○堤(ツ)
委員 私は、
大蔵大臣が、きのうの
主計局長のお
言葉に対して、
大臣みずから陳謝の意を表されておりまするし、また局長自体も非常にいんぎんにあやま
つておられますから、追討ちはかけたくないと実は思
つてお
つたのでございます。そして
委員会は非常によい空気の中に進行されているかのご
とくに見えますけれ
ども、私は、この二日の
委員会を通じて、現在のような結果ではどうも満足することができないのでございます。調弁
大臣の多い中で、今の
大蔵大臣は雄弁でありまするから、口の先でごまかされやすいのでありますけれ
ども、先ほどの
答弁を開いておりますると、まだ
大臣は
政令案を見ておらないとおつしやる。あなたが飛行機からおりて羽田にお帰りに
なつたのが、たしか九月の三十日だと思うのでありまするが、この大切な
水害対策、御存じのように
国会は何をしておるかという声さへ起りつつある。従
つて、
国会が特別
委員会を開いて
政府に示したところの
法律に
従つて政令案に目を通して、
基準の案をおきめにならなければならないのが、アメリカからお帰りに
なつたあなたの緊急事でなければならぬ。ところが、それに目を通しておられない。私は、どうやら
主計局長のきのうの横柄な
態度と符節を合せるものがここにあると思うのであります。
政令案に目を通して、そうして
大臣みずからがもう少し主計局のか々あたりと詳しく御打合せをなさるこいうことを、ここ一週間ありましたのに、なぜや
つておいでにならないか。私は、誠意を持
つておるとお答えにな
つておりますし、いんぎんなお書架でございましたから、信用したいのとはございますけれ
ども、十億のつなざ資金をも
つて満足することはできない。しかも、これは超党派的な
委員会とございまするから、政党的な
言葉は吐きたくないと思いますけれ
ども、臨時
国会を
水害の
対策のためにだけにでもこれは早く開かなければならぬというのは国民の常識なんです。知事会、あらゆる民間団体は、すでにその声をも
つて中央に集ま
つておるはずなのです。その臨時
国会が、九月の末はおろか、十月の末もおろか、この調子で行きますならば、私たちが推測いたしますと、ひよつとすれば
吉田総理がアメリカ並びに欧州にお行きになるかもしれない、そうすると、お帰りになるのを一箇月と見ても、これはもう十一月の半ば過ぎなければ議会を開かない腹でいらつしやるのではないか。それなるがゆえにこそ、議会という店を開かなか
つたならば、
国会閉会中に
委員会が少々うそぶいてお
つたつて、
政令案に目を通しておらなく
つたつて、暮れて行くというような
考えなお持ちにな
つておるのじやなかろうか、私はこう思うのであります。十億のつなぎ資金をきのうの閣議でおきめに
なつたというのでありますけれ
ども、つなぎ資金は、私たちの手元にいただきましたこの
参考資料を見ましても、北海道を除いて二十九県、北海道から九州、鹿児島まで見渡しますと三十都道
府県、ほとんど各都道
府県がやられておる。その三十都道
府県の要する見込額は千七百九十億何がしで、ほとんど千八百億だということをおつしや
つておる。その千八百億の
ちようど一制にしかすぎないところのつなぎ資金しか出ておらない。これを、
府県を通じて市町村に渡されたところのつなぎ資金というものを見てみますと、私たちが歩いた
範囲内では、肌着のかえがない、家は山の下にくずれておる、先祖伝来の美田を一町も八反も失
つたというところの農民が、わずかに千五百円や二千円のつなぎ資金を市町村長を通じてもら
つておるだけなのです。寒さは加わ
つて来る、食もなく、泣いているところの罹災民を私たちは救わなくてはならない。でありまするのに、このすずめの涙ほどの、一割にしか満たないところの百八十億のつなぎ資金をも
つて、わずかきのう十億足されて、これで臨時
国会を十一月の中ごろまでごまかされるとしたら、私たちは、ま
つたくこれは輿論
通り、
国会は何をしておるかと言われてもしかたがない。しかも、私は、きようこの
委員会において発言するのは初めてであります。私は、滋賀県選出であるから、地方的な
言葉を吐きたくないと思
つてきようまで黙
つてお
つたのです。つまり、ここに
考えなくてはならないことは、六月、七月の
災害の九州、和歌山の方々が、何らの手当をしてもらわないで、この
委員会でがんば
つていらつしやる。私たちの八月十五日、九月一日、十三号台風の罹災民を救
つてもらおうとするならば、まず順序がある。従
つて、九州、和歌山を先に助けたい。そうして私たちは発言したいと思
つて、きようまで黙
つてお
つたのです。ところが、この調子で行きますならば、八月十五日、九月一日の二百十日の
災害、それから十三号台風の
災害に対して、おそらく正月が過ぎてもすずめの涙のよう
なつなぎ資金で泣寝入りをしなければならない罹災民の姿を思うときに、黙
つておられないのであります。真に誠意があるとおつしやるならば、臨時
国会を早急にお開きになることであり、
大臣みずからが
政令案に目を通されて、一週間と言わずに、もつと早く、昼夜兼行でおやりにならなければならない。今目をつぶ
つておられますが、
緒方副
総理は、この間の二十二日の
委員会で何とおつしや
つたか。
責任を持
つてお答え申し上げる、二十五、六日には
政令の
基準案をつくる自信があるとおつしや
つた。それぬけぬけおつしや
つたのに、結果が出ないで、またあなたがきよう一週間とおつしやる。こういうふうにして
国会が引きずられて行
つて、あなたはお人よしで、にこにこ笑
つておられるが、私たちは罹災民を代表するところの選良でありまするから、この点を徹底的に伺
つておかないと、どうもごまかしがあると思う。いかがでございますか。