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1953-07-23 第16回国会 衆議院 水産委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年七月二十三日(木曜日) 午前九時三十六分
開議
出席委員
委員長
田口長治郎
君
理事
川村善八郎
君
理事
鈴木
善幸
君
理事
中村庸一郎
君
理事
山中日露史
君
理事
日野
吉夫
君
中村
清君
夏堀源三郎
君 濱田 幸雄君
水田三喜男
君
志賀健次郎
君
赤路
友藏
君
田中幾三郎
君 辻 文雄君
松田
鐵藏
君
中村
英男君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣
小笠原
三九郎君
出席政府委員
水産庁長官
清井 正君
委員外
の
出席者
農林事務官
(
水産庁漁政部
長) 立川
宗保
君 専 門 員 徳久 三種君
—————————————
七月二十二日
委員緒方竹虎
君辞任につき、その補欠として前
田正男
君が議長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
七月二十二日
南洋群島内漁業基地復活
に関する請願(
赤城宗
徳君紹介)(第五一二〇号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
(
鈴木善幸
君外 三十四名
提出
、
衆法
第四〇号)
—————————————
田口長治郎
1
○
田口委員長
これより
会議
を開きます。
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
を議題とし、
質疑
を継続いたします。
松田鐵藏
君。
松田鐵藏
2
○
松田
(鐵)
委員
大蔵大臣
には
予算
の
審議
上非常に多忙であり、われわれは
大蔵大臣
に対するいろいろな
政策
を聞きたいという
考え方
を持
つて
おりますが、なかなかそうした多忙な今
国会
における当
委員会
に御
出席
を願える機会がないので、やむなく朝早くから
大蔵大臣
の私邸にお伺いして、いろいろと
政策
の面に対して
陳情
を申し上げ、かようにして
水産委員会
のあり方に対する御
努力
を願
つて
おる点に対しては深甚なる敬意を表するものであ
つて
、また私
ども
としては最も
水産
に
理解
のある
大蔵大臣
を得たことを非常に心強くするものであります。また
政府部
内においても、各有力な
大臣
がありますが、
経済人
である
大臣
というものはほとんどないその中に
小笠原大臣
はわれわれが希望しておる
経済人
から出た、しかも党人から出た閣僚であ
つて
、この点に対する理論的な進め方と、
経済面
から見たその目との
観点
というものが非常に大きく異なるものであり、それをよく御
理解
のできる
大蔵大臣
を得たことを非常に心強く、
日本
の
政治
のために、
日本
の
経済
のために喜ぶ次第であります。しかして今回この
委員会
に
提案
されておりまする
漁業法
の一部
改正
の問題、要約いたしますれば
免許料
、
許可料
を全廃せんとする
法律案
であります。そもそもこの
法律案そのもの
が、
漁業法
の
制定
にあたりましてわれわれはま
つた
く不必要なものであり、理論的に成り立たぬものであるという
議論
によ
つて
、これを省こうとしたものでありました。しかし当時の
占領政策
の
至上命令
によ
つて
、やむなくこれをのまざるを得なか
つた
ものであります。さてその結果、当初は六十億であり、のまなければならないものであ
つた
ならば、
漁民
の
経済
の
確立
の面からい
つて
、当時の
池田大蔵大臣
に、あらゆる面に折衝いたしまして、ついに百八十一億までこれをのませ、
漁民
の
経済
の
確立
をまずはかろうとしたものであります。しこうして昨日も、よく速記を見ていただけばわかりまするが、かような方針ならば、二十六年度においてこの
免許料
、
許可料
が二十七年度から
徴収
されるに当
つて
、当時
制定
されてお
つた漁業権税
その他の税は、必然的に
撤廃
されるべきものであるという
議論
によ
つて
、これが
撤廃
されたものであります。今や
漁業権税
及び
地方税
、
町村税
においても、
漁業
に対しては何ら税はかか
つて
いないのであります。あらゆる
日本
の
事業
の中から行きましても、この
免許料
、
許可料
という不合理な税法があるか。これを通じて
漁民
の今までの税というものがすべてが
撤廃
されてお
つて
今日に
なつ
たものであります。しかるに今回この
法律案
によ
つて
、当初から不合理であるという
議論
が、
委員会
においてまた各
代議士
間において盛り上
つて
、今日の
提案
に
なつ
たものだ。しこうして当
委員会
二十五名のうち、私一人はこの
提出
に対して
署名
を拒否したものであります。それは
経済人
である
大臣
にはその意味合いがよくわかることだろうと思います。私も小さいながら
経済人
であり、よ
つて政治
には理論的に筋を通して行く場合と、大幅に幅をも
つて
考え
る場合との、この問題があるのであります。よ
つて
私一人この
提案
に
署名
を拒否した。
漁民
のため、また
日本国民
全体のため、また
政府
の意図する
考え方
に対して、よく
理解
し合
つて
行くことによ
つて
、初めて
漁民
の
利益
、
国民
の
利益
というものがもたらされるものであるという
観点
から来たのであります。さてもはや
議論
は尽きたのであります。ただ
政治
問題として取残されている問題は、われわれは一にも二にも
水産庁
の
行政費
の問題、
水産振興
の問題が論議されるものであります。これに対して端的に申すならば、実に私は常日ごろから男のいろいろな点からい
つて
、
政府
の、
大臣
の意図というものが、その
政策そのもの
がなかなか
大蔵省
の
役人
には徹底しない点が多々あるものであります。たとえば昨年私が
川村委員
と一緒に
大蔵省
に行きまして、保安庁の
主計官
と折衝した点がありました。それは
美幌
町の水道が、これは軍がつく
つた
ものであり、それを
予備隊
が使用しており、町が管理してお
つた
。これがあの
十勝沖
の震災によ
つて
破壊した。それを修理しなければ二十三の井戸の水をも
つて
は
美幌
町の
飲料水
に事欠くのであ
つて
、その問題が論議されて、しこうして建設省、
予備隊
、それらの
話合い
が成立
つて
、
大蔵省
にその
予算
の獲得をせんとしたときにおいて、その当時の
主計官
は、名前は忘れましたが、実に言語道断なるものである。しかしそれは実に
理由
は
一つ
もあるのです。
予備隊
というものの性格からい
つて
、
国民
の批判を受けている今日、
政府
がどのように
考え
てお
つて
も、われわれ
主計局
としての
考え方
は、
政府
の
考え方
とはま
つた
く異なるという
言葉
を、私と
川村委員
に
発言
された。あまりにも無謀なる
発言
にあきれ果てたが、われわれは
国議員
である。
主計官
に対してそこで
議論
をして見ても何の役にも立たぬから、
主計局長
に対して、実はこういうわけであ
つた
ぞ、注意をするようにという
警告
を与えて参
つた
ものであります。かようにして
大蔵省
の
主計局
における、この
免許料
、
許可料
が全廃されたあかつきにおいて、
日本
の
経済財政
を、いな
予算
をつくる
主計局
の
考え方
が、たとえば昨年のただいま申し上げたような
主計官
の
考え方
が、もし現存するようなことがあるならば、これは非常に
水産行政
に対するマイナスになるのではないかという
杞憂
を私は持つものでありまするが、この点に対する
大蔵大臣
のお
考え
を承りたいのであります。
小笠原三九郎
3
○
小笠原国務大臣
この
許可料
、
免許料
の問題につきましては、私
ども
実は
漁業者
であ
つた
ことがありまして、相当無理なことであるということは今仰せになるようによく
承知
しております。また現実になかなか
徴収
に困難だということも、よく
承知
しておりまするが、
皆さん
で御
決議
になることについて、二十九年度以降の分でありますると、私はここで一応了承して、話はつくと思うのでありまするが、二十八年度でありますと、六億五千二百万円、実は
予算
に計上してあるのであります。(「それはわか
つて
いる」と呼ぶ者あり)いや、もしそうであれば……。私そういうふうな問題について、多少明らかでないところがあるかもわかりませんが、本年度に
予算
に載
つて
いる分は、これはどうもとることにしませんと、これは
予算
の
変更等
になりまして困りまするが、それ以後のものにつきましては、これは議会の御意向を尊重する、こういうことにいたしたいと存じております。
松田鐵藏
4
○
松田
(鐵)
委員
非常に
理解
あるただいまの御
答弁
で、満足するのでありまするが、私が申し上げた
一つ
の事例であります。
主計局
における、
一般
から見られる
主計官
の
態度
、思想であります。この点に対して
杞憂
を持つものであります。しこうして一番大事な点は海区の
調整費
であります。現在二億二千七百万円かか
つて
おるのでありまするが、これが
各地沿岸
から、とうていこれではまかない切れないというような非常な強い
要望
もあり、また
国政調査
に行
つて
みるときにおいても、ま
つた
く
漁民
の
負担
によ
つて
なされておる点も多々あるのでございます。しかしてこれが三倍、四倍という数字も
水産庁
へ
陳情
にな
つて
おるものでありまするが、
水産庁
は国の
財政
の面からい
つて
も、
大蔵当局
との
話合い
によ
つて
これ以上出し得ないので、今日二億二千七百万円とな
つて
おりまするが、これらに対してもし減額でもされるようなことがあるならば、今でさえ足らないものが、また
漁民
の
負担
というものが非常に大きな問題になるものでありまするが、こういう点に対して
大臣
はどのようにお
考え
にな
つて
おるか、この点伺います。
小笠原三九郎
5
○
小笠原国務大臣
ただいまお尋ねの、これがために
水産庁
の
予算
が
減つて
は困るという御趣意かと存じます。そうでありますれば、これは
予算編成
のときに、御
承知
のごとく、
全般
の
経済関係
をにらみ合せて行くわけでございまするし、また
国会
の方には
予算
の
修正権
もお待ちなわけでございまして、私としては、今
水産庁
の来年度の
予算
を減らすとか、ふやすとかいうことは、ここで申し上げにくうございますが、
全般
の財源から見まして、
財政
とにらみ合せて適正なる配分をするということが、私
ども大蔵省
の
予算編成権
、
提案権
を持
つて
おるものの建前でございまするので、金額についてここでかれこれ申すことはできませんが、これは
全般
の
財政
のにらみ合せでよく
考え
ますが、しかしこのことがあるために、特に減らすというような
考え方
を持
つて
おらぬということだけ申し上げておきます。
松田鐵藏
6
○
松田
(鐵)
委員
大臣
の
答弁
はその通りでありまして、私がかりに
大蔵大臣
になりましても、
国会
において
修正権
があるということは
答弁
はしなければなりません。しかし実質的にはそうじやない、国の
財政
全体をにらみ合して行く上において、まずつくる
原案そのもの
が、昨年末から本年の正月にかけての血みどろな党と
政府
とのつばぜり合いのある
闘い
、ここにおいて
主計局
の方々も、家にも帰ることができずして
努力
されておる
状態
も知
つて
おる。
主計局長
をつかむためにわれわれも作戦をめぐらして、
家宅侵入
までして、
主計官
と
話合い
をせんとする
苦労
も
経験済み
であります。
大臣
は
大臣
で、党との折衝で毎日頭をかいている
状態
もよくわかる。朝の七時、八時から各
代議士
が詰めかけて、そうして血みどろな
闘い
をしておる
状態
もわか
つて
おります。国の
財政一般
から見て、金融の状況というものは
——役人
が
予算
でもつくることがなく、
国会
でもなか
つた
ら、
役人
ほどいいものはない。
予算
と
国会
があるがために、またそこに
役人
の励みもあるでしようし、辛いこともよく察しているのであります。
修正権
が
国会
にあるからとい
つた
ところで、
大蔵官僚
の
考え方
というものは、
修正権
なんというものはへとも
考え
ていない。昨日
大臣
が隣の
水害対策委員会
でつるし上げを食
つて
いる
状態
もよく見て来ているが、これは私が
大蔵大臣
にな
つて
も、そのくらいの
答弁
はする。
大臣
に
要望
する点は、われわれは
与党諸君
から時間だ時間だと言われるから、簡単に申し上げますが、今日の九州における大
災害
に対しては別な立法をしなければなりますまい。永久的な施設もしなければなりますまい。
公共事業費
の大幅の増額を明年は認められるものとわれわれも
考え
ている。さて国の
財政
は、
MSA
の
援助
をめぐ
つて
の明年の
予算
の
編成
というものは、非常に重大なものが
大臣
の双肩にかか
つて
来るだろうと思う。ところがこんなわずかの六億五百万の問題と、国全体の
財政
の面から見たものとは、事は違うとはいうものの、大体今日の
水産行政
の面、
水産振興
の面から見たならば、あなたはよく御
理解
があるから……、ここで喋々と申し上げませんが、現在の
水産行政
、
水産振興
の面から見たならば、ま
つた
く九牛の一毛にすぎないような実態もある。しかしわれわれは
国会議員
としての
立場
から
日本
の
財政
を見て、その問題に対しても
努力
はしているが、やむを得ないという
考え方
もやむなく持たざるを得なか
つたの
であります。その点に対して特段の
大臣
の
政治
的、
経済人
的な
考え方
から善処あらんことを
要望
いたしまして、
あと
は
大臣
の私邸なり、または時間の許す範囲内におきまして懇談することにして、
あと
に譲りまして、すべての点に対する当
委員会
の
議論
がさような
考え方
であるということをよく御認識あらんことを希望いたしまして、私の質問を終ります。
田口長治郎
7
○
田口委員長
他に御
質疑
もありませんので、
本案
に対する
質疑
はこれにて終局いたしました。 これより
討論
に入ります。
討論
は
通告順
によりこれを許します。
松田鐵藏
君。
松田鐵藏
8
○
松田
(鐵)
委員
私は今回の
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
の
提出
にあたり、
自己
の
意見
を申し上げ、しかして
委員各位
と忌憚ない
意見
の交換をして
漁民
、ひいては
日本国民
全体の
利益
をはからんと
考え
てお
つた
ものであります。しかして付託される以前の日でありますが、
協議会
が開催されたときにおける
与党諸君
の私に対しての
話合い
、ま
つた
く私は遺憾に思うたものであります。そのときにあた
つて
、お互い各
政党
においては
政党そのもの
の
立場立場
もあり、しかして
党議
によ
つて
この問題を
決定
したことであり、この
提案
をするものであるという御
議論
に対して、
漁民
の
利益
のために、
日本国民
の
利益
のために、たとい
党議
で
決定
したといえ
ども
、この問題の論議がよくされることによ
つて改正案
に対する修正なり、いかなる
方法
でも講じなければならないではないかという私の
協議会
の
発言
に対して、
与党諸君
を代表する
鈴木
君の、
党議
で
決定
したものであるからこれが最善の
方法
なりという
発言
によ
つて
、多数の力によ
つて
これを押しつけんとした行動が、私にとられたのであります。私はこの
審議
中において、各
大臣
に対する
質疑
において、幾たびも繰返されなければならない
一つ
の、
皆さん方
から笑われる
議論
をしておるものである。この二十四対一の光栄ある
提案署名
に対する拒否という
言葉
を使
つて
おるのである。これは
委員会
の
運営
で全部が一致して出したものであるがゆえに、二十四対一によ
つて
、かような
鈴木委員
の私に対してのあの
議論
が成り立つ見通しを持
つて
お
つた
からなされたことでありましよう。しかしまた次には、当
委員会
は党派を超越してとい
議論
がたびたびなされておる。そんな簡単なものではありません。たとえばこれから
MSA援助
により
日本
の
経済
の変革がもし来らせられたとしたならば、
社会党
の
諸君
はどういう
議論
をされるか。また私
ども
は私
ども
の
立場
として、改進党は改進党の
立場
として
——水産委員会
は超党派的などということですべての問題を片づけるということは、今までの
自由党
の絶対多数
独裁政治
を夢みているからであります。この点における
与党諸君
の
態度
について、私はこれからの
水産委員会運営
のために
警告
を発しておくものであります。 またもう
一つ
は、この
提案者
、
自由党鈴木委員
によ
つて
なされた
提案理由
の
説明
では、大体この法案の
案そのもの
は改進党によ
つて
成案
されたものであるという。しかるに
漁民大会
のあの場所で、
自己
の
政党
の
利益
にせんがために、
自由党
においてその日の十時の会が九時半までかか
つて
党議
で
決定
したということで、あの場面を糊塗したのであります。その問題はあのときにおいても私が指摘した。そしてこの
提案理由
の
説明
は、
委員会運営
の
立場
からい
つた
ならば、当然改進党によ
つて
しなければならないものであろうと私は
考え
る。これは
委員会運営
の上において私が
考え
た問題である。
委員長
にそれを話したところが、
了解済み
だということであるけれ
ども
、しかしこれから
加工水産物
の
輸出振興
に関する
法律案
だとかいろいろな案が出て参るのであります。こういうときにおける
委員会
の
運営
というものは十分に
考え
て行かなければならないと思うのであります。 さて私は二日、三日の問にこの
議論
を、ただいまの
議論
によ
つて
行
つた
ものでありまするが、幸いにして事前の打合せもした。また
大臣
との
話合い
もした。よ
つて質疑
は簡単に運びましたが、その間における
委員長
の
努力
というものは並たいていでなか
つた
ことを私はよく認識しておる。夜の十一時、十二時までかか
つて
、朝は六時、七時から起きて、そうしてこれの
調整
のためにあらゆる
努力
をしたその結果が、当
員会
において本日
成案
、終結する
運びにまでなつたことについて
、私は
委員長
の
苦労そのもの
を非常に多とするものでありまして、私も、今後における
提案者一同
の、私の
杞憂
しておる点に対する特段の
努力
と、
政治的道義
の上からにおいて、善処されんことを
要望
いたしまして、
本案
に対して
賛成
とするものであります。
田口長治郎
9
○
田口委員長
鈴木善幸
君。
鈴木善幸
10
○
鈴木
(善)
委員
私はこの際明らかにいたしておきたいと思うのでありますが、本
法律案
を
提案
する経過につきまして、
松田
君からただいま御
発言
があ
つたの
でございますが、御
承知
のようにわが
自由党
におきましても、去る十日の朝に
党議
をもちまして、この
免許料
、
許可料
の
制度
を
撤廃
することに
決定
をいたされておるのであります。従いまして、改進党における
党議
と
自由党
の
党議
はま
つた
く
同一
のものであ
つた
わけでありまして、同様の
党議
であれば、それに基いて
法制局等
に命じて
法律案
を作成せしめる場合におきましても、
同一
の
結論
が出るということは、これは原因と結果の
関係
で当然のことであるわけであります。このことは賢明なる
松田
君は当然御
承知
であろうかと思うのであります。しこうしてこの
撤廃
するという
結論
における
法律
の
改正案
が、改進党と同様の
成案
を得まして、そうしてここに
各党共同提案
と相
なつ
たわけであります。そこで
社会党両派
におかれましても、それぞれ党において御
決定
なさいまして、
自由党
、改進党の案との
調整
がここにできて、
共同提案
の形に相
なつ
たわけでありまして、その
提案
をいたします場合に
各派
と御
協議
をいたしまして、そうして第一党でありますところの
自由党
が
提案
の
代表者
となりまして、ここに
提案
を見たという次第であるわけであります。そこで
松田
君もお聞きにな
つて
おると思うのでありますが、
提案理由
の
説明
でも、改進党におかれては、
白浜委員
を初め
水産委員
の
各位
がこの問題につきましては非常な
苦労
を願
つた
。
社会党
の
両派
の
諸君
におかれましても、いち早く
党大会等
においてこの
撤廃
を
決議
されて、非常な御尽力を願
つた
。また
議員連盟
の
川村理事長
におかれましても、
各派
の
意見
を
調整
されるために並々ならぬ御配慮を願
つた
。こういうことを特に私は
提案理由
の
説明
におきまして申し上げておるのであります。そういうふうな次第でございまして、決してこれが
自由党
の
党利党略
というような見地に立
つて
いるものではないということを御了承願いたいと思うのであります。 私はここに
各派
の
共同提案
になりますところの本
法律案
が、
松田
君の御
理解
ある先ほどの
討論
によりまして、満場一致一人も欠くるところなくこれが
賛成
を得まして、全
漁民
の
要望
にこたえる結果がここに生れましたことを、
日本
の
漁業
の今後の
振興発展
のために、
漁民生活
の
安定向上
のために心から祝福いたす次第であります。私はこのことを一言申し上げまして私の
討論
を終る次第であります。
田口長治郎
11
○
田口委員長
暫時休憩いたします。 午前十時十四分体感 ————◇————— 午前十時二十四分
開議
田口長治郎
12
○
田口委員長
休憩前に引続き
会議
を開きます。
討論
を続行いたします。
中村庸一郎
君。
中村庸一郎
13
○
中村
(庸)
委員
私は改進党を代表いたしまして、この
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして
賛成
の意を表するものであります。 この
法律案
の
提案
の
理由
並びにその
内容
につきましては、
提案者
の
提案理由
の
説明
の際、種々お述べになり、その
内容
もしごく簡単でありますので、私は繰返すことを省略いたします。 この
免許料
、
許可料
の
撤廃
の件は、
日本
全
漁民
の
漁業法制定
当時よりの熱望でありまして、他産業に見ない
制度
であり、あまりにも矛盾と不均衡のため、
関係者
はその不合理をつき、その
廃止
を叫び続けて来たのでありまして、わが改進党は
漁民
より強い
要望
を受けておりましたので、早くからその
廃止
について研究して参
つたの
であります。最近に至りこの免、
許可料
の
撤廃
の機運が
漁民
及び
関係者
の動きによ
つて
高まり、
国会
の問題とな
つたの
で、いち早く改進党は
党議
をも
つて
、この
制度
による
漁民
の
経済的負担
の重荷を廃し、
漁民
の苦悩を軽減すべきであるとしてその
撤廃
を
決定
したのであります。 幸い改進党の
白浜委員
が
漁業制度等
の小
委員長
である
関係
上、非常な活躍をいたされ、
法律案
も早々に作成し、満を持していたのであります。何しろ国の
財政
的にも大きな
影響
のある問題でもありますので、
自由党
、
両派社会党
、分
自党ともども同一歩調
で行くべく希望しておりましたところ、
各党
の
水産委員
の非常なる御
努力
によりまして順調に
各党
の手順も運び、
各派共同提案
まで来ましたことは、まことに喜ばしいことと存じます。
現下漁業
の経営困難のときこのような
措置
をいたしたことは、その
理由
を喋々する必要はなく、
水産国日本
の
漁民
のためまことに当を得たものと深く
賛成
をいたすものであります。簡単でございますが、改進党を代表いたしまして
一言賛成
の
言葉
を述べた次第であります。(拍手)
田口長治郎
14
○
田口委員長
日野吉夫
君。
日野吉夫
15
○
日野委員
本案
に対しましては、私は
各党
を代表して、次の
附帯決議
を付して
賛成
したいと思う次第であります。
附帯決議
を読み上げます。
漁業法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
一
政府
は、
昭和
二十七年度分の
免許料
及び
許可料
の
徴収
については、
災害
、
接収
、
演習
其の他の
事情
により
納入
困難なる者に対しては、
減免等
の
措置
をすること。 二
昭和
二十七年度分の
漁業免許料
及び
許可料
の未
納入分
については納期内に必ず
納入
せしむる様万全の
措置
を講ずること。 この趣旨を簡単に弁明いたします。私は
日本社会党
の
立場
からでありますが、この
漁業免許料
及び
許可料
の問題は、しばしばここで論議されますように、まず農地改革等いろいろの国の施策と比較いたしまして、非常に不合理なものを持
つて
おる。こういうことで、私
ども
の党では昨年の
大会
において、これを
廃止
すべきものであるとの
決定
をいたして、その後各
漁業団体
、
漁民
各方面からの
要求等
もあり、この運動が執拗に継続されてお
つたの
であります。そういたしまして、たまたま
各党
の議が熟しまして、過般
各党
それぞれ
廃止
すべきことを
決定
いたして本
共同提案
にな
つたの
でありますが、私たちは、二十八年度の
予算
に盛り込まれてある部分までも、これは不合理なものとして
廃止
すべきものである、一部
徴収
したものについても還付すべきものであるという主張を強くいたして参
つたの
でありますが、これは
政治
でありまして、
各党
の
意見
のまとまるところで結局
廃止
ということを
決定
するならば、われわれは
各党
と同調して、とにかく
廃止
すべきである、こういうことで
本案
に
賛成
いたしたのでありますが、
漁業法
が
改正
されまして、従来七十七条に規定してあります
減免規定
がなくなりますので、その場合においても、
政府
は、二十八年度分の
免許料
、
許可料
の
徴収
については、
災害
の場合は、以前の法規にも規定してありまするし、今回計上された
予算
についても、
災害
についての
免除申請
のあ
つた
ものは考慮する手続をと
つて
おられる、こういうことでありまするけれ
ども
、新しい北九州、あるいは過般の続続起る
水害
に
漁業災害
がまざ
つて
おるのを見ましても、やつぱりこれらは当然免除すべきものである。さらに新しい
事情
として、
漁業法
に規定されてない
接収
あるいは
演習地
、これらの
影響
の及ぶ地域において、またその他の旧法に定められたような
事情
によりまして
納入
困難なものに対しては、当然の処置としてこれはなすべきものである。こういう点から、この第一項を加えたのであります。さらに七十八条に規定してありまするところの条項に基きまして、きのうあたりしばしば、大
漁業家
が
納入
を
サボつて
おるというような
事情
等も糾明されておりまするので、納期内に必ず
納入
せしめるというお答えでありますけれ
ども
、さらに期間内に必ず
納入
せしむるように万全の
措置
を講ずる、こういう趣旨の規定をいたしまして、この二つの
附帯決議
をつけて、私は
本案
に
賛成
をいたしたい、こう
考え
るものであります。
田口長治郎
16
○
田口委員長
これにて
討論
は終局いたしました。 採決いたします。
本案
に
賛成
の
諸君
の起立を求めます。 〔総員起立〕
田口長治郎
17
○
田口委員長
起立総員。よ
つて
本案
は満場一致をも
つて
原案通り可決いたしました。 次に、
日野吉夫
君
提出
の
附帯決議
について採決いたします。これに
賛成
の方の起立を求めます。 〔総員起立〕
田口長治郎
18
○
田口委員長
起立総員。よ
つて
本
決議
案は
決定
をいたしました。 なお
本案
審議
に際しまして、
委員長
から
皆さん方
に一言お礼を申し上げたいと思うのでございます。 この法案につきましては、御
承知
の通り、全国多数の
漁民
に直接に関連をする重大問題でございまして、
本案
の
審議
にあたりまして、連日夜まで
皆さん方
の御
努力
をいただきましたことにつきまして、厚く感謝する次第でございます。また
本案
通過に際しまして、
松田
委員
は将来の
水産
予算
に関しまして、非常なる御懸念をなさいまして、連日にわたりまして、この点の応戦に当
つて
いただきましたことにつきましては、特に
委員長
から、
松田
委員
に感謝をいたす次等でございます。 なお
本案
に対する
委員会
報告書の作成につきましては、先例により、
委員長
に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田口長治郎
19
○
田口委員長
異議なしと認め、さように
決定
いたします。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をも
つて
御通知申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十七分散会