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1953-07-10 第16回国会 衆議院 地方行政委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十日(金曜日)     午後二時三十二分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 富田 健治君    理事 灘尾 弘吉君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君       生田 宏一君    河原田稼吉君       佐藤 親弘君    吉田 重延君       鈴木 幹雄君    橋本 清吉君       北山 愛郎君    滝井 義高君       横路 節雄君    伊瀬幸太郎君       大石ヨシエ君    大矢 省三君  出席政府委員         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      武岡 憲一君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 七月九日  クリーニング業に対する地方税軽減に関する請  願(岸田正記紹介)(第三一八七号)  同(原茂紹介)(第三一八八号)  同(倉石忠雄紹介)(第三一八九号)  営業用トラツクに対する自動車税軽減請願(  松井豊吉紹介)(第三一九〇号)  地方税法の一部改正に関する請願松井豊吉君  紹介)(第三一九一号)  柔道整復師業に対する特別所得税免除に関する  請願菊川忠雄紹介)(第三一九二号)  遊興飲食税撤廃請願佐藤善一郎紹介)(  第三一九三号)  めん類業者に対する飲食税撤廃請願赤松勇  君紹介)(第三一九四号)  東郷小学校改築費起債認可に関する請願片島  港君紹介)(第三二〇四号)  国民健康保険直営診療所建築費起債認可等に関  する請願片島港君紹介)(第三二〇八号)  自動車運送事業及び通運事業に対する事業税の  外形標準課税廃止に関する請願關谷勝利君紹  介)(第三二一九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二九号)     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 それでは開会をいたします。  地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案内閣提出第一二九号を議題として、前会に引続き質疑を続行いたします。床次君。
  3. 床次徳二

    床次委員 平衡交付金法に関して二、三お尋ねいたしたいと思います。  今度の改正におきまして、第十四条二項において、道府県税に対しましては百分の八十、市町村税に対しましては百分の七十というふうに改正せられました。これは前回両者とも百分の八丁にしたらどうかという意見があつし、今回道府県税がいろいろの影響を長けます関係道府県税の方だけ百分の八十にされましたが、市町村税の方は依然として百分の七十で、はたして釣合いがとれるかどうかということについて、御意見を伺いたいと思います。
  4. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 御指摘のように、今回の地方財政平衡交付金法改正案におきましては、基準財政収入額算定の場合におきまして、基礎になります基準税率を百分の七十から百分の八十に道府県の場合についてだけ上げたわけでございます。その理由は、府県市町村とを比較して考えますと、何と申しましても府県は、その間に財政力の不均衡がございますとはいうものの、四十六府県でございまして、しかもそこで引受けておりまする仕事は、大体国の法令あるいは国の予算等基礎になつてつている仕事が非常に多いわけでございます。これに反して市町村の方は数も一万を越えるわけでございまして、その間の団体規模、能力というようなものは、非常に多くの差異がございまするし、またやつている仕事につきましても、いわゆる単独事業、その他弾力性のある仕事、幅のある仕事が相当多いわけでございまして、これらの府県市町村との間の状況から考えて、地方財政平衡交付金制度の本質から申しまするならば、地方団体行政均衡化をはかるということが一つのねらいであるわけでございます。半面また地方自治という点から、やはりある程度地方団体弾力性を持たして、自主性をより多く持たしておくということが必要であると思うのでありますが、この両者要求調和点を従来七〇%のところにとつておりましたのを、今回は府県につきましてはやはり均衡化要求の方をより強く見て参つて、八〇%にいたしたらどうであろうかというのが、政府考え方であるのであります。ことに府県につきましては義務教育費あるいは児童保護措置費というような、今回国庫負担制度の拡充になつたものかございまして、それらの義務的な経費を補償するという国の一つの政策が、やはり府県の場合に、より強く現われているわけでございまして、府県についてはこの際さらに均衡化趣旨を徹底してやつたらどうであろうか、将来市町村につきましても、さらに実態がはつきり把握せられ、さらに均衡化を徹底いたしましてもさしつかえのない段階になりまするならば、同じようにこれを考えて行つたらいいのではないか、さしあたつてとりあえず道府県についてこれを考えるということがいいのではないかというので、かような案を提案いたしたのであります。
  5. 床次徳二

    床次委員 次に特別交付金の問題についてお尋ねいたしたいと思いますが、近時特別平衡交付金による金額が非常に増加しておるのではないか、むしろ特別交付金を要望する事項、案件が非常にふえて来たのではないかと思うのでございます。同時にその額もふえて参つたと思うのでありますが、反面におきまして平衡交付金自体は、所要分よりも大分下まわつておる。従つて特別平衡交付金は非常に苦しいのではないかというような観測がせられるのであります。現在の特別平衡交付金わくが百分の八でございますが、はたしてそれでいいかどうか、多少拡げた方が現在のような場合にありましては、特別なる事項に応じ得るのではないかというふうな感じもするのであのますが、この点に対する御意見を伺いたい。
  6. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 平衡交付金総額を当初算定いたしまする際に、一般測定単位及び単位費用によつて測定できないような特殊な——ある地方団体に特別な財政需要があつて、しかもそれは年度当初からおおむね予定をされておるというような種類のもの、あるいは基準財政収入等につきましても、大体一般測定単位基準税率によつて測定をいたしましても、大体年年ある程度災害があり、その災害伴つて一応税収入の減があるであろうということが、一般現象として予想されておりまする限度におきましては、今御指摘のように平衡交付金総額の八%という程度のもので、どうやらまかなつて行けると思うのでございますが、たとえば今回のような大災害がございました場合に、当初まつたく予想し得なかつたような大きな財政需要が生じて、しかも一般測定単位によつて測定されない、あるいは基準財政収入の減が当初予想いたしましたよりも、はるかに多いというようなことになつて参りますると、やはりこの八%という総額に対する額では、さばき切れないような事態が起りかねないと思うのであります。今回の災害の場合のような異常な事態につきましては、やはり被害の総額が明確になり、ませんと、結論的なことは申し上げられませんけれども、何らかこの間に調整を要する事態が生ずるのではないかというふうに考えておるのであります。
  7. 床次徳二

    床次委員 次にお尋ねいたしたいのは、地域給僻地関係についてでありますが、地域給が相当大きく平衡交付金を動かすということに対しましては、ある程度まで過去においてこれが若干の是正は見たように思つておるので拠りますか、逆に僻地に対しましては、その考慮の仕方がまだ少いのではないかという感じがするのです。実際の数字においてどうかということにつきましてはよくわかりませんが、事務当局といたしまして地域給僻地関係が、平衡交付金ではどんなふうに現われておるか、大体の傾向かおわかりになれば、御説明いただきたいと思います。
  8. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地域給平衡交付金との関係につきましては、たしか昨日も大石委員からも塚田大臣に御質問がありまして、いずれ大臣からあらためてお答え申し上げることと存じます。ただいまの床次委員の御質疑の点でございますが、やはりこの地域給という、いわゆる勤務地手当給与上の差異というものが、平衡交付金測定の際に十分現われなければならぬのでありますけれども、これがあまり強く現われ過ぎますと、地域給引上げというようないろいろな問題ともからんで参りまして、非常に困難な事態を引起すのであります。現在までのいわゆる補正方法として、態容補正という方式がございますが、その態容補正と申しますのは御承知のごとく地方団体が非常に都市的なところと農村的なところとでは、おのずから必要なる財政需要がかわつて参るというところから、標準的な経費算定について都市化程度あるいは経済構造差異等に基いて、測定補正をしようということでございますが、その態容補正方法として二十七年度までは給与差というものを一つの柱として立てまして補正をいたすことにいたしておつたのであります。この給与差方式としては、今の勤務地手当支給地区分というものを基準にいたしておつたのでございますが、この建前を強くとりますことについては、いろいろの弊害も認められまするので、この方式をやめまして、二十八年度におきましては態容補正方式といたしましても、行政の質や量が、地方団体都市化程度によつていろいろ違うというので、たとえば団体規模経済構造あるいは生活費指数といつたようなものをとりまして考える。また法令によつて保健所を設置しなければならない市と、そうでない市とがあつたり、いろいろ法令権能か違うわけでございますが、さような権能差異も考えて参るということで、行政の質量と行政権能の差というもので、態容補正をいたすことにいたしまして、給与による差すなわち勤務地手当の区分による差というものは、直接にはこれを見ないということにいたしたのであります。給与差を直接見ませんでも、経済構造の差でございますとか、生活費指数というようなものによつてある程度反映をいたして参りますので、それでいいのではないかというふうに考えておるのであります。従つてお尋ね僻地との関係でございますが、やはりそういう調整をいたすことによつて、従来見られましたような大きな開きはなくなつて参ると思いますけれども、これにつきましてはなお特別交付金におきましても考えておる次第でございます。
  9. 大石ヨシエ

    大石委員 鈴木次長に私はちよつと質問いたしますが、きのう長官に私は尋ねたのですけれども、つまり平衡交付金が少いところへは、地域給の点も非常に関係して来るのです。それで貧乏な市町村国会運動をようしないのです。そうするとあれが一級地なつたり無級地なつたりする。そういうところは平衡交付金が行かない。そうすると自然その府県は非常に赤字財政で苦しむ。それで平衡交付金が行くところを、もつと公平な考え方をもつてやるために、地域給をどういうふうにあなた方考えていらつしやいますか。たとえば私のところは舞鶴です。舞鶴から十分ほど行きますと、そこは無級地になつております。またその先ちよつと行きますと、そこは一級地になつております。そういうようなところがあつて、そういう無敵地になつておるところはよう運動しない。一級地になつておるところは運動しない。運動するものは五級地なつたり、四級地なつたりするし、そういうところは平衡交付金がたくさん行きます。たとえば大阪のようなところは、五級地が五箇所から六箇所ありますから、平衡交付金がたくさん行く。従つてその府県富裕府県と言われるほど平衡交付金がたくさん行く。そうすると無級地一級地、二級地、三級地のたくさんある市町村は、平衡交付金がそう行かない。一体地方財政はそんなに不均衡に配分されてよいものでしようか。それが私第一点に聞きたい。それからその次にもし特別市政ができたら、私たち京都府は支離滅裂でございます。あなたは特別市政をいかになさいますお考えでございますが、その点を私は詳細にお伺いしたい。
  10. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 勤務地手当の問題、いわゆる地域給の問題と平衡交付金関係についてでございますが、今申し上げましたように五級地、四級地という級地か違いますれば、勢い職員に対する給与支給か違つて来るわけでございますから、従つて級地ならば四級地よりよけい給与費がいるということになるわけであります。従つてその程度のことは、やはり財政需要測定いたします場合に反映いたさなければならないことになりますけれども、それ以外に給与費なり、そういうことの不足から当然にほかの費用も全部同じ足並でふえて行くという計算をすることがよろしいか。それともやはり五級地というものは相当乱調がかつておるところでありますから、いろいろさような経費もよけいいると思うのでありますけれども、若干給与費と同じ程度でみな見る必要はないのではないかというふうに考えられるわけでございまして、今まで給与、要するに地域給が上れば平衡交付金もそれによつて当然に上るという方式をとつておりましたのは、どうも少し行き過ぎではないかというふうに考え直しまして、従つて地域給が上りましても、それに応じて当然にただちに上るというふうにいたしませんで、それ以外のいろいろな経済発展状況を示すものをつかまえまして、それで財政需要測定するということにいたしたのであります。少し話がくどくなりましたけれども、要するに地域給が一級から二級になり、二級から三級になる、それに比例してただちに財政需要も、そのまま引上げるというのが、従来の方式であつたのでありますけれども、その方式をやめたのであります。しかし地域給というものは、団体経済発展程度を表わしておるわけでございまして、やはり経済発展をしている団体、人口の稠密な団体は、衛生費とか、社会福祉関係経費がよけいいるわけでありますから、そういうものを入れての測定単位を用いるというふうにしたのであります。要するに、上る度合いを従来ほど給与に比例させないようにしたわけであります。従つて、従来のような地域給を上げるために特にいろいろ運動をする、平衡交付金にただちに非常に大きく反映するということを少くしたわけであります。そういうふうに改正をいたしましたので、根本的には、地域給制度を解消するということにならないと是正はできないと思いますけれども、現在の状態において従来ほど不都合が生じないようにしておるのでございます。  それから第二の特別市の問題でありますが、特別市制度は、御承知のように、現在地方自治法の中に、都の制度とともに特別市制度というものが、大都市における一つ制度として認められておるわけであります。わが国の大都市と申せば、結局東京のほかは五大都市でありますが、それらの五大都市に対して現在のままの、普通の市と大体同じように取扱う方式で行くのがよろしいか、それとも地方自治法の中にあります都制方式をとるか、御指摘特別市制というような方式をとるか、いずれの方式をとるかということは、非常に研究を要する問題でありますとともに、実行上非常に多くの問題を含んでおる点でございます。そこで都制特別市制あるいは現行の府県のもとに市としておく、しかしその間にある程度調整を加えるというような方式のいずれがよろしいかということになるわけでございます。この特別市制あるいは都制、要するに大都市制度の問題につきましては、全体の地方制度を根本的に考える場合において解決することが、実行の上においては最も適切であろうというふに思うのでありまして、全体の地方制度の改革の一環として考えるべきではないかという意味で、政府としては地方制度調査会意見を今求めておるわけであります。根本的な解決方式によらないで、しからば何か暫定的な解決方式はないかというようなことも、一つ研究点であろうと思いますけれども、これにつきましても、あるいは財源調整等なかなか問題を含んでおるわけであります。要するに、現状のままでは、大都市大都市のある府県との間で行政が二重に行われる、あるいは監督中央府県と二重の監督になるということが、従来から弊害として指摘されておるわけでございます。この弊害を除去する方法として何が一番適切であり、何が実行上適正なものであるかということに帰着する問題であろうと思うのであります。私どもといたしましては、今ただちに三つ述べました方法のうちのどの方法が一番よろしいかということを、ここで申し上げるまでの段階に至つていないのであります。地方制度調査会結論をまちました上で、政府としては結論を下したいというふうに考えておる次第であります。
  11. 大石ヨシエ

    大石委員 きのう塚田大臣にも質問したのですが、たとえば地域給でも、農村に行きますと無級地があつた一級地があるわけです。ところがその農村の人々が映画を見に行く場合は町に行くのです。そうすると入場税を町へ納めることになる。あるいは男の人が料理屋で遊べば、農村の人の金が遊興飲食税として都会へ行くのです。しかし農村地域給は非常に低額である。それで平衡交付金を分配なさるときには、この点を特に再吟味なさいまして、公平無私にやつていただきたいということを私はお願いいたします。  それからもう一つ、特別市の問題について、これは非常に重要な問題ですから、あなたの私見をお伺いしたいと思います。
  12. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 最初のお尋ねの点でありますが、これは要するに結論を申し上げますならば、大石先生のような方々の御意見を、政府としても十分しんしやくいたしまして、地域給制度平衡交付金との関係を適切に直したわけでございまして、その意味では大石先生の御意見もわれわれは十分に取入れたと言うことができると思うのであります。しかしなお今後もよく研究いたして改善を加えて参りたいと思います。  それから特別市の問題についての私見を述べよということでございますが、先刻私がここで申しましたことが、すなわち私の私見でもございますので、さようにひとつ御了承願いたいと存じます。
  13. 北山愛郎

    北山委員 この地方財政平衡交付金制度は、その実施以来、経済力の地域的な不均衡是正する意味においては、確かに大きな力があつたと思います。ところがこの制度を実施してからの非常に大きな欠点がある。この制度をやり始めるときにその趣旨としておつたところは、小さい補助金を整理して一本の交付金にして、そうしてこまごましためんどうくさい行政監督的な中央統制を、今後廃除するという趣旨であつたわけです。その点は多少は効果があつたと思いますが、問題はこの交付金の決定の時期の問題であります。これが毎年々々極端にいえば年度末でなければ、その年の当諸地方団体平衡交付金は決定しない。特別平衡交付金まで入れますと、年度末になつてしまうわけです。そういうようなことであるために、この交付金制度によつて、かえつて中央地方統制するという財政的統制の力が非常にふえて参りまして、従つて地方団体財政的な自主性というものが非常に害されておるのじやないか、これはわれわれは非常な欠点だと思います。そこでこの前の委員会でもそういう意見があつたのでありますが、その欠点を除去するということが、どうして今度の改正にはできなかつたのか、それをまずもつてやるべきじやなかつたか、かように思うのですが、その辺はどうですか。
  14. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方財政平衡交付金制度は、始めて以来いまだ数年を出ないわけでございまして、なお今後改善を要する点があろうかと思いますが、御指摘のように年度の当初において自分の団体に本年は、平衡交付金がどのくらい来るかということが、各地方団体において明らかになるということが、必要であろうと思うのであります。このことが明確になりますならば、地方団体としましては的確な財政計画が、それぞれ立てられるわけであります。私どももそういうような域にすみやかに達するように研究をし、努力をして参つておるわけでございまして、従来地方財政委員会の規則において定められておりました測定単位単位費用というようなものをだんだん法律化いたし、法律の上に単位費用を書き、測定単位を書くというふうにして来ておりまして、補正係数も二十九年度からは法律の上に、明らかに書き上げたいというふうに考えておるわけであります。そういうふうにして参りますならば、それぞれの指数を各団体計算方式にあてはめて行けば、おのずから出て来るということになるわけであります。ただこの問題は現在の地方財政平衡交付金法の中にも規定があるわけでございます。第三条の第二項に「国は、その予算が成立した後は、当該年度の中途において、地方団体負担となるような測定単位の数値の増加を直接生じさせる措置は、とらないようにするものとする。」という規定があるのであります。これはやはり年度の途中において、いろいろ新しい地方負担になるようなことのないようにしなければならないということを、法律の精神としてうたつておるわけでございますが、ところがやはり実際国家も生きておるわけでございますから、国会においていろいろ新しい法律ができ、地方負担年度の途中においてもふえる、あるいはべース・アップというようなものが、年度の途中において行われるというようなことの結果といたしまして、単位費用が非常に大きく変動するわけであります。従つて指摘のように年度の後半になつて、しかも相当後にならなければ、最後的に平衡交付金が決定しない。当初予想したものよりは、相当違つたものになるという結果を生ずるのであります。もちろん理想的な平衡交付金制度の運営といたしましては、たとえばべース・アップをするようなことがあるならば、むしろこれは年度の当初からベース・アップをして、年間においてあまり予算上の変動を生じないようにするということは、また一つ必要な点であろうかと思うのであります。要するに制度自体改善の問題と、制度の外から加わつて来るいろいろな原因とによりまして、いろいろ問題が起つておるわけでございまして、私どもとしては事務的に解決し得るものは、できるだけこれはすみやかに解決をいたす。なお外的な原因によつて平衡交付金制度が不安定になるようなことはできるだけないようにしていただきたいという望望を持つておる次第でございます。
  15. 北山愛郎

    北山委員 ただいまのお話、そういう原因によつて改正がむずかしいというような点もあるでしようが、私はやはり根本的な原因は、国が平衡交付金としてどれだけ出すという予算わくを別個に与えて、それに基いて単位費用とかそういうものを算定される。そういうところに原因があるのじやないかと思うのでありますが、今度の単位費用改正あるいはその他の改正におきまして、結局ことしの千二百五十億というような平衡交付金わくというものは考慮されたかどうか。そういうものを考慮してつくつておるのじやないか。たとえば府県基準財政収入標準税率を八〇に上げたというようなことも、あるいはそういうような予算上の制約から、そういう措置をとつたのじやないかと考えられるのですか、どうですか。
  16. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 都道府県基準財政収入測定基準であります基準税率を七〇から八〇に上げたということは、これはまつたく先ほど申し上げましたように、都道府県行政均衡を、さらに平衡交付金制度趣旨従つて、徹底をして行くというところから考えたことでございまして、今の財源関係とは、まつたく無関係でございます。地方財政計画ができまする際に、問題になつてつたと申しまするよりは、むしろその爾後において、そういうような措置が適当であろうということになつたのでありまして、予算肩がわりを、税収を見積るということでやつたのではないのでありまして、その証拠にはこの単位費用改正案を出しておりますが、これは今の基準税率を七〇から八〇に上げたのに対応いたしまして、都道府県基準財政需要測定につきましても、義務教育費児童保護措置費等につきましては、その部分に相当するものを上げておりまして、なおそのほかにも対応補正の係数を調整いたしまして、大体七〇から八〇に上げますことによりまして百二十四億の基準財政収入の増になりますが、それに見合いますものが、基準財政需要額におきましても増加いたしております。従いましてこれより高い水準で均衡化をはかつたというのでありまして、財源をそこに求めたということではないのであります。
  17. 北山愛郎

    北山委員 非常にこまかい点ですが、この単位費用においては大体ふえているのですが、道路費については府県の場合も市町村の場合も減つておるようですが、道路費は今までやつていたのでは多いのだ、それだけいらないのだというようなことはどういうわけですか。  それからもう一つこれは重要な点ですけれども平衡交付金地方経済的な不均衡是正する意味において、非常に効果があつたと今申されたのですが、ところがこの数年来の経過を見ますと、補正係数等で地方の貧弱な町村に対しては、逐次薄くなつて来ているのではないか。やはり都市というようなところに交付金が厚く行くような補正をやつているのではないかと考えられるのですが、自治庁はそういうふうな方針で今後進むつもりであるか。あるいは平衡交付金の本来の趣旨である経済的な、地域的な不均衡是正するという力を、さらに今後強めて行く方針であるか、この二点をお伺いいたします。
  18. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 ただいまお尋ねの第一の点でございますが、道路費の単位費用が現行のものよりは、改正案において落ちているのはどういう理由であるかというお尋ねでございますが、これは別に道路費の財政需要額を落したわけではございませんので、財政需要額の方は別途基凖財政需要額の比較表に示していると思いますが、これでごらんをいただきますと、前年度よりもふえております。単位費用が落ちました理由は、二十七年度までは——測定単位の数値のとり方でございますが、測定単位は御承知のように道路の面積になつておりますが、この面積を従来は有効幅員でとつてつたわけでございます。そこでつまり路面幅員の両側から〇・五メーターずつ落しまして、それを延長にかけて面積を出しておつたわけでございますが、実績を見ますと、それよりもやはり路面幅員をそのままとつた方が、実情に合うというような結果が出て参りましたので、本年度測定単位の数値の取り方といたしましては、路面幅員をそのままとることといたしたのであります。そのために測定単位基準数値がふえて参りますので、単位あたりの単価というものが落ちて参りますけれども、全体の財政需要額は前年度よ力もふえておる。  それから第二のお尋ねの、平衡交付金制度の運用にあたつて、大団体と小団体と申しましようか、あるいは都市的団体農村団体と申しましようか、そういう面における調整を、どのように考えるかというお尋ねだろうと思いますが、これは私どもといたしましても、平衡交付金制度の本旨に従いまして、全体的に各地方団体のあるべき行政水準において団体行政負担額、従つて住民の負担均衡化して行くという方向において考えております。具体的には結局基準財政需要測定にあたつて単位費用の定め方というよりは、むしろ補正計数の問題になろうかと思いますが、これらにつきましてはここ三年、四年三回にわたりまして、経験をして参りました結果に基きまして、なるべくそれぞれの団体の特長を生かして行き、それぞれのニュアンスをできるだけ具体的に現わして、そして行政の水準化をはかつて参りたい、かような考え方でもつて、いろいろ改正をいたしておるつもりでございます。
  19. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと、ただいまのお話から出て来る結論といいますか、現在の日本の国内の状況というのは、冨がだんだん中央に集中して行く傾向が非常にはげしくなつて参つておるわけです。従つて地域的な経済力の不均衡がひどくなつておる。こういうふうな傾向が続く限りにおいては、この平衡交付金という制度が、交付金という名前はあるいはかわるかもしれないけれども、そういう財政調整というものは、減らすのではなくて、その必要に応じてどんどんふやして行くというふうにお考えになつているわけですが、そう考えていいのですか。
  20. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 現在のような社会構造のもとにおきましては、富と申しますか、財源の偏在は免れませんので、何らかの形における財政調整制度は必要であろうと思つておるのであります。従来の地方配付税制度のような財政調整方法と、平衡交付金制度のような財政調整方法とでは、どつちが遅れておるかということにつきましては、これはいろいろ御意見もあろうと存じますけれども、私たちの考えといたしましては、やはり平衡交付金制度の方が、従来の制度より均衡化という意味におきまして、一歩抜きん出た制度というようにわれわれ考えおり幸して、その特長は今後もいよいよこれを生かして行くべきであるという考えを持つておるわけであります。ただ問題は、しからば地方財政全体といたしまして、ごういつた調整制度によつて実際の調整をして行く部分というものを、全体的な団体財源の上に、どの程度のウエイトに考えて行くかという問題になつて来ようかと存じます。これはむしろお考え方といたしましては、昨日あたりもいろいろ御意見が出ておつたようでございますが、やはりこれは自治団体の本質からいたしまして、自治財源の方をふやして、でき得るならば、こういつた調整財源の方は少くて済めば、その方がいいのではないかということは考えておるわけでございます。いずれそういう問題につきましては、地方制度調査会等におきまして、適当な結論をいただきますれば、政府といたしましても、それに基きまして具体的な研究をいたしたい、かように考えております。
  21. 滝井義高

    ○滝井委員 今の質問に関連するんですが、昨日来私は地方財政平衡交付金というものは、過渡的な処置であると理解しておつたのでございますが、シヤウプの思想とは、日本は独立国となつたので、かわつて来たと見えまして、平衡交付金は、今の部長の説明にもありますように、あるいは昨日の塚田国務大臣の説明にもありましたように、恒久的なものになりつつあると思います。そうしてこれが恒久的なものになるということになると、われわれも今後地方財政平衡交付金そのものを厳重に実行してもらわなければならぬという形が出て来るわけでございます。今年の平衡交付金の千二百五十億というものは、昨日も大臣の答弁にありましたように、これは国の方でわくをきめて、そのわくの中で、今度は地方要求というものを十分に勘案しながら、して行く、こういう方法を現在とつている。これは非常に遺憾である。でき得るならば、地方財政収入と基準財政需要額とを見て、その需要額の越える部分をやるような三条の精神を、政府実行するように努力するという御言明があつたのでございます。今年のこの千二百五十億は上からきめたものですが、下からきめて、三条の精神を実行して、いわゆる財政需要額が財政収入額を越える場合における当該超過額を補填するために、必要かつ十分な今年の額は、大体実収はどのくらいに計算されたか。これをまず承りたい。
  22. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方財政平衡交付金の毎年度における総額測定でありますが、これにつきましては自治庁の長官は、地方財政審議会の意見を尊重いたしまして、大蔵省に対して要求をいたすことに制度上なつております。この関係におきましては地方財政計画というものは、御承知のごとく、年々策定をいたして、その地方財政計画にありますところの各項目について、その年度において新たに必要になります経費、たとえば公共事業費がふえる、それに見合つて地方負担額が当然ふえる、あるいは新たに法令によつて地方の義務的支出が加わる、それで見て参るというような、国の施策に基くものを一方において見ますとともに、他方においてはいわゆる単独事業費、地方の自主的な創意によつてやります事業につきましても、公共事業費のふえ方に応じて、地方単独事業費もふえるであろう、たとえば本年度においては百六十億というものを、ふえるものとして計算をいたしております。そういうようなことにいたしまして、要するに予算なり法令なり、国の施策、法令に基いてふえるものと、地方の自主的にふえるであろうと想像されるもの、両方を合せまして、本年度は千三十九億ですか、新規の財政需要を見込んだわけでございまして、政府としましては地方の希望のごとく、新たに千億余り増加いたしまして、それに対応いたしまする平衡交付金あるいは補助金、起債あるいは使用料、手数量の増加といつたようなものを見合いまして、これでこの第三条にありますところの必要かつ十分な額を得たものというふうに考えておるのであります。従つて財政計画において出しましたところの千二百五十億という数字は、政府といたしましては、これは一応第三条の要求を満しておるものというふうに考えております。
  23. 滝井義高

    ○滝井委員 鈴木さんの今の御説明は、国の方の説明であつて地方財政平衡交付金——配付税の場合は私は今のような考えでいいので、配付税というものは、国の財源、国の状態を考えながら、地方財源をつかんでやつたわけなんです。ところが配付税のそういう国の財源、国の財政というものは、もちろん平衡交付金で考えなければならぬが、いわゆる考え方の主体をどこに置くか、配付金は国の財政を主体としておる。地方財政平衡交付金というものは、地方自主性を尊重しながら、その自主性の育成強化のために持つてつておるんだから、国の財政も考えなければならぬが、重点は地方財政である。そういうことがこの法にも現われておる。そのために地方自治体の市町村長というものは、当然資料を集めて、知事を通じて自治庁に出して来ておるわけです。従つてそういう地方から出た資料というものが、一顧もされないことはないかもしれないが、非常に軽い比重にしか扱われずして、国の大きな財政計画のみに重点を置くことになれば、地方自治というものはまつたく認められていない。国の恣意的な判断によつて、風のまにまに地方自治体は左右される形になるのであつて、今の考えは配付税のときならばそれでよろしいが、地方財政平衡交付金という戦後の新しい立法の思想から考えれば、逆な考えじやないかと思うのですが、その点どうですか。
  24. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 必要かつ十分という額を、どこで見るかという問題であります。もちろん地方団体には、たとえば老朽危険校舎をとつてみましても、今後約五百億余り、四百六、七十億のものを必要とするわけでございまして、三年間にやるとすれば、百六十億も毎年いるということになるわけでございますし、またかねていろいろ論議もございます地方公務員の給与の問題にいたしましても、国としては、地方公務員の給与調整が可能であるという前提に立つて財政計画上二十六年以来一定の額を差引いて、調整をいたしておるのでありますが、現実においては調整が困難であり、従つて調整が行われていないというようなこともあるわけでございます。そういうようなものを、かりにたとえば国の予算に計上しておりますような予算単価で考えるということになりますれば、百四十二億の金がいるというような次第でございまして、それらのものが必要かつ十分なものであるというふうに考えますならば、それらのものを含んでない今の財政計画というものは必ずしも十分でない、こういうことになるであろうと思いますけれども政府といたしましては、やはり国も地方も、全体においての財政均衡ということを考えてもらいたいということで、先般申し上げましたような千二百五十億、あるいは一般会計におきましては、起債が九百二十八億ということで、まず全体の財政計画としては、一応つじつまを合せてもらいたいというふうに考えておるのであります。さような基礎に立つて平衡交付金総額算定せられた次第でございます。
  25. 滝井義高

    ○滝井委員 お尋ねしますが、平衡交付金法の五条の総理府令で資料を出さなければなりません。知事、特別市の市長あるいは市町村長、そういうようなものから出て来た資料の生のままで平衡交付金算定したら、大体どの程度の額をやらなければならぬことになりますか。具体的な数字で、およそのところでけつこうですが、御説明願いたいと思います。
  26. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 第五条は自治庁長官が平衡交付金総額算定をいたし、また交付金を交付する場合に必要な資料として、これを徴しておるわけでございまして、この資料は実は非常に尨大なものになるのでありますが、それを一々各費目ごとに整理をいたしておるわけであります。今その総額が幾らになるかというお尋ねでありますが、市町村府県から出て参りました生の数字につきましては、実は非常に率直に申し上げまして、それぞれの資料の数字ですが、これは必ずしも悪意ではございませんけれども、相当に数字の上で調整を要するものがあるのであります。そういうようなものを調整いたしまして、平衡交付金算定をいたすわけでありまして、各府県市町村といたしましては、直接に今の基準財政収入額基準財政需要額との差額というものが、出て来るわけではないのであります。それぞれの基礎になりますフアクターの資料ということになるのでありますが、ただちに総額を集計するという願自体についての集計ということはいたしていないわけでございます。
  27. 滝井義高

    ○滝井委員 実は問題はそういうところにあると思うのです。現在中央地方にいろいろの統計資料を要求します。たとえば一昨年以来問題になつておりました地方公務員と国家公務員との給料の差額の問題にしても、中央は統計機関も持つておるし、調査機関も持つておる。ところが現在地方自治体においては、そういう科学的な基礎になるような統計機関も、調査機関もないわけなのでございます。そういう国の命ずるような、委託するような調査あるいは統計というものを自治体はつくつております。しかし地方自治体独自の精密な、こういう算定基礎になる、あなた方が疑いを持たないような資料を集めるだけの調査機関も統計機関も何もない。こういうところに現在の日本の行政の大きな盲点と申しますか、欠陥があると思うのです。従つて地方の自治体のいろいろな主張というものが、中央における大蔵省あたりの調査したところの資料に対抗して行く場合に、対抗できない。従つて大蔵省あたりの資料が絶対のものであつて地方の資料統計というものはもう一顧だに与えられない、つまらないものだというようになつてしまう。従つて地方要求がほとんど用いられないという形が出て来る。具体的に、今あなたも言つたように、どうも地方のものはぐあいが悪い。こういうところに私は問題があると思う。今後自治庁は、こういう平衡交付金というものが、恒久的なものになつて来るとするならば、必然地方におけるところの統計的な資料あるいは調査をもつと精密にやるために、これらの補助金あるいはその他を出して、整備する必要があると思うのですが、その点どうお考えになつておりますか。
  28. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 平衡交付金算定配分の基礎に使います資料は、もうできるだけ恣意の加わり得ない客観的な資料を使わなければいけないということで、そういう資料を普通交付金算定におきましては、だんだんとつて行くというふうにいたしておるのであります。従つて平衡交付金にのみ使われる数字でございますと、どうしてもそこに悪意が加わるのでありまして、平衡交付金関係なく客観的にある資料、たとえば道路の台帳にいたしましても、あるいは住民登録にいたしましても、あるいは他の河川なりの台帳にいたしましても、あるいは港湾の原簿、船舶等につきましても、それぞれこれのためにつくつたというよりも、すでにあるところの資料を使う、こういう建前をとつておるわけでございますが、さような資料につきましても、必ずしも故意に基かないいろいろな過失等が若干あるのであります。それらの資料の集積というものは、結局各主管省に、教育ならば文部省、住民登録の関係ならば法務省というぐあいに、それぞれ中央基礎的な数字がございますので、そういう中央にある基礎的な数字を一方にとり、他方各府県市町村のとりまとめました数字というものと見合いつつ、全体の計算をいたすというようにいたしておるわけであります。さような統計資料というものを整備するということは、御指摘のように私どもも非常に必要なことだと考えております。逐次さような方向に向つて、今までも努力して来たわけでございますが、今後もさような考え方で、努力して参りたいというふうに考えております。
  29. 滝井義高

    ○滝井委員 今客観性の問題が出ましたが、どうも客観的に出て来たものがそのまま認められないところに、昨日も申しましたように科学と技術というものの中立性がなくて、それが政治的に利用されているという不満もありますが、その問題はそれにいたしまして現在平衡交付金の額を決定する時期は、八月三十一日になつておりますが、その通り実行されておりますか。
  30. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 御承知のようにこの制度は二十五年度から実施をいたしまして、二十五、二十六、二十七と、これまですでに三回やつてつたわけであります。二十五年度はことに最初のことでもございますし、その後も八月三十一日という目標で作業を進めておりますが、いろいろ資料の整理の関係、それからまた国の予算の成立の関係等からいたしまして、若干のずれがございまして、八月三十一日までに正確な最終的な決定は見ておりません。ことに二十六年度も七年度も御承知のように補正予算によりまして、交付金の額がかわつて参りましたので、それに伴いまして単位費用、またそれに伴いまする基準財政収入額需要額の算定等もいたさなければなりませんでしたので、時期的には相当ずれて参つて来ておるのであります。
  31. 滝井義高

    ○滝井委員 二十五、二十六、二十七の具体的に通知をした日にちを、ちよつと教えていただきたいと思います。何月ぐらいですか。
  32. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 正確に記憶をいたしませんが、いわゆる仮決定と申しまして、あとで補正予算ができました上で、正確な最終決定をいたしておるわけでございますから、大体年度当初の予算を目標にいたしまして計算をいたします。仮決定でありますが、正確に記憶いたしておりませんが、大体九月から十月ごろに延びておつたかと思います。昨年はたしか九月中には終つたかと考えます。その後補正予算が大体十一月あるいは十二月ごろに成立をいたしますので、それから本決定の作業をいたしますから、本決定は十二月ないしは一月になつておるような実情であります。
  33. 滝井義高

    ○滝井委員 今御指摘のように、九月あるいは十月ごろでなければ、平衡交付金の額が決定しない。昨日も指定しましたように、税収の三倍ないし四倍の平衡交付金をもらつておる県もあるということになりますと、それがしかも年度の半ばでなければ、何ぼかもらえぬということになりますならば、その地方自治体における一年の行政の計画は、まつたく五里霧中でございます。こういうところに私が一番初めから指摘しましたように参観文化をして、平衡交付金の陳情をしなければならぬ具体的な理由が出て来るわけでございます。しからば尋ねますが、この八月三十一日にやるべきものが九月、十月と一箇月ないし二箇月延びておるわけでございますが、この与える額はこの法律によれば四月、六月、九月、十一月、特別交付金は二月、こういうことになつております。いつかの御答弁によれば、与える平衡交付金の二分の一は六月までにやるんだという御説明があつたようでありますが、大体この法律の通りの時期に額が交付されておるかどうか。
  34. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 平衡交付金の概算交付は、大体法律の通りにやつております。これは御承知のように、前年度の交付基準額というものを基礎にして計算をいたしますので、その年度の正確な交付額が決定いたしませんでも、概算交付には支障がないわけでございます。
  35. 滝井義高

    ○滝井委員 本年度予算においては、すでに七月まで暫定予算がきまりましたが、八月以降の本予算というものは、まだ国会で審議中でございますが、大体において今月中で本予算が通るとすれば、各市町村に出す平衡交付金の額の決定は、法律の通り八月三十一日までに決定ができるかどうか。
  36. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 法律の通りにやりたいと思つて、ただいま準備を進めております。
  37. 滝井義高

    ○滝井委員 いま一つ、少しこまかくなりますが、現在この平衡交付金算定経費の種類、測定単位、あるいは単位費用の中に国民健康保険の算定——国民健康保険を、その種類あるいは測定単位単位費用の中に入れていないようでありますが、これを入れる価値のあるものとお考えになるかどうか、お伺いいたします。
  38. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 平衡交付金算定基礎に用いておりますのは、御承知のようにいわゆる基準財政需要額のみであります。これは一般会計に属するものにつきまして、大体算定をいたしております。特別会計、別途会計にわたるものにつきましては、この算定の中には入れておらないのでございます。
  39. 滝井義高

    ○滝井委員 特別会計のものを平衡交付金算定基礎に入れられない具体的な理由は、どこにあるのですか。
  40. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 一般会計として各地方団体を通じまして、標準的なものについて、その最低限度の財政需要額を測定するというのが、基準財政需要額の測定考え方でございます。従いいまして団体によりまして必ずしも一様に普遍的でないようなもの、またある程度まで普遍的でございましても、基準財政需要額の算定に入りますのは、御承知のように税収入の七割と、それから一般交付金の中の九二%という範囲内でもつて基準財政需要額の測定をいたすということでございますから、その他のそういつた特殊的なものにつきましては、基準財政需要額並びに交付金の九二%以外のものでもつてまかなう、こういう考え方で、さようなものは算入しない方が適当であろう、こう思つておるわけであります。
  41. 滝井義高

    ○滝井委員 普遍的という言葉を使われましたが、今までの経費を見てみますと心すしもこれは普遍的ばかりとは言えないわけなんです。これは都市的なものもあれば農村的なものもあつて経費算定はいろいろまちまちだと思います。現在国民健康保険は、一万余の町村の中で、少くとも五千くらいはやつておるわけなんです。これは一万余の市町村の中で五〇%もやつておる。今後これが非常に進展をして行く見通しがある。国もまた現在の日本のようなこういう貧しい国情になつたならば、当然これは推進をしなければならぬので、今後の見通しとしては、非常に普遍性を持つ可能性があるものなんです。と同時に、今までの国民健康保険というものは、国民健康保険料であつたが、保険税となつて来ておるのであつて、きわめてこれは客観的な、いわゆる人間の懇意によつて動かされない客観性が出て来ておるものだと思うのでございますが、今後しかも一般市町村の会計の中から、この特別会計の中には市町村のを合せると、十六億以上も吸い込んでおるわけなんです。こうなつてみると、これはきわめて普遍性があり、客観性があるものなんですが、そういう今までの考えを破つて、特別会計ではあるけれども民生安定、いわゆる重要な社会保障の基盤をなすものである、しかも日本の国民の二千万以上のものが現在包含せられ、将来五千万の国民を包含する可能性があるものなんですが、これはある程度どの町村も持たなければならない基準的な行政であり、基準的な施設になるものだと私は考えております。そういう現実になつておると考えるのですが、その現実から考えても、当然これは入れるべきものだと思いますが、やはり入れられないものなんでしようか。
  42. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方財政計画は、御承知のように一般会計に属するものを基礎にして立てております。特別会計は御指摘のように、国民健康保険も非常に重要なものであるし、相当普遍性を持つたものであると思いますけれども、その他にも特別会計は競馬、競輪やら、あるいは水道でありますとか電気でありますとかいろいろな特別会計を含んでおるわけでございまして、さような特別会計のすべてに通ずる地方財政計画をつくるということは、事実困難でありますし、また特に会計を一般会計から分離して処理しておるということは、要するにこの会計にある程度一般会計からの独立性を与え、できるだけ独立的に経済を運営させて行く。また公営企業等については十分に独立採算制をとらせる、こういう建前になつておるわけであります。従つてかようなものは地方財政計画の中には入れないで、特別会計で考えて行く、こういう建前にしておるのであります。地方財政平衡交付金基準財政需要におきましても、また基準財政収入算定におきましても、御指摘のような国民健康保険税は地方税の中には入れておりません。また国民健康保険組合に対して繰入れるべき一般経費というものも、もちろん入れておりません。かようなところはむしろ正常に運営をせられますならば、繰入金がなくて済まなければならぬわけであります。従つてやはり国民健康保険の関係のものを、この平衡交付金の中に、あるいは地方財政計画の中に入れるのは、全体の制度趣旨から申しまして適当でないと考えております。御了承を願います。
  43. 滝井義高

    ○滝井委員 どうもそこが了承できません。今までの特別会計というもの水道、競馬、競輪などは、国民健康保険とは根本的に違つておるのです。われわれが主張する基礎府県に入れるのでなくて、市町村に入れるのです。水道というものはこれは都市的なもので、決して水道が、現在の日本の経済事情において辺鄙な農村に普及するとは私は考えられません。われわれのような人口十万を持つておる市でも、総合的な水道計画というものは持ち得ないのが、現在の日本の状態だと思います。ところが健康保険というものは人間の生命に関することなのです。特別会計ではあつてもきわめて違つたものだと思う。そういう意味で非常に普遍性があるということは言えると思うのです。何も理論的に特別会計だからどうだ、あるいは一般会計だからどうだということではなくて、現実に税金になつておるのだから、一般基準算定基礎の中に入れてもちつともかまわぬわけだ。しかも非常に普遍性があつて、多くの町村が現在やり、またやらんとしておる状態で、国も現在これを助成しなければならぬという方向に向いておるときでありますので、思い切つてここに平衡交付金算定基礎の中にこれを入れて、そうして現在の国民健康保険の普及を、平衡交付金の百面からも促進することは、私は必要ではないかと思う。これは客観性がないことはちつともない。きわめて客観性のあるものであり、しかも普遍性を持つておるところからいえば、何も特別会計、一般会計にこだわる必要はちつともないと思います。
  44. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 国民健康保険税というものは、御指摘のようにまさに地方税ではありますけれども目的税であります。目的税というのは、ある一定の経費に充てます目的のためにとる税金でありまして、他と融通できるものではないのであります。普通の地方税は使途に制限がございません。平衡交付金も使途に制限がない。いわゆる一般財源であります。そういうものと、この国民健康保険税とはやはりおのずから本質が違うわけでありまして、この目的税として国民健康保険税をとることを認めておるのは、国民健康保険に関する事業を市町村が直営いたします場合においても、それは税収をもつて、また本人の負担等をもつて、国民健康保険事業を独立に経営できる、こういう建前でできておるわけでありまして、かようなものを財政計画の中に入れるということは、一般地方財政全体の歳入歳出の規模を通じまして、その不足財源をどう補填するかという問題を勘案いたします場合においては、やはりこれは考える必要はないと思います。全然別個の立場において考えなければならないというふうに思つております。
  45. 滝井義高

    ○滝井委員 国民健康保険の特別会計だけを取出して考えれば、その通りであると私も思います。ところが現実の国民健康保険をやつている市町村の実情を考えると、いわゆる基準財政需要額に重大な影響を及ぼしているのであります。なぜならば現在国民健康保険をやつているところは、その特別会計だけではどうにもならないのです。いわゆる一般税収の中から、この国民健康保険につぎ込まなければ、これの運営ができないというところにおいて、一般会計と特別会計とは続いているのであります。私はここに大きな問題があると思います。そういう点でたとえば現在一般会計から国民健康保険に流れているようなものについて、平衡交付金に何らかの手を加えることができるのではないか、私はこう考えているのであります。
  46. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 御指摘のような赤字で困つている国民健康保険を経営している市町村が少くないということは私も承つております。しかしこれはその国民健康保険事業特別会計の赤字の原因が、経営がうまくないということに基因するものと、あるいは現行の国民健康保険に関する制度それ自体に基因するものと両方あると思います。これはちようど地方団体の赤字がどうであるかという問題と同じような性格を持つ問題であろうと思いますので、これはやはり国民健康保険に関する制度及び運営の問題として、一般地方財政の問題とは別個に考えるべきである。ただ御指摘のように一般会計から国民健康保険の特別会計に繰入れた場合におきましては、確かに特別会計にしりが来るのでありますけれども、しかしそれはやはりその団体のきわめて特殊な事情に基くものであつて、それを一般の普通平衡交付金基準財政需要の中に、当然に各地方団体においてある限度のものがあるとして計算するということは、どうも適当でないと思うのでありまして、もしそういうようなことを財政需要に見込むといたしますならば、反面国民健康保険税をある程度基準財政収入の中に見込まなければならないのであります。しかしかりにこれを見込みましても目的税でありますから、他の支出に向けるわけに行かぬのでありまして、そういうものは収入支出に入れたといたしましても、ただ入れたというだけで意味がないのであります。こういう意味ではやはり平衡交付金制度とは別個に、この問題は考えて、国民健康保険制度の運営の改善の問題、あるいは制度の改革の問題として研究をすべき問題ではないと考えているのであります。
  47. 中井一夫

    中井委員長 大矢委員。
  48. 大矢省三

    ○大矢委員 鈴木さんにちよつとお伺いいたします。実は私昨日長官に向つてお伺いしたのでありますが、今度の義務教育費国庫負担法の特例に関する法律案をめぐつて賛成、反対の猛烈な陳情、請願があることは御承知の通りであります。特にその反対の理由として、平衡交付金の中にしわ寄せをされるのではないかという心配、それから改進党の今度の予算の修正内容において、平衡交付金を増額するということがある。もしこの法案が審議未了、もしくは否決になつた場合に、せつかく改進党が増額を修正されたその中にまたしわ寄せされて、平衡交付金がまた非常に少くなるのではないかという、修正案をめぐつて心配のあまりさらに賛成、反対の猛烈な運動のあることは御承知の通りであります。そこでこのような誤解を解くために——こういうことは当然あるべきことではないのでありますが、何といいますか、苦しまぎれにそういうことを心配されることも無理からぬことだと思います。ことに平衡交付金の今日までの取扱い方というものは、一定のわくをきめて逆算するのでありますから、あるいは減らされるということも当然心配があることはやむを得ぬ。そこで塚田大臣は何らかの形において、平衡交付金とは全然関係がないのだということを、地方に向つて徹底させるという答弁が昨日あつたけれども、しからば具体的にいかなる方法において、いつやるかということについては、まだ御決定しておらなかつた。そこで今日ぜひとも大臣の御答弁に従つてどういう方法で、いつやられるかということについて、わかり切つたことであるけれども、わかり切つたことを心配しておるのですから、ひとつこの機会にあなたのお考えを承りたいと思います。
  49. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 義務教育費国庫負担金と平衡交付金の額とが、全然無関係であるということにつきまして、その趣旨をよく地方に徹底せよという御要求でございまして、これは関係いたしますところが都道府県でございますから、昨日来全国知事会におきましても、いろいろこの問題をめぐつて議論があつたようでございまして、全国知事会の方に私どもといたしましては、御趣旨のようなことをよく伝えて、誤解のないようにいたしたいと考えております。
  50. 大矢省三

    ○大矢委員 それはもうされたのですか、いつされるのですか、その辺を……。
  51. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 昨日知事の代表の方が二、三見えましたので、その際昨日の委員会における御論議の模様を申しまして、一応話はすでにいたしております。
  52. 大矢省三

    ○大矢委員 知事会の代表の人が来られたときに言つたという程度ではなとに、これは至急正式に文書をもつて、ぜひとも自治庁から各府県知事あてに、あるいはできれば各府県知事でなくとも、今申しましたように、知事会議あてに、このことを通達をしてもらいたいということを強く要望しておきます。それができるかどうか。二、三の人に言つてあるからいいというのではなくて、私はこれはどうしてもやつていただきたいということを考えておりますが、やつていただけますか。
  53. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 私どももさような誤解はまつたくないであろうというふうに、実は思つておるのでございますが、大矢先生非常に御心配のようでございますから、善処いたしたいと思います。
  54. 大矢省三

    ○大矢委員 どうも善処という言葉はきわめてあいまいな言葉で、出すとか出さぬとか——そういう言葉のにおうところに心配があるのです。だからして、それは関係ないということ——それは関係ないということが、しばしば記録に載つているのですからいいようなものですか、なおかつ徹底するために、そういう通達を出してもらいたい。出すのか出さぬのか。善処というのは、私は出すという意味に解釈いたしますが、よろしうございますか。
  55. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 その通りでございます。
  56. 大石ヨシエ

    大石委員 私ちよつと委員長にお願いがあるのですが、七月六日の全国新聞に出た——今ここに読売と毎日と朝日を持つて来ましたが、社会党の左派の吉野代議士さんがあばれたという記事があるのです。しかし私は赤坂の議員宿舎に一緒にとまつておりますから、青野先生の人格をよく存じ上げておりますが、あの人はそういうことをなさらない人と私は信ずるのです。しかし、私は築地の警察署長に電話をして、秘書をただちに釈放するようにと言いましたけれども、築地の署長さんいわく、まつたくあきれた代議士である、すなわち秋田、塚原、こういう二人の巡査が公務執行妨害と傷害現行犯で、非常な重傷を負うたといつて、非常に義憤を感じて、そうして秘書はとうてい出されないということで、目下秘書は築地警察に留置しております。そこで私は警察に関係のある当委員会におきましては、ぜひとも築地署長、それから警視庁の警邏部長と秋田巡査、塚原巡査、それから自動車の運転手栗原義雄きん、それから青野代議士をここに呼んでいただきたいと思うのでありますが、皆さんいかがなものでございましようか。
  57. 中井一夫

    中井委員長 お諮りをいたします。ただいま大石委員の御要求は、道路交通取締規則その他の法律等に関係をいたすことでありますとともに、一般警察行政にも関係するものとして取扱うことができるものかとは存じますが、その取扱いをいかがにいたしましようか。この際ただちに委員長においてこれを定めることはできぬと思います。それゆえ委員会の御意見を承つて、これを決定いたすべきだと思うのでありますが、皆さんに御異議がなければこのまま決定をいたしますし、皆さんに何かの御意見があれば、その御意見によりまして進行をはかりたいと存じます。
  58. 西村力弥

    ○西村(力)委員 確かに全国新聞記事に出まして、ことに西日本の水害とか、非常に重要な国家的な問題が出ておりますときに、ああいうことが起きたということに対しては、非常に遺憾でございますが、私としましても、ただいまのようなお話が大石さんからありまして、本人と直接お会いいたしまして、具体的につまびらかに事情を聞いたのでございますが、本人の言う当夜の事情というものは、新聞記事に出ているのとは全然異なるのでございます。しかしこれをただちにここで問題にして行くということは、いろいろな関係もございますので、しばらく御猶予願つて理事会等において、とくとお話合いをいたしまして、その後正式に取上げるかどうか御決定を願いたい。特に提案者の大石さんには、そのように御了解願いたいと思います。
  59. 大石ヨシエ

    大石委員 実は私は青野さんを信ずるのです。それは同じ宿舎にとまつておりますから、みずから天下の代議士とおつしやるような人ですから、そういうことはなさらないと私は信じております。また同じ宿舎におりますから、そういうことはなさらないと私は信じておるのでございますが、京都の新聞には社会党右派代議士と書いてあります。右派代議士と書いてありますと、やはり私たちは右派に属しますから、非常に迷惑するのです。おそらく青野さんはなさらないと私は思うのです。そして衆議院の宿舎で、ぼくはそういうことをした覚えがない、それで弁明する意味においてこの委員会でも発言をしたい、また自分の名誉のために、本会議でこれを弁明したいとおつしやつていられましたから、ここでみなずらつと並んで聞いたら、紅白、すなわち赤いか白いか、黒いか、警官が悪いのか、代議士が悪いのか、秘書が悪いのか、それは私は一番はつきりするのです。おそらく青野さんがなさつたことではないと思う。ですから私は築地の警察署長に、ぜひとも一日も早く秘書を出してやつてくれと懇願しましだが、これはちよつと出すことができぬとおつしやいました。それは一体どういう意味であるか。その点を私は聞きたいのです。皆さんどういうふうに思われますか。
  60. 北山愛郎

    北山委員 大石さんのお話しになる気持もよくわかるのですけれども、われわれとしては、やはり地方行政委員会という立場において、ものを考えなければならぬと思う。従つてこれは確かに警察というものが関係者である。だからその意味においては地方行政委員会関係のある事項であると一応考えられます。しかし逆にその当事者が代議士である、われわれの同僚であるというような関係においては、取上げるべきではないと思うのであります。もしもこれを取上げるならば、われわれが知つておる人であろうがなかろうが、そういうような事件が新聞に載れば、その事件を一々、署長と関係者を全部呼んで、この委員会で問題にするかしないか、そういうような扱いをするのは、地方行政委員会仕事じやないと思うのです。一般的な問題として問題にすべきであつて従つてこれが白か黒かということを判定する機関は別にあります。また御本人が一身上の弁明をされる機会も別にあると私は思うのでありますから、当委員会としてこの問題を地方行政委員会事項として取上げるべき性質のものでない、私はそう思います。
  61. 大石ヨシエ

    大石委員 実は青野さんが、私の方にこんな原稿を持つて来て、自己弁明をしたいから、本会議でぜひやると七つしやつたので、そんな問題は本会議でやるべきものでないから、ここでやりなさいと言つたのですが、一昨日ここべ来ておつたのです。そうして自分はなぐつた覚えはないと言う。確かに私は、あの人はそういうことをなさ品ないと思うのです。それで、もし警官に傷があるとすれば、それは一体どこでどうして傷ができたのか、それはつくつて傷ができたのか、私はそのことをもう一度警官にもここへ来てもらい、運転手にも来てもらい、青野さんにも来てもらつて、どつちが正しいか、これは私は地方行政委員会としてそこらを聞く必要があると思う。法務委員会でもやると言うている。
  62. 中井一夫

    中井委員長 ちよつとお伺いしますが、ただいまおつしやつた、ここへということは、この委員会という意味でありますか。
  63. 大石ヨシエ

    大石委員 そうです。
  64. 中井一夫

    中井委員長 それから青野代議士御自身が、みずから進んで一身上の弁明をしたい、そういう御希望もあるという御趣旨ですか。
  65. 大石ヨシエ

    大石委員 はい。
  66. 中井一夫

    中井委員長 わかりました。ただいまこれを進むべしという意見と、進むべからずという御意見とが、大体開陳せられたようであります。従いまして、この程度において理事会を開いたらいかがでしようか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  67. 中井一夫

    中井委員長 それではこの問題は、ひとつ理事会を開き御決定をいただくことにいたします。しばらく速記を中止いたします。     〔速記中止〕
  68. 中井一夫

    中井委員長 速記開始。  大石さん、ただいまのあなたの御意見につきましては、委員のうちには反対の方もあることは御承知の通りであります。この問題はいろいろな意味を含むもののごとく思われます。従つてこの際あつさりお申入れを御撤回にたる御意思はございませんか。
  69. 大石ヨシエ

    大石委員 あしたまで考えさしてもらいます。私も言い出したことを撤回するとは言えぬからな。
  70. 中井一夫

    中井委員長 それでは撤回はせぬという御趣旨ですか。
  71. 大石ヨシエ

    大石委員 あしたまで考えるというのです。
  72. 中井一夫

    中井委員長 それでは大石さんの問題につきましては、明日これを決定することにいたします。  本日はこの程度で散会いたします。     午後四時二十三分