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1953-07-02 第16回国会 衆議院 通商産業委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二日(木曜日)     午後一時五十二分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 村上  勇君 理事 長谷川四郎君       小川 平二君    小金 義照君       土倉 宗明君    坪川 信三君       馬場 元治君    中村 幸八君       笹本 一雄君    柳原 三郎君       山手 滿男君    加藤 清二君       齋木 重一君    佐竹 新市君       中崎  敏君    山口シヅエ君       始関 伊平君    川上 貫一君  出席国務大臣         通商産業大臣  岡野 清豪君  出席政府委員         通商産業政務次         官       古池 信三君         通商産業事務官         (大臣官房長) 石原 武夫君         通商産業事務官         (通商局長)  牛場 信彦君         通商産業事務官         (企業局長)  中野 哲夫君         通商産業事務官         (重工業局長) 葦沢 大義君         通商産業事務官         (繊維局長)  徳永 久次君         中小企業庁長官 岡田 秀男君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁生産部         水産課長)   藤波 良雄君         農 林 技 官         (食糧庁業務第         二部長)    寺田庄次郎君         通商産業事務官         (通商局次長) 松尾泰一郎君         通商産業事務官         (通商局農水産         課長)     森 日出哉君         工業技術院長  駒形 作次君         通商産業技官         (工業技術院地         質調査所所長) 三土 知芳君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 七月二日  委員伊藤卯四郎君辞任につき、その補欠として  佐竹新市君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 六月二十九日  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一二八号) 七月一日  輸出信用保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第一三六号) 同月二日  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (山手滿男君外十一名提出衆法第一七号) 六月二十七日  中国に対する輸出制限撤廃に関する請願(山花  秀雄君紹介)(第一八三九号) 同月三十日  綾部市に中小企業金融公庫代理所設置に関する  請願大石ヨシエ紹介)(第二〇七〇号) 七月一日  信用協同組合育成強化のための障害除去に関す  る請願櫻内義雄紹介)(第二二二五号)  同(松平忠久紹介)(第二二二六号) の審査を本委員会に付託された。 六月二十七日  ガス事業法改正に関する陳情書  (第四三三号)  自動自転車の整備に関する陳情書  (第四  三四号)  日中貿易促進に関する陳情書  (第五〇一号)  石炭需給対策並びに金融対策の樹立とその実施  化に関する陳情書(第  五〇二号)  中小企業信用保険法運用適正化等に関する陳  情書(第五〇三  号) 七月一日  特定中小企業の安定に関する臨時措置法改正に  関する陳情書  (第五五五号)  電気料金値上げ反対に関する陳情書  (第六一一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一二八号)  輸出信用保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第一三六号)  貿易に関する件  通商産業政策基本方針に関する件     ―――――――――――――
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  委員長より政府委員の方に対して申し上げますが、一昨日本委員会を開かんといたしましたときに、通商局長が見えないので遂に治まりがつかなくなつて流会になつたのであります。そうしてはなはだ遺憾に存じましてこの点強く要求をいたしておりましたところが、きようまたまた通商局長が見えないのであります。はなはだ遺憾に存じまするので、委員長より政府委員の各位に対して、時間は厳守していただくように強く要求いたしておきますから、御了承願いたいと思います。
  3. 中崎敏

    中崎委員 関連して、通商局長はどうして見えないのですか。見えない運由をひとつ聞かしていただきたい。
  4. 大西禎夫

    大西委員長 外出をしまして、何だかよくわからないのであります。外出をしてまだ来ておらないのです。
  5. 中崎敏

    中崎委員 それではいずれにしても委員長のところで早急にその出て来られない理由を確かめてもらいたいと思います。
  6. 大西禎夫

    大西委員長 承知いたしました。  本日はまず中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び輸出信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府より提案理由説明を求めます。古池通商産業政務次官。     —————————————
  7. 古池信三

    古池政府委員 ただいま提案になりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  御承知のように中小企業信用保険法は、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にするため、金融機関中小企業者に対する貸付につき政府信用保険を行う制度として昭和二十五年十二月に発足をいたし、さらに一昨年十一月の改正により、指定法人の行う中小企業者債務保証をも保険対象に加えて今日に至つたものでありまして、もつぱら中小企業者信用を補完することにより、中小企業金融円滑化に寄与して参つたのであります。今制度発足以来本年三月末までの利用状況を見ますと、金融機関相手方とする保険付保実績は約一万二千件、百四十八億円に及び、指定法人相手方とする保険におきましても、約一万四千件、四十四億円の利用を見たのでありまして、制度普及とともに、その利用は逐次上昇の一途をたどつているのでありますが、現在の金融情勢下におきまして、なお多大の困難を有する中小企業金融促進のためには、この際本制度に及ぶ限りの改善を施し、その効果を一層大ならしめる必要があると考えるのであります。  今回改正を必要とする諸点といたしましては、第一に中小企業者の定義を改正し、資本の額による制限を現在の五百万円以下から一千万円以下に、常時従業員の数による制限を現在の二百人以下から三百人以下に拡大するとともに、新たに医業を主たる事業とする法人調整組合対象に加えること、第二に相互銀行あるいは無尽会社の行う給付を貸付に準じて保険すること、第三に金融機関相手方とする保険について、保険金填補率を現在の七五%から八〇%に引上げること。第四に保険関係が成立する貸付金限度を現在の五百万円から一千万円に引上げること。第五に保険金支払い請求権行便の始期を現在の保険事故発生後六カ月経過時から三カ月経過時に繰り上げること。第六に保険金支払いに伴う代位の規定回収金の納付の規定に改めて、手続の簡素化をはかること。第七に指定法人相手方とする保険について保険金填補率を現在の五〇%から六〇%に引上げること。第八に中小企業金融公庫日本開発銀行及び国民金融公庫の行う代理貸しに際し、代理金融機関債務保証保険する制度を新設することでありますが、これによりまして制度の能率的な運用と大幅な利用促進とが期待されるのでありまして、中小企業金融円滑化に大いに資するところがあると存ずるのであります。  何とぞ右につきまして、慎重御審議の上御賛同あらんことを御願いいたす次第であります。  引続きまして輸出信用保険法の一部を改正する法律案提案理由について御説明を申し上げます。  輸出信用保険は、昭和二十五年この制度が設けられまして以来数次の改正を経て現在四種類の保険を包含する制度に発展しているのでありますが、最近の輸出取引実情にかんがみ、輸出振興の本旨を達成いたしますために、なお制度改善追加を要する点を生じております。本法律案は、右の立場から新たに外国為替銀行荷為替手形の買取りについて生ずる危険を黒保する輸出手形保険を創設いたしますとともに、既設保険制度につきましても所要の改正を加え、これを拡充強化いたしまして、制度全般利用度を高め、普及をはかるごとにより輸出振興に資せんとするものであります。今回の改正の中新設の輸出手形保険制度は、最近の各国における輸出取引実情にかんがみ、決済条件緩和をはかる必要に基くものであります。戦後わが国におきましては、外国為替及び外国貿易管理法規定により、信用状に基く輸出代金決済方法標準決済方法とし、輸出取引は原則としてこれによるべきことといたしておりますが、最近、貿易正常化に伴いかつまた海外との競争関係もあり、信用状なしの取引に対する要請が逐次生じて参りましたので、政府といたしましては貿易市場拡大のため必要があり、かつ弊害を伴わないと思われるものにつきましては、かかる信用状なしの取引標準外決済方法として許可して行く方針をとつて参つているのであります。しかしながら、このような信用状なしの輸出取引が多くなりますと、代金回収のため振り出された為替手形不渡りとなつて銀行損失をこうむる危険が存在して参りますために、銀行がかかる手形の買取りを拒否することも考えられ、ひいては輸出不能をも来すことになりますので、今回外国為替銀行輸出手形を買取つたことによつて受ける損失をカバーするための輸出手形保険を創設いたしますとともに、手形不渡り輸出者の責に帰さない場合は、銀行政府から支払を受けた保険金限度において振出人に遡及しないこととして輸出者の保護も行うこととしたのであります。  既設保険制度につきまして、今回加えました改正の要点は、各種保険の名称を変更いたしましたほか、次の二点であります。その第一は、各保険填補率、すなわち政府が支払う保険金の額の損失額に対する割合の引上げでありまして、普通輸出保険填補率現行の百分の八十から百分の九十に、輸出代金保険填補率最高限度現行の百分の八十から百分の九十に、輸出金融保険填補率現行の百分の七十五から百分の八十に引上げるごととしたのがこれであります。その第二は、各保険適用範囲拡大であります。すなわち、輸出代金保険填補範囲拡大し、輸出に伴つて提供される技術の対価についても保険し得ることとし、また輸出金融保険及び海外広告保険適用地域についての政令による制限を撤廃することといたしたのであります。  なお今回の改正におきましては、右のほか、この法律の各規定にわたり若干の技術的改正を加えております。何とぞ御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします。
  8. 大西禎夫

    大西委員長 以上をもちまして政府提案理由説明は終了いたしました。     —————————————
  9. 大西禎夫

    大西委員長 次に貿易に関する件について質疑の通告がありますので、この際これを許します。山手滿男君。
  10. 山手滿男

    山手委員 貿易の面、特に外貨を通じていろいろな問題が起きておりますので、われわれにはわからない点もあるから、主として大臣にお伺いをしたいと思いますが、大臣がまだ御出席になられませんので、次官からまずお答えを願いたいと思うのであります。  施政方針演説の中においても、通産大臣経済審議庁長官を兼ねておられますので、その演説の中で、今年度の輸入は大体十八億ドルくらいに押えたいものである、輸出は十二億ドルくらいにしたい、昨年の二十億ドルに加えて、若干奢侈品そのほかについて抑制をして、真の自立経済の達成に第一歩を踏み出すのである、こういう御説明がございました。私はまだそれでも手ぬるいと思つて聞いたのでありますが、先般この委員会要求をいたしましたところの二十八年度の四月から九月までの輸入貨物外国為替予算等説明書を見ますると、各地域を含めて十二億二千五百万ドルの輸入を予定しておられるようでございますが、この点について、そうすると下期においてはわずかこの半額の六億ドルくらいしか容認しないということであるかどうか。あるいはどういうことでこういうことになつたのか、まずその辺から次官に御説明を求めたい。
  11. 古池信三

    古池政府委員 本年度の四月ないし九月までの輸入貨物外貨予算は、御承知のようにドルが五億七千九百万ドル、ボンド関係が一億九千九百万ドル、オープンアカウント勘定が三億四千六百万ドル、合計十二億二千五百万ドルという数字をもつて編成をいたしたのでございます。本予算編成の当時におきまして、すでにポンド資金先行きはきわめて悪く、ポンド予算をいかなる規模において組むべきか、いろいろ論議をされたのでございまするが、内外影響を考慮いたしまして、結局通常の規模においてポンド予算を計上したようなわけでございます。また本予算実施にあたりましても、特にこれを削減するというような措置を講じない方針といたしたのであります。但し現状におきましては、わが国ポンド手持ち高は著しく減少しておりまして、反面スターリング地域諸国の対日輸入制限緩和につきましては、まだ具体的に顕著な現われが見られませんので、この間ポンドの受取りと支払いの時間的ずれを調節いたしますために、本予算運用に際しましては、買付の時期的に急を要するものかり逐次実施することといたして参つたのであります。しかしポンド収支見通しは依然として楽観を許さない状態じありまするので、今後も要すればスターリング地域各国との個別折衝を行います等、経済外交を強力に展開いたしまして、輸出振興、によつてボンド収入の増加をはかつて参りますとともに、内外情勢を慎重に考慮しつつ予算実施する方針でおります。最近特需の先行き不安等から国際収支見通しが楽観できぬ実情にかんがみまして、外貨資金効率的活用のため不急不要物資輸入制限が必要とされることと関連いたしまして当期予算削減が論議されるのでありますが、本予算編成方針として、不急不要物資輸入削減ということを考慮に入れておりましたため、本予算に計上したものにつきましては、一見不急不要と思われるものにつきましても、通商協定の遂行その他種々の経緯を背景としておる関係上、削減の結果が内外に及ぼす影響考えまして、またこれらをしいて削減いたしましてもその金額はきわめて僅少であると思われますので、目下のところはその削減考えていないような状態であります。  なお自動承認制予算について申し上げますと、現在までのところ四二%ないし五〇%の実施を見ておりまして、全体としては大体順調な足取りを示しておると存じます。  なおオープンアカウント諸国の中には、すでに予算追加行つた国も二、三あるのでございますが、今後も予算残額の僅少となる場合には追加行つて、その間に混乱を来さないようにいたしたいと思つております。  なお詳細な点は事務方面から御説明申し上げます。
  12. 山手滿男

    山手委員 そうしますと、今いろいろお話がありましたが、ボンド圏貿易関係で上期において非常に多く輸入し、下期においては上期の半分しか輸入させないという態度に出られたのは、いわゆるポンド貿易関係からそういう処置に出られたものであるかどうか、その点もう一ぺんはつきり御説明を願つておきたいし、それから今年度主としていわゆる不要不急品として押えようとされたものは何と何であるか、ここで明らかにしていただきたいと思います。
  13. 松尾泰一郎

    松尾説明員 ポンド輸入予算につきまして、現在の期であります四月—九月の予算と、それから前期であります昨年の十月から今年の三月までの予算につきまして、実質におきましてはかなり数字的な開きはあるわけでありまするが、前の十月—三月の予算におきましては、まだその当時できるだけ輸入促進しようということから、ポンド蓄積等関係もまだあのときはかなりあつたのでありますので、実際はそれほど多くは使わないではあろうが、ともかくできるだけつけておこうというような方針金額を組みましたのが、今度の四月—九月の予算では、外貨の需要から申しまして、それほどのことをする情勢でもありませんので、やや着実な予算を組んだということがまず第一点であります。それから御存じのように買付シーズン関係もありまして、大体食糧にしましてもあるいは農作物にしましても、十月—三月期におきまして、十月が買付院シーズンでありますので、大体十月—三月の方が予算としては多いのが通例の情勢になつております。そういうことで、前期と今期とをポンド予算について比べますと、確かに金額的にかなりの差はありますけれども、これによつて非常な輸入制限をやつているというふうには実は考えておりません。今後十月—三月の予算編成のときに、いろいろな情勢を考慮して、妥当な予算を組みたいと考えております。従つてこれまでの差は今申しましたような二点による差でありまして、実需をそう切るというほどのつもりではなくてやつてつたわけであります。それから不急不要物資についてであります。これも考え方がいろいろ違いますが、俗に外国製の日用品のごときはやや緊要度の低いものと考えまするが、これはもう大分前から毎期々々相当削減をして参りまして、この四月—九月で、たしか五百五十万ドルくらいでありましたか——これは全地域を入れてでありますが——に減じて参つております。来期からはほとんどそういう予算はつけない、これが最後のつもりでしておるわけであります。またそういうふうに関係業界から見るとかなりドラスティックに見える点があろうかと思いますが、かなり予算金額は減じて参つております。来期におきましてはこれを相当強くしぼるという考え方で進んでおります。
  14. 山手滿男

    山手委員 日本の非常に大きな国家的な購買力で買いに出動した場合に、外国市場においてさえ相当価格変動を来させるような事態が起ることはままあることでありますし、この外貨予算組み方の問題についても、十八億ドルで、そのうち九月までが十二億二千五百万ドルというふうな、三分の二ばかりを組むということでは、これは少し妥当でない組み方ではなかろうかと私どもは考えます。たとえて言えば、米にいたしましても、日本東南アジア市場で買いに出動をいたしますと、あの方面の華僑とかいろいろなブローカーがすぐ値をつり上げる。どうしてもこれは分散をしてうまく調節をして買いに出るということが、最も安く合理的に米を買いつける方法てあるとたびたび言われておるのでありまするが、政府は足らないとか時期だとかいうと、むちやくちやにその買いに出るというような非難を受けておりまするが、こういう面についてどういうふうにお考えであるか。あるいはまたこれは、この予算の中で自動承認制の品目の中に入つていると思うのでありまするが、先般ウール・ノイル輸入について、これが輸入停止を命ぜられております。聞くところによると、すでに制限のこの予算わく一ぱい以上に輸入許可しておつて、これ以上輸入をさすわけには行かないということで、停止を命ぜられているようであります。しかしこのことは非常に重大であつて下半期——今は繊維製品価格が高低いろいろ足取りを示して、困つた事態に至つておるのでありますが、下半期にこの毛くずあたり輸入措置をされますると、そうでなくても繊維製品価格にいろいろな要素が影響して参りますにもかかわらず、こういう為替許可技術的な面から、また市場価格変動を与えることになる。これが通産省通商局為替許可技術、どういうふうにやるかという効果的に外貨を使つて行く大きな技術的な問題点になつて参りますが、そういう点についてどうお考えになるか、次官からまずお答えを願います。
  15. 古池信三

    古池政府委員 ただいま御質問になりました点は、まことにごもつともな点も私はあると思うのであります。ことに最初食糧買付等の問題は、もちろん事態か非常に重要であるばかりでなく、時間的に調節をはかつて行くということは当然やらなくてはならぬ問題だと思うのであります。従つて先ほど次長から御説明を申しましたような時期的の関係その他も考慮いたしまして、下期の十月以降の予算につきましては、慎重に考慮してきめて行きたいと考えております。なお羊毛くずの問題につきましては、私まだこまかい事情を聞いておりませんので、通商局から説明申し上げます。
  16. 牛場信彦

    牛場政府委員 米の輸入につきましては、大体商社が非常に競争することが一つの原因でごさいましたので、農林省と相談いたしまして、昨年の末くらいから業者の指定制をとりまして、今後さらに輸出入取引法等改正ができますれば、輸入組合のようなものをつくる道も開けて参ります。それから現在では、東南アジアにおきましても大分需給状況がかわつておりまして、ビルマでもシャムでも、むしろこちらのほしい量よりもたくさんの量を向うからオファーして来ている状況でございまして、これは需給状況によつてあるときには高くなることもやむを得ないのでありますが、買付量につきましては毎年きまつた量がいるわけでありますから、なるべく有利な時期に買付かできるように、農林省とも相談いたしまして運用いたして参りたいと思います。  それからワール・ノイルにつきましては、現在業界には実際以上に外貨先行きを不麦に思いまして、羊毛買付資金削減されるのではないかというような、半ば投機的な心理かちむやみに買いあさるという状況がございまして、これはいかなる意味から申しましてもあまり健全ではないと考えております。ことに羊毛は全然輸出がないのでありまして、ネットの外貨のロスになるものでございますし、しかも予定以上に買つておるのでありますから、政府といたしましてある程度これを締めることはやむを得ないと思うのであります。ただ来期になりましては、またそのときの需給状況を勘案いたしまして、適当な量だけは買えるよにもちろん手当いたしたいと思います。
  17. 山手滿男

    山手委員 今のお話でありますが、ウール・ノイルの問題などは、許可をする方で平均をして年間喜正常に供給して行けるように許可をして参りませんと、一時に証商社競争をして申請して来たのを一ぺんに許可をするとか、もうわくを越えてしまつたからすぐとめるとか、そういうようなことをやるから、その間に立つている商売人や何かが投機的に出て参る、その間の調整というものが非常にずさんにやられておるように私は思うのです。あとからほかの委員質問もあるようでありますが、例の冷凍まぐろの問題なんかでも問題になつております。自粛協定をさして、このわく以上には出させない、それがアメリカに対しても徳義であるというようなことになつておるにかかわらず、局長なんかの御存じない間に通商局の一係官が独断で厖大なわく輸出さすように仕向けておる、許可をしておる、そういうような事態も起きておるが、こういう問題について私はもう少し局で統制のある一定の方針従つて、もつとしつかりした措置がとられなければならぬと思うのでありますが、その点についてこの予算外貨の使い方に関連をしてたくさん疑獄ができておることは御承知の通りでありまして、私はもつとその点について改善をする余地はないものかどうか、まずその点をお伺いをいたしておきます。それから繊維局長からウール・ノイルの問題についても、繊維行政の面からどういう影響があるかということを簡単に承つておきたい。
  18. 古池信三

    古池政府委員 最初お話になりました点は、まことにこれもごもつともなことで、あまりに重要なる問題を末端限りで処理するというようなことがありますとすれば、これは当省としても十分に考えて行かなければならぬ問題と考えます。少くともこれは局長相当に目を届かしてやらなくてはならない問題であると思います。疑獄云々のことは私存じませんが、ただいまの御意見の点は十分大臣にもお話しまして、相談をして今後善処して参りたいと存じます。
  19. 徳永久次

    ○徳永政府委員 今の毛くずのAAのストックの問題でございますが、私どもは実はAAのままにしておくのがほんとうは一番いいと思うのでございます。ただ先ほど通産局長から申し上げましたように、政府側といたしまして毛の適正量の輸入につきまして、確保のつもりで考えておるわけなのであります。ただ朝鮮事変の終息から、日本の経済が苦しくなるであろうというような感じから、見越し的に毛の輸入等につきまして必要以上の不安が持たれまして、それで割当になつていない、いわば自由なかつこうになつておるAAに殺到しているといいますか、従来の数字よりべらぼうに大きな数字が出て参つた、その数字が四—六の分としてあけましたのが、従来のように平静な数字が輸入されるならば何でもないのでありますが、すでに四—六の間たけで一年分以上のものが申請されたということになつて参りましたので、これを無制限にAAにあけつぱなしにしておくということも非常に片寄つたことに相なります関係上、一応これを締めるというような事情になつておるわけであります。年間全体といたしまして所要量を越えるものが入つたかつこうになつておりますけれども、なお入りましたものの国内における流通の形において多少の問題も起つて参りましようし、下期は全然窓をあけないというようなことを考えておるわけでも、ございませんが、こういうふうに業界の方でもある程度見越し的に動くという事情も起つて参りますと、役所側といたしましてもあまり身近なところではございませんが、ある程度今御指摘がございましたように、割当の時期的な調節を役所の方でとつて行く、すなわちAAの代組みを割当の代組みにかえるというようなことを考えながら、業界の混乱を少しでも少くするということを今後考えなければならぬかと考えておる次第であります。
  20. 山手滿男

    山手委員 こういう問題は、国会でもう少し究明して行きたいと思うのですが、きようはそのほかのことを総括的にずつと各品目についてやりたいと思いますから、この問題は他の機会に譲ります。  今次官は、今年度の輸入貨物の予算において不要不急品は1大臣は本会議の席上で極力押えたというお話であつたのでありますが、それでは何と何を押えたかという説明を求めたことに対して、ただ一つ外国製日用品だけを指摘されました。単に外国製日用品だけではない、まだたくさん押えなければいかぬ。八億ドルの今年度の外貨予算じりが赤字であつて、わずかに朝鮮の特需でささえられておる。こういう時期に今立つて、なお目が責めないような政府当局では私どもは信頼を普くことはできないと思うのです。不要不急品を探せと言われれば、私はここで五千万ドルや六千万ドルの不要不急品——なくてもいい、ない方が日本の産業界のためになるというものをお目にかけることができるのでありますが、私はそのいろいろな品見について少し議論をしてみようと思う。  今お話なつ外国製日用品でありますが、これを取扱つておるのはOSSとかあるいはまた御承知のSPSである。これは大体伏魔殿であります。OSS、SPS、これは外国製日用品にからむととろのいろいろ外国のぜいたく品を日本に入れて来て、一部の外国に販売をし、あるいは一部の人々にだけ扱わしている伏魔殿であつて、これがいわゆる刑事問題になつて、警視庁そのほかからにらまれるのは当然でありますが、特にSPSにおいては非常に不明朗な点がある。SPSに入れた日本商社あるいは外人商社、そういうものを一々洗つてみると、中にはアメリカ大使館から特別な申入れもあつたというふうに聞いておるのであります。まことに言語道断に私は選考をいたしておると思うのでありますが、どういう基準でSPSに外国のどの商社を入れ、日本のどの商社をはねるという処置に出られたか、まずそこからお聞きしておきたい。
  21. 中野哲夫

    ○中野政府委員 外貨予算の節減の御方針ごもつともでございまして、いわゆる外人川目用品については逐次外貨予算わく削減して参つております。昨年度同期、昨年の四月から九月までの間においては九百万ドルのわくでございましたが、昨年の下半期、つまり十月からこの三月まではそれを六百万ドルに減少いたしております。さらにこの四月から九月末までの予算については、四百万ドルにこれを削減いたしておりまして、先ほど通商局からも答弁のございました通り、これについてはそれを生業にいたしております外国人、日本人がいろいろおるのでございますが、ただいま御指摘のありましたような不祥事件も一部にあつたここは事実でございます。関税逋脱事件、刑事事件も起きておりますので、米期からは多少の反対も押し切つて廃止する品目を思い切つて整理いたしまして、どうしても必要であるというもりに限つて、これを優先外貨制度あるいはその他の制度でしぼるということ」いたしまして、旧OSSあるいはSPSといわれるような制度はこれを廃止したい、かように考えておる次第でございます。  なお問題が多いのは、いわゆる旧〇SSよりも旧SPSの方が多いという点も御指摘の通りでございます。昨年の下半期予算を分割配当いたします田は、それまで占領時代からの一種の既得権を擁護するというような形も見へましても、これに新規業者も加入せしめることにいたしまして、一定の基準、つまり店舗の古さとか、信用力とか、過去の実績とか、各般の点を点数制度によつて基準を定めまして、各地方の通産局に実地調査を依頼いたしました。これを高点位のものから取上げるという方針で為替割当先をとりきめたような次第でございます。
  22. 山手滿男

    山手委員 この問題は率直に企業局長から来期からはこういうOSSやSPSのようなものは廃止をするというお話でありますから、私は何も過去のことをとがめようとは思わぬし、それ以上追究はいたしませんが、過去のSPSなどという存在はまつたく不可解しごくであります。必ず今の御説明の通りにすみやかにこういう制度は廃止されることを希望いたします。私は先般特にOSSもどういうことになつているか、あるいは関係のところをのぞいてみましたが、あそこに並べてあつて外国から輸入して売つておると見られるようなものは全部日本で自給可能であるし、外国人はあの輸入品を使わなければ日本で生活できないとか、劣等感を感ずるというふうな状態では私は断じてないと思う。このOSSなんかに出しておるような品物は、来期外貨の割当についてはほとんど全部削減をしてもらいたいと思う。私はまずこれを要求いたしておきます。廃止をするそうでありますからもうその点はそのくらいにいたします。次は自動車の割当でありますが、先般来いろいろ自動車の割当が問題になつておる。今日国民の精神を引締めて王気を高揚して行く道はやはり民族的ば気魄というものを太らせて行くということでなければいけないのでありますが、東京あたりでいわゆるアメリカ租界のような感じの風景を出しておる一つは、大部分の国民大衆は歩くのにもかかわらず高級車がのさばつてつておるということ、これが非常に目ざわりになつておることは事実であります。しかも今年度外国の高級車は削減をすると政府は声明を出しておりますが、あにはからんや実に六千台も輸入をし、しかも相当な高級車までさらに許可をして行くようでありますが、その点自動車の輸入について御説明をお願いいたします。
  23. 牛場信彦

    牛場政府委員 自動車の輸入は毎回運輸省と私どもの方とに非常に意見の相違がございまして、何台くらい国内に需要があるか、それから国内で自給に可能な自動車はどれくらいあるか、従つてその差をどのくらい輸入する必要があるかということでいつも非常に長い間議論するのでありますが、今回六千台ときめましたのは、いろいろ折衝いたしました結果、最小限度この程度必要であろうということで両省の間で意見が一致しましてきめた数字であります。これは今後だんだん減らして行くことをわれわれも期待、しておりますが、一方しかし国内の需要というものがだんだんふえて行く傾向もありますので、適正な需要である限り、それを満足して行く程度に輸入して行くことはやむを得ないのではないかと考えております。高級車というお話でございますが、今回いわゆる高級車に属するものは全部とめておるはずであります。そうかと申しまして、アメリカからの高級車を全部切つてしまうということには実はちよつと行きかねることは御了承願えると思います。
  24. 山手滿男

    山手委員 いわゆる高級車は全部とめたというお話てありまするが、われわれ今日日本人の感覚からいたしまするならば、最新式のフォードや何かの大型というようなものは、日本ではこの燃料も少いし道路も狭い、狭いところに——ビュイツクでもそうでありますが、大きな車を走らせて燃料をたくさん使つて、そうして国民感情を刺激してまでやる必要は全然ないのでありますが、一億か五億くらいの日本の自動車工業の合理化資金を出すということになると、四の五の言つてなかなか出さないのでありますが、この大型の自動車などというものは、日本の国内に輸入をして行く必要は私は今日の段階では少しもないと思う。英国やヨーロッパの小型自動車についても、私は何も好んでこの際模範を示すためによけい入れるのだというようなことを答弁されたことがありましたが、日本の国産車をもつと改良して行けばいくらも間に合うように思います。ところがこれをむちやくちやに入れさすものでありますから、日本の自動車会社は位負けするし、日本人自身も外国車に乗つておれば自分がそれで偉くなつたような気分になるわけでありますが、この辺についてもつとつつ込んだ御説明をお願いいたしたい。
  25. 牛場信彦

    牛場政府委員 日本人がアメリカ製の大きな車に乗りたがるということは、私ども非常に遺憾なことと思つておりますが、役所でも私どもアメリカの自動車に乗つておりますが、一日も早く売払つて日本の車にかえられるようにすればいいのですが、一朝一夕に行かないのであります。これは予算関係もございますし、またああいうものは結局使う人自体が反省していただかないと、無理やりにとめてもほかからもぐつて入るということも考えられるわけであります。結局精神的にああいうものは使わないのだという運動が出て来なければ、私はなかなかああいうものをとめることは困難だと思います。それからヨーロッパの車でありますが、これは決してむやみにたくさん入れているわけでございませんので、先ほど申し上げた通り必要最小限度だけを入れているわけであります。それでヨーロッパ各国ともお互いに自動車を輸出入をして交換し合つている状況でございまして、自分の国の車の量の足らないものを補うという意味で輸入することはやむを得ないと思います。
  26. 山手滿男

    山手委員 こんなパンフレットなどが出ておりまして、いろいろわれわれの目ざわりになることがあるから調べてみたのでありますが、今最低限度の数を輸入したという御説明でございましたが、その最低限度であると認定をした基準を私はお示しを願いたい。しかも今日これは御承知のように、日本に持つて来ると大体一台当り五、六十万円くらいは内地のブローカーが間を抜いている。あなたの方で為替をつけただけでもうけているということであります。こういう次第であつて、きわめて不健全な輸入をしている。私は何も六千台も輸入しなくも、六百三十五万ドルも輸入しなくも、百万ドルも輸入すればけつこうだと思う、きようは私は大臣が出ておられれば大臣ととつくりと——大臣が本会議でああいう大みえを切られたことについて所信を承りたいと思つて、きようこの委員会要求をしておつたのであつたが、大臣がちつとも出て来られないから、どうもあなた方を責めるのは無理かもしれませんが、政府はほんとうにやろうとしているのかどうかわからない、次官からとくと御答弁を願います。
  27. 古池信三

    古池政府委員 先ほど来の山手さんの御意見はまことにごもつともなことで、おそらく同感される人も相当に多いだろうと思います。ただ現実の問題として正直に見ますると、確かに国産の自動車は外車に比べれば体裁も機能も悪くて、しかも価格はそんなに安くない。これは現実の姿です。そこで将来はどうしても国産車をもつと安く、もつと優秀なものにして、値段も安一く、国民が喜んで外車よりもむしろ国産車を使おう、こういう気持になるように自動車工業の発達ということにも十分に注意をして行かなくちやならぬと思つております。そこで今後外車の輸入の割当をもつと少くしようじやないかという御意見は、まことに私はごもつともな御意見だと存じます。ただ大臣の本会議における演説云々の問題は、大臣が御出席のときにひとつとつくりとお話を願いたいと存じますが、私自身の感じといたしましては山手さんの御意見に大いに同感するところがある次第でございます。
  28. 山手滿男

    山手委員 まあこれは大臣が出て来てからにいたします。自動車のことはそれくらいにいたしますが、日本と台湾との貿易で、例のバナナがいつも問題になります。バナナの輸入はつまらぬ輸入で、大したことはないように見えるのでありますが、台湾から見ると、なかなかそうではないらしい。それについては日本側も台湾の立場も考慮して、いろいろお考えになつておることであろうと思うのでありますが、大分無理がある。ことにその無理を押しておられるために、いろいろここに不祥事件が起きておる。御承知のように通商局課長初め関係者百何十人がひつぱられておるというような事態が令日起きておる。バナナの無為替輸入、なんかを認めておくこと自体に少し無理があるんじやないか、こういう気がいたします。また輸入をするについても、それがもうかるにきまつているということであれば、いろいろやつて来るにきまつている。だからこういう問題については輸入機構というものを考えなければいかぬ。むしろ私はこれは特殊な輸入、イタリーあたりでやつているような、輸出会社とか輸入会社というような国策会社をつくるようなかつこうで、大いに何か手を打てば、こんな不祥事件なんか起きないし、もつと台湾のためにもなるような輸入ができると思う。台湾では一かご約二ドルのものが七ドル五十セントでこちらへ売られている。その間はみな向うのブローカーがつり上げてやつている。日本政府の台湾事務所におる所長は、この間の事情をよく知つているが何ら文句も言わない。その他のところも実におかしい。二ドルくらいのものをわざわざ無為替だとか、有為替だつたらリンクしてどうとかいうようなことを通産省で考えておられる間に、二ドルのものが七ドル半でこつちに入つて来るというようなことは、日本としても実に不経済な輸入をしておる。こういう輸入は一体どうしたのか私はお聞きしたいと思う。
  29. 牛場信彦

    牛場政府委員 バナナの輸入の問題は若干私も聞いておりますが、これは正直に言つて日本日本人がバナナを食べなくたつて死ぬものでもないし、むしろ考え方によつてはぜいたく品かもしれません。またこれによつてたまたま輸入をした業者が莫大な利益を上げておるという事実も承知して員ります。しかしながら最近はバナナの輸入はほとんどないような状況でありまして、将来日本品の台湾に対する輸出関係とも見合せまして、バナナの輸入問題は何とかいい方法考えたいと目下検討いたしておる最中であります。
  30. 山手滿男

    山手委員 そういうことではいかぬ。われわれはやはり台湾からはバナナを輸入してやらなければならない。台湾のためにも大いに輸入してやるがよろしい。しかし今のやり方が悪いからこういうことになる。御承知のように今日はみんな脱法的に、為替の組み方にしても台湾とアメリカとの間の為替取引を」ているごとく見せて、日本に荷揚げをする。そうしてドルをそこらあたりであさつてまた操作するというふうないろいろなことを冒しておる。通商局というものがぎごちないから問題が起るのでありまして、私は今の御答弁では不賛成であります。まあしかしバナナ談義ばかりやつてつてもしかたがないから次に移りますが、タバコを百万ドル近く輸入をされる。黄色種や何かを原料として輸入されることは了承をいたします。しかし今日日本の専売公社でこれだけきつく統制をしておるのに、こういう製造タバコを入れられるから、ヤミの横流しタバコがそれにまぎれて堂々とPXから乗り込んで来るのでありまして、私は日本人が持つておる製造タバコは全部やみタバコであるということにするためにも、この輸入削減すべきであると考える。こういうもものがおとりになつてPXから無税のタバコが堂々と岳り込んで来る。あるいはココアの豆を三百万ドル輸入しておる。これは菓子やなんかの用途もあろうと思いますが、これなんかもぜいたくきわまる。のである。あるいは紅茶を入れておられる。こうやつて見て来ると、私どもは通商局あるいは岡野大臣がどれだけ努力しておられるか疑問に感ずるのであります。製造タバコ、ココアの豆、こうしたものについてどうお考えであるか御説明を願います。
  31. 牛場信彦

    牛場政府委員 ココアの豆から申し上げますが、これは御承知の通り菓子などの原料にいたしておるわけでありまして、相当需要もございますし、上る程度の輸入はやむを得ないのではないかと考えておる次第であります。それからこれは薬用にもなるわけであります。紅茶は日本の紅茶をつくりまして一部輸出をいたしておりますので、そういう面に入れておるのであります。台湾あたりとの交易協定との関係もございます。それから薬タバコは十万ドル入つておるのでありますが、これは専売公社の方から要求がございまして組んでありますが、ただいまおつしやいましたことは私自身もごもつともと存じますので、専売公社と話合いましてなるべく削減するようにいたしたいと思います。
  32. 山手滿男

    山手委員 こうやつて私どもが一目見ただけでも、なるほど世間もいろいろ言うはずだと思うような品種や性質のものがたくさんあるわけでありますが、聞くところによると政府は最近また一部の業者は動かされて、コヵコーラを日本の内地で製造することを許可しようとしておられるようであります。きようは農林省の方にもおいでを願つてあるから、通商局長とともに農林省の部長から説明を願いたいと思うのですが、コカコーラというのは御承知のように日本ではこの原料はできない。一種のぶどう酒のようなもので、私もときどき飲んだことがありますが、銀座にも横流れか何かがたくさん出ております。これが一旦国内を風微すると、清涼飲料水や何かに非常な影響を与える。フランスではこれが戦後はびこつて非常な悪影響があつたために、法律で禁止をしておる。東南アジア方面もすでに相当行つている。まるで世界は今コカコーラ化しつつあると言われておる。こういうふうな、日本の国内では原料を入手することができないようなもので、今まで認めておらなかつたものを、この段階に来て政府が認めて、外国から原料を全部輸入する、そして外国のひもつきの会社にこれをやらして、しかも日本の清涼飲料の四分の一か三分の一くらいまでコカコーラにかえて、その利益はすつかり向うに持つて行かれて、何千という中小企業者、清涼飲料業者を泣かせるというふうなことを、政府は断じてやつてはならないと思うのであります。その点について通商局の方にはたびたび申請が行つておるようでもありまするし、通商局長農林省側から御説明を願います。
  33. 牛場信彦

    牛場政府委員 コヵコーラの原液といいますか、もとのエッセンスみたいなものを輸入いたしたいという申請が出ておりますが、目下許可を留保して研究中でございます。これはただいまフランスで禁止しておるようなお話でございましたが、私この間行つて見て参りましたが、どこでもみな入れておるのでございまして、入れていないのは。パキスタンだけでありましてそのために一部反米宣伝の道具に使われておるようなところもございます。とにかく世界各国みな入つておるのが実情でございます。それでは日本としてはどうするかということが問題でございますが、もちろんその原液はただいまおつしやいました通り日本ではできませんので、輸入しなければなとない。しかしながらこれは外貨の先払いになりますが、将来日本でこれをびんに詰めて朝鮮とか台湾、沖繩の方に輸出することも考えられるのでありまして、またそれ以外にびんの製造でありますとか、そのほかの点で国内産業にある程度寄与することもできるというように、これは申請者の方の言い分でありますが、そういうことも言つております。ただここで考えなければならないのは、直接の国内の清涼飲料業者との関係で、これは農林省で生として御研究願つておるわけでありますし、それからまた物資そのものが緊要性がないものであるということで、目下申請は留保して研究しておるところでございます。
  34. 寺田庄次郎

    ○寺田説明員 コカコーラの輸入申請につきましては、ただいま通商局長から御説明のあつた通りでございます。申請者の理由といたしましては、今お話がありました通りに、場合によつて外貨の獲得もできるという理由をつけておるのでございまするが、国内における清涼飲料業に対する影響を、農林省としては考える必要がありますので、それらの点を勘案いたしまして、さらに十分慎重に研究を続けて行きたいと思つております。
  35. 山手滿男

    山手委員 輸出ができるのだということは、じようだんじやない。さつき局長からフランスの話があつたが、フランスは禁じているのです。
  36. 牛場信彦

    牛場政府委員 いや、そうでもないのです。
  37. 山手滿男

    山手委員 いや、禁じたのです。ところが、その後徐々にいろいろな手で入つてつて、一部に飲まれておることも私は話は聞いておるのだが、正式には歓迎すべきものではないということになつておるはずであります。ことに輸出ができるというお話つたが、もう日本を取巻く東南アジアとか、フイリピンとか、シンガポールとかいう方面はうんと盛んになつてつて、向うの方に大工場を持つてつておるのに、日本からさらに輸出ができるなどということは、詭弁そのものである。ほかのジュースとかなんとかいうような日本の国内で原料がとれるというものならいいが、コカコーラはコカインか何か知らないが、全然日本では原料がとれない。しかもこれは厳密に祕密を守つてつて、ほかの業者がうかがうこともできないような製造方法でやつている。そんなものを認めて行つて、そのために数千のラムネとか、サイダーとかの中小企業者がばたばた全部やられるという事態を起すことは、われわれは絶対に承服できません。こういうものを認めて行くことになると、年々歳々このために外貨を使わなければならぬ。こういうことのために使う外貨があるならば、その外貨を使つて、もう少し産業の合理化をやり、生産コストの引下げをやり、減税をやり、電源開発も大いにやればよろしい。コカコーラを飲むことは何でもない、わずか二十億くらいのものを入れさせたつて、それは何でもないとおつしやるかもしれませんが、それが国民に与える影響は非常なものであつて、断じて承服できない。また中小企業を擁護しなければならぬという立場からも、こういうものを入れてはいけない。あるいは日本の農村のみかんなどの柑橘類とか、あるいはりんご酒などを擁護する意味からも、こういうものを今入れるべきものではないと思う次第でありまして、その点もう一度局長から御答弁を願つておきます。
  38. 牛場信彦

    牛場政府委員 御意見は十分尊重いたして考えさせていただきます。
  39. 山手滿男

    山手委員 まだそのほかにいろいろあります。ぜいたく品と思われるもの、あるいは日本の経済の自立に全然役立たないと思われるようなものがたくさんあるのでありまして、ここでは冗長になりますから多くは申しませんが、十分気をつけて、もう少し世論に耳を傾けて外貨資金の割当をしていただきたい。外貨資金をもらうこと自体ですでに相当な金もうけになるというふうな状態でありますから、特別の配慮を願いたいと思うのでありますが、朝鮮もああいうふうな状態で非常に困つており、できるだけ日本の物も買いたい、特に休戦が実現をいたしますならば、復興特需というふうなものを日本に発注するだろうが、向うからも、日本に農作物とかいろいろな特産品を買つてもらいたいというような希望もあるようでありますが、朝鮮より日本輸入するものについては、どういう態度で政府は臨んでおられるか、この点をお聞きしておきたいと思います。
  40. 牛場信彦

    牛場政府委員 朝鮮との貿易は最近非常にこちらの輸出が伸びまして、たしか今年になりましてからすでに二千万ドル程度の輸出超過になつておると思います。非常に向うは日本の物をたくさん買つてくれておるわけであります。ところが例の大邦丸事件等がございまして、一時日韓関係が非常に悪くなりましたために、貿易も杜絶するような遺憾な状態に至りました。現在外務省が中心になりまして、そういう状態をだんだん難ずるようにし、それと見合いまして日本が朝鮮から物をもつと買う、あるいは向うがほしがつておるものを日本からスムーズに出してやるように注意して、至急その方針を決定いたしたいと思いまして、私どもの方から外務省及び内閣の方に申し出ておる次第であります。
  41. 山手滿男

    山手委員 朝鮮の事態はいろいろ困難な問題もあうろと思うのでありますが、特殊な関係もありますことですから、できるだけ向うの立場も考慮しつつ、日本のものを買わすように配慮していただく必要がある。ほかの地域とは違つてちよつと特殊事情にあるように考えますので、一言申し上げておきたいと思います。  要は日本経済の実態の最後の締めくくりというものは、私は外貨予算にあると思う。国内の予算が九千億であろうが一兆億であろうが、それはインフレとかなんとかいう形では現われて来るが、日本経済のしつかりした目盛りには大してならないと私は思います。外貨予算がどういうふうな数字で入つて輸入輸出のバランスがとれて行くかということに非常に大きな問題があろうと思います。さつきからの当局の御説明を聞いておりますると、非常に安易な考えで、まだ特需や何かにたよつて行こうという気持で外貨をつけておられる。貴重な外貨であります。もう二年、三年先に行つて気がついたのではおそい。われわれをして言わしめるならば、吉田内閣は、朝鮮事変が始まつた直後に朝鮮事変でもうけた金は、日本輸出競争をやつても十分太刀打ちできるだけの基幹産業の育成をするために外貨を使うべきであつた。それをいわゆる自由放任経済をやつて、まああれもこれもというので、総花式に飲めや歌えの貿易政策で終始をして来られた。今日まだ朝鮮事変の余燼が残つておるわけでありますが、今日抜本的な手を打つておかないと、二年、三年先に行つて気がついてもおそいと私は思うのであります。下期の外貨の割当については、この委員会でもつと掘り下げて議論しなければいかぬと思うのです。私は抜本的な、ある意味では国民に不要不急品は全部締め出しても耐乏生活を要求するくらいの心構えで通産省はやつてもらいたいと思う。そしてその金に余裕がつくならば、基幹産業にどしどしと、いやというほど資本をつけてやるような措置をとつてもらいたいと思う。私は大臣からこのことをお聞きをし、大臣にうんと所信を聞きたいと思うのですが、大臣が欠席でありますから、きようはこの程度にいたし、大臣がお見えになつてから、また御議論をさせていただきます。
  42. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私は先輩山手委員と同じ問題についてしばらくお尋ねしたいと思うのであります。  二十八年度要求外貨割当の表をせつかくつくつていただきましたので、これる見ますと、たいへん苦心の跡がありまして、いろいろ御苦労なさつたということはよくわかりますけれども、一つ不可解なことがあるのでございます。それはただいまも申されましたが、輸出輸入のバランスがとれない、従つて輸入削減しよう、こういうことをすでに大臣が述べておられるわけでございますけれども、その精神と矛盾した点が諸所に散見されるのであります。そこで一体どういうわけでそういうふうにならなければならなかつたのかという点と、この予算はどうしても動きのとれないものであるのか、ないしはこれは動きがとれる、幅のあるものであるのかという点をまず第一番にお尋ねしたいのでございます。
  43. 牛場信彦

    牛場政府委員 今次の外貨予算の作成にあたりましては、先行き非常に不安でありますような事情もありまして、うんと削減しなければいかぬという論も非常に強かつたのであります。たとえば羊毛みたいなものはとんと切るべしという議論が実はあつたのでございますが、しかし日本の物資がたまりがちで困つておるという状態では、この際原料を切るということになりますれば、いたずらに原料高を招来いたしまして、輸出にも悪影響を及ぼすという意味におきまして、割合に余裕を持つて外貨予算編成いたしたわけでございます。しかしながらこれは外貨事情その他をにらみ合せまして、実際の運用にあたりましては十分考慮いたしまして、余るようなものはぜひ買わないようにして行きたい。しかし必要なものはぜひ買つて行かなければならないと思います。結局日本は、原料を入れて加工をして輸出するという国柄でございますから、原料を安く買うということが一番大事なことでございまして、そのためにはある程度余裕を持つて外貨予算をつけて行かなければならぬと思つております。
  44. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 局長さんの御答弁は、ごもつともでございますけれども、外貨の割当につきまして、割当てられては困るというところへ割当があつて、ぜひ割当をしてもらわなければ困るというところへ割当がないという点について一体どのように考えていらつしやるのか。私の見たところによりますと——これはどうも見方が悪いかもしれませんが、強く要望されていんところへ割当が行われない。その声が直接届いていないところへは、必要欠くべからざるところでも割当が削減されているというように考えますが、そういう点があるかないか。もしあつたとするならば、それに対してどのような措置を講ぜられる用意があるのかを承りたい。
  45. 牛場信彦

    牛場政府委員 輸入につきましては、通産省関係の物資に対しましては、各原局と十分打合せてやつております。食糧につきましては農林省、自動車のようなものは運輸省というように、おのおの主管官庁と十分打合せまして、必要なところに外貨をつけているつもりでございます。それから割当てられては困るというところに外貨がついているというお話で、ございましたが、外貨を割当てても決して使う義務を伴うものではないのでありまして、買いたくないものなら買わなくてもちつともさしつかえないのでございますから、そういう意味で困ることはないと思います。それから必要の面に足りないということにつきましては、外貨予算はしよつちゆう変更の道はあるので誹りまして、そういう事情が起りましたならば、閣僚審議会においてこれを調査して変更して行くようにいたしたいと思います。
  46. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 もう一つ根本的なことだけを承りますが、外貨の割当につきましては、ただいま局長さんのお話の通り、大蔵省との関係が非常に多いと思いますが、通産省側ではぜひこうしてもらいたいと思つていたけれども、大蔵省の意見によつてそれができなかつたという点があるかないか。もしあつたとするならば、将来どのような形において通産省の意思を満足させようとなさるのか、その点について承りたいと思います。
  47. 牛場信彦

    牛場政府委員 今回の外貨予算編成にあたりましては、大蔵省との間は、意見の調整はうまくとれまして、お互いに十分研究し合つた上で一致した意見で編成しております。ただ今後の運営につきまして、事ごとにやはり大蔵省と協議をいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、たとえば新しい市場を開拓するような場合に、向うの原料を輸入するというときには、ある程度わくの外のものとして取扱いたいというような希望を持つておりまして、これも大蔵省側は決して原則的には反対いたしておるわけではないのでありまして、その点はお互いに協調し合つてつておる次第でございます。
  48. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 大蔵省との関係において真実を語ることが何らかの支障を来すということならば、これはやむを得ませんけれども、私の知る範囲においては、通産省ではやろうと思つているけれども、大蔵省が許さないからできないという声をたくさんに私聞いております。もし今度出されたこれが、ほんとうにいいものである、私の意思を満足させるものであると牛場局長がおつしやるならば、牛場局長は失礼なことを言いますけれども、業界の指導育成という重責を持つていらつしやる人にしては少し涙が足りな過ぎるのではないかと思うわけです。そこで具体的に申し上げましよう。  第一に、割当てられて困るというところはないはずだ、それは使わなくてもよろしいというふりに今局長お答えになつております。その通りでございます。今外貨は二割くらいのコミツシヨンやチャージなら羽がはえて飛んで行く。それは山手委員のおつしやる通りで、普通なら四割くらいで売れて行く。従つてこれは割当てられて困るという人はないはずです。ところが現実に業界としては割当てられたがゆえに国内で十分にでき得る、いやそれを輸入されたがゆえに工場があいて困るという業界があるのでございます。たとえて申し上げますと、輸出振興の立場で日本では紡機の輸出が盛んに行われております。紡機は危険を冒してでも輸出しなければならない状態に追い込まれております。従いまして先般中共貿易に紡機が加わつて、その部分品が加わつたということは、局長さんの方がよく御存じのはずでございます。そこで紡機の一部をなすところの針布などは、日本の針布業者は外貨が割当てされるおかげで外国の製品が入つて来るので困つている。これは事実なんです。そこでこういうことにお気づきにならなければ、私はきようの新聞で例をとりましよう。日本経済新聞にはつきり出ているはずです。電源開発について、これは外貨の割当とは少し毛色が違つておりますけれども、電源開発に要する機械で、日本でできるものを輸入させることは、けさの新聞でよく御存じでありましよう。これは電源開発用の機械を、アトキンソン社の中古品を修理して買うということであります。そんなことをしなくたつて日本で幾らでもできる。その機械を買う代金は、バンク・オブ・アメリカから電源開発会社が借り受けたところの七百万ドルのうちの四百五十万ドルである、こういうことになつておる。そこで日本のメーカー側から非常な反対の声が上つておる、こういうことなんです。それは借りた金でありましようから、どこから買おうとかつてでございましようけれども、なお考えなければならぬことは、日本で十分でき得る品物をなぜ買わなければならないのか。指導、育成、強化の任に当つている方が、その業界の困るようなことをなぜあえてやらなければならないのか。これについてはそれぞれの重大な理由があるでございましようから、これをはつきりさせていただきまして、業界の納得するような、国民の納得するような方途を示していただきたいと思うわけでございます。
  49. 牛場信彦

    牛場政府委員 針布を輸入したという話は、実は私は知りませんので、もしそういうことがございましたら調べてみたいと思いますが、もし具体的な事例を御存じでございましたら、お示しを願いたいと思います。  それからけさほど新聞に出た電源開発の機械につきましては、これは私どもの公益事業局と重工業局と十分打合せて、ある程度の機械は外国から買つた方がいいということになつたのであります。それは品質的によほど違うそうでございます。また早く入手を必要とする関係上、中古品でも早く買つた方がいいので、電源開発というものは、結局巨大な資本を要することでありますし、一日も早くコストを下げなりればならぬというような要請もございまして、ああいうふうにきまつたのでございます。新聞記事は私は一部正鵠を欠いておると思います。
  50. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私は過ぐる二日ばかり前に、丸山ダム、金山ダム及び中部県下にわたるダムを、自費で全部調査してまわつたものでございます。その折に、間組の重役も関西電力もはつきりとそういうことを言うておりました。それがたまたまきようの新聞に出たので取上げたわけでございますが、針布について御存じない、詳細知つてつたら教えてくれということでありますならば、私はそれを叫んでいる会社の重役から何から、全部申し上げてもさしつかえないのですが、それではあまり冗長にわたりますので、いずれあとで座談でもいたしました折に申し上げたいと存じます。  そこでこういう問題について通産省としてはどのような措置を講じようとなさるのか。ただそういうことはそうでないと、私の意見を否定するだけで終ろうとなさるのか。ないしはもし否定して、言葉の上でどのような答弁をなさつても、事実そういうことがあつた場合に、それに対してどのような態度に出られようとするのか。ほおかむりして行こうとするのか、いやそうだというので、声を聞こうとなさるのか、それが聞きたいのです。
  51. 牛場信彦

    牛場政府委員 産業合理化用の機械でありますとか、電源開発の機械、これは日本の経済の将来に非常に大きな影響を持つものでありまして、いい機械を安く買うということは、これはどうしても必要なわけでございます。しかしながら、一方国内のメーカーの育成ということももちろん留意いたさなければなりませんので、こういう問題につきましては、通産省の中に機械輸入審議会をつくつておりまして、電力の方と十分打合せまして、必要やむを得ずと認めたもののみを輸入いたしている次第でございます。しかしながら根本的には、現在日本の物が高過ぎるという一つの欠点があるわけでありまして、これは業界の努力によつて値段を下げるようにやつていただかなければならぬと考えております。
  52. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その次は、ぜひほしいと業界も言い、輸出振興の立場から考え日本経済の立場から考えて、当然割当を学けるべきであるというにもかかわらず、今日政府方針によつて切られたというところ、それに対して一体切つて切捨てごめんなのか。先ほど山手さんのおつしやつたように、経過措置として一体どのような態度に出ようとしているのか、その点について承りたい。
  53. 牛場信彦

    牛場政府委員 何をお考えになつているのか、具体的に教えていただきたいのです。
  54. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 まず第一に私の申し上げたいのは、毛製品の輸入についてでございます。これは局長さんはすでによく御存じのはずでございますが、これが、先ほど先輩議員も言われた通り、OSS、SPSの横暴を防ぐため、あるいは日本が独立したという立場から、毛製品の輸入日本人にも許され、去年の十月から実行されたはずでございます。それで海外の品質優秀なものが、国際価格輸入されて来た。そこで先ほどお話のあつた、伏魔殿で横暴をきわめておりましたところの、くつみがき程度の、バイヤーが独占していたことが、それができなくなつて来た。それからやみ輸入が抑圧されたというような長所、それから国内製品価格の引下げとか、あるいは国産品の技術向上にも非常に役立つた。かてて加えて、この輸入によつて得た利益を、日本業界はコスト高の日本の毛製品輸出の出血に向けていた。これが国民からも業界からも歓迎を受けた証拠は、見るく実績を上げまして、日本の毛製品の輸出市場開拓に功績をあげ、輸出金額も非常にふえたというその事実を通商局長及び繊維局長名で、本年四月二十八日付の通牒によつて、本年度もそれを続ける、四月三十日までに契約の完了したものについては、外貨の割当を行うということを、各ブロックの通商局長及び毛製品関係業界の代表者あてに通牒が出ているにもかかわらず、その通牒にも、大臣の言われる輸出振興にも反するような行為である、この外貨割当を削減し禁止するというような態度になぜ出られなければならなかつたのか、私は了解に苦しむものでございます。この点についてはつきりと御答弁が願いたいのでございます。
  55. 徳永久次

    ○徳永政府委員 私からお答え申し上げたいと思いますが、毛製品の輸入につきましては、輸出振興上大いに効果があつたわけでありますが、ただ毛製品の輸入につきましては、ある一定の輸入をいたしておりまして、その予定いたしておつたものの輸入による利益を輸出に使いたいという趣旨でスタートしたわけでございます。その意味ではいわば財源がある程度きまつてつたものをうまく使おうということでスタートしたわけでございますが、お話のごとく、やりました結果非常に順調に参りまして、財源の限度を越えたというようなことに相なりましたので、一応それを打切るという措置をとつたわけであります。但し打切りといいますのは、それ以上のものにはあの制度は助長できなくなつたということでございます。打切る以前に行われました約束の分に対しては、従来の約束通りのものは見てやりませんと業者としましては、輸出のある程度の価格切下げの補償に出ておるような事情もございまして、輸出業者あるいはそれを提供した機屋等に不測の損害を与えるということになりますので、この打切り以前に行われました契約の分につきましては、百パーセント約束しただけのものを与えるというふうにはしたいつもりでおるわけでございます。
  56. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私は繊維局長を責めようとかどうとかいう気持はない。繊維局長はその間の事情をよく御承知の上でありましようから、お尋ねしたのですが、今の繊維局長の御答弁によりますと、繊維局長及び通商局長名で出されました四月二十八日付の通牒には何らうそは言わない、こうおつしやるのでございますか。
  57. 徳永久次

    ○徳永政府委員 お尋ねの通り、約束通りのことは必ず実施いたします。ただ外貨予算が一応あるものを使い切つてしまいましたので、外貨予算追加の補正を行う必要がございますので、さような関係で事務的にちよつと遅れているというだげでございまして、約更しておつたが金がなくなつたからやらないというようなことはしないつもりであります。
  58. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私はその言葉が早く聞きたかつた。もしほんとうに四月三十日までに契約完了したものについては外貨の割当を約束通り与えるということがはつきりしておれば、機場はこんなに困つておりません。失礼なことを言うようでございますが、事実あなたは困つている状況をほんとうにわかつていますか。商社が大体困つている。なぜなれば今繊維局長のおつしやつた通り、毛製品の輸出入については、輸入外貨をもらつてそれで輸入し、それを国内へ売ることによつて得た利益で日本の毛製品のコスト高をカバーして出血輸出をしている、こういう状態でございます。こういう業界がはたしてほかにあるでございましようか。これと同じケースが肥料の問題でもある。その他にもちよくちよくありますけれど、そのしわ寄せを全部個々の業界へ持つて来ておるはずなんです。自分の出血によつて輸出をしなければならない、その補填を自分の利益によつてカバーしているという業界はまず珍しい存在であり、これこそわれわれがよくめんどうを見てやらなければならない業界だ、こう思うわけなんですが、それよりも何よりも、そのもとであるところの外貨予算を今度禁止されるだろうということになつた。おかげでキャンセルをしなければならない。輸出もキャンセルしなければならぬ、輸入もキャンセルしなければならぬ。そういたしますと、商社側は今後の取引において、信用の失墜という立場から市場の開拓もできなければ、輸入の相手に対しても今後の非常な不信を買う、その結果機場に対してさえ注文を発していたものもキャンセルしなければならない、そこで機場としては、かてて加えて紡績の横暴から生じて来るところの原料高の製品安ですでに六月の声を聞けば冬場の手当をしなければならない今日、なお原料高のおかげで手当ができない、こういう悪条件と相マッチいたしまして、今手を上げておるところに不渡り手形が続々出ている。この責任を一体どうとるのか。通産省としてはどう責任をとつた業界を救うことができるのか。そればかりではございません。もし毛製品の輸入を、日本人に外貨を与えることを禁止したならば、一体どういうことになるか。またぞろOSS、SPSが——先ほど将来はこれを禁止しようとおつしやつた、そのOSS、SFSがまたぞろ勢いを盛り返しまして、銀座にしてもあるいは心斎橋にしたつてほとんど彼らの勢力で蹂躙される。今日日本人が店先では働いておりまするけれども、その資本が一体だれの資本で動いて、だれのルートによつて品物が入つて来ているかということをよくお調べになつたならば、日本の盛り場が植民地化されているという言葉はたれしもうなずけることだと思う。こういうことを間接的に助長させるようなことはこの際禁止して、日本人の手で日本に必要なものは輸入させる。先ほど牛場さんも自動車でも必要とあらば入れるとおつしやる。チヨコレートや紅茶さえも必要であれば入れなければならないとおつしやる。それはその通りでございましよう。それであつたならば、なぜ毛製品は禁止しなければならないのか。皆さん今日ここに着ていらつしやるその品物を見てごらんなさい、みな要求がそこに現われているわけでありましよう。皆なんの着ていらつしやるものは一体何製品であるかということをお考えになれば、要求はどのくらい強烈であるかということははつきりわかつているはずである、にもかかわらずなぜこれに対して禁止しなければならないかということをはつきり伺いたい。
  59. 牛場信彦

    牛場政府委員 先ほどから不要不急品というお話がたびたびございましたか、外国産の洋服地は不要不急品の最たるものと考えております。現に日本の国産て十分量的に間に合うはずでありまして、何も輸入外国品を買う必要はございません。ただ輸出振興を助けるという意味におきまして一時認めておつたのでありますが、その関係で一町御不便が起つたということはよくわかるのであります。これは至急そういう不便をなくすように善処したいと思います。将来毛製品の輸入は抑制して行かなければならないものと考えております。
  60. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その意見は私の言いたいことである。私は失礼ですけれどもメイド・イン・イングランドの服を一度も着たことはございません。メイド・イン・イングランドが私の服の耳には書いてあるけれども、そんなものはみな愛知県でできております。全部できております。私ははそんなものは一度も着たことはないけれども、国民感情としては今日メイド・イン・イングランドというものが何か金科玉条のように思われている。だからこそどうなるかといえば、それを日本人の手で輸入することを禁止をすれば一層OSS、SPSが暗躍を続ける、そしてここに巣食う連中、あるいは外国のバイヤーがそれはあなたはうそだと思いまするならば、懇談会の席上でどうやつてつて来るかそのルートを申し上げましよう。三角貿易、香港のバツク物だとか、そういう形で入つて来るそのルートまでごつちは調べてあるのです。それはそれとして将来あなたが、今日でもなおメイド・イン・イングランドが必ずしもいいことはない、メイド・イン・ジャパンが必ずしも悪いことはないのだから、それをあえて輸入しなければならないという原因は一体どこにあるかといえば、日本の毛製品を輸出振興しなければならぬという一点なのだ、これについてはまた別の機会に申し上げます。  そこでこれを繊維局長のおつしやつたように、経過措置として禁止しない、約束通り実行する、こうおつしやるならばあえて何をか言わんやでございますが、禁止するのにも抜打ちでなしに、——かりに死刑の宣告を今日受けたといつてもあした殺されるというもんじやない。そこで業・界に心の余裕を与える必要が十分あると思います。それから約束は必ず実行してもらわなければ、今後海外市場信用を失墜するのみか、通産省に対する国民の信用を失墜することになる。そこで承りたいことは、それでは実行するとおつしやるならば、時期は一体いつごろおやりになる御予定でありますか、この仕事を年柄年中やつているものについては時期が問題でございます。それはいつでございましようか。
  61. 牛場信彦

    牛場政府委員 ただいま関係省間で相談いたしおるところでございます。しかしこれはやるという方針で相談いたしおりますので、ごく近いうちに実現いたしたいと思います。
  62. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 この際私は日本の毛製品がなぜコスト高であつて、なぜ他の力を借りなければ輸出振興ができないかというゆえんのものを、ここで掘り下げてはつきりと皆さんと討議がしてみたいのでございますけれども、いずれこれは後の機会に譲りましてこの際はただこういうことだけを申し上げたい。外貨の割当につきまして、大紡績にのみそれが集中されている傾向ありやいなや、外貨割当は輸出振興の報奨として行われていると聞き、優先外貨の精神もそうであるべきしにもかかわりませず、今度は毛製品ではなくて、原毛輸入外貨でありまするが、原毛輸入外貨の割当が錘の設備台数によつておるということでございます。これは今日の内地の毛製品が非常に高いという状態下にありましては、決して報奨にはならないということはよくおわかりのことと存じます。もし今度行われようとしているあの独禁法、カルナル法が通過するならば、業界としては安いところへ売るよりも高いところへ売つた方がいいということになりまして、紡績の方でははつきり相談をし、談合をしてしまえば毛製品は一つも輸出されない、こういう状態になると存じます。つまり外国からは輸入されないのだ、毛製品は外国からの輸入は禁止されている、内地だけでまかなわなければならないという折に、原毛の割当率が紡績だけに片寄つて行くとするならば、これは外国に売るよりも内地に売つた方がいいという傾向は、終戦後ずつと続いて来たことであります。これが輸出を阻害している大きしな原因の一つに相なつておると存じまするが、この原毛に対する外貨の割当率を将来改革する意思ありやなしや、もしありとするならば、輸出振興商社及び機屋などの協同のおかげでできてるわけでございまするので、そのめんどうを見る意思がありやいなや、これについてお尋ねいたします。
  63. 牛場信彦

    牛場政府委員 原毛の割当のやり方につきましては、ただいまのところ輸出の方につきましては、非常に今優遇しておるつもりであります。先般申し上げたかと思いますが、金額率にいたしまして輸出品の金額の一七%の原毛の買付資金を与えるということにいたしております。これは数量的に換算してみますと、約二・五倍見当になるかと思います。一つのものを輸出したら、その輸出品をつくるに要したであろう原料のほかに、さらに一倍半のものがほかにもらえるというような制度でございます。これはほかの物資に比べますと非常に輸出に対する優遇の割合の高いものでございます。これは現在輸出が非常に不振でございますので、多少程度が高過ぎるかという気がいたしますけれども、現在そういう優遇の措置をとつているわけであります。さらに輸出リンクとしてやつておりますものの一部は、輸出商社及び機屋にもその権利を与えるという措置を現にとつているわけでございます。今申し上げましたのは、ただいままでの現状でございますけども、これは毛製品の輸出の割合が、原料の購入割合に比べまして非常に劣つておりまして、繊維産業のうちで一番悪いものでございますから、この事態をもつと根本的に改革したいということを考えまして、私どもさらに輸出振興をもつと強化する方向で案を今検討甲でございます。いずれまたきまり次第詳細御説明できるかと考えております。
  64. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私はその全体の割当率が多いとか少いとかいうことをお尋ねしておるわけではございません。割当率が一方に偏しているということが国民からも業界からも言われておりますので、それを改革する意思ありやいなや、もし改年するとするならば、どのような率になさろうとしているのか、それが承りたいのでございます。具体的に言えば、お説の通りです。輸出の実績は少い。輸出実績の少いところが問題である。六十万俵輸入して輸出はせいぜい三%か一〇%ぐらいなんだ。その三%から一〇%に至るもの、それだけをこの商社にも機屋にも按分しておいて、あとの残りの九〇%以上はほとんど錘によつてわけられている。それからあとは希望によつてわけられている。その希望も紡績の希望によつてわけられている、こういうことである。それが不信を買うもとになつているので、それを改革する意思があるかないかということをお尋ねしているわけです。
  65. 徳永久次

    ○徳永政府委員 お尋ねの御趣旨の原毛工業の原料でございます羊毛輸入を、紡績業者に割当てるということでなしに、紡績業者は自分で原料をもらつて、いわばぼんやり過ぎておるのでもつとほかのものに割当てたらいいんじやないかという御趣旨のお尋ねかと承知いたしまして、その意味のお答えをするのでございますが、私ども羊毛工業の原料を他の業者に与えるというやり方はやはり不適当だと考える次第でございます。と申しますのは、そういうやり方をいたしますと、その工業の基本になります原料というものが、他の業者に牛耳られるということになりまして、一時しのぎとしてはある種の効果は出ると思いますけれども、その業界の基本的な安定という形にはなりません。基本的な線というのはやはり、羊毛工業者に必要とする原料を渡すという考え方が妥当であろうと考えるわけであります。しかしながら今申し上げましたように、輸出につきましてわれわれは羊毛工業者のみならず、それに貢献したであろう機屋及び輸出来者にもある種の割合で輸入の権利が付くごとく措置いたしておるわけであります。基本線は基本線ながら、輸出振興という趣旨で、その辺が実際問題こしてある程度妥協して考えて行くほとほどのところではなかろうかと考えしおるわけであります。
  66. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 外貨の権限をメーカー以外の者に割当をすると、メーカーが牛耳られるおそれがあるから、そういうことはできないというお説のようでございます。これは一面ごもつともな心理であると存じますが、業界においてはあなたのおつしやるのと全然反対の割当がこの通産省の中において行われているという事実があるのです。例をあげよとおつしやるならば私はあげます。事実あるのです。それがいいとか悪いとかいうことは別問題として、事実ある。そうなると、矛盾しておる、こういうことになる。そこでそれは別の機会に申し上げるとして、現在の紡績のあのあり方であつては、毛製品の輸出振興はどれだけ通産大臣輸出振興々々々々とおつしやつても、から念仏に終る危険性が多い。これをほんとうに実行に移すには、どうしてもほんとうに取引に携わつている連中、それから毛製品は何も紡績でできる糸だけで完成したものではございませんから、ほんとうに仕上げの加工をする連中にも紡績と同じような楽しみを持たせなければ決して輸出振興にはならない。特に繊維は今日不振だ不振だ、繊維輸出の将来はもうあぶない、こういう声に脅かされて、重工業偏電の声が行われておるようでございますけれども、私はそういう声は声だけであつて実態を知らざるもはなはだしいものだと思う。なぜなれば、仕上げ加工をはつきりと改良して仕上げ加工に政府が力を入れるならば、ことしの輸出実績の三六%は去年の四〇%に元へもどる、上昇して行くということは、もうはつきりした事実なのです。うそだとお思いになるならばやつてみようじやありませんか。必ずやれます。そのデータなり実証なりを出すひまのないのを遺憾に思いますけれども、仕上げ加工に力を入れさえすればきつと輸出振興ができます。そこで輸出振興をはかり、外出貝を獲得しなければならぬというのが、今日の国是に相なつておるならば、ぜひこの点に御努力を願いたいと思うわけであります。この点について私は大臣にはつきりした答弁を求めた、と思いますが、あなたの意見はから念仏で終ろうとしておるのか、実行しようとしておるのかということをはつきり聞きたかつたのでございますけれども、これは他日に譲ります。  最後にもう一点だけ、せつかく今おつしやいましたからそれに関連して陶器の金液についてカ尋ねいたします。これは先般の国会において金が自由販売にたり、おかげで消費者は非常に困ります。その困る消費者に対する手当さえ用意して行きさえすれば、私は金管理法には賛成しようということで賛成したのであります。はたせるかな金の国内の値段が暴騰した。そのおかげで困つておるのは何かといえば、陶器業界であり、歯医者であり、国民でございます。ところできしようは外貨割当の輸出振興という点に集約して質問しておりますから、その点だけお尋ねいたします。日本の血液一グラム五百十五円が六百二十円に値上げされる。これは過ぐる国会において皆様の努力によつて禁止することができた。私はその折にお約束しておいたことがある。日本の金液を使う陶器は国内消費ではありません。これがほとんどティナー・セツトになり、コーヒー茶わん、コーヒー皿になつて、ささやかではございますけれども、十二億何がしの外出貝にプラス・アルフアをつけておるはずでございます。ところが日本の金液は独占事業のおかげで非常に悪い。そのおかげでロスができる。この際日米経済協力をお唱えになります自由党であるならば、何がゆえにあの金液を輸入なさらないのか。そうすれば先ほど牛場局長のおつしやつたコカコーラではありませんけれども、外貨獲得が予想されるどころか現に行われておる。これは金液は全部外貨獲得になつておるにもかかわりませず値段が二割も安くて二倍も延びのきくところの金液、業界輸入してほしいと言つておるところの金液がなお輸入されていない。それは鉱山局長は将来輸入するように努力するとおつしやつたはずなんだ。うそだと思われますならば記録を調べてください。にもかかわらず今日に至るも何ら御返事もなければ日の目も見ておりません。うそをおつしやつたのか、出まかせをおつしやつたのか、あるいは手遅れになつておるのか、はつきり御答弁願いたいのでございます。
  67. 石原武夫

    ○石原政府委員 ただいま鉱山局長がいませんから、私からお答えいたしかねますが、一通り御説明いたしまして、次の機会に鉱山局長からでもはつきりお答えさせていただきたいと思います。御承知のように金の措置につきましては、いかにも金管理法がこの前の国会に提案になつておりましたのですが、通りませんで、今回の国会にまた再提出になつて、今御審議中と存じております。従いましてその後この前の金の措置を変更する際に、あるいは鉱山局長がさようなお約束を申し上げたかと思いますが、それはこの前の金管理法その他の通らなかつた点、あるいは金の買上げの措置を変更しなかつたというようなことで、従来のままの状況が続いておりますので、ただいまの御指摘の点は今後金管理法が通りまして施行の後、新しい金の買上げ制度をやる、あるいは自由販売制度を採用するという際に、同時に考えることに相なるものと存じます。
  68. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その点は了承いたしますが、国内需要で必要と認めたならば、外貨の割当をする、それからそれが将来外貨獲得の材料となるものならば外貨割当はする、こういう御意見たと思いますが、その御意見そつくりそのまま額面通り受取りますと、金液は当然外貨割当を受けて輸出の材料にすることができると思いますが、この点はいかだでございますか。
  69. 石原武夫

    ○石原政府委員 ただいまの点は、あるいは通商局長からお答え願う方がいいかと存じますが、たとえば金液につきましても、国内に金液の業者がおります。従来からそれに従事しておりますので、たまたま輸入のものの方が里内の金液業者がつくります金液よりも安いというだけで、ただちに輸入するというわけに——たといそれが必要な原材料でございましても、必ずしも一概にはそうは参らぬの一だと思います。その辺も十分考慮をいたしまして、輸人の問題は慎重に態度をきめなければならぬというふうに考えます。
  70. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 安いというだけじやないんです。値段も二割安いが、延びかきく。延びというとわからないかもしれませんが、延びが二割もよくきくのです。それから焼き上げた結果がつやが非常にいいのです。メイド・イン・ジャパンのディナー・セツトがアメリカの市場において競争するときに、日本の金液だけですと焼き上げたときに切れる場合がある。これがみんなロスになる。ですからどうしても内地で売らなければならぬということになつてしまうんです。そういう状態は先ほどもおつしやつた自動車と一緒で、国内産業を振興させなければならない、それはその通りなんです。しかし先ほどの自動車でも、六千台は必要ないけれども千台くらいは必要だとおつしやつた。おつしやつた意味は、国内の産業振興に好影響を与えるし、刺激を与え振興させるという意味においてそういうことが行われていると存じまするが、ほかの業界でもそういう意味において、国内でもできるけれども、なおそれよりも優秀品を試験川に輸入している状態にもかかわりませず、何がゆえにひとり金液だけ入れられないのか、日本血液メーカーから非常な圧迫を受けているのか、そういううわさを聞くから聞きたいのでございます。
  71. 石原武夫

    ○石原政府委員 ただいまの点は、私は正確な資料を持ち合せませんので、次の機会に鉱山局長からお答えをさせていただきたいと思います。
  72. 牛場信彦

    牛場政府委員 お話は、私自身としては非常にごもつともに感ずる点も多いのでありまして、鉱山局の方とよくむ合せまして処置いたします。
  73. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それではその問題は鉱山局長及び大臣のいらつしやるところで聞くことにいたしまして、次に移ります。もう一点で終ります。  同じようなケースにおきまして、今日無煙炭からつくられておりまする豆炭、この豆炭は御承知の通り、ガスのストーヴも電気ストーヴも買うことができない国民大衆に愛用されているものでございます。これを使うことによつて、おかみさんがお勝手の仕事に注ぐ精力を手内職に注ぎ得るものであるということは、皆さんよく御存じでございましよう。ところがこの豆炭の原材料になる然煙炭に対する外貨割当が、このたび行われないようになつたと聞きます。しかも九州があれほど大きな被害を受けて石炭山はほとんどいかれてしまつた今日、今の措置がはたしてけつこうな措置であるとお考えになつていらつしやいますか、ないしは貯炭の山があつたけれども、今度のあの被害のおかげでこれはもういかぬからというので、かえた方がよろしいとお考えになつていらつしやるか、その点を承りたいのでございます。
  74. 牛場信彦

    牛場政府委員 れんたん用の無煙炭の輸入でございますが、これはたしか予定量の倍ぐらい入つてしまいまして、相当国内炭の貯炭もふえております際に、このまま輸入を続けることはぐあいが悪いというので、一時とめておるわけでございます。今回の九州の被害状況を私どもまだ的確には把握いたしておりませんが、もし今後石炭の値上りが起るような事態が起つて来るといたしますれば、さらに再考いたしてよいことと思つております。
  75. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 やつぱりこれも今の機場と同じ問題でありまして、業界は日々動いておるのです。そこで、いつかということが問題になる。私はきよう大臣がいらつしやるならば大臣に尋ねたかつたのです。どういうことかといえば大臣はいつもおつしやるように銀行屋さんである。一日間違つてもすつばりやられるのです。業界手形が一日間違つたどころか、一時間間違つてもばつさりとやられるのです。そういう畑で育つていらつしやつた人が長になつていらつしやるので、私は非常にこれは歓迎するところであると言うて歓迎の辞を述べたはずなんです。ところがそのもとで行われる仕事が——業界は日々動いているのです。六割を九割に直してもらうだけでも、銀行はなかなか言うことを聞いてくれぬ。そのおかげで倒産続出、首つりができるのです。そういう業界を指導育成する任に当つているということをよくお考えいただいたならば、こういうことは御多忙中恐れ入る次第ではあるけれども、期日をはつきりさせていただくことがやがて首つりを少くする原因になるわけであります。従つて研究なさろう、あるいは将来どういうことをお考えなさろうという大体の目安なりとも聞かしていただければ、銀行からぴしやりやられるのを助ける原因にもなると思うのですが、いかがでございますか。
  76. 牛場信彦

    牛場政府委員 大体の目安を今言えとおつしやいますれば、九月までは無煙炭は輸入いたしません。ただ今後の事情によつて、何か特別の事情が起れば考えるという程度でございます。
  77. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 私は最後に委員長さんや大臣さんにお願いしたい。(「大臣さんおりやせぬぞ」と呼ぶ者あり)お忙しければやむを得ませんけれども、今も申し上げましたように通産省に不正事件があるとか、仕事がにすいとか、届け書が長いことかかるとか、いろいろのことで不満の声が非常にある。そこへ日本の経済復興の頂点にあつて相談をするこの委員会が、また延びた、また延びたで、この間の新聞では、熱がなくて伊藤委員と二人きりでどうやらしたということが出ておつた。こういうことでは一層不信を買うようになると思う。私はあえて委員会において何も全部反対をしてひつくり返してやろうとか、大臣の不信任案を出そうというようなことはさらさら考えておりません。とにかく業界がほんとうにうまく行つて、首つりが少くなり、輸出振興ができるという日が一日も早く来るように願つているわけであります。そういう意味においてこの委員会はもつとよく集まるように、熱心にやれるようにひとつ委員長さんにお運びを願いたいと同時に、大臣には御多忙で恐れ入るけれども、そういう重責をになつているということをよくお考えになつて、もつと真剣勝負になつていただきたい。こういうことをお願いいたしまして、質問を終ります。
  78. 古池信三

    古池政府委員 ただいま、まことに有意義な御発言をいただきまして大いに敬意を表します。委員会運営につきましてはかねがね非常な御協力をいただいておりまして、われわれとしても厚く感謝をいたしておるのでありますが、先般は大臣もまことに運悪く病気になられ、あるいはまた今日あたりも予算委員会の方に出席しておられるというような関係上、当委員会におそらく出たいと考えられる心はやまやまでありましようが、実際にはなかなか出席できないというような現実の事情、この辺のところはどうか御了承願いたいと存じます。なお私初め当省の関係政府委員はむろん申すまでもありませんが、極力当委員会には万難を排しまして出席をいたしまして、皆様の御要求にも応ずるつもりでおりますから、今後とも当委員会の運営につきましてはどうかよろしく御協力をお願いいたします。  それから先ほど来伺つておりましたが、加藤さんは毛織物あるいは陶磁器の本場からお出ましになつておりますので、非常に適切な御意見だと考えておりました。まことにこの毛織物関係輸出振興には紡績それから機屋、これもむろん大事でありますけれども、これとともにとかく見忘れがちなのはやはり整理加工の業態だと思います。今後は完成品とするために整理加工業者のになつておる使命というものは非常に重大であるということをわれわれも考えておりますので、輸出振興のためには、同様加工業者に対しても政府として十分な手は講じて行きたいと考えております。  なおその次に金管理法の関係から輸出陶磁器、なおまた金液業者の問題がありますが、金液業者は御承知のように日本では非常に数も少く、ただ問題は明治以来苦心さんたんして今日の金液業というものをつくつて参つたのでありまするから、そういう人たちの努力というものも考えて行かなければならぬのでありますが、一面大きな目から見れば輸入した方が非常に得策ではないかというお説の点ももつともだと思います。その辺をどういうふうにして調節したらいいか、ここで従来の歴史を持つておる血液業者をまつたく見殺しにすべきかどうかというようなことは、これまた相当な重大な問題でありまするので、十分に協議をして善処して参りたい、かように考えます。よろしくお願いいたします。
  79. 大西禎夫

    大西委員長 この際加藤さんに申し上げます。先ほどの御意見につきましては、私ども今まで一生懸命努力して参りましたとともに、なお一層努力を続けて行きたい。なおこの際政府委員の諸君に申し上げたいのでありますが、今朝もこの委員会の初めにおいても私申しましたように、一昨日来の委員会がはなはだぶざまなかつこうに相なりまして、私ども非常に残念に存じておりますが、今加藤君から言われましたように、ぜひとも現在の状況において十分審議を続けて行けまするように重ねて皆さん方の正確なる御出席要求しておきます。  次に佐竹新市君。
  80. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私はきわめて簡明に質問の要点を申し上げたいと思います。それは輸出冷凍まぐろの件についてでございますが、まず最初にお尋ねしたい点は、通産省がまぐろの輸出されるときに、どういうふうな手続によつて輸出されるのであるか、この点を伺いたいと思います。
  81. 牛場信彦

    牛場政府委員 ただいま冷凍まぐろ輸出は承認制にいたしておりますので、輸出しようとする人は輸出承認申請書を出していただきまして、それによつて輸出をやつております。
  82. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私が闘いでいるとこうによりますれば、貿易管理令に従いまして対米まぐろ輸出協議会というようなものがあるかに承つておるのでありますが、その機構、組織は一体どんなものでありますか。
  83. 牛場信彦

    牛場政府委員 これは別に法令に基いたものではございません。ただ役所の一つの諮問機関として業界がつくつているものでありまして、高碕達之助さんを委員長としてカン詰業界、冷凍業界両方入つております。
  84. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 それでは輸出わくを切られるときには水産庁の考え方によつて切られるのであつて、カン詰協会であるとかまぐろの輸出協会であるとかいうような一つの協議会は、単なる諮問機関と心得えてさしつかえないのですか。
  85. 牛場信彦

    牛場政府委員 決定にあたりましては、農林省とまず協議いたしまして、さらに業界の意見も、ただいまお示しになりました輸出対策協議会の意見を十分尊重いたしてきめております。わくの設定は元来アメリカの関税引上げ問題がやかましかつたために行つたものでありまして、現状ではこの関税引上げ問題も大分下火になつたような情勢でもありますので、今後さらにこれをどの程度にするかということにつきましては、よく農林省とも打合せて業界の意見も聞いてきめて行きたいと思います。
  86. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 そういたしますと、現在まぐろはカン詰並びに冷凍まぐろにして出しますところの一箇年分のわくの量は大体どのくらいでありますか。
  87. 牛場信彦

    牛場政府委員 昨年の四月一日から今年三月三十一日までの実績を申し上げますと、カン詰が百十五万八千六百六十四箱、冷凍まぐろが二万四千八百五十二トンであります。
  88. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私の聞いているところによりますと、大体この協議会あたりが参加いたしまして通産省がわくを持ちますときには、カン詰が百万箱、冷凍が二万二千トンというように聞いております。多少数字は違いますけれども、この辺には間違いないのですか。
  89. 牛場信彦

    牛場政府委員 昨年当初そのようにきめたことは事実でありますが、その後情勢によりましてわくを増加いたしました。ただいま申し上げたような数字になつております。
  90. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私の調べたところによりますと、水産庁と通産省との間においてきめられたわくは、私が今申し上げましたカン詰が百万箱、冷凍まぐろの一万二千トン、こういうように聞いておりますが、水産庁の方はどうですか。
  91. 藤波良雄

    ○藤波説明員 昨年度のわくは当初一万二千トンと百万箱でありましたが、その後逐次増加しまして、先ほど通商局長から言われた通りであります。
  92. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 大体まぐろとカン詰の輸出において、一箇年の輸出の総金額高でどのくらいドルが日本に入つておるのですか。まぐろはどのくらいで、カン詰はどのくらいですか。
  93. 森日出哉

    ○森説明員 カン詰は八ドル見当でありますので、大体昨年の実績を見ますと九百万ドル、それから冷凍の方は二万四千トン、一トン三百ドルでありますと大体のところで七千二百万ドルであります。
  94. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 現在日本におきましては、輸出の力ン詰を加工生産している業者は、私が調査したところによりますと約七十くらいある。これは主としてまぐろを生産している業者で、従業員の総数は、大体常時三万人ぐらい雇つているのがあるのであります。私が今申しましたように、昨年はカン詰の方において百万箱、冷凍まぐろの方において一万二千トンのわくを業者間の協議会できめられ輸出をしていたものが、現在はだんだんとそれが冷凍まぐろの方に主力を置いて、力ン詰の方の割当と平衡がとれていない。国内の中小産業に対しましてなぜこういうやり方をしておられるのか。その点をもう一ぺん……。
  95. 牛場信彦

    牛場政府委員 昨年は冷凍のわくを増加いたしまして、同時にカン詰のわく相当増加いたしております。ただカン詰の方がわく一ぱいに出なかつたというだけのことでございます。それで現在冷凍の方が出過ぎるため、カン詰の方がなくなつて困るという現象が起りますれば、水産庁と打合せまして何らかの措置をとりたいと思つておりますが、現在のところそういうことはまだないと私どもは感じております。
  96. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 それは通商局長のお考え違いでありまして、現に通商産業省が冷凍まぐろわくを多く切り過ぎて、協議会あたりで話合いのついた以上のもの、ほとんど倍に近いわくを切つておられる。こういう事実がある。最近におきましても産経夕刊なんかに大きく記事の出ているのを見ますと、まことに一方的なわくをどんどん切つておられるように書いてある。これは新聞の記事だから真相はどうかわかりません。しかしながら国内の中小企業ほ、それがために漁価が荷くなり困つている。カン詰にして出すなれば、甘は肥料になる。頭も肥料になる。内臓はいろいろの薬品になる。またカン詰も間接的には輸出され、あるいは包装箱も輸出されることになつて外貨獲得の上において、国内の中小企業カン詰業者の助長政策の上から考えてみても、この方に多くまわしてやることが最も正しいやり方ではないかと思う。それを冷凍まぐろだけに多くわくを切つて出されるのは、どういうところに根拠があるのか承りたい。
  97. 牛場信彦

    牛場政府委員 これはただいま日本輸出が御承知の通り非常に苦心さんたんして出しているわけでありまして、やはり海外に需要のあるものは何でも出すという建前で行かなければなかなか外貨は稼げないのでありますから、先ほど申しましたように冷凍まぐろによる外貨相当多額のものでございまして、これはぜひ私ども外典獲得の一つの有力な手段として続けて行きたいと思つているのでございます。現在冷凍まぐろは非常に値段も上りまして、海外でトン当り三百四十六ドルぐらいで支払つているような状態でございまして、外貨獲得の手段として非常に有力なものになつております。しかしながら一方国内産業との関係はただいまお示しのようなこともございますので、この点は十分水産庁とも打合せましてそういうような状況が起らないように気をつけて参りたいと思います。
  98. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 これはむしろカン詰の需要に対して国内のコストが安くつくならば、まぐろの原料のままで送るよりはカン詰にして送つた方が外貨の獲得が多くなる。そういう努力を払われずに、私どもから言わせますならば、わずかに一、二の貿易業者なりあるいは少数の大きな漁業者の利益を守る。こういうような結果に考えられるのですが、どうでしよう。
  99. 牛場信彦

    牛場政府委員 これはちようど日本が生糸を輸出し同時に絹織物の輸出をすると同じことでありまして、やはり向うの業界にもある程度原料を供給する、こちらから完成品を持つて来る、というように平均をとらなければならないと思います。それで先方の需要が年によつて違う。ある年には原料に対する需要が多いし、ある年には完成品に対する需要が多いのでございますから、それを見込んでこちらの輸出もやつて行かなければならないと思います。
  100. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 どうも通商局長の意見を聞いておりますと、ドルの獲得になりさえすれば何でもかんでもやつて行くという一方的なお考えのように聞かれるのですが、私はそうではなくしてやはりそこには相当通商局の今日のやり方の上においては、いわゆる国内の中小企業のカン詰業者と冷凍まぐろ業者との関係において相当何かあやがあるのじやないか、かように考えられるのであります。それはさつきあなたは、業界との間にあるいは水産庁との関係の間において一つわくがきめられている。それは昨年度においてはそのわくが非常にカン詰の方は広まつていない。一方冷凍の方においては広まつている。こういうようなことが協議会には一つもかけられずに、ほとんどこういう一つの業者によつて——もしこれが民主的なやり方で相談をしてそうしてカン詰業者の輸出も助長されるというならば両方平等な取扱と言えるりでありますが、しかし一方では百万相で押えてしまつて一方の方では二万何千トンというようなわくをどんどん別つて出す。こういうようなことは協議会の方においては一つま。聞いてない。こういうことになると片手落ちでありませんか。どうですか。
  101. 牛場信彦

    牛場政府委員 先ほど申しましたように、冷凍まぐろを増しますとともにカン詰の方も増しております。現に百五十万去年出ているのでありますから、わくはそれ以上に広げたのでありますが、わく一ぱい出なかつたという状況であります。そのわくをきめますときにはもちろん協議会で十分協議いたしております。
  102. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 出ないというのは要するに今言つたように外貨獲得を優先的にやるというような考え方から、一、二業者に対してどんどんわくを切つて来られるのでありますから、それだけ金融がよく、それだけ冷凍の場合は資力を持つている。だからとつた魚をどんどん現金で買つて行く。そういうようになりますと、どうしてもそれだけ通産省がわくを切るからそこに来てしまう。それを冷凍にして出すから中小企業の方は困るのであります。そういう点でやはりカン詰業者の方に対しても適正に材料の渡るように方法を講じてやらずにおいて、一方にだけ外貨獲得をするからどんどん出すというような片手落ちの考え方をもつて貿易の方途をとられるからそういう結果になると思うのですが、どうですか。
  103. 牛場信彦

    牛場政府委員 私はそうは思いません。しかしとにかくもし原料が不足で国内の方が困るという事情でございましたならば、確かにこれは困るのでありますから、その際は善処いたしたいと思つております。
  104. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 最近水産庁では、私はこういうふうに聞いているのですが、局長さんはお知りにならぬ、課長さんもお知りにならぬ、そのお知りにならぬ間に一係官が相当冷凍まぐろわくを切つているという事実がある。これを業者が知つて調べてみますというと、局長さんの知らない、課長も知らない。そうして一係長が判を押して、相当な量の冷凍まぐろ輸出を許している。こういう実例があるのですが、こういう点について局長さん御存じですか、御存じないのですか。
  105. 牛場信彦

    牛場政府委員 私はそのことは存じておりません。
  106. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 もし御存じないとするならば、一体通産省が輸出をします。場合に、局長も知らない、課長も知らない間に、一係長がかつてに、いわゆる申請があるならそれへ持つて行つて判こをべたべた押して輸出してさしつかえない、そういうような行政的機構になつて刈るのですか、どうですか。その点をお聞きします。
  107. 牛場信彦

    牛場政府委員 これはわくがちやんときめて指示してございますので、そうわく内におきましては、ある場合には係長の判者輸出を許す場合もございます。
  108. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 水産庁の方にお伺いいたしますが、大体今年の四月から二千トン以上のわくを切つて、そして今日許可をしておるのでありますが、現在日本の冷凍倉庫の中の漁獲したまぐろは、そんなにわくを切つて輸出するだけのものがありますか、どうですか。     〔「まだ海に泳いでいるやつを許可したのだろう」と呼ぶ者あり〕
  109. 藤波良雄

    ○藤波説明員 その点につきましては、通産省で最近調べた数字がございますから、通産省の方から……。
  110. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 通産省でなく、水産庁の方でどの程度のものがどこに何ぼあるかを調べ、それによつて通産省はわくを切つておる。そうすると、あなたの方で調査されて、どのくらいのものがあるかということはわかるはずです。
  111. 藤波良雄

    ○藤波説明員 わくの問題に関連しまして、ストックがどれだけあるかということを調べなければならぬ必要がございましたので、輸出承認数量と通算した数量の差額を出して、どれだけ船積みされていないか、どれだけストックがあるかという点を殖産省と協議いたしまして、その方の分担は通産省がやることにいたしまして、われわれの方では調査いたしておりません。
  112. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 私のお聞きしておるのは、要するに水揚げしたまぐろが四月以降今日まで実際においてどのぐらいのものがあるのか、通産省はどのくらいのわくを切つておるのか、現実にそれだけの現物化がされておるのかどうか、それでわくを切つたのかどうか。その点を聞いておる。
  113. 森日出哉

    ○森説明員 今の御質問お答え申し上げます。私の方で四月一日から今日まで許可を出しました数量が一万七千八百四十五トン二一五でございます。そのうち船積みが済んでおる。要するに税関を通りまして、船積みが済んでおる数字を当つてみたわけでございます。これは税関が輸出確認証というものを出しておりますので、これで厳密に当りました。そうして出ましたのが、一万四千百五十八トン四一一八これだけのものは税関で出たことをはつきり確認しております。次に船が出るのを待つておりまして、すでに船腹をとつたのが三千七百三十四トン〇一七でございます。両方合計いたしますと、ほとんど的確に承認を出しましたものは、出てしまつたか、あるいはすでにもう船積みの用意を整えておるという現状でございます。でありますから、承認したものについて、まだ海の中を泳いでいる魚を売つたというような事実はございません。  もう一つ申し上げたいのは、そのほかに現在私たちが調べましたストックが四千二百二十七トン〇四四でございます。船積みを待つておるものにつきましては、船会社のスペースをとりましたはつきりした証拠を得ておりますので、この数字は大体において正確だと私は考えております。
  114. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 これは数字の説明でございますから、責任をもつて言える数字なんですか。
  115. 森日出哉

    ○森説明員 初め申し上げました船積みされました一万四千百五十八トンは、税関で確認した数字でございます。税関の輸出承認証がございますが、これをただしてもらえば大体いいと思います。あとの三千七百三十四トン、つまり船積みを待つておりますのは、船会社がこれだけのまぐろに対して留保しておるというはつきりした帳簿を持つて来ておりますので、現在の段階ではこれ以上調べる方法はない、ですから正しいというように考えております。
  116. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 そういたしますと、現在通産省で切つているわくが一万七千八百四十五トンですか、それ以上のものは切つていないということですか。
  117. 森日出哉

    ○森説明員 これは船積みされた数量でございます。
  118. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 いや私は一万七千八百四十五トンが四月以降今までに切つたわくであつて、船積みしているものか税関を通つたのが一万四千百五十八トン、こういうふうに聞いているのですが、それは違うのですか。
  119. 森日出哉

    ○森説明員 ちよつと間違いがございましたから訂正いたします。承認が一万七千八百四十五トンで、船積みして済んだものが一万四千百五十八トンでございます。
  120. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 それより以上に通産省ではわくを切つていないのですな。
  121. 森日出哉

    ○森説明員 わくと申しますと、どういう意味でございますか。わくというのが私よくわかりませんが……。
  122. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 輸出許可をそれ以上にしていないのですか。
  123. 森日出哉

    ○森説明員 輸出許可は一万七千八百四十五トン一三五、初めに申しました数字が四月一日から現在までに輸出された数量でございます。
  124. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 大体わかつて参りましたが、いずれにいたしましても、業者との間の協議会できめられたわくを越えていることすでに約五千トンばかりのものがこの短かい期間に切られた。さらに今後来年の三月に入つて行くと、どれだけのわくの超過になるやらわからぬ。協議会というものを、たとい諮問機関であつても、つくつておりながら、そういうものを集めて、そして一方においては百万箱で押え、一方においては無制限に冷凍でどんどん出して、国内の中小企業のカン詰は立つて行かぬ、みなまぐろをさらわれてしまう。こういうようなことで非常に困つているのですが、それをどういうふうに考えているか。
  125. 牛場信彦

    牛場政府委員 たびたび申し上げておりますが、百万箱で押えた事実はございません。わくはふやしております。それから将来の問題につきましては、原料の手当の状況を見まして善処して行きたいと思つております。
  126. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 大臣が来られて、私は大臣には質問しないことになつておりますので、きようはこの程度にいたしますが、これは非常に重要な問題であります。通産省の中においても、こういうように局長課長も知らないうちに、一係長がかつてわくをどんどん切つて出すというようなことで輸出をやられたのでは、国内の中小のカン詰業者が非常に困るのであります。この責任の点については、また別個な機会に質問することにして、私の質問を打切ります。
  127. 大西禎夫

    大西委員長 次に通商産業政策基本方針に関し質疑の通告がありますから、これを許します。長谷川四郎君。
  128. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 私が大臣にお伺いしたいことは、国土の総合開発をしたいという政府考え方についてであります、まず、地球上——と申すと話が大きいかもしれないですが、地球上の生物は間断なく生成発展しております。従つて人類もその生存のために、科学の進歩は驚くべきものがあると思うのであります。そこで現在の政府が、自立経済達成のために、食糧、鉱業資源確保の見地に立つて総合開発の計画を立てておるということは、まことに喜ぶべきことであります。そこでこの総合開発の計画にあたつてお聞きしたいことは、四本の地質という点についてどの程度の調査が進んでいるか、これを私は伺いたいのであります。
  129. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 地質の調査につきましてよく事情を伺いましたところが、あまり進んでいないように伺つております。と申しますことは、地質図をつくりますのに、一昨年でございましたか、五万分の一の地質図をつくることに着手したわけでございますが、それが全国に対して千二百四十四枚ぐらいいるのだそうでございます。ところがただいままでにできておりますのが三百六十一枚ということになつています。それであと八百八十三枚くらいございますので、これをつくりますのに、十年計画でいたしまして、年に九十枚ずつつくるといたしまして、人の手数を百八十人くらい増さなければいかぬということになつております。そして二十八年度予算では五十八ぐらい、まあ二十八年度には二十五枚つくるといたしまして約三十万円くらいの予算をとつてあるそうでありますが、これは今後相当国内資源を利用しなければならないという立場から見ますれば、そういう調査が早急に必要でございまして、私といたしましては今後もう少し早くこの地質図をつくるように将来努力して行きたいと考えております。これに着手しましたのが何でも大正十年ごろでございまして、その後遅々として進んでおらないような情勢でありますので、二十六年から少し馬力をかけてこれをやつて行こうという方向に進んでいるように伺つております。
  130. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 明治十五年にこの科学研究というものが日本に始まつて日本はその間幾多の難関もあつたが、最大の難関はすなわち今度の戦争であつた。この戦争に負けた理由は、私が申し上げなくとも大臣みずからがよく御承知の通りであります。一たびあれだけの大きな敗北をして、それはどこに欠陥があつたかということを御承知の上で大臣がその行政を行おうとしておるのであります。そこで総合開発を口にする政府が、地質の基本というものの調査をしなくて、どうして総合開発をなさるおつもりでございましようか、お伺いをいたします。
  131. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 これはお説の通りでございまして、私も地質を十分調べるということは国土開発、国内資源の利用の上に最も重要なことでございますから、この点はできるだけ今後早く、また精密なものをつくりたい、こう考えております。
  132. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 まず一つの例をあげてみましても、連合軍という当時の進駐した兵隊たちが入つて来て、同時にたとえばこの関東に石油があるぞということをすでに指摘している。そんなばかなことはないだろうと言いながらその研究をしてみたらば、この東京にあれだけ厖大なガスが発生しているのです。従つてそのガスを東京江東区の大体五箇所の工場で使つている。一番出る一つの井戸だけでも四千立米というものが出ている。これだけのものが出ているのである。そうすると私たちが考えておつた今までの観念的なものから、もうすでに脱却して、新しい方法をもつて進まなければならないのではないかということも当然であると私は思います。  そこで私がお伺いしたいことは、輸出産業の問題に対して先ほどから非常に大きく論議されておつたようであるが、日本という国にはもう資源がないのか、資源がないとするならば、どういう方法をもつて輸出産業の振興をはかるのか、産業構造というものをどういうふうに持つて行くのかというのはこれから始まるものでなければならないのではないか、少くとも産業構造をお考えになり、そしてこれらに対する計画を立てるとするならば、もつて地質というものが最も重大なる役割をなすものだと私は信じてやみません。そこで日本という国にはもうこれだけより何も出ないのだ、地下資源というものはないのだというのであるならば、また輸出貿易という点についても大いに産業構造の改革を行つて行かなければならないであろうと思うが、こういう点について大臣はどのようにお考えになつているかを伺いたいのであります。
  133. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 私はこれはお説しごくごもつともと存じます。同時に地質の調査は大いに促進しなければならぬと考えております。まあ二十八年度はいたし方がございませんが、来年度からはできるだけ早くこの調査を完成するように努力したいと考えております。
  134. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 きようは院長も所長さんもお見えのようでありますからお伺いいたします。私は話で聞いただけでわかりませんけれども、たとえば新潟にしても秋田にしても相当の量の石油がこのごろ出ておるという話でございます。それらはすでに廃坑に近いものである。それを新しい探知機と言おうか、いろいろな現代的な機械を持つて来て調べてみたところが。想像以上の量が湧出しておるという、こういう点についてそれが事実であるかいなかを所長さんにお伺いいたします。
  135. 三土知芳

    ○三土説明員 ただいまお尋ねのあり。ました秋田油田につきましては、おそらく八橋油田のことだと存じますが、八橋油田は戦前からございましたけれども、戦後になりましていろいろ地質の研究をいたし、あるいは物理探鉱その他の近代的な方法を用いまして、深いところにも油があると確信をいたしまして、帝国石油会社が試掘いたしましたところ、はたして多量の油を出しまして、現在ではわが国のおそらく七割程度の出油をしております。新潟県下におきましては、大面油田のすぐそばに小栗山というところがございます。それは地表に何も徴候のないところでありますが、戦後通産省にできました石油資源開発促進委員会によりまして、いろいろの資料を集め計画を立てまして地質調査をいたし、また物理探鉱を行いまして、各方面のデータを総合いたしまして、ここに油があるだろうというので試掘いたしましたところ、相当量の油があるということを認めましたが、これはまだ油田になつておりません。その他の油田といたしましては、昨年度山形県の新庄地方に一つの油田が同様にして見つかつております。油田につきましてはそのような状態であります。
  136. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そこで所長さんに重ねてお伺いいたします。これらを新しく発見したと言われるのですが、これらの調査に当る、たとえば地質調査、地表の調査に当るとか、試錐調査だとか、物理探索をするとかいう面にあたつて、皆さんの研究所にあるその機械をもつて調査をした結果、今のような結果が出ておるのでございましようか、お伺いをいたします。
  137. 三土知芳

    ○三土説明員 地質調査所も物理探鉱の機械及び試錘の機械はごくわずかでございますが、先ほど申し上げました通り、石油資源開発委員会におきましては、帝国石油会社その他が所有しております機械を計画的に動員いたしまして、調査を行いました。そのほかに通産省が出しております石油助成金によります試掘の結果も、重要な貢献をしておるわけであります。試掘調査機械といたしましては、今のところはなはだわずかな近代的機械しか持つておりません。
  138. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 重ねてお伺いいたしますが、所長さんのお考えからして、日本のこの狭い国土の中には現在の量くらいよりほかの資源というものは、どんな近代的機械を持つて来て調査をしても、おそらくないであろうというようなお考えか、それとも近代的の、つまりいろいろな機械を持つて来て調査をすれば、まだまだこんなものではないというような面もあるかいなかをお伺いをいたします。
  139. 川上貫一

    ○川上委員 議事進行について。これはたびたび私が前から委員長に言つておるのですが、大臣が特に三十分しか時間がない、そこで済ますと言つていながら、委員長大臣以外の質問を平気で許しておられる。この問題について私はあまりこんなことは言うつもりじやなかつたのですが、どうも今までの経過を見まして、私は最初から発言の通告をしてある。ところがいつまでたつても同じ方が数回言われまして、委員長の方ではどういうお考えであるか知りませんけれども、どうもその取扱い方はきわめて不公平であると私は考える。元来発言の通告があれば一応はその発言をさして、また残つておればこれを繰返してするというのが私は道理だろうと思う。ところがだんだんと様子を見ておると、何とかかんとかいう形で——委員長の手違いとすれば別として、結局きようで打切る、大臣は三十分しかいない、そうしておいて大臣がいないでもさしつかえない質問委員長は許しておる。こういう形で意識的にある特定の委員の発言をとめるというやり方をやつておられる。これは私はなるべく紳士的と言えば語弊があるが、とにかく志を尽して審議をして行こうという立場からして、非常に不愉快な感じを私は受ける。特にこの議事進行について委員長の責任のある態度をとつてもらいたい。そうしませんと、その主観のいかんにかかわらず、結論としては特定の委員の発言を封ずることを寄つてたかつてつておるということを人から言われてもしかたがないような気がいたします。名委員長ならば、その辺をひとつ適当に進行さしていただきたい。
  140. 大西禎夫

    大西委員長 かしこまりました。さように取扱います。
  141. 三土知芳

    ○三土説明員 私は、日本の資源がすでにわかつておるだけでもうないのだとは、決して考えておりません。今まで行われました調査は、役所といたしましてはおおむね概算程度のものがおもなるものでございまして、詳しく調べたものはございません。ほかの近代的な方法を用い——方法と申しましても、必ずしも機械器具に限らず、近代的なアイディアを用い、また近代的な機械器具を用いまして地面の底まで察知するという方法を用いますれば、必ずや相当量の資源が発見できるものと確信しております。
  142. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 大臣も答弁を聞いているからよくおわかりだと思いますが、たとえば硫黄の問題にいたしましても、戦前と比較してみれば世界に何位という驚くべき輸出日本がしておるような今日になつておる。さらに硫化鉱にいたしましてもその通りであり、またこれに関連したものはたくさん数限りなく出ておる。大臣はその通りである、私もそう考えている、しかし今度の予算はやむを得ない、来年度というようなお話だけれども、何も来年度まで行かなくても、当然また皆さんの方から何か要求を出して来る。そのときにこれらの満足のできる、その目的の達し得られるような方向に向つていただくことができるかできないかをお伺いをいたします。
  143. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 情勢判断によりまして、私は出来る限り自分自身の理想を実現したいのはやまやまでございますけれども、あらゆるチャンスをつかんで善処したいと思います。
  144. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 もう一つお伺いいたしますけれども、たとえば東京の——千葉でも同じなんですが、天然ガスの埋蔵量がどのくらいあるかということはいずれにいたしましても、大体これと並行してヨードというものが出て来るはずだ。そのヨードがどのくらい出ているか、それをお伺いしたいのであります。
  145. 三土知芳

    ○三土説明員 ただいまヨードを産出しておりますのは千葉県だけでございまして、大体一トンの水の中に約百グラム入つております。最近の日産は、はつきりした数字を覚えておりませんが、二十トンないし三十トンであります。これをアメリカに売りまして、二ユーヨーク渡し一トンが三千六、七百ドルと記憶しております。
  146. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 副産物としてヨードが大体三十トン以上出ているはずであります。従つてこれが一トン三千七百ドルで買われているということも事実でしよう。しかしこのように日本の国においてもこれだけのものが出て来ている。全然考え得られなかつた関東地区においても、これらのものが埋蔵してある。それが無尽蔵であるということが決定をされておる。こういうような点から行くとするならば、たとえば天然ガスに対する石炭との比較を所長さんにひとつどのくらいのカロリーがあるかを伺わしていただきます。
  147. 三土知芳

    ○三土説明員 天然ガスと石炭の比較は、カロリーだけで行く場合と、実際にたいてみる場合といろいろ違いまして、たく場合も装置でいろいろ違いますが、約手立方メートルが石炭にしまして五トンないし七トンくらいだろうと思います。
  148. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうしますと、東京江東区だけで五箇所の工場がこれを利用しているわけですが、概算して石炭のどのくらいの量と匹敵するものでしようか。
  149. 三土知芳

    ○三土説明員 天然ガスの今の産出量を私はつきり記憶しておりませんが、大体一日四、五十トンぐらいの石炭に匹敵するものを出しておると思います。
  150. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 お話に聞く通り、たとえば江東区だけでも一日に五十トンの石炭に匹敵するものを出しておる、これは天然ガスだけの問題であるが、これらに関連する鉄鉱石においても磁硫鉄鉱にいたしましても、たくさんの問題が含まれておる、かつて日本国内には資源がないということがいわれたが、この今までの観念を一掃して、大臣のなすべきことは、まずこれから着手すべきである。従つてこれによつて輸出貿易をいかにはかるかということからまず出発し直していただかなければならないのではないか、目先の小さいことにとらわれておることなく、ここにおいて日本の進む基本的のことを、大臣の腹の中にすえてもらわなければならないと私は考えます。大臣もそのおつもりで行くとおつしやるでしようけれども、今の目先の枝葉末節の問題、たとえば今のカン詰の問題にしても、冷凍まぐろの問題にしても、何という覆い話だ、われわれはこんな問題を取上げてここで議論する余地がないというように私は考えておる、それよりもつと基本的な面に対して、大臣考えを及ぼして進んで行かなければならない、そこでもう一度伺いたいのですが、今の日本において、チタンというようなもの、これは世界谷国をあげて喜ばれておるようでありますが、これらに対して何かの調査をなさつたことがあるかいなや、お伺いいたします。
  151. 三土知芳

    ○三土説明員 チタンは日本のおもなものは御承知の通り砂鉄に含まれておるのでございますが、砂鉄に関しては戦時中あるいは戦争少し前から、鉄資源として調査をいたしたことがございます。その際はチタンはもちろん鉄の邪魔になりますので、チタンのないようなところをおもに選んだような結末でありまして、チタンそのものの調査は、やつと本年度から着手しております。
  152. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 たとえば近代的の設備をもつて日本国土全般にわたつて再調査をする、こういうようなお考えを持つておるやいなや。もしそうするとするならば、どのくらいの金額が年々必要であるか、たとえば近代的の機械器具一切を購入すると、従つてこれらに対するところの人間も必要であろう、一切の費用が五年なら五年、十年なら十年計画において年々どのくらいの費用を必要とするか、それを見積つて考えたことがあるかいなやを院長にお伺いいたします。
  153. 駒形作次

    ○駒形説明員 いろいろな調査に必要な新しい設備につきましては、地質調査所がごく最近にもそれを調査いたしております。その結果によりますと、総額にいたしまして大体五億円くらいの機械になるのでありますが、その中には国内でできるものも若干あります。外国から買わなければ、まだそこまでは国内でできないものもございます。調査の結果は大体そういうような結果となつております。
  154. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうすると、五億円というのは、機械器具一切と、これに対する人件費とか、あとの費用一切を含んだものでございましようか。
  155. 駒形作次

    ○駒形説明員 今申し上げましたのは、大体機械だけを申し上げたのであります。このような機械を動かすに要する人は、二百三十人くらいいるわけでございます。
  156. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうするとその近代的な機械設備一切をするというのには、五億円くらいかかる、機械設備というものは一年で償却するものではない、ですからあとは、翌年はこれだけのものは必要ないはずであります。そうなつて行つて、この機械器具を別にして、どのくらいの費用を必要としますか。お伺いをいたします。
  157. 駒形作次

    ○駒形説明員 今お話がございましたように、機械はその初年度あるいは何年計画かにいたしまして、あとの運営の費用といたしましては、これらの機械並びに二百三十人くらいの人が仕事に携わるといたしまして、大ざつぱに考えて一億五千万円ないし二億円くらいになると考えております。
  158. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 早急にこれらを確立しなければならないというので、政府の方のお考えのように、たとえば十六特定地域というものに考えて、これを早急に行う、私は実はきのう所長さんのところに行つていろいろ話を聞いたのですが、大体これらに対して一箇年二千六百万円というようなものが必上要だというようなお話でもございました。これらを別にして国土全般の調査が一億二、三千万円ないし一億五千万円において、毎年の調査が十箇年間に行われ、一箇年に一箇所ずつ何かの地下資源を発見して行つたとすれば、一年に数百億というものが国内の資源化すわけであります。こういうような点について大臣に承りたいのですが、こういうようなことを見のがしてはならない、私は大臣に無理を言つて大臣をいじめようとか何とかという考えは毛頭ありません。少くとも貧困な日本といわれておるこの国内の地質調査ぐらいは十分に行届いて、そして日本という国は地下資源がないので、やむを得ないから資源というものを輸入して、国内の生産に当つてはこういうような行き方をするのだというのならば私は納得ができると思うのであります。従つて大臣にお伺いしたいことは、ぜひともこれを大臣の責任において実現してもらいたい。決してこれは国の損害でない、大蔵省が必らずやこれに対して云々言うであろうけれども、一大蔵省もやはり日本政府である、これらに対する納得は大臣の力ならば当然できなければならない、これを大蔵省が納得しないということは、その説明というものが足らぬからではないか、大臣もこの点については十分大蔵省を納得さして、機械の買入れを一年間で行うとしても、あとは俸給だけで、五億円で機械設備だけを買えばいい、あとは逐次一億五千万円ぐらいの金で十箇年進んで行くことができる、こういうようなことでありまして、大臣はこれらに対して責任をもつて明年度はこれを実現化して行く御意思があるかいなや、お伺いをいたします。
  159. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 御説はその通りでありまして、できるだけひとつやつてみたいと思います。ただ私が政治家になりまして感じましたことは、今五億ということを院長が申しましたが、大蔵省は大体割減らしを天引でやつて来るのであります。この五億ということはあまりおつしやらないで……。もう少し吹つかけて、それで五億にいたしたいと思います。私はいろいろ皆様方のお説を伺いましたけれども、決して委員会でいじめられたというような感じを持つたことは、今までかつてございません。いろいろ私の至らぬところをお教えくださり、また気のつかぬことを教えていただくということに私考えております。きようあたりのお説は、私もおぼろげにはそう思つておりますが、自分の意思決定をするのに非常にいいセコンドを得たというような感じを持つて、拝聴いたしております。どうぞ御遠慮なくおつしやつていただきたいと思います。
  160. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 時間もないので、川上さすもいろいろな質問がありましようから、打切りますけれども、追つてこまかい点についてお聞きしたい。実はたくさんお聞きしたくて、これだけのものをつくつて来たのだけれども、何しろ大臣がお忙しいので、たいへん所長さんや院長さんには待たしておいて中訳ないのですけれども、冒頭に申し上げたように、国内資源をいかに活用して行くか、各国においてこれらの点にどのくらい重点を置いて計画を立てておるかということは、私が申し上げなくとも、はつきりおわかりの通りでありますので、もつと院長さんにおいても所長さんにおいても、これらの問題に対しては大臣を動かす政治力といいますか、政治力でなくても、腕づくでも動かすという力を持つてつていただかないと、地下に眠つておる資源が何とかこの貧乏の日本を救つてやろうというのに、これを見殺しにしておるようなものだと思います。ぜひともこれらに重きを置いて、私たちの目的を達成していただきたい、こういうふうに考えておりますので、その点をお願い申し上げまして、私はあとは次会に譲りまして、本日はこの程度にいたしておきます。
  161. 大西禎夫

    大西委員長 次に川上貫一君。
  162. 川上貫一

    ○川上委員 ちよつとお伺いいたしますが、大臣は何分間ここにおられますか。
  163. 大西禎夫

    大西委員長 まだ向うから言つて来ませんが、できるだけ長くおつてもらいたいと思つております。
  164. 川上貫一

    ○川上委員 そうすると、今大臣をお迎えに来たらどうなるのですか。
  165. 大西禎夫

    大西委員長 あなたの大臣に一番お聞きになりたいと思われるものから、始めていただきたい。
  166. 川上貫一

    ○川上委員 いや、私は最初から発言の要求をしておる。ところがある委員の方は数回にわたつて、一時間以上やつておられる。私はその委員の方を何とか言うのではない。私は委員長に言うのです。あなたはそうしておいて、もう時間もないから、三分でも五分でもしようがないというようなことは、これは絶対道理に合うものかどうか。ここには土倉委員も長くおつて、国会の道理というものは知つておられると思う。これが道理だということになるならば、私はそれによつて考えなければならぬ。できるだけやれとおつしやつても、今にも迎えが来るかもしれない。迎えが来たならば、一分間で済ませということになれば、これはもう絶対道理に合わぬ。そういうことを委員長がおやりになつていいのかどうか、これは皆さんにも諮つていただきたい。私はなぜそういうことを言うか。ここにはここの道理がある。従来の慣例がある。長くやつておられる委員さんもたくさんおられるから御承知でしようが、こういう慣例はないと思う。時間の割当を各党にしたのでもあるまいし、おのおの発言を要求したのだ。それが五時間も六時間もやるのではあるまいし、それを時間がないから一分間でもやつてしまえ、これはきめたのだからいかぬということになるならば、この通産委員会は一向道理に合わぬ。これをはつきりしていただきたい。もしも迎えが来たら、一分でも二分でもそれつきりで打切りですか、どうなんですか。
  167. 大西禎夫

    大西委員長 それならば私も言わしていただきたいこともあるのですが、きようは長谷川君が交渉してくださつて、三十分というので、大臣をひつぱつて来たのです。実は私は困つているのです。それではどうでございましよう、この次初つぽなに機会をつくつて、あなたが一番でやるということで行きましよう。それを皆さんに諮りますから……。
  168. 川上貫一

    ○川上委員 それならそうさしていただきましよう。
  169. 大西禎夫

    大西委員長 それでは本日はこの程度にいたし、明日午前十時より再開いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後五時十分散会