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加藤(清)
委員 この問題
一つ取上げましても、実は数日間を要するほどの重大な問題でございまして、私の手元にもそれぞれの分析した資料があるのでございまするが、時間がございませんので、これはまたいずれ後日に譲るといたしまして、この際はただこういう
状況を放任されるようなことなく、出血であるかないかわからない受注でさえも、原価計算書を提出させて慎重に
調査をするというような通産省であるとするならば、その様式は武器製造会社にとどまらず、ぜひとも繊維会社にもそのような親切な手を施していただきたい、将来つまずかんとするものに対して、まずつえを与えるだけの温情を示していただきたい、こういう
結論だけをお願い申し上げまして、次に移りたいと存じまするが、何といたしましても、この倒れて行く方々の最も大きい原因と思われる点は、情勢分析すればいろいろございまするけれ
ども、最も大きいもの、集約されたものは原料高の製品安ということではないかと存じます。それからかてて加えていろいろな原因がありますけれ
ども、輸出不振、こういうところがだれしも
考えつくところではないかと存じます。この意味におきまして、私はこの際繊維局、通商局両者に対してお礼というとおかしいでございますが、感謝の声が起
つておることをお耳に入れておきたいと存じます。それはほかでもございませんが、毛製品のリンクのことが四月二十八日付の御両所の通牒
通り実行される、これは私が前にも申し上げておきました
通り、あれがもし実行されないとするならば、これでは倒産に輪をかけて機場にまでその影響が及んだことは事実であり、輸出商社にも
相当大きな影響を及ぼしたことは事実でございます。しかるにこのたび通商局及び繊維局の御尽力によ
つて、これが通牒
通り実行されるということに
なつたようでございます。この点業界は苦しい中にも
一つの安堵の胸をなでおろした。焼石に水という感じもございましようけれ
ども、いずれにしてもこれは業界にと
つては福音の
一つであつたというので、たいへん好感を持
つてこの点迎えられておりますので、この点責任を持
つて発言しました者としまして、この際御両所のその善処方について敬意を表しておきたいと存じます。
ついでにお尋ねしたいのでございまするが、この原料高の製品安という問題でございまするが、私先般
繊維局長にもお願いしておいたのでございますが、イギリスの
状況をよく御
調査願いたい。それから過去の
日本における外貨割当の様子もよく御
調査願いたいということをお願いしておきましたのでございまするが、私ここに原料高の製品安という点についてイギリスと比較いたしまして、どうしても納得の行かない点がございます。それをお教え願いたいと存じます。それは同じ繊維のうちでも毛製品に例をと
つてみますと、詳細は前のときに価格の点について申し上げておきましたから、この際これを省きますけれ
ども、とにかく同じ国から大体同じ値段で原料を買い入れる、船賃も大体距離がひとしい。為替の
関係で少々の相違はあるでございましようけれ
ども、工場へ着いた原料の値はほとんど相違ない。しかるに製品にしてみますと、大体イギリスの約二倍と
考えてもよろしいかと存じます。一体これがどこに存しておるのか。商社の利潤が大き過ぎるのか、
整理屋の加工賃が多過ぎるのか、機場の工賃が多過ぎるのかと調べてみますと、さにあらず、すでに機場に糸が渡る折にイギリスの二倍程度の高値を呼んでおる、こういう
状況でございます。特にこの間繊維局がとられました繊維原料の需給調整のために、合成繊維に力を入れるということの声だけでも
つて、ポンド当り二百円以上はね上
つておる事実を御存じでございましようか。原料が同じ値段で入
つていて、糸に
なつたとたんにはね上
つて二倍にな
つておる。さればとい
つて工場の原価コストを調べてみますと、工賃は高いくといいつつも、なおイギリスの四分の一なんです。その点は牛場通商局長はぐるつと世界中まわ
つて見られたので、よく御存じでございましよう。私もまわ
つて参りました。これは符合することだろうと思います。一体
繊維局長は
日本の毛製品、糸及び織物が高いという原因が那辺にあるのか、もしあるとするならばこれを打開するために、御努力をあそばされるのか、そうでないのか。輸出
振興ということが通産大臣の施政方針演説の根本でもあり、これはすでに国民の声とも相な
つておる折に、
日本の輸出
振興の阻害のもとがコスト高である、そのもとが紡績にあるのだ、こういうことに相
なつた場合に、一体これに対して通産省としてはどう対処されんとするのか、これも詳細に述べたら一日も二日もかかるでございましようから、簡単にひとつお願いしたいと存じます。