○
岡田(秀)
政府委員 第一の御質問でございますが、私
ども先ほど申し上げましたように、
中小企業金融をや
つておりますところの各種の
金融機関を代理店に活用するという建前をとりたい。それぞれの
金融機関に対する扱い方は
公庫でいたしますが、建前といたしましてはそういたしたいということを申し上げたのであります。その貸出しでありますが、ある種のお得意先に片寄
つてしまうというようなことがあ
つてはならぬということについてはまことに御同感でございまして、たとえば
金融公庫の
運用方法、代理店を扱います方法といたしましては、代理店の方で貸出しの申込みから貸出しの決定まで全部を委任しますのと、貸出しの決定は
公庫に持ち上げて行きまして、貸す、貸さぬを
公庫でやる場合と、二つの方策を
考えておるのであります。
公庫が決定をやりますいわゆる一部代理の場合におきまして、
公庫が貸す、貸さぬをきめる
一つの
考え方といたしましては、
代理金融機関とその当該取引先との従来の取引
関係はいかが相な
つておるか、また
金融機関はなぜ自分の本来の
資金を貸すのでは都合が悪いか、なぜ今度の
公庫の金を貸さなければならないかという
理由、あるいはまた
信用保険をつけておりますれば、その
方面の事情等も報告を受けまして、
融資の期間であるとか、
金額、使途、いろいろなこと議案して、貸すか貸さぬかをきめるようにしたらよろしいのじやないかと思いますが、専決代理、つまり貸す、貸さぬの決定まで全部
金融機関がやります場合においても、爾後におきまして、今申し上げましたような事柄を一件ごと報告させまして、あまりに情実
金融と申しますか、貸し方がおかしいようなものにつきましては、適宜注意するなり、あるいは業務委託を取消すというふうなところまでにらみをきかすように
公庫の運営をやらせて行
つたらどうであろうかと
考えておるのであります。なお
公庫の貸出しが
限度一千万円にな
つておりまするがために、かりに一千万円の貸出しを一千件やりますれば百億円という結果に相なりまして、これははなはだ不都合な結果になるのであります。従いまして、私
どもの方といたしましては、なるべくそういうふうな片寄
つてしまうというようなことにならないように、また一方
金融機関は、小品の
金融は、調査その他いろいろな手数は、比較的大口の貸出しよりもかえ
つて手間がかかるにかかわらず、もうけから言えばもうからぬというようなことから、小口の貸出しをとかくきらいがちなものであります。たとえば
公庫が
代理機関に与えます手数料の操作において、小口のものを、一千万円という
限度はございますが、その中でも比較的小口のものの扱い手数料を優遇するというようなことをするとか、あるいはまた
一定の一千万円のうちでも、あるところに線を引きまして、専決代理の場合においても、それ以下なら専決代理してもよいけれ
ども、それ以上の場合には個々に
公庫の方に申請をさせるようなことを
考えてみてはどうかということも
考えておるのでありまして、特に大口に集中することのないように操作はいたしたいと思うのであります。
なお
限度を一千万円
程度にいたしました目安といたしましては、過去におきまして私
どもの方といたしましては、
中小企業の
企業診断というものをかなり積極的にや
つておるのでございます。それぞれの業態につきまして、千差万別ではございますが、
中小企業が今後積極的に発展して行くのにはどうしたらよろしいかということのみならず、現在うまく行かぬのはどういうところに病根があるのかというようなことを調べまして、そうしてかようになされば病気が治るのみならず、業績が発展して行くでありましようという事柄を抜き出して、勧告をいたす
仕組みをと
つておるのであります。その経験を見ますと、七、八百万円ないし千万円前後の金があれば非常にぐあいよいよ行くというような事例がままあるのであります。全部ではございませんけれ
ども、かなりそういう事例もあるのでございまして、
限度としては一千万円くらいの
限度をつけておく、しかしながら
金融機関が、
限度が千万円だからというので、
金融機関としてのふところ勘定から、むやみに千万円の
限度を引くというようなことのないような操作もあわせてとりまして所期の
目的かうまく行き得るように努力いたしたい、かように
考えております。