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1953-05-29 第16回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年五月二十七日       内海 安吉君    瀬戸山三男君       田中 角榮君    中島 茂喜君       安平 鹿一君    山下 榮二君       佐藤虎次郎君 が理事に当選した。 昭和二十八年五月二十九日(金曜日)     午後一時五十九分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君    理事 中島 茂喜君 理事 安平 鹿一君    理事 山下 榮二君 理事 佐藤虎次郎君       逢澤  寛君    高田 弥市君       仲川房次郎君    堀川 恭平君       松崎 朝治君    山田 彌一君       赤澤 正道君    五十嵐吉藏君       村瀬 宣親君    三鍋 義三君       山田 長司君    中井徳次郎君       細野三千雄君    高木 松吉君       只野直三郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 戸塚九一郎君  出席政府委員         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (計画局長)  渋江 操一君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君  委員外出席者         建設事務次官  稲浦 鹿藏君         建設事務官         (河川局次長) 伊藤 大三君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         建 設 技 官         (営繕局長)  木村 惠一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長の選任  委員派遣に関する件  建設行政に関する件     —————————————
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  小委員会設置の件についてお諮りいたします。すなわち道路河川及び住宅に関する件につきまして、それぞれ調査を進めますために、道路に関する小委員会河川に関する小委員会及び住宅に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。  次に、各小委員の数はそれぞれ十五名とし、小委員及び小委員長は前例によりまして、委員長におきまして指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  各小委員及び小委員長は公報をもつてお知らせいたします。     —————————————
  5. 久野忠治

    久野委員長 建設行政一般について調査を進めます。まず建設大臣より、建設行政に関し、その方針につき説明を聴取することといたします。戸塚建設大臣
  6. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 このたび建設大臣の重職を命ぜられましたが、国家多難の折から、今後とも各位の格別の御協力支援を賜わりまして、この重責を全うして参りたいと念願いたしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。いずれ適当な機会に各局長より所管行政について、また御説明を申し上げる機会もありましようが、この機会に私からも建設行政について、その一端を申し上げて、各位の一層の御支援を賜わりたいと存ずる次第であります。  第一に、河川行政についてでありますが、御承知のごとく累年の災害による国土の荒廃は、はなはだしく産業経済復興と民生の安定を阻害いたしておりますことは、まことに遺憾に存ずるところであります。かかる状態に対処いたしまして、政府におきましては、前国会において推し進められて参りました施策の一環としての治水利水総合的多目的計画実施という基本方針を踏襲いたし、強力に諸般の河川対策を進めて参る所存であります。これがためには、河川管理の強化をはかりますとともに、河川改修多目的ダム建設、砂防、災害復旧等の諸事業を積極的に、かつ計画的に推進いたしたいと考えております。特に治水及び利水を総合的に考慮いたしました基本的な河川計画を各水系ごとに樹立、河川を水源から河口に至るまで一元的に管理し、河川管理運営に万全を期して行きたいと存じます。  第二に、道路行政についてであります。御承知のごとく昨年新道路法が公布されまして、その後関係法令整備いたし、また一級国道、二級国道も指定されまして、道路行政もいよいよ新段階に入つた次第であります。この新道路法運営につきまして、各位の格段の御協力を得、その完璧を期して参りたいと存ずるのであります。最近における自動車の急速なる発達と産業の進展、経済復興に伴う貨物輸送量の急激な増大によりまして、道路に対する負担は深刻な状況でありますが、かかる状態にかんがみますとき、道路整備はまことに緊急を要するものがあります。ここにおきまして、国土開発の基礎を開き、産業経済文化等の発展の動脈を確保するために、一段と重要幹線道路及び資源開発道路整備の促進をはかつて参りたいと存じております。これがためには、何といいましても、財源が問題でありますが、これが財源確保については、この上とも各位の御支援お願いを申し上げたいと存じます。  最後に、住宅行政についてでありますが、住宅対策は漸次軌道に乗つて来たとは申すものの、終戦後八年目を迎えました今日、国民衣食生活に比して、その回復が著しく立ち遅れておりますることは、はなはだ遺憾とするところであります。かかる状態にかんがみ、政府におきましては、住宅の絶対不足、年々の人口増加に伴う住宅の需要を充足いたしますとともに、早急に住居水準の向上をはかるため勤労庶民住宅建設に重点を置いた諸対策を遂行いたす所存でありまするので、各位におかれましても、今後とも一層の御協力お願いする次第であります。  以上、建設行政に関し、所見の一布を申し上げたのでありますが、そのいずれをとりましても、国家の再建にとつて、刻下の急務たる問題ばかりでありまして、その解決には幾多の困難と障害が予想されるのであります。幸いにして建設行政に深い御理解と御関心を寄せられる各位の御鞭撻によりまして、及ばずながらこの大任を全うして参りたいと存じておりまするので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
  7. 久野忠治

    久野委員長 ただいまの建設大臣説明につきまして、質疑の通告があります。よつてこれを許します。田中角榮君。
  8. 田中角榮

    田中(角)委員 簡単に大臣に対して二、三の点につきまして所見をただしておきたいと思います。  まず第一に申し上げたい問題は、歴代建設大臣国会の当初、常に建設行政に対して所見をお述べになりますときに申される通り、多年の懸案であつた道路法改正せられ、特に建築に関する諸法律もおおむね改正せられたのでありますが、最も建設省所管の中で大きなものとされております水の憲法ともいうべき河川法改正が残つており、また国土計画法改正も論じられているわけであります。それに続いて長い間の懸案になつておりますところの水道法及び公園法の制定も非常に大きな問題として残されているわけであります。道路法改正が成りましたことを契機として、少くともこの問題は早晩解決をしなければならない問題だと思います。戸塚建設大臣前任者である佐藤建設大臣も、河川法改正その他に対しまして熱意を披瀝せられたわけでありますが、佐藤建設行政を踏襲せられた戸塚建設行政であり、第四次吉田内閣に引続いて編成せられた第五次吉田内閣建設大臣として留任をせられたのでありますから、もちろんのこととは思いますが、河川法改正及び先ほどの御意見にも述べられた通り道路整備急務は、いまさら申すまでもないのでありまして、前国会においでは議員提案として衆議院全会一致通り参議院委員会においても全会一致で通過し、参議院の本会議上程を前にして衆議院解散ため廃案になりましたところの、いわゆる道路整備財源確保に関する立法措置があるのでありますが、この問題に対して大臣所見をまず伺つておきたいと思います。
  9. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 河川法改正の問題につきましては、しごく当然なことであつて、一日も早く水系方式による河川管理ということが法制化せられることを望んでいるものであります。申し上げるまでもなく、従来のいろいろの政府部内における係関の省もありまして、そういう関係筋によくこの必要を理解してもらつて早く成案を得たい、かように考えているものであります。ただそうした関係筋のことは、やはりこちらの願つているところ、希望しているところをはつきり理解してもらつて、いわば話がよくせんじ詰まるということに努力して参る余地がまだあるように考えます。この点について極力努力いたして参りたいと考えております。  なお道路の問題でありますが、道路整備については、これはもうお互い言うまでもなく、少しでも多く実現を求めなければならぬ今日の実情でありますので、極力私もその意に沿つて努力いたしたいと存じます。それにつけても財源の問題、ただいまもお話がございましたように、前議会のいきさつ等もありますので、私といたしましては、少しでも早く財源確保されることを望んでおる次第であります。
  10. 田中角榮

    田中(角)委員 財源の問題に対して質問を続けたいと思います。衆議院解散によりまして、昭和二十八年度予算案が廃案となり、現在暫定予算公共事業費がまかなわれておるわけでありますが、公共事業費につきましては、十二箇月の月割りでもつてやるのではなく、特に八月、九月の台風期を前にしておる重要な問題でありますので、暫定予算を組む過程において、公共事業費に対しては特別な配慮を必要とするのではないかということをまず考えるわけであります。これに対して建設大臣はいかなる考えを持ち、いかなる措置に出られておるかということをひとつ承りたい。  もう一つは、日本の都道府県を一覧いたしますと、十一月前でなければ公共事業が行えないところが三分の一以上あるわけであります。北海道を含む裏日本のほとんどすべては、積雪寒冷地の部類に入るわけであります。三月三十一日に年度予算が通過いたしましても、本省との打合せ、設計その他のことを勘案いたしますと、請負入札に付するのは、大体において七月、八月おそくなると十月にもなるようなことがあつたのでありますが、今年度は特に暫定予算でありますので、このままで行つた場合には、日本の三分の一もしくは半数に上るところの積雪寒冷地帯公共事業というものは、一年間つた空白になるのではないかというように考えられるわけであります。そういう意味におきまして、暫定予算編成にあたりまして、公共事業費、なかんずく積雪寒冷地等工事は、当然別途に措置を行わなければならないわけであります。もちろん建設大臣だけのお力でこの問題がただちに解決できると思うものではなく、閣議でも大いに御発言を願い、特に衆参両院建設委員会も一致協力してこの実現に当りたいと思つておるのでありますが、今年度の状況を十分お考えの上、この問題に対しては格別なる措置をしていただきたいということを考えておるわけであります。これに対する御意見があれば承りたいと思います。
  11. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまの田中委員お尋ねの点、ことに今回解散ために四、五、六と暫定予算を組まなければならぬようになつたことが、最も影響をいたしておりますのは、おそらく建設省仕事であろうと私も考えております。やむを得ないことではありましたが、四、五月につきましても、予算額は御承知のように少かつたのであリますが、その取扱いについては相当便宜といいますか、考慮を払つて施行いたしておるつもりであります。それにしても大事な時期が三月も過ぎるということは、年間事業施行の上に非常に影響をいたしますので、この点については相当苦慮いたしておるところであります。七月の暫定予算という問題が自然に出て来るのでありますが、暫定予算というものの性質上、形式論としてはやはりそこに難点がありましよう。しかしこの七月も月割りというようなことで行けば、いよいよ年度実施の上に、困難というよりは、むしろもう一歩進んだ可能性が失われて来るというようなことも考えられますので、この点については、私もなるべく相当多くの額が暫定予算に組まれることを希望いたしておる。しかしそこは実際問題と形式論との間にいろいろな食い違いといいますか、矛盾が出て来ると思います。これは多少形式論をはずれても、こういう必要なことについてはというような意味で御協力をいただければたいへん仕合せだ、かように考えておる次第であります。
  12. 田中角榮

    田中(角)委員 実際問題と形式論との間にいろいろな紛議があるわけでありまして、もちろん簡単には行かないと思いますが、建設大臣は特に代表的な豪雪地帯である北海道長官もやられたのでありますから、これが実情は十分御承知であるはずであります。私としましては、非常措置といふ立場から、形式論にとらわれず、悔いを残さないよう完璧な措置をとつていただくことを重ねて申上げておきます。  第三の問題は、大臣ではなく事務次官からでもけつこうであります。これは少し技術的な問題になるわけでありますが、暫定予算でまかなつておりますので、各事業は相当空白状態を続けておるわけであります。その結果起る現象の一つとして、多少行き過ぎた程度直営工事が行われておるのではないかというふうに考えます。私は現在行われておる直営工事を云々申し上げるのではありません。将来の問題として問題を残してはならないという立場から意見をただしておきたいと思つて発言をしておるのであります。いわゆる暫定予算でありますので、月割では、請負いに付して工事を進めて行くようなことができないという立場から、直営で進めておるわけであります。もちろん直営でやれる態勢にある人員、機構その他を遊ばしてはならない、少くともこの人たちをフルに働かしたいという意味から、直営形態をとつておられるのでありますが、このままで続けて行きますと慢性になつて、いわゆる直営形態というものが非常に多くなるおそれが多分にあると考えております。私が見聞するところでは、当然公示入札に付すべきと考えられるような箇所に対しても、現在直営で進めておるところが非常にたくさんあります。これは私が申し上げなくても、所管の次官でありますしデータを十分お持ちになつていると思いますので、こまかくは申し上げませんが、私はこのような形態を続けて行きますと、昭和二十一、二年から三年までに、決算委員会や当委員会でもつていろいろ起したような問題がまた起きるのではないかという懸念を持つものであります。一時直営廃止論とか、直営に対する再検討とかいうことが叫ばれたわけでありますが、非常にむずかしい問題でありおつたわけであります。建設省直営を行い、府県が直営を行うということは—技術的に、また機械力の点において直営を相当必要とするということが原則でなければならないのに、現在の状況では、いわゆる請負入札に付することができないので、直営でやつておれば何とかうまくつじつまが合せられて行くのではないかという非常に安易な考え直営をやつておる傾向もなくはないと私は考えております。その意味において現在のままで行きますと、どうも人間を遊ばせたくない。機械をフルに動かして行きたいという大きな目標に向つて動いておるのではありますが、二箇月、三箇月あるいは来年度になつてこ形態が伸びて行き、しかもその陰にいろいろな問題が惹起されやすい要素を多分に含んでおりますので、この問題に対しては十分なる検討を加えていただきたい。私は、それよりも、今建設大臣に申し上げた通り暫定予算空白をなくするような根本的な措置をとるべきであるというようなことさえ申し上げておるのでありますから、もちろんお手落ちはないと思いますが、この問題に対する技術面からのお考えと、これに対する処置に対して御意見が承れれば幸甚と思います。
  13. 稲浦鹿藏

    稲浦説明員 お答えいたします。田中議員の御心配、御注意まことにありがとうございます。年間予算がきまつておりませんので、年間計画はもちろん立てるわけに行きませんが、前年度の仕事量を勘案しまして、暫定予算については経済的な効果的な仕事をやりたい、かように考えておりますが、御意見通り、何と申しましても半端な仕事でありまして、請負にかけることが困難な場合もあります。また直営でやつた方がこの三箇月間楽だというような考えで、御意見のようにやつた箇所が相当あるだろうと思います。しかしこれは常道ではないので、先ほど御意見のあつたような、非常にむづかしい、あるいは機械化しなければならないもの、そういうところはどうしても建設省直轄でやらなければなりませんが、請負でやつた方がいいというようなところは、当然これは請負でやるべきで、そういう御心配は将来ないように大いに注意してやるつもりでおります。なお請負直轄工事のあれは非常にむづかしいものでありまして、今も研究しておりますが、今後もつと合理的にやつて行きたい、かように考えております。御了承願います。
  14. 田中角榮

    田中(角)委員 先ほど建設大臣所見の中にもありました通り建設省治水省ではなく、利水の面も大いにやるのであつて、それの手初めとして多目的ダム建設を着々と進めており、また進めなければならないという御意見に対しては、まつたく同感の意を表するものであります。その意味におきまして、建設省機構に対して一言触れてをきたいと思うのであります。今ただちにこの問題に対して御答弁がちようだいできるとは考えておりませんが、当委員会の将来の問題としてお考えになつていただきたい。というのは、昭和二十三年でありますか、建設省設置法が制定された当時は、建設省は多少治水省ということを表に打出しております。そういう意味におきまして、現在の各地方建設局等機構やこれが割振りについても、治水の面だけで考えておられるようでありますが、利水面が大きく打出されて、多目的ダムを大きくやつて行くということになりますと、工事量その他については大きく変動を来すのであります。私はその意味において建設省機構のうち地建機構については、抜本的な改正を行う必要があるのではないかと考えております。私はただに自分の出身地北陸であるために申しておるのではありませんが、昭和二十一年から二十三年にわたり建設省設置法を審議しました当時、水系別の問題を考えてみましても、北陸地方及び北海道に対しては別途の措置を講じなければならないのではないかという活発な意見があつたのでありますが、当時の建設大臣北海道の問題が片づいた場合にあらため考えるということを速記録に明言されておるわけであります。北海道は新しい観点から北海道開発庁として発足せられておる現在、当然この問題は再検討を要する問題であると考えております。工事量その他技術的な問題、抜本的な治水利水の面を勘案せられて、機構の再編に対してひとつ考えていただきたいという私の希望であります。それに対して建設大臣の何か御意見が承れればけつこうでありますし、今の段階において、相当重要な問題でありますから、十分御熟考の上、また調査された上で御答弁を煩わしてもけつこうであります。
  15. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまのお話につきましては、なな十分研究いたしまして……。
  16. 久野忠治

    久野委員長 ただいま予算委員会より建設大臣出席を求められております。よつて建設大臣に対する質疑があればこれを許します。
  17. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 お忙しいところを恐縮でございますが、ちよつと時間を拝借して一、二、大臣お尋ねいたします。その第一は、吉田内閣の長年の主張であります産業能率化とか、あるいは外国貿易の振興とか、そういう方面に関連いたしまして、最近生産コストの切下げなんということを言われております。それに対する内閣施策といたしましては、一産業、一工場、そういつたものに助成金を出したりなんかいたしておるのではありますが、しかし私どもの考えるところによりますと、そういうものには一定の限界が来ておるのではないか、かように考えるのであります。むしろそれよりは八千五百万の全国民生活能率化と申しますか、そういうものをやつて、そうしてもつてそこえ追い込んで行かねばいかぬというふうな考え方をいたしておるわけであります。そういう意味から申しますと、大臣所管であります道路の問題あるいは住宅問題等につきまして、もつと大きく転換する時期に来ておるのではないかというふうに考えておるのであります。これは第一次的ではないようでありますけれども、急がばまわれということわざもありますから、よくお考えくださつて、この点に対する大臣の率直な御見解をひとつお尋ねをいたしたい、かように思います。
  18. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまのお話でございますが、私も道路とか住宅、そういうような間接的といえば間接的と言われますけれども、そういう面で非常に利便が多くなるということが、ほんとうに産業というものに大きな影響がある。また計算をしてみてもわかる通りであります。そういう意味でも道路その他が非常に早く整備されることが重要だということは、十分に考えておるつもりでございます。ただ、他の面における仕事についてとやかく私が申す意思は持つておりませんが、やはり他の面で考えるべき点もあろうかと思います。しかしお話のように、道路整備ということが非常に経済面に役立つということは、十分承知をいたしておるつもりでございます。
  19. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 そういうふうなお考えでありますならば、昭和二十八年度の予算は、解散ために、ああいうふうな始末になりましたが、近く編成される新しい昭和二十八年度の予算におきましては、大臣は前の予算で組まれましたあの建設省関係予算の総額よりも、今度組まれる予算においては、多少とも増額をするというような強い気魄をお持ちになつておるかどうか、その辺お伺いしたいと思います。
  20. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 私の気持からすれば、もつと多くても、少くともこなし得るものならばという気持はいたしますけれども、予算編成政府全体の方針から参りまして、はたしてそういうふうに行き得るか、その点は疑問を持つております。
  21. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 いずれ新しく提出される予算を見まして、われわれは判断さしていただきたいと思うのでありますが、ひとつもう少し力強くがんばつていただきたい、かように考える次第であります。  なお、もう一点お尋ねをいたしたいのであります。これは少し具体的な問題でありますが、例の東京神戸間の自動車専用道路の問題であります。この問題につきましては、そういうものをやるよりも、むしろ現在の国道整備するのが早いというふうな意見と、それを早くやれというような意見と対立しておるようにわれわれは伺つておるのでありますが、この問題についての大臣のお考えを伺いたいのであります。それから東京神戸間の専用道路につきましては、まだ事務的には最後的な路面の決定がなされていないとわれわれは了解をいたしておるのでありますが、それでいいのかどうか、その二点についてお伺いをいたしたいと思います。
  22. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 東京神戸の間の新しい構想による高速度道路ということは、まだ事務的に研究いたしておる程度でありまして、まだ結論までには参つておりません。またただいまお話がありました国内全体の道路とこの高速度道路とを、どういうふうに比較して考えておるか、これは私、なるほど高速度道路も非常に必要だということは感じられますけれども、財源、財政の都合ということもやはり考えなければならない。国内の全体の道路整備を犠牲にして、今高速度道路をつくるべきかどうかという点については、相当の疑問を持つておるのであります。
  23. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 今のお答えでは、はつきりとしていないというようなことでありましたが、承りますと、東京・御殿場間については、すでに着手をするとかせぬとか、予算に計上するとかしないとかいうふうな話を聞いておるのでありますが、今の大臣の御回答でよろしゆうございますか。
  24. 富樫凱一

    ○富樫政府委員 東京神戸間の高速度道路は、先ほど大臣の申された通りでございまして、ただいま東京・御殿場の間に道路が計画されておりまして、一部予算もついておりますが、これは安全保障費による道路でございまして、東京神戸間の高速度道路の一部ではございません。東京神戸間の道路が、東京から座間に至ります間、今計画されております道路と一部重複する点がありますので、誤解されておる点がございますが、全然別の問題でございます。
  25. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 しかし道は一本でありますから、あまりこだわらぬでけつこうだと思います。まだ一、二お尋ねしたいと思いますが、時間の関係もありますので、これで……。
  26. 久野忠治

  27. 細野三千雄

    ○細野委員 大臣お急ぎのようですから、河川行政のことについて簡単にお尋ねいたします。これは従来しばしば問題になるのですが、河川行政で、一番水源に近い山元の行政は、大体農林省の所管になつております。それから河口が港になつておるところは運輸省の所管になつております。しばしば治水などの問題につきまして、行政機構がかように三つにわかれておるために、非常に問題を起すのでありますが、これについて大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。
  28. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 川の上流あるいは河口ということで所管が違つておる現状は、将来機構の改革といいましようか、そういうふうな点でも十分考慮されて行かなければならぬものだと思います。ことに先ほども申し上げましたように、川の管理についての行き方が近年かわつて参りまして、水系主義によつて上流から下流までを一貫して管理しなければならぬというような時代になつてつておりますので、ことにそういう点については考えて参らなければならないと思います。ただ先ほども申し上げましたように、これが政府部内の関係各省のいろいろ錯雑した関係等もありまするので、そういう点についてあまり摩擦等のないように、しかし水系主義による河川管理は一貫した建前になつて行くということを、私は念願いたして今後進んで参りたい、かように存じておる次第であります。
  29. 細野三千雄

    ○細野委員 大臣御在任中に機構改革をされるお考えがありますか。
  30. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 これは私一人でできるわけではありませんので、そう簡単に参るかどうかはわかりませんが、私の希望としては、一日も早くこの機構の改革ということにまで進んで参らなければ、ほんとうにはならないというふうに考えております。
  31. 久野忠治

    久野委員長 安平鹿一君。
  32. 安平鹿一

    安平委員 中井さんの質問にちよつと関連して大臣お尋ねしておきますが、国内産業道路の方がいろいろな産業発展のためにも必要であるということを中井君が説いて、それに賛成されて、いわゆる東京神戸間の弾丸道路については財政上考慮する必要がある、こういうお答えのように聞いておりまするし、局長もまた、今、東京神戸間の高速度道路には関係がない。今御殿場と東京間のは、これは見返資金の関係でやつているから関係がない、こういうふうなお答えのように聞きましたが、それに違いありませんか。
  33. 富樫凱一

    ○富樫政府委員 その通りでございます。見返資金と申されましたが、安全保障費から……。
  34. 安平鹿一

    安平委員 ああ、そうですか、大臣の方も……。財政的困難で考慮の余地があるということには間違いありませんか。
  35. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 私が申し上げましたのは、全国的の道路整備を犠牲にしてやることは考えものだと、こういうふうに申し上げたのであります。
  36. 安平鹿一

    安平委員 もう一つ、それでは全国的な産業道路が犠牲になるような場合には、これをおとりやめになる意思があるかどうか。
  37. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 もう一度……。
  38. 安平鹿一

    安平委員 もし全国的に見て、産業道路の開発の財源に非常に支障を来して、この東京神戸間の俗にいわれる弾丸道路が、もしそういう財政上の主張からできないと思われる無理な場合は、この高速度道路を、今調査中ですが、そういう費用なんかもいることですから、それをおとりやめになる意思があるかどうか。もし財政上から考慮されてですね。
  39. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいま言われた弾丸道路高速度道路、これは公共事業費でやろうというふうには考えておりません。     —————————————
  40. 久野忠治

    久野委員長 お諮りいたすことがあります。すなわち暫定予算による道路河川等の公共事業の進捗状況調査ため委員を派遣せられたいとの申出がありますが、衆議院規則第五十五条によりますと、これは議長の承認を得なければなりません。この件につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十一分散会