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1952-12-20 第15回国会 参議院 予算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月二十日(土曜日)    午前十時二十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            左藤 義詮君            高橋進太郎君            森 八三一君            内村 清次君            山下 義信君            駒井 藤平君            岩木 哲夫君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            石原幹市郎君            石坂 豊一君            石川 榮一君            泉山 三六君           池田宇右衞門君            大矢半次郎君            川村 松助君            郡  祐一君            杉原 荒太君            石黒 忠篤君            小野  哲君            片柳 眞吉君            加藤 正人君            西郷吉之助君            新谷寅三郎君            溝口 三郎君            岡田 宗司君            佐多 忠隆君            高田なほ子君            羽生 三七君            三輪 貞治君            波多野 鼎君            松永 義雄君            山田 節男君            吉川末次郎君            鈴木 強平君            西田 隆男君            一松 定吉君            堀木 鎌三君            千田  正君   国務大臣    大 蔵 大 臣 向井 忠晴君    厚 生 大 臣 山縣 勝見君    運 輸 大 臣 石井光次郎君    建 設 大 臣 佐藤 榮作君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君    国 務 大 臣 木村篤太郎君    国 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    内閣官房長官 江口見登留君    法制局次長   林  修三君    人事院総裁   淺井  清君    国家地方警察本    部長官     齋藤  昇君    国家地方警察本    部刑事部長   中川 薫治君    行政管理政務次    官       中川 幸平君    自治庁次長   鈴木 俊一君    保安庁経理局長 窪谷 直光君    保安庁装備局長 中村  卓君    経済審議政務次    官       小川 平二君    経済審議庁調    整部長     岩武 照彦君    大蔵大臣官房長 森永貞一郎君    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省銀行局長 河野 通一君    厚生大臣官房会    計課長     太宰 博邦君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生事務官    (厚生省社会局    長事務代理)  黒木 利克君    厚生省児童局長 高田 正己君    通商産業大臣官    房長      永山 時雄君    中小企業庁長官 岡田 秀男君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省住宅局長 師岡健四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十七年度一般会計予算補正  (第一号)(内閣提出、衆議院送  付) ○昭和二十七年度特別会計予算補正  (特第一号)(内閣提出、衆議院送  付) ○昭和二十七年度政府関係機関予算補  正(機第一号)(内閣提出、衆議院  送付)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今より予算委員会を開会いたします。  昨日に引続き質疑を開始いたします。
  3. 山下義信

    山下義信君 厚生大臣に対しまして、民主安定関係の問題について一、二伺いたいと思います。  第一点は国民健康保険の問題でありますが、これは周知のごとく衆参両院におきまして問題にもなつておりまするし、当予算委員会の小委員会におきましても、内村委員長報告にありますごとく、小委員会全体の問題に相成つておるわけでありますが、すでに今日御承知のごとくこの国民健康保険をやつておりまする町村は市を加えまして一万四十九カ村、この保険に加入いたしておりまする国民は二千四百五十九万余人に及んでおるのであります。併しながらこの程度では全体の我が国の半ばにも及んでおりませんし、まだまだこの国保強化育成はしなければならぬことでありますことは、もはや議論の余地はございません。然るに政府はこの国民健康保険強化育成につきまして、非常に熱意がないのではないかと疑われる点もあるのであります。先般成るほど再建整備資金或いは奨励費等に若干の施策はされたようでありますが、根本的には医療費国費負担を見ざれば解決のできないことはもう輿論になつておるのでありまするが、この点につきまして、厚生大臣はどう考えておられますか、御所見を承わりたいと思います。
  4. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。国民健康保険につきましては、只今お説の通りでありまして、現在まだ御指摘通り二千四、五百万人がその被保険者になつておるような次第でございます。これは恐らく三割五分或いは三割六、七分に満たんと思うのであります。殊にこの国民医療の面において、国家がこれらの国民かたがたに対して最善措置をとりますることは、これは当然に考えるべきことと考えるのであります。然るに只今指摘通り最近は医療の単価も引上げになりましたし、なお又受診率も年々上つてつておるのであります。昭和二十六年はたしか一〇六でありましたか、昭和二十七年が一二〇、恐らく二十八年度におきましては一三〇%くらいになるのじやないかと思うのであります。然るに一方においては例の保険料収納率がなかなか思うように参りません。昭和二十七年におきましては八六%くらいじやないかと思うのでありまするが、さような関係でこの国民医療の面において最善を尽すべき、又国家として考えるべき点においていろいろな遺憾な点がありますのであります。従つてこれに対して何らか、殊に又只今申しましたような受診率の上り、或いは又収納率がなかなか思うように行かぬというような、保険財政の面においてもなお困難な面がありますから、といつて又この重要なる国民医療の面を等閑に付することもできないのであります。只今指摘奨励金或いは再建整備資金等もこれらの保険財政が非常に困難であるという面に鑑みて、かねて政府措置をとつたのでありますが、昭和二十六年度においてたしか二十一億円でありましたか、二十七年度におきましては恐らく三十一億円ほどのこの保険財政の面における、殊にこの国民健康保険保険財政の面における赤字が出るように予想されておるのであります。従つてこれに対して何らかの措置をとるべきであるということを政府としても考えておりまするのでありまするが、ただ国家財政の面から従来思うように参つておりません。併し何らかこれに対しては政府としてもこの際考慮をいたして、できれば昭和二十八年度予算の編成に当りましては、従来の例えば再建整備、或いは貸付金制度奨励金、こういうふうな点よりも更にできれば一歩進めて、この国民医療のうちで一番重要な点でありまする国民健康保険の面において最善措置をとりたいと思つておるのであります。恐らく只今の御質問の要点は、これに対して従来は御承知昭和二十七年度におきましては、事務費に十六億何がしの国庫負担をいたしておりまするが、この給付費に対して国家が何らかの負担をいたして、この保険財政赤字を補填し、国民医療の上から一番の重要な点である国民健康保険の健全な発達を図るべきじやないかという御質問じやないかと思いますが、それに対しましては、政府といたしましては最善考慮以つて善処いたしたいと考えている次第であります。
  5. 山下義信

    山下義信君 そうです、私の質問は。問題は医療費に対して、医療給付に対して国費負担をやらなければ国民健康保険はもう崩潰して行くよりほかに途がない。政府国民健康保険というものをこれは育成する方針であるのか、崩潰してもいいのかという別れ道は、医療給付国費で出すか出さんかという点にあるのでありまして、厚生大臣明年度からは……この点は即座にそれをやるべきだということを考えるのでありますが、今の御答弁では、明年度からその点について是非医療給付に対する国家負担を実現したいという厚生大臣の御希望であると、かように御答弁を了承してよろしうございますか。
  6. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) 只今この国民医療の面で一番の重要な面を占めており、又政府といたして勿論健康保険或いは厚生年金その他ございまするけれども、一番国民層のうちで困つている面の、いわゆる国民医療の面である国民健康保険に対して先ず第一に何らかの措置をとりたいと、現在その面におきまする保険財政赤字、或いは保険財政のこの窮乏に対してこのまま等閑に付しますことは、政府といたしても考慮いたさなくてはならん点であるので、少くとも厚生省といたしましては、来年度予算においてこの面に対して何らかの給付に対して国庫考慮する途を開きたい。勿論これは国家財政の面がございますから、これは大蔵大臣ともよく協議をいたしまして、できれば只今申上げておりまするような線に向つて最善努力をいたしたいと、こういうことを申上げておるのであります。
  7. 山下義信

    山下義信君 只今厚生大臣が、厚生大臣としての御所見をお述べになつたのでありますが、この点大蔵大臣はどうお考えになりますか、大蔵大臣のお考えはです、この社会保障制度的な施策に対しても十分考慮しなくちやならんという御意向と私は承つておるので、伝聞いたしておるのでありまするが、只今国民医療の問題であります。私はこれは議論いたしません、持ち時間がありませんから議論いたしませんが、大蔵大臣が従来これを拒否して来たということはおかしいのです。それは前の池田大蔵大臣は、国保補助は少しでもやるということは、これは社会保障制度の非常な前進になるのであつて、それを飽くまで拒否せにやならん、そうして直ぐ英国の例を出すのです。英国がそういうことをやつて惰民を作つていて、而も厖大な支出をして困つておるじやないか、日本とその英国のような社会保障とすぐこれを結びつけて、そうして日本社会保障制度の何と申しますか、推進というものを拒否しようとするのであります。そういうことの見方とか、議論とかは別といたしまして、今日もう大砲バターかとやかましく叫ばれておるのでありまするが、国民健康保険補助を出すということを、国が医療費負担することは躊躇することはおかしいのです。大蔵大臣よく御研究を願いたいのです。或いは御研究下さつていて今御答弁頂ければ有難いと思いまするが。すでに生活保護法で国は国民病気に困つている者の医療扶助をしているのです。これが生活保護費の中で少くとも三五%以上を占めているのです。ですから生活保護費用を国が二百五十億仮に出すとしますと、その中の八十億近いものは、六十億乃至八十億というものは国民病気費用を国が払つておるのです。それを、国民健康保険というものを市町村が営んでおる、その健康保険以つて、現在国保をやつておる町村は肩代りしてやつておるのです。ですから全国国民健康保険というものを発達させるというと、それに今何でしよう、国民健康保険医療費というものは最近は大体百七、八十億じやないかと思いますが、その二割を国が出して三十五億出してやれば、片一方生活保護法のほうで国が払つている医療費の六十億ー八十億というものが助かるのです。それで私はこういう点が、これは向井大蔵大臣に我々が期待するのは、あなたの財政支出の上では非常に能率的な経済観で以て御覧になつて、能率的に国民の租税の使い方をしようということに私は非常な期待をかけたいと思うのでありますが、そういうことを考えれば、国民健康保険補助を出すことは何でもないことだ。而も今日その二百五十億の、私、議論しませんが、二百五十億の生活保護費、即ち貧乏人です、その貧乏人は何からそういうような国の扶助を受けなければならんような境地に落込んだかということを調べるというと、三五%は皆病気医療費を払うことができない、病気のために貧困に落込んだ事実が挙がつておる。これを大蔵大臣是非……、従来の大蔵大臣は拒否していた。国民が希望しているこの国民健康の問題を、国民医療の問題を、国保育成大蔵大臣は拒否して来ておるのでありますが、今厚生大臣はそれに対して非常に熱意のある御答弁でございましたが、大蔵大臣はどうお考えになるか。
  8. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) お説は御尤もでございまして、私はその点については頭から拒否するというふうな考えは持つておりません。只今まで私の存じておるところでは、そういう金がほどよくでなく、一番能率的に使われているかどうかということを、実際問題として私はまだわかつていないのでございます。それでバター大砲かと言いましても、すべてこれは程度問題です。どつちに傾いてもいけないと同じように、この社会保障ということも、それはやれば結構でございますが、やはり程度考えませんと、国の力が応じられなくなるという点で慎重な考慮が要るのですけれども、それはまあ考えて適当に処理するとして、今度はそれの使い方、或いはこの目的に使うと言つておいていながら、使われ方が下手だと効果が挙りませんから、そういう点について実際問題を、これは私のじかのことでございませんが、厚生省でもよく研究してもらつて、それで成るべく早く適当な措置をとつて頂きたいと、そういうふうに考えます。
  9. 山下義信

    山下義信君 この問題につきましては、大蔵大臣十分御考慮下さるお気持があるようでございますから御期待申上げる、こういうことにいたします。  昨日波多野委員からの質疑がありまして、それに関連いたしまして私も伺いたいと思うのでありますが、生活保護費改訂は、これは当然でありまして、昨日主計局長の御答弁では、今厚生省協議中である、こういうことでありますが、どの程度までに基準引上げるという考えで交渉中であるか、厚生省の持つておりまするその考え方、今交渉しておりまする引上げの額というものにつきまして、厚生大臣から御答弁を願いたいと思います。
  10. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。この生活保護法基準引上げに関しましては、順序として二つに分けて申上げたいと思います。先ず、今回の米価引上げに対して基準をどう考えるかということが一つ、又従来第十二次まで改訂をいたして参りましたが、今第十三次において何らかの改訂を或いはいたす場合においてはどういうふうに基準引上げするかという、二つに分けての御質問だと私は了承いたしますから、さような点についてお答え申上げます。  先ず米価引上げに対しましては、今回御承知通り米価引上げがありますが、これは大体計算いたしますると、世帯当り約五十三円七十銭に相成るので、これを一人当りにいたしますと大体十七円八十八銭になるのであります。これに人数をかけますと、大体大ざつぱに申して約八千百万円ほどこの一年の間に支出が殖えることに相成るのでありますが、これは昨日恐らく波多野先生に対する大蔵大臣の御答弁にあつたと私は了承いたしますのでありますが、これは大体において本年度予算の範囲内において既定経費の二百四十六億の中から賄えると思いますから、特別の予算措置を講ぜずしてこれはできると思います。  なおこの次に、現在の七千二百円の基準を上げるかどうか、又上げる場合にはどの程度上げるかというお話でありますが、これに対してはまだいろいろ検討中でございまして、確かに御返答申上げることは如何かと考えますが、何とかしてこれは上げてみたい。それはたしか昭和二十二年でございましたか、安本で調査をいたしました日本のこの栄養のカロリー、たしか二千百五十を目標としたと記憶いたしておりますが、昭和二十六年度が二千二百二十五、これは平均の所要量でございますが、大体我々の今考えておりますのは、現在の千五百カロリーを千六百二十カロリーぐらいまで引上げ程度栄養を持たす、さような見地から飲食費その他被服費交通費、殊に育児に関する費用、これなんかもできれば増額いたしまして、これはただ構想でございますから、はつきり申上げては如何かと考えますが、大体千円程度引上げて、八千二百円程度にいたす構想で今検討中でございます。
  11. 山下義信

    山下義信君 昨日主計局長は、これは私もこの前の予算委員会でこの点に話が移つたときに、主計局長質疑応答をしたのでありますが、主計局長自然生活保護の対象は漸次減少すると、こう言つておられるのです。その減少の原因等について波多野委員からまさに触れんとされたのでありましたが、私は聞きますが、大蔵省全国指令を下したというような、或いは厚生省を強く押して、この生活保護者の一斉調査か何かをやらして、そうしてできるだけこの保護の打切りとか中止とかいうようなことをさせるとかさせたとか、或いは指令を出させたとか、迫つたとか、さような事実があるかないか、御答弁を願います。
  12. 河野一之

    政府委員河野一之君) 性質生活保護というような金を予算の面から非常に削減するということはやるべきことでもありませんし、又してはならないことだと思います。ただ御承知のように各府県におきまして相当まあ人口当りと申しますか、或いは世帯当り保護状況が多少違つておるところがあるように思われます。国民税金を使うことでありまするので、濫給ということはこれは避けなければならないのでございまして、この点につきまして、厚生省におきましても十分御留意せられまして、各府県状況をいろいろお調べになつております。できるだけこれを適正に公平に、又一人としてこれに漏れることがないように適正にこの執行を行うように厚生省に要望し、又その御了承を得て、そういう方面に……、そういうふうに努力いたしておるわけであります。
  13. 山下義信

    山下義信君 私は、今私が申上げたようなことが政府部内に行われようとしておることについて疑惑を持つておる。これは問題として残しておきます。  次に厚生大臣に伺いますのは、遺族に対しまする八百五十億でありましたか、弔慰金公債であります。これは全部支給が済みましたのでしようか、どうでしようか。この点を伺います。
  14. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。御承知のこの遺族のかたは……。
  15. 山下義信

    山下義信君 なお関連して、一体年内に遺族年金等支給が大体済むかどうか、非常に御努力のようでありますが、大体の見通しを聞きたいと思います。
  16. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。遺族かたがたに対して、或いは又戦争の障害を受けられたかたがたに対して障害年金或いは遺族年金支給いたして、御承知の四月三十日に法律が施行されましたが、その後大体遺族かたがた二百万内外と予想されておりまするが、何分にも身分関係調査或いは手続が、当初は市町村のほうから県を通じて厚生省のほうに手続が参つております。身分調査或いは手続が非常に複雑でございまして、なお又法律は四月三十日に施行されたのでございますけれども、いろいろなそういう法律に基いて政令を作り、或いは実際に遺族かたがた通知をいたしましたのが、たしか六月の末から七月にかけてでございます。その他これは、まあさようなことを申してはどうかと思いますが、選挙等があつて、いろいろの関係で非常に遅れましたので、私が就任いたしました際は、その問題を調べましたところが、なお又遺族かたがたから日々非常な御非難のお言葉がございまして、調査いたしました際においてはたしかまだ、折角さような法律ができて、そうして遺族かたがたに少くとも年末までにさような年金支給いたすべきであるにかかわらず、たしか私が就任いたしました十一月の初め、十月の末においては小数万件に過ぎなかつたのであります。これはいかんというので、私はいろいろ省内の者も督励いたし、なお又臨機の措置をとりまして、例えば他の職員を転用いたしますとか或いは臨時雇をいたしますとか、或いは従来市町村手続をいたし、更に又本省でその裁定の手続をいたすということを省略いたして、若しも明確な事由があつて、それらが疑いのないものについては手続を省略いたしますとか、いろいろなことをいたして参つております。それでもまだ追付きませんので、便に大蔵大臣とも相談をいたしまして、緊急措置を更にとりまして、現在はこれもお聞き及びでございましようが、土曜、日曜を返上して、これらに関係いたしておりまする者がやつておるのであります。私も両三回その現場を視察、督励いたしましたが、私が就任いたしました際には、一日三千件がやつとでございましたのが、昨日の報告、本朝はまだ参りませんが、毎日承知の、これは陸軍関係海軍関係でございますが、海軍関係は舞鶴から報告毎日電報で取つておりますが、それが昨日が、最近のものでございますが、昨日におきましては一日二万一千件を実際に通知を出しておるのであります。当初年末までにはせいぜい二、三十万件と予想されておりましたのが、昨日におきましては八十二万余件に相成つております。恐らく年末には九十万、できますれば百万近くまで突破いたしたいと思つておるのであります。遺族かたがたもこの点に対しましては非常な当初は御不満でございまして、毎日のような陳情等もございましたが、現在におきましては、むしろ感謝の手紙が毎日厚生省に参つておるような次第であります。
  17. 山下義信

    山下義信君 大蔵省に伺いますが、大蔵大臣に一応伺いますが、遺族に五万円の弔慰金公債で出している。これに対してこの公債で金のいるような者には金を貸すというので、今回の補正に出ているのでありますが、十億出ておるのでありますが、これは一体八分というような高率の利息をお附けになつたのはどういうわけですか。
  18. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは御承知のように国民金融公庫で担保に貸しておるわけでありますが、一般生産資金が八分でありまするので、国民金融公庫資金コストの問題がありまして、同じように取扱つた次第であります。
  19. 山下義信

    山下義信君 これはどういうわけですか、一般生業資金一般金融利息と同じように、遺族にですよ、遺族に出した弔慰金、現金で出すべきものが、政府財政の都合で公債にしておいて、そうして記名式融通を禁止しておいて、その公債の価値を下げさせておいて、融通のつかないことにしておいて、遺族が必要のない場合にはこれを投げ売りをしたら困るので、公債のブローカーに食われたらいかんので、国家がやかましく言つておるが、一般国民税金でこれを立替えようとしている、今回も一般財政から金融公庫に十億というものを出そうとしているでしよう。コストは只じやありませんか。税金じやありませんか。それに八分というものを遺族から取る。大蔵大臣どうお考えになりますか、高いとお思いになりますか、当り前だとお思いになりますか。若し高ければ安くしてもらいたい。利子の話はあなたが一番知つているから……こんな馬鹿な話はない。お答え願いたい。無利子当り前のはずだ。
  20. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) よく考えます。
  21. 山下義信

    山下義信君 御即答ができなければ、よくお考え下つてよろしうございますが、高ければ速かに低くし、低くじやない、無利子にいたさなければならない性質のものでありますから、御考慮願いたいと思います。御考慮頂けますか、重ねてお答えを願います。
  22. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) よく考えます。
  23. 山下義信

    山下義信君 最後に私は引揚の問題で厚生大臣に伺いますが、只今中共の引揚につきましては、最近周知のごとき状況に相成つて、我々は一日も早く多数の人たちが引揚げられることを待つておるのでありますが、これらの未だ引揚げられざる留守家族に対しまする援護の施策というものが、現状といたしましては或いは未復員者給与法或いは特別未帰還者給与法等でやつておるのでありますが、非常に零細な額を出しておるに過ぎないのであります。而もその対象者は僅か五千に満たないという程度でありまして、未復員者を加えましても四万に足らないのであります。これは政府におきましてただ単に引揚に努力……、余り努力もしておりませんけれども、努力を大いにやつてもらわなければなりませんが、その留守宅の援護につきましても十分な施策をいたさなければならんと考えるのでありますが、厚生大臣はこの点を、どういうふうに考えられますか、御答弁を願いたいと思います。
  24. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。お説の通りまだ復員をされませんかた或いは又まだ帰還をされませんかたは、大体今我々の手許で算定いたしておりまするのが、いわゆる未復員者給与法の対象となつておりますものが三万五千世帯、未帰還者給与法の対象になつておりまするのが六千世帯であります。これらのかたがたのこちらにおられます留守宅のかたがたは非常にお困りでありまして、これに対しては何とかして政府として考えたいと思つてつたので、従つてかような法律昭和二十二年或いは昭和二十三年に制定されたのでありますけれども、只今お説の通り、いわゆる給与の前渡しというような形式で出しておりますものが、なかなかこれは御承知の、本人に対して千円、家族に対して六百円乃至四百円、こういうふうな零細の金でありますから、これは到底困難な現状に対して、留守家族のかたがた随分お困りだろうということは十分考えておるのであります。ところが従来これもたびたび申上げたことで甚だ恐縮でありますけれども、財政の点その他で思うように賄えないで、本日に至つておりますけれども、これも又政府において軍人恩給等の関係もありますし、いろいろな関係もあつて、できますればこの留守家族のかたがたに対して、この未復員者給与法或いは未帰還者給与法、これらの対象外になつているかたがた、例えて申しますれば未帰還者給与法は御承知通りソ連或いは中共において抑留又は留用されているかたがたでありまするけれども、それらのほかに又……、当時終戦直後においてはそういうような区別をいたしてもよかつたかも知れませんが、終戦後七年ほどたつた現在においては、本人の意思に反して向うにとどまらざるを得ないかたがたに対して、留用されているとか或いは抑留されているという、終戦直後においては或いはさような差別が適当であつたかも知れない、その差別によつて現在もなお留守家族の差別をいたすことはどうであろうか、こういうふうな観点で今検討中であります。何とかしてそういうような抑留或いは留用されているかたがた以外の一般の邦人に対しましても、何らかそれらのかたがたの留守家族に対して援護の手を差延べたい。なお又それらに対して、従来未復員者給与法で出しております、或いは未帰還者給与法で家族のかたがたに対して出しております本人の前渡金額、これらに対しましても、この形を、本人の給与に対する前渡しといたしますか、或いは援護に対する額として出しますか、その形式又は金額に対しましては折角検討いたしまして、何とか国家財政の許す限りにおいてはこれらの援護の手を万全を期したいと考えておるのであります。
  25. 山下義信

    山下義信君 私の質疑はそれで済んだのでありますが、今の留守宅の援護を当局は考えているということですが、どの程度の援護をしようということにつきましては、具体的なお考えをお示し願うわけには参りませんでしようか。
  26. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。この具体的の額でざいますが、これも昭和二十八年度国家財政の規模の問題とも関連をいたし、なお又軍人恩給の額もまだ答申案ができたばかりでございまして、直ちにこの未復員者給与法或いは未帰還者給与法によつて本人の給料の前渡しとして出しております千円、これをどの程度にするかということにつきましては、はつきり申上げますことはまだ只今申しました事情でできませんが、これに対しましては、できる限りの増額をいたしたい。額につきましては、これは軍人恩給との関係、或いは国家財政との関係もありますから、只今はつきり申上げかねます。ただ先ほど申しました範囲でございまするが、範囲につきましては何とかこれは努力して行きたい、こう考えております。
  27. 高田なほ子

    高田なほ子君 私はこの際売春問題について厚生大臣にお伺いいたします。  昨日来吉田首相は道義の高揚を非常に強調されたのでありますが、一体我が国には売春をしていいという法律はどこにもないのであります。むしろ売春行為は禁ぜられているのでありますが、法治国家として法律が守れないで、最近のようなこのおびただしい売春問題が目を覆うばかりになつている。道義の高揚を叫んでもこれでは何にもならないと思うのであります。そこで売春の禁止に関しましては、第二国会に売春等処罰法案がかかりましたが、これがまあ審議未了になつてしまいましたが、当時私は婦人団体の一メンバーとしてこの売春法等に対する建議案の作成にも参加した一人でありますが、どうも政治の面ではこの売春問題というものは奨励こそすれ、それを取締つてなくして行くというような方法が今日までとられておらなかつたのであります。  私が先ず第一番にお尋ねをしたいのは、このような淫売行為、売春行為が街の中になぜこのように氾濫するのかという原因を厚生大臣はどのようにお考えになつているかということであります。その前提として私は厚生大臣のみを責めようとは思つておらない。取締の任に当る警察当局が非常にサボつておる。むしろ売淫を奨励しているような現在の立場にあることについて私は甚だ遺憾に思いますけれども、併しながらなぜこのような売春が我が独立した日本のこの国内に氾濫しているかというこの原因を十分に厚生の面にあられる大臣が把握せられるということは当然だろうと思う。私の第一問に概略お答え願いたいと思うのであります。
  28. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。この売春の問題は実はよく委員会等でも御質問がございまして、厚生大臣がお答えをいたしておりまするが、これは私はかねて考えておりますることは、売春の問題等に関してただ厚生省だけの所管の事務として処理いたしておることに根本的な間違いがあるのではないかと思つておるのであります。現在厚生省といたしましては、この売春の問題等につきましては、ただ公衆衛生上の見地のみから監督をいたしているのであります。公衆衛生上の見地のみからこの売春行為に対して批判をいたしているのであります。そこに私は根本的の従来行政の欠陥があると考えており、又恐らく高田先生もさような点を基本にしてお話があつたと思うのであります。勿論この売春はただ売春だけじやありませんで、それには当然人身売買という問題が起つて参ります。或いは搾取という問題も起つて参るのであります。或いは又児童福祉の問題からしましても、児童虐待の問題が起つて参るのであります。或いはその他公衆衛生の面から大きな問題でありまする性病の問題があります。現在国家として考えておりまするのは、主としてこの性病という見地のみから売春を考えておるのであります。従つて取締も、勿論売春を取締りまする条例が府県等にございまするけれども、国家としてはそれに対して的確な法律はないのであります。従つてそこに今抜け穴がありまして、現在社会悪を流しておるのでありまするから、今後高田先生のお話の通り、単に公衆衛生上の見地のみからこれを考えないで、国家全体として総合的に考えるべきだと私は考えておるのであります。
  29. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 高田さん、関連質問だというお話だつたから許したのですが、今の山下君の議題と全然関連しませんから、順序がもうきまつておりますから……。
  30. 高田なほ子

    高田なほ子君 厚生大臣の御出席がございましたので、厚生大臣質問に関して私が御質問申上げたのです。
  31. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) そうですけれども、今各党に割当てた順序がありますから、もう暫くお待ち願いたいと思います。
  32. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう少しで終えるのですが、二、三点で余り長くございません。
  33. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今日は早朝からお見えになつておりますから、ちよつとお待ち下さい。
  34. 高田なほ子

    高田なほ子君 それじやこれはあとに廻して頂けますか。非常に重要でございますから、よろしうございますか。
  35. 波多野鼎

    波多野鼎君 先ほど山下議員の質問の中に、国民健康保険医療給付国庫負担の問題があり、又遺族に対する交付公債の担保の利子の問題もありました。政府側からそれぞれ答弁がありましたが、これらの点は非常に重要な点でありまして、来年度予算の上にどういうふうにこれが現われて来るかということを我々は厳重に監視するつもりでありますから、政府側においても誠意を尽して先ほどの山下議員の趣旨に副うような施策を講じて頂きたいと考えるのであります。  厚生大臣に御質問申上げたい一つの点は、小笠原から強制引揚げを命ぜられた人の問題でありますが、これは去る六月の内閣委員会において南方連絡一事務局の機構の問題が問題になつた場一合に問題にとり上げられた点であります。即ち戦争中に小笠原島民が強制的に引揚を命ぜられた。そうして東京都に参つております、主として東京都に一参つております。終戦直後早く小笠原に帰りたいという熱望を持つておりました。ところが今から三、四年前に、小笠原に住んでおつた第二世、二世系統の日本人だけが百何十人か小笠原に帰還が許された。併し純粋の日本人は相変らず帰還を許されておらない。七千数百人の人たちが非常に困窮した生活を東京で送つております。これに対しまして、政府側で何らかの援護の手を延べてもらいたいということが問題の重点なんです。そのとき外務次官をやつておられた石原氏が答弁に立たれまして、小笠原の人たちはもう今にも帰れるか帰れるかと思つてつておるのだけれども、若しまだ帰ることが今後長引くようであるならば、外務省としては特別の法律案を考えて、その人たちに援護の手を延ばしたい、厚生当局と十分打合せをいたしたいと思います。という答弁をしておられます。これは私が質問した点なんでありますが、厚生当局とそういう点において外務省と何か打合せがあつて……非常な差別待遇を受けておる。二世系の者だけは帰れる、純粋の日本人は小笠原に帰れない、小笠原に残して来た財産なんというものはどうなつておるか、見当なんかつきやしないといつたような非常な不遇な地位におるのであります。できるだけ早く帰してやりたいと私ども思いますが、帰れない間東京その他で住居しておる人に対して生活上何らかの保護の対策を講ずべきだという点なんです。厚生省のほうではどんなふうのお考えになつておるか、お伺いしたい。
  36. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。只今の問題につきましては、これは本来外務省において相当考慮さるべき問題でございまして、外務大臣からお答えになる筋合だと思います。ただこちらに引揚げられた後のさような引揚者の、引揚者と申しまするか、こちらに来られたかたがたの援護をどうするかというお話でありますが、厚生省として只今お答えできますのは、決してこれは形式的に申上げるのじやなくして、只今できますることは、これはやはり一般の困窮者と同じような立場において援護すべきものは、例えば生活保護法によつて援護すべきであるというようにいたさざるを得ないのであります。併し只今お話の特殊事情もございまするから、私ども外務省とよく打合せをいたしまして、現在厚生省として許されておりまする手段のうちの最善措置をとりたいと考えております。
  37. 波多野鼎

    波多野鼎君 外務省に言えば、厚生省と打合せをいたしますと言う、厚生省に言えば、外務省に打合せすると言う。外務大臣の出席を要求しまして、ここでつき合せて話を聞いてきめて行きたい。こういうことでだんだん延びて来まして、現に七年、何ら保護の手を差延べていない。殊に小笠原が軍事基地として使われているようであります。小笠原に何百年も住んでおる人たちの財産というものは全部没収されておるか、或いは使われておるか、基地として使用されておるかどうか、わからない状態なんです。日本内地においては、基地に対しては、基地として使われておることによる損害に対しては、賠償の方法もちやんと考えておる、併し小笠原に対しては何ら考えていないといつたようなことでは、私は政府全体として対策を講じてもらはなければならん重大問題であると思いますが、厚生大臣は誠意を以て外務大臣と一応話合いをつけて頂きたい。そしてどういう方策をとるかということを閣議において決定してもらいたい。当面の責任者は私は外務大臣と厚生大臣だと思う。閣議の問題にして頂きたいと思います。
  38. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) 只今お話がございまして、これは本来から申しますと、先ほど申上げました通り、若しもなすべきことがありますれば、賠償とか何かのことに相成るのであつて、その点から申しますならば、決してこれは私は外務省とか厚生省とかいうことを申上げておるのではなくして、現在の筋合いといたしましては、これは外務省として善処をいたすべきものであると思いますけれども、なを又厚生省の援護は、現在許されておりまする法律の下においての援護でありまするから、さような見地においては、只今一般のものと同様以外の援護は只今のところはなしがたい、こう申上げたのであります。併しお話もございまするから、外務大臣ともよく打合せをいたしまして、善処はいたしたいと考えております。
  39. 波多野鼎

    波多野鼎君 建設大臣にお尋ねいたします。東京から神戸まで弾丸道路を建設されるということが、大分前に政府の案としてきまつおつたようであります。そして測量などもやつておるようでありますが、あのいわゆる弾丸道路を造ることによつて、農地をどれだけつぶされることになりますか。
  40. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 東京・神戸間の俗称弾丸道路と申しますか、これは只今承知のように調査中であります。本年並びに二十八年度まで引続いて調査をすることになつておるわけであります。大体農地と申しますか、用地として必要なのは千七百八十一町歩というようなことになつております。この中には田畑、山林、宅地等があるわけでございます。
  41. 波多野鼎

    波多野鼎君 このいわゆる弾丸道路、幅員二十二メートルの広い道路でありますが、これは何の目的のために、誰が使うのかということは、いろいろ疑惑の生ずる点であります。何の目的でこれを先ずお造りなるか、一つお伺いしたい。
  42. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。波多野さんのお尋ねとして、私、誠に意外に思いますが、御承知通り最近自動車の発達は、私どもの道路の状況とは格段の相違があります。車の数が殖えたばかりでなく、トン数も非常に大きくなりまするし、形も非常に大きくなつて参つた。で、今日の東海道線の状況考えて見ますと、現在あります国道では、もう今日の交通要請には応え得ないように思うのであります。今日も各都市或いは町村等で問題を起しておりますが、道路の近代化は非常に遅れておる。その上を通つておる交通機関は非常に進歩しておる。その不釣合いをどうしても是正しなければならない。これが高速度道路を必要とするゆえんであります。恐らく現状のままを以て推移いたしますれば、年々十万近く自動車が殖えておるのでありますので、東海道線におきましては、ここ五、六年もたちましたら、非常に混雑を来すことで、とても賄い得ないと思います。
  43. 波多野鼎

    波多野鼎君 大体政治のやり方が中央集権的と申しますか、東京本位でやつておる。そのために地方においては、地方の利益というものは非常にいつも侵害されるということは、あらゆる面において現われております。道路が悪いということは、これは言われるまでもなくよく知つておる。国道を歩いて田舎へ行くと、国道の体をなしておらない。国道の中で舗装されておるのが大体三〇%とか何とかいうことで極く少い。とにかく先ず先決問題としては、政治の恩典を田舎にまで及ぼすような道路政策というものが考えられること、それを抜きにして、千二百億でしたか千百億かの莫大な国費を使つて、東京と神戸間だけにそんなものを造つても、何の役に立つか、これは私は政治のあり方の問題だと思います。国民の全体のために役立つようなところから道は政策にしたつてつて行くべきだ、先ず国道或いは県道、そういうところに重点を置いたやり方をなさるのが当然じやないかと思うので聞いておるわけであります。
  44. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) お説の通り全国の道路を整備する計画は勿論持つておるわけであります。最近御承知のように、国道を一級国道並びに二級国道に区分をいたして、全国調査もいたしておるわけであります。先だつて道路審議会を開きまして、漸く一級国道だけは選定が終つた次第であります。更に併せて二級国道もいたすわけであります。ただそういたしまして、道路の整備には全国につきまして整備計画を持つわけでありますが、特に東京・神戸間に高速度道路を必要といたしますゆえんは、先ほど申上げましたように、特にこの区間が交通が輻湊いたしておるからであります。従いまして、これが取上げ方の問題になつて参りました場合に、如何ようにするか、例えば一般国費をこの路線に注ぎ込んで、他の地方は全然等閑視するかというと、さような問題ではないのであります。高速度東京・神戸間の道路を先ず取上げて調査いたしておるわけでありますが、これが建設方式なり財源獲得方法につきましては、又格段の工夫をしなければならないものではないかと思つております。全般の道路政策は御指摘通りであります。さような線で進めて参るつもりでおります。
  45. 波多野鼎

    波多野鼎君 弾丸道路が通る地域の村落などにおきましては、相当反対が強いのであります。それは御承知のことと思いますが、その反対の理由は、二十二メートルなんというような大きな幅の道路を造られて、そうしてそこで自動車がフル・スピードで走るとなれば、その道路によつて村あたりが南北に切られてしまう、その点などもお考えの点があろうかと思いますけれども、肥料車を引いて道路を横断するというようなことはできなくなつてしまう。村が分断されるという点から反対の声があるわけです。そういう点なども十分注意してお考えにならなければならんと思つております。国道の問題、全国に亘る国道の問題、これは私今建設大臣のお言葉で、将来私どもは十分監視の態度をとろうと思つております。  それからもう一つこれと……。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 関連質問ですが…。  只今建設大臣は幅員二十二メートルと言われましたが、実際に今測量しておるのは百二十メートルしておるのです。それでもうその沿道にかかる村民は非常な不安を持つています。百二十メートル測量しておるのです。中心から六十メートルです。従つてこれを実際いつからやるのか伺いたい。それから資金計画としては千百四十億になつておりますが、千百四十億の半分を外資に依存することになつています。この外資関係はどうなるのであるか、外資は何を担保にするのか、この外資関係とそれからいつやるか、それから幅員が二十二メートルばかりではない。それから速度も七十キロ乃至百キロなんです。こんなスピードの道路を何のために造るか、その点を伺いたい。
  47. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる高速道路の構想につきまして、まだ実情を申上げない結果が、お尋ねの点も私どもの考えと離れておると思うのでありますので、大変時間を拝借して恐縮でありますが、少しお話をいたしてみたいと思います。  只今波多野さんから幅員二十二メートルということを言われましたが、大体高速道路といたしましては幅員三十五メートルくらいを考えております。なぜ幅員三十五メートルということを考えるかと申しますと、大体四車道ということにいたすのであります。真中に緑地帯をとりまして、左右に二車道ずつとるわけであります。車が並行して二つ二両が走れるという構想でございます。だから非常に高速のものと、ややスピードの落ちたものも一緒に通れるわけであります。同時に又只今木村さんからのお尋ねがありましたように、非常な高速度で走る考え方でありますので、普通の道路とは、場所によりましては立体交叉をする考え方でおるのであります。道路自身が全部平面交叉というものではなくて、場所によりましては立体交叉をする。それで通常の交通とはこれを区分するという考え方で参るわけであります。最近の道路は御承知だと思いますが、非常に進んだ高速度道路になりますると立体交叉をいたしまするし、それと在来の道路との繋がり方も迂回路と申しますか、それによつて繋ぐ方式をとつて参る。そのようにいたしますれば、高速道路が通りましても、一般交通とは区分し得ることに相成るのでありまして、いわゆる楽にその道が通れるとか通れないとかいう問題は先ずないと申しますか、これは別な考え方で処理して行かなければならないと思うのであります。  そこでかような高速道路を考えますゆえんは、先ほど来申上げました通り、どこまでも現在の東海道の交通量、更に自動車の発達の状況等を考えまして、それに合う道を作つて参るわけであります。従つて完全鋪装の道路になることは当然であります。そこで昨年来調査を進めておるのでありますが、なかなかこの道を造るについてはいろいろな誤解もありましようし、又場合によりましては却つて近距離輸送には不便じやないかというお話もこれは勿論起るのであります。殊に都市附近を通ります際には、その路線の選定等でいろいろ問題がある。例えば横浜だとか、或いは御殿場、名古屋、一宮等におきましても、その路線の選定についてはいろいろの問題があるわけであります。従つて今後それらの点も地方と十分話合いの上で最後の路線の決定をしなければならない問題だと思います。又只今指摘になりましたように、調査をいたす場合におきましても、相当この中心線が動くということを想定をいたしまして、百二十メートルの幅について調査をいたしておるわけであります。この百二十メートルの調査をいたしまして最終的にどういうように線路を決定しますか、これは今後の問題になるわけでございます。かような調査は二十八年度を以て完成する予定であります。それから又その費用はどうしてやるか、先ほども波多野委員からのお尋ねがありましたが、国内道路の整備費を全部これに注ぎ込むようなことでは、勿論国内の要請に応える筋でもないのでありますので、これが資金の獲得につきましては格段の留意をいたさなければならない。そこで或いは外国の技術と外国の資本を導入してこの道路を建設したらどうか、こういう考え方になるわけであります。道路に資本を投下して、そうしてこれを有料道路、賃取りの道路にいたしました場合に採算がとれるかとれないかという問題になるわけでありますが、現在有料道路の制度は皆様がたの御協賛を得まして、各地に賃取りの橋を作つたり、賃取りの隧道を作つたりいたしております。これと同じような構想で特別な高速用に供する道路でありますので、料金を取ることによりまして採算がとれて参るのじやないか、こういうことを考えております。まだそれが具体的には只今状況の下においては進んでおりません。道路の発達は外国等の例を見ましても、いろいろ特殊な構想がそれぞれあるのでありまして、公共事業費で作つておる道路、或いは又有料道路の制度、更に又道路会社等をこしらえまして、そうしてその採算の下に経営さすとか、いろいろな方法があるわけであります。又道路の維持或いは保守というような問題につきましても特別な財源を確保して、そうしてそれで賄つて行くとか、いろいろ各国の例等もありますので、これらをも十分斟酌いたしまして、最終的な結論を出したいと思いますが、この点につきましては、まだかくかくするというところまでこれはまとまつておりません。  以上で先ほど来のお尋ねの点にお答えしたかと思いますが、概略申上げた次第であります。
  48. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 道路問題が出ましたから、ちよつと関連してお尋ねしておきたいのですが、政府が駐留軍の使用する関係の道路を整備される。そのために安全保障諸費から大体費途のきまつておるもの約三十億、更に今後きめられるであろうものが五十億、合計八十億の道路をば駐留軍関係として建設されるという資料が大蔵省から出て参つておる。そこで駐留軍関係の道路に八十億も注ぎ込まれるということが、一体日本の道路行政について非常なアンバランスになるのじやないかという問題であります。と申上げますのは、二十七年度の道路費はたしか全国で八十六億であつたと思います。二十七年度は六十七億、これが相当殖えて八十億程度のものを全国の道路に漸く注ぎ込まれることができるような現在の日本の国力状態であるのに、ただ二、三の限られた地点における駐留軍関係の道路に八十億も注ぎ込まれて、余りにアンバランスじやないか、この点をどういうふうにお考えになつておるか。
  49. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどお答えしたので或いは誤解があるかわかりませんので、もう一つ道路の幅員の点を補足しておきます。先ほど申しましたように、高速道路は非常に高いものになりますので、この道路の肩巾をとるわけでありますが、最低の所が三十五メートル、上の幅員といいますか、それは二十二メートル、さように御訂正を願つておきます。  それから只今の佐多さんのお話でありますが、大体駐留軍の関係の道路、これはまあどこからどこまでが駐留軍の関係の通路か、相当議論の余地があろうかと思います。金額といたしましては、大体五十億程度が予定されておりました。今まで出ておりますのが二十二、三億じやないかと思います。駐留軍関係の道路といたしまして、在来からあります幹線にただひげを生やす程度のものだけに非常な高額の金を投ずるといたしますれば、御指摘のように非常なアンバランスを来すでありましよう。併しさようなまあ例えば御殿場の演習地の関係の道路を作るというような、まあこれに該当するようなものを考えますると、只今申上げまするような非常な巨額にはならない、ただ都市と都市を結ぶような場合におきまして、相当の金額が計上されるようになるだろうと思います。この道路自身は在来からも問題のある道路でありまして、行政協定による道路と申しましても、これは一般に使う道路でありますので、道路整備の観点から見ますと、これを全部行政協定の費用として、いわゆる設備費用としてのみ負担さすのも如何かと思えるような節もあるわけであります。私どもの公共事業費による道路費は、御指摘のように二十七年度も僅か九十億足らずであります。これから見ますると、総体は誠にアンバランスでありますが、道路費自身はもつと増額しなければ現状にはなかなか合いかねるのであるという感が実はいたしておるわけであります。駐留軍関係の道路といたしまして、特別なそれのみに専用されるような道路の費用といたしましては、御指摘のような金額には相ならないと、かように考えております。
  50. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 ちよつと今の問題もう一つだけ。安全保障費で賄うのだけれども、これは単に駐留軍が使うだけでなくて、一般の使用にも任せるんだというようなお話なんですが、若しそうであるのならば、何も駐留軍の道路の中に便乗してといいますか、そういう闇で道路費を取つて、ついでにそこまでやつて行くというような不明朗なことをしないで、もつと独立国家らしく、自分たちの必要からどの地点にどれだけの道路が必要である、従つて道路費がこれだけ要るんだということで、正確にお出しになることこそ道路行政の正道であつて、そうでなくて、多分こう作つておけば軍事目的だけじやないでしようからというようなことでは、余りに不見識であると思うのですが、その点をどういうふうにお考えですか。
  51. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 御議論は至極御尤もでありますが、駐留軍関係で特別に在来の道路を増強する必要も要求を受けるわけであります。御承知のように駐留軍が使つております車輌の重さであるとか、そのために橋梁につきましても特別なものを考えなければならない、或いは駐留軍が走ります場合の速度制限等は考えられないので、非常なフル・スピードで走れば幅員を拡げなければならない、かような問題もあるわけであります。私どもはかような要請等に応え、そしていろいろ折衝をして、最終的にその設備費を支出する道がきまるわけでありますが、先ほど申しましたように、相当の要求金額でありまするが、今日までいろいろ折衝いたしました結果は、二十数億程度にとどまつておる、この点は御指摘一般事業に対する費用のバランス等の点をも考慮されたものでありまして、別に不都合は現在においてはないように考えております。
  52. 波多野鼎

    波多野鼎君 弾丸通路でついでにもう一つ聞いておきたいことは、戦時中に東京と大阪の間に高速度の鉄道、六時間とか四時間で走る鉄道の調査があり、そうして土地の買収も相当あつたと聞いておるし、それから基礎的な耕地の一部分はもう済んでおるようにも聞いておりますが、これは高速道路を作る場合にどういうふうになるのか、又今まで買つたやつは一体どういうふうに処置しているのか、この点についてお答え願います。
  53. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 鉄道の問題は、運輸大臣なり国鉄総裁なりの答弁を一つ御要求願いたいと思いますが、私今高速道路で思い出したので、もう一つ附加えておきます。建設省が今やつております高速道路は、在来の都市を結んで行く案を考えておるわけであります。最初御指摘になりましたように、場合によれば相当の耕地をもつぶすことになるんじやないかというお話であります。ところが又民間におきましても非常に高速道路につきまして関心を持たれるかたもありまして、このかたの研究によれば、東京・神戸間を結ぶ場合に今調査をしております路線とは全然構想を別にして、本当の直線道路を考えておる、富士山の北側を通り、赤石山脈を抜け、そうして大垣附近に持つて行くような道路を計画されておる向きもあるのであります。この道路も先ほど申すような高速道路でありまするが、これだと既存の都市を結ぶという考え方よりも、日本の真中を貫きまして、貫通さして、未開発の地域に非常なスピード、又輸送力のある道路を建設する、そうすれば鉱産或いは森林資源、これらの利用にも非常に役立つのじやないか、赤石山脈の木材が東京までその道路ならば二時間で輸送できるということになれば、これは非常な画期的な道路ができる。更に水力発電等におきましても非常に考え方が変るんじやないか、こういう案をまじめに検討されておるかたもあるのであります。こういうものになりますれば、明らかに会社組織で採算がとれるんじやないか、かような意味で採算性等をも研究しておられるようであります。これはまあ道路についての問題ですが、なお又先ほどの鉄道問題の詳細は運輸大臣なり国鉄総裁のほうの説明に譲るといたしまして、この今申しました二つの建設省案並びに民間で研究されておる道路の案、これらとは、路線の選定でいわゆる高速鉄道は幾分か違つておるんじやないか。かように考えますので、必ずしも両立しないというものではないだろうと思います。
  54. 波多野鼎

    波多野鼎君 佐藤さんはその頃参画しておられたから御存じだと思つて聞いたわけなんですが、今責任者じやないので、運輸大臣あたりに尋ねろということですが、今食糧自給だなどと農林省が騒いでおるときに、耕地を千何百町歩も…耕地ばかりじやないかも知れんが、聞いてみれば他のほうも大いにつぶされるという、食糧自給が要求されるときに、一方ではどんどんつぶして行く、そうして鉄道のほうも造る、自動車道路も造るというようなことになれば、道路政策というものはもうめちやくちやになつてしまう、国策もめちやくちやになると私は思う。そういう点などについて十分お考えを願うことにし、今の高速度鉄道の過去の計画のあと始末はどうなつておるかということについては、運輸大臣に御質問いたすことにいたします。  次に住宅の問題なんですが、新聞などを見ていますと、佐藤さんは道路大臣という噂があつて、道路のほうには非常に熱心だけれども、住宅のほうにはどうも余り熱心でなさそうだという噂を聞くのです。予算を見ておりましても、住宅政策については余り熱意のあるところが出ておらない。私は日本国民生活水準安定という、或いは引上げという問題について、現在においては住宅問題が第一線にあると思う。国民道義の問題などを総理はおつしやつておりますけれども、国民道義の問題だつて住宅問題に関連してでなければ考えられない。孟母三遷の教えを私ここに引合いに出す考えはないのだけれども、併し人間の住む場所がない、寝る場所がないということは、道義を廃頽させる最も大きな問題だと思う。そこで総理の道義高揚という政策に歩調を合わせられるならば、もう少し住宅政策について建設大臣が熱意を示して頂かなければならないと思うのです。現在建設省の報告でも三百十六万戸の不足だという。現在の不足が三百十六万、而も年々どうしても補修しなければならないものが三十二万戸、三十二万戸は年々どうしても補修しなければならない。二十四万戸は世帯の増加、災害で三万戸が失われ、自然損耗によつて五万戸が失われ、合わせて三十二万戸というものは、現状を維持するためにも三十二万戸の建設は必要だということを建設省自身も言明しておる。ところが今年度補正予算などを見ておりましても、その点については殆んど出て来ない。たつた何万ですか、四万とか五万戸分くらいのものが予算に出ておるだけです。特に勤労者住宅、これは厚生省の中においても調査があつて、勤労者住宅の不足ということが勤労者の能率の問題に非常に重大な関係のあることはわかり切つておるのだが、その勤労者住宅の増設をしなければならないという意見も厚生省の中にも我々はあると思う。我々は特にその意見を支持しますが、その点について何らの施策を見せておられないのですが、どのように今後はやつて行こうというようにお考えになつておられますか。その点を伺つておきます。
  55. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 御指摘になりますまでもなく、昔から衣食住と申します。従いまして住宅の問題はもう基本的な問題であるとかように考えまして、その所管省であります建設省においても特に力が入つておるわけであります。本補正予算におきましても、僅かに住宅金融公庫におきまして三十億の資金を確保した。それだけじやないかというお叱りのようでありますが、御承知のように、今回御審議を頂いております補正予算でありまするが、一般の財源等の関係もありまして、出したい点はうんとあるわけでありますが、なかなか思うよう参らなかつた次第でございます。今後の住宅問題といたしましては、先ず国会におきまして御決定を得ておりますいわゆる公営住宅三カ年計画、これを先ず第一に推進をいたさなければならないと思います。公営住宅は現に三十六万戸建設の予定であつたものが二十七年度は僅かにその半分に行かない、十万五千戸であつた。先ず補正予算で何故それが計上されなかつたかという問題でありますが、弁解がましくなりますけれども、工期等の関係もありますので、実は補正予算ではこれを割愛いたしたような次第であります。私も誠に残念に思つております。でこの公営住宅を来年度におきましては勿論進めて参らなければならないと思います。次は住宅金融公庫の資金を潤沢にいたしまして、この資金貸付の方法を進めて参るわけであります。今回の補正予算によりましては、漸く過去四回の抽せんを受けて、なお貸付を得なかつた連中だけを救済するという程度であります。微いまして非常な申込もなおあるわけでありますので、住宅金融公庫の資金は今後とも十分確保するようにいたさなければならないだろうと思います。更に又只今お話になりました労務者住宅というものにつきまして、住宅金融公庫の貸付方法も更に対象を拡大することにいたしまして、会社等においてその所期の住宅建設が容易に進んで行くように会社に金を貸付けるような制度を設けたい、かように思いまして目下準備中であります。同時に又私どもの考え方といたしましては、民間の住宅建設がより活発にならないと、どうもこの住宅問題の解決は困難ではないか。インフレの時代でありますと、住宅等に投資するということはこれに先ず考えられないのであります。又税金の問題もありますし、資金獲得の問題もあります。家賃等の問題もありまして、いろいろ進めてはおりますが、勧奨だけでは民間の借家は殖えて参らないのであります。これらの点にも融資或いは減税等につきましても、一層の研究をいたしまして、民間の協力を得る方向をも考えて参りたい、かように考えている次第でございます。
  56. 波多野鼎

    波多野鼎君 公営住宅の三カ年計画、これが今建設大臣も認められているように、非常に不完全にしか実施されておらん。来年度予算では少くとも公営住宅の三カ年計画の線を確保するつもりですか。
  57. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) この決議等を尊重いたしまして、この線で善処いたすべく折衝中でございます。
  58. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 関連して、只今波多野委員質問に関連いたしまして、住宅問題について建設大臣にお尋ねいたしたいと思います。只今もお話がありましたように、住宅が現に不足をいたしている戸数は相当の数に上るわけであります。三百五十万戸でしたが、それに今波多野委員のおつしやつた三十六万戸でしたか、自然消耗並びに災害等を加えて、三十六万、更に六時間以上も通勤をするのに遠くてかかるような所に住んでいる人々、これは現実に住宅の足らない問題としては当つておりませんけれども、これも又住宅のためにそういう不便をいたしているわけでありまして、これらが八十万戸に上ると言われている。そうすると現在の日本の住宅問題は四百四、五十万戸に上る住宅を一体何年間でこれを解決するか、住宅不足を解決するか。こういう具体的な現実の問題であるわけであります。そこでこれを解決する方法としては、今もお話がございました国民金融公庫、或いは労務者住宅、公営住宅、民間の建設、こういうものによつてこれをば充足をいたして行くわけでありますが、これについて昨年の実績、民間の実績、或いは本年度予算等で具体的に一体二十六年度は何戸建つて、二十七年度では何戸これが建つ、更に二十八年度予算以降によつてどういう構想であるから、この四百四、五十万戸に及ぶ住宅問題は、これはこのように計画的に完了する予定である。こういつたような計画的な数字の御説明をお願いいたしたいと思います。
  59. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 住宅不足に対処いたしましては、先ず国会の御審議を経ました三カ年計画というものを第一に推進をして参らなければならないと思います。この三カ年計画では公営住宅十八万戸造るという計画であつたように記憶いたしております。その際に御説明申上げましたものは、只今三輪委員の御指摘になりましたような、四つと申しますか、公営住宅、住宅金融公庫、勤労者住宅並びに民間住宅、これらを併せまして大体年間に六十万戸を建設するように進めて参りたい、かように記憶いたしております。
  60. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今建設大臣から何カ年計画、まあ三カ年計画で住宅政策をやつて行くようですが、政府は何の基礎にに基いて住宅政策を立てておられますか。大体住宅センサスをやつたことがあるのか、聞くところによると、内閣統計局で住宅センサスの費用を要求したところが、大蔵省で削られているというのです。住宅センサスをなぜおやりにならないか。これをやらなければ本当の住宅政策は立つはずがないのです。ですから本当に住宅センサスをやらなければ不足なんというのはわからない。これは根本的に私はやるべきだと思う。大体今住宅政策は一番重点的にやらなければならない段階に来ておりますから、この点について……。
  61. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 勿論住宅局におきましては、十分の資料を以ちましてこれが対策を立てておるわけでございます。ただ問題の点は民間の協力を得るという点になかなか十分の資料等を確保しがたい点もあるのでありましよう。併し最近の状況等から見ますると、民間の積極的な協力をも得つつあるように聞いている次第であります。ただ先ほど来三カ年計画とか五カ年計画とかいうことを申上げましたが、勿論国の財政状態ともにらみ合して推進して参らなければならないのであります。それらの点で先ず目標は国会の御協力並びに御支援を得ております公営住宅の三カ年計画の実現を先ず図ることにあるのじやないか、かように考えております。
  62. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 住宅センサスはやるのですか。センサスの問題ですよ。調査をやるかどうかの問題ですよ。
  63. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 勿論先ほど来申しておりまするように、住宅局では十分な資料を持つておるわけであります。
  64. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そこでもう一つお伺いいたしたいのは、今の御説明ですと、年間六十万戸、非常に結構であります。その通り建てて頂ければ……。そこで住宅金融金庫の融資のことについて、これは一つの例ですが、茨城県の土浦で市の住宅協会が公庫の金を借りまして、これで予備隊と申しますか、保安隊の隊員、幹部のために住宅を提供しておるという問題があるということを聞いたわけであります。そこで私は前の分科会において住宅局長にそのことを質して、調査をお願いしましたが、一向に御報告がないわけであります。この点は非常に重大でありまして、それでなくてさえも本年度予算におきまして、保安隊関係の新築費用は実に百三億に上つております。又駐留軍関係の兵舎建築費用が三百七億にも上つておる。こういうような事実があるのに、庶民のために設けられておる住宅金融公庫の金がそういうほうに流れておるということになると、これは実に由々しい問題でありますので、その点一つ建設大臣のほうで責任ある御答弁をお願いいたしたいと思います。
  65. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 只今事務当局からの連絡がありましたが、建設省で調べたところではさような事実はございません。で三輪さんがこの委員会でさようなお尋ねをなさるのでありますので、何か資料をお持ちだろうと思いますが、若しお持ちでありましたら御提出を願いたいと思います。
  66. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 住宅問題に関連していますから……。(「関連が長いぞ」と呼ぶ者あり)長くはない。今度で終りだよ。(「許したほうがいい」と呼ぶ者あり)  そこで厚生省関係で住宅政策に対する厚生年金積立金の還元融資の計画がございまして、この補正予算の中に十億円、いわゆる勤労者住宅の貸付資金を全額運用部資金引受で計画されておるわけであります。ところがこの内容を見ますると、厚生年金の被保険者五百人以上を持つておる事業主にこれらの貸付けを限定しておる。これは明らかに大資本家を擁護するのみの住宅政策と言わざるを得ないのであります。この点は勿論所管は厚生大臣でありまするけれども、併し事住宅に関する問題でありまするから、これは両方の大臣から一つ御答弁をお願いしたいと思います。
  67. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 労務者住宅の問題は先ほど申しましたように、まだ具体的にはつきり成案を得ておらないのであります。只今研究中でございますが、成案を急ぎつつある段階でありますが、別に只今指摘になりましたような区別はいたさないつもりでおります。
  68. 波多野鼎

    波多野鼎君 建設大臣に対する私の質問は終つておりますが、外務大臣、大蔵大臣、通産大臣、農林大臣等に対する質問はまだ残つております。併しこの前衆議院での附帯決議の問題に関連して、あの附帯決議をどのように実施されるかということを今日御報告を承わることになつておりますので、政府側のほうにおいて用意ができていれば今承わつたらどうかと思います。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
  69. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) その前にお諮りいたしますが、先ほど高田委員からもう一点だけ厚生大臣がここにいらつしやる間に質問したいという申出がありますから、それが済みましてから今の問題を取上げたいと、こう思いますが……。    (「異議なしと呼ぶ者あり)  それでは簡単に願います。
  70. 高田なほ子

    高田なほ子君 先ほど売春の問題が出ておりましたので、それに関連して厚生大臣に御質問申上げたのですが、私の言葉が足りなかつたために発言が中止されましたので、簡単に附言さして頂きます。  先ほど厚生大臣の御答弁通り売春問題がかく横行するというのは、政府の総合的な力に待たなければならないというお話であつたわけであります。特に取締当局の警視庁管下のごときは、吉原特飲街にメツセージを警察署長が送つて奨励しているというような事実もあるのであります。誠に厚生大臣にはお気の毒でありますが、と言つて性病予防の問題のみをここで取上げておりますと、問題の焦点がはぐれて参りますのですが、結論としてお伺いしたいのは、厚生大臣は、現在は認められておらなない赤線区域が認められているという、この事実に対してどういう基本的なお考えを持つているか、これについて簡明にお答えを願いたい。
  71. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。この赤線地域の問題はなかなか複雑な問題でございまして、これは御承知通り昭和二十一年終戦直後にこの問題に対して公娼廃止の指令を受けまして、それを受け取つて政府といたしましても、昭和二十一年に、或いは次官会議等の決定に基いていろいろな措置とつたことは御承知通りであります。ただ赤線地域というものを認めておりまするのは、これは非常に言葉がむずかしいのでありますが、公娼廃止に伴つて、ああいうふうな集娼をどうするかという問題、これを一応従来のものがまあ自由廃業いたしたわけでありますが、これは御承知のような地域に集団的にいわゆる集娼として残りました。厚生省といたしましては、先ほど私が申上げました通り、この売春の問題とか何とかいう取締、或いはそれに対する対策は、単にこれは厚生省だけの問題ではありません。又高田委員がおつしやるのは、さようなことをお尋ねになつているのではなくして、どうして売春行為を禁止するか、そういうことが社会悪として社会からなくなるかということに対する政府の方針をお聞きになつておると思うのです。それに関連してこの赤線地域の点をお尋ねになつておると思うのでありますが、結論を申しますると、赤線地域はああいうふうな公娼の廃止に伴つて現実の問題として集娼として残つております。と言つて政府がこれを公然と認めたわけではないので、経過措置として実は認めておつて、そうしてこれに対しましては、これは認めるという言葉は甚だ語弊がありまするが、併しながら、今後いわゆる公娼を認めるとかいうふうな方針で以てこれに臨んでおるのではなくして、できますれば今後かようなものは漸次圧縮して行く、漸次なくして行くという方針をとつて参りたい。さてそこで問題になりますのは、売春禁止法を制定したらどうかというお含みのお尋ねと思いますが、この売淫を社会悪として法制を以て禁止するということは、実はいろいろ面がございまして、検討いたしておるのであります。でありまするから、赤線区域を政府がいわゆる公然と認めておるかということのお尋ねに対しましては、公然と認めておりません。ただ経過的に、ああいうふうな公娼廃止の経過措置として、一応公衆衛生上の見地或いはその他の見地から、止むを得ずああいう存在を存在としてそれに善処いたしておると、かようなお答えしかできないわけであります。
  72. 高田なほ子

    高田なほ子君 誠に御心中お察し申上げます。(笑声)これは本当に笑い事ではなくして、政府は総合的の対策を立てなければなりませんが、今も申上げたように、警視庁の取締というものが、いろいろ性病予防法とか或いは刑法百七十四条、或いは売春禁止条例というようなものがあるけれども、一応その取締を掲げて先に出ているけれども、厚生省としてはその予防対策というような消極的な手しか打たれておらないところにこういう問題があるのですから、厚生大臣は、経過として、まあ認めないけれども、認めざるを得ないというような御返事でありますが、もつと毅然として、この売春問題は、道義の高揚を掲げた吉田政府厚生大臣として、断固としてこれを排除するという決意を私はお持ちになつて頂きたいということを要請すると共に、第二点の質問としては、一九三三年のジユネーブで締結された国際的な成年婦女子売買禁止のための国際条約があるのであります。日本は当然国連に加入するということを前提としておるようでありますが、その国連に加入するという立場から考えてみましても、この国際的に禁止されている売春行為というものを、やはり独立日本としてはその方向に推し進めて行かなければならない、こう考えるわけでありますが、この国際的な水準から見て、日本の恥ずべき売春行為をどのようにしたら一体禁止、又壊滅できるか、御決意と共にそれをお伺いしたいと思うわけであります。
  73. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。  一九三三年の国際条約というお話でございましたが、更に新しくは一九四九年の十二月に人身売買及び売春によつて利益を受ける行為を禁止する条約というものがございます。恐らくこれが最近のものでございまするが、かような国際条約がある。従つて日本はまだ国連に加盟しておらんけれども、将来国連に加盟いたすとか、或いは準加盟をいたすとかいう問題が起つております。それに関連して政府はどういうふうな態度をとるかというお尋ねと了承いたしますが、例えばこの一九四九年の人身売買及び売春によつて利益を受ける行為を禁止する条約、これはいわゆる売春行為をいたしております者、その者に対しては罰則を加えないで、むしろそれに対しては同情的な気持を持つて結ばれた条約でございます。従つて売春行為そのものを禁止する条約ではないのであります。むしろ妓楼主でありますとか周旋人を罰する気持で以て作られた条約でございます。勿論その基礎をなしますものは、売春行為を社会悪として禁止する基礎に立つての条約でありますから、従つてお説の通り将来日本が国際国家の一員として国際連合に加盟いたします場合に、こういうような基本人権に関する問題或いは社会悪に関する問題に対して日本がどういう態度をとるかということでありますが、これは実は法律論になつて甚だ恐縮でありまするけれども、例えばこの一九四九年の条約につきましても、大陸法的に考えるか、或いは英米法的に考えるかによつて違う。又日本法律がよつてつております基本もなかなかまだ純然たる英米法によつておりませんから、又日本の完春行為そのものが社会悪として法制的に禁止する段階になつておるかどうか、これは他の法律との関係、他の社会環境との関係においてまだ政府としては結論に達しておりません。併しながらお話の通り売春行為が社会悪であるということは事実でありますから、将来我々といたしましても他の法制との関係、或いは日本の今後の社会の情勢、こういうことを勘案いたしまして、できますれば今お説のような方向に持つて行く方針で以て善処をしたいと考えております。
  74. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一点、今国際条約のお話がありましたが、これは大臣も御精読になつておると思いますが、決してこういう行為を同情的に考えておる条約ではなくて、明らかに国際的にこういう人身買売の蠻行を禁止するという明確な条項がここに盛られておるのでございますから、これは見解の相違などとおつしやらずに、やはり素朴にこの条文をお汲取り頂くことを私は希望いたします。  第三点として、やはり具体的な方法としてはいろいろの問題はありましようけれども、立法措置が講じられなければなりませんが、最近幾多の婦人団体では、この立法措置をすべきであるという声が非常に高まつて来ておるわけです。而も各都道府県では売春禁止条例というものが作られておるのでありますから、当然国も又この立法措置については何らかの手を打つという積極的な意図がなければならぬと思うのであります。集娼の性病を予防したからといつて、それ以上に拡がつておる散娼に対する性病の予防などということは、如何に厚生大臣が敏腕であられてもこれはできないのでありますから、抜本的な方法としては、これに対する禁止の法律を明確に作り、そうして多くの婦人やそうして青少年を守るために起ち上つておる多くの母親たちの期待に応えられることが即道義高揚の政府の方針に副われることだと思いますが、この立法措置が各婦人団体から要求せられた場合に、厚生大臣としてはどのような立場をおとりになりますか、一応御所信だけを伺いたいと思うのであります。
  75. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答え申上げます。  先ず第一点の、さつきの誤解がありましてはいけませんから申上げたいと思いますが、先ほどの条約でございますが、私の申上げましたのは、例えば一九四九年の国際条約は、売春行為をする婦人その者に対してこれを罰するという条約にあらずして、勿論売春行為がよいというわけではなくして、この条約の趣旨は、むしろさような社会悪を醸成し、そうして例えば生活が困窮いたして非常な困つた立場を利用して、そうしてかような社会悪を醸成する周旋人でありますとか、或いは又妓楼主でありますとか、こういう者の行為を罰する。従つてこの条約によつて売春行為をいたしまする当人は何ら罰則を受けないのであります。かようなことを申上げましたので、従つて売春行為を奨励いたしておるというような意味で申上げたのでは毛頭ございませんから、その点は御了承願いたいと思います。  なお又第二の点でございますが、先ほど私の基本的な考えは申上げましたので、あえて繰返しはいたしませんが、ただここで考えなければいかんと思いますことは、勿論かような社会悪がこの社会からなくなりますることは、これは万人の希望するところであります。従つてそれに必要でありまするなれば、各婦人団体の御要望を待つまでもなく、これは国家として適当な措置をとるべきである。かように考えまするけれども、ただ例えば一片の売春禁止法を制定いたすだけで、然らばかような社会悪が社会から根絶するかということであります。これを私は必ずしもそうでないと遺憾ながら言わざるを得ないのであります。これにはどうしても私は、これはもう日本の長い間の歴史が証明いたしておるところであります。又世界の法制史が、或いは世界の歴史が示しておるところでありますから、如何に一片の法律を以て禁止いたしましても、その背後のさような社会悪が出まするものを根絶することが先ず第一じやないか。従つてそれに対しましてはいろいろな立法或いはいろいろな行政措置が必要であり、或いは又道義の高揚も必要であります。従つてさような見地もよく考え、いろいろな点を勘案いたしましてその立法を考慮いたすべきだと考えておるのであります。従つて基本的には、只今の御説は、将来我々は検討、又努力いたして行きたいと思いまするが、直ちにこの際一片の法律で以て禁止するということで以て足れりとは考えておりませんから、将来いろいろな事情を勘案いたしまして処理いたしたいと考えております。
  76. 内村清次

    内村清次君 議事進行について…。本委員会大蔵大臣が確約いたしました補正予算に対する附帯決議に対する政府措置、これの具体的な説明を直ちに提示をするように委員長から取扱つて頂きたいことが一点。  それから第二点は、これは先般問題になりました保安隊の編成及び装備の問題に対する理事会の決定、この事項に対しまして、委員長は直ちに木村国務大臣からの説明を聞き、審議をするというようなことを直ちにやつて頂きたい。
  77. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) お答えいたします。第一間に対しましては、直ちに大蔵大臣から御説明を願いますし、第二の問題につきましては、その大蔵大臣の説明が済みましてから、秘密懇談会に移つて、木村国務大臣からの説明を聴取いたしたい、こういうふうに考えておりますから、さよう御了承願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 公務員の給与改善につきましては、公社職員については、昭和二十七年十二月十六日、衆議院労働委員会における公共企業体等仲裁委員会の裁定に対する附帯決議の趣旨に則りまして、予算の範囲内において奨励手当、褒賞金等により、年末に際し国家公務員と実質上均衡の取れた額が支給されるよう努力するものとし、その財源は経費の節約等によつて捻出するほか、要すれば予備費を使用いたします。一般公務員につきましては、年末に際し現行の法令及び予算の範囲内において、超過勤務の実情に応じ第四四半期分の超過勤務手当財源を年内に繰上げて支給することの措置を講じます。  第二番目の地方財政の堅実化につきましては、今回設置されました地方制度調査会の意見をも参酌して早急に成案を得るように努力いたします。当面今年度の地方財政としましては、重大な事情の変更なき限り今回の補正予算に計上した平衡交付金及び地方起債の増加を以て足りると考えますが、なお個々の団体の事情によりましては、資金運用部賃金の短期融通考慮すると共に、実態に即して特別平衡交付金、地方債の重点的配分を行うことといたしたいと存じます。なお情勢の推移とも睨み合せまして、要すれば地方債の公募額の増額をも考慮いたしとうございます。  第三番目に、中小企業金融の改善につきましては、差当り年末金融の疏通を図るため、過日国庫余裕金七十億円の預託を実施し、又商工組合中央金庫に対する日本銀行の資金的援助を行うことといたしましたが、今後も中少企業金融の改善につきましては、今回の決議の趣旨をできるだけ尊重いたしまして、更に積極的に次のような施策を講じて参りたいと存じます。先ず商工組合中央金庫については、広く中小企業金融の一層の円滑化を促進するため、これが整備拡充を図ることとし、組合員外の貸付の途を開く等の措置を講ずることといたしたい。次に中小企業信用保険制度につきましても、これが一層の活用を促進するため、保険対象となる中小企業者の範囲の拡大、保険に付し得る貸付金の額の引上げ等の点について改善を図りたい。信用保証協会制度についても、その基礎を強化し、保証業務の一層の振興を図るため、これが法制化を考慮したい。なお国民金融公庫、商工組合中央金庫等に対しては、従来も機会あるごとに財政賃金による賃金の充実を図つて参りましたが、今後も財政の許す限り、できるだけ財政資金を活用して、これが強化拡充を図つて行きたいと存じます。
  79. 山下義信

    山下義信君 只今大蔵大臣の御説明と言いますか、御報告を承わりますと、今朝の新聞に載つておるのと殆んど同じであると私は思うのであります。恐らく一字一句違わないのじやないかと思う。我々は本日政府が御発表になるということを待つてつたのであります。然るに今朝の新聞に載るということは、すでに只今の御説明になりましたことを昨日政府は外部に対して御発表になつたのであります。何故に国会に御説明になる、御発表になる前に他に御発表になつたのでありますか。私は国会を軽視するも、無視するも甚しいと思うのであります。責任のある御答弁を願いたいと思います。何故に国会に御発表になる前に他に御発表に相成りましたか。
  80. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 政府は他に発表はいたしませんでした。
  81. 山下義信

    山下義信君 然らば何故に只今のあなたの御説明になりました通りが今朝の新聞に現われたのでありますか。何故に今朝の新聞に現われたのでありますか。責任のある御答弁を願いたいのであります。
  82. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 繰返して申しますと角が立ちますが、政府は発表いたしておらないのでございます。
  83. 山下義信

    山下義信君 政府の発表にならんことが新聞に載るわけは私はないと思う。恐らくこれは閣議で御決定になつたのじやないかと思う。それが国会に発表になる前に外部にこれを御発表におなりになつたことは、私由々しい問題だと思う。国会を軽視されるも甚しいと思うのであります。この問題は私は他の機会に、理事会等におきまして十分私は対処いたしたいと考えております。責任のある御答弁を期待いたします。    〔「議事進行」「官房長官の出席を要求しろ」と呼ぶ者あり〕
  84. 内村清次

    内村清次君 この附帯決議の内容を只今提示せられましたが、これは予算審議上誠に重要でございまして、この審議に当りましては、本委員会といたしましても相当重要視して審議しなくちやならない関係があります。そこでこの会議の運用その他に対しましては、理事会を開いて決定して頂きたい。只今山下委員の発言も又これ重大でございますから、これも含めまして理事会において決定したい、そういうようなことを提案いたします、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今大蔵大臣の声明は、この二十七年度補正予算に非常に関連を持つておりますから、これらの取扱いはつきましては、後刻理事会においてこれを相談いたしたい、このように考えるのであります。さよう御了承願いたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今から秘密懇談会に……。
  87. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 木村保安庁長官から、秘密会においてこの保安隊の問題について伺うということは、これは不見識だと思います。衆議院におきましても秘密会を開いてやりましたが、一体アメリカの軍隊のことを聞くならば、駐留軍のことを聞くならばそうでありましよう。それは保安隊は軍ではありません。軍隊でない、それに機密があるはずはありません。国内治安に当るものであります。警察官のそういうものと、警察の量とか、或いは持つておる武器とか、こういうものと程度は余り違わないはずだ。それを秘密会において聞くということは私はおかしいと思う。(「その通り」と呼ぶ者あり)筋が通らん。これは秘密会でなくて、オープンにおいて聞くのがこれは当り前であります。衆議院でああいう措置をとつたのは、これは私は筋が通らないのだ。衆議院がとつ措置を筋か通るようにすることは、参議院の予算委員会では筋が通つた扱い方でやつて然るべきものだと思う。そんな機密があるわけはありません。「印刷物の資料配付」「議長宣言」と呼ぶ者あり)
  88. 波多野鼎

    波多野鼎君 今、木村委員が言われましたが、やはり私は公開の席上で聞くのが至当だと思う。それは政府が再軍備じやないとか、何とかかんとか言つておるが、その建前から言つても、政府側から公開の席上において答弁いたされまして、国民の疑惑を解く一つの鍵にすべきである。私はそう信じますから、木村委員の今の動議に賛成をいたします。   (「異議なし」「委員長休憩して理事   会でやれ」と呼ぶ者あり)
  89. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これで暫時休憩いたします。    午後零時二十二分休憩    —————・—————    午後二時十九分開会
  90. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今より午前に引続き開会いたします。
  91. 緒方竹虎

    国務大臣(緒方竹虎君) 衆議院の補正予算に対する附帯決議に対する大蔵大臣の声明、本日の予算委員会において発表すべかりしものが、ほぼ同じような内容を以ちまして或る新聞に漏洩いたしましたことは、政府としましても誠に遺憾に存じております。どういう経路を経て漏洩いたしましたかにつきましては取調中でございますが、今後一層こういう間違いのないように努力をいたしたいと存じております。御了承を願います。
  92. 山下義信

    山下義信君 私どもこの問題につきましては、午前の委員会で申上げました通り非常に遺憾とするものでございますが、只今房長官はその責任者の取調べ、且つ今後の注意ということについて釈明をされましたので、本員といたしましては一応了承いたしますが、十分一つ御注意を願いたいと思うのであります。殊に新聞界の長老とされましては、誠に遺憾に存ずるのでありまして、いわゆる漏斗の手から水が漏れたような感がするのであります。今後仮に情報機関等をお持ちになりますればこういうようなことがあつてはならぬと我々は憂慮いたして、情報機関の設置についても、我々といたしましては注意をお加え申上げたのでありまして、今後十分な御注意を願いたいことを要望いたしまして、私の質疑を打切つておきます。
  93. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 大蔵大臣がまだ見えませんから暫時休憩をいたしたいと思います。    午後二時二十一分休憩    —————・—————    午後二時三十八分開会
  94. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 休憩前に引続き只今より会議を開きます。
  95. 岡田宗司

    岡田宗司君 議事進行について…、午前に大蔵大臣から衆議院の予算会員会における附帯決議に対する措置についての説明がございました、そしてその大蔵大臣の説明された文書が配付されたわけです。この附帯決議に示されましたところのものは、少くとも本国会におきましてこれが具体化されることを目標としておつたものと思います。  第一に公務員の手当等の問題につきましても、これこの予算通りまして、すぐに支給さるべきものだと思う、なお中小企業の金融につきましても来年の春になつてからゆるゆるおやりになつて頂いてもよろしいし、地方財政に対しましても同じであります。そういたしますと、少くとも本日まで大蔵大臣が余裕を持たれまして、そうしてこういうものを出されましたには、やはり数字の裏付がちやんとできておると私は思つております。今日この御説明があつた後に、各省でこれに基いて勝手におやりになるということではない、ちやんと大蔵省でもそれぞれ方針がお立ちになつた上でこういうものが出されたと思う。ところがそういうもう数日後に迫る問題について、説明だけでこれを審議すべき数字が出ておらんということは、我々が審議をして行く上に非常にやりにくいことだと思う。又大蔵大臣なり或いは主計局長なりの数字の御説明を聞きましても、私ども覚えが悪いものですからずらつと数字を並べられただけでは一向頭に入りません。一覧表か何が出して頂かなければ審議の進めようがないのです。で、私は委員長にお伺いするのでありますが、委員長はその数字の表を附けて出さないでこれが進められると思うかどうか。又それが進める上に非常に困難だと考えられましたならば、委員長はこれを、大蔵大臣に表を直ちに出すことをお求めになるかどうか、それを第一点にお伺いしたい。  それから第二点にお伺いしたいことは、この公務員の給与改善の説明の第二にありますところを見ますというと、第四半期分の超勤手当財源を年内に繰上げて支給する等、これらは各省でおやりになるのであります。而も等と書いてあります以上、ほかにもいろいろの方法もあるかと思います。その方法は各省ごとに異なつておると思いますので、そうなると各省並びに又前に戻りまして各公社、とにかく官庁を持つておられるところの主務大臣の全部の御出席を頂きまして、そうして各大臣からそれぞれの省におけるいろいろな事情をお伺いしなければならんことになる。それでなければ審議は進まないのであります。従いましてこれを審議いたしますについて委員長は各省の大臣を全部ここへお呼びになるかどうか。又それについて理事会とお打合せになつて適宜な措置をとられるかどうかを委員長にお伺いしたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 私からお答え申上げます。  第一の問題につきましては、先ほど理事会におきまして、成るほど今岡田君の、数字がなければ云々ということでありまするが御尤もであります。併しながらこういう時間も切迫しておる関係上、このたびは質疑の過程において数字を問い質し、若し時間があれば又大蔵省或いは関係方面からその数字を提出してもらうという意味において、先ずこの説明について数字を問い質しながら審議をして行こうということに理事会で決定したのであります。  それから第二の、関係各省大臣におきましては、先ほどから関係長官なり或いは大臣にこの席に出席を求めております。後刻出席になると私は考えております。
  97. 岡田宗司

    岡田宗司君 第一の点でございますが、そういたしますと先ほど私もちよつと申上げましたように、御説明を聞きましても何億という数字を、ずらずらと並べられましたのでは私ども到底覚え切れませんし、それをもとにして御質疑を申上げるわけには行かんのであります。却つてそのために同じうよな質問を繰返して又改めて説明を聞くというようなことになりますれば非常に時間が長くなる。もう表はお持ちになつておらなければならんと私に思うのでありますが、ちよつと謄写版にすつて頂ければすぐできると思います。却つて審議を早める上にも数字を一括してここに御提出になつたほうが審議を早めるゆえんだと思うのでありますが、この点について私は今度は大蔵大臣にそういう数字の表ができておるかどうか、それをここへお出しになるかどうかをお伺いしたい。(「大蔵大臣答弁」「大蔵大臣に聞くなら質疑じやないか」「議事進行の一部だよ」「雪議事進行は政府関係がない」と呼ぶ者あり)
  98. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 御答弁いたします。年末に増加支給し得る額は大体〇・二五月分の程度でございまして、国鉄十五億円、専売一億円、電信電話公社五億八千万円程度の金額を経費の節約等によつて捻出しますほかに、要すれば予備費を使うということにいたしております。非常に混み入つた数字ではございません。
  99. 岡田宗司

    岡田宗司君 私は只今そういう数字をお聞きしておるのではない。私は審議を進める上に、ここに書いてあります例えば超勤手当といたしますれば各省にどれくらいの財源があるかということがはつきりするわけでありますから、そういうものの表ができておるか、そのほかについてもそういうものの表をお出しになるかどうかということを委員長に、更に議事進行についてお問い質しをしたいと思いまして、ちよつと大蔵大臣にお伺いしたわけなんです。(「脱線」と呼ぶ者あり)  私はそれではもう一度委員長にお伺いいたしますが、そういうふうな数字をもう一度委員長から私は請求して頂きたいと思うのですが、委員長においては議事進行上それを請求して頂けますかどうかをお伺いいたいしたいと思います。
  100. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今岡田君の御要求でありますが、一応大蔵省事務当局とも今この席で聞き合して申上げましよう。(「理事会ではそんなことはきめやしないよ」と呼ぶ者あり)  只今大蔵事務当局に問い質しました結果は、この問題は各省に非常に関連を持ちまして、急速に岡田君の御要求のように、従来よく政府当局から参考資料として出したような表はなかなかできないから、そこで大体質問の過程においてできるだけ詳細に述べたい、こう申しておりますから……。
  101. 岡田宗司

    岡田宗司君 質問の過程にできることなら初めにまとめて出せるはずです。質問の過程に次から次へ別の大臣が現われて来て説明をするわけではないと思う。恐らく私が質問するにいたしましても、誰が質問いたすにしても、大蔵大臣なり或いは主計局長がお答えになる、そうすれば主計局長のところへちやんとしたものが集まつておるわけです。それでなければ質問に答えられるわけはない。そういたしますれば、途中で以て説明するということはもうすでにお持ちになつておることなんだから、まとめてお出しになればいいじやないか、それをもう一度委員長から念を押して頂きたい。(「異議なし」「委員長は要求すべきものは毅然として要求しなさい」「理事会の決定通り進行」と呼ぶ者あり)
  102. 波多野鼎

    波多野鼎君 私はこういうことを申し上げたいのですが、即ち大蔵大臣の説明した要旨は、これは要するに衆議院の決議を具体化する方針だけなんです。方針がここに作文として出たというだけの話なんで、我々予算委員としての審議の対象にはこれはならない。その点をもう一度お考え直し願つて我々の審議の対象となるような材料を出して頂くということを委員長から政府側に要求なさることがいいんじやないかと思いますが、如何ですか。
  103. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 先ほどの理事会におきましては、一応この今の波多野君のお話の通りにこの説明書について一応政府から十分なる説明を聞き、又委員諸君からも質疑を行うということにきまつたんでありますから、それで時間も各党に割当て、そうして今日一ぱいかかつて十分に納得行くように質疑を行う、こういうことに決定をいたしたのでありますから、その意味において質疑を続行いたしたいと、こう思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
  104. 岩間正男

    ○岩間正男君 さつきの理事会の決定の問題と、只今岡田君から出されている問題とはこれは問題が違う、これについて一応進行するということは我々も了承して決定しました、委員長の御報告通り。併しそのときは数字の問題は出なかつた、今新たにこれは問題として岡田君が出されておるのです。委員長は先ほどの説明では非常に混同されておりますけれども、実際はその問題については何ら出なかつた。ですから新たな要求が本委員会から出たんでありますから、これはやはり取上げて、これは理事会にお諮りになることが当然だと私は思う。これについてどうするかということについてはこれは議事がここで混乱してもめてもしようがないですから、理事会を即刻開かれんことを希望いたします。
  105. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私はこれはちよつと違うのであつて、それは一応とにかく大蔵大臣の説明を……(「理事会」と呼ぶ者あり)
  106. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは暫時休憩いたしまして、理事会で決定いたします。    午後二時五十三分休憶    —————・—————    午後三時五十六分開会
  107. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 休憩前に引続き議事を開会いたします。  お諮りいたします。午前中委員長理事打合会において衆議院の附帯決議に対する大蔵大臣の説明についてはその詳細の内容を質疑によつて明らかにして行くことに一応決しておりましたが、先ほどの委員会岡田委員から質疑進行の発言があり、それについて委員長理事打合会で協議いたしました結果、午前中の理事会の決定通り進行することとして、諸般の事柄はその質疑の過程において取上げて行くということに決定いたしました。さよう取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 議事進行について…。この際私は委員長に要望しておきたいと思うのです。それは委員長委員会の運営について非常に重大な誤謬を犯しておられる。先ほどの議事進行についての岡田氏の発言に対しても理事会の決定であるからというふうにおつしやいました。勿論理事会はそういうふうにきまつておりましようが、理事会の決定は次の委員会の冒頭において委員会の了承を得られるべきものであります。その限りにおいて初めて委員会の意思になり、我々はその拘束を受けるわけであつて、ただきめられておるからというのではこれは明らかにそういう手続を欠いておられるものであつて穏当でないと思うのであります。爾後の運営についてはさように一つお取計らいを願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  109. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 了承いたしました。では岡田君。
  110. 岡田宗司

    岡田宗司君 早速大蔵大臣にお伺いいたしますが、この公務員の給与改善について、というところの第一を見ますと、年末に際し国家公務員と実質上均衡のとれた額が支給されるように努力するものとしてあつて国家公務員との事実の均衡ということを謳つております。そういたしますと、この公社等の職員の年末の給与問題については前提として国家公務員の給与額が、年末支給額がきまつておらなければこういうことにならんわけであります。そこでそれと関連いたしまして第二の項になりますが、年末に際し現行の法令及び予算の範囲において超過勤務の実情に応じ、第四半期分の超過勤務手当財源を年内に繰上げて支給すること等の措置を講ずることになつております。そこで一体この第四半期分の超過勤務手当の財源というのが先ずどのくらいあるかということをお伺いし、更に等とありますからほかの措置も勿論この等の中に入つておると思いますが、その等の内容はどういうものから更に支給をされるように取計らうのか、そしてそれらの額を合せまして一般公務員の年末手当の増加分は一体金額にしてどのくらいになるのか、そしてそれが比率にいたしましてどのくらいになるのかの数字的な御説明を願いたい。
  111. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) その点は大部細かくなりますので、政府委員にお答えいたさせます。
  112. 河野一之

    政府委員河野一之君) 労働委員会における採決の共同附帯決議の趣旨は、国家公務員につきまして年末に年末手当と勤勉手当と合せて大体一月程度ということで、それが実質上公務員とのバランスがとれるということの趣旨の御決議と承わつておるのであります。従いまして一般公務員につきましては、この際更に年末手当を増加するという考え方に立つておるものではないのでございます。すでに国家公務員については一月でありますので、それを動かすつもりはないのでございます。ただ現行の法令の範囲内で、最近における超過勤務の実情に鑑みまして、第四四半期における超過勤務の手当の財源をこの際繰上げて支給する。つまりそれは各省各庁によつておのおの実情が違いますが、繰上げてその超過勤務の実情に応じて支給するという建前なんでございます。それはどの程度の超過勤務手当の財源が残つておるかということでございますが、これは岡田さん御承知のようにこれは予算の上では目になつておりまして、各省各庁においてその実情に応じて使用しておるわけでありまして、多数の官庁につきまして現在幾ら残つておるというようなことは、早急の間にはちよつとわかりかねる次第であります。各省におきましても、どの程度つておるか目下調べておる段階だと存じますが、大体の推算を申しますと、恐らく十二月の下期以降の分が一般会計において二十億円程度あるのじやないかと思つております。それから特別会計におきましては、十五億円程度であろう。これは推計でありますので、確たる確定の数字じやありませんが、その程度はあるであろうというふうに考えております。年末に際しましてそういつた超過勤務の実情に応じて超過勤務手当をつけるということでありまして、そのほかに大体十二月の下期の超過勤務手当は、明年の一月上旬に支給されるというのが法制の建前になつておるのでありますが、これはこの際繰上げまして、一月に支給せられる分を十二月に支給する、そういつたような措置をとろうと考えておる次第であります。
  113. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、一般公務員については、先に政府がきめました〇・五の年末手当とそれから〇・五の勤務手当のほかには出さないのだ、こういうことになると思うのですが、政府が少くとも衆議院の予算委員会で附帯決議を尊重するという建前をとられました以上、私はそれでは済まない。大蔵大臣は先に本会議におきましても、衆議院の予算委員会における附帯決議を尊重するということを言明されて、それを実現するということを言つている。その衆議院の附帯決議における公務員の給与の改善につきましては、その前からの予算委員会並びに労働委員会、或いはそのほかの諸委員会における論議からいたしまして、当然一般公務員の年末手当も引上げるという意味のことがあれに含まれておることは、これはごまかすことのできない明瞭な事実であります。それを尊重されました以上は、当然一般公務員の年末手当、或いは勤勉手当等を殖やすということを意味していることはこれは明らかです。大蔵大臣が尊重をしたという意味のことは、今申上げましたような意味で一般公務員の年末手当をお引上げになるということを大体御了承になつたのかどうか、それは全然御了承にならないというのか、今河野主計局長の言われたような意味で、単なる超過勤務の手当を繰上げ支給するというだけのことであるか、そこを大蔵大臣からはつきりお答え願いたい。
  114. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 私は給与を成るべくよくしようということは申しましたが、年末手当を殖やすとは申上げなかつたように思いますが、如何ですか。
  115. 岡田宗司

    岡田宗司君 給与を成るべくよくしよう、この給与ということは、それならばベース・アツプの問題にもなつて来る、正面から取上げて参りますれば、給与をよくしようということは、べースを改善しようということです。そう考えなければならんのです。御承知のように人事院の勧告が出まして、その人事院の勧告は政府はお呑みにならなかつた。そうして人事院の勧告よりも低いところで以て政府がおきめになつて、そうして衆議院のほうも自由党の力でそれが通つた。併しながら予算委員会の審議過程等においてこういう附帯決議が自由党側のほうから出されて、そうして政府もこれを了承された。今申上げましたように、大蔵大臣がこれは給与の改善であるということになりますれば、そうしてそれを了承されたということになりますれば、ベースについて政府はお考えになつて処置を講じなければならんわけであります。それができないというところで、その給与の改善の問題については、何かあの手当のほかにプラスXを出そうということをお考えになつて措置をとられたのじやないか。そうして参りますというと、今あなたの言われたところとは大変矛盾して来るのでありますが、あなたはそれでは給与の改善をするとお約束になつた以上は、このベース・アツプの問題について更に何らかの措置を講ぜられるか、或いは人事院勧告をお呑みになつて、そうして急速にそのために何らかの予算措置、例えば第二次補正予算をお出しになるつもりかどうか、それをお伺いしたい。
  116. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 前にたびたび申上げましたように、ベース・アツプということになりますと、来年度にも尾を引く、それで財政がこれを許さないのでそのほうは人事院の勧吉を取入れることができなかつたという次第でございます。第二次補正予算を出して取計ろうということも只今考えておらない次第であります。
  117. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、今大蔵大臣は給与を改善するということを言われたことが、どこかへ立消えになつてしまつたことになる。一体大蔵大臣はそれではこの附帯決議を尊重されるということは嘘であつたのかどうか、尊重されるという意味の内容を一つもう一遍具体的にお示し願いたい。
  118. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 内容を具体的に申上げますということになりますと、私よりは政府委員のほうが詳しいだろうと思います。
  119. 岡田宗司

    岡田宗司君 私は大蔵大臣が給与を改善するということを約束した、こういうことを約束されたのでありますから、その給与の改善ということがベース・アツプでないということになれば、何らかの具体的な方針が別にある、それで年末手当の増加になるのではないかということを具体的にお伺いするのですが、政府は若し給与ペースを上げられないと今言われるのなら、一体年末手当を引上げるつもりはあるのかないのか、大蔵大臣にこれは端的に御答弁願いたい。
  120. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 年末手当を引上げるということは考えていません。
  121. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、一体その附帯決議の尊重ということはどこへ行つてしまつたんですか。この項に関する超過勤務を年末に繰上げて支給するということは、これは年末に超過勤務をされたかたがたに対しての当然の措置でありまして、少しも給与の改善という面には触れて来ない。少くとも政府がお約束になりました以上は、而も具体的な措置をとるために二十日にその案を発表された以上は、大蔵大臣はそのことについて具体的にどうするかという方針はお持ちのはずです。単にその超過勤務の手当を年内に繰上げて支給するというだけではないはずである。そこのところをもう一度お伺いしたい。
  122. 河野一之

    政府委員河野一之君) 誤解のないように申上げるのでありますが、公社の職員につきまして年末に際し実質上一般公務員と同様に均衡のとれた額を支給するということは、これは奨励手当或いは年末手当を殖やすことではないのでありまして……、その額もこれは法定されておりませんが、という意味でなしに実質上奨励手当とか或いは報奨金というようなもので大体一月程度の金が渡るという趣旨なのでございます。国家公務員につきましても年末手当の額を殖やすということでなしに、年末において受け得る支給額、つまり給与が多くなるように考えて、年末に際して給与の改善をいたすという意味合でありまして、年末手当を殖やすことではないのであります。ただ実際問題といたしまして、予算その他の実情から超過勤務手当が十分に支給せられない向もあるやに聞いておりまするので、各省各庁の実情によつて先ほど申上げました第四四半期以降の財源を繰上げて実情に即するように超過勤務手当を支給して欲しいというのがこの趣旨であります。
  123. 岡田宗司

    岡田宗司君 附帯決議をもう一遍よくお読み願いたい、くどいことは申しません。今の河野主計局長答弁では誤解が払拭されるどころか、ますます我々はわからなくなつてしまつた。要するに政府は何の誠意もない。ただまあ超過勤務手当を年内に支給するというだけで糊塗をして行こうという態度にほかならないと思う。これでは附帯決議の尊重ということは何ら意味をなさんわけであります。而もこの超過勤務手当ばかりじやない、「年内に繰上げて支給する等」とある以上はほかのことも何か含んでいるように思うのですが、それについての御説明もない。こういうところを一つあなたからもう一遍よく説明されて、そうしてその単に今言つた一般会計で超過勤務手当は二十億であろう、或いは特別会計においては十五億であろうというほかに「等」がどれくらいになるのか、みんなでどれくらいになるのかということをもう一遍お示し願いたい。
  124. 河野一之

    政府委員河野一之君) 「等」というのは別にベースを上げるとか年末手当の額を殖やすとかいう、そういう意味じやございません。これは決してそういう意味じやございません。十二月の下期分の超過勤務手当を年内に繰上げて支給するという……若し「等」の意味で是非にとおつしやればそういうことであります。
  125. 岡田宗司

    岡田宗司君 「等」というのはこれらのことのほかに何かもう一つプラスXのものがあるであろうということを私は意味すると思うのですがね。これは大蔵大臣にお聞きしたいのですが、大蔵大臣は超過勤務手当の繰上支給とか何とか、この「等」ということの内容を大蔵大臣がどうお考えになつておるか。少くともこれは超過勤務手当を繰上支給するというだけじやないので、「する等」ですからほかに何かあるはずなんですが、そのほかのものはここではちよつと箱を開けて出して見せてもらいたい。
  126. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 各省で節約をして出してもらう、そういうつもりでおります。
  127. 岡田宗司

    岡田宗司君 節約ということになるというと又話が別になります。河野局長大蔵大臣とはそれだけ違つて大蔵大臣のほうが一歩進んでおられる。節約ということになりますというと、大体今までの例から見まして、予算の節約という場合は大体幾らぐらいの節約ができるかということはメドはつくはずなんです。補正予算の場合等におきましてその財源をひねり出す節約は、やはり先の分のうちからどれくらいが各省で節約できるかということがちやんとメドがついて、その額が補正予算の材料になつておる。そういたしますと、大蔵大臣のところにはこの節約の額のメドがあるものと私は推定いたします。とにかく数日後には何らか支給しなければならんのですから、その節約の額も大概あなたの手許にはちやんと計算されておるものと思うのですが、その点についてその節約額はどれくらいになつて、それが超過勤務手当の繰上げと一緒になつて、どのくらいになるものか数字を明らかにして頂きたい。
  128. 河野一之

    政府委員河野一之君) それは非常に御無理な御注文かと思うのでありますが、こういうことであります。超過勤務手当の経費は各款項の目に入つております。そうして先ほども申上げました推定は十九億六、七千、まあ二十億でありますが、その分につきまして一応予算上はそれが使い得るメドになつておるわけであります。その中を各省各庁においてどういうふうに実情に応じてお使いになるかは、これは又我々の干与せざるところであります。ただ予算の項の中のことでありますので、別に節約ということ、ほかに節約を出して超勤を出すという考え方でなしに、他の費目から流用するというようなことも従来相当あつたわけであります。これは原則的にはそういうことじやないのでありますが、それも申上げれば一種の節約かと思いますが、それは予算上許されたことでありまして、その節約をして更に超過勤務手当を殖やすというようなことは考えておらないのであります。
  129. 岡田宗司

    岡田宗司君 今の大蔵大臣のお話ですと、超過勤務手当の繰上支給のほかに節約をしてそれを上げるのだと言われる、そうすると今の河野主計局長のお話ですと、節約をしてそれを超過勤務のほうに廻すということはしない、何が何だか私どもにはちつともわからない。これはやはり私は大蔵大臣の御答弁のように超過勤務手当のほかにプラスXであると考えるのですが、大蔵大臣はそうお考えになつておるのかどうか、それをお伺いしたい。
  130. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 私はそのように考えております。
  131. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと河野主計局長の御答弁はこれが御訂正を願つてプラスXを何とかここで以てあなたの頭のうちからすらすらとひねり出してもらいたいと思うのですが、その節約の見込をお示し願いたい。
  132. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私の申し上げることと、大蔵大臣の申上げることとでは少しも変つておらないのでありまして、節約ということの意味を款項の金額を減らしてよそのほうに持つて行くという、これも一つの節約であります。一つの項の中の目の金額を流用する、これはお答えようによつては一方を節約することになりますので、これは財政法上会計法上許されておる手段であります。これは流用もお考えようによつては節約であります。これは予算上許されておる。大臣の申されたのはそういう意味なんでございます。且つ又超過勤務手当の予算の今後の財源問題につきましても日直、宿直の手当を、今回提出されております法律によりまして三百六十円ということに現在予定いたしております。従来日、宿直につきましては普通の超過勤務を払つてつたのでありますが、それが制度改正の場合におきまして相当の金額が浮くであろうと思います。これは当然不用に考えようによつてはなるべきものでありますが、それも今回減らすことをいたさずに超過勤務手当の材料に使いたいと考えております。これも岡田さんのおつしやるようにすれば、節約して又使うということになるのでありますが、我々はそういうふうには考えておりません。
  133. 岡田宗司

    岡田宗司君 私今時間がないのでこれ以上申上げられませんが、一体そうすると大蔵大臣一般会計二十億、特別会計十五億より余計出せないとお考えになるのか、それよりも今言つた別なところでの節約をプラスXして余計出せるとお考えになりますか。先ほどの御答弁だと大蔵大臣は余計出せるように御答弁なすつた。プラスXということを承認された。そこで私は大蔵大臣に改めてお伺いしたいのは、三十五億だけでなくして、それにプラスXであるかどうかという点をお伺いしたい。
  134. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 節約のできます分につきましては実情に副つて支給できるつもりであります。
  135. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、プラスXと解してよろしうございますか。
  136. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) そう簡単にプラスXという御返事は私にはできないのでございますが、政府委員に御返事をいたさせます。
  137. 岡田宗司

    岡田宗司君 先ほどの大臣の政治的な御答弁では、プラスXであるというふうにお答えになつておる。今になるというと急に主計局長にささやかれて、どうも簡単にはできない。これでは大臣としての答弁に対する政治的責任というものはないことになる。でたらめのことを言つているのじやないかと私どもには思われるのでありますが、もう一遍その点をはつきり御答弁願いたい。
  138. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 私は自分からプラスXということを申上げた覚えはないのでございますが、あなたがプラスXがあるとおつしやるので、これは技術的の問題でございますので政府委員にお返事をいたさせます。
  139. 河野一之

    政府委員河野一之君) 一般会計におきまして二十億、それから特別会計にあります十五億、この三十五億を年末に全部使うという趣旨では決してございませんので、そこは一つ御了承願いたいと思います。この中のそのうちを繰上げて年末において超過勤務の実情に即して支給するということでありまして、その二十億、十五億を一どきに使うという意味でないということを申上げておきます。従いまして更にプラスXがあるかどうかという問題でありますが、これは超過勤務のことでありまして、どういうふうに勤務命令が出るか、その実情によつてきまることでございまして、只今超過勤務をしない者に金を出すというようなことでプラスXをするというようなことは考えておりません。
  140. 岡田宗司

    岡田宗司君 まあそうなりますと、もう三十五億の中の一部だというのですが、うちの一部ならどのくらいか今はつきりさして頂きたい、それで私の質問はやめます。
  141. 河野一之

    政府委員河野一之君) これはたびたび申上げましたように、各省各庁の超過勤務の実情に応じて支給するものであります。これは各省の各局、中央地方も違いましようし、各局おのおの違うことでありますので、これを幾ら現在出すかということはちよつと申そうと思つても申されないと思います。各省各庁はおのおの違うことだと思います。
  142. 内村清次

    内村清次君 只今のお話を聞いておりますると、大蔵大臣は超過勤務のほかに節約がある。その節約に対しては主計局長は款項目の中の目であるからして、これは予算の流用を法律的には大蔵大臣も認めているし、各省大臣も権限内である、だからしてこの点は決して法律違反ではないというようなことだけを言つているけれどもが、ただ問題は目であるとするならば、予算総則の中には給与額の総額がはつきりしている、そうしましてこの超過勤務の給与の額もはつきりしている、それを繰上げて年末に支給する、これだけは話はわかります。わかりますが、節約をして、各款項の目の節約をして、そうして又プラスをするというようなことが大蔵大臣のほうから発言になつておりまするからして、その総額というものは一体どのくらいかということを岡田君は聞いておる。だから法律違反にはならないけれども、目の節約額というものは一体どのくらいかということは、これは答弁なさつて然るべきだ、この点が重要点です。
  143. 河野一之

    政府委員河野一之君) 持つて廻つたような議論になるのでありますが、節約があるから超過勤務手当を出すというのは法令上許されないわけでありまして、そういうことはないはずであります。ただ超過勤務の実情によつて超過勤務手当の財源が不足した場合において、節約によつて、節約と申しますか、流用によつてその財源を考えるということはあり得ると思います。併しこれはもう各省各庁おのおの実情の違うことでありまして、その額は幾らであるか、超過勤務をどの程度するかということはこの際ちよつとわかりかねる。従つて経費の節約と申されましてもちよつと金額は出んと思います。
  144. 羽生三七

    ○羽生三七君 どうも先ほど来いろいろ承わつてつて、私この審議をしておることは非常に無意味だと思うのであります。それはなぜかというと、第一にベース・アツプはあれ以上やれないということははつきりした。それから更に年末手当も衆議院通過以上に殖やさないということはこれもはつきりした。超過勤務をやつた者は別だが、それ以外のそういうことに充当する考えはいささかもないということもはつきりした。そうすると何ですか一体、これは審議する価値はないですよ。超過勤務した者に流用したものを繰上げて支給するということは当り前のことであります。衆議院が附帯決議をして大騒ぎして、参議院がこんな所で論議するようなことをしても何にもなりません。審議の対象はゼロであります。どうお考えになりますか。
  145. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今羽生君の動議がありましたが、(「議事進行」と呼ぶ者あり)議事進行について発言がありましたが、皆さんの御意見に副つて決定いたしたいと思います。
  146. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 やはりこの取扱について、これは今まで我々聞いておつた内容と非常に性質が違うようです。むしろ超勤のある所とない所と、こういう支給の仕方をすると却つて改悪になります。非常に逆に不公平になる。従つて我々が了解しておつた内容とまるきり違うのであります。従つてこれはもう一度我々どういうふうにこれを取上げるかを改めて検討しないと、ちよつと審議ができないと思います。羽生君の動議に賛成です。
  147. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 議事進行について、岡田内村の諸君から大蔵大臣主計局長に対しての質疑応答を聞いたが、成るほどこの問題については我々が聞いておつても、即日即決に上るものでないように認める、よつてこの際動議を提出いたしたいと思います。この題について委員長委員会を散会し、理事諸君と打合せ、政府当局は確実に答弁のできるような方途を講ずる、本日は散会の動議を提出いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  148. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今池田君の動議に対して……(「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  149. 羽生三七

    ○羽生三七君 先ほど私発言したときに議事進行と申しましたが、関連質問として政府答弁を求めたいと思います。政府自身はこういう問題を国会の審議の対象になるものとして……。
  150. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 動議が成立いたしておるのですが……。
  151. 内村清次

    内村清次君 只今動議が出ておりますから、当然委員会としてはこれを先議しなくちやならん。併し問題はここで先議をどう取扱うかということに、私は結果はわかりませんが、例えばそれを取上げて理事会を開くということになりましても、実際政府のほうでああいつた隠した言葉をいつまでたつてもやつておれば何にもならないことです。やはり誠実に明らかにしてもらわないと、政治的な含みその他をこれをはつきりしてもらわないと何にもならないことですから、それだけは確約させておいてもらいたい。
  152. 左藤義詮

    左藤義詮君 池田君の動議を諮つて下さい。
  153. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 池田君の動議について採決します。池田君の動議に賛成の人の挙手を願います。(「みんな賛成だよ」「みんな賛成だつたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)    〔賛成者挙手〕
  154. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 多数と認めます。  それではこれで散会いたします。    午後四時二十九分散会