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1953-05-27 第16回国会 衆議院 通商産業委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年五月二十六日       小平 久雄君    福田  一君       村上  勇君    長谷川四郎君       永井勝次郎君    伊藤卯四郎君       首藤 新八君 が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十八年五月二十七日(水曜日)     午後一時二十七分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 村上  勇君 理事 長谷川四郎君    理事 永井勝次郎君 理事 伊藤卯四郎君    理事 首藤 新八君       小川 平二君    小金 義照君       田中 龍夫君    土倉 宗明君       坪川 信三君    馬場 元治君       笹本 一雄君    柳原 三郎君       加藤 清二君    下川儀太郎君       中崎  敏君    山口シヅエ君  出席国務大臣         通商産業大臣  岡野 清豪君  出席政府委員         通商産業事務官         (大臣官房長) 石原 武夫君  委員外出席者         専  門  員 谷崎  明君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時  措置に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出第七号)     —————————————
  2. 大西禎夫

    大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。中崎君。
  3. 中崎敏

    中崎委員 ただいま議題となりました法律が成立して以来一年二箇月を経過しているのでありますが、この間におきまする、この法律運用実情について御説明を願いたいと思います。
  4. 石原武夫

    石原政府委員 お答えをいたします。この法律の趣旨といたしますところは、御承知の通り国際的に供給が不足しておる物資需給調整ということを主たるねらいといたしまして、これの運用実情もこの線に沿うておるわけでございますが、その内容を二つにわけまして、第一番目には、さような物資につきまして直接配給統制と申しますか、割当統制をやつておる分と、第二番目には、それら不足物資につきまして使用制限という形で、不急不要用途にさような物資が流れるのを防いでいるという、二つ措置を講じております。  まず第一に割当配給をやつております部分につきましては、輸入ニツケル地金コバルト地金、フエロタングステン、フエロモリブデン、この四つでございまして、これはそれぞれ規則によりまして需要者政府割当切符を切りまして、それによつて、これらの物資割当配給を実施しておるわけであります。今申しました四つにつきましては、現在まで割当配給を実施中でございます。  それから第二番目の種類に属します使用制限の方につきましては、ニツケル使用制限規則コバルト使用制限規則タングステンモリブデン使用制限規則というように、規則によりましてそれぞれの金属及びその合金というようなものにつきまして、こまかく品目をあげまして使用制限をいたしております。このうちニツケル使用制限につきましては、本年一月当初から一時適用を中止しております。従いましてこの部分は、本年一月からニツケル及びニツケル合金については使用制限が一応ないことになつております。これは規則廃止をいたしませんで、実は適用の停止をしておりますので、一時的でございますが、今は自由になつております。これは御承知のように、国産ニッケルが出て参りまして、ニツケル需給、ことに国産ニツケルにつきましては、需給が緩和して、現に最近は輸出をしておるような状況でございますので、使用制限は撤廃をいたしておるという状況でございます。これが今までやつておる状況でございますが、今後の見通しにつきましては、的確なことは申し上げかねますが、御承知のように、国際的にこれらの物資につきましても、漸次需給が緩和する方向になつておりますので、今後強化されることはなく、むしろ順次緩和し得るのじやないかというふうには考えておりまするが、現在のところ、国際的にもニツケルでございますとか、モリブデン等につきましては、国際割当をやつております。今後も日本といたしましては、国際割当委輸入割当の申請をして輸入をしなければならぬという事情にございますので、いましばらくこの法律根拠法規とし薫きたいというのがわれわれの考えでございます。
  5. 中崎敏

    中崎委員 ただいまの御説明の通りでわかりましたが、価格についてはどういうふうにしておられますか。
  6. 石原武夫

    石原政府委員 これらの物資は、原則として、輸入ニツケルにいたしましても、タングステンにいたしましても、モリブデンにいたしましても——タングステンモリブデンは、これは鉱石を入れまして国内で製造をいたすわけでございますが、原則として政府緊要物資等特別会計というので輸入をいたしております。コバルトにつきましては一部緊特で入れておりますし、一部は民間輸入になつておりますが、特別会計で入れておりますものは、政府売渡し価格ということになつておりますので、これはまつたくの自由価格と多少趣が違いまして、政府売渡し価格で売り渡すことになつておりま了。但しこれは時価原則といたしておりまするが、それ以外に国産ニツケルにつきましては、ニツケル助成をいたします法律に基きまして、最高価格こいうものを定めまして、現在国産ニツケル鉱石から製造いたしておりますのは、前の別子、今の住友金属鉱業でございますが、ここが政府助成法適用を受けておる関係上、トン二百五十万円という最高価格が設けてございます。現にこの最高価格を二、三十万円下まわつた価格で売り渡しておりますが、さような意味で、いわゆる公定価格ではございませんが、助成を受けたという関係最高価格だけきまつておるという状況でございます。
  7. 中崎敏

    中崎委員 市場実情は、政府の方で払い下げた価格のほかに、実際の取引は、稀少物資であるから、やみ価格というようなものがあるのじやないか。言いかえると売渡し価格以外に、違反といいますか、そういう横流し的な価格があるのかどうかをひとつ伺いたい。
  8. 石原武夫

    石原政府委員 政府が売り渡します特別会計からの払下げ価格は、時価で払い下げるという原則にいたしております。従いまして、払下げをいたしますときに一応政府が、これが時価だろうと思つて売つているわけでありますので、その間に大きな開きはもちろんないと考えております。
  9. 中崎敏

    中崎委員 実際においては稀少物資であり、割当が励行されておるという場合においては、いろなく実際の需要というものは供給よりも上まわつておるというふうに考えられるのです。その間においては、やみ価格で横流しするものもあり得ると考えられるのですが、その実情をひとつお聞きしたいと思います。
  10. 石原武夫

    石原政府委員 お話ごもつともでございますが、現に個々の商品によつて事情は違うのでございますが、ニツケルにつきましては、国産ニツケルは御承知のように最近生産がふえて参りましたので、これはむしろ余りまして、在庫になつて、その処理に困り、最近やつと輸出をしたという状況でございますので、今のところは特にさようなやみ価格というものは一応ないだろうと思います。国産が余つているにかかわらず、ニツケル輸入しているのは、質的な問題があるわけでございます。しかしこれも質的に国産ニツケルではぐあいが悪いというのは、ごく特殊な用途でございまして、一般用途につきましては国産ニツケルでできますので、これは今のとことわれわれの承知している範囲ではないのではないかと思います。タングステンモリブデンにつきましては、御承知のように用途が限られておりまして、普通一般用途に使われるべき性質のものでありませんで、特殊用途だけでございますので、今のところは割当はやつておりますし、それから使用制限もしてはおりますが、そのために非常に困つているというようなことはむしろ少くて、ニツケル一般的のものでございますが、タングステンモリブデン稀少金属使用用途が限定されておりますので、特に今のところはやみ価格があるということは、われわれ承知いたしておりません。むしろあるところでは、これらの割当配給をやつておりますが、需給がそれほど逼迫していないということにも相なろうかと思います。大体国内市場価格を見て払下げをやつておりますし、特にやみ価格はないように承知しております。
  11. 中崎敏

    中崎委員 大体今の結論を総合してみますと、現在並びに将来の見通しにつきましては、ほとんどこの法律があつてもあまりその必要はないという程度に考えられる、しかももしそういう法律を置くとすれば、国際的な立場を考えて、むしろこの法律が延長されるのだというふうに大体考えていいのかどうか伺いたい。
  12. 石原武夫

    石原政府委員 大体論から申しまして、今のお話にほぼ近いかと存じます。ただ先ほど来申しましたように、ニツケルにいたしましても、あるいはタングステンモリブデンその他にいたしましても、国際的に割当制度が存続しておりますものにつきましては、国内におきましても、消費国といたしまして緊要なところだけ配給するという割当制度と、あるいは不急不要の方に流れるのを抑制する、使用制限という措置をとれということを国際的に勧告されているわけであります。従いまして国際的に割当を受けるという要請をいたします以上は、国内的なさような措置はどうしても必要だろうということで、さような面からこの措置をいましばらく継続しておく必要があるというのが主たる理由であります。従いまして国際的にも詳しく申し上げませんでしたが、すでにコバルトタングステンにつきましては、国際割当委員会は存続しておりますが、この第一・四半期だけは割当を中止しているような状態であります。さような方向でございますので、順次かようなことを国際的に考えましてもいらなくなるかと思いますが、現在のところまだニツケルでございますとか、あるいはモリブデンでございますとか、さようなものについては国際的な割当が残つておりますので、その間はこちらとしてもかような法律に基きましてしかるべき措置を講ずる必要がある、かように考え出ております。
  13. 大西禎夫

    大西委員長 他に御質疑はございませんか。——柳原委員
  14. 柳原三郎

    柳原委員 輸出国において行つておる不足物資輸出制限期限というものですが、今国際会議と言われましたが、そういう会議でいつまでこういう不足物資割当を続けるのか、法案と申しますか、規則と申しますか、そういうものの期限はあるのですか。
  15. 石原武夫

    石原政府委員 ただいまのお尋ねに関連してお答えをいたします。この稀少物資につきましては、国際的な原料会議というのがございます。そこでいわゆる自由諸国家群が集まつてこれからの物資割当なり、あるいは生産拡充利用の向上、消費の節約というようなことを話合いをしておるわけであります。そのような制度ができましたのは、一昨年の二月に国際原料会議というものができまして、関係国が集まつて話合いをする機構ができたわけであります。そこでかような稀少物資について取上げておるわけでありますが、そこには七つの物資委員会が当時できております。簡単に申しますと、第一番目が綿とコツトンリンター。二番目が羊毛。三番目が紙パルプ。四番目が銅、鉛、亜鉛。五番目がマンガン、ニツケルコバルト。六番目がタングステンモリブデン。七番目が硫黄というふうにできておつたわけでありますが、その後各物資需給状況が漸次改善いたして参りまして、すでに初めに申しました三つ、綿の関係羊毛紙パルプ委員会廃止になりまして、国際割当がなくなつております。それからごく最近、この三月の末日に硫黄割当委員会がなくなつております。かように各物資需給に応じまして委員会存続期間がきめられておりまして、現在割当制度四半期ごとにきめております。先ほどちよつと申しましたように、タングステン等は第一・四半期は一応様子を見ようということで中止になつております。それでこの委員会は初めから期限ははつきりいたしませんで、その都度必要がなくなれば廃止するし、一時様子を見ようということであるならば割当を中止するということで運用されておるようであります。
  16. 大西禎夫

    大西委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がなければ、これより討論に入りますが、討論はこれを省略いたしまして、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 大西禎夫

    大西委員長 御異議なければこれより採決に入ります。本案に賛成の方の御起立を願います。     〔総員起立
  18. 大西禎夫

    大西委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 大西禎夫

    大西委員長 御異議なければさようにとりはからいます。  本日はこの程度にいたしまして、次会は明後二十九日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十三分散会