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1953-07-18 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十八日(土曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君       生田 宏一君    佐藤 親弘君       山本 友一君    吉田 重延君       橋本 清吉君    藤田 義光君       北山 愛郎君    滝井 義高君       横路 節雄君    伊瀬幸太郎君       大石ヨシエ君  出席国務大臣         文 部 大 臣 大達 茂雄君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      武岡 憲一君         大藏事務官         (理財局長)  石田  正君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     田中 義男君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政部         行政課長)   長野 士郎君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 七月十七日  営業用トラックに対する自動車税軽減請願(  森幸太郎紹介)(第四五二〇号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第四六一二号)  同(大野伴睦紹介)(第四六四〇号)  自動車税引上げ反対に関する請願小笠公韶君  紹介)(第四五二一号)  同(小川豊明紹介)(第四五二二号)  同外二件(塚田十一郎紹介)(第四六四五  号)  自動車運送事業及び通運事業に対する事業税の  外形標準課税廃止に関する請願小笠公韶君紹  介)(第四五二三号)  同(小川豊明紹介)(第四五二四号)  同外二件(塚田十一郎紹介)(第四六四三  号)  同(藤枝泉介紹介)(第四六四四号)  地方自治法の一部改正に関する請願石橋湛山  君紹介)(第四五二五号)  地方公務員停年制復活に関する請願石橋湛  山君紹介)(第四五二六号)  大工、左官等に対する課税方法改正等に関する  請願(稻村順三君紹介)(第四五二七号)  同(亘四郎紹介)(第四六四一号)  同(塚田十一郎紹介)(第四六四二号)  農業協同組合並びに連合会経営の病院及び診療  所を課税対象より除外の請願野田卯一君紹  介)  (第四五二九号)  クリーニング業に対する地方税軽減に関する請  願(加藤高藏君紹介)(第四五三〇号)  同(齋木重一君紹介)(第四六一一号)  同(伊藤好道紹介)(第四六四七号)  同(玉置信一紹介)(第四六四八号)  同(伊藤郷一君紹介)(第四六四九号)  同(戸塚九一郎紹介)(第四六五〇号)  教科書供給事業に対する事業税免除に関する請  願(園田直紹介)(第四五三一号)  地方税法の一部改正に関する請願早稻田柳右  エ門紹介)(第四六一三号)  同(大野伴睦紹介)(第四六三九号)  町村合併促進法制定に関する請願加藤高藏君  紹介)(第四六一四号)  市町村民税課税方法改正等に関する請願(今  井耕紹介)(第四六四六号)  遊興飲食税宿泊料に対する課税撤廃に関する  請願早稻田柳右エ門紹介)(第四六五一  号)  めん類等に対する遊興飲食税免税点引上げに  関する請願外三件(早稻田柳右エ門紹介)(  第四六五二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇六号)     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  地方自治法の一部を改正する法律案を議題として、前会に引続き質疑を続行いたします。
  3. 横路節雄

    横路委員 初等中等教育局長にお尋ねいたしますが、あなたは昨年のたしか十一月の地方行政委員会で、当初文即省が大蔵省に要求した三十九億の金か十億何がしかに削られた場合、あなたの説明では本年、二十七年度は市町村教育委員会において教育長を実は置くことはできないのだ、全体の約三分の一くらいしか置けない。しかし教育長については二十八年一月から三月まで、たしか三月間の教育長講習をやつて、全部置くようにするのだということを言われた。ところが今見ると、この地方自治法の一部を改正する法律米の第六条には、どうもあなたの方で行えている趣旨とまつたく相反するようなことが出ている。一体文部省では財政のわくに縛られて、去年市町村教育委員会発足当時に言われたことを全然やめてしまつたのかどうか。その点金がないからこういうことにしたのか。それとも講習会をやるのに一般の皆さんに通知したが、さつぱり集まらないというのでやめてしまつたのか。この六条がいいか悪いかは別として、はぜこういうものをやるようになつたのか。たつた半年足らずのうちに、あなたが昨年地方行政委員会で話されたこととまるきり違うものになつているので、その点一番最初にお聞きいたします。
  4. 田中義男

    田中(義)政府委員 昨年設置の当時に申し上げましたことは、ただいまお話通り趣旨でございまして、文部当局としては法律規定に従いまして、全市町村教育長を置きたい、かよう考えておりますことは当時も今もかわりはござません。ただ実際問題として予算の点で不十分であることは、これも事実でございますが、ともかく実際の現状を見ますと、なかなか王市町村にことごとく専任教育長を得るということは、ただちには望みがたい実情にあるようでございますので、従つて当面の問題として、一部そり資格等を緩和いたしまして、そうして教育長設置をさらに円滑にいたしたい、かよう考えて本案も出ている次第なのであります。
  5. 横路節雄

    横路委員 ひとつ具体的に数字でお尋ねしたいのですが、今全国市町村の中で現実専任教育長を置いているところは、市では何ぼの市の中で幾つ町村は何ぼの中で幾つ。それから置いてないところはどうしているのか、具体的な実情についてお話を願いたい。
  6. 田中義男

    田中(義)政府委員 お手元に資料として現状を差上げたところでございますが、これによつてごらんをいただきますと、大体教育長として有資格者は約半数ございまして、そのうち専任兼任兼業等はそれぞれここに書きましたよう数字に相なつております。市につきましてはそれぞれ置いておるのでございまして、問題は町村で、かよう兼任あるいは兼業ないしは無資格者事務取扱い、こういうふうな状態に相なつておるのでございます。表によつて一応ごらんをいただきいと思います。
  7. 横路節雄

    横路委員 それでは私の資料でお聞しますが、いただきました資料の中の有資格者の中の、専任というのはわかりますが、兼任というのはこれは何と兼任しておるのですか。
  8. 田中義男

    田中(義)政府委員 兼任のうち最も多いのは学校長との兼任でございます。そのほかにはあるいは教員の中にも兼任をいたしておる者もございます。また公民館長あるいは図書館長等兼任もございますし、役場吏員の中の有資格者において兼任をいたしておる者もございます。さような形によつて兼任を見ておるのでございます。
  9. 横路節雄

    横路委員 その次に兼業というのは何ですか。
  10. 田中義男

    田中(義)政府委員 兼業と申しますのは異なる公共団体間における兼業でございまして、つまり一人の教育長二箇村の教育委員会教育長を兼ねておる、こういうふうな場合を兼業と申しておるのでございます。
  11. 横路節雄

    横路委員 この事務取扱いというのは、実際には教育長仕事をやつておるのだけれども資格がないためにいわゆる事務取扱いということになつておるのか、これはどういう意味でございますか。
  12. 田中義男

    田中(義)政府委員 お話ように、これは無資格者において事実その事務を取扱う場合に事務取扱いといたしておるのであります。
  13. 横路節雄

    横路委員 そうするとこの事務取扱いの四千二百七というのは、無資格者だというのですが、この職業の内容は何ですか。教員ですか。それとも役場吏員ですか。
  14. 田中義男

    田中(義)政府委員 その内容はやはり校長あるいは事務局職員図書館長公民館長あるいは役場吏員等が、それぞれその内容になつております。
  15. 横路節雄

    横路委員 そうすると第六条の教育長免許状を有する助役は当分の間当該市町村教育委員会教育長を兼ねることができるというのは、この表から見てわざわざこういうふうに改めなくてもいいわけじやないですか。今あなたから出された表を見ても、わざわざ第六条を改正しなければならぬという理由はどこにもない。この表を見ていわゆる助役兼任させなければならないというりくつがどこから出るのですか。全部で九千三百七十三の中には助役が何千何ぼいる。だから必要なんだと何も出ていない。今のお話だとちやんと校長とか教育委員会事務局職員、それから兼業ということになつたら、やはり教育長二箇村にまたがつてつておるという。それなら何も助役兼任は必要ない。この表のうちのどこが関連があるのですか。
  16. 田中義男

    田中(義)政府委員 助役兼任相当数あるのでございまして、たとえば事務取扱いの中にも助役相当数を占めております。それから兼任の中にもやはり助役は少しございますので、従つてなるべく法の規定に反するような事態は、これを実情に即してできるだけ避けたいと考えますので、従つてただいま提出されておるよう改正案によつて、そうしてその状態の解消を期待いたしておるのでございます。
  17. 横路節雄

    横路委員 そうすると専任というものの二千二百十四、これは教育長としての俸給をもらつておる。兼任の千七百三十七というのは教育長としての俸給はもらつていない。それから兼業の千二百十五というのは、二箇町村にまたがつておるのですから、どちらからかもらつておる。それから事務取扱いの四千二百七というのは、これはもらつておるのともらつていないのとあるわけですが、そうすると、あなたの説明兼任の千七百三十七、事務取扱いの四千二百七のうち、教育長免許状を有する助役で現に兼任をしておるのは何人いるのですか。
  18. 田中義男

    田中(義)政府委員 助役の有資格者で現に兼任をいたしておりますのは十七名でございます。この事務取扱のうちに、実はほんとうに有資格であるか、無資格者であるか、さだかでないのでございますけれども、この事務取扱いのうちに占める助役は約四分の一弱じやないかと思われます。従つてその中には相当の有資格者があります。またこの事務取扱いをやりませんでも、他に有資格者もあり得ると考えられますので、そういうものの兼任を認めたい、かよう趣旨でございます。
  19. 横路節雄

    横路委員 今の説明で私はいささかびつくりしたわけなんです。わざわざ地方自治法附則の第六条をこういうように変更するというから、よくお聞きいたしましたところが、教育長をつくつてある九千三百七十三市町村のうちで、現実教育長資格を持ち免許状を持つている助役で、兼任しているのは十七人だというわけです。わずか十七人のためにこの地方自治法附則第六条をわざわざこういうように改めるというに至つては、どうも私はふに落ちないというよりは、こういうことで、大事な法律をかつてにかえられては、とても法の精神にそぐわないと思うわけです。なお初等中等教育局長は、あなたのお話しで、兼任の千七百三十七の中で十七というのはわかつたのですが、このほかなおこの法律を施行したら、あとどれくらいふえるというお見通しですか。
  20. 田中義男

    田中(義)政府委員 その他にも事務取扱いの中におそらく有資格もございましようし、また他にも有資格助役等もあり得るのでございまして、それの一々詳細な調査を今ここに持つておりませんのでございますけれども、見込としては、大体助役のうちの二割くらいはあるのじやないかというよう考えたのでございます。
  21. 横路節雄

    横路委員 私は今の初等中等教育局長お話を聞いて、どうもこれはさつぱり具体性のない法の改正趣旨だと思うわけなんです。まあ大体こういうものを規定しておけば、うまく何とか適当にやるのではないかというのでは、なかなか了解できないのです。そこで私は初等中等教育局長にお尋ねしたいのですが、ことしの一月から三月までに、教育長講習養成した者は四千五百四十九人、今年度は三百人ないし三百六十人養成される予定ということは、年次計画からいつて、あまりにもひどいではございませんか。市町村教育委員会が発足した二十七年度では半年で、すでに四千五百四十九人養成したのに、昭和二十八年一年間かかつて三百人から三百六十人くらいしか養成しない。そうしておいてこういう便法をやるということは、一体文部省市町村教育委員会を育てる意思があるのかないのか。いまに改進党さんの方から市町村教育委員会法廃止というようなことでも立法されるだろうから、まあまあくしようがない、暫定的にやろうというのか。もしも市町村教育委員会を育てるというのであれば、今年の一月から三月までに四千五百四十九人、教育長講習養成したのであるから当然今年度でもこれと同数か倍くらいやらなければならぬ。金がないからですか、どういうことなんですか。私は文部省市町村教育委員会に対するものの考え方がどうかしているのではないかと思う。どうですか。
  22. 田中義男

    田中(義)政府委員 この表の下の方にも書いておきましたように、教育長の有資格者としては全国に五万四千人おるわけであります。その中から具体的な人をそれぞれの教育委員会専任して迎えることは、いろいろな事情でなかなか困難であることも予想されましたし、従つてその中からまず新設される教育委員会の数の半数くらいは得られるのではあるまいか、こういり予想を立てまして、あと半数近いものをそのために特に講習養成をして、それを各教育委員会に配当して行く、こういう計画で、全教育長の約半裁にあたる五千を目標に現実に四千五百四十九人になつておりますが、それを法の規定によつて一月から三月までに講習を終えて、そうして四月からこれをそれぞれ職場に送る、こういう計画で、一応教育長の配置に関する措置こしてはできる、かよう考えてやつにことでございます。なおしかし計画通りには必ずしも参りませんで、相当不足もさらにできることを考えまして、本年度はかまうな数字にいたしておるのでございまして、年々多数を養成して行くという考え方ではなかつたのでございます。
  23. 横路節雄

    横路委員 そうすると今のお話では、今年の一月から三月までに教育長講習養成した四千五百四十九人は、まあ半分くらいは実際教育長として赴任してくれるだろう、こういう考え方でやつておるのでしようか。それじやお尋ねしますが、教育長として何ぼ赴任しましたか。この四千五百四十九人の大体半分くらい赴任して間に合うだろうと思つてつた、大事な国費使つて、そのうちからどれだけ行つたと言つておりますが、現実事務取扱いで四千二百七というものがまだあいている。こういう点はどうなさるか。こういう点に対して根本的対策が全然なくして、あまりにも便宜主義ではないかと思う。この四千五百四十九人のうち、この四月から教育長に行かれた者は実際何人いるのか。具体的にひとつお話してください。
  24. 田中義男

    田中(義)政府委員 先ほど半数と申し上げましたのは、少し言葉が足りませんでしたが、つまり五万四千の有資格者の中から、半数くらいの教育長は得られるのではないか。従つてそのあとの半分についての養成計画として一月から三月までに四千五百四十九人を講習した、こういうことになるわけでございます。さように申し上げるつもりであつたんです。  一月から三月までに養成いたしました講習終了者現状、どういうふうに、どこへ就職して行つたかということについては、ただいままだ報告等そろつておりませんので、はつきり数字は申し上げかねます。
  25. 横路節雄

    横路委員 私はどうも文部省計画というものはしごくずさんだと思う。今年の一月から三月までに教育長講習養成した四千五百四十九人には教育長資格を与えて、現実市町村教育委員会教育長としてやらせる。ところが今市町村教育委員会教育長として何人行つているかわからぬというのでは、とても今後教育長講習とか何とかいうものに対して、国費を出すわけには行かない。     〔委員長退席西村(力)委員長代理着席〕 この資料がないというのはどうもちよつとおかしいですね。そういうものに対してもう四月、五月、六月、七月と四箇月もたつているのに、いまだ何人行つたか全然わからぬということでは、あまり大きな声は出したくないが、どうもおかしい。ところがもう一つは、全国の五万四千四十九人のうち、半分は赴任するだろうということは、二万七千人くらい行くということになる。先ほどのお話では、五万四千人の半分くらいは何とか出そうということですが、市町村全部合せても一万に足りないんですよ。一体これはどういうところに原因があるのか。四千五百四十九人も講習して、何人赴任したかわからぬ。おそらく行つてないんじやないかと思いますが、こういうことでどうするんでしようか。
  26. 田中義男

    田中(義)政府委員 なお数字の点について言葉が不足したようでございますから申し上げますが、半数というのは、教育長要員半数、それが五万四千もおる中からは得られるだろう、こういう意味つたのでございます。それから一月から三月までの講習終了者の行方につきましても、これはなお教職員養成課等において調べればわかることと思いますから、資料についてはさらにあらためて御報告するようにいたしたいと思います。
  27. 横路節雄

    横路委員 ぼくはあなたのお話を聞いてよくわかつたのです、それは五万四千四十九人のうちですな。いわゆる全国市町村は何ぼになりますか、九千三百七十三の半数はおそらく教育長の有資格者五万四千四十九のうちから行くだろう。そこで足りない残りの四千五百四十九を、あなたはことしの一月から三月までに教育長講習会養成したはずなんです。計画はそうではございませんか。あなたのお話を聞いても、五万四千四十九人のうちから、全国九千三百七十三の市町村教育委員会の半分のいわゆる四千五、六百はここから行くだろう。そこで四千四、五百足りないから、ことしの一月から三月まで四千五百四十九人を養成しておけば、それで埋まると考えておやりになつたのではないですか。そういう考えであなたは実施したのだから、わざわざ今になつてこ附則の第六条をこういうふうにやる必要はない。あなたの当初の計画はそうでございませんか。その点をお尋ねします。
  28. 田中義男

    田中(義)政府委員 計画は確かにお話通り計画で参りましたが、しかし現実状態考えまして、少しでも違法の状態をなくしたい、かよう考えからいたしておるのでございます。
  29. 滝井義高

    滝井委員 関連して……。そうしますと、それは昨日私がお尋ねをいたしたときの答弁とは少し違います。現在日歩を譲つて教育長免許を持つている人を兼任さした場合に、あとになお教育長のいない相当町村がある、そういうものを大体何年すれば文部省はこれを充足するかと言うたら、あなたは、その計画は現在わかりません、こう述べたのです。ところが今横路さんへの御答弁では、五万四千四十九人の中から要員の少くとも半分と、一月から三月まで養成したこの四千五百四十九人で埋めれば、大体これは埋まるという計画をお持ちのはずなんです。ところが昨日はそういう計画はありませんという答弁で、きよう計画があつたのですが、こういうように、文部省のこういう一番大事な行政が、どうもきのうときようとで目の色がかわるようにかわつたのでは、日本の教育というものは実に私はたいへんだと思います。この点もつとはつきり、昨日が間違つてつたら間違つてつた、きようのがほんとうならほんとうだということを、局長から答弁していただかなければならぬと思います。何も局長をいじめる意味ではありませんので、ひとつしつかり願います。
  30. 田中義男

    田中(義)政府委員 私は別に昨日申し上げましたことが私ども考えておりますことと違つたつもりでもございません。またきよう申し上げておりますことは、きようとして私は真実を申し上げているのでございますが、もし昨日ときようとでかわつているところがあるとするならば、きよう申し上げていることが正しいことでございますから、さように御了承いただきたいと思います。
  31. 横路節雄

    横路委員 そこでせつかくこういうよう文部省でたくさんこの教育長講習を受けさせて、——初めは四千五百四十九人は教育長になるという約束でやつたものだろうと思うのです。ところが資格だけとつて行かないというのは、はなはだ思わしくないことなんです。しかしそれにはそれだけの事情があろうと思う。それで先ほど局長からいろいろな理由、いろいろな事情教育長になれないのだと言われたのですが、そのいろいろな事情というのは、あるいはいろいろな理由というのは何でございましようか。現実にあなたは四千五百四十九人を預かつて、多額の国費使つている以上、さつぱり赴任してくれないのだという理由が的確だろうと思うのですが、その点はどうでございましよう
  32. 田中義男

    田中(義)政府委員 まず一番困りますことは、教育長になることによつて、実は身分がかわつてしまいますので、その間恩給の問題その他いろいろそういう身分の問題でも支障があるよりに思われます。なお任地の点になりますと、これは僻村等になるとなかなか人を得がたい。たまにそのために出て来た者も、気分がかわつて現実には行きたがらないというようなこともあるようでございまして、それぞれの町村にぴたつと合う候補者を得るということが、いろいろな条件で、ただいま申しましたようなことも、おもな条件として、困難であると私どもつておるのであります。
  33. 横路節雄

    横路委員 私は局長にこういうことをお尋ねするのは、どうもあまり自分でも感心しないと思うのですが、教育長員会における教育長任務は何でございましようか。それはいわゆる町村助役片手間でできる仕事なのでしようか、あなたの方で考えている市町村教育委員会教育長任務、それをお聞かせいただきたい。
  34. 田中義男

    田中(義)政府委員 教育長任務につきましては、教育委員会法にもはつきり規定のあるものでございますから御承知通りでございまして、法文を見ましても、教育委員会の処理するすべての教育事務をつかさどる、そうして特に技術的な専門家の立場において、教育委員仕事を補佐して行く、こういう重職にあるわけでございます。そこで助役をやりながら片手間で、そんな仕事ができるかというお話でございますが、私どもも本来の姿として当然これは専任者の必要であることは、かねてから、主張しておるところでもあり、なおまた法律もさようなことになつておるのでございますが、ただ各町村等事情によりましては、きわめて例外ではございますけれども、場合によつて両者あわせて兼務するということも、また認めなければならないだろう、こういう考え方からして、さような法案と相なつたものでございます。
  35. 横路節雄

    横路委員 私局長にお尋ねしたいのですが、今のところ非常に重要なんです。それはどういうことかというと、あなたが御承知ように、町村長はできれば教員に対する人事権をにぎりたい。ところが今日教育長仕事は何かといえば、実際にはこの市町村教員人事異動に関して案を立てて、教育委員会承認を得る。その大事な仕事をするときに、助役人事に関する案を立てて、教育委員会承認を得るということになれば、助役教育長を兼ねるとはいいながら、現実市町村長教員人事権を掌握することになる。せつかく市町村教育委員会法によつて教育長を置く制度を明確に定めておきながら、教員人事権について非常に混乱を来すような、そういう助役との兼任ということは、私は教育委員会法精神に相反するものだと思うのです。教育委員会は不当な干渉圧迫を排除してやるということは明瞭になつておる。あなたは大事な教員人事権について、助役兼任をしてやるという点について、全然考えを及ぼさないのでしようか。この点については何ら弊害がないとお思いになりますか、そういう危険性がないとお思いになりますかどうか、お尋ねいたします。
  36. 田中義男

    田中(義)政府委員 助役教育長兼任は、文部省としては決して望ましい事態とは考えてはおりません。ただしばしば申し上げますように、わが国の町村の実際等から考えまして、その実情に即する便宜処置として考えておるのでございます。
  37. 横路節雄

    横路委員 鈴木次長にお尋ねしたいのですが、これはあなたの方の要望によつて入れたものでしようか。昨今文部省としてははなはだどうもこれは賛成できないのだということを言つているのです。文部省として賛成できないものをわざわざ附則の第六条によつてつて来たということになると、これは何か自治庁の方で市町村長の意向でも入れて、いろいろ勘案してやられたものか、全然あなたの方はタッチしていないのか、この点ひとつ明確にしていただきたいと思います。
  38. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 お答えいたします。この第六条の改正案は、政府といたしまして閣議で正式に決定をいたしまして、内閣から提出した法案でございます。従いまして政府といたしましては、現在の町村教育委員会実情にかんがみまして、かような措置はやむを得ないこととして必要であるというふうに考えて提案をいたしたのであります。
  39. 横路節雄

    横路委員 やはりこれは局長の方が正直でよさそうです。それで私はもう一度お尋ねします。この第六条をこういうようにわざわざ改正しなければならぬとは、今日わずか十七人ぐらいの兼任で、だれが考えつて必要を認めないように思うのですが、その点一体どうなのか。それからもう一つ、重ねて今私が申し上げました市町村教育委員会の一番大事な人事権について、一体助役兼任さした場合に、その人事の異動について、いわゆる市町村長の干渉を排除するためには、運営上どういうような点についてあなたは考えていらつしやるか。その点もあわせてお尋ねします。
  40. 田中義男

    田中(義)政府委員 先ほども申し上げましたように、この兼任をしばらく認めるという措置につきましては、地方の実情等を勘案いたしまして、やむを得ない措置と考えておるのでございます。従つてこれによつてなるべく違法状態を少くしよう、こういう考え方なのでございます。それから人事の公正をはかるについてどういうことを具体的に考えるかというお話でございますが、おそらく助役が兼務するというようなそういう教育委員会は、よほど実際からいたしまして、兼任を認めざるを得ないよう町村であろうと考えるのでありまして、そういうふうな場合は、教育委員会としても、また町村側といたしましても、相当双方の円滑なる連絡協調を期待できる次第でございます。従つて助役としても、他面教育委員会の指揮監督には服するわけとございますから、従つて教育委員会小来の立場に立つて人事を処理すべきであり、またさように私ども期待をするのでございます。
  41. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私はきのうから局長さんのおつしやることを黙つて聞いておりました。ところがあなたのおつしやることは実にしどろもどろで、あなたが局長さんであるということは実に驚くべきことで、あなたのような人に月給を出すことは、実は国民の血税をしぼられておると、私は痛感するような一人でございますが、一体この教育の民主化というものは、どういうふうにしたら教育の民主化ができるのであるか。それからもつと根本にさかのぼつて、一体あなたはこの教育委員会の制度というものを、日本の全市町村がどれほどいやがつてつたかということをあなたは御存じでございますか、御存じでございませんですか。あなたは一体この制度をよい制度であると思つていらしやるか、あなたの私見を伺いたい。
  42. 田中義男

    田中(義)政府委員 私はここで私見を申し上げることは差控えさせていただきたいと思うのでございます。文部省としては、ともかく教育委員会は御承知ような経過によりまして、法律の施行によつて市町村設置を見たのでございまして、すでに設置を見た教育委員会については、法の趣旨に待つてこれを育成して行こう、こういう立場に立つて今日まで参つておるのでございます。
  43. 大石ヨシエ

    ○大石委員 あなたは全国市町村長が、との教育委員会制度というものを置かれることは非常に困るといつて、あれほど反対したことを御存じでございますか。その反対したことを、この法律でもつてこうしてまたこの第六条を改めて、わずか十七人の助役でもつて兼任さそうという、こうしたあなたのおつしやることは、私はきのうから黙つて聞いておつて、ふに落ちない点が多々あります。私は日本の民主化は教育の民主化にあると思う。こういうような制度を置いておいて、よいか悪いかこれをはつきり聞きたい。あなたははつきり言えぬのですか。こういう法律を置いておいてよいか悪いかということを。真に日本の民主教育のために私は聞くんです。それをはつきり言えないのですか、はつきり聞かしてください。
  44. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいまの大石さんの質問に関連いたしまして、一言御質問をいたしたいのでありますが、教育委員会の可否について初等中等教育局長さんだけに責任を負わせることは、これはあるいは困難かと存じておるのでございますが、それでその点につきましては、なおまた上司に来てもらうとか何とか方法をとらなければならぬと思いますが、現在の法律及び予算のもとにおいて、最も違法を少くして進んで行こうというお考えだということに、私は考えるしかない、そういうよう考えております。その点につきまして、大石さんにしかられるかもわかりませんが、現実問題として議事を進めていただきたいと思いますが、その尿に私のふしぎに思うのは、先ほどの似発表の際に、事務取扱いをしておる四千二百七人のうち、約四分の一が助役の兼務になつている——これは私の附き違いでございましたら、御訂正をいただきたいのですが、四分の一くらいが助役兼任でありまして、しかもそのうちの二割くらいが新しく緩和された教育長の有資格者になるのじやないかというお話がございました。それにしてもきわめて少い人数しか法律的に是認される教育長になれないわけでございますので、ここで思い切つて、いかに制度をそろえましても、平衡交付金の配付は全国町村二箇村に一人くらいの予算の配付しかないのでありまして、非常な財政的困難な状況にあるわけでございますので、いつまでも日陰者のように、正式の教育長になれないで事務取扱いで置くことは、情としてもしのびないことでございますので、教育職員免許法による教育長資格があるなしにかかわりませずに、助役を今年度限り、平衡交付金がこんなに虐待されることは今年だけだろうと思いますので、今年度に限りましては助役教育長兼任せしめ得るとするか、あるいは教育長の職務を行い得るとことにいたしてあげまして、そうして日陰者みたいな形になつている兼務教育長を、明るい気持で仕事をする教育長にしてあげたいような気がするのでございます。その点につきまして、文部省初等中等教育局長さんの御意見と、それから自治庁の次長さんの御意見を承りたいと存じます。
  45. 田中義男

    田中(義)政府委員 ただいまの御質問でございますが、文部省としての考え方、態度は、しばしば申し上げておる通りでございます。それからただいま加藤委員の御質問でございますが、四分の一と申しましたのは間違いはございません。なおさらに教育長資格云々をやめて、そうしてこの年度限り助役兼務を認めたらどうかというお話でございますが、これも実際問題としては、あるいはやむを得ない措置じやないかとも考えております。
  46. 西村力弥

    西村(力)委員長代理 局長に伺いますが、ただいまの局長答弁は、この法案の提案とまつたく逆なことを答弁しているように思うのです。本年度限り助役兼任させる、教育長免許状のあるなしにかかわらず、助役兼任させることもやむを得ないと、こういう答弁をしているのですが、これはこの提案とまつたく逆な答弁だと思う。こういうことは、答弁をもう一度はつきりとやつてもらわなければならぬと思う。これは責任をもつて提案をしておるものに対して、本年度限りやむを得ないと考えるというよう答弁をするのでは、この提案をまつたく否定しておる。「教育長免許状を有する」ということを削つて、「に定める助役は、」こういつたぐあいにやらざるを得ない。これについてはつきり答弁を願いたい。第六条の修正提案の答弁だ。それをはつきりしてもらいたい。
  47. 田中義男

    田中(義)政府委員 教育長助役の兼務につきしては、いろいろ経過がございまして、ただいまお話ような点につきましても、相当議論をいたしたのでございます。従つてあの場合、この場合を考えまして、その結果ここに提案になつておりますところで、これを通過を希望いたしておるのでございます。
  48. 西村力弥

    西村(力)委員長代理 それでは先ほどの答弁は取消すということですか。加藤委員に対する答弁はつきりしなさい。
  49. 田中義男

    田中(義)政府委員 研究過程の問題として、そういうような事実があつたという意味に御了解いただきまして、それを取消しをいたします。
  50. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 ただいまの加藤委員のお尋ねにお答え申し上げます。自治庁といたしましても、御指摘のような方法につきましても、研究過程におきましては、研究をいたしたのでありますけれども、政府といたしましては、やはり教育長免許状を有しない助役についてまで、かりに短い期間ではありましても、そこまでの兼任を許すということをいたしますにつきましては、なお研究を要するものがあるということで、かような原案におちついた次第でございます。
  51. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいまの政府の両幹部の御説明によりますと、数千人の助役さんが資格なしに教育長を兼務しておることにつきましては、きわめてこういう日陰者のような気持で執務しておる状況がかわいそうである、それでできるだけ法的にもそれを認められたような形で、しつかり仕事をさせたいというようなお気持が十分ありまして、本件の改正案におきましては、教育職員免許法に定める教育長免許状を有する助役とあるが、その助役の頭文字の文章の方は、これを削除した方がいいのじやないかという、相当濃厚な主張があつたのだけれども、最後にこうなつたのだ、そういうふうな事実があつたことに了解してよろしゆうございますか。これは修正案を出します上において、たいへん参考になる事柄でございますので、その点初等中等教育局長にお尋ねいたします。
  52. 田中義男

    田中(義)政府委員 内部事情を申し上げるのははなはだ適当でございません。先ほど申し上げまして、非常におしかりをこうむつたわけでございますから、その点は遠慮さしていただきます。
  53. 藤田義光

    ○藤田委員 きようは幸いに自治庁の次長と初等中等教育局長が見えておりますので、大達大臣がおらぬでも、いずれ大臣はいつでも呼びますから、来ておる人に対してまず十分お聞きして、しかる後に大臣を呼ぶことにしたいと思います。鈴木さんにお伺いしたいのですが、町村教育委員会制度というものは、地方自治の観点から存続させたがいいかどうか。これは政府委員としては、現行制度が現存する限りは存続させるという意味の御答弁があるかもしれませんが、自治庁の関係されておる全国町村会、その他の有力な団体におきましては、財政実情あるいは教員人事のいきさつその他からしまして、この制度を廃止したいという強力な意見が出ておるわけであります。将来の方向として、もしこの制度を廃止するというようなことになれば、自治庁の改正案にこれを入れておくことは適当ではない、むしろこの際なるべく教育委員会制度に関する規定は、新しく設けない方が適当ではないかというような感じもいたしますが、なるべく短刀直入のお答えをお願いいたします。
  54. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 市町村教員委員会の存廃について、各方面にいろいろ御議論があることは、私もよく承知しておりますが、現行法におきまして、市町村教育委員会制度が明確に規定されております以上は、それの円滑なる施行についてできるだけ支障がないように、政府としては配慮いたしたいということで、実はかような第六条の規定改正案を提案した次第でありまして、将来この市町村教育委員会制度をどうするかということは、はなはだ形式的な御答弁になりますけれども、地方制度調査会で審議中でございますので、その結論を得た上で考えて参りたいというやうに考えております。
  55. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの次長の御答弁でありますが、現行制度があるし、それを円滑に運営するためには、今回の改正案がよろしいというようお話でございますが、現在の市町村行政の約七割以上は国家の事務であります。そうして町村の三役たる助役仕事は山積しております。町村長は公選されておつて、いろいろと仕事が多い。従いまして事務の実際の統轄者としての助役の責務は、ますます複雑多岐にわたつておりますこの際におきまして、教育長というような要職を兼務させるということは、市町村行政現状からしまして、不適当であるということを私たちは考えるのであります。従いましてこの際教育長は別個に設くべきでありまして、私たちはこういう過渡的な便法によりまして、さなきだに事務輻湊しておる市町村行政に多少のひびが入るということを憂慮するのでありますが、この点はどういうようにして調整されるつもりでありますか。これがほんとうに腰かけの、名称のみの、尾崎行雄氏の名誉議員に当るよう意味教育長であれば、けつこうであります。しかし実質的な権限を持たせて、執行機関の事務をやらすということになりますと、助役では絶対執務できないというのが、現在市町村行政の実態であります。その点の調整をどういうふうにやられるかをお尋ねいたします
  56. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 市町村教育委員会制度の趣旨から申しますれば、御主張のごとく、専任教育長をすべての市町村教育委員会設置するということは、もちろん理想でございますけれども、これにつきましては、先ほど来いろいろ文部省の方からお答えがございましたように、いろいろの事情によつて、今日実際問題といたしまして、さよう専任をすべてに置くということが不可能な状態でございまするので、助役事務の取扱いをいたしておる、あるいは兼任しておるというのが少からずあるわけでございますから、しかも自治法上は助役がさような形で事務を兼ねるということは禁止されておる次第でございまして、さよう法律上の食い違いを調整することが、実際の必要に応ずるゆえんであろう、かよう考えた次第でございます。
  57. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの次長の御答弁によりますれば、改正の原案にありまする教育長免許状を有するという制限は、むしろない方がいいのじやないか。     〔西村(力)委員長代理退席、委員長着席〕 これは事務の実際上の円滑な運営からすれば、むしろこういう免許状をとるために、特殊な講習を受けたりするという時間的な浪費は非常に大きなものであります。そういう意味におきまして、ただいまの次長の答弁をまともにとれば、こういう形容詞を省いて無制限に助役という資格教育長兼務の道を開いてやるということならば、この改正案が生きて来るのではないかと思います。どうお考えでありますか。
  58. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 教育委員会制度が専任教育長を持つたものとして完全に施行されまするまでの暫定的な段階におきまして、便宜的にかよう兼任制度をとるということは、やむを得ない実際の必要に応ずるゆえんだと考えるわけであります。その際に便宜の方を非常に強く考えまするならば、御指摘のようなことは一案だと思うのでありまするけれども、政府といたしましては、やはり教育委員会制度の本旨から申しまして、教育長といたしましては専任資格を有する者でなければなるまいというところから、もしも助役専任教育長資格を持つておる者ならば、これを兼ねさせるという便法を講ずることは、教育委員会制度の本旨を殺すことにはならないであろうというところで、かようなふうにいたしたのでございますが、これはまあどちらかと申しますれば非常に大事をとつた案でございまして、私どもといたしましては最も無難の案を考えた次第でございます。
  59. 藤田義光

    ○藤田委員 田中局長の御意見を今の問題に関してお伺いしたいのでございますが、教育長の免状を有しなくても、現在の自治体の三役として助役にある人は相当の見識を持つております。従いまして免許状というような煩雑な資格要件がなくても、地方教育委員会事務の運営には実際支障がないのじやないか、これは単なる肩書、空名を法律上うたうにすぎないのじやないかという声がありますが、どういうお考えでありますか。
  60. 田中義男

    田中(義)政府委員 その点につきまして先ほど少し私申し上げ過ぎたのでございます。確かにそういうふうないろいろ意見がございます。ただ一応教育委員会法の建前をとりますと、教育長資格を持たない者が教育長をやるということは、その点からいいまして非常に今根本をくずす、こういうふうなことから、やむを得ない兼任にしても、せめてその点だけは確保したいということから、ただいま次長の言われましたように無難な提案をしたという実情でございます。
  61. 藤田義光

    ○藤田委員 そうしますると、さなきだに財政難にあえいでおります市町村が、助役教育長としての出張旅費その他いろいろ複雑な問題が起きて来ると思いまするが、この改正案に伴う教育長免許状を有する助役の兼務の場合におきまして、講習その他の財源措置を何か考えてありますかどうですか。
  62. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 これは財政計画の上におきまして、半数市町村専任教育長が置かれるという建前で規定をいたしておきまして、その他の市町村につきましては、教育長自体についての予算上の措置はいたしてないのでございますが、教育委員会なり事務部局につきましての財政計画上の措置をいたしておりますので、全体としてやつて行けるのじやないかと考えております。
  63. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほど来自治庁の方のお話を聞いておりますと、結局教育委員会法精神からして、教育長助役兼任するということは好ましくないということを、はつきり認められたと思うのですが、そう解してさしつかえありませんか。
  64. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 これは原案にもございますように、当分の間というように時期的に限定をいたしておりまして、かように時期的に限定をいたしましたゆえんは、本来の姿をそのまま実現できるようなときになりますれば、かよう兼任という暫定の措置はやめるという考え方であります。
  65. 北山愛郎

    ○北山委員 本来の姿でない、やむを得ないから当分やるんだということになりますと、われわれは、政府の方針としては本来のものでないものを逐次少くして、本来のものにもどして行くという方針をとるべきだと思うのですが、いかがでしようか。
  66. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 その通りでございます。
  67. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますと、この第六条の改正案は、むしろ現在の十七名という兼任のものを認める以外に、さらに助役兼任のものがどんどん出て来ることを認めるように見えるのですが、いかがでしよう
  68. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 兼任と申しますか、たとえば事務取扱いという形のものが実質的には兼任だと思いますが、さようなものの中で教育長資格を有する者が、新たに就任するという場合におきましては、しかもその際に専任教育長を得られないといつた事情があつて、その町村としては暫時さよう資格を有する助役兼任させることが一番適当だといつたよう事情がありましたときには、あるいは今後新たに兼任するということが生ずるかもしれませんが、しかしそういうこともできるだけなくして専任教育長を置くようにすることが望ましいと考えておる次第であります。
  69. 北山愛郎

    ○北山委員 その方針で進むというならば別の方法で専任教育長を置くように努めるべきであつて、第六条のような方法で行くと、むしろ本来のものでないことがだんだん広くなつて来る。このことはどうしても認めなければならぬのではないか。第六条の規定並びに現在の教育長設置現状からいたしましてかように見えるわけです。さらに教育長資格者が全然ないというならば別でありますけれども、今伺いますと何方もの有資格者がある、そしてそれが教育長に就任しないという別な事情が出て来ているのだというような御説明でありますから、むしろ別の障害を取除く方が、本来の教育委員会精神を実現する正しい方法ではないか、かよう考えるのですが、そのやり方と第六条の改正案というものは矛盾するのではないかと思いますがいかがでしよう
  70. 田中義男

    田中(義)政府委員 専任教育長を置くということは、これは法律がそういうふうに規定しておりますので、法律を守りますならば、そうすべきものなのであります。ただ実際からして法の期待しない状態がございますので、それをできるだけ少くするためのこれも一つの方途なのでございまして、お話ように他の隘路等についても、これは文部省としてもいろいろ指導、助言等の形において努めておるところなのであります。
  71. 北山愛郎

    ○北山委員 これは別な角度からですが、自治庁の方に伺います。助役教育長兼任するということ、これは委員会法の精神からしても好ましくない。一方地方の市町村行政面から見ましても、好ましくない面が出て来ておるのではないか、と申しますのはなるほどさつき質疑のありましたよう市町村長助役を通じて教員人事権に介入して来るというおそれも半面にはありますが、逆に助役というものが市町村長の補助機関でありながら、教育の運営に当る執行機関という強力な権能を別に持つておるということからして、町村長をしのぐところの権限を持つて来るのではないか、それが町村長の補助機関としての助役の地位を不当に高めることになる、そのことからしでいろいろまずいことが実際の例として出て来ておるのではないかと思いますが、そういう角度からして自治庁としてはやはり兼任は不適当である、かよう考えないでしようか、その点をお伺いしたい。
  72. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 御心配になられますような点は、確かに十分注意しなければならない点だと考えます。教育委員会制度の方にも必ずしも適当でない影響を与える事とともに、あるいは助役制度の方にも同様の影響を与えるということが全然絶無だとは考えられないのであります。でありますから実際問題としては相当の注意を必要といたすと思うのでありますが、しかしかよう助役教育長に兼ねしめるということは、市町村長教育委員会との間に十分話合いがつき、その市町村としてはそれが一番適切な実際問題としての解決方法であるという結論になつて、さようなことが行われると思うのでございまして、かような暫定的な期間において便法としての兼任を認めるというのは、ひとりこのような場合だけでなく、その他においても考えられることでありますので、その程度のことはそう大きな支障はないのではないかといらふうに考える次第であります。
  73. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほどどなたかからもお話がありましたが、全国町村会の役員会では、地方教育委員会というものをやめてしまうという申合せをしたというふうに聞いておりますが、それは聞いておられますか。
  74. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 全国町村会にさような意見が出ておる、またそれについて何か決議が行われるというような趣は承つております。
  75. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますとこれは全国町村会の幹部のそういう意向ばかりでなく、私ども町村長に会えば、もうたがいの人はああいうつまらないものをつくつたが、早くやめてもらいたいという意見を漏らすのであります。そこで当該のそれぞれ実際に委員会設置する市町村において、市町村長がそのような反対の意見を持つておるものを押し切つて、あくまでもやるというのは、教育委員会法精神——教育の運営をほかの支配から守ろうというよう精神から設置された教育委員会法なんでありますが、それに対してこのような暫定的な規定助役兼任というような重大な教育委員会法精神を没却するような暫定的な措置をどこまでも続けて行く。しかもこれをさらに拡大して行くということを容認してまで、こんな無理をしてまでこの教育委員会を残存して行かなければならぬのかどうか。その点について御見解を聞きたいと思います。これは文部省と両方にお伺いしたいと思います。
  76. 田中義男

    田中(義)政府委員 いろいろお話よう市町村長側に反対意見があることもよく承知をいたしているのでありますけれども、ただ私どもの立場としては一応現行法を守つて行く。こういうことで先ほど来も文部省の態度としての方針を申し述べているのであります。ただできるだけ現行法をスムーズにして行く必要がありますので、その点に関しましてまた今回の提案も一つの措置ですけれども、その他につきましても私どもその施策をやつているのであります。
  77. 鈴木俊一

    ○鈴木(俊)政府委員 自治庁といたしましても市町村教育委員会制度についていろいろ議論がありますことは、十分承知をいたしているのでありまして、これの将来の問題については、ただいま地方制度改革の中の一つの問題といたしまして、いろいろ研究はいたしておりますが、しかし政府といたしましてはやはり市町村教育委員会を今日法律上実施いたす建前になつているわけでありまして、目下の段階において、いかにその施行を円滑にやるかということに第一義を置いて考えている次第であります。
  78. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 局長にちよつとお尋ねしたいのですが、先ほどいろいろな事情教育長が就職されないということをおつしやつたのですが、そのいろいろな事情の中に、たとえば恩給なんかの関係もあるとおつしやいましたが、その他にもいろいろな関係があるのは御存じでしようか。
  79. 田中義男

    田中(義)政府委員 その他にも、さつき申し上げましたように恩給というものも、一つの待遇の点になると思うのでありますけれども、待遇の点もあると思います。それからまた任地の点もこれには僻陬地になるとほど得がたいようでありまし、大体おもな点はそんなふうに考えております。
  80. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 私の知つている範囲においては、せつかく講習会を受けて、受けた人は就職する意思があつても、それを採用する町村がないということを聞いておりますが、そういうことは御存じでしようか。
  81. 田中義男

    田中(義)政府委員 その点については私どもあまり具体的なことは承知いたしておりませんが、何か個人的ないろいろな事情等があるのではございませんでしようか。そういうこともあり得るとは思います。
  82. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 そこが問題でありまして、それをわからぬとおつしやるのですが、わからぬはずはないと思うのです。そういうよう講習を受けた人がせつかく就職する意思があつても採用しないというのには、それに対する町村の負担という問題が大いにあると思うですが、そういう点のお考えはどういうふうに考えておられるでしようか。
  83. 田中義男

    田中(義)政府委員 財政上の問題といたしまして、すでに御承知のことと思うのでありますけれども教育長の給与につきましては二十八年度に約その半数を基準財政需要額に見ているわけでございますから、従つて全員の設置の場合の国としての財政措置が完璧とは申せません。従つてそういうような点についての財政上の不足から、さようなこともいろいろ待遇上の点について響いておるかとも存じまするけれども、また別な何かのその町村財政ということが、直接に響いておるかもわからないと思うのであります。
  84. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 それではお尋ねしますが、教育の民主化のために、市町村教育委員会を設けられたのでありますが、非常に有能な人が教育長に就任されるのならば、教育の民主化のために非常にけつこうだと思うのでございます。およそ私の了承しておる範囲においては教育長になられる人は、もう教員生活を二十年も前にやつたというような七十四、五才の人で、実に老いぼれの人が講習を受けておられる、そういうような人がほんとう教育の民主化のためにやつて行けるかどうか。ただ町村役場の書記と札を並べて給料をもらつておりさえすればいいというような人が私は多いと思うのでございますが、そういうことでこの教育委員会が一体前進できるようなお考えを持つておられるかどうかお聞きします。
  85. 田中義男

    田中(義)政府委員 当局としてはりつぱなそれぞれ適当な実力を持つた教育長の就任せられることを期待いたしておるのでございますけれどもお話ような事態があつたといたしますなり、それはまことに遺憾だと思うのでございまして、さようなことのないように私どもは各市町村教育委員会において善処されることを希望いたします。
  86. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 あつたらというのじやなしに、現にそういう事実が現存しているのでございますが、そういうことをお知りじやないですか。
  87. 田中義男

    田中(義)政府委員 多い中でございますから、そういつたようなことも確かにあると思いますけれども、私ども具体的にどこにそういうことがあつたこいうところまでは伺つてはおりません。
  88. 伊瀬幸太郎

    ○伊瀬委員 そういう人でもただ間に冒せのために一時入れて置く、同時にそういう人も得られないために町村役場助役さんにこれと兼務してもらう、それでもいいのだというよう考えでやられるのか、これは基本的な考え方だと思うのです。教育の民主化のためには、りつぱなよい教育長を得なければならぬのであるが、それが得られないために、助役さんでもいいから間に合せておこうというよう考えで、こういう改正案を出されたかどうか。
  89. 田中義男

    田中(義)政府委員 先ほど来申し上げますように、本来の建前としてはりつばな教育長たる資格を持つた専任教育長がほしいのでございます。ただ実際の問題からして、やむを得ず教育長の兼務をこの範囲において暫定的に認めたい、こういうことなのでございまして、これはどこまでも暫定措置なのでございます。
  90. 西村力弥

    西村(力)委員 教育長免許状を有するというくだりの免許状は、普通免許状と仮免許状両方さすのだろうと思いますが、仮免許状を与えることのできる基礎資格といいますか、そういうものはどうなつておるのでございますか。
  91. 田中義男

    田中(義)政府委員 教育職員免許法の別表七にそれが規定されておりまして、一級普通免許状は「教育長の二級普通免許状」を持ち、さらには「教育長校長又は官公庁若しくは私立学校における教育事務に従事する職」というふうになつております。それからさらに二級普通免許状教育長の仮免許状でございますが、その仮免許状については「教員の一級普通免許状」を持ちそして教員たることを五年、それから「校長又は指導主事の普通免許状」で「校長又は指導主事」の職にあること、さらには「官公庁又は私立学校における教育事務に関する職」を五年以上というふうな規定になつております。
  92. 西村力弥

    西村(力)委員 最後の説明ですが、いただいた資料によりますと、「官公庁又は私立学校における教育事務に関する職」を五年やれば、第二欄にある資格がなくても、仮免許状を与えるようなことになつておりますが、その通りなんですか。
  93. 田中義男

    田中(義)政府委員 そういうことになります。
  94. 西村力弥

    西村(力)委員 そういたしますと、役場なんかで学事主任とか何とかを五年間やられたということになれば、そのことによつて教育長の仮免許状を与えられるとか、与えることができる、このようになるわけですか。
  95. 田中義男

    田中(義)政府委員 そういうことになります。
  96. 西村力弥

    西村(力)委員 そういたしますと、先ほどは免許状を有する助役は十七人だと言われましたが、そのようなことでなく、村役場の実態を見れば、長いこと役場におられる人は、学事主任を何年とか、会計何年とか、庶務何年とかさまざま経歴を経ておるので、そういう人が助役になつておることが相当多いと思います。そうすれば、その人人から請求があれば仮免許状を与えることができる、このようになるわけなんで、わずか十七人というような先ほどの御答弁は当らないように私は思うのですが、いかがでございますか。
  97. 田中義男

    田中(義)政府委員 私の方の統計数にはさようになつておるのでございます。
  98. 西村力弥

    西村(力)委員 十七人限りですか。将来調査した結果そういうものが出て来れば、どんどんと与えて行くという方針をとり、また何らかの方法でもつて助役教育長資格を与えようという、こういう施策をやられるかどうか、この改正通りたことをいいこととして、どんどん助役にそういう便宜措置を与えてやるというよう計画がおありですかどうですか。
  99. 田中義男

    田中(義)政府委員 本案が提出になりました趣旨も、なるべく違法な状態下にあることを避けたい、それを少くしたいという目的でございますので、従つてこの法案が通りますならば、その法案の趣旨に沿つて、できるだけそれらの人を教育長兼務として行くことに相なると思います。
  100. 藤田義光

    ○藤田委員 議事進行。この委員会はまだ約十件の法律案を背負い込んでおるのであります。非常に重大な法案ばかり懸案となつて、まだ審議もほとんどやつていないような貧弱な状態でありますが、委員長にお願いをかねてお伺いをしたいのですが、自治庁長官は郵政大臣を兼務されておるからほとんど出て来られない、法律の提案理由説明だけであります。それを補佐すべき政務次官が全然姿を見せない、こういう状態ではわれわれは自治庁から出しております法律案を絶対通さない。誠意が全然見えないのであります。昨日も一昨日も政務次官はそのあたりをうろついておつたのに、委員会に出て来ないのであります。どういう考えで政務次官は出て来ないのであるか、何か委員長まで通告があつておりますかどうか。私は当委員会の運営上重大な問題でありますので、この際議事進行に関連しまして、委員長の所見を伺つておきたい。
  101. 中井一夫

    中井委員長 事情については承知をいたしません。よく取調べの上申し上げます。  なおちよつと申し上げますが、今ごらん通り大達文部大臣が御出席になりました。でき得るならば、この際大臣に対する質問を集中せられたいと存じます。
  102. 西村力弥

    西村(力)委員 ただいまの答弁を聞きますと、現在十七人というぐあいでありますけれども、将来においてどんどん助役免許状を与える方策をとりたい、こういうことでございますが、そうしますと、五万何ぼの有資格者があるにかかわらず、専任としては二千人しかならないよう現状であるとするならば、勢い助役の方にほとんど免許状を与えて、この法文が改正になつたのをいいことにして、このような方策をとられる、かように将来の見通しとして考えなければならない、それをねらつておる。現在はわずかでも、そういう人々が正式に教育長の職務をとれるようにするのだ。わずかでも埋めるのだという考えでありますけれども、それの将来の考え方をいろいろ答弁から帰納してみますと、そういうぐあいに考えられて来る、そうしますと、日本の市町村教育委員会半数以上は、助役兼任によつて占められて来る、ほとんど大部分がそれで占められて来る、かように思わざるを得ない、そういう姿に変貌して行くということは、そもそも教育委員会設置した、あるいは教育委員会法の根本精神に反する方向をたどるのだ、かよう考えざるを得ないのですが、これに対する大達大臣の御見解を承りたいと思います。
  103. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 前からの御質問を実は聞いておりませんので、ちよつと途中からでわかりかねるのであります。もう一つ二つ政府委員から答弁させます。
  104. 田中義男

    田中(義)政府委員 今のお話でございますけれども、どこまでもこれは暫定例外措置でございますので、私どもは例外は厳重に戒飭して行きたい、かよう考えております。
  105. 西村力弥

    西村(力)委員 そういうことを答弁されたのじや、先の答弁といつでも違つて来るのです。現在は十七人の何しかないけれども、仮免許状を与える基礎資格というものはこれしかないのだから、こういうところを利用して、どんどんと仮免許状を与える方策をとり得るのです。そういう方法をとられると、相当の比率を助役兼任によつて占められる結果になる、しかも合法的な立場において占められる結果になつて来る。これは教育委員会法の根本精神をゆがめることになるかならないか、大臣の見解を聞きたいという簡単な問題です。
  106. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 この第六条の規定でありますが、これは現在の実情にも考えまして、教育長免許状を有する助役に限つて、当分の間暫定的に兼任を認める、こういう趣旨でありまして、教育長免許状を有する人々から専任教育長を採用できますようになります事態に伴つて、漸次助役兼任をやめて行く、こういうことを期待しておるのであります。
  107. 北山愛郎

    ○北山委員 大臣に根本的なことをお伺いしたいと思います。市町村教育委員会の制度というものは、昨年の秋に関係の市町村が猛反対をした。しかるにもかかわらず、教育というものの運営をいわゆる政治その他の外部の支配から守つて、民主的な教育をするためには、どうしても市町村教育委員会を置かなければならぬということで設置されたわけです。そこで現在の地方教育委員会が好ましいものであるかどうか、現在のままでいいかどうか、あるいは設置された当初においての教育委員会法精神をどんどん伸ばして行くべきであるかどうか、そういう基本的な点について、あらためて大臣の見解をお伺いします。
  108. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 市町村教育委員会設置するということが実施せられた趣旨につきましては、ただいま御指摘の通りであります。ただ実施せられました当時、比較的に実際の準備が十分でなかつた点がありましようし、実施後において市町村との間にもいろいろな関係があることも承知しております。ただ何分にも実施間もないことでありまして、今後あるいは予算の面におきましても、漸次これを整備充実をして参りまして、制度の趣旨に沿うようにこれを育てて参りたい、今日はまだ日の浅いことでありますから、今ただちにこの功罪を論じて、これをやめる方向に持つて行くというふうには考えておりません。これをできるだけ育てて制度の趣旨を伸ばして行きたい、かよう考えます。
  109. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますと、先ほど局長さんからのお話ですと、やはりそういうよう教育委員会法精神を伸ばして行く上において、教育長助役兼任は好ましくないということである。局長さんもあるいは自治庁の方もそういうふうな見解であつたわけです。ところが現在この改正案としての第六条の改正、そうして助役兼任、しかも教育長免許状を有する助役兼任にしましても、とにかくこの兼任をさらに認めていくということは、事実上現在の助役兼任の幅を、どんどん広くして行くということも認められているわけであります。そうすると、ただいまの教育委員会法精神を、もつといろいろな条件を整えることによつて、実現して行くというようなお気持に相反するように思われるのですが、その点どうでしようか。
  110. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 私の承知しておりますところでは、教育長専任資格のある人でそろうということがむろん望ましいのであります。しかし制度の上においては、資格は必要でありますが、必ずしも専任でなければならぬということにはなつていないと承知しておるのであります。そこの所在の小学校の校長さんがその資格を持つておれば、教育長を兼ねられてもいいことになつております。この第六条にありますことは、地方自治法におきまして、助役の性質にかんがみまして、助役が他の常勤の職員を兼ねることができないということで、助役の方から来ておる規定であると思うのであります。ただ今日教育長を得ることが困難な実情にありますので、地方自治法の方の規定をしばらく猶予していただいて、当分助役兼任の道を開いて手伝つてもらいたい、こういう趣旨であります。
  111. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいまのお話では、大臣はどうも教育委員会法精神をよく知つておらないようであります。なぜ助役教育長兼任してはならないか、それが本則でないということは、教育委員会法精神から生まれて来るのであつて、自治法の精神から生まれて来るのではないのであります。要するに教育の運営というものを、市町村長とかそういう外部のものの支配から独立させようというところにその精神がある。しかも、教育長というものは委員会の重要な執行機関であります。その扇のかなめみたいな仕事をする。それが市町村長の補助機関と兼ねるということは、教育委員会法精神からして本則ではない。先ほど来議論して局長さんもそれを認めておられる。そういう点と今の大臣の考えとは非常に矛盾するわけでございまして、むしろ教育委員会法精神を大臣はよく了解しておらないのではないか、認識が足らぬのではないか。従つてこの問題は、便宜的に助役に手伝つてもらうというものではなくて、むしろ市町村長の補助機関である助役が、先生方の人事権に介入する、そういうふうな外部の支配が起る危険性があるから、教育の独立を守るために兼任はいかぬ、そういう精神になつておる。それを認めておる。しからば、なるべくそういうような暫定的な措置をなくして、本筋にもどすということは、これは政府としてやらなければならぬことである。ところが第六条でやりますと、この暫定的なものがだんだん本則の方に食い込んでしまう。むしろ精神を没却してしまう方向に進むのじやないかという大きな危険があるわけです。ですから私たちとしては、こういうような暫定措置を広げるような、逆行するようなことをしないで、たとえば市町村でなぜ専任教育長を置かないか、別の面からその問題を具体的に解決して行く方に進むべきであつて、それを非常に便宜的に考えられることは間違いであると思うのであります。さらに御見解を伺います。
  112. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 教育長資格のある専任の人をそろえる、これがきわめて望ましいことでもあり、また教育委員会仕事の上からいつても、それがいいことであるという点についてはまつたく同感であります。先ほど申し上げましたのは、多少私の言い方が足りなかつたというか、誤解を招いたかと思うのでありますが、教育長委員会規定として他に兼任してはならないというような制限はないのであります。もちろん専任の人が専心これに当ることが望ましいということは問題ないのでありますが、ただ第六条の規定は、地方公共団体の長であるところの町村長とか、副長というか長の代理をする助役といつた人々が、その地方公共団体の議員であるとか、あるいは常勤の職員を兼ねることは、地方公共団体の運営の上からいつてできないという規定がありますので、それに対する例外規定として設けられた、こういう意味を申し上げたのであります。教育長専任の人を得ることに努める、これはきわめて望ましいことであり、また直接法律に触れる触れないは別として、教育委員会の本旨にもかなうものである、こういう点はまつたく同感であります。
  113. 北山愛郎

    ○北山委員 将来のことですが、この地方教育委員会設置当時、関係市町村は猛反対をしたわけです。その理由の一つは、金がかかる、今までの例でいえば、政府はおそらく財政的な措置を十分してくれないだろう、先が心配だからこれにはどうも反対しなければならぬということが大きな理由であつた。われわれの聞いているところでは、そういう心配はさせない、必ず平衡交付金とかそういうことで十分財源措置を講ずるからというのでその反対を押し切つた全国町村会などもそれでのんだはずであります。ところがその後十分の財政措置をしておらない、またいろいろな面からして実際に委員会を設けてみてもどうも実効が上らないし、金はだんだんかかつて来る、ますます市町村長の反対が強くなつて来ている。最近においては、全国町村会の役員会においても、これをもうやめてしまうという決議をしようじやないかということまでいつておる。しかも、この六条の改正にありますように、政府としても本則に反するような暫定措置を、教育長助役兼任ということが好ましくないにもかかわらず、どんどん続けてやらなければならぬ事態になつておる。こういう事態になつて来て、さらに今後改善される道がないとすれば、地方教育委員会というものをやめてしまうことが適当じやないかと思いますが、大臣の御見解を伺います。
  114. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、地方教育委員会というものは、教育の地方分権あるいは教育の民主化というか、地方それぞれの事情に即応して民意によつて運営さるべきものだ、こういう根本の趣旨から立てられておる制度でありますので、これはとにかく実施してまだ間もないことでありますし、経費の上においても人的な整備においても不十分の点があることはよく承知しております。文部省といたしましては、これらの点を漸次解消して、制度の趣旨に沿うような運営に持つて行きたい、かよう考えておるのであります。市町村側におきまして、これに対していろいろ意見のあることも私としては十分承知しておるのでありますが、この第六条の規定にしても、実施当時十分な準備ができないために、とりあえず助役兼任ができるということにして参つた、それを、このたびの規則は助役兼任することを無条件に認めないで、資格のある人だけに限つて兼任を認める、さらに人的な準備が整備されれば、これも当分の間でありますから、進んでこの規定も解消して、全部資格のある専任教育長を置くようにして、これで逐次整備をして参りたい、かよう考えておるのであります。今日まだ準備もできませんものですから、いろいろ批判もあるようでありますが、しかし方向としてはそれで進んで行く。従つて今日、地方教育委員会制度そのものを廃止するという考え方は持つておらぬのであります。
  115. 佐藤親弘

    ○佐藤(親)委員 私は簡単に議事進行に関連して申し上げたいと思います。  昨日われわれは、国民のすべての機関の執行に対して、予算の議決ほど大事なことがないようなときにあたつて、いわゆる野党でないところの、友党ともいうべき改進党と分自党の力を借りて、ようやく予算が通過したよう状態であります。そういうことを考えると、まことにわれわれ自由党の議員ほど馬の足になつている代議士はないのであります。そういうときに、ごとにただいまのように藤田委員から、われわれの政務次官とか大臣に対して、こういう大事な案件が十何件も残つているのだから、ぜひ忠実にこの委員会に出席して、その議事の進行をはからなければいけないというようなことを言われると一私たちは野党であつてどんどんしやべることができるならいいのでありますが、与党なんというものはまつたく馬の足で何もならないようなものでありまして、私はさようなことを言われるたびにまことに残念に——残念といつては非常に済まぬのでありますが、まことに申訳ないと存ずるのであります。どうか政府当局においても、そういう点も十分これから考慮していただいて、各委員会等に——議員はただ月給取りに出て来ているのじやないのであります。私たちは五万、四万という多勢の諸君のかわりにここに出て来ているのであります。とにかく与党だから自由党だから何だからということでなく、言われることについてはお互いに忠実に聞いて、どうか委員長からもそういうように、議事の進行に対しては十分におとりはからい願いたいと思います。これはこの委員会ばかりではなく、どの委員会もみんなそういうふうに忠実になそうということについて、わが中井委員長から、各委員長の相談会でもあつたときに、さようなことをひとつ申入れをなしていただきたいということを御忠言申し上げて、私は関連事項の一端といたしたいと思います。
  116. 中井一夫

    中井委員長 この問題につきましては、委員の皆さんから先般来いろいろな場合に、いろいろな形で御意見が出ておるのでありまして、委員長といたしましてもまことに同感に存じます。そこで、大臣、政務次官におかれましては、何かと公務御多端のこととは存じまするが、何分大切な問題でありますから、大いに御勉強のことは承知はいたしておりますが、さらに一層御勉強に箱なつて、日に日に進んでおりまするこの委員会には、ぜひ御出席に相なるようこの機会に御要求をいたしておきます。
  117. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私は文部大臣にちよつと御意見をお伺いしたいのでありますが、多数の声を聞くのが民主政治であることは、私が申し上げるまでもなくよく御承知のことと存じ上げます。ところがこの教育委員会というものは、さつき左派の先生がおつしやいました通り、各市町村は負担がかかるといつて非常にいやがつてつた。赤字の財政で非常に悩んでおるこの市町村に、また教育委員会ができた。それがためによけいに赤字がかさんで、非常に悩んでおることは大臣はよく御承知のことと思います。これほど多数の国民がこういう制度を置いてもらうのは非常にいやであると言つていることを、なぜなさいますか、それを私はお聞きしたい。これはやめるのが当然です。
  118. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 先ほどから申し上げますように、教育委員会の制度は、とにかく戦後新たに出発したわが教育制度の根本であると思うのであります。でありますから、同じことを申し上げますようでありますが、発足当時において多少いろいろな摩擦のあつたこともよく承知しておるのでありますが、それにもかかわらず、わが国の教育の基本制度として、これを努力して育て上げて行きたい、かよう考えておるのであります。
  119. 大石ヨシエ

    ○大石委員 きのうも大臣は石橋湛山氏の演説を聞かれたでしよう。そのときに米麦を穀物々々と言うている。そういうように非常に頭の古い人ばかりが、この教育委員会に属しておつて、そうして教育委員長になつている。そうすると、その学校の校長さんというものは、教育委員長に常にいろいろなことをしいられる。一つのボスが中へ入つて来て、学校の校長は自分の自由意思を阻害される、これを大臣は御存じでございますか。私は話を聞いていまして、この教育委員会というものは骨董品の集まりであると思う。こういう骨董品はもう日本には無用である。尾崎行雄さんが落選したのも、三重県の多数の民衆が、骨董品は無用であるといつて当選させなかつたのです。これはまるで骨董品の集合所である。そうして赤字財源で悩んでいるのに、またしてもこういうくだらないものを何がゆえに自由党はなさいますか、その点を私は聞きたいと思う。これはやめてください、絶対反対です。
  120. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 多数の教育委員の方方の中には、世間から見て、あるいは非常識であるとか、ボス的であるとか批判のある人も絶無であるとは思いません。私は実際をよく知らないのでありますが、しかし教育委員もただ天くだりで任命されたのではないのでありまして、御承知ようにその地域々々の人々の選挙によつて出た人でありまして、これが全部骨董品であるかどうか、私もよくそこまでは承知いたしておりません。
  121. 大石ヨシエ

    ○大石委員 文部大臣に申し上げます。市町村を合併して大きくしよう大きくしようとしている、これが現代の民主主義です。一つの府県に一つの教育委員会があつたらよいではありませんか。各市町村にこんなものを置いて一体どうなるのですか。赤字財源に悩んでいる市町村に、こんな小さいものを置く必要はないじやありませんか。あなたの頭は古いと思う。こんな骨董品の存在は、現在の民主主義のこの世の中に私はいらぬと思つている。多数の民衆が、これに対して反対しております。民衆の真の声を国会に伝えるのが、私たち政治家の義務です。多数の市町村がこれに反対している。しかも市町村は今まさに合併せんとしている。一つの県に一つの教育委員会があつたらそれでよいと思う。それにまたしても、こういう学校長を弾圧し、いろいろな方面に首をつつ込むようなボスを、何がゆえに自由党の人々は存在さすのですか。こういう骨董品の集合場所である教育委員会制度には絶対に反対します。一つの県に一つあつたらよろしい。大臣はどういうふうにお考えですか。
  122. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 非常に熱心な御意見でありまして、御意見については、とくと拝承いたしますし、またごもつともな点もあると思うのでありますが、教育委員会廃止という問題については、先ほどからしばしば申し上げた通りであります。
  123. 大石ヨシエ

    ○大石委員 ここに「当分」とあるがこれは一体何ですか。ここに法律として表わすならば、何年何月何日までというのが法律です。「当分」というたり、来年でも、再来年でも、四十年先でも当分です。「当分」というたら一体側を意味するか、この「当分」の意味を聞かせてください。
  124. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これはなるほどお説の通り「当分の間」という書き方は、きわめて実際は不明瞭であると思います。しかし、従来「当分の間」というのは、用例と申しますか、法律にはしばしば出て来る文句でございます。ただ、法律が本来趣旨とするところを、そのまま実行に移すことのできない事情のある場合に、「当分の間」という字が使われて来ておると思うのであります。そこで、六条について申し上げますと、これが日を切つて専任資格のある教育長を、いつまでにそろえることができるという点が、人的の方面におきましても、あるいは財政的な面から行きましても、見通しがつけば、日を限つて、それまでの間とするのが、一番明確であるのであります。ただ遺憾ながら、そこまではつきりしておらぬのが実情でありますので、「当分の間」という、従来も用いられておつた用例を踏襲したような次第であります。実際といたしましては、できるだけ早く整備に努めまして、この「当分の間」という字をなくしたいと思つておるのであります。
  125. 門司亮

    ○門司委員 いろいろたくさん聞かれておりますので、これ以上聞く必要はないかと思いますが、ただ大臣より先に事務当局に言つておきたいと思います。事務当局から出されたこの資料を見てみますと、私の持つておる資料より、きよう出された資料の方が新しいのでありますが、数字をずつと洗つてみますると、AとBの関係が同じように五五%になつておる。こういう数字は、はやりもう少し明確に出してもらいたい。資料でありますから、間違いがあつてはならぬと思います。これを数学的に見ますると、私の資料の中にないものは、東京の五三%、それから山梨の三八%、兵庫の五二形、この三つが、私の持つておる資料には欠けておるのであります。ところが、これでもやはり五五%になつておる。きようもらつた三つを入れてもやはり五五%になつておる。ところが実際は、五三%、三八彩、五二%の三つを合せても、五五%にならぬのであります。この数字は明らかに間違つておると思います。せつかく資料を出すのだから、しつかりそろばんを入れて、正しい数字を出してもらいたいと思う。  もう一つ、事務的に聞いておきたいと思いますことは、資料に基いてお聞きいたしますと、御存じのように、事務取扱いというやつかいな無資格者の扱つておりますのが、全然ないのが、大分と茨城であります。それから、そのほかの宮崎、鹿兒島が非常に率が少いようになつておる。これは実情は、大町村制度をとつております府県と、小さい村をそのまま置いておる村との相違が、ここに表われておるということで、私もうなづかれるところでありますが、しかし何と言いましても、数から言うと相当数のところに、こういう全然無資格者のいないところ、こういう六条のような措置をしないでも、兼業兼任で間に合うのではないかと思われるようなところがあるのであります。これらの点につきましては、何か実情をお調べになつたことがございますかどうか、宮崎県のごときは、兼任も置いておらない、兼業も置いておらない。全部専任で済まされておる。そこでこの教育委員会教育長の問題につきましては、全国的に見て、非常にふぞろいなものになつておるのでありますが、こういうことの原因を文部省は、探究されたことがあるかどうか、さらに、これについて指導されたことがあるかどうか、この点をちよつと事務当局からお聞きしておきたいと思います。
  126. 田中義男

    田中(義)政府委員 資料数字の矛盾について御指摘がありましたが、今回出しましたのが、正しい数字でございます。ただパーセントなんかになりますと、つい、小数以下を整理するものですから、勢いそんなふうに大まかになつたかもしれませんので、それはさらに今後注意いたしたいと思います。  それから各府県によつて非常に違う、特に宮崎あたりについては、他府県に比べて、これはうそじやないかというような疑念すら持つ成績なのでございますが、これは大体、この府県当局の指導と申しますか、教育委員会設置に関する熱意が、やはりあずかつて相当力がございまして、その府県の実情等もからみ合つて、かようなことになつておるのであります。これについては、私ども相当の注意を持つて、それぞれの県の実情には関心を払つておるのでございまして、かような各府県との差ができておりますのは、そんなふうな点が相当影響があるものと、私ども承知いたしておるのでございます。
  127. 門司亮

    ○門司委員 きわめて抽象的な御答弁で、私の聞いたことはよくわからぬのでありますが、文部省はこういう実態を、今のような抽象的な、ただ指導が行われておるのであろうというようなことでなく、もう少しこれには原因があるだろうと思う。置かれない原因も私はおのずからあろうと思う。従つて私はもう少しはつきり知りたいと思うのであります。こういう条文を新たに設けなくても、やれるものなら文部省はやつてもらいたい。  もう一つ事務的に伺つておきたいと思いますことは、すでにこのことはことしの三月三十一日で実は立法上の問題からいうと切れておるものと私は考える。そういたしますと、四月から今まで四、五箇月の間は、まつた法律に基かない処置が行われておる。そうして今これを出されようとしておる。従つて法律に基かない処置でよかつたというなら、何も私はこういうやつかいな法律は出さなくてもいいじやないかと思う。こういうことを聞いておりますのは、これも非常に無理なことを言うように聞えますが、そこで大臣にお聞きいたしますのは、実際の問題として現在までこういう取扱いが行われておつたということは、政府自身もやはりこの問題について、多少お考えがあつたのではないか。世論かちいつても、実際の運営からいつても、教育委員会制度が小さな町村まで行くかどうかということは、相当疑問がある。同時に財政的措置がなされておらないということも大きな原因です。それらの点もにらみ合せて、そうして当然政府といたしましては、ほかにこの制度に対する改正案か何か考えられておつたのではないかというようなことが考えられるのであります。そう申し上げますのは、このことは大体二十七年度の予算の中から二十八年度に移ります場合の財政的の考え方財政的の関連はもちろんございますが、このこと自体こいうものは、明白に三月三十一日で切れるのだ、そうして四月から新しい何かの便法を講じなければならないのだということは、わかつてつたと思う。この間私はどうしても了解に苦しむのであります。わかり切つたことを今ごろどうして処置されるかということです。従つて文部省としては、この制度に対して何らかの改正案をお考えになつてつたのではないかというような気がするのでありますが、こういうことが実際あつたかなかつたかということを、大臣に一応お聞きしておきたいと思います。
  128. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 この制度というのは委員会制度でございますか。
  129. 門司亮

    ○門司委員 そうです。
  130. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 私は以前のことは存じませんが、少くとも私は、前の大臣から引継ぎを受けました点、並びにその後事務当局の方から報告を受けておる限りにおきましては、さようなことがあつたとは聞いておりません。承知しておりません。
  131. 門司亮

    ○門司委員 そういたしますと、この不成立予算といいますか、予算は成立いたしませんでしたが、自治法の改正は、少くともこの前の国会でも私はやり得たと思います。従つてこの前の国会でもこういう問題は次善の策を当然こり得たと私は思いますが、これが今日までなおざりになつてつた。そして、実際上は立法的に何ら効果のない、権限のない人が教育長の職務についておるのを、そのまま見のがしておる。そしてこの法律を合理化しようとすることだけでありまして、このごまかしによりまして——私がさつき申しましたように、どう考えても時期々々といいますか、文部省としてはこの制度に刑して廃止するか、あるいはもつと大きな改正案を出すかというよう考え方があつたのじやないかと私は考えますが、もしそういう考え方があつたなら、私はむしろこういう法案をお出されるよりも、さつきから議論になつておりますように、教育委員会法自体の大きな修正案を出した方が、ここで糊塗するよりも筋が通ると思う。この趣旨はそれとは違うのである。今まで助役兼任することができなかつたので、助役兼任するように自治法で一年延ばすのだ、当分の間延ばすのだから、従つて自治法に関係した法律だから、これを出すのだというお考えだと思いますが、これと並行して私はやはり教育委員会制度の方に、何らかの処置がなされることが当然であり、また文部省としては当然考えていなければならぬと思いますが、これについて大臣のお考えをひとつお聞きしたいと思います。
  132. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 ただいま申し上げますように、教育委員会制度の改正のかわりといいますか、あるいは一端として自治法改正法律案が出たものとは私は承知いたしておりません。ただお話のありました通り助役兼任し得る期間というものは、今年の三月三十一日までと承知しております。従つてその後におきましては法律規定する通りであれば、専任ということでなくても、少くとも資格のある人が教育長の職に充てられていなければならなかつたはずであります。それが実情におきまして御承知ようにそういう人が得られないという点もありましようし、あるいはまた予算の都合もあつたかと思いますが、実際には依然として助役が兼併しておるものが相当多かつた。これは正確にいえば法律に認めない兼任があつた、こういうことは率直に私は認めざるを得ないと思うのであります。そこで今回の改正案はその事実をある程度認めて、そうして教育長はやはり資格のある人をもつて充てなければならぬ、こういう点も考えまして、それでこの「当分の間」云々という第六条の改正が出て来たのであります。これは助役について規定しておるのでありますから、助役以外におきまして資格のある人がこれに当り、あるいは学校長資格のある人が兼任をする、これはむろんさしつかえないのであります。これは助役に関する自治法の規定をこの点だけ修正する意味において、助役に関する限りの法案を提出したのであります。その点はさように御了承をいただきたいと思います。これがなるほど実際の上から見ると、三月三十一日以後においては、はなはだ法の趣旨に沿わない実情であつた。これを少しでも趣旨に沿うように直して行きたい、こういう意味であります。
  133. 門司亮

    ○門司委員 私の聞いておりますのと、大臣の答弁は少し違つておるのであります。私は今大臣の答弁されたことはよく承知いたしておるのであります。この法律はそのことのために出ておるのである。しかしこういう法律を出すのには、先ほどから申し上げておりますように、すでに三月三十一日でこれが切れることは前からわかつておる。従つて処置をしようとすれば、やはり三月三十一日以前に処置をしておかなければ——あとで自治庁に必要があれば聞きますが、「体こういう事務助役が取扱つてつた場合に、明らかに自治法に対する違反だと思います。助役兼任を禁ぜられておりますので、これらの処置を自治庁はどうするつもりであつたのか、それを今ここで聞くわけじやないが、そういうことも考えられる。従つてそういうことを考えて参りますと、当然そういう事態が来るということはわかつてつて、それに対する処置をしなかつたということは、先ほどからくどく申し上げておりますように、何かそれに対する考がなかつたかということと、それに対する考え方がなかつたとするなら、——この法律を出されまして、「当分の間」とここに書いてございますが、それならつつ込んでお尋ねいたしたいのですが、今までの大臣の答弁を聞いておりますと、教育委員会制度をおやめになる意思もないようであります。従つてこれを「当分の間」とはいつておりますが、完全に充足することのためには、私は大臣がお考えになつておるように簡単には行かないと思う。四千何百という多くの資格のない人がありますし、それから町村に参りましては、大臣も御承知だと思いまするが、小さな町村ではたとえ校長の五箇年の経験のある者であるとか、あるいは教育事務に五箇年以上携つた者であるとかいうような、たとい教育長資格をそこまで緩和された資格条件を持つ者も私はきわめて少いと思います。小さな村で学校が一つしかないところに校長が一人おつて教育長兼任するわけに参らぬと思う。そういうことになつて参りますと、人員の補充はきわめて困難である。従つて人員の補充に対して文部省はつきりした見通しがついておりますか。並びに財政の問題について、自治庁ははつきりした見通しがついておりますか。この二つをはつきりここで聞かしていただければ、私了解することができるのであります。従つて文部省としては「当分の間」とは書いてあるが、大体いつごろになれば五千人あるいは四千数百人の資格のある人、たといこれが兼任でありましようとも、一応資格のある人が新しく就任し得る見通しがついておるかどうか、この点見通しだけでよろしゆうございますが、お聞かせ願えれば幸いだと思います。
  134. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 先ほど申し上げましたように、私の承知しております限りでは、従来文部省においてこの教育委員会の制度を廃止する、もしくは根本的に改正する、そういう意図はなかつた思つております。  それから今の教育長の問題、これは実際の問題でありますから、なかなかはつきりしたことは申し上げることができないと思うのでありますが、とにかく建前としては本年の三月三十一日までの間は、実施直後の実情に即応するために助役兼任を認める、その後におきましてはとにかく資格のある人を充てる、実際はなかなか資格のある人は、御指摘の通り市町村においてそれぞれこれを得るということは、なかなか困難であります。そこで助役の中にもし資格のある人があればそれもひとつ当分手伝つてもらう、こういうふうなだけのことであります。そして見通しにつきましては、これは本年に入りましてから、文部省といたしましては多少速成のきみもありますけれども、とにかく、鋭意養成をしております。また今後におきましても養成する計画を立てておりますので、できるだけ早くこれを充足して行きたい、こういう方向に進んでおるのであります。ただ何月何日までに、これがきちんと整理されるという点は先ほども申し上げましたように、日を切つていつまでということは、事実上まだそこまでは見通しがしつかり立つていない、従つて当分の間というようなあいまいな字句を使つておる、こういうことであります。
  135. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ私はつつ込んで聞いておきたいと思いますが、文部省計画から見ますと、これを充足することのために助役その他の関係を別にいたしましても、大体十四年かかる予定であります。ここに数字が書いてありますように、三百人ないし、二百六十人養成する場合、三百三十人に仮定して割つてみますと、大体十四年かかつても終らぬのであります。こういうことが書いてある。かりにこういうふうに速成して養成して行きましても十四年かかるわけであります。そうするとこれを速成して養成して行かないで、そういう人を雇つて行くということになりますと、先ほど申し上げましたように自治庁ではこの財源を何とかしなければならぬ、いわゆる教育長資格のある人を——養成する人を別にして、急速にこれを補充しようとすれば、財源措置が必要である。従つて自治庁も文部省も両方関係がありますが、これを補充しようとすれば財源の補充をしなければならぬ。このままで行けば十四年かかる。一体急速にこれを補充した場合に、財源を十分に穫得する見通しがつきますか。財源関係をひとつはつきりしていただきたい。
  136. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 なかなかむずかしいことでありますが、ただいま養成しておるということを申し上げましたのは要するに補充でありまして、むろん従来とても資格のある人は多数あるのであります。これが足りない、もしくはそれぞれの地方でこれを得ることがむずかしいという関係で、補充する意味で鋭意養成をしておるのであります。お手元にまわつておると思いますが、事務当局の調べております資料によれば、ことしの一月から三月の間におきましても、教育長講習相当数の人間を養成しておるのであります。今後ともそれを続けて行きたい。それから財源の問題でありますが、これは自治庁のことになるかもしれませんが、教育長俸給その他の経費として、特に平衡交付金に見積つてあるというわけでないのは御承知通りであります。ただ地教委の制度が新たに実施せられましたに伴いまして、平衡交付金のうちに相当の金額が盛つてあることは御承知通り。これは従来とても市町村におきまして学事といいますか、教育の方面に備品費にしましても、事務費にしましても、相当の経費を負担しておりますから、それにプラスして二十五億円というものが、平衡交付金に盛られておるのであります。とれを教育長の分が何ぼとひもをつけるということはできませんから、それを教育長にまわさなければ、いつまでたつても予算措置はできないということになります。さようにひとつ御了承いただきたい。
  137. 青木正

    ○青木(正)政府委員 お答え申します前に、一言おわびを申し上げ、御了承を得たいと思います。委員の皆さん非常に御勉強をなさつておられますのに、私欠席しておりましたことを申訳なく存じます。ただありていに申し上げますと、九州の災害の経験によりまして、利根川が非常に弱いということで、きよう一部五県の関係の者と建設省と集まりまして、利根川の応急工事の問題を討議するということで、私そちらの方に参つておりましたので、せつかく皆さん御勉強のところ欠席いたましたことを、まことに申訳なくおわび申し上げます。  それでただいまの門司さんのお話でありますが、自治庁といたしましては、教育委員会設置に伴う地方公共団体の負担につきましては当然に考慮しなければならぬことはよく存じております。ただしかし現在の段階におきまして、現状に即して二十八年度の予算を計上いたしておりますので、今後文部省の方の計画が進みまして教育長等が充足されますれば、それに対応して当然それに必要な財源措置は講じなければならぬと考えております。
  138. 滝井義高

    滝井委員 大臣にお尋ねいたしますが、助役がもし教育長の職を兼ねた場合に、教育委員会法規定をしておるよう教育長の職務を、完全に遂行することができるとお考えになるか。
  139. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これは程度問題であるかもしれませんが、私は教育長としての仕事は必ずしも支障はない、かよう考えております。
  140. 滝井義高

    滝井委員 さしつかえがないということでございますが、しからば現在市町村におきましては、教育委員会市町村長の側との間に、教育予算についていろいろ問題が多いのでございます。たとえば議会に対立予算を出すというような問題がたえず起つておるのであります。そういう問題が起つておるときに、助役というものが大事な教育の意向を代表して当然議会に臨まなければならない。一方助役市町村における予算編成の枢機に参与する、むしろこれはかなめのごときものであります。一方また教育委員会においても教育長は有力な助言者であります。こういうお互いが相衝突するような場面というものが、現実の地方行政の上においては至るところに起つておりますが、それらの問題は助役が兼ねた場合にどうなるか。教育の立場と、予算編成権を握つておる市町村の側との立場の調整はどうやるのか、このことについてのお考えを伺いたい。
  141. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これは御指摘の通り一利一害が伴うかと思います。さよう意味助役という町村長の代理をするような総括的な地位におる人が、常勤の職員を兼ねることは禁止されておると思います。そこでなるほど助役教育委員会の要求と、町村側からの実情との間に板ばさみになるという場合も、実際上は起つて来るのではないかと思うのであります。しかしまた一面におきましては両方の間に立つて、この関係を円滑に調整して行くというような役割も果し得るかと思うのでありまして、これは実際の実情によつて利益のある場合も考えられるし、また困つた事態が起る場合も考えられるかと思うのでありまして、一概には言えない。いずれにいたしましても、本来の趣旨からいつて助役兼任をさせないようにすることが必要であると思いますが、実際これをやつた場合にどういう弊害が起り、どういう点で利益になるかということは、一概に言えないと思います。
  142. 滝井義高

    滝井委員 問題は主体がどこにあるかということが、やはり論点の中心でなければならぬと思います。助役はあくまでも市町村助役が中心なのでございます。教育委員会教育長を兼ねるということはあくまでも兼任でございます。そうしますとやはり人間というものは感情が動くものでございますから、二つの対立予算が出た場合に、自分の本来の精神がたとい教育にあつたとしても、人間はやはり自分のポストがかわいい。従つて市町村長なりの言う方針に向つて助役教育委員会の主張を押えるという立場に出ることの方が多いということは、まあ常識的な考えにならざるを得ない。そうしますと、教育というものは、何ものにも圧迫されてはいけないという教育委員会法第一条の精神にまつたく反する形が、全国に何千と出て来る可能性があるというところに問題があると思う。この点大臣どうお考えになりますか。
  143. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これは兼任をしておる助役自身の行政的手腕と申しますか、それからその人の考え方というか、そういうことに基因することでありますから、私は一概には申されないと思います。そこで三月三十一日を限りといたしまして、助役でも資格のある人でなければ、兼任することはできないことになりまして、資格があるということは、やはり教育の面から見ても適任者である。従つて教育については理解の深い人である、こういうことが前提になるのでありまして、御指摘の通り、これが兼任でなくて充足されれば、これは一番いいのであります。ただ実情やむを得ずとして、かよう法律案が提出せられておるのでありまして、その利害といいますか、実際これを施行した結果、はたしてお言葉通り非常に教育が圧迫されるかという点は、これは実際の問題として簡単に見通しができないのじやないかと思うのであります。  次に、ついででありますが、教育が不当の支配に屈せず行われる、これはまことにその通りでなければならぬのでありますが、これは教育そのものについての規定であると私は思つております。これが財政の面から、いろいろな点から、制肘を受けるということは、これは広く教育というものが国の行政であり、地方の重大な事柄である限り、また非常に大きな経費が伴う限り、そういう面から制肘を受ける、制約を受けることは、これはやむを得ないことでありまして、国の場合においても同様であります。これは教育そのものがいわゆる不当の支配に屈するのだということには当らないのじやないか、こう思つております。
  144. 滝井義高

    滝井委員 実は現実にそういうことが起つておるのでございます。たとえば現実に、今も陳情を受けましたが、災害の県へ政府から融資を出しておる。そうしますと、県知事というものは教育の方には金を持つて行かない。農業とか土木の方には持つて行くけれども教育には持つて行かない、これが現実なんだ。問題はここにあるわけであります。そうしますと今申しますように、これらの助役がしからばそういうものをとつて行けるかと申しますと、助役も自分の身がかわいいから、自分の主にしておるポストに対して忠実であつて兼任教育については忠実でない。現実の問題としてそういうことが起つておるから私はそう言うわけだ。大臣は現実にはそういうことはないとおつしやるけれども現実にはよくあるわけだ。すでに災害が起つておる。学校が倒れておる、あるいは農地が流れ、あるいは道路がこわれた。そうすると、現在教育委員会と府県、市町村と別になつておるのですから、財政権を握つておるところの知事あるいは市町村長に金が行けば、その金というものはひもつきでないのですから、別個になつておる教育委員会というものをまま子扱いにして、教育長は東京に上つて来て、われわれに金を何とかしてくれというのが現実ですよ。これは文部大臣御存じあるかどうか知らぬが、これが現実です。あなたの主管の教育長自身が、現実に災害が起つて金がまわつて来ているけれども、もらえぬというのが現実なんだ。だからそういう点から考えても、これは現実の問題として神妙に考えなければ、不当の支配によつて教育が圧迫されないとは言えない。現実にそういう事態が起つておる。そういう点について大臣は御存じかどうかお伺いしたい。
  145. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これはどうも予算をそれぞれの方面で思うようにもらいたい、ところがさいふを握つておる方ではなかなかそうは行かない。これは至るところに行政の面においては当然起ることでありまして、一家の経済におきましてもどういう場合におきましても、これは起るのであります。そこで問題は教育長助役がかねた場合に、さらにそういうことを激成するか、あるいは逆に教育に対する助役の理解が深まつて教育についての予算とか何とか、そういうものについて理解ある態度を町村がとるようになるか、こういう問題であろうと思うのであります。現実、たとえば北九州の災害につきまして、つなぎ融資をぜひ教育関係にまわしてもらいたいというような熱烈な陳情があります。私実は先ほどその陳情を聞いておつたのでありますが、それはむろんそういうことはあろうと思いますが、今申し上げますように、この助役兼任することによつて、ますます教育費というものが圧迫されるという場合も、これは想像できると思います。逆に非常に理解があつて、ぐあいがいいということもあり得ると思うのであります。とにかく助役兼任するということは、これがいいんだと積極的には言えないのであります。実情に即応して暫定的にやむを得ざる立法措置と、かように御承知を願いたいと思います。
  146. 滝井義高

    滝井委員 一応助役兼任するというところで百歩譲りまして、しからば現実において助役で有資格者をやらせる。大臣はそれ以外の者は今後絶対にやらさないようにする方針なのかどうか。
  147. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 この法律が国会を通過して成立いたしますれば、もちろん法律規定がそうなつておるのでありますから、その以外のものをやらせるということはできません。
  148. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、教育委員会法における資格のある教育長、それから資格のある助役がかねる、こういう者以外は認めない、こういうことで了解してさしつかえございませんか。
  149. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 この法律が成立したらば、その通りであります。
  150. 滝井義高

    滝井委員 しからば現在資格のない事務取扱い四千二百七人というものがありますが、この法律が通過した場合には、これをどういうふうにして充足いたしますか。
  151. 田中義男

    田中(義)政府委員 私から申し上げますが、この事務取扱いの問題は無資格者でございますから、結局望ましからざる状態になり、極端に言えば違法状態にはなります。しかしそれでは事務取扱いというものはこれをただちに絶対に拒否するかと申しますと、その点につきましてはやはり漸次充足して行くということ以外には、実際問題としてはないだろうと思います。
  152. 滝井義高

    滝井委員 今まで委員長もお聞きの通り、大臣は教育委員会法における有資格者教育長、それから助役で免状を持つておる人以外には、この法律が通れば認めない、こういうことである。ところが局長の方は四千二百七人の無資格者は暫時認めて、補充して行く、こういうふうになつておるのですが、これは答弁をもう少しはつきり調整してもらつて、そういうものを……。
  153. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 私が先ほど申し上げたのは、この法律が成立した場合の法律上の建前は、まさにその通りであります。こういうことを申し上げたのでありまして、ただ実情は、規則と実際が伴わぬものですから、現にことしの三月三十一日から今日までの間において、法律趣旨からいつて、どうも違つたような事実があるのであります。結局そこは実際と法律との間が非常に食い違つて来て、非常に困つた問題でありまして、これはとにかく早くなくすることにいたしたい。本来、形式的に申し上げますると、教育長は欠員ということになるかもしれない、ただ下の事務を扱うスタツフだけになつて、欠員ということに、表面を糊塗すればなるでありましようが、これはどうも実際と制度とがなかなかマツチしないところから起る現象でありましてこれはまことに遺憾なことでありますが、どうぞさように御了承願いたいと思います。
  154. 滝井義高

    滝井委員 しからば四千二百七人の年次補充計画、これははつきり数がきまつておるのですから、これは当分の間——私大分譲つて来たのですが、これの見通しは立たぬとは言えなかろうと思います。この四千二百七人の年次補充計画ぐらいは、これは立ててもらわなければならぬと思いますが、これはどの程度で充足しますか。
  155. 田中義男

    田中(義)政府委員 ただいまもお話が出ておりますように、文部省としては法律上申しますなら、事務取扱いは違法である、それでそういうことのないように、現実人事を処置してもらうのが教育委員会でございまして、私どもとしてはそれを認める、認めないということは実は言えない立場にございます。ただ実際問題としては、教育委員会でどうにも都合がつかないというので、さようなことをやつておられるのを実は困る困ると言いながら見ておるのが実際です。その充足計画をとおつしやいますと、これは先ほど来申し上げるよう資格者としては数万おります。のみならずそのうちから先ほど申しましたように今後もいたしますし、教育委員会人事補充についていは、不自由をかけないように実は努力いたしておるのでございまして、その点で御了承をいただきたいと思います。
  156. 滝井義高

    滝井委員 最初からこういう事務取扱いようなものがあるところは、おそらく非常に辺鄙なところが多いだろうと思れますし、なかなか財政上の負担その他にもたえられないと思うのでございます。そういたしますと現在の教育委員会はどこもみなつくらなければならないことになつておる、これはやはり法律をつくつたら法治国家ですから、法律通りにやらなければ無政府と同じです。今皆さんの御意見、あるいは大臣の御答弁等から伺うと、この法律が大体非常に無理があるということは、これは大臣もお認めになりますね。
  157. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 この法律と申しますか、一定の資格をきめる、それが実情と少し離れて、行き過ぎと言つては語弊がありますが、いわば理想のような杉になつておる。そこに無理があるここは、これはどうも率直に認めざるを舟ないのであります。なるほどこれは先ほどお話がありましたよう田中局長実情を非常に正直に言うものでありますから、実情その通りのことなのであります。それでこれは規則ができますれば、教育委員会の方では教育長資格のない人を選任し、また助役でのる資格のない人間に兼任させるということはできないのであります。従つてこれは法律違反ということになります。私どもの方からいえば、そういうことはけしからぬから、法律規定通りにやれ、こういう指導をして行きたいのでありますが、実情が、いわば法律の方が理想を掲げた形になつて、実際得られぬものを、それをしないのが悪いといつてしかるわけにも行かないのであります。従つて文部省といたしましては、こういう法律を出します以上は一生懸命で養成をして、できれば世話もする、こういうことで早く実際が法律の期待する通りにそこまで追いついて来る、こういう方向で努力いたしたい。かよう考えております。従つてこの当分の間ということは、決して二十年も三十年も先というような無責任な気持はちつともないのでありまして、できるだけ短期間にそれがなくなるようにしたい。こういうふうに思つております。
  158. 滝井義高

    滝井委員 今の御答弁よう法律は理想であつて現実はなかなかその法律に沿つていない。沿つていない現実というものは市町村の現在の財政が、この法律にマッチしない程度に貧弱であるということに帰着する、こう考えられます。従つて現在の日本の財政状態から考えて、この法律の理想とマッチする程度に、現実を引上げるためには、相当程度国の財政支出、財政的な援助というものを、貧弱なる市町村に与えなければ、この法律にマッチするような形の教育長というものは、できて来ないと私は思う。そういたしますと、これは結論的になるのですが、教育委員会というものを必置の機関でなく、過渡的な制度として任意設置のものとするという方法にした方がよいのではないかということも、一つの案として考えられるのですが、大臣はそれに対してどう考えられるか。これをもつて私の最後の質問といたしたいと思います。
  159. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 過渡的に教育委員会が整備されていない実情である。従つてこれに対しては鋭意整備充実することに努めたい。過渡的な満足な状態であるから、ねつから教育委員会というものをやめてしまうということまでは考えておらぬのであります。
  160. 横路節雄

    横路委員 大臣にお尋ねいたしますが、当分の間ということなんです。この問題は実際文部省は昨年の十一月一日から教育委員会発足の当時、たしか岡野文部大臣は三十九億要求したわけです。これは全国市町村に全部教育長を置いて年間九十三億、ところがたしか十億八千九百万かに査定された。今年はたしか十四億幾らかにふえたわけです。合計二十五億ちよつと、ところがその十億八千九百万円を五分の十二ということで、昨年は五箇月分で、今年一年分にすると、教育委員会の費用は何にもふえていない。文部大臣、平衡交付金の中に算定した費用は実は一銭もふえていないのです。そうすると実際こういう具体的な数字からいつて——大臣は、今度大臣におなりになれたのですから、これからあとの責任がある。初等中等教育局長もおかしいと思う。去年から一銭もふえていない。大臣よくお考えいただきたいのは、専任教育長はいないのではない、いるのです。これは先ほど大臣がおられない間に局長が答えられたが、現に有資格者が五万四千四十九人いる。この中から約十分の一以下の大体四千五百人程度はなるだろう、大体あと四千五百人くらいあればいいだろうというので、今年の一月から三月まで二十七年度の予算で、四千五百四十九人教育長講習養成したから、あり余つている。ところが自治庁の方から頭から半分はいらぬぞと押さえられているからいけないのだ。ですから大臣がおつしやるように当分の間ということは、ほんとうに十年先、二十年先でないということになれば、昭和二十七年度の発足のときよりは、二十八年度に、とにかく何ぼか頭を出して来なければ、これは率直なところ何ぼ局長が正直者であつても、政治力がないと言われてもしようがない。この点を一つ大臣に伺いたいが、これはほんとうに非常に重要なことなんです。  もう一つは滝井君が言われました点で、非常に問題があると思うのは、大臣も御承知よう市町村教育委員会が五人で委員会をつくつている場合に、一人はいわゆる市町村会議員で兼任している。その兼任している者の任務は、いわゆる当初予算の教育予算作成にあたつて、地方公共団体の長との調整をとるために入つているわけであります。そのためにわざわざ市町村会議員が兼任されている。それは市町村の地方公共団体の長との間のあつせん調停のためだ。ところが教育長もまたその地方公共団体の長の下にいる補佐する助役がやるということは、二重にこの教育委員会が独自の考えで立てられた案に対して、滝井君の話でないけれども、やはり不当に干渉されるおそれがある。原則としては、遂に助役兼任できないということをうたうのが原則だと思う。そうでなければ市町村会議員で委員を兼任させるというあの制度がおかしくなるのです。これは確かに矛盾だと思うので、本来から言えば附則第六条のところには、この助役については教育長を兼ねることができない。これはこういうふうに政府の方で出されるのが、市町村教育委員会教育委員の一人をわざわざ議員の兼任にしたという関係からいつて当然だと思う。あとは藤田さんも御意見があるようですから、この二つの点を大臣に伺いたい、予算は一銭も獲得してありませんから、これだけはつきりと申し上げておきます。
  161. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 ただいまのお話はまことにごもつともであります。今後せいぜいこの予算をいただくように努力したいと思います。  それから今の助役兼任の問題でありますが、これはなるほどお話通りに、市町村会議員が一人入つているのであります。この趣旨は今横路君が仰せられた通り趣旨だろうと思います。そこで助役兼任させるということは、ただ兼任させた場合実際の影響がどうかという点について申し上げたので、この法律趣旨市町村団体の側と教育委員の方との連絡、理解を深めるという意味助役兼任をここで認めたのではないのであります。これは法文に明らかである通り助役を一時借用する、(笑声)こういうことであります。そこで従来の助役というものは、教育委員会法が実施されてない以前においては、事実上町村側における教育事務、学事に関するいろいろな経理の事務、これは助役が総括して、いわば教育長の職務の一半をやつてつたのでありますから、その関係で施行された当時に暫定的に助役兼任を認めた、それをさらにもう少し継続せざるを得ない実情である。ただいつまでも同じことで、資格も何もないものを兼任させるのはおもしろくないから、資格のあるものに限つて暫定的に当分の間兼任を認める、こういう趣旨でありまして、これを連絡のためとかいうつもりはないのであります。
  162. 横路節雄

    横路委員 私は文部大臣にお尋ねしたいのですが、一番問題になつている専任教育長財政的な措置その他の問題と関連して、改進党の方の修正で、きのう通りました修正案の平衡交付金の五十億、あれをまるまる文部大臣は——市町村の義務教育費の不当な切下げに対する充当またきのうお話のありました公立学校、高等学校の方に、自治庁の方でまるまる五十億ひもつきでおとりになることができれば、私は今御苦労なさつている教育委員会法専任教育長の問題も、大分緩和されると思います。いずれこの問題は地方財政平衡交付金が問題になつたときに、重ねて大臣にお尋ねいたしますが、今御決意のほどだけを承つて私終りにします。
  163. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これをまるまる教育費の方にひもつきでまわしてもらうということは、言うまでもなく非常に望ましいことに違いありませんが、さようなことになるかどうか、今のところ自信はあまりありません。ただ特に当委員会においてはよく御承知通り、地方団体が財政の上で非常に困つて年々赤字を出している、その実際の原因が教育費に非常に関係していることは、明らかな事実であるのでありますから、せつかく五十億増していただけたとすれば、それは相当部分が教育費にまわされるということを、期待している次第であります。
  164. 藤田義光

    ○藤田委員 私最後の質問でありますか、大正五年に内務省に入られて約三丁年間、地方行政を体験されております文部大臣であるから、特にお伺いしたいのでありますが、二年前に地方教団委員会のできるとき、これは自由党が発案して可決したのでございますが、そのころ全然浪人されておりました文部大臣が現在就任されまして、この制度を実際存続させるという必要を認めておられますかどうか。私は地方財政の面だけでなくして、実際教育の能率化合理化その他の面からして、この制度がはたして有益であるかどうかに非常な疑問を持つております。従いましてわれわれとしましては、これをとりあえず任意設置の方に持つて行つたらどうかというような案を考えているのでありますが、この際大臣の率直なお気持を簡単でけつこうですがお伺いしておきたい。
  165. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 これは地方教育委員もやめる、それから昔のように学務部長を中心にしたことにすれば、一番直截簡明なことでありますが、しかし新らしい教育制度が新らしい旗印しと理想を掲げて出発した以上は、安易な道につくことは許されないのでありまして、施行すればたとえば六三制にしましても、非常な施行に伴う混乱も起り、困難も非常に多い、これを克服して新らしい教育制度を確立することに進めて行かなければならぬ、こういうふうに思つております。
  166. 藤田義光

    ○藤田委員 各種行政委員会の整備ということは、吉田内閣が従来掲げている重要政策の一つであります。その観点からいたしましても、私はこの委員会の制度が、新らしい民主的な教育制度に必要不可欠な組織ではないというふうに考えております。もちろん財政的な観点からだけ制度の美点を没却するような暴論を吐くことは危険でありますが、この際数日中に全国町村長大会を開き、民意を反映して、この制度を排斥したいというようなことを強力に表明するようでありますが、地方自治の体験をされました大達さんが、文部大臣時代に私はこの問題を本質的に解決してもらいたい。政党の面子その他によつて、こういう重大問題について、中途半端な態度を続けて行くということは、国家的に非常な損失じやないか。簡明率直な結論を、この際出してもいいのではないか。つまりこの制度に関しましては、私は県単位の教育委員会をもう少し強化しまして、むしろ市町村のこういう制度は整理していいのじやないかと、考えている一人でありますが、文部大臣という立場から、実際法律が施行されている段階において、将来廃止したいという明確な答弁はできないと思いますが、これをあくまで強化する方向に行かれるのか、あるいはこの制度を財政的その他運営上の欠陥がたくさんあるから、将来再検討したいというような、お気持であるのか。文部大臣に就任されましたときは、この地教委を強化したいというような談話があつたように記憶しておりますが、その点もう一回お尋ねしまして、私の質問を終ります。
  167. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 各種の行政委員会につきましては、それぞれやめるか残すか、これはそれぞれの委員会について検討せらるべきものと思います。そこで地教委につきましては、まだ発足して間もないことでありますから、今わずかな時日だけでもつて、しかもこれに対する予算の措置その他準備もふぞろいである、従つて非常に不完全な点がたくさんあるのでありますから、わずかの間でその功罪を論じて、これを動かすという結論を出すことは、私は早過ぎると思うのであります。ただ今後この制度が、どういうふうに実際に動いて行くかということにつきましては、種々周到な注意をして検討して参りたい。ただいまのところでは、これを廃止する気持はない、こういうわけであります。のみならず今日私は、この地教委に非常に期待している面もあるのであります。と申しますのは、ある県なら県に行きまして、各市町村にわたつて、たくさんの教職員教育に従事している、その服務の状態その他の点は、地教委とか、あるいはそれにかわるそれぞれの市町村における教育に関する機構が確立しなければ、これをよく周到に見て、これを指導するという機構がなくなると思うのであります。現在はこれを地教委に期待する以外にないのであります。私はその意味におきまして、地教委の健全なる発達をはかつて、そうしてこの地教委の進展によつてわが国の初中、いわゆる義務教育というものが、一日も早く健全な軌道に乗るようにして参りたい、こういう実は期待をつないでいるのであります。これがはたして私の希望通り、期待通りに行きますかどうか、これは今後の問題でありますが、それらの問題ともにらみ合せて、地教委の問題については、やめるか残すか残すかということをきめて参りたい、かよう考えます。
  168. 中井一夫

    中井委員長 次に床次委員の御質問が終りましたら、これで本日は散会いたしたいと思います。ただ参議院に今現に問題となつております町村合併等の問題、実に重大なる法案であります。また大きなものであります。そういうことについての取扱い方につき、特に御相談をいたしたいと思います。それゆえ理事の方におかれましては、特にぜひお残りをいただいて、一応の御意見だけは決定を願いたい、かよう考えております。大体予算も昨日済んだのでありますから、これから後は少し勉強をしたいと思います。皆さん今まで非常な御勉強ですが、政府当局におきましても一層勉強することと思います。どうかそのおつもりでお願いいたします。
  169. 床次徳二

    ○床次委員 おそくなりましてからはなはだ恐縮でありますが、ただいま藤田委員に対して大臣から御答弁がありましたが、地方教育委員会の発展は、今日問題になつておりますきわめて重要な問題でありまするから、容易にその将来は断じがたいのでありますが、しかしながら、私どもが見まして、根本的な一つの大きな疑念を呼びかけておりますものは、過般政府が提案せられました義務教育費国庫負担法、あるいは学校職員に対する特別の法令の件でありまして、政府が前国会に提案されましたあの法案を、そのまま提案されるというようなお考えがありまするならば、これは六・三制その他の教育制度が確立しておりましても、地方教育委員会に対しては、重大な影響があると思つております。私どもはあのときの法案に対しましては、相当の修正を要するものと考えておるのでありまして、従つて地方教育委員会に対しましても、別途な態度を持つてつたわけでありまするが、政府が引続いてこの前の国会に出しましたような法案を、今後においてもなお考慮しておられるならば、その前提のもとに地方教育委員会考えたいと思うわけであります。一般にもそういうよう考え相当あるようにも思います。そういうために、せつかく発展を期待されておりながら、この教育委員会が発展し得ない、伸び方がおそいということも、私は考慮しなければいけないと思うのであります。この点に関しまして、大臣ははたしていかなるふうにお考えになつておるか、どういう方向に義務教育費国庫負担法あるいは教員身分法と申しますか、職員法をお考えになつておられるか、その点をこの機会に伺つておきたいと思います。
  170. 大達茂雄

    ○大達国務大臣 義務教育職員法につきましては、今回の国会にはまだ提案しておらぬのであります。また今後におきましても、ただいままでのところでは、これを今期国会に提案するところまで考えをきめておりません。但しこれをそのままやめてしまつたというわけじやないのでありまして、これにつきましては、重大な点も含んでおりますので、十分検討を重ねた五で結論に達したい。結論に達しますれば、今期国会においても提案するようなことになるかもしれぬし、そうでないかもしれない、目下検討中であります。そうしてその場合において、ただいま床次君の言われましたように、地教委についての期待につないで行きたい。
  171. 中井一夫

    中井委員長 次会は公報をもつて通知することとし、本日はこれをもつて散会いたします。     午後五時二十五分散会