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1953-02-10 第15回国会 参議院 郵政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十日(火曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————   委員の異動 十二月十九日委員三橋八次郎君辞任に つき、その補欠として千葉信君を議長 において指名した。 十二月二十日委員千葉信辞任につ き、その補欠として森崎隆君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大島 定吉君    理事            城  義臣君            柏木 庫治君    委員            三木 治朗君            駒井 藤平君   政府委員    郵政政務次官  平井 義一君    郵政省監察局長 成松  馨君    郵政省簡易    保 険 局 長 白根 玉喜君    郵政省経理局長 中村 俊一君    郵政省経理局主    計課長     佐方 信博君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政事務次官  大野 勝三君   —————————————   本日の会議に付した事件○郵政事業運営実情に関する調査の  件 (昭和二十八年度郵政省予算に関す  る件)  (郵政事業現況に関する件)  (提出予定法案に関する件)○派遣議員報告   —————————————
  2. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 只今から委員会を開会いたします。  本日は公報を以て皆さんに御通知申上げましたように、昭和二十八年度郵政省関係予算郵政事業現況説明並びに提出予定法案説明を当局から求めます。
  3. 平井義一

    政府委員平井義一君) 大臣が病気のため私から所管事項につき概略説明申上げます。  先般、本国会の初めに当り、本委員会におきまして業務の概況を一通り説明申上げましたので、本日は、その後において生じました当面の問題につきまして御説明申上げたいと存じます。  最初昭和二十八年度郵政省所管予算について概略説明申上げます。  先ず郵政事業特別会計予算について申上げますと、この予算歳入総額は九百六十億一千九百余万円でありまして、内訳といたしましては、第一に、郵便切手及び郵便葉書等売捌収入並びに郵便為替振替貯金手数料等郵政固有業務収入といたしまして、三百四十億三千九百余万円、第二に、郵便貯金及び簡易生命保険並びに電気通信業務等会計よりの委託業務運営の諸経費財源に充てるために、それぞれの会計から繰入れられる繰入金といたしまして四百六億二千七百余万円、第三に、広告収入及び病院収入等雑収入といたしまして、十七億二千三百余万円、第四に、収入印紙失業保険印紙及び日雇労働者健康保険印紙売捌きによる業務外収入といたしまして百八十五億五千三百余万円、第五に、郵便局舎等建設費財源に充てるための資金運用部よりの借入金としまして五億円、同じく他会計から繰入れられる設備負担金といたしまして五億七千六百万円を計上いたしておりますが、これらの経費を前年度と比較いたしてみますと、百十九億六千余万円の増加なつております。  以上は歳入予算概略を申上げたのでありますが、次に歳出予算について申上げますと、歳出予算総額九百六十億一千九百余万円の内訳は、郵便業務運営に必要な経費といたしまして、二百六十二億四百余万円、為替貯金業務運営経費といたしまして百二十六億九千七百余万円、保険年金業務運営経費といたしまして百二十二億九千八百余万円、電気通信業務運営経費といたしまして、七十六億四千五百余万円、更にこれらの業務運営のための総係経費といたしまして、百三十四億三千四百余万円、恩給負担金失業退職手当会計に繰入れを必要とする経費といたしまして十五億二千三百余万円、収入印紙及び失業保険印紙等売捌きによる収入をそれぞれの会計に繰入れる業務外支出経費といたしまして百八十五億五千三百余万円、郵便局舎等建設費といたしまして、三十億四千二百余万円、公債及び借入金の償還に必要な経費といたしまして、一億五百余万円、予備費といたしまして、五億一千八百余万円を計上いたしております。  なお、御参考までに歳出経費人件費物件費に分類した比率を申し上げてみますと、人件費が約七一%、物件費その他が二九%となるのでありまして、前年度予算における人件費率六八%に比べ約三%の増加を示している実情でございます。勿論、この予算におきます人件費一般公務員並みベースによつて算定いたしているのであります。以上が郵政事業特別会計昭和二十八年度予算概略であります。  次に郵便貯金特別会計について申上げます。  この会計歳出予算といたしましては、郵便貯金預入者に対して支払う支払利子といたしまして、百七億五千余万円、郵便貯金業務取扱費として、郵政事業特別会計に繰入れを必要とする経費といたしまして、百十八億四千三百余万円でありまして、合計二百二十五億九千三百余万円となつているのでありますが、これに対します歳入予算は、資金運用部に預け入れる郵便貯金資金利子収入といたしまして百九十四億四百余万円、雑収入といたしまして、三千六百余万円でありまして、合計百九十四億四千余万円となつているのでありまして、歳出に対し歳入不足額は、三十一億五千百余万円となつております。この歳入不足額は、一般会計からの繰入金によつて補うことといたしている次第でございます。  次に簡易生命保険及郵便年金特別会計予算について申上げます。  この会計歳入予算は、保険料掛金及利子収入等といたしまして六百七十七億二千余万円を予定いたしておりまして、これに対します歳出予算は、保険金還付金分配金及び郵政事業特別会計への繰入金等合せまして二百七十五億三千五百余万円となつておりますので、歳入超過額が四百一億八千四百余万円となつております。この超過額余裕金として資金運用部に預託することとなつている次第であります。  最後郵政省所管一般会計予算について申上げます。  先ず、郵政省基幹職員に必要な経費といたしまして、三百八十余万円、電信電話公社及び国際電信電話株式会社並びに有線電気通信監督業務に必要とする経費といたしまして、二千九百余万円、郵便貯金業務歳入不足補填に必要な経費といたしまして、三十一億五千五百余万円、電波行政関係に必要な経費といたしまして十三億一千三百余万円でありまして、合計四十四億九千七百余万円を計上しているのであります。  以上を以ちまして郵政省所管会計昭和二十八年度予算概略説明を終りますが、なお、御質疑によりましてお答え申上げたいと存じます。  次に再開せられました本国会提出を予定しております法律案について申上げます。  再開せられました本国会郵政省として提出を予定しております法律案のうち、本委員会で御審議をお願いいたしますものは、郵便法の一部を改正する法律案であります。この法律案の内容は、本年初頭から国鉄運賃が約一割値上げせられましたために、国鉄小荷物運賃小包郵便料金との間に均衡を失するようになりましたので、この小包郵便料金を改訂いたしますと共に、現状に即さない航空割増料金制度を廃止する等のものであります。  次に簡易生命保険及び郵便年金積立金運用復元につきましては、特に本委員会におかれまして、並々ならぬ御協力支援を賜り、幸に永年に亘る懸案の解決を見ましたことを、ここに更めて衷心感謝申上げる次第であります。  運用関係法律通過成立によりまして、郵政省といたしましては、これが事務取扱の円滑なる運行を期するために、諸般の準備を完了いたしまして、四月一日からの実施を待機いたしているのでありますが、今後とも格段の御指導と御支援をお願いいたしたいと存ずる次第であります。  次にお年玉つき年賀はがき売れ行き等について申上げます。お年玉つき年賀葉書は、昨年十一月十五日から三億五千万枚発売いたしたのでありますか、非常な好評を得まして、殆んど昨年内に売り切れになつたのであります。なお、このほかに四円の葉書を一億枚発売いたしましたが、この方の売れ行きもおおむね良好でありました。又、年賀郵便引受物数は、推定ではありますが、約五億五千万通でありまして、これを昨年度に比較いたしますと約一〇%がた上廻つております。  次にソ連内に抑留されております日本人に宛てた小包郵便物引受について申上げます。日ソ間におきまする小包郵便物交換基本なつておりました日ソ小包郵便約定は、終戦以来その効力を停止しておりましたので、今日までソ連宛小包郵便物を送る道は鎖されておりました。それで、昨秋以来在ソ抑留日本人宛に、何らかの方法によりまして小包郵便物を送ることができますように、関係郵政庁協力を求めておりましたところ、いち早くアメリカ合衆国及びフランス郵政庁は、これに同意して参りましたが、ソヴイエト政府側意向が判然としなかつたのであります。ところが本年に入りましてから、スイス郵政庁の特別の好意ある努力によりまして、ソヴイエト郵政庁側においても、在ソ抑留日本人宛に送られる小包郵便物を受領することに異議ない旨の意向が明らかにせられましたので、早速関係各庁と協議いたしました結果、近く在ソ抑留日本人宛小包郵便物を無料で引受けることにいたしました。その基本条件は、同一人に対して月一回、重量は五キログラムまで、品目は、衣類、腐敗の虞れのない食料品その他日用必需品に限定せられております。  次に南西諸島との為替業務取扱について申し上げます。かねてから北緯二十九度以南の南西諸島、つまり一般には琉球と呼ばれている地域との郵便為替業務取扱開始につきまして、琉球政府郵政局と種々折衝を重ねて参りました結果、このほど漸く実施上の取極がまとまりまして、二月二日から業務を開始することとなりました。  次に第十三回万国郵便連合会議において締結されました、万国郵便条約その他小包郵便物に関する約定等について申し上げます。昨年七月一日に、ベルギーのブラツセルで締結されました条約は、万国郵便条約小包郵便物に関する約定代金引換郵便物に関する約定価格表記書状及び箱物に関する約定等でありますが、これらの条約及び約定の承認を、本国会で受けるため、外務省におきまして目下準備中であります。郵便に関するこの種の条約は、五年以内に一回開催される万国郵便会議におきまして、前回会議において締結された条約改正又は補足されるのでありまして、今回のブラツセル条約は、昨年五月十二日から二ケ月間郵便連合加入各国審議を経て締結されたものであります。今回の改正の主な点といたしましては、形式的な点では、前回までは航空路による小包郵便物の逓送に関する規定と小包郵便物に関する約定との二本建になつておりましたものを。今回は後者の約定に吸収して一本建としたことであります。又、内容的には航空運送料率改正及び通常郵便物継越料率改正等が挙げられております。  次に電気通信委託業務に関する電信電話公社との基本協定等の改訂について申上げます。御承知通り昨年八月一日に日本電信電話公社が発足いたしましたが、これに伴いまして、従来郵政省が、電気通信省から委託を受けて運営して来ました特定郵便局におきます電気通信業務は、郵政省設置法第三条第二項によりまして、改めて電電公社から郵政省委託されましたので、これを機会に、これまでの委託方式を根本的に改正した基本協定及び細目協定を締結いたしました。その改正の要点は、1 所要経費については、従来予算繰入れであつたものが、今回の改正によりまして手数料方式となり、2 又、施設関係を除いた電気通信業務の全面的な委託なつたのであります。  以上を以ちまして、当面の問題につきましての一応の御説明を終ります、   —————————————
  4. 大島定吉

    委員長大島定吉君) 只今の御説明に対しまして御質疑がありましたら順次御質疑を願います。    〔委員長退席理事柏木庫治委員長席に着く〕
  5. 三木治朗

    三木治朗君 私中途から参りまして全部を聞いておりませんので、最後のほうの御説明ちよつと伺いたいと思うのですが、電気通信委託業務に関する問題でありますが、先だつて各地を視察して歩いた際にいろいろの問題を聞いて参つたのですが、特に各局で因つておられることは、同じ局舎の中に電通の仕事をやつている者と郵政仕事をやつている者で相当賃金の開きがあるということに基くまあ従業員の不平、不満というものが非常に大きいということなんですが、この委託業務手数料と言いますか、そういうものの、今度折衝をなされて改訂なさるのでしようが、結局電電公社で払うところの賃金手当、そういうものはこちらへ委託される場合には、それを向うの算定に基く費用でこちらが引受けるということになると思うのですが、そうなると今度こちらで以て払う従業員賃金電電公社とは相違があるということになると、これは随分おかしなことになるのではないかと思いますが、その辺はどういう工合になるのですか、ちよつと伺いたい。
  6. 大野勝三

    説明員大野勝三君) 只今お尋ねでございました委託業務の点につきましては、業務自体郵政省委託を受けるわけでありますが、その業務を執行いたします職員は、郵政省本来の職員が当るわけでございます。従いまして、委託業務の対価と申しますか、そういう問題と、それから給与の問題とは必ずしも直接に結付いてないはずでございます。言い換えますと、委託業務を扱つておる職員も、その他の郵便貯金保険等仕事を扱つております。職員もひとしく郵政省職員として、更にもう一つ枠を拡げますと、国家公務員といたしまして、御承知給与につきましては、全部一律に給与法適用を受けることになります。そのために電信電話公社職員とはどうしてもここに、給与の建前から違つておりますから、差が出て来るということは避けがたいような状況でございます。尤も本年の一月からは郵政省現業職員につきましても、公共企業体等労働関係法公企労法と俗に言つております、この労働関係法適用になりまして、而も給与その他につきましては、団体交渉によつてきめられるということになりますから、その面では一般公務員給与法にそのまま縛られるというのとは若干ゆとりは出て参りますけれども、併しそれにいたしましても、一方予算では、それじや団体交渉があるからということを見越して、幾らか予算ゆとりが認められるかというと、そういうことはございませんので、多くをこれに期待するにいうわけにも参りませんというようなわけで、根本的にこの公社職員郵政省職員との給与差をなくするということはなかなかむずかしい問題だと考えております。併しながら職場が同じであり、又仕事も同じような仕事をやつておる、その両者の間の単に一方は国家公務員であり、一方は公社職員である、それだけの形式的な理由によつて給与差ができていいものと私は考えられないのでございます。その辺に非常に問題のむずかしさがございますが、これからできるだけ一つ私のほうもその給与差をなくするほうに努力をして行きたいと考えておる次第でございます。
  7. 三木治朗

    三木治朗君 只今の御説明で大体の推移はわかりましたけれども要するに同質量労働に対して、甲と乙とで非常に違うということは、これは常識的に言つても、感情的に言つても許されることではないので、それは郵政事業運営の上に大きな支障になることと思うのです。従つてベース、その他の関係では公務員給与法で縛られるかも知らんけれども、何らかの他にその補いをするというか、感情をやわらげるに足るような措置を講ずることがあるのではないかと思いますが、その辺如何ですか。
  8. 大野勝三

    説明員大野勝三君) 全くお説の通りでございまして、でき得る限りの方法給与差を縮めて行くという手はこれまでも尽くしておるつもりでございまして将来もこれはやらなければならんと思いますけれども、併し基本的に例えば給与ベースの差というような問題は、これはそういつた本来の給与以外の手当等で措置することはどうしてもできないように思います。で、御承知でもございましようが、昨年の暮に電信電話公社のほうでは給与ベースにつきまして、調停委員会調停がなされまして、その調停を呑むか呑まないかというようなことでかなり国会内でもいろいろと論議もございましたように承知いたしておりますが、その結果はまだ最終的には固まつていないようでありますが、恐らく近いうちには何らかの形で調停案そのものではないにしても、それに近い線でベースがきめられるのではないかというふうに予想されます。仮にこれがきめられますというと、公社職員ベースは、一般公務員の今度新らしく引上げられましたベースよりも更に若干上廻るのではないかというふうに考えられますけれども、そういつた場合に、このベースの差をどういう形でなくするかということになりますと、これは非常にむずかしい問題になつて来るのです。それが恐らく公企労法適用最初の大きな団体交渉の題目になるだろうと私ども考えておるのでございますが、団体交渉と言いましても、結局は予算の枠の範囲内でのことでございますから、而も予算の枠の中に給与に使い得る予算とうものは又もう一つ小さく締めてございます。そこでその給与予算の枠をはずれない範囲での団体交渉というものはおのずから限界がある。そこでどこまで追い付き得るかというようなことがすぐにこれは問題になつて表に出て来るわけでございますが、尤もそうなれば、我々のほうは今度は公企労法適用を受けますから、団体交渉で調わなければ、更に調停委員会調停を仰ぐとか、その調停委員会調停でまとまらなければ、最終的に仲裁裁定を仰ぐとかという途は残されておりますけれども、まあそういう途筋を辿つて、できる限り、お話にございますような同質同量の労働に従事する職員人たち給与待遇においても、又同等でなければならんというところへその結論を出すように努力をして行かなければならんと考えておる次第でございます。
  9. 柏木庫治

    理事柏木庫治君) 質疑はございませんか。  それでは次に、先般行いました議員派遣について御報告をお願いいたします。  先ずお諮りいたします。今回は第一班を金沢郵政局名古屋郵政局管内に、第二班を大阪郵政局管内に、第三班を熊本郵政局管内に派遣いたしました。従つて、各班よりそれぞれ報告を求めるのですが、重複を避けるため三班で協議の上一つ報告書にし、城委員が代表して報告することにいたしたいとの申出がございました。さよういたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 柏木庫治

    理事柏木庫治君) 御異議ないと認めます。
  11. 城義臣

    城義臣君 それでは私から派遣議員報告を一括して申上げたいと思います。  郵政委員現地調査第一班は大阪府、京都府でありまして、大島委員長、それに駒井委員でございました。一月の六日から十二日まで。それから第二班は大分県、佐賀県で、これは柏木委員と私とが一月十三日から十九日まで。第三班は愛知県、石川県で、三木委員並びに野田委員、お二かたが一月の七日から十三日まで。おのおの七日間出張いたしました。調査の結果は次の通りでございます。調査目標は、御報告申上げるのは項目にいたしまして五つになつておりますが、先ず順次第二から申上げます。  年賀はがき売捌き及び年賀郵便取扱について、この項目について申上げまするが、今年度年賀はがきは十一月十五日発売以来順調な売れ行きを示しまして、十二月下旬には各局ともほぼ完売を示しましたことは、事業のため誠に同慶に堪えないのでありますが、併しながらこれが本然の姿であつて従事員が年末において年賀郵便取扱をよそに年賀はがき売捌きに没頭せられるということは、行過ぎがあつてはなりませんので、厳に戒めなければならんことだと存ずるのであります。年賀郵便はここ数年増加の一途を辿つておるのでありまするが、本年度は昨年度に比し、大阪名古屋の各郵政局管内においては約一割二分の増加を示しており、他の各郵政局も大体同様の状況でございます。この増加に加えまして、昨年末は石炭事情に基く輸送の不円滑があつたにもかかわらず、これが取扱各局とも概して良好の成績を以て終了いたしましたことを私どもは確認いたしたのであります。  次に、第二の項目でございまするが、簡易保険及び郵便年金積立金自主運用について、この調査事項につきましては、次の通り結論を得ております。郵政従業員多年の重大な懸案であつたこの簡保積立金運用も、本国会における簡保積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案成立を見ましたので、新年度よりいよいよ実施運びとなつたことは全郵政従業員にとりまして多大の喜びを与えたと共に、大いに志気を奮起せしめたこと少なからざるものがあつたと確信をいたすものであります。臨局いたしました各局の幹部から、本件に関する委員の尽力に対しまして心からなる感謝の辞を受けましたことを、この際御披露申上げたいと思います。  次に第三でございますが、簡易生命保険金最高制限額引上げ後における募集成績について、第十三回国会において通過成立を見ました簡易生命保険法の一部改正によりまして、保険金額最高が五万円から八万円に改正せられましたので、これが保険募集面に及ぼした影響調査いたしましたところ、これを熊本郵政局について見まするに、昭和二十七年六月から同年十月までの五カ月間の成績を前年同期と比較いたしますると、募集件数において実に六五%の増を見ております。即ち、十九万五千二百八十一件、保険金額におきまして一〇二%増の九十二億一千二百二十八万円の増加を示しており、他の郵政局におきましてもほぼ同様の成績でありまして、奨励面に著しく好影響を与えていることを認めたのであります。併しながら現在の八万円は、現下の社会経済情勢から見るときは、私どもは決して十分とは言えないと思いますし、従業員の諸君も実際の募集に携わつての実感として、十五万乃至二十万円くらいまでは是非引上げてもらいたいという声が熾烈でありまして、こういう実情を見ますとき、近い将来妥当な方策を講じたいというふうに感じたのであります。  それから第四の項目ですが、郵便貯金預入最高制限額並びに利率引上げ後における郵便貯金預入状況について、これは第十三回国会におきまして、郵便貯金法の一部改正法律案通過成立を見、預入最高制限額が三万円から十万円となり、これと共に利率引上げられましたので、本改正貯蓄奨励面に如何なる影響を及ぼしたかについて調査をいたしたのでありますが、昨年十二月末現在において、大阪郵政局は、増加目標八十九億に対して約六十四億、熊本郵政局は、目標七十八億に対しまして約五十四億、金沢郵政局は、目標十七億に対し約十二億を遂行し、それぞれ七二%、六九%、七〇%の好成績であつたと、概して順調なる成績を示しておることは、最高制限額及び利率引上げ貯蓄の増強に大いにあずかつて力のあつたものと認めた次第であります。  最後に第五番目の問題ですが、只今三木先生からもお話のあつた点で、電信電話事務に従事する郵政従業員給与が、電信電話公社従業員給与に比して低額なつて来ている、この問題はかねてよく聞いている問題でありまするが、電電公社発足以来、公社職員に対する待遇は目立つて良好になり、同じ職務に従事する特定局における委託業務従業員に対する給与との間に相当の懸隔が生じ、これを昭和二十八年度予算について見ますと、郵政従業員は、平均給与額は一万二千四百九十三円でありまして、電電公社のそれが一万三千四百三十円であるのに比較して、九百三十七円の低額なつておるのであります。郵政従業員であるがためにかような不利な待遇に甘んぜねばならんという結果となつているのであります。何ら異なることなき職務に従事しながら、かくのごとき劣つた待遇を受けるというのは、機構の相違ということは、これは万々承知いたしておりますけれども、何らか適当なる調整が加えらるべきではないか、こういうふうに我々は見て参つたのであります。  大体只今申上げました点で報告を終りたいと思います。
  12. 柏木庫治

    理事柏木庫治君) これに対して何かお問いになることありますか。
  13. 三木治朗

    三木治朗君 報告に対する質問はありませんが、なお少し私の聞いて参つたことについて、政府側に質問してみたいと思いますが、只今の御報告で大体尽きておるのでありますが、そのほかに私どもの特に強く各従業員諸君から要望されましたことは、    〔理事柏木庫治君退席、理事城義臣君、委員長席に著く〕 いわゆる業務の機械化の問題、それに伴つていわゆる日逓に対する請負をやらしているという問題について、いろいろの強い要望があつたのではあります。この点については先だつて松井郵務局長に私からもちよつとお尋ねをしたのでありまするが、従業員諸君の話を聞きますと、いろいろ何と言いますか不合理と言いますか、必ずしもサービスになつておらんというようなことが数々言われておるのでありまするが、この点に関して当局は、先だつての返事では、非常に成績が上つているというお話でありましたけれども、果してどのくらいのサービスが向上し、或は経費の面で節約ができているかということについて、少しお尋ねしてみたいと思うのですが、如何ですかしら。
  14. 大野勝三

    説明員大野勝三君) お話の機械化の問題は、これは東京都内の一部で現在試験的にやつている問題についてと存じますが、御承知の取り集め、つまり郵便ポストに入れられました、郵便物を現在では各郵便局の受持区域ごとに、その郵便局の局員が、自転車なり、徒歩なりで廻りまして、集めて局へ持ち帰り、そこで取り揃え区分をいたしまして、それぞれ宛先へ向つて発送をするという手順でやつておるのでございますが、それを或る大都市のような密集した地域では、もつとオート三輪とか、或いはトラツク、そういうものを利用して取り集めに廻りますというと、人間一人が自転車によつて取り集めをする場合よりも、広い地域をもつとスピーデイーに集めて行くことができるということによつて、人員の節約、そうして経費の節約、又郵便の速度の向上、そういうことにそれぞれ役立つのではないか、理窟の上では一応そういうことが肯けますので、いわば試験的に東京の下谷を中心といたしました一区画に、それを昨年の秋頃からだと思いましたが、施行をいたしておるのでございますが、只今のところまだ的確に経済的にどれだけの経費がそれによつて浮かされたか、或いはその他の利害の点を結論的に出すところまで至つていないように承知をいたしております。或いは郵務局ではわかつておるのかも知れませんが、ちよつと私その辺をまだ報告を受けておりませんので、今日のところではその的確な結論を申上げるところはお許しを願いたいのでございますが、ただ中間的に聞いておりますことをこの際申上げますと、定員の面では確かに或る程度これで節約は可能だということが出ておりますが、経費の面ではまだ的確に甲乙をつけがたい状況というふうに中間的には聞いておりました。そこでこれはお話にもありましたように、従業員組合のほうからはいろいろと意見が出ておる問題でもございますので、これを直ちに全国的に推し拡めようという考えは持つておりませんのみならず、この試験的にやつているものも更に検討を加えようという心がまえで現在おる次第でございます。これだけお答え申上げます。
  15. 三木治朗

    三木治朗君 聞くところによると、新潟とか、佐賀のほうでは自営的にやつているところがあるそうで、それは非常に経済的で、日逓のやつているよりも遥かに安く上つているというようなことも聞いているのですが、まあ機械化するためには相当予算を必要として、急にはできないために、そういう措置をとられたと思うのですが、何とか自営にこれを移して行くという方針はお持ちになつているのかどうか、お伺いしたい。
  16. 大野勝三

    説明員大野勝三君) その点も只今研究題目の一つでございます。で、まあ大きな郵送になりますと、なかなかこれは問題が複雑になつて参りますが、只今のこの郵便物の取り集めという面だけを考えてみますと、これは自営による機械化という線で実行を研究してみる可能性のほうが強いのじやないかと私自身は考えております。こういう局部的なものを請負に出すということには、一応試験でやつてはおりますけれども、なお相当考えてみる余地があるというふうに存じております。
  17. 三木治朗

    三木治朗君 最後に、これは少し余計なことかも知れませんけれども従業員諸君の言を以てすると、要するに日逓というものは、いわゆる郵政関係の古手の人が、そのまつり込む場所にするために作つているのじやないかというような極言もする人があるので、恐らくそういうことはないと思いますが、こういうことをやるために、徒らにどうも猜疑を起さしたり、或いは何かの何と言いますか、口実みたいなものになつて、いわゆる当局と全逓との間に面白からん空気の生まれることは非常に好ましくないことだと思いますので、そんなことはないと思いますけれども、そういう疑いさえも持たれ得る状態にありますことを含んでおいて、よろしく善処を願いたい、かように考えます。
  18. 城義臣

    理事城義臣君) ほかに御質疑はありませんか。
  19. 柏木庫治

    柏木庫治君 簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律ですが、第二条に「積立金は、郵政大臣が管理し、及び運用する。」、その運用方法についてはまだ先にあるのでありますが、先日懇談会でいろいろお話を承るし、いたしもしたのですが、この郵政大臣が管理し、運用するということが飽くまでも主体であつて、この運用郵政省が中心になつてやるのだ。大蔵省からいろいろ注文がましいような意見が出ているそうでありますが、これは意見として聞くだけであつて、意見は誰が言うても言うことは勝手ですが、聞く聞かんということは郵政省郵政大臣及び当局の自由であつて、そういうことのために左右されるようなことは絶対ない、飽くまでも郵政大臣が管理し、運用するということについては微動もせず、他から侵害されるようなことは決してない。そういうことは懇談会で郵政大臣からはつきり言われたのでありますが、その信念は郵政省は今もなお微動もしてないということと存じますが、又微動もしてはならんと思いますが、委員会の席上でその信念についてもう一度伺えれば結構と思うのであります。
  20. 平井義一

    政府委員平井義一君) 只今の御忠告全く有難うございますが、先般大臣が懇談会で申上げました信念に変りはございません。ただ先ほど承わりましたように、大蔵省からいろいろ注文がましいことは閣議でも出たそうでありますが、これは注文ではなくて、全く侵害であると私は考えておるので、大蔵当局が今更閣議に持出そうと、或いは又事務折衝しようと、一切郵政省といたしましては独自の立場で、郵政大臣の管理の下に進みたいという決意をいたしております。なお、私も大臣を激励して一歩も退かせないという、私としての信念の下に進みたいと考えております。
  21. 柏木庫治

    柏木庫治君 侵害されないように進みたいというのじやなくて、聞く聞かんはこちらの郵政省郵政大臣の勝手ですから、意見は聞いても、進む道は寸分、郵政大臣独自で行くと、こういうことですね、今のは。
  22. 平井義一

    政府委員平井義一君) そうでございます。
  23. 柏木庫治

    柏木庫治君 大野次官にお尋ねいたしますが、その成り行きに対して、次官はいろいろ折衝なすつておることと思いますが、郵政大臣の進む道にどうだろうかと思うようなことは無論ないと思うのでありますが、次官としてもやつぱり大臣と同じ態度にお進みになり、事務を処理なさつておるかどうか簡単に一つお話を願いたいと思います。
  24. 大野勝三

    説明員大野勝三君) お話通り対処いたしており、将来も対処いたすつもりでございます。
  25. 柏木庫治

    柏木庫治君 どうぞよろしく。
  26. 城義臣

    理事城義臣君) ほかに御質疑等ございませんでしようか。  では委員会は本日はこれを以て散会いたします。    午前十一時四十七分散会    —————・—————