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1953-07-14 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十四日(火曜日)     午後二時四十二分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君       生田 宏一君    河原田稼吉君       佐藤 親弘君    山本 友一君       吉田 重延君    橋本 清吉君       北山 愛郎君    滝井 義高君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       大矢 省三君  委員外出席者         国家地方警察本         部警視長         (総務部長)  柴田 達夫君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 七月十三日  委員鈴木幹雄辞任につき、その補欠として三  浦一雄君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員荒舩清十郎君、山中日露史君及び山村新治  郎君辞任につき、その補欠として三浦寅之助君、  西村力弥君及び松永東君が議長指名委員に  選任された。 同日  西村力弥君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  町村警察維持に関する責任転移の時期の特例  に関する法律案加藤精三君提出、衆法第三一  号)     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより開会をいたします。  この際お諮りをいたします。前国会に皆さんに御報告をいたしておきました法務委員会刑事訴訟法改正案が付託せられ、この問題には警察捜査権と検察庁の捜査権とが相錯綜し、相対立するというおそれのある問題が含まれております。それゆえ当委員会から法務委員会に対し、連合審査を要求してはどうかという御意見委員のうちにはおありになるのでありまして、本委員会態度をどう決定するかにつき、お諮りをいたしておいたようなわけであります。そのお諮りをいたしました結果、これは法務委員会連合審査をするということに決議をされたのであります。ただそれにつき法務委員会との連絡上、加藤理事にお願いをしてその連絡をとつていただいたのでありますが、その連絡の結果につき、加藤委員から簡単に御説明を願いたいと思います。
  3. 加藤精三

    加藤(精)委員 ただいま委員長からお話ように、法務委員会に参りましたところが、法務委員会側におきましては、刑事訴訟法の一部改正法律案はまだ審議を始めたばかりのところで、各委員は全然意見を出していない時期で、それで質問の終るのが二十二日前後だろうということでございます。それから討議があつて採決になるわけでございますが、合同審査を実施するとすれば、大体法務委員会地方行政委員会との間にはおそらく意見対立が員会議録あるだろう。源平の対立ようになると困るから、それで適当な妥協点を見出すために、地方行政委員会の方から委員の方が来てくれて、法務委員会におきまして質問をして、意見を述べていただきたい、そういうふうな取扱いでやつた方が適当なる解決に導くのに有利じやないかという意見がありましたので、それを委員長報告したわけでございます。
  4. 佐藤親弘

    佐藤(親)委員 私は今加藤委員の言われたことも非常にいいと思うのであります。またこちらから行つて意見を述べることもこれは非常に適当だと思うのであります。しかし事これは簡単ではありません。刑事訴訟法改正で、いやしくも民主主義に反するよう状態が出て来るのであります。そうかと思うと、これはまた濫用するおそれもないとも限らないのであります。こういう点は簡単に行かないと思うのであります。警察の方でこうこうだといつてやられる、これはもつてのほかのことだ。そうかと思うとまた今度は一々検事が文句をつけて、やるようになつてもこれまた容易でないのでありますから、これは簡単でないのであります。両方合同して御審議願つて、そうして改正さるべきものだと思うのであります。けさの新聞で団藤博士が書いておるようであります。相当議論が学者間にあるようでありますから、慎重にしていただきたい、私は合同審査けつこうである、賛成であるということを申し上げると同時に、慎重に第十六号してお互いにやろうじやないか、こういうことを申し上げておきます。
  5. 門司亮

    門司委員 私はやはり今の佐藤先生の御意見ように、この問題は非常に重要な問題でありますから、ぜひひとつ合同委員会を開いてもらいたい。これは私事にわたるようですけれども、現行の刑事訴訟法のできますときにも、あそこの条文については、当時の治安及び地方制度委員会といたしましては、私ども出席をいたしまして、そうして検察フアッシヨになる危険性を持つておる、いわゆる警察拷問事件というものは、今まで警察捜査権だけの拷問事件ではないのであります。拷問事件の裏には、ことごとく検事の強い示唆があるということは間違いないのであります。そうしてそのことのために起つた事件、たとえば松田の放火事件、あるいは城ケ島の集団放火事件、これはいずれも単独放火であり、一つはほとんど失火に基くものであつたのが、検事の物の考え方の違いから、ああいう大きな間違いを起して、警察署長は一年半か二年、たしか人権蹂躙で懲役に行つておると思います。それは当時の署長の宮川君ですが、そういう事件を起しても、検事は単に転勤だけで済んでおつて、実際の被害は警察官が負わなければならぬということである。同時に立法の上から考えてみましても、実際の面から考えてみましても、警察権捜査権というものが混同されて使われて参りますと、こういうものが出て参ります。従つてども捜査権だけは警察が持つておるということを十分堅持していただきたい。そうしてそういう人権蹂躙の問題が起らぬようにすることがいいと思いますので、これは単に法律改正だけではございませんで、将来非常に大きな影響を持つ危険性を持つております。ひとつぜひ当委員会としては、やはり合同審査会を申し込んでいただいて、日にちが何日かかつてもかまわぬのであります。これはできようによつては天下の悪法になりますので、従つて日にちのこともありましようが、この国会で通らなければ、次の国会でもけつこうだと思います。ひとつ十分審議のできるように御考慮を願いたいと思います。
  6. 中井一夫

    中井委員長 よく了承いたしました。  なお合同審査会につきましては、多分二十日ごろから開始せられるやの進行の程度でありますから、あらかじめ申し上げておきます。  なおこの機会にお諮りをいたすことかございます。理事補欠の選任につきましてでございますが、すなわち理事西村力弥君が一度委員辞任されましたので、理事が一名欠員となつたまま今日にまで参りました。その補欠選挙を行いたいと思いますが、それは投票の手続を省略して委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 中井一夫

    中井委員長  御異議なしと認めます。よつて西村力弥君を理事指名をいたします。
  8. 西村力弥

    西村(力)委員 ただいま刑事訴訟法につき合同審査のことをあらためてまた意思決定なつたわけでありまするが、教育費半額国庫負担にからんで、政令一〇六号というものが出、またその特例法が出て、この問題で非常にもめておる。御承知の通り知事会もまつ二つにわれてやつております。これは大きく地方自治の問題、地方財政の問題に関係ある問題でありますから、この点もぜとも合同審査を要求して、そして最もよい線を考えて行かなければならぬのじやないか、かように思うのです。その点提案したいと思うのであります。
  9. 中井一夫

    中井委員長 西村君の御提案の問題につきましては、いまだ文部委員会においては審議を開始しておらぬそうであります。つきましては文部委員会において審議にかかりました際、理事会において御決定を願い、しかるべく態度を定められるということにしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中井一夫

    中井委員長 それではさよう決定をいたします。     —————————————
  11. 中井一夫

    中井委員長 これより昨日に引続き、町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案議題として質疑を続行いたします。御質疑はありませんか。——質疑がなければ、本案に対する質疑はこれをもつて終了いたしまして、よろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 中井一夫

    中井委員長 異議なしと認めます。よつて質疑は終了いたしました。  これより討論に入ります。討論の通告があります。よつて順次これを許します。加藤精三君。
  13. 加藤精三

    加藤(精)委員 本件は警察法の建前から見ましても、すべての点から見まして非常に無理がある法律でございまするが、一面該当町村といたしましては、非常に気の毒な事情もございますので、今回はこれを認めることにいたしたい、こう考えております。これが自由党といたしまして本案を支持するゆえんであります。
  14. 中井一夫

  15. 床次徳二

    床次委員 ただいま提案になります町村警察転移の問題に関しましては、提案者も説明せられました通りであります。特にこの二箇町村関係におきましては、やむを得ない事情があることが見受けられるのでありまして、はなはだ先例といたしましては好ましいものではありませんが、これを認めることにいたしたいと思います。なお関係当局におかれましては、十分今後注意せられんことを重ねて要望いたしまして、賛成の意を表する次第であります。
  16. 中井一夫

  17. 西村力弥

    西村(力)委員 日本社会党を代表いたしまして申し上げますが、とにかくこのようなぐあいに、自治体警察が次から次へと維持し得ないよう状態になつて来るのは、財源裏づけを怠つておるところに原因があるのであります。私たちはその財源裏づけを強く要求して参つたのでありますけれども、それが行われないままに、もう維持しかねる最後的な段階に来られた町村の人々の事情も十分了承できるのでございます。しかし自治体警察維持に関する問題は、昨年も二回にわたつて特例が出まして、しかも十二月の際におきましては、十二月の二十七日までに決議をしたものは一月一日から切りかえる、このようなぐあいにやられているということは、まことに法そのものに対する権威というものを失墜するというか、そういうぐあいに思われるのでございます。そしてこの際は事情はわかりますので、やむを得ないとは思うのでございますけれども、しかし今後かかる特例は一切認めない、このよう附帯決議をやつてくださらなければ、この点に関して賛成するわけには参らない、委員長が採決される場合においては、今後このよう特例を認めないということを附帯決議として本会通報告する、こういうぐあいに仰せくださればわれわれは贊成しますが、それが不可能な場合には遺憾ながら反対せざるを得ない、こういう事情なのでございます。附帯決議を付して賛成することを申し上げておきます。
  18. 中井一夫

    中井委員長 西村君にちよつとお伺いいたしますが、今のあなたの御意見は、希望意見として承つておいていいのですか、それとも何か特別なる決議ようなことになるのですか。
  19. 西村力弥

    西村(力)委員 それはやはり附帯決議として、はつきりしてもらわなければ……。
  20. 中井一夫

    中井委員長 附帯決議を付して賛成する、こういう意味なんですね。
  21. 西村力弥

    西村(力)委員 そうです。
  22. 中井一夫

  23. 門司亮

    門司委員 ただいま議題になつております町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案でありますが、この法律案は先ほど西村君からもお話のありましたように、過去二回にわたつてこれと同一の改正案が出ております。これは警察法精神をまつたく蹂躙するようなことになるわけでありまして一われわれといたしましてはこういう法案がたびたび国会提案されて、そして警察法の本分であるこの条項が、まつたく権威を失墜するようなことが、しばしばこの委員会で行われておりますので、従つてこういう筋の通らない法律案に私どもはなかなか賛成するわけには参らぬのでありますが、ただ今度の場合、廃止の決議をいたしておりますのは、両町だけだと思いますし、これについては災害等関係からやむを得ぬ一つ事情として、決してこれを私どもはさつき申し上げましたよう理由で反対するという意思を持つてはおりませんが、ただ私は先ほど西村君が言いましたようにしばしばこういうものが提案されて来るということになりますと、これは国会権威といいますか、私は提案する人たちの実は常識すら疑わざるを得ないことになるのであります。私は議院そのもの権威を失墜することはなはだしいと考える。従つて法の尊重と、さらに私ども権威ある立法の府にすることのために、将来こういうものが出ることのないように、今回限りこれを認める。その理由は前にも申し上げましたよう基本法の方で十月三十一日までに議決し、さらに手続を経たものは一月一日からこれを廃止することができるようになつております。市町村は十分それを了承しておるわけであります。特別のことの起らない限りにおいては、常識から考えて言いましても、こういうことはできないはずであります。従つてこれを認めますかわりにはぜひ当委員会としては、さつき西村君が申し上げました通り附帯決議をぜひ付していただきまして、これを可決をしていただきたい。  そういうことを申し上げますのは、もう一つ理由といたしまして、幸いに地方制度調査会が一方において審議をしております。そのあり方等については、十分ここの委員会でも審議をされておりますので、そう遠くない将来に警察法の根本的の改革が行われる時期にあると考えておりますので、あわせてそういう理由をつけまして、警察法特例に関するものについては、強い附帯決議をつけていただきたいということをこの機会に申し上げまして、本案賛成意思を表示するものでございます。
  24. 中井一夫

    中井委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。本案賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  25. 中井一夫

    中井委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決されました。  ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  26. 中井一夫

    中井委員長 速記を始めて。
  27. 西村力弥

    西村(力)委員 先ほど附帯決議を出しましたが、文章が書けないわけではないのですけれども、いろいろ国会議員立法権を制限するような気味も出て参りますので、この附帯決議は撤回いたしたいと思います。ただこのよう便宜措置がいつでも行われて、法の精神がゆがめられるということは好ましいことではございませんので、今後かかることがないように望むということを、この委員会全体の意思として、強い希望意見として委員長報告に織り込んでいただくことを希望して撤回いたします。
  28. 中井一夫

    中井委員長 西村君の厳重なる御希望意見につきましては、よく了承いたしました。委員長が本会議において報告いたします際には、その旨特に明らかに申し述べることにいたします。  この際お諮りいたします。本案に関する衆議院規則第八十六条による報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認めます。よつてよう決定をいたしました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時十七分散会      ————◇—————