○上村
会計検査院説明員 ただいまの
説明と多少重複するところがあるかと思いますが、御
説明いたします。
貿易の
関係は、
先ほどお話のありましたように、
貿易特別会計では、たとえば
輸出します場合に、
石炭を買う。その場合に円を払うわけであります。そうしてそのものは
司令部の方に行きまして
輸出されるわけです。輸入する場合には、
司令部の方に持つて来まして、それを結局ものをもらつて国内に売るわけです。その
売つたものが
貿易特別会計の歳入になる。買
つたものが歳出になる、こういう仕組みで、買
つたものがいかなるレートのもので、どういうふうな姿で
輸出されたかというようなことは、
日本政府としては当時関与させられなか
つた。こういう状況であります。従いまして、
外貨の面は、全部一元的に
司令部の方でやつておりますから、円貨の方しかわからない。それで
石炭を
幾ら買
つた、輸入したものを国内で
幾らで
売つた、こういうことは、従来の
検査ですべて詳細に
検査しておるわけであります。
それで今度問題になりましたのは、
貿易特別会計の残務整理と申しますと、国内の未収
債権の取立て、あるいは未支払いのものを支払う、こういうふうな円貨の
関係が
貿易特別会計の問題であります。
外貨の問題は、
貿易特別会計とは直接のつながりを持つておらぬ、こういう仕組みに
なつております。それで
外貨の面はどういうふうになるかと申しますと、
先ほど話がありましたように、現金
勘定も
日本政府に引継がれ、また
本件の問題に
なつておりますのは、いわゆる
清算勘定の問題でありまして、
朝鮮に
幾ら輸出した、そうして輸入が
幾ら、その差引の決済はどれだけ、これが今問題に
なつております四千七百万
ドルの問題であります。
日本政府に
外貨の
清算勘定を
外国為替特別会計に引継がれるにあたりまして、
司令部が一応発表しました受取
勘定の
帳じりが千七百万
ドルということで発表したわけであります。それで
先ほども申し上げましたように、買い上げられたものがどこに行
つた、どういう為替レートで行
つたということはわからない仕組みではありますが、
朝鮮関係に行きますものは、
石炭で申しますれば船積み港がどこである、あるいは物の性質によつてこれが
朝鮮向けである、あるいは輸入された物が、物から申しまして、大体
朝鮮から来たものであるということがわかる仕組みに
なつておるわけであります。正式にはわからぬにはしましても、そういうことに
なつておる。それで従来からそういうふうな面から見て、千七百万
ドルという
帳じりは少し少いじやないかということを私
どもも疑問を持ちます。
通産省の方も疑問を持たれた。それが相当の期間がたちまして、
司令部との交渉の経過がありましたが、結局四千七百万
ドルあるということを
司令部の方に一応確認を求められたわけです。これが上十七年の四月か三月だと思いますが、そのために
司令部の方から四千七百万
ドルというものを一応確認して来たわけであります。これはその
債権としては非常に微妙な点がありまして、
ちよつと正確な判断の点では申し上げかねる点で、判断の点ではあるいは間違う点がありますが、一応の
債権は確認したように認められるわけであります。その文書によりますと、その確認された
債権の決済は、この
日本政府の要求は、さらに考慮のために当該機関に移牒されるであろうという趣旨の回答文もよこしてあるわけであります。それで私の方といたしましては、その四千七百万
ドルはとらなければならぬ。しかしとる方法その他については、これは外交交渉その他がいろいろあるわけだろうと思います。そういうふうなものをにらみ合わして、いかに処理するかということを、
政府のやつておられる処置を見て、
最後にきま
つたのは二十七年の七月ごろかと思いますが、それ以後ずつと注視して来ておる、こういうふうな状況であります。
それから
先ほど申されました
輸出されたものが品目別に何であるか、それから輸入されたものが何であるかということは、
貿易特別会計の面で
はつながりがありませんから
ちよつとわかりませんが、
通産省で調べた
書類その他を私の方で関連をもつてある
程度まで信用しなければならぬ面があるかもわかりませんが、そういうような見方で見て行けば四千七百万
ドルというものは大体正確なものだろう、こういうふうな考え方であります。