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1953-07-01 第16回国会 衆議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月一日(水曜日)     午後一時三十分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 原   彪君    理事 楯 兼次郎君 理事 川島 金次君    理事 鈴木 仙八君       岡本 忠雄君    南條 徳男判       臼井 莊一君    松原喜之次君       中居英太郎君  出席政府委員         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君  委員外出席者         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 六月三十日  委員高橋圓三郎君辞任につき、その補欠として  内田信也君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月二十九日  富岡駅に急行列車停車請願(關内正一君紹  介)(第一九七一号) 同月三十日  上の加江、東又間に国営自動車運輸開始請願  (長野長廣紹介)(第二〇七二号)  名羽線全通促進に関する請願玉置信一君外一  名紹介)(第二〇七三号)  遠美線敷設請願岡村利右衞門紹介)(第  二〇七四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  臨時船舶建造調整法案内閣提出第四〇号)  海上運送法の一部を改正する法律案内閣提出  第七六号)  臨時船質等改善助成利子補給法案内閣提出第  一〇一号)     —————————————
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより会議を開きます。  海上運送法の一部を改正する法律案臨時船質等改善助成利子補給法案及び臨時船舶建造調整法案一括議題とし、これより質疑に入ります。通告があります。楯兼次郎君。
  3. 楯兼次郎

    楯委員 それでは臨時船舶建造調整法案でひとつ質問申し上げたいと思います。この話を今出すことはどうかと思いますが、過日五百総トンでありますか、五百総トン以上の外航船舶について適用をして行くというようなことを聞いておつたのでありますが、うわさによりますと、これを二十トンまで下げるというような話を聞いたわけですが、それは一体どういう理由ですか。五百トンから二十トンということはあまりにも懸隔がはなはだしいと思いますが、よくわかるようにひとつ説明を願えぬでしようか。
  4. 甘利昂一

    甘利政府委員 政府といたしましては五百トン以上の外航船舶に対しては適用するつもりでそういう法案を出したのでありますが、以前臨時船舶管理法でやはり二十トン以上の船に臨時船舶管理法適用いたしておりましたので、議員提出として二十トン以上にいろいろの理由からやはり及ぼした方がよかろうというようなお話があることを聞いております。ですから政府としてそういうことをいまだ提案をいたしておりません。議員修正としてそういう話があるということであります。
  5. 楯兼次郎

    楯委員 うわさの上の質問ではどうかと思いますが、この五百トンと二十トンというような非常にトン数の差があるわけですが、あなたの方では五百トンということを提案をされているわけですが、これを二十トンまで下げると、他にどういう影響があるのかという点が私にわからないわけであります。だから修正案が出て来れば出て来たときに論議をするとして、予備知識程度質問をするわけでありますが、御説明願いたいと思います。
  6. 甘利昂一

    甘利政府委員 もし二十トン以上に適用するようにここで修正可決されれば、私の方といたしましてもそれに応ずる気持は十分持つております。またわれわれとしましては、五百トン以上に限つたのは、特に国として外航船舶が非常にきゆうくつであるし、しかもそれを建造するための資金に対しても非常にむずかしい問題がありますので、われわれの計画いたしております二、四年間に百二十万トン外航船をつくるが、臨時立法として五百総トン以上のものに対して今の法案適用して行きたい、こう考えておるのですが、また一方二十トン以上の機帆船等について非常に現在多いものですから、従つてはげしい競争が行われ、運賃の協定も保たれないというふうな情勢のあることも事実でありますので、これらのものに対してもやはりある程度の規制を設けて、運航あるいは運賃の面において正常の運営をしたいということもまた意味あることと思いますので、そういう意味において提案されるということを聞いております。
  7. 岡田五郎

    岡田(五)委員 臨時船舶建造調整法につきまして、簡単にお尋ね申し上げたいのでありますが、海上保安庁、いわゆる政府または政府機関で、この五百トン以上の船舶建造する場合があると思うのですが、そういう場合はやはりこの法律適用を受けまして、運輸大臣の許可を必要とするのかどうか。
  8. 甘利昂一

    甘利政府委員 保安庁船については適用はいたしませんが、ただ官庁船でたとえば鉄道連絡船というようなもりで、将来貨物船に改造でき、あるいは外航に就航できるようなものについしは、そういう場合があり得るものですから、それには適用いたします。
  9. 岡田五郎

    岡田(五)委員 適用するわけでございますか。
  10. 甘利昂一

    甘利政府委員 保安庁船には適用いたしません。しかし官庁船には将来外航船に改造できるよううな構造を持つておるものには適用いたします。
  11. 岡田五郎

    岡田(五)委員 はなはだうかつでございますが、何がゆえに保安庁警備船を省かれるのか、また法文がどこにあるのか、ひとつ御指示願いたいと思います。
  12. 甘利昂一

    甘利政府委員 第二条に、「造船事業者が、総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製船舶であつて船舶安全法の規定により遠洋区域又は近海区域航行区域を定めることのできる構造を有するもののうち政令で定めるものの建造」と書いてありますが、政令保安庁船その他貨物船とか、油槽船とか、鉄道連絡船とかいうふうに、そこにはつきりとその船を書いておりまして、その中から保安庁船は抜けております。
  13. 川島金次

    川島(金)委員 臨時船質等改善助成り問題についてお尋ねするのでありますが、提案理由の中に、まず第一に国日航路だけにしか就航のできない小型の戦標船、その他の低性能船舶が相当大量に残つているとあるが、これらの大量というのは一体どのくらいに運輸目では調査の上推定されているか。推定でなくても、具体的にあればけつこうですが、その数字が明らかでありますれば、まずそれを明らかにしていただきたい。
  14. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 大体国内沿岸荷動き量が月間百五十万トン考えます。これに必要な船腹は約七十三万重量トンでございます。ところがこれに対する供給船腹が九十七万重量トンでございまして、約二十四万重量トンが過剰と考えております。このほかに外航船で、外航から帰つて来て国内にいる間に一航海あるいは二航海の割込みをするものがありましようから、実際の過剰はこれ以上である、かように考えます。
  15. 川島金次

    川島(金)委員 その過剰でなく、ここに説明されているいわゆる低性能船舶の具体的な量です。
  16. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 先ほど申しました供給船腹のうち、いわゆる低性能船舶考えられますものが、E型戦標船と三十年以上になります在来船、これが合せまして大体三十四万重量トン程度ある、かように考えます。
  17. 川島金次

    川島(金)委員 そうすると、一応この予算的処置によれば、約七十隻の十万重量トン解撤が可能となる、こういうことになるのですが、この法案による解撤をいたしましても、さらに二十何万という低性能船が残つている形になる。その残つたものに対しては、どういう処置をとるという方針か何かあるのですか。
  18. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 残余の過剰船腹並びに低性能船舶につきましては、現在のところ政府として積極的にさらにそれに対策を講ずるというところまで至つておりません。海外売船あるいは船主が自発的にそういう船をつなぐ、あるいは解体するという措置をまつよりほかはないと考えます。
  19. 川島金次

    川島(金)委員 それは私はこの方面はまるきりしろうとでわかりませんが、全体的には、運輸省調査によれば三十四万トンもの低性能船がある。しかるにこの法律処置対象となるものは、七十隻十万重量トン、残り二十四万トンはそのまま放置してしまう、こういうことになりまして、はたしてこの法律対象外にされたものと対象にされたものとの間に不均衡な問題が生じて来る。その不均衝から生ずるいろいろな問題が、また派生的通るように私どもには感じられるのでございますが、そういうことは全然懸念をする必要がない実情になつておるのですか。
  20. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 こういう低性能船解体いたしまするのは、一面において日本海運の健全なる発達をはかりますために、海運業者立場を守りますと同時に、それがあまりに船腹逼迫になりまして、運賃の引上げになるというふうな事態になることも警戒しなければならない。従つてある程度の余裕を持つた対策といいますか、ある程度過剰船舶が残る程度のところを目標にすべきである、かように考えておる次第でございます。  それから解体希望者は、これをあまりに多く解体するようにいたしますると、あと残つた船主が得をするわけです。従つてあまり出さないようにするわけです。その辺のころ合いのところを見て行きませんと——あまり多くつぶすようになりますと希望する船主が少い、あまり少いと希望する船主が殺到することになるわけであつてちようどその辺を見合いまして、十万重量トン程度が適当なところではないか、かように考えております。
  21. 川島金次

    川島(金)委員 それで大体わかりますが、それではこの法案対象となることが予想されておる七十隻、十万重量トンというものはどういうことで決定をいたしますか。審議会か何かあつて、そこで調査決定するのですか、それとも運輸大臣が直接ご指定して決定をするのか、その点はどういうことになりますか。
  22. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 この七十隻の船の解体は、今年度に外航船腹新造いたしまする船主が、一隻を新造する場合にこの低性能船を二隻つぶす、こういう新造に対する条件としてつけるわけであります。従いましてどこのどういう船をつぶすかということは、新造船主と低性能船を所有しておる船主の自由なる交渉にまかす、こういう考えでございます。
  23. 川島金次

    川島(金)委員 今のそういつた船主の自由な選択にまかすということもわかりますが、そういつた場合に、具体的な事実として、従来その船舶に直接間接従事しておりました人員の整理が、必然的に起つて来るような気がいたしますが、その点は心配ないですか。
  24. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 乗組員処置につきましても、新造船主解体する船主の間の話合いに一応まかしておりまして、両者話合いで、解体する船の乗組員新造船に引取るということができればそれでけつこうでございます。もしそういうことができなければ、解体する船主から相当の退職金をもらう、こういうことになるかと思いますが、その場合におきましてもできるだけ失業者の出ないように、両者誠意を持つて交渉する、同時に船主協会としては取上げませんが、船主協会としても、関係船主組合の間で、問題の起らないように誠意を持つて解決するようにあつせんをする、そういう措置をとつております。
  25. 川島金次

    川島(金)委員 そこでございますが、どうもわれわれしろうと立場における感じから申し上げましても、この法案の目途とするところについては、われわれは別に大した異議があるのではございません。しかしこの実施にあたりまして、ややもすれば今申し上げましたようにその解撤される船舶に従事されておる乗組員、並びに直接間接その船舶の存在によつて生活を営んで参りました従事員に、たちまち整理が行われるということがどうも必然のような気がいたします。ただその場合に、単に船主従業員との民主的な話合いにまかせると言つてしまえば、言葉はまことにきれいでありますが、実際の問題は、その場合においてややもすれば船主利益のために行われる。ややもすれば従事員の身分や利益というものが阻害されることは、従来の例から言いましても、どうも必然のように懸念されるのであります。従つてこういう特殊なこのような問題に対しまして、しかも起りまするそういつた問題につきましては、特殊な措置が何らかの形においてなされなければ、この解撤の範囲に入りまする船舶に生きておる乗組員はもちろん、乗組員でなくてもその船舶運航によつて間接にやはり職を持つておる者もあろうかと思いますが、そういつた連中に非常な脅威を与える。しかもその解決が、一方的に船主立場において強行されるというようなことがあつてはならないと私は思う。そこでそういう問題に対する特殊な何かの処置がこの際あつてしかるべきではないか、そういう点についてもつと積極的な方針というか、処理というものがやはり配慮されなければならない、こういうふうに私は考えるのでありますが、どうでしようか。その点について、もう一ぺん何か積極的な——ざなりと言つては失礼でありますが、ほうりぱなしにしておく、向う様まかせだということでなしに、何か積極的な配意があつてしかるべきではないか、こう思うのであります。
  26. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 御承知通り海上労働者につきましては、日本海員組合という非常に強固な、力の強い団体がありまして、この団体中心関係船主交渉しておるわけです。むしろ端的に言いますと、船主の方より組合の力の方が強いという状況であります。その組合船主とやつておるわけでもります。その交渉において何かうまく行かないことがあり、私どもが手助けをしなければならぬ必要が出て来るこういう場合には私どもも積極的に動きたい。一応今両者の間で交渉いたしておりますから、その交渉状況を見て行きたい、かように考えておる次第であります。
  27. 川島金次

    川島(金)委員 そういう点において組合の主体性の問題並びに組合自身の力の問題等がありまして、大して心配ないというのならばまた別であります。  そこでもう一つさかのぼつてお伺いしますが、この予定いたしておりまする七十隻、十万重量トン、これは具体的に隻数と総トンが出ておりますが、こう具体的に出るからには、もうすでに何らかの目安というものが、当局にはあるのではないかという感じが私たちはいたすのであります。先ほどの御説明によればこれは、船主あるいは用船者の自主的な選択にまかせるのだと言つておる。ところが一方においては、ちやんと七十隻、十万トンというものが具体的に出ておる。これにはやはり具体的な目安がもうすでについておるようにわれわれ想像いたすのでありますが、そういうことになつておるのですか。
  28. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 本年度新造いたしまする三十万総トンのうち、九万総トンの船を先般決定いたしました。その決定をする際に、各船主がその新造見合いに大体どういう船をつぶすか出すようにということを出しております。従つて九万総トン分に対上まする船は大体の目安がある。従いましてこの法律通つた後においてその船はつぶす。それからあと二十一万総トンのものはこれから建造に着手するわけでございまして、その船主決定いたしまする場合に見合いの船の名前を届けさせる、こういうつもりであります。従いましてあとの分につきましてはまだ全然見当がつきません。従つて新造する船主見合いの船を探して来る、こういうことになります。
  29. 原彪

    原彪委員(改) 臨時船質等改善助成利子補給法案についてお伺いしたいのですが、第五条にある利子補給の率を二分にしたのは、どういう根拠でされたのか承りたい。
  30. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 これは非常に複雑な計算に基いて、船が竣工するまでは二分、竣工した後は五厘、こういうように差別を設けたのでありますが、概括的に申し上げますと、船をつぶします船主がもし自分の船を持つていない場合には、ほかから船を買つて来る。そういたしますと二隻の船で、大体一隻が千四百万円といたしまして二隻で二千八百万円、これをくず鉄にして売りますと大体千四百万円は回収できる。現在のくず鉄の値段はうんと下つておりまから、ちよつと千四百万円の回収は困難かと思いますが、この法案を制定いたしました当時は千四百万円は回収できる。そうするとあと千四百万円の借金ができる。この借金を五箇年間に返すものとして、その五箇年間の金利政府補助してやる、こういう考えであります。従つて新造決定して着手したときに千四百万円の借金が残りまして、それに対して無利子になるように利子を助成してやらなければいかぬ。ところがこの法文の建前は、その千四百万円に御助金をくれてやるのでなしに、新造する場合に船主市中銀行から金を借りた分に対して、千四百万円の利子補給したと同じような結果になるがごとく、新造船に対する市中からの借入金に利子補給してやるという、非常に入り組んだ方法をとつておるわけであります。ところが新造するときには、最初に契約したときに四分の一借りまして、それから着工したときに四分の一、進水したときに四分の一、竣工のときに四分の一、原初から少くてずつと上るわけなんです。ところが船をつぶす方の借金最初が非常に多い。従つてこの差を埋めるために最初竣工までは、二分補給してやる、そうして竣工したあとはずつと減つて行くわけですが、これに対しては五厘ずつしてやる。そういう非常に入り組んだ方法をとつておりましたがために、竣工までは年二分、竣工した後は五厘ずつ補給するということになりました。一ぺん法案をごらんになりますと非常に矛盾したように見えますが、そういう複雑な計算の結果こういうことに相なつた次第であります。これは金を出す方の大蔵省とも相談して、むしろ大蔵省の注文に基いてこういうむずかしいやり方をしております。
  31. 原彪

    原彪委員(改) ただいま大蔵省と御相談の上というお話がありましたが、そうすると大蔵省財政金融の総元締であるのに、金融政策に対して確固たる考えがないとしか考えられないのですが、起工だとか竣工だとかいろいろな区分によつて借りる金の額が違いますけれども、大体おしなべて比較してみますと、銀行金利は年利一割一分見当でございましよう。そうすると二分の補給をすると九分くらいの金利が、このくず鉄をこわして再建する船の金利として妥当であるというお見通しなんでありますか。
  32. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 御承知通り新造船に対上まする金利は、市中からの分が一割一分でございまして、財政資金が七分五厘でございます。従つて今までの新造船に対する平均の金利は一割、これが日本海運の非常な重圧になつていることはたびたび御説明申し上げた通りでございまして、これを三分五厘あるいは五分というふうなところまで将来引下げなければならない、こういうのが強い要望でございますが、ここにあげました利子補給は、その一般的な金利低減とは別に、新造船業者古船を二隻解体させるという義務を負わせた、その義務に対して国がこの程度の補償をしてやる、これだけのねらいでございまして、一般の造船に対する金利低減の問題とは別個の問題であります。だから普通ならば、新造船業者が何もそういう古船を二隻買つてつぶすという義務がないのに、内航の海運の健全な発達をはかるという意味合いから、そういう特別な負担を課される。従つて特別の負担に対する低減措置であります。そこで先ほど申しましたような非常にむずかしい計算方法をとつて船主古船をつぶすことによる負担と、実際の利子補給方法とを一致させるというのがわれわれの態度であります。
  33. 原彪

    原彪委員(改) 今の御答弁を伺つておりますと、これはほんとうの利子補給金ではないように思うのですが、利子補給金というのは一つ計算方法であつて、新しい建造に対する政府奨励金と私は解釈しますが、そのよりに解釈してよろしゆうございますか。
  34. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 そのような意味ございます。ちようど昭和七、八年ごろに同じ船質改善助成法というものを実施いたしましたころも、やはり古船を二トンつぶしまして一トン新造をンくるという方法をとつたのです。そりときにトン当り当時の船価のたしか四分の一か五分の一くらいの補助金をやつた。それに似たやり方が今度は利子補給という形で実施されるということであります。
  35. 原彪

    原彪委員(改) 私は、利子補給とい言葉を使うのが、どうもわが国の金融政策の上からいつて感心したことではいと思う。つまり現在の市中金利が一割一分程度に上つておる理由は、私が申し上げるまでもなく政府のいろいろな通貨政策、あるいは貨易政策、あるいはインフレの状況等、諸般のいろいろな問題が総合されて、そういうことになつているのだと思います。これを人為的に、船が重要だから、飛行機が重要だから、あるいは硫安が重要だから、その重要なものに対して、事業生産原価を低くするために利子補給をして行くということは、私はどうも金融政策の上からいつて当らないと思うのです。むしろ政府奨励金として出すならばはつきりした名分が立つと思うのですが、私は決して飛行機を助役するためにその金を政府が出していかぬというのではないのです。ただ金利上のあり方として、これは大蔵大臣あたりに答弁していただきたいのですが、運輸省はどういう考えをお持ちになつて利子関係してこういう法律案を出されるか、先ほどのお話では、奨励金だとおつしやるのならば、利子補給金計算の基礎にされて、奨励金とされた方が私はむしろいいと思うのです。こういう点について大蔵省あたりとの御相談の結果をお漏らしいただきたいと思います。
  36. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 ただ海運につきましては、各国が政府補助の制度を日本がとりはしないだろうかということを、非常に監視的な眼で見ておるわけでありまして、従いまして奨励金とかあるいは補助金という名前をとりますと、そういう実質をよく見れば何ですが、いかにも補助をしているというような一つ印象を与えましてあまりおもしろくない、従つてそういう印象をできるだけ避ける策をとりたいというように考えております。
  37. 原彪

    原彪委員(改) 金融政策の問題については、いずれ大蔵省の方が見えたときに御意見を承ることといたしまして、この程度で打切ります。
  38. 川島金次

    川島(金)委員 ちよつと先ほどお尋ねを落した点があるので、もう一ぺんお尋ねしておきたいのです。だんだんお尋ねするうちに大分わかつて来たのですが、たとえば先ほどの乗組員の問題で、船主であり、なおかつ新しい船をつくるものが、その船主自身性能船を所有しておる、こういうことであれば、その船主とその船主関係する乗組員との間で結末がつくと思う、こういうことは言えると思うのでありますが、かりにそうでなくて、一つ船主に対して、つぶす方の船主がまた別にある、こういうことも実際的には起るかもしれない。そうするとその点においてなかなかめんどうが起るということだけは言えるような気がいたします。そういう場合などは、単に海員組合の主体的な力によつて解決されることはわかつておるからあまり心配はないだろう、こういうことは言葉の上では了承はできますが、実際の問題に突き当つたときに、なかなかその言葉通りに行かぬような事柄になるのではないかというような私は感じかいたします。そういう点などはどういうふうに考えられますか。
  39. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 海員組合中心になつて船主側と協議しております点は、主として後者の場合です。前者の点は、社内の船員の配乗問題でありまして、問題はありませんので、主として後者の問題であります。従つて後者の問題を、そういう船主連中組合の間で今円満に解決すべく、話合いをされておるわけであります。実はこういう方法をとりませんでも、こういう船は動かしても毎月五十万円から八十万円の赤字が出るのです。船主はこの方法をとる前には、今申しました千四百万円ということを言つておりますが、千万円くらいでも買手がないというので探しておつたのです。そのときにも船員の問題はそうトラブルなく過されておつた従つてこれはまず政府が出るというよりも、海員組合船主の間で十分話してもらうということで解決のつく問題で、解決がつかぬ場合には私どもとしてはできるだけの措置をとる、こういうつもりでおります。
  40. 川島金次

    川島(金)委員 この法案に関する限りの質問はこれで私はありません。この法案自身の問題でありませんが、この機会にちよつと当局の感想なり所見を伺つておきたいのです。それはほかでもありませんが、これは海運局にも関係があると思いますが、昨日でしたか、国鉄の労組が本日を期して超過勤務拒否の実力行動に出る、さらに来る四日からは遵法闘争を強行する、こういうことに態度を決定いたしておりますが、その超過勤務拒否の実際的な行動が今日から行われているかどうか。そのことが海運関係の方面において、実際的に行われた場合にどういう影響があるか。その点の若干の見通し等についてお知りでありましたらば、明らかにしていただきたい。
  41. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 実はそういう問題は、私どもも今海運局の一職員でありますし、多少の部下を持つているわけでありますけれども、私の立場としてそれがどういうふうに私どもの仕事に波及するかということは、ちよつと今日申し上げかねると思うのです。私のところではまだ全然そういうことが、私どもの仕事というよりは、私どもの職員にどういう心理的な影響を及ぼすかどうかということについて、何ら考えを及したことがないものですから、ちよつとお答え申し上げかねます。
  42. 川島金次

    川島(金)委員 陸運関係政府委員はここへ来ておりませんか。
  43. 關内正一

    ○關内委員長 来ておりません。
  44. 川島金次

    川島(金)委員 それではこの問題はあえてここでお尋ねしたり、追究することはこの際御遠慮申し上げておきます。そして他の適当な方が見えましたときに、この問題について重ねてお尋ねを申し上げたいと思います。臨時船質の問題についての私の質問は以上で終ります。
  45. 關内正一

    ○關内委員長 岡本忠雄君。
  46. 岡本忠雄

    ○岡本委員 私の質問はただいま他の委員からの質問で了解いたしました。
  47. 關内正一

    ○關内委員長 他に御質疑ございませんか。——ないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。     午後二時十八分散会