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1953-08-03 第16回国会 衆議院 運輸委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月三日(月曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 原   彪君    理事 川島 金次君 理事 鈴木 仙八君       岡本 忠雄君    高橋圓三郎君       徳安 實藏君    南條 徳男君       山崎 岩男君    臼井 莊一君       岡部 得三君    楯 兼次郎君       山口丈太郎君    熊本 虎三君       世耕 弘一君    館  俊三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石井光次郎君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君         運輸事務官         (航空局長)  荒木茂久二君  委員外出席者         日本国有鉄道副         総裁      天坊 裕彦君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  高井 軍一君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  江藤  智君         日本国有鉄道理         事         (電気局長)  並木  裕君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      立花 次郎君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 八月三日  委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として  楯兼次郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  株式会社鉄道会館等調査に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより会議を用きます。  株式会社鉄道会館等に関する調査を進めます。質疑の通告があります。山口丈太郎君。
  3. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 ただいま議題となりました株式会社鉄道会館につきまして、私は今までの株式会社鉄道会館責任者と、鈴木君その他同僚各委員との質疑応答の点についてのなお疑問の点と、それからさらに鉄道当局に対しましては、東京のみならず、各地方において実際に行われておりまする一、二の点につきまして、質問をいたしたいと考える次第でございます。  私はまず最初鉄道会館当局の方に質問をいたすのでありますが、立花参考人が先日来申されたのによりますと、この鉄道会館建設は、欧州各国をまわつてその運輸事業を調べて来たのであるが、その中で、特に戦敗国であるイタリアがきわめてりつぱな駅をつくつておるのを見て、それで、これは鉄道施設局長として在職中の視察であつて、その当時から計画を立てていた、こういうことでありましたが、その点について、何年ごろからあなたは東京駅のこの会館建設を実際に計画されておつたのか、はつきり言明をいただきたい。
  4. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。東京駅が戦災後仮復旧のような木造建築をいたしまして——八重州口でございますが、それから本屋が焼けましたまま、何ら復旧しないでおつたのでございます。その当馬から、私施設局長をしておりましたものですから、何とかしてこれをはずかしくない駅に仕上げたいということで、いろいろ研究いたしましたのは、昭和二十四年ごろからではないかと思いますが、その当時は全部国有鉄道工事費を出してやろうという案でございました。
  5. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 二十四年ごろから計画をされた。そしてそれはその当時には国有鉄道全部の出資によつてやるというお答えでありましたが、それではその計画内容というものは、どういう計画内容を持つておられたか。いわゆる建築構想等について、ひとつあなたが計画をされていたその計画を明らかにしてもらいたい。
  6. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。その当時からたくさんの案がございまして、たしか三つくらい案があつたと存じます。それでそれは建築様式からいたしましても、いろいろかわつておるのでございます。形もかわつております。それでたいがい高さがやはり三十メートル程度の建築をしないと、場所柄ふさわしくないというので、相当大規模なものになつておるのでございますが、それが建築美的に見ましてどういうのがいいだろうかというような会員会を、たしか二十五年くらいじやないかと思いますが、したことを覚え工おります。民間の相当の建築の大家や大学の教授あたりも出ていただきまして、東京駅を立てる場合にはこのくりいのものは建てなければならぬだろうという委員会をしたと覚えております。
  7. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 この二十五年ごろに設けられた委員会と申しますのは、これはやはり施設局長としてのあなたが計画をなさつたのですか、それとも他の人が計画を献策してやつたものですか、その点をお伺いします。
  8. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。施設局長だけではそういう委員会はできないのでございまして、当然国有鉄道庁議としてやるわけでございます。それから私の発案かどうかとおつしやれば、どうお答えしていいのかよれはつきりいたしませんが、とにかく施設局といたしましては、駅復旧というものを、焼けつばなしで何もなくしておくわけにいかぬのでございまして、計画は続々立てなければならぬ、これは本来の任務でございますから、そういうことをしたと申し上げたらいいのじやないかと存じます。
  9. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それではあなたが施設局長としてのいわゆる本来の任務として、東京駅のこういう建築計画を発案した、そうしてその庁議にかける基礎をつくつた、こう解釈してよろしゆうございますか。
  10. 立花次郎

    立花参考人 さようです。
  11. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それでは私は今度は副総裁にひとつお尋ねいたします。あなたは前の証言のときには、確かにこり案を計画したのは、施設局長がやめて、株式会社鉄道会館に行かれて後に行つたものだ、かように言明されていることを承つておるのでありますが、これは今の答弁とははなはだしく食い遅いをいたしておるわけであります。あなたはどういう計画であつたか、ひとつはつきり承りたい。
  12. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまの立花さんのお話は、立花君が施設局長在任当時、主国の駅の建築の問題と一緒にして、東京駅についても一案を整備してやつてつた、こういう話であります。しかしながら国鉄全体の最後の取上げ方しして、東京八重洲口の問題をどうするか、いよいよどうするかと本格的に考え出したのは、立花君がやめたあとであります。
  13. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 どうも今のあなたの答弁で私は納得行かないのです。立花証人は高さ三十メートルくらいを限度として、最も東京駅にふさわしい庁舎こつくらなければならないということで、施設局長本来の責務としてこの計画に当つた。しかもそれは庁議に付し」委員会までつくつていると言つてい〕 じやありやせんか。それが何で具体出していないのですか。あなたの見解はどうなんです。
  14. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいま申し上げました通り立花さんは施設局長として、いろいろ東京駅に関する一案を持つておられたのであります。しかしながら国鉄といたしまして、それをすぐ取上げるかどうかは別の問題でございまして、国有鉄道として本式的に八重洲口の問題を取上げようという決心をいたしましたのは、この前申し上げました通り、二十六年の五月ごろであります。私はちつとも食い違いはないと思つております。
  15. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あなたはどこまでもそういうふうにすなおに答弁をされないところが私は遺憾だと思います。はつきりとした事実を証人言明しているのでしよう。あなたはもしこの八重洲口が焼けて、ああいう醜い状態に置かれている。当然施設局長としてその職責上から申しても、この東京駅を何らかの形において復興したい。そのための計画を献策するということは当然責務としてなさなければならぬことである。それをあなたはどこまでも隠蔽するというなら、私は覚悟があるのです。いよいよ計画を立てて、これを具体化して行くということと、計画を立てたということとは別なんです。別に考えなければならぬ。その計画を立てたという事実を証人言明しているにもかかわらず、なぜあなたが隠蔽しなければならぬか。その点が私はふしぎでならぬ。
  16. 天坊裕彦

    天坊説明員 私は隠蔽とか何とかという言い方ではないのでございまして、施設局長八重洲口の方に関して一案を持つているのは当然だと考えます。施設局長一案をこしらえておつたことを私はちつとも否定しておるわけでございません。しかしながらそれをいつから取上げるか、あるいはそれにもつとほかの意見を聞いて直すかどうかということは、別の問題であります。私どもが八十周年の記念の仕事として、八重洲口を本式に取上げるかどうかという決心をしたのが二十六年の五月ごろである、こういうことを申し上げたのであります。
  17. 立花次郎

    立花参考人 ちよつと誤解があるようでございますから、もう少しはつきり申し上げておきたいと思うのでございますが、施設局長として私がいたしましたのは、そういうふうに高架下に店を出すとか、本屋の中にたとえばどういうデパートを入れるとかいうような問題ではないのでございます。建築美的にいいますれば、本屋はこのくらいの大きさでないとつり合わないとか、こういうふうに矩形のものがいいとか、あるいはいろいろ形のかわつたものがいいとか、そういう問題をやつておるのでありまして、決して中に店を入れるとか、どういう区画割りをするとかいう問題ではないのでございますから、その点、今度の計画とは関係ないと申し上げてもいいのじやないかと存じます。
  18. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あなたは、質問がややこしくなつて来ると私をごまかそうとしても、めつたにごまかしはききません。そんな答弁のあいまいさというものがありますか。計画を立つて——それでは立花証人一つ質問をいたしますが、あなたは昭和二十七年の九月にこの現職につかれたのは間違いありませんね。
  19. 立花次郎

    立花参考人 さようでございます。
  20. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 そうして局長を退職されたのは、昭和二十七年の三月ということになつておりますが、これも間違いありませんね。
  21. 立花次郎

    立花参考人 さようでございます。
  22. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 そうしますと、あなたが今証言されたところによりますと、あなたがこの国有鉄道玄関先をよくしたいということで、発議をするという意思を持たれかけたのは昭和二十四年でしよう。三年間もかかつておる。三年間もかかつて、しかも二十五年には、こういうことについての委員会が設けられているのです。そういたしますと、あなたがどれほどに言われましても、こういうものを建てるのだという構想をそのときにきめられていることは間違いはないのです。私はその中に大丸を入れるとか、あるいは名店街をつくるとか、さような具体的な計画というものを言つているのじやない。この構想をたくましゆうしたことは間違いないのですよ。そうでしよう。これはとうてい国鉄ではやれないから、民間資本を投入してでもこれをやろうという、これを建築するに当つて一つ計画具体性というものは、相当幹部において立てられたのでしよう。私はそのことが不正だとか何とか言つているのではない。あなた方は国会最高決議機関で証言なさるのですから、これは国民誤解を解く最大の一つ拠点なんです。その出発拠点にそのように食い違いを来させておいて、そうしてまたそれが誤解だとか何とか言つて、ぼくの方を逆にさかねじを食わすようなことをなぜ言うのですか。それではますます誤解をせざるを得ないと私は思うのです。見解をひとつ明らかにしていただきたい。天坊総裁からお願いします。
  23. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいま申し上げました通りでありまして、施設局長は当時八重洲口が焼けましたあと、これをどうするかということについては一案を持つてつたわけであります。しかしながらこれをすぐそのままで、いつからどうしようかということは全然きまつていないわけであります。そこでそういう一案がありましても、いよいよ実施するときには、たとえば構想そのものだけにつきましても、もう一ぺん審議にかけてきめるわけでありまして、それまでは案であります。その案を立花さんが持つてつたということは当然でありまして、その当時もし鉄道のああいうことに対する意見はと言われたら、それは当時立花さんは施設局長としてこういう案を持つているとおそらく言つたろう、こう思います。それも間違いないのであります。
  24. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 大分明らかになつて参りましたが、それではこの計画実行に移すにあたつては、いつごろからこの民間資本を導入して、このようなりつぱな会館を建てるということの計画決定しましたか。あなたはその決定決裁をしているはずでありますから、その決裁の日取りを明らかにしていただきたい。
  25. 天坊裕彦

    天坊説明員 昭和二十七年の五月二十三日に東京八重洲口本屋建設計画委員会規則というものを達第二七六号というもので出しまして、それで鉄道内部委員会をこしらえて、それで具体的に計画の策定にかかつたわけであります。そうして数回にわたつて審議を重ねまして、約一月半くらいかかつて結論を出したわけであります。それで一応の案として加賀山氏に書面を出したのは二十七年六月三十日ということになつております。
  26. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 そういたしますと、このようになつて参りますと、加賀山氏あるいは立花氏がやめられたのは——これはいい、悪いというのではないのですけれども、やはり何と申しても、立花さんがこのように三年も四年も前から東京駅の美観のために、施設局長としての責任のおいていろいろと計画を立て、そうして庁議に諮つて委員会も設け、その結果、結論として出たものは、やはりその東京駅を美化するということのはどなたも賛成をされた、こう私は見るのです。そうしてその賛成をしたものを具体化するために、やはり今の予算から行けば、どうしても国鉄だけの予算ではできないから、従つて民間資本を入れてでもひとつそれを実行に移そう、こういう決定もされた、こうはつきりすなおに純真に考えていいと私は思う。そういう場合には、やはり二十七年の五月二十三日にいよいよあなたのところへ一議を仰いで、決裁をする、そういたしますと、その間には、どんなに申されても、この計画実行に移すためには、鉄道に理解のある人をその会社首脳部に迎えなければならぬというので、少くとも暗黙のうちにせよ、あるいはまた非公式な了解のうちにもせよ、加賀山氏が引かれる場合においても、あるいは立花氏が引かれる場合においても、そういう将来というものを託されてのことだと私は考える。しかるに最初には全然それを否定したような言明であつたが、あれは間違いではないかと私は思うのですが、いかがですが。これはすなおに、正直に、政治的とかなんとかいう含みじやなくて、単刀直入にあなたはお答えにならないと、私はますます混乱することをおそれるし、今日ほうはいとして国鉄内部における経理面においての疑惑というものが、毎日大きく新聞に報道されている現状にあるのですから、これを解くためには、あなたはすなおに、政治的な含みだとかいうことじやなくてお答え願いたい。
  27. 天坊裕彦

    天坊説明員 今のお話は二人に関係しておりますが、加賀山氏は御承知のように、その前の年、二十六年の八月にやめております。これはやめることとこの鉄道会館とはその当時から関係は全然ありません。立花さんがやめたのは二十七年の三月であります。その当時、その年から鉄道会館に手をつけるかどうかはわからなかつたので、そのやめるときにはそういう約束ができていることは絶対にございません。ただ将来東京駅の建築にかかるような場合においては、立花さんが適当だろうという考慮は私の頭の中にあつたかもしれませんけれども、そういう約束ができる筋でもないし、またそういう約束ができておつたとも考えません。
  28. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 きわめて巧妙な答弁だと思いますが、自分の考えていたことを、考えていたかもしれないというようなことは、これは公式の答弁として通用することかどうか、そういう点疑わしい。自分の考えていたことも疑つているような御答弁に実はなつている。そういうことは私はどうも考えられないので、なぜあなたは自分の考えていたことを、考えておつたんですと、すなおに言い切れないのですか。どうもその点、これについては何らかの疑問があるのじやないかということを私は疑わざるを得ないが、どうでしよう。
  29. 天坊裕彦

    天坊説明員 正確に申すなら、その当時そういう約束は全然いたしておりません。
  30. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それではその次に参りまして、私はさらに質問をいたしますが、最近これらの問題が国会の問題として非常に取上げられるようになつて参つたのでありますが、天坊総裁自身各党派をまわつておられるようであります。私も実際に見たのでありますか、そうとうことはどういうわけでやつておられるのか承りたい。
  31. 天坊裕彦

    天坊説明員 この問題がいろいろ問題になりまして、各党ではもう少し内容を詳しく説明しろ、こういうお話を承りまして、それぞれ向うの御要求に応じて説明に参りました。
  32. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 各党の要請で参られたのであるならば、必要ないということであなたの出席を拒否するようなことはないはずであります。それを拒否されているような事実も私は承つておるのでありますが、そういうことがあつたかなかつたか、お答えを願いたい。
  33. 天坊裕彦

    天坊説明員 拒否されたというお話は、私は何ら心当りはございません。
  34. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 全然その事実はありませんか。
  35. 天坊裕彦

    天坊説明員 ございません。
  36. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それでは、それはあとの問題にいたします。  あなたの今までの答弁によりますと、この株式公募にあたつては、自分職場環境をよくして行くというために、国鉄職員も進んでこれに応じた、こういうふうに答弁をなさつていると思う。私も私鉄の一従業員でありますから、自分職場が美しくなるということは全然賛成であります。一労働者といたしましても、私は賛成でありますし、それらの職場を新しく建設して参るということについては、私はこれに異議をはさむ理由はないと思います。しかしながらこの公募の方式については、共済会から金が出ているようであります。これも先ほどからの答弁で明らかになつているところでありますが、この共済会を通して従業員から応募されました株式の金は、実際にその個人の負担になつているものか、あるいは共済会がその株を全部掌握していて、そしてその金が——あるいは借りたものもありましようし、あるいは自己資本出資したものもあるでありましようが、しかしそれらは、その共済会財産として置かれておるものか、あるいは個人財産に全部渡つておるものか、この点をお尋ねいたします。
  37. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまの御質問の前段でありますが、これは山口委員も今自分の体験でお話がございましたが、鉄道現場職員東京駅というものに対しては、一つのあこがれを持つているわけであります。これがほかの駅でありましたら、そういうようなかつこうで、おれもひとつ金を出してみようなんという気持は毛頭なかつたと私は思う。東京駅だからそういうことはできたんだろうと思います。  それから共済会と言われましたが、これは非常に誤解がありますので、まぎらわしい名前として、ほかに弘済会というものもございます。日本国有鉄道共済組合であります。そして共済組合から成規手続を経て一億円出資したわけであります。それは個々組合員とは関係のない組合の金であります。それから同時に鉄道職員がふところのなけなしの金で十株でも十五株でも持ちたいという希望を募つて、若干の金のやりくりをめんどうを見まして、個人として一万五千人ばかしで一億八千万円ぐらいの金を出しておる。これはみな個人が出しておるわけであります。小さい株主でありますから、その議決権行使株主権行使というものについて、一応便宜的に共済組合責任者にまかしているものもあり、まかさないものもある、こういう姿であります。
  38. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 その議決権行使等共済組合にまかされておるということは、純然たる個人財産として行われる場合においては、これは若干おかしい仕組みになつておるのではないかと思いますが、それは一体どういうわけですか。
  39. 天坊裕彦

    天坊説明員 先ほど申しましたように、一万五千人の株主が一億八千万円はかり持つているのでありますから、全国に散在しておりまして、自分株主総会に出てくるのに、いろいろ不便があります。そこで委任状をつけてそういうところへまかしてもいいという八はおまかせなさいということで、そういうことは自申意思できまつているのであります。
  40. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はそれは当然自由意思でしかるべきだと思います。しかしその自由意思行使というものが、共済組合から金を借りていて、実際にはその実権は共済組合にあるために、委任状共済組合の方に出さなければならぬのではないかとも私は受取るのですが、そういう点いかがでしよう。
  41. 天坊裕彦

    天坊説明員 共済組合個人にこういう場合でなくて、便宜に貸付をいたしております。この鉄道会館の場合にはこれに出資するために金を貸そうかどうかということで議論がありましたが、結局共済組合としては個人に貸さなかつたのであります。従いましてただいま申し上げましたことは、個々職員自分で金のやりくりをつけて出資し、その株主権については委任状によつて必要に応じてその行使をまかしたということでありまして、強制するというような問題はちつとも起つていないと思います。
  42. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 この共済会が今直接一億円の出資をし、さらに一億数千万円のものを従業員個人名義として募集したもので、金の足らないものに貸し付けておる、この共済会の金というのはどのような径路を経て出資されておりますか、共済組合自身自己資金であるか、あるいは当局援助資金をてれに充てておるか、この点について向いたい。
  43. 天坊裕彦

    天坊説明員 共済組合組合員掛金鉄道からの掛金に相当する額だけり出資、持分に応じての出し前で一緒に運用しておるわけでありますが、そり運用資金の一部について成規手続と出しておるわけであります。従つて火済組合財産の中から出資しておるわけであります。
  44. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 立花参考人質問をいたしますが、あなたは先日の鈴木委員質問に対して、今工事がもし中止を命ぜられるような、あるいは中止のやむなきに至るようなことがあれば、この損失と信用の失墜についてはたいへんなことになる、そうして事業遂行は非常に困難になつて、とうていできることではない、かように答弁をされております。しかし私は今日どう考えてみましても、自動車の請願あるいはその他にしましても、国営ということを国民全部が言つておるのです。また公社としての性格を国民全般は承知いたしておりません。そういたしますと、交通機関というものは民営でやつて利潤追求するよりも、国営で運営されることの方が有利になる、こういうことが国民の頭にあるわけであります。そういたしますと、この鉄道会館などの問題で国が営まなければならない諸施設について、民間資本援助を受けなければできないということは、今のような国民の常識的な考え方においては、国のためにも面目を失墜するものであつて会社の面目どころの騒ぎではないと思う。あなたも長年鉄道に従事されて今日に至つておるわけでありますが、それでも会社が大事と思われるか、あるいは国の面目というものをどのように考えておられるか、ひとつ承りたいと思います。
  45. 立花次郎

    立花参考人 会社の面目なんということは、私何とも考えておらないつもりでございます。ただ東京駅の理想的な建設ということになりますと、非常に大きな資金がいるのでございます。それで私ども一番今苦慮しておりますことは、まだ十億円以上のお金を何とか融通しなければならぬ。どこかから借りて来なければならぬというような大きな問題があるのでございます。これは非常にむずかしいことでございまして、今日の財界、経済界、そういうものとの関連においてこれを実現しなければならぬ。そういう財界、経済界方面におきましては、信用ということが何より一番大事でございます。それですから、一ぺんあの工事中止されたんだということになりますれば、お金を出してくれる人がないわけでございます。それを私は申し上げたのでございまして、会社の面目なんということは、ちつとも考えておりません。ただせつかくあそこまでできかかつているものを、今中断させれば、でき上らなくなつてしまう。そうすると東京駅の駅頭に、せつかく掘りまして鉄骨を上げましても、吹きさらしのような状態で置くのはまことに残念である、こういう趣旨から申し上げたのでございます。
  46. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は、そのいろいろな問題についての疑点の解明なくして、会社の面目は立たないと思う。いわんや先ほど申しましたように、われわれが常識として考える公社の考え方と、国民一般が考えておりまする鉄道の考え方とは、まつたく違つておる、そういたしますると、この問題は、資金が何千億かかりましても、その資金というものに対する問題は別であります。国の面目、こういう点から考えますると、一体この財産は今日の法律的な解釈から申しますると、あるいは国有ではない、公社の所有である、このようにあなた方は主張なさると思うのです。しかしながら、たといそれが公社のものであろうと何であろうと、これは国有でなければ、公有のものです。いわゆる日本国民全体の公有物だと私は考える。その公有物件としてのあの会館の問題について、そのように国が民間資本を入れなければ建てられないのだ、それではまつたく私は国の面目というものがまるつぶれになると思うのです。そのような面目の失墜というものは、資本を有しておる一民間会社がどのような資本力を持つておるといたしましても、私は国家あつて民間資本であると思う。そうなりますると、これはまつたく国の面目の失墜ということになると思うのですが、天坊総裁意見を承りたい。
  47. 天坊裕彦

    天坊説明員 鉄道国民財産と申しますか、国民から信託されて、大きな次首線路、財産、すべてをお預かりして、国有鉄道としてこれを運営して参つておるわけであります。ところでこのお預かりした財産を、私どもとしては、公共企業体として国有鉄道法第一条にきめられた線に沿つて、本来の鉄道事業の完璧を期して運営して行くとともに、さらにお預かりした財産等をできるだけ有効に使つて、できるだけ効果を上げて行かなければならぬということもまた、私どもの任務一つなのであります。そこで東京駅のいろいろな設備の中で、国有鉄道として本来の目的に支障のなと限りにおいて、ある程度鉄道として有利に話ができるということについては、国有鉄道総裁としてそういうやり方をすることは、ただいまでは許されておるのであります。ただそのやり方について、もう少し幅広くいろいろな御意見を承るとか、あるいはまた国有鉄道としてそういうことをやるべきであるとすれば、もう少し国鉄財政に余裕ができてからやるべきであつたかというような点は、いろいろと私ども反省させられましたことは事実でありますが、鉄道会館をして発足せしめたということ自体は、法律的には私は支障がないと考えております。
  48. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あなたは法律的法律的ということで、まつたく事務的にものを考えておられるようでありますが、面目というものはそういうものじやない。今申し上げたように日本の鉄道というものは、やはり昔と同じように国の経営しておるものだ、これが国民の常識なんです。でありますから、どれほどにあなたが言われましても、八千万の国民にあなたが言われるような、それだけのことが徹底されるかといえば、決してそうじやない。そこであなたは国の財産の代表、国民の代表と考えなければならぬ。その国民の所有物件を代表している代表者が、一民間人の利潤追求のために公器を私契約して、しかもこのような契約内容のずさんさで、国民から大きな疑惑を招くとすれば、これは大きな国民的信用の失墜である、このように私は考えるのです。それでもなおあなたは、法律的に根拠がないからといつて、そのような面目を失墜していない、このように考えられるのかどうか。私はもう一ぺんその所信を明らかにしておきたい。
  49. 天坊裕彦

    天坊説明員 この問題をめぐりまして、いろいろと世の中から国鉄に対する信用について疑われておりますことは、はなはだ私ども遺憾に存じております。従つて、できます限り私どもも御納得の行くように説明し、御理解もいただき、私どもの大きな契約の仕方について手落ち等がありまする問題については、手落ちは手落ちとして率直に認め、大いに直すべきものは直して参りたいというふうに考えております。ただ山口委員がおつしやられましたように、私どももはつきり私どもの仕事は国の仕事に違いないというように考えてやつております。ただ具体的に、東京駅のあの場合は、実は皆さん方に喜んでいただくつもりで考えて行つたわけでありまして、たまたまそれが何と申しますか民間資本と、今の山口先生のお話のように、一緒にしてやるという行き方についていかぬという山口先生のお話でありますが、そこらは若干見解の相違もあろうかと思います。
  50. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 二の疑惑の点で、きようも新聞に出ておる。このごろ毎日新聞に出ていないことはない。このくらい大きく輿論の疑惑が高まつておる。ですから、この疑惑を最大限にここにおいて解くのが国会責務であると考えておるから、私は質問をしておるのです。決してあなた方の非を追究するとか、さようなことは私は念頭に置いて考えておるのじやないです。私もこの国家の最高決議機関の一員として、あくまでも公正妥当な結論を得たいと思つております。その結論というものは仮借のないものでなければならない。どつちに偏してもならない。あくまでも私はこの国民的な疑惑というものを解くために、中道をとつて公正な結論を導きたい。そうして一日も早くこの疑惑を解きたいと考えておるのでありますから、従つてそのような考えでひとつ答弁をしていただきたい。  今あなたは見解の相違と申されましたが、見解の相違といえばそれまでかもしれませんが、ただそのような言葉てこの問題を処理するわけには私は参らないと思うのです。見解の相違があるにしましても、その疑惑というものを明確にすることが国民に対する親切なんです。あなた方も国民に対してもう少し親切でなければならぬ。でありますから、そういうようなことでは私は納得ができない。この計画についても、私は先ほどから申しましたように、民間ではどのように高層建築物を建てようといたしましても、建築法というものがありまして、それで制限を加えられておる。しかるにこの計画内容を見てみますると、はるかに建築法によるところの制限を上まわつておるのです。そうすると、これは民間資本を入れておきながら、いわゆる国という背景があればどんなことでもできるのだということを、東京駅前で証明するようなことになると私は思う。こういう点について、この計画を立てるにあたつて、あなた方はどういうふうに考えておられるか。
  51. 江藤智

    ○江藤説明員 お答えいたします。国鉄になりましてからは、われわれの丁事そのものでも、建築に関しましては所定の許可をとるのでございます。ましてこのたびの鉄道会館につきましては、正式に百尺以上のものにつきまして——そのほかのものにつきましても許可をとつておりますけれども、これが大体百尺以下でございますと、そうむずかしゆうございません。しかしそれ以上の建物になりますと、正式に委員会に諮りまして、それで決定をしていただくことに相なつておるのでございまして、すでに渋谷の東急の建物でその委員会通りまして、十二階のものもできる許可になつておるようでございます。それとまつたく同じ方法によりまして委員会に提出されて、そしてその許可を待つ、こういうことに粗なつておりますので、国鉄の建物としてやつたならば、そういう法規を免れるということはただいままつたくございませんので、御了解願いたいと思います。
  52. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それではその許可はもうとつてあるのですか。
  53. 江藤智

    ○江藤説明員 十二階の点につきましては、私の聞いております範囲では、過去数回にわたつて委員会にかけられまして、まだ正式には参らないそうでございますが、大体了解を得ておる、こういうふうに私は聞いております。
  54. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 正式の許可も得てないものが、どうもそのままの計画において実行されるというところに、私はまた変なものがあると思うのです。なぜその正式な許可を得た上で、この計画実行するということにしないのか。こういう十二階建のものが、すでにあなた方によつて大々的に宣伝されているのでしよう。そうですね。そうすればあなた方はまだ許可がおりないものだけれども、おりるであろうということを見越して、そしてこういうふうなことをすれば、公正な委員会結論は出せなくなるのじやないかと思うのですが、そんな強引なやり方がありますか。
  55. 立花次郎

    立花参考人 ちよつと御説明が足りないので誤解があるといけませんから、私その関係を申し上げます。終戦後建築基準法というものがかわりまして、建築基準法の中に特例を認められまして、そうして地方長官が、三十一メートル以上の建物をつくる場合には、建築基準法によつてきめられました建築審査会——これは各都道府県にあるのでございますが、それの同意を得れば特殊の例を認められるという条項があるのであります。それですでに大阪の駅頭には、第一相互ビルの四十一メートルのものができております。東京駅の場合も、あそこは普通の駅と違つて東京のまん中であるから、優先してそういうものを特例でやるべきだという輿論が非常に強かつたのであります。これは専門家の方面からでございます。そこで私どももその特例を認めることといたしまして、前年の十二月三日にすでに東京都にそれを申請いたしまして、そうして東京都長官はその御許可を与えられる御方針のもとに、建築審査会にその書類を回付されたわけであります。それで二月から六月まで四箇月間、非常に審査が長引いたのでございますが、やつと建築審査会で同意を与えられることに賛成いたされまして、そうして今度は東京都知事から正式の認可状をいただけば、これは成立するわけでございます。そういう事情になつております。
  56. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はそういうようなことはどうこう申しませんが、まだ正式の許可も得ていないのにこういう既成事実をつくつて、そうしてやつて行こうというようなやり方は、純然たる民間会社ではできない相談です。実際に大阪にもできておりますけれども、しかしこれはちやんと許可をとつた上でです。まだ一気にそういう工事ができなくて、そうして大阪の今言われたビルのごときは、一旦中止して、完成の検査を受けて、そのあとでまた工事を再開してつ繼ぎ足したというような事情にあるのです。このような手間のいつたやり方をしておるのであるけれども、しかしそうではなくて、許可を受けていないのに、そのままそれを宣伝してやるというようなことは、あまりにも強引ではないかと思うのであります。こういう点もわれわれ国民の考え方によつて行けば、これは一般に考えると、何でもかんでも、国家あるいは国鉄というものが背景にいれば、どんなものであつても既成事実としてやつて行けばそれでよいのだ。これではまつたく東条時代のやり方と違いがない。こういうようなことは国民の中においても、いろいろ疑惑を生むもとになり、同時に法律を守らないというような風潮、いわゆる綱紀紊乱になつて来ると私は思います。こういう点はよほど注意を要する問題だと思います。従つて私はできればそれは十階くらいで工事を一応中止して、計画を変更すべきである、こういうふうに考えるのであります。  それからもう一つお尋ねをいたしますが、権利金とか何とかいうものはとれない。そういたしましても実質的には三億数千万円のものを小さな商売人からとつておる。そうして聞くところによりますと、大丸からも相当なものが入つておる。これは技術的にはなるほど権利金ではないかもしれません。また家賃でないとも申されるかもしれません。しかしながら実質的にはこれは家賃で、将来三年間なら三年間に差引をするということでありますならば、これはやはり家賃と申さなければなりません。これは何といつてものがれることのできないものである。それにもかかわらず何ら税金的の措置も講ぜられていないということは、大きなる疑惑だと思いますが、これについてはどのように考えられるか。もう一度明確にしていただきたいと思います。
  57. 天坊裕彦

    天坊説明員 鉄道会館がすでに名店街等から前家賃として金をとつており、あるいはビルディングの方から、大丸からもとつておるかもしれませんが、鉄道会館からいまだに一つもとつていないのは不合理ではないかというお話でございまして、その点はこの前から申し上げております通り、本来ならば当初から鉄道会館国鉄との間に、これだけの使用面積に対してこれだけの料金をとるということをはつきりさせて、あるいは実測が正確にできないならば概算でもとるべきであつた。その点は確かに手落ちであつたので、まことに申訳ない次第でありまして、早急に概算でもとりたいというふうに考えます。
  58. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 都合が悪ければ手落ちだ、あるいは見解の相違といつてうまく逃げられるようでありますけれども、手落ちでも何でもないのです。もし手落ちだと認められるならば、計画的、意識的にやつたものだと思います。それが鉄道会館の収入であるとすれば、あなた方は大きな脱税をやつているのです。またもしそれがあなた方の収益になつておるとすれば、その収益というものが上つておるはずです。しかしそれが上つていない。一体そうするとその金はどこへ使われたのか。この二つの大きな疑惑というものがあると思います。この点は明確にされなければならぬと思う。またもう一つは今の建築にいたしましても、当然変更しなければならぬと思う。建築法の最大限に許されておる向き以上のものは、当然中止すべきである。こんな無法な建築をするということ自体がおかしい。あなた方はこれについては許可がおりるまでは、この不法建築物について計画を変更する意思があるかないか、これもはつきりしてもらいたい。
  59. 立花次郎

    立花参考人 誤解もあるようでございますから、お答え申し上げるのでございますが、実はただいま建築認可をとつておりますのは、八階まででございます。これは建築審査会の同意が得られない前に工事をしなければなりませんものですから、さしあたり八階までの認可をいただきまして、それで工事をさしておるわけであります。六月半ばと思いましたが、建築審査会が同意を与えられましたから、今度は東京都知事が正式に十二階の御認可をしてくださるわけであります。その正式の認可がなければ、八階以上は建てることができないわけであります。私どももその点は十分心得ております。  それから第二の問題の前家賃をとつて、その税関係はどうなつているかという点でございますが、前家賃はあくまで店からの借入金として扱います。そして七月から開業いたしましたから、たとえば今期について申しますれば、七、八、九——九月は決算期でございますが、三箇月の家賃が借入金勘定から会社の収益勘定になつたことになるのでございます。そうすると、それが約二千万円になると思います。この二千万円に対しまして会社の諸経費を計算いたしまして、そこで収益計算が出まして、もし利益が出まするならば、それに対して収益税がかかるわけであります。そういう計算になつておりますから、脱税でも何でもございませんから、その点誤解のないようにお願いいたします。
  60. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それではその借入金は、どのような利子計算をやつておられるのですか。
  61. 立花次郎

    立花参考人 前家賃については、利子はつけないという契約になつております。
  62. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それは矛盾しておるではありませんか。今借入金だと言われた。借入金ならば当然それは利子を付さなければならぬものなんだ。しかるに一方では、同じ金でありながら借入金だと言われ、一方こおいては前家賃だと言われる。利子を払わないというのは何事ですか。何と言われてもそれは明らかに家賃と言わざるを得ない。そうすれば完全に脱税じやないか。ただ名目的にそんなことをするのは幾らでもやれますけれども、そんなことが許されますか。しかも東京駅の玄関口においてさようなことが行われているということは奇怪千万だ。はつきり答弁を願います。
  63. 立花次郎

    立花参考人 前家賃につきましては、利子をとらないという例はたくさんあると思います。
  64. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 幾らでもあると言われるならば、今までにあつた事例を全部あげてください。
  65. 立花次郎

    立花参考人 日活国際会館がやはり前家賃式でやられております。日活国際会館の場合におきましても、前家賃につきましては、利子を御請求になつておらない契約のように承つております。
  66. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 一つの例をあげてそういうことを言われましたが、それにいたしましても、これは完全な脱税だと思うのです。もしそういうことがあるならば、税務署を督励をして、摘発しなければならないと思う。そんなことがあるならば、これは悪いこととして、当然私は正さなければならぬと思う。あなたは悪い例を引いて、悪い模範を示めそうとするのですか。
  67. 天坊裕彦

    天坊説明員 国鉄鉄道会館関係におきましては、先ほども申しました通りに、片方で開業にまで至つておるのに、地代等についてまだとつていないということは、はなはだ申訳ないと思つておりまして、早急にとるような運びをいたしております。鉄道会館としてやりくりをどういたしておりますかについては、私はわかつておりません。
  68. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あなたは当局として、国鉄の収入にこれが上げられるようはつきりしていなかつたことはまことに申訳ないというのですが、これはもう何回も聞いておるのです。それは先ほど私が申しましたように、あなたはいわゆる公有物権を管理するにあたつては、良識ある管理者としての措置をとらなければならない。これはあなたの責任です。総裁責任です。あなたはこのようなずさんなやり方をしておつて国民の前に良識ある公有物権の管理者として、十分なる責任を果しておるとお考えになりますか。どんなことをしても、あとで申訳ありませんと言えば、それで済むと思つておるのですか。これをはつきりしていただきたい。
  69. 天坊裕彦

    天坊説明員 先ほど申しました通り、手落ちは明らかに手落ちであります。その点は非常に申訳ないと思います。早急に概算でもとりたいと思つております。
  70. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は地代が取立ててないからということだけで質問しておるのではないのです。いわゆる家賃の問題にいたしましても、片方で答弁するときには借入金だといい、片方においては前家賃だという。しかもそれがどちらの収入にも入つておらない。このようなことは、鉄道会館責任者として良識あるやり方であると思いますか。立花さん、どうですか。
  71. 立花次郎

    立花参考人 前家賃をとりまして建設いたしましたという例はたくさんあるのでございまして、今山口さんのおつしやることは、何か誤解に基いておるのではないかと思うのです。これはちつともさしつかえないのでありまして、例はたくさんあるのであります。
  72. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 幾らでも例があると言われるが、こんな悪例はありません。私どものところでビルを建てるときにも、前家賃はとりました。しかしそれはちやんと会社の収入に上つておりまして、所定の手続をとつて税金を納めておりますぞ。しかるにあなたは片方では借入金だといい、片方では家賃だという。しかも当局とは何らのそれに対する賃貸契約もしていない。それではこの金が一体どこへ行つたのかわからないではありませんか。
  73. 立花次郎

    立花参考人 わかりました。会社の会計帳簿には、賃貸料としてちやんと上つております。
  74. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それならば、なぜ賃貸契約をちやんと結んでおかないのです。ここで指摘されたから、それで初めて気がついた。どうせ内輪だから少少ルーズであつてもいい。あなた方はこのようなぐるになつた考え方でしよう。それじや国民は許さないですよ。
  75. 立花次郎

    立花参考人 賃貸料のことにつきましては、手続が遅れておつたのは、はなはだ申訳ないわけでございます。それで昨日土曜日に鉄道から大体額の示達がございまして、きようにも徴収令書を出していただきまして、お納めしたいと思つております。
  76. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あなた方はくろうとであるから答弁は非常にうまいが、しかしうまいだけをもつて国民の疑惑が解けないことを承知しておいてもらいたいと思うのです。このようにずさんなことで公有のものを借りられるならば、私も借りに行きましよう。そうして自由にそこで営業することができると思うのです。こんなことをやつては将来どうなるか。大阪駅などにおいても、あるいは神戸駅などにおいても、すいぶんずさんなことが行われているのを私は知つている。これはあとでもつと国鉄当局質問をしたいと思つておりますが、今は会館だけの問題になつておりしますからそれには触れていないのですが、幾らでも知つている。あなた方の実際にやつていることのずさんさ、もうなつていない。しかもそれらは、立花さんもよく聞いておいてほしいが、このようなことをして、そうして国鉄は赤字である。従つて運賃は値上げしなければならぬ、どうせなければならぬ、このようにして、すべてはやはり利用者にみなしわ寄せされて来るのです。一方においてこのようなずさんなことをしておきながら、一方においては、公共企業体等労働関係法により縛られている労働者の給与にいたしましても、あなた方はそれを一ぺんもまともに実行していない。その理由は何かというと、赤字だからということなんです。予算がないという、こういうことなんです。予算がないないと一方で言うておきながら、一方においてはこのようなずさんなことをしている。そうして従業員に一体どのようにあなた方は答弁をし、弁解をしようとされるのか。従業員がこれを知つたならば、たいへんな動揺を来すと思う。あなたはその責任者としてどういうふうに考えておられるか、所信を明らかにしてもらいたい。
  77. 天坊裕彦

    天坊説明員 前々からも申し上げましたように、国鉄財産管理につきましては、大体原則として地方の管理局長にまかしてある姿になつておりまして、特例の場合の際に伺いを立てて、総裁決裁を経てやる仕組みになつております。ところでこの地方の財産といいますか、それをめぐつて一般からも借りたい、貸してほしいというようなお話がたくさんあるわけであります。それらに対しまして、従来国有財産の性格から、高い家賃をとれないというような統制令の縛りもありまして、比較的安いままずつと来ておるのも実情であります。その後また局によりましては方針をかえまして、少し思い切つてとろうということでやつているのも実情でありまして、全体としてはつきりした姿で動いているとは申されません。しかしながらこれらの点け私ども今回大いに反省をいたしまして、十分注意を加えたいと思うのであります。ただ国有鉄道全体の職員は、今も御指摘がございましたが、こういうような問題とはまつたく別個に、本來の鉄道の仕事に日夜邁進しているのでありまして、それらの諸君に対して今度の問題が、何と申しますか、幹部の信用失墜というようなことになりますれば、私としてまことに残念なことでありまして、こういう四十五万の人間を使つております大きな組織の中では、それぞれ幹部に対する信頼というものがなければ、だれがやつてもうまく動くものではありません。従いまして、私もできるだけ問題の一々の内容につきまして考えまして、反省すべきものは反省し、それぞれ対策も講じなければなりませんし、また誤解に基くものにつきましては十分解明をいたしまして、国有鉄道全体の従事員に対する不信はもちろんのこと、国民全体に対しておわびと、誤解を一掃するような方向に向つてやらなければならぬと痛切に感じております。
  78. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は鉄道会館の問題に関連して多くの質問をしたいと思いますが、きようはまだあと質問者もありますから、私一人で独占する考えは持つておりません。従つて委員質問の要領を見ていて、私の今保留する事案がそれに当ればよいし、それに当らぬ向きはあとで重ねて質問をすることにいたします。  それからもう一つ聞いておきたいことは、当局がどれほどの努力をいたしましても、あなた方のように実際に現場を預かつている人々がこういうずさんなことをやれば、どうしてもやはり監督責任というものは知らぬ人にまで及んで来るのです。波及するところは甚大なんです。このようなことでは、どれほどよい監督者があつたとしましても、一人ではできないのです。みなそれぞれがおのおのの分野に従つて正確妥当にこれを運営し、しかも良識ある管理者としての責任を全うするのでなければいけないと思う。こういう点を私は警告しておくと同時に、よく考えておいていただきたいことは、これに関連してまだまだ神戸の高架下の問題、あるいは大阪における高架下の賃貸契約の問題等につきましても、これを国民の前に明らかにする義務があると思う。地方においてどのようなことが行われておるか、あなた方は御存じないかもわかりませんが、これについては徹底的に国鉄当局質問をして、疑惑を一掃しておきたいと思うのですが、この点については次の機会に譲ることにして保留しておきます。
  79. 熊本虎三

    ○熊本委員 関連質問は申合せでできないそうですから、私は資料の提出を求めるために発言を求めます。
  80. 關内正一

    ○關内委員長 簡単に願います。
  81. 熊本虎三

    ○熊本委員 先ほどからいろいろ聞いておりますが、先ほど立花さんは、許可は八階で仕事をしていると言われたが、八階と十二階とでは基礎工事においてどう違うかということの資料を出してもらいたい。それから立花さんは先ほど、今までは国鉄の方から指示がないので払つておらない、決してふところへあつためるつもりはない、こう言われて、一昨日国鉄から資料が出たから精算して、納めるのは納める、こう言われた。そこで国鉄から部屋の使用料についてどういうような請求をされて、決定をみたか、この資料を出してもらいたい。私どもは鉄道会館が坪一万、二万と貸しているものには、国鉄として半額くらいはとらなければならぬと思うのですが、国鉄会館に出した部屋代の資料を全部だしてもらいたい。それと鉄道会館が直接使用者に約束している部屋代と比較対照した資料を出してもらいたい。それからけさ日本科学技術連盟とか交通産業会館、交易会館東京地下街建設というような資料が出ましたが、そのほか直接国鉄事業に関連する、それが財団法人であろうと民間会社であろうとも、国鉄によつて生活する関係会社ことごとくの表を出してもらいたい。けさの新聞にも出ておりましたが、その種別、資本金及び事業内容、それから鉄道との契約及び重要役員、さらにその役員の前屡、ことごとくの資料を出してもらいたい。それから最近国民ステーシヨンとかいう名前で、東京駅みたいなものが北海道にもある、あるいは東京にも数箇所あるというのですが、これの全部を拾い上げて、駅名と企業内容と、これもまた重要役員及び前歴、そのことごとくの資料を、できるだけ早く本委員会に提示してもらいたい。いつごろまでにできるかを、ちよつと聞いておきたいと思います。
  82. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいまおつしやいました資料の中で、国鉄会館が実際の使用者からとつておりまする料金に関しましては、全部資料として差し上げてございます。その他の民衆駅について、どういう駅があるかという点は、先般御説明申し上げましたが、まだその内容等につきましては、あまり詳しいものではございませんが、これはつくりたいと思つております。その他の資料は五日ほど時間を拝借できれば、できると思います。
  83. 熊本虎三

    ○熊本委員 いつごろまでに出せますか。
  84. 津田弘孝

    ○津田説明員 四日か五日くらいのうちに提出いたします。
  85. 熊本虎三

    ○熊本委員 できたら、委員長の方から督促していただいて、二日間くらいで御提示を願えるようによろしくお願いいたします。
  86. 關内正一

    ○關内委員長 承知いたしました。川島金次君。
  87. 川島金次

    ○川島(金)委員 まだ私は全般に続いての関係で、本日はまず堅頭に運輸大臣から若干の御尾形を承つておきたいと思います。この株式会社鉄道会館をめぐつて、ここに国会は一箇月にわたつて、決算委員会及び本委員会等において、種々論議が重ねられているのであります。この問題の中で、何といいましても問題の焦点は、鉄道会館になつておることと私は思つておりますが、この鉄道会館着工以前、あるいは着工するとき、あるいは以後でもけつこうですが、この問題について運輸大臣は、何らかの協議かあるいは相談を受けたことがあるのかないのか。その点をまずお尋ねをしてみたいと思います。
  88. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 その会館の話が進みましたのは、昨年の九月、十月ごろであつたと承知いたしております。私はその後に運輸大臣となつたのでありますが、この問題について特にあらためて相談を受けたことはないのでございます。
  89. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は日本国有鉄道法その他の法令に基けば、この種の問題については、法律的には総裁が大臣と協議をするというような拘束的なものは今のところないように感ずるのでありますが、しかし事いやしくも国鉄東京の中央の停車場であり、しかも民間資本が三十数億もこれに投入されて行こうという厖大な計画の問題に対して、総裁は、法律的には別といたし十して、政治的にはその監督者であるしころの運輸大臣と相談をし、あるい片事前の協議くらいはすべきであつたのではないかと思うのでありますが、二の点は現在の大臣はどういうふうに公考えになつておりますか。
  90. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 それは御説の通りであると思います。問題は先ごろから国鉄当局からの説明を伝え聞くところによりますと、これは今までの行き方によりますと、東鉄局長と申しますか、そこらで裁量していい、——仕事としてはその範囲であるけれども、特に東京の中心の駅に関連する問題であるから、国鉄の方で取上げて、これを研究し、それをどういうふうにやつたがいいかということを相談したということを聞いておりますので、この問題が実際にどういうふうな形でとりかかるということについては、当然運輸大臣にも相談があつたものかと思つております。
  91. 川島金次

    ○川島(金)委員 相談があつたと言われておりますが、現在の大臣は相談をされておらないようであります。しかしその後における重要な報告等は、現在の大臣には、非公式であろうとも、あるのでありますか。
  92. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 十月の末、十一月にかけてすぐ、この前の吉田内閣ができて、私どもそれから仕事にかかつたのでありますが、私の任官する前はいつも、毎週一ぺんくらい国鉄の幹部と運輸省の幹部と集まつて、いろいろなことを話し合うということにしておつたそうでございます。その間にいろいろそういう話も自然と出るべきはずのものであります。ところが十月、十一月になりましてすぐ、補正予算その他の関係で議会がずつと続きましたために、実はその一週一ぺん集まるというのを、こういう行き方をずつとやつておるがという話があつたのを聞きながら、今度は忙しい、この次次というふうに延び延びになりまして、ほとんど昨年中はやりませんでございました。本年に入りまして数回集まつたことがございますが、その間にこれといつてこの問題を特に取上げて話をしたことは、私は記憶いたしておりません。
  93. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでは重ねてお伺いしますが、こういう問題について、前大臣とは連絡協議があつてが、現在の大臣になつてからは、今の話ではほとんどない。私は少くともコーポレーシヨンといいながら、きわめて大規模な、しかも民間資本が巨大な形において投入されようとする画期的な事業であります。少くともこういう事業を始めるからには、さらにまたこの事業を遂行するにあたりましては、やはりコーポレーシヨン独自の建前において、法律の根拠がないからといつて、運輸大臣というものをたな上げにして進んでいいという建前のものではない。そういう意味からいつて、大臣にその後においてはほとんど報告もなければ相談もない。そういう形において、大臣はそれでいいのだとお考えになつておるかどうか。
  94. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 これはこの問題だけでなく、いろいろな問題にもそういうことがあるかもわからないのでありますが、国鉄に対しまする運輸大臣の監督というものは、非常に漠といたしておるのであります。これは法律の上でなく、実際上のこれだけの問題にはどうだというお尋ねでありますから、法規上の問題についていろいろなことをいう前段だと思いますが、私どもこういうふうな問題につきましては、まあ話があつてもう一つ言いますれば、私どももこういういろいろな問題が起つて来るようなものであるならば、私どもの方からもいろいろ尋ねて、何も隠しているはずでなかつたのでありまするから、私どもの方からも話題にして、話をすべきだと思うのでありますが、私どもは何らの問題もなく、すなおに話が進んでおることだと思つてつたので、ただああいうふうな会館ができるというりごとも新聞等て承知しておりましたから、それ以上のことを私どもの方から聞かなかつたということは、今になつてみるとはなはだ遺憾であつたと思います。
  95. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は先ほど申し上げましたように、なるほど今日のコーポレーシヨンの立場、それから監督の責任にある運輸大臣、この関係においては法律的にはいろいろ截然と一応区別されておることだけはよく承知をいたしておるのであります。しかしその区別の問題にいたしましても、いわば事と次第によりけりではないか。先ほど申したような重大な事柄に対して、なるほど前大臣には協議あるいは相談を非公式にはいたしておつた、しかし新大臣に対してはそれつきりとだえてしまつた、こういうことであつていいかどうかということは、相当問題ではないかと思います。同時にまた、それだからといつて、新大臣がそれをそのまま見過して来たというこの問題に対しても、若干責任があるように私には感ぜられる。私はあなたの責任を追究するわけではありませんが、そういうものではなかつたか。もしこの尨大な工事が進行し、しかもその影響するところは国鉄全体のものに及び、その成行きいかんによつては、その監督者である運輸大臣にも及ぶであろうということは、想像にかたくない問題だと思う。そういうことについて、運輸大臣が今日まで見過して来たということには、若干の問題があるのではないかというふうにさえ私には考えられるのでありますが、それはともかくといたしまして、鉄道会館が今日のような世上の問題の焦点となつて登場いたして、しかもその世間に伝えられるところの言葉とうものは、きわめて芳ばしかざる三とになつ寄ることは、これまたま至れもない事案あります。こういう事柄に対して、最高の監督責任者の立場にあります運輸大臣においては、今日この問題についてどのような感じ方を持たれておるか、その点率直にひとつ御見解を表明してもらいたいと思います。
  96. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 今までいろいろ聞いたところや、一応調べたところによりますと、法律上に違反するような行為、不適法な問題はないように思いますが、実はこれで適当であるかどうか、これはもうだれからも批判の持たれることのないものであるかどうかということになりますと、そこに多少問題があると私は思います。それで私どもといたしましては、世の中の疑惑を解くように、また問題にされるような点はいち早く改めること、そうして将来こういう問題につきまして、世間からとやかく言われることのないような情勢に運んで行かなくちやいけないと  いうのが大体の筋と港えておりまして、私どもといたしましては、それではどうするかということで、今行政上の措置として、私どもがこの法規できめられる範囲丙においてどこまで監督して行つたらいいか、あるいはさらに進んで法の改正までもすべき問題等が起るかもしれない、これをどうするかというような問題等は、皆さん方のいろいろ御研究をまちまして、すぐにも慎重に研究を進めて行きたいと思います。
  97. 川島金次

    ○川島(金)委員 まさにその通りでなければならぬと私は思うのであります。この問題のよつて来るところは広くかつ深い。私の知つております範囲によりますれば、従来の、あるいは鉄道院時代から、鉄道省に移り、あるいは運輸省に移り、いわゆるこういつた国鉄の黄金時代においては、他の省の政府関係の機関においては、いろいろと世上の指弾になるような疑獄事件、あるいは汚職事件、あるいはその他忌まわしい風聞を常にまいておつたのも少くなかつたのであります。しかしその間におきましても、国鉄に関する限りにおいては、世間の疑惑やあるいは問題を大きくするような問題というものは、あまり起つて来なかつた、こういうふうに私は考えて、堅実国鉄の隻というものに、国民の一人としてむしろ頼もしい姿だというふうにさえ、われわれは期待を持つてつたのであります。ところがコーポレーシヨンになつ以来というものは、敗戦後のいろいろの条件の集積の結果とは申しながら、とかく国鉄内部にはいろいろの問題点がここに出て来ておる。たとえば桜木町の事件を発端として、日暮里事件、さらに今度の鉄道会館の事件を中心として、これをめぐつてさらに鉄道の外郭団体にまでいろいろの問題を世人から摘発され、しかもさらに疑惑の目を注がれておるというようなありさまになつて来たのであつて、私は往年の健全であつた国鉄の姿を思い浮べて、衷心より国民の立場から残念に思つておるわけであります。そこで、このごろの鉄道というのは、何か目に見えない、また当局者が自分で自覚されない、何らかの病気が食いついて来ているというふうにさえ私は感じておりまして、その病源をわれわれはこの機会において政府とともどもに発見に努め、その病源をとりまして、再び往年の健全な、頼もしい国鉄の本然の姿にとりもどすことが、政府の責任でもあり、あるいは国鉄当局責任でもあり、またあるいは国民自体の責任でもあろうかとさえ私どもは感じているのであります。  そこで大臣にお伺いするのは、一体このような鉄道会館を中心として今日問題になつております国鉄の旅設に対して、多かれ少なかれ、ときに厖大な民間資本が導入されて施設を拡充されて行く、こういう根本的な方針というものが、はたして国鉄の健全化、あるいは国鉄の輸送力の増強、あるいはその他の面において最も正しい、あるいはこれ以外に道のない道だと考えられているかどうか。結論的に申し上げますれば、民間資本の導入によつて施設の拡充や改善が行われるということが、基本的に正しいのかどうか、またそれ以外に国鉄再建の道はないのだろうか、そういつた事柄について、これは基本的な問題ですから、一応運輸大臣としての御感想なり、御見解なりをこの際承つておきたいと思います。
  98. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 今度の鉄道会館に類するような問題といたしまして、国鉄施設の中に民間資本が入つているものは、各地に計画されましたステーシヨン建物と申しますか、そういうふうなものが今多くあるように思います。しかしこれは今まで国鉄といたしまして焼けましたたくさんの駅、また老朽になりました多くの駅を、何とかしてその地その地の御希望に沿うて、明るい、りつぱな建物にして行きたい、それにはどうも国鉄自身の資本力ではなかなか全体に及ぶことができない。そこに考えられたのがこの民間資本の導入だと思います。私もそういう行き方はなるほどおもしろいということは、運輸大臣になる前も思つておりましたが、それは幾つかのものをやつてみました例から見ますと、必ずしもいい状態——われわれの考えておつたような明るい、いい面ばかりでもないように思うのであります。地方団体がずつとそのまま地方団体としての出資によつてつているだけだと、それほどそういうことはありませんが、民間資本が地方団体の名前ででも入り、民間の人たちが入ると、そこにまたいろいろと問題が起つて来ているようなことも聞くのであります。これはこの際根本的に再検討しようじやないかと話しているのでありまして、そのつもりで、今後いろいろと研究いたしたいと思います。
  99. 川島金次

    ○川島(金)委員 私もその点につきましては重大な関心を持つておりまして、これは何らかの形において基本的に再検討を要するときが来た、またその必要が当面緊急的に課題となつて、われわれに迫られているのじないかと思うのであります。  そこでさらに大臣にお伺いいたしますが、たとえば今日の駅あるいは駅に準ずるような施設の改善、拡充をやるにいたしましても、国鉄自身の今日の財政状況からは、そこまで手が及ばぬ、またそこのところに手を出すような段階でもない、それよりももつと国鉄自身がやらなければならぬ当面の問題が他に山積しておる、こういうところではありまするが、さりとて駅舎などの改造とか拡充といつた問題は、ひとり国鉄自身の要求ではなくして、第三者である旅客側あるいは地方諸団体からも要望が出て来た、この事実は私はあえて否定するものではございません。しかし、その地方的な要望あるいは国鉄自身のうちからなる要求と財政との調整、こういつた問題を考えたときに、今の民間資本の導入の度合いにおきましても、今度の鉄道会館のごときは三十数億という、いかに物価高の今日といいながら、実に巨大なる民間資本が投入されて来る。しかもその投入された資本に対しては、相当の利益が保証されておるような現在の状態であります。そして国鉄自体が、そのことによつていかほどの利益があるかどうかということは、今のところはまつたく不明確な状態である。私どもは先般来申し上げておるのですが、むしろ国の財産国民の土地、国民施設民間の営利団体に開放して、ひとり民間の営利団体に国鉄自身が奉仕をしておるというような姿に見間違いやすいような姿になつておることは、まぎれもない事実であります。そういう姿であればこそ、今日世間の問題になつておるということだけは言えるのではないかと思うのです。そういうことで今運輸大臣のお話のように、民間資本を導入いたしまして、国鉄もできれば諸施設が改善されるということに対しては、われわれはとかく申し上げません。しかし改善される問題と、さらに改善された後におけるところの民間資本がどう回転されて行くか、また民間側にどう利益がころがつて行くか、また反面において国鉄自身にどういう影響があつて、どういう利益があるか、こういつた彼比勘案をいたしました場合において、この鉄道会館のごときは、最も典型的に国鉄にはそう大した利益があるものでなくて、民間の利益を擁護することに非常に重点が置かれた、こういうふうに世間では感じておるのであります。大臣は今後この問題について根本的な再検討をするというお話が今あつたのでありますが、まさに私はその通りであろうと思います。もつと根本的に申し上げれば、そうした形のいわゆる利益を目的とした民間資本の導入によつて施設の改善、拡充というものは、それこそ根本的に再検討さるべきではなかろうか、こういうふうに思うのでありまして、地方公共団体が鉄道施設改善あるいは拡充にあたつて、しかも公益の福祉、便益だけをねらいとして、それに対する代償とか対価等を望まないという姿で打出されておるならば問題ではないと思う。しかし今日はそうでないというのが大分所所にできておる。そこに私は重大な問題があろうと思うのですが、そういう事柄について、一体大臣はどのように考えられておるか、その点について大臣の見解を承りたい。
  100. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 ただいまお答え申しましたと同じことになるようでありますが、公共団体が利益を求めないで、ほんとうにそこらの町あるいは交通の発展のために、国鉄の方と話合いができて、かりに駅をこしらえるというような場合等は、これは今までの考え方と一致しておるわけでありますから、私はやつていいのではないかと思うております。それから同じ公共団体にやりましても、その契約のいかんによつて、公共団体が駅なら駅にそのものを提供してしまうとか、そのほかに公共的に使うことがはつきりきまつておればよろしゆうございますが、またこれを転貸しするというような問題だとすると、またおもしろくない結果も出ておる面も聞くのでありますから、そういうものについて十分な注意をしながらきめなければならぬ、これもあわせて根本的に研究したいと思います。
  101. 川島金次

    ○川島(金)委員 大臣には今日まで相談がなかつたようでありますが、事この問題になつた以上は、その責任においても重大な関心を持たれまして、今後この種の問題の起らぬように、抜本的な再検討を監督者の立場においてされる必要を、私は強く主張しておくものであります。  そこで天坊総裁にお尋ねをいたしたいのでございます。構内営業規則、これは昭和二十七年に最終的な改正が若干なされておりますが、この規則を最初から最後まで通覧をいたしましたときに、この規則に基いてはとうてい国鉄東京におけるこの鉄道会館はもちろん、池袋デパートあるいは秋葉原アパートというようなものは、ほとんど想定されていなかつたという感じがしました。従つて鉄道会館の近代的な計画とこの規則とを照合いたしましたときに、天と地のような隔たりがあつて、この規則のようなものはもはや実に古色蒼然たるものです。そうして至るところに盲点があります。今度のような問題の起るのも、こういう古色蒼然たる規則の上にもあると私は感ぜざるを得ないのでありますが、一体副総裁はこの規則が今日の時代においても、国鉄としての構内営業規則として完全なものであると思つておられるのか、その点についての御見解を伺いたい。
  102. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまの川島委員の御説まことにごもつともで、私も同にような気持で最近読み直しております。鉄道の発生以来の各駅舎におきます小さい待合室の中のタバコ店とかお弁当屋さんとか、そういうものを相手として出て参つて、その後若干改正はしておりますが、先ほど仰せになりましたような大きな近代的なビル、東京鉄道会館や林業会館も子、うでしようが、こういうものをひつくるめて、構内営業規則によるということは、確かに私は無理があると思います。ただほかに特別のものを研究中であつたのでありますが、まだ成案を得ないうちでありましたものですから、またこれによつて処理できるものもありますものですから、一応あれによるということにしましたが、一般的な構内営業規則の例外なら例外としても、あるいは内容の一部改正なら改正としても、早急にそういう新しい事態に即応したものをきめたいと思います。
  103. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は皮肉なことを言うわけではありませんが、国鉄は古色蒼然たる規則と時代の先行との巨大へずれ、いわば盲点につけ込んで、国も鉄道法の第三条にのつとつてこういつたような大事業がたくまれた。しかもそのたくんだのは、かつて国鉄の顕官要職にあつた人たちでありますが、野に下つて、今度はその事業の主体土となつておる。しかもその主体者と後任の総裁とが不用意な契約をされてこの問題が進行しておる、こういうこ六を一連として考えてみますると、実に規則の盲点を土台として、そして当日と顕官要職の人たちがなれ合いで何もかも進めて来た。いかにも東京駅の仙奥の美を高めようという、その趣旨はまことにけつこうでございます。その趣旨はまことにけつこうだと思うのでございますが、その着眼、方法、手続、こういつた問題には、実に問題七残しておるということだけは言えるのではないかと思うのでありまして、まず私はこの問題を契機として、国鉄自身は国有鉄道法の問題、あるいはそれと門直した構内営業規則その他の諸問題等を、抜本・的、根本的に再検討して、その上に立つて新しい一つの事能に対する、それにふさわしいところの立法的措置を考える、こういうこと片実に緊急な問題ではないかと思うのでありまして、その点をあわせて強く強調をしておくものでございます。  それから第三にお尋ねをいたしたいのでありますが、先般私は立花さんといろいろ質問応答をいたしましたところ、最後に立花さんは、この種の事難形態にして、鉄道当局とわれわれとだけが介在をして運営をしているということは、正しいことを行つたにいたしましても、世間からとかくの目で見られるであろうということは、これは立花さんといえどもややおわかりになつたようであります。そこでその結果として、立花氏の思いつきではあつたでございましようが、今後鉄道会館のごとき、いわゆる巨大な民間資本が導入されて運営されまするところのこの種の事業に対しましては、何らかの形で、経営委員会といいますか、あるいは評議委員会といいますか、何かそういう形で民間の一部、もそれに加わつて、そうして政府の仕事を手伝う仕事でありますから、そのような機構で明朗な運営、しかも健全な運営をはかり、あわせて国鉄の再建にも役立つという一つの強い線を打出す才法もあろうではないか、こういつた意味のことを言われたに対しまして、天坊総裁は、そういうことも一案ではあるが、そういうことがかえつて弊害を残すおそれがある、従つてその問題については、われわれはその問題は研究に値することとは考えられないといつたような一味のことを申されたのでございますが、しかし私は天坊総裁が何かその当時非常に疲れてでもおつて、私の言つておること、あるいは立花氏が言われたことが、よく天坊総裁にはのみ込めずに、あの発言があつたのではないかと私は今でも理解いたしておるのであります。そこであらためて本日天坊総裁に、こうした問題についての基本的な考え方について、あなたの御見解をもう一ぺん重ねて聞いておきたいと思います。
  104. 天坊裕彦

    天坊説明員 鉄道会館等の公共性を確保するために、何らかの委員会というようなものを設けてはどうかというお話がございまして、そのとき私は、そうしたやり方についても弊害もないではないということをちよつと申し上げたのであります。しかし弊害はまた別個に防ぐ方法を考えながらでも、こうしたものを正しくあるいは明朗に運営するために、委員会を設けるということも確かに一案でございまして、その案自体を頭から考えないという意味で申し上げたのではありませんで、そうした案も一つ考えたい。あるいはまた、問題は二つあろうと思います。鉄道会館自身の明明化、公共性維持という問題と、この鉄道会館等の営業料であるとか、地代であるとか、こういうものの査定について公正を期すという問題と、どちらも第三者を交えて、鉄道鉄道会館がなれ合いでやつているのではないという姿で方策を考えたいというふうに考えております。
  105. 川島金次

    ○川島(金)委員 そういつた一つの基本的な公正な措置をとつて、当面の問題の処理についても十分にこの際再検討を行い、その上に立つて具体的な一つ実行を示すのでなければならないと思うのでありまして、単に委員会でのお互いのやりとりだけでは、問題の解決には一つも役に立ちません。そこで役に立つような実践的な具体案を急速に当局も考えるべきであろう、こういうふうに思うのであります。  そこで次に、これは立花さんにお伺い申し上げます。この鉄道会館立花さんが口をきわめて強調しておるように、世界第一のステーシヨンをつくるのだ。なるほど私はその構想やまことに雄大で、まことに愉快なものであろうと思うのでありますが、但しその形式や手続内容等について、われわれは国民の一人として一種の疑問を持つておるのであります。その事柄はいろいろ論議されましたのでさておきますといたしまして、ここでお伺いいたしたいのは、先ほど立花氏はおととい鉄道当局の方からさしずがあつたから、そのさしずに基いて、早急に賃貸料などについての支払いをいたしたい、こういうふうに言われたのであります。その具体的な金額については、後ほど資料として、あるいはどなたかから説明かあろうと思いますので、それを持つことにいたしますが、その前に、鉄道会館は総工費三十三億だつたと思いましたが、誤りでありましたならば立花さんに御訂正願うことといたしまして、三十三億円の資本を投入いたしまして、そうしてそのでき上つた施設から、一体前家賃として全体的にどのくらい入るという見込みを立てられておるのであるか、それからさらに営業開始の場合には、一体そごからどのくらいの営業成績が上るというように想定されておるか。すなはちオフィスなら賃貸料だけでありますが、商店に貸します傷合には、そこから担当の営業収入が出て参ります。また国鉄の刀に納めます賃貸料につきましても、使用料といいますか、そういつたものにつきましても、そのビルの中で行われます営業の実績的な収入が基本となつて、この構内営業規則では使用料というものが現に徴収されており、また今後もされようといたしておるような事情でありますので、私はこれはきわめて重大な関連があろうと思います。その点事業家としての立場で予定いたしておりますところのこれらの問題について、具体的に御説明が願いたい。
  106. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。株式会社鉄道会館が用意いたします資金は、御承知の通り三十億近いのでございますが、これは自己資本とそれから保証金と前家賃、その他に借入金の四つから成り立つておるわけであります。大体資本金と保証金と前家賃と合わせまして約二十億を予想しております。それから銀行等からの借入金が約十億、大体かような見当でございます。もつとも先ほど申しましたように、保証金も実は長期の借入金でございます。前家賃の方は借入金でございますが、三箇年なら三箇年たちますと、これは全部返つたことになる借入金でございます。それでそれを建てて、ああいう施設をいたしまして、そうして賃貸借するについては——直営部分もわずかございますが、それによりまして、どれだけの成績が上るかということについては、今断言はできませんが、大体四億数千万の年間の収入を得る予定にしております。それから必要経費あるいは国鉄の方に出しますいろいろの納入金、それから納税その他いたしまして、そして残額を毎年相当借入金の返済のために充てて行く。二十年くらいかかりますと、大体借入金が返せるというような予定になつております。
  107. 川島金次

    ○川島(金)委員 そういう収入予定で、鉄道当局の方へ納める額も大体想定しておられて、およそ五千万円と言われておるのですが、この五千万円と概算されました基礎となる点は、この四億数千万円にあるのですか。
  108. 立花次郎

    立花参考人 大体さようでございますが、従来池袋その他の例もございまして、一応の計算方法が出ておりますから、大体それをもとにしておるのでございます。ただ先ほど御指摘のありましたように、現在の構内営業規則からしましては、上の方の貸オフィスなどの構内営業料の算定が非常にむずかしいのでございます。実際今のままで適用するということは非常にむずかしいのでございまして、ここら辺多少疑問になる点は残つておるわけでございます。
  109. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでは天坊総裁もしくはわかつておる方に承りますが、国鉄側の方で鉄道会館の方から年年収納されるであろうと予定されておる使用料、あるいは構内営業使用料といいますか、そういつたものの概算は大体五千万円、こういうふうに言われておりますが、その算定の基礎は一体どのような形においてなされたか。その点をひとつ当局からお伺いしたい。
  110. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいまのお話にありました鉄道が徴収いたしまする料金といたしましては、用地使用料、建物使用料、それから構内営業料、この三つによつて構成されておるわけでございます。まず第一の用地の使用料につきましては、先般来たびたび申し上げておりまするように、まずこの用地使用料を徴収いたしまする根拠になりますのは地価でございます。鉄道会館が使用しておりまする地面の値段、地価の時価というものが非常に算定がむずかしいのであります。先ほど副総裁から申し上げましたように、こういつた不動産関係の専門家も入つてもらつたそういつた地価算定というか、評価に関する委員会のようなものをつくつたらどうかということを考えておりまするが、ともかく徴収するにあたりまして、いつまでもきめないわけには参りませんので、一応十万円、これも建物の前面の所と高架下の方との間は数百メートルも離れておりまするので、表と裏とではずいぶん違うと思うのでありますが、とりあえず十万円として計算をいたしております。それから構内営業料につきましては、これは水揚げと申しますか、売上げに対して徴収するわけでございますが、一応既存のデパートにおける坪当りの収入、水揚げ、売上げというようなものを根拠といたしまして、一日の水揚げが坪当り二千五百円、こういつた想定をいたしてやつております。最後に建物の使用料につきましては、高架下建設費に対しまして年間七分をかけて計算をいたしております。さような計算の基礎になつておりまするが、一応の想定でございまして、今後さらにいろいろと慎重に、また迅速に結論を出したい。そのうちとりあえず告知書を出しましたのは、構内営業料の第一期分だけでございます。
  111. 川島金次

    ○川島(金)委員 今のお話によると、用地の方は平均して坪当り十万円、こういう地価の算定をして用地料をとるということだろうと思うのですが、この十万円という基礎算定がつきますると、これから上げる率はどういうふうになるのですか。
  112. 津田弘孝

    ○津田説明員 時価に対しまして一定の率をかけるわけでございますが、その率は国鉄が借りております借入金に対する資本利子というようなものを参考としてやつております。それからなお先ほど申し上げました水揚げに対す ○構内営業料でございます。この場合は両方ダブつて課するわけでございますので、そういう場合には若干の調整を従来ともいたしております。
  113. 川島金次

    ○川島(金)委員 時価に対する一定の率というわけですが、この一定の率の具体的なものは今は算出できないのですか。
  114. 津田弘孝

    ○津田説明員 現在は六分五厘、千分の六十五でございます。
  115. 川島金次

    ○川島(金)委員 十万円の千分の六十五というと、坪当り幾らですか。
  116. 津田弘孝

    ○津田説明員 六千五百円になるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、構内営業料と並課しておりますので、従来の例によりまして調整をしなければならぬと思います。
  117. 川島金次

    ○川島(金)委員 基本的には地価を十万円と評価し、それに対して千分の六十五、すなわち坪当り六千五百円徴収するというわけですね。
  118. 津田弘孝

    ○津田説明員 さようでございます。
  119. 川島金次

    ○川島(金)委員 そこでお伺いしますが、坪当り十万円というのはあの八重洲口付近の、裏表ありましようが、実際に今日市場で流通されておるところの地価を算定の基礎としたのか。そうでない、国鉄が独自で何かの基礎で算定されたのか、どちらですか。
  120. 津田弘孝

    ○津田説明員 これはあの付近を管轄しておりまする中央区の税務署がございます。その税務署が固定資産税をかけまする根拠になつております地価、あるいは愼町の一丁目から三丁目にかけてでございますが、その辺の地価が四万から十万ということになつておりますので、その最高の十万円によつたわけでございます。
  121. 川島金次

    ○川島(金)委員 こういうことは私は基本になるので、大事なことになるのじやないかと思いますが、税務署あるいは登記所等で調べたときの時価と思われる価格と、実際の市場において評価されておる価格は相当に開きがあることは、津田さんもよく想像がついておるのではないかと思いますが、この八重洲口の用地は、まわりの地価が登記所や税務署の調べでは、大体において最高十万円だから十万円でよいのではないか、こういうきわめて簡閲な算出の方法でやられたのだろうと思います。これはもう少し研究の余地がありそうに思います。そこでこの問題はまだ徴収の域に達してないのでありますから、徴収までにはもつと十分にひとつ何らかの適当な措置において研究されることを必要とするのじやないかと思います。それからついでにお伺いいたしますか、このデパートの坪当りの売上げ二十五百円、これは何か商工会議所とか、それとも何か統計でもごらんになつたものかどうか。それとも実際に検討されて、こういう二千五百円という水揚料を算定されたのか、その点はどうでありますか。
  122. 津田弘孝

    ○津田説明員 この坪当り二千五百円の水揚げは、最近における東京都内のデパートの平均の売上げでございます。
  123. 川島金次

    ○川島(金)委員 その平均の売上げは、どこを参考として取上げられたか、その点です。
  124. 津田弘孝

    ○津田説明員 ちよつと的確な資料の根拠を今手元に持つておりませんが、いろいろとデパートに関する新聞とか、その他信頼すべき資料がございますので、そのいずれかからとつたと思いますが、後ほどお知らせいたします。
  125. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでは後ほどお知らせ願いたいと思います。  それでは次に、これはちよつと相前後して恐縮ですが、これは立花さんにお伺いした方が適当かと思いますが、鉄道会館の設計には、私どもしろうとが想像いたしましても、厖大な実費がかかつておるのではないかと思います。役人が仕事のあいまにやつたから、かからなかつたといえばそれまでですが、それを抜きにして、この問題だけを対象にして一応考えてみたときに、三十数億に余る工事の設計でございますから、普通の相場から申しますれば、実に厖大な設計料に値するのではないか。その設計の費用は国鉄会館とどういう配分でされたか。それともまた会館自体が全設計費を負担するということでやつておるのか、その点はどうなんですか。
  126. 立花次郎

    立花参考人 鉄道会館のいたします工事が非常に厖大でございますから、鉄道会館といたしましても役員に二人まで建築の大家がおります。御承知の私の方の専務の伊藤滋は建築学会の会長をいたしておりますし、太田和夫もまた建築の方で有名な人でございます。そのほか設計者として十五人ばかり私の方で雇つております。なおそれでは不十分でございますので、横山建築事務所それからもう一つ建築事務所と、都合二箇所から現実に会社に来てもらつて一緒に設計しております。但しこれは設計料の形で支払つておりまして、現在まですでに六百万円くらい支払つておる形でございます。それからなお国有鉄道との関連は、これはもう同じ建物でございますから、非常にわけ方がむずかしいのでございますが、大体国有鉄道の部分は国有鉄道でもつて設計いたし、会社の部分は会社において設計するというわけ方にしております。
  127. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は専門家でないからわかりませんが、国有鉄道の部分は国有鉄道の設計、それで費用はもちろん国有鉄道の負担でございましようが、そして国有鉄道以外の鉄道会館自体の部分は鉄道会館の設計、そういつた技術的な事柄がそう簡単にできるのですか、その点はどうですか。
  128. 江藤智

    ○江藤説明員 国鉄が設計を引受けておりますのは、図面でもごらんの通りに駅部分で国鉄が使う部分であります。二階から上は全部会社の方で設計をやつております。その国鉄の駅に関係の茂る部分か、工事量と申しますか、面積から考えまして、大体三分の二でございまして、会社の部分が大体三分の一になつております。従いまして国鉄建築陣容三十人余りが鉄道会館の方に関係しておりますので、三分の一は鉄道会館のそういう請願委託工事に従事する、こういう目安で、その方の費用を全部鉄道会館の方から出させておるという形になつております。
  129. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでちよつと了解がつきましたが、時間がありませんから、最後に二、三お伺いして私の質問を終りたいと思います。問題が根本にさかのぼるようで恐縮なんですが、たしか決算委員会でもこのことが非常に問題になつたように私は聞いておるのですが、いわゆる国鉄法の四十九条の関係であります。これは立花さんからも先般ちよつと説明があり、その他の方からもこの席上でこれに触れられたことがあつたのですが、国有鉄道法の四十九条と今度の施行の関係とが、何ら抵触するものでないという考え方でおられるようですが、それはどういう根拠において四十九条に抵触しておらないという確信を持たれておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  130. 江藤智

    ○江藤説明員 川島委員の御質問は、鉄道会館にこういう民衆駅をこしらえるということを、随意契約で直接行つたということでございましようか、それとも工事を指名競争でやつておるのでございますが、工事の方の契約でございましようか。
  131. 川島金次

    ○川島(金)委員 工事の方です。
  132. 江藤智

    ○江藤説明員 工事につきましては、四十九条の後段の政令による場合という場合でございまして、それを受けまして、三十三条の三でございます、これを受けまして、特殊の高級技術を必要とする場合には、総裁の許可を得て指名競争にすることができるという達が出ております。これによつてつております。この場合には御承知のように非常に高層の建物でありますし、またいろいろと新機軸を考えております。たとえば従来用いませんような軽いコンクリートを用いまして、経費を節約するとか何とかいうような、非常に特殊な技術を考えておりましたものですから、その項目によりまして指名競争にいたしたのであります。
  133. 川島金次

    ○川島(金)委員 この前の立花さんのお話によりますと、私の聞き違いかどうか存じませんが、特定の請負を指定して、それに請負わしたというふうに言われたのではないかと私は記憶をいたしておるのですが、そういう特定のものでなしに、いわゆる数個の指名請負者を集めて競争入札をさせたということになるのですか。
  134. 江藤智

    ○江藤説明員 その通りであります。指名競争入札であります。
  135. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでは前にさかのぼつてお伺いするのですが、四十九条の冒頭に「日本国有鉄道が売買、貸借、請負」とありますが、今度の問題はその貸借の問題に関係があるのですが、それでもやはり公告して一般競争入札の方法に準じて申込みをさせる、こういうことになつておるのですが、この点はどういうふうに理解されたのですか。
  136. 江藤智

    ○江藤説明員 この問題は決算委員会でも非常に問題になつたところでございます。今度の鉄道会館というような性質の工事工事して、四十九条の原則によつてどうしててきないか。これにつきましては、われわれの方の見解は、その後段にございます一般公開入札によりますと不利となるという事柄と、それからさらに政令の三十三条の六項の契約の性質または目的が競争を許さない場合、これに当てはまるものというふうに考えております。その理由は、東京駅というような日本の玄関となるべき駅に、国鉄と一体となつてりつぱなものをこしらえて行くという性質、しかもできましてからあとも、首都の玄関にふさわしいような経営をやつて行く、こういうような面を考えまして、何としても——資力、信用その他の面から考えまして、これを一般入札に付しまして、実際問題としてどういうふうな入札になるのか、これは非常にむずかしいのでございますが、そういうような入札にして、最も高く札を入れた人にこの鉄道会館をやらせるというようなことは非常に困難でございます。そういう意味合いで、その当時国鉄といたしましては加賀山之雄氏にそれに対する構想を相談し、そしてそれによつてできました鉄道会館というものに対して、随意契約を行つて仕事にかかつた、こういうわけであります。
  137. 川島金次

    ○川島(金)委員 そこがちよつと問題ではないかと私も思うのですが、この文章から言えば、緊急な必要のある場合、これは緊急の必要はないと言える。その次にそれを受けて、一般競争入札の方法に準じてすることが不利である、こういうことである。八重洲口の建物を建てなければならぬということが一体どれほどの緊急性があつたか、これがまず言える。それからまた一般競争入札では非常に不利だ、どういうところが不利か。私どもの世間的な考え方でざつくばらんに申せば、二つ、三つの競争者をつくつてそれに競争入札させた方が、国鉄の、使用料とか賃貸料とかいろいろその他の面で、むしろ今日想定されておるところの五千万円以上の上りがあるような方法ができたかもしれない。あるいはまた今日設計しておるよりも、もつと旅客もしくは公衆の利便になる設計の方法もあつたかもしれない。立花さんが設計したものが世界唯一のものだとはわれわれは考えておらない。そういうことを考えた場合に、立花氏の設計したものが唯一無比であつて、これ以外に尋ねてもほかにないのだということになるのならば、あるいは緊急かつ不利であつて、ほかのものにはやらせられない一つのりくつがそこでは成り立つと思いますが、そういうことではないと私は思うのでありまして、四十九条の解釈についての明確なる当局の考え方というものが、国民の前に納得のできるような形で打出されておらぬので、問題の処理が非常に困難になるのではないか、そう思いますので、重ねてお尋ねしておきたい。
  138. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまのお話最初にございましたように、もしこれを、地代とか使用料というものは多いだけがいいのだという観点から言いますれば、確かに入札した方がよかつたかもしれないのであります。しかしながら御承知のように、こうした工事が途中でつふれてしまつて工事中途であとができなくなつたというような例もほかにございますし、あるいはまた会社の構成に特定の資本が入つておりまして、そのためにあとからの運営が、先ほど施設局長が申しましたように、鉄道一緒にふさわしく経営して行くというような性格において欠けておる実例も事実あるわけなのでありまして、鉄道会館の方に、この点は一方ではおしかりを受けておりますが、共済組合も出し、あるいは鉄道で信頼ができるというような性格の資本のものと一緒なつおれば、まあまああとの運営も鉄道と一体になつてつて行けるではないか、そういう点も考慮に入れたわけなのであります。
  139. 川島金次

    ○川島(金)委員 それは国鉄当局側だけに立てばそういう一つ見解も言い得ると思う。またそういうこともお察しができます。しかしこの四十九条の冷静な、あるいは冷厳といいますか、この法文的な解釈から言えば、そういう余地がどこまであつたか。ある程度それには限界がおのずからありそうな気がする。その限界を少し踏み越えた、こういうような感じが、今度の問題には、四十九条を対比しただけでもあるように思います。そういうことで、決算委員会でも非常に問題になり、いまだその問題が全般的な氷解を得ずして残つておるというふうに私は理解しておるものであります。どうも今までの国鉄当局お話だけでは、私どもにはああそうだつたかとすなおに受取れないものが相当残つておるようであります。私も研究いたしますが、さらに当局においても研究してほしい、こういうふうに思います。  そこでもう一つお尋ねをいたします。これは構内営業の問題でありますが、構内営業規則によりますこ、第二条ですが、旅客に便益を供することが第一、そしてその次に、経営は公正であつて、かつ品位のあるものでなければならない、こういう事柄が明記されております。そこでお尋ねをいたすのですが、先般私どもは秋葉原なども見学をいたして参つたのですが、かつ品位のあるものでなければならないというこの精神に基いたものだけが営業しているかどうかということは、非常に疑問があるように私は感じて参りました。たとえば今日いろいろと問題にされておるところのパチンコ屋のごときものがああいう中にあつて、それがはたして旅客の便益であり、かつ公正な経営であつて、品位を保つものであるかどうか。こういうことは私は言葉の争いだけにとどまるものではなくして、やはり研究されねばならなかつた問題ではないか、こういうふうに思うのでありますが、今の秋葉原におけるところの、あるいは池袋等において、この構内営業規則の第二条の精神にまつたく準拠してやつておるということが、確信をもつて一体言えるかどうか。その点はどういうふうにお考えになつておるか、ひとつついでに聞いておきたい。
  140. 津田弘孝

    ○津田説明員 明らかに構内営業規則には構内営業の原則といたしまして、旅客、公衆に利便を供するもの、またその営業は品位あるものであるということがうたつてあるのでございまして、その方針にのつとりまして構内営業の許可をやつておるものであります。ただお話のございました秋葉原駅におけるパチンコ屋のごとき、この二つにはたして合うかどうかという点につきましては、相当の疑問をお持ちになる方もあると思うのでございます。現実の問題といたしまして、先般もごらんいただきましたように、秋葉原の構内はああいうふうに駅と画然と離れた場所で営業をいたしておるわけでありまして、これはいろいろの見方もありますでございましようけれども、現在パチンコ屋があれだけの隆盛を見ておるということは、やはり一般大衆の、あえて健全とは言えないまでも、嗜好に投じておるというようなことで、娯楽の一つで、ああいつた駅舎と離れた場所で営業するような場合には、これを許可してもさしつかえないだろうというようなことで、許可いたした次第であります。あれがもし改札口に接しまして、あるいは駅長室の隣でがちやんちやんやつ薫るというようなことでございましたならば、当然許さなかつたであろうというような次第でございます。
  141. 川島金次

    ○川島(金)委員 津田さんに似合わない、ちよつと近来ない詭弁のようなお言葉で、まことにその苦しいことはわかります。わかりますが、私はただ例としてパチンコ屋をあげたので、パチンコ屋さんからはお小言が出るかもしれないが、かりそめにも品位あるものでなければならない、品位あるものに努めなければならぬというのならばまだわかるのですが、品位のあるものでなければならないと、明確にこれは判を押してある非常に厳格な一つの規定なのです。そういう厳格な規定を、幅広い解釈で、大衆的な娯楽だからという。それなら大衆的に入れば何でもよいかということになつてしまつて、もはや法文の存在価値などというものはどつちでもいいということになつてしまう。やはり規則というものをつくつた以上は——その規則に偏屈にこだわれとはあえて申しません。しかしながら法律とか規則とかいうものは、つくつた以上はできるだけわくを守るというところに法律の価値があり、規則のゆえんというものがあると私は思う。そういうことを何もかも幅広く解釈してしまつて、あそこだからよろしいのだ、距離が離れているからよろしい、あるいは大衆的に娯楽的なものだから、少しは品位が悪くてもよろしい、そういうわくをはずした形でやるところに、ものの考え方——私が冒頭に申し上げましたこのごろの国鉄の人の中には、何か目に見えない病気が巣くつていはせぬか、こういうことが一つ言えると思うのです。どうも規則々々で、規則だけでやつておるけれども、その規則というものを、非常に自分たちの有利有利に解釈しがちの状態であるということが、私はこれらのいろいろの問題を起しておるところの基本的な理由の根拠の一つではないか、こういうふうに思うのであります。従つて私は役人の人たちや、役人に準ずる人たちというものは、国民に率先して、定められたる憲法、定められたる法律、規則というものは、ある程度かたく守るというところに、私は一つ責任があるような気がいたします。しかるに最近国鉄の頭のいい皆様においては、どうも規則というものを少し幅広く解釈し、あるいは極端に言えば、自分の仕事や自分計画を遂行するために、まことに都合のいい、随意な解釈をしがちのような印象がわれわれには強くするのであります。そういうことはできるだけ私は、公務員もしくは公務員に準ずる人たちの、しかも上層部にある人たちは、厳として考うべき点ではないかと思うのであります。こういうことはやがてできて参ります、いずれにしてもできるでありましようところの鉄道会館の中に、そういうこともいいのだということになれば、わくははずれて何ができるかわからぬ。要するに国鉄会館にしましても、立花さんにすれば、あるいは加賀山さんにすれば、せつかく大勢の人から金を集めて、従つてある程度利益がなければならぬ。利益がなければならぬから、利益の前には——それはある程度限界があるといえば言えるでありましようが、どうしても利益の前には何らかその収入を上げるということに最善の努力をしてしまうということは、加賀山立花両氏の立場上当然なことです。そうすると今申し上げた規則にあるような品位の問題にしても、ある程度のわくを越えてしまうようなこともなきにしもあらずということも言えるのじやないか。そういう意味で私は今津田さんに、この問題についてのあなた方の見解をここに厳として明らかにしておく必要があるのじやないか、そういうことを考えて、ただ金がもうかりさえすれば何でもいいのだ、そしてできるだけ営業規則なども幅広く考えてしまう、もうこういうわくは置かない方がいいという、こういう基本的な考えによりますると、さらに問題を重ねて行くおそれがある、こういうことで、私はこの問題は小さなことではあるものの、取上げてお尋ねをしておいたのですが、もう一ぺんそれについての今後の方針もありましようから、聞いておく必要があると思いますので、どなたからでも見解を明らかにしておいていただきたいと思います。
  142. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまの川島委員の御説はまつたく私同感でございまして、最近いろいろと便宜的に規則を拡充して解釈するというようなことは、いろいろとそれに伴つて弊害を起すことは当然でありまして、やはり私どもは法規準則によつて仕事をするということが第一であります。その点はそういう傾向に対しては、できるだけ法規を守るという性格でやらなければならぬと考えております。それから具体的な例がパチンコでございましたが、これもいろいろ程度の問題もありますし、これがいかにも賭博と申したら変でしようが、パチンコばかりになつてしまっては、特にまた問題があり得ると思います。それからまた現実にその種類を許可してなかつたものが、そういうものをやると、あとからそういうものを許可せざるを得ないようなかつこうに追い詰められた事例もないではないと思つております。そこで今御指摘になりましたように、鉄道会館もそうなつては困るじやないかというお話、まつたく私同感でございまして、特に東京都の玄関口東京駅につきましては、そうしたかつこうでほかではある程度認められても、東京駅ではやらしたくないというような問題もあります。そこら辺を十分考慮いたしました点が、先ほど申しましたように、私どもと一体にやつてもらえるという信頼が必要であつたということになるわけであります。
  143. 川島金次

    ○川島(金)委員 鉄道会館もおそらくつぶれるはずはないと思うので、どういう形において出直しはつくのじやないかと私は思つておるので、従つて鉄道会館につながる問題として聞いておきたい。少くとも立花さんのおつしやるように、東京駅を世界第一のステーシヨンにしたい、従つてニユーヨークやワシントンあるいはロンドン、またフランスのパリというようなところ、その駅舎にまさればとて劣らないものをつくる、それはやはり私は形の上においても、また内容の上においても、実質的においても名実兼ね備わつた、まさに世界に劣らないものをつくるという形でなければならない。ただ輪奐のみが美しい、そして高い、それだけではならぬ。しかしその中に入る中身、またその中身を全体的に運営いたします運営の方法、こういつた問題が三者一体となつてこそ、初めて私はいわゆる世界に劣らない駅舎をつくるという目的のものになつて来るのではないか、そういうことについて、やはり十分な再検討をしながらその方向に努めるということは、実に必要なことではないかと思うのであります。  委員長、申訳ありませんが、最後にもう一言お願いしたい。それはやはり構内営業規則の第十四条、大分こまかい話になつて恐縮ですが、これも決算委員会で若干問題になつたというふうに伝えられておるのでありますが、この問題にしましても、やはり私は同断のことが言えるのじやないかと思う。手取り早く申し上げますが、構内営業は、その施設を他人に賃貸してはならない、こういつたことが明らかに規定されておる。しかるに鉄道会館鉄道会館という一人の者に貸してしまう、従つてそこに入つて来る商店あるいは家というものは別なものである。別なものであるとすれば、これは完全に叉貸しということにならざるを得ない。これはどんなに詭弁を弄しても、この規則から言えば詭弁になつてしまう。そういうところにも重大な欠陥がある。そこで私は申し上げるのだが、今津田さんのようなお話がありましたが、どうもこのごろの国鉄の人たちは、法律というものを、あるいは規則というものを、まことに都合よく幅広く解釈することを得意とするようなことになつておる。ここが私は大きな病気の発生する一つの温床にもなつておるのではないかというふうに、外目で見て実に心配をいたしておるわけであります。ですから、従つてこの他人に賃貸することができないと明記された問題について、どういうふうに解釈を広げてやつておるか、私はあえてここで問題にしようといたしませんが、もうすでに決算委員会で相当問題になつたのではないかと思います。でありますから、そう大きい問題に入つてここで追究したりなんかして論議をしようと思いませんが、こういう十四条の解釈にいたしましても、われわれ国民の側に立つて、やはりなるほどそうだつたかというふうにすなおに納得のできるような解釈をし、またその解釈に基いて物事というものが運ばれて行かなければならない、こういうふうに私どもは考えておるわけでありまして、この十四条の解釈を、簡単でよろしゅうございますから、どういうふうな理解のもとにあの賃貸というもの、又貸しというものを認めることになつたか、その点をひとつ簡潔でよろしいですから、明らかにしてもらいたいと思います。
  144. 天坊裕彦

    天坊説明員 ただいまのあれは、一番初めに川島委員お話にございました大きなデパートのようなものを、構内営業規則にそのまま当てはめるところに無理があるではないかというお話の問題と関連するわけでございまして、一応の普通の構内営業につきましては、第三者に貸すことは初めから認めないのだということははつきりしておるのでございまして、今度の契約におきまして、そういうデパート式のものでありますが、中に店を入れることも初めから承知で契約の十三条でありましたか、十一条でございましたかに、営業者を選択する場合には、こちらへその種類を申し出るというようなことで、一応例外をきめた。そこでまた逆になつて、川島先生からは規則の便宜な解釈をするのじやないかというおしかりを受けるわけでございますが、実情はそういうことでございます。
  145. 川島金次

    ○川島(金)委員 くれぐれも先ほどから申し上げておりますように、この全面的な当面の問題に対して、根本的な再検討をすみやかにされながら、 一つの時代の進行に対して、国鉄当局がつくつておりまする法例規則その他について、非常に重大なちぐはぐがあることもはつきりいたしましたので、そういつた問題についても、私は早急に善処するよう努力すべきではないかと思うのであります。  そこでもう一つ最後に、これでおしまいにします。本日の読売新聞によりますと、秋葉原では、先般も問題になりましたが、滞納金の争議が起つておる。秋葉原デパートがすでに国鉄に払うべき使用料が相当にたまつております。そのたまつておりまする問題について、今度は当事者である会社側があそこに入つておりますところの店に、その使用料を契約以外に割当をいたしまして、取立てよう、そして国鉄に早く納めようというような、まああわてたようなかつこうの新聞記事が出ておつたのでありますが、こういつた問題について、当局には何か情報が入つておるか、あるいは何か連絡があつたかどうか、監督者は駅長でありますから、さだめし駅長から連絡があつたことと思いますが、こういつた問題について連絡があつたとすれば、どういうふうに善処しようとするお考えか、これも当面起つた問題でありますから、一応聞いておきたい。
  146. 津田弘孝

    ○津田説明員 秋葉原の駅の構内営業料金につきましては、さかのぼりまして七月の二十九日に千三百万円の要求をいたしまして、そのうちの一部分でございますが、すでに東鉄で徴収をいたしております。今朝の読売新聞の記事につきましては、遺憾ながらまだ情報を聞いておらないのでございますが、ただあれは会社と話合いと申しますか、そういう関係でございまして、国鉄には直接の関係はない次第でございます。
  147. 川島金次

    ○川島(金)委員 直接の関係はないことではございますが、当面の問題の一つになつておりますので、影響するところは、やはり国鉄に影響するということだけは言えると思う。そこでこの問題に対して駅長がその指導監督の立場にあるし、その上に立つ国鉄当局がやはり責任を分担しなければならぬ問題だと思いますので、早急に調査して、しかるべく御報告を願いたいと思うのであります。  そこでついでに承つておきたいのですが、秋葉原のようなこういつた使用料とか、土地賃貸料というものを滞納しているというところは、秋葉原だけであるかどうか。たとえば交通公社の切符の売上金の四億七千万円、これもわかつたのですが、この秋葉と交通公社の四億七千万円以外には全然ないのかどうか、それともあるのか、あればこの機会にひとつここに出してもらいたい。それだけで私の質問は終ります。
  148. 津田弘孝

    ○津田説明員 承知いたしました。
  149. 川島金次

    ○川島(金)委員 すぐにわからないのですか。わかつていることだけでもお答え願いたい。
  150. 津田弘孝

    ○津田説明員 秋葉につきましては、すでに令書を出しまして、一部につきましては入つております。そのほかには先般もこちらで問題になりましたが、高円寺の駅でございますが、同じような問題がございます。その以外にはございません。
  151. 川島金次

    ○川島(金)委員 まつたくないのですね。
  152. 津田弘孝

    ○津田説明員 私の知る限りございません。
  153. 川島金次

    ○川島(金)委員 津田さんの知らないものもあるかもしれませんから、調査して、何でしたらあとで報告してもらいたいと思います。
  154. 高井軍一

    ○高井説明員 ちよつと川島委員にお尋ねいたしたいのでありますが、ただいまの構内営業料の未徴収、営業料金なりそれらの未徴収という意味なのでございますか。
  155. 川島金次

    ○川島(金)委員 構内営業料、土地、施設の使用料、そういつたもの全部です。
  156. 關内正一

    ○關内委員長 楯兼次郎君。
  157. 楯兼次郎

    ○楯委員 鉄道会館につきましてはあと質問をいたしたいと思いますが、その前にきわめて似たような問題がありますので、何か航空局長が忙がしそうでありますから、前にひとつお尋ねしたいと思います。私がお尋ねをいたそうといたしておりますのは、羽田の空港に建てようといたしておりますいわゆる航空ビルの問題であります。これはあとで申し上げますが、鉄道会館ときわめて似たようなケースをとつておると思います。  まず第一にお伺いいたしたいことは、新聞によりますと、日本航空協会と運輸省が、この航空ビルをめぐつて対立をしておる。従つて本年早々発足するはずのところ、すつかり遅れてしまつて、せつかく獲得できた一億三千万円の予算が宙に迷つておる、こういうような新聞記事を見たのでございますが、運輸省と日本航空協会はこのビル建設をめぐつてなぜ対立をしておるのか、今私が申し上げました一億三千万円の予算はどういうふうになつておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  158. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 新聞の記事がいかようでございましようとも、航空協会と運輸省との間に意思の疏通を欠き、あるいは対立があるという事実は全然ございません。あたかも航空協会と私の方とが意見の対立があるかのごとく吹聴されることは、私の最も心外とするところであります。御存じのように、航空協会は、戦前に大日本飛行協会がございまして、その後航空活動が禁止されておりましたために、解散をいたしておつたわけでありますが、航空活動が起るというわけで、国民に対しまして航空思想の普及及び航空事業の援助という目的のために、朝日、読売、毎日が中心になりまして、新たに航空協会が設立されまして、航空協会の会長は郷古潔氏、私も理事の一人をいたしているわけでありますが、航空協会と航空局との間に意見の対立があるというようなことはございません。その点はつきり自信を持つて申し上げられると思う次第でございます。  なお予算の問題でございますが、当時工事になかなか着手できないということは、すでに予想しておつたところであります。御存じのように羽田の空港が非常に狭くて、混雑して、きたなくて、日本の玄関といたしまして、極束においても重要な空港であります羽田のターミナル・ビルディングの状態が、ああいうことではいけない、こういうような非難が内外を通じていろいろ多いものでありますから、これをりつぱなものにいたしたいということを考えたわけであります。ことに接客面でありますところの税関と、出入国管理庁の入つておりますところが、きわめて狭隘でございまして入つて来るお客さんに非常に悪い印象を与える、こういつた点から諸官庁からも、これの拡大の要求が大蔵省にございます。私の方自体もあるいは気象台の問題、あるいは植物検査、検波の問題、こういつた関係官庁がたくさん入つているので、これらの諸官庁からもスペースの拡大要求があります。ところが御存じのように、現在の建物をいじくりましても何ともする余地がございませんので、構想を新たにいたしまして、別な地点、といいますと、今入つて行くと左の方へまわりまして、ちよつと右へまわつて行くところでありますが、その新たなところへターミナル・ビルデイグを建てたい。これは各国の例によりますと、国なり公共団体なりがこれをつくりまして、国みずからが使う部分が相当あるわけでありますが、また各外国航空会社、自国の航空会社が使用する部分もあるわけでありまして、その官庁みずから使わない部分であつて、航空会社等の使いますものにつきましては、政府なり公共団体からこれを賃借させていただいているというのが実情でございます。そこでそういつた建前で予算の要求をいたしましたけれども、戦前からもそうであるが、民間の使用部分については政府は出さないということであります。そこで政府関係のものが非常にたくさんありまして、気象台を初め、税関——税関が一番重要な部分になつておりますが、出入国管理庁というようなものが入る部分についてだけは大蔵省が査定しまして、これは改訂をいたしまして、実は二億円ちよつとになつております。それだけの経費は大蔵省が予算を出す、但しいわゆる民間航空会社の使用部分については出せない、こういうことになりました。しかし御存じのようにターミナル・ビルディングというのは、まずお客さんが出る場合なら、お客さんが入つて行きますと、待合室におつて、そして航空会社の看貫へ載せるカードをもらいまして、荷物を看貫へかける、それからその荷物が税関の検査台えまわり、そこで税関の検査を受ける、それから出入国管理庁の関係調査を受けて、パスポートに判を押してもらう、それから飛行機に乗を間待つて、飛行機に乗るというわけであります。入つて来る場合には入つて来たらそういう事務がとんとんと迅速に行くというふうにならなければなりませんので、民間使用部分と官庁使用部分とは一体で動かなければなりませんので、これは別建物にするということができないわけでございます。ところがこの設計は日本では経験者はございません。その話を聞き及びまして、オランダの会社からもアメリカの会社からも申入れがあつたわけであります。しかし日本の優秀なる建築家がおつて、日本としてつくりたい、しかしその設計は非常に困難でごいまいまして、そういつた事務を航空協会長の郷古さんと秋山さんとにお願いいたしまして、今この設計を準備いたしてしておりますし、懸賞募集をいたしましても十分なものは出ないと思いますが、今懸賞募集をいたしまして、今月の五、六日にかけてその展示会をして、外国航空会在の意見を徴して行くということでありまして、この工事が進まないということは、もとより予期しておつたところでございますが、もつばら設計部面に時聞を要しておるわけでございまして、それは決して航空協会との対立があるとかなんとかいう問題ではないわけでございます。
  159. 楯兼次郎

    ○楯委員 今詳細に説明がありましたので、大体わかつたわけでありますが、私が聞いておるところによりますと、大蔵省は純民間でやらした方がいいだろう、ところが運輸省の方は結論的に言うと、資金民間で集めてもらいたい、しかし人事の方はわれわれの方にまかしてもらいたい、そういうようなことを申し出て、お互いに対立をしておる、こういうことを聞いたわけでありますが、そういうような傾向はないかということを簡単に御答弁願いたい。
  160. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 風評というものはまことに意外なことでございまして、私はそういうお話を承るのは今回が初めてでございます。大蔵省とは当初から緊密に連絡いたしておりまして、大蔵省にお聞きくだすつても明瞭でございますが、大蔵省との間に意見の相違は全然ございません。
  161. 楯兼次郎

    ○楯委員 これは鉄道と違いまして国際的な問題でありますので、方針というものが非常にむずかしいと思います。世界の各国はどういう方法によつてつておるかわかりませんが、あなたの方はそういうことは全然ない、きわめてスムーズに事を運んでおるというような説明であります。これはまだなかなか完成をするという域に達しないと思いますが、あなた自身としては、どういう形でこういうようなものが経営されて行つた方がいいとお考えになるか、その方針を承りたいと思います。
  162. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 今やつておる方式に到達いたしますについては、各方面の意見を聞きましたし、外国の資料も十分取寄せましたし、外国航空会社——十一社ございますが、十一社を数次集めて論議をいたしまして、外国航空会社側に相当の異論もございましたけれども、屡次の論議を重ねました結果、現在の日本の状態、特に財政状態においては、この方法で行くよりしかたがなかろう。よつて外国航空会社側におきましても、できました後においては、リーズナブルな家賃がきまれば必ずお支払いいたしますという約束で進んでおりますので、今までの研究の結果として、この方法よりほかにない。さらにいい方法といいますと、政府がそういう資金に金を出して、そうして外国航空会社及び日本の航空会社に貸し付けるという方法が一番よいかと思いますけれども、それは日本の財政状態が許しませんので、この状態においては、この方法よりほかにない、こう考えております。
  163. 楯兼次郎

    ○楯委員 羽田の今の航空ビルを建てようとしているところは国有地であるかどうか、承りたい。
  164. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 これは一部国有地でありますし——詳細なことは今ちよつと申しかねますけれども、御存じのように羽田の飛行場は三分の一くらいが、戦争が終つたときに国有地として存在しておつた。その後進駐して参りまして、あの付近の者は四十八時間以内ですか出てしまえというわけで、産業地もありましたし、いろいろなものがありましたものを、実に敏速といいますか、徹底的といいますか、残酷といいますか、追い払いまして、そうして低いところは埋め立ててあの飛行場をつくつたわけであります。そうして昨年の七月一日に返還になつた部分と、現在なお返還にならない郁分とがございまして、返還になりました部分は、七月一日付で特別調達庁から航空局の所管に移つたわけであります。航空局の所管に移つたものにつきましては——その追つ払つた分についてはすでに補償が済んでおりますが、土地の買収をいたさなければならないわけでございまして、土地の買収を目下行いつつあるわけでございます、筆数にして六十近くもございますが.目下買収事務を進めておるわけでございます。
  165. 楯兼次郎

    ○楯委員 この空港ビルの事業計画の概要を見ますると、やはり鉄道会館と同じように、三箇月の前家賃の場合あるいは年の前家賃の場合、ほとんど同じような形式によつて民間資本の吸収をやつておるわけです。私が問題といたしたいことは、今あなたがおつしやつたように、国有地であるというところへ、何ら契約がないと私は思うのでありますが、こういう鉄道会館とまつたく同じような方式によつて、このビルを建てようとするところに問題があると思いますが、その辺の契約関係を監督者として御説明願いたい。
  166. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 これを使用いたしますもので一番大きいのは、将来できます日本航空だど思いますが、面積からいいますと、バンとかノースとか、外国会社の方が多いわけであります。そこで国内的に言つて資金を集めることが困難でありますので、日本の国内でやつておりますように、権利金をとるなり前家賃をとるなりという方法において、この会社のコストを低からしめるという考え方をもちまして、航空会社を集めて日本の実情を説明しましてその協力を求めたわけでございますが、外国航空会社におきましてはさような金は一文も出すということは了解できない。そこででき上つたならば、でき上つたところでその必要な経費を合理的に計算してもらうならば、家賃として出すということでありまして、外国航空会社からは前家賃は一文も払わない、こういうことに相なつておるわけであります。そこで会社計画といたしまして、こういうふうに出すならばこういうふうにするということで、日本の国内の実情を一応書いたというだけでありまして、現実問題はそういうことでございます。
  167. 楯兼次郎

    ○楯委員 私のお伺いいたしたいことは、すでにこの会社においては事業計画をつくり、三年分の前家賃をとるということで堂々とやつておるわけであります。先ほど問題になりました鉄道会館等に対する問題と同じように、政府のあの国有地を民間が無断でこの事業計画をやつて、こういう事業を行つておるとは考えられないわけであります。だから賃貸料なり何らかの契約があなた方との間になければならないと私は思うのでありますが、そういうものがあるかどうかという点をお伺いしたい。
  168. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 その問題については実は設計もまだできておりませんので、どれだけの用地を要するかということもわからないわけであります。そこで会社側でははつきりしてもらいたいという意見もあると思いますけれども、これはそれがきまらないとはつきりできないわけでありますから、その問題に関しましてはまだ具体的な契約段階に入るところまで来ておりません。しかしながらそれが設計がきまり、どれだけの用地を要するということがきまりましたあかつきにおいては、国有財産法なり会計法の規定に基きまして、正式に契約をするということを考えておるわけであります。
  169. 楯兼次郎

    ○楯委員 そういたしますと、今のあなたの返答でも筋が通つておると私は思いますが、この事業計画をする場合に、あなたの方と何らかの下打合せなり、そういうものがなければならないと思うわけです。だからあなたの方が国有地にこういう会社をつくるのに、幾ら金をとるというようなことを全然相談せずして、この会社が事業計画をやるはずはないと私は思うのですが、そういう点は過去において何ら触れられなかつたかどうか、そういう点をもう一回お伺いします。
  170. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 その点に関しましては、使用料の関係につきましては、私の方だけできめられる問題ではございませんので、大蔵省とも折衝しておりますし、会社側からも直接大蔵省管財局と折衝しておるわけでございます。しかしまだ具体的に決定し得る段階には達しておりません。あらかじめそういう予備工作をしておきまして、具体性を持ちました場合には、はつきりと契約を締結し、はつきりと料金をとるということになる予定で、準備工作をいたしておるわけでございます。
  171. 楯兼次郎

    ○楯委員 時閲がなくなりますし、この近所で打切りたいと思いますが、これはまだ発足をいたしておりませんので、鉄道会館の二の舞をやらないように御忠告を申し上げておきます。なおまだ詳細な問題がありますので、これはまた時間がございましたらお伺いをいたしたいと思います。  次にお伺いいたしたいことは、鉄道会館の問題でありますが、もう同僚委員からいろいろな面にわたつて質疑がかわされましたので、あまり触れたくはございません。ただ鉄道当局がこの委員会において、極端なことを言いますと、何も知らない議員であるというような考え方に立つて、何とかごまかして通ろうとするようなけはいが今日まで見えたことについて、はなはだ遺憾であると思います。お前はばかなことを言うな、こういうようにお考えになると思いまするが、具体的な例を引きますると、昨年の暮れに仲裁の裁定が出て、明らかに国鉄の用地の使用料並びに高架下の使用料についてはきわめて低額なる金であるので、仲裁裁定実施の原資の一環として、何とか当局も考えなくてはいかぬであろう、こういうような裁定が出ておつたことは御承知の通りであります。この裁定をめぐりまして、合同委員会並びに本委員会におきまして私が質問をいたしております。当時津田局長は、あの用地の使用料については、国鉄固定財産管理規程というようなものがあつて、大体のわくがきまつておるので、鉄道自体としては何ともいたし方がないというような答弁をいたしておるわけであります。これは速記録を見ていただけばわかると思います。われわれそういう面はわかりませんので、そんなものかというようなことで通して来たわけでございます。三日ばかり前のこの委員会におきまして、立花参考人も同じようなことを言つております。それは、あなた方は構内営業規則というようなものを御存じないので疑惑を持つておられるけれども、こういうことを答弁いたしておるわけでございます。ところが本日になりますると、やれ、さかのぼつて概算をするとか、いろいろな返答をされておるわけでございまして、この一例を見ましても、何とかして鉄道内部に暗い各議員の目をごまかして通り抜けようとするようなけはいが、今までの論議においては非常に濃厚である。こういう点について私は遺憾であると申し上げるよりほかに方法がないわけでございまするが、この構内営業規則できめられた額があるのでという立花参考人の三日ばかり前の答弁は、“体何を意味しておつたのか。ここで再度御答弁を願いたいと思います。
  172. 立花次郎

    立花参考人 構内営業規則には、その構内営業規則の適用されます範囲につきまして用地使用料、建物使用料、構内営業料を全部合せて課するという額がございます。その合せた額のことを申し上げたつもりでございます。
  173. 楯兼次郎

    ○楯委員 合せた額があるからそれを言つているのだ、こういうふうにあなたはおつしやるわけですが、そういう金額を、今日国鉄から出されております指令書といいますか、徴収命令書の金額をあなたは予測しておつたかどうか、この点に私は疑いを抱くわけであります。国会において問題が大きくなつて来たので、他を勘案して適当な金額をもつてそれを支払つて行こうということが、今日の結果であろうというふうに私は考えますのあなた方は当初にはこの規則にのつとつていいかげんに安い金額でほおかむりをして通そう、こういうようなおつもりであつたというように疑いを抱くわけでありますが、この点についてあなたはどう考えられておつたか、御答弁を伺いたいと思います。
  174. 立花次郎

    立花参考人 この前も申し上げたと存じますが、大体金額を予想しておりまして、ただ六階から上の貸しオフィスというようなものは、現在の構内営業規則ではなかなか算定がむずかしいのでございます。そういうあいまいな要素があるということは知つておりました。大体において知つてつたことは事実でございます。
  175. 楯兼次郎

    ○楯委員 水かけ論になるわけでありますが、いろいろ問題はあると思いますが、私が当委員会において印象を受けたのはその一点が非常に深い。あなた方は最初は何とかしてうまくやつて行こうと思つたのだが、盛んに各委員から追究をされるので、妥当なる計算をして、それをあとから納めて行こう、なおそれを根拠にしてつつぱつておられるように考えられるのでありますが、本問題は私がかれこれ言わなくても、天下周知の事実でありますので、私は率直にあなた方の当初の計画をここにさらけ出して、非は非として認めて行かれるようにお願いをしたいと思います。  次にお伺いしたいことは、この会館建設する建設委員会というようなものをおつくりになつてつたわけでありますが、どういうふうなメンバーによつて建設委員会というものをつくられたか、簡単に御説明を願いたい。
  176. 江藤智

    ○江藤説明員 はつきりしたことは覚えませんが、私もその委員会の一員でございましたので、私の記憶にある範囲でございますが、副総裁がたしか委員長でございます。それから営業局長施設局長経理局長、それから厚生局長総裁室の理事、これが委員でございます。それから幹事が営業局の旅客課長、それからあとから施設局の停車場課長が入つたと思います。なお文書課長が委員会を総括する幹事に入つてつたというふうに覚えております。
  177. 楯兼次郎

    ○楯委員 これは内部の方ばかりですね。  次に、監理委員会の経過についてのあなたの方の資料には、鉄道会館に関する審議をした、それだけしか出ておらぬわけですが、コーポレーシヨンになつて、こういう大きい問題は当然この監理委員会等で相当検討、審議をされた問題であろうというふうに考えるわけでございますが、あなた方の資料の中には、ただ鉄道会館建設についてとのみしか出ておらないわけですが、当時の監理委員会審議状態を簡単に御説明願いたい。
  178. 天坊裕彦

    天坊説明員 報告書には簡単に出ておりますが、詳細に検討願いまして、委員会で二度ばかり十分御審議を願つたと思つております。当時監理委員の方々からもいろいろと御意見は出ました。
  179. 楯兼次郎

    ○楯委員 時間が迫りますので、具体的な内容に入つてお伺いしたいと思いますが、この八重洲口本屋建設についてという資料の中にありまする「構内営業その他について」の項の十一条であります。十一条は、構内営業者の選定については、あるいは営業種目の選定については、国鉄が最後の決定権を持つておるというふうに、この規約にはなつております。しかしこれは規約だけであつて、おそらく鉄道会館の方たちが選定をし、そのまま選考をして行つたであろうというふうに考えるのでありますが.その経過について簡単に御返答願いたいと思います。
  180. 津田弘孝

    ○津田説明員 その契約書におきましてもごらんになります通り、営業の業種につきましては国鉄の承認を経る、それから個々の具体的な業者をだれを入れるかということにつきましては、会館でいたして、後に報告を国鉄としてはもらつております。
  181. 楯兼次郎

    ○楯委員 しかしこの文面によりますと、「国鉄会社の意向を尊重し」ということで、ウェートはうんと国鉄の方が重いわけですし、当然国鉄自体としてはそうしなければならないと思います。なぜ私がそういうことを聞くかといいますると、先ほど川島委員質問をいたしておりましたように、秋葉原ではパチンコを現在やつておる。営業局長はまあやむを得ないというような返答をされております。また、もうやつてしまつたあとではどうにもいたし方がないようなことに追い込まれて、やむを得ないというような答弁を、聞いておりまするとされておるわけでありますが、第十一条にはつきりと、決定権は国鉄にある。川島委員質問に対するあなた方の答弁を照し合せてみますると、規約にはうたつておるのでありまするが、あなたまかせである、こういうことが、私たち聞いておる者として痛切に感じられるわけでございます。従つてこの十一条に対して、鉄道会館との交渉について、もう一度はつきりと伺いたいと思います。
  182. 津田弘孝

    ○津田説明員 この十一条にもありまする通り、「会社は営業種目の選定については事前に国鉄の承認を要する。」つまり飲食業をやるとか、あるいは浴場をやるとか、映画館をやるとか、浴場はいいが映画館はいけないとか、これは仮の例でございますが、そういつたような営業種目の選定については、国鉄が承認をするのでありますが、個々のお店、たとえば今入つておりまする文明堂を入れるとか、あるいは何々化粧店を入れるとかいうような、個々の業者の選定につきましては、会社の意向を尊重するということでございまして、あくまでも選定権は会社にあるわけでございます。何がゆえにこうしたかと申しますると、個々の業者の選定につきまして、国鉄当局がそこに介在をいたしますると、やはりいろいろな、ときには間違つたようなことがあつてはいけないというような観点から、業態はあくまで鉄道が押えるぞ、そのかわり業者は会館で選びなさい、なるべく会館の意向を尊重してやる、これが十一条の方針でございましたし、またそのような方針で従来とも推移いたして参つたわけであります。
  183. 楯兼次郎

    ○楯委員 私調べればわかるのでありますが、おそらく秋葉原の問題についても、同じような精神でこういう規約が結ばれておると思います。ところが、この間私も行つてみたのでありますが、なるほど一番どまん中にパチンコをやつておる。しかもそのとつておるスペースが一番大きい。ああいうような点を考えましても、この十一条は、まあ秋葉原の場合には違うかわかりませんけれども、慣例によつて書かわておると思いますので、精神は同じであろうと思います。ところが、全然その精神は生きておらない。あなた方がお許しになるとは私は思わぬのでありますが、パチンコは現実にやつておる。これは一例でありますが、空文であつては何もならない、こういうふうに私は考えておりますので、質問をしたわけであります。  時間がないので次に進みますが、なお同規約十七条の「駅本屋の冷暖房、」云々という、この使用料金の徴収方でありますが、私これを読みまして非常におかしいと思います。これでは、ちようど民間で店を借りると同じように、停車場がまつた鉄道会館から借りておるような気分がしてしかたがないわけでありますが、この十七条の精神はどういうものであるか、ひとつ簡潔に御返答願いたいと思います。
  184. 江藤智

    ○江藤説明員 十七条で「駅本屋の冷暖房、給水、消火栓設備等については国鉄が使用料金を支払い、」これは駅本屋は地上ずつと八階——あるいは今十二階と称しておりますが、そういう非常に大きな設備を持つております。うちの方が使いますのは、主として一階でございますから、むしろそういう大きい方が主体となつて設備をいたしまして、一階の部分は、会社がそういう設備をしたものに対して使用料を払う、この方がずつと経費も安くなりますし、実際に合いますので、そういうふうにしたのであります。しかし高架下のようなところは、これはまた逆に、こちらの方がずつと使う面積が多いので、こちらの方で電源の設備などはいたしまして、向うの方から使用料をとる、こういうふうに考えたわけであります。
  185. 楯兼次郎

    ○楯委員 次に株式会社定款の内容についてちよつとわからぬ点があるのですが、本屋階上に国鉄クラブをつくるように書いてあります。この国鉄クラブとはいかなることをやるのか、ひとつ御回答願いたいと思います。(「社交機関だと、この前答弁があつた」と呼ぶ者あり)それでは時間もありませんから、それはよろしいです。次に移ります。  株式会社鉄道会館は、鉄道会館自体のことをやるのかと思つてつたんですが、これによりますと、「国鉄の重要な停車場、高架線その他施設建設又は整備を行い、」こういうことを言つておるのでありますが、重要な停車場とは、極端なことを言いますると、日本全国にわたつて重要なる停車場については、同じような事柄を拡大をして行こう、そういうおつもりでここに盛られておるのであるかどうかということをお伺いしたい。
  186. 江藤智

    ○江藤説明員 国鉄といたしましては、この八重洲口以外のものを、この鉄道会館に委託するとか、まかせるつもりは全然ございません。
  187. 楯兼次郎

    ○楯委員 そういたしますと、第二条第三号の「国鉄の重要な停車場、高架線その他の施設」とか、それから第五号へ参りまして、「地方有志の企図する停車場その他の施設建設計画の指導又は設計の受託。」こういうふうにはつきりと鉄道会館以外の箇所についても、これによつてつて行こうという意図がうかがわれるわけでありますが、この二項目は何をさしておるのか伺いたい。
  188. 江藤智

    ○江藤説明員 これは会社の方の考えで、私どもの方でそういうふうに考えておるわけではございませんが、事実各方面で、民衆駅の建設をやりたいという都市がございます。しかし遺憾ながら、こちらの方も手が足りませんので、先方の御意見にやるていろいろとテストの案をつくつたり、図面を引いたりすることができないわけであります。従いまして、先方の御希望の都市の方々といたしましては、どうもはかばかしく案も練れないというようなことで、御不満を与えておるのではないかと思うのございます。たまたま鉄道会館は、建築陣容も、先ほどもお話がございましたように、このために専門家も集めております。これは私の推測でございますが、こういうような陳容の手があいた場合には、地方の方からそういう要求があつた場合には、向うの方へ要求に応じてそういうような案をつくつてやろう、こういうことだと思うのでございまして、私の方でそれをさせようとかなんとかいうことは、関与したことはまつたくございません。
  189. 楯兼次郎

    ○楯委員 今の点をひとつ立花参考人からも伺いたい。
  190. 立花次郎

    立花参考人 会館といたしましては、現在東京駅の建設を非常に忙しくやつておりますので、受託したことはございませんが、事例といたしましては、名古屋鉄道のターミナル・ビルディングの問題、福岡駅の移転問題、そうした問題について、正式の文書によるところの契約は何もいたしておりませんが、意見を聞かれまして、それぞれ御意見を申し上げたことはございます。その程度の関係は現在でもございます。
  191. 楯兼次郎

    ○楯委員 しり切れとんぼになるようですが、機会がありませんで、次にちよつとかわつた質問をいたしたいと思います。  ちよいよい耳に入るのでございますが、桜木町事件の被告の問題であります。これは川島委員から、被告が現在非常にかわいそうな立場にある。特に駅関係の予備助役をやつておりました岩田という人は焦燥のあまり、神経衰弱のような形になつておるということを聞いて、援助方を国鉄当局にお願いをしておつたことを聞いておるわけでありますが、桜木町事件についてこれが実際であるかどうかということは、私この問題に携つておらないので、わからない。うわさ程度でありますが、当局が電力区関係の被告に対してのみ優遇をしておる。優遇とは、自動車に乗せて連れて行くとか、片方は全然そういうことをやらないのだが、力を入れておる。こういうような不平等な取扱い方をしておるということを聞いておるわけでございます。そういうことはないとは思いますが、その点国鉄当局にお伺いをしたいと思います。
  192. 天坊裕彦

    天坊説明員 御質問の趣旨をよく了解いたしかねますが、桜木町事件に関係した被告がどうしておるかということについて、私今資料を持ち合せておりません。よく調べてからお答えいたします。
  193. 楯兼次郎

    ○楯委員 これはそういう片手落ちのないように、ぜひ同じような取扱いをしていただきたいと思います。精神的に非常に参つておりますので、ぜひお願いいたします。  次にこの問題でお伺いいたしたいことは、この事故の起きた直接の原因というものは、碍子のとりかえ作業をやるにあたりまして、スパナの一端を通電中のつり架線に、他端をビームに接触さしたために短絡をした、こういうようなことがいわれております。この作業は当然夜間終電から初電までの間に行うのがほんとうである。それを昼間に行つたがために、このような事態になつたというようなことを、うわさに聞いておるわけであります。こういう点について、専門家がおられるかおられぬかしりませんが、副総裁あたりは相当わかつておると思いますので、御回答願いたいとおもいます。
  194. 天坊裕彦

    天坊説明員 専門的にはまたあとで専門家から十分御説明申し上げた方がいいと思いますが、ただいまそうした問題を含めて裁判所で審理中でございますので、ここで軽々しく申し上げることもいかがかと存じます。またあとの機会に譲つていただきたいと思います。
  195. 關内正一

    ○關内委員長 楯君に御注意しますが、今のような御質問は、いずれかの機会にお譲りを願つて、なるべくこの鉄道会館の問題に直結するような御質問を願いたいと思います。
  196. 楯兼次郎

    ○楯委員 あと一点です。そういううわさが飛んでおりますので、あなた方当局としてひとつ考えていただきたいと思います。  それからいま一つは、これは日本電設工業の請負工事であつたにもかかわらず、鉄道職員がやつてつた。こういうことが下部において盛んに流布されておりますので、この点も十分お考えになつて、当問題に対処していただきたいと思います。
  197. 並木裕

    ○並木説明員 今のようなお話につきましては、私どもは全然聞いておりません。
  198. 關内正一

    ○關内委員長 原彪君。
  199. 原彪

    ○原彪委員(改) いろいろ運輸大臣に御質問申し上げたいのですが、おいでにならぬようでありますから、担当局長から大臣にお伝えいただいて、あとでけつこうですから御答弁いただきたいと思います。それは国有財産を使用する場合の大臣の心がけであります。公共企業体である国鉄が、国の財産を預かつておる場合に、大臣はどのような態度でこれを監督されるか、そのお気持を聞きたいのでございます。これはお伝えいただいて、次の機会に御答弁いただければけつこうでございます。財政法の第九条によりますと「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」「国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。」とありまして、このことを公共企業体である国鉄に国の財産を預けておいて、大臣はどういう態度で御監督になるかという問題でございます。先ほどの天坊総裁の御答弁では、預かつておる財産を有利に使用しなければならぬという御答弁でありましたが、国際観光会館の地代の問題等にからんで、必ずしも有利に効率的に運用されておるとは私は解釈ができないのでございますが、そういう問題もございますので、運輸大臣としては、財政法の問題に関して、国有鉄道が預かつておる国の財産についてどのような監督をされるか、そのお気持を次の機会でいいから聞かしていただきたいと思います。  次に立花参考人にお尋ねしたいのでありますが、現在地代家賃統制令というものがあると思うのでありますが、この点御存じでございますか。地代家賃統制令によりますと、敷金はとつてもさしつかえない。敷金は家を出るときに返す金でありますから、とつてもよろしいという解釈であります。しかしながら家賃の根本原則は、民法上の貸借関係に発祥しておるのでありまして、たとえば労働者が労力を使つた結果、報酬として労賃をもらうのと同じように、人が住んだ結果家賃をとるというのが、根本原則でなければならぬと思うのでございます。従いまして地代家賃統制令、この法令がいいか悪いかというのは別問題でありまするが、現在少くともこの法令が実施されている上においては、家賃の前渡金というものは私はこの法令違反だと思うのでございます。敷金はさしつかえないけれども、権利金とか、保証金とかいうようなものは、少くとも地代家賃統制令の本旨に反する、違反であると私は思います。先ほど申し上げました民法の賃借に現われたところの家賃は、使用収益の反対給付である。これが原則であつて、その他保証料とか、いろいろな名目でとられるものは、この統制令の違反であると私は考えるのでございます。先ほども御答弁がありましたが、日活会館が一年分の家賃の前渡金をとつて物議をかもしていおる。これもまさにこの統制令違反でありまするが、さらに一歩譲つて広議にこの統制令を解釈した場合に、家賃の前渡金というものは——日活会館は一年でありまするが、鉄道会館では三年の前渡金をとつておる。そうすると三年の前渡金は、金利というものを差引いてそれをとつておる場合に、これが家賃であるかどうかという解釈については、非常にむずかしい疑義のある問題でございまするが、鉄道会館が大丸あたりからは金利を全然差引かないでこれをとつておるということは、私はこの統制令違反と思うのでありますが、立花さんはどのようにお考えでありますか。  それからもう一点は、国または国有鉄道が家や土地を貸す場合等については、この統制令にはかからないことは国鉄側は御承知だと思うのでありますが、しかし鉄道会館は公共企業体でありません。民間会社ですから、当然この統制令にかかると私は思うのです。これははつきりかかると思うのでありますが、先ほどの御答弁によりますると、津田営業局長は地代、家賃のとりきめに際しては、愼町近辺の土地が何万円するから、それを基準に地代を算出したとおつしやられますが、それは少し自分つてな地代のきめ方、家賃のきめ方であると私には解釈されるのです。詳しく言うならば、たとえば三十間堀を埋め立てて、そこから地代、家賃をとろうとするというような新しい地区である場合には、これは建設省の住宅局でその土地、建物等について基準をきめなければならぬはずになつております。その基準にのつとつて東京都庁に鉄道会館は申請して許可を得た地代、家賃でなければならぬと私は思うのでございますが、このような手続をふまれたかどうか。御答弁をいただきたいと思います。
  200. 立花次郎

    立花参考人 最初の電電でございますが、前家賃とか、入居保証金とか、そういう名前をつけていて、はなはだあいまいであつて申訳ないと存じておりますが、本質は全部長期借入金の趣旨でございます。それから東京都に認可を得たかというお話でございますが、これは実は私ども家賃の許可を求めたことは記憶ございません。申請してございません。地代家賃統制令、これは私も実はあまり詳しく存じないのでありますが、ただ私どもの貸しますところは全部居住は許さないという条件でありまして、ただ店を開くだけ、あるいは貸オフィスをやるだけであります。
  201. 原彪

    ○原彪委員(改) どうもただいまの御答弁は非常におかしいのですが、ちやんと株式もくろみ書に書いてございます。利用者の保証金、前家賃というのかはつきり書いてありますが、これはこういう意味ですか。
  202. 立花次郎

    立花参考人 大体通俗的にそういうことをいわれておりますから、そう書いたのでございますが、本質的には全即借入金であるということを私どもはよく聞いております。
  203. 原彪

    ○原彪委員(改) 借入金で金利をとらぬというのは、私は非常にふしぎだと思うのですが、どういうわけですか。
  204. 立花次郎

    立花参考人 前家賃につきましては、三年間で全部自然的にこれが決済されてしまうものでありますし、商店側も要求いたしませんでしたから、利子をつけてございません。それから大丸等の保証金については、非常にお安うございますけれども、年利二分の利子をこちらから支払うのでございます。
  205. 原彪

    ○原彪委員(改) どうも御答弁が私は納得が行きません。ましてや鉄道会館鉄道従業員が九割も占める大株主であるのでありますから、公共企業体の国鉄とは混血児的な存在であると思うのでございます。この鉄道会館が地代家賃の統制令違反を起しておると私は思うのでありまするが、そういう半ば公共企業体的な鉄道会館がこのような統制令違反、私は統制令違反と思いますが、そういうことを起すということはまことに遺憾であります。これは任意法でありまするから罰則が非常に軽くて、第三者が訴訟でも起さなければ問題にならぬがために、一般民間ではほとんど常識的にこの法令があつてもなきがごとく前渡金をとつたり、いろいろ行われておりますが、公共企業体的色彩の濃厚なこの鉄道会館がそれを犯すということは、私にはとれぬところでございます。どうもただいまの御答弁は非常に納得行きませんが、これ以上は私申し上げません。  それから次に御質問申し上げたい点は、いつぞやこの鉄道会館調査委員会を設けるという当初にあたつて、川島君の質問でしたか、どなたかの質問でしたかに対して、長崎総裁は、鉄道会館はエンジヨイメント・センターにはしないと明確に御答弁になつたのでありますが、このもくろみ書を見ますと、ニュース劇場がはつきり資料の中にうたつてあるのでございます。ニュース劇場は一階だと思いましたが、おつくりになるお気持はあるのでございますか。
  206. 津田弘孝

    ○津田説明員 会社のもくろみ書としては、ニュース映画館というようなものを当時考えておりましたので、そのような書き物になつておると思うのでありますが、国鉄といたしましては会社のもくろみ全部を許可するわけでございません。従いまして今の映画館等につきましては慎重に検討しなければならぬ、かように考えます。
  207. 原彪

    ○原彪委員(改) 慎重に研究をしなくてはいかぬとおつしやられると、今結論が出ないで、これから御相談の後結論を出そうというお気持だと思うのでありますが、二、三日前の当局の御答弁では、駅のあり方としては、駅に集まつて来た大勢の人を早くはくのが任務であるというお話がありました。私はニュース劇場がいかぬとかいいとかいう問題ではなくて、やはり駅の本来の使命に沿うように、大勢の人がどやどやと着いたときに混雑せぬように、早くこれがはけるように、また汽車に乗る人が一町も二町も三町も行列をつくつて混雑せぬようにそのためには一階にニュース劇場をつくつたら、どやどやそこに人が入つたり出たりして妨害します。そういう点は十分御考慮いただきたいと私は念願いたします。これは先般どなたか御質問があつたかもしれませんが、鉄道会館株主の九〇%九分を共済組合が占めており、ほとんど国鉄従業員がこれを占めておるようであります。しかし鉄道会館は公共企業体でなく、民間の一営利会社の形であります。株式会社であります。なぜ般に株を公募しなかつたか。これはどなたか御質問があつたような気もしますが、いま一応御答弁いただきたい。
  208. 津田弘孝

    ○津田説明員 会社といたしましては、全部と申しますか、九〇%以上が国鉄職員の所有株になる、あるいは鉄道関係の者で占めるというようなことは、おそらく予想していなかつたのでございましようが、この趣旨に非常に賛同いたしまして、職員なり退職者なりあるいは関係団体なりが、みずからの発意におきまして出資をいたしましたものが予定額に達した。従いまして鉄道以外の者の出資いたします余地が結果的に少くなつた。自然に満株になつてしまつた状態のように私は存じます。
  209. 原彪

    ○原彪委員(改) 少くとも東京の中央の駅であり、日本一の大ビルディングであり、これが営利を目的とする株式会社でする場合には、もうかるということを前提でおやりになつたと思うのです。そうすればこれは鉄道従業員ばかりに独占させずに、この利益を一般の人にもわけ与えなければならぬというお気持が起きてもしかるべきだと田うのです。そういうお気持が、それを計画された場合に全然なかつたのでございますか。
  210. 天坊裕彦

    天坊説明員 確かに仰せの通り、これを一般に広く募集すべきであつたということも言えると思うのであります。しかしながらかねがねほかでも問題になつておりますように、そういう民間資本を入れてやりました結果、たとえば池袋の西品の駅であるとか、あるいは秋葉会館であるとかいうものが、先ほどからも御指摘がございますように、民間資本だけで入つて来た場合に、なかなかこちらの思うようなかつこうで動いてもらえないのであります。そこで私どもといたしまして一は、前に申しましたように、共済組合資金であるとか、あるいはできるならば小さいながらも職員の希望者がある限りにおいてはこういう人たちに持たして——これは職員といたしましては、東京駅というものは非常なあこがれの場所であります。非常な関心を持つておるわけであります。ですからこういうものにまず持たしてやりたいという気持が多分にあつたわけであります。
  211. 原彪

    ○原彪委員(改) もう一点、これは私は言うことは非常にいやなんです。加賀山さんとは個人的に御懇意でもありますので、これから言うことは非常にいやなことでありまして、これは加賀山さんには申訳ないのだが、委員として言わなければならないことは、加賀山さんは、桜木町事件で百何名が電車で焼死した、あの責任を負つておやめになつたと思います。国会でもあの当時、運輸大臣か譲与を通じて陳謝の意を表されたと思います。その加賀山さんが、あの事件があつてから間もなく国鉄総裁を辞任され、それからどなたの費用か知らぬが、ハリの会議出席されております。それから間もなくこの鉄道会館の社長に横すべりされております。私があの人の立場であるならば、この桜木町でなくなられた方々のために、少くともつつましく監査役の末端か、あるいは平取締役の末端くらいで、真正面には私なら立ちません。この点、私は言うのはいやなんですが、監督局長はいかようにお思いになりますか。
  212. 植田純一

    ○植田政府委員 この鉄道会館が問題になつております今日から見ますと、そういう原委員のおつしやいましたようなことも言えると思います。私は加賀山さんの心境につきましてはよく存じませんが、加賀山さんとしましてはこの国鉄の中央停車場の復興ということに、せめて一役買つて努力して、国民全般の中央停車場のために尽したいという意図があつたのではないかというような感じもいたします。その辺のところは私は実は加賀山さんの心境を伺つたことはないのでございますが、今日この鉄道会館が問題になつております今日から見ますと、確かに今原委員の御指摘になりましたように、十分考慮される余地があつたんではないかというような感じもいたします。
  213. 原彪

    ○原彪委員(改) どうもポイントをはずされたような御答弁でありますが、私の申し上げたことを大体了承されたような感じがする御答弁でありますので、この程度にいたしておきます。  なおいろいろ外郭団体の問題につきましても申し上げたいことか誉だたくさんございます。交通公社の問題その他鉄道の外郭団体等のいろいろな問題かあります。先ほども熊本委員から資材を請求されておりましたが、特に外郭団体、いろいろな財団法人か社団法会かわかりませんが、たくさんありまり。先般も運輸調査局に対して年に三千万円の補助金を出しておるという御合弁が、鈴木委員に対してあつたようにありますが、その外郭団体に対して小省はどれだけの補助金、援助会を出しておるか、これもひとつ資料を表で頂戴したいと思います。この程度で終ります。
  214. 關内正一

    ○關内委員長 残余の質疑は次会に譲ることといたし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十八分散会