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帆足委員 これはこうな
つております。第十三条の第四号に「第二十三条各号の一に該当して刑に処せられた者」刑に処せられた者の例を皆様に御了解を願うために申し上げますと、「左の各号のの一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」その中の一つとして、虚偽の記載をして海外に
行つた者、これはよろしくないことに当然であります。それから虚偽の記載をして、渡航先の追加再交付を受けた者、他人名儀の旅券を行使した者、旅券をか
つてに他人に譲
つた者、旅券の返納を命ぜられたときに返納せずにいた者、効力を失
つた旅券を間違
つて使
つた者、こういうもので、なおかつそれが悪意があ
つて刑に処せられた者に対しては、そういう差別待遇をし得る、そういう不届きな者に対して——高良さんやその他私どもがしましたのは、それのいずれにも入
つておりません。虚偽の記載はいたしておりません。(発言する者あり)虚偽の記載は全然いたしておりません。そこでそのいずれにも当
つていない。当
つていないけれども、
政府の主観的判断から見れば、私どものや
つたことは
政府として好ましくないということが言えると思うのです。好ましくないということは言えますけれども、法律に違反したとかなんとかいう問題ではこれはないのであ
つて、世の大
部分の法律雑誌をごらんなさい。私どもの
要求の方が正しいというのが、法学界の雑誌の八割まで占めておるのでございます。しかしながら法律の問題というものはやはり多少解釈の違いがありますから、
政府がかく
主張され、われわれが
反対いたしましても、最後の決定は最高裁判所で決定してもらうべきであ
つて、私はそれでいいと思うのです。意見の相違のために争うほどのことでもないでしよう。しかしながら、だからとい
つて今度再び私どもが海外に一歩でも出ようとするのに対しては、一律に一般旅券をやらないというような苛酷なことが——これだけの違反行為、資犯罪法にも当らぬほどの、刑に何も処せられぬ違反行為によ
つて、
外務省からそういうしうちを受けるべき義務はない。その上欧米
局長は現にはつきりと——速記録のままを申しますと、「一般旅券についてお返事をいたしますと、この前の違反云々の問題は、一般旅券を発給するときの考慮になりませんから、出すことは当然であります。」、将来私どもが海外旅行を再びいたしますときに、かくのごとき問題が起りはしないかということを
心配いたしまして、あらかじめこのことを、高良さんの問題と関連して実は土屋欧米
局長にただして、欧米
局長はこういう明快な
答弁をされたので、私は喜んで
政府との意見の相違は裁判所で争いましよう。それで私は釈然といたします。そうして今後のことは欧米
局長がこのような態度をとられるならば、私はそれで納得して参
つたのであります。ところが昨日突然南君のことを聞きましたので、私は非常に不快でございました。従いまして今渡航課長は、欧米
局長の言うたこと、上司の言うたことなどは、わしや知らぬといわれますけれども、私が今速記録を読んで不審にお考えになりますならば、これを差上げますから、どうぞ見てください。これとあなたの今の解釈との
関係はどうなりますか。さらにまた私どもが技術的に違反したことをとがめるのであるならば、ただいまの問題は欧米
局長の解釈で解消しておる。ところが今渡航課長は新しい条項を発明しまして、国益を著しくかつ直接に阻害するに足る相当の理由ある
人物という条項を今何やらつぶやいたようでございますが、私が鉄のカーテンのかなたに旅行したことが、国益を著しくかつ不当に阻害する相当の理由ある
人物の中に入れられるのでありますならば、先日島津赤十字社長は鉄のカーテンのかなたに旅行いたしました。かの地に旅行したというこの事実が国益阻害であるならば、島津赤十字社長もとがめらるべきであ
つて、技術的
条件に違反したという
政府の不快の感情からわれわれを責めるというのであるならば、同時に歌米
局長の御
答弁で解決しておるのでございます。従いまして渡航課長をこれ以上責めたところでしかたがありませんが、むしろ良識ゆたかな
外務次官にごあつせん願いまして、こういうことが二度とないように、良識によ
つて解決していただきたい、私はひ
とつ次官から御
答弁願いたいと思います。