○
政府委員(増田盛君)
昭和二十八
年度、農林
関係予算について、その大要を御
説明申上げます。
終戦直後、戦前の七割以下に減じた農林
生産は、最近に至りすでに戦前の
水準に回復しておりますが、戦後の
人口の
増加と、国土の縮小とによりまして、依然として食糧は不足であり、年間三百数十万トンの
輸入を行わなければならない状態でありまして、このために貴重な外貨が食糧
輸入のために費やされ、
経済の自立が未だ十分に達成されていないことを明らかに物語つております。
従いまして当面の
経済施策の基本方向としましては、食糧の
国内自給度を急速に高め、これによりまして節約のできます外貨を
経済再建に欠くことのできない
基礎物資の
輸入に振り向けまして、日本
経済自立の
基盤を培うと共に、国民生活の安定向上を図ることにあるのでありまして、日本の農業及び農民も、この基本的な方向に副いつつ、我が国
経済再建のため、今後ともその責任と負担を負わねばならないと考えるのであります。このときに
経済自立の
基盤として農業
生産力を急速に高めて、食糧の総合的な自給
強化の促進と農業
経済の安定向上を図ることを以て今後の農政の基調といたしまして、主要食糧の
増産、農産
物価格の調整、畜産の振興、養蚕の合理化、農業団体等の
強化、森林資源の維持培養、海洋漁業の振興、農林漁業資金の拡充等を当面の目標とし、施策の重点を置いて参る所存であります。
以上申述べました基本方針に基きまして、二十八
年度の農林省所管
予算を編成いたしましたが、これを前
年度予算と
比較して申上げますと、総額におきまして、二十七
年度千三百五十九億七千九百万円に対し、二十八
年度は千二百二十億一千九百万円でありますから、差引き百三十九億六千万円の減となるのであります。これは所管といたしましての農林省の
予算でございますが、併し農林
関係予算といたしましては、御承知のごとく北海道における
公共事業費これが北海道開発庁にありますし、更に今回新たに設立される農林漁業金融公庫への
政府出資百億円というものが大蔵省に計上されておりますので、これらの経費を加えますと、農林
関係予算といたしましては、二十八
年度は千三百八十四億三千五百万円となり、二十七
年度の千四百七億八千七百万円に比べますと、三十三億五千二百万円の減となるのであります。こういう減に
なつております原因を考えますと、後に述べますところの食糧管理
特別会計の
輸入食糧価格調整補給金が、二十七
年度三百八十億円に対し、二十八
年度は三百二十億円になりまして、これで六十億円の減、それから二十七
年度に計上されておりました歳入不足補慎金百億が二十八
年度は全然計上されておりません。こういう点を考え合わせますと、二十八
年度の農林
関係予算といたしましては、実質的にはおおむね百二十億円の増と
なつているのであります。
次に目的別に重要なものから順次御
説明いたします。先ず
一般会計から御
説明申上げます。
最初に食糧
増産関係の経費でございます。
この経費中には、第一に農地の拡張及び改良、第二に耕種改善の経費がございます。先ず農地の拡張及び改良の経費でございますが、これは総額におきまして二百八十三億三千八百万円でありまして、三十七
年度の二百二十二二億七百万円に比しまして、六十一億三千百万円の
増加と
なつております。このうち
土地改良事業といたしましては、国営灌漑排水事業五十七億九千三百万金、前
年度四十二億五千六百万円でございます。
土地改良事業補助九十二億三千九百万円、前
年度七十三億七千百万円、こういうものを含み百六十三億二百万円計上いたしております。なお開拓事業としましては、百十四億二千万円、前
年度九十億五千四百万円を計上いたしておりますが、このうちには開拓建設事業五十一億五千二百万円、干拓事業二十九億四千万円、開拓事業補助三十億八千六百万円、こういうものが計上されております。これに伴う新規入植は八千戸を予定いたしております。なおこのほかに、耕地を含む農業災害復旧の経費といたしまして百三十六億八千六百万円を計上いたしました。
次に、食糧
増産関係の経費の第二として耕種改善の経費でございますが、
予算事項としましては、主要農
作物種子対策費、低位
生産地改良事業費、耕土培養、対策費、特殊土じよう対策費、北海道農業振興費、西南暖地等水田
生産力増強費、病害虫発生予察事業費及び植物防疫費として要求いたしております。
この経費につきまして簡単に御
説明申上げます。
先ず第一の主要農
作物種子対策費でございますが、この経費は、米麦、大豆等の原々種圃、原種圃、圃採種の設置補助、緑地
作物の原、採種圃の設置補助、寒冷地帯の健苗育成のための保温折衷前代設置に対する補助、災害対策用の種馬鈴薯の予備貯蔵等の目的に供するものでありまして、八億四千三百万円を要求いたしております。
次に低位
生産地改良事業につき御
説明申上げます。
これは次に述べる耕土培養対策費及び特殊土壌対策費の事業内容と
なつている酸性土壌、秋落水田及びアカホや地帯についての事業実施の前提としての対策調査の経費でありまして五千四百万円を計上いたしております。
次に耕土培養対策費及び特殊土壌対策費につき御
説明いたします。これは酸性土壌、秋落水田及びアカホや地帯に対して、炭酸カルシユーム、含鉄物資等を施用することによりまして、これら低位
生産地の土壌を改良し、食糧
増産の一助としようとするものでありまして、このための経費として、耕土培養対策費として一億八千三百万円特殊土壌対策費として三千八百万円を計上いたしております。
次は北海道農業振興費でございますが、これは、北海道における心土耕、混層耕用の機械整備のための経費でありまして、一億八百万円を要求いたしております。
次に西南暖地等水田
生産力増強費について御
説明申上げます。これは新規事項でありまして、最近の農業技術の進歩によりまして、暖地における水稲の早植栽培が可能となりましたので、群馬県以西南の、暖地帯において常習的風水害地帯の三千町歩の水田に新しく科学技術を裏付けされた特殊早植栽培を実施するとともに、これと並行して水田の二期作三毛作を可能ならしめるための試験を行うこととし、新作付体系における栽培法及び品種選抜に関する試験を行う経費として新規に三千七百万円を計上いたしております。
次に植物防疫
関係の経費につき御
説明申上げます。この経費は、特に食糧
増産対策費の中でも毎年厖大な数量に上りますところの食糧の減産を防止しようとするものでありしまて、
一つは病害虫の発生予察事業の経費、今
一つは米麦の種子消毒、米麦の病害虫防除のための農薬購入補助、病害虫の異常発生に備える農薬の購入等を目的として十三億八千八百万円を要求いたしております。
第二に、農業経営の改善のための経費について御
説明いたします。この経費は、
農家に家畜を導入させることを目的として融資の便を図り、これに利子補給を行うためのものでありまして、
昭和二十七
年度から三カ年
計画を以て実施することといたしていたのでありますが、二十八
年度は、これを畜産振興十カ年
計画に切り替え、特に乳牛の導入に重点を置いて、二十七
年度に引続き有畜
農家のための利子補給を行うこととし、二十八
年度導入家畜についての利補給子と二十七
年度導入家畜についての利子補給と合せて一億九千四百万円の経費を要求いたしております。なお、有畜営農確立のためには右の導入資金の確保と合せて飼料を確保することが最も緊要でありまして、牧野の造成改良には特に力を注ぎ、二十八
年度にはこのための経費として一億一千八百万円前
年度より相当殖えております。更に飼料の優良品種の普及を図るため、飼料の原採種圃を設けることとし、飼料
作物種子対策費千八百万円、なお自給飼料
増産費千九百万円を要求しております。
このほかに変
つた施設といたしまして、酪農振興のための新規事業として集約酪農地区の設定に必要な経費八千八百万円を要求いたしておりますが、これは濠洲、ニユージーランド及び米国からジヤージー種の乳牛を導入し、集中的な酪農地帯を建設して行く。こういうことで、二十八
年度は全国で二ケ所を選びまして、これに三百頭ずつ、計六百頭の乳牛を国有で貸付して行く、こういう施策をとるわけでございます。これは明年以降も引続きこの事業を実施して行く所存であります。
農業経営改善のための第二の経費として養蚕振興対策があります。これは前
年度に引続き優良桑苗を確保し、老桑園を改植するとともに、稚蚕共同飼育を奨励し、更に蚕桑病害虫の防除、こうい
つた一連の養蚕振興対策費として一億七千百万円を要求いたしております。
第三に農業団体の再編成のための経費につき御
説明申上げます。農業団体の再編成につきましては、次のような根本方針が確立されました。即ち第一点は、農業技術の
生産指導については、現行の農業改良普及制度を整備
強化するとともに、市町村農業
委員会の職員として技術員を設置し、改良普及員の普及事業に協力せしめることであります。第二点は農業と農民の
一般的利益代表機能を行わしめるために中央並びにおきまして新しい構想を持ちました農業
委員会議所を創設することであります。第三番目は、農業協同組合の事業の刷新
強化を図るため、全国及び都道府県に、農業協同組合の総合指導組織として農業協合組合中央会を創設すること、この三つの根本方針に基きまして農業
委員会の経費といたしましては、全国農業
委員会費六百万円、市町村農業
委員会技術研修会費千二百万円を含めまして三十億一千万円、更に、農業協同組合の経費といたしまし
ては、農業協同組合中央会への補助金八千万円を含めまして、一億七千二百
万円を要求いたし、更に、再建整備事業に必要な経費として六億七千八百万円を要求いたしております。
第四に、農業改良普及のための経費でございます。この経費に関しましては、特に変
つた点はないのでございまして、従来継続的な施設を更に要所要所を
強化いたしておりますが、ただ特に申上げたいと思いますことは、都道府県農業試験場の拡充
強化のために農業改良研究員の設置及び試験用機購入補助
関係の経費といたしまして、新規に若干を、蚕糸技術の改良普及のための経費として蚕業技術指導所設置及び蚕糸技術員の設置等の補助
関係費として若干の
予算額の
増加を要求いたしております。
第五に農産物の価格調整について御
説明いたします。
政府は従来からこの面に思いをいたして二、三の施策を講じて参
つたのでありますが、二十八
年度におきましても甜菜
生産振興
臨時措置法成立の経緯にも鑑みまして甜菜糖三万六千屯の
政府買上げを行いますとともに、統制撤廃後軟調を続けております甘藷、馬鈴薯の価格安定を図り
生産農家の経営安定を意図しまして甘藷、馬鈴薯、でん粉千百万貫の買上げを行うことといたしました。
なお農生物ではございませんが、飼料の価格安定につきここで附言いたします。先に飼料
需給安定法の成立をみましたので、二十八
年度におきましては
輸入の「ふすま」、マニトバ五号、「とうもろこし」等を買入れまして、飼料価格の安定を図
つて参る所存でございます。なおその他の農産物に関しましても、現在食糧管理
特別会計におきまして実施いたしたいと思いまして種々検討中でございます。
第六といたしまして、農業災害補償のための経費につきまして御
説明申上げます。農業共済再保険
特別会計におきまして、
農家の共済保険につきまして
政府が再保険を実施する、そしてこの際保険料の一部を国庫負担をする、こういう制度をと
つて参つたのでございますが、二十八
年度におきましても、この経費といたしまして百八億五千八百万円を計上いたしております。このうち特に変りました点は、この
特別会計へ国庫負担分として繰入れております水稲、陸稲、麦、蚕繭の中で、水稲と麦に関しましては、従来の被害に鑑みまして料率改訂をしたのでありますが、この場合併せまして
農家負担の軽減の
措置をとりまして、新たにこの共済掛金の負担区分に関しまして、新らしい構想を以ちましてこの負担区分を決定いたしておる次第であります。なお更にこういう点に併せまして、家畜保険に関しましても保険料の国庫負担をいたしておりまして、これを全部合せますと、国庫負担分が八十三億千六百万円計上いたしておるのであります。なお御承知の
通り、本事業に伴います都道府県或いは共済組合の事務費の補助金といたしまして相当額の経費を計上いたしておる次第であります。更に問題と
なつておりました家畜共済に関します死亡廃用と疾病傷害の一元化の問題でございますが、二十八
年度におきましては、これを直ちに実施いたしますことを見合せまして、先ず試験的にやつて見る、この実験の経費といたしまして、
一般会計に一千三百万円、
特別会計に五千三百万円を計上いたしております。
第七に、農林漁業金融円滑化のための経費につきお話申上げます。先ずこの目的の下に農林漁業資金融通
特別会計、開拓者資金融通
特別会計、中小漁業融資保証保険
特別会計、これがありまして、それぞれ目的を達成いたしてお
つたのでありますが、先ず二十八
年度におきましては、先ほど申上げました
通り、農林漁業資金融通
特別会計を廃止することにいたしまして、新たに農林漁業金融公庫を設立いたすことと
なつたのであります。従来の
特別会計の資金を全部公庫に引継ぐことに相成つております。この公庫の新規貸出
財源といたしましては、
一般会計から百億円の出資、資金運用部から百三十億円の借入を行い、更に償還金十億円を加えまして二百四十億円を以ちまして運用を図つて行く。又開拓者資金融通
特別会計でございますが、これは二十八
年度は入植予定者が八千戸、更に役畜導入八千頭を目標として
計画いたしております。
中小漁業融資保証保険
特別会計でございますが、これは二十七
年度の補正
予算におきまして成立いたしたものでございまして、補正
予算におきます五億円の繰入れによりまして引続き事業を運営いたして参ることに
なつております。
なお、以上のほかに農地担保金融と申しておるものがあるのでありまして、御存じの
通り自作農創設維持
特別会計におきます余裕金を運用いたしましてや
つて参つておるのでありますが、二十八
年度におきましても引続きまして、おおむね八億五千万円の余裕金を以ちまして、これが運営に当りたいと考えておる次第でございます。
第八の林産振興のための経費につきまして御
説明いたします。先ず第一に、山林事業費であります。これは
公共事業費というふうに呼ばれておるのでありますが、前
年度に引続きまして、治山事業、林道事業、造林事業等にそれぞれ五十一億、二十二億、三十三億を計上いたしております。このほかに災害復旧費といたしまして八億計上いたしております。第二に、民有林森林
計画の樹立に必要な経費でございますが、これは二十七
年度に引続きまして五億四百万円を計上いたしております。特に変つております点は、森林
計画樹立実行のための末端におきます
活動の十全を期するために、従来ありました経営指導員の
活動費の増額に合せまして、新たに一億二千九百万円というものを森林組合等に補助いたしまして、森林
計画の樹立実行に協力させるというふうに考えておる次第でございます。なお林業振興のためには、森林病害虫駆除、保安林の整備、林業改良普及、優良種苗普及ということを引続きまして
予算に計上いたしておる次第でございます。
第九に、
水産振興対策の経費でございます。特にこの経費は講和条約締結後におきまして、従来の漁区制限が撤廃せられ、新らしい漁場の開拓なり開発、これが考え得られますので、こういう情勢に対応いたしまして、引続き従来の過剰漁船の整理或いは
水産資源の増殖、技術改良、
水産金融、漁業協同組合の育成、こういう施策の
強化を図りますと共に、新漁場の開発、海外諸海域におきます漁撈の保護及び国際条約の遵守ための漁撈取締等の対策を講ずる所存でございます。
先ず第一に、減船整理
関係であります。このための経費は二億五千万円、小型機船底曳網漁業の減船整理に引続きまして、二十八
年度におきましては、新たに中型機船底曳網の減船整理をいたすことにいたしております。
次に、
水産資源の増殖でありますが、二十七
年度に引続きまして所要の経費を計上いたしております。第三に、新漁場の開発及び海洋の漁場取締
関係の経費でございますが、北洋漁業につきましては、二十八
年度におきましても北洋の鮭鱒漁業に出漁いたすことに
なつておりますので、この新漁場の開発調査のために調査船を派遣いたすことといたしまして五千九百万円、更に新たに出漁する「かに」漁と併せまして、保護取締を行うために官船一隻の建造をいたすことになりまして、三隻の用船料と合せますと、四億五千百万円、官船の建造費は四億円でございますが、一千トンの船を
計画いたしております。このほかに小型漁船の取締の経費或いは沖合漁業の取締の経費につきましては、従来に引続きまして所要の経費を計上いたしております。
水産技術の改良普及の
関係でございますが、これは新らしい事業といたしまして、都道府県に養殖技術或いは新らしい漁撈技術等の指導の職員を設置いたすことといたしまして、これによりまして、初めて
水産関係におきましても、零細漁業を対象にいたしまして、改良普及の技術の体制ができ上
つたわけでございます。
以上のほかに、
水産振興の経費といたしましては、目ぼしいものといたしまして、対馬暖流海域の開発のための調査の費用があるのでございます。こういう経費を中心といたしまして、
水産関係の研究管理の費用が四千四百万円、更に
水産業協同組合
関係の経費がそれぞれ所要額を計上いたしておる次第であります。
最後に漁港施設でございますが、これは従来とも
公共事業費と呼ばれておるものでございまして、二十八
年度におきましては、漁港の整備に二十三億、災害復旧に十三億を計上いたしております。なおこのほかに、北海道魚田開発のための経費といたしまして四千百万円を計上いたしておりますが、二十八
年度からは、これは
公共事業費から落しまして、
一般の経費のほうに繰入れることに
なつております。
最後に、特殊立法地帯の対策のための経費でございますが、これに対しましては、或いは積雪寒冷単作地帯、或いは急傾斜地帯、特殊土壌地帯、それから湿田単作地帯、こういう特殊地帯の農業振興のための経費をそれぞれ計上いたしておりますが、特に目ぼしいものといたしまして、農業振興
計画に取上げられた総合事業推進のための雪寒地帯対策といたしまして、総合助成施設といたしまして一億四百万円を計上いたしておる点でございます。なお、細かい経費に関しましては省略いたしますが、こういう特殊地帯に関しましては、食糧
増産対策経費の農地の拡張、改良の経費がそれぞれの地帯の特性に応じまして、相当の経費を計上いたしておる次第でございます。
以上を以ちまして、
一般会計を終りまして、次に、
特別会計に関しまして簡単に申上げます。
先ず食糧管理
特別会計でございますが、二十八
年度におきましては、米は二十七
年度に引続きまして統制を継続して参ります。麦につきましては、前
年度同様配給統制は行わないが、
生産者の要望によりまして無制限の買付けをや
つて参る。第三点といたしましては、前
年度に引続きまして、澱粉、甜菜糖の買入を行うほか、新たに飼料の買入、売渡を行うことに
なつております。更に食糧の買入数量は
国内産米二千八百二十五万石、麦三百七十三万石、外国食糧は三百三十五万四千トンを予定いたしておりまして、
国内食糧買入は米麦共前
年度同様でございます。
次に
消費者価格でありますが、米につきましては現行
通り十キロ当り六百八十円、早場米の奨励金は八十一億一千九百万円、
輸入食糧の価格補給金は三百二十億円でございます。以上の方針に基きまして、歳入歳出共六千百九十九億六千三百万円を計上いたしております。
第二に、農業共済再保険
特別会計につきまして申述べます。先ず農業勘定でありますが、これは先ほど一端を申上げました
通り、水稲の共済
金額を若干増額し、なお水稲及び麦の保険料率を高めた。但も水稲及び麦の最低通常被害
部分につきましては、新たに三分の一を国庫負担するということによりまして、
一般会計から保険料国庫負担分といたしまして、七十五億七千九百万円を受入れております。更に家畜勘定におきましては、二十六億八千百万円でございまして、これは家畜の最低共済
金額を引上げる、それから加入頭数も
増加いたしまして、保険料の国庫負担分といたしましては、六億を
一般会計から繰入れております。
なお第三に、森林火災保険の
特別会計でございますが、特に申上げることもないので省略いたします。
第四に、漁船再保険
特別会計につきまして申上げます。先ず普通保険勘定でありますが、この点に関しまして、二十八
年度から新らしい制度として出て参りましたのが、満期保険というものを新らしく作りまして、この普通保険勘定の中で漁船建造の円滑化を図るため新らしい保険を作りました次第でございます。この満期保険を作りましたのに伴いまして、保険加入の新造船舶につきましては、加入奨励金を支払うことにいたしまして、一千万円を計上いたしております。なお特殊保険に関しましては、二十八
年度におきましては、二十七
年度分の赤字補填といたしまして五千万円を
一般会計から繰入れることにいたしております。
第五に、自作農
特別会計に関しましては、先ほど触れましたので省略いたします。開拓者資金
特別会計に関しましても同様でございます。
第七に、国有林野の
特別会計に関して申上げますが、この会計に関しましては、特にお話し申上げておきたいと思いますのは、二十八
年度におきまして、新たに国の
一般会計財源といたしまして、官有林の
特別会計から
一般会計のほうに繰入れを行
つたのでありますが、この
金額が二十二億円でございます。なお、更に
特別会計に関しましては、国営競馬、糸価安定、中小漁業融資保証等の保険があるのでございますが、これに関しましては、前
年度と特に大差がないし、先ほどの
説明に関連しましてお話し申上げておりますので、全部省略いたすことといたします。御了承をお願いいたしたいと思います。
以上を以ちまして、二十八
年度の農林
関係予算の
概要でございますが、御
説明を終ることにします。