○堀岡
政府委員 ただいま大臣から御
説明申し上げました二十八
年度予算につきまして、細部にわた
つて補足申し上げます。すでにお手元へ御配布したと思いまするが、横刷りのガリ版の
昭和二十八
年度一般会計歳出
予算要求額という書類がございますので、それで便宜御
説明を申し上げたいと思います。
おもな事項だけを御
説明申し上げますが、第一ページの番号一の事項としまして人口問題
審議会、これは新規に本
年度計上いたしましたもので、先ほど大臣から御
説明申し上げました人口問題
審議会を新たに設けまして、これを運営するための
経費であります。
それから番号二の科学試験
研究費のうち、摘要欄の2に薬業合理化
研究補助六百万円を計上しておりますのは新規でございまして、これは企業合理化促進法の第三条に基きまして、新しい薬業技術を薬業
事業会社において採用し、これを振興せしめるための
補助金でございます。
三の国際
会議諸費中、内訳1のWHO西太平洋地域
委員会開催の
経費五百三十四万四千円とございますのは、本年九月初旬東京におきましてこの地域
委員会が約一週間開催される予定でありますので、それに要する
経費であります。同じく摘要欄の2のWHO精神衛生専門
委員招聘に伴う
経費として六十二万円計上しておりますのは、この種の専門
委員、たしか二名と思いますが、すでに参
つておりますが、その専門
委員を招聘するに要する
経費であります。この事項では以上の点だけを御
説明申し上げておきたいと思います。
次に、一ページの裏でございますが、五の国立公園等運営費中、内訳摘要欄の一の国立公園
施設整備補助、これは各方面から切なる要求がありますけれ
ども、
予算の都合上前
年度の約三倍、五千万円を本年
増額計上いたした次第でございます。
次に、飛びまして、七の精神衛生
対策、その一の精神病院
療養所
整備費、ここでは特別申し上げることはありませんが、病床増が一千二百床、国立において二百床、
公立において一千床、前
年度は両方合せて五百床ありましたが、一千二百床増を見込んでおるということだけをつけ加えて御
説明申し上げておく次第であります。
それから次の二ページでありますが、一番下の九、事項の受胎調節の欄でございます。ここでちよつと御
説明を加えておきたいと思いまするが、受胎調節のための優生
保護相談所というものを地方の
保健所に設けておりますが、本
年度は既設の三百二十九箇所に新しく四百二十三箇所の
保健所にこの優生
保護相談所を設置いたしました。合計七百五十二箇所の全部の既設
保健所に優生
保護相談所を設けるという予定で
予算を計上しております。
次に二ページの裏の番号一〇の栄養改善の事項でございますが、これの摘要欄の3に集団給食指導
補助八十五万円とありますのは、お医者さんが管理しております以外の集団給食のいろいろの事故もありますので、これの管理者を衛生上の
見地、栄養改善の
見地から講習して、適当の指導をして行きたいということのために、そういう
経費を八十五万円計上いたした次第であります。
次に番号一一の
結核対策について申し上げます。
結核対策の一の
結核療養所整備費でございます。特別申し上げることはございませんが、一万ベッドの病床の増は二十七
年度と同様であります。ただ内訳が若干かわ
つております。内訳の昨
年度、今
年度の比較は、国立、
公立、法人立、
保険、こういうふうにわけてそれぞれ記載いたしておきましたので、便宜ごらんをいただきたいと思います。一万ベッドの総数はかわ
つておりません。
次のページに参りまして、
結核対策の2
結核回復老後
保護施設設置費でございますが、これは先刻大臣から御
説明申しました、医学的管理のもとに回復した
患者に、新しく社会において活動するための職業補導等を与えるための
施設を設置するための
経費でございます。本
年度二十八
年度においては二箇所初めてや
つてみようという新規の計画でございます。
次は3の
結核療養所の経営費でございますが、ここで特別に申し上げておきますことは、国立六万三千五十床ございますうち、三千床は
公立病院から
結核療養所に転換したものを含んでいるということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。四月一日からでございますが、その分を含めまして、国立は六万三千五十床であります。その他
公立、法人等の運営費でございます。
次にただいまの三ページの裏の4
結核予防費については特別に申し上げることはございません。
5その他中、摘要欄にごちやごちや書いてございますが、その二行目、
結核患者実態
調査費とございますのは、先ほど大臣からも御
説明申し上げましたが、
結核が社会病としての死亡原因第一ということから、すでにそういう事態は去りましたけれ
ども、
結核がいろいろな問題を起しているというような諸般の観点から、この種の問題について新しく別個の観点から
調査したいということのために、本
年度新規計上いたしたのでございます。
金額として八十万円ばかりでございます。
次に番号一二の癩
対策については特別に申し上げることはございません。
今の四ページのずつと下へ行きまして5その他でございますが、その備考に藤楓協会委託費百万円とございますが、これは藤楓協会に
療養所内の文化活動をお願いする、あるいは未収容
患者の収容勧誘のパンフレットをつくるということをお願いする費用でございます。
次に四ページの裏の1
保健所整備費、これは先ほど大臣が申し上げました
数字をこまかくそこへ書いておきました。新設は幾つある、格上げが幾つある、現在はどうだ、二十八
年度はどうなる、AB
C級別にそれぞれ記載いたしておきましたので、ごらんおき願えれば幸いでございます。
次に一四
伝染病予防費でございますが、1の
伝染病院隔離病舎
整備の費用として二千四百床、前
年度より五百床増をこの
経費に見込んでおります。
同じくその内訳の3赤痢
対策費、これは赤痢が猖獗をきわめる度合いが毎年毎年高くな
つております。これの原因については各方面から検討されておりますが、いまだ的確なる原因が見つかりません。そこで本
年度におきまして、この方面の権威の方々にお集まり願
つて、この原因をつきたいということのための費用でございます。
次に5の地方病
予防施設費、例の住血吸虫のための
予防措置としての溝渠コンクリート化でございますが、前
年度の一万間を本年は三万間支出ということの
予算を計上いたしております。
次に一五の性病
予防、これについては特別申し上げることはございません。
次の一六は、水道
施設整備でありますが、ここで特に申し上げておきたいことは、そのうちの2の下水道
施設につきまして、二億三千九百万円本
年度計上しておりますが、このうち五千万円は新規に屎尿消化槽を設置するための
補助金を計上いたしたのであります。この五千万円が新規のものでございます。
それから6簡易水道に四億円を計上しております。これは御
承知の通り各方面からの御要求がございますので、今
年度は、昨
年度の一億何がしの三倍強を計上いたして御要望にこたえるというので、かような計上をいたした次第であります。
次に、一七の
公衆衛生関係の
施設整備費、1が癌
研究所
施設整備費、先ほど大臣が申し上げました癌
研究所の戦災復旧の
経費がこれでございます。
次に、一八の
医療機関整備、これは一千万円増をいたしまして六千万円の計上で、そのほかベッド、先ほど大臣から申しました融資のわく五億円、これは民間病院を対象といたしまして
中小企業金融公庫、国民金融公庫等から貸出しをする予定であります。
次の一大の国家試験は特別申し上げることはありません。
次に、二〇の保健婦助産婦看護婦指導費も特別申し上げることはございません。
次に、二一の
国立病院特別会計への繰入れでございますが、不成立になりました
予算案、二十七
年度の
予算案と異な
つております骨子の点だけ申し上げておきます。
国立病院特別会計のうち各種の
国立病院を地方へ委譲するというので、当初予定は二十七
年度十、二十八
年度十一箇所を地方へ委譲するという予定で進んで参
つたのであります。ところで
現実には
昭和二十七
年度中秋田、山形の二つの
国立病院が地方庁と話合いがまとまりまして委譲が
決定いたしました。これはすでに委譲済みでございます。それから若松、飯坂の二つが六月一日からこれまた地方庁と話合いが進みましてこれも委譲を完了いたしました。最近話合いを進めてほぼ確実と思われますのが徳島、岐阜、下呂で、この三箇所が大体八月一日から行くものと考えております。なお
結核療養所の際に申し上げましたごとく、
結核療養所に
国立病院を転換いたしましたのが三千床、数にいたしまして十五の病院を転換いたしました。今後の
国立病院特別会計の
予算の組み方は、以上の確定的なものだけを落す、つまり秋田、山形を落し、若松、飯坂を落し、それから徳島、岐阜、下呂につきましては、八月以降委譲されるものという見込みで計上する。それから
結核療養所に移す十五箇所は八月一日から移すということで、移す移さぬの問題はすでに既定方針でございますので、話合いがつき次第移して行きたい。しかし
予算面上におきましては落すということはいたさない。事実上話合いがつきました際には、その方面の
予算は執行しないで済むというふうなことにいたしております。つまり
予算面から圧力を加えることはやめたい、そういう
予算の方針として組かえをいたしましたことをこの際御
説明申し上げておきたいと思います。
次に、二二の医薬分業
調査費は、
昭和三十
年度よりこれを
法律の規定に基きまして
実施しますので、分布の状況の
調査を地方庁に委託する
経費でございます。
次に二三の麻薬取締りの
関係は、摘要欄の内訳に、麻薬登録事務等委託費とございますのは、前
国会で
法律改正によりまして登録事務が地方庁に委託されましたので、
都道府県に対する委託
事務費として三千百十八万円を計上いたしたのであります。
次の二四の薬用植物栽培助成六十三万二千円とございますのは、サントニンの強い原種をパキスタンから入れまして、これを普及したいというための採種圃設置
補助金でございます。
二五は特別申し上げることはありません。
次に、二六
生活保護費でございますが、大臣から御
説明申し上げました単価の
改正等は、それぞれ事項別に、
補助の種類別に、摘要欄に記載いたしておきましたので、ごらんおきを願えれば幸いと存じます。大きな
数字で申し上げておきますと、3教育扶助で十一億七千五百六十一万円の減にな
つております。これは二十七
年度の
予算でや
つてみました結果、一部給食が予想以外に一週間の回数が少いということが大きな原因でございます。一部給食が、週五回やることはほとんどございませんで、せいぜい一回もしくは二回というので、そういう
数字が非常に大きかつたというところに大部分の原因がございます。もう
一つは、パンの単価が、これは農林省の単価からはじいたのですが、若干上
つております。教科書の値上り等も見込みながら、なおかつ差引き十一億七千五百六十一万円の減にいたしたのでございます。
ついでに申しますが、4医療扶助につきましては、逐年増加の傾向をたど
つておりまして、二十八
年度予算案におきましても二十七
年度より八億二千万何がしを
増額計上いたしてございます。
8、9は
事務費でございますが、10の二十七
年度精算不足分一億五千万円、これは地方庁におきますところの
生活保護費の
赤字の精算を大体二億五千万円とふみまして、それを本
年度において精算いたしたいというので計上しました。
それから先ほど大臣から申し上げましたが、11の恩給の復活、日雇い
保険が
実施されるということのために、在来
生活保護にたよ
つておつた方々のこの種費用が一億三千何がし減るだろうという予想のもとに、差引き合計、
生活保護費二百五十三億何がしという
経費を計上いたした次第でございます。
それから二七身体障害者
保護費については特別申し上げることは、ございません。
それから二八も特別に申し上げることはございません。
二九、地方改善
事業費、これは新規でございまして、在来はこの種
事業は、憲法の建前といいますか、特別の
措置をとらぬ方がいいだろうというふうな
考え方で参
つたのでありますが、事態の実情からしまして、この種の協議会を開き、実態を
調査し、この特殊地域の改善のためのセンターとして隣保館を四つつくりたいという
経費を本年新しく計上いたしたのでございます。
三〇、消費
生活協同
組合の
貸付金二千五百万円、これは前
国会で
法律が通過いたしまして、そのことによ
つて優良なる消費
生活協同
組合の協同
施設に対して
貸付をするということのための
貸付金を計上いたしたのであります。
三一、公益質屋、これは特別申し上げることはございません。
それから十一ページを裏にめく
つていただきまして、社会
事業関係のいろいろな
施設がございますが、そのうち特に申し上げておきますことは、7の浮浪者収容
施設五千万円を新規に計上いたしております。これは御
承知のように、大都会の浮浪者の収容について、
国会等でも非常にやかましい御議論の対象になりましたので、今
年度としては、とりあえず百人収容十箇所を大都会につくりたいということのために新規に五千万円を計上いたしたのであります。
次に三四の日赤設備
整備費でございますが、これは新規に計上いたしましたもので、日本赤十字社が災害等の際に、諸般の活動をいたします。それらの病院車とかその他を日本赤十字社として
整備せしめておく。そしていざという場合にこの日本赤十字社を活動せしめる、こういうための
整備費であります。
三五の児童
保護費につきましては、建前は
生活保護費と同様に、
生活に困る児童に対する
保護費でありまして、なお単価改定は七月分よりこれを行うということにな
つております。御参考までに申し上げますと、児童
措置費は、二十七
年度平衡交付金の中に計上されておりました
金額は三十六億三百五十四万四千円という
金額であります。ゼロとありますが、平衡交付金の中に計上された計算の基礎は、今申し上げた通り三十六億三百五十四万四千円、こういう
数字でございます。今回児童
措置費として四十二億何がしの計上をしたのは、主として単価の改定でございます。
次の4、事後補導
補助、これはいわゆる職親に対する若干の手当でございますが、それを新規に計上いたしたのでございます。
それから5の季節保育所は、本
年度新しく五千箇所、三分の一として三千万円を計上いたしたのでございます。その他このページには取上げて申すことはありません。
次の十三ページの裏、三六の
母子福祉対策でございます。これは御案内の通り
母子福祉資金の
貸付等に関する
法律が前
国会で成立いたしましたので、これに基くところの母子福祉
貸付金と、府県が同額これに計上いたすわけでありますが、
母子相談員を
社会福祉事務所に一人ずつ設置するに要する費用、それら合計七億九千何がしを計上いたしたのでございます。なおこの母子福祉
貸付金のどの部門に幾らという内訳は、別途摘要欄に記載してありますので、それをごらんを願えばおわかりと思います。
なお、三七児童福祉
施設整備については取立てて申し上げることはありません。
次に、飛ばしていただきまして、三八の厚生
保険国庫負担金について申し上げておきます。このうち
国庫負担金と直接の
関係は出て来ませんけれ
ども、
健康保険及び
厚生年金保険について
範囲を拡張して、被
保険者約六十万の新規加入を見る。それから
健康保険については
療養の
給付期間二年を三年に延長する。それから
標準報酬の最高最低をそれぞれ引上げる。この三つをおもなる
改正点として
法律改正をいたしております。
従つて人数等の増による取扱い事務の増がございますので、これらはいずれも特別会計において取扱いますが、それらの
事務費全額を
国庫負担金より特別会計に繰入れるわけでございます。
それから6に日雇
健康保険とございまして、
事務費一億四千六百四万七千円、保健及び
福祉施設費三千六百万何がし、この
事務費は他の
保険と同様に
金額国庫負担は当然の建前と存じますが、保健
施設及び福祉
施設については、他の
保険においてはそれぞれ
保険料をも
つてまかな
つておるのでありますが、日雇
健康保険においてのみ、この
保険料によらずして
一般会計の負担においてこれを運営し
施設するという建前で計上しておることを、特別に御
説明申し上げたいと思います。
三九は特別に申し上げることはございません。
四〇も申し上げることはありません。
四一、
国民健康保険の
補助金でございますが、この中の摘要欄をごらん願いたいと思います。1、2、3とありますが、3の
助成交付金は、先ほど大臣から申し上げました例の給付で、一五%相当額を交付するということであります。二十九億何がし、これは前
国会で流れました
予算と同額を計上してございます。
6の災害特別
貸付金は、新規のように計上しておりますが、実は二十七
年度におきましては大蔵省と協議をして流用で実際に
施行いたしました。さような手続をとるのがめんどうでございますので、今回は別途五百万円だけ計上いたした次第であります。
四二は申し上げることはありません。
四三の引揚げ
関係の
経費でございますが、ここで問題になりますのは、先ほど来大臣から申し上げましたごとく、中共からの引揚げ三万人のうち五千人は二十七
年度において計上し、残り二万五千人は二十八
年度予算において計上する、こういう建前であります。帰還手当につきましては、一律におとな一万円、子供五千円を計上した点がかわ
つておりますが、その他のプリンシプルは在来のものと同様でございます。それから引揚げ見込人員二万五千三百八人、この端数は個別引揚げの予定でございます。
四四の
留守家族等
援護は、
法律等につきましては、先ほど大臣から御
説明申し上げましたが、支給される給与がどういうふうにかわるかは摘要欄に記載いたしておきましたので、ごらんおきを願いたいと思います。つまり
範囲の拡張とべース・アツプによ
つて三億一千八百八十五万三千円がふえるということでございます。
四五の
戦傷病者戦沒者遺族等援助、これは御
承知のように恩給に移行すること等で百四十億ばかり減額になる予定でございます。一方C船員をこれに加えますと、C船員の総体の数は、積算の基礎としては一万九千一百五十一人という
数字を本
予算の積算の基礎に取入れております。それやこれやでこういう
金額にな
つております。それからベースにつきましては、恩給と前段の
留守家族援護等とをにらみ合せました
金額を計上いたしております。
ただいま問題にな
つております在日華僑の中国引揚げの問題、これの
経費につきましては、六月暫定
予算の予備費をも
つて支出するということに当時閣議
決定がございました。在日華僑が一千人帰りまして千九十七万八千円という
金額を予備費より支出するということで閣議
決定をし、これはすでに実行に移しております。
あとまだ各付属機関等のことがありますが、これは特別に申し上げることはございません。
以上をも
つて二十八
年度予算案の御
説明にかえたいと思います。総計七百五億三千四百三万八千円というのが二十八
年度厚生省所管の
一般会計
予算のト一夕ルでございます。