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1953-07-23 第16回国会 衆議院 水産委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十三日(木曜日)     午前九時三十六分開議  出席委員    委員長 田口長治郎君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 中村庸一郎君 理事 山中日露史君    理事 日野 吉夫君       中村  清君    夏堀源三郎君       濱田 幸雄君    水田三喜男君       志賀健次郎君    赤路 友藏君       田中幾三郎君    辻  文雄君       松田 鐵藏君    中村 英男君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  出席政府委員         水産庁長官   清井  正君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      立川 宗保君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 七月二十二日  委員緒方竹虎君辞任につき、その補欠として前  田正男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 七月二十二日  南洋群島内漁業基地復活に関する請願(赤城宗  徳君紹介)(第五一二〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  漁業法の一部を改正する法律案鈴木善幸君外  三十四名提出衆法第四〇号)     —————————————
  2. 田口長治郎

    田口委員長 これより会議を開きます。  漁業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。松田鐵藏君。
  3. 松田鐵藏

    松田(鐵)委員 大蔵大臣には予算審議上非常に多忙であり、われわれは大蔵大臣に対するいろいろな政策を聞きたいという考え方を持つておりますが、なかなかそうした多忙な今国会における当委員会に御出席を願える機会がないので、やむなく朝早くから大蔵大臣の私邸にお伺いして、いろいろと政策の面に対して陳情を申し上げ、かようにして水産委員会のあり方に対する御努力を願つておる点に対しては深甚なる敬意を表するものであつて、また私どもとしては最も水産理解のある大蔵大臣を得たことを非常に心強くするものであります。また政府部内においても、各有力な大臣がありますが、経済人である大臣というものはほとんどないその中に小笠原大臣はわれわれが希望しておる経済人から出た、しかも党人から出た閣僚であつて、この点に対する理論的な進め方と、経済面から見たその目との観点というものが非常に大きく異なるものであり、それをよく御理解のできる大蔵大臣を得たことを非常に心強く、日本政治のために、日本経済のために喜ぶ次第であります。しかして今回この委員会提案されておりまする漁業法の一部改正の問題、要約いたしますれば免許料許可料を全廃せんとする法律案であります。そもそもこの法律案そのものが、漁業法制定にあたりましてわれわれはまつたく不必要なものであり、理論的に成り立たぬものであるという議論によつて、これを省こうとしたものでありました。しかし当時の占領政策至上命令によつて、やむなくこれをのまざるを得なかつたものであります。さてその結果、当初は六十億であり、のまなければならないものであつたならば、漁民経済確立の面からいつて、当時の池田大蔵大臣に、あらゆる面に折衝いたしまして、ついに百八十一億までこれをのませ、漁民経済確立をまずはかろうとしたものであります。しこうして昨日も、よく速記を見ていただけばわかりまするが、かような方針ならば、二十六年度においてこの免許料許可料が二十七年度から徴収されるに当つて、当時制定されておつた漁業権税その他の税は、必然的に撤廃されるべきものであるという議論によつて、これが撤廃されたものであります。今や漁業権税及び地方税町村税においても、漁業に対しては何ら税はかかつていないのであります。あらゆる日本事業の中から行きましても、この免許料許可料という不合理な税法があるか。これを通じて漁民の今までの税というものがすべてが撤廃されておつて今日になつたものであります。しかるに今回この法律案によつて、当初から不合理であるという議論が、委員会においてまた各代議士間において盛り上つて、今日の提案なつたものだ。しこうして当委員会二十五名のうち、私一人はこの提出に対して署名を拒否したものであります。それは経済人である大臣にはその意味合いがよくわかることだろうと思います。私も小さいながら経済人であり、よつて政治には理論的に筋を通して行く場合と、大幅に幅をもつて考える場合との、この問題があるのであります。よつて私一人この提案署名を拒否した。漁民のため、また日本国民全体のため、また政府の意図する考え方に対して、よく理解し合つて行くことによつて、初めて漁民利益国民利益というものがもたらされるものであるという観点から来たのであります。さてもはや議論は尽きたのであります。ただ政治問題として取残されている問題は、われわれは一にも二にも水産庁行政費の問題、水産振興の問題が論議されるものであります。これに対して端的に申すならば、実に私は常日ごろから男のいろいろな点からいつて政府の、大臣の意図というものが、その政策そのものがなかなか大蔵省役人には徹底しない点が多々あるものであります。たとえば昨年私が川村委員と一緒に大蔵省に行きまして、保安庁の主計官と折衝した点がありました。それは美幌町の水道が、これは軍がつくつたものであり、それを予備隊が使用しており、町が管理しておつた。これがあの十勝沖の震災によつて破壊した。それを修理しなければ二十三の井戸の水をもつて美幌町の飲料水に事欠くのであつて、その問題が論議されて、しこうして建設省、予備隊、それらの話合いが成立つて大蔵省にその予算の獲得をせんとしたときにおいて、その当時の主計官は、名前は忘れましたが、実に言語道断なるものである。しかしそれは実に理由一つもあるのです。予備隊というものの性格からいつて国民の批判を受けている今日、政府がどのように考えておつても、われわれ主計局としての考え方は、政府考え方とはまつたく異なるという言葉を、私と川村委員発言された。あまりにも無謀なる発言にあきれ果てたが、われわれは国議員である。主計官に対してそこで議論をして見ても何の役にも立たぬから、主計局長に対して、実はこういうわけであつたぞ、注意をするようにという警告を与えて参つたものであります。かようにして大蔵省主計局における、この免許料許可料が全廃されたあかつきにおいて、日本経済財政を、いな予算をつくる主計局考え方が、たとえば昨年のただいま申し上げたような主計官考え方が、もし現存するようなことがあるならば、これは非常に水産行政に対するマイナスになるのではないかという杞憂を私は持つものでありまするが、この点に対する大蔵大臣のお考えを承りたいのであります。
  4. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 この許可料免許料の問題につきましては、私ども実は漁業者であつたことがありまして、相当無理なことであるということは今仰せになるようによく承知しております。また現実になかなか徴収に困難だということも、よく承知しておりまするが、皆さんで御決議になることについて、二十九年度以降の分でありますると、私はここで一応了承して、話はつくと思うのでありまするが、二十八年度でありますと、六億五千二百万円、実は予算に計上してあるのであります。(「それはわかつている」と呼ぶ者あり)いや、もしそうであれば……。私そういうふうな問題について、多少明らかでないところがあるかもわかりませんが、本年度に予算に載つている分は、これはどうもとることにしませんと、これは予算変更等になりまして困りまするが、それ以後のものにつきましては、これは議会の御意向を尊重する、こういうことにいたしたいと存じております。
  5. 松田鐵藏

    松田(鐵)委員 非常に理解あるただいまの御答弁で、満足するのでありまするが、私が申し上げた一つの事例であります。主計局における、一般から見られる主計官態度、思想であります。この点に対して杞憂を持つものであります。しこうして一番大事な点は海区の調整費であります。現在二億二千七百万円かかつておるのでありまするが、これが各地沿岸から、とうていこれではまかない切れないというような非常な強い要望もあり、また国政調査に行つてみるときにおいても、まつた漁民負担によつてなされておる点も多々あるのでございます。しかしてこれが三倍、四倍という数字も水産庁陳情になつておるものでありまするが、水産庁は国の財政の面からいつても、大蔵当局との話合いによつてこれ以上出し得ないので、今日二億二千七百万円となつておりまするが、これらに対してもし減額でもされるようなことがあるならば、今でさえ足らないものが、また漁民負担というものが非常に大きな問題になるものでありまするが、こういう点に対して大臣はどのようにお考えになつておるか、この点伺います。
  6. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいまお尋ねの、これがために水産庁予算減つては困るという御趣意かと存じます。そうでありますれば、これは予算編成のときに、御承知のごとく、全般経済関係をにらみ合せて行くわけでございまするし、また国会の方には予算修正権もお待ちなわけでございまして、私としては、今水産庁の来年度の予算を減らすとか、ふやすとかいうことは、ここで申し上げにくうございますが、全般の財源から見まして、財政とにらみ合せて適正なる配分をするということが、私ども大蔵省予算編成権提案権を持つておるものの建前でございまするので、金額についてここでかれこれ申すことはできませんが、これは全般財政のにらみ合せでよく考えますが、しかしこのことがあるために、特に減らすというような考え方を持つておらぬということだけ申し上げておきます。
  7. 松田鐵藏

    松田(鐵)委員 大臣答弁はその通りでありまして、私がかりに大蔵大臣になりましても、国会において修正権があるということは答弁はしなければなりません。しかし実質的にはそうじやない、国の財政全体をにらみ合して行く上において、まずつくる原案そのものが、昨年末から本年の正月にかけての血みどろな党と政府とのつばぜり合いのある闘い、ここにおいて主計局の方々も、家にも帰ることができずして努力されておる状態も知つておる。主計局長をつかむためにわれわれも作戦をめぐらして、家宅侵入までして、主計官話合いをせんとする苦労経験済みであります。大臣大臣で、党との折衝で毎日頭をかいている状態もよくわかる。朝の七時、八時から各代議士が詰めかけて、そうして血みどろな闘いをしておる状態もわかつております。国の財政一般から見て、金融の状況というものは——役人予算でもつくることがなく、国会でもなかつたら、役人ほどいいものはない。予算国会があるがために、またそこに役人の励みもあるでしようし、辛いこともよく察しているのであります。修正権国会にあるからといつたところで、大蔵官僚考え方というものは、修正権なんというものはへとも考えていない。昨日大臣が隣の水害対策委員会でつるし上げを食つている状態もよく見て来ているが、これは私が大蔵大臣になつても、そのくらいの答弁はする。大臣要望する点は、われわれは与党諸君から時間だ時間だと言われるから、簡単に申し上げますが、今日の九州における大災害に対しては別な立法をしなければなりますまい。永久的な施設もしなければなりますまい。公共事業費の大幅の増額を明年は認められるものとわれわれも考えている。さて国の財政は、MSA援助をめぐつての明年の予算編成というものは、非常に重大なものが大臣の双肩にかかつて来るだろうと思う。ところがこんなわずかの六億五百万の問題と、国全体の財政の面から見たものとは、事は違うとはいうものの、大体今日の水産行政の面、水産振興の面から見たならば、あなたはよく御理解があるから……、ここで喋々と申し上げませんが、現在の水産行政水産振興の面から見たならば、まつたく九牛の一毛にすぎないような実態もある。しかしわれわれは国会議員としての立場から日本財政を見て、その問題に対しても努力はしているが、やむを得ないという考え方もやむなく持たざるを得なかつたのであります。その点に対して特段の大臣政治的、経済人的な考え方から善処あらんことを要望いたしまして、あと大臣の私邸なり、または時間の許す範囲内におきまして懇談することにして、あとに譲りまして、すべての点に対する当委員会議論がさような考え方であるということをよく御認識あらんことを希望いたしまして、私の質問を終ります。
  8. 田口長治郎

    田口委員長 他に御質疑もありませんので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  これより討論に入ります。討論通告順によりこれを許します。松田鐵藏君。
  9. 松田鐵藏

    松田(鐵)委員 私は今回の漁業法の一部を改正する法律案提出にあたり、自己意見を申し上げ、しかして委員各位と忌憚ない意見の交換をして漁民、ひいては日本国民全体の利益をはからんと考えておつたものであります。しかして付託される以前の日でありますが、協議会が開催されたときにおける与党諸君の私に対しての話合い、まつたく私は遺憾に思うたものであります。そのときにあたつて、お互い各政党においては政党そのもの立場立場もあり、しかして党議によつてこの問題を決定したことであり、この提案をするものであるという御議論に対して、漁民利益のために、日本国民利益のために、たとい党議決定したといえども、この問題の論議がよくされることによつて改正案に対する修正なり、いかなる方法でも講じなければならないではないかという私の協議会発言に対して、与党諸君を代表する鈴木君の、党議決定したものであるからこれが最善の方法なりという発言によつて、多数の力によつてこれを押しつけんとした行動が、私にとられたのであります。私はこの審議中において、各大臣に対する質疑において、幾たびも繰返されなければならない一つの、皆さん方から笑われる議論をしておるものである。この二十四対一の光栄ある提案署名に対する拒否という言葉を使つておるのである。これは委員会運営で全部が一致して出したものであるがゆえに、二十四対一によつて、かような鈴木委員の私に対してのあの議論が成り立つ見通しを持つてつたからなされたことでありましよう。しかしまた次には、当委員会は党派を超越してとい議論がたびたびなされておる。そんな簡単なものではありません。たとえばこれからMSA援助により日本経済の変革がもし来らせられたとしたならば、社会党諸君はどういう議論をされるか。また私どもは私ども立場として、改進党は改進党の立場として——水産委員会は超党派的などということですべての問題を片づけるということは、今までの自由党の絶対多数独裁政治を夢みているからであります。この点における与党諸君態度について、私はこれからの水産委員会運営のために警告を発しておくものであります。  またもう一つは、この提案者自由党鈴木委員によつてなされた提案理由説明では、大体この法案の案そのものは改進党によつて成案されたものであるという。しかるに漁民大会のあの場所で、自己政党利益にせんがために、自由党においてその日の十時の会が九時半までかかつて党議決定したということで、あの場面を糊塗したのであります。その問題はあのときにおいても私が指摘した。そしてこの提案理由説明は、委員会運営立場からいつたならば、当然改進党によつてしなければならないものであろうと私は考える。これは委員会運営の上において私が考えた問題である。委員長にそれを話したところが、了解済みだということであるけれども、しかしこれから加工水産物輸出振興に関する法律案だとかいろいろな案が出て参るのであります。こういうときにおける委員会運営というものは十分に考えて行かなければならないと思うのであります。  さて私は二日、三日の問にこの議論を、ただいまの議論によつてつたものでありまするが、幸いにして事前の打合せもした。また大臣との話合いもした。よつて質疑は簡単に運びましたが、その間における委員長努力というものは並たいていでなかつたことを私はよく認識しておる。夜の十一時、十二時までかかつて、朝は六時、七時から起きて、そうしてこれの調整のためにあらゆる努力をしたその結果が、当員会において本日成案、終結する運びにまでなつたことについて、私は委員長苦労そのものを非常に多とするものでありまして、私も、今後における提案者一同の、私の杞憂しておる点に対する特段の努力と、政治的道義の上からにおいて、善処されんことを要望いたしまして、本案に対して賛成とするものであります。
  10. 田口長治郎

  11. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 私はこの際明らかにいたしておきたいと思うのでありますが、本法律案提案する経過につきまして、松田君からただいま御発言があつたのでございますが、御承知のようにわが自由党におきましても、去る十日の朝に党議をもちまして、この免許料許可料制度撤廃することに決定をいたされておるのであります。従いまして、改進党における党議自由党党議はまつた同一のものであつたわけでありまして、同様の党議であれば、それに基いて法制局等に命じて法律案を作成せしめる場合におきましても、同一結論が出るということは、これは原因と結果の関係で当然のことであるわけであります。このことは賢明なる松田君は当然御承知であろうかと思うのであります。しこうしてこの撤廃するという結論における法律改正案が、改進党と同様の成案を得まして、そうしてここに各党共同提案と相なつたわけであります。そこで社会党両派におかれましても、それぞれ党において御決定なさいまして、自由党、改進党の案との調整がここにできて、共同提案の形に相なつたわけでありまして、その提案をいたします場合に各派と御協議をいたしまして、そうして第一党でありますところの自由党提案代表者となりまして、ここに提案を見たという次第であるわけであります。そこで松田君もお聞きになつておると思うのでありますが、提案理由説明でも、改進党におかれては、白浜委員を初め水産委員各位がこの問題につきましては非常な苦労を願つた社会党両派諸君におかれましても、いち早く党大会等においてこの撤廃決議されて、非常な御尽力を願つた。また議員連盟川村理事長におかれましても、各派意見調整されるために並々ならぬ御配慮を願つた。こういうことを特に私は提案理由説明におきまして申し上げておるのであります。そういうふうな次第でございまして、決してこれが自由党党利党略というような見地に立つているものではないということを御了承願いたいと思うのであります。  私はここに各派共同提案になりますところの本法律案が、松田君の御理解ある先ほどの討論によりまして、満場一致一人も欠くるところなくこれが賛成を得まして、全漁民要望にこたえる結果がここに生れましたことを、日本漁業の今後の振興発展のために、漁民生活安定向上のために心から祝福いたす次第であります。私はこのことを一言申し上げまして私の討論を終る次第であります。
  12. 田口長治郎

    田口委員長 暫時休憩いたします。    午前十時十四分体感      ————◇—————     午前十時二十四分開議
  13. 田口長治郎

    田口委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  討論を続行いたします。中村庸一郎君。
  14. 中村庸一郎

    中村(庸)委員 私は改進党を代表いたしまして、この漁業法の一部を改正する法律案につきまして賛成の意を表するものであります。  この法律案提案理由並びにその内容につきましては、提案者提案理由説明の際、種々お述べになり、その内容もしごく簡単でありますので、私は繰返すことを省略いたします。  この免許料許可料撤廃の件は、日本漁民漁業法制定当時よりの熱望でありまして、他産業に見ない制度であり、あまりにも矛盾と不均衡のため、関係者はその不合理をつき、その廃止を叫び続けて来たのでありまして、わが改進党は漁民より強い要望を受けておりましたので、早くからその廃止について研究して参つたのであります。最近に至りこの免、許可料撤廃の機運が漁民及び関係者の動きによつて高まり、国会の問題となつたので、いち早く改進党は党議をもつて、この制度による漁民経済的負担の重荷を廃し、漁民の苦悩を軽減すべきであるとしてその撤廃決定したのであります。  幸い改進党の白浜委員漁業制度等の小委員長である関係上、非常な活躍をいたされ、法律案も早々に作成し、満を持していたのであります。何しろ国の財政的にも大きな影響のある問題でもありますので、自由党両派社会党、分自党ともども同一歩調で行くべく希望しておりましたところ、各党水産委員の非常なる御努力によりまして順調に各党の手順も運び、各派共同提案まで来ましたことは、まことに喜ばしいことと存じます。現下漁業の経営困難のときこのような措置をいたしたことは、その理由を喋々する必要はなく、水産国日本漁民のためまことに当を得たものと深く賛成をいたすものであります。簡単でございますが、改進党を代表いたしまして一言賛成言葉を述べた次第であります。(拍手)
  15. 田口長治郎

  16. 日野吉夫

    日野委員 本案に対しましては、私は各党を代表して、次の附帯決議を付して賛成したいと思う次第であります。附帯決議を読み上げます。    漁業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議  一 政府は、昭和二十七年度分の免許料及び許可料徴収については、災害接収演習其の他の事情により納入困難なる者に対しては、減免等措置をすること。   二 昭和二十七年度分の漁業免許料及び許可料の未納入分については納期内に必ず納入せしむる様万全の措置を講ずること。  この趣旨を簡単に弁明いたします。私は日本社会党立場からでありますが、この漁業免許料及び許可料の問題は、しばしばここで論議されますように、まず農地改革等いろいろの国の施策と比較いたしまして、非常に不合理なものを持つておる。こういうことで、私どもの党では昨年の大会において、これを廃止すべきものであるとの決定をいたして、その後各漁業団体漁民各方面からの要求等もあり、この運動が執拗に継続されておつたのであります。そういたしまして、たまたま各党の議が熟しまして、過般各党それぞれ廃止すべきことを決定いたして本共同提案になつたのでありますが、私たちは、二十八年度の予算に盛り込まれてある部分までも、これは不合理なものとして廃止すべきものである、一部徴収したものについても還付すべきものであるという主張を強くいたして参つたのでありますが、これは政治でありまして、各党意見のまとまるところで結局廃止ということを決定するならば、われわれは各党と同調して、とにかく廃止すべきである、こういうことで本案賛成いたしたのでありますが、漁業法改正されまして、従来七十七条に規定してあります減免規定がなくなりますので、その場合においても、政府は、二十八年度分の免許料許可料徴収については、災害の場合は、以前の法規にも規定してありまするし、今回計上された予算についても、災害についての免除申請のあつたものは考慮する手続をとつておられる、こういうことでありまするけれども、新しい北九州、あるいは過般の続続起る水害漁業災害がまざつておるのを見ましても、やつぱりこれらは当然免除すべきものである。さらに新しい事情として、漁業法に規定されてない接収あるいは演習地、これらの影響の及ぶ地域において、またその他の旧法に定められたような事情によりまして納入困難なものに対しては、当然の処置としてこれはなすべきものである。こういう点から、この第一項を加えたのであります。さらに七十八条に規定してありまするところの条項に基きまして、きのうあたりしばしば、大漁業家納入サボつておるというような事情等も糾明されておりまするので、納期内に必ず納入せしめるというお答えでありますけれども、さらに期間内に必ず納入せしむるように万全の措置を講ずる、こういう趣旨の規定をいたしまして、この二つの附帯決議をつけて、私は本案賛成をいたしたい、こう考えるものであります。
  17. 田口長治郎

    田口委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案賛成諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  18. 田口長治郎

    田口委員長 起立総員。よつて本案は満場一致をもつて原案通り可決いたしました。  次に、日野吉夫提出附帯決議について採決いたします。これに賛成の方の起立を求めます。     〔総員起立〕
  19. 田口長治郎

    田口委員長 起立総員。よつて決議案は決定をいたしました。  なお本案審議に際しまして、委員長から皆さん方に一言お礼を申し上げたいと思うのでございます。  この法案につきましては、御承知の通り、全国多数の漁民に直接に関連をする重大問題でございまして、本案審議にあたりまして、連日夜まで皆さん方の御努力をいただきましたことにつきまして、厚く感謝する次第でございます。また本案通過に際しまして、松田委員は将来の水産予算に関しまして、非常なる御懸念をなさいまして、連日にわたりまして、この点の応戦に当つていただきましたことにつきましては、特に委員長から、松田委員に感謝をいたす次等でございます。  なお本案に対する委員会報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 田口長治郎

    田口委員長 異議なしと認め、さように決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午前十時三十七分散会