして公庫発足した、こういうことでありますが、業者側から言えば、むしろ一体公庫の金がどこに流れているのかわからぬというのが実情のようであります。しかも資金が大体金融機関ごとに流れておると思いますので、たとえばある県なら県につきましても、一体県内に公庫の金というものはどのくらい来ているかということが一向わからぬ、こういう実情からして、県当局などは業者の指導にも困つておるというのが——先般われわれは委員長と一緒こ四国方面等も視察いたしましたが、大体そういう声が非常に多いのです。従つてせつかくできました公庫の金がどう流れておるのか、どこへ流れて来ておるのか、どこへ申し込んだらいいのか、一向業界でつかまえどころがないのが実情ではないかと思うのです。従つて、私の聞くところによると、わずか発足以来一箇月でありますが、利用者も件数等から見ると案外少いのじやないかと思うのですが、一体今までどのくらい申込みがあつて、一箇月間にすでにどのくらい貸出しをしたのか、この点をあわせて首藤委員の御質問関連して伺つておきたいと思います。
  24. 坂口芳久

    坂口説明員 お答え申し上げたいと思います。非常に開店を急ぎましたので、そして非常に期待されておりましたので、なるべく早く資金を流したいと思いまして、九月開店いたしましたときは実際わくをつけませんで、できるだけ出してほしいといつて代理店にお願いいたしました。その結果九月中に十二億五千万、その後なお二、三億来ておりますが、これはちよつと教字がわかりませんが、その見当の貸付の決定を見ております。これからあとの資金のわくでございますが、これから三箇月間金融機関事務処理能力といいますか、それからその地方における中小商工業者の数と申しますか、そういうようなことを考えながら、約六十億の金をわけていただいております。これにつきましては金融機関の種類別ということはあまり考えずに、各代理店ごとに考えて行きたいと思います。その集計した結果、あるいはそういうふうに機関別になるかもしれませんけれども、私の考えでは、代理言ごとに処理能力等を考えながらその地方の中小商工業者金融というようなことで考えて参つて、ごく最近の機会にいたして行きたいと思います。それは先ほど申しました新しい代理店を加えますので、それを加えまして、少くとも数日のうちにはきめて参りたいと考えております。
  25. 小平久雄

    ○小平(久)委員 今の御説明ですとわくをきめないと言われたのですが、今度のは代理貸し方法が大分あるのではないかと思うのです。そうなりますと、たとえば四半期ごとなら四半期ごとの貸出額というものを大体きめて計画的にやつて行くというのではなくて、もう各窓口がかつてに貸せばそれでよろしい、こういう行き方なのでしようか。それと同時に、簡単なことですからもう一つ、これはむしろあわせて長官に伺います。今、九月だけでも十二億五千万出たというお話でありますが、本年度内の資金発足以来約百億足らずではないかと思います。今後の状況がどうなるか知りませんが、一箇月十二億から出ておる、今年度だけでも百億、さらに明二十九年度の予算要求等についても当局はすでにやつておることと思いますが、そういう点はどんなふうにやつておるか。公庫関係ですが、この際伺いたい。
  26. 坂口芳久

    坂口説明員 わくを設けずにと申しましたのは言葉が足らなかつたと思いますが、十一日から九月末までの間できるだけ出してほしい、こういうことを申したのであります。調査期間等がありますものですから、できるだけ出してもらつてもいいのじやないかというつもりで、九月だけわくをつくらなかつた。あとはもちろんわくをつくつて行かないと資金計画が立たないのでありますが、九月だけの意味で申したのであります。言葉が足りなかつたかと思います。
  27. 岡田秀男

    岡田説明員 先ほど坂口総裁からもお話がありましたが、九月から十二月まで約六十億見当の資金を流しておるわけであります。そうなりますと、来年の三月三十一日に終ります第四・四半期では、四十億足らずになると思うのであります。それは公庫開店が非常に待望されておりました関係上、初めの方にわくとしては多く流しておく方がいいのじやないか、またちようど金融の繁忙期にも入りまするので、そういう点も考えて、頭でつかちな資金配分をやりたいということでやつておるのでございます。そうしまして九月から三月までの金は大体百億でございます。そういたしますと、月平均が大体十五億見当の割振りに相なるわけでございます。来年度といたしましてはてれを二十億見当の運用に持つて行きたい、そういう考えから、大蔵省に対しまして二百億の要求をいたしております。若干の償還も見込み得まするので、二百億の資金が入りますれば月二十億の運用ができようかという計算にいたしております。
  28. 大西禎夫

    大西委員長 加藤君。
  29. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 娘一人に婿百人ぐらいの希望があつて、それを選択なさいますにあたつては、公庫の本部としても窓口としても、いろいろ御苦労なさつていらつしやるということはよくわかりますが、先ほど来から承つておりまするただいまのこの部屋の言葉と、それから窓口に行つて聞きます言葉との間に、少し相異があるような気がいたします。もし相違がなければけつこうですが、相違があつたとすると、どこかで間違えていることになります。その点について承りたいと思います。実は窓口中小企業の方々が行かれた場合に、あなたのところは過去の実績がないから貸すことができない、あるいは新しく口座を設けてくれ、そうすれば何とかしましようと言う。そうしなければ、参考資料も何ももらえずに返されるというようなことを聞いたのでございます。それが事実であるかないかは、公庫の手先ではまだおわかりにならないと存じますけれども、ただいまの坂口総裁やらあるいは岡田長官お話によりますと、そうじやない、ほんとうに過去の金融機関融資することを困難とした対象に融資するという本旨にのつとつてやるのだ、こういうようなお話でございます。はたして公庫の方としては、過去に取引関係があつたら貸してあげましよう、新しく取引関係を結んだら貸してあげましようという事実が、もし窓口にあつたとしたならば、一体どういう手段によつて、あるいはどういう方法によつて、これを事なきようになさろうとなさいますか。  それからもう一点、先ほど首藤先生のお話に、運転資金設備資金を平等にというお話がありました。むしろ運転資金ウエートを置くべきであるという御趣旨お話がございました。まことにけつこうなお話で、私もそれについては大賛成でございます。その百を同じようにまたここでお答えになつていらつしやるようでございますか、事実窓口に聞いてみますと、すでに設備のあるものに対して新しく設備を増設する場合とか、あるいは運転資金の場合でも、新しく増設ないしは設備がえをしたために、生産能率が上つて、原材料の消費が多くなる、従つて運転資金がたくさんいるようになつた場合にのみ貸すのだ、運転資金というのは、そういう場合をさすのだということが、すでに書類にまで来ているのだという話も聞いたのでございますが、それは事実であるのか事実でないのか。そういう書類を私は見ておりません。悲しいことに、ここに書いてあるかどうかも、私まだ読んでおりません。そこで、そういうことがあるのかないのか。それはそういうことがあつたかなかつたかということをお調べいただくことをお願いしているのではなくて、この際どう考えてみても、窓口としても、見ず知らずの人に貸すということは無鉄砲なことで、国家の大事なお金をそういうことはできないでございましようけれども、ともすると自分の商売繁昌の目的を達成するための手段に、この娘一人、婿百人の金を利用しがちになるということは、すでにこの公庫法を審議する折に出ておつたことでございますが、はたせるかな、それがどうもあちこちに見受けられるようでございます。そこでこの際御質問したいことは、親心はきよう承つたのでございますが、末端まで行きますと、子供は親心を知りません。さきのお話のように、窓口がどこであるかさえも知らぬ人がある状態であります。窓口に行つても、法の精神を知つておる人は非常に少い。そこで悪気ではないだろうけれども、知らないために過去の自分の集めて来た預金を貸すと同じような態度に出ていらつしやる窓口が、間々あるようにお見受けしますので、親心を一刻も早くこの際末端までよく周知徹底させる必要があると存じます。こういう点については、開店早早で、まだその点まで手が延びないとおつしやれば無理ありませんけれども、一体どのようにお考えになつていらつしやいますのか、その点をさきの窓口範囲とあわせて、お答え願いたいと存じます。
  30. 坂口芳久

    坂口説明員 前にお尋ねになりました点は、代理店の拡張でございますね。これは先ほど岡田長官お話になりましたように、ここ数日のうちに百数十増せるようになると考えております。従つて先ほども申しました通り、それと同時に、資金のわくも広げて行きたいと考えております。  それからあとの窓口でございますが、これは代理店窓口だと存じますが、代理店についての従来の連絡がまだ不十分であります点は、開店早々でございまして、これからも十分に連絡をとりまして、私どもの気持がぴつた窓口の方に行くようにいたしたいと思いまして、これからも努力して行きたいと思います。私の方にも先ほどお話のように、窓口金融機関に参りましたときに、当座預金をしろとか、あるいは掛金に入れというようなことがあつて、困るからというような意味の書面もいただきまして、それぞれの金融機関には私の方から、こんなことも来ておる、もしほんとうつたら困るからというようなことを申しております。従つてだんだんにわかつて来ると思います。また一方代理店契約の中にも、それと同じようなことを書きまして、自分の金融機関の利益になるために、あるいは預金をとつたり、肩がわりしては困るという一条を、代理店契約の中に設けておりまして、そういうことのないようにやつていただきたいと考えております。  それから長期運転資金の問題でございますが、これは非常にむずかしいと思います。ここにはこういうふうに一応書いてあるのでございます。さつき教えていただきたいと申しましたのは、長期運転資金をどういうふうに書いたら、一番窓口代理店の方におわかりになるかと苦心しているのでございまして、ここには一応わかりやすいものだけを書きました。この資金の下のところに書いてございますように、一応設備資金の投入に伴つて必要とされるものであつて、その設備資金は必ずしも公庫し貸付によるものであることを必要としない。そういうような点だけをまず書きまして、それから先ほど申しましたように、これをもつと広く行きわたらせるにはどういうふうにやつてつたらいいだろうか、長期運転資金についてもう少し考えて、広げて行きたいと急いでおるわけでございます。
  31. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 これは先ほどからもお話があつたのですが、必ずしも五年間と限らなければならないのではなくて、半年でも一年でもいいわけであつて、その点は長期に必ずしも縛られなければならない問題ではないと思います。それで先ほどもいい方法があつたらということでございますけれども、こういうことをなるほど新しい窓口が新しいお客さんを審査する場合には、お客の方でもうそを言う場合もあるでございましよう。それは税務署へ出す書類と銀行に出す書類がまるつきり違つたというようなこともございましよう。それをほんとうに真実を見きわめるには、窓口としても相当の経験、また苦労もいることでございましようが、そういう点を最も端的に把握して、最もよくわかり合うというのは、何といつても協同組合を結成しておつたり、あるいは企業組合を結成している仲間の方々がこれをまとめて借りに行きなさるということになれば、審査の必要も少くなるし、あるいは焦げつきとか借りて借り逃げとか、食い逃げというようなことも割合に少くなるのじやないか、こう考えられます。従つてその運転資金内容の吟味もさることながら、それ以上その審査に効果を最も上げ得るものは、地についた協同組合を活用することが最も当を得た、時宜を得た問題じやないかと考えておりますが、特に信用組合は括弧の中に入れられておるようでございますが、あれを永久に括弧の中に入れて縛つてほうつておくつもりなのか、それとも近き将来にわくを広げるというときに天下晴れて一人前の扱いをさせるおつもりでございますか、この点いかがでございましようか。これは岡田長官の方がよくおわかりのようでありますから、どうぞお願いしたい。
  32. 岡田秀男

    岡田説明員 これは先ほど首藤さんの御質問、あるいは加藤さんの御質問関連におきまして、委員長が通産委員会の決議の修正ということに関連されまして、後刻理事会等において検討するというお話がございました。そこでいろいろと御検討になりまして信用組合は括弧からはずすということになりますれば、私どもはさような方法でやることにやぶさかでないわけでございます。
  33. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 委員長にお尋ねしますが、その会は今度そのわくを公庫で広げられようとする前にわくを広げらるるに効果あるべく開かれまするか、それともそれはずつと先になりましようか。
  34. 大西禎夫

    大西委員長 私思いますのに、一度今国会附帯決議であなた方がやつておられる問題について、ここでそれを今修正するとか何とかいうことではなくて、何かそこに処置がありはしないかということで、皆さんに集まつていただいて知恵を出して何か善処して行きたい、かような考え方で御相談申し上げたい、かように思つておるわけでありまして、もう愛知県の問題、あるいは大阪、東京、あるいは兵庫県といつたところがこの問題でも困つておりますので、そういう問題と照し合せながら皆さんと御相談したい、こういう意味のことを申し上げました。
  35. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 そうすると時期はいつごろでございましようか。
  36. 大西禎夫

    大西委員長 きようすぐあとで皆さんと御相談いたすつもりでおります。
  37. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 わかりました。それでは十一大銀行を入れるか入れないかという点については、ただいまの委員長お話通り、これは委員会で最大公約数をもつて決議をした、衆議院も参議院も無事無修正で通過しているものを、わずか二箇月や三箇月の間でまた修正しなければならぬ、そんな権威のないことではいけない、従つてそれをどうこうというわけではございませんが、括弧の中に入つておるあれですね、あれは一体どういうふうな御処置に出ようとしていらつしやるか、この際特に承りたい。括弧の中に入つておるというのはゼロの意味ではないはずなんですから、生かして使うためにあそこへわざわざ書き上げられたはずであります。もし除くというならば十一大銀行と同じように入れてあわせて除くと、こう書かなければならぬ、ただそこへ出ておるということは御承知の員外利用やら何やらの問題にひつからんで、もしそういうことが、行われるとぐあいが悪いからというので、商工中金の何というのですか、ひざ元に置いております。こういうことで括弧をくつつけたわけでありますか、これはだから何も修正されなくてもどうならなくてもすでに行われてしかるべきであると考えております。ただ手続上めんどうなことはあるかもしれませんが、行われてしかるべきであると考えておりますが、そういうケースにつきましては岡田さん一体どう扱われようとなさつていらつしやいますか。具体的な事実についてお答え願いたいと存じます。
  38. 岡田秀男

    岡田説明員 あの括弧の意味がどういう意味であるかということにつきましては、それぞれ解釈の仕方があろうかと思うのであります。かりにこれを信用協同組合に関しましては、公庫が直接の代理店にいたしませんで、直接の代理店としては商工組合中央金庫を指定する。その傘下に信用協同組合を置きまして、まあ一種の副代理みたいな形でやるのだというふうにこれを理解いたしますれば、一つの理解の方法であろうかと思うのであります。ただこの点につきまして、私ども最近法律の専門家にいろいろと聞いてみますと、ある程度疑問が出て来ておるのであります。それは法律の二十条第二項におきまして「業務の委託を受けた金融機関の役員又は、職員であつて、当該委託業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」という条文が一つございます。それから三十二条におきまして「主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公庫若しくは受託者に対して報告をさせ、又はその職員に公庫若しくは受託者の事務所に立ち入り、業務状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。」のだというふうな、この法律によつて、普通ではできぬことを設権しておる条文が実はあるのであります。そういたしますと、法律公庫から業務を受託されたものでなければかような設権行為の対象にならぬという解釈が成り立つわけであります。そうすると、この法律解釈からいうと、副代理というもの  がはたして許されるのかどうかというところに、実は法制局ないしその方におきまして、一つの疑問を今提供されておるのが現状なのであります。それは法律解釈の問題でありますが、あの括弧をさように読んで実行すればよろしいのではないかと私ども考えておるのでありますが、それには若干さような法律上の疑義が存在するということについて最近申入れを受けておるのでありまして、この点をちよつと申し上げておきたいと思います。
  39. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 法律上の疑義があり、法解釈の問題にいろいろな難点があれば、これは法務府にまかせる。要はほんとうにこの法の精神とせつかく政府が、このたび御用意なさいました中小企業へのための金が末端に一日も早くスムースに流れて行つて、首つつて死ぬような中小企業がなるべく少く年の瀬を越せるように準備をしていただきたいものだ、今から準備されても、いいかげん十一月から十二月ごろになつてしまうことでありますから、ぜひひとつ早急に、御準備にかかられまして、特に一番末端の庶民に接近をしております信用組合も、晴れてこの業務ができるようすみやかに御尽力を願いたいものだ、こういうことをお願いするわけであります。  次に九州の台風の折にもこの公庫の金にまでいろいろ論議されたということを聞いておりまするが、そういうことはあつたのですか、なかつたのですか。
  40. 岡田秀男

    岡田説明員 九州の災害に際しまして公庫はまだできておりませんでした。その点につきましては、第十六回国会におきましても数次にわたりまして御報告を申し上げたのでございますが、当時中小企業向け長期の金と申しますれば、日本開発銀行中小企業向け設備資金貸出しをやつておりますのが唯一と申してもよろしい状態でありました。ところが日本開発銀行におきましては、本年の四月一日以降は、公庫ができるという前提のもとに、その中小企業向け貸出しを打切ることにいたしておつたのでございますが、公庫の出発が遅れましたために、四月以降業務は継続する。しかしそれによつて貸出しました金は、公庫で債権を買い取るという約束のもとに日本開発銀行業務を継続いたしたのでございます。そのような状態におきまして、九州において災害が起きた。これに対しましては応急の融資というようなことはいろいろ手を打ちますけれども、災害によつて被害を受けました中小企業者に対しましては、これは設備資金に限らざるを得ませんが、ある程度の長期資金を流すという要求が当然起きるわけであります。私どもといたしましては、開発銀行窓口を通じまして将来公庫で買い取るという約束の金を、九州並びに和歌山等の災害に十一億五千万円出したのであります。これは公庫におきまして開発銀行から買い取らねばならぬものでございます。
  41. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私一人で久しぶりに開かれた委員会を独占しても何ですから、これでおしまいにしますが、最後に九州、和歌山の被害と比べましてまた別なケースでいかれておるのが、今度の十二号台風でございます。これは皆さんお行きになりますとおわかりになりますが、まだきようでも一日に二回ずつ水の中を通つております。自分のうちから工場に行くのに、船に乗つて行かなければ行けない、こういう実情がたくさんございます。この点につきまして、九州の方でお働きいただきました大野伴睦先生も、それから戸塚建設大臣も、わざわざこの間現地視察をされたのでございますが、これは実にかわつたケースである。しかも被害か長期の様相を呈しておる。これに対しては早急に復旧の措置をはからねばならないという意味のことを、県庁におきましても、被害地の現地においても、述べてお帰りになつたのでございます。これは愛知県のみならず、福井県から、三重県から、静岡と、被害は大きいのですが、愛知県の一部分に例をとりましても、輸出産業であります、特に世界的な競争をアメリカでやりまして勝ちましたあの碍子の工場、これがいかれている。それから製鉄の工場がいかれている。それから日本中のほとんどの建築用のタイル、あるいはおふろ場とか、あるいは下水工事に要するところのタイルをほとんど一手に引受けてつくつております会社がございますが、その一工場でも二億、一億という大被害をこうむつて、なかなか立ち上れないという状況がございますけれども、それと同時に、さつき首藤先生のおつしやいましたように、中小企業融資だけでも足りないのでばたばた倒れているやさき、ことに二の九月に入つてからでもたくさんございましたが、それにかてて加えてこの台風でございます。そこで綿機は材料も潮水、どろ水にぬれてしまい、製品もいかれ、機械もいかれたというケースがたくさんございますが、これに対しまして政府といたしましては、九州、紀州の方に十数億の金を融資なさいましたものならば、ぜひ早急に十三号台風にも同じような政府の親心をお示しいただきたいものだ、かように考えます。これは考えるだけではなしに、地元に行けば自然に、そうしなければならぬという声が、情ある政府当局の方ならすぐ出て来ると思います。そこでぜひこれは早急に実行に移されますよう御努力願いたいものだ、かようにお願いいたしまして私の質問を終るわけであります。
  42. 岡田秀男

    岡田説明員 今回の第十三号台風によります被害につきましては、私どもの方にもかなりの資料が集まつておりまして、お説のように海の潮の満干によりますところの関係から特殊の状況を呈しておりますことも、十分承知いたしおるのでございます。いろいろと対策もございましようが、私ども関係いたしておるところといたしましては、まず災害地に対します金融機関指定預金の引揚げを十四億程度猶予いたすという措置を一応とりますとともに、中小企業金融公庫といたしましては、水害別わくといたしまして七億程度、国民金融公庫から五億程度、合せまして十二億というものを、九州におけると同様の条件、つまり六分五厘の低利をもちまして貸出しをいたすつもりにいたしておるのであります。九州の場合と多少異なりまして、今度は公庫がじかにその窓口を通じて流します関係上、運転資金融資も可能に相なるわけであります。私どもといたしましては、今度の災害のようなときにこそ、この長期運転資金というものが最も明瞭に識別もできますし、また役にも立つ一つのテイピカルな例であると考えておりますし、さような方向へも十分努力いたしましてこの金を活用いたしたい、かように考えているわけでございます。なお九州地方の対策といたしましては、小企業者に対します二十万円未満の小口金融に対します利子の補給でありますとか、あるいは中小企業信用保険に関しまして填補率を九割に引上げるとともに、保険料を百分の三のうち百分の一を国で持つというふうなこと、あるいは国有機械の交換等につきましても、災害地特有の制度を立案してあるのでございますが、これらの点につきましては要立法事項でございますので、おそらく来るべき臨時国会においてそれぞれ適切な措置がとられるものと期待いたしておるのでございます。そうなりますれば、当然これらのものにつきましても今度の災害地に適用になるということになるわけでございます。
  43. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 簡単なことを一、二点お伺いしたいと思います。さつきからわくわくとおつしやつていますわくというのは、業種のわくのことですか、業種に対する金額のわくのことですか。
  44. 岡田秀男

    岡田説明員 わくと申しますのは、どの点のわくを申されたのかよくわからないのでございますが、中小企業金融公庫が一・四半期ごとにわくを出すと申しますのは、先ほど総裁が申し上げましたように、窓口々々を押えまして、その窓口の実情に合うような資金わくを与えて、その集計がどうなるかというところで資金運用計画を立てて行くという意味のわく、従いましてこれは業種別ではございません。それから災害に対しまして、先ほど申し上げました別わくとして公庫から七億、国民金融公庫から五億というものを六分五厘で出すという別わくと申しますのは、水害の地方に対する水害復旧資金として別わくを設定してやるというわけでございますから、これまた業種別のわくではないわけでございます。
  45. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 どうも先ほどからわくを広げるということをおつしやつておられたようであるけれども、その点が非常に私は疑問で解すことができなかつたから——この問題は単なるなぞのようなことでなくて、業種をどういうふうに拡大するのか、あるいは業種による総金額はどのように割当ててそのわくをつくるのかということは、これは非常に大事なことなんです。そこで、さつき長官が言われた窓口のわくの云々という問題、これも非常に抽象的であるが、一体その点はどういうように解釈したらいいのですか。その窓口のわくというのは、どういうような意味でおつしやつておられるのか、その点もう少しはつきりおつしやつていただきたい。
  46. 岡田秀男

    岡田説明員 それは、ある金融機関というものに対しましては、たとえば十月から十二月までに一千万円なら一千万円、五千万円なら五千万円というわくを、設定といいますか、通知いたしておきますれば、当該金融機関はその公庫から渡されましたわくの範囲内におきまして金融の申込みを受取つて、審査して、公庫の方へ金の請求をする。たとえば甲方式でありますればそれでよろしいわけでありまするし、乙の方式と申しまして、決定を公庫に保留しておる分は、またその範囲内で公庫の方へ決定を上申してきめてもらうというように相なろうかと存じまするが、要するにその当該金融機関が、当該機関のわくの範囲内において公庫の金が貸出しできるという範囲でございます。
  47. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 総裁の言われておつたのも、そういう意味ですか。
  48. 坂口芳久

    坂口説明員 その通りであります。
  49. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 わかりました。そこでもう一つお尋ねしたいのは、業種に対してわくというものが考えられぬということになれば、あるものには非常にこの額が大きくなつて行く、あるものは非常に借りたいけれどもうまく借りられぬというような、不公平というか、そういう状態が起つて来ることも考えられるが、さらに国の立場から、やはり中小企業資金も国の一つの、産業というか事業の立場から、こういう業種のものは、今後対外的の関係といいますか、あるいは国内的な立場からでも、これは育成指導しなければならぬ、こういうものは、積極的にやらなければならぬというようなものと、そうでなくて、どうもこういうものはあまり育成助長しなくてもいいじやないかというものと、当然あると思うが、せつかくの国の金ですから、そういう点もやはり考えながらこの資金というものは使つて行くべきであると思うが、そういう点は全然考えないで、申し込んで来るものはどれでも、とにかくその審査といいますか査定といいますか、それに該当するものには貸してやる、そういう考えですか。
  50. 岡田秀男

    岡田説明員 公庫の金を貸し出します業種につきましては、公庫の金が財政資金である、おおむね国民の税金から上つて来た金であるという性質から見まして、一切の業種にこれを貸すということは不適当であるということは言えると思うのでありますが、しかしながら、中小企業という観点から見ますれば、特にどの業種に重点を置いて、他の業種よりは優遇してやるんだというようなことも、この中小企業の幅の広い、数の多い業態を押えて行く上から申しまして、はたして妥当であるかどうか、実際問題として困難な点があるようにも思われますので、公庫の運用といたしましては、中小企業金融公庫法の施行令におきまして十七の業種を掲げておるのでありまして、この十七の業種に関しましては、そのケース・バイ・ケースによりまする当該企業が公庫金融ベースに乗るものでありまするならば、これに金を貸すということにいたしておるのであります。しかしながら、たとえば、十六番目に旅館業というものを置いておるのでありまするが、旅館業と申しましても、たとえば都会の周辺あるいは享楽地帯等におきます旅館業の中には、税金の金を貸し付けることを不適当とするような旅館業もなきにしもあらずでございまして、これらの点につきましては、運用上いわゆる享楽的な点は除いて貸して行こうというような運用方針をとつておるものもないではないのでございますが、一般的に申します。と、ここに書いてあります十七の業種であるということでございますれば、当該企業が公庫金融ベースに乗りますれば、それぞれ貸して行くという建前をとつておるのであります。今後情勢の変化がありまして、ある特定の事業に特に特殊な措置をとらねばならぬというような場合が起きて来ますれば、それはその場合においてまた別途考慮すべきかと存じますが、さしあたりといたしましては、業種別に特別のウエートを置くということはいたさず、公庫の金をお貸ししてもそう不都合ではなかろうと思われる業種十七につきましては、建前としては平等の扱いをいたしておるのであります。
  51. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 先ほどおつしやつておられた九州水害の中小商工業関係に対して、開銀から——この公庫法が通つたら開銀の方にそれを返すということで、私今その金額を確実には記憶しておりませんが、たしか二十億じやなかつたろうかという気もするが、それはどういう形でやられておりますか。地元の水害地の市町村では、この金を借り受けたというものを私聞いていないが、どういう形でやられておるか、その点をひとつこの際はつきりおつしやつていただきたい。
  52. 岡田秀男

    岡田説明員 九州地方の水害に開発銀行を通じて出しました金は、九州、出品を入れまして十億五千万円であります。これは従来開発銀行が、水害ということに関係なしに、開発銀行中小企業向け貸出業務関連いたしまして、百数十の代理店を持つておるのであります。その代理店を通じまして、開発銀行から十億五千万の金が九州、山口に出ておるわけでありまして、現にその金も相当消化をされておる状況でございますので、その点はあるいは御存じない方があれば、宣伝が行き届かぬという点はあるかも存じませんが、実際上はある程度の成績を上げておる現状でございます。
  53. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それはどういう方法で、たとえば県というか市町村というか、そういうところに知らせる方法として、その扱い方の問題として、どういうふうにしてこれを流されておるか、その点を具体的におつしやつていただきたい。
  54. 岡田秀男

    岡田説明員 開発銀行から自分の代理店に対しまして通知が行つておりますと同時に、われわれの方からは、通産局でありますとか府県庁等へ、開発銀行からかような趣旨の金が、その代理店を通じて、あなた方の地方にこれだけの金が出ておるということを府県に通知をいたしまして、府県から罹災民にその趣旨の徹底をはかつてもらうようにいたしており、また各府県がその機関を通じまして、その金のあつせんと申しますか、罹災民と代理店との橋渡しの役もしてもらうように、府県に連絡をいたしておるわけであります。
  55. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 おそらくそれは徹底しておりません。最も都市でひどかつたのは、九州でいえば久留米と熊本というものを考えなければならぬ。久留米のごときにおいても、私は先般行つて調べたのだが、市役所もこれを知らぬ。従つてその損害を受けたところの企業者も商人も、これを知りません。借りた者はただの一人もありません。これは私がここではつきり言うことができますが、そういう状態でありますから、そういう点について、せつかくの金でありますから、どういう方法でその金が貸し出されておるか、またそれが利用されておるか、そういう点について一応調べていただきたい。さらに徹底するようにおつしやつていただかなければならぬが、実情について一応お調べ願いたい。
  56. 岡田秀男

    岡田説明員 その点は各府県庁を通じまして、また別途開発銀行を通じまして、両方から資料をとりまして、つき合わしてみたいと思います。
  57. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 これは臨時国会等にも関連する問題になりますし、従つてあの法律関連する裏づけの問題になりますが、水害による中小企業者というか、商工業者というか、そういう関係に対する予算の裏づけの問題等も臨時国会に出て参ります。そういう問題に対するところの十分の手配の問題、たとえば今私が質問しておる問題等にもこれは関連をするのであるが、そういう点ともからまる問題でありますから、そういう問題について、さきのやれる問題等においても、よりよく敏速にこれを生かす方法考えなければならぬ。そういう点についても、あわせて十分考えていただかなければならぬ。この点は今ここで答弁を聞こうというのじやありません。そういう点も含んで、さきにいろいろな失敗等のあつたことを私は知つておるので、失敗がないように十分に注意して、万全の処置をとつていただきたいと思います。これは希望しておきます。  それから、貸付に対する審査、査定の問題であるが、従来からこの審査、査定の問題で、これが六箇月かかり、一年かかつても、なかなか借りられぬということが、この問題の起つて来た点であります。そういう点がこの法律をつくるときも論議の中心になつたことであるから、この貸付に対する審査、査定の問題をひとつ時間的に早く解決してもらいたい。借りる者と貸す方との食い違いの問題とか、あるいは委託を受けた銀行が不公平な取扱いをするというそしりを受けるような問題等も、私は必ず起つて来ると思う。そういう点について、どのような考え方で指示しようとしておられるかという点を、その後における今日までの状態の点から、お考えを伺つておきたい。
  58. 岡田秀男

    岡田説明員 公庫の運用を敏速にやるということは、これは公庫の生れました使命からいたしましても当然でございまして、各代理店窓口から上つて参りました貸出しの書類が公庫にいたずらに停滞して、半年もかかるということではたいへんなことでございます。この九月の実績を見ましても、開店早々どちらかと申しますれば、いろいろな内容の整備でありますとか、人を雇うとか、事務所をどこへやるか、電話はどうだというふうな、まるでおちついた執務のできないような状態にありながらも、かなりの成績を上げておるのでございます。十月の六日までに上つて参りました件数約五百十件、十四億くらいの申込みがありましたのに対して、二割見当のものはすでに決定して処理をいたしております。そういう状態でございますので、事務は日一日と習熟の度を加えますし、事務所の設備その他の点も整備の度を加えるわけでございますから、能率は一段と上る一方でございます。かような状況で推移いたしますれば、公庫事務怠慢のために貸出しが遅れるという状態は、まずなしにやつて行けるのではなかろうかということでございますが、しかし気がゆるみますといけませんので、絶えず総裁以下に御勉強を願うように私どもからもお願いをいた力つもりでございます。
  59. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 その委託しておる金融機関で必ず起つて参ります不公平な問題、たとえば取引の関係というか、あるいは自分のところで貸しているものに不安が起つて来れば、借りかえの問題などもつて来ると思うが、その問題も国の資金の点から行けば重大であるが、もつと一般に与える問題としては、不公平の問題がとかくつて来がちではないかということが考えられる。これはかなり注意をしておかなければならぬ問題だと思います。たとえばそこに取引がある、信用があるというものには敏速にそれを扱つてやるが、しかし取引がない、それからいろいろ信用状態等の方においてもどうも初めてだというような点から、必ず不公平が出て来る危険性が十分考えられる。そういうことのないように、この点は十分注意をして、そういう点からとかくの非難攻撃の起らないように、運営の面について特に長官からも総裁には十分注意をしてもらいたい。これは私の希望です。     —————————————
  60. 大西禎夫

    大西委員長 次に、繊維に関し質疑の通告がありますからこれを許します。齋木君。
  61. 齋木重一

    ○齋木委員 私は繊維に関しまして御質問いたしたいのでございます。先般の国会におきまして特に人絹糸に対するところの通産省のあれ以来とつて来た政策と申しましようか、いかなる方法をもつて対処されて来たかをまずお聞きいたしたいのでございます。
  62. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 人絹糸の値段が非常に高いという点は仰せの通りでございまして、最近人絹糸あるいは人絹織物の輸出が減退しておるという点から見ましても非常に遺憾なことでございまして、私どもといたしましては極力これを下げたいというように考えておる次第でございます。根本的に値段が高いという点は、やはり需給の点にあるのでございますから、これと関連をいたしまして、取引所の問題も同時にあわせて考えなければならない問題だと考えておるわけであります。従いましてわれわれといたしましては、取引所の面と、それから基本的な需給の面、この二つについて考えて参つたわけであります。まず需給の点でございますが、特に最近の高い値段ということは、輸出が非常によく伸びて参つたどいう点が大きな原因でございます。大体人絹の製品の輸出というものは、できましたものの六割を内地に向ける、四割が輸出されるという状況でございます。ところがこの四月以降の輸出の状況を見て参りますと、大体五割から六割くらいのものが輸出であります。従いまして、輸出と内需とはすつかり逆になつておるというような状況でございます。そういうふうに、輸出がよく出ました結果内需がなくなつてつたという点と、それから第二番目に、人絹の生産能力の点でございますが、現在日本の人絹六社でもつて日産約二百四トンの能力があります。ところがこの登録能力に対しまして、われわれこれが全部できるかどうかということについて多少の疑問を持つておりまして、この二百四トンで参りますと、月に約千三百五十万ポンドばかりできるわけであります。ところがいろいろな機械の定期修理その他を合せますと、大体一割ぐらいのところが実際の稼働能力ではないかと考えております。そういたしますと、大体先ほどの千三百五十万ポンドの九〇%の千二百二十万ポンドになるわけでございます。これが現在の一応の能力ではなかろうかというふうに考えております。それに対しまして、現在八月の状況は大体千百六十万ポンド出ておりまして、ほとんどフル稼働をやつておるという状況であります。一方人絹の設備と申しますのは、非常にコストがかかる状況でございまして、今のところ急にこれを増強しようというような機運もございませんし、やるとしても、大体一トンにつきまして三億くらいの金がかかります。従つて普通日産十トンのものをつくるとなれば、三十億の金がかかるというような状況でありまして、急にこれができないというところから、今後の増産ということはなかなかむずかしいのではないかというような思惑もございまして、これが高い値段に導いたのではないかと考えております。それで、これの需給の点でございますが、われわれとしましては、本年の人絹糸の生産は、大体一億四千六百九十万ポンドを計画したのでございます。それに対しまして、四月から六、七、八の実績を見ますと、その計画の大体九五%しか出ておらないわけであります。これは最近の人絹の傾向といたしまして、だんだん太いものから細いものにかわつて参る、それがだんだん高級の織物ができるという傾向になつておりまして、従つて糸が細ければポンド数が少いというりくつになるわけであります。そういう点もありますが、九五%に下つておる。その結果、今年の計画に対して実績の方は多少下まわつておるという点がございます。この点につきまして、われわれとしては計画通りのパルプの手当をやつておりますので、大体この計画にあるだけの増産をまずメーカーとしてはやるべきであるというふうな点でもつて、メーカーに対する増産の要請をいたしたわけであります。さらに、その後これでもつてなお需給の状況が好転しないという場合、しかも値段が非常に高くなつて、それが下つて来ないというような状況がなお続くならば、われわれとしても人絹糸の輸入を考慮する必要があるのではないか。特に輸出用の人絹織物の原糸を、むしろ海外の安いのを買つて、それを加工して輸出する必要があるのではないか。そういうことをすることによつて、多少思惑的な内地の高い相場も引いて来るのではないかということでもつて、遂に人絹の輸入を考慮するという事態に立至つたわけであります。  さらに第二番目といたしまして、需給の問題のほかに、取引所の問題がございます。われわれといたしましては、取引所の相場が正当な価格を現わすということはきわめて望ましいことでありまして、取引所の運営についても多少不健全な要素がなかつたろうかということも考えたわけであります。この点につきまして、取引所の側におきましても、たとえば証拠金をとることを励行するとか、そういうふうないろいろな自粛の方策をとつていただいております。さらに共用品の範囲の拡大ということを考えております。これは人絹の共用品が、大体ビスの百二十デニールのかせの一等品でありますが、これが全体の人絹の生産の五五%程度であります。これでは、その商品が非常に少いと、買占めのおそれがあるというところから、受渡しの共用品の拡大という措置も東京、大阪の取引所を通じてやつていただいておるわけでありますが、その結果、かせの二等品、あるいはまたビス百五十デニール、あるいは百二十のコーン巻というものを追加いたしまして、結局最初のビス百二十のかせの一等が全体として五五%であつたわけでありますが、その結果大体七〇%に広がつたわけであります。そういうふうな受渡しの共用品の拡大ということによつて、思惑の買占めによる値段の高騰を防ごうではないか。  それからさらに第三番目といたしまして、思惑による買占めに対しまして、現物を売りに出すということが必要ではなかろうかという点を考えたのであります。これはメーカーの方を指導いたしまして、取引所の方に現物を売り出すという手を打つたわけであります。その結果、御承知のように先月の取引所の納会のときには一挙に二十円も下るというような結果になりまして、その後相場としては大体おちついた状況を示しているじやないかと思つておりまして、今後また異常な状況があるならば、さらに次の手を打つべきであるというように考えております。  それから最近の輸出の状況が非常に思わしくございませんので、そういう点からも、内需の方に多少持つて来るじやないか。九月の輸出の実績を見ますと、先ほど一時六割が輸出であると申しましたが、これが大体三分の一になつておりまして、従つて三三%が輸出という状況でございます。こういう面から申しましても、内地の人絹の方に多少潤つて参る、従つて値段の異常暴騰というのもだんだんしずまつて来るのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  63. 齋木重一

    ○齋木委員 人絹取引所の問題でお考えになつている点は、言葉が十分聞き取れなかつたのでありますが、取引所自体は福井にもあります。あの人たちは手を上げたり下げたりしてやつていて、実際において機業そのものをやつているとかいうようなものではありません。しかしその営業たるや、福井県等においては、御承知通り原糸高の織物安という観点から、先般の国会等においてわれわれは強く要求し、また繊維局長にも申し上げたが、人絹が高いので機業家は倒産「歩前、また倒産している機業家も福井県にはたくさんあります。先般私がこちらへ参るときに、福井県でも有数な機業家の山西というところの工場が倒産いたしました。職工が六百人ほどおりまして、勝山町というところにあるのですが、これが一朝にして倒産いたしまして、非常な打撃をこうむつている。これはすなわち糸高の織物安という観点から起きて来る。それは、すなわち取引所で手を上げたり下げたりすることによつて、ただ利ざやだけを食つているので、それによつて左右されている傾向もあると同時に、また人絹糸そのものに対して、先般新聞で一応承つたのですが、イタリアの方から人絹糸を入れる考え云々という記事が出て、それからしばらく原糸の価格が安くなつた。それがまたしばらくして反発した。これはいろいろな悪条件もあつたかもしれませんけれども日本におけるところの人絹糸の原価は、どだい現在においては幾らかかるか。パルプから何から計算してどれだけかかるかということを通産省として、繊維局としては調査してやつておるのかどうか、これをまず一応お聞きしたいと思う。輸出輸出と言いまするが、国際競争に勝つて輸出がでぎておるのかどうか、こういうこともひとつお聞かせ願いたいと思います。
  64. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 今取引所の問題が出たわけでありますが、取引所は売つたり買つたりやつておりますので、そういう人の中にはただ清算利ざやをかせぐという人もあるのだろうと思うわけであります。そういう人のために結局人絹の値段が不当に上つて、しかも中小機屋の企業者が困るということは非常に好ましくないことでございまして、できるだけ適正な値段におちつかすということが必要なわけであります。まあそういう連中にとりましては現物は必ずしもほしくないということでございますので、メーカーとして現物を売りに出すということが、値段を下げるにきわめて適切な措置でありますので、今後時宜に応じましてそういうような現物も売るということを納会のときに限らず、時宜に応じてそういう手を続け参りたい、こういうように思つております。  それから二番目に人絹糸のコストでございますが、これは今の通産省の権限といたしまして、昔のような物価統制令というものもございませんので、的確なるコストというものをつかむことはできないわけでございますが、昔のマル公時代の価格構成というものがございまして、その価格構成の各部門につきましてその後の物価の変動というものを取上げてみますると、大体二百円より少々下まわつたところが生産の原価でなかろうかというふうに思つております。それから各会社につきましても、非常に大きな工場で能率のいいところとまた比較的小さな工場で非常に能率の悪いところとありまして、これを一律に申し上げることはむずかしいと思いますので、大体平均いたしまして二百円より多少下まわつたところでなかろうか、こういうふうに考えております。
  65. 齋木重一

    ○齋木委員 大体そういつたような法律上か手続上か人絹コストの問題は調査できないとかなんとかいうことは法の不備かも存じませんが、これは私ども考えからいつて大いにやる必要があると思いますが、イタリアなり西ドイツなりから人絹糸を入れる云々の問題が新聞に出ておつたのですが、実際現実にこれをやつていただきたいと思うのであります。安い原糸を入れて、それでひとつ押えることも——私はしろうとでありますけれども、人絹六大会社に対するところの警鐘といいますか、いろいろの観点から入れることを強くこの委員会において徳永局長にも先般言うたことがある。それを考えるとか考えないとかうやむやにしておいて、しまいには私の言うた通りになつて、ああいう新聞発表が出なければならないような情勢に追い込まれたのであります。局長もどこやらに小便しに行つておるらしい。何を調査しに行つておるか存じませんけれども、帰つて来たならば早急にやるか、また今でも繊維局といたしまして、大臣を通じてそういうことを実際においておやりになるかどうかということをお聞かせ願いたいと思います。
  66. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 人絹の輸入と申しますのは、あくまでも値段を下げるための一つの手段というようにわれわれは考えておるわけであります。人絹の輸入ということをやらずに値段が下りますならば、はなはだけつこうなことでございまして、できるだけ外貨を使わずに日本の中でやれるだけやりたい、こういうふうに考えまして、できるだけ増産の要請ということも行い、さらにまた需給の点につきましても、極力内需用の安い糸の確保をはかつて参り、なおかつ値段の高騰がとまらないというときに、それをいやすために人絹の輸入もやるべきである、こういうふうに一応第二段の措置として考えて参りたいと思つております。
  67. 齋木重一

    ○齋木委員 大事なことであるにかかわらず、本省において遅延しておるゆえに、福井県等においても非常な被害をこうむつておる。これについては伝家の宝刀を抜くことが一つ方法ではないかと思う。考えておる間に人間が死んでしまつてはどうにもなりません。生かす上において一応はつきり伝家の宝刀を抜くお考えがあるかどうか、これはあなたに言うのは無理かもしれませんけれども、そういうことはひとつ大臣にもよく言うてください。また局長がいつお帰りになるか存じませんけれども、帰つた場合においては早急にやつていただき、処置をとつていただきたい。福井県等においてはその上に風水害とかいろいろな問題、中小企業の問題等も他の先輩同僚議員からるる述べられたので私はこの意見を避けますけれども、福井県等においては非常な打撃をこうむつておるのであります。そうして不安定な状態において、自転車操業とも言われるべき、企業者たちが苦境に立ち至つておるのであります。それらを十分考慮して、まず人絹糸をイタリアから百万ポンドでも入れるということについて、この席上においてその腹を言明していただきたい。これは無理かも存じませんけれども、この場合どうかと重ねてお尋ねいたします。
  68. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 外国の人絹糸の輸入というものを伝家の宝刀としてわれわれとして使うということは、これは明らかに申し上げていいと思うのであります。しかし実際の輸入にあたりましては、先ほど申し上げましたように、今日本の人絹糸なり、人絹織物が非常に減つておるという状況にございまして、九月のごときは生産の三三%程度しか輸出されておらない。それに対して一方外国から人絹が入つた場合に、また去年のような値段のガタが一ぺんに来はしないだろうか。特に人絹というものはきわめて投機の対象になりやすい商品でございまして、やはり輸出の先行きの見通し、あるいは内需が今後どういうふうに展開されるであろうか、そういういろいろな各要素をかみ合せまして、昨年のような非常な人絹織物の下振の結果、メーカーに限らず、企業界にも非常な御迷惑を及ぼしたわけでありますけれども、またそういう逆な現象が起らないように、十分気をつけなければなりませんので、いろいろ今後の先行きというものを慎重に見通しまして、その上で伝家の宝刀を抜くべきではないか、かように考えます。
  69. 齋木重一

    ○齋木委員 それでは、生産高の四割は輸出、内需用は六割という大体の御説明ですが、輸出の四割はどの国にどれだけの価格において輸出されておつたのか、また輸出されつつあるのか、御承知ならお知らせ願いたい。
  70. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 ちよつと本日詳細な資料を持ち合せておりませんので、詳しい御説明はできないのでありますが、大体人絹糸は今までのところ朝鮮あるいはまたインドに出ております。インドは最近非常にヨーロツパの各国よりの進出が大きいのでありますが、その品物が来るまでの間の大体のつなぎとして出たわけであります。これがポンド百二十匁でもつて、大体二百三十五円から四十円の間で出ておる状況であります。それから織物につきましては、大体香港、シンガポールを中継地といたしまして、東南アジアあるいはまた中近東方面に出ておる状況であります。
  71. 齋木重一

    ○齋木委員 その織物の香港、シンガポールヘというのはどういつたような品物であつて、価格は大体幾らになつておりますか。
  72. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 ちよつと今詳細な資料を持ち合せておりませんので、後刻また御報告申し上げます。
  73. 齋木重一

    ○齋木委員 朝鮮、インド等に輸出の価格は二百三十五円から四十円だそうであります。そうすると一般の内需に対して人絹会社が高く売つているのに、出血輸出とかなんとかいつて硫安のように国で補償せよというような申込みがあるのではないですか。いかがでありますか。
  74. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 そういうような申出はございません。
  75. 齋木重一

    ○齋木委員 輸出になる織物の品種と価格、これの最近のものを参考資料としてでも早急にわれわれの方にお渡し願えればけつこうだと思います。
  76. 岡嶋楢文

    ○岡嶋説明員 最近のものをとりまとめまして至急資料としてお届けいたします。
  77. 大西禎夫

    大西委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がなければ本日はこの程度にいたし、散会後理事会を開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十二分散会