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1953-02-25 第15回国会 参議院 法務委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十五日(水曜日)    午後一時三十六分開会   —————————————   委員長補欠 本日岡部常委員長辞任につき、その 補欠として中山福藏君を議長において 委員長に指名した。   委員の異動 本日議長において須藤五郎君を委員に 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 福藏君    理事            長谷山行毅君            伊藤  修君    委員            小野 義夫君            加藤 武徳君            郡  祐一君            油井賢太郎君            岡部  常君            須藤 五郎君   政府委員    法務政務次官  押谷 富三君    法務大臣官房調    査課長     位野木益雄君    検     事    (法務省矯正局    長事務代理)  高橋  孝君    法務省人権擁護    局長      戸田 正直君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  眞道君   —————————————   本日の会議に付した事件委員長就任挨拶判事補職権特例等に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提  出) ○人権擁護委員法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○司法試験法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○少年法の一部を改正する法律案(内  閣送付) ○少年院法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○外国人登録法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○連合委員会開会の件 ○政府に対する申入れに関する件   —————————————
  2. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 只今より委員会を開きます。  議事に入るに先立ちまして御挨拶を申上げたいと存じます。このたび図らずも法務委員長に就任いたしましたにつきましては万事不行届の私でありますから、お気に召さない点も多々ございましようが、何とぞ従来の各委員長に寄せられました御好意、御協力、御支援を給わりますよう、御挨拶に代えまして幾重にも御願い申上げます。  本日は先ず判事補職権特例等に関する法律の一部を改正する法律案人権擁護委員法の一部を改正する法律案、以上本院先議の二案を便宜一括して議題に供します。先ず政府説明を聴取いたしたいと存じます。
  3. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 只今議題となりました判事補職権特例等に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由を申上げます。  この法律は御承知通り判事補職権特例裁判官任命資格特例とを定めたものでありますが、今回の改正案要点は次の六点であります。  第一点は、旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が、旧陸海軍法務官の職にあつたときは、その在職年数裁判所法に定める最高裁判所裁判官高等裁判所長官判事及び簡易裁判所判事任命資格に関する職歴年数及びこの法律の第一条に定める職権制限を受けない判事補として指定されるのに必要な職歴年数に通算することができるようにしようとするもので、第二条第二項の改正規定及び第五条の改正規定の前半の部分は、この趣旨から立案したものであります。  第二点は、旧裁判所構成法による司法官試補たる資格を有し、旧陸海軍法務官在職年数が三年以上になる者については、その三年に達したときに旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を得たものとみなして、そのとき以後の法務官等在職年数裁判官任命資格に関する法定職歴年数に通算することができるようにしようとするもので、新たに第二条の二、第二項として加えました規定は、この趣旨から立案したものであります。  第三点は、旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が、公正取引委員会事務局に置かれる審判官等の職にあつたときは、その在職年数裁判官任命資格に関する法定職歴年数及び職権制限を受けない判事補として指名されるのに必要な法定職歴年数に通算することができるようにしようとするもので、第二条第三項の改正規定及び第五条の改正規定の後半の部分は、この趣旨から立案したものであります。  第四点は、司法修習生修習を終えた者が右の公正取引委員会事務局審判官等の職に在つたときは、その在職年数裁判官任命資格に関する法定職歴年数及び職権制限を受けない判事補に指名されるのに必要な法定職歴年数に通算することができるようにしようとするものでありまして、第三条の二の改正規定は、この趣旨から立案したものであります。  第五点は、弁護士試補として一年六月以上の実務修習を終え考試を経た者については、その考試を経た時に旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を得たものとみなして、その時以後の満洲国審判官等在職年数裁判官任命資格に関する法定職歴年数に通算することができるようにしようとするものでありまして、新たに第二条の二第一項として加えた規定は、この趣旨から立案したものであります。  第六点は、弁護士たる資格を有する者が、満洲国の律師の職にあつたときは、朝鮮、台湾等の旧外地弁護士の場合と同じように、その在職年数裁判官任命資格に関する法定職歴年数及び職権制限を受けない判事補として指名されるのに必要な法定職歴年数に通算することができ、又判事補任命資格についても同様の取扱ができるようにしようとするものでありまして、第三条の改正規定は、この趣旨から立案したものであります。  以上申上げました各職は、その職務の性質上、その在職年数裁判官任命又は職権制限を受けない判事補の指名に必要な法定職歴年数に通算することが極めて適切であると考えるのでありましてこれによりまして、裁判官任命できる者の範囲及び職権制限を受けない判事補として指名できる者の範囲を拡張し、以て裁判官の充実に資すると共に、人事の交流を一層円滑ならしめようとするものであります。  以上簡単にこの法律案提案理由を申上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。  続いて只今議題となりました人権擁護委員法の一部を改正する法律案提案理由説明を申上げます。  憲法に保障された国民の人権擁護重要性に鑑み、人権擁護委員会は、全国市町村区域人権擁護委員を設け、人権侵犯の予防とその救済並びに基本的人権思想普及高揚に当らしめて参りましたことはすでに御承知通りでありますが、同法の施行後今日までの実績に鑑みまして、この法律の本来の目的を達成するため必要な改正をなすことが本法律案趣旨であります。次にその主たる要点を御説明申上げます。  まず第一点は、人権擁護委員推薦手続におきまして、現行法第六条において、市町村長が定員の倍数の人権擁護委員候補者推薦しなければならないとなつておりますが、市町村長において、その市町村の議会の意見を聞いて推薦したものが法務大臣委嘱に際し、常にその半数委嘱より落されるということは、運用上支障が多いので、この欠点を取除きまして、市町村長は単に人権擁護委員候補者推薦すればよいという規定に改めたわけであります。従いまして市町村長推薦が殆んど人権擁護委員決定することになりますので、若し市町村長推薦が誤つた場合、例えば法第七条の欠格条項に該当するものとか、法第十五条に規定する解嘱条項に当てはまるものが推薦された場合には再推薦をさせる救済規定を設けたのであります。  第二点は、市町村人権擁護委員との関係緊密化図つた点であります。人権擁護委員は、その推薦せられた市町村区域において、その職務を行うのでありまして、その市町村協力なくしては、その目的を達成することが容易でないのであります。従いまして本案におきましては第六条におきまして人権擁護委員委嘱があつた場合は市町村長は、法務大臣人権擁護委員の氏名、職務等関係住民に周知せしめるため適当な措置をとることに協力しなければならないという規定を設けることといたしております。  第三点は、人権擁護委員任期の延長であります。従来二年の任期でありましたが、人権擁護委員が、この仕事を習熟した頃は任期が到来して十分に人権擁護委員としての活動を期待し得ない実情にありますので、その任期を一年延長いたしまして、人権擁護委員能力発揮を十分ならしめようとするものであります。  第四点は、全国人権擁護委員連合会規定を設けて人権擁護委員全国的団結の基礎を置こうとするものであります。現行規定におきましては、都道府県毎に人権擁護委員連合会を組織致しまして、人権擁護委員職務の自治的な連絡調整及び研究をいたしておるのですが、人権擁護活動普及化に伴い人権擁護委員自主的全国的統一活動が是非とも必要となりましたので、第十八条の二として全国人権擁護委員連合会の組織及び任務に関する規定を設けたのであります。  以上が本法律案提案する理由であります。何とぞ愼重御審議下さいますよう願います。
  4. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 両案に対する質疑は次回より行うことといたして、次に司法試験法の一部を改正する法律案少年法の一部を改正する法律案少年院法の一部を改正する法律案外国人登録法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題に供します。なお四案はいずれも予備審査でございます。四案について政府説明を聴取いたしたいと存じます。
  5. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 只今上程に相成りました司法試験法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  本案は大別して二つの事項をその内容といたしておるのでありまして、その第一は司法試験第二次試験科目調整、第二は受験手数料の増額であります。  先ず第一の点から御説明いたします。御承知のように昭和二十四年五月第五回国会において旧高等試験令に代えて司法試験法が制定施行されまして以来、逐年受験者の増加を見、昭和二十七年度第二次試験においては約五千五百人が受験し、本年度においては受験者数七千人に達するものと推定せられる状況と相成つているのでありまして、かように多数の法律学徒がこの試験を目標に研鑚に努めておりますことは国家のため喜びに堪えないところであります。併しながら、これら受験者のうち第二次試験選択科目として商法を選択する者の数は、その半数に満たない有様でありまして、司法試験に合格して司法修習生を経て裁判官検察官弁護士なつた場合に、刑法民法訴訟法と共にその必要性を認められる商法の学識において著しく欠ける者が多く、過去四年間の実績を検討した結果、第二次試験試験科目調整を図るため第六条第一項及び第二項を改正して、従来の必須科目に現在選択科目とされておりまする商法を加えることといたしたのであります。従いまして試験科目の数は現行通り科目でありますが、そのうち六科目必須科目となり一科目選択科目ということになりますので、受験者にとりまして若干の負担が加重せられることになりますが、裁判官検察官弁護士取扱事件のうち商事関係事件の占める割合等を考えますと、この措置は必要止むを得ないものがあると考えるのであります。  又第六条第一項及び第二項の改正に関連いたしまして附則第四項を改正して、高等試験行政科試験に合格している者に対しても、試験科目を整理し、憲法刑法並びに民法及び商法のうち受験者のあらかじめ選択する一科目民事訴訟法及び刑事訴訟法のうち受験者のあらかじめ選択する一科目、合計四科目を受験せしめることといたしました。  なお、この試験科目改正本年度施行試験から実施いたしますことは受験者準備期間を与えないこととなりますので、本案附則におきまして本年度従前通り科目試験を行うことといたしております。  次に第二の点でありますが、司法試験受験手数料は現在第一次試験が二百円、第二次試験が五百円となつております。昭和二十四年司法試験法制定当時の物価事情と今日のそれとを比較いたしますと、各位御承知通り物価は著しく上昇いたしておりまして、各種国家試験、例えば公認会計士試験弁理士試験税理士試験医師国家試験及び薬剤師国家試験等においても物価事情に対応して受験手数料を五百円乃至千円といたしておりますので、第十一条第一項を改正して、第一次試験を五百円に、第二次試験を千円に改めることといたしました。併しながら本年度施行の第一次試験につきましてはすでに試験公告もいたしております関係上、従前通り受験手数料とし、改訂額本年度施行の第二次試験から適用することにいたしております。  なお、第十三条第二項中「弁護士会」を「日本弁護士連合会」に改めておりますが、これは司法試験法が制定せられました後に弁護士法改正せられましたので両法の関係を整理いたしたものであります。  以上大略でありますが、提案理由の御説明を終ります。何とぞ慎重御審議をお願いいたします。  次に只今上程になりました少年法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  御承知のように、少年院法第二十一条第一項の規定による経過措置として、従来少年院又は拘置監の一部を特に区別して少年鑑別所に充てておりましたが、本年三月三十一日を以てこの制度が廃止されますので、四月一日からは、家庭裁判所において、観護措置をとつた少年収容するところは、本来の少年鑑別所だけに依存することとなるのでありますが、この少年鑑別所所在地からかなり離れた所にある多くの家庭裁判所支部事件等につきまして、家庭裁判所少年鑑別所送致観護措置をとつた場合において、交通事情等理由から、直ちに少年鑑別所収容することが不可能であるか、または著しく困難である場合が少からず生ずるものと考えられるのであります。従いまして、この法律案において、かような場合に、家庭裁判所決定を以て、少年を最寄の少年院又は拘置監の特に区別した場所に一時仮に収容する措置をとることができるものといたしたのであります。併しながら、その仮収容期間につきましては、鑑別少年の性格に鑑みまして、少年院又は拘置監収容した時から七十二時間を越えてはならないものとして制限し、且つ、本人の利益のために、この期間観護措置によつて少年鑑別所収容した期間として計算するものとしておるのであります。なお、これに関連いたしまして、第二十六条を改正してこの仮収容決定の執行に関する規定を置くことといたしました。  その他本改正に伴う経過措置として、この改正法律施行直前観護措置を受けて少年院又は拘置監収容せられている少年であつて少年鑑別所へ移送するいとまのない者をこの仮収容者とみなす旨の規定を置いておるのであります。  以上が、本法律案提案理由であります。何とぞ愼重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望いたします。  次に只今上程になりました少年院法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  この法律案の要旨は、医療少年院は、必ずしも男女別施設を設ける必要がないものとすること、並びに少年院又は少年鑑別所収容中の者を同行する場合において、止むを得ない事由があるときは、これを最寄の少年鑑別所若しくは少年院又は拘置監の特に区別した場所に仮に収容することができるものとすることの二点であります。  先ず、医療少年院施設のことについて申上げますと、御承知通り、現在は少年院法第二十一条第三項の規定により、この三月末日までの経過措置として、男子の医療少年院の一部を特に区別して女子を合せ収容することができるものとされているのでありますが、元来医療少年院は、従来の経験に徴しますと、男女別に各独立の施設を設ける必要性も少く、且つ、同一施設内であつて男女を分隔することができれば十分であると考えられるのであります。従いまして、この際、必ずしも男女の別に従つて別々に医療少年院を設置する必要がないものといたしたのであります。  次に、少年院又は少年鑑別所収容中の仮収容のことについて申上げます。御承知通り少年院法第二十一条第一項の規定による経過措置として少年院又は拘置監の一部を特に区別して少年鑑別所に代用していたのでありますが、この三月末日を以てこの制度が廃止されますので、四月一日からは、家庭裁判所支部係属事件少年で従来代用の少年鑑別所収容されているような者も、すべて本来の少年鑑別所収容されることとなるのでありますが、家庭裁判所支部は、少年鑑別所所在地からは、それぞれ遠隔の地にありますので、調査、審判等のため少年家庭裁判所支部に同行した際、交通事情その他のため、その日のうちに帰つて来ることができない等のやむを得ない事情が生ずることもあるものと考えられるのでありまして、これらの場合に、これを最寄の少年院又は拘置監の特に区別した場所に一時仮に宿泊させることができるようにするとともに、又、少年院収容中の者の移送の場合につきましても、やはり同様のことが考えられますので、この際、少年鑑別所収容中の者についてと同様な措置をとり得るようにする旨の規定を置いたのであります。  その他四月一日からその効力がなくなります経過規定の整理をいたしております。  以上が、本法律案提案理由であります。何とぞ、愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを希望いたします。  次に只今議題となりました外国人登録法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  現行外国人登録法の第十四条によりますと、外国人登録証明書交付引替交付若しくは再交付を申請するとき、又は有効期間が満了した証明書の切替を申請するときは、それぞれ必要書類指紋を押なつしなければならない旨規定されております。この規定目的は、要するに外国人日本における適法な居住を証する唯一且つ最も基本的な文書である登録証明書が、従来しばしば偽造、変造される事例が発生いたしましたので、これを防止するための効果的な方法として指紋押なつ制度を設けることを意図しているものであります。  併しながら、登録の申請に当りまして一般外国人に強制的に指紋を押なつさせるということは、我が国の制度としても初めての試みであるため相当の準備を要し、かたがた一般外国人に対してもその制度趣旨を周知徹底させる必要がありましたので、外国人登録法附則において、これに関する規定施行につき一年という猶予期間が置かれた次第であります。ところが、その後この指紋押なつ制度に関する一部外国人の誤解は未だ払拭されておらない折柄、その施行を強行いたしますときは、最近その好転が期待される日韓両国関係に無用な支障を与え、両国友好的交渉の障害をなす虞れもあろうかと存ぜられます。  かような情勢から判断いたしまして、現段階においては、この際、外国人登録法第十四条の規定施行する猶予期間を更に一年延期いたすことが妥当と考えられ、そのためこの法律案提案いたしました次第であります。何とぞ愼重御審議のほどを願います。
  6. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 四案に対する質疑も次回にいたすことといたします。   —————————————
  7. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 次に、連合委員会開会についてお諮り申上げます。  法務省設置法の一部を改正する法律案青少年問題協議会設置法案、この二案が内閣委員会只今付託されておりますが、両案はいずれも当委員会関係のある法律案でございますので、内閣委員会連合委員会を開きたいと存じますが、さよう決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中山福藏

    委員長中山福藏君) それではさよういたします。   —————————————
  9. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 次に漁船拿捕並びに漁夫射殺事件についての政府に対する申入れに関する件を議題に供します。速記を止めて。    〔午後二時五分速記中止〕    ——————————    〔午後二時三十六分速記開始
  10. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記を始めて。本日はこの程度で散会いたします。次回は公報でお知らせいたします。    午後二時三十七分散会