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1953-07-08 第16回国会 衆議院 決算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月八日(水曜日)     午後一時五十一分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 柴田 義男君 理事 熊本 虎三君       鈴木 正文君    田中 角榮君       坊  秀男君    舘林三喜男君       阿部 五郎君    大矢 省三君       杉村沖治郎君    吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳沢 英蔵君         大蔵事務官         (管財局長)  阪田 泰二君  委員外出席者         会計検査院事務         総長      池田  直君         会計検査院事務         官         (検査第二局         長)      上村 照昌君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大沢  実君         日本専売公社審         査部長     内藤 敏男君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 七月七日  委員有田二郎辞任につき、その補欠として鈴  木正文君が議長の指名で委員に選任された。 七月八日  理事今井耕君の補欠として町村金五君が理事に  当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  昭和二十六年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和二十六年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和二十六年度特別会計予算総則第七条及び第  八条に基く使用調書  昭和二十七年度一般会計予備費使用調書  昭和二十七年度特別会計予備費使用調書  昭和二十七年度特別会計予算総則第九条及び第  十条に基く使用調書承諾をめる件)  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算  朝鮮輸出物資に対する対米債権に関する件     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  審議に入るに先立ちまして、私先般来、事業場地である九州地方の水害に災いされまして、数次にわたり本委員会を欠席いたしましたことは、予期しないこととはいいながら、まことに申訳なく存じております。何とぞ御了承のほどお願いいたします。  それではまず理事補欠選任についてお諮りいたします。一昨六日、理事今井耕君から理事辞任いたしたい旨申出がありましたが、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないものと認め、辞任を許可するに決しました。  これより理事補欠選任をいたしたいと存じますが、先例によりまして委員長から指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないものと認めます。よつて町村金五君を理事に指名いたします。     —————————————
  5. 田中彰治

    田中委員長 次に大蔵省所管中、国有財産管理当を得ないもの、すなわち昭和二十五年度決算検査報告番号一四二、いわゆるニユーエンパイア・モーター株式会社敷地虎ノ門小公園に関する件についてお諮りいたします。本件に関しましては、第十五国会において本委員会が初めて審議した重要事項であり、本国会におきましても、引続き審議に移し、委員会を開くこと三回、参考人として招致した関係当事者十四名、その間参考資料提出要求当該国有地実地調査等文字通り慎重審議を重ねたのであります。しかして数次理事会で協議いたしました結果、事案の重大性にかんがみ、大蔵大臣並びに建設大臣東京都知事に対し、本委員会審議の結果による決議を送付すること及び、一方議長に対する昭和二十五年度決算に関する委員長報告中に、同有財産管理上の不当事項の大なるものとして特記すること、右二方針決定をいたすことに協議がまとまつた次第であります。  この際本件に関して吉田君から発言の申出がありますので、これを許します。吉田君。
  6. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいま委員長から御報告になりました案件について、次の決議案文理事会において作成されておりまするので、おはからいを願いたいと思います。ただいまその決議案文を朗読いたします。    東京千代田霞ヶ関三丁目所在国有地(元東京公園用地)の管理に関する件 政府は、  ニユーエンパイア・モーター株式会社において使用許可期限経過後、なお、返還に応ぜず不当使用中の東京千代田霞ヶ関三丁目所在国有地千百三十六坪(元東京公園用地)中六百五十坪につき、同会社の施設を撤去せしめ原状に回復の上、再び公園として公共の用に供し得るよう、具体策を樹て速かにこれが実現を期すべきである。   右決議する。    昭和二十八年七月八日         衆議院決算委員会  以上朗読いたしました決議案文について御決定になりますれば、さらにその本文を大蔵大臣あてに通告し、かつ関係当事者である建設大臣並びに東京都知事にも参考送付したいと思いますので、御賛成を願います。
  7. 田中彰治

    田中委員長 今の吉田君の決議案文に対し、御意見があればこの際御発言を願います。——発言がなければ、他に御意見がないものと認めまして採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないものと認め、採択いたすことにいたします。  なお本件につき、議長への報告並びに関係大臣に対する通告手続については、委員長に御一任願います。     —————————————
  9. 田中彰治

    田中委員長 次に昭和二十六年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件を一括議題とし、すでに前会において大蔵政務次官からその説明を聴取いたしましたので、本日はただちに質疑に移ります。質疑があれば御質疑を願います。——質疑がなければ質疑は打切ります。  ただいま天野委員から動議が出ておりますからこれを許します。天野君。
  10. 天野公義

    天野委員 ただいま議題なつております昭和二十六年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件につきましては、この際討論を省略してただちに採決されんことの動議を提出いたします。
  11. 田中彰治

    田中委員長 ただいま天野君から提出されました動議通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、討論を省略してただちに採決に入ります。右六件はいずれも承諾を与えるべきものと議決するに賛成の諸君は起立を願います。     〔総員起立
  13. 田中彰治

    田中委員長 起立総員。よつて右予備費使用調書六件は承認を与えるベきもの決定いたしました。  なお議長あてに提出すべき報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認めさようにとりはからいます。     —————————————
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この際特におはからいを願いたい件があります。それは、ただいま本院予算委員会において問題になつておりまする河野一郎君の質問にかかる対米二百億円、四千七百万ドルと称する債権につきまして、すでこ過去のことになつておりますのと、それから予算委員会での説明等によりますと、防衛特別会計等に関連を持つておりますので、これは会計検査院においては詳細に御調査なつておるものと思いますから、どういうふうにこの債権があり、また収入その他処理されたものとして検査院検査をせられたか。その内容経過等につきまして、この機会に詳細に御説明を願われるようにおとりはからい願いたいと思うのであります。
  16. 田中彰治

    田中委員長 今、吉田賢一君から出ましたる動議に対して、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 田中彰治

    田中委員長 御異議なきものと認め、これを許します。それではただいまの吉田委員質問に対して、池田説明員説明を願います。
  18. 池田直

    池田会計検査院説明員 お答えいたします。お尋ね外貨債権のことにつきましては、問題は貿易特別会計勘定に属する問題でございまして、会計検査院といたしましても、貿易特別会計勘定につきましては、いろいろ関心を持ちまして検査をやつて参つたような次第でございます。ただ問題は、貿易特別会計のうち、円の関係勘定につきましては、会計検査院といたしましても十二分に今検査することができたようなわけでございますが、ただいま御質問関係は、外国為替関係外貨勘定の問題でございまして、この外貨勘定の問題は、総司令部商業勘定を設定いたしておりまして、総司令部の方で事務をもつばら処理しておりまして、日本政府はその外貨建商業勘定こつきましてはタッチすることができなかつたような次第でございます。従いまして会計検査院といたしましても、当時占領治下でございますし、総司令部がもつぱら事務を処理しておることにつきましては検査ができなかつた次第でございます。たまたまたしか二十六年の三月でございますか、貿易特別会計が廃止いたされましたので、そのあと清算につきましては、会計検査院としても十二分に関心を柱ちまして、清算の促進並びに計数その他につきましても、これが適正なるように検査をいたして参つたような次第でございます。しかし今申し上げましたような次第で、外貨建商業勘定関係は、何としても会計検査院としては清算関係についても適正な検査ができなかつたような次第でございます。それでただ問題は、今お尋ね外貨債権につきましては、その後外国為替特別会計債権債務が引継がれることになりましたので、その関係につきまして検査院としても非常に関心を持つたが、注意をいたして来たような次第であります。ちようどいろいろ問題になつております千七百万ドル内外外貨が、外国為替特別会計に引継がれたのでございますが、会計検査院といたしましても、いろいろ資料等によりまして、もう少しあるのではないかという関心を持ちまして、検査はいたして参つておりました。いろいろ調査をいたして参りました結果、ただいま問題となつておるような数字会計検査院としても一応つかんでおつたような次第でございます。しかし外国との関係その他いろいろ困難な問題があることは、検査院としても考えておりましたし、その問題がどういうふうなことになるかということについては、非常に関心は持つておりましたが、今すぐに今申し上げました四千七百万ドル内外外貨債権日本の国の会計勘定に計上すべきかどうかにつきましては、確信が行かなかつたような次第でございましたので、政府の方の処置を検査院としては見守つていたというような次第であります。これが今日までの検査の状況でございます。
  19. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと委員長がお聞きしますが、先ほど千七百万ドル言つて、今四千七百万ドルとおつしやつたが、どつちなんですか。
  20. 池田直

    池田会計検査院説明員 外国為替特別会計に正式に引継がれた金が千七百万ドルでございます。ところがいろいろ調査いたしてみますと、千七百万ドルも含めまして四千七百万ドル内外数字が、一応私どもといたしましても、調査の結果大体それに似たような数字が問題と考えておつたような次第でございます。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいまの最後の四千七百万ドル前後の数字をつかまえたというのですが、その内容をいま少し具体的に御説明を願えませんか。
  22. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいまの内容でございますが、内容はやはり貿易特別会計が持つておりました石炭その他の物資——石炭が主でございますが、これを朝鮮向け輸出したかわり代金ということになるのであります。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 石炭などというのでははつきりせぬのですが、石炭及びほかに何か、石炭数量何がし、金額何ぼ、その辺につきまして資料がございいたいと思います。さらにできますれば、その年次、いつからいつまで、さらにその石炭納付人、つまり売主までもこの際一括して御説明願いたいと思います。
  24. 池田直

    池田会計検査院説明員 実は輸出されました時期が、御承知の通り、相当古い時代のことでございまして、その後清算関係にあたりまして、こうした問題が持ち上つたわけであります。詳細な資料は今持ち合せておりませんが、石炭が大部分でございまして、その他雑貨ということになるわけでございますが、時日につきましても、今こまかい資料を持ち合せておりませんので、ちよつとすぐ御説明をいたしかねるような次第でございます。御了承願います。
  25. 田中彰治

    田中(彰)委員 長さきにもおつしやつた外貨引継ぎ外国為替特別会計へ引継いだ千七百万ドル、その内容から明らかにして行きましよう。その御説明を願いたいと思います。
  26. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいまの千七百万ドルと申しますのは、これは結論的に申し上げますと、先ほども申し上げました通り外貨建商業勘定はもつぱら司令部事務を処理しておりまして、日本政府としては関与いかさなかつた関係で、結局千七百万ドルと出て来たこまかいいきさつ、算出根拠につきましては、会計検査院としてもこれはつかむことができません。結局向うのメモランダムによりまして、千七百万ドル外貨日本政府に引継ぐということで引継がれたような次第でございますので、こまかい算出根拠につきましてはわかりません。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この点につきましては、貿易特別会計勘定なつておりますので、貿易特別会計勘定で支払いを受けた側、すなわち石炭その他雑貨売主はその方面においても明らかになつておるのではないかと思います。かくしてそれが外貨特別会計の方へ引継がれる、あるいは貿易特別会計の月末の決算、精算などが相当明らかになつておるのじやないかと思うのです。従つて千七百万ドルという数字は、商品の種類、売主支払先などが大体明確にできておるのではないかと思うのですが……。
  28. 池田直

    池田会計検査院説明員 貿易特別会計の経理でございますが、かりに石炭に例をとつてみますと、石炭は当時配炭公団が一手に買い取つておりました。これは輸出向けばかりでなくて、内国で消費しますものも含めまして、むしろ内国用が主でございますが、一手に配炭公団石炭を買い取りまして、そうしてその石炭のうちから、貿易特別会計等勘定によりまして、外国輸出すべきものにつきましては輸出したような次第でございます。そうして相当の数量輸出したわけなんでございますが、外貨建関係は、先ほど申し上げましたように、貿易特別会計司令部が一に商業勘定として整理しておりまして、いろいろその間司令部において受払いが相当あつたかと思いますが、その帳じりとして結局日本政府債権として引継ぎましたのが約千七百万ドルというドルが引継がれたような次第でございますので、千七百万ドル石炭は結局いつ輸出したものであるかどうかにつきましては、わからない次第でございます。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 石炭及び雑貨ということになつておりますが、石炭幾ら雑貨幾ら、それから輸出のものが幾ら、あるいは内地需要幾らという区別は、そこも全然わからないで、ただ数字だけがわかるということになるのでしようか。そうしますと、後日会計検査院検査の結果の数字と、この問題について予算委員会で、本月六日自由党河野一郎君から総理大臣及び政府に対しまして質疑しました朝鮮向け石炭並びに化学薬品等に関する日本債権としての四千七百万ドル余り、この数字が大体一致して来るわけなんであります。予算委員会においてはすでに石炭とか化学薬品ということが明らかになつておるのであります。そこで会計検査院はそれが明らかにならぬと、四千七百万ドル数字が出て来ないように思うのです。つまり千七百万ドルは詳しくわからないのだということですが、次に四千七百万ドルということに検査の結果ふえております。ふえたならばその内訳内容等、何か根拠がないとそういう数字にはなるまいと思います。その辺の御説明を願えましたら明らかになつて来るじやないかと思うのです。
  30. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいまの四千七百万ドル程度貿易特別会計受取分関係でございますが、この関係につきましては、いろいろ通産省等資料によりましても、検査院としまして、初め約千六百万程度ドル引継ぎ関係だけでは少いという見当がつきましたので、こちらとしてもいろいろ調査を進めて参つたような次第でございまして、こまかい一々の資料は、これはよく見れはわかるわけなのてございますが、検査当時、これは二十六年の暮れごろになるわけですけれども、私どもがつかみ得ました数字がそうなつておりまして、なおこの点につきましては、検査院といたしましてもよく調査する方針参つてつた次第でございます。結局問題は、こまかい資料が相当多岐にわたつておりますものですから、今すぐには申し上げかねるという次第でございまして、いずれ検査院といたしましても、千六百万ドルにつきましてわかりませんが、四千七百万ドル見当のものにつきましては、大体いつごろ、どこにどの程度の量の石炭を送つたかということにつきましては、わかるわけでございます。ただその数字を今持ち合せておりませんので、なおこれは調査してお答えしなければいけないかと考えておる次第でございます。
  31. 田中彰治

    田中委員長 今の千六百万ドルというのは、四千七百万ドルのほかにまた千六百万ドル別にあるのですか。
  32. 池田直

    池田会計検査院説明員 千六百万ドルは四千七百万ドルのうちでございます。千六百万ドルを大体引継ぐということになつておりましたが検査院としましても、通産省その他の資料によりましても、どうも少いような感を持ちましたので、いろいろ通産省にも調査を要求したわけのなでございます。それによりまして大体四千七百万ドル程度ぐらい貿易特別会計関係受取かわり金が考えられた次第であります。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 貿易特別会計は、主管省としてはどこに引継いだことになるのですか。
  34. 池田直

    池田会計検査院説明員 貿易特別会計通産省主管でございましたが、廃止に伴いまして、資産負債等はこれを一般会計引継ぐことになつております。なお先ほど申し上げました司令部が持つておりました外貨建商業勘定関係は、これは別に政令が出まして、外国為替特別会計に引継ぐことになりました。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 外国為替特別会計に引継がれまする貿易特別会計清算に関する一切の書類資料等は、日本人石炭化学薬品を売れば、日本人代金を支払う。代金を支払えば領収書を出す。そういつた清算に関するすべての書類があつて、清算の結末の決算が次の外国為替特別会計に引継がれたもの、かように推測いたします。また常識から考えてもそうであります。その辺について爾後清算につきましては、精細に会計検査院として調査されたわけでありますから、通産省の当時持つておりまする資料によりますれば、日本人のだれが売つたやらわからぬ、何ぼ売つたやらわからぬ、はつきり何百億円のものを売りながら、だれに売つたやら、領収書もなしに清算が引継がれるということは、どうも想像されませんので、その辺につきましては、その道の一番権威のある検査院ですから、領収書等についても御調査なつたものと思われますが、そういう辺から考えましても、調査の結果、千六百万ドルが四千七百万ドル数字が増加すべき原因、内容根拠というものは、そういう書類等によつて相当明らかになつておると思うのですが、検査院のどなたからでも、担当された方から説明を伺えましたらけつこうだと思います。
  36. 池田直

    池田会計検査院説明員 貿易特別会計清算のことにつきまして一言申し上げますが、司令部が一に事務とつておりました外貨建商業勘定を除きました関係部分につきましては、会計検査院といたしましても十二分に検査をいたしまして、その清算関係は十二分にわかつております。ただ司令部がもつばら事務とつておりまして、日本政府が関与できなかつた外貨建商業勘定につきましては、政府としてもこれの受払い等皆目わからなかつたわけであります。従いまして会計検査院といたしましてもこの関係はわからなかつた従つて最後帳じりのところで千六百万ドルはもう少し多いんじやないかという疑問を私ども抱きましたのは、貿易特別会計が物をとにかく外国へ出すなら出す、そこまでは検査院としてもよくわかるのであります。朝鮮石炭をどの程度、いつ出したか、これはわかるのであります。従いましてその関係がわかるものですから、結局いろいろ輸出入関係のバランス・シートその他を見まして、物の面からも見まして、結局検査院といたしましても、千六百万ドルは少し少いんじやないかという疑問を持つて、通産省に対しまして調査を要求したような次席でございまして、その結果先ほど申し上げましたような四千七百万ドルというものが出まして、今の四千七百万ドルに関する石炭等のことにつきましては、あとよく資料を整えますればわかる次第であります。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この日本の持つておるアメリカに対する四千七百万ドルという債権は、これは政府が持つておるとすれば、日本国有資産になることは明らかであろうと思います。それから六日の予算委員会の散会後、自由党河野一郎君が新聞記者に発表しておるところによりますと、石炭金額石炭以外の物資に対する金額等貿易帳じりにつきまして相当明らかに数字説明しているわけであります。かくして昭和二十七年四月十八日付で通産省通商振興局から司令部書類を提出したということになつておりますが、そうしますと、日本の国の財産の一部である外国に対する債権が、ここで通産省から明らかに公けにされておるのであります。検査院といたしまして、こういう二百億円に上るところの国の財産の行方の問題でありますから、そこは相当何か根拠をつかみ得なければ——通産省だけが司令部に出したので、そういうことは会計検査院は知らない。従つて通産省主管しておるところの日本外国に対する債権日本財産が二百億円もあるかないかについて、結局わからぬのだということでは、私は済まされぬと思います。従つてまた他の面から申しまして、千七百万ドル調査の結果四千七百万ドル大体数字がつかめたということであれば、その面から申しましても、通産省等から相当資料をおつかみになつたのだろうと思います。この両方から考えまして、その内容は御説明を願えるべきではないかとわれわれは考えるのです。
  38. 池田直

    池田会計検査院説明員 まことにごもつともで、私もそう考える次第でございます。検査院といたしましても、ともかく当初商業勘定から外国為替特別会計の方への千六百万ドル程度数字につきましては、非常に疑問を持つて調査を十分にいたして、四千七百万ドル程度数字が出て来たわけなのでございますが、ただその金額のものがすぐ外国為替特別会計の方に、資産関係その他で当然引継ぎすべきかどうかの問題につきまして、ただいま問題にされているようなことを、いろいろ検査院といたしましても聞いておりまして、それで、これが資産としてすぐ外国為替特別会計の方に載すべきかどうかにつきまして、会計検査院としまして、まだそこまでの確信はついていなかつた次第でございます。結局これは政府の見解、措置をもう少し見守らないと、検査院といたしましても、判断が的確に下せない。そうした関係から、検査院といたしましても、政府善処方関心を持つて見守つていたような次第でございます。なおこれにつきましては、検査院としましても、資料等は十分に調べた次第でございますが、なおいろいろの関係事実がさらに出れば、また数字等も検討しなければいかぬと思いますので、今後も十二分に研究をいたすつもりであります。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 政府資産になるかならぬかにつきましては、予算委員会質疑応答を読んでみましても、また河野一郎君が発表しておりまする通産省通商振興局から司令部に提出せられた書類によつても、また総司令部が確認しておると称する事実、それから通産大臣等の答弁等によつてみましても、債権であることは、すでに政府内部においては何の疑問もないようにわれわれは考えられる。検査院だけが、これが日本債権であるかどうかがまだ疑問であるかのよううな御説明ですが、これはいかがなものでありましよう。
  40. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいま私が申し上げましたのは、本件ちようど問題になります前までの検査の大体の経過について申し上げたような次第でございます。なお検査院としましても、大きな問題でございますし、国会でいろいろ質疑されましたことにつきまして、事実その他も十二分に研究いたしたいと考えております。今すぐということは、ただいまお話のようなふうに、会計面に、これをそつくりそのままバランス・シートの上に載すべきかどうかにつきまして、検査院としてこの問題が起りますまでに結論に達していなかつたということを申し上げた次第であります。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私がお尋ねしたいことは、何も国会で問題になつたからどうかというよりも、国会の問題になつて示されたところの文書は、すでに昨年作成された文書で、すでに総司令部政府の間に交換され、政府の所有しておる文書であります。そういつたものがあるわけでありますから、そういうものを会計検査院がつかまずしては検査はできないだろうと思います。そうするとその辺はおつかみになつていなかつたわけでしようか、その点はいかがです。もし何でしたら、それをどちらでお調べになつたか知りませんが、これはひとつ担当なすつた方面からはつきり御説明つたらと思いますが、どうしたものでしようか。
  42. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと御注意しておきますが、石炭など売つたのは、百万円とか二百万円とかではなくて、何億というものを売つておるのです。その売つたものの受取証がないというようなことをおつしやつても、吉田委員調査しておるのだし、石炭も麻生鉱業を主体にして出ておることもわかつておる。燃えない石炭をやつて、向うから因縁をつけられて、それがたくさん港に積んであることもみなわかつておるのですから、隠さないでお答えになつた方がいいと思います。決算委員会が取上げるについては、あなた方には見せなくても、委員長の手元に資料がもう出ておるのだから、この答弁はなかなか簡単にはできませんよ。社会の問題になりますよ。あなたの方でも注意してやらないと、予算委員会を通つただけでは済みませんから、その点は隠さないで、悪いものは悪い、いいものはいいとおつしやつたらどうですか。
  43. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの説明と多少重複するところがあるかと思いますが、御説明いたします。  貿易関係は、先ほどお話のありましたように、貿易特別会計では、たとえば輸出します場合に、石炭を買う。その場合に円を払うわけであります。そうしてそのものは司令部の方に行きまして輸出されるわけです。輸入する場合には、司令部の方に持つて来まして、それを結局ものをもらつて国内に売るわけです。その売つたものが貿易特別会計の歳入になる。買つたものが歳出になる、こういう仕組みで、買つたものがいかなるレートのもので、どういうふうな姿で輸出されたかというようなことは、日本政府としては当時関与させられなかつた。こういう状況であります。従いまして、外貨の面は、全部一元的に司令部の方でやつておりますから、円貨の方しかわからない。それで石炭幾らつた、輸入したものを国内で幾ら売つた、こういうことは、従来の検査ですべて詳細に検査しておるわけであります。  それで今度問題になりましたのは、貿易特別会計の残務整理と申しますと、国内の未収債権の取立て、あるいは未支払いのものを支払う、こういうふうな円貨の関係貿易特別会計の問題であります。外貨の問題は、貿易特別会計とは直接のつながりを持つておらぬ、こういう仕組みになつております。それで外貨の面はどういうふうになるかと申しますと、先ほど話がありましたように、現金勘定日本政府に引継がれ、また本件の問題になつておりますのは、いわゆる清算勘定の問題でありまして、朝鮮幾ら輸出した、そうして輸入が幾ら、その差引の決済はどれだけ、これが今問題になつております四千七百万ドルの問題であります。日本政府外貨清算勘定外国為替特別会計に引継がれるにあたりまして、司令部が一応発表しました受取勘定帳じりが千七百万ドルということで発表したわけであります。それで先ほども申し上げましたように、買い上げられたものがどこに行つた、どういう為替レートで行つたということはわからない仕組みではありますが、朝鮮関係に行きますものは、石炭で申しますれば船積み港がどこである、あるいは物の性質によつてこれが朝鮮向けである、あるいは輸入された物が、物から申しまして、大体朝鮮から来たものであるということがわかる仕組みになつておるわけであります。正式にはわからぬにはしましても、そういうことになつておる。それで従来からそういうふうな面から見て、千七百万ドルという帳じりは少し少いじやないかということを私どもも疑問を持ちます。通産省の方も疑問を持たれた。それが相当の期間がたちまして、司令部との交渉の経過がありましたが、結局四千七百万ドルあるということを司令部の方に一応確認を求められたわけです。これが上十七年の四月か三月だと思いますが、そのために司令部の方から四千七百万ドルというものを一応確認して来たわけであります。これはその債権としては非常に微妙な点がありまして、ちよつと正確な判断の点では申し上げかねる点で、判断の点ではあるいは間違う点がありますが、一応の債権は確認したように認められるわけであります。その文書によりますと、その確認された債権の決済は、この日本政府の要求は、さらに考慮のために当該機関に移牒されるであろうという趣旨の回答文もよこしてあるわけであります。それで私の方といたしましては、その四千七百万ドルはとらなければならぬ。しかしとる方法その他については、これは外交交渉その他がいろいろあるわけだろうと思います。そういうふうなものをにらみ合わして、いかに処理するかということを、政府のやつておられる処置を見て、最後にきまつたのは二十七年の七月ごろかと思いますが、それ以後ずつと注視して来ておる、こういうふうな状況であります。  それから先ほど申されました輸出されたものが品目別に何であるか、それから輸入されたものが何であるかということは、貿易特別会計の面ではつながりがありませんからちよつとわかりませんが、通産省で調べた書類その他を私の方で関連をもつてある程度まで信用しなければならぬ面があるかもわかりませんが、そういうような見方で見て行けば四千七百万ドルというものは大体正確なものだろう、こういうふうな考え方であります。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 通産省でお調べになりました結果ですが、特にこの石炭について、船積みその他の関係からも朝鮮に出た分については相当明らかになつておるのだろうと思いますが、朝鮮に出ました石炭についての数量とかそれの金額とか、あるいは売主関係とか、時期とか、そういう点はどうでございましよう。——そうしたらなおそれに続きまして、そういうようにお調べになつておりまして、今ちよつと委員長発言のうちにありましたが、麻生鉱業株式会社が多量に売つておるという事実がございましたでしようか。金額にして五十億円に近いものが麻生鉱業から売られておるというような事実はありましたかどうか、その辺についてはどうしたものでしようか、御説明願いたい。
  45. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいまの点は少し御猶予願いませんと、具体的のことわかつておりません。麻生鉱業の分がどの程度輸出されたかということについては今お答えいたしかねますが……。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは他の質疑もあることでありますから少し保留させていただいて、そう詳細にこまかいところまでは行きませんから、概要の御説明を願えるように御準備願いたいと思います。少し時間を保留しておきたいと思いますが、それは御用意願えますか。
  47. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 調べればもちろんわかりますが、資料としては、今の輸入輸出関係は、結局朝鮮向けはこれであるというつき合せの関係は、通産省資料でもう一応確認しなければ、私の方だけではちよつとわからないわけであります。
  48. 田中彰治

    田中委員長 吉田委員、それはひとつ通産省からも会計検査院からも、細密な詳細な資料をとるように委員長に一任していただいたらいかがですか。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 せつかく熱意のある御説明の態度でありますので、資料に基いてその辺を明らかにして世の中の疑惑を一掃し、かつ事実の真相を明確にしてみたいと思いますので、可能な範囲で、できるだけ資料を急速にひとつお取寄せ願いたいと思います。お取寄せ願つた上で、きようできなければ、やむを得ませんから次の機会に十分に前後の経過をひとつ説明願つて、特に千七百万ドルがいろいろと調査の結果四千七百万ドルにふえている。はしなくも四千七百万ドル予算委員会で問題になりました数字と大体符合しておりますので、その根拠内容、原因等につきまして詳細に資料によつて御説明願いたい。なお同時に通産大臣ないしその関係者を当委員会へ御出席願つて、あるいは大蔵省等、これは委員長におまかせしておきますから、適宜資料を持つているところに出席を求めまして、同時にここでひとつ説明、答弁を願う、こういうふうにおはからいを願いたいと思います。委員長におはからい方お願いいたします。
  50. 田中彰治

    田中委員長 さようにとりはからうことにいたします。
  51. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 先ほど吉田委員から尋ねた、国の財産になるのではないかという御質問に対して、その点はまだはつきりと国の財産としていいかどうかということは疑問である、こういうことをおつしやられたのですが、その四千七百万ドルのいわゆる円貨は、輸出業者にすでに支払われておるのではありませんか。
  52. 池田直

    池田会計検査院説明員 それに見合いまする石炭代は、これは国内の石炭業者等に円貨で支払われております。
  53. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それは石炭業者に限らず、要するに朝鮮輸出されたものは支払われておるものでありましよう。だからその金はどこの金を支払つたのでありますか。
  54. 池田直

    池田会計検査院説明員 韓国に輸出されました石炭その他の雑貨関係は国内関係から買い上げましたので、そのかわりの円貨は国内の業者に支払われておりますが、結局その物を韓国に持つて行きましたので、そのかわりの金を貿易特別会計としてはこれを受取らなければならない。ですから未収金ということになつておるわけでございます。そこで貿易特別会計といたしましては……
  55. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私の問うておるところとちよつとピントがはずれておる。それは業者にはすでに円貨が支払われておるのではないか、ここを聞くのです。だから支払われておるというのでしよう。その支払つた金はだれの金を払つたか。国が払つておるお金ですか。そこのところを聞くのです。
  56. 池田直

    池田会計検査院説明員 貿易特別会計で支払つております。
  57. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 四千七百万ドル輸出をして、輸出業者に対して国の特別会計から支払つておるとするなれば、いわゆるアメリカに対して支払い請求権があるなれば、もう国がすでに輸出業者に払つておる債権であるから、当然にそれは国の財産であるということは議論の余地がないじやないかと思うが、その点はどうですか。
  58. 池田直

    池田会計検査院説明員 その点が御存じの通り問題でございまして、検査院といたしましても、その関係の点につきまして、結局外国為替特別会計、そうした関係債権債務でございます。商業関係勘定で引継ぐことになつておりましたので、その関係を調べて参つてつたような次第でございます。しかるに先ほど申し上げましたように、アメリカに対していろいろ折衝しておつたような次第でございます。そこで政府の方も結末を見守つておつたというような次第になつておるわけであります。
  59. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 今の私が問うておることとあなたの答えがまだ違つておる。アメリカへ請求するとか、しないとかいう問題じやない。さつき吉田委員が聞いたときに、四千七百万ドルは国の財産ということになるのではないかということを問うたでしよう。そうしたところがあなたの方ではそれを国の財産としていいかどうかということにはつきりとした自信がない、こういうことを答えた。それだから私は聞くのだ、もうすでに四千七百万ドル輸出をした人には、いわゆる特別会計から金を払つておるわけでしよう。その特別会計の金というものは政府が払つておるわけでしよう。日本政府輸出業者に金を払つたなれば、その輸出品のこちらから取り分があつたら、当然に国の債権ではありませんか。それが今はつきりするかしないかということになつたのは、そういうお答えはおかしいから、私はそれを問うておるのです。
  60. 田中彰治

    田中委員長 説明員にちよつと忠告しておきますが、あなたの方でお調べになつたときに、この二百億ばかりの金が、悪い石炭売つたり、悪い品物を売つたりしたので、交渉面はそういうぐあいになつておるけれども、払われないという問題になつておるのではないですか。それをあなたの方で気がついたら、今のうちに言われた方がいいですよ。
  61. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私はひつかけるようなわけじやない。ただ今答えておるところが、いやしくも国の金を輸出業者に払つて、それはだれが輸出したか私はまだ知らない。麻生が五十億出したかどうかわからぬけれども、とにかくかりに麻生が五十億出したとしたら、五十億の金が麻生に行つているはずです。そうしたら、その麻生の五十億の取り分というのは今度の貿易勘定において政府がとるわけでしよう。そうすればその五十億は当然政府の金になるのではないかというのです。あなたははつきりせぬというが、それはどうなんですか。
  62. 池田直

    池田会計検査院説明員 ただいまの関係勘定外貨建の商業関係勘定で整理されておつたわけでありまして、そこで貿易特別会計としては外国へ出す。そうしてそのかわりの、今お話の債権を結局いただかなければ、それはお話の通り貿易特別会計としてはそれだけの穴になりましようから、未収金がもらえておりませんから、従いましてそうした関係清算をするということになつておつたわけなんでございます。その関係債権、権利、義務を外貨建の商業関係勘定の分だけは外国為替特別会計の方に引継がれることになつておるわけです。従いましてそれを外国為替特別会計債権として、これをただちに資産として計上すべきかどうかにつきまして金額その他の関係はつきりしていなかつたような関係で、検査院としてはその処置を見守つておつた、こういうようなわけでありまして、別に国の財産でないというようなことは申し上げませんが、ただ勘定にこれをすぐ乗すことにつきまして、まだ結論に達していなかつた、こういうふうな次第でございます。
  63. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、要するに、あなたの方では、輸出業者に四千七百万ドルの金が行つておるか、行つておらないか、まだはつきりしていないということになるわけてすか。
  64. 池田直

    池田会計検査院説明員 輸出政府貿易特別会計輸出しておるわけでございますから、その物を買い取ります代金は、国内の石炭業者あるいは雑貨業者に、金は円貨で支払われておるのでございます。
  65. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、結局は政府は四千七百万ドル相当の円貨をその人たちには払つておる。今日までそれが債権としてはつきりとれるのか、とれないのかわらないものを、政府は払つておるということになるわけですね。
  66. 池田直

    池田会計検査院説明員 結論的には現在そうなつているわけでございます。目下ペンディングの問題になつているわけでございますが、ただいまのところは国内業者には支払われて貿易特別会計、すなわち国の特別会計の資金で支払つておりますが、そのかわりのものがまだ入つていない、こうなつております。
  67. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 司令部が買うのでも——向うの金のことはよくわからないのですが、円価のことはよくわかつている、こういう話ですね。ですから、石炭なり、化粧品なりを司令部が買い上げて、だれが支払うかわからないが、円価を払つた。そのことはわかつているというのでしよう。そうしたならば、そのときにどれだけのものを司令部が買い上げられたかということがわからなければ円価の支払いはできないのではないですか。
  68. 池田直

    池田会計検査院説明員 先ほど主管局長から御説明いたしました通り、どこどこでどれだけの石炭朝鮮に積み出された、そうした関係のものは検査院でも始終見ております。ですから、一々そうしたものの動きにつきましては、検査院は始終これを見ておつたわけなんです。
  69. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 あなたは円価の支払いはわかつているが、その円価の支払いは別に日本のどこの役所でどういうふうに払つたということはわからないのですか。それであなたの方の調査で積み出す関係のことでわかるというのですが、円価の支払いはわかつている。だれが幾らということはわからなくても、日本輸出業者に円価を支払うときには、だれがその金をどうして支払うのですか。やはり司令部が支払うのですか、日本政府関係して支払つたのですか。
  70. 池田直

    池田会計検査院説明員 国内の業者から買いました品物の代金日本政府が払つておりまして、その支払い関係検査院でも見ております。
  71. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、先ほどあなたがおつしやつたように、千七百万ドルはあちらさんの方へ引継がれたからわからなかつたというけれども、円価の支払いを日本政府がしておればわかつているはずじやありませんか。あちらさんのメモランダムでなくても、こちらでわかるはずでしよう。
  72. 池田直

    池田会計検査院説明員 お話の外国輸出されましたものの代金ドル、ポンドとか、そうした外貨で来ますその外貨関係勘定は、もつぱら司令部の処理しておりました商業勘定受払いをしておりまして、その関係検査院としては調べられなかつた次第でございます。そこで御疑問もごもつともでございますが、一貫して全部を検査院としまして貿易会計の全貌を全部検査することはできない仕組みになつておりましたような次第でございます。
  73. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうすると、そのとき円価をどこの役所が支払つたというところまでは、検査はされなかつたというわけでございますか。
  74. 池田直

    池田会計検査院説明員 円価を支払いました関係検査院で調べております。
  75. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 どこで支払つたか、それを聞きたい。
  76. 池田直

    池田会計検査院説明員 これは貿易関係は主として貿易公団で取扱いまして、しかも貿易公団の関係はこれがすぐ貿易特別会計にほとんど取引勘定になりますけれども貿易公団会計貿易特別会計の両方にこれは明確に整理されておりまして、その関係の支払い関係だけはこちらといたしまして正確に検査をして参りました。
  77. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そういうことになりますと、あちらさんの帳簿によらなくとも、こちらの支払い関係で総額はわかるはずじやございませんか。
  78. 池田直

    池田会計検査院説明員 お話の通り検査院としましては、貿易公団なりあるいは貿易会計が買いまして円で支払う関係だけはよくわかりまして、検査も十二分にいたしたつもりであります。ただ貿易会計のものになりましてから外国へ送ります。そうして受取る金がドルとかあるいはポンドになるわけですが、その関係司令部がそつくりその受払い関係をとりますものですから、日本政府はそれにタツチできなかつたわけであります。従いまして検査院としましても、そのドル勘定による、いわゆる輸出外貨建関係の支払いが、国もよくわからないし、検査院としても検査できなかつたような状況でございます。
  79. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そのようなこまかいことは、先ほど吉田委員が言うように、やはり詳細な書類と、あるいはその所管大臣に出てもらつてから質問することにして、ただ一点、今の四千七百万ドル貿易帳じり清算がついたのはいつなのですか。
  80. 池田直

    池田会計検査院説明員 検査院がその関係調査いたしましたのは二十六年の暮近くでございまして、だんだんに通産省調査を要求しまして、数字が四千七百万ドルはつきり出て来ましたのは二十七年の三月ごろになつてからでございます。
  81. 柴田義男

    ○柴田委員 ただいままで池田さんの御答弁を承つておりますと、われわれ常識で会計検査院というものは何ものにも束縛されないで、厳正公平な気持であるものだ、こう心得ておるのですが、この大きな問題が予算委員会で問題になつてから初めてわれわれも知つたような状態なのでございます。現実にこういう問題が起きたといたしましたならば、会計検査院はどういう態度をとつ政府にこの問題を糾明なさるのか、あるいは御連絡等をどういう方法をもつてなしたのでございましようか。その点を承りたいと存じます。
  82. 池田直

    池田会計検査院説明員 本件に関しまして、検査上こちらで問題にいたしました関係につきまして、注意をいたしましたのは通産省でございます。通産省に、検査の際に検査院が見るところでは千六百万ドルではどうも少いようだ。だからよく調査して報告してほしいということで調査を進めてもらつし、そうして検査院で結局新聞でただいま問題が明らかになつております通り、二十七年の三、四月ごろになつてから、司令部との関係がこういうふうになりておるということを大体伺つたような次第でございます。
  83. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、通産省に対しましてこの問題に関して正式に検査の御指摘の結果を勧告いたしました日時はいつごろでございましようか。
  84. 池田直

    池田会計検査院説明員 文書をもちましては特に注意はいたしておりません。
  85. 柴田義男

    ○柴田委員 文書は出しておらぬとおつしやいますと、勧告なさいました日時はいつごろでございましよう。
  86. 池田直

    池田会計検査院説明員 二十六年の十月でございます。
  87. 柴田義男

    ○柴田委員 そうしますと二十六年の十月からもう一箇年半経過して今日大きな問題になつておる。それまでただ勧告をしつぱなしで検査院は放置されておつたのでございましようか。
  88. 池田直

    池田会計検査院説明員 ごもつともでございますが、検査院といたしましても、外国為替会計の引継ぎの関係、そうした関係をすぐに資産に、会計面に掲げられるべきかどうかにつきましては、そうした結論には明確に達しなかつたものですから、こうした金を国の受取分関係にしてもらわなければいけないということは、検査院としても考えておりましたけれども、これを書面で特に明確に検査院の意思として発表するということは、結局二十七年度の決算関係その他になつて参りますし、外国とも折衝中のように聞いておりましたので、特に厳重に書面をもつては整理いたしておりません。
  89. 柴田義男

    ○柴田委員 先ほど杉村委員からも御指摘がございましたように、私どもが考えましても、すでに円価では輸出業者には貿易特別会計で支払いをやつた。そういたしますと、残された問題は、ドル外国から来ない、こういう結果でございますが、そのドルが来ないという根本的な問題は、粗悪品を送つてあつた、こういうことになるように考えられるのですが、そういう問題は取残されておりましようかどうか、伺いたいと思います。
  90. 池田直

    池田会計検査院説明員 実は私粗悪品であつたということを今まで聞いておりません。その点は十分調査してみないとわかりません。
  91. 柴田義男

    ○柴田委員 二十六年の十月かに通産省に対しまして勧告された。そういたしますならば、単に機械的に勧告をなさるわけはないと思いますが、そういうふうに勧告をなさいました場合に、この問題はいかなる関係からドルが入つて来ないのか、こういうことは御究明なさいませんでしたか。
  92. 池田直

    池田会計検査院説明員 これがちようど司令部で持つておりました商業勘定帳じり債権債務の引継ぎの問題になりまして、アメリカとの方の接収関係がまだいろいろ行われておつたような状況でございましたので、その後二十七年の四月ごろでございますか、そうしたことになりましたことはあとでまた承知いたした次第でございますが、そうした関係で、検査院といたしましても、検査報告その他に掲げるまでにはまだなつていなかつたのであります。
  93. 柴田義男

    ○柴田委員 前の吉田委員、杉村委員等から資料の御請求もあつたようでございますから、その資料が整つて、通産大臣の御出席等がございまして、並行的にこの問題をもう少し論議しなければならぬ、こう思いますが、ただ一つ私ども委員会といたしまして会計検査院に望むところは、政府当局が政治的ないろいろな関係があるといたしましても、会計検査院はあくまでも厳正公平な気持で検査の任に当る、こういうことを御確約願えましようか。
  94. 池田直

    池田会計検査院説明員 会計検査院といたしましては内閣から独立することに憲法もなつておりますし、あくまで今の御趣旨の通り、いつも厳正公平な立場で検査すること年職責でございますので、ただいまの点はもちろんお誓い申す次第であります。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつと関連しまして、会計検査院は二十五年もしくは二十六年度決算報告書に本件の四千七百万ドルは記載されてありますか、ありませんでしようか。
  96. 池田直

    池田会計検査院説明員 本件につきましては、数字その他の関係がおおよそ四千七百万ドルという関係にわかつて参りましたのが二十七年の四月でございます。いろいろ折衝の結果そうした関係が私ども検査の結果わかつたわけでございます。従いまして検査報告は二十七年の三月関係までを大体押えて処理しておりますような関係と、今申し上げたように、検査院としても簡単に結論に達し得ないような状況もありましたので、二十七年度の検査報告には掲げてございません。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり国の財産、つまり政府の対外債権は国の財産に属するものと思いますが、国の財産管理に関する問題だと思いますから、その適正なりやいなやについても究明する必要がありますので、大蔵大臣の出席を次の機会に同時にしていただいて、その点について特に私は聞きたいと思いますから、お諮り願いたいと思います。
  98. 田中彰治

    田中委員長 吉田君のお説の通り、さようにとりはからうようにいたします。  それでは、この次の委員会に通産大臣の出席を求め、それと同じく大蔵大臣も出席を求めますか、大蔵大臣あとまわしにいたしますか、お諮りいたします。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大蔵大臣は予算の関系もありましようから、その情勢もにらみ合せて当委員会に出てもらうようにしてはどうかと思います。通産大臣はぜひ必要だと思います。
  100. 柴田義男

    ○柴田委員 大きな問題がたくさんございまするし、当委員会委員長御不在中に連日のように進行はいたしましたけれども、ニユーエンパイヤの問題が中に入りまして、相当審議が遅れておりますから、理事会をお開きくださいまして、今後の予定を画然とお立て願いたいと思います。本日の新聞等を見ますと、只見川の問題で建設省にも大きな収賄の事実が暴露されておるようでございますし、いろいろな問題が山積しておりますので、理事会をお開きくださいまして、今後の委員会の日取り等の御決定を願いたいと思います。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいまの問題については次会に御審議願うことにして、爾余の全体につきましては理事会においてよく御協議願う、こういうようにおはからい願いたいと思います。
  102. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまのアメリカに対する四千七百万ドルの事件については、事外交に関することでありまして、いかなる折衝が行われておつたか、やはり外務大臣の意見を徴する必要がある、また聞かなければならぬと思いますので、外務大臣の出席も必要と思います。
  103. 田中彰治

    田中委員長 それではお諮りいたしますが、一応この次の委員会に通産大臣に来ていただきまして、これが所管ですからよく聞きまして、その他のことにつきましては、この委員会終了後、いろいろ理事会でお話合いいたしたいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 田中彰治

    田中委員長 それではさように決定いたします。     —————————————
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 本日は引続いて、前会の公社の各批難事項について、審査を進められんことをお願いいたします。
  106. 田中彰治

    田中委員長 それでは次に、昭和二十五年度決算検査報告第三百十八ページないし三百三十七ページ、日本専売公社所管に関し、前会審査保留となりましたので、批難事項を一括議題とし質疑を続行いたします。質疑を許します。吉田賢一君。
  107. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は三百二十一ないし二ページの九九八号、(1)新光鋼材株式会社外三会社から購入した鋼材、価額八千余万円を、また株式会社森川商店から亜鉛鍍鉄板六百九十八万余円を買いました件についてお尋ねしたいと思います。これは金額にしてかなり大きなものに上つておりまして、両方合せて約八千七百万円以上に上るのであります。これを少し詳しくお聞きしまして、爾余の案件には触れまいと思います。これだけに限定して触れてみたいと思いますから、なるべく時間を節約するために、要点だけを簡明に御答弁願いたいと思います。  まず新光鋼材外三社及び森川商店、これからこの種のものを買い付けるに至りました経緯、購入の価格物件の内容、契約年月日、それから引渡し場所、日時、代金支払い方法、こういうような契約の概要をお聞きしておきたいのです。
  108. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これを買いました経緯は、先般もちよつと申し上げましたが、朝鮮事変がちようど勃発いたしまして、いろいろ資材等がきゆうくつになるのではないかという状況がありましたので、不時の災害に充てる備蓄用ということで買つたのであります。契約の概要といたしましては、向うの会社の倉庫でこちらが買うということにいたしたのであります。ただこの検査院の批難事項にも書いてございますが、契約書に係の間違いで、納入の場所というのを、いずれこちらの倉庫があいたときに引取るであろう場所を書込みましたので、いささか困乱したようなかつこうでございますが、向うの倉庫で買いまして、一時こちらの倉庫があくまで無償で保管をさせるという形をとりました。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 原因と結果を聞くのではなくて、引渡し場所はいつ、どこでするということにしたのですか。
  110. 内藤敏男

    ○内藤説明員 二十六年三月三十一日にそれぞれの倉庫で引渡しを受けるということにしたのであります。
  111. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 数量幾ら引渡すということにしたのですか。三月三十一日に総量を引渡すというのですか。
  112. 内藤敏男

    ○内藤説明員 全量ということになつております。
  113. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 専売公社では受渡しについて検収をするということはしておらなかつたのですか。
  114. 内藤敏男

    ○内藤説明員 検収をすることにいたしておりましたが、一部検収の見誤りがありまして、あとで引取り不能になつた分がありましたが、これはさつそく引取りまして、とにかく全部こちらの倉庫に引取つてあります。
  115. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 朝鮮動乱後不時の災害用に買うたというのですが、しからばこれは専売公社の総裁と幹部からの命令によるものですか。
  116. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その通りでございます。
  117. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 専売公社の総裁の名によつてさような命令をするということであれば、やはり購入の物件について引渡しの方法、代金の支払い、検収などについて相当精密な、厳格な契約が取結ばれておらねばならぬと思いますが、そういう点は契約書の調印等でもあのつたのですか。
  118. 内藤敏男

    ○内藤説明員 契約書をとりかわしてそういう点をきめてございます。
  119. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 契約書があつた、それならば三月三十一日に全量が引渡される。代金の支払いはいつするということになつたのですか。
  120. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その検収が済みましてから代金を支払つたわけであります。
  121. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 済みましてからではわかりません。これは一億円近い尨大なものでありますから、売る方にいたしましても、日時はきちつとすべきだと思いますが、いつの日、どこで、どういう方法で支払うことになつておりましたか。
  122. 内藤敏男

    ○内藤説明員 検収が済みますと向うから請求書が出まして、公社では小切手で清算することになつておりますので、公社でもつて小切手を渡します。日時ははつきり記憶しておりませんが、四月中旬から下旬だつたと思いますむ
  123. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 検査報告書によりますと、現品が現実に指定場所に納入せられたのは同年五月以降になつております。三月三十一日に全量引渡す、代金は引渡し後支払うという契約をしておきながら、代金の支払いが引渡しの前にせられて、品物の引渡しは約束の三月末日じやなしに五月以降になつておる。こういう事実はあなたの方は認めるのですか、いかがですか。
  124. 内藤敏男

    ○内藤説明員 先ほども申しましたように、向うの倉庫でこちらが受取りまして、こちらの方の倉庫へ引取るべきでありますが、その当時こちらの倉庫がふさがつておりましたから、あいたらこつちへ引取るからということで預かり証を徴しまして、向うの倉庫に無償で保管をさせたわけであります。そし倉庫があくに従つてだんだんこちらに引取るという形になつております。
  125. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 向うの倉庫であつても、第三者の倉庫であつてもよろしいが、ともかく検収をすることになつた。それで八千万円以上のものを三月末日に全量引渡すということになつている以上は、無償で他人の売主の倉庫に置く、置かぬにかかわらず、引渡しでなければならぬ。それを三月の末日に納めることを実現せず、五月以降になつてから代金の受渡しをし、品物の入る以前に代金を支払うことになつたのでしようか。まずこういう事実があつたことは認めるかどうか。それからなぜそういうことになつたのか、この二段に区別して御答弁を願いたい。
  126. 内藤敏男

    ○内藤説明員 大体今お話のあつたようなことになつております。ただこちらの方の整理といたしましては、向うの現場で検収しまして、公社に引取つた。そうして引取つたものを後に倉庫を移したということになつておるわけでございます。
  127. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 現場で引取るにしても、向うの倉庫で引取るにしましても、検収をするのです。あなたの方では五月になつてから納入をさせておる。事実は三月末日に検収をしなければならぬのだが、検収の担当責任者は一体どんな報告をしたのでしようか。
  128. 内藤敏男

    ○内藤説明員 検収は先ほど申しましたように、三月末に業者の倉庫において検収をしましたわけでございます。
  129. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三月末日業者の倉庫で検収したのであれば、現実に品物の引渡しを受けたのは五月以降と書いておるが、この検査院報告書は間違つておるのですか。
  130. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 ただいま吉田委員の御質問の点、会計検査院の側から御説明申し上げたいと思います。  この購入契約の契約書には、専売公社のたしか四国町の倉庫だと思いますが、倉庫納めとして契約書は締結されておる。従いまして会計検査院の解釈といたしましては、そこの倉庫が受渡し場所である、こういう観点でこの検査報告はつくられておるわけであります。従つてその受渡し場所である四国町倉庫に納入されない前に、一応検収したことにして支払つておるという点が記述されておるのでありますが、その後公社側の御説明をいろいろ聞いてみますと、それは契約書の不備であつた、実際は一応会社の倉庫で受取つて、それからあとの持込み場所が四国町の倉庫である、こういう意味である。なるほどそういう説明を伺つて契約書をもう一度読み返してみますと、そうもとれないこともないというふうなきわめて契約書の文句があいまいなんですが、結局検収ということと持込みと一応引離して解釈しておる、こういう御説明でありまして、それがもつと早くはつきりしますれば、この検査報告の記述も多少かえなければならなかつたのではなかろうかと思つておるのでありますが、その点がはつきりしなかつたままこの検査報告が記述されておる。つまり検査院のこの立論は契約書の文章をもつて立論しておる。公社側はその後の口頭の補足といいますか、それによつてただいままでの説明があつた。こういう意味の食い違いは多少あるわけであります。
  131. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その引渡し場所は売主業者の倉庫において現実にせられておる。契約書では専売公社の倉庫ですかどこか、専売公社は適当な場所にせられておる。こういう食い違いらしいんだが、その辺につきましては、これはやはり契約書を厳重に守るということがされなければならぬのではあるまいか。もしそうしないのであれば、特に幹部の方とか専売公社の適当な機関において、契約書の字句はさようになつておるけれども、現実には売主の倉庫においてするということをあらためて協議し、許可を受けるということについてもしなければならぬのではないでしようか、その点はどうです。
  132. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは先ほど申し上げましたように、契約書を記載する者が不注意で書き誤りましたので、その購入をいたします場合には、向う側とこちら側の意思は合致しておつたものでございます。間違いましたことにつきましては、まことに申訳ないと存じております。
  133. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 聞き漏らしましたが、その受取りの担当者は上の方の機関に許可もしくは承諾を得るという手続を済ましたのですか。
  134. 内藤敏男

    ○内藤説明員 今の直すということでなく、契約書の方がむしろ初め考えておりましたのと間違つて書いてしまつたということでありまして、その間違いましたことにつきましては、まことに申訳ないと存じでおります。
  135. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、契約の文書が間違つたというような御説明と私は聞きましたが、売主の倉庫に預けるというようなこと自体が、この問題を起すに至つた一つの原因ではないかと私は推定するわけです。ところで検査院が二十六年の九月になつてから実地の検査をしたところが、価格にして四百六十数万円のものがまだ納入されてなかつたというのですが、そういう事実はあるのですか。一旦納入したけれども、どうかなつたというのでしようか。
  136. 内藤敏男

    ○内藤説明員 検査院の御指摘の通り、実はあると思つて検収いたしましたところが、足りなかつたわけでございまして、これは検査院検査に見えましたあと厳重に談判いたしまして、すぐ全部をこちらの倉庫に運び入れることにしたわけでございます。
  137. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは検査収納するという検収のことになつておつたのですが、四百六十数万円というと、やはり相当大きなものであろうと思うのですが、これはどうして報告が適正にされなかつたのでしようか。
  138. 内藤敏男

    ○内藤説明員 実はまことに申訳ないことでございますが、この入りません鋼材は、不等辺山形鋼という、何と申しますか、アングルになつておりまして、片一方と長さが異つておるものでございますが、同じ等辺のものがありましたのを見誤りまして、不等辺と思つたというところから、検収が手抜かりがあつたわけでございます。あると思いましたものがなかつたものでありますから、さつそくにこれを入れさせることにしまして、全部をこちらの方に引取ることにいたしたのであります。
  139. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 総裁にお尋ねしますが、八千万円以上のものを朝鮮動乱の物価に対する影響を顧慮して、あらかじめ鋼材等を多量に買い受けて、品物もとらぬのに四百六十万円も金を払つてしまつたという大きな損害を加えておるのですが、一体こういう相場の変動というようなものを考慮して、すぐに一億円にも達するような大きな金額を使うということは、少し乱暴のように思うのですが、いかがですか。
  140. 田中彰治

    田中委員長 総裁が来ておられぬのですが……。
  141. 内藤敏男

    ○内藤説明員 総裁がきようは所用がありましてちよつとお伺いできませんので、私からお答え申し上げます。朝鮮動乱のありましたあと非常にいろいろな影響を受けまして、物価が上り、物が足りなくなるということで、公社といたしましては、タバコ、塩、しようのうに至る大きな事業を持つておりますので、この際備蓄用としてこの程度のものをぜひ確保したいということで、この購買を行つたわけでございます。
  142. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私が聞きたいのは、相場の変動を予想して物を買い受けるということでも、備蓄用に八千万、九千万のものを買うということはいかがか、こういうのです。相場の変動を気にして買い受けるということはどうかと思うのです。ことに専売公社の事業というものは正確を期さなければなりませんし、大体が国の租税にかわるべき財源ということが、日本専売公社法の大きな立法趣旨にもなつておるのでありますので、そういう面から見ましても、結局これは国民の税金なんですから、備蓄用に八千万円も九千万円ものものを、相場が変動するだろうというて買い受けるというような、そういう商売人みたいな考え方がどうかということを私は聞きたいのです。
  143. 内藤敏男

    ○内藤説明員 継続して相当大きな事業をやつておりますので、ある程度企業的に動く場合もあることと存じますので、この場合もその一つの現われであるというふうに御了承願いたいと思います。
  144. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大きな事業をやつておられますけれども、しかしやはり予算は予算であり、国の税金を取立てるのと同じ関係であなたの方の収入、利益というものは計算されなければならぬのであります。しからばこの買い受けました当時、鋼材等の金属類の品物は何に使うという大体の目安でもあつたのでしようか。漫然と備蓄ということであるのでしようか。備蓄ということであれば予備金の制度も当然法律上許されていると思うのです。ですから、予備金もつくり、品物も備蓄するというようなことは、これはよほど考慮されなければならぬものじやないかと思うのです。しからばこれは何かおよその目標でもあつて品物を買いだめたのかどうか、その点はいかがでしよう。
  145. 内藤敏男

    ○内藤説明員 先行きどうなるかということがわかりませんでしたので、この程度確保したいということで、備蓄用として買つたわけです。
  146. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、目的がなくても備蓄用としてこういうあらゆる資材を専売公社は買い受けてもよいということになつておるのですか、どうですか。
  147. 内藤敏男

    ○内藤説明員 事業上必要であれば買つてもよいというふうに考えております。
  148. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからばそれは予算の費目は何によつているのですか。
  149. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは消耗器材費になつております。
  150. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 消耗器材費として当年度何ぼ計上してありましたか。
  151. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ただいま数字を持つておりませんので、はつきり申し上げられませんが、数億のものがあります。
  152. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはタバコ、塩、しようのう、すべての事業についてという意味ですか。
  153. 内藤敏男

    ○内藤説明員 すべてのものを合計してそうなつております。
  154. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この消耗器材費というのは、年度末には相当余つたのですか、余らなかつたのですか。
  155. 内藤敏男

    ○内藤説明員 この程度のものを買うくらいのものは残つておつたわけです。
  156. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の言うのは、年度末には余剰が生じたのか、生じなかつたのかと聞いているのです。
  157. 内藤敏男

    ○内藤説明員 いろいろほかの面で節約いたしまして、このくらいのものを残したわけであります。
  158. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞きたいのは、消耗器材費が数億円二十五年度予算に計上されてあつたとおつしやるので、年度末において余剰があつたのか、なかつたのかと聞いている。
  159. 内藤敏男

    ○内藤説明員 お尋ねは、これを買つた後においてということでございますか。
  160. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 御説明は、年度末において余つておつたからこの品物を買つた、こういうふうに了解したらいいですか。
  161. 内藤敏男

    ○内藤説明員 大体そういうことでございます。
  162. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、二十五年度の決算におきましては、二十五年度中に使用する、こういう趣旨になつてあなた方の損益計算書は出たのでしようか、どうですか。
  163. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その年度中に使用するものと、それからストツクして翌年度に一部繰越されるということも考えられますので、その両方を考えております。
  164. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞きたいのは、損益計算書を大蔵大臣に提出しなければならぬと思いますが、損益計算書をお書きになるときに、二十五年度中の使用分として計上されたかどうかというのです。
  165. 内藤敏男

    ○内藤説明員 予算ではそういうことになつておりますが、実際問題といたしましては、前年度から繰越すものもあります。翌年度へ繰越すものも出るということになつております。
  166. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 繰越しにつきましては、明許の部類に入つておらねばいかぬのではないですか。入つておらぬのですか。その点いかがです。
  167. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ただいま繰越しと申しましたのは、資産として、公社の持つておる物品として繰越すという意味でございます。
  168. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 要するにそれはいろいろと弁解はありますけれども、一億円近い金が残るので、品物を買つて予算を使い果してしまわなければいかぬというような、そういう帳じりを合せるというのが主てあつたのじやないでしようか。そこはひとつはつきり言つておいてもらいたいのです。この問題は、この間も電電公社の審査をいたしましたときに、予算が余るので、余る金を年度末に使つてしまう。大体需用品の経費が一箇月七億円くらいが通例の月の費用であるが、金が余るのでつい、一年通じて百十数億円の予算のうち、三月末だけで四十億円も使つたというのは、予算をもつて生活しておる者の心理として、まことに因つたことだけれども、事実その通りだというような説明があつたのです。でありますから、これもその例に漏れず、やはり八、九千万円の金が余つたから何か買つておこうということになつて、予算を使つてしまつて、そうして帳じりを合そうというのが主じやなかつたのですかと聞いているのです。
  169. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ただいま予算を使つて仕事をやつておる者に対する御同情をいただきましたが、実は専売公社におきましても、その感はあるのでございまして、御指摘のように、次の年度にいるものを、前年度の予算で買えないというふうなこともありますので、ただいまお話のようなことで、年度末に公社の購買がふえるということは、これは実情でございます。そこで今回も国会に出ておると思いますが、公社法を改正していれだきまして、予算の繰越しということを認めていただくことにいたしまして、年度末に集中して物を買うというふうなことのないようにしたいというふうに、私どもも考えておるような次第でございます。
  170. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 実は私はあなたの方に同情して申し上げているというよりも、予算を使うてしまわなければならぬというような悪弊を、日本の予算執行から一掃しなければならぬと思いますので、もしこれでも八千七百万円というものが大蔵省の方へ益金として繰入れられるということになりましたならば、また他に有効適切な費用に使うことも考え得られますので、自分の公社へとつた予算だから、必ず使つてしまわなければならぬという考え方自体が、予算執行の建前からいたしまして、私はまことに筋がよくないと思いますので、そういう意味において、実は御質疑を申し上げておつたわけであります。大体趣旨はわかりましたので、それでとどめます。  そこで四百六十余万円という金を、品物もなしに払つておりますが、その結末はどういたしましたか。
  171. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これはこの報告書に出ております時期から間もなく、全部こちらにとりまして、品物は全部入りました。
  172. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 公社側における処置はどういたしましたか。たとえばこういう場合は、品物がないのに金を払つた検査院が実地検査をしたときにまだ納入がなかつたというのだから、わざとやつたのやら、過失があつたのやら、それもわかりません。それで、公社として内部的に検収をする責任、ことに総裁の命によつてこの仕事が行われたという説明が冒頭にあつたのですが、その内部的な処置はどういたしましたか。
  173. 内藤敏男

    ○内藤説明員 厳重に注意いたしまして、繰返してこういうことのないようにいたしました。
  174. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 こういう問題は厳重注意ということで済ますべきでなくして、やはり予算執行上重大な案件として、適当な機関において審査し、その対策を立てるということが必要であろうと思いますが、そういうことは総裁などにおいても考えなかつたのでしようか。あなたの答弁を求めるのは筋ではないかもわかりませんけれども、きようは総裁の出席がありませんので、便宜聞いておきます。
  175. 内藤敏男

    ○内藤説明員 間違えましたことはまことにけしからぬことでございますが、その後これを入れますことについて、一生懸命努力いたしまして、ともかく全部こちらに引取りましたので、注意にとどめて、その余のことは問わなかつたわけでございます。
  176. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 受取つたときの状況は、契約納入の三月末の価格と上下どういう開きがあつたのか、なかつたのか。
  177. 内藤敏男

    ○内藤説明員 実は三月に買いましたときからその後ずつと値段も上つて参りました。ところが二、三箇月しましてまた少し下り坂になりまして、入りましたのは十月だつたと思いますが、そのごろでは、三月に入りました当時と相場は同じくらいでありまして、公社で買いましたのは相場より少し安かつたので、受取つた場合の値段は大体同じくらいでありました。
  178. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 四百六十万円の金を、品物ももらわずに商売人に渡してしまつて、六箇月後に品物を入れたということになれば、これは商取引と見まして、売り買いという関係から見ましたら、莫大な損害が買主に生じておるわけでありますが、こういうことにつきまして、金利とか損害とか、そういうことは処置しなかつたのか、考えなかつたのか、どうなんです。
  179. 内藤敏男

    ○内藤説明員 別段そういう点につきましては考えておりません。
  180. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 専売公社は、国の金を使つて品物を買うのでありますが、六箇月も後に品物をとるということになれば、それだけいらぬ金を無用に他人に渡しておつたことになりますが、国の予算を執行する建前から見まして、四百六十万円を六箇月間寝さしておつたということと同一になると思いますが、国に損害が生じておると思いませんか、いかがですか。
  181. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その金に相当する品物を預つておりまして、こちらが使うのには実際上間に合つたということになりましたので、損害はなかつたというふうに考えております。
  182. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 金に相当する品物を預つておつたというのは、一体どういうことですか。こういう会社から品物を預つておつたことがあるのですか。
  183. 内藤敏男

    ○内藤説明員 実はこの点につきましては、間違いでございまして、預かつてなかつたようなかつこうになります。私どもの使うのに間に合つたという意味では損害はなかつたというふうに御了承を願いたいと思います。
  184. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の言うのはそうじやないのです。もし十月に品物を買うのであれば、十月に金を払えばいいのであつて四百六十万円の金というものは、三月から十月まで金利がついて利用できるものを、品物が入らないのに渡しておるのです。あなたの方でその品物をいつ使用したか、それはまた別個の問題です。とにかく品物が入らないのこ、六箇月も前に金を渡したということは、国の金を六箇月間利息なしに寝さしたということと同一じやありませんか。国に損害が生じておるが、そんなことは考えなかつたかということです。
  185. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その通りでございまして、まことにこの点私どもの手違いがございましたことは申訳ないと思います。
  186. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたに断つてもらいたいのではないのです。専売公社としては、そういうことを考えなかつたのか、なぜ考えなかつたかということについて、お考えがあれば伺つておきましよう。もつともこういう問題は——あなたの方はどういうさしつかえか知らぬけれども、専売公社の審査はきようで終るのです。専売公社は一年に手数百億国庫に納入されるのです。てれだけ大きな金を扱つて行く専売公社でありますのに、決算委員会に総裁も来なければ総務部長も来ない。あなたが何もかも引受けて答弁するということは、私は少し誠意がないと思う。もつと専売公社は、千億円以上の税金を取立てておるのと同じ立場なんですから、この決算国会を通過さそうと思えば、もつと誠実にこういう問題について答弁ができるように準備をして、努力すべき立場の人から答弁をしてもらわねばいかぬ。こういうような問題は、金額が四百万や五百万くらい何ぞいという考え方であつたならばたいへんな間違いです。四百万円の金を六箇月間一体だれが貸してくれますか。百万円の金でも借りようとしまとて、短期融資ということでも、どれだけ今日の中小企業者なんか苦労しておるかわからぬ。あなたの方は、国の金ですよ。国の金を品物もないのに六箇月間商売人に支払つておいて、それに損害があつたか、なかつたかについて答弁もしない。たいへん悪うございましたというのでは、これは国の金を預かつて予算を執行すべき責任のある立場といたしましては、私はまことに誠意がないと思う。どう考えますか。何もかもきようはあなたが答弁しておるので気の毒のようですけれども、専売公社としてはもつと決算委員会を尊重なさらねばいかぬ。国会ををつと尊重せねばいけません。私は時間があればまだ聞きたい点が大分あるのです。ぎようさん意見があるのですけれども、これにとどめておるのです。だけれどもこの答弁では満足できない。一体六箇月間も四百何十万円も金を先に渡して品物がなかつたというのは、これは小さい問題としてはいけません。どうも相済みませんということではいけないのです。やはり、こういうことについては、きようになつても遅くありません。二年前にさかのぼつてもおそくありませんから、あなたの専売公社においては、こういうことの結末について、もつと厳正に批判をして、審査をして、その責任の帰趨について明らかにして、ということをせねばいけません。どうでございますか。
  187. 内藤敏男

    ○内藤説明員 私一人でお叱りをいただいたようでありますが、実は審査部というのがこの決算関係のことをとりまとめて扱つておりますので、私が答弁させていただいておるのであります。なお総裁も先日はお伺いいたしまして親しく答弁させていただいたのでございますが、きようはちよつとさしつかえがありまして失礼しております。決して決算委員会を軽視しておるというわけではございませんので、その点は御了承願いたいと思います。
  188. 田中彰治

    田中委員長 委員長として、ちようど専売公社の相当の方がおいでになつておるから、総裁からこの委員会に回答してもらうように帰つたら申し伝えてください。たとえばこういうことをどう考えておるのか。あなた方が国の金としてお使いになつておるのは、国民の血税なんです。専売公社は、たとえばタバコの小売人が、その小売のケースをそこで受けるのを、日が遅れたからといつて、どんどん小売の権利を取上げられたり何かしている。あるいはちよつとパチンコ屋へ売つたとか、そんな大したことではないが、これがやられておる。ホテルがちよつと小売店から買つて来てやつて罰金をとられておる。こういうように国民を厳粛に法律で処理されるあなた方が、国民の血税を何千万円も使つて物を買つて、買つたうちの倉庫でそれを取引する。買つたものを倉庫の中に入れておく。しかもそれを会計検査院に調べられたところが、四百何十万円も足りないようなことがあつた。それから半年も待つて納めさせて、損害もとらなければ、処分もしなければ何にもしない。そういうことをやつておいて、一体それであなた方が普通なのか。ただあやまれば済むのか。そうして総裁などはどういうことでおいでにならぬか知らぬが、あなたが決算の審査部長としてやられるといつて、あなたはこれに対して責任が負えますか。私の方はほんとうに決算委員長としてこれを国民て文書で訴えたりなんかして、ここへ全部の傍聴を許してやつたときに、あなた方は責任負えますか。国民は専売公社をそのままでおきませんよ。今日の思想上、さようでございますかで置きませんよ。共産党やその他の人が宣伝するのと違いますよ。会計検査院に調べさして、国会決算委員会でこういう証拠をあげたということを出して、専売公社はこういうことをして、国民の血税をむだにしておるのだということになつたら、あなた方はそのままでは済まぬかもしれませんよ。私はおそらく暴動化したものが専売公社の中へ押し寄せるのではないかと思う。これに対して総裁がどう思つておるのか、回答してください。回答しなければ一旦これはこれで済ましても、専売公社の事件はまだたくさんありますから、決算委員会で余分に時間を使つてもやります。委員諸君に諮つて、時間をかけて徹底的に専売公社をやりますよ。会計検査院のこんなところに上つておるのは総事件の四分の一しか上つておりません。あなたの方に一千億円もしこういう不正なもの、不当なものがあるとすれば四千億ある。四分の一しか検査しておりません。全部検査したものでありません。しかも刑事がどろぼうをつかまえるのに、いつの幾日にお前のところにつかまえに行くぞという検査のやり方だ。いつ幾日に検査に行くぞと予告しておいてこれだけのものが上つておる。これをもし抜打ちに行つたらおそらくあんた方は刑務所に行つておるだろうと思う。国民がわかつたらどうするのです。あんた方が専売公社として一小売人をいじめておること、一小売人の人たちを法律で縛つておることを考えてごらんなさい。これは総裁から文書で決算委員長のところへ出してください。さもなければ委員諸君に諮つて、専売公社を徹底的にやります。専売公社をつぶすかもしれませんが、どんなことでもやりますよ。よろしいですね。
  189. 内藤敏男

    ○内藤説明員 申し伝えます。
  190. 田中彰治

    田中委員長 それでは天野委員質疑を許します。
  191. 天野公義

    天野委員 今の問題に関連して二、三お伺いします。先ほどこの綱材を消耗器材費で落して設備に使われたようでございますが、当時の法律で行くと専売公社法第四十三条の二に違反することになると思いませんか。
  192. 内藤敏男

    ○内藤説明員 消耗器材費で買い入れましたものを、後に至りましてその品物をほかの方に使うということは間々あることでございまして、予算そのものを転用したものであります。
  193. 天野公義

    天野委員 物にかわつたら流用してもいいのですか。
  194. 内藤敏男

    ○内藤説明員 たとえて申しますと、倉庫に例をとりますと、初めに塩の倉庫として建てても、塩がなくなつた場合にタバコの倉庫にかえることがある。その場合、タバコと塩では項款の流用ということは大蔵大臣の承認を受けることになつておりますが、倉庫の場合はそういう処置をとらないでやつておるのが例になつておるのであります。
  195. 天野公義

    天野委員 今の消耗器材費として物品を買い入れて、今度は設備にそれをまわすということは、私の考えではこの条文に違反すると考えるのでございます。  時間がございませんからその次の点について伺います。この鋼材の購入に関しては随意契約をとつたと思うのでありますが、いかがでございますか。
  196. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これも三、四の業者から見積書を出させまして、そのうちで一番安いものを買わしたのであります。最後の形は随意契約でありますが、入札的ないわゆる見積り合せという方法によつたわけでございます。
  197. 天野公義

    天野委員 これも専売公社法第四十三条の二に抵触するようなきらいがあるのですが、さらに進めてお伺いしたい点は、新光鋼材株式会社はいつ設立されたものでありますか。
  198. 内藤敏男

    ○内藤説明員 資料がございませんのでわかりませんが、たしか二十年ごろじやなかつたかと思います。
  199. 天野公義

    天野委員 新光鋼材株式会社は昭和二十五年六月に設立されております。貸本金が百万円でございます。当時従業員七名でございます。こういう会社にこれだけのものを買う力がございましたか、いかがでございますか。
  200. 内藤敏男

    ○内藤説明員 新光鋼材になる前にたしか名前がかわつた会社があつたと思います。なお新光鋼材にはその前に公社が——これは量は少なかつたが、取引をしておりまして、これならやれるのじやないかということで新光鋼材から買つたわけであります。
  201. 天野公義

    天野委員 前の点は別としても、二十五年の九月に設立されて、従業員が七名という会社で、しかも資本金が百万円、それであとの状況を見ると、契約した品物が納められないで別なものを見せる。そして金だけ先にとつておいて、半年後にやつと品物をそろえるというような状況は、まことに不明朗きわまりない。これは行政監察委員会でも前に取上げられた問題であります。こういうような点は非常に不明朗でございます。この会社には公社関係の方が入つておられたのでございますか、入つていなかつたのですか。
  202. 内藤敏男

    ○内藤説明員 一名も入つておりません。
  203. 天野公義

    天野委員 入つていなければいいのですが、公社関係の方が入られて、そうしてちよこよこと会社をつくられて、中間搾取的な商売をして非常にもうけておるという事例が多々あるわけでございますが、こういう点を一々取上げていたら時間がございません。今後そういう点がないように厳重に監督を願いたいと思います。
  204. 柴田義男

    ○柴田委員 この問題に関しましては、まだたくさん疑問が存在しております。もつとも前にも伺つたのでございますが、日興産業からフローリングを買い入れておる。そういたしまして坪当り千七百九十円かに買つておりますが、これはぶなの一等、ニ等だと言つておりましたが、一等が幾らで、二等が幾らでございましたか。
  205. 内藤敏男

    ○内藤説明員 この前一等、二等と申し上げましたのは、記憶違いでございまして、一等品ばかりでございますが、値段が高いというお話もございましたけれども、あの当時の事情を調べてみますと、これは仕上げたものでございまして、市場では二千円から千八百円くらいということでございました。
  206. 柴田義男

    ○柴田委員 私はこのフローリングを自分でもつくつているのでわかつているので、高いことは明らかなんです。ぶな材でも種類がたくさんございましようが、どんないいものでも、一等品が千五百円くらいが相場なんです。しかもあの当時は朝鮮事変が起きたといたしましても、こういう物資は高くなつておりません。ほとんど今日まで横ばいの状態であります。現実に高いものを仕入たのでございますが、こういうものにあたつて専門的な知識があられるのでしようか。
  207. 内藤敏男

    ○内藤説明員 営繕の技術をやつておるのがおりまして、その方でやつておるのであります。
  208. 柴田義男

    ○柴田委員 議論をいくら重ねましても、調査の方法が別にあると思いますから、次に譲りますが、この前にも総裁に御質問いたしたのでございますが、ここに表面に検査院から指摘された以外に現実に倉庫に寝ころんで使用していない品物がある。こういうことを私が指摘いたしましたら、この場合にはそういうことはない、こういう御答弁でございました。われわれの調査こよつて申しますならば、丸の内の野村ビルの中にある吉野理化学興業株式会社という会社から塗料を仕入れませんでしたでしようか。
  209. 内藤敏男

    ○内藤説明員 塗料は買つたことはございますけれども、この会社から買つたか、ちよつとはつきり覚えておりません。
  210. 柴田義男

    ○柴田委員 現実にその物品が東京地方局の倉庫に保管されております。一年半以上にわたつて全然使用しておりません。この塗料というのは、どういう種類の塗料であつて、何にお使いになる予定だつたのでしようか。
  211. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ただいまのお話ですと、それは防火塗料じやないかと思いますが、そういつまでも置いておくということではなく、相当使う機会はあつたと思います。
  212. 柴田義男

    ○柴田委員 そういたしますと、その塗料はどういう目的で何キロ入りを幾らに買つたということを、ひとつ資料を御提出願いたいと思います。われわれは今日の相場、あるいはお仕入れになつた当時の相場も調査いたしておりますから、お調べ願いたいと思います。
  213. 田中彰治

    田中委員長 その塗料はペンキか何かじやないですか。
  214. 内藤敏男

    ○内藤説明員 火に強いものじやないかと思いますが、調べます。
  215. 田中彰治

    田中委員長 だれの仲介で買つたかということも提出を願います。
  216. 柴田義男

    ○柴田委員 その塗料はやはり目的は何で買つたのか、吉野興業から私が電話で聞いたところによりますと、何か建築に関する塗料であると言つております。
  217. 内藤敏男

    ○内藤説明員 そうすると、やはり防火じやないかと思いますが。
  218. 田中彰治

    田中委員長 それでは柴田委員の要求ですから、買つた会社、それからキロ数、値段、それからその仲介者、経路、支払い方法、それをよく調べて出してください。
  219. 内藤敏男

    ○内藤説明員 さつそく調べます。
  220. 田中彰治

    田中委員長 それでは本日はこの程度として、次会は明後十日、金曜日午後一時から日本国有鉄道所管について審議する予定であります。  本日はこれで散会いたします。     午後四時六分散会