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1953-07-31 第16回国会 衆議院 水害地緊急対策特別委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三十一日(金曜日)     午後六時四十三分開議  出席委員    委員長 村上  勇君    理事 生田 宏一君 理事 綱島 正興君    理事 平井 義一君 理事 赤澤 正道君    理事 滝井 義高君 理事 稲富 稜人君    理事 佐藤虎次郎君       江藤 夏雄君    大久保武雄君       熊谷 憲一君    田渕 光一君       仲川房次郎君    林  信雄君       坊  秀男君    松野 頼三君       山本 友一君    岡部 得三君       舘林三喜男君    中島 茂喜君       村瀬 宣親君    吉田  安君       赤路 友藏君    井谷 正吉君       井手 以誠君    田中 稔男君       辻原 弘市君    八木 一男君       池田 禎治君    伊瀬幸太郎君       木下  郁君    杉山元治郎君       辻  文雄君    松前 重義君       世耕 弘一君    中村 英男君     ————————————— 七月三十一日  委員田中織之進君、廣瀬正雄君及び門司亮君辞  任につき、その補欠として辻原弘市君、中島茂  喜君及び杉山元治郎君が議長の指名委員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  各小委員長報告に関する件  水害地緊急対策に関する法律案起草の件     —————————————
  2. 村上勇

    村上委員長 これより会議を開きます。  水害地対策に関する件について議事を進めます。この際各小委員会において起草されました法律案につきまして、御報告の済んでいないものについて御報告を願うことといたします。建設関係等につきまして、北九州水害地建設対策小委員長赤澤正道君より御報告を願います。
  3. 赤澤正道

    赤澤委員 ただいま議題となりました昭和二十八年六月及び七月の大水害による公共土木施設等についての災害復旧等に関する特別措置法案につきまして、建設小委員会における本案立案経過について御報告申し上げます。  御承知のように、去る六月下旬より七月上旬にわたりまして、梅雨前線による大豪雨による西日本の各地に大災害が惹起いたしました。この大水害対策確立のため特に設置されました災害地対策特別委員会におきましては、水害対策につき政府より説明を聴取し、あるいは現地の調査をいたし、その結果、今回の災害の実情にかんがみ、その災害復旧を促進するため、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法その他の法律につき特例を設けるなどの特別措置を講じ、もつて公共の福祉を確保し、あわせて民生の安定をはかる必要があると認め、ここにこの法律案を提出いたした次第でございます。  次に、法案の概略について御説明申し上げます。  まず最初に、本法律案適用範囲についてでありますが、これはもちろん今回の六月、七月の梅雨前線による異常なる大豪雨による災害を考えておるのでありますが、台風第二号による災害については、その対策が一応講ぜられておりますので、この法律案対象には考えておりません。さらに、本法律案を適用する地域は、例年にない大災害こおむつた特定の地域に限定いたす考えでありまして、本法律案の各条ごと政令で指定することにいたしております。  次に、その特例につきまして、各条ごとに御説明いたします。  第一は、第二条にありまする公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法特例であります。その要点は二点あるのでありますが、その第一点は、国庫負担率を高率にしたことでございます。現行法によりますと、国の負担率地方公共団体標準税収入の二分の一を越え二倍に達する額に相当する額については四分の三、それ以上は全額ということに相なつているのでありますが、これを標準税収入の二分の一に相当する額については十分の八、二分の一を越え標準税収入に達する額までは十分の九、それ以上は全額ということにいたし、国庫負担を高率にしたのであります。ただ、ここに申し上げたいことは、この規定は今回の六、七月の災害のみに適用するもので、この期間以外に生じた災害については、現行法通り負担率を適用いたすのであります。従いまして、今回の六、七月に例年にない大災害を受けた地方公共団体に適用して、初めて高率の国庫負担が可能になるようになつておりまして、災害の程度が低いものでは、この特例を適用いたしましても、国庫負担率はあまり高率とならぬ場合も生じて参ります。第二点は、応急工事費災害復旧工事費中に明確にいたした点でございます。従来の応急工事は、特別の事由がない限り国庫負担対象にならなかつたのでありまするが、今回の災害例年にない大災害でありまして、応急工事費相当の額に達するのでありますから、これを、主務大臣が必要と認める限り、災害復旧工事費として考えるということにいたしたのでございます。  第二は、水防法特例であります。現行水防法におきましては、水防に要する費用水防管理団体負担となつておりまするが、今回の災害にあたつては、水防に要した費用は厖大なるものがあり、これをすべて水防管理団体負担とすることは、被災市町村財政事情にかんがみ酷であると考えまするので、水防のために要した費用のうちで、資材についてだけは全額国庫負担とするということにいたしたものでございます。  第三は、道路の修練に関する法令の特例であります。これは、今回の災害によつて国道及び地方道の修繕が必要となつた場合、現行法による国の補助率の三分の一を、本年度に限つて二分の一にしようとするものでございます。  第四は、地すべり等についての補助規定であります。今回の大豪雨によつて、特に長崎県地方において地すべり、山くずれ、土砂の崩壊の現象が生じ、はなはだ危険な状態が生じておるのであります。従いまして、これらを防止するために必要な事業を施行する場合においては、現行砂防法による砂防事業と同様、三分の二を補助することにしたのであります。  第五は、土木機械の貨付についての特例であります。現在、建設省においては、災害復旧事業を行う地方公共団体に対して、その所有する土木機械を貸し付け、事業促進に大なる役割を果しておりますが、地方財政の窮迫にかんがみ、従来の規定にかかわらず、無償または時価よりも低い対価で貸すことができるようにいたしたのでございます。  第六に、住宅対策といたしましては、その基本方針といたしまして、今次の水害によつて滅失した戸数の二割五分は厚生省関係、五割は公営住宅建設、残りの二割五分は住宅金融公庫融資によつて解決いたす方針で、本法案の立案に当りました。住宅対策は最も緊急を要するものでありまするので、応急的な措置が講ぜられなければならないのであります。応急の仮設住宅ではその耐用年限がどうしても一、二年に限定されまするので、その間におきまして、恒久性のある住宅建設が必要となつて来るのでございます。公営住宅建設は、これを第二種公営住宅に限定いたしまして、その三割に相当ずる戸数を二十八年度、二割を二十九年度に建設できるようにし、また公営住宅法第八条に規定する国の補助率の三分の二を四分の三に引上げるよう考慮いたしたのでございます。住宅金融公庫に関しましては、一般は、一定の条件にかなうもののうちから、抽籤によつて融資を行うことになつておるのでありまするが、今回は現地の財政事情等にかんがみ抽籤を行わないこととし、さらに住宅金融公庫法第二十一条第一項の規定にかかわらず、貸付金償還期間を三年間延長することとし、貸付の日から三年間はすえ置き期間として借受金の償還を容易ならしめんといたしたのであります。なお、すえ置き期間の三年間につきましては無利子といたしたい所存でございましたけれども、住宅金融公庫運営の現状にかんがみまして、これを考慮しないことといたした次第でございます。  以上が本法案を提出いたしました理由でございます。何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  なお、この法案を遂行するにあたりまして、政府にぜひ要望しなければならぬ事項が三、四あるのでございまするが、これを一応読み上げます。なお、この要望書につきましては、各小委員会もあるようでございまするので、またあとで諮りましてこれを一括するつもりでございまするが、一応その要望を読み上げまするならば、  第一地方公共団体の長が法第五条に規定する地すべり等により緊急避難をする必要があると認めた地域に居住する住民に対しては、その住居移築又は、新築に要する費用について、当該地方公共団体は、その全額を貸し付けることができる。この場合における貸付金全額について地方財政法第五条第一項第二号に規定する起債を認めること。  第二 法第七条に規定する第二種公営住宅建設に要する費用についての事業主体負担分に関しては地方財政法第五条第一項第四号の規定により全額起債を認めること。  第三 本法により建設する公営住宅及び住宅金融公庫から資金貸付を受けて建設する住宅標準建設費現行より三割増額すること。  第四 昭和二十八年六月及び七月の大水害により著しく損傷した住宅の補修に必要な費用について、当該地方公共団体は、その費用全額を貸し付けることができる。この場合における貸付金全額について地方財政法第五条第一項第二号に規定する起債を認めること。  なお、当該貸付金及び起債償還については、三年間据置とする。  以上を政府に対しまして要望いたします所存でございます。あわせて御審議をお願いいたします。(拍手)  それから、建設小委員会の中には運輸をも含むことになつておりますので、それについて昭和二十八年六月及び七月における大水害による地方鉄道等災害復旧のための特別措置に関する法律案を上程いたし、その提案理由説明を申し上げます。  去る大月下旬から七月までの間に九州、近畿両地方において発生した大水害によつて運輸交通事業の受けた損害は実に大きく、被害金額地方鉄道軌道において九億七千八百万円、自動車運送事業において一億七千五百万円、合計約十一億円強に及んでおります。  これらの交通機関は、その性格がきわめて公共性の強いものであることはいまさらいうまでもございませんが、いわば産業経済の動脈ともいうべきものであります。従いましてこれらの事業の早急なる復旧こそ、水害地の民生安定及び産業復興に絶対必要なものであります。しかしながら、施設の大部分に流失、浸水等により被害を受けたこれらの事業は、担保力においても相当な打撃を受けたわけでありまして、自力によつて復旧することが困難なものが相当数に上つております。先ほど申し上げましたごとき公共性から申して、事業者みずからの力によつて立ち上ることができずに、事業を休止または廃止しなければならない事態に立ち至ることは、その地方ひいては国全体としましてもゆゆしい問題であろうと存じます。従いまして、これらの自力によつて立ち上れない地方鉄道、軌道、自動車運送事業に対しては、国としても何らかの援助を与えることが必要であろうと考えます。  本法案において考えられておりますことは、これら事業に対する国庫補助融資のあつせんでありますが、以下その要点について御説明いたします。  第一条には補助金の支給について規定しておりますが、本条において補助対象として取上げましたものは、地方鉄道、軌道及び路線を定めて運行するバス事業またはトラツク事業でありますが、補助を受ける資格の発生する場合はきわめて厳格にし、これらの事業を営む者が、その受けた損害を復旧するための資金を得ることが著しく困難なため、当該事業の全部または一部を休止し、または廃止すべき事態に立ち至つた場合に、その休止または廃止が当該地域における民生の安定及び産業復興に著しい障害を与えると認めるときに限つております。  また、融資のあつせんにつきましては、政府として、その所管事業の発展のために、融資について努力すべきはもちろんでありますが、なお前述の事業に対する融資についてさらに一段の努力を尽すべきことを命じまして、第五条に規定を設けております。  大体これに該当いたしまする諸会社資本金を調べてみましたるところ、きわめて小規模の会社でございます。その大被害を受けたところの会社の半数以上は、資本金一千万円に足らざるいわゆる中小企業なのでございます。こういつた会社等が、もう立ち上る気力も失つてレール等を売り飛ばすというようなことがあつては、まことに寒心事でございまするので、とにかくごういつた企業にさらに息を吹き返させるためにも、ある程度の助力を国から与えなければならぬということを意味いたすのでございます。  この法案をもあわせて御審議の上、すみやかに御可決をお願いいたします。(拍手
  4. 村上勇

  5. 熊谷憲一

    熊谷委員 通商産業小委員会担当事項審議経過及び結果を簡単に御報告いたします。  通商産業小委員会で最も問題になりました点は、中小企業に対する金融の問題であります。すなわち、水害を受けた中小企業者再建のために十分なる資金措置をなすとともに、預託された資金が円滑にかつ迅速に中小企業者に渡るという点であります。水害政府が、中小企業者その他に対する金融措置といたしまして、金融機関に預託された資金は二十五億円でありまして、このほか開発銀行に十億五千万円、そのうち五億円は石炭鉱業向けであります。当初におきましては右政府の預託した金が動かないので、その対策として、政府は、銀行が貸し出した金が回状できないで損失を受けまするときには、その損失を補償するような立法をつくつてはどうであるかというような強い意見が出たのでありまするが、それに関しましては前例もありませんし、国の負担を考えるときにいろいろ考慮する要があるとの理由で、できるだけ現行中小企業信用保険制度利用すべきであるとの結論に達しましたので、先般改正になりました中小企業信用保険法に対する特例立法をなすことにいたしたのであります。すなわち、本年六月及び七月における大水害によつて損失を受けた中小企業者に対する再建資金については、現行中小企業信用保険法規定にかかわらず、政府保険価格の百分の九十を支払うことにいたしました。それによつて金融機関中小企業者に対して貸付回収ができない場合は、その百分の九十の保証を受けることになり、安んじて貸付ができるということになりまするので、金融の円滑、迅速をはかることができるわけであります。また再建資金の借入れによる債務の保証にかかる法第九条の二の保険関係におきましては、百分の七十という特例を設けることにいたしたのであります。また保険料率は、現行の百分の三を百分の二に減額し、その二分の一以上は地方公共団体が補給することにいたし、中小企業者負担軽減をはかつたのであります。右によつて損失補償にかわるものとすると同時に、多少でも中小企業者負担軽減をはかつたのであります。右は小委員会全員一致で可決されたものであります。  次には、中小企業者に対する利子補給につきましては強い要望がありまして、農林業者に対しまして相当補助があり、また利子補給等措置が講じてあるのに、中小業者に対しまして利子補給立法をなさないのは片手落ちであるというような強い意見がありましたので、中小企業者の中で最も小さなもの、法律にありまするように二十万円以下の貸付金につきましては、この際五分の利子を県が補給いたしました場合においては、政府がその二分の一を補給するという法律をつくつたのであります。これも全員一致通過いたしたのであります。  第三の法案は、この昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害中小企業に対する国有機械等譲渡等に関する特別措置法案でありますが、その要点は、旧陸海軍省あるいは軍需省所管機械器具等で現在国有財産となつておるものが相当ありまして、これは従来民間に払い下げていた残り相当あるようであります。これを、水害を受けた中小企業者に、時価から五割以内を減額した価格譲渡し、また水害を受けた中小企業者機械と交換することができ、その代価の支払いは十年以内の延納の特約を許すことにいたしたのであります。またすでに、国有財産措置法によりまして、国有財産譲渡、交換を受けたる中小企業者に対しまして、水害を受けた場合におきましては、その救済の規定を三条、四条に盛つておるのであります。この法案につきましても、小委員会では全会一致をもつて可決いたしたのであります。  次に、水害地域における自転車競技法特例に関する法律案でありまして、「昭和二十八年六月及び七月における大水害を被つた政令で指定する地域内にある地方公共団体昭和二十九年三月三十一日までに自転車競技法昭和二十三年法律第二百九号)により開催する自転車競走については、そのうちの一回を限り、当該競争に係る同法第十条第三項に規定する納付金は、これを納付することを要しない。」という法案であります。これを全会一致をもつて可決いたしたのであります。(拍手)  次に、この小委員会におきまして、要望事項が四つばかりあるのであります。  要望事項の第一は   今回の西日本水害により中小商工業者は甚大なる損失を蒙つている。参議院においては先般国民金融公庫一〇億円、中小企業金融公庫開発銀行)二〇億円の新規融資を申入れたが、これを最低として政府はこれら罹災者復興を助けるため、資金需要のある限り別枠の低利資金を豊富に供給し、一般中小企業に支障を与えることなく災害地復興に資するよう特段の措置を講じられたい。  次に要望事項の第二であります。第二は   地方公共団体災害復旧に要する負担増加見込額及び地方税減収見込額を速かに調査し起債の追加と共に特別平衡交付金の増額を為すこと。  というのであります。特別平衡交付金は、御承知のように、一般平衡交付金の八%の制約があり、またこの八%は必ずしも災害だけには限定されていないのであります。この金額では、今回の大水害に対処することのできないことは明らかであります。また起債も同様であります。従つて、この際特別災害財政補給金制度を設けて、地方団体の今次の水害によつて生じたる財政収入の減少または財政需要の増大による財源の不足を補うがごとき立法をなすべしという強い意見があつたのであります。これにつきましては、平衡交付金制度がある以上、これを活用すべしとの意見があつたのであります。しかるに、この平衡交付金の八%を動かすにつきましては、その金額が明らかでありませんので、今回はむしろ立法を見合せまして、次の議会におきまして万全を期することを政府要望することにいたしたのであります。  第三は   罹災者に対し税の減免並びに徴収猶予等措置を講ずること。  これは別段御説明は必要でありませんが、ある委員から所得税法を改正して猶予期間を三年とせよとの意見があつたのでありますが、現行法雑損控除規定によりまして相当救済することができますので、要望だけにいたした次第であります。  次は要望の第四であります。   今回の水害のため緊急に復旧を要するもの相当数あり、これが対策として次期国会において特別鉱害復旧特別会計一般会計又は資金運用部より借入ができるよう立法措置を講ずると共に補正予算の際必要な資金特別会計に繰入れること、又一般鉱害に対しても次期国会において資金運用部から鉱害復旧事業団に対し所要資金融資を行い得るよう措置すること。  これが第四の要望事項であります。  以上、はなはだ簡単でありますが、御報告申し上げます。慎重審議の上すみやかに御賛成をお願い申し上げます。
  6. 村上勇

    村上委員長 次に、農林関係につきまして、北九州水害地農林対策小委員長より、前回報告について補足的に報告のため発言を求められておりますので、この際御報告を願うことといたします。綱島正興君。
  7. 綱島正興

    綱島委員 前回一度御報告申し上げましたが、その後重ねて小委員会を開きまして、前回報告を修正いたしました等の事項がございますし、なお明らかにいたすための事柄等もございますので、付言を申し上げておきたいと存じます。  実はお手元に配付してあります昭和二十八年六月及び七月の水害による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法案、その案文の第三条の十三号、十四号というものは、前回においては削除と相なつてつたのでございますが、重ねて小委員会を開きました結果、諸般の事情にかんがみまして、これを削除しないことにとりきめましたので、さよう御了承を賜わりたいと思います。(拍手)  なお、同法案の第二条二ページの六行目「政令で定める水産物」というものの中には、海草を含めることということに小委員会において申合せをいたしましたので、その旨御了承を賜わります。  なお、七行目の末端及び八行目にわたりまして「漁網その他政令で定める施設が流失し、損壊した等のため」というこの「政令で定める施設」の中には、養殖場及びその施設を含む旨の申合せをいたしましたので、その点を御了承賜わりたいと存じます。  なお、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案の3「昭和二十八年六月下旬から七月までの間に政令で指定する地域内において生じた大水害による農地等災害復旧事業事業費に対する補助の比率は、」という下に、「政令の定むる事業費につき」という条項を差入れることに申合せをいたしました。これは法案の改訂ではございません。差入れたるものの意味において御解釈を願うという意味であります。なおまた、本法の4、同一ページのしまいから二行目でございますが、「開拓地における農業者共同利用に供する施設」というのは、開拓地入植施設及びその開拓地における農業者共同利用に供する施設という意味であるということに御了承を賜わります。  なお、この一番末行の末段、「水産動植物養殖施設」ということのうちには、養殖場を含むものと解釈することに申し合せたのであります。  なお、昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害農家に対する米麦の売渡特例に関する法律案、この法律案におきましては、第五条を削除することに小委員会においては申し合せをいたしました。  以上をもつて終ります。
  8. 赤澤正道

    赤澤委員 先ほど提案いたしました法律案正誤の表がありますが、見本がないために、ここで私は、この正誤事項について一応その経過説明いたしまして、御了解を求めたいと思います。  この第一の四ページの一行から五行までは削るべきの誤りというのでございますが、これが一番問題になりました、いわゆる負担法適用のない事業、府県にあつては十五万円以下、町村にあつては十万円以下というこの条項に該当をいたします。これにつきましては、長時間にわたつて審議いたしました結果、結論が出ない。なぜかと申しますならば、これをやることによつて件数が五割ふえる。現在公共災害対象となるものが大体七万件であつて、これを加えました場合には十万件以上に達する。にもかかわらず、これに要する費用というものは全被害額の五%であるが、これは旅費その他の雑費に食われてしまつて町村に渡る金額が非常に少くなつて不利ではないかということから、これを特別災害引当て特別平衡交付金あるいは補給金によるべきであるという結論に達しまして、私が御指名によつてその交渉の任に当つたのでございます。そのときに、私はまず建設大臣にお目にかかつた。建設大臣は、もつともである、この条項を減らすならば、災害総額の五%の補給金は、これは今日の予算のわくでなくして、別途来るべき機会において予算措置をしてもいいというふうに私に言われたのでございます。この金額は、大体今日では公共土木施設被害総額は三百億と一応見られておるのでありますから、その五%というと十五億に当ります。つまり十五億を政府がひもつきでこの災害引当ての交付金とすることによつて、この正誤表にありますところの削除が成立いたしておるのでございます。これは建設大臣建設常任委員会でも理事会でも明らかに言われたのでありますが、やはり、今日自治庁の長官並びに大蔵大臣とこの補給金について別途考慮すべく検討中である、自分の責任においてやるということを明言されておるのであります。さらに私昨日この交渉にあたりまして、自由党の政調会におきまして、政務調査会副会長前尾君とこの問題について話し合つたのでございますが、そのときに、前尾副会長は、もしそういうふうに正誤ができるならば自分は賛成である、十五億という金額もそのときに提示いたしましたところ、これも賛成であるということを言われましたが、これにつきましては、証人は当委員長にお願いいたします。さらに本日は、政務調査会長であるところの池田勇人氏にお目にかかつたのであります。そのときにおきましても、やはりこういう少額の災害を一々査定することは煩雑である、それにかわるにそういう特別交付金をつけるということは自分も賛成であるということを言われました。私どもは、むしろ大蔵大臣及び地方自治庁の長官にここにおいでを願つて、これについての決心を御披瀝願いたいという気持を持つておりましたけれども、時間がございませんでその機を逸しましたが、やはり、来るべき機会に、早くこの席におきましてこの方々の承認を得たいと考えておるものであります。なお、これは非公式ではありますが、池田政調会長に会見いたしました際にも、やはり委員長がおいでになりましたことを申し添えておきます。  さらに第四条を全面的に訂正いたしております。第四条をなぜこういうふうにいたしたかと申しますと、当初の案においては、これは府県道でありまして、国道の面が落ちておることを発見いたしたのでございます。国道もずいぶんいたんでおりまして、その補修に要する費用はかなりの額に上りますが、大体、地方におきましては、御承知の通り非常に地方財政が苦しいのでございます。こういうふうに一ぺんにたくさんの道路の補修箇所ができました場合においては、相当高額の補助を国においていたさない限りはこれが復旧をしないということで、あわせて国道の補助をも含ましめた意味でございますから、どうか御了承を願います。  終りにあたりまして、実に長い間連日連夜討議せられました小委員会の皆さんに厚く御礼を申し上げます。
  9. 田中稔男

    ○田中(稔)委員 委員長に質問いたしますが、この県工事、市町村工事のことですが、これを削除するためには、特別災害平衡交付金措置において完全な補償が得られるということを条件としております。今の御報告によりますと、建設大臣においては、そういうことを保証したように承りましたが、予算措置についてはやはり大蔵大臣が主管大臣でありますから、大蔵大臣の言質をとつて、それが速記録か何かに残つていなければちよつと安心ができないのではないかと思いますが、小委員長の御所見を伺いたい。
  10. 赤澤正道

    赤澤委員 先ほど申し上げましたように、この委員会開会の間近にたいへんごたごたいたしましたために、機会がなくて大蔵大臣をつかまえることができなかつたわけでございます。しかしながら、及ぶ限りのギヤランテイをとるべく、私といたしましては走りまわつたつもりでございまするから、どうかお許しをお願いいたします。
  11. 田中稔男

    ○田中(稔)委員 時間の関係もありますから、大蔵大臣がすぐここに来てもらうことができるならば、委員長は大蔵大臣を呼んでもらいたい。
  12. 村上勇

    村上委員長 田中君へ申し上げます。本会議のベルが鳴るかもしれませんので、早くこの委員会を一応あげたいと思います。  別に御質疑はありませんか。——御質疑はないようでありますから、小委員会の案についての質疑を終了いたします。  なお討論の通告もありませんから、討論は省略いたします。  速記をとめて。     〔速記中止〕
  13. 村上勇

    村上委員長 速記を始めて。     —————————————
  14. 村上勇

    村上委員長 それでは、ただいまより各小委員会において起草されました各案について御決定を願うことといたします。  まず、厚生対策委員会において起草されました大法律案、すなわち昭和二十八年六月及び七月の大水害被害地域における災害救助に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月の大水害被害地域における公衆衛生の保持に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月の大水害被害地域に行われる国民健康保険事業に対する資金貸付及び補助に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月の大水害被害地域にある事業所に雇用されている労働者に対する失業保険法の適用特例に関する法律案昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害地域における失業対策事業に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた学校給食用の小麦粉等の損失補償に関する特別措置法案、以上各案について御決定を願います。  それではお諮りいたします。ただいまの厚生対策委員会の六法律案に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて各案は、全会一致をもつて委員会の成案と決定いたしました。  次に農林対策小員会において起草されました四法律案、すなわち昭和二十八年六月及び七月の水害による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法案農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害農家に対する米麦の売渡特例に関する法律案昭和二十八年六月及び七月における水害による被害たばこ耕作者に対する資金の融通に関する特別措置法案について御決定を願います。  それではお諮りいたします。本四法律案に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて本四法律案は、全会一致をもつて委員会の成案と決定いたしました。  次に、通商産業対策委員会において起草されました四法律案、すなわち昭和二十八年六月及び七月における大水害に伴う中小企業信用保険法特例に関する法律案昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害中小企業者に対する国有機械等譲渡等に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月の大水害地域における自転車競技法特例に関する法律案昭和二十八年六月及び七月における大水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案について御決定を願います。  お諮りいたします。本四法律案に御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて本四法律案は、全会一致をもつて委員会の成案と決定いたしました。  次に、建設対策委員会において起草されました二法律案、すなわち昭和二十八年六月及び七月の大水害による公共土木施設等についての災害復旧等に関する特別措置法案昭和二十八年六月及び七月における大水害による地方鉄道等災害復旧のための特別措置に関する法律案にについて御決定を願うことといたします。  お諮りいたします。本二法律案に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて本二法律案は、全会一致をもつて委員会の成案と決定いたしました。  以上をもちまして、各小委員会において起草されました十六法律案は、いずれも全会一致をもつて委員会の成案と決定いたしました。  この際当委員会の成案と決定いたしました各法律案の提出方法についてお諮りいたします。お申合せによりまして、各案は、当委員会提出の法律案として、規則の定めるところにより委員長より議院に提出するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決定いたしました。  重ねてお諮りいたします。先刻当委員会において起草提出することに決しました各法律案の案文につきまして、立法技術上の字句の整理を要するものがありましたときは、その整理は、先例によりまして委員長に御一任を願つておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決定いたしました。  次に、先刻の通商産業対策委員長の提案にかかる政府に対する要望事項についてお諮りいたします。本要望事項に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて要望事項は決定いたしました。  この際、先刻の建設対策委員長の提案の決議案文についてお諮りいたします。本決議案文に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて本決議案は決定いたしました。  次に、政府に対する要望及び申入れ等に関し、各委員より発言を求められておりますから、順次これを許します。田渕光一君。
  23. 田渕光一

    ○田渕委員 ただいま当委員会全会一致をもつて可決されました各案について、この際左の決議を付したいと思います。   昭和二十八年六月及び七月の大水害被害地域における災害救助に関する特別措置法外十五件が適用せらるべき地域にして市町村の全部又は一部が被害甚大のため復旧再建困難と認められ、その地域に居住する住民が生活不能のため他の地域に移住入植、移民等を希望する場合は、国は、これらに対する補助救済等に関し、予算上特に優先せしむべく措置すべきである。   右決議する。  以上の決議を本委員会全員一致の御賛同を賜わり可決されたく、右動議を提出いたします。
  24. 村上勇

    村上委員長 ただいまの田渕君提案の要望事項についてお諮りいたします。田渕君提案の要望事項に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて要望事項は決定いたしました。  次に、滝井義高君。
  26. 滝井義高

    ○滝井委員 厚生委員会の申入れ事項をこの際追加をしておきたいと思います。  一、災害救助法に基く救助基準中炊出費を一人一日八十円に増額すること。  一、支出費の限度額について、住家の流失、全壊の場合と、半壊、床上浸水の場合との間に中間基準を設定すること。  一、生業資金の貸与の対象を全壊流失戸数の六割を限度として三万円以内とすること。  一、被災労働者の救助に資するため、政府資金を、県を通じて二億三千万円程度労働金庫に預託すること。  一、私立学校施設復旧に対する補助金は、私立学校法第五十九条に準拠して二分の一の補助をなすこと。残余の二分の一の金額については、私立学校振興会に対する出資金について別途に予算措置を講ずること。  以上は参議院の委員会とも一致している申入れ事項でございます。以上報告いたします。
  27. 村上勇

    村上委員長 ただいまの滝井君提案の要望事項についてお諮りいたします。滝井君提案の要望事項について御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて要望事項は決定いたしました。  この際、先刻来決定いたしました政府に対する申入れ要望事項等は、いずれも文書をもつてこれを政府に送付することとし、その案文の整理及び手続等は委員長に御一任を願います。  この際私から皆さんにごあいさつ申し上げます。当委員会発足以来、この炎暑にもかかわりませず、委員諸君には、連日連夜にわたりまして、被害者の心境を深く銘記しながら、まつたく超党派的に御熱心にこの審議を進めていただきまして、あらゆる方面に困難であつたと思われます十六法案を無事に決議いたしてくださいましたことは、まことに被害地の被害者の上にとりましては無上の喜びと存ずる次第であります。特に不敏不徳でありまする私を何くれとなく御援助いただきまして、この法案が決議に至りましたことは、厚くお礼を申し上げます。なお、私どもは、閉会後も現地の調査を再びいたしまして、いろいろと被害者の窮状等を聴取いたしまして、今後に処したいと存ずる次第であります。法案決議終了に際しまして、一言皆様にお礼のごあいさつを申し上げる次第であります。この際暫時休憩いたします。     午後七時五十一分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕