○
一松定吉君 我が意を得たりということで非常に私は愉快に思います。そうなければならん。重大なことですから、これを今まで
政府がおろそかにしておるということが、各
委員から申上げても金がありません、金がありませんということの
一つの原因にな
つておるんですから、そういう点を本当に各省を受持つ大臣という立場よりも
国務大臣という立場からこれをお
考えにな
つて、一日も早くこれを実施して、そうして
国家の
収入を図るということに御尽力を願えれば、
大蔵大臣が毎日毎日吊し上げにな
つておるというようなこともなくなると思います。
その次は水利の問題について建設大臣にお伺いいたします。私は
国家駐政を豊かにするということについて、
国民から
税金を取るとか、或いは国の資材を処分してそれで雑
収入にするとか、或いは今私の希望したような
国立公園等の
仕事を
拡大強化して
外貨の
獲得をするとかいうようなこと以外に、
政府の手に集まつた金を成るたけ無駄をしないで有効適切に使うというようなことを
政府当局としては
考えなければならん。そういうことを
考えているでしよう。だからしてどうも行政整理をして人の頭数を減らして
国費の
支出を少くし、
税金を成るたけ軽くしようというようなことはそういうことから出た手段であると思う。併しながら私は
政府当局はこういうことを
考えて頂かなければならん。年々歳々水害のために洗い流される土手、橋梁、美田、家屋、人命、こういうようなものが非常に年々歳々
我が国においてはその数が多い。それらを今表によ
つてこれを見ますると、
昭和二十三年から二十七年までの間における水害、それらのものが五カ年間に二千百十三億五千二百五十六万というものが表の上に現われておる。これに都道府県の損害を合計いたしますると、これ又都道府県でこれらの
仕事をや
つておりますものが九千三百七十八億六千二百万というたくさんにな
つておる。これを一年に割当てますると、一年平均千五百八十三億幾らというものが毎年々々水害のために水に流されておる。こういうようなことを流されないような工面をするということによ
つてこれだけの
国費というものがいわゆる水に流されないで済むことになるのだが、そういうようなことについて私の
考えを
一つ申上げて建設大臣並びに
大蔵大臣その他の
国務大臣諸公の御参考に供してみたいと思うのであります。そういうようなたくさんの水害がなぜ起るかというと、私をして言わしめれば雨を少し降らせればいいじやないか、併しこれは天に対してできないことで、そんならどうすればいいかというと、その流れる水を、害を及ぼさないようにその水を処理するということが必要なんだ。それにはどうすればいいか、今までのやり方はいわゆる堤防を強化するということに力を入れた。堤防を強化するということに力を入れるが、その力の入れ方が、何年間の水力を平均して、これだけの力があ
つたのだから、これに堪えるだけの堤防を築けばいいというので堤防をこしらえた。ところがそれだけの平均の水圧よりももつと大きい力が加われば、それに堪えられなくて流れてしまう。毎年そうなんです。
我が国のように、
全国に大小の河川が数千もあるような国土においては、その水害が毎年何千億円という水害があるので、それを防止するという
方法を講じなければならん。それは何であるかというと、いわゆる砂防工事であります。砂防工事ということをしなければならない。これは私が丁度
建設省をあずか
つておりますときに、
全国の土木課長、それらの
関係者を集めて
意見を尋ねましたときに、最もいいことだ、砂防工事をやれ、砂防工事をやるということによ
つて被害が少くなることは、建設大臣もすでに御検討相成つたでありましようけれ
ども、一番手近なところでは甲府に
行つて見るとすぐわかる。山梨県に、一郡に二つの川がある。年々歳々二つの川が同じように水害がある。ところが今から二十年ほど前に
一つの河川に対して砂防工事をした。ところが他の河川は村民や郷土のものが反対したためにできなかつた。ところが砂防工事をした河川はその翌年からぴたつと水害がなくな
つてしまつた。他の砂防工事を阻害したところの村は毎年々々水害だというので、私が向うを視察したときに私に向
つて、今までの
考えは間違
つておつたからどうぞ
一つ砂防工事をや
つてくれということで請願に来た事実があります。これは当
委員の赤木博士が最も堪能なかたでありますから、こういう人の
意見を十分に
一つお取入れにな
つて、そうして砂防工事を
全国の河川に、やはり一時にはできますまい、だからして
一つ重点的に、例えば今年は利根川、その次は何川というふうに、水害の多いところの実例が内務省の土木局に保管しておつたものが、ずつと今日まで
建設省に保管してありますから、そういう材料によ
つて、重点的にそういう水害を除去するためにこの砂防工事を施すということになれば、だんだん水害が少くなる。堤防、橋梁、美田、人家というようなものの流失がなくなるということによ
つて、
我が国のそれだけの貴重な金が、数千億円というものが年々残ることになる。それが即ち
国民の
負担を軽からしめ、そういうふうな水に流れる金を以て公共
事業のために尽くすことができるのですから、こういう点に重きを置いて頂きたいのですが、建設大臣の御所見は如何ですか。