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1953-07-20 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十日(月曜日)     午後二時五分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 灘尾 弘吉君    理事 床次 徳二君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       生田 宏一君    佐藤 親弘君       前尾繁三郎君    山本 友一君       吉田 重延君    橋本 清吉君       藤田 義光君    北山 愛郎君       滝井 義高君    大石ヨシエ君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      後藤  博君         大蔵政務次官  愛知 揆一君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政部         行政課長)   長野 士郎君         総理府事務官         (自治庁税務部         府県税課長)  柴田  護君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 七月二十日  委員三浦寅之助君辞任につき、その補欠として  熊谷憲一君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月十八日  市町村自治確立強化に関する陳情書  (第九七一号)  地方制度調査会審議促進とその結論の実現等  に関する陳情書(  第九七二号)  都市税財政に関する陳情書  (第九七三号)  警察制度改正に関する陳情書  (第九七四号)  地方財政平衡交付金法の一部改正に関する陳情  書(第一〇〇二  号)  地方各種委員会制度の再検討に関する陳情書  (第一〇〇三号)  町村職員恩給組合国庫助成交付金改正に関す  る陳情書(第一  〇〇四号)  小型自動車税町村へ移管に関する陳情書  (第一〇〇五号)  住民税課税方式改正に関する陳情書  (第一〇〇六号)  参議院全国区議員の選挙並びに最高裁判所裁判  官の国民審査に関する陳情書  (第一〇〇七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  参考人招致の件  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇六号)  地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う  関係法令整理に関する法律案内閣提出第一  〇七号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇八号)     ―――――――――――――
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  地方自治法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案の両案を一括して議題といたします。本日はまず政府より逐條的説明を聴取いたし、そのあとで質問を行うことといたします。長野自治庁行政課長
  3. 長野士郎

    長野説明員 それでは地方自治法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきまして、逐條概略の御説明を申し上げます。  まず地方自治法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。お手元に配付してありまする地方自治法の一部を改正する法律案新旧対照によりまして、お話を申し上げたいと思います。今回提案されております地方自治法の一部改正法律案については、さきに提案理由の説明におきまして大臣から御説明いたしましたように、ほとんど技術的な法律改正でございまして、その内容はこの新旧対照をごらんいただきますと、まず第一は、百五十六條の七項におきまして、「税関の出張所及び監視署税関支所出張所及び監視署、」「海上警備救難機関、」について、国の地方行政機関ではありますが、この設置につきまして国会の承認を受ける必要がないということを、規定として加えようとしておるのであります。この点につきましては、税関の点につきまして申し上げますと、最近の税関の事務が常に機動性を持つて、出張所あるいは監視署、支所の出張所等につきましてはこれが必要があり、その設置の場合に常に国会の承認を受けるということは実際上困難であるともに、密貿易その他の関係からいいましても、この点はひとつ国会の承認を受けぬでもいいということにしないと、実際に不都合を生ずるということでございます。次の海上警備救難機関につきましも同様でありまして、海上保安庁のこのような救難の機関につきまして、実際上の必要に応ずるために国会の承認を受ける必要がないというかつこうのところに加えようとしておるのであります。これにつきましてはやはりやむを得ない措置ではないかと考えております。  次に第百八十條の四におきまして固定資産評価審査委員会規定を新たに入れようとしております。これは地方税法中に現在ある委員会でございますが、地方自治法中におよそ執行機関というものを整理いたす必要がありまして、この前の改正が行われたのでございますが、その際固定資産評価審査委員会につきましては、いろいろ意見がございまして一応整理をすることになつておりましたが、やはり性格上執行機関としてこれを掲げるべきだというので、規定の整備でございます。  次の第五項におきましては、「市及び自治体警察を維持する町村に公安委員会を置かなければならない。」という、ただいままでの規定を「警察を維持する市町村公安委員会を置かなければならない。」ということに改めようとしておりますが、これは市につきましても、市の警察の維持の特例の法律ができまして、すべての市が必ずしも警察を維持しないことになつたことに伴つて規定の整備でございます。  第二百二條の二の第六項の改正の部分は、固定資産評価審査委員会を新たに執行機関として加えました点に伴いまして、その所掌事務の概要の規定を加えたわけでございます。  次に二百四十七條の第五項の改正部分は、出納長を必ずしも必置の機関にいたさないように、前の地方自治法の一部改正にあつたのでございまして、それに従いまして職務代理者につきましても、出納長職務代理者というものの規定の必要が起るに至りましたので、規定を整備するために入れたのでございます。  次の第二百五十二條の七の改正部分につきましては、これは前の改正におきまして、機関共同設置職員共同設置規定が認められたのでございますが、その場合の職員共同設置につきまして現行法の百七十二條一項の規定の「吏員その他の職員」という規定でありますといささか狭きに失しますので、これを一般的に執行機関事務を補助する「吏員、書記その他の職員」という規定に改めますために、改正をいたそうとしているのであります。  二百七十六條の改正部分は、これも規定の整理でございます。附則第六條、これは先般来いろいろ議論がございました現状における状況から考えまして、教育長免許状を有する助役については、現在助役は常勤の職員との兼職を禁止されておりますが、その兼職を当分の間配慮いたしまして、当該市町村教育長を兼ねることができる、ということに助役に関する規定として、その條項を入れたわけでございます。  そのほか別表につきましては非常に多くの改正がございますが、これらはすべて第十三国会以降本国会の前に至りますまでの間に、地方公共団体が義務的に処理しなければならない事務として、それぞれ関係法律改正されまして、それによつて義務的な処理に属する事務が増加し、あるいは変更したのに伴つて、このような別表の整理を行うための改正でございます。  非常に概略でございますが、以上が大体地方自治法の一部を改正する今回の法律案の内容でございまして、いずれもおおむね技術的な改正にとどまつているわけでございます。  次に地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきまして、概略の説明を申し上げます。  この法律を提案いたしました理由は、昨年の地方自治法の一部改正によつて、地方公共団体あるいはその機関に対して事務を課しますときには、すべて法律または政令によらなければならない、そして現在それ以外の各省省令等によつて義務を課しておりますものについては、一年以内にその改正を行わなければならないという規定が、昨年の地方自治法の一部改正において認められたのでございます。現在地方公共団体またはその機関に関するいろいろの法律の中におきましては、なお各省省令等によつて、いろいろ地方団体に新たなる事務を課しているものが相当ございますので、それらに関して必要なるものと考えられるものにつきましては、法律改正をいたしまして、事務の執行上支障を来さないようにいたしたいという意味で、このような整理法を提案しておるのであります。逐條的に概略御説明申し上げますと、第一條古物営業法の一部改正でありますが、お手元に配布いたしました新旧対照表にございますように、公安委員会が古物商に対して営業停止その他の措置をする場合には、当の公安委員会に通知の義務がありますが、それらが現在法律の上にはつきり現われておりませんので、これを法律あるいは政令に現わしますために「命令」とありますのを「政令」に改める、こういう改正でございます。  第二條公職選挙法の一部改正は、現在候補者に対する匿名寄付を禁止しておりますが、それらにつきましてそういう違反の條項を置きましたために、その金銭を国庫に帰属せしめるための手続が、匿名寄付関係について、大蔵省令でそれぞれ新らしい事務都道府県に課しておりますが、これらについての根拠を置きますために「政令の定めるところにより、」という規定公職選挙法第二百一條第三項の件にきめようとしているのでございます。  第三條は国有財産法に関する改正でありますが、これは国有財産に関する事務地方公共団体をして行わしむることができるようになつておりますが、その事務範囲を明確にするために、政令でその手続を明確にいたそうとしているのでございます。  第四條は学校教育法の一部改正でありまして、これは要するに公立学校その他につきまして、文部大臣文部省令によつて就学督促事務であるとか通信教育基準であるとか、いろいろ規定がございますが、これらはすべて地方団体に関する関係ですから、これらについては文部省令によつて定める内容の根拠、基準、その範囲というものを政令によつて定めることにいたそうというのが根本の趣旨でございます。第四條中の「監督庁の定める事項」を「政令で定める事項」に改めるのも、それであります。  第六條第二項は、公立学校授業料を定めるという建前につきまして、これは地方公共団体において定めるのを当然と考えられるので、そのように改正するために、公立学校という字句を削ろうとしているのでございます。  第十二條第二項も同様でありまして、地方公共団体機関が処理しなければならぬものについては、身体検査及び衛生養護の施設に関する事項は、政令で定めなければならない、このようにいたそうとしているのであります。  二十二條第二項につきましては、これも就学督促事務等でございますが、これも監督庁が定めるということにいたしませんで、少くとも政令以上の段階で、その事務の内容を明らかにしようとしております。  第三十一條改正部分は、先般地方自治法の一部改正において、学校の事務委託につきまして、一般的に整理されて、規定が設けられたのでありますが、学校の事務委託については、その委託しました結果を都道府県知事のみならず、都道府県教育委員会に通知することが必要だという意味で、第三十一條で新たに規定を加えようとしているのでございます。  第四十五條の二項、第八十八條、第百五條、第百六條等は、先ほど申し上げましたように監督庁が定めるというのを、すべて政令以上の段階で定めることによりまして、事務の内容を明確にいたしたいという一連の規定の整理でございます。  次の五條の私立学校法の一部改正も同様でございまして、そのような趣旨規定を整理したいと考えております。  六條の文化財保護法の一部改正につきましても、現在では文化財保護委員会が適当な地方団体を指定いたしまして、一定の範囲文化財の管理に当らせるということになつておりますが、文化財保護委員会の指定の結果、地方団体がそういう事務の義務を課せられるということになりますので、その基準範囲を明確にいたしますために「政令の定めるところにより」という規定を入れようとしているのでございます。  第七條は博物館法の一部改正でありまして、これは都道府県教育委員会の行いますところの人文科学学芸員あるいは自然科学学芸員等の認定の事務につきまして、文部省令で定めるとありますのを、政令で定めることにいたそうとしているのであります。  第八條の水道條例の一部改正は、水道につきましては主務大臣市町村布設命令を発するという規定がございますが、命令が発せられますと、市町村としては布設の義務を負うわけでございますが、従つてその基準、手続、範囲等を明確にするために「政令ノ定ムル所二依リ」という規定を入れようとしております。  第九條は伝染病予防法の一部改正でございますが、これらすべて規定されておりますものは、伝染病予防法施行規則に現在規定がございまして、伝染病予防法規定からは、ただちにこれらが府県知事その他の機関事務とは、必ずしも解せられない。これが厚生省令によりまして、そういう事務として規定がありますので、必要な事務でありますものを、すべて伝染病予防法に直接規定をいたそうとしておるものでございます。  第一條には、法定伝染病以外の病気によりまして、予防法施行する必要があると認めるときに、知事がその調査をいたしまして、意見をつけまして厚生大臣に報告するという現在の施行規則規定を、第一條の四項として加えようとしておるものであります。  それから第二條の三も同様でございまして、「伝染病病原体保有者又ハ其ノ保護者ハ都道府県知事二対シ其ノ病原体有無二関シ検査請求スルコトヲ得」という新たな事務につきまして、現在施行規則規定がございますが、改正されました地方自治法規定趣旨にかんがみまして、法律自体に直接これを規定することが適当と考えたわけであります。  第五條以下第二十六條に至ります間のものは、伝染病予防法においては、すべて地方公共団体機関事務となつておりますものを、表現として「当該吏員」という言葉を使つております。これは府県に関する事務であるか、市町村に関する事務であるか必ずしも明らかではないのでございます。今日の改正趣旨にかんがみまして、法律の上で直接これの事務を明確に区別して規定をすることが適当であるということでございます。  第十條は行旅病人及び行旅死亡人取扱法の一部改正でございまして、これは現在昔の内務省令におきまして、行旅病人行旅死亡人に準ずる者につきまして、いろいろ規定がございますが、それらに準ずる者につきましては、「内務大臣之ヲ定ム」となつておりますものを、省令によつてそれらの事務を地方に課することはいかがかと考えられますので、「政令ヲ以テ之ヲ定ム」というように改めようとしておるものであります。  第十一條下水道法の一部改正は、先ほど申し上げました水道條例の一部改正とおおむね同様の趣旨でございまして、これらの事務範囲その他を明確にいたしますために、第十一條中に「改令ノ定ムル所二依リ」と加えるということでございます。  第十二條癩予防法の一部改正につきましても同様でございまして、癩療養所設置命令主務大臣が発します場合に、その基準手続等を明確にいたしますために、「政令ノ定ムル所二従ヒ」と加えるということでございます。  第十三條の健康保険法の一部改正につきましては、これは現在同法施行規則によりまして、都道府県等におきますところの事務が、政府の行います健康保険につきましても、相当大きく課せられておる実情でございますので、その点を明らかにいたしますために、「行政庁」とあります字句を「厚生大臣ハ都道府県知事」と改め、その所掌の範囲を明らかにすることとし、また健康保険の一部の事務都道府県知事をして行わしめる現状でありますので、この委任の範囲を明確にいたしますために、第二十四條に一項を加えまして、「政令ノ定ムル所二依リ都道府県知事ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得」という規定を加えようとしておるものであります。  第十四條は国立公園法の一部改正でございまして、同法施行規則におきまして、新たに事務を課しておりますものを、必要な事務でありますので、法律にこれも根拠を置きますために、「政令ノ定ムル所二依リ」という規定を加えようとしておるものであります。  第十五條の船員保険法の一部改正におきましても、先ほどの健康保険法で申し上げたと同様の趣旨におきまして、その行政庁範囲及び行政庁の権限につきまして、政令以上の段階において、地方公共団体あるいはその機関に課せられる事務を、明確にしようとする規定改正でございます。  第十六條の厚生年金保険法の一部改正におきましても、先ほどの保険関係で申し上げたのと同様の趣旨でございます。  第十七條保健所法の一部改正につきましては、これは現在やはり同法施行規則におきまして、相当多くの新たなる事務地方公共団体に課せられておりますので、必要なものに限りましては、これを保健所法に直接規定をいたしますために改正を加えようとしておるものであります。第五條の次に一條を加えておりますのも、そのような趣旨でありまして、「保健所に、政令の定めるところにより、所長その他所要の職員を置く。」これらはすべて現在は施行規則規定がございますので、これを改めようとしておるものであります。それから第六條は保健所運営協議会に関する規定でございまして、これらも現在施行規則規定されておりますものを、必要な組織であり重要な機関でございますので、法律に直接規定することにいたしているわけでございます。第十一條は、保健所という性質にかんがみまして、その報告の請求等は新たなる事務と考えられますので、直接法律規定することが適当であるという趣旨でございます。第十二條は、保健所法規定をいたしたもの以外につきまして、必要な事項を現在省令で置くと規定しておりますものを、すべて政令引上げるための改正でございます。     〔委員長退席灘尾委員長代理着席〕  第十八條は児童福祉法の一部改正でございますが、建前は先ほど来申し上げました通りでございまして、現在同法施行規則によりまして多くの事務が新たに地方公共団体に課せられておりますので、必要な限りこれらを法律の上に直接規定をいたしまして、その事務範囲を明確にいたそうとしている趣旨でございます。  第十九條は、あん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法の一部改正でございますが、これらの改正趣旨は、やはりあんま師はり師、きゆう師等の試験あるいは免許証の交付、再交付、書きかえその他の規定によりまして、省令以下で事務が課せられておりますのを、必要な事務でございますので、すべて法律規定するために改正を加えたものでございます。  第二十條は、食品衛生法の一部改正でございますが、これも趣旨は同様でございまして、施行規則におきまして、事務範囲いかようにでも定められる態勢になつておりますものを、法律引上げまして、食品検査を行いますところの食品についての範囲政令で定めることにいたしたい。それから都道府県や、保健所を設置する市の食品衛生検査施設に関する必要な事項も、これを政令で定めるようにいたしたい。その他同法施行規則によりまして現在定められております、地方団体に新たに課せられた事務につきましては、必要な限りこれを法律にその根拠を置くことにいたしたい、このような改正趣旨でございます。  第二十一條理容師美容師法の一部改正でありまして、この改正は、同様に理容師美容師等養成施設試験等につきまして法律にその根拠を設け、これによつて事務処理範囲を明確ならしめようとする規定でございます。  第二十二條栄養士法の一部改正も、同様の趣旨でございます。  第二十三條予防接種法の一部改正は、臨時に予防接種都道府県知事をして行わしめます場合につきましては、その手続、場合等を法律上明確にいたしますために、第六條の第二項を改正しようとしているのであります。第八條関係改正も同様でございまして、現在同法施行規則の中で、このような新たな事務市町村長事務として課せられておりますが、これらを地方自治法一部改正趣旨にかんがみまして、必要な事務でありますので、直接法律にこれを規定しようといたそうとしているのであります。  第二十四條は優生保護法の一部改正でありますが、優生保護法によつて優生手術を受くべき旨を決定を受けました場合に、中央優生保護審査会の再審査の請求をいたしますが、これらの請求の手続に関しまして、同法施行規則規定がございますこれらの規定法律に上げまして、国民に対する関係からいたしましても、地方公共団体に対する関係からいたしましても、法律に直接規定をいたすべきであるという建前で改正を加えようとしておるのでございます。第十五條の改正は、受胎調節実地指導に関する都道府県知事事務に関しまして、政令でその事務処理範囲、手続を規定をいたしますために、改正を加えようとしておるわけでございます。  第二十五條、性病予防法の一部改正は、第十五條は、費用の一部負担につきまして、現在省令で定めておりますものを、地方公共団体関係でございますので、政令に改めようといたしておるわけでございます。第十六條関係改正も同様でありまして、病院、診療所設置義務等につきまして、その基準その他を省令規定してありますものを、すべて政令によつてこれを規定するように改めようとしておるわけでございます。  第二十六條、薬事法の一部改正についてでありますが、趣旨は同様でございまして、薬局の登録に関する事項を政令で定めることにする。あるいは医薬品の販売に従事する者の証票の携帯の手続につきまして、重要な事務でございますので、法律に直接規定することにする。その他登録、検査等に関しまして、直接法律にそれらの権限の行使に関します規定の根拠を置こうとしておるのでございます。  第二十七條は、民生委員法の一部改正でございまして、民生委員指導訓練につきまして、厚生大臣が定めるところに従つて行うことになつておりますが、厚生大臣が定めるのは、単にその基準であるという建前を、明らかにいたしますための改正でございます。  第二十八條は、消費生活協同組合法の一部改正でございまして、これらは主務大臣の権限を地方団体機関に委任をいたします場合、具体的に委任の範囲を明確ならしめますために、政令でその範囲規定いたします根拠を、法律に求めようとしておるのでございます。  第二十九條、第三十條、第三十一條等は、医師法歯科医師法保健婦助産婦看護婦法の一部改正でございまして、これらはすべて免許につきましての返納あるいは提出そういつた書かえ、交付等の手続につきまして、現在それぞれ施行規則規定がありますものを、必要な事務、重要な事務でありますので、直接法律にこれを規定いたしまして、事務範囲を明確ならしめようとする改正でございます。  第三十二條歯科衛生士法の一部改正も同様でございます。  第三十三條、医療法の一部改正でございますが、病院の人員や記録整備事務等につきましての除外例がございます。これらが施行規則規定してありますことは、都道府県知事の権限に関する問題及び一般の人民の権利保護関係からも適当でありませんので、これを法律に直接規定をすることが、適当であると考えられる改正でございます。第二十四條につきましては、病院、診療所助産所の設備、構造基準の特例でございまして、特別な事情があれば、一定の基準がなくてもよろしいという規定でございます。重要な事項でございますので、法律で直接規定をしようとしているわけでございます。そのほか病院、診療所助産所の開設、管理に関して必要な事項を現在省令で多く規定しておりますものを、すべて法律に根拠づけまして、政令でその範囲を明確にしようとする改正でございます。  第三十四條、死体解剖保存法の一部改正では、死体を解剖し得る者としての認定を受ける者の手続につきまして、省令規定しておりますものを、政令規定することが適当と認められたために行われる改正でございます。  第三十五條、身体障害者福祉法の一部改正でございますが、これらも身体障害者手帳の交付、再交付に関する事務等につきまして、法律に直接根拠を求めることが必要であり、同時にその範囲は具体的には政令規定することが適当であると考えられますために、行われる改正でございます。  第三十六條は、精神衛生法の一部改正でございます。精神病院の廃止、設置等につきまして、厚生大臣の監督規定がございますが、これらが厚生省令によりまして同法施行規則として規定をされておりますのは、建前上適当でございませんので、これらの根拠をすべて法律規定をいたそうとしておるのでございます。  第三十七條は、生活保護法の一部改正でございます。これは都道府県知事が医療に関する審査機関の指定をする場合がございます。実際指定することになつておるようでございますが、これを省令で指定することは適当でございませんので、厚生省令政令に改めるごとにいたそうとするものであります。  第三十八條は、クリーニング業法の一部改正でございますが、これはクリ—ニング業の登録に関する手続の必要な部分につきまして、省令で定めますものを政令に上げようとしておるのでございます。  第三十九條は、狂犬病予防法の一部改正でございます。第二條に加えますのは、狂犬病——犬ばかりではございませんで、狂犬その他の動物につきまして、狂犬病を予防しようとする場合に、必要な事務手続というものは、法律に直接規定するのが適当であるという改正でございます。第四條は、犬の登録、鑑札の交付に関する事務は、政令規定することが適当である。第五條、第六條、第十四條中の改正部分は、それぞれ予防注射済票の交付とか狂犬としてつかまりました犬の処分とか、犬の解剖に関する手続でございます。これらはすべて住民との権利義務の関係もございますので、政令でこれらの手続を規定することが適当であるとされておるのでございます。  第四十條は、毒物及び劇物取締法の一部改正でございます。毒物、劇物取扱者試験の特例といたしまして、農業上必要な毒物、劇物に限りまして、一般の毒物、劇物と違いまして、試験の範囲をある程度省略することができるようになつておりますが、これらの規定省令において規定されておるのは適当でございませんので、法律引上げることにいたしたのでございます。  第四十一条は、社会福祉事業法の一部改正でございます。これは社会福祉法人の許認可に関する手続が、省令規定してありますのは適当でございませんので、法律引上げようとしておるのでございます。  第四十二條は、診療エックス線技師法の一部改正でございます。これも免許証、技師籍等についての手続を、政令に根拠を求めるようにいたしたいという趣旨でございます。  第四十三條は、農業倉庫業法の一部改正でございますが、この法律中の行政官庁とあります部分について、これが主務大臣であるか、都道府県知事であるか、あるいは主務大臣の権限の一部とは、どの範囲都道府県知事に委任するかという点を明確にいたしますために、第二十七條を一條加えようとしておるのでございます。  第四十四條は、狩猟法の一部改正でございますが、これも主務大臣都道府県知事との関係につきまして、現在省令においてこれらの規定がございますものの重要部分について、法律引上げようとしているのでございます。  第四十五條は、森林火災国営保険法の一部改正でございまして、これも都道府県知事事務として行わしめますものの範囲を、政令で明確にいたしたいという意味での改正でございます。  第四十六條は、林業種苗法の一部改正でありまして、この法律中における行政官庁という意味を明確にいたしまして、主務大臣都道府県知事関係を明らかにし、その事務範囲を明確にしたいということでございます。  第四十七條は、装蹄師法の一部改正でございます。これは農林大臣の免許の取消し、営業の停止等の処分を行います前に、都道府県知事主務大臣にその旨を具申するという規定でございます。重要な規定でございますので、これを法律引上げることにいたしたいと考えるわけでございます。  第四十八條は、蚕糸業法の一部改正でございます。現在蚕糸業法の施行規則におきまして、この改正法に見られますような規定が、多く規定されておりますが、これも地方自治法の一部改正趣旨にかんがみまして、これを法律中に規定することが適当であるという意味で、改正をされるものでございます。  第四十九條は、食糧緊急措置令の一部改正でございまして、同令の政府の職権をどこが行うかということを明確にいたしますために、第九條ノニを加えようとしております。  第五十條は、競馬法の一部改正でございまして、地方競馬につきましては、地方公共団体施行者でありますので、その手続その他につきましては、政令規定することが適当であるという意味の改正でございます。  第五十一條は、水産業協同組合法の一部改正でございまして、主務大臣の権限委任の範囲を、政令で明確にいたしますための改正でございます。  第五十二條は獣医師法の一部改正でございますが、これは同法の施行規則によります手続中、診療施設の開設の届出等の事務につきまして、直接これを法律中に明らかにいたしますための改正でございます。  第五十三條は、家畜商法の改正でございますが、やはり同様な免許関係の手続につきまして、省令規定しておりますものを、政令規定いたしますための改正でございます。  第五十四條は、漁業法の一部改正でございますが、この漁業法に基きますところの主務大臣の権限を、都道府県知事に委任をしますが、その委任の範囲政令において明確にいたしますために、第七十四條の二を加えようとしておるのでございます。  第五十五條は漁船法の一部改正でございまして、登録票亡失、毀損等の場合におきまするところの取扱いを、法律規定しようとしておるわけでございます。  第五十六條は家畜伝染病予防法の一部改正でございまして、家畜伝染の際におきますところの通行遮断等の重要な事務でございますので、これを政令規定いたそうとしておるのでございます。  第五十七條は水産資源保護法の一部改正でございますが、これは漁業法と同様に主務大臣の権限の一部を委任いたします場合、取締り権限の委任でございますために、委任範囲を明確にいたしますために、改正を加えようとしておるのでございます。  第五十八條は農地法の一部改正でございますが、これは現在の改正部分に現われておりますような事務が、省令規定をされておりますので、重要な事務でございますから、これを法律中に直接規定をしようとしております。  第五十九條は火薬類取締法の一部改正でございます。これは火薬類の譲渡の許可等に関しまして、重要な事務省令規定されておりますので、これを法律引上げようとしておるのであります。  第六十條は小型自動車競走法の一部改正でございまして、これらの施行者も地方公共団体でございますから、地方公共団体に関する関係の手続につきましては、政令でこれを規定するようにしようとしておるのであります。  第六十一條は計量法の一部改正でございまして、計量関係の取締りにつきましての事務規定を、直接法律規定をしようとしております。  第六十二條は水難救護法の一部改正でございます。水難救護の費用の金額の決定でありますとか、普及徹底あるいは漂流物処理等につきまして、現在省令規定がございますのを、政令にその根拠を求めますために、この改正をしようとしておるのでございます。  第六十三條は軌道法の一部改正でありまして、道路管理者との関係におけるところの手続を、現在省令において規定しておりますので、これを法律に根拠を置きまして、政令規定をするようにしようとする改正でございます。  第六十四條は船員法の一部改正でございまして、関係官庁の権限の一部を、市町村長に委任いたします場合の範囲を、明確にいたしますための改正でございます。  第六十五條通訳案内業法の一部改正でございまして、通訳案内に関する事務都道府県で行いますので、都道府県規則で定める手続によることが適当であるとする改正でございます。これは手数料納付関係事務でございます。  第六十六條は道路運送車輌法の一部改正でございますが、この自動車登録番号標の破壊、廃棄の手続が、省令規定されておりましたが、これは陸運局長にその確認の権限を規定することにいたして、同法百五條の規定により都道府県知事に委任することにいたしたいという運輸省の意見でございましたので、そのような改正を加えたのでございます。  第六十七條はモーターボート競走法の一部改正でございますが、これは小型自動車競走法の一部改正と同様でございます。  第六十八條は失業保険法の一部改正でございますが、権限の一部委任につきまして、事務範囲を明確にしようとする社会保険関係改正と同様でございます。  第六十九條は河川法の一部改正でございます。河川法は非常に古い法律でございますので、いろいろな規定がございますが、これらを現在の地方公共団体またはその機関事務として処理するに適当なように法律改正するのでございまして、第十五條は、主務大臣が、河川管理の吏員を設置して、その給料等を定める旨の規定がございましたのを整理いたしたのでございます。第二十四條は、河川の費用の負担につきましては、主務大臣が定めるということになつておりましたのを、政令で定めることにいたしたのでございます。第五十五條は、地方団体が河川関係の予算を十分に計上しないという場合の強制予算の措置でございましたが、これらは現在の地方自治法の体制と適合いたしませんので、削除することにいたしたものでございます。  第七十條は砂防法の一部改正でございまして、趣旨は同様に府県の負担について命令の定めでありますとか、強制予算の措置等についての規定を削除することにいたしました。  第七十一條は運河法の一部改正でございまして、同法施行規則規定しておつた重要な事務でございますから、法律規定するようにいたしたのでございます。  第七十二條、第七十三條は住宅組合法及び貸家組合法の一部改正でございまして、これはすべて知事のこれらの組合に関する事務範囲を、政令で明確にいたしたいための改正でございます。  第七十四條は道路法の一部改正でございまして、施行規則中に道路の図面を都道府県または市町村事務所において、一般の縦覧に供する重要な関係がありますので、これを法律に直接規定することが、適当とされた改正でございます。  以上大体申し上げましたように、これらは昨年地方自治法の一部を改正いたされました際に、地方公共団体またはその機関に義務を課する場合、省令等によりまして事務を課しますことは地方公共団体に不当な事務を課しましたり、事務量が非常に大きくなつたりいたしますので、法律または政令によつて、これを適用しなければならないということになりましたが、それに応じまして現在各地方行政関係法律につきまして、適当でないものについての整理をいたそうとしておるのでございます。  以上でございます。
  4. 灘尾弘吉

    灘尾委員長代理 質疑の通告があります。順次これを許します。北山君。
  5. 北山愛郎

    ○北山委員 前の改正案では規定されていない事項でございますが、地方自治法の百三條、地方公共団体の議長、副議長の任期のことであります。最近地方府県あるいは市町村等の地方議会の議長あるいは副議長の不信任が議会で決定される。ところが議長の方は、任期は議員の任期によるということでもつてがんはつてやめない。そこで実際に紛争を起しておる例があるようであります。なるほど明文上は「議長及び副議長の任期は、議員の任期による。」と書いてありますからして、やめなくてもさしつかえないように一応解される。しかし実際問題としますと、議長、副議長は議員の選挙できまつており、またこれは執行機関でも何でもなくて、要するに議会の運営に当る仕事であるという性格からいたしまして、議会の信任を失つてしまえば、実際上の運営ができないというようなことで、この問題の解決が、法規の上では何か盲点のようになつておりますか、何とかしなければならぬじやないかというように考えられるわけであります。そこでお伺いしたいのは、この伝に盲点となつておるということは、まず信任を失つたような議長、あるいは副議長というような職にある人は、信任を失えば、もう当然普通の場合に常識的に考えてやめるであろうというようなことを想定して、はつきりと明文には出さなかつた、そういうふうに考えられるのですが、その点について伺いたい。  それから実際に各地で起つておるいろいろな地方議会のこの問題に関する紛争について、近いうちに何らか立法的な措置を考えられておるか、この点についてお伺いいたします。
  6. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいまの御質問の点ですが、これはお話のように議会の議員から不信任案が提出されて、それが可決された以上、これは法律規定がなくとも、当然政治的道義的な責任はあることでありまして、これは常識的に考えますれば、お話のようにその政治責任において、当然考慮すべきものと私どもも考えております。また実際問題といたしましても、議会の運営もできませんので、当然話合い等において解決さるべきものだ、かように考えまして、自治法は明文は規定しておりませんが、これは明文を規定するまでもなく、お話のように常識的に、また道義的にも、そういう場合は当然退職すべきもの、かように考えておつたわけであります。従いまして自治庁としてそれを明文をもつて規定するという考えは、現在のところ持つていないのであります。
  7. 北山愛郎

    ○北山委員 わかりました。  もう一つ。これは簡単なことなのですが、公平委員会の問題であります。公平委員会設置をされまして、設置の当初からいろいろ問題があつたわけですが、これがはたして設置の当時の趣旨に合うような運用をされておるか、つまり役に立つておらぬのじやないか、あまり活用されておらないのじやないかというふうに聞いておるのですが、実際この制度の活用の状態はどうであるか、もしこれが大して役に立つ制度でないとしますならば、あるいは県の人事委員会にその仕事を総合して、やつてもらうというようなことも考えられるのですが、その点はいかがですか。
  8. 青木正

    ○青木(正)政府委員 地方の自治体の状況は、私もまだよく存じない点もありますので、行政課長の方からお答えいたさせます。
  9. 長野士郎

    長野説明員 公平事務につきまして、しよつちゆう公平事務が各町村にあるということは、通常考えられませんので、個々の町村に置かれる必要はないのじやないかという御意見があるのは、ごもつともでありまして、昨年の改正におきまして、そういう趣旨地方公務員法の第七條におきまして、公平委員会事務を他の地方公共団体に委託するという規定が、たしか設けられたと記憶いたしますが、ただ公平委員会がなくなつて行くというのでなしに、ただ一旦職員の利益を害するような処置が、人事管理上行われました場合に、これを救済する手段がないことは適当でございませんので、どこかでこのような公平事務を扱うことは、どうしても必要かと考えられるのでありますが、お話のようにこれを個々の町村に必ず設置しなければならないという理由もございませんので、この事務委託の方式によりまして、現在相当多くの町村が、これを県の人事委員会に委託をし始めておるような状況であります。
  10. 灘尾弘吉

    灘尾委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。
  11. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 この地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案について、ちよつとお伺いいたします。第四條関係学校教育法の中の第二十二條でありますが、これは民法の八百四十八條関係から言えば、やはり「保護者(子女に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは、後見人又は後見人の職務を行う者をいう。以下同じ。)」とありますが、それを「後見人若くは後見監督人」とお入れになつたらどうかという意見を持つておるのですが、そういう必要はございませんか。
  12. 長野士郎

    長野説明員 ただいまの御提案のことにつきましては確かにお話のような一連の方向もあるところの問題でありますが、現在学校教育法の第二十二條として規定もございますので、今回の改正におきましては、地方公共団体がこれらの事務をいかに処理するかという関係部分につきましてのみ、改正を加えましたので、学校教育法本体の趣旨につきましては触れなかつたわけであります。
  13. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 いま一つは第九條の伝染病予防法関係であります。この法律の第十九條第四号の條文のこまかいことで、はなはだ恐縮でございますが、ここに「物件ノ出入」と書いてあるようですが、これを「搬入」というように御改正なつたらどうか、そういうことはできないものか、御意見を承ります。
  14. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいまの御意見でありますが、御承知のように今回の改正は、地方公共団体関係のある事項について、特に省令に譲つておつたものを政令に直すとか、あるいは法律引上げるとか、こういう規定改正をいたしましたので、伝染病予防法それ自体の改正ということでなしに、単にそうした関係だけを直しましたので、これはその本文の関係になりますので、今回の改正の方には入つていないわけであります。
  15. 大石ヨシエ

    ○大石委員 ちよつと課長さんにお尋ねします。私は途中から入りましたが、あなたの説明はあまり簡略過ぎてこの問題については、わかりません。これは実に大切な厖大なものです。これはもつと親切に説明していただかぬと、とうていわれわれの頭では——あなたは賢いか知らぬけれども、われわれ代議士は、ばかですからわかりませんので、もつと親切に説明してください。こういうふうな厖大なものを、一瀉千里に片づけられても私の方が困りますから、もつとわかるように私たちに聞かしてもらわないとわかりません。われわれはこの問題は、実に重大ですから一瀉千里に片づけることはできません。もつと親切丁寧に説明してください。古物営業法の一部改正とはどういうものですか。国有財産法の一部改正、これは何ですか。学校教育法の一部改正とは何ですか。それからあん摩師はり師とかなんとか書いてありますが、それも一々説明してもらわぬと、われわれは了承することができません。自分の都合のいいように提案されておりますからわれわれはわかりません。児童福祉法の一部を次のよう改正する、どういうふうに次のよう改正するのですか、これも教えてください。食品衛生法の一部改正とは何ですか。保健所法で「保健所」を「保健所長」にすると一体保健所長の権限はどういうことになるのですか。それから理容師すなわち理髪業、美容師の法律をどういうふうに改めるのですか。栄養士法の一部を次のよう改正するとおつしやつても、われわれにはわからぬ。予防接種法で、「厚生大臣は、疾病のまん延予防上必要があると認める」とは一体どういうことであるか、こういう点を詳細に説明を求めます。それから優生保護法の一部改正、これはどういうふうな点であるか。それから性病予防法の一部改正、これはどういう点であるか。薬事法の一部改正、これはどういう点であるか。こんなことわれわれはこのままうのみにすることはできません。(「それだから質問すればいい」と呼ぶ者あり)その質問をするにしても、こんな省略した説明では、あんたらはわかるかもしれぬが、私にはもつと丁寧に説明してもらわぬとわかりません。死体解剖保存法の一部改正、これに対してはどうであるか。また身体障害者福祉法の一部改正は、どういうふうに改正するか。精神衛生法の一部改正、これは一体どういうふうに改正するか。それからクリーニング業法の一部改正をする、これはどういうふうに改正するか。そういうような点も、一々私たちが納得の行くように、説明をしてもらわぬことには、われわれは納得が行きません。それから診療エックス線技師法の一部改正を、次のよう改正するというが、こういうふうに改正するのかわかりません。蚕糸業法の一部改正といつたつて、明記してない。これはどういうふりに改正するか。食糧緊急措置令の一節改正をする、それはどういうふうに改正するか。漁業法の一部を改正する、これも説明がない。どういうふうに改正するか、水産資源保護法の一部改正といつたつて、その一部はどういうものであるか。それをここに明記せずして、改正せよせよと言つても、どうしてわかるか。農地法の一部を改正する、これもわかりません。火薬類取締法の一部改正、それもわかりません。一体それはどうであるか。小型自動車競走法、これをどういうふうに改正するか。水難救護法の一部改正、これはどういうよう改正するか。それが一明記してない以上は、われわれは納得行きません。納得の行くよう説明してちようだい。  この前の国会で審議未了に終つたことは、私たち知りません。国会が解散になつたら新しくなる。そうしたら慎重審議をする必要があります。だからこれはもう一度小委員会を開いて練り直すとかなんとかしませんと、これをきようだだちに通過させることはできません。あんたたちはどうです。
  16. 藤田義光

    ○藤田委員 大石委員からるるお話がございましたが、これは実は土曜日の理事会におきまして、各党の理事にお集まり願いまして、いろいろお話もありましたが、大石委員によく連絡もなかつたようでございますし、大石委員のお話も無理からぬ点も多々あると思いますから、しばらく休憩して、一応現在出席されている委員だけで、ちよつと懇談したいと思います。暫時休憩をお願いします。
  17. 灘尾弘吉

    灘尾委員長 代理暫時休憩いたします。     午後三時九分休憩     午後三時二十三分開議
  18. 灘尾弘吉

    灘尾委員長代理 再開いたします。青木政務次官
  19. 青木正

    ○青木(正)政府委員 現在地方公共団体の行つておりまする国の委任事務と申しますか、国の法律によつて、いろいろな仕事を地方公共団体がやつておるのでありますが、その仕事の中には、単にそれぞれの主管官庁の省令によつて市町村あるいは府県義務を課している事項が少くないのであります。そういたしますと各省それぞれのかつての考えと申すと誤弊があるかも知れませんが、それぞれの考えで、市町村にいたずらに仕事を加えましても、地方公共団体としては、はなはだ困難を来す面もありますので、そこで昨年の国会において自治法を改正いたしまして、今後は地方公共団体義務づける場合は、省令でなしに一法律もしくはその法律に基く政令によつて、これを行わせるようにしなければならない、それをこの法律施行の日から一年以内にすべて改正しなければならぬ、こういう規定を議決願つたのであります。その改正に基きまして、現在行われておりまする各種の法律につき、省令において地方公共団体にいろいろと仕事をさせている事項整理いたしまして、今後は法律規定するのが、適当とするものは法律に譲り、しからずんば少くとも政令において、これを定めるようにしなければいけない、こういうことで現在の整理をいたしたのであります。しこうしてこの整理にあたりましては、できるだけ地方公共団体に、余分の仕事をさせないようにという考えに立ちまして、それぞれ関係の各省と折衝いたし、従来地方公共団体にさしておりました仕事でも、させなくてもいいようなものはなるべくこの際整理し、どうしても地方公共団体にやつていただかなければならぬものは、法律を適当とするものは法律引上げる、また政令を適当とするものは政令によつて、そうした仕事を地方公共団体義務づける、かようなふうに改正いたしたのであります。関係法令が非常に多いので、全般にわたりますと七十四法になるわけでありますが、そうした趣旨における改正でありますので、それぞれの法律内容については、この法律では何ら改正していないのであります。従来省令においてやらしておりましたる事項を、単にそのまま政令もしくは法律規定する、かよう事務上の整理をいたしたものでありますので、内容の点につきましては、もちろんそれぞれの主管の官庁もあり、またそれぞれの法律がありますので、その法律をこの法律によつていじるということはいたしていないのであります。単なる手続上の規定でありますので、御了承いただきたいと存ずる次第であります。
  20. 北山愛郎

    ○北山委員 もう一つ、ちよつと前の方の、自治法の一部改正の中で、十ページ別表第三の(三の三)の「日本国とアメリカ合衆国との安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」云々という点ですが、これは、その特別措置法の規定によつて、この土地収用というような仕事を、この調達局長の請求によつて知事が代理執行しなければならぬ。こういう規定だろうと思うのです。実際行政協定に基く演習場とかそいうものの接収というよう事務を、地方自治体の長にやらせるということは、ある場合には非常に酷なことがあるのではないか、安保條約に基く義務というようなものは、純粋な国家的事務であると考えられるわけです。これを地方知事に、地元が反対などをしておる場合に、代理執行をやらせるというようなことは、知事にとつては非常に気の毒な仕事を押しつけているというように考えられるのですが、これに対する自治庁としての見解を伺いたいと思います。
  21. 青木正

    ○青木(正)政府委員 この自治法の一部改正は、そうしたあり方を、単にこの法律規定しただけでありまして、お尋ねはおそらくそういうことを府県に課するのは無理じやないかというお話だと思うのであります。従いまして一般の政策の問題になると存ずるのでありますが、これはまあお話のよう地方公共団体というものが、従来のようなつまり旧憲法時代のよう知事というものの観念でありませんので、そうしたことを知事にやらせることは適当かどうかという御議論もあろうと思うのであります。しかしながら実際問題といたしますと、何と申しましてもこうした仕事は、それぞれの実情をよく知つておる方に、実際の問題の処理していただくことが適当であるということも一面において考えられますので、そうしたことから考えまして、こうした場合には地方府県にお願いするということもやむを得ないというか、あるいはそうしたことが、かえつて問題を円滑に運ぶことができるのではないかとも考えられるのであります。
  22. 北山愛郎

    ○北山委員 確かにその仕事をやらせる便宜という点から見ればその通りですが、実際問題としては、やはり各地でもつて県民の多数が好ましくないことであるというので反対をしておる。ある場合には知事が先頭に立つて、たすきをかけて反対の陳情をしておる。ところが強制の接収をやるという場合に、その反対の県民の意思を代表してやつて来る知事に、強制的な執行権というものをやらせるという一とは、非常に酷だろうと思う。     〔灘尾委員長代理退席、委員長着席〕 そうして、規定の上では特別措置法の方を直さなければ、確かに土地収用法を準用しておる関係上そうなつておるのだと思いますが、何とか地方自治体というものの代表、住民の代表というような基本的な知事の性格をよく考えていただいて、もし改め得るならば、こういうことは国が直接自分の機関において行うというように改めた方がよいのではないか、その点考慮の余地がないですか。
  23. 青木正

    ○青木(正)政府委員 先ほど申し上げた通り、現在の地方公共団体は従来と違いますので、確かにお話のように国の仕事を知事にやらせるということについては、考慮の余地は十分あろうと思うのであります。しかしこの法律といたしましては、御指摘のごとく特別措置法に規定されておりますので、ただ地方自治法としてはそれを受けて規定するということでありまして、これを改正するとかどうかということは、私の方の所管外になりますので、私の力からそれをとやかく言うことはどうかと思うのであります。ただおそらくこの特別措置法で、そうした代執行地方公共団体に頼むということにしたりは、実際問題として、その土地の事情等をよく知つておる機関に頼む方が適当だ、こういうことから来ておるのではないかと、私は推測しておるのであります。
  24. 北山愛郎

    ○北山委員 確かに法律建前からそうなつておるわけですが、しかしこういうふうな行政協定の施行は、やはり外務省の方にやつていただく、そして自治庁としては自治体の仕事を生かす、そして知事がほんとうに住民の代表であるという立場を、苦しめないよう措置をひとつ考慮する、もし当つてみてでき得るならば、そういう御努力を願いたいというような希望を持つておるのですが、どうでしよう
  25. 青木正

    ○青木(正)政府委員 自治庁としては当然地方公共団体の利害を代表し、またその気持を代表しなければならないので、お話の点につきましては、今後機会等がありましたら、できるだけ地方公共団体の意向を代表して、私どもも協力する考えであります。
  26. 中井一夫

    中井委員長 この法案についての質疑は、この程度で一応終了したものとしてよろしゆうございますか。
  27. 北山愛郎

    ○北山委員 ただ自治法の二百五十條の問題がありますが、これはまた問題の出たときにお願いします。
  28. 中井一夫

    中井委員長 そういうことにいたします。それでは地方自治法の一部を改正する法律案並びに地方自治法の一部を改正する法律施行に伴う関係法令整理に関する法律案、この両案については一応これをもつて質疑は終了いたしたことにいたします。     —————————————
  29. 中井一夫

    中井委員長 引続き地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますが、この際さらに逐條的政府より詳細な説明を聴取することにいたします。柴田府県税課長
  30. 柴田護

    ○柴田説明員 お手元にお配りいたしております地方税法の一部を改正する法律改正前の法律との新旧対照表、便宜これによつて説明をして行きたいと思います。  第九條の改正は、納税義務の承継に関する部分改正であります。従来地方税法の納税義務の承継については、清算人は無限責任であつたわけでありますが、国税徴収法上の建前は二十六年の改正で有限責任にいたしております。それで、従来歩調を合せる機会を失しておつたのでありますが、清算人についても無限責任にいたしては、実情から考えて酷でありますので、国税の規定に合せて清算人も有限責任としたのであります。  それから相続人の納税義務の承継でございますが、これについて、相続人が二人以上あつた場合の措置が、地方税法によりましては明確を欠いておつたのであります。これも国税に準じて、相続人が二人以上ある場合におきましては、その相続人または包括受遺者につきましては、被相続人の納税義務について、相続または遺贈によつて取得した財産の価額に按分した額を引受ける、しかしその場合におきまして、取得した財産の相続人の納税義務の承継の限度と、それから連帯して負う場合の連帯責任の限度は、当該相続または遺贈によつて取得した財産の価格を限度として、連帯責任を負うのだ、こういうよう規定にいたしたわけであります。この規定は国税徴収法の四條の二及で四條の四、この規定に照応するのでありまして、むしろ地方税法建前が国税徴収法と一致しておりませんでしたのを、合わしたという建前であります。  第十條はすでに納税義務がきまりましたものについての納付または納入の義務の承継の問題でありますが、これにつきましても清算人の場合及び相続の場合につきまして、第九條と同じように清算人につきましては有限責任とし、相続人につきましては、一定限度については連帯して納める義務を負うのだ、こういうよう改正にいたしたわけであります。これも国税の改正に準ずるものであります。  第十一條改正は共同事業者の定義でありまして、これは従来規定が明確を欠いておつたのでありますが、共同事業から生じた租税債務につきましては、共同事業者が連帯して納付の義務を負うのでありますが、まつたく経営者が名義だけでありまして、実態はそれと一定の資金関係その他で、つながりの多い人が経営しておるにかかわらず、法律は名目上の経営者が租税納付の義務があつて、実態上事業を経営しております人が、全然租税の納入義務を負わないということは、租税の徴収という観点から行きまして、適当でない場合が多々ありますのみならず、この間隙を利用いたしまして、最近は頻頻と脱税が行われますので、そこで法律上の経営者がまつたく無意味であり、実際はその経営者の一定の関係にあります人が経営しております場合においては、その両者を共同事業者と見なして、納税の義務を負つていただく、さよう改正をいたしたのであります。ここに政令で定めるものと書いてありますのは、大体現在地方税法の十條の三に、特定の場合におきましては、納税義務が一定の関係がある人に転負して行く場合があるのでありますが、その場合に準じまして、大体親族その他実質上経済的に、そのものによつて生業を維持しておるものといつたような、ごく特殊の経済的なつながりの多い者に限定する趣旨を、政令に譲つておるのであります。  それから先取特権の十五條改正は、これは現在地方税の国税の租税債権の順位については、原則としては同順位でありまして、先着順によつてその先後がきまるわけでありますが、その場合に地方税につきまして差押えを行いました場合の優先順位につきましては、第十五條の二項に規定があるのでありますが、国の徴収義務を滞納いたしまして、そのために滞納処分をいたしました場合の国税と、地方税との優先順位の規定が明らかでないのであります。いわば現行法の第十五條の二項の規定の裏になる規定が欠けておりますので、特に三項を入れたわけであります。そういう場合には地方団体の徴税吏員が、国に対して交付を求めるわけでありますが、その求めた地方団体の徴収金は、差押えを受けた財産の価格を限度として、差押えをいたした国の徴収金について先取しない、つまり十五條の二項の裏の規定を置いたわけであります。これも国税徴収法の第二條三項に見合う規定であります。  第十六條の七の改正は、特別徴収義務者について担保の提供を命じ得る規定でありまして、これも最近経営者が頻々と交代いたしまして、そのために納入金を確保できないという場合があるのであります。そこで本條では、入場税、遊興飲食税につきまして、保全をなすに必要がある場合には、特別徴収義務者に対して、期間及び金額を指定して、その徴収金を保全するために必要な限度において、相当の担保の提供を命じてもよろしいという規定を置いたのであります。この規定は現在の酒税法の三十一條二項と大体同趣旨規定でありまして、間接税的な入場税、遊興飲食税法の徴収の確保をはかる意味におきまして、経営者の頻繁な交代による脱税を防ごうという趣旨に立脚するものであります。  それから七十七條改正は、軽減税率、入場税率の安い税率を適用いたします場合につきまして、現在総理府令でその運動競技の範囲をきめておりますけれども、これは従来地方財政委員会規則できめておつたのであります。地方財政委員会規則できめておりましたのを、自治庁ができまして地方財政委員会がなくなりましたときに、総理府令に読みかえたのであります。しかしながら一種の軽減税率の適用範囲の問題を、一省令できめますことは適当ではございませんので、それを政令にめげることにいたしたのであります。地方財政委員会から自治庁へ移りましたときの法規のミスを直したのあります、内容に変更を加えたわけではないのであります。  それから八十四條の改正は、現在入場税につきましては入場券を公給いたしております。それによりまして脱税等を防いでおるのでありますが、最近入場券の前売引換券というのを発行いたしまして、その前売引換券を売るときに税込み料金を徴収しておきながら、引きかえを十分に行わない、そのためにせつかくの票券公給制度がつぶれてしまうというおそれがあります場合が、あちこちでぼつぼつ出て参りました。そこで前売引換券を禁止するわけではないけれども、前売引換券を出す場合も、やはり道府県が作成する用紙を用いることにして、票券公給制度の確保をはかることにいたしたのであります。その場合「前項各号に掲げる場合及び道府県の條令で定める場合を除く外、」と書いてありますが、八十四條の二項の後段の方の、当該道府県の條例で定める場合というのは、大体株主に対して出します優待。ハスといつたようなものを予想いたしております。それから第七項は、入場券等引換券を発行いたしました場合において、公給券とまた引きかえるというよう現行法ではなりますので、非常に手続が煩雑であります。そこでそれを道府県の條例のきめるところによつて、検印をしたものについては、その後の入場券等引換券が、そのまま入場券になるのだ。それで一々引きかえるというよう措置を講じなくてもよろしいという規定を置きまして、公給制度の運用の簡素化をはかつたのであります。あわせてその引きかえの際におきます脱税防止を、検印ということによつて防ごうとしたのであります。  第八十五條改正規定は、入場券等引換券を公給することにいたしましたために伴います規定整備であります。  八十七條改正は、これも入場券等引換券の発行を認めますことによります規定整備でありまして、徴収いたします場合におきましては、現実に引換券を売るのでありますから、その売つた際に税込料金を徴収することを建前にいたしております。そこで「道府県の條例で定める場合を除く外」というのは、これは成文の通りでありまして、引換券をかりに発行いたしましても、現実に引換券を売らないということが明瞭である場合等を予想しておるのでありますが、大体において道府県の自主判断において、適当に制限規定を設けておるのであります。  九十二條改正は、八十七條改正に伴います規定整備であります。  九十四條も同じく八十七條改正に伴います條文の整備であります。  九十五條改正規定は、入場税について更正決定を受けました場合に、通常現行法では、更正決定の通知をいたしました日から一月を経過した日が、納期限であるのでありまして、更正決定につきまして特別徴収義務者に対して、一月間の納期限の権利が確保されておるわけであります。ところが更正決定の納期限が一月でありますために、実際は徴収上その間にいろいろ移動したり、あるいはいなくなつたりするようなことがありまして、一月という非常に長い期間のために、みすみす税金が逃げてしまうといつたような場合もございますし、かたがた申告税額が少い場合と更正決定の場合でありますので、これを十五日、——半月に短縮いたしまして、その間の徴収の確保をはかつたのであります。同條の第二項は、やはり八十七條改正に伴います規定整備でありまして、條文の読みかえであります。  九十六條も同じく八十七條改正に伴います條文の読みかえであります。  百十四條の二の改正規定は、遊興飲食税の非課税の範囲に関するものであります。これも先ほどの入場税の改正規定と同じように、従来は地方財政委員会規則できめておつたのでありますが、それを地方財政委員会がなくなりましたために、総理府令に読みかえたのでありますが、事の性質上政令できめることを適当といたしますので、政令に改めまして、総理府令の規定政令に引当てようとするのであります。  第百十六條の改正規定は、現行法のもとにおきましては寮、クラブの経営者に対しまして質問検査ができないようになつております。これはこの前の改正の場合のいわばミスであつたのでありまして、徴税吏員が寮、クラブの経営者に対しまして、質問検査ができませんようでは、実際徴税上支障がございますので、この場合におきましては、ある程度質問ができるのだというよう改正いたしたのでありまして、ミスの補正であります。  百二十五條改正規定は、遊興飲食税の更正決定の場合の納期限を短縮いたしました。先ほど御説明申し上げました九十五條規定と同趣旨規定であります。  百四十七條は自動車税の標準税率の改正でありまして、現在の税率に対しまして一率に五割引上げております。 百八十一條改正規定は鉱区税の賦課期日の改正であります。鉱区税の賦課期日は従来十一月一日であるのであります。十一月一日で一年分の税金がかかつて参ります。従いまして十一月一日以降において鉱区の承継がありました場合においては、月割課税の規定が働くのでありますが、四月一日から十一月までの間におきまして、鉱区の変動がありましたものにつきましては、現行法建前におきましては、月割課税の規定が働かないのであります。従いましてたとえば五月に鉱区を取得して、十月にその鉱区を売つてしまつたといつたような場合におきましては、五月から十月まで鉱区を持つておつた人は、鉱区税がかかつて来ないといつたような不合理があります。これを四月一日に改めまして、その間の負担の不公平をなくしようとしたのであります。  百八十二條は鉱区税の納期でありますが、これも賦課期日をかえましたに伴いまして鉱区税の納期を一箇月遅れの五月に改めたのであります。  二百九十二條市町村民税の改正規定は、第一項の総所得金額の改正では、従来ある規定は退職所得を含むかどうかということにつきまして疑義があつたのであります。現行法でもやれないこともないのでありますが、その疑義を一掃いたしますためには、規定改正いたしまして整備をはかつたのであります。  第五号の改正規定は、特別減税国債法の施行に伴いまして所得税法におきまして所得税額から一定の税額が軽減されるのでありますが、地方税の場合におきましては特別減税国債法による減税額というものは考えないのだ、入らないのだという趣旨をここに明らかにしたのであります。それから第五号の後段十五ページの終りの方にあります「同條第四項の規定によつて徴収される重加算税額」これは従来の規定のミスを補正いたしたのでございます。 第七号の扶養親族の定義でございますが、これは国税の所得税が二十六年から七年に改正になつておりまして、扶養控除の額が上つておりまして、扶養親族の所得額が一万五千円から二万円に上つております。市町村民税は前年の実績所得に対しましてかけるわけでありますから、二十七年の国税所得税に合わす必要があるのであります。それに合せまして一万五千円から二万円に改めたのであります。  十一号の法人税額の定義の改正も、これも特別減税国債法の実施に伴います規定整備でありまして、国税の場合は法人税額から特別減税国債法規によりまして、その購入額の一定割合を控除されるのでありますが、地方税の場合におきましては、それは考慮しないということの規定を明らかにしたのであります。  二百九十六條は市町村民税の非課税規定でありますが、漁船保険中央会を——これは事業税とあわせて改正いたしたのでありますが、従来忘れておりましたものを、ここでミスを補正したのであります。  三百三條の改正規定は、今回市町村民税の特別徴収の方法をかえまして、従来は四月から翌年の三月までに源泉徴収することにいたしておりましたものを、五月から二月までの十箇月間に、十分の一づつを徴収するという簡便な方法にすることといたしました結果、申告義務につきましても、今までは源泉所得だけの人、申告所得だけの人、申告所得と源泉所得と両方あります人、この三者につきまして、二月と四月末と二へん申告を要したのでありますが、その手続を毎年三月末というように簡略化いたしたのであります。三項、四項は右の規定によりまして不要になりました條文で削除いたしたのであります。  三百七條の「給与支払報告書の提出義務」の規定でございますが、これも三百三條の改正に伴いまして、現在の二月十日を二月末日に延ばしたのであります。  三百八條は昭和二十五年の特例でありまして、年度が終りまして現在該当がございません。それで不要になりましたので削除いたしたのであります。  三百十條は三百三條の改正に伴います條文の整理であります。  三百十三條は所得割の税率であります。従来市町村民税の課税方法につきましては、所得税額を課税標準にいたしますオプシヨン・ワンといわれる方式と、課税総所得金額を課税標準といたします第二方式、オプシヨン・ツーといわれる方式と、課税総所得金額から所得税額を控除いたしました所得税額控除額を課税標準といたしますオプシヨン・スリーといわれる三つの方式があるわけでございますが、最近そのオプシヨン・ツーの方式に移つて行く傾向が非常に強くなつております。しかしながら第一方式を標準にとつております市町村におきまして第二方式によりたいと思いましても、課税標準の調査等につきまして第二方式をそのまま採用しがたいという市町村も相当あるわけでありまして、そのよう市町村の課税方法の便宜といつたようなことから、所得税額を課税標準にいたしまして、市町村民税を課する場合におきましては、その方法によつて課しました所得割の金額が、いわゆるオプシヨン・ツーの方式によりまして課税した場合の所得割の額の制限を越えない場合には、オプシヨン・ワンの方式による課税の場合の税率は問わない、つまりオプシヨン・ワンの標準税率を百分の十八、制限税率百分の二十という税率を削除いたしまして、オプシヨン・ワンの方式でもつて課税する場合においても、その課した税額がオプシヨン・ツーによる課税の制限額を越えない範囲においては、税率を市町村が自由にきめてよろしいというような方式にしたのであります。  三百十四條も昭和二十六年度分の市町村民税に関する特例規定でありまして、これも不要になりましたので削除いたします。  三百十四條の二につきましての改正は、條文の整理でございまして、條文がずり上つたわけであります。  三百十四條の三につきましても同様であります。  三百十九條の二と三百二十條の改正規定は権利能力なき社団及び財団につきまして、もちろんこれに対しましても市町村民税がかかるのでありますが、それが従来単に法人ということになつておりまして、解釈が明確でなかつたのであります。それを権利能力なき社団及び財団につきましても、均等割がかかるという原則をここで明らかにいたしまして、規定整備をはかつたのであります。  三百二十一條の四の改正規定は、市町村民税を徴収する場合に、特別徴収の方法によつて徴収する旨を、一定の期日までに特別徴収義務者及び納税義務者に通告しなければならないのですが、源泉徴収の方法を五月から十箇月に改めましたので、それに伴いまして、従来の四月十五日を四月三十日に延ばしたのであります。   三百二十一條の五は、先ほど来申し上げております市町村民税の所得割の源泉徴収分にかかる特別徴収の月割額にかかるものでありまして、従来は四月から翌年の三月まで毎月十二分の一ずつを徴収することにいたしておつたのでありますが、市町村の実情は四月十五日までに納税義務者に通知しますことは事実上困難であり、また十二箇月にわたりまして十二分の一ずつを徴収することは、徴収技術上もはなはだ煩雑でありますので、これを五月から翌年の二月まで十箇月にわたりまして十分の一ずつ徴収することにいたしまして、徴収の合理化と簡素化をはかることにいたしたのでございます。  三百二十一條の八は、法人税法で今回清算所得につきましても課税することに改正されようとしております。それは法人につきまして、法人の清算所得につきましても個人の段階よりか法人の段階で源泉徴収をしようという考え方に立脚するのでありますが、それに伴いまして、市町村民税の法人税割につきましても、清算所得にかかる法人税につきまして、法人税割を徴収するようになるのであります。それに伴う規定整備であります。  三百二十一條の十三も、同じく清算所得に対して課する法人税について法人税割がかかることによる規定整備であります。  三百四十八條は、固定資産税の非課税の範囲改正でありますが、第二項の「(第十号の固定資産を除く。)」というのは、「船舶公団が所有する船舶及び産業復興公団が所有する償却資産」これの該当がなくなりましたので、十号を削除することにいたしたのであります。  第五項の改正規定は、農業災害補償法に基きます農業共済組合の固定資産につきまして、その事務所及び倉庫について非課税にする旨の改正でありますが、これはさきの国会で本委員会等におきまして、いろいろ意見が開陳されましたために、その意見を参酌いたしまして、ここに非課税とする改正をしたのであります。  三百四十九條の二は、発電、送電または変電のためのいわゆる電源開発関係の固定資産、おもに償却資産でありまして、償却資産と償却資産を収納する価格にかかるのでありますが、これは最初に登録された年度から三年間は百分の〇・八、現行の標準税率の半分の税率で課税するという規定でありますが、現行法に不備がありまして、現行法では昭和二十八年度及び二十七年度中に建設されました発電、送電または変電の償却資産につきましても軽減されない、二十九年度から軽減されるといつたようなことにつきまして、せつかくの効果が発揮できません。そこでこの規定の不備を直しまして、この條文制定の趣旨に合せたのであります。  第三百八十九條は移動性償却資産の配分の方法でありますが、これは従来は地方財政委員会が、地方財政委員会設置法に伴います地方財政委員会規則制定権を発動いたしまして、この配分方法をきめておつたのでありますが、地方財政委員会はなくなりましたので、その配分方法についての規則の根拠規定がなくなります。そこで今回法律をかえまして、総理府令の定めるところによつてその価格をきめるというふうに改めたわけであります。  第四百八十九條の電気ガス税の非課税の範囲につきましても、入場税、遊興飲食税と同じよう地方財政委員会から自治庁に移りかわりますまでの規定の不備を是正いたしまして、非課税の範囲を定めることにいたしまして、現在の省令規定事項政令規定事項引上げたのであります。  第六百二十條の改正規定は、入湯税の標準税率の引上げであります。現行は十円であります。これを二十円に引上げようとするものであります。  第七百四十二條の二の改正規定は「資産又は事業から生ずる収益が法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、当該収益を享受せず、その者以外の者が当該収益を享受する場合においては、当該収益に係る事業税は、当該収益を享受する者に課するものとする。」これは実質課税主義の宣明であります。法人税法の七條の三、所得税法の三條の二の改正に見合うものであります。要するに名目の事業経営者と実質の事業経営者が違います場合には、実質の事業経営者に対して課税するということであります。  第七百四十二條改正は、事業税の非課税の範囲でございますが、これはおおむね規定整備でありまして、特に新らしいものはございません。従来除けていたものを入れたり、あるいはもはや現実に存在しなくなつたものを削除したのであります。  七百四十四條の九項の改正は、基礎控除額の引上げでありまして、三万八千円を五万円に上げたのであります。これは事業税の課税標準である所得が前年の実績によつておりますので、現行法の三万八千円の規定は、昭和二十六年の国税の所得税の基礎控除の額に準じてきめているのでありますが、本年度の事業税の課税標準は、昭和二十七年中の所得をとるわけであります。昭和二十七年中の国税の基礎控除額五万円に準じて、事業税についても基礎控除額を五万円に引上げたのであります。  第十一項の改正規定は、医療法人につきましての健康保険にかかる損益計算の特例であります。これは先の国会で判定されたのでありますが、先の国会では国民健康保険健康保険だけでありました。ほかのものは全然規定さされてなかつたのでありますが、それがたとえば船員保険だとか、あるいは共済組合に基くものだとか、あるいは未帰還者給与法その他に基くものにつきまして、性質の類似するものが、その他にもたくさんあつたのでありますが、これとの間のバランスがとれなくて非常に一線では苦労したわけであります。そこで国民健康保険健康保険について課税標準の算定の基礎を設けられた趣旨によりまして、これらのものと同じ性格を持つものについてすべて課税標準算定の特例を設けることにしたのであります。それからまたその場合にそれらの健康保険法による家族療養にかかるものを、どうするかという問題があつたのでありますが、これも家族療養者にかかるものを含むものだというよう改正いたしまして、運用の便宜をはかつたのであります。  十四項は繰越し欠損金の範囲であります。青色申告書の提出を認められている法人については二年であつたのでありますが、これを三年にいたしました。これは事業税がさらに一年間延期され、昭和二十八年度におきましても事業税及び所得税が存置されることになりましたに伴いまして、青色法人につきましては一年延期することといたしたのであります。  その新旧対照表にミスがございますが、三十二ページの(二種の事業又は業務をあわせて行う場合における事業税額等の算定)その次に「第七百四十七條の二略」というものが入るのでありますが、この改正規定の「三万八千円」を「五万円」に引上げますのは、二種の事業または業務をあわせて行う場合に関します基礎控除額の配分方法でありまして、基礎控除額の引上げに伴います改正であります。  七百六十二條の三の規定は、同族会社の行為または計算の否認に関する改正でありますが、これは法人税法の三十一條の三の第二項の改正規定と見合うのでありまして、同族会社ではございませんが、実質上同族会社と同様な関係にあるような法人につきましても、同族会社の行為または計算上の否認の規定に準じまして、その同族会社の行為または計算につきまして否認を行う、そして租税負担の均衡を保持するという趣旨であります。  七百七十六條の改正規定は、あん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の医業に類する業務、これは従来は施行令できめておつたのでありますが、あん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の百医業に類する業務についても、国民健康保険その他健康保険に関します課税標準の特例を準用いたしました結果、これを法文の技術上法律のところに掲げて参つたのであります。  第七百七十六條の二の改正規定は、事業税の七百四十二條の二の改正規定と同趣旨でありまして、実質課税主義を宣明したのであります。  七百七十七條改正規定は特別所得税の課税標準の改正でありますが、その第三項は基礎控除額の特別所得税に関します引上げ改正であります。  それから七百七十七條の第四項の改正規定は、医療法人と同じく医業及び歯科医業につきまして、国民健康保険等によりまする保険給付にかかる収入金額または経費につきまして、課税標準算定上の特例が設けられていたのでありますが、この適用範囲を、医業及び歯科医業のみならず、薬剤師業、助産婦業、あん摩、はり、きゆう、柔道整復師まで拡げました。またその内容につきましても、医療法人に準じまして、国民健康保険法のみならず、船員保険法、共済組合法、未復員者給与法その他の性質の類するものを加えたのであります。  附則の第一項は施行期日をきめたものでありまして、八月一日から原則として施行をする。ただ総則の規定以外の部分、それから法人税割及び法人の行います事業に対する事業税にありましては、昭和二十八年一月一日の属する事業年度分の地方税から適用するということになつております。  二項はその裏の規定であります。  三項は租税債務の承継並びに納入金または納付金の納入義務の承継につきまして、その施行期日を定めたものであります。  四項から八項までは、大体施行に伴いまする規則であります。そのうちの六項につきまして、鉱区税の賦課期日は四月一日に改めたのでありますが、本年は、四月一日と申しましても事実上できませんので、九月一日の目標を持つております。  九項から十項、十一項、十二項、十三項、十四項までが、昭和二十五年度分以前の法人事業税につきましての是正の規定でありまして、昭和二十五年以前の法人事業税につきまして、課税標準の算定その他が間違つていましたために、課税が間違つているものが相当あるのであります。これを是正するといたしますと、一度賦課処分を取消しまして、さらに再賦課処分をしなければならないことになるわけでありますが、そういたしますと、非常に納税義務者側に不測の迷惑をかけるわけであります。この迷惑をかけないように、簡便な方法でそのミスを補正するという建前から、昭和二十五年度分以前の法人事業税で、課税標準の分割基準その他が間違つておりましたために賦課したものについては、各府県でそれぞれ正しい額に引直して、計算をし直す、その計算をし直したものの帳じりだけを、府県その他において差引決済する。そうして納税義務者に対しましては、すでにもう納まつております総額について誤りがあるわけではないのでありますので、納税義務者については、全然影響を及ぼさずに、府県間において間違いを是正して、そうして正しい姿に直すことにしたのでございます。非常にわかりにくい規定でありますが、趣旨はさよう趣旨であります。  第十六項、これは外国船舶の所得税等免除に関する法律の一部改正であります。これは日本に住所を有しない外国人または外国法人に対しては、外国の船籍を有する船舶の所得及び純益につきましては、所得税または法人税、営業税を免除するという法律が昔からあるのでありますが、これが占領の間におきまして、ずつと効力が実際上ストップしておつたのであります。講和発効後この効力が生きて参りますので、営業税を事業税に改めまして、規定整備をはかつたのであります。  十七項は鉱業法の改正であります。鉱業法を改正いたしました理由に、鉱区税もやはり定額課税でありますので、他の例に準じまして、引上げるべきでありますが、炭価の問題が現在非常にやかましい折から、鉱区税につきましては引上げをやめまして、徴収の強化ないしは確保をはかることとしたのであります。そこで鉱業法の一部を改正いたしまして、試掘権延長の許可をする場合、あるいは試掘権から採掘権に転願する場合の転願許可につきましては、現に鉱区税を滞納しておるものに対しては、許可してはならないというようにいたしまして、従来捕捉が非常に困難をきわめておりました試掘鉱区に対する捕捉の強化をはかつたのであります。  十八項の国庫出納金等端数計算法の改正は、これは従来の規定の不備を是正いたしたものであります。  はなはだ簡単でありますが、以上で逐條説明を終ります。
  31. 中井一夫

    中井委員長 質疑の御希望がありまするならば、この際お進めを願います。西村君。
  32. 西村力弥

    ○西村(力)委員 この税法の改正を審議するに際しまして、この前入場税の税率を普通の場合十割を五割に下げた、こういうことになつておる。これはまことにけつこうなことに改正したと思うわけなんですが、実際にこの改正趣旨そのものが、誠実に実行されておるかどうかという問題になると、実にけしからぬ現象が現われておるんじやないか、これは自治庁側においても御承知のことと思うのであります。われわれが税法の引下げなどを実情に即して改正をする、これは民生の安定なり、あるいは文化の向上なり、さまざまの観点からやるわけですが、そういう場合に、せつかくやつたことが、結果的に逆の方向に現われるということは、これは那辺にあるか、この点に関しましては自治庁側としてはどういう見解を持ち、また指導というか、そういう点についてはどういう手を打たれておるか、これについてはつきり御見解をまず最初に承りたい、こう思うわけであります。
  33. 青木正

    ○青木(正)政府委員 お話の点につきましては、まことにごもつともでありまして、せつかく国会におきまして、そうした趣旨に基いて減税と申しますか、税率を下げましたところが、実際に興業者の方々がその趣旨を尊重せずに、結果としては単にそうした業者が不法利得するということは、まことに私ども遺憾に存ずる次第であります。自治庁といたしましても、そうしたことのないように、興業者の組合等を通しまして、できるだけ法律趣旨に沿うように、業者の御協力を願つております。また業者の方々の良識に訴えておる次第であります。ただしかし、もちろん法律によつてこれを強制するというわけには参りませんので、何といたしましても、それぞれの業者の良識に訴え、また関係の方々を指導いたしまして、税率を下げた趣旨に沿うように、できるだけ府県当局等をしてやらせておる、かような実情にあるのであります。
  34. 西村力弥

    ○西村(力)委員 その減税は国会が責任を持つて立法措置をやつたことになるのですが、その趣旨が全然守られず、確実な実行がなされていないということになりますならば、これは責任の所在というぐあいに厳密に言わないにしましても、国会としましては、これに対立するやはり善後措置というものを考えなければならぬ。そういう善後措置といいますれば、われわれは何もそれを監督したり、詰問したりすることはできないので、やつぱり立法措置でもとにもどすよりほかない、国会は一部の興業者の利益に奉仕するような立場はだれもとれないはずなのでございまして、多くの映画愛好者の人々のために、それからまた映画による文化的な影響力がより多く青少年あるいはそのほかの人々に影響するために、これを考えたことなのでございまして、そういう観点から行きましても責任のとり方といたしましては、元にもどさなければならないという考えにあるのが、われわれは当然だろうと思う。それでそういうぐあいになつたのでお互いにもめることでございまして困ることなのであります。自治庁側としましては、この国会改正した趣旨を体して、良識に訴えるという立場をとりつつも、なおかつこの法の精神が理解ある実践を見るように御指導願わなければならぬじやないか、こういうぐあいに思うのでございます。それにつきまして今の青木政務次官のお話は、これはお考えとしてその通りなのでございますが、具体的な方法としてもつとどういう措置があるか、そういう点についての一歩進んだお話を伺いたいと思います。
  35. 青木正

    ○青木(正)政府委員 私の説明は抽象的になつておりますので、実際に自治庁もしくは府県として指導いたしております内容について、部長の方から詳細御説明申し上げることにいたします。
  36. 後藤博

    ○後藤政府委員 ただいまのお話でありますが、私どもとしても減税の効果が出ていないということにつきましては、興業組合その他の方々に常に申し上げておるのであります。ただ問題は、たとえば映画の場合にいたしますと、フイルム代をいかにして規正するかという問題になつて来るのであります。これは二種類ありまして一つの方法は直営館等においてやります歩合制でありますが、五十何パーセント、六〇パーセント配給会社が持つている、この制度と、それから一本々々——単売と称して売るやり方があるわけであります。二つのケースがありますので、それをいかにして規正するかということであります。現在それに関する規正の方法は法律にもちろんありません。興業組合あたりでも何とか規正の方法はないものか、いい知恵はないかということをわれわれに相談に来られますので、われわれとしても事業自体の規正から始めなければできないのではないか、一本々々値段が違いますので、一本々々の認可制からやつて行かなければむずかしいのではないか、かように考えてどうしたらいいか私どもも研究しておりますが、今のところはつきりした結論は出ておりません。  それからもう一つ映画以外の場合には、たとえば劇場の使用料でありますが、衣裳の貸付料等が引上げられております。これもそれ相当の理由があるのでありまして、賃貸料の引上げにつきまして、やはりそれ相当の理由があります。しかし減税の趣旨から申しましても引下げるべきであるというので、この点もやはり研究しております。各府県におきましてもせつかく税率が下つたのでありますから、なるたけ下げるようにという強い要求をいたしまして、一時は大体十円程度の引下げがあつたのであります。しかしフイルムの建て方を違えたり、いろいろな方法でもつて、漸次元に復して行つているようでありますので、私どもといたしましては現在の制度のもとにおいては、何ともいたし方がない、しかし減税というものはそういう変な効果が出て参りますと、将来の減税にも影響するのでありますから、その辺を何とか研究して行きたいと考えております。
  37. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私も映画製作に一回ちよつと関係したことがございますが、配給会社から高く売りつけられる、だから何とも処置ないのだ、こう言われますけれども、映画興業組合としては配給会社から相当高い値で売りつけられましても、それ相応にいろいろな措置で十分にやつて行く、すなわち一週間なら一週間という間に、ぱつぱつとそれを付近の町村なんかにまわして、相当巧妙にやつて、大体においてとんとんにやつている、こういうのが現状じやないかと思うのです。みすみす高く売りつけられたからといつて損をしてやつているのは、ほとんどないじやないか、いなかの方ではそう考える。東京あたりでは何か税金の徴収で、閉鎖のやむなきに至つた映画館があつちごつち出ているというように聞いておりますが、そういうぐあいに思われますので、問題の解決がそこにあるというお考え方は一応わかるのでありますけれども、もつと何らかの方法で強力に実行させる方法をとつて行かなければならないじやないか、かように私としては思うのでございます。それで私としましてはこの委員会で、この国会で修正した減税の措置が、実行されない原因がどこにあるかということは、やはり業者の人にも来ていただいて、いろいろただす必要があるじやないか、かようにも考えられる。そうでなければ、法律をつくりつぱなしで、あとは適当に利用させるのじや、こつちの鼻を明かされるような状態でうまくない。私どもは当委員会にそういう関係者を呼び出すということを、この際提案して御賛同を得たい。このように考える。
  38. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私はまん中におられる部長さんですか、あなたにお伺いをしたいと思うのですが、今西村先生がおつしやつた通り入場税が軽減されました、けれども大衆が劇場に行つても、少しも入場料が軽減されておらない、一体それはただいま西村先生がおつしやいました通り、何がその根本原因であるか、今あなたが何ともいたし方がないとおつしやいましたが、その何ともいたし方がないということはどういう言葉であるか、それが第一点。それから招待券といつて、招待券を発行して盛んにもうけている人がある。招待券に対してはこれはいわゆる無税です。これに対する方法はどういう方針をあなたはお考えになつているか、これは脱税の方法である。その脱税の方で法をわれわれはこの法律をもつて、取締りをすることができないため、あえて見ている、これをいかにするか。それからダンス・パーテイがある、ダンス・パーテイは無料でやつている、これに対して入場券を発行している、それに対して課税の方法がない、これはどういうふうに考えていらつしやいますか、これを私はお伺いしたい。
  39. 後藤博

    ○後藤政府委員 税の立場からいたしまして、減税の効果を上げるということにつきましては、われわれ強制の方法がないということを申し上げたのであります。ということはフイルムを配給業者から興業者が買いまする場合に、その取引は自由取引でありまして、その取引に介入して一応の減税の効果をあらしめるような強制権が、われわれにないのであります。従つてこれは法律的の方法でなしに、指導の方法でもつてできるだけ安くして、興業者の方の利益になるように、従つて一般の観覧者の税金が下るようにしてもらいたいという奨励しかできないわけであります。そういう気持で現在指導しておるのであります。しかし事志と違いまして、結果がなかなか思うように参らないということを申し上げたのであります。  第二の点は招待券でありますが、招待券を無制限に出すことはいけないと思います。もちろん招待券にも入場税のみなし課税はかかることになつている、しかしこれをむげに認めないということも、社会的の常識に反するのでありますから、各府県一定率の招待券は許して、無税にして認めておるようであります。私ども別にそれをとやかく申しておりません。別に奨励したわけでもありません。ごく小部分のものだけを無税にして認めておるようであります。それからダンス・パーテイのことでありますが、おそらくダンス場以外で、個人の私宅で、やつておるところのダンス・パーティであろうと思います。これについても現在やはり入場税がかけられるようになつております。しかし現実の問題といたしまして、それを捕捉するのは困難な場合もあるだろうと思います。従つて広い東京においてはどこかで漏れている場合もあるかと思いますが、しかし法律上はもちろんかけるべきであります。かけておる例もたくさんあると私は思つております。     —————————————
  40. 大石ヨシエ

    ○大石委員 かけておる例がたくさんあるとおつしやいましたが、その例をここで私たちに説明をしていただきたい。それからダンスの教習所に行く者は無税で入場しておるじやありませんか。脱税の方法は幾らでもある。一部は重税であえいでおる、一部は脱税して、うまいもうけをしておる。今あなたがおつしやいましたが、招待券という名のもとに、脱税しておる者がたくさんある。そして一般勤労大衆は映画を見に行くといつても、昔より入場税が安くなつても、一つも入場料が安くなつておらぬ。それでは入場税を安くした趣旨に反しておる。私たちは勤労無産大衆を思い、多数の人が楽しむようにと思つて、入場税を軽減したのである。ところがいまなお入場料は同じである。一体それはどうなつておるか。ただいま西村先生がおつしやいました通り、関係の方をここへ参考人に呼んで、一々それを聞いて、そうして納得した上でなければ、この法案を通すことはできません。そこで私は聞きますが、このダンス・パーテイはあらゆるところに開催されておる。しかもそれは無税で開催されておる。これは脱税の行為である。招待券をもつて芝居及び映画をやつておる者がある、それもうまく脱税しておる。この点をいかにこの法律に含むかお教え願いたい。
  41. 後藤博

    ○後藤政府委員 ダンス教習所における税について、どういうようなものをとつておるかということについては、私ども直接やつておりませんので、これは東京都などによく聞きましてお答えいたします。それからダンス教習所自体に入場税がかかるか、かからぬかという問題があるのでありますが、これは純粋のダンス教習所に対しては、入場税はかからぬのであります。いかほどの娯楽性があるか、いかほどの営利性があるかということが根本の問題でありますが、多くの場合はダンス教習所というものは、営利性も娯楽性も少いと思いますから、従つて入場税の対象にできないと思います。しかしそれが普通のダンス場に類して参りますと、それとの均衡上かけざるを得ないのであります。その限界が非常にむずかしいのではないかと考えております。どこが限界かと言われると、非常にむずかしいのでありますが、これはやはり娯楽性、営利性を中心にしてきめる以外にないと思います。個々の具体的な場合についての判断の問題だろうと思います。
  42. 大石ヨシエ

    ○大石委員 あなたは何を言うのですか、現にダンスの教習所を開いておる者は脱税しておる、ダンス場を持つ者は税金を納めておる。それでは一体みなはどつちに遊びに行くか。みなが教習所へ遊びに行つたら、安くて脱税ができる。現に日本国中そうではないか。それをなぜあなたは御存じないのですか。自分が知らないからといつて、私たちは現に知つておる。そういうところで税金をとつて、もつとほんとうに減税せねばならない人には減税する、それがほんとうであると思う。実際にわれわれは脱税しておる人をよく知つておる。だれがダンス場へ遊びに行きますか、みな教習所へ行く。そうして脱税しているのに、あなたがそういうことをおつしやるということ自体が、官僚であると私は言いたい。これに対してあなた何と答えますか。
  43. 後藤博

    ○後藤政府委員 先ほども申しましたように、純粋のダンス教習所でありますれば入場税がかけられないのであります。しかし、普通のダンス場と類似したものはやはりかけられる。おつしやるような、教習所という名前を使つて、普通のダンス場と同じような行為をやつております場合には、かけられます。従つて、もしもそういう場合がありますれば、お話をいたしまして、谷地方庁の指導をいたしたいと考えております。
  44. 大石ヨシエ

    ○大石委員 委員長に要望しますが、教習所の人とダンス場をやつておる人、それから映画の人、全部ここに参考人として呼んでいろいろ聴取したい、これを皆さんにお諮り願いたい。
  45. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま大石先生からの御発言ですが、せんだつて地方税を減免した団体のうち、特に円滑な運営がされてない団体について、いろいろその後の経過、実情を知りたいという各委員の希望もありますので、近い機会に、団体の代表者を適当に理事会等でおきめ願いまして、当委員会に呼んでいただくということで、大石先生の了承を得たいと思いますがいかがでしよう
  46. 中井一夫

    中井委員長 お諮りいたします。入場税を減税したのにかかわらず、その趣旨通り業者がやつてない問題につきまして、その実情を明らかにするために関係者の出席を求める、こういう趣旨で先ほど西村委員から御発言があり、さらに大石、藤田両委員からも同趣旨の御発言があつたわけであります。さように決定いたして御異議ありませんか。
  47. 床次徳二

    ○床次委員 ただいま入場税に関して調査をなさるという御発言でありましたが、これは入場税以外に地方関係において前回相当軽減いたしたものもあるのでありまして、その軽減をした状況に関しまして、なお関係者をお呼びいただいて、どの程度に減税の効果かあがつておるか、またどうなつておるかというような状況についても、あわせて報告を求めるように、理事会等においてお諮りいただきたいと思います。
  48. 中井一夫

    中井委員長 ただいま床次委員から柳発言のありました通り、趣旨を拡げまして、入場税だけでなく、その他の税金にして減税等をしたるものにつき、その後いかなる状態にあるかということの取調べをいたす、こういうことで業者及びその他から数名の者を呼ぶ、この取扱いにつきましては委員長に御一任をいただいてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。さように決定いたします。
  50. 北山愛郎

    ○北山委員 入場税の問題ですが、私は先ほどの大石さんのお話とは逆に、いわゆる経費課税をやつておる、そのために全然無料で、ほんとうに営利の目的を離れて主催者が文化運動等において映画演劇等をやつておる場合、そういう場合に経費に対して課税をするということがあるわけです。私は、先ほどのように、無料と称して実際は陰で料金をとつておるというようなことを取締るために、この経費課税という制度が生れたと思うのですが、どうも制度としては行き過ぎじやないかと思うのです。先ほど部長さんが言われましたのは、その場合無税にするかどうかということは、個々の具体的な場合について収益の判定をしなければならぬというような御意見だつたようであります。ところが第七十六條によりますと、この経費課税の点がありますが、結局無料ということをはつきりと書いてある。無料でも経費にかける、要するに税金をとる方の便宜ばかり考えて、そうしてそのために、純粋な文化運動等において、ほんとうに大衆にサービスしてやろうというような気持でやるいろいろな催しをやつておるその人たちに対して、不当な課税をやられておる例があるのです。そうしますと、ただいまのお話と矛盾するのじやないか、こういう規定は行き過ぎじやないか、かように私は思うのですが、いかがでしようか。
  51. 後藤博

    ○後藤政府委員 経費課税の問題でありますが、御承知の通り、経費課税の制度を設けましたのは、無料という名において脱税的な意図で興業をやる、それを防止する意味でこの規定を置いたのであります。しかしこれは別に強制規定ではなくて、経費課税をすることができることになつておりますので、従つて個々の場合にやはり判断をすべきものであつておつしやるように、純粋の文化運動の立場から、ほんとうに無料でやるものまでかけるという趣旨ではありません。従つて、そういうものに私どもはかけてないと思つておりますし、この規定そのものを適用した例というものは、あまりわれわれのところには耳に入らぬわけであります。もしも非常に行き過ぎの点がありますれば、直させて行きたいと思つておりますが、この規定はあまり使われていなくて、よろしくやつておられるのじやないかというように、私どもは思つておるわけであります。
  52. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいまのお話のように、第一線の徴税に当る人が、よろしくやつておればいいのですけれども、税金をとるとるという建前で、熱心の余りですか、どうも非常に固く形式的にやられる場合がある。そういう文化運動でも、これは道楽にやるんだから、税金をとつてもいいくらいな考え方で、この規定を適用した例を私は知つておるのです。ですからそのよう意味でもつてこれを濫用されますと、事は小さいようでございますけれども、税法というものが非常に苛酷であつて、しかもさような篤志家の文化運動等について、まつたく無理解であるということになり、例は少くても事は非常に重大だと思うのです。その点はくれぐれも各府県等に指示されまして、行き過ぎのないように御指導いただきたいと思つております。
  53. 滝井義高

    ○滝井委員 簡単に一つだけお尋ねいたします。七百四十四條の十一項の解釈ですが、これはちよつと文章を読んでもなかなかわかりかねるので、簡単にはつきり説明していただきたいと思います。
  54. 柴田護

    ○柴田説明員 七百四十四條の十一項は、医療法人の課税標準であります。所得を算定いたします場合に、通常の場合は法人ですから、総益金から総損金を控除したものが、その課税標準になるわけであります。ところが七百四十四條の十一項は、それに特例を設けておりまして、健康保険法または国民健康保険法規定に基く療養の給付について支払いを受けた金額は、総益金に算入しない。だから健康保険関係から受けました収入は、そのまま益金の中に入らない。それからまたその健康保険をいたしますためのいろいろ経費がかかるわけです。薬代だとかあるいは注射器だとか、いろいろな薬の費用がいるわけですが、その費用は損費に落ちない。だから健康保険関係の給付にかかる損益というものは、全然課税標準に入らない。従つて、お医者さんの医療法人の経済の中で、普通の診療をいたしました場合の収入は課税標準に入るけれども、国民健康保険の計算になります分だけは、全然入らない。収入も入りませんから経費も入らない。一般の個人の場合では、総収入と経費ということになりますが、法人の場合ですから、収入に関する部分は益金にいたしまして、経費にかかる部分は損費に落ちるわけであります。それで損益計算からはずす、こういうわけであります。
  55. 滝井義高

    ○滝井委員 表面的な解釈はその通りでございますが、もう少しつつ込んでお聞きします。そうするとこれは、七百七十七條の四項においても同様だから、個人においても同様なわけになります。そうしますと、今までの改正前におきましては、健康保険の本人と健康保険の被扶養者については、療養の給付というものはいわゆる保険者が支払うものが療養の給付だというのが、税務当局の解釈だつたと思つております。従つて、窓口で被扶養者が医者に支払う半額については、これは課税の対象になつておつたわけです。しかし今度の改正では、窓口で払う分は、課税の対象になるのかならぬのかということなんでございます。
  56. 柴田護

    ○柴田説明員 七百四十四條の第十一項のまん中どころに、「健康保険法船員保険法又は国家公務員共済組合法の規定によつて家族療養費を支給し、負担し、又は支払うべき被扶養者に係る療養を含むものとする。」と書いてあります。そこで家族療養費は課税の対象にならぬということになります。今御質問のような窓口で払うものであつても、家族療養費としてあとで補給されまして、そのものは課税の対象にならない、だから非課税です。従来はそれを課税の対象にしておつたわけですが、それを今度ははずしたわけであります。
  57. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、この非常にむずかしく書いてある文章は、簡単に要約すれば、社会保険においては、初診料を除く以外のものは、全部非課税であると解釈してもさしつかえないのですか。
  58. 柴田護

    ○柴田説明員 さしつかえありません。
  59. 滝井義高

    ○滝井委員 しからば問題は今度は、初診料に移るわけであります。初診料を支払う者は被保険者であります。従つてこれは、ほんとうに保険の対象になつている本家本元である本人が初診料を払うわけでありますが、この社会保険の一切の療養給付について、非課税の原則を打出しておつて、たつた四十六円の初診料だけを課税の対象にするということは、税法上の大きなミステークでなければならないと思うのであります。従つてこれは当然この條文の中の誤植で、——修正するということはごめんどうだと思いますので、誤謬訂正の意味で、ここに初診料を入れるということを示してもらわなければ、社会保険のすべてに対して非課税という原則を打出したつて、社会保険の一番大事なその本家本元である本人が払う初診料だけを課税の対象にするということは、税務行政の上における非常に大きなミステークになるわけですが、この点はどうですか。
  60. 後藤博

    ○後藤政府委員 健康保険関係の療養給付及び家族療養費の問題につきましては、これはいろいろ経緯のある問題でございまして、国税はこういう取扱いをしないで、一応標準率でやつてい書けでありますが、われわれの方は非課税に落ちたわけであります。これは御存じの通り修正して落ちたわけでありますが、その修正自体が非常に不合理である、不合理な点だけを改正し、あわせてそのときの要求は家族療養費まで拡げてもらいたいという声が非常に強くありましたので、その限度まで拡張したのであります。われわれといたしましては最大限度まで拡張したつもりでおるのでありますが、それ以上になると、おつしやるように初診料まで入れて行くのが筋かと思いますが、初診料は一応そのままにして、家族療養費の給付額の範囲を拡張するということで、一応改正はやめたわけであります。これ以上にやつて参りますと、他の業種との不均衡の問題もやはり出て参りますし、地方税の改正としてはこの辺で、御了承願いたいという気持であります。
  61. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 滝井さんの御質問の最初から私聞いていなかつたのでありますけれども、一部負担金のことでありますが、一部負担金の分には非課税は何もしてないのだろうと思う。初診料と一部負担金と、両方とも非課税の範囲外になりますか。その点明らかにしていた、だきたい。     〔「それはもう明らかになつたよ」と呼ぶ者あり〕
  62. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 今日はこの程度で質疑の打切りを願いたいという動議を提出いたします。
  63. 中井一夫

    中井委員長 それでは答弁が残つておりますから……。税務部長。
  64. 後藤博

    ○後藤政府委員 一部負担金も入つております。
  65. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 初診料は一部負担金の中に入つて同じく非課税になるように、これで読めるのですが、どうなんですか。療養給付の方に入るのですか。
  66. 中井一夫

    中井委員長 答弁は別にお求めになりませんか。
  67. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 けつこうです。
  68. 滝井義高

    ○滝井委員 その点ははつきりしてもらつたらどうですか。重大なんですよ。実は私がこれを言うのは、昨年私のかわりに福岡県から河野さんという県会議員が、柴田さんのところに行つているはずですが、地方ではこの解釈が実にまちまちなんです。まつたく地方の税務当局は健康保険法を知らぬ。しかも共済組合法から、船員保険法からすべての法律を研究しなければ、これだけの法律がわからない。従つて地方の税務課長は知らない。ある県において家族の分まで非課税にしてしまつているかと思うとある県においては半額分に課税するというふうに実にまちまちになつておるのです。従つて私が今言つた点については、初診料をこういう一部負担にするかどうかという点に関する解釈を統一していただかぬと、今の加藤さんのような御質問になつて来るのです。今の御答弁の要旨は、結局家族の払う窓口の半額の分は、非課税にするということは確認していただいてはつきりしたわけです。従つて問題は、本人の払う初診料の四点四十六円というのは、これは課税するというのが税務部長及び府県税課長の御見解のようでありますが、そう了解してよろしゆうございますか。それから先の方の修正はわれわれの方で研究します。
  69. 後藤博

    ○後藤政府委員 おつしやる通り初診料は含まない、この條文でそれは読める、こういうことに今までなつております。なおへその点は法律上の問題ですから、もう一度念を申してなます。
  70. 中井一夫

    中井委員長 この際お諮りをいたします。目下審査中の地方税法の一部を改正する法律案につきまして、さらに詳細に検討するため、便宜各派より一人ずつお出ましを願い、懇談の形において、本案の検討を進められるよういたしたいと存じます。右お一人の指名は、理事会の申合せ等もありますので、委員長に御一任を願うことにいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 中井一夫

    中井委員長 御異議ないものと認めます。よつてこの際指名をいたします。   加藤 精三君  藤田 義光君   西村 力弥君  門司  亮君   松永  東君この五人の方を煩わしたいと存じます。  本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知申し上げます。     午後五時七分散会