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1952-12-06 第15回国会 参議院 予算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月六日(土曜日)    午前十時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            左藤 義詮君            高橋進太郎君            森 八三一君            内村 清次君            駒井 藤平君            岩木 哲夫君            木村禧八郎君    委員            石原幹市郎君           池田宇右衞門君            川村 松助君            郡  祐一君            白波瀬米吉君            杉原 荒太君            平林 太一君            石黒 忠篤君            加藤 正人君            西郷吉之助君            溝口 三郎君            佐多 忠隆君            三輪 貞治君            波多野 鼎君            松永 義雄君            堀木 鎌三君   国務大臣    建 設 大 臣 佐藤 榮作君   政府委員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    林野庁長官   柴田  栄君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 渋江 操一君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   説明員    農林省農地局総    務課長     正井 保之君    農林省農地局災    害復旧課長   堀  直治君    水産庁生産部漁    港課長     林  真治君   —————————————   本日の会議に付した事件○昭和二十七年度一般会計予算補正  (第一号)(内閣送付)○昭和二十七年度特別会計予算補正  (特第一号)(内閣送付)○昭和二十七年度政府関係機関予算補  正(機第一号)(内閣送付)○小委員会設置の件 ○小委員の選任の件 ○小委員長の指名の件   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 只今より予算委員会を開会いたします。  本日は公共事業費について政府側説明を聴取いたします。先ず建設省方面からお願いいたします。
  3. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 昭和二十七年度建設省関係補正予算概要を御説明申上げます。  先ず建設省所管予算一般会計といたしましては、補正予算によりまして増額になりましたのは二十一億三千九百八十六万九千円でありまして、その内訳は、十一月から政府職員給与改善に必要な経費増加二億五千二百二十九万円、国土計画並びに地方計画確立推進に必要な経費増加二千十五万八千円、水防に必要な経費増加一億九千八百八十五万四千円、都市計画事業費増加一億六千四百万円、河川等事業費増加二千万円、砂防事業費増加二億七千八百万円、道路事業費増加二億円、河川災害復旧事業費増加十億六百五十六万七千円であります。補正減額になりましたものは二千七百四十七万二千円でありまして、その内訳は、行政機構改革に伴う既定経費減少六十四万四千円、節約による既定経費減少二千六百八十二万八千円であります。差引二十一億一千二百三十九万七千円の補正予算増額なつております。なお国土計画並びに地方計画確立推進に必要な経費増加は、国土総合開発計画樹立のため十九特定地域及び八調査地域関係都府県において行う総合開発調査費補助金等であります。水防に必要な経費増加水防活動緊急化に関する昭和二十七年六月十七日の閣議決定に基き、府県及び水防管理団体に対し倉庫設置及び水防資材整備に要する経費の一部を補助するための経費等であります。都市計画事業費増加は、駐留軍接収地解除に伴う神戸、横浜地区区画整理事業に対する国庫補助であります。河川等事業費増加は、臨時石炭鉱害復旧法に基く石炭採掘による公共土木施設等の被害の復旧事業に対する国庫補助であります。砂防事業費増加は、第十三回国会成立した特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法に基いて特殊土壌地帯保全を図るための補助に必要な経費であります。道路事業費増加は、国道改良鋪装及び橋梁の整備を国が直轄で施行する経費重要府県道鋪装を行うのに必要な事業費の一部を補助する経費であります。河川災害復旧事業費増加十億六百五十六万七千円は、過年度災害分でありまして、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部改正によつて必要となつ補助金追加であります。  次に特定道路整備事業特別会計におきましては、補正予算により増額いたしましたのは、借入金の七億円であります。この内訳は、直轄では新たに三重国道追加いたし、貸付け関係で広島、浜田ほか十カ所分の増加であります。終りに一言附加えますが、住宅金融公庫関係補正予算増額は、一般会計よりの出資金三十億円でありまして、その貸付戸数は、一般住宅九千戸であります。又当年発生災害に対しましては、全体として二十億円が大蔵省所管に計上されております。よろしく御審議のほどお願い申上げます。
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に農林省関係といたしまして、先ず林野庁長官柴田栄君より御説明願います。
  5. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 二十七年度林業関係公共事業補正予算概要を御説明申上げますが、一つには、特殊土壌地帯治山事業に必要な経費でございまして、要求額は一億八十六百万円でございまするが、その内容は、特殊土壌地帯におきまする民有林荒廃林地並びに荒廃移行地が五万八千町歩水源林水源保養林の要造林地六千町歩防風林を必要といたしまする地帯の八百町歩がございまして、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の趣旨に基きまして、右のうち特に農地保全上早急に支給を要する分につきまして、本年度中に是非出資いたしたいものを取上げまして、当初予算補正予算とを合計して本年度計画を立ててお願いいたしておる次第でございまして、一億八千六百万円の内訳を申上げますると、山地荒廃復旧事業といたしまして六百四十町歩、これに要します経費が一億六千九百六万五千円でございます。次に山地荒廃防除施設につきまして、二百町歩施行対象といたしまして、経費千四百三十八万六千円、更に水源林造成を百町歩予定いたしまして、その経費二百十四万三千円、更に防災災害防山林造成のために十町歩計画いたしまして、その経費四十万六千円、以上を合計いたしまして一億八千六百万円をお願い申上げておる次第であります。更に造林事業に必要なる経費といたしまして二億円をお願い申上げておりまするが、御承知のごとく戦争以来非常に山林の過伐が行われまして、なお今日非常にこれが復旧が遅れておりまして、二十七年度当初におきまして民有林伐採跡造林を必要といたしますもので、まだ造林未済面積が八十八万六千町歩も残つております。更に年々の伐採に伴う要造林地が十六万町歩、合計いたしまして百四万町歩という大きな造林未済地がございまするが、近年民有林につきまして非常に造林意欲が勃興いたして参りましたにもかかわらず、終戦以来の公有林に対しまする伐採が非常に強く行われまして、而もなおその造林が非常に遅れております。八十八万六千町歩に亘りまする要造林地造林未済地のうち、公有林が二十三万一千町歩にも亘つておりまして、全体を通じまして非常に遅れております。この際勃興いたして参りました造林意欲を活用いたしまして、特に公有林対象といたしまして、二万余町歩に亘りまする造林促進いたしまして、ここに一方には公有林造林によりまして、地方自治体の基本財産造成して頂く、併せて一つには講和発効の記念として更に今後の造林意欲促進いたして参りたい、かような考えでお願いを申上げた次第でございまするので、何とぞ慎重御審議を頂きまして御決定お願い申上げたいと存じております。
  6. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に農地関係につきまして、農地局総務課長正井保之君の説明を願います。
  7. 正井保之

    説明員正井保之君) 農地局関係補正予算要求いたしておりますものは、お手許にございますように、総額九億一千五百四十八万円でございます。このたびは、先般の国会におきまして制定を見ました特殊土壌地帯災害防除並びに振興対策臨時措置法、急傾斜地帯農業振興臨時措置法、この二つの立法に基くものと、それから単作地帯追加指定が九件につきましてございましたが、これに要する経費、次に同じく先般の国会におきまして成立を見ました臨時石炭鉱害復旧措置法、この法律に基きまして、鉱害のために支障を来たしております農地復旧に要する、復旧事業に対する予算、それともう一つは、駐留軍演習地接収がございましたが、これに伴いましてどうしても立退きをしなければならない、で、新たに入植をしなければならない農家で、且つ年度内入植が具体的に可能である人たちに対しまして所要の経費を計上しております。大体そういつた内訳なつております。特殊土壌地帯対策につきましては一億二千万円、これはシラス地帯防災事業、それからボラコラ地帯防災保全事業でございまして、主として排水に関連した事業の助成でございます。次に急傾斜地帯につきましては一億四千万お願いいたしてありますが、そのうちの六千万円は農道でございまして、只今のところは、大体これによりまして百六十キロ程度農道実施見込まれております。次に二千万円は索道でございまして、これも事業量といたしましては、大体五十三キロメーター程度あと六千万円は、やはり排水或いは土どめ等農地保全関係経費でございます。単作地帯事業費二億三千八百万円のうち、一億三百万円は、団体への灌漑排水事業でございまして、これによりまして四千八百六十五町歩事業が可能でございます。これによる増産見込量は八千百二十五石。次に小規模土地改良、これの内容区画整理その他、客土、暗渠排水等が含まれますが、これによります増産の量が一万三千三百二十石、この程度見込まれております。次に接収地関係でございますが、演習地接収に伴いまして立退を必要とする戸数が、只今大体はつきりいたしておりますのは五百五十戸程度でございますが、そのうち年度内に新らしく開墾地入植ができ、行先も大体見当がついており、出掛けて行く準備ができておるというのが二百四戸でございまして、そのうち百四戸は内地でありまして、あと百戸は北海道に参るわけでありますが、これに要します開墾作業のための経費に対する補助金、それから用地配分事務に要する委託費住宅を建てますに要する経費に対します補助金、こういつた経費でありまして、合計千八百十七万六千円であります。次に鉱害関係でございますが、これは戦争強行出炭をいたしまして、これに伴うところの鉱害につきましては特別鉱害復旧臨時措置法、これに基きましてすでに実施をされておりますが、その他のものにつきましては、相当鉱害のために農業経営支障を来たしておりますので、これを取上げまして、前の国会におきまして成立を見ましたが、大体鉱害面積は九千三百万町歩程度でございます。そのうちすでに鉱害が安定しまして、更に進行を見ることがないと思われるものが五千町歩ございます。これを十カ年間のうちに復旧するという計画なつておりますが、そのうち差当り今回の補正予算におきましてお願い申上げますのは、百七十町歩事業実施するという計画でございまして、それに要する補助の金額が五千万円であります。次に災害復旧でございますが、これにつきましては農林水産業施設災害復旧事業国庫補助暫定措置法律、これの改正により、高率補助を受けるものが二十六年度につきましてございますが、これに必要な経費でございまして、内訳は、農地関係が一億四百七十万円、公共施設関係が二億四千四百六十万四千円、合計いたしまして三億四千九百三十万四千円、以上でございます。  何とぞ慎重審議の上御可決頂きますようお願いいたします。
  8. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に水産関係につきまして漁港課長林真治君の説明を願います。
  9. 林真治

    説明員林真治君) 昭和二十七年度補正予算におきます水産関係公共事業費関係を御説明申上げます。  昭和二十七年度補正予算公共事業費として水産関係で計上されておりまするものは、公共土木施設災害復旧国庫負担法の一部改正に伴いまするところの国の負担分増加、この関係が計上されておるわけであります。即ち昭和二十四年、五年、六年に起りましたいわゆる過年度災害昭和二十七年に既定予算を以ちまして実施しておりまする分につきまして、国の負担増加いたしました額二千七百十八万六千円を計上いたしておるわけでございます。内容は極めて簡単なものでございますが、本年度事業実施に当りまして是非とも必要な額だと考える次第でございますので、よろしく御審議の上御決定お願いする次第でございます。
  10. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 公共事業に対する質疑をお願いします。
  11. 溝口三郎

    溝口三郎君 食糧増産対策費追加五億六千六百万円についてお尋ねいたします。只今説明のありましたように、補正予算では新たに法律化されました特殊土壌地帯対策事業費補助、急傾斜地帯対策事業費補助積雪寒冷単作地帯対策事業費補助の超過分そのほかに臨時石炭鉱害復旧法に要する経費、それを合せて五億六千六百万円ということになつておりますが、法律ができたので、あとで申訳に顔を出して来たという程度に計上されておるのでありますが、これらの事業量は相当にあると考えますし、又おのおの法律につきましては、振興計画等について年度計画が定められていることと考えるのであります。そこで資料要求いたしたいのでございますが、これらのおのおの事業につきまして、各県別事業内容事業の総量、それは面積事業費補助費年度区分、それと各事業については、補助対象条件があると思いますが、例えば気象状態とか、傾斜度とかいうようなものがあります。そういうものが多分できていると思いますが、できるだけ簡単な表にして頂きたいと思うのであります。それは尚今後の審議の上に重要な問題だと思うから、是非ともお願いをいたしたいのでございますが、いろいろの法律が最近出て参りまして、これから先にもまだ各特殊地帯法案が立法化されるような状態であると思います。例えば湿田旭作地帯対策法案とか、地盤沈下の問題とか、早魃の常襲地帯、水害の常襲地帯おのおの特殊な条件地帯があるので、一つ出ますと、この地方のかたがたは是非それが法律化されれば予算が有利になるというような考え方が非常に地元に多いので、そういう情勢が非常に濃厚化されているのであります。殆んど全国が大体法律特殊地帯の中にみんな入つてしまうのじやないか。而もその中にはダブつているのもある。それから又地帯によつて補助率が違つているのであります。例えば単作地帯農道というようなものは、これは二割くらいの補助率なつている、これは地元では非常に熱望しているのですが、なかなか補助率を上げることができないんですが、急傾斜地帯というのは、特に農道が必要だというので三割から四割計上されておるのであります。私どもが土地改良をやりますに、地域ごとに重要な所に非常に困難な仕事がある。それが是非とも必要だというならば、補助率全国一律でなくて、いろいろに変えたらいいのじやないかというようなことも、以前からしよつちゆう考慮していたのでございますが、なかなか補助率を変えることはできないが、今度こういう法律ができて、是非ともその地帯特殊事情で、それを積極的に開発しようということになれば、例えば湿田単作地帯のような所は、排水事業のようなものは、特に補助率を上げるというような政策がとられるようなふうに今この上では見えるのでございます。そういうようなことで、表の上からも私は検討したいと思いますから、それを出して頂きたいと思います。  それから非常に重要なことでございますが、政府では昭和二十八年度から五カ年計画で、三十二年度まで五カ年計画食糧の自給の促進をしようというので夏から検討せられていました。そうして新内閣になりましてから、五カ年間で一千七百五十五万石の食糧増産をやるのだということを発表し、食糧増産促進法案の要綱もすでに出されて検討せられているのでございます。そうして一千七百五十五万石の内容を見ますと、二十八年度増産量が出ている。二十八年度から五カ年で土地改良を一年に六百億くらいずつやつて、二十八年度にその増産量は出るはずはないのであります。米は二十八年度にやつたものは、二十九年度になる。そうして米穀年度は三十年度に出て来る。麦のほうはもう一年ずれて来るのです。二十八年度にすでに百八十何万石という増産量が出ている。どこにその根拠があるのか、その点を明確にしたいと考えるのでございます。今ここに五億六千六百万円の追加予算が出た。現在土地改良開墾等予算は百六、七十億である。それによつては僅かに六十万石程度が二十八年度増産として現われて来るだけで、それを食糧増産の五カ年計画では百八十数万石出ることになつておる。そうして増加人口をこれで支えて行けば、三十二年になれば八十万トンぐらいの輸入の節減になるというようなことを公表しておるのでございますが、昨日も論議されていたのでございますが、農林省から発表になりますものが非常にまちまちなんで、五カ年間で四千億の増産計画なら、その増産量暦年で出て来るのか、そうして米穀の需給年度で出て来るのか、又二、三日前の新聞ではそれとは大分違つた五カ年間で輸入減が年年幾らになる、六十万石ぐらい輸入減になるような数字が、多分農林省から発表したと思いますが、いずれも出て来るのが一つ合つていない。検討するのにどこから検討していいかはつきりわからない。だから私は食糧増産の五カ年計画発表されております千七百五十五万石を米と麦に分けて、そうして事業量に照らして米穀年度に一致させたその表を一応明確にお示しになることをお願いしたいと思います。  もう一つ重要なことは、先ほど申しましたように、二十八年度に米麦合せて百八十五万石増産ということは、二十八年度からの事業に対する増産量であるというふうには、どう考えても考えられないのであります。それは当然二十七年度にやつている仕事増産量が、暦年では二十八年度に出て来ることになるのでございますが、二十七年度の現在の予算は百六、七十億で、その増産量は六、七十万石と思いますが、百万石ぐらいのものがただ計上されているということは、私は食糧増産の五カ年計画をやる場合には、二十七年度土地改良は御承知のように十二月頃から翌年の四月頃の間が最盛期で、そのあと作付等をしているので仕事ができないのでありますから、本当に食糧増産をやるというならばこの冬からやつて、そうして二十八年度にその増産をやつて行くというようなことになるのだと常識的には考えたのです。そうして今発表なつている新内閣政策というものは十一月の十日頃に発表している。それと補正予算がきまる時分と同じくらいになる。恐らく農林省は必ず百万石くらいの増産補正予算でやるのだということを新内閣政策に謳つている、と同時に考えていたのじやないかと思いますが、何故にそういうものを落してしまつたか。世間では食糧増産の五カ年計画というものを非常に重大視しているのです。いろいろの計画が出ますと、五カ年計画とか十カ年計画とかいうのが今まで四、五回も三十年くらいの間にあつたと思いますが、五カ年計画、十カ年計画というものも、大体は二年くらいたつと内閣が変つたりしてうやむやになつてしまう。初めの年から発表している数字一つ合つてないようなことをやつているのだ。百八十万石出すというのに五、六十万石しか出ないような……。それならば初めから食糧増産の五カ年計画というのはどこまで真剣にやつているのか私にはわからない。あの数字根拠を、これは私はもうあの計画は初めからやり直しなんだ、二十七年度補正ではもうできないから、あの五カ年計画は、全般的に千七百五十五万石というものはこれは改訂しなければならんということになるのか。又国会あたりで、じや、もう百億かそこら追加したら政府はいやいやそれを呑んででもあの増産計画というものをやつて行くか。又どうしても仕方なければ、何か緊急融資の途もあるのじやないか。昨年も二月の十日頃に是非とも食糧増産を引上げてやろうというようなことで三十五億くらいの緊急融資農林省では立案して、そして八十数カ所の地方銀行から貸出すというようなことまでおやりになつた。まだ農林漁業資金にも融通する途があるかどうかわかりませんが、そのほかの融資でもやつて、そして現在継続しているような事業を繰上げでもして、そして二十八年度にあの増産計画を樹てた百八十五万石というようなものを必ず確保するのだというようなことも政府では考えられる途もあるのじやないかと思いますが、それとも兜を脱いで新規蒔き直しにやつて行くのだというようなことになるか。これは私はあの立案当初から非常に自信を持つてやられた農林大臣廣川さんが今度又大臣をおやりになる、どういうふうに措置なさるか廣川さんにお伺いしますから、その点をお伝えをしておいて頂きたいと思うのでございます。  その資料要求と、災害復旧につきまして一言お伺いいたしたいのでございますが、災害復旧事業増加三十五億の中で、過年度災害復旧が十五億ということになつておりますが、そのうちの農業関係先ほどお話を承わりましたが、二十六年度分が三億四千九百万円計上されているのでございますが、二十七年度分にはこの高率補助なつたために出さなければいかん経費が幾らあるのか。そして河川とか農業とか、ここに出ておりますのは、これはみんな二十六年度だけで、二十七年度分は計上してないのかどうか。計上してなければ、二十七年度分の高率補助なつたための増加はいつ実施するのかというお見込をお伺いいたしたいのでございます。  それと災害関係しましてもう一つお伺いしたいのは、只今災害復旧法律改正案が衆議院に出ておると思いますが、原形復旧に加えて改良事業をやる場合に、改良事業の分も原形復旧と同じ補助率改正されると考えておりますが、それは近いうちに若し立法化されれば、それに基いて又補助金増額が必要かと思いますが、それはいつ頃か。又次の二十八年度予算にでも出されるおつもりであるかということのお見込をお伺いしたいと思います。私は原形復旧だけでなく改良事業を加えて、そうして立派なものをやつて、二度も三度も災害復旧を繰返さないようにすべきだということは、前からも言うていたことでありますが、今度の法律改正災害を受けた所は、これは完全に改良を加えて今後何年たつても崩れないようにするのだというので、非常にそのことについては結構だと思うのでありますが、只今水路とか河川とかいうようなものの現状が非常に老朽化していて、そうして洪水の場合には、一番弱い所が、自然にそこが破れて、そうして水がそこから出て行つてしまう。その所を今度は何年たつても壊れないようなものを今度法律で以て全額に近いもので改良を加えてやるのだというと、必ずその上下流の所が今度は弱くなつてしまう。そのままにしておけばそれは災害上下流に対しては促進するようなことになつて来るきらいがあるのじやないかと思いますが、今度の法律に基いて、その部分は非常によくなりますが、その上下流災害促進されないような対策農林省では考えていられてああいうものを今後実行して行く場合にはやられる準備があるのかどうか。例えば水害の防止法案というようなものをやつて、そうして災害の起らん前に、もう始終起る所はわかつておるのでありますから、そういうような所は起らないうちにできるだけ頑丈なものにする。そうして一般の補助率よりも余計なものを出してやる。災害を受ければ完全なものにして、殆んど全額のようなものを出してやるというのならば、災害を受けないうちに半分ぐらいの費用を出して手当をすれば災害防止のこともできると考えられます。そういう点についてのお考えをお伺いいたしたいのであります。
  12. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 農林省からお答えいたします前に、補正予算の組み方につきましての全体の立て方を申上げます。  上体的な点につきまして農林省からお答えをいたすと思いますが、只今お尋ねの法律改正の点であります。第一点は、従来は今お話のございましたように、災害復旧の場合におきまして、原形の復旧を超えます部分は災害復旧補助率を適用いたしていなかつた、それを災害復旧補助率を適用いたすことにする、それが第一点。第二点は、従来国庫補助対象といたしました工事は、一件当り十五万円、それを十万円にいたします。従つて国庫補助対象に、取上げます範囲が殖えております。これが第二点。第二点は、従来の農林災害につきまして、建設省関係の土木事業と同じように、累進的に被害の適用をいたす、この三点の法律改正がございましたので、今回の補正予算におきましては、二十七年度に起りました災害につきましては、申すまでもなくそれらの三点を主として適用いたしまして算出をいたしまして、その金額を、先ほど総括的御説明がありましたように、大体三億ということで、従来予算に載つておりました八十億、それに十九億五千万円を追加して、その残りが今後冬におきまする風浪等の災害、それを合せまして補正予算で二十億、これは二十七年度災害のための追加分であります。只今お尋ねの法律改正の点はその中に全部織込んであります。  そこで二十六年以前の災害でございまするが、第三点に申上げました農林災害のほうの累進率を通用いたしまする点は、これは二十六年度の分から適用することになつております。その分につきましての計上額は先ほど農林省の課長から申上げた通りであります。第一点、第二点の補助金額限度の問題、或いは第一点に申上げました問題は、いずれも二十七年度の現在まだ国庫の金が未支出になつております。それに対しまして適用せられることに相成りまするので、以上三点を合せまして三十五億の中の十五億、即ち過年度災害に対しまする分十五億は、以上三点の二十六年以前のそれに対しまする所要金額になつているわけでございます。
  13. 正井保之

    説明員正井保之君) 特殊立法に基きます各県別事業計画等につきましては、私どものほうで資料を整えまして差上げたいと存じます。  次に食糧増産五カ年計画でございますが、この点につきまして新聞等でときどき数字が出ておりまして、而もその数字が食い違い等があるということ、それから二十八年度増産効果が考えられておるが、それは二十七年度事業によるものではないか。事業との関係はどうであるかという御質問でございまするが、この点は二十八年度に百八十五万石の増殖効果を期待いたしましたのは、実はすでに二十七年度の当初予算で認められております予算と、それから補正予算要求をいたしましたのとを含めまして実は計上されておりまして、内訳を申しますと、百八十五万石のうち、百二十七万七千石は当初予算でございます。五十六万九千石ばかり、これは補正予算で期待したわけでございますが、補正予算要求するために大蔵省と折衝いたします際にも、実は予算の執行期間を約半年程度というふうなことで見ておりましたが、これは補正予算成立時期もございますし、特に補正予算の性質、性格からもこういつたことつきましては、更に二十八年度以降に十分根本的に御検討を頂くということになりまして、予算には載らなかつたわけであります。従つて只今の五カ年計画は、百八十五万石になつておりますが、これが当初予算で予定されております百二十七万石というものになるわけで、これからあと増産計画をどのように消化して行くかということにつきましては、なおこれから検討をいたさなければならない。例えば総体の事業量が仮にきまりまして、それを最後の年度に持つて行くか、或いは第二年度以降に逐次消化して行くか、いろいろ具体的な事業計画なり、技術上の問題等もございますので、そういつた点を十分検討して行かなければならないというように考えております。  なお米麦別の数字等につきましても積算の基礎はございますが、只今はございませんので、後ほど又資料を差上げたいと存じております。以上お答え申上げます。
  14. 溝口三郎

    溝口三郎君 先ほど大蔵省からお答え頂きましたが、原形復旧改良を加えたものと同一の補助にするという法律案が只今衆議院のほうに出ておると私は思つておつたのですが、二十七年度災害事業費の二十億の中にそれも含まれておるような御説明があつたと思います。私の感違いかどうか、それをはつきりお伺いしたいと思います。  それから只今農林省からお答えがありました食糧増産五カ年計画の表を整理してあとで頂きたいと思いますが、なお附加えてお願いいたしたいと存じますが、百八十五万石の分について、既定予算で百二十五万石が出ておる、そのほかにあと五十数万石は補正予算でやるつもりだつたが、それがみんな落ちてしまつたというお話でございますから、当然変つて来なければならんと思います。百二十五万石、現在の百六、七十億の予算でそれだけ果して出るのか。そうすると土地改良が六、七十万石と思つておりますが、土地改良、山岳開墾等を分けて行かないとはつきりしないのであります。これは食糧問題として五カ年計画というものの出発点でありますから、率直に一つ数字を明らかにして、国民の納得の行くようにしたいと思うので、細かい点までお願いするわけでございますが、私の申上げたような趣旨から明瞭にわかるようにお伺いいたしたいのであります。  もう一点お伺いいたしたいのですが、補正予算なり、又二十八年度以降の食糧増産計画等に出ます労賃といいますか、単価でありますが、これは公共事業で使う単価は規定されていて、現在では十一月に改正になりますか、予算編成当初は、恐らく二十六年の十一月の一日ぐらいの全国平均二百五十円、それよりかほかのものを使つてはいかんという規定になつておるから、それで多分計上されていると思いますが、二十八年度予算をこれからおきめになる場合に、やはりあの計画をその通りやつて行こうということになると、事業費もおよそ一、二割は高くなるということも頭に置いてあの計画是非実行するように御努力をお願いいたしたいと考えておるのでございます。
  15. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 公共事業費について、又その他農業の五カ年計画に対しては、いずれ総括的の質問の際にしたいと思います。ただ関連するから一、二をこの際お尋ねいたしまして明確にして置きたいと思います。大蔵、農林両者の説明によりますれば、二十四、二十五、二十六年の災害に対する過年度支出というような説明を承わつたのであります。申すまでもなく災害復旧をいたすについて、その払われた耕土復旧に対する費用は、当然各自、或いは復旧組合を作れば組合の負担なつておるということはおわかりのことであります。ひとり農業災害のみならず土木災害においても、総計一千五百億に近い災害復旧は順次三年か五年の間に復旧したいというが、このくらいの少額を補正或いは通常等に計上いたすにおきましては、一体何年かかれば災害の全復旧に対するところの現在計画された費用が完全に助成できるかというそのお見込一つ先ず開きたい。  次に農林関係の諸君に十分に考えておいて頂きたいことは、こういう負担の中に果して農民の生産意欲が持続しておるかどうか。あらゆる計画を立てても農民がみずから生産に奮起しなかつたならば、如何なる目的、如何なる計画、又その費用が助成されても効果が挙がらないというのが現状であるから、この点について、農民生産意欲の向上は三年も五年も放つて置かれると、如何なる正直なかたでも減退するということに相成りまするが、これらの点についてどういう方法をとつておられるか、その点を二点として聞きたい。更に農協においてもその組合の負債によりまして、農協の今日再建整備をしなければならない大きな原因は種種なるところにかもされておりますけれども、これらも又大きな原因をなしておるが、この点についてはどういうお考えを持つておるか。それから災害に対して今日まで助成されてはいませんけれども、復旧と同時に生産されれば課税されるのが建前でございますが、何年でも災害助成の完璧するまで税は免税されているかどうか、先ずこの三点をお尋ねしておきたいと思います。
  16. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 過年度災害の残工事は、過去数年に亘りまして相当大きな災害の年が引続きました関係上、今日まだ非常に巨額なものが残つております。今日までやつて参りましたような割合を以ていたしますと今後数年を要します。その金額の詳細につきましては、別に表を出してそれで御覧頂きたいと思います。
  17. 堀直治

    説明員(堀直治君) 災害復旧は事実只今のところは三年なり五年なりかからなければ補助金が全額行かないようなことになつておりますが、農民のほうといたしますと自分の田圃が復旧いたしませんと、翌年の食糧にも困るというような現状にありますので、我々のほうといたしますと、できるだけ金を借りても何でも災害復旧は早くやつて欲しい、又そういつたような指導をいたしまして、補助金が行かないうちに工事をやることを実は認めておるわけであります。ただそういたしますというと、非常に高い金利で借りまして、金利の問題で各農家或いは農業組合が困つているという問題がございますので、災害に対しましてはその地元負担分の八割までを特別に低利な金、即ち農林漁業資金を貸すという建前をとつておるわけであります。但しこの金融の総額もまだ十分とは行きませんので、希望する農家に満足に廻すわけには行かないのが現状でございまして、この点につきましてもできるだけ金融の枠の増加を図りまして、そういつた不便をなくしてやりたいというふうに考えております。で、実情といたしましてはまだ補助金が行かない、或いは金が借りられないために生産意欲がなくなるというようなことがないように、できるだけひどい災害地に対しては早く補助金を出すとか、或いは金融を促進するとかということでやつてはおりまするが、十分に行かないことだけ残念に思つております。
  18. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 今主計局の答弁は余りあつさりしていて親切を欠いていやしないか。ここ数年はかかる、そんなことでは私どもは、一体地方民、国民に対して満足が行くかどうか、もう少し常識的に判断してもらいたい。ここ何年くらいの補助を出せば完成する、そうしてその完成と同時に大蔵当局は常に十分農林当局と折衝をいたしまして、農民の生産意欲の減退しないように、又災害をこうむつたかたがたが国民生活の上に安定されるように十分なる注意を払つてやる、農林当局はもつと大蔵当局と折衝いたしまして、こういうことを、今説明の通り八割の低利資金は融資したが、結局金利を払つて行かなければならん。又肥料方面においても倍額の肥料を施肥しなければならん。労力においても、少くとも三、四年は災害に対する倍のあらゆる苦心惨胆している農民の心理がわからな過ぎる。一体そんなことで政府の意図あるところの五カ年計画を立てようが、何年計画を立てようが、結局計画では完璧いたしましても、実績が挙がらないことに相成ることを私は憂えるのであります。もつと大蔵省は農林当局とよく懇談をいたしまして、災害に会つたかたがたの心情をよく察知いたしまして、心からこれらのかたがたに対する、いわゆる生産に対するところの、あの朝に星を頂き、夕に月を踏んで帰る農民の心理を考えて今後の施策を行う決意があるかどうか、いま一度御答弁を願いたい。
  19. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 過年度災害の現在の残額の正確な数字が手許になかつたものでございますから、後ほど資料を以てお答え申上げるということを申して大変お叱りを受けたわけでありますが、私の記憶では一千数百億と申上げたのでありますが、その数字が正確でございませんので、その辺は後ほど資料で御覧願いたい。本年度補正を今御審議つておりまする十五億を合せまして本年予算におきまする過年度災害の支出金額は四百三十億ほどでございます。従いましてこの四百三十億というような割合を以ていたしますれば、先ほど申上げましたように従来の過年度災害分につきまして四年、五年というような日数がかかるのだというようなことを申上げたわけであります。ただ御承知のように本年は終戦後におきまして初めて災害の非常に少かつた年でありまして、物価指数で換算をいたしましても、本年のごとき災害の少かつた年は、戦争の前におきましてもそう多くございません。従つて年度百億、即ち今回二十億の追加をいたしまして当初に計上いたしました八十億と合せまして百億、その金額を以ちまして先ほど申上げましたように大体三割を賄なうことができるわけでございます。従いまして本年二十七年度災害、これを来年は一応五割程度を計上したいというふうに考えておるのでありますが、この場合におきまする来年度予算についての圧迫は、そう食われないということは考えられるのであります。従いまして今後の二十八年度、或いは二十八年度以降におきまする予算の計上の仕方はそのときにならないと申上げかねるのでありますが、一つの有利と申しまするか、来年以降におきまする過年度災害を処理いたしまするのに、その点で荷物が軽いという点は、本年度災害が非常に少なかつた、四百数十億の金額で済んだということがございまするので、只今言われましたような将来の農林災害、従来過年度分が相当溜まつておりました分、それにつきましては従来と比べますれば相当早く事業することができやしないかというような見通しがあるわけであります。ただ数字の詳細につきましては先ほど申上げましたように資料によつて御覧願いたい主思います。
  20. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 了承いたしました。
  21. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 農林省のほうで食糧増産五カ年計画だとか、十カ年計画とかというようないろいろな計画がおありのようですが、これについて私は過去、特に終戦後食糧増産のために土地改良或いは開拓、干拓、開墾等々のことをいろいろおやりになつたし、それに対して相当多額に金を注ぎ込んだと思うのですが、それらの金がどういうふうな経済効果を実績として挙げたか、或いは特に計画を立てた場合とどういうふうに計画通りに遂行されたか、或いは計画とどう食い違つたかというような実績検討がなされていい時期に到達しているし、勿論将来の計画を科学的にお立てになるためにはそういうものが用意されると思うのですが、そういう特別な調査がおありになるかどうか、若しおありになるならばその調査資料に基いてその点を一つ詳しく御説明願いたい。
  22. 正井保之

    説明員正井保之君) お答え申上げます。終戦後いろいろ国が投資した事業の経済効果についての御質問でございますが、国営事業等につきましての例を申上げますと、なお事業が完成しないというふうな例も相当にございまして、実はこの点について全体としての数字を、例えば増産効果でありますとか、その他農業経営上の効果があるわけでございますが、それらについて統計的にまとめて只今用意いたしておりませんけれども、この点につきましては資料もなお私のほうで調べて見たいと思います。なお只今考えております五カ年計画におきましては、実績の検討を全体について反収何割の、或いは何斗の増収があつたというふうなことだけではなくて、実施した事業の全体について統計的に増産の効果なりをつかまえたいということで、その方法なりを検討いたしておりまして、できればこれらの方法によつて確実に効果をつかみたいというふうに考えております。過去の分につきましてはそういうふうに事業がなお、例えばダムのようなものですと非常に投資ばかり多くてできていないというふうなものもございますが、その他につきましては数字を整理して差上げたいと存じます。
  23. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 どれくらい……すぐできますか、それとも相当時間がかかりますか。
  24. 正井保之

    説明員正井保之君) 只今五カ年計画の作業を具体化してつかみかけております。途中におきましてもやつておりますから、例えば現在すでに着手しておる事業につきまして事業自体の進行がどのくらい行つておるか、それから当初計画した増産効果に対してどの程度まで来ておるかというふうなことを検討いたしておりますから、余り時間はかからないと思います。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それに関連しまして実はマイナス面のほうの効果についてやはり資料を頂きたいのですが、これは本会議で私農林大臣に質問したのですが、農林大臣は非常に抽象的な答弁で何ら答えになつておりませんでしたから、この行政協定によつてどのくらい農地山林接収されて、その結果食糧の減収がそのためにどのくらいに予想されるかということ、それから山林がどのくらい潰されたか、それをはつきり、わかつておるはずですから、はつきり数字によつて伺いたい。  それから漁業のほうが海域周辺の漁業を禁止されたためにどのくらい漁獲が減つたか、その増産とか何とかのほうには力を入れておりますけれども、マイナス面もあるのですから、その面を至急に、もうわかつておるはずですから、出して頂きたい。それから今後の見通しもでき得る限り計数によつてできたら伺いたい。その資料要求します。  それからもう一つは、これは農林省と建設省と両方関連しておりますが、今度の弾丸道路の建設によつてどのくらいの山林農地が潰されるのか。これは相当大きな面積に上ると思うのです。聞くところによれば、百二十米、六十六間の幅である。そうしてこの六十六間の道路に対して横川間で大体一反歩であると言われております。ですから大体計画があるはずですから、そうなつたら大変な問題だと思います。弾丸道路によつてどのくらいの面積接収されるのか。そうしてその中には農地がどのくらい含まれるのか。田畑にこれを分けて、或いは山林がどのくらい含まれるのか。それから今弾丸道路の建設の計画は具体的にどういうふうになつておるのか。この資料を頂きたい。  それから先ほどのは行政協定に基く影響ですが、保安隊による農地山林等の接収、この影響も併せて計数的に伺いたい。これはいつも要求しても予算審議に間に合わないのです。従つて委員長におかれましてもこの点督促して頂きたいと思います。もうわからなければならん数字でございますから、これは出してもらえるかどうか、はつきり確かめておいて頂きたいと思います。
  26. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今木村君の資料につきまして接収地とか、或いは保安隊、或いは弾丸道路についての農林、建設のほうの資料農林省のほうは大体どうなつておりますか。
  27. 正井保之

    説明員正井保之君) すぐに出ると思います。
  28. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それで建設省のほうの弾丸道路というものにつきましては……。
  29. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 弾丸道路につきましては本年度から実測を始めております。明年度完結する予定でございます。実測が完了いたしますと正確な資料が出ますが、概算のところでありますと今でも持つております。先ほど弾丸道路の幅の問題が出ましたのですが、只今計画いたしておりますのは二十二米でございます。
  30. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 いつも資料のことでやかましく言つてお耳ざわりかと思いますが、今の農林省のお答えでも木村委員資料要求されたのは、すでに本会議のときにはつきり大臣にそういうものを明示しろということを要求されて、すでに相当な時間が経過していると思うのです。従つて事務当局がここに来る場合には、そういう資料はもうちやんと用意して前に配付して、それに基いてここで説明をするのが然るべきだと思うのです。何らそういう準備をして来ないというのは、余りに怠慢だと思う。今後こういう点は十分一つ気を付けて、大臣に対してどういう質問があつたのか、どういう準備をしなければならんかというようなことは、もつと誠実に心がけて頂きたい。特に御注意します。
  31. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 資料提供のことですが、私が先だつてお願いしました見返資金を貸付けておる明細を出して頂くようにお願いしたところ、本日ここに受取つたのでありますが、ちよつと不備な点がありますので、今私が申上げることを理財局のかたおいでになつておるようですから、間違いなくお書取りの上で、次の点を補足出して頂きたい。それは各会社別の諸計画として会社の、代表者等の内容はわかりましたが、この会社の電力会社、電力会社が九社であるならばその電力会社の設備能力、水、火力発電所、それから開発計画並びに資金計画、それから資本金、それから財産、それから償還期限、どういう条件で貸付けたのか、条件内容とこの金利、それからこの九つの会社の融資をして取交わした契約書があると思います。その契約書の写しを出してもらいたい。これはこの内容を特に伺うのは、電力会社と、それから例えば海運、鉱山のごときはこれに匹敵して明細をお書き願う。これを全部お出し願いたい。それからもう一つは期限が来て未償還、償還してない会社があると思います。それらの会社の名前と代表者、金額、期限はいつであつたか、それを一つ御面倒ですがお出し願いたい。
  32. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 建設省にお聞きしますが、道路の関係、安全保障諸費のうちに駐留軍の新施設周辺の道路の新設改良経費を相当額負担するというふうになつておりますが、建設省のほうには、この問題はどういうふうに示されておるか御説明願いたい。
  33. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) お答えいたします。安全保障諸費から出ます道路の事業につきましては、すでに内定されましたものが第一回が十億、その次は十二億で、二十二億であります。これをきめますに当りましては、行政協定の中に行政協定関係の合同委員会があつて、その下に道路に関する分科会がございまして、この分科会で折衝してきめております。
  34. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 すでにきまつたのが二十二億で、それから今年度中の予定はどれくらいというふうに……。
  35. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) この点につきましては、只今大蔵省と折衝中でございますが、大体二十億、二十二億程度は本年度中にきまるのじやないかと考えております。
  36. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それで、それは現実に着工されるのはいつになりますか。
  37. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) すでにきまりましたものについては、目下着工を準備いたし、又着工をいたしておるものもございます。これからきまるものにつきましては、金がきまつてから着工することにいたしております。
  38. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、これからきまるものは第三回、第四回が今年度中に更に追加決定するというふうにお考えですか。
  39. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) さように考えております。
  40. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それはどれくらい……。
  41. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 先ほど二十億か二十二億と申上げましたが、その程度は本年度内にきまるのではないかと考えております。
  42. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 さつきのお話では第一回十億、第二回十二億というようにきまつたと、更に……。
  43. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 二十億乃至二十二億程度がきまるというふうに考えております。
  44. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それだけきまればそれは現実に着工をして、そうして今年度中にはどうしても要るという金になるのかどうか。
  45. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) これがきまりますと、本年度中に消化しなければならないことになりますが、時期も年度末に迫つておりますので、若干は繰越しになるかも知れないと考えております。
  46. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 大蔵省のほうにお聞きしますが、その点のお見込はどういうふうになつておりますか。
  47. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 只今道路局長からお答えをいたしましたように、すでに移し替えの手続をとりましたのが只今二十二億でございます。引続き総額といたしまして百四十億ほどの要求を頂いております。それを逐次審議をいたしまして、そのうちで実情の、緊急度の高いものを次から次へと出しておりますので、それが第一次、第二次、第三次というふうに分れておるのでございます。現在私どもの手許で審議いたしておりますのは、第三次くらいに当るわけでありますが、道路局長が二十億見当と申上げましたのは、大体その第三次に入つておるのでございます。要求は今道路局長が申上げた通りでありますが、その程度のものが近い機会に、近い機会というのは非常に近いという意味でございまして、恐らく一週間とか、そういうふうな時期かと考えております。引続き今申上げましたように、百四十億ほどの要求がございまして、道路局では非常にたくさんの場所でございますから、これを現実に状況を審査せられるのにおのずから順序がございまして、それらの現場の審査、それが済みましたものを次から次へと処理して参りたい。本年度中にどの程度かということにつきましては、先般主計局長が申上げ、ここでも資料をお配りしてあると思いますが、今後におきまして、なお五十億程度ということを考えておるのでございますが、それが佐多委員あとのほうのお尋ねであるどの程度繰越しになるかということにつきましては、これは道路局長のお答えのように繰越しになる分も出て参るのであります。ただ非常に大きな長い工事を要しますのと、比較的短いものとこれは大小雑多でございます。小さい工事につきましては、今後審議いたしますものにつきましても、年度内に済むであろう、大きなものにつきましては若干繰越しになるであろうというふうに考えております。
  48. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 建設省のほうにお尋ねしますが、従来、日本で普通の道路として道路建設費にお使いになつたのは、私の調べたところでは二十六年度六十七億、二十七年度八十六億というような数字じやなかつたかと思うのでありますが、それに対して我々が二十七年度当初予算のときに示された、安全保障諸費の中にある道路関係費は八十億だというふうな話を聞いたと記憶いたしますが、日本自身の全国に亘る道路が八十億足らずしか経費を今まで注ぎ込めなかつたというときに特定のそういう道路に八十億或いは更には今のお話だと要求が百四十億ですか、こういう道路の建設の仕方をする場合に日本の道路政策上非常にアンバランスになるのじやないかと、それからあなたがたが道路建設計画をやつておられます計画と新らしく押込んで来るこういう計画とが競合するとか或いはいろいろ混み合つて来て道路政策なり道路の建設上のいろいろな問題に支障が出て来ないのかどうか、その辺のことを事務当局としての御意見を一応聞きたいと思います。
  49. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 道路費は二十六年度が六十七億であります。二十七年度には八十六億でございました。日本の道路を幹線を整備するというだけでも只今計画では二千六百億ほどかかることになつております。で、従来の道路費でありますとこの幹線を整備するということに一ぱいでございましてその他の道路にはなかなか廻りがたい実情でございます。このたび安全保障諸費のうちからすでに二十億ほどきまつたわけでございますが、これらの道路は演習場地内の道路或いは演習場ができますために付替えを要するようになつた道路ということでございまして、その大半は幹線道路以外の道路でございます。又一部我々の考えております幹線道路に安全保障諸費に入つたものもございますが、これらのものは今計画しておりますものを改訂いたしまして来年度以降に改良する計画に考えておりますので、道路計画としては相当多額の金が今後要ることであり、これらの金を頂いたことは従来の道路政策を助長する意味に相成つておると考えるものであります。
  50. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 道路関係でちよつとお伺いしておきたいのですが、今度の補正予算特定道路整備事業特別会計補正措置についてもう少し詳しく説明して頂きたいと思いますのは、この補正措置については一月分について戸塚国道、伊ノ浦橋及び三重国道事業をその緊急性から見て進捗しなければならん、こういう予定になつております。又貸付金についても事業の竣工を推進するために四億六千五百万円を増加する、これはどういう事情なんですか。ただ抽象的でわからないので、もう少し具体的に緊急性というのはどういうことなのか、なぜここで特に補正して又急がなければならなくなつて来ているか、この事情をもう少し詳しく伺いたいのです。それからもう一つ安全保障諸費によつて道路を建設する場合、それと関連して駐留軍のいろいろな駐留作戦というのですか、この府県負担の道路費というのは殖えないかどうか、殖えるとしたらどの程度殖えるのか、一つそこにまあ移転する場合道路費とそれに関連した道路計画というものが又いろいろ幹線の幹線として非常に出て来るんじやないかと思うんですね、そのとき国の負担じやなく府県負担分なんかでそういう道路計画が出て来るようなことがないかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。
  51. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) お答えいたします。特定道路整備事業計画補正予算の概況でございますが、このうち今度補正されたものはどういうものかというお尋ねのように聞いたのでございますが、これは当初十五億の予算で始めたわけでありますが、初めから補正というものがあることの考えで計画いたしたものでございます。従いましてこれらの補正を頂けば当初計画の橋梁等については、三年の計画でやるということで計画をし直したわけであります。で、道路の中に戸塚国道であるとか、伊ノ浦橋であるとかございますが、これらにつきましては最近の交通の情勢から見まして捨て置きがたくなつて来ておるものですから、特に補正お願いしておるわけであります。例えば戸塚国道のごときはこの夏でありますと、二時間も遮断されておつたという状態でありまして、これらを至急に解決いたしたいということでお願いしておるわけであります。
  52. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 二時間も遮断されたというのはどういう意味ですか。
  53. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) あそこは東海道線の踏切になつておりますので、鉄道の通るときは自動車が止められるわけです。それからその次の安全保障諸費の処理の問題で地方負担が殖えないかということでございましたが、第二次にきまりました二十二億につきましては、全額で以てやるべきものということになつております。
  54. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 安全保障諸費によつて道路ができるでしよう。いろいろ幹線が、直接にはそれと関連してないように見えますけれども、実際にそれと関連したいろいろな放射線状のいろいろな道路ができるのですね、幹線の幹線ということになるか知れんが、その関係から地方負担分の道路建設費が殖えないか、実際的にそういう影響がないか、これは率直にお答えを願いたいです。
  55. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 只今計画されております道路につきましてはそういうものはないわけでございます。附帯工事として若干幹線をやります場合に市町村道でありますとか、そういうものの付替えが行われて来るわけですが、それはこの金の中でやることに予定いたしておりますので、そのために地方公共団体実施しなければならなかつたという道路は只今計画ではございませんが……。
  56. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それじやちよつと伺つておきますが、例えばこれは道路じやないですが、横須賀なんか駐留軍が来たために下水とかそういうものを新らしく修理或いは建設しなければならん、そういうとぎに市の負担になるような場合があるのですね、そのために地方財政が非常に困窮した、困る事態が生じて来ることが相当あるのです。陳情も来ております。それは水道の問題ですが、道路なんかについても或いはそういうようなことが起つた場合に、皆これは国で負担するのでありますか、そういう建前になつておるのでありますか。
  57. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) すでにきまりましたものについては国で全部出すことになつております。
  58. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう建前になつているわけですか、安全保障諸費の中から全部……。
  59. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) なお只今大蔵省のほうと折衝しております。第三次の中には鋪装の問題があるわけであります。これにつきましては私どもとしてはこれは全額出したかつたのでありますが、併し鋪装となりますと地元に相当の利益をもたらせますので、その分については地元負担というものもとつたらいいじやないかという意見もあるわけでありまして、その点については私どものほうでは只今研究中でございます。
  60. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それじやそれによつて地方の財政には何ら影響がない、安全保障諸費による道路建設によつて地方財政に一文も影響ない、こういうふうに了解していいのですか。又今後においてもですね。
  61. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 只今申上げました鋪装が仮に地元負担をとるというようなことになりますと、その分だけは地方財政に影響を与えることにはなりますけれども、併しこの鋪装というものは相当地方が要望しておる仕事でもございますので、財政的には負担をかげることにはなりましようが、仕事としては歓迎される仕事になるのではないかと考えております。
  62. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 特定道路の整備計画についてですけれども、これは二十八年度予算でも更に拡充される御計画でありますか。
  63. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) この有料道路の制度ができまして、これは道路行政に対しましては非常に有効に使われると考えております。併しこれはどの道路もこういう制度でやるということは考えておりませんが、こういう制度でやれば非常に効果的な道路の仕事ができますので、こういうものについては発展的に活用して行きたいというふうに考えております。
  64. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先ほどのお話ですと、前に十五億も計上した時もすでにこの補正予算を考えて計上したのだ、こういうお話でございました。我々は前に審議した時にはそういうことを伺つていないわけで、特にこの法律ができる時にもともと道路というものは無償の原則で貫かれるべきであるから、こういうものは限られた場合にのみ適用されるべきであつて、十分注意されたいということをば、実は附帯条件付で決議したと思うのです。その時には十分にその決議を尊重するというようなことを、尤も道路局長はその後お変りになつたのですから、その時は別なんでありますが、そういうふうな状態であつたのに、その当時からすでにこの補正予算を予定し、又将来も非常に有効であるからこれをば拡充する、こういうことでありますと、この法律を制定した当時の国会の意思というものをば全く無視されるという結果に相成ろうかと思うのですが、その点如何ですか。
  65. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) その間のお話につきましては私も承知いたしております。ただこういう制度でやる道路がもうなくなるという時期には、これはもうやめなければならんと思いますが、こういう制度を活用して非常に有効に道路事業をなし得るところがまだ相当あると考えておりますので、先ほどのようにお答え申上げたわけでございます。
  66. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そういたしますと、これは大きく道路政策というものに一つの変革がもたらされることになると思うのです。建設大臣のお考え等を聞いてみますと、将来は外資導入をし、或いは道路会社を作つてもいいというようなお考えもあるようであつて、これは全く過去における道路は無償である。例えば離島に対する、淡路島とか或いは佐渡島等に対してもこれは一本だけはただで行けるようにならなければいけない。こういうような原則であるのに、金のある者は整備された道路をどんどん使い、金のないものはそのままである、この無償であるべき道路政策に非常な変革が来ることになると思うのです。これは道路政策にそういつたふうな根本的な変革を加えるという一つの大きな決定の上に立つてこういうふうの具体的な施策ができておるのであるかどうか、伺いたい。
  67. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) この有料道路の制度はどの道路についてもやるというのではなくて、その場所を通らなければほかに行く道がないというようなものについては考えないことにしておるわけでございます。別の道をこしらえてその道を通つたほうが有利、便利だ、こういうような道路についてこの制度を適用したい、こう考えておる次第でありまして、この制度ができましたので、将来の道路政策についてはその面からの変革があつたと考えております。
  68. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 特殊土壌地帯治山事業に必要な経費の点ですが、補正で一億八千六百万円として、当初予算がこれは三十五億三千八百万円ですか、この表によると、すでに特殊土壌地帯の特別法ができる前から特殊土壌地帯に限つてこういう治山事業に必要な経費が計上されていたのだというふうに読めるのですが、そういうふうに読んでおいて、従つて当初予算は全部特殊土壌地帯に使われるものというふうに了解をしていいのかどうか。
  69. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) 特殊土壌地帯につきましては特に災害の多い地方でございまして、従来とも治山事業を行なつて参つておるのでございまするが、全体といたしまして多少遅れておですから、今度これは防衛分担金あたりから出すべきじやないかと思うのですが、この関係はどうなのですか、なんだか安全保障諸費か防衛分担金から、性質から言えば払わなければならないように我々思われるものが、又新らしくこういうふうに出て来ると、実はその防衛費千八百二十億以外に、実は他の違つた名目において我々がそういう負担をこうむるというような感じがするのですがね、この二つの項目については、その点はどういうように説明されるのでございますか。
  70. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 便宜私からお答えを申上げます。お尋ねの前段のほうの、何故に安全保障諸費或いは平和回復処理費から支出をしないで、横浜、神戸両市におきまする接収解除返還に伴いまする復旧事業費をやつたかということであります。この点は横浜、神戸両市いずれも占領の当初におきまして接収をせられたのでありますが、御承知のようにこれはいずれも戦災地の部分であります。御承知のように戦災の都市につきましては復興事業というものがございまして、それに対しまして終戦以来特殊の補助をいたしておるわけであります。ところが接収に相成りました関係上、そのほうの仕事ができなかつたわけであります。それを今日接収解除になりましたので、その機会に従来四年、五年遅延をいたしておりました戦災復興の仕事ができるようになりました。従いましてその筋に沿いまして戦災都市の復旧をいたしたい。従いましてこれは従来それ以外の戦災都市が公共事業のうちにおきまして戦災復旧補助をもらつておりましたのと同じような考え方で参るべきである。ただ接収という事実のためにそれが遅延をいたしたのであるというふうに考えるわけであります。  後段のお尋ねのほうの再入植の問題でございまするが、これも入植をいたしておりまする人たち接収せられました施設から一応退くわけであります。この退く分につきましての補償は御承知の通り別途補償の基準がきめてございまして、それに対しまする補償をいたしておるわけであります。ただそのうちで農家のかたがたは多く再び農業をやりたいということでございまして、これは入植の分に新らしく普通の入植者と同じような扱いを以てやる。と申しますのは、従来の入植者としての地位につきましては、これは保障いたしておるわけでありますから、従いまして新らしい再入植の問題としてこれは普通の公共事業入植と同じ考え方で扱うのだ、併しながらそれが今申しましたような特殊な事情から出ておりますので、今回補正予算におきまして特別なる配慮をいたしたというふうに御了承願いたいと思います。
  71. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 例えば港湾なんかについて、港湾を接収されるために、他に港湾を作らなければならない。こういう費用は、これは防衛分担金ですかの中から出るのです。そういう考えから行くと、やはりこれは間接的な、やはり影響で、新たに我々が又講和関係費以外に、私たちが負担しなければならないというのも、どうも合点が行かないですが、港湾なんかどうなんですか。
  72. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 接収港湾の大体の施設につきましては、接収をせられておることに伴いまして、それだけの港湾の能力がないわけでありまするので、これに対しまして何と申しまするか、アメリカの軍の貨物以外の一般貨物を取扱いまする港湾の能力というものを備えなければならん。そのほうは安全保障費を以て賄いをいたすわけであります。これは別に先ほど申上げましたように、入植者が補償をしてもらうというような問題がございません。これは当然と申しますか、進駐軍の接収に伴いまして大体の施設をいたすと、こういうわけです。入植者の問題は一遍補償という関係で切れまするので、ただそこに事実上再入植の必要があるだろうというので、公共事業費のほうでいささか別途の配慮をいたしておるというようにお考えを願いたいと思います。
  73. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは御説明で結構です。併しまあ我々は間接的影響として考えるわけですね。実際に防衛費千八百二十億円出ていますけれども、そのほかにこれなんか一例ですが、間接的にそういう負担になる分がもつと細かく調べて行けば相当私はあるんじやないかと思います。今の御説明は御説明として、まあ説明の仕方ですが、それは事務当局はそういう仕方をしなければならないですから、それはそれとして諒としますが、もう一つ最後に、これは農林省のほうのかたに伺いたいと思いますが、海域を海軍の演習場に制限された場合の補償ですね。はつきり制限された区域においての補償は一応きまつておりまするが、間接的な影響のほうについての補償はどうなつていますか。その後具体的な補償の方法はきまつたか。例えば防潜網の影響による補償の方法、これは聞くところによると補償の方法はないということであつて、お見舞金ということになつておるようですが、その後こういう間接的影響による補償の方法ですか、これは今具体的にどういうふうになつておりますか。
  74. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 水産関係の人が出ていないのですが、又小委員会のほうでお聞きになつたらどうですか、時間も迫つておりますから……。
  75. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは出ておられなければ結構です。併し先ほど佐多氏も言われたんですが、それは結局委員会の能率を害するんですね。小委員会で又質問して、それで又答えられるかも知れませんが、今度ほかの質問ができない。これはやはり今日で大体あれを一応終るということになつたんですが、農林省関係というなら、それくらいのことは予想さるべきですね。これは非常に遺憾ですけれどもいたし方ありませんです。
  76. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 水産庁に代りまして、現在私どもの承知しておりますことでお答えを申上げます。水産の関係につきましては、御承知のように先般の国会を以ちまして、接収として指定をせられました地域の分につきましては法律が出ておるわけであります。ただその際に木村委員の御指摘のように、防潜網のように接収区域以外におきまして生じました損害はどうするかということにつきましての問題がございまして、この当時の経緯は、私どもの承知しておりまするところでは、御承知のように行政協定におきましては、今申したような補償につきましての日米双方の分担の割合を将来相談をしてきめるということになつておるわけであります。その将来相談してこれをきめるということが、当時において未決でございましたので、そこら辺の関係も併せ考えまして、取りあえず見送るということにおきめを願つたように承知をいたしております。その後の折衝におきまして今日まで依然としてその損失の補償につきましての日米双方の負担割合の問題は解決をいたしておりません。だからということで直接の関連はございませんですが、目下のところ水産庁、法制局それからこういうような間接被害と申しまするか、直接の施設区域の提供地域そのものについて生ずる以外のもの、こういうものについての一種の無過失損害賠償と申しまするか、そういうような現在まで先回の国会で御議決を願いました民事特別法その他一連の法律それの範囲外のものにつきまして、一括した法律を出すか、それとも水産のように現実に問題が起つておるものだけをとらえて立法いたすかということにつきまして、引続き検討いたしておるのであります。ただ、この前の国会のときにおきましての経緯が、両方の分担割合というものもきめるということを頭の中に入れて、一応この前は何と申しまするか、その点は触れないで参つたのでありまするから、私どもの承知しておりまするところでは、今のところこの国会に急速にその法律を提案するようには聞いておりません。従いましてその法律案が通りまするまでの間は、木村委員御指摘のように、見舞金という形において、これを支払うということに相成つたかと存じております。
  77. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 大蔵省から防衛支出金等の予算についての資料が出ておりまするが、この防衛分担金から出しておるものと、安全保障諸費から出ておるものと、それから平和回復善後処理費から出ておるものと、非常に重複しておる支出の内容がたくさんあるようですが、どうして、例えば道路関係でも、返還財産の原状回復処理に関する費用につきましても非常に重複いたしておるのは、これはどういう工合に区別をするのですか。
  78. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは道路関係につきまして重複とおつしやいまするのは、私が今の記憶では重複はしないんで、安全保障費から出しておるだけであります。それは先刻来お話申上げておりまするように、これは米軍の施設にまあ関連をいたしまする、施設の移転等に関連をいたしまするものであります。それはそれ以外の営舎の建築などと一緒に防衛支出金を以て出す。この点は前国会におきまして当時の大蔵大臣から御説明を申上げました数字でございます。  後段のお尋ねの接収補償の点につきましては、御指摘の点がございまして、科目といたしましては両者重複いたしております。それはこういうふうに御理解を願いたいんであります。防衛支出金は四月の二十九日、即ち平和条約、安全保障条約の効力発生の日を以ちまして、新らしくアメリカの駐留軍という資格ができたのであります。防衛支出金はその四月の二十九日以降の問題の扱いなんであります。従いまして四月二十九日以降におきまして、接収の解除になりましたそれに対しまする補償をいたしまする分は、この防衛支出金から支出いたします。  ところが御承知のように、従来の補償手続は若干遅延をいたしておりまして、四月の二十八日以前におきまする接収解除、それに関連いたしまする補償というものが未決になつておりまして、その分にはこれは防衛支出金から出すべき限りではございませんので、平和回復善後処理費というもので賄いをいたすと、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
  79. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 もう一つ……。その建前の理論的根拠につきましては多少疑義があります。これはあとの問題といたしまして、もう一点お尋ねしたいのは、旧連合国軍人等の住宅公社債務弁済となつておりますが、これは前の軍人公社資金の際にこうした債務が生ずるようなことではなかつたかと思うのですが、どういうわけで十億も予算がありますか。
  80. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 旧連合国軍人住宅公社と申しまするのは、一昨年であつたと思いまするが、二千戸余りの当時の占領軍将校の住宅の建築をいたしたのであります。その前に、御承知のように、一般の占領軍宿舎というものを終戦処理費で作つているわけでありますが、その当時のいきさつは御承知だろうと思いますが、極く簡単に申上げますると、アメリカの将兵というものはこの駐留をいたしておりまする国の政府の提供しておりまする施設、まあ住宅の場合でございますが、家屋に住んでおりますれば、住宅手当が出ないということになつております。併し政府以外のものの住宅であれば住宅手当が出せるという、その関係で当時二千戸余りの追加をして将校の住宅を作つて心らいたいというお話がありましたときに、そういつも家賃を払わないものは気の毒であるという配慮でございまするとか、国の従来のように終戦処理費で直接作りませんで、この連合国軍人住宅公社という一つの別人格のものを作りまして、それがそういうような住宅を所有し、それを米軍の将兵が借りる。それによりまして家賃を払う、こういうことをしております。そういうことに相成りますと、それは一つの何と申しまするか、収益のある仕事になりますので、これは租税を以ていたしまする終戦処理費でなくてよろしい。当時の見返資金を以て支出いたした。見返資金から連合国軍人の住宅会社に貸付をいたします。それを年限は忘れましたが、十年でありましたか、十五年でありましたか、十年と十五年の問であつたかと思いますが、その年限を以ちまして元利の償還をいたすということになりまして、それが丁度入ります将兵の家賃収入を以て賄いがつく、こういう計算をいたしたわけでございます。ところが昨年の七月に、御承知のように、駐留軍費の半額ドル負担ということでその機会を以ちまして、この連合国軍人住宅公社というものを廃止をいたしまして、これを一括国へ引継いだわけであります。一括国へ引継ぐことになりました結果、アメリカ側としてはその家賃を支払う筋道でなくなりまして、入つておりますものは、従来の終戦処理費を以て作りました住宅と同様に無賃で以て入る。同時に一方見返資金に対する債務は残つておりますから、見返資金の連合国軍人住宅公社に対しますとこるの債権、それは引続き見返資金が一般会計に対して持つているということになつております。従つて従来の将兵の支払います家賃、それを財源として見返資金に払います代りに、一般会計負担を以ちまして、見返資金の債務弁済をして参る、こういうことになつたわけであります。それの元利均等になつております元利均等の額と、利払の額と見合いまして、御覧のような十億という金になつているわけであります。
  81. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それにつきましても疑義がありますが、これは論争はあとにしまして、もう一つこれはヘリコプターですが、これは何に使うのか、どういうために安全保障諸費というのですか、どういうわけでこんなものが安全保障諸費で出すのか、何台買つてどこへ使うのですか。誰が持つんですか。
  82. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) これは当初先国会におきまして、大蔵大臣が御説明申上げたときからそのことを申上げているわけでありまするが、海上警備隊というものが保安庁の中にあります。海上警備隊は旧海上保安庁の掃海をやつておりました系統の部分を引継いでおります。掃海をいたしまするのに、ヘリコプターを用いますということは、非常に掃海の能率を上げるということがございまするので、当時の大蔵大臣説明の当時からそういうものを以ちまして掃海の仕事をやりたい。御承知のように掃海のほうの部分には相当な船を持つておる、船を以ちまして機雷を発見をいたすという面よりは、或いは機雷の処理或いは発見というようなことにつきましてヘリコプターのほうが遥かに能率的であるというようなことがございまして、現在保安庁あほうがその実行案を立てておるわけでありまするが、私の承知しておりまするのは四機か五機であつたかと思つております。それを運転いたしまする油でありまするとか、その他の諸経費、それらを合せまして今申上げましたような経費なつております。
  83. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 今の問題ですが、安全保障諸費というのは、そういう保安隊あたりが持つようなものも経費の中に入れるという目的は、我々は当初聞いていなかつたわけでありますが、目的が変つたわけですか。
  84. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 只今御指摘のように、安全保障諸費のうちにおきまして、当時の予備隊或いは海上警察隊、海上保安庁系統の金は非常に少かつたわけでありまして、大蔵大臣が前国会に御説明申上げたときにも、天体今申上げたと同額の金額を申上げました。その当初からヘリコプターの関係で十億、それから保安大学の系統で一億ということを申上げておりまして、その金額は大体変らないわけでありまするが、全然使わないということではないのでありまして、予算総則の中にも安全保障諸費から使いまする使途の中に当初から入つております。前国会におきまして大蔵大臣が御説明申上げたときから入つております。ただそれは非常に小さな部分でありまして、御指摘のように大部分はそれ以外の用途であるということは最初から申上げております。
  85. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 費目は非常に小さいのだけれども、安全保障諸費の目的はそういう保安隊その他のいろいろなものをやるということじやなくて、専ら駐留軍に関連をする施設なり、設備なり、そういうものの経費だと、こういうふうに聞かされていたのですが、それは目的が変つたわけですか。
  86. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今当時の速記録を手許に持つておりませんですが、私のほうでも調べますが、お調べ願いたいのですが、池田大蔵大臣が前国会で御説明申上げたときに、今のような金額はその中に入つております。その点をお確め願いたいと思います。
  87. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 さつき木村さんから港湾関係の問題が出ましたが、建設省にお尋ねしますが、安全保障諸費の中における港湾関係経費、この問題についてどういうところまで話が進捗をしているか、御説明願いたいと思います。
  88. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 建設省には港湾関係がない……。
  89. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうするとどこですか。
  90. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 港湾関係は運輸省でございまするので、運輸省の港湾局長にお尋ねを願いたいのでありまするが、先般大蔵大臣が衆議院で御説明申上げて資料を配付しておりまするように、救難の基地、数個の基地の分につきましてはすでに支出済みであります。それ以外の港湾につきまして最近運輸省のほうと話合いをきめまして、金額にいたしまして二十億ばかりの金額が今まだ全部移し替の手続が済んでないと思いますが、大体移し替の手続が近く行われるというように御了承願いたいと思います。
  91. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、それは大体として接収継続港湾施設ですね。二十億というのは……。
  92. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) さようでございます。
  93. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それから軍の救難基地の建設というのは幾らなんですか。
  94. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ちよつと正確には覚えませんが、七、八千万円だつたと思つております。
  95. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それはもうすでに移し替済みですか。
  96. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 救難基地七千数百万円は移し替済みであります。
  97. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 予定としては港湾関係は幾ら見積つておられますか。
  98. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 大体今申上げましたように二十億円を考えておるわけであります。
  99. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうすると、全部もう……、何か前に示されたときに二十五億という数字も出ておりますが、これはその後二十億に変つて、而も二十億は全部使途済みだというふうに考えておいていいのですか。
  100. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 正確に申上げますると、二、三の港につきまして現在行政協定に基きます合同委員会の小委員会におきまして、どの程度駐留軍側に使わせるかという点につきまして未定のものがございます。その未定のものにつきましては、そこら辺の決定を待ちまして処置をいたさないと、あとなつて食い違いが起る点がございますので、処置を保留してあるのがございます。今佐多委員が御指摘の金額の若干の食い違いがございますのはその点でございまして、大体二十億というのは今のような未定のために処置を保留してありまするものを除きまして、大体そういうことできめておりまするものであります。それ以外に若干の保留分があるというふうにお考え願いたいと思います。
  101. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 それに関連してもう一点ちよつと、この平和回復善後処理費の中にある港湾、土地及び道路復旧費七億というのはどういうのですか。
  102. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) このほうは御承知のように横浜におきまする大桟橋と申しまするか、南桟橋、或いは神戸におきましても第六突堤を除きまするそれ以外のもの、以下博多、門司というふうにおのおのすでに返還の決定をみましたものがございます。この返還の決定をみました港湾施設におきまして、これは駐留軍の使用中におきまして補修が十分に行われていなかつたという事実がございまして、接収解除によりましてこちら側が使用いたします際に手直しをいたしませんと使用いたしかねるのであります。一番大きいのは防舷材でありますとか、上屋でありますとか、そういうものでありますが、そういうふうな分につきまして、これを手直しをいたしまして日本側が使うことがでまるようにいたしますのが、今申上げました平和回復善後処理費であります。
  103. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 接収開拓民の場合なんですが、これは二百四戸に対して千八百十七万六千円でございますが、そのほかにも補償がされていると思いますが、その補償額はどういうふうになつておりますか。田畑、建物に対する補償額ですね、二百四戸分の……。
  104. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 正確な数字農林省のほうからお聞き取り願いたいと思いますが、大体開拓民のかたがたに対しましては六年分の離作料という基準になつております。離作料の補償の基準は四年乃至六年ということになつておりますが、大体従来考えておりますところでは、開拓民のかたがたは大体六年に当るものが多いかと思います。でございますから、それはちよつと簡単に幾らということは申上げかねまするのでございますが、当該開拓民のかたがたが現在耕作をしておられまする反別によりまして違いますが、大体一反歩当りにいたしまして、それが塾地化しておりますれば六万円から十万円の間ぐらいだつたかと思います。いいところでありますれば十万円ぐらいであつたかと思いますが、正確には農林省にお聞き願いたいと思います。
  105. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 資料の提出を願いたいのですが、今の接収物件のことでちよつとお聞きしたいのですが、麻生太賀吉君の別府の住宅が進駐軍に接収されてこれの家賃は、全国の他のものは地代家賃統制令に照らして極めて低廉苛酷な押付け家賃で支払う。ところが麻生太賀吉君の別府の住宅のみがこれの数倍乃至は十倍近い、例えば一カ月の家賃が十万円というようなものを五カ年或いは六カ年に亘つては不当支出をいたしておつたのでありまするが、それを大蔵省は知つておりながら支払つておつた理由、根拠、今日まで不当に支払つたと思う総金額の資料を出してもらいたい。
  106. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 接収住宅の家賃、地代の支払いは、特別調達庁、今の調達庁において行なつておりますので、個々の家屋、土地に対しまする評定或いは価格というようなものにつきましては、ちよつと私どものほうは一々承知をいたしておりませんので、御指摘の点は調達庁のほうに伝えまして、出せる資料でございましたら、出すことにいたします。
  107. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 これは出せる資料……ではない。前の国会でも言つているのですが、得心するような資料を出してもらえないのです。これはどの角度から見ても、若し出せなかつたならば、会計検査院長の今日までの支出検査の理由に対する質問のやはり資料になりますので、これはどうしても出してもらわなければならん。理論的根拠、法的根拠、なぜ麻生太賀吉君の家が、一般強制接収のものには随分苛酷な家賃であつて、あれだけにはべらぼうな家賃を五カ年間に亘つて、その金額数百万円に及ぶものを出しておつたということは、これは五カ年間も大蔵省があの支払の家賃の問題については、一々大蔵省の許可がなくては実際問題としてはいかなかつた問題で、だから大蔵省はもう百も二百も承知の上のことであるから、これは大蔵省はそのいきさつを知つていると思うので、どうしてもこれは出してもらわなければならんと思います。
  108. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 御趣旨の点は伝えます。ただ大蔵省が一々の家の家賃につきましては一々指図しておつたという事実はございませんので、その点はどうか御了承願います。
  109. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 農林省の答弁の残りをお願いします。
  110. 正井保之

    説明員正井保之君) 御質問の点でございますが、実施事務は特別調達庁のほうでやつておりまして、基準につきましては、先ほど主計局の次長さんからお話のありましたような線でやつておりまして、実はいろいろ算定とか事務が少し遅れておるように聞いております。総体で幾らになるかという数字は連絡をしてみないと見当がつかないわけでありますが、それはその年の生産的の状況ですとか、或いはその他の実情に応じまして、何年分何割というものがきまつて参ることでございますから、そのように御承知願います。
  111. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それは詳細はあとで連絡をして頂いて、資料で出して頂くとして、土地建物の補償をして、更に新しく入植するのに対して、建物、開拓の補助金を出すと、これだけではまだ足りないというのです。というのは、これはどこから北海道に再入植をするかわかりませんが、農機具なり、家畜なり、家族なりというもので、遠隔の地に移転をすとるいうことになれば相当の移転の費用がかかるわけなんです。これについては別に見てあるのですか。
  112. 正井保之

    説明員正井保之君) その点につきましては、一般の入植者に対してなされる措置がそのまま適用になるわけでございます。例えば内地から北海道に参ります際には、旅費の半額ですとか、或いは荷物の梱包、駅まで、或いは駅から現地までの費用ですとか、或いは県がいろいろ事前に調査をいたしたりしまする入植に伴う経費等につきましても、国から補助が出ます。これは非公共の一般の予算で行われております。
  113. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうしますと、それは補正予算で計上されておりますか。
  114. 正井保之

    説明員正井保之君) 非公共のほうでお願いいたしております。
  115. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 大分時間も迫りましたから、お諮りいたします。昨日の委員長一理事長打合会で、小委員会の設置及び小委員の選定について御協議を願いましたところ、皆様の御賛成を得たのでありますが、只今お手許に配付いたしました通り、四つの小委員会を設けて、各小委員を選定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。
  117. 森八三一

    ○森八三一君 只今決定いたしました四つの小委員会の委員長の互選の件でありまするが、これにつきましては、成規の手続を省略いたしまして、委員長において指名せられますることの動議を提出いたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 森君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは御異議ないと認めまして、私から指名いたします。第一小委員長に堀木鎌三君、第二小委員長に内村清次君、第三小委員長に波多野鼎君、第四小委員長に森八三一君を指名いたします。なお、小委員の補欠選定等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。  又昨日の委員長、理事打合会で決定いたしました通り、各小委員会は九日から十二日まで四日間において御審議をせられますようお願いいたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後一時六分散会