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1953-07-04 第16回国会 衆議院 通商産業委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月四日(土曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 村上  勇君 理事 長谷川四郎君    理事 首藤 新八君       小川 平二君    中村 幸八君       笹本 一雄君    山手 滿男君       齋木 重一君    下川儀太郎君       中崎  敏君    山口シヅエ君       始関 伊平君  出席政府委員         通商産業政務次         官       古池 信三君         中小企業庁長官 岡田 秀男君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    石井由太郎君  委員外出席者         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 七月三日  輸出取引法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会申入れに関する件  中小企業金融公庫法案内閣提出第四六号)  輸出取引法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四八号)     —————————————
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず昨日本委員会に付託に相なりました輸出取引法の一部を改正する法律案議題といたし、政府より提案理由説明を求めます。古池政務次官。     —————————————
  3. 古池信三

    古池政府委員 ただいま提案になりました輸出取引法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  現行輸出取引法は、不公正な輸出取引を防止するとともに、一定限度において輸出業者協定輸出組合設立を認めることにより、輸出取引秩序確立をはかることを目的として昨年八月制定されました。しかしながら、その後輸出取引の面におきましては、現行法によつて許容される輸出業者協定または輸出組合活動によつては、輸出取引秩序確立するためには不十分な場合が生じて参りました。他方、現行法においては何らの規定もない輸入取引の面におきましても、過度競争から貴重な外貨を浪費する結果を招き、または通商協定の遂行上割高な物資等を輸入する必要も生じ、従つて輸入取引の面におきましても、一定範囲において輸入業者協定輸入組合設立を認めることにより、輸入取引秩序確立を期することが要請されるに至りました。  この法案は、これらの必要性を満たすために、現行輸出取引法に所要の改正を加え、私的独占禁止法適用除外範囲を拡大することを目的とするものでありましてその内容大要次通りであります。  第一に、法律の題名を輸出入取引法に改めました。第一だ、現行法において認められている輸出業者間のみの協定では不十分な場合において、輸出業者輸出貨物生産業者または販売業者協定締結し得ることとし、また輸出業者協定締結し得る場合として、輸出取引において競争国より不利な条件の存する場合、新市場との輸出取引において過度競争が行われる場合等を追加するとともに、さらに特定の場合において輸出業者のいわゆる輪番輸出を認めるため、協定事項範囲を拡大いたしました。  第三に、輸出組合につきましては、その財政的基礎を強化するため、出資制採用の道を開くとともに、輸出業者協定に準じ、組合員の遵守すべき事項を定め得る場合を拡張し、かつ特定の場合における団体協約締結一手輸出等を可能にする道を開きました。  第四に、輸入取引競争過度に行われる場合、通商協定の達成上割高物資でも輸入する必要がある場合等において、輸入業者協定締結を認め、さらに乱立防止の見地からする厳重な制限のもとに、輸入組合設立とその活動を認めることといたしました。第五に、輸出取引または輸入取引における業者協定または組合員の遵守すべき事項をもつてしては実効を期しがたい場合には、通商産業省令により、輸出業者または輸入業者の遵守すべき事項を定め、または通商産業大臣の承認を受けるべき義務を課し得ることといたしました。  これを要するに、長年のわが国貿易業界の念願のもとに成立いたしました輸出取引法につき、わが国貿易の特質と実情に即応するよう、その不備な点を改正しようとするのが本法案でありまして、その成立は、必ずや公正にしてかつ秩序ある輸出入取引を促進し、わが国貿易国際的信用の増進に資するとともに、ひいては世界の貿易の拡大に寄与するものであることを確信しております。  以上がこの法案提案理由及びその内容概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんこ一とを切望する次第であります。
  4. 大西禎夫

    大西委員長 以上をもちまして政府提案理由説明は終了いたしました。  本案に対する質疑次会において件うことといたします。     —————————————
  5. 大西禎夫

    大西委員長 次に、中小企業金融公庫法案議題とし質疑に入ります。質疑通告がありますから、通告順上つてこれを許します。小平久雄
  6. 小平久雄

    小平(久)委員 本法案は前国会において当委員会においても十分審議されたところでありますので、大体問題点は論議し尽された観があるのでありますが、本国会にあらためて提出されましたので、私はことに重要と思われる数点につきまして当局の御所見を承つておきたいと思います。  まず第一に承りたいと思いますことは、本公庫を創設するねらいとでも申しますか、中小企業向きの全金融機構の中にあつて、本公庫はどういう機能をさようというのがねらいなのか、この点をまず最初に伺つておきたいと思います。
  7. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 お答え申し上げます。わが国経済関係が、戦後全般的に戦争の打撃によつてつて来た。その弱つて来たことが、朝鮮ブームの減退によつて特に顕著になつて参りまして以来、中小企業はあらゆる面において苦しんでおるのでありまするが、その苦しんでおります一つの大きな部面といたしまして、金融関係をあげなければならぬかと思うのであります。その金融の面で中小企業が苦しんでおります大きな一つの問題は、彼らが金融上、長期の安定した資金で、比較的金利の安い金、これを利用することがほとんど不可能と申してもいいような状態にあるということが指摘され得るのではないかと思うのであります。現在の金融機構の上におきましては、わずかに開発銀行が昨年の九月から開始いたしました中小企業向け見返り資金の貸出しが、金利一割、貸出し期間が五年という金を出しておるのでございまするけれども、その金額は月に五億程度のものが出ておる程度でございまして、はなはだ不十分たるを免れ得ないのであります。そこでわれわれといたしましても、何とかして、中小企業向けの、安定した、比較的低利の金をいま少しふんだんに多く供給する仕組み考えたい、こう考えて研鑽を積んでおりましたところ、昨年暮れの国会におきまして、衆参両院において、この種類の金を中小企業者に供給する仕組みとして特別会計を創設すべしという意味の決議が採択に相なつたのであります。私どもといたしましては、この院議に沿いまして、大蔵省筋と鋭意折衝いたしました結果、ここに御提案申し上げました中小企業金融公庫というものをつくることに相なつたのでございます。特別会計最初院議がきまりましたものを中小企業金融公庫にかえましたゆえんのものは、特別会計でありますれば、その運用を役人がやるわけであります。公務員は必ずしもその地位が安定しておりませんので、首尾一貫した方針のもとに責任をもつてこの金融を担当するという面において欠くるところがありはしないか。また財政法によります拘束が微細に入り過ぎまして、金融の操作上不都合な点が多いのではないかというような点を考慮いたしまして、農林漁業金融公庫の例にもかんがみまして、公庫にかえたのでございますが、運用方針その他につきましては、院議において示されました特別会計と何ら差はないのであります。要は、中小企業者に対しまして、長期の金、しかも一般市場金利から見ますれば比較的安い金利の金を供給いたしまして、設備合理化ないしは運転資金のうちでも比較的長期の必要のあるような部面にこれを利用していただきたい、かようなのが本法を御提案申し上げておりまする根本の理由でございます。
  8. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいまの御説明にもあります通り、本公庫は、要するに長期にして安定せる、しかも低利資金中小企業者に供給しようというのがねらいのようであります。そこで長期の、しかも安定せる低利資金ということになるのでありますが、ただいまの御説明の中にも、設備資金、あるいは比較的長期運転資金、こういうお話でありましたが、この案全体を通覧いたしますと、どうもわれわれから見て、同じ長期資金のうちにおきましても、どちらかというと設備資金あるいは合理化資金、こういう面に運転資金よりもむしろ重点を置いて考えられておるのじやないかというような感じがいたすのであります。さらにまた、中小企業金融公庫と申しまして、中小企業全体を対象といたしておりますが、比較的中小のうちの中あるいはそれに近いもの、ここらをどうもねらいとしてできているのではないかといつたような感がいたすのでありますが、その辺のところは当局はどう考えておりますか、との点を御説明願います。
  9. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 中小企業金融公庫は、やはり国家資金経済界に流す仕組み一つ機構でございますが、国家的な金融機関といたしまして現在政府設立し、現に動かしておりますものは、いわゆる基本産業と申しますか、国家的な産業に投資することを主たる目的といたすものとして開発銀行があるのでございます。これは電源開発でありますとか、石炭の大きな開発資金でありますとか、あるいは船舶の金融であるとかいうふうなものをおもなねらいといたすものとして開発銀行があるわけであります。一方、更生資金も含めまして、その他にも、中小企業のうちどちらかと申しますれば零細、小規模の方々に、また比較的小単位の金額を御融通申し上げることを主たる使命として国民金融公庫が現に活躍いたしておるのであります。従いましてこの中小企業金融公庫は、開発銀行のように大きなものではない。同時に国民金融公庫ほど小規模、零細なものではない。その間にはきまつております中小企業金融対象として持つて行くものである。かような使命をこの公庫に授けることによりまして、既存機構との重複も避け、しかもまた経済界国家資金としての穴が生れずに行くという構想に相なろうかと考えているのであります。ところで中小企業金融公庫は、国家財政の現状から見まして、私どもといたしましてもまだ不十分とは存ずるのでありますが、ともかく百二十億程度資金をもつて出発いたすことに相なつているのであります。従いまして、金額が非常に限定されております関係上、これを何らかの目安をつけて運用するということにいたしませんと、雲散霧消して、どこへ行つたかわからぬということになつてしまうおそれがありはせぬかと思うのであります。従いまして私どもとしては、この金が積極的な意図のもとに運用されるような方向に持つて行きたい。先ほど申しましたように、金額の点においては、国民金融公庫の担当する部分よりはやや多めな点をねらう。そしてまたでき得るならば新規な貸出しという点で押える必要があるのじやなかろうか。また必ずしも設備資金に限定するわけではございませんけれども既存のすでに陳腐化いたしておりますところの機械を更新するというふうな方向に使つていただきますれば、これに今後輸出に非常に努力して行こうという日本の国是にも合致するわけでございますので、設備資金に大いに利用されることをわれわれとしては歓迎するわけでございます。ただしかし設備資金一点ばりでやろうというわけではございませんけれども、過去の債務肩がわりというところまで行くことになりますと、これは中小企業者のために非常に役に立つということは否定することはできないと思うのでありますが、金額がいささか足らないのじやないかという懸念があるのであります。今のところ私どもといたしましては、その点は公庫資金源の拡充を見たあとということにいたしまして、さしあたりは新規貸出しのものに限定して行くことがよろしいのじやなかろうかという考えをいたしておるのであります。なおこの点につきましては、必ずしもそれにきめてしまう必要もございませんので、なお皆様方の御趣旨のあるところによりまして、適切なる運用をはかつて行きたいと考えております。
  10. 小平久雄

    小平(久)委員 本公庫は、国民金融公庫よりも若干上の大口の融資をやる、また開発銀行まりも下の融資を行うというところにあるようであります。従つてその幅は非常に広いのであります。そこで国民金融公庫及び開発銀行との関係におきまして、一融資先当り融資金額、あるいは融資先の規模との関係はどういう関係になりますか。具体的に御説明を願いたい。
  11. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 国民金融公庫におきましては、現在のところ平均残高を押えてみますと、約十万円であります。扱い件数が現在のところ十八万件程度に相なつておりますが、その総平均が大体十万円ちよつと切れる程度であります。法律限度を申しますと、普通の場合一件五十万円が限度でございまして、連帯保証で出て参ります場合におきましては、一件当り二百万円が限度に相なつておるのであります。この中小企業金融公庫によりましては、貸出しの限度は一件最高一千万円までということにいたしておるのでありますが、これは今の開発銀行中小企業向け見返り資金の貸出しと大体同じ形に相なつておるのであります。
  12. 小平久雄

    小平(久)委員 そうしますと、この公庫から融資する金額の最低は大体十方円程度考えてよろしいのですか。
  13. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 国民金融公庫の貸出しの平均は約十万円でございますか、法制上は普通の場合は五十万円と相なつておるわけでございますから、大体見当としては五十万円見当国民金融公庫中小企業金庫との限界になるかと思うのでございますけれども、実際の貸出しからいうと、五十万円以下ではいかぬということはないのでありまして、大体のところは、法制上の限度からいえば、五十万円程度のところが両者の限界かもしれませんが、若干のところは交錯すると考えてよろしいかと思います。
  14. 小平久雄

    小平(久)委員 実はその辺のところが、実際問題として一番問題になつて来るのではないかという気がいたすのであります。と申しますのは、先ほど来御説明がありましたが、一体公庫の金をどういう方面に流すか、中小企業と申しましても、非常に幅が広いので、そのうちの中の方に重点を置いて運用するか、あるいは小の方に重点を置いて運用するか、これが非常に重大な問題だと考えます。そこでもし小の方に重点を置くということになりますと、本公庫融資最低限五十万円というものが必ずしも妥当かどうか疑問があるのです。そういう点が問題になるのでありますが、しからば根本的にこれをどうして判断するかということになりますと、一体現在の中小企業者にとつて必要な資金は、設備合理化資金が、より多く要求されておるのか。それとも安定したやや長期にわたる運転資金がより要求されておるのか。あるいはまた角度をかえて申しますならば、設備合理化資金、また経営合理化と申しますか、高金利による負担を脱却せしめるということがより要求されておるのか。そこらのところから判断するよりほかにないのではないかと思いますが、当局としては、現在の中小企業にとりまして、より緊急に必要とされておるものは、設備合理化のための資金か、あるいは高金利から脱却するためのものであるか、この点についてどのように認識されておりますか、ひとつ御所見を承ります。
  15. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 現在中小企業者要求しております金融上の問題としましては、私は経営上の合理化と申しますか、既存の、たとえばすでにある程度高利の不安定な金を借りておる、それを低利の安定した資金借りかえたいという要求が相当熾烈であるということにつきましては異論はないと思うのであります。一方その場合におきまして、肩がわりをしてやりましても、単に今借りておる金の金利が下つた、支払いの期限が延びたというだけで、その企業が積極的に局面打開方向に伸び得るかどうかというところに、私どもの方は一抹の懸念を持つております。過去の債務肩がわりした上に、さらに局面を打開して前進するだけの金がなければ意味がないと思うのであります。そういう意味から考えますと、公庫の金がそこまで、かゆいところまで手が届くのには不十分であろうかと思うのであります。また一方設備が非常に古くて、これをある程度手入れをすればコストが下つて、うまく行くのだというふうな状態にある中小企業者も、これまたかなりの数になることは否定し得ないのであります。そういう方の御要求がありました場合にこれをどうするか、これを大いに尊重しなければならぬことはまた論をまたぬところであろうと思うのであります。要は両方とも十分に要求に応ずるようにこの公庫運用できますれば申し分ないのでありますが、遺憾ながら先般来申し上げましたように、金に不十分な点があるのでありまして、そこで私どもの方といたしましては、さしあたりとしては積極的に前進し得るような方向に、この金が役に立つという面に運用できれば、一番国全体としてよろしいのじやなかろうかと、今のところ考えておるのであります。
  16. 小平久雄

    小平(久)委員 その点はお互いの、いわば感じで判断しておるようなものでありまして、どちらを主とするかという判定はなかなかむずかしいと思うのてありますか、でき得れば何か統計的にというか、科学的に、よりどちらを主とすべきかというふうな資料がもしできますれば、ひとつつくつてもらいたいと思うのでありますが、いかがですか。そういうものができる見込みがありましようか。
  17. 石井由太郎

    石井(由)政府委員 中小企業経営を安定いたしますために、高利債借りかえを推進いたしますことは、これは目に見えて合理化に役立つところでございます。現に国民金融公庫におきましては、いわゆる高金利借りております零細な企業者高金利だけのために困つている、これから脱却できれば目に見えて、月々何千円あるいは何万円かの収益を収めるという点からいたしまして、高利債借りかえを積極的にやつております。私どもといたしましては、従来信用保険制度の解釈に若干の誤解がございまして、あるいは高利貸し、その他正常な金融機関以外から金を借りている中小企業者が、それを低利の、銀行その他の正常金融機関債務に切りかえまして一信用保険に切りかえられないかという問題があつたのでありますが、これは従来の契約者に若干の疑義がございますので、これを改正いたしまして、この一月一日以降は、従来正常の金融機関以外のものから借りておつた債務を返済するために、正常な金融機関から借入れをするというのは旧債借りかえではない、信用保険法上新しい貸付と考えてさしつかえないという取扱いにいたしまして、着々いわゆる市中金融ベースにおきまして借りかえを慫慂し推進して参つております。ただいまお話合理化のために、旧債借りかえ、高利債借りかえ等を積極的にやつたらいいのではないかというお説は、まことにごもつともなお説でございますし、大きな議論といたしましては、短期債一般長期化とか、何とか構想という考え方もあるわけでございますが、現在のところ私ども考えといたしましては、あとう限り金融機関ベースによりまして、信用保険制度活用等によつて高利債低利借りかえを推進して参りたいと思います。お尋ねの合理的な計数的な、ないし科学的なベースで立証し得る資料があるかということでありますが、さしあたりそこまでつつ込んだ経営のデイスカツシヨシをやつておりませんが、至急に取調べまして、資料として出し得るようでございますから、御参考に供したいと思います。
  18. 小平久雄

    小平(久)委員 私は先ほど来の論議を通じましてもそう思うのでありますが、一口中小企業と言つておりますが、申すまでもなくその幅が非常に広い。従つていろいろな中小企業関係施策というものが、一口中小企業ということでやられておりますし、本公庫もまた一口中小企業というように、全体としてこれが融資の道を講じよう、こういうことになつておるのでありますが、どうも現実の姿から申しますと、これを一本にとらえるがゆえに対策が漠然としてしまう。それだけの、それぞれの企業に合致した施策が行われない。いろいろな施案行うがどうもその施策の効果が薄れてしまう、こういう観があるじやないかという気がするのであります。そういう点で中小企業は数も多いし、業態もいろいろあるというようなことから、施策も全般的に大企業中小企業というのではなくて、中は中、小は小というように、今後の施策を区別してやつて行くことが、いろいろな施策方面において目的を果すのではないかという気がするのであります。それじや中と小とどの線で画するか、これはまた研究を要しましようが、そういう感じがいたすのであります。本公庫の場合においても同様でありまして、中小企業一口に全般的に取扱われてしまうので、焦点がぼやけてしまう。またどちらに焦点を置くべきかということのはつきりした判断の資料もない、こういううらみがあるのではないかという感じがするのであります。この点はいずれ研究を願うことといたしまして、次にお尋ねいたしますが、本公庫代理業務を行うところの金融機関であります。これについては前国会において、しさいにわたつて論じ尽されたところでありますが、ただいま当局考えるところでは一般市中銀行あるいは商工中金相互銀行信用金庫信用組合、こういつたものをすべて使うという気持のようでありますが、この点につきましても先ほど来の質疑によつて申し上げましたように、大体公庫の金をどの方面に流すかということによつて、大体代理機関の使い方というものがきまつて来るじやないか。そこで一部には、従来の市中銀行やり方等についても、これは業界に大いに不満もありますし、また従来市中銀行中小企業金融に占めた地位というものも無視し得ないという面も確かにあると思います。しかしながらまた一面には、通産省が年来主張して参つておるところの、この業者組織化という面からして、商工中金の存在ももちろん無視し得ない。これをいよいよ強化せよということもまた国民の声であることは間違いがないと思うのであります。そういう点をいろいろ考え合せますと、なかなか金融機関の選択というものはむずかしいと思うのでありますが、今後当局としてこれらの代理金融機関をどのように活用いたして行くつもりか、それぞれの金融機関にどのようなウエイトを置いて運営いたして行く考えなのか。その辺のところの方針について概要を承りたいと思います。
  19. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、今度御提案申し上げましたところの中小企業金融公庫法案は、要するに開発銀行並びに国民金融公庫の中間にありますところの中小企業者対象として、特殊の長期の安定いたしました低金利資金を流して行く仕組みにいたしたいと考えておるのであります。その対象でありますところの中小企業者の従来からの取引金融機関ちよつと見てみますると、いわゆる銀行筋が相手にいたしておりまするものは、件数でいいますると約八十万くらいあるのであります。これが人間数に直しましてどのくらいになるか、これははつきりした数字は出ないのでありまするが、ある程度の推定はできるかと思います。それからまた相互銀行は、件数から申しますれば百六十五万件くらい。信用金庫が五十五万件くらい、国民金融公庫が十八万件、信用組合が約十万くらい、それから商工中金は、これは組合の数になりますが、七千組合くらいを相手といたしておるのであります。そして各金融機関はそれぞれ自分の性格に合うような特徴のある仕事振りをいたしておりますから、中小企業者におきましても、二つの金融機関にまたがつて取引している人もあることは否定できませんけれども銀行によつておる中小企業者あるいは相互銀行とおもに取引している業者というように、金融機関別なグループがおのずからできておろうかと思うのであります。そしてこの今度できまする公庫は、急に店舗を広げまして、みずから直接の貸付をやろうと申しましてもなかなか困難でありまして、これは商工中金がすでに十数年の経験を持つておりましても、やつと各府県に一つずつの店舗があるくらいでありまして、人的構成から申しましても必ずしも完璧を期しておらないのでありまして、事務の運営がまずいとか、いろいろの非難をいまだに受けておるような状態から見まして、今度できまする公庫はみずから直接貸付をするというのは一応やめまして、大体既存金融機関を活用しまして代理貸しの方策をとつて参りたいと考えておるのでありまするが、かような考えのものに現状を考えてみますると、この中小企業者に対して金融を担当いたしておりますところの各種の金融機関を適当に活用いたしまして、これにそれぞれ資金を流すことによつて、いろいろの特徴のある金融機関の窓口を通じて中小企業者に金が流れて行くのではないか、かように考えるのでありまして、ちようど大きなビルデイングにおきますところの屋上の水のタンクにたとえてみますれば、そこからパイプがビルデイングのいろいろな方面のじや口に通じておる。そうしてそのじや口は台所にもあるし、あるところは洗面所にあるというようなぐあいにいたしまして、おのおのじや口を利用するように、中小企業者がかわつて来る。従いましてある特定のじや口を閉鎖してしまいますれば、そのじや口を利用しておりましたところの人は非常に不便を感ずることもあろうかと思いまするので、われわれといたしましては、建前としては中小企業金融をやつておりまする一切の金融機関を活用するのだということで行きたいのでありますが、しかしその間おのずから金融機関の性格ないし使命というものをわれわれの方で握りまして、公庫から資金を流す分量、パイプの太さの関係につきましては、その辺のところをとくと考慮して参りたい。一例を申し上げますれば、商工中金というものは組合専門の金融機関を担当しておるのであります。しかも預金は普通銀行と違いましてなかなか集まりにくい状態である。過去におきましても、国家資金によつて援助する以外になかなか円滑な企業の運営がいたしにくいような宿命をもつた金融機関でございます。従いまして公庫の金を流します場合におきましても、中金等につきましてはその持つておる使命ないし資金源獲得の難易の問題等を考慮いたしますれば、若干の特殊の考慮を払わねばならぬかというふうに考えておるのであります。建前としては、金融機関はそれぞれこの公庫の代理店として活用いたしたいのでありますが、活用するそのウエートにつきましては、それぞれの金融機関の持つております性格等に応じまして、適宜にあんばいして参りたい、かように考えておるのでございます。
  20. 小平久雄

    小平(久)委員 それでは次に移りますが、次に伺つておきたいことは、今の御説明のように各種の金融機関をして代理業務を行わせる、こういうことでありますが、それぞれの金融機関はまたそれぞれのお得意さんを持つておる。こういう関係がありますので、本公庫ができて資金が流れるということになりました場合において、ややもすれば従来の因縁等にとらわれて、当局目的といたしておるところのねらいに必ずしも沿わない融資等も行われるのじやないかという点も考えられるのでありますが、この点について代理金融機関融資先を選ぶ、その選定について当局としてはどういう注意を払つてつて行こうという考えなのか、この点をまず第一点として承りたい。  それからもう一つ承りたいことは、何と申しましても本公庫が出発早々であつて資金源もきわめて乏しい、にもかかわらず一融資先に対する累計額が一千円までよろしい、こういうことになつておるのでありますが、この一千万円という限度中小企業のうちの中の部類につきましては、特にそれが設備合理化でもやろうという場合ならば、必ずしも多い金額ではないと思う。しかしながら一面こういつた公庫の建前からいえば、大口の面にばかり融資が集中するというようなこともありますと、この中小企業のうちの小の企業の方にまわる金額というものは非常に少くなつて来る、そういう心配がどうしても生じて来るのであります。そこで先ほどお話がありましたが、当局は全般的にいいあんばいにということでありますが、なかなか実際問題としてはそこをどうかじをとるかむずかしい。要するにあまりに大口に集中しないようにするために、当局として何らかの方法を考えておれるかどうか、これを第二に承りたい。  時間がありませんから続いてもう一点承りますが、第三点としては、大体一件累計額一千万円というお話でありますが、これは何らかの具体的に中小企業合理化等をやるためには一千万円程度が必要なんだ、まずその辺最高やれば何とか中小企業合理化できるだろうという何らかの具体的な目安があつてきめられたことではないかと思いますが、その辺何か事例でもありますならばひとつお示しを願いたいと思います。
  21. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 第一の御質問でございますが、私ども先ほど申し上げましたように、中小企業金融をやつておりますところの各種の金融機関を代理店に活用するという建前をとりたい。それぞれの金融機関に対する扱い方は公庫でいたしますが、建前といたしましてはそういたしたいということを申し上げたのであります。その貸出しでありますが、ある種のお得意先に片寄つてしまうというようなことがあつてはならぬということについてはまことに御同感でございまして、たとえば金融公庫運用方法、代理店を扱います方法といたしましては、代理店の方で貸出しの申込みから貸出しの決定まで全部を委任しますのと、貸出しの決定は公庫に持ち上げて行きまして、貸す、貸さぬを公庫でやる場合と、二つの方策を考えておるのであります。公庫が決定をやりますいわゆる一部代理の場合におきまして、公庫が貸す、貸さぬをきめる一つ考え方といたしましては、代理金融機関とその当該取引先との従来の取引関係はいかが相なつておるか、また金融機関はなぜ自分の本来の資金を貸すのでは都合が悪いか、なぜ今度の公庫の金を貸さなければならないかという理由、あるいはまた信用保険をつけておりますれば、その方面の事情等も報告を受けまして、融資の期間であるとか、金額、使途、いろいろなこと議案して、貸すか貸さぬかをきめるようにしたらよろしいのじやないかと思いますが、専決代理、つまり貸す、貸さぬの決定まで全部金融機関がやります場合においても、爾後におきまして、今申し上げましたような事柄を一件ごと報告させまして、あまりに情実金融と申しますか、貸し方がおかしいようなものにつきましては、適宜注意するなり、あるいは業務委託を取消すというふうなところまでにらみをきかすように公庫の運営をやらせて行つたらどうであろうかと考えておるのであります。なお公庫の貸出しが限度一千万円になつておりまするがために、かりに一千万円の貸出しを一千件やりますれば百億円という結果に相なりまして、これははなはだ不都合な結果になるのであります。従いまして、私どもの方といたしましては、なるべくそういうふうな片寄つてしまうというようなことにならないように、また一方金融機関は、小品の金融は、調査その他いろいろな手数は、比較的大口の貸出しよりもかえつて手間がかかるにかかわらず、もうけから言えばもうからぬというようなことから、小口の貸出しをとかくきらいがちなものであります。たとえば公庫代理機関に与えます手数料の操作において、小口のものを、一千万円という限度はございますが、その中でも比較的小口のものの扱い手数料を優遇するというようなことをするとか、あるいはまた一定の一千万円のうちでも、あるところに線を引きまして、専決代理の場合においても、それ以下なら専決代理してもよいけれども、それ以上の場合には個々に公庫の方に申請をさせるようなことを考えてみてはどうかということも考えておるのでありまして、特に大口に集中することのないように操作はいたしたいと思うのであります。  なお限度を一千万円程度にいたしました目安といたしましては、過去におきまして私どもの方といたしましては、中小企業企業診断というものをかなり積極的にやつておるのでございます。それぞれの業態につきまして、千差万別ではございますが、中小企業が今後積極的に発展して行くのにはどうしたらよろしいかということのみならず、現在うまく行かぬのはどういうところに病根があるのかというようなことを調べまして、そうしてかようになされば病気が治るのみならず、業績が発展して行くでありましようという事柄を抜き出して、勧告をいたす仕組みをとつておるのであります。その経験を見ますと、七、八百万円ないし千万円前後の金があれば非常にぐあいよいよ行くというような事例がままあるのであります。全部ではございませんけれども、かなりそういう事例もあるのでございまして、限度としては一千万円くらいの限度をつけておく、しかしながら金融機関が、限度が千万円だからというので、金融機関としてのふところ勘定から、むやみに千万円の限度を引くというようなことのないような操作もあわせてとりまして所期の目的かうまく行き得るように努力いたしたい、かように考えております。
  22. 小平久雄

    小平(久)委員 次に本公庫金利の点で若干伺つておきます。これはさしあたり一割ということであるようでありますが、御承知のように、農林中金の方は、もちろん性質も若干違いますが、七分五厘ということになつている。またこの予算書等を見ましても、農林漁業の金融公庫の方は、二十八年度の予定損益計算書において利益金の予算額が三千万円ちよつとになつているのであります。しかるにこの中小金融公庫の方は一億七千四百万円余ということになつているのであります。資金運用量等から申しても農林漁業の方がぐつと多い。こういう点は、もちろん資金の性質の相違は若干あるとは申しながら、やや解しにくいような気がするのであります。先ほど来非常に低利資金ということを長官も強調されておりますが、それにもかかわらず、本公庫が初年度から一億数千万円の利益を見込んでいるというような点は、一体どう解釈したらよろしいか、御説明願いたいと思います。  最後にもう一点承りたいことは、中小企業金融の問題について本公庫が発足するということは、とにかく従来なかつたものができるのでありますから、プラスには相違ありません。また今後本公庫資金源も大いに充実をしていただきたいのでありますが、それにつきましても、これを借り受ける側のいわゆる信用力というか、それをつくることがまず前提要件じやないか。それには信用保険の制度もあるし、あるいは各地にできております信用保証協会も相当機能を果しているようであります。この受入れ側に力をつける方途として、信用保険制度と信用保証協会の関係を見ますと、保険制度も逐次利用されて来ているようであります。今詳しくは申し上げませんが、資料等を見るとそうなつているようであります。しかしこの保証協会の方が、実際借りる側からすると、より多く利用されやすいじやないかという気が私はするのであります。保証協会についても今回は改正法案も出るようでありますが、この保証協会をより強固なものにすることがこの際ぜひ必要じやないか。そういう見地からしますと、各地にある保証協会を今回の法の改正によつて何か特殊な法人にするという話でありますが、これに対して国家の援助の手を差伸べる方途をぜひ考えるべきじやないか。現在は地方の公共団体、特に都道府県が大部分の出資等をいたして、それに金融業者あるいは民間の一般企業者が若干の出資をして来ておるというのでありますが、もう少しこれに対して国の資金をつぎ込んでやる。現在の実情に即しても、大体出資額の十倍からの保証をしておるようでありますから、このことによつて中小業者が救われるという面は非常に多いと思う。この点について当局で何らか考えておるかどうか、これをあわせて承つて私の質問を終ります。
  23. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 今度設立をお願いいたしておりますところの中小企業金融公庫が、初年度からかなりの利潤が上がるという点でございます。これは予定されておりますところの公庫資金の構成が、百二十億のうち、資金運用部から借りる金が二十億でありまして、他は百億が全部政府の出資に相なつておるのであります。従いまして金利一割で貸すのでありますが、公庫資金源のコストが非常に安くついておる。農林漁業金融公庫の場合は、資金運用部等からの借入金が相当多額を占めておりまして、資金コストが、こちらの設立すべき公庫よりは非常に高くついておる点がおもな原因になつているのであります。また一割と七分五厘の差があるということも大きい原因かと思うのでありますが、一般の市中商工関係金利をながめてみますと、一挙に低い金利に下げ過ぎますことも、金利体系の上から見ていかがかと存じますので、まず一割程度が妥当なところではなかろうかというふうに押えてみますと、予算書にありますような利益が出て来るのであります。その点はさような事情でございますから、御了承を得たいのであります。  なお信用保証協会の強化の点につきましては、まことに私も同感をいたしておるのでございます。さしあたり今国会へお願いしまして保証協会を強化いたしたいと考えております方策は、まず信用保証協会を法律内容をきちんといたしますように仕組みまして、信用保証協会法というものを御提案申し上げるごとにいたしておるのであります。これによりまして内容を健全化いたしまして、ますます活発に活躍し得る素地をつくつていただく。同時に、今お話がございましたように、国といたしましても、もつと積極的に協会の活動力を付与いたします意味におきまして、従来信用保険において信用保証協会の保証債務の五〇%を保険として付することにいたしておりましたものを、六〇%まで保険に付することができるようにいたしまして、この保証協会の保証能力の限度をそれだけふやすことにいたしたのであります。なおこれは法律上の問題ではございませんけれども、信用保証協会法が成立いたしまして、一応全国の信用保証協会の内容をあまり甲乙ないように相当程度のレベルに引上げました上におきましては、この信用保証協会を対象といたします信用保険の保険料をある程度下げるようにいたすことに大体事務的な話合いができているような次第でありまして、両々相まちまして、保証協会がいよいよ活発に中小企業金融のために貢献できますような方向へわれわれとしても持つて参りたい、かように考えておる次第であります。
  24. 大西禎夫

  25. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 二、三伺つておきたいと思いますが、中金があるのにまたこういうものができるので、屋上屋を重ねるものだという意見が非常に多うございます。しかしこれにはいろいろ見方もあり、考え方もあるでしよう。そこで中金の金利が、一般の金利との比較からいつて高過ぎはしないかという点と、今度できる公庫に比してやはり中金が上まわつているという点については少し矛盾がありはしないかという点について、中金の金利を引下げる御意思等はないかということをまず冒頭にお聞きしたいのであります。
  26. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 商工中金金利は、短期の資金の貸出しにおきましては日歩三銭、大体年一割を最高といたしまして、中には二銭七、八厘、一割を若干切ります程度長期の貸出しにおきましては、三銭五厘、大体一割三分というのが標準に相なつておるのであります。従いましていわゆる市中銀行の貸出し金利から見ますれば、短期の方におきましても若干高うございますし、長期のものにつきましては一割三分でありますから、大体一分見当の高さを示しておるのであります。従いまして、御説のように商工中金金利を少くとも市中銀行並に下げてくれという要望は、商工中金の利用者から非常に強いのであります。ところが商工中金の最も金利高の原因はどこにあるかということを調べてみますと、預金が非常に集まりにくいということが第一点であります。それからこれが債券発行金融機関であるという点が第二点であります。債券発行は、一年の割商と、それから三年までの利付と両方出しておるのでありますが、これが八分五厘見当資金コストについておるのであります。この債券の発行によります資金源が相当大きな部分を占めておるということが、金利の高い一つの原因になつておるのであります。これを下げる努力といたしましては、預金が集めにくいものであります以上、政府資金を極力いい条件におきまして商工中金に多く流してやるという操作をやることが唯一の方法ではないかと考えおるのであります。従いまして、たとえばことしの初め二十億の金を貸し付けましたのも、また政府におきまして指定預金をやります場合におきまして、商工中金に、他の金機関と比べますれば大幅の預金をいたしておりますのも、一にさような点を考慮してやつておるのでありますが、いまだその金利市中銀行並に下げ得る程度まで至つておらないのは、はなはだ遺憾なのであります。最近商工債券の発行のうち、資金運用部で引受けますものが、原則として月三億になつておるのを、この六月におきましては、正味四億まで引上げてもらいまして、広告料、宣伝料のない方法で見やすく引受ける資金運用部のものがふえたのであります。かような努力を今後さらに続けて参りますれば、商工中金金利も若干は下げ得るのではないかと思うのでありまして、一ぺんにすぱつと行くということは困難かもしれませんが、御説のような方向へ逐次努力して参りたいと存じておるわけであります。
  27. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 御承知のように地方銀行から金融の道のない人がおもにこの金融を受けておるのでありまして、従つてそれらの人に対するあたたかい政府考え方、気持から中金というものが生れて来ている。しかも地方銀行が大体六割三分くらいの中小金融をまかなつているので、その間に幾らくらい中金がまかなうかといえば、わずか三%に足らないものだ。こういう点から考えても、普通の金融よりも高いというのは、私はあまりにも政府のあたたかい親心と相反しはしないか、こういう点については普通金融並くらいには当然すべきものである、こういうふうに私は考えます。従つて、徐々にというお考えのようでありますけれども、これらは当然政府の責任において即時引下ぐべきだと私は思うのであります。長官におかれましても、もう少し下げるんだというくらいのことははつきり言つておかないと、今度誕生するこの公庫に対しても、私たちが賛成をするのにも非常にしどろもどろの賛成をしなければならないようなことになります。なぜならば、一方の金融を受けているものが高くて、また一方で受けるものが安いのだというと、国民に対する平等観を欠くのではないか、こういうことになりますので、どうしても私はこの中金の金利だけは当然引下ぐべきだ、こういうふうに考えます。そこで長官からこれを徐々にでなく、当然引下ぐべきであるというお考えをもつて、ひとつはつきり御回答を承つて、次に移りたいと思います。
  28. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 先ほども申し上げたのでありますが、商工中金金利が他の一般市中銀行その他と比べまして比較的高いのは、短期資金の場合でございます。長期資金について見ますれば、興業銀行とかあるいは長期信用銀行等と比べますと、一割三分と一割二分でありまして、商工中金といたしましても原則は一割三分に今なつておりまするけれども、逐次一割二分の例も加味して行くような方向へ行き得るかどうか、今鋭意研究中なのでございまして、この点についてはそう大きな差額が現在出てはおらぬように思うのであります。とは申しますものの、一分にいたしましても、これを一割二分のところへ合せるようなことは、至急に努力いたすべきはもとよりでございます。従いまして今度公庫が扱いまする金は、短期の金は一切扱つておりませんから、比較する部面といたしましては一般中金以外の金融機関につきましても長期の金、中金につきましても長期の貸出しというものを対象にして比べねばならぬかと思うのであります。その場合におきまして、公庫は一割、中金が一割三分、その他の金融機関では一番安いのが一割二分、相互銀行等になりますればもつと高くなつておるように思うのであります。従いましてさほど目立つてきらきらするほど、今商工中金の金が高いということはないと思うのであります。しかし一割三分と二分との問題ははつきりした事実でございます。これとお説のような方向へ持つて行くように、公庫設立を機会といたしましてさらに努力いたしたい、かように考えるわけであります。
  29. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 他の市中銀行にいたしましても、営利会社であります。これらは営利会社であつて、莫大な利益を今日あげておることは長官が御承知の通りであります。あなたが今手にかけておるのは税金であります。税金の一端をさらに貸し付けるという面もありますので、こういう点、政府が行うものは営利を目的とするものではないので、今の日本中小商工業者のこの困窮している部面をどうやつて救うかという、その一つの親心なんです。そのあたたかい気持を逆に金融を受ける人に感じさせるということだけで、私はどの角度から見てもこれは妥当ではないのじやないか。従つて回収困難とかいう面もあり、また回収不能な面もあるであろう。しかし、あるであろうけれども、これは中金にのみあるのではなくて、他の市中銀行にも幾多そういう例は見られるのであります。であるから、私は政府があたたかい親心を持つて金融をするという点について、その精神とまつたく相反しているではないか、こう思うのです。ですから、努めて今の長官のお言葉のように、これらは幾分私は安くしろと言いたい。安くしろと言いたいけれども、いろいろな実情もあるでしようから、世間並には当然すべきであろう、こういうふうに考えます。次官はその点についてどういうお考えでございましようか。
  30. 古池信三

    古池政府委員 先ほど来の御意見はまことにごもつともなことでありまして、私どもも常々一般の中小企業者の方々からそういう御意見、御要望を承つておるのであります。商工中金金利が高いということは、これは何とかせねばならぬという空気は私はみなぎつておると思うのであります。ただ問題はいかにしてこれを引下げるかということでありますが、ただいま中小企業庁の長官から御説明申し上げましたように、確かに問題はその資金源の問題であろうかと思うのであります。一般市中銀行も相当もうけておるにかかわらず、金利は割合に安いではないかということは、結局市中銀行は安い預金の金を十分に運用できるというところにその有利性があると考えるのでありまするが、今後われわれといたしましても、商工中金に対しましては商工債券に重点を置くばかりでなく、できる限り国家の財政資金なりあるいは資金運用部の資金なり、できる限り金利の安い資金を供給いたしまして、これを利用される組合員の方に対しましては今後十分に、ただいまお説のように金利の安い金を使つていただけるように努力をするつもりでおります。
  31. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 もしこれが下げられないとするならば、今の政府のとつておる政策を一変すべきであると私は思います。なぜならば、今とつておる政策そのものはすなわち国家が資本の蓄積をするのであつて、一般の中小商工業者は資本の蓄積をする面というものは絶対にあり得ないのであります。あなた万がとつておるところの政策をここで一変するとするならば、私はこれらはもつと金利は高くてもさしつかえない。しかし今お話したところの、今の政府のとつておる政策が、資本の蓄積は国家がやるのだ、一般国民の資本蓄積を認めておらないのだ、こういう政策の上に立つて行くならば、私は大いなる疑問を持たなければならない。こういうふうに考え得るのであります。従つて今の政策を続けるとするならば、絶対に下げなければならぬ。ここに政策を一転して、資本蓄積を民間に行わせるのだということになるならば、金利はもつと高くとつてよろしいが、銀行はとらなくてよろしいと私は考えるのであります。しかしこれらに対して次官に答弁なさつてくださいといつても、なかなか一人でおきめになるわけには参らないから、答弁は私は必要としませんから、その点については大いに留意をしていただきたいと思うのであります。  そこでひとつこまかい点をお伺いしてみますが、この中小企業金融公庫というのは、資本は合計で幾らになるわけですか。たとえば政府産業投資特別会計から出資があつたものとされた金額と合計いたしたとすると、資本の合計額は幾らでございましようか。
  32. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 今数字がはつきりいたしておりまするのは、一般会計から百億の出資をいたします。それにさつきお述べになりました特別会計から出資したものとみなすといいますのは、計算いたしておりますが、おおむね十八億見当に相なろうかと思うのでありますが、そういたしますと、出資は百十八億何がしというものに相なるはずであります。それから借入金といたしましては、これは余談でありますが、資金運用部から二十億借りることになつておるわけであります。
  33. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そこで中金のすでに貸付の振りかえというものが二十億あるのでございましようか。競輪の方へ四億ですか、そうなると、百億とすると正味は七十六億になるのでございましようか、お伺いいたします。
  34. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 出資金は百億でございますが、先ほど申しましたように、運用資金といたしますれば、資金運用部からの借入金が二十億、それから債権からの回収金が約十億ございますから、百三十億くらいの運用資金があるわけでございます。そのうちから中金に貸してありますのが二十億差引百十億、それから競輪の四億を引きますれば、百六億見当のものが今年三月三十一日までの運用資金ということに相なるわけであります。
  35. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 百六億間違いありませんか。
  36. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 間違いございません
  37. 石井由太郎

    石井(由)政府委員 資本になりまする引継額は十八億でございますが、これのうち十億くらいが回収されるであろうということでありますから、運用にまわりますものは総額百十億、そのうちから四億引かれますから百六億見当と相なりますが、なお法律の第三十三条第五項をごらんくださいますと、この四月一日から公庫発足の日まで開発銀行中小企業者に貸し付けておりまする金額は、債権を現金にかえておるということに相なつております。これが見込額が大よそ二十億でございますので、その二十億が今の百六億から差引かれます。従つて八十六億というものが公庫発足後年度末までに運用される総額ということにあるのであります。
  38. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 長官の読むのとまたちよつと違つております。もう一度聞くとまた違つているかもしれない。どうもややこしいところがあるのであります。第二条の三に、「医業を主たる事業とする法人であつて、」というのですが、これはお医者さんは法人でなければならぬということでございましようか。
  39. 石井由太郎

    石井(由)政府委員 その点は通常の開業のお医者さんは第二条第一号の事業者ということで、公庫の貸付対象に相なるわけであります。法人たるお医者さん、すなわち医療法人でございますとか、社会福祉法人であります病院といつたようなものが三号の対象でございまして、通常の町の方々は、一号で貸付をいたすわけであります。
  40. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 この中にお医者さんを含むということは別にあらためで入つていませんけれども、今部長のおつしやる言葉は間違いないと思いますから、それで了承いたします。  それからこれはちよつと私にもわかりにくいので聞くのですが、第二条第二号の構成員のしまいの文句の「特定事業を行う者」というと、どういうようなものを指しているのでございましようか。
  41. 石井由太郎

    石井(由)政府委員 特定事業と申しますのは、政令で定めることに相なつております。製造業、あるいは物品販売業、運送取扱業、倉庫業、最後の方に参りますと、ガス電気の供給業、それから印刷業、出版業、写真業、今の医業、このような、いわゆる商売と言われるものを指定いたしているわけでございます。従いまして通常の意味における商工業者というものはすべてこの対象になつているわけでございますが、たとえば計理士でございますとか、医業は別でございますが、お産姿さんの仕事とか、こういうような通常言われる意味で商工業でないものを除くという意味合いでございます。なお農林関係の農林、漁業協同組合その他を入れてありますのは、たとえば物品製造業に相当いたします仕事だけを行つている水産業組合とか、あるいは農業協同組合もあるわけでございます。この場合はやはり中小企業者として扱う趣旨であります。
  42. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 次に役員の点について申し上げますが、総裁一人、理事四人以内、監事二人以内を置くというのですが、これらの役員は長官のお考えではどういうような人を推薦するおつもりですか。
  43. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 この前御審議を願つておりましたときに、新聞紙上等に総裁候補者の名前が二、三十出たことがございますが、われわれといたしましては、あの当時まだ全然ああいう構想はなかつたのでありまして、要するに役員の一番の中心は総裁でございますが、どういう総裁を推薦するかということは、大臣の方におかれまして慎重御検討の上、公庫の運営上最も適切な方をお選びになることと存ずるのであります。私どもまだ十分大臣の意図をを承つておりませんので、ここでちよつと申しかねる次第であります。
  44. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 お考えが大臣にあるとするならば、当然あなたは御発表になれないかもしれないけれども、あまり古手の余りものの、持つて行き場のないような者ばかりをどうせ並べることは明らかであると思いますけれども、そういう者であつてはならないのであります。先ほど申し上げた通り政府が親心を持つてこれだけのものを行うという、これにマッチするような人たちを集めてもらわないと困るので、銀行の古手の余りものやなんかを、一応持つて行き場がないから、そこへやつてつてやれというようなことで、わずかこれだけの人間で活動をするのでありますから、そういうことのないようにやつてもらわなければならないのです。従つてこれはそういう考え方がたくさん含まれていると思うのですが、前もつて御注意を申し上げておきますが、さらにこの中に入るのは、前にお話があつた、今度はどうか知らぬが、五十五名というようなものであります。そこで金を一応たとえば地方銀行なら地方銀行に申し込む、金融機関へ申し込む際、私から申しますならば、東京にあるような、中心にやつている十大銀行、こういうものは指定するのは避けてもらいたい。先ほどお話のあつたように、それぞれ特殊事情があるのだとおつしやるかしれないけれども、この本質が中小商工業者ということにあるので、こういうものはなるべく避けて、そして地方銀行だとか、あるいはまた信用金庫だとか、こういうようなものに私は重点を置いて進んでいただきたい、こう思うのだが、あなたのお考えはどうでしよう。
  45. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 先ほども申し上げましたように、このできるべき金融公庫中小企業者対象にしてやるのでありまして、開発銀行国民金融公庫との中間に位することをねらいといたしておるのであります。そうしますと、対象といたしまする中小企業者はいろんな取引銀行にぶら下つておる、今お話になりました大銀行、いわゆる十一大銀行をとつてみましても、中小企業者で十一大銀行から融資を受けておりまするのが件数で見まして約二十七万件あるのであります。それを業者に直しました場合に何人になるかという、先ほども申したのでありますが、的確な人数の換算ははつきり出ませんけれども、かなりの人数がこの十一大銀行に取引をいたしておるということは否定し得ないのであります。従いまして公庫の代理店というものを選定いたします場合に、これを除外してしまうということは、実際の建前からいたしましていかがであろうかと私ども考えておるのであります。代理店を選定いたします場合には、そういうある特定金融機関を除外するということはいたしませんで、公庫の金を流す流し方において、それぞれの、先ほど申しましたように、金融機関の持つておりまする性格なりあるいはその使命なり、いろいろの点を勘案いたしまして、資金の流し方その他にくふうをこらして参りたい、かように考えておるわけであります。
  46. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 どうも長官は、いよいよ十一大銀行に優先的にこれに権利を与えるんだという心底の方が強いようであります。そこで中金の金融が三%という率、二十七万という数字ですが、全国の中小商工業というものはどのくらいあるのですか。この率からいつて二十七万くらいの数字を見て、大分あるなんと驚いておるようなことで、どうして中小企業の面をあなた救うなんて考えられますか。とんでもない大きな間違いです。十一大銀行が二十七万件に貸し付けてあるなんて、そんなものに驚いていて、中金の金融がわずか三%に驚かないのですか。とんでもない話です。そんなものに驚いていて、この中小企業を救つてやろうなんという考え方からどうして出発できましようか。それは大きな間違いです。それでは、長官は、たとえばこれを貸し付ける場合にどういう分率をもつて調節をするお考えですか。たとえば十一大銀行とかあるいは地方銀行だとか、地方の信用金庫だとか、これをどんなふうな分率をもつて貸し付けるつもりですか。
  47. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 十一大銀行に、私は何も重点を置いてやると申し上げたのではないのでありまして、扱い口数から申しますれば、二十七万件、全部の銀行金融機関の率から言いますれば、十一大銀行は八・三%であります。一番多いのは相互銀行でありまして、約百六十五万件、これが約半分でございます。信用金庫は五十五万件で、約一七%というように、それぞれあるのでありまして、ただ十一大銀行といえども無視できないということを申し上げたのでありまして、これを大いに一本やりに元気を出してやろうというふうに、私の申したことがとられるようでありましたら、申し方がへたなのでありまして、決してさような意味で申し上げたのではないのであります。これを金額に直しますれば、もとよりまた違つた数字が出るのでありますが、今のはつまり件数からその金融機関にぶら下つておりまするところの中小企業者の数をある程度推定するという意味で申し上げたのであります。  なお公庫ができましたときに金融機関別にどの程度資金を流すかという割振りの問題でございますが、これは総裁がきまつてからでないとちよつときめかねる点でございまするが、われわれといたしましては、抽象的ではございまするけれども先ほど来申し上げておりまするように、各金融機関の持つておりまするところの特質なりあるいはその使命なりというものをよく押えまして、その金融機関がどういう層の中小企業者を顧客に持つておるか。またどの程度の一件当りの貸出額を主としてねらつておる金融機関であるかというふうなところもねらい合せまして、その金融機関、またここに申し上げまする取引先の数等ももとより有力なる参考の材料になろうと思うのでありまするが、それらを勘案いたしまして、金融機関に流す金額の高というものを考えるように、公庫に私どもの方として指導して参りたい、かように考えております。
  48. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 長官少しずるいぞ。大体、総裁ができようなんといつたつて、それはもうあなたが骨をつくつてやらなければ、そんな者が来たつて、何もやれるものじやありやしないのだ。どうせあなたが、取引先がどれくらいあつて、どのくらいのパーセンテージで、どのくらいのものをやるという考え方を持つておるのだから、教えたつて、いいじやないか。どうこうということはないじやないか。あなたが全部やつてやらなければ、総裁なんというが、どうせそんな程度の者しか決して来やしないのだから、いくら注意したつて聞きやしないの、だ。だからその分率はどの程度だくらいのことは、こつちも大体頭に入れさしてもらわないと、お前は通産委員をやつているのだそうだが、おれは借りたいのだと言われたときに、どうもお前のところはだめだ。今度はこつちの手を打てというくらいのことは教えてやらなければならぬのだ。そこで私があえて長官に、あなたは仮定に立つのだから、仮定でいいのだ。あなたは総裁でないのだから、仮定で、この程度であるくらいのことは、やはり委員となると幾らか知つておかないとぐあいが悪いのです。どうですか。その辺はちよつと教えていただくわけには参りませんか、お答えください。
  49. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 まことに御質問は私といたしましても、お話のように申し上げたいのでありまするけれども、まだ具体的に、どこに何ぼというふうにきめておらぬのであります。今申し上げましたような、考えの中に入れねばならぬ要素というものは多々あるのでありまして、その一つの例といたしまして、先般商工中金の性格論も申し上げたようなわけでありますが、商工中金のごときもまた、お話の中にありました残高から見ればたつた三%ではありますけれども先ほど申しましたように、商工中金というものは特殊の性格と特殊の弱点を持つておりますので、これらを補う意味からいうて、相当特殊の考慮を払わねばならぬということも申し上げたのであります。さような根本方針のもとに、銀行別の割振りを作業するように、公庫ができましたら指令を出さねばならぬ、かように考えておるわけであります。
  50. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 どうも長官ははつきりしない。聞きたいことは一つも言つてくれぬ。そこでそれでは商工中金に今二十億ある。今後あとどのくらい流すお考えがありますか。私はそれをかたにとつてあとで、お前はこれだけと言つたじやないか、これだけなければならぬということは絶対申し上げぬ。あなたは大体これくらいのものがという仮定に立つておるのだから、仮定というやつは間違つてもいいのだから、大体その程度だろうというくらいのことはひとつ明らかにしてもらいたい。中金にはどのくらい、あなたの胸算段がございますか、ひとつ伺いましよう。
  51. 岡田秀男

    岡田(秀)政府委員 こういうふうな席で、きちつとあらたまつて質疑応答をいたしまして、速記録に載つておる場合におきましては、どうも胸算用の点でこのくらいだろうというのは、申し上げてもかえつて失礼かと存ずるのでありまして、商工中金に対しましては、るる申し上げておりますように、単にその貸出し残高が全金融機関の貸出し残高の三%にすぎないということだけでなしに、また先般お話になりましたように、金利の問題も大いに低下して行かねばならぬという問題いろいろな点がございますので、この百六億から開発銀行が四月一日から貸し出しました二十億、その残りの八十六億の配分に際しましては、中金に対しては大いに敬意を払うつもりであるというところで御了承を得たいのであります。
  52. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 どうしてもおつしやれないというのであれば、あとでゆつくり伺いに参ります。時間が参りましたので、私は質問を打切りますが、いずれにいたしましても、申し上げたように、金融をしてもらうというのは非常にいいんだけれども、役員の点等につきましては、十分御考慮に入れてもらいたい。この点は特に次官も頭の中に入れてもらいたいと思います。以上をもつて私の質問を終ります。
  53. 大西禎夫

    大西委員長 質疑はこの程度にいたしまして、この際お諮りいたします。ただいま経済安定委員会において審査しております私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案は、本委員会といたしましても密接な関係がありまするので、経済安定委員会に連合審査会を開きたい旨申し入れたいと存じまするが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 大西禎夫

    大西委員長 御異議なければ、さようとりはからいたいと存じます。なお連合審査会開会の日時に関しましては、経済安定委員長と協議をいたしまして決定いたしたいと存じまするが、大体来る九日、木曜日になると存じまするから、さよう御了承願いたいと存じます。本日はこの程度にいたし、次会は明後六日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三分散会