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1953-08-04 第16回国会 衆議院 決算委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月四日(火曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 安井 大吉君 理事 柴田 義男君    理事 吉田 賢一君       藤田 義光君    細迫 兼光君       山田 長司君    大矢 省三君       杉村沖治郎君    山本 勝市君  出席政府委員         国税庁長官   平田敬一郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  牧野 誠一君         大蔵事務官         (国税庁長官官         房会計課長)  羽柴 忠雄君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田 修蔵君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  本日は昭和二十五年度決算大蔵省所管中、予算経理不正行為及び租税の項を一括議題とし、審議を進めます。従前の例に従いまして、審議の促進上、報告書第八十三ページ、番号一〇五ないし一一二の「架空名義により支払つたもの」及び第八十四ページ、番号一一三の「物品売渡代金をそのまま使用したもの」につき、特に重点的に詳細な説明を求めます。会計検査院検査第一局長池田説明員
  3. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 ただいまの議題でございますが、国税庁におきまして架空名義により支払つた経費があるのであります。その総額は千七百万円に上つておるわけでございますが、そのうちで真に国の経費とは認められないというようなものに使つたものはそうたくさんはございません。ことにそれをもつて私腹を肥やしたというふうなものは、今まで私たちの調べたところでは全然ないように思われます。それから国の経費でないものに使つたというのは大体どういうものかと申し上げますと、これは一部の職員の野球の経費とか、あるいはお花の経費とか、そういうような多少職員の厚生的な面に使つたものもありまするし、中には新年宴会とか忘年会の経費もございますが、少くとも私的な、自分のふところに入れたものはなかつた。こういう不法な支出では、ございましたが、そのうちではまず不幸中の幸いであつたと思える事案でございます。それからそのうち犯罪としまして起訴されましたものは、この一〇八号の大河原税務署というのがございます。これは一応起訴は業務上の横領として起訴されましたが、判決におきましては横領の点はなくなりまして、単なる公文書偽造ということで判決になりまして、あと本人ま上告をいたしておるような次第でございますから、その内容についてはいずれ判決確定の上ではつきりして来ると思われます。  それから売払い代金でございますが、この売払い代金正規歳入に納付しないで、これを別途の資金として持つておりまして、自動車購入等に充てたという案件でございますが、これも経費そのもの架空といいますか、正規手続を経ない経費でありまして、経理としては穏当を欠くものでありますが、その使途は税務当局で使われるところの自動車購入に充てたという点で、経理そのものは悪かつたということを除けば、私的のものには使われなかつたという点でまずまず私たちも安心した点でございます。  それからその次の案件でございますが、これは財務局で起りました問題で、国有財産をかつて正規手続を経ないで売りまして、その代金接待費や庁舎の落成式経費使用した案件でございますが、これはその後本人は裁判を受けまして、懲役一年、執行猶予二年の判決を受けまして、地位はもちろん退職になつております。それから代金でございますが、これはそり後財務局の努力によりまして全額回状になつておるという状況でございます。以上御説明といたします。
  4. 田中彰治

    田中委員長 ただいまの説明に対して、国税庁当局補足説明があれば、この際発言を許します。
  5. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいま会計検査院から御説明のありました私ども国税庁関係の役所におきまして非常にたくさんの不当、不法の経理を出しましたことはまことに遺憾にたえないところと存ずるのであります。ことに架空名義によりまして食糧費に転用したものにつきましては、その当時の事情といたしまして、一般予算が不足する、その他の事情もあつたと思いますが、それにいたしましてもこのような多数の税務署におきまして相当額不正流用が行われましたことはまことに私遺憾に存ずる次第でございまして、この点につきましては私特にこの問題を重視いたしまして、税務署はとにかく納税者から非常に重い税金を徴収する重大なる役目を担当しております関係もございますので、この種の事件納税思想に及ぼす影響がきわめて重大なるものであるということを痛感いたしまして、特に今後におきましてはこのような事態が絶対起らないように、起しました場合におきましては行為者責任を追究するのは当然といたしまして、監督者の方においても十分徹底した責任を追究いたしまして、この種事件根絶を期したいという考えでありまして、すでにその趣旨のことを本年三月、四月ごろ地方に対しまして、厳重な通達を出しております。なお本年度におきまして、お手元にあるような税務行政運営方針を少しまとめまして、地方徹底をはかつた次第でございますが、その中におきましても、特に税務部内の不正事件というものは、納税思想を破壊するきわめてゆゆしいことであるということを、よく職員の頭にも徹底いたさせまして、自粛白戒し、このようなことが再び起らないように努めるつもりで目下努力しておりところであります。会議費等につきましては、もちろん少いのでございますが、絶対にほかから流用して使うことは認めがたい。少い予算の中で有効に使うということをいたしまして、このような、三が再び起らないように厳重な注意と訓告を与えまして、現在実行いたしておるような次第でございます。なお個別的な各個の内容につきましては、御質問に応じまして御説明申し上げてもけつこうでございますが、最初に私からそのことを固く申し上げまして御参考にいたしたいと思う次第ございます。
  6. 田中彰治

    田中委員長 それでは質疑を許します。吉田賢一君。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国税庁は申すまでもなく国の歳入の最大の根幹である租税徴収行政を行うところでありますので、従つて日本の財政上の歳入の面の最も重要な部門を受持つておる責任上、各般会計経理等につきまして、格段の注意をして行くべき責任があることは申し上げるまでも、ございません。そこで私は十五国会の終りのころに資料を要求いたしましたが、会期の日時の関係上詳細のことはこの際求めないことにいたしますけれども国税庁におきまして二十五、六、七年度におきまして、この種の批難を受けました職員の数及び不正として起訴されました職員の数、弁償その他の情状等によりまして、そこまで行かずに済ましましたところの職務違反批難をされました職員の数、そういつたことの概況を御説明を願いたいと思います。
  8. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員昭和二十五、六、七年度というとこれは大分たいへんですが、書類で出してもらつたらどうですか。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さようにいたしましよう。それではあと書類で出していただきたい。
  10. 平田敬一郎

    平田政府委員 正確を期する必要があると思いますので、あと書類をもちまして提出いたします。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではもう日もありませんから、会期末の本会議までのに間に合うように責任を持つて整えて出していただきたい。
  12. 平田敬一郎

    平田政府委員 承知いたしました。
  13. 杉村沖治郎

    杉村委員 今吉田委員からいろいろ書類提出を求められたようですが、私はそれと同時にやはり書類で出してもらいたいことがあるのです。それは埼玉県の本庄税務署で、児玉郡の賀美村で村八分が起つて、村長以下村の有力者が非常にたくさんな脱税をしておる。その脱税をしておることを、片方の村八分をされた人が摘発したのであるが、これに対して本庄税務署からはさようにその後の回答をして来ない。これは署長がかわりましたが、その後私どもも依頼を受けて本庄税務署べ交渉したことがあるが、さらにとり合わないでそのままになつておるのですが、この本庄税務署におけるところの児玉賀美村の脱税事件と言えばわかる。村八分された人が刑事事件があつて、そのために裁判所が税務署から書類を取寄せようとしても、なかなか出さなかつたそうであります。これは非常な徴税方法においての違法がある。それを調べて一緒に知らしてもらいたいと思います。
  14. 平田敬一郎

    平田政府委員 承知いたしました。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なお今のに関連いたしまして追加してお願いしておきます。それは、これも前国会におきまして資料提出を求めたのでありますけれども、手に入らずに終りましたので、この際資料として出していただきたいと思います。一昨年、去年、今年にかけまして、三年にわたりまして、法人で、翌年度以降の損失のために既納税金の払いもどしをしました、一億円以上の口につきまして、その事情、氏名、年月日、金額等につき、詳細にわたりまして同じく書面をもつて資料として提出方をおとりはからい願いたいと思います。これはよろしゆうございますか。
  16. 田中彰治

    田中委員長 とりはからいます。
  17. 平田敬一郎

    平田政府委員 今の件、さしあたり中央におきましてわかる分を取急ぎ整理いたしましてお出しいたしたいと思います。なおそれによりまして不完備の分は次の機会に出したいと思います。全部完全にそろいますかどうか、ちよつとここで私は確言いたしかねますが、できるだけ調査いたしまして……。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なおこれに入りまする参考に八十四ページ、一〇五号ないし一一二号、これは東京国税局関東信越、札幌、広島、各国税局架空名義事件が載つております。末端の税務署の問題もさることでありますが、局自身において、たとえば東京国税局ということになつておりますので、地元、ひざ元のことでありますし、特に本委員会においては重視する必要があろうと考えます。これらの国税局の当時の局長はだれであつたか。なお昭和二十四年七月から二十六年の七月まで及んでおりますので、この間の国税庁長官はだれであつたのか。これもすぐ文書で御提出方を願いたいと思います。  それをお願いいたしまして、そこで本題に入りたいと思います。検査院の御説明によりますと、真に国の損害に帰するような金額が相当少かつたような御説明もあつたのでありますが、しかしながらいずれにいたしましても、架空名義で支払つておるというのが事実でありますと、それは一応は全体として国の損害に帰するのではないかと思いますので、その点につきまして、国税庁長官の御所見伺つておきたいと思います。
  19. 平田敬一郎

    平田政府委員 先ほど検査院からも御説明がありましたように、純粋に個人的な用途にまわしたものはなかつたということは、私どもといたしましても、不幸中の幸いだと実は思つておるのでありますが、予算経理の建前からいたしますと、やはり会議費接待費等といたしまして、予算に計上してある額以上にほかのものを流用いたして使用しておりますので、そのような意味におきまして事柄自体はまさしく会計検査院から指摘を受けました通り、当を得ないものであると私ども考えておる次第でございます。ただ現地の事情を聞いてみますと、たとえば地方税務署等におきまして、町村などとの連絡協議会を開く場合に、配付された予算ではどうしても足らなくて、やむを得ずやつているという事情も中にはあるようでございます。しかし、中には度を過ぎまして刑事事件にまで問われているような例もございますので、一概に言いにくいと思いますが、しかし、私は事柄いかんは別といたしまして、とにかくこのように予算で認められてない費目に対しとましてほかの費目から流用してやる。ことに架空な工事をやりましてやるというようなことはもつてのほかだと私も感ずる次第で、このようなことは根絶を期さなければならないことだと実は私も確信いたしておる次第でございます。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前段は私も同意見でありますが、やはり予算に組まれない金額、それから他の予算流用——他予算流用というよりも、むしろそれはまつた予算以外のどこかほかから持つて来た金というのではない。その意味におきまして予算流用になるかと思いまするけれども、いずれにいたしましても、予算外架空名義で支払つておる。でありますから、これは全体として総額が一応国の損害口になつて責任を問うべきじやないかと思いますか、町村折衝等のために必要であつたとかいうことは、その人の判断でありまするけれども、ともかく予算のないものがこれに使用されております。死つてそれは架空支払いの大部分を占めておるわけであります。すなわち総計架空支払いが一千七百十四万円、使用の方は十六百四十四万円、こういうことになつておりまするから、ほとんど六十万円ほど差引いた総額が使われておりますので、千六百四十万というのは事実上国損害をかけた、こういう計算になるじやないかと思うのであります。私どもはなぜこれを尋ねるかと申しますと、ほかの省におきまして、架空支払いなどがたくさんに出て参る。たとえば建設省あたりにおきましても架空労働力だとかあるいは架空の補償であるとか、架空の修理であるとか、いろいろなものに出まして、そうして事実上労働力代支払つた材料代支払つたというのでありまして、その場合に架空に捻出はしておるけれどもふところへ入れておらぬ。であるからふところに入れて個人的に飲食した、そういつたものでないから情状を酌量していいのじやないか、こういう思想が、この前の建設省のときにも相当あつたわけであります。私はこういうような考え方会計紊乱の根本になるのではないかと思います。国税庁のごとき税金の問題については、納税者の前にはきわめて峻厳な態度でもつて臨まれるが、内部的にはみずからの予算支出につきましては、かなり寛大な考えで行かれるというそういう思想自体が本末転倒であろうと思うのであります。そういつたところに幾多機会があるわけであります。でありますから、その点につきましては、少くとも使用部分については全面的に口に一応損害をかけたもの、架空支払いというものも、もし架空支払いをせざりしならば使用部分を差引いたその金額は、当然有効なる予算戸組まれておつたと推定するのであります。それに使わずにこちらに持つて来ておるということになつておるので、あるいは上下二倍の損害が生じておるかわかない。何とならば、一旦予算に組んだものを、その予算通りには出さずに、その予算架空名義でほかへとつて使つてしまつたというのですから、二重に国が損害を受けたということにもなるのではないかと考えますが、御所見いかがですか。
  21. 平田敬一郎

    平田政府委員 最初に申し上げますが、私は決してこういうことがいいとかということは全然申し上げておるわけではございませんので、これはまことに遺憾なことでありまして、今御指摘通り、ことに国税局税務署あるいは本庁においても同様でありますが、徴税の任に当るものといたしまして、まことに遺憾であると実は考えておるわけでありまして、こういうことも含めまして、不正、不当のことは絶対に根絶するようにという趣旨で実は考えておるのであります。ただ今お話の点は、論理的に少し分析しての質問のよう丁あります。たとえば自動車に使う予算会議費にまわした。従いましてそこで手段といたしまして、自動車を使つていないにかかわらず自動車使つたこととして出す、このこと自体私は第一いかんことではないかと思います。それから予算の節約の見地から行きますと、純理から行きますと、それだけの予算が浮くはずではないか。つまり自動車借料が少くて、会議費に使わなかつたならば、自動車借料が少くなつて、それが節約できたものを、節約しないで使つてしまつた。こういう関係になろうかと思います。しかし、その方にまわさなかつたならば、あるいは何らかの必要で自動車を借入れまして仕事をしていたかもしれない。その関係はこの事柄次第によりまして簡単ではないので、いろんな場合があるかと思いますが、二重使用になるというふうにはならないかと思います。予算として認められたものを有弁使つたかどうかということ、この点を考えますと、実質的にみましても疑問とする場合が非常に多い。しかし、私はそういうことは別といたしまして、それはそれとしまして、予算の立て方におきましては、できるだけ合理的に立てておきまして、不正にそれを流用することのないようにするということにしなければ、ほんとう予算としてせつかく国会の御審議を経ましてやつて行く意味はなくなりますので、そういう意味からいたしましても、このような事柄はまつたく不当でありまして、私どもまことに遺憾に存ずる次第であります。今後におきましても今申しましたようなことで一層趣旨徹底をはかり、さらに方策よろしきを得まして根絶を期したいと考えておる次第であります。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この二十八年度税務運営方針には、まことにけつこうな御趣旨が記載されてあるのでありますが、一、二現実状況について伺つてみたいと思います。税務署員もしくは国税庁職員納税会社とか納税人の方におきまして主食饗応を受けるという二とは、一体どういうものでしようか。この点はわれわれ今日社会生活実情をいろいろ裏も表も存じております。従つて日本社会生活の現状に即しまして、しかるべきものさしをもつて物を言つて、ただいてと、と思いますが、その辺についてやはり相当割切れないものがありながら、世渡りしておるというのが今の国民の大部分であります。しかも現実におきましては、もし会社なら会社へ、税務署あるいは国税局の人が参りましたときに、しかるべく接待するということになれば、それだけその経費もいるわけであります。そういうものが一年中重なるならば相当なものになる。全国に積算するならば、相当厖大なものになると考えます。そういうことを考えますと、また新たな観点から検討しなければならぬ問題もあると思います。それがたまたまこういう質問を出すゆえんでありまして、ひとり国税庁関係のみならず、各般の問題について各省にわたる問題でありまするから、一つの例としてお聞き願つて、またお話願つてけつこうであります。そういうふうに職員主食饗応を受けるというようなことは一体犯罪かどうかということは一応別として、そういうふうなことについてどういうふうにお考えになりましようか、あるいはそういうことは努めてしてはならぬとか、避けなくてはならぬという訓辞的なお話でしたら聞く必要はないのでありまして、現実に上下あげまして、日本の国全体としてそういう姿の社会生活が行われております。そういうことについて、あなたのお立場からは、特にこういう問題もあわせまして、どういうふうにお考えになりますか、ひとつその御所見を伺いたいと思います。
  23. 平田敬一郎

    平田政府委員 実際上いろいろ実情に関連いたしまして、多年の慣行その他がございますので、なかなか簡単な問題でございませんが、今お尋ぬに対しましてはつきり言えることは、何か事件に直接関連いたしまして饗応を受けるというようなことは、もう絶対に、問題なく、いかぬことだと思います。たとえば調査に行つたようなときに饗応を受けるというようなことは、とんでもないことでありまして、絶対に避くべきことであります。ただ行きました場合にお茶を出す、それまでいけないということに出るか出ないか、その辺ときどき問題になることがあるのでありますが、軽微なお茶ぐらいのものならこれはどうするか、しかしその辺までいろいろ問題になりました場合におきましては、問題にいたしておりますということを御参考に申し上げたわけでございます。  それからただ一般的に署長その他の幹部か社会なつき合いをする、こういうものにつきまして、全然そういう会合に出るなとか何とかいうことは、どうもそこまでは言いがたい点がございまして、そういう問題になりますれば、おのずから事柄の軽重、重要性考えまして、できる限り遠慮がちでやるという方向がいいのではないかと思いますので、具体的な問題になりますと、結局多年いろいろな税務官吏としての訓練を受けておりますので、そういう頭で判断しまして変なことにならぬように努めさせることに、実は私どもといたしまして努力いたしておるわけでございます。  なお会議費等がどうしても足らないという声がありますので、中央から地方国税局あたりへ出張しました際には、下級官庁にはごちそうにならぬようにということは厳重にやつておりますが、やはりお互いにいろいろなことを注意いたしまして、行き過ぎや、不当のことがないように十分努めたいと、実は考えておる次第でございます。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いろいろな点から常識的に注意するというような問題じやなしに、私はこの資料が、接待費とか——接待費というのは受ける方でありますから、こういう受ける問題につきましても、要するにそういう主食の問題に関する考え方が、きちんとしたわくと、線と、厳格さがないというところに、原因するのではないかとも考えるのであります。これはいわゆる行政府といえども、他の公共企業体との関連におきましては、お互いにしたりされたりというようなことが、ひいては人が寄れば食う、人が寄れば飲むというようなことの煩瑣さと、その経費に実は地方でも参つてしまうのであります。だから幾多のことが、経済的にも次々とくさ味が起りますので、そういうような考え方が非常にルーズだから、従つてこれはおそらく私は何百分の一じやないかと見ておるのでありますが、実際には何百分の一というのは少し極端な想像かもわかりませんが、これが決して全部ではないというふうに考えられるのであります。たまたま検査院指摘したのにすぎないので、検査院が一から十まで年中実地検査を抜打ちにやるわけではありません。だから幾多あるけれども、それは出ておらぬもので、要するにその辺の考え方が普通の社会のそれと同じような線であるというところに、こういうことが起るのじやないかと思いますので、その点はどうでしようか、これはよつて来たる原因を伺つておるのです。
  25. 平田敬一郎

    平田政府委員 戦後のいろいろな社会一般の風潮に税務署の方も巻き込まれまして、いきおい御指摘のような頭でやつていた傾向も確かにあつたのではないかと思います。ただしかし実際におきましては、その程度は、御指摘のように、ほかの方に比べますと、決してはげしい方ではございません。これは地方行つてお聞きになればよくおわかりかと思いますが、市町村の方を集めて会議をしたときに、どのくらいの接待ができるかといいますと、貧弱なものしかできない。しかも度数をたびたびやりますと、予算が足りなくなつて、結局無理な経費を要することになるわけであります。私は絶対に無理な経理はやらない、配付された予算の中で使う。それ以外に絶対にやらない。この原則で行けば、金がなくてやらなくても、しようがない、そういう頭でやれば、おのずから無秩序なこと不当なことがなくなつていいのではないか。またあまりそういうことに一生懸命になつてやるべき筋合いではないのでありまして、これはほんとうにつけたりの、有効に働くための一種の油みたいなものでありまして、こんなものに一生懸命に金策を心配したりすることは、もつてのほかだと思います。その点が遺憾ながら戦後やはり各般の情勢が、どうもこういうことにつきまして頭を向け過ぎたという感じが多い。その結果として不当経理をいたしましても、やつた方がいいのだと判断してやつた例が、相当多かつたと思うのでありますが、御指摘通り、やはり役人も頭を切りかえてその辺のことにつきましては、そういうところに力を尽くすべきではない。そういうことは予算の認められた範囲内でできるだけのことをやればいいので、本体か仕事をしつかりやればいいんだということで、会議のたびごとにその趣旨徹底をはかつておるのであります。何しろいろいろの惰性種もございますし、考え方もいろいろございますので、なかなか徹底しない点もあるかと思いますが、今後におきましてはなおさらよく徹底させまして、こういう悪習から一刻も早く脱却させて行くように考えたいと思います。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ほかの方面から伺つてみることにいたします。これはまた国税庁が国の予算関係上、歳入予算について世上よく伝えられております、一定のわくをもにて各局に割当をいたしまして、またそれを各税務署に振りあてるということで、納税成績を上げなけれげならない。そうしないと、しりをぶつたかれる立場に置かれる。そういうことがいきおいこういうような架空の名儀で金を引出すというようなことになつたのではないですか。
  27. 平田敬一郎

    平田政府委員 率直に申し上げまして、例の昭和二十二、三、四年のころはインフレで税がすつかり入らなくなりました。税が入らないと、ますますインフレがはげしくなるというので、そこで税務署の努力目標というものを、一応数字を与えまして、一生懸命勉強すれば、うまく仕事をやればこれだけ入るはずであるから、一生懸命勉強してもらいたいという目標の数字を示したことはあるわけでございます。これは御指摘通り納税者に対して無用な無理を来すという点が出て来ましたので、二十五年度以降そういうことを一切やめております。最近におきましては、税務署にどれぐらい勉強してもらいたいというようなことは全然言つておりません。ただ、きまつた税額をどれくらい年内に集めるとか、納期までにどれくらい入らなければならない、そういうことにつきまして、個別的にいろいろな数字を示して努力せしめていることはございますが、全体としての税務署の目標額といつたようなものをつくりまして鞭撻するというようなことは、二十五年度以来完全にやめております。ただ、前申しました関係もあり、その後いろいろな揣摩臆測からいたしまして、御指摘のような非難も受けるのでございますけれども、率直に申しまして、税金納税者ご税法との問題、所得税でありますれば所得税法を当てはめてその人の所得が幾らかという二とを見ます、それだけがほんとうを申しますと徴税の唯一の根拠でございまして、全体としてどうこうというようなことは問題となるべき筋合いのものでないのであります。従いまして、そういう点は個々の所得をよく調べまして、所得税法に従つた所得の査定をし、申告をしてもらうということで動強してもらい、きまつた税金はこれはもう一刻も早く納期日に、あるいは遅れたものは早く納めてもらう、こういう趣旨で法律の厳正な執行、こういう見地で実はすべてやつておるわけでございまして、ただ、今までのいろいろな関係もございまして御指摘のような非難を受けますが、その点はぜひ御了解願いたいと思う次第であります。二十三年、二十四年、二十五年と実は徴税にきまして非常な無理をやりまして、納税者に苦しい時代に相当莫大な税を納めてもらつたわけでございますが、その際税務署がやはり非常に努力しました結果、あるいはこの会議費等につきましても若干無理をしている点もなきにしもあらずと思うのでございますが、もう今日はそういうときではないので、そういう点につきましては頭の切りかえを早く行いまして、妥当な仕事をして成果をあげるということでやつておりますので、ひとつ御了承願いたいと思う次第であります。
  28. 柴田義男

    ○柴田委員 ただいまの御説明によりますと、もう目標額という方法はおとりになつておらぬ、こういうお答えでございますけれども、私ども末端の状況を見ておりますと、まだその惰性が抜けきれないでおるではないか、こう想像されるのであります。ことに今議題になつております二十五年度状況から判断いたしますと、それが露骨に現われておる。たとえば二十五年度租税歳入の徴収決定済額が四千九百三十五億六千七百余万円で、収納済額が四千三百九十六億五百余万円、不納欠損額七十四億二千三百余万円、こういう数字が現われておりますが、この状態は今なお継続されておる。たとえば末端の税務署は中小企業者に対して辛辣な税の徴収をやつておる、こういうのが現実の姿でございます。ことに中小企業が最近の金詰まりで非常に行詰まつておるさ中におきましても、徴税に非常な無理があるようにわれわれは聞かされておるのであります。最近税務署は青色申告等をもつて盛んに申告制度を表面宣伝されておりますけれども、その反面、たとえば五十万、百万という資本の株式会社が続出しております状況は何を物語るかと申しますと、中小企業は個人経営であつたならばすべてが成立たない、小さな飲食店あるいは旅館等におきましても、ほとんど株式会社制度に切りかえておるという現状であります。そして小さな企業者が集団的に経理士を依頼するとかいろいろな面がどこの町へ行きましてもどこの村へ参りましてもうかがえるのであります。こういう点に関しまして、ただいま御説明のような御方針がはたして末端の税務署徹底しておるかどうかということをもう一度承りたいと思います。
  29. 平田敬一郎

    平田政府委員 いまだにただいま御指摘のような御非難をときどき受けますことは、まことに遺憾でございまして、私ども趣旨徹底は今後とも十分はかりたいと思つているのでありますが、ただ、今御指摘の徴収決定額と収納額との関係は、法律的に申しますお、やはりその年度中に徴収すべきものとしまして、租税債務が発生したと申しますか、所得税でございますれば、三期分の申告所得税として申告をし、それに対しまして、更正決定をしたならばしたその額が徴収決定額になるわけでございます。それに対しまして、御承知の通りなかなか——この四、五年来少しずつよくなつておりますが、納期までに税が納まらない、いわゆる滞納になり、未納になりまして、翌年度に繰越しをした分が今お話のような差額でございます。これは毎年あるいは毎月あるのでございますが、少しずつ減つて来ております。減つて来ておりますが、それがあるから特に御指摘のような目標を設定しているとかなんとかいう筋合いのものではないことを、御了承願いたいと思います。徴収決定額というのは、要するに税法を的確に執行いたしまして、これだけ本年度中に徴収すべきものであるということを確定いたしまして、税務署の徴収台帳に載した分でございます。そのうち指定された年度内の納期限までに納まつたものがこの収入済額でございまして、その差額が遺憾ながら相当多い。申告所得税、法人税についてもある程度ございますが、なかなか納期限までに納まちなくて、私どもどうして納期限までに納めてもらうようにするか、非常に重要問題としているのであります。まことに遺憾ながらそういう実情であります。しかしながらこれは減つておりまして、たとえばことしの五月の実績と前年の五月の実績をここに持つておりますが、前年の五月の滞納が九百二十八億でございましたが、ことしの五月では七百二十四億に未納分が、減つております。年を追いまして少しずつ減りまして、徴収決定額と収納済額とがぴたつと一致するのが理想でございますが、戦前からもそういうわけにも行きませんが、もう少し幅を縮めて参りたい。なお予算を見積る場合におきましては、その年度中に幾ら徴収決定額があるか、過去の実績から見ましてそのうち年度内にどれくらい入つて来るか、それを見込みまして予算額を計上いたしております。個々の納税者に対しましては、そういう予算とか全体の見込みとは無関係に、要するに所得税でございますれば、所得税法を的確に実施いたしまして、その人の所得を、ちようど源泉所得税のごときと同じ関係で言いますればよくわかると思いますが、営業者の所得を的確に計算いたしまして、それに税法を当てはめて税金をそれぞれ法律に従つて徴収する。これがほんとうを申しますと唯一の徴税の根拠でございまして、あとのことは参考資料にすぎない。目標など設定しましたときもその通りでございます。ただ目標を設定した結果無用の無理をする、こういう結果が出て参りましたので、それはやめることにいたしておりまして、あくまでも個別的に妥当を得るという方針で最近行つておりますので、御了承願いたいと思います。なおこの点の徹底方につきましては、私どもとしましても一層努力して参りたいと思う次第であります。
  30. 柴田義男

    ○柴田委員 戦前でございますと、たとえば民間代表者の所得税調査員というものがございまして、これが選挙で民主的に選出されて、税務当局とこの両方で各職業別の収入状況を判断をいたしまして、いろいろな資材を持ち寄つてつたものでありますが、現在はほとんどフアツシヨ的に、税署務の職員が一方的に見たままでこれを強行している。こういうところに非常な無理があるではないかと思われるのであります。なおまた最近の例でありますが、京橋税務署かどこかでございましたが、非常に忌わしい事件が勃発しておる。税務署職員に取入りさえすれば相当税金が安くされる。それから税務署の感情を少しでも害すと非常に高い税金を押しつけられる。こういう傾向が各地に見受けられる。こういう状況徹底的に、だれが見ましても納得ができるような方法ということを何か御当局がお考えになつておるのかどうか、これを伺いたいと思います。
  31. 平田敬一郎

    平田政府委員 不正事件の点につきましてはまことに遺憾でございまして、これは先ほど吉田委員のお尋ねにお答えしたのでございますが、私ども率直に申し上げましていろいろ納税宣伝をやつておりますが、せつかくいい宣伝をやつて参りましても、一ぺん非常にへんな不正事件が出て来ますとふつ飛んでしまつて、反対の効果が出て来る。そういう意味におきましても非常に重大であるので、特に注意をするようにして参りたいというふうに実は考えておるわけでございます。  それから所得の査定と申しますか方法でございますが、現在は御承知の通り、これは戦後でございますが、所得税は申告によつて納める。所得を一番よく知つているのはやはり本人である。本人が自分で所得を計算して納める、こういうのを根本の建前にいたしております。申告納税というのはそれでございますが、従いまして調査員をその間に入れるということはいかがであろうかと思つておるのでございますが、しかしこの点につきましてはいろいろ議論もあるようであります。議論は議論といたしましてなお私ども検討いたしてもいいと思いますが、現在のところは自分で所得を申告して、責任をもつて納める。しかしその際におきまして正しいか正しくないか、これは税務署がよく調べまして正しい形に持つて行く。その際にでき得る限り修正申告の形で納税者と事前に話しまして、納得して納めてもらう。どうしても意見が合わない場合には更正決定を行いましてやるわけでありますが、更正決定をいたしました際に、さらに意見が合わぬ場合におきましては、税務部内の機関で国税局に所属しております機関でございます協議官——これは全国に千数百人おりますが、これは相当な、課長署長等の経験のある人、それから民間におきましても会社経理部長なり課長なりをやつた人を、戦後採用いたしましてもう三年ほどになりますが、そういう人を協議官としまして紛争を処理する役員を担当してもらつてつております。ただこの制度は二十五年から設けましたので、まだよく周知方をはかつておりませんけれども、人選その他につきましても当を得ないところがございましたので、私特にこの点重視いたしまして、納税者のよき相談相手になつて正しい主張は十分聞くようにということで、目下協議団制度の活用ということにつきまして非常に力を入れております。これはもちろん税務部内の機関でございますが、立場が違いますとそれぞれいいところがございまして、その結果から申しましても相当公正な決定を下しておるようであります。そういうことによりましてでき得る限り不当なことは避ける。それでもなお意見が合わなければ裁判所ということになつておりますが、アメリカあたりでは納税裁判所は特別にございますが、日本ではまだそれほどということはないので、普通の裁判所にやつてもらつておりますが、そういうふうにしまして片づけますのが、新しい意味における税務行政の民主的なやり方だ、こう見ておるのでありますが、しかし日本実情からいたしまして調査委員会的なものもいいのじやないかという意見もあるようであります。そういう問題もなお今後の問題といたしまして検討いたしてみたいと思いますが、現在のところはそうなつております。その際におきましても結局帳面がないと水かけ論になつてしまう率直に申しまして神様でもなければ正しい所得を当てられない。それで私ども青色申告に一生懸命になつておりまして、とにかく帳面をつけて、文句があれば帳面を調べる。帳面を調べてからでないと更正決定はできない。もちろん帳面のつけ方が一見してでたらめでどうにもならぬような場合には承認を取消しますが、そうではなくて、ちやんとつけている場合におきましては帳面を調べた上でないといいかげんな更正決定はできない税法上の仕組みになつておりますので、その点帳面をつけてもらつて、帳面に基いてより合理的に話し合つてそこで税がきまつて行くというふうにしたいものだと思つておりまして、相当長期な計画を立てまして実は今やつておるわけでございます。記載方法その他につきましても複式簿記で、最初はむずかしがつておりましたが、これはむずかしいのでとてもやれない。今年は単式簿記の制度に改めてやりましたところが、青色申告の申請者がちようど二倍ほどふえました。それでもまだ成績は一割五分くらいでありますが、これをよく育て、今後どんどんふやしまして合理的に行くように努めたい。こういう趣旨で今実は勉強をいたしておるところであります。
  32. 柴田義男

    ○柴田委員 大体その税の様子はわかつたのでございますが、そういうように一般徴税に関しましては諸帳簿あるいは課目にわたるまで詳細に指導的な立場にあられる税務当局が、国有財産の売払い代金をそのまま使用しておるとか、あるいはまた物品売払代金をそのまま使用しておるというような批難事項を指摘されておりますが、こういう問題は私どもはまことに遺憾に存じるものでありますが、ただ根本的に国有財産の売却にあたりまして、たとえば関東財務局なり、あるいは何々財務局という局が自由裁量でできる範囲というものは何か基準がございましようか。たとえば国有財産の土地を売却する場合に、一千万円であれば財務局がこれをやる。あるいは一千万円を越える場合は承認を経なければならぬというような何か基準がございましようか、その点を一点承りたいと思います。
  33. 牧野誠一

    ○牧野説明員 お答えいたします。ただいまの国有財産の処分につきまして財務局にまかせておりますのは、原則といたしまして二千万円まででございます。それを越すものについては大蔵本省に申達をすることに相なつております。ただ例外がございまして、外国政府との関係があるとか、あるいは金額は小さいけれども若干異例に属するとか、社会的な問題を起しそうだというようなものは、それに満たないものでも本省に持つて行くという形にいたしております。
  34. 柴田義男

    ○柴田委員 二千万円を下るような場合は財務局の自由裁量だと申しますが、評価をいたします場合に、たとえば土地を例にとりますならば、坪当り一万円と評価すれば三千万円になるのだ、これが五千円に評価すれば千五百万円になるのだ、こういうような非常にデリケートの問題になりました場合には、その土地の評価というものはだれがやるのでございますか。
  35. 牧野誠一

    ○牧野説明員 土地の評価は財務局の担当職員が最終的にはいたします。ただそれをいたします際に悪意的になりませんように、いろいろな角度から見るというような方法を講じております。たとえば地方自治団体でとつております市町村の固定資産税であるとか、その際の評価額であるとか、あるいは国税庁当局の方でとつておられる今まで、ございまして富裕税であるとか、あるいは相続税であるとかいうものをとる際の評価額、あるいは市町村役場の意見とかを聞いたり、あるいはまたさらに必要がありますれば金融機関等の意見を聞くというようなことをいたしまして、その上で恣意的になりませんように、幾らということを認定いたしまして現在のところやつております。
  36. 柴田義男

    ○柴田委員 たとえばこういう問題がよく地方に大きな問題として騒がれておりますが、戦前には一つの神社なら神社仏閣なら仏閣の所有地かあつた。それは戦後占領政策によつてそういう財産を神社仏閣に持たしてはいかぬということで、これを全部国有地に編入されてしまつた。それから講和発効後独立いたしました今日、再び神社仏閣がそれに対しまして縁故の払下げを申請しておる。特に現実は神社仏閣にあらずして、りつぱな商店街がそこに生れておつた。こういうような問題で非常に各地でそういう問題が騒がれておりますが、そういう実情がまだ残つておりましようかどうか、伺いたいと思います。
  37. 牧野誠一

    ○牧野説明員 寺あるいは神社の最小限度必要な土地というものを、当時ございまして昨年の暮になくなりました委員会がございまして、その委員会にかけまして、必要な範囲を認定したしまして、神社に譲り渡すというようなことはやつておりました。それでその際目的外と認定されたものについては、譲与しないということで、それから除くという措置をやつております。大体措置といたしましては大部分完結いたしました。それで譲り受けました神社の方で、その一部を料亭とかそのほか商店街になつておるというような問題は若干あるようでございます。これは元神社あるいは寺の所有地だつたところだということで、これを元の持主に返すという思想で処分いたしました関係上、そのとき委員会にかかつて、これが妥当な範囲であるということで譲与いたしましたものにつきましては、これは元の所有者がほかの、神社に若干は付帯したような売店ができるとか、あるいは料亭ができるとかいうようなこと、これは問題として各地に起きておるということを承知いたしておりますが、これにつきましては、元の所有者に返したという思想で、これは今取上げるというような考え方はとつておりません。
  38. 柴田義男

    ○柴田委員 もうこれで終りますが、ここに批難事項として指摘されておる幾多の問題がございまするが、今私が御質問を申しましたような問題で、将来おそらくこの批難事項となつて現われて来るであろうと想像されるものがたくさんあるのであります。われわれは批難事項としてここに指摘されている以外に、そうした問題の方が大きいじやないかと実は心配をするものでありまするから、当局におきましても、この土地処分につきましても、もつと真摯な気持をもつて、そういうもののほんとう現実状況を判断された上に、処分をしてもらいたい、こう望んで、私の質問を終ります。
  39. 田中彰治

  40. 杉村沖治郎

    杉村委員 私はこの批難事項について会計検査院に伺いたいのですが、会計検査院の先ほどの話では、国に損害を与えたものはたいへんではない、こういうようなお話であつたのです。私はそうした気持がはなはだ物足らなく思うのですが、会計検査院では、この自動車使用料等ここにずつと架空名義が書いてある。自動車使用料、委託費、自動車使用料、委託費、会場借上げ料、自動車使用料と書いてあるのは、これはみな架空なものであろうと思うのですが、ここに書いてあるやつか、先ほど税務署のお答えによりますと、自動車を使うべき金を好かに使つたのだというふうに私には聞きとれたのですが、そうではなくして、これは架空なこういう名義をつくつて接待費にしたりあるいはいろいろなものを買つたり、食糧費にしたりしたのだと、こう思うのですが、その点はいかがでございますか。
  41. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 お答えいたします。先ほど私が申しました国損こいうことの意味が私は非常に制限された意味で申したわけであります。普通国損という言葉を使いますときに二種類ございますが、私が先ほど申し上げました国損というのは、国の行政の必要な経費には一応使われている、私的な経費には使われていないという意味では国損じやない。ところが普通検査報告なんかで国損という言葉をときどき使つておりますが、それはたとえば百万円の建物を……。
  42. 杉村沖治郎

    杉村委員 私はそんなにたくさん一から十までみな言つてもらわなくてもたいがいわかるのです。あまり冗長にならぬように言つてもらいたい。
  43. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 先ほど申しましたのは、さつき申しましたように、国の行政の目的のために一応使われた経費が大部分である。私的なものに使われたものは非常に少いという意味で申し上げましたのです。
  44. 杉村沖治郎

    杉村委員 さてそこで、その国の行政に使われたとか使われないとかおつしやるのだが、大体予算で認められていないものにそれを使つているということは、かつてなことをやつているので、そんなものは必要のないものを使つているのだということができるのだろうとわれわれは思う。たとえば自動車なんか買わなくてもいいものを、物品購入費はどういうものを買つているか知りませんが、必要なるものであつたならば、国の予算を経て買えばいいのであつて、買うべからざるものであるから予算が組んでない。それを買つて使つているということは、よけいなことをやつていることになるわけで、いかにも国の行政上、自分たちには都合がいい。自動車つて乗りまわせば、やはり自分の商売に乗つて歩かなくても、国の仕事をするからといつても、それは必要のないものを買つておるということになるから、それは国の損じやありませんか。そういうように私は考える。それで自動車使用料——これはみんな私文書偽造並びに公文書偽造になつておるわけですが、会計検査院はこれに対して告発をいたしておりますか、いたしておりませんか。
  45. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 御説明申し上げます。なるほど………。
  46. 杉村沖治郎

    杉村委員 イエスかノーか。告発しているかいないか。
  47. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 告発はいたしておりません。
  48. 杉村沖治郎

    杉村委員 ついこのごろでは競売品の売り場所というものはないが、国民は、東京では、税金がちよつと滞れば、すぐに差押えを受けて、みな自動車を持つて来て、すぐ持つて行つてしまつて、競売するという悲惨な目にあつているのだが、税務署の役人がこんなことをして、自動車使用料に名をかりたり、あるいは会場の借上げに名をかりて、こういうような金を使つて接待費だとか食糧費だとかいうことに使つておるのにもかかわず、これはいずれも公文書を偽造しただけでなく、公文書を偽造して公金をこういうようなことをしておるにもかかわらず、会計検査院は特別の役柄であるのにもかかわらず、それでは何ゆえにこういうものを告発しないのか。
  49. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 会計上の犯罪がありますときには、検察庁に通告する権限がございます。そこで告発といいますか、通告をすることが一応きめてあるわけでございますが、私どもとして、これは大体そういう線を引くということが、いいか悪いかは別問題といたしまして、非常に悪質な、私腹をこやすというようなものではなくて——これはもちろん公文書偽造になるでございましよう。公文書偽造ではあるけれども、それをかりに告発し、通告しました場合に、検察庁の従来の例から見て、公文書偽造としては起訴しないものが大分あるのでございます。そこで一般にそういう例を見まして、検察庁に通告しても、これは多分起訴猶予とか不起訴処分で、公文書偽造の起訴をしないだろうというような予想ができますものは、手数がかかるといつてはまことに相済まぬわけですが、大体そういうようなことが当然予想されるというようなものは、あるいは告発しないでもいいじやないかという考えで、いたしておりません。
  50. 杉村沖治郎

    杉村委員 検察庁で起訴するかしないかということは、日本の刑事訴訟法のいわゆる便宜主義というのです。日本の刑事訴訟法は、昔は糾弾主義であつたが、その起訴するかしないかということは、日本の刑事訴訟法の便宜主義に基くのであつて、ひとりこれは検察官にのみ与えられておることなんです。それをあなた方が、検査庁はどうであるとかこうであるとかいうようなことを想像する必要は私はないのじやないかと思う。そういうようなことをあなた方が今まで厳重にやらないから、こういうことを税務署の役人がやり出す。私ども税務署の役人が悪いことをするということは聞いておりますけれども、これほどたくさんの悪いことをしているとは、私は今まで思わなかつた。こんなことを一般の民間の人に知らしたら、税金なんかばかばかしくて納める者はないというような、いわゆる反税運動が起りはしないかと私は思う。ですからこういう問題については、現にあなた方がやらないからそういうことになつて来る。税務署の役人が国の金で、架空の名儀でいろいろな名前をくつつけて、公文書を偽造して、飲み食いをするというようなことをするのであつたならば、税金を納める者はどういうことになるか。しかも税金を納めなければ、自分の品物を差押えられて競売をされてしまうということになるのです。だからこれらは他の役所と違つて会計検査院あたりが厳重にに調べて手続をとるべきだろう、検察庁へ通告すべきものは通告しなければならぬだろうと私は考えるのであります。そこで伺うのですか、この接待費というのはどんな方法で行われたものでありますか、会計検査院の調べたところを伺いたい。
  51. 池田修蔵

    池田会計検査院説明員 この接待費というのは、千七百万円のうち約九百万円くらいでございますが、その内容を申しますと、たとえば市町村あたりに申告書等のいろいろの書類の配付をお頼みするとか、あるいはそのほか、税務署等において協議をしまして、納税の協力を求めるような会合を開く場合の経費とか、その他納税の宣伝をやりますための会合を開く。それから密造の取締りをしますときに警察官を頼むわけでありますし、検事と祕密の打合せをしなければならぬ。そういう密旧部落の襲撃などのときには夜遅くなりますから、そういう会合を開くための経費というわけであります。
  52. 杉村沖治郎

    杉村委員 今度は大蔵当局に伺うのですが、今の会計検査院の話によると、申告書を配付することを頼むためにごちそうするとか、あるいは納税に協力することを頼むためにごちそうするということがあつたそうです。あるいは夜遅くなるために飲み食いをするのだそうですが、そういう事実でございますか。
  53. 平田敬一郎

    平田政府委員 私の調べたところによりましても、ただいま検査院からお話のあつた通りでございまして、所得の計算等につきまして、実は関係市村町にいろいろ頼んでやつてもらつている場合が多い。そういう場合に一年に二度、三度くらい税務署に来てもらいまして協議会を開く。あるいは先ほどお話のありましたように、申告書を配つてもらうために特別のことをやつてもらう。そういう場合におきまして、どうしても税務署に割当られた経費が足らないので、ついこういう手段に訴えるというのが一番多い。それから今樹指摘のありましたように、密造の取締りは、相当警察官等にも応援を求めまして、共同でやつておるわけでございますが、そういう場合の会合費に使つておる。それからその他ございますか、一番件数の多いものといたしましては、そういうものが一番多いと私どもも見ております。
  54. 杉村沖治郎

    杉村委員 非常に不都合な話です。村長あたりが税務署に呼ばれて来ると己は、ただ来ていると思いますか。村員から車馬賃をとり、出張の日当をちやんととつて税務署に来ておる。それにごちそうしたりなんかしなければ徴税ができないということはいけないことじやありませんか。さらに申告書を配付することを頼むということが、申告書はどこが配付すべき義務がありますか。
  55. 平田敬一郎

    平田政府委員 税務署につきましては、先ほど申し上げた通りでありまして、これはあまりそういうことに一生懸命になるなと申しておる。しかしそういうことを全然やらない方がいいということまでは、実は考えておらないであります。
  56. 杉村沖治郎

    杉村委員 質問をよく聞いて答えてください。そういう長い答えをしてくださいますと、これだけのことを調べるのにとても時間がかかつてしまう。そんなにこまかく答えなくとも、簡単に答えてもらえばいいのです。そういう申告書はだれが配付する義務があるのかというのです。あなたが村長に頼んだとかなんとか言つているが、申告書の配付義務者はだれかということです。
  57. 平田敬一郎

    平田政府委員 申告書は法律上は別段配付するという義務はないのでありますが、納税者に対するサービスといたしまして、税務署で私ども印刷して各納税者に配つております。その際におきまして、都会でありますと郵便で配つておりますが、地方でありますと、町村に頼んで配つていただく方か、より経費も少く、かつ必要な納税者に行き渡るというので、市町村に頼んで配つてもらうこともあります。
  58. 杉村沖治郎

    杉村委員 いずれにいたしましても、警察官にごちそうして密造を取締るというようなことは、全然不必要だと思う。われわれが見ておりますと非常に不公平なことがたくさんある。たとえばこれは例が違うのですけれども、かつぎ屋を汽車の中で取調べる。毎日われわれが見ておつても、何でもかまわずやつて、つかまつたものだけが運が悪いということになる。あなた方が警察にごちそうして密造を検査さしてみたところが、自分の方が大体悪いことをして使うべからざる金で警察官に飲み食いさして密造を取調べても、自分の方がすでに国の金で飲み食いをしておきながら、今度国民の悪いことを調べようなんて、こんなばかばかしいことは力を入れるべきではない。絶対禁止しなければいかぬと私は思う。そうして時間外の居眠り料もちやんともらつているはずだ。ほかの役所と違いまして、税務署というものはきわめて重大な役所だと私は考えておる。国民に対しては今日の税金は実に重税であります。この重税を容赦なく取立てるところの役所の人たちが、こういうようなとうとい金を——あなた方は一千万や二千万何でもないというふうに考えておるかもしれぬが、それはたいへんな話だ。だから税務署の役人たちがこういうことをやることは、非常によくないと私は思う。全然このことは廃止しなければいかぬと私は思います。御所見はいかがでありますか
  59. 平田敬一郎

    平田政府委員 不当不法な経理をやるようなことは私も廃止すべきだと思いますし、そういう指令を出しております。ただ予算で認められた範囲内におきまして、町村長を集め警察に協力を仰ぎます場合におきまして、社会的に認められているよりもさらに少い程度におきまして、会議費等で昼の会合をやることが必要な場合におきまして、若干のサービスをする。これは予算不当経理ではなくて、合法的にやりますことまで禁止するのは、少し行き過ぎではないかと考えております。
  60. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういうことを今あなたが答えられているが、私はそんなことを聞いていない。予算で認められているものをやつてはいかぬなんてことを私は言つているのじやない。そんなことはよけいなお答えなんだ。そんなことは聞いておらない。予算の中でやるということは、少くとも国会でわれわれが認めておる。そんな説明はなさる必要はない。私が聞いておるのは、ここにあるところの、あなた方の不当不法な事実のことを言つておる。
  61. 平田敬一郎

    平田政府委員 その点はたびたび言つております通り、絶対にやむべきものだと思います。
  62. 松山義雄

    ○松山委員 ちよつと一、二点お尋ねします。ただいま杉村君からお尋ねがありました通り、たとえば自動車使用料という架空の名儀で食糧費接待費に使つているのは確かに公文書偽造でございまして、犯罪を構成することになります。官庁間のことでありますから、自分の私腹をこやしていないならば起訴はされないというのが往々あるものですから、そういうふうなことがルーズになつているのではないかと思います。自分のふところにさえ入れなければかまわないのだという気持があるのではないか。それからもう一つは、大蔵省の査定がきびしいのかもしれませんが、食糧費というようなものはもう少し大蔵省で認めることが必要ではないかと思うのです。そういうものを全然認めないということになりますと、やはりこういう不正をやつて流用するということになるのでございますから、こういうふうなことをうまく捻出する人が要領がいいのだと言われ、あるいは非常に使えるのだということになつては、私は役所としてはいかぬと思うのでございまして、市町村長あるいはその他の人たちを集めまして協力を願うということはまことに必要でございますので、そういうふうな費用はやはり正当に国税庁としても請求をされる、また大蔵省としてもそういうふうな点は十分含みを持つて、やはり予算というものを計上してやる必要があるのではないかというふうに私は考える次第でございます。  さらにまたただいま平田長官から説明がありましたが、密造部落等の急襲のときに、警察官その他に協力を求めるために、そういうふうな費用がいる、確かに警察官なんかも時間外、夜あるいは朝早くこういうことをいたしますので、どうしても動かない。何らかそういうふうな接待その他をやりませんと、やはり動かない。十分に動いてもらうために、また動きましても、協力を求めたのですから、何とかそこにこちらの方でも十分お礼というふうなものをしないと、何か義理が悪いというふうなことを感ずることもやはり官庁間といたしまして考えられるのでございますが、元来ならやはり同じ国の機関でございますから、一方は出張すれば出張旅費ももらつておりましようし、超過勤務手当ももらつておりましようし、官庁間で協力するのでございますから、そういうことは当然やるべきことではないと思うのでございますが、実際面にいたしますと、やはり取締り当局に対しましても、何かそこに慰労をするというようにことがないと、なかなかお願いしにくい、また実際の面につきましても非常にスムーズに行かぬというふうな画もあると思うのであります。かような点は、やはり取締りするための予算というものを正常に請求されて、また大蔵省もそういうふうなことをある程度認めることが必要ではないかというように考えるのでございますが、こういうふうな密造酒部落急襲その他取締りにつきましての予算等は、国税庁としては請求してないのでございますか。また市町村長あるいはその他の協力を求める人たちに対する昼食のサービスとかなんとかいう予算というものは計上していないのかどうか。
  63. 平田敬一郎

    平田政府委員 御趣旨の点御回感の点が多いのでございますが、ただ主計局の査定方針といたしまして、会議費食糧費等をふやすということはなかなかむずかしい、一つ認めると、やはりほかの役所全部に及ぶという関係になりまして、税務署の場合、特に必要な事情をいろいろ話してみたこともあるのですが、なかなか困難な事情もございますので、最近はあまりふやさないことにいたしております。そこで私先ほども申し上げたのですが、今お話もありましたように、結局市町村といい、警察といい、お互いに役所のことでありまして、それぞれやはり協力してやることが任務でありますから、なるべく少い経費で目的を達するということに努めるよりほかない、それがある意味におきまして非常にいいのでございまして、やはりそういう趣旨で行くよりほかない状態でございますし、また理想を申しますと、そう行きたい、そういうことで進めておるわけでございます。  密造取締りにつきましても、出張旅費等はできるだけとつておるのでございますが、会議費等は実は非常にわずかしか計上が認められない。その結果といたしまして、少し無理をして勉強してもらおうというところは、ついどうもこういうふうな架空経理をいたしまして、協力を求めることに一生懸命になるというようなことになつて、その結果が不当経理になつておる例もございます。もちろん特別に悪いのもございますが、概況から申しますと、そういうのが多いようであります。これは今お話がございましたが、私は根本はやはりお互いの職務でございますから、できるだけ与えられた予算の中で、それを合理的に使いまして、目的を達成することに努めるということが正しいのではないか。それが実質的に万やむを得ないからという理由で、不当経理を認めるということは断じていかぬということで、厳重に注意いたしておるような次第でございます。お話の点、ごもつともなところも多いと思いますが、いろいろな事情がありまして、なかなか解決しにくい問題が多いようでございます。
  64. 松山義雄

    ○松山委員 大蔵当局にお尋ねいたします。こういうふうな不当支出があるということは、これは官庁といたしましても、あるいはまたそういうふうな担任の人といたしましても、何とかごまかして支出をすることは、やはり良心的に非常におもしろくないだろう、係の人もそう思うだろうと思いますが、さればといつて、どうしてもそういう費用がなくて、警察その他に協力を求める場合に足りないというようなことが、結局こういうふうなことを起すもとでございますが、食糧費あるいは接待費というようなものが年間どうしてもこれくらいいるが、足りない、従つてこういうふうな不正の事実が出て来るのだというようなことを、主計官その他に御忠告されるようなことはあるのでございますか。かつてそういうふうなことはないのでございますか。大蔵省の方か、あるいは会計検査院の方にお尋ねしておきたいと思います。
  65. 羽柴忠雄

    ○羽柴説明員 食糧費接待費につきましての不足につきましては、主計局の方へも要望をいたしているのでございますが、こういうような経費につきましては、ほかとの均衡上増額はあまり期待されないのでありまして、私の方といたしましては、その都度いろいろ折衝いたしまして、増額の要求はいたしている次第でございます。
  66. 松山義雄

    ○松山委員 食糧費あるいは接待費というようなものがないし、なかなか増額できないということになりますと、やはり役所の仕事でありますから、市町村長も役所に呼ばれて行つたときは、ごちそうは出ないものだ手弁当で行くのだというふうな氏風をつくらなければならないと思うのであります。警察その他にいたしましても、それぞれの任務でございますから、やはりお互いに協力いたしまして、市町村長あたりが役所の会議等に出るときでも、もうそういうふうなものは出ないのだという習慣をひとつ国税庁としておつくりになつてはどうかと思いますが、長官のお考えはいかがでありますか。
  67. 平田敬一郎

    平田政府委員 お考えの方向としましては私も同感でございまして、今後におきましては、できるだけそういういい風習ができるように持つて行きたいと思います。ただいかなる場合でも全然やらないということはいかがであろうか。もちろん不当なことはやつてはいけないと思いますが、認められた範囲内におきまして、たとえば町村役場におきまして吏員等が集められました場合に、弁当くらい場合によつては出してやるというようなことはあつてもいいじやないか、予算から出せる場合も全部やめてしまうということはどうかと思いますが、しかし習慣といたしましては、お話のような方向に今後役所全体の空気を持つて行くのが正しいやり方じやないかと思います。
  68. 松山義雄

    ○松山委員 私の方は役所に呼ばれて会議等に出る場合も、役所でごちそうになろうと思つてつたことはかつてないのでありますが、役所でお茶菓子が出たり、弁当が出たりすると実に奇異に感ずるのであります。これは今日の日本の役所でそういうふうなものが当然出るというようなことは非常にまずいじやないか。私どもは役所ではそういうふうなものは出ないものだと思つていつも行くのでございますが、たまたまお昼が出たりあるいはお茶菓子が出たりすると、民間人としては非常に奇異な感じを持つのでありますが、やはり全体として、あるいは大蔵省の方針としてそういうふうな方向に方向づけていただくと非常にけつこうだろうと考える次第でございます。
  69. 田中彰治

    田中委員長 大矢省三君。
  70. 大矢省三

    ○大矢委員 平田さんお忙がしいようですから、簡単に二、三お尋ねいたしたいと思います。  長官税金の元締めでありますから、地方税、府県税並びに市町村税にも関係しておりますが、第一この納税に対して国民は非常な苦痛を感じているが、今日至るところの目抜きの場所にりつぱな税務署が建つております。これはお調べになつたか知りませんが、目抜きの場所に新しい建築ができると思うと、必ず裁判所か税務署なんです。国税庁があり、府税庁があり、市税庁がある。これは納税者から見ると、国と府県と市町村の三本建になつている。これでは人もたくさんかかるし、納める方もたいへんです。これを何かの形においてもつと簡素化すれば、事務所も人も非常に少くて済みますし、納税者の立場からいうと、ああいう建物を見たり、あんなにたくさんの職員を見ると、この人たちのために税金を払つているという感じがする。これは何らかの形で、たとえば府税なら府税一本で事務所に集めて、国は幾ら、市は幾ら、あるいは市で集める場合には、県は幾ら、国は幾らということがきまつておりますから、それを分括して納めやすいようにしてやれば、三分の一ぐらいの人で済む上、それで円滑に行くのではないかと思う。あまり多いからほじくつてみたり集めてみたり、いろいろなことをするから、まず人員の整理と税務署の整理を何とかする必要があるのではないか。事務所と徴税に対する一本化といいますか、そういうことは考えられたことがあるか。これは納税者の立場からいうと苦々しい経験であります。従つてこれについてどういう——直接市税、府祝に関しては関係ないと言われるかもしれませんが、これは元締めであるし、納祝義務者から行きますと、こういうことはもつと改善の余地がないのかということを考えるのであります。私自身も考えておりますが、これについてどういうふうに考えておられますか。  それからもう一つ、国有財産を払い下げる場合、地方団体に相談するかどうか、大阪の火薬廠の厖大な土地を処分するときに大阪市に何らの相談がないから——あそこには都市計画あるいは運河の計画、さらに河川の拡張をやりて排水をよくしようとしても、売つてしまつたあとで民間の土地になつているからどうすることもできない。これらのごときは、やはり土地の地方公共団体に対して一応は相談して、それから公売に付するということにすれば、非常な住民の利益にもなると思いますが、これを処分する事前に、そうしたものは都市計画その他の関係において、一応公共団体に相談して処分をするという方法を現在とつておるかどうか、これは直接平田さんに関係ないかもしれませんが、この二点だけお伺いいたします。
  71. 平田敬一郎

    平田政府委員 最初のお尋ねにお答え申し上げますが、大矢さん御存じのように、戦前は税務機関としましては、国の税務署とそれから徴収の任に当りますものとして市町村の二本建てやつていたわけであります。国の税務署は主として課税標準の調査決定、それから法人税とか、間接税とかそういうものは徴収に当りますが、申告所得税に相当する賦課課税の方は、市町村が委託徴収を受けていまして、府県は別段機関は持つていなかつた。これは国が調べました課税標準にすべて乗つかりまして、附加税その他の形式で市町村が徴収しまして、それを府に務めていた、そういう関係であつたのでありますが、戦後の改革で国は、国府県は府県、市町村は市町村、それが地方自治であるという点が強調されまして、国の場合は税務署が賦課も徴収もやる、府県の税は税県が自分で課税の方も徴収の方もやる、市町村は市町村の府をやるということになりまして、御指摘通り、ことに大都市になりますと、それが非常に目に立つ、なかんずくその中で目に立ちますのは、私どもは府県の税務事務所じやなかろうかと存じます。これは従来全然なかつたのを新しくつくりました関係上、建物がないので、大部分が新しく建物をこしらえた、それが比較的いいところに建ちまして目についている、こういう実情ではかろうかと実は存じます。そこでこれに対して改正意見はないかという問題でございますが、私は率直に申しまして、地方自治だという観念がそういうところに行き過ぎていはしないか、少くとも課税標準については国の税務署が一番なれておりますから、そこで調べたものに乗つかる、たとえば事業税とかそういつたものを独自に調査するということはしなくても大差ないのではなかろうか。これは個人的意見でございますが、そういう意味で相当簡素化の余地があるのではなかろうかと思います。  それから固定資産の評価は今市でやつておりますが、これも相続税その他と一緒に税務官庁でやるかやらないか、イギリスなんかは国で全部やつておるようでありますが、そういう点についてももう少し考え直してみる必要があるのじやないか、どうも地方自治、それぞれの団体が独立でやるという点が日本の国情からしますと少し行き過ぎで、日本実情に合うようにもう少し簡素化をはかる余地があるのではなかろうかというので、私どもその点を研究して若干の意見を出しておりますが、さらによく研究しましてできるだけ努力いたしてみたいと思つております。
  72. 牧野誠一

    ○牧野説明員 ただいまの国有財産の問題につきましてお答え申し上げます。地方団体に相談をいたします事柄地方問題を惹起しそうなもの、あるいは重要なものについては相談するようにということにいたしておりますが、軽微なものについてまで全部地方団体に相談をしろという形にはいたしておりません。それからまた現在はむしろ地方団体の方からいろいろ積極的にこうしろ、ああしろというふうな御意見が、こちらから御相談をかけるまでもなく、出ている問題が非常に多うございます。ただいまお話の火薬工廠の問題なんかにいたしましても、地方団体の方からむしろ頻繁に反対である、あるいは誘致運動をやりたいというようなお話がありました。
  73. 田中彰治

    田中委員長 第二課長に申し上げておきますが、終戦後からきようまで土地の払下げをしたもので百万以上のものを一応書類で出していただきたい。
  74. 山田長司

    ○山田(長)委員 役所の建物で現在民間が使つておるものを一応書き出してもらいたいと思います。
  75. 田中彰治

    田中委員長 国有財産で管轄になつておるもので、あなたの方で使つておるものを書き出してください。
  76. 牧野誠一

    ○牧野説明員 それは全部でございますか。
  77. 田中彰治

    田中委員長 国有財産払下げ申請の出ておるもので、大きなものです。
  78. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいまの国有財産の件ですが、これは各般関係もありますので、たいへんお手数ですけれども、大蔵省において過去三箇年にわたる二十五年度以降の国有財産の払下げ及び払下げ未決定のものについて、一覧表としてしさいを記入して、資料として本委員会に御提出方おはからいを願いたい。
  79. 田中彰治

    田中委員長 以上で昭和二十五年度決算審議は、国鉄関係等特別事案のほかは一応終了いたしました。従いまして二十五年度決算に対する議決を残りの日限で行いたいと思いますが、その議決内容等の手続理事会におはかりいたした上で決定いたしたいと思いますので、御了承願つておきます。  本日はこの程度にし、次会は明日開会いたす予定であります。  それでは散会いたします。     午後三時二十分散会