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1953-03-05 第15回国会 参議院 文部委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月五日(木曜日)    午後一時五十二分開会   —————————————   委員の異動 二月二十七日委員黒川武雄君辞任につ き、その補欠として松平勇雄君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            川村 松助君            木村 守江君            堀越 儀郎君    委員            西山 龜七君            松平 勇雄君            高橋 道男君            山本 勇造君            矢嶋 三義君            相馬 助治君   国務大臣    文 部 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    文部省初等中等    教育局長    田中 義男君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省社会教育    局長      寺中 作雄君    文部省管理局長 近藤 直人君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部大臣官房総    務課長     福田  繁君    文部事務官    (文部大臣官房    会計課勤務)  小林 直男君    文部省大学学術    局庶務課長   内藤譽三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (昭和二十八年度文部省関係予算に  関する件)  (小学校における国語教授方法に閏  する件) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) これより本日の委員会開会いたします。  第一に昭和二十八年度の予算の件を議題といたします。質疑のある方からお願いいたします。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二十八年度の予算につきましては大臣がお見えになつてから質問をいたしたいと思いますが、その前にやはり予算と関連ある問題で若干話しておきたいと思います。と申しますのは、我々今まで随分とこの文部予算関係の問題を当委員会で論じて参つたのでありますが、尻切れとんぼになる場合が多くて、中心というものが置けないことを非常に遺憾に思つております。従つて私は今若干お伺いいたしますが、その第一点といたしましては、衆参文部委員会で問題になりました例の新発田分校教育施設の問題は如何なる結末を得たか、或いはどういう状況にあるかという点について一応質問に入る前に伺いたいと思います。
  4. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) お答えいたします。新潟大学新発田分校統合の問題でありますが、前回の文部委員今におきましていろいろ御審議を頂きまして、その結果実地調査をいたしました。衆参両院のそれぞれの文部委員会におきまして結論を出されたのでございます。これは御承知通りだと思います。その後この問題は大学当局もその方針を了承されまして、三月末までこの統合を延期するという方針になりまして、そのまま今日まで参一つておるわけでございます。最近この統合を実現するという話合をいたしておりまするが、まだ然らばいつ統合するかというところまでには結論が行つておりませんで、只今のところでは衆参両院の決議の線に沿つて行動する、又その線に沿うて準備を進めるということになつております。
  5. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その問題はその程度に一応伺つておきまして、次にお伺いいたしたい点は、例の豊島附属中学校校舎並びに校地の問題は円満に解決したのかどうか、その結果を伺いたいと思います。
  6. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 学芸大学豊島分校の問題でございますが、これは所管会計課長でございまするので、私詳細のことにつきましては申上げられませんが、円満解決の方向に沿つて進んでおるというふうに承知いたしております。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に承りたい点は先般本文部委員会において高橋委員からも指摘されたことでございますが、例の清水商船大学校舎の問題については、御承知のごとく越中島における保安庁庁舎建設予算というものは昭和二十八年度の予算案ちやんと組まれているわけでございます。従つて越中島校舎清水商船大学のために開放されるという時期の見通しについては、私は保安庁当局文部当局との交渉”おいて明確化されていなければならないと思いますのに、高橋委員質問に対しては極めて漠然たる答弁であつて了解に苦しむ点があるのでございますが、保安庁当局文部省は如何なる交渉を持つているのか、その清水商船大学のために開放される時期をいつと目標を立てておられるのか、その点明確にして頂きたい。
  8. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 御指摘よう越中島保安庁庁舎を開けまして、そのあと清水商船大学が移るという方針は確定いたしております。只今のところでは本年の三月末までに越中島保安庁貸与するという契約が取り交されております。従いまして本年の四月以降は保安庁といたしましてはこれを明渡さなければならないという状況になつておりますが、併しながら只今状況では、保安庁といたしまして急速に立退くことも不可能かと思われるのでございます。御指摘よう保安庁予算庁舎新営の経費が一計上されておりますので、保安庁といたしましては、二十八年度中に庁舎を建設いたしまして、速かにそれを明けるという意思は十分持つているように伺つております。従いましてこの移転の問題は、二十八年度中には恐らく実行されるのじやないかというふうに考えております。なお文部省といたしましては、保安庁と更に然らば二十八年度はいつまでこれを貸与するか、二十八年度の半ばまでにするか、或いは二十八年度中にするか、そういつた契約の内容につきましては、今後速かに保安庁と協定いたすつもりでおります。見込といたしましては、二十八年度中には越中島保安庁々舎が明くのではないかと、只今よう考えております。
  9. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二十八年度中には明くのではないだろうかなんてとんでもないことです。これを我々は現在両院審議……すでに衆議院は通過したのですが、その予算の中に新営費言つてちやんと予算化されている。そうしてこれは長きに亘つている問題です。従1つて現段階においては、文部省はすでに保安庁に対して、私は貸与の期日もあと二旬しかないわけなんです。はつきりした交渉は持たれているべきだと思うのですが、そうした交渉は持たれたか、持たれないのか、その点お伺いしたい。
  10. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 只今内々交渉は進めておりますが、まだ確定した協定には達しておりません。
  11. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それもまあその程度に聞きおいて、次にもう一つお伺いいたしたい。それは天野文部大臣以来の問題でありますところの水産大学校舎の問題について、先般他の委員質問に対しまして、品川経理学校が明けられて他に移転する問題がはかばかしく進んでいないので、外務省交渉の上できるだけ早く解決いたしたい、こういう一年前と同じ御答弁が依然としてなされておることでは、私ども納得できないのでありまして、現在外務省と或いは調達庁と、どういう交渉になつて、いつを一体目標にしているのか、明確にお答え願いたい。
  12. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) この水産学校移転の問題、今まさに御指摘通り永い間の懸案でございまして、私どもといたしましては、この解決に非常な努力をして参つて来たのでございます。最近外務省と、或いは調達庁としばしば交渉いたしまして、いつ品川経理学校只今進駐軍QM本部になつておりますが、補給本部がいつ移転するという時期につきましても、しばしば外務省のほうに交渉しておりますので、外務省といたしましては、やはり進駐軍関係交渉はなかなか国内同士話合ではございませんので、非常に難航を極めておるように伺つております。併しながら、大体今年の三月末までには、大体東京都内進駐軍の使用の建物移転の全体計画ができ上るというふうに伺つております。従いまして、その計画ができますれば、どこがどこに移る、例えば品川経理学校あとのいわゆるQM本部が群馬県の太田附近に移るということが確定いたしますので、そういたしますれば、工事もそれにつれまして本年の四月、遅くも五月頃着工されますので、この問題もだんだん解決して行くのではないかと考えております。大体の見通しといたしましては、二十八年の秋頃までには恐らく移転が可能ではないか、外務省との話合はさよう承知いたしております。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣がお見えになりましたので、大臣にお伺いして参りたいと思いますが、私は二十八年度の予算質問に入る前に、本文部委員会で、従来よく問題として取上げられました施設関係の問題について、どういう経過を辿りどういう結果になりつつあるかということをお伺いしたいと思います。いずれの問題も極めて不徹底である。これは所管局としても非常に御多忙でありましようし、又ことが簡単に進まないということは万々私はわかるのでございますが、非常に不徹底であるというというそしりを私はまぬがれないと思います。  大臣に私はお伺いいたしたいと思うのですが、水産大学の問題については、先般も質疑があつたわけなんですけれども、外務省交渉で云々、二十七年頃には夏と言い、或いは秋と言い、又今恐らく秋まではというよう答弁で一歩も前進いたしておりません。更に商船大学越中島につきましては、三月末日でこれは貸与期間は切れることになつているのです。而も保安庁としては新営費というものがちやんと予算化されておるわけです。こういう段階になりますと、文部省責任者である文部大臣と、保安庁木村長官との談判によつて、こういう問題はいつ頃までには解決するのだということを、はつきりした目標が立てられて進まるべき問題ではないかと思うのですが、この点に対しましての大臣答弁を先ず私は伺つておきたいと思うのです。  それと、これは事務局で結構ですが、国立学校施設整備費としてこのたびの予算案に組まれておりますところの二十億一千万円、その中には水産大学移転費或いは現在の品川経理学校補修改築費というようなものがどの程度組まれておるのか、それだけ伺いまして以下質問を続けて参りたいと思います。
  14. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 戦後のいろいろ建物の接収とか移転とかいうものを回復いたしますにつきましては、文部省としましても、棄ともいろいろ促進の活動を続けておるのでございますけれども、何さまいろいろな事情があるそうでございまして、急にこれが回復できないことは非常に文部省としては遺憾でございます。なお今後とも外務大臣保安庁長官あたりとよく話をしましてできるだけその促進のほうに努力したいと思います。
  15. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 国立学校施設整備費予算のうちから、水産大学移転或いは補修費にどのくらい予定しておるかという御質問でございますが、水産大学移転費並び補修費につきましては、これは国立学校整備費としては計上いたしておりませんので、これは会計課所管経費といたしまして一般国立学校修繕費のうちからこれを賄う予定でございます。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その予定額というものがあると思うのですが、それを伺つているわけです。
  17. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 只今のところはまだその額は確定いたしておりません。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間がかかりますから質問を続けますが、極めて無責任だと思うのです。本日の質問はその一点が問題でないから追及いたしませんが、水産大学の問題があれだけ長きに亘る問題であり、天野文部大臣みずから御視察になつた問題で、教授並びに学生諸君が血の出るような叫びを上げでおられるのです。来年度の予算編成するに当つて、いつどうしよう、それに対してはどの程度予算が必要であるというような事柄をまだお考えになつていらつしやらない、答弁ができないというようなことを若し聞かれたら、水産大学関係者というものは私は本当に涙を流されるのじやないかと思うのです。この問題はここで切りますが、今日から一カ月後に、さつき私が質問しました諸点についての経過並びに結果について改めてお伺いいたしますからこの一カ月問に鋭意解決努力されるよう、しつかりした答弁ができますように改めて要望いたしておきます。  そこで二十八年度の文教関係予算についてお伺いいたしたいと思いますが、これは本会議或いは衆議院予算委員会等において随分論じられました義務教育学校職員法案に関連いたしますとこころの予算の問題につきましては一応切離しまして、即ち義務教育学校義務教育学校職員法案に伴う予算はその法案審議の過程において質問することにいたしまして、本日はそれを除外した問題について質問申上げたいと思います。勿論この所管局長或いは課長を通じて我々は本委員会説明を承り、又他の委員において若干の質疑が行われておるわけでございますが、私質問を申上げるのは本日初めてでございます。なお又文部大臣がおいで願えたのは今日初めてでございますのでお伺いいたしたいと思います。  その第一番に大臣にお伺いいたしたい点は、大臣は日本の文教政策の基本的な考え方というものを持つておられるだろう。その基本的なお考えからこのたびの二十八年度の文教予算編成方針というものを打立てられたであろう、こういうふうに考えられるわけでございます。従いまして大臣予算編成に当りましての基本的な方針バツク・ボーンと申しますか、こういう点について先ず伺いたいと思います。
  19. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 御承知通り天野さんもいわば我々と同じような党の閣僚でございまして、それから予算を立てますのは実は天野さん時代にこしらえましてそうして出した予算でございます。それでございますから天野さん時代基本方針と変つておらん、そういう意味におきまして、無論予算のいよいよきまります事態に至りましては、できるだけ文教予算をたくさん頂きたいと、こう思いまして努力をいたしましたけれども、根本の政策方針というものは天野文政というものを私は受継いでやつておる次第でございます。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで繰返してお伺いいたしますが、二十八年度の文教予算の特色と申しますか、重点と申しますか、そういう点はどこにあるわけですか。
  21. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) これは事務当局から一つ
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは大臣に伺いたいんですがね。
  23. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 非常に広汎でございますから、この予算に載つておりますのは皆基本的な考えから出しました予算でございます。詳しいことは事務当局から御説明申上げます。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この予算がどういうところに重点が向けられているかということは、その政策性格裏付けるものであり、象徴するものであつて、私は極めて重大だと思うんです。ここにも出したここにも出したと、そういう羅列的なことを私は大臣にお伺いしようとは毛頭思いません。それは無理でございます。併しながらどこに重点があるかということは承わりたい、ということは昨年の十二月に文部省事務当局から資料を頂き我々が説明を承わつた二十八年度の文教予算概算要求は、平衡交付金から義務教育学校職員法案の実施に伴う予算九百二十億を分離するのを除いて、それを含まないで一千四百四億六千万円であつたわけです。それが驚くなかれ一月四日の大蔵省の第一次内示においては僅かに二百二十五億四千万、こういう第一次内示を受けているわけなんです。その後文部省は勿論、或いは与党において、或いはあらゆる教育の民間の諸団体がいわゆる陳情合戦をやつて結末におきましては四百二十七億二千万円、こういうことに落付いておりますが、いやしくも大蔵省が一応の第一次査定をするに当りましては、私は岡野文部大臣予算編成の基本的な考えというものは一応私は汲まれておるだろうと思うんです。それを無視されておるとするならば、同じ省でありながら大蔵省予算編成権というものは極めて私は問題となつて来ると思うのです。実にこの二百二十五億四千万円なんというのは人をばかにした数字だと思うんですね。そういう立場からもやはり予算編成に当つて岡野文相バツク・ボーンというものはどこにあつたのかということを一応私は疑わざるを得ないわけであります。
  25. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私は先ほども申上げましたように、一応天野文部大臣予算を作りまして、そうしてそれによつて要求を出しておりましたが、大蔵省からいろいろ、これを削減して来ました。それから後これを回復しますにつきましては、義務教育は無論充実しなければならん、同時に産業教育も充実しなければいかん、又非常に要望のありましたところの寒冷地帯屋内体操場というようなもの、これも是非獲得しなければならない。最も困難を感じましたのは危険校舎の問題でございます。これは幸いにして衆参両院で非常な御支持を得まして危険校舎の問題は性論にも訴えられまして盛んに要望が強うございましたので、とにかく昨年まではどうしても学校危険校舎に対してこの修理補修国庫補助でやるということはできない立場でありましたのですが、まあとにかく今度性格を変えてこの危険校舎改築に対して僅かではございますけれどもこれを取るということになつた次第でございます。ほかに一番初めに考えましたことは総なめに増額する要求通りませんで減らされましたが、まあそういう只今申上げましたようなことを閣議でいろいろ検討しまして、誠に些少でございますけれども、我々がしようと思うことに対して多少水増しができた、こういうことになつております。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は只今質疑段階でございますので批判をしようとは思いません。併しながらただ私が一言申上げたい点は、昭和二十八年度の文教予算編成にあたりまして、そのことの正しきか正しからざるかはともかく別といたしまして、義務教育学校職員法案を国会に提出し、その実現を図るに伴うところの予算確保、この一点に関する限りは岡野文部大臣のお考えというものがはつきりと出て来、又それに努力されたことも認めます。大臣はその一事に気を奪われてしまつてあとの問題は全く支離滅裂で一貫した政策裏付としての予算確保されぬ。甲が陳情するからそれに動く、乙が請願して来るからその意見も容れる、こういつた全く浮草みたいな性格予算になつているということを私は非常に遺憾に思うのです。例えば先ほど危険校舎の問題について新たに予算化された。従つて文教施設確保について相当予算が余計に取れたという意味のことを含まして御発言になり、本会議でも再三再四述べられているのでありますが、その反面に例えば補助率を大幅に下げたというようなことは絶対にこれは納得のできないことである。更にいわゆる〇・七坪の最低要求基準不足については、二十七年度の補正予算において是非とも確保する、又見込があるというのは昨年度における文部当局の本委員会における答弁であります。ところが二十七年度の補正予算のときにそれは遂に破れ去つた。そのときに岡野文部大臣答弁は二十八年度において必ずやる、そういう点については当時の池田大蔵大臣話合がついている、こういう御答弁を頂いているのであります。然るにこの〇・七坪の不足額に対するところの予算につきましても二十八年度に解決することなく、これを二カ年計画に延ばしてあります。而も中学校は従来通り二分の一の補助率に復帰いたしますけれども、小学校に関する限りは補助率は三分の一に切下げられている。こういう点に私は二十七年度の補正予算当時大臣答弁されたものと随分私は趣旨一貫しないものがあると思うのですが、こういう点について大臣はどういう反省をしておられるか。要するに私は一言で要約いたしますが、それは義務教育学校職員法は大事でございましよう大臣のお考えははつきりしております。それに私は賛成不賛成ということはここでは論じません。その一事に気をとらわれてあと予算というのは実に哀れなものになつて、哀れな小額なだけではなくて、趣旨一貫していないものになつているという点を私は非常に悲しむものでございますが、これに対する大臣の御所見を承ります。
  27. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申します。予算の足らなかつたことにつきまして大変お叱りをこうむりまして、その通りであります。併し御承知通り文部予算はいつも削られまして非常に残念だと思つています。私も就任早々で十分なることができませんでしたことはこれは誠に遺憾でございます。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ではここでちよつと一言だけ事務当局質問しますが、公立小中学校一般校舎整備は二十八年度の事業において予算編成当時に計画した通りに実施できるのかどうか、その点承りたい。
  29. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 二十八年度の予算編成当時に考えました計画が今後遂行できるかという御質問考えますが、大体私の方で考えておりました文教施設の全体計画につきましてよ……。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 結論的なものをお伺いしたい。
  31. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 大蔵省当局話合がつきまして、ただ先ほどちよつとお話になりました中学校落ちこぼれの分につきましては、これは是非私といたしましては二十八年度中にこれを完成したいということで折衝いたしましたが、遺憾ながらそれが二カ年に分れまして、二十九年度までに亘ることになりましたのは甚だ残念でございますが、それから小学校補助率の問題でございますが、この補助率につきましては、従来戦災小学校補助率につきましては二分の一で組まれておりますので、これは二十八年度も二分の一でございます。従いまして先ほど矢嶋委員の申されました三分の一とおつしやいますのは戦災小学校につきましては……。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は戦災とは言つていない、落ちこぼれのことを言つている。小学校生徒増加による不足分
  33. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 従来落ちこぼれの中で考えておりましたのは、戦災小学校として中学校と一緒に考えましたので、従来の線は私は崩れていないと考えております。ただそれにプラス戦災小学校以外の小学校につきまして今回三分の一の補助を認めるということになつたのでございまして、従来のいわゆる六三制の予算につきましては従来の線は崩れておりませんでございます。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういうことを言えばこの点についてもうちよつと論じなければならんが、小学校生徒増加に伴う特に二十八年度は児童数は増加するわけですが、その自然増については落ちこぼれと同じ考えというのは、あなた方が当時の大蔵大臣である池田さんからとつた言質の非常に高価なものであつたのではございませんか。そうでしよう。それを何が故にその他の小学校の分を三分の一に補助率を下げなければならないのですか。教育的な見地からいかなる根拠がある。当然これは当時の池田大蔵大臣言質から言つても、二分の一の補助率は勿論だしそれを主張しなければならない、これが一点。  それから局長にお伺いいたしますが、この補助率のきまる当時は義務教育費全額国庫負担というのは盛んに新聞に一号活字に出たのです。何が故に補助率を三分の一、四分の一、こういう補助率というものは他の省関係でも殆んどないと思います。どうしてこんなに補助率を下げたのか。  更に第三点の伺いたい点は、あなた方は例えば建築基準法による危険校舎が今四十八万坪あるからこれをなんとか処理しなければならん、或いは落ちこぼれがなにがしあるからそれを処理しなければならん、そういう立場に立つて予算要求しているんでしよう。ところが当初補助率は三分の一、四分の一となつた、ところがあなた方も非常に困られて更に各県の所管課長の猛烈な反撃によつて一部補助率は従来に復帰しました。併しながら予算確保できないのじやないか。当初あなた方が概算要求したところの事業費、それから更に下廻つて一応閣議できまつた予算、その予算を動かさないで補助率だけ変えたから事業量というものは更に繰延べられるのではございませんか。如何でございますか。その三点ちよつとお伺いいたします。
  35. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 矢嶋委員の御指摘ように確かに我々の努力が足りませんので十分な予算がとれなかつたことは誠に遺憾に思つております。ただ補助率の四分の一と申しましたのは、これは僻地教員の住宅の建設費の補助率が四分の一でございますので、この点につきましても努力いたしましたが遺憾ながら四分の一に抑えられたのでございますが、従来この僻地教員の住宅につきましてはなんら補助がなかつたのでございましたが、今回新たに補助をすることになりました点は一つの進歩だと思うのでございますが、補助率につきましては誠に残念に思つております。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 危険校舎については昨年来大臣の主張が大蔵大臣を圧倒して若干予算化されたわけですが、これは当然のことでございます。この点については大臣の労を私は多とします。併しこの補助率も四分の一でしよう。而も今どきなんですか、木造の単価二万四千円、鉄筋五万七千円、こういうことで建築ができるのですか。
  37. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 危険校舎補助率四分の一とおつしやいましたが、これは三分の一でございます。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私があなたの方からもらつた資料は四分の一になつているよ。一月二十九日現在の資料。
  39. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 大蔵当局と折衝の過程におきましてはさような話が出たのでございますが、最終的には三分の一に決定しました。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 単価の方は。
  41. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 単価の方は木造が二万四千円、鉄筋が五万七千円。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで実際やれるのかどうかということを聞いているんです。
  43. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) これは各地区の実際の単価を平均いたしましてとつた数字でございますので、勿論これ以上になることは望ましいのでございますが、大蔵当局の調査によりますると、木造の単価は値上りしているということを以ちまして二十七年木造は二万三千円でございましたけれども、千円上げまして二万四千円。鉄筋につきましては、これは大体価格が下り気味であるという調査に基きましてこれは据置きまして五万七千円になります。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 こういうことを論ずるのは今日の私の主な目的でないのでこの辺で打切りますけれども、私の教え子に大学の建築科を出た専門の役人がおつて私がこれを話したところが、一体生徒を入れて三十年くらい耐久年数を期待しようという校舎が今どき二万四千円、鉄筋五万七千円なんかでできるんですか、随分文部省は安く家を作れるのですねと言つてびつくりしていましたよ。私その専門でないから的確なことは言えませんけれどもとにかくびつくりしていました。又巷間私が一社会人としてあつちこつち接触して鉄筋で坪五万七千円で今できるなんというのはないですよ。これは義務教育学校職員法案予算と同様に、不足分は地方公共団体並びに父兄の負担に転嫁されて行くものなんです。これは私は断言して憚りません。大臣にそこでお伺いいたすのでございますが、局長が変な答弁するものですからこういう点に流れて行つたわけでございますけれども、いずれあとで又施設関係質問も若干出ることと思います。私は義務教育全額国庫負担というようなこういうアドバルーンと、今度補助率が下り、更には大学から小学校まで一刻も早く解決したいという施設の問題が二年或いは長きに亘つては六年計画となつているようなことを併せ考えるときに、教育振興のために文部省予算確保されている点は極めて遺憾な状況にある。これは非常に私は個人的には大臣にお気の毒でございますけれども、一に義務教育学校職員法案に一方的に専念されて他を閑却された結果というものがこういう事態に立至つたのではないか。こういうふうに私は誠に遺憾に考えるのでありますが、大臣の所見並びに今後これらの解決に対しまする決意のほどを承わりたいと思います。
  45. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 義務教育職員の問題も無論今度大いに努力いたしましたが、併し私の立場といたしましては、あの法案は閣議で大綱をきめれば、あと文部省事務当局にお願いしてそうして形式を整えるということでいいのでございまして、閣議ではそう義務教育のために努力したからほかがおろそかになつたということはないのでございます。ただ問題は、今までもそうでありましたが、今回初めて経験しまして、学校の即ち教育に関する予算というものはなかなかとりにくいものだ、こういうように感じたのであります。と申しますことは、戦後非常に国と地方財政が困つておりますときに、制度としましてはむしろ完備し過ぎるほど立派な六・三・三・四の制度ができました。その上に今度は今まで戦災でいろいろ設備が荒廃に帰しておる、こういうことも直さなきやならんということがかさみまして、教育費には非常な金がかかるわけでございます。おいくに国の財政、地方の財政を整えてからやらなきやならんと思いますけれども、そう急にこれを完備して行くというところまでは行きませんのでございます。これはいろいろお考えもありまして、ほかのこういう予算は要らん予算だからこれを削つて教育費に廻したらいいじやないかというような思召もないとは限りませんが、併し私といたしましてはできるだけの努力をして、あなたの仰せのごとく義務教育国庫負担法をやるためにそれに没頭してほかは忘れてしまつてつたというようなことではなかつた点は御了承頂きたいと思います。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、岡野文政を進めて行くに当りましての行政の行い方についての基本的な点を承わりたいと思います。大臣は民主政治下において民主教育を推進して行く行政機構のあり方として、いろいろと大臣の諮問機関、或いは研究会とか審議会とか、そういう機構が設けられているわけでございますが、こういうものをどういうふうにお考えになつていらつしやるか。これが一点と、それからもう一点は、勿論政党政治が行われているわけでございます。大臣は与党自由党所属の大臣でいらつしやいます。与党自由党としては一つ文教政策というものを勿論持つているでございましよう。併しながら、事、教育については、私自身もそうでございますが、立派な政治家としての岡野さんにいたしましても、やはり私は素人的な面もあるかと思うのでございます。そういう政党出身の文部大臣文部省内に多年勤務されておられるところの事務当局諸君、これらとの関連を如何お考えになつていらつしやるか、この二点について伺いたいと思います。
  47. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 文部省にはいろいろ審議会がございまして、今までとしましても審議会の意見をよく尊重して、それに意見を求めてそうして政策遂行に当つておるわけでございます。  それから政党政治の問題でございますが、私無論文部行政は素人でございます。素人でございますけれども、文部省にはいろいろの専門家もおりますし、それから又事務的にもエキスパートが非常に多いのでございますから、そういう人のお助けを借り私の職責を尽して行きたいと、こう考えております。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣只今答弁は当然あるべき、なさるべき答弁だと存じます。併し私は実態は必ずしもそうでないと思う。具体的に若干の例をあげて重ねてお伺いしたい。それは本会議で一応質問し、又その質問の機会も他日ありますので、多くをお伺いいたしませんが、義務教育学校職員法案にいたしましても、中央教育審議会の十分なる検討をまちその答申は大臣としては受けておられません。更に先ほど大臣天野文政と同じ方針で行くんだと、こういうことを申されましたが、天野文部大臣は、とやかくの批判は受けられましたけれども、大学の自治とか、学問の自由とか、民主教育の確立というような点については世人を傾聴させるところの確たる識見を持たれておられた、こういうふうに私は思つております。その点については私は敬意を表しておるのでございます。従つて例えば教科につきましても、或いは修身、或いは地理、或いは歴史、こういう教科の今後の取扱については相当慎重に事務当局或いは教育課程審議会の検討を仰いで極めて慎重な態度をとられておつたことを私は想起いたすのであります。  そういう教科課程の結論も出ないのに、大臣は修身或いは地理、歴史の復活というというようなことを衆議院予算委員会で発言された。それによつて或いは修身或いは地理或いは歴史の復活によつて、若干の利益を受けるであろう個人或いは団体は直ちに活動を開始している。こういう点、私は大臣天野文政を受継ぐと申されましたけれども必ずしもそうではないと思います。こういう審議会に対するところの岡野文部大臣の態度というものは私は決して納得のできるものではない、こういうように私は思つております。  更に個人的には非常に私はお気の毒でございますけれども、あえて申しますならば、義務教育学校職員法案についても或いは本多国務大臣が反対した、或いは向井大蔵大臣が反対した併しながら僅か週間そこくですべての閣僚を説得して、自分が予期した以上に進捗されたという岡野さん御自身の政治力について非常に自信を持たれて、あらゆる場合に非常に軽く口を滑らしておられる。それが衆議院予算委員会答弁あたりに出て来ているのじやないか。私は非常に残酷なようでございますけれども、そういうように私は考える。事、文教に関する限りはこういう民主的な機関或いは官、或いは民を問わずあらゆる教育団体の関係者の意向というものを十分私は聞いて、慎重にも慎重を期して行かなければならない。というのは、教育の対象になるものは生きものであります。途中からこれを曲げるわけには行かないものでございますから、まさしく国家百年の大計の下に出発しなければならない問題であるだけに、私はそう考えるわけでございますが、これに対する答弁を重ねてお伺いするのが一点。  更に政党大臣である岡野文部大臣が随分エキスパートのいるところの文部省事務当局の意向を重視、尊重されるという御発言がございましたが、併し例を挙げまするならば、義務教育学校職員法、当時は義務教育費全額国庫負担と呼ばれたものでございますが、これらについては他日私は大臣と突込んで質疑応答を展開いたしたいと思いますが、断じて大臣事務当局の十分なる意向を聞いて、そうして閣議に臨んで、これを推進していたものでないということを私はここで申上げたいのであります。その証拠には、証拠を挙げると幾らでもございます。私はその当時文部省事務当局に行つて、その事務当局の周章狼狽振りと困惑振りというものをこの目で見、又私は耳で聞いているものでございます。私はここで更に突込んで、大臣を誹謗しようというような気持は毛頭ございませんが、ただ私の懸念する点は、やはり日本の教育というものには一つの流れがある。事務当局というものはそれぞれの立場において研究もされておれば、如何に政党政治であり、その政党に所属するところの文部大臣といえども、事務当局の見解を一顧もすることなくやられたのでは、これは本当の民主政治は行われない。又日本の文教政策というものを誤ることがあるのではないかということを懸念するが故に、私は重ねてこの二点について大臣の所見を承わりたいと思います。
  49. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 歴史とか地理とかいうものの慎重を期せという仰せでございますが、私は慎重を期しまして、只今審議会に諮つております。  それから政党大臣であつて事務当局を無視してやつてはいかん、教育には昔から伝統があるのだ、その流れに従わなければならない、これはお説至極御尤もであります。併し事務当局に話しましたら、至極賛成でございまして、一つそれをやり遂げようじやないか、こういうような話が出まして、私は事務当局を信頼しております。事務当局に関する限りは全省を挙げてこれを援助してやろう、こういうことで御援助を受けて今日まで至つておる次第でありまして、事務当局の意に反して私自身が自分自身の意見を貫き通した、こういうことはないはずであります。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点は他日論ずる機会があるから、今はその程度にとどめておきたいと思いますが、ただ一言申上げておきたい点は、自由党は大政党であり、更に政権を握つておられる。使う者と使われる者との立場はそれぞれ立場があるのでございます。そういうことを十分心得て政党大臣としては事務当局の諸君に対処せられるということが、私は余計な老婆心のようでありますけれども一大切なことではないかと考えるものであります。その程度を申上げましてそれは他日に譲りたいと思つております。  それからこれに関連してもう一言承りたいと思いますが、中央教育審議会が一月に発足いたしまして現在いろいろとこの委員会審議しなくちやならん問題が山積いたしておるのでございましようが、当面義務教育関係の問題を論ぜられたやに承つております。ところがあの会議は非公開でその速記録を私は頂けないわけでありますが、概略公表されたものを拝見いたしますと、あの委員の中でも義務教育関係委員が非常に少くて、会社の社長さんみたいなものが非常に多いということを発言されておるのを私は拝見したのでございます。この中央教育審議会の設置が国会において論じられた場合、当時天野文部大臣でありましたか、大臣は……。
  51. 木村守江

    木村守江君 それは予算関係がないじやないか。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 予算関係があります。
  53. 木村守江

    木村守江君 その問題はやらないことにしたじやないか。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちよつと待つて下さい。天野文部大臣は非常に多くこれを期待されておられたのであります。更に当委員会におきましても義務制関係の場合、革新的な、民主的な教育団体の代表者というものを若干委員に入れる。そうすることによつて義務教育の今後のあり方を検討する、或いは国の教育予算を如何なる重点の下に編成するかというようなことも研究し、或いは諮問に応えて頂くということが、中央教育審議会の設置の趣旨に副うものだ。こういうことが論ぜられたのでありますが、我々立法府の期待とは反したものになつておると思いますが、これらの点について大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやるか、承りたいと思います。
  55. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。あの委員の中にはやはり義務教育学校の校長さんもおります。でございますから、別に義務教育のほうをネグレクトしたというようなことには私はならんと思います。要は中央教育審議会は最高の諮問機関でございますから、最も広い視野に立つて、そうしているくなことを御諮問申上げるというような内容のある人を集めた次第であります。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に具体的に予算質問に入りますが、一つだけ重ねてこの際伺つておきますが、義務教育関係の方をもう少し入れなければ委員会の構成としては不十分だということを発言されている委員の方もあられるわけです。大臣は具体的にそういう考えを持つておられるか、おられないか。あたかも義務教育関係の人が視野が狭い或いは浅いというような前提に立つて大臣はお考えになつているやに私はとれるんでございますが、私はその言葉は理解できないわけなんでございます、具体的にですね。これつきりこの問題については打切りますが、義務教育関係委員を追加する意思はあるかどうか。更にこの法律案が審議された当時の民主的な或いは革新的な教育団体の推薦するものを若干入れたほうがよろしいという希望条件が付いて、この法律案は通り、中央教育審議会というものは設置されているわけです。そういう点について大臣は如何なる意思を持たれているのか。それだけ承わつて、次に移ります。
  57. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 只今のところ、これ以上委員を増そうという考えは私は持つておりません。それからいろいろ仰せでございますが、最高の大きな問題を審議して頂くんでございまして、それにはあなたが非常に敬意を表せられるところの前文部大臣天野さんもお入りになつていらつしやいますし、それから又前田先生も又、元の文部大臣と承わつております。そういうお方がいらつしやつておるようでございます。私は大きな立場から、文部大臣の諮問機関としてやられるには十分じやないかと、こう考えております。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次は事務当局から答弁を頂きたいのですが、昨年度の当初予算は幾らであつたか、一般会計予算ですよ。その中における文部省関係予算は幾らであつたか。二十七年度の終末予算は幾らになつているか。二十八年度の各省の概算要求は幾らであるか。今提出されているところの二十八年度の当初予算の一般会計予算は幾らであるか。その中に占めるところの文部省関係予算は幾何になつているか。数字だけで結構ですから、答弁を頂きたい。
  59. 小林直男

    説明員(小林直男君) 二十七年度の一般会計歳出予算総額は九千三百二十五億三千五百八十二万八千円、それに対しまして文部省所管予算総額は三百七十四億二千七百六十五万八千円であります。」二十八年度につきましては、一般会計歳出総予算額が九千六百五億六千百二万九千円、それに対しまして文部省所管予算総額は千三百四十七億二千五百六十四万六千円となつております。なお昭和二十八年度文部省要求総額は千五百四十三億七千百八十二万六千円でございます。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 各省の概算要求は幾らだつたのですか。
  61. 小林直男

    説明員(小林直男君) 要求総額は調べましてお答え申上げます。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二十七年度の九千三百二十五億三千万円、これは終末予算でしよう
  63. 小林直男

    説明員(小林直男君) そうでございます。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が伺つているのは、二十七年度の当初予算は幾らであつたかということです。
  65. 小林直男

    説明員(小林直男君) のちほど……。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで結構です。私はなぜそういうことを伺うかと申しますとね。盛んに文部大臣並びに事務当局のかたは、衆参会議並びに予算委員会を通じて、平衡交付金から彼此移用するところの九百二十億を除いて、昨年度より五十二億円増加した。更に一般会計予算の中に占めるところの文部省予算は、昨年の四%に対して四四%と上つている、これは九百二十億を除きますが、如何にも教育予算が余計とれたということを印象づけるよう答弁をされておられる。ところが二十七年度当初予算を調べてみて下さい。更に二十八年度の各省の概算要求は一兆七千三百億、その一兆七千三百億が九千六百五億六千万円と予算編成が最終的に行われた。この率は五五%予算化されている。文部省の当初の要求只今一千五百四十三億なにがしと答弁なさいましたが、私ども当委員会が十二月に頂いた資料によりますというと千四百四億六千万円と、こうなつている。約百四十億少なく承わつております。その一千四百四億六千万円で計算いたしましても、今度文部省が獲得した予算というものは、要求額の三〇%、更に物価の値上り等考えますというと、実質的には文部省関係予算というものは、多省に較べては遥かに劣つているし、実質的に低下しているということを、私は指摘せざるを得ない。従つて〇・四%増したとか、五十二億増したとかいう、その数だけで、比較対照することなくして、答弁するようなことはやめて頂きたい。  次にこの一つの例として私は伺いますが、大学の附置研究所の予算がですね。昨年度から五千万円増加して四億八千万円が予算化されている。而も大学附置研究所というのは、このたび若干の増加がなされている、あなた方の答弁からいうと、五千万円増加していると言われるのでございましようが、こういうことで実質的に大学附置研究所は、昨年と同じ研究が継続されるのかどうか。電気、ガスの料金がどうなつたかということもちよつとお考え願いたい。十二月から一月にかけては、科学の研究機関は研究費の要求について、随分と書類を拵えているのを私自身実際拵えているのを見ていたのですが、あなた方れだけ努力されているが、一体幾らになるでしようかと、私もその責任を感じたわけでございますが、科学研究費にしても、あなた方は十四億七千万円要求された。昨年の五億六千万円に比して七億にとどまつているわけですね。これで吉田総理は科学の振興ということを言つているのですが、昨年の研究の実態というものが維持できるかどうかということですね。私はこれから進歩するなんということは伺いません。昨年度の研究の実態というものが、こういう予算で維持できると思つておられるかどうかということを伺いたいと思います。更に付加えて伺いたい点は、こういう問題については、あの学術会議の意向あたりも、やはり予算編成に当つては、相当私は意見を聞かるべきじやないかと思いますが、そういう方面ではどういう意見を述べておられるか。これを併せ伺いたいと思います。
  67. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 只今、本件につきましては大学局長所管でございますので、大学局長間もなく見えますので、それまで御留保願います。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣が忙しいでしようから大臣にお伺いいたしましよう。今のと関連する質問でございますが、この質問は大学学術局長答弁を併せて承わりますので、事務当局も聞いておいて頂きたい。この秋、終戦後初めて我が国において国際理論物理学会というのが京都で開かれることになつて、これは各国の科学者がおいでになられるわけなんですが、この会議を開催するに当つて一千二百万円必要だという計画書を提出し要求をされたわけです。学術会議の会長から。文部省大蔵省と協議の結果でございましようが、これを一方的に五百五十万円に切つてしまつた。小さい問題のようでございますが……。私は学術研究に必要な予算の一こまとして今お伺いいたしているわけであります。こういうことで日本の科学の振興が期待されるか、又資源の乏しい日本として、科学で生きようとする日本が、国際的にも独立国日本の科学界が面子を一体保てるかどうか。非常に私は小さい問題のようでございますが、極めて私は理解に苦しむのです。外務省の外国に派遣している大、公使に対する予算というものは、その機密費を合せ、交際費を合せ、莫大なものが予算化されている。独立した日本という立場においてですね、国際的な予算というものは、文部省関係はこの程度のものですか。これ以外には百人程度の人を国外に留学させるというものくらいなんです。大臣、これをどういうふうにお考えになられるか。若干の予備費によつても何とか解決することによつて、この国際理論物理学会が当初計画した通りのスケジュールによつて開催されるよう努力される御意思はございませんか。お答え願います。
  69. 福田繁

    説明員(福田繁君) 只今矢嶋委員からのお話でございますが、文部省が何だか予算の査定をしたようなお言葉に聞こえたのでありますが、これはあべこべでございまして、現在日本学術会議は内閣の所管になつておりますので、日本学術会議からその所要経費として、そういう経費要求されたのであります。従つて文部省は連絡を取りながら、大蔵省にいろいろな説明をいたしました。たしか一千何百万円とかいう予算につきましては、これは大蔵省が査定いたしまして、数字をはつきり覚えておりませんが、五百何十万円かに査定されたはずでございます。これは内閣のほうの所管予算として計上されているわけでございます。
  70. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは内閣でされているということは私知つている。この中にありはしないですよ、文部省関係には。併しこの国際理論物理学会となると、これは文部省は私は見送るということはないと思う。そういう立場から伺つているのです。続いて申上げますが、児童憲章が出た場合には、文部省は全くノータッチで厚生省に任してしまつておる。更に私は勤労青年の教育に関してお伺いいたしたいと存じますが、青年産業開発隊というものが建設省関係で盛んに行われておる。これも社会教育の面における青年教育と私は不可分の関係があると思うのですが、これに対して文部省は殆んどタッチされておらない。こういう点、私は文部省の積極的というか、そういう点については幅のなさというのですか、そういう点については非常に遺憾に思うのですが、只今課長から答弁のありました内閣所管になつていると申しましても、私は今の質疑応答で、大臣、大体の問題の所在というものはおわかりになつているものと思いますが、先ほど私が課長からお伺いいたしました角度から御答弁を煩わしたいと思います。
  71. 福田繁

    説明員(福田繁君) 勿論国際理論物理学会につきましては、文部省関係ないとは存じません。大いにあることと思います。その点につきまして、日本学術会議文部省といろいろ相談いたしました結果、今度の会合につきましては、日本学術会議の主催でやるということになつたわけで、内閣からそういう経費要求いたしたのであります。文部省といたしましては、若干ではございますが、それに要する会議費として約三十万円ばかりを予算として獲得いたしております。
  72. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 さつき私は質問の最後に申しましたが、大臣として吉田内閣の一閣僚として、更にこれらの増額について一肌抜いで御努力なさる意思はおありにならないかどうか、重ねてお伺いいたします。
  73. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 実は私余り関係をよく存じておりませんでしたから、お答えすることはできませんでした。今質疑応答の間に事情がよくわかりましたものですから、もう一度官房長官あたりとよく相談してみましよう
  74. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に質問を続けます。要点だけ申上げます。施設関係でございますが、先ほど若干質疑をいたしました。そこで先ず局長答弁を頂いて、そこで大臣答弁を頂きたいと思いますが、老朽校舎改築に要する予算は約十二億盛られております。併し補助対象の年限というものは、極く一部に私は局限されているように思つておるわけなんです。これでいいのかどうか。それが一点、それと老朽校舎に十二億の補助金を出したから、これから起債がうまく行かないのじやないか。十二億の国庫補助がある。それに伴つて起債が二〇〇%取れれば結構ですが、一体国庫補助に対しての起債率が何%程度取れるようになつているのか。局長よくメモしておいて下さいよ。更に十二億の予算は作られたが、補助にならない、併し早急に解決しなければならんという場合には、単独起債が得られるのかどうか、或いは自治庁、大蔵当局としては、新たに岡野文部大臣にお聞きになつて十二億を国庫補助にしてあるのだから、その方面の単独起債を抑えようというよう方針でのぞんで来るかも知れません。私は危惧いたしておるものでございます。これらのお話合いがどうなつておるか、事務当局の折衝次第では、これは私は大臣の政治力を要すると思いますので、それを伺いたいと思います。  それともう一つの問題は、施設の問題は、先般も質疑が展開されまして尽きるところがございません。併し私一つここにお伺いしたい点は、災害復旧について他の公共施設の災害補助が法律によつて根拠が規定されているにかかわらず、文教施設の災害復旧に対するところの法的根拠が明確でない。ところがこの四月一日から地方財政法の附則第二項によつて、法律又は政令で定めるというようになつているのでありますが、従つて公立施設の災害復旧に対する国庫補助の立法化を政府の手によつてなさるへき機会が私は到来していると思うのでございます。先ほど大臣答弁の中にも文教予算確保ということが、非常にむずかしいというようなお言葉がちよつとあられたかと思うのでございますが、それらと併せて私はこの質問をする次第でございます。二点について先ず局長から、その局長答弁に基いて文部大臣答弁を頂きたいと思います。
  75. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 老朽危険校舎予算は十二億でございます。坪数は約十二万坪、その坪数の計算の基礎になりましたものが五十年以上の老朽校舎及び十五年以下の若朽の二つでございます。問題は御指摘ように五十年以上に限定されますると、五十年以下の例えば四十九年四十八年のものがこの補助の対象にならないということは甚だ困るという問題が起るわけでございます。誠にその点は御尤もなことでございますが、一応予算の折衝の過程におきましては、五十年以上十五年以下の若朽ということに限定されましたが、実際問題といたしまして、五十年以下でも建築の指令を出しておるというものにつきましては、これが何らか早急に手を打たなければならんという必要がございますので、私どもといたしましては、この予算の配分の際に大蔵当局と十分話合いを遂げまして、五十年以下のものでも、或る程度の限界をつけまして、予算の配分が受けられるように、つまり補助の対象になり得るよう話合いをいたしたいと考えております。これは配分基準を作る問題でございますので、そういう話合いが恐らく可能ではないかというふうに考えております。  それから起債の点でございますが、これは三分の一の補助でございますので、残りの三分の二につきましては、これが裏付けが当然なされなければならんと考えております。従いまして補助が十二億でございますから、起債が一倍の二十四億というものが、若し一〇〇%の起債が確保されますとすれば、二十四億がついて来るわけでございまして、この点につきまして今後自治庁を介しまして十分折衝を遂げたいと考えております。  それから単独起債の問題でございますが、これは御指摘ように、例えば県立の高等学校はこの対象になりませんので、高等学校の老朽校舎改築の場合には、どうしても県といたしましては起債によつてこれを賄わなければならないという問題が起りますので、この単独起債につきましては、この際是非補助起債のほかに、単独起債を是非確保したいというふうに考えております。昭和二十七年度は老朽校舎につきましては総額四十二億の起債でございましたが、只今補助起債は二十四億といたしますれば、その四十二億から二十四億を引いた差額の額だけでも、単独起債として私は認めて欲しいという考えを持つておるものですが、否、そればかりでなくもつと多くの単独起債を要求すべく自分といたしましては考えております。  それから災害復旧の法律の問題でございますが、御承知ように地方財政法三十四条の規定によりまして、本年の三月三十一日までに、これは災害復旧のための建設費の補助についての基準その他詳細のことにつきまして、政令若しくは法律で作らねばならんということになつておりますので、前回の当文部委員会におきまして、私は用意しておりますことを申上げたのでございますが、この災害につきましては、只今議員提出の話合いが進められておりますので、目下衆議院の法制局でこの議員提出の案を審議中でございます。実は政府提案で考えておりましたが、御承知かとも思いますが、九州、中国、四国を含めまして、学校施設災害復旧期成同盟という会ができまして、ここらが非常な推進力となりまして、是非これは議員提出でやるという話合いになりまして、只今そういうふうに進んでおります。
  76. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣答弁の前に、局長答弁は非常に一方的な観測に立たれた答弁に終始されておられるわけなんです。予想される具体的な場合を考えますと、五十年の老朽、或いは十五年未満の若朽、或いは四十七、八年ぐらいで補助になるかも知れませんが、ところが補助されたところは、それでいいのですよ。更に補助率に対して一〇〇%の起債が頂ければなお結構ですよ。併し一方では全然補助がなくて四十年ぐらいの建築でどうしても建てなければならんという場合、補助もございませんよ。ところが大蔵省としては、或いは自治庁の見解として、老朽に今十二億を岡野文部大臣要求によつて出してあるから、だから単独起債も学校関係のは抑えるということになりますと、その地方公共団体は補助金もなければ、単独起債も許されない、こういうことになりますと、まあえらいことになつて来るわけなんですね。従つてその点については、これは事務当局としても明確に話をきめなければならんし、奥にこれは大臣の政治力を要すると思うのです。これに対する大臣の私は御見解を伺つているわけなんですから……。  それと第二点につきましては、政府において立法も考えたが、議員立法という形で現在衆議院の法制局で検討中であるということを承わりました。まあ非常に結構でございますが、これもやはり私は議員立法となるにいたしましても、政府与党のこれに対する態度というものは、私はこの法案の運命を左右するのに相当私は影響性があると思うのです。こういう立法化について岡野文部大臣は賛成であられるか、御協力の用意があられるかどうかという角度において御答弁を頂きたい。
  77. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) これは老朽危険校舎補助金を出すということが正式にきまりましたときに、これは三分の一しか補助しないのだから、どうしても地方であとの三分の二を起債に持つてもらわなければなりませんぞということは、大蔵大臣にも自治庁長官にも話をして、できるだけこれに援助してもらいたい。又援助でなくて、当然国家としてその補助をすべきものだということを言つておきました。  それからこの災害復旧の立法化でございますが、これは無論文部省でも議員立法されるにつきましては、やはり相談を受けまして、文部省で十分その内容について検討をして出して頂くことになります。と同時に、議員立法が出ます場合には、正式に、たとえ非公式に事務当局からいろいろ相談を受けて出たものでございますけれども、閣議でこれを認めます場合には、一応はやはり主管省の意見をそれにつけて、そして出すということになつておりますから、二重に段階を踏む次第でございまするから、文部省といたしましては、遺憾のないようにできることと私は考えております。
  78. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 施設関係のはこれで一応打切りまして、次の問題についてお伺いいたします。  それは青年教育の問題でございますが、社会教育の分野に亘る、属すると存じます。先ずお伺いいたしたい点は、全国青年大会の開催費が今年度二百五十万円、新規に予算化されております、昨年度は予備金を使われて第一回を開催されたようでございますが、この全国青年大会の狙いというのはどこにあるのか。これと、国民体育大会との関連性をどういうふうにお考えになつていらつしやるかということなんです。とお伺い申上げますのは、政府委員説明を承わりますというと、体育云々という説明が一応なされておるわけです。従つて私は以上の点を先ず伺いたいと思います。
  79. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 全国青年大会開催の目的でございますが、これは全国の青年が日頃運動或いは文化的な修養、その他青年運動としてやつておりますことを、中央におきまして、全国から集まつて、ここで一つその後編を発表するというよう意味におきまして、実施をいたすのでありますが、これは必ずしもスポーツ、運動のみに限らないのでありまして、或いは芸能、音楽、美術その他の文化活動、又討論、弁論というような青年活動の総合的な仕事をここで発表し、そうして青年運動を盛り上げて行きたいという目的を持つておるのでありまして、そういう意味でございますので、特に、レコードを上げるとか、覇を競うとかいうようなことでなくして、むしろこれによりまして、ますますこの国民体育という意味を徹底いたしまして、全国民が、全青年が体育に親しみ、文化に親しむというように、その全体のレベルを向上させるという大きな狙いを持つておる次第でありますので、レコードは問わないのであります。又毎年毎年同じ人が出て、もう何の種目については誰というようにきまつてしまうというようなことがないように、他の選手権大会、或いは国民体育大会等に出て入賞した者は、これに出場する資格はないというようにいたしておりますし、又前年度にその青年大会に出た者は次の年度は出さないというようなふうに考えておるのであります。そういう意味でございますので、国民体育大会とは多少運営の方法も異りまして、文部省・東京都の共催により、又青年諸君自身の実質的な参加を得まして、主催計画の上にも青年の参加を認めまして、その実施を進めておるような次第でございます。
  80. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国民体育大会のあり方というような点については、文部大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやるか……。
  81. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 国民体育大会は陛下の御臨席も仰いでやつておりまして、地方で大変熱心に、又まじめに行われまして、これは体育を通じまして国民が元気になつて行く、こういうことで、私はいいことと思いますが、年々これは続けて行きたい、こう思います。
  82. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 社会局長、今の大臣の御見解と同様ですか。
  83. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 只今大臣の御答弁なつ通りでございます。
  84. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国民体育大会は陛下の云々という言葉のようでありましたが、そうですが。
  85. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 陛下が毎年御臨席になるのが例になつております。
  86. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで私は局長にお伺いしますがね。国民体育大会というのは、終戦後、昔の神宮大会というのが国民体育大会になつたわけですが、レコードなんか競わないというはずであつたが、従つてあなたはレコードなどは競わない、全国青年大会と国民大会とは違うというような御説明でございますが、国民体育大会が発足した当時の考え方と、このたび全国青年大会が新たに設けられるようなつたことについての考え方とは、私は全く同一だつたと思うのですが、その点は如何ですか。
  87. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 国民体育大会の目的も、これはアマチュア・スポーツマンの大会でありまして、職業的なスポーツを競うわけではありませんし、又レコードを上げるという目的のためにやつておるわけではない。国民体育を奨励するという目的でございまして、その点につきましては、青年大会と、その点のみに関しましては、変りはございません。たださつき申しましたように、青年大会のほうは体育だけではないのでありまするし、又その実際の運営におきましても、本当に平生その修練しておるところを発表する、成るべくたくさんの人にその機会を持つてもらうという点におきましては、特に青年大会の場合には、これに重点を置いておるのであります。
  88. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで国務大臣としての岡野さんにお伺いいたしますが、全国青年大会というのは、二十七年度から急遽開設するようにした。一方従来続けられて参つた国民体育大会の予算は、最終的には認められましたけれども、或る段階においては、これは削除されたという点を、私はどういうふうにお考えになつておるかと思うのでございますが、国務大臣としての岡野さんにお伺いしたいと思います。
  89. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 途中でどういう意味でございますか、事務折衝中にこれが削られたということを聞きまして、そうして私としては、これはその理由を発見するに苦しみましたのですが、又これを復活してもと通り、こちらの希望通りにやはり国民体育大会もやるということに落ちついたわけでございます。
  90. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長にお伺いいたしますが、全国青年大会の指導はどなたがなさるんですか、責任者はどなたですか。
  91. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 全国青年大会の主催者は文部省と東京都の共催でございます。で、なおさつき申しましたように、青年の組織がございますので、青年畠体の自主的な計画参加が或る程度できますように、青年の組織とも連絡をとつてその実施を進めております。
  92. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 青年運動を盛上げる一つの手段として、これはとり上げられておるということをさつき承つたんですが、そこで私大臣にお伺いいたしたいのですが、青年産業開発隊というものに対する文部大臣の御見解を承りたい。
  93. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。文部省にはそういうのがございませんで、農林省かどこかにあつたんじやないですか……。
  94. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは文部省所管でないということは、さつきちよつと触れたのですが、全国青年大会も一つの青年運動を盛上げる一つの方途としてやられるということを承つた。青年産業開発隊というものはこれは日本の青年層を対象としたものであることは明らかである。これはやはり私は他省がやつておるんだからと言つて無関心であるべき問題でもないと思う。従つてこれにどういう御見解を持つていらつしやるか。文部大臣としての答弁を拒否されるとあれば、国務大臣として私は御答弁願いたいと思います。
  95. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。答弁を拒否したわけではございませんが、今つまり文部省予算で御質問を受けておつたような感じがしましたものですから、所管でなかつたと、こう申上げたのですが、ただ、これは農林省と建設省にあるはずでございます。それもやはり農村の青年に、これはいろいろ農業の刷新とか普及改良とかいうようなことを目途としてやつておることは伺つております。その意味におきまして、職業を通じていろいろ自分自身の人格を修練するということについては、私はいいことだとこう考えております。
  96. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長のこれに関する御見解と、更に局長は社会教育の責任局長として、青年を対象とする社会教育と私はこれは切り離しては考えられないと思う。そういう角度から答弁を願いたい。
  97. 木村守江

    木村守江君 議事進行……。ちよつと先ほどの申合せで、今日は文部大臣文部予算教育関係予算を聞くという話であつたんですね。今質問の恰好を見ていますと、文部大臣とそれから事務局と両方に聞いておりまして、こういう調子だといつまでたつても、大臣もいろいろそつちにもこつちにも用事があると思う。大臣が来なければ質問しないということになりますので、議事の進行上今日は文部大臣に対する質問をするという申合せですから、文部大臣に対する質問をするようにお運びを願いたいと思います。
  98. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行について……。木村君の御発言御尤もだと思います。併し私窮極的には、大臣にお伺いいたしたいのですが、ぽかつと大臣にお伺いいたしましても、大臣は十分把握されないところがあると思いますので、合せ局長にお伺いいたしておるわけです。その点御了承願いたい。
  99. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) この青年隊の問題でございますが、建設省に産業開発青年隊ということで千三百万円、農林省に農村建設青年隊ということで千三百二十九万円の予算がとれたということを、実は聞いたのでありますが、おつしやるように、これは青年教育の問題も含めておりますが、その目的といたしますところは、二三男対策のために、青年層に職業を与えて、農村の開発建設事業等に協力せしめると同時に、その仕事の余暇に十分教養的なことをやつて行きたいという目的で、この青年隊が計画されておるように聞いておるのであります。で、この他省と文部省との関係におきましては、非常にデリケートでございまして、文部省がそれに無関心なのはおかしいじやないかという御質問と存じますが、文部省考えといたしまして、青年教育という面からいたしますれば、農村建設の仕事を目的とした青年隊に、同時に教養を与えるという行き方でやるということについては、まあその目的が他省の事業関係する以上は、我々は申すことはないのでありますが、青年教育の面から言いますれば、或る仕事に協力をさせて勉強をさせるということでなくして、もつとフリーな立場から、むしろ青年の自主的な教養欲求の熱意から勉強をするという形で、青年学級のような形でやることが望ましい、こういうよう意味で、実は予算獲得のときにも何らの連絡もありませんし、私どものほうからも別にこれに干渉するというようなことをしなかつたのであります。併し今日それが予算化されて実施に移るというような時期におきましては、農林省並びに建設省と十分な連絡をとりまして、その農林省の仕事、建設省の仕事の目的が失われない限りにおきまして、十分青年教育の実が上りますように、相互に協力をしてやつて行く、教育内容その他についても我々のほうからも援助するし、又向うからも是非援助してもらいたいという申入れがありますので、緊密な協力のもとに、これの実施の完璧を期して行きたいということで、今日進んでおるような次第であります。
  100. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は我が国のこの青年を如何に教育指導して行くかということは、日本の再建、民主国家の再建と私は非常に関係の深い重大な問題であると思う。従つて全国青年大会或いは体育大会或いは産業青年開発隊これらのあり方というものは、大きく青年を対象とした教育立場から、私は総合的に政府としては考えなければならないと思う。その点について随分私はばらばらだと思う。具体的にお伺いいたしますが、この産業開発隊にお入りになる青年諸君を、まさかこういう人を或る所に合宿させて、六カ月なら六カ月合宿させて、そうしてその労働力だけを利用しようというようなお考えではないだろうと思う。まさか農林省、建設省にいたしましても、若しそうだとすれば、私はこれは随分問題があると思うが、そこにお入りになるところの青年層、文部大臣の意向でもあり、更に社会教育局長の意向でもあつて、最近非常に力瘤を入れました全国一万一千もある青年学級、これらについては、当初あなた方は一つの構想を持たれて、十二億円という概算要求をされておる。結末においては十億を割る予算に終始いたしましたけれども、これらとの関連性を一体どういうふうに考えておられるか、これが一つ。更にこれと関連してこれは大臣にお伺いしたいのですが、例えば産業教育の振興という立場から、産業教育振興法に基くこの予算が昨年度六億六千万円に対して、本年度九億四百万円確保された。昨年六億六千万円の大部分というものは高等学校に使われたわけですが、本年度もこの九億四百万円の中は依然として高等学校が九億一千万円で、中学関係は微々たるものでございます。これは皆さん方がそういう説明をされておるわけでございます。私は何もここで高等学校は十分だ、これは多過ぎるということを言つておるわけじやないのでございますが、私が申上げたい点は、お伺いしたい点は、六・三でこの義務教育は終るわけですね。従つて父兄として九カ年間子供を学校にやると、そうすれば卒業したときに何らか役に立つような娘、伜になつてつてもらわなければ、父兄として私は堪らんだろうと思う。その立場から考えるならば、義務教育であるところの中学校の職業教育施設というものは、決して私は等閑視してはならないんだと思います。で私の考えを以てするならば、一刻も早く高等学校と一緒に、中学校の職業教育施設を充実して、そうして六・三をやつたけれども、何にもしきらんという国民が出たんでは、一刻も早くストツプする、一年でも早くストップするというのが大事だと思う。ところがそちらのほうの予算は持つて行かないで、根源は断たないで、青年学級に、まあ必要でございましようが、十二億という予算要求するというふうなところは、私は本末顛倒しておると思う。順序が狂つておる、こういうふうに私は考えるのでございますが、これに対する文部大臣答弁並びに社会教育局長の社会教育立場から、この青年学級、産業青年開発隊、これらの関連をどういうふうにお考えになつておるか。一歩誤まれば、日本の青年教育機関というものは、全く統一のないばらばらなものになつてしまう虞れがありますので、お伺いしておるわけです。
  101. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お説至極御尤もでございますが、義務教育の過程におきましては、まあできるだけ一般的の、いわゆる義務教育をして行きまして、それから産業教育は高等学校から力を入れるよう予算の仕組でございますから、高等学校になつて、そうして初めて外に出て働くための社会に通用するいろんな専門知識ということにしたほうがいいんじやないかというよう考えでございます。と申しますことは、義務教育の中に、産業教育のことを重点的に入れますと、むしろ一般的な義務教育というもの、即ち子供を日常の生活、万般の日常の生活に自分自身の適当な判断を下すような、一般的な知識教養というものを与える機会が少くなりますから、大体におきまして、私は義務教育義務教育の本来の趣旨の教育をし、高等学校以上になりますれば、これを産業方面に行こうという人たちに対しては、産業教育を身に付けまして、そうしてまあ社会に出て直ぐ役に立つというようなことになつたほうがいいじやないかと思います。これは一つ考え方でございます。なお文部省局長のほうからも一つ御意見申上げましよう
  102. 寺中作雄

    政府委員(寺中作雄君) 私の関係の分だけのことについてお答えいたしますが、他省の関係の青年隊と、青年学級等の関係についてお話がございましたが、只今申しましたように、農林省、建設省の青年隊の構想は、産業開発、その内容は例えばダムの建設、或いは河川の建設とか、或いは農村の開発とか、そういう仕事に青年を協力させまして、そうしてその余暇に教養施設もやろうということで、その人員等は非常に僅少でありまして、建設省関係では大体五百人、それから農村建設関係のほうは六百人くらいの青年の対象の問題でございます。そういう施設も必要でないとは申さないのでありますが、むしろこの日本全国の勤労青年教育という問題になりますれば、これは非常に広範な問題でありまして、現在この十五歳から二十五歳までの青年という関係で見ますと、学徒にあらざる勤労青年は、千三百四十万おるということになるのでありますが、これが教養或いは教育ということから全然放逐された形で、而もその中で多少熱意のある者が、みずからポケット・マネーを出して、そうして青年学級というものを組織してやつておる、その涙ぐましい態度というものに対しましては、これは国家としてその真面目な熱意を一つ助けてやらなければいけないということで、実は青年学級補助の方法を考えているのでありますが、十二億という要求が非常に多過ぎるということを申されまするけれども、又実際それだけにはならなかつたのでありますが、併し学校に入つて、そうしていろいろ便宜を与えられて、勉強をしております青年という者に対しましては、政府として、或いは市町村の公費、県の公費の中から相当額の、少くとも一人当り一万円以上の教育費を、大学におきましては十七万円くらいの教育費を出しておるわけでありまして、真面目な熱意を持つておる青年の教養施設に対しましては、少くともそれに相応するだけの、その熱意に相応するだけの公費を以てこれを援助したい。八千八百万円の補助金を以ていたしまして、一人当り八十八円ということになるのでありますが、十二億が多いか少いかということは別といたしまして、いろいろこの教養施設の援助に対しましては、国として大いに力を入れて行く必要があるというふうに感じておる次第であります。
  103. 田中義男

    政府委員(田中義男君) 只今産業教育関係について、大臣からお答えいたしましたが、ちよつと私補足して申上げたいと思いますが。
  104. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長答弁の前にちよつと私申上げたいのです。今大臣から私意外なことを承つたのです。私は大臣中学校の職業施設は非常に不十分だと、予算確保しなければならんという答弁をなされるかと思つておりましたところが、中学校で余り職業指導をやるのは、一般教育が疎かになるので、だから高等学校でやりたい。裏を返えして考えますと、今の中学校をあのままやつて、そうしてあと学校教育体系から離れた今社会教育局長が力説した社会教育に即する部面の青年学級、そういうもので足らざる職業教育というものを補つて行一」うと、こういうよう文教政策を立てられておるように私は聞こえたので、これは非常に私は意外なことを承つたわけなんであります。現在の中学校には、ちやんと教科編成の基準というものがある。その教科編成の基準が行われていないところに、六・三、九カ年間も子供を学校にやつたけれども、卒業して何にも知らない。職業に対する基礎教育もできていないという父兄の不満があるわけなんです。私はそう思う。従つて私は今の大臣答弁には非常に不満なんですが、あの答弁でよろしいのかどうか、そういう立場から局長答弁一つ……。
  105. 田中義男

    政府委員(田中義男君) そういうふうなお話もございましたので、ちよつと補足して御説明いたしたいと思つたのでございますが、産業教育振興、につきましては、確かにお話のように二十七年度の予算におきましても、殆んど高等学校を中心にして、中学校は僅かでございまして、その趣旨とするところは、なるべく早い機会にその実効を上げたいと、こういうことから、勢い高等学校がその重点なつたわけでございまして、従つて中学校が非常に高等学校に比しまして軽度なものになりまして、そのことにつきましては殊に中学校方面からも非常な要望がありまして、二十八年度の予算編成に当りましても、私も二十七年度は余りに均衡を失しておりますので、もう少し中学校においてその必要を力説をいたしたのでございますが、併し一般の期待通りには参りませんでしたが、漸く昨年度、二十七年度に比しますれば約二倍半ばかりの、僅かですけれども六千九百万を頂いたわけでございます。なお義務教育としての、殊に中学校における職業科の問題については、これは御承知ようにいろいろ批判がありまして、やはり半数以上はそのまま実社会に出るのでございますから、現存の職業科の教育は非常に不十分であつて、もう少しこれは徹底して確保しなければならん、こういうふうな声が非常にありまして、従つてそれらについてはこの産業教育との関連を以ちまして、その進行については十分検討を進めておるのでございまして、これらの点につきましてはなお私どもも将来十分に努力をしなければならん領域だと考えておるのでございます。
  106. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の質問の焦点は、両局長に私はここで繩張り争いをさせようというわけでは毛頭ございません。私の質問の焦点は、今の中学校の職業教育というものをそのままにしておいて、根源を断たないで、年々変なものが出て来るわけです。根源を断たないでおいて学校教育体系と離れて、社会教育も青年学級というものを、十二億もかけてやろうというところに、私は納得できないものがある。むしろ、それも大事でございましようが、それよりも先に年々たくさんの中学校卒業生が出て来るのだから、今の中学校の職業教育施設というものを一刻も早く整えて、そうしてそういう職業教育の、職業選択の能力さえできていないよう義務教育修了者が出て来ることを一年でも早く根源を断つというところに私は政策を向けなくちやならんと思うのですが、これに対する中等教育局長の御見解如何ですか。
  107. 田中義男

    政府委員(田中義男君) それぞれの立場において十分努力をいたしておるのでございまして、決してセクト的な考えを持つてはおりません。私のほうとしてはできるだけその基礎を養いますために、十分な予算を得て、そして職業科の教育についても更に産業教育との関連におきましてその充実を図りたいと努力をいたしておるのでございます。
  108. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まあそれはその程度にとどめて、満足いたしておきましよう。善処をともかく要望いたしておきます。  次に、私は委員長要望いたしておきますが、委員長の責任において、産業宵年開発隊関係の資料を農林並びに建設当局から取寄せられて、本委員会へ配付されるよう要望いたしておきます。  それから次に岡野文部大臣にお伺いいたしますが、現在日本の高等学校の生徒、特に大学生は、大臣も巷で御覧になるように、アルバイト学生が非常に多いのです。中には血液銀行に通つておるよう学生諸君もあるわけです。勿論政府は育英資金の教育確保については、若干の考慮は払われておられます。併し国家財政のなにもありましようが、十分でないことはここで申上げるまでもありません。私大臣にお伺いいたしたい点は、日本育英会事業というものが行われておるわけなんでございます。これは秀才教育重点とさるべきであるか、それとも学資下足のために就学の困難な学生を救うという方面に重点を置かるべきであるか。いずれを大臣考えになつていらつしやるか答弁頂きたいと思います。
  109. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。私は国の財政が許せば、今のような学生のアルバイトというものは全部やめさして、そうして安心して学資を給与して学問をして行つてもらいたいと考えます。併しながら御承知通りに、文部行政ばかりでなくいろいろだくさん費用が要りますと同時に、国民の納税力もほぼ限界に達しておるような感じでございますから、そこに一つの財政的な制約を受けますので、そういう理想を実現するわけには参りません。そこでどうしても全部の人に学資を支給して行くということは事実上不可能でございます。そこでまあ今のところでは成績の優秀な人とか又将来学校の職員に専念して頂けるような人をまあ取上げまして、そうしてそういうような人に優先的に廻して行つておるというのが実情でございます。でございますから私自身といたしましては、無論社一会の産業が大きな眼から見まして繁栄して行き、同時にどこの家庭でも十分なる学問ができるような生活の安定をさせるという政治の大きな目標を達成することが一番大事なことでございます。併しそれができません間におきましては、やはり給付をして行かなければなりません。その給付をしますにつきましても、先ほど申しましたように十分なることはできませんから、まあ秀才、学問もでき、体も丈夫だというような人に優先的に与えて行くと、こういうような現在制度になつておるのでございます。
  110. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは少しここでは適当でないかと思いますが、古出内閣のやつておることは、社会保障的な政策面が非常に薄いと思うのです。この育英事業につきましても、私はもう少し教育の機会均等、社会保障政策を布くんだというよう考えの下に、私はこれを拡充強化すべきものじやないか。社会保障政策に関連あるよう予算としては、全予算の、二十八年度の予算書によると、七%程度しか組まれていないようですが、この点まあここで論ずるのは適当でないかと存じますが、私は納得のできかねるところでございます。でこれに関して以下質問の形に現われて参りますが、高等学校の生徒に従来一人五百円貸与しておつたのをこれは七百円にした、大学の生徒千九百円だつたのが月に二千円にした、併しこの五百円とか千九百円は、大臣もお聞きになつておると思いますが、これは二十三年度の十月のベースなんですね。国立学校にしても授業料は倍以上になつておる。交通費、通信費なんか皆上つておるわけなんです。この五百円、千九百円を算出した基礎というものは、当時学生の生活を保障する、気の毒な学生の学生生活を保障するという立場から或る程度科学的に納得できるように算出された数字なんです。当然スライドさせなければならんわけですね。それが今まで放置され、今度僅かにそれぞれ二百円上つた補助の対象の学生は絶えずその拡充を要望されながら、高等学校三%、大学四%、小学校六〇%というその支給率は動いていない。これは私はまあここでは論じませんが、教育の振興或いは義務教育全額国庫負担という臭いがちよつぴり出る政策あたりと併せ考えるときに、非常に私はびつこになつておると思うのです。これに対する所見をお伺いしたいのが一つと、それから更にお伺いしたい点は、昨年国会において私立学校振興会法が成立したわけであります。当時不十分な予算が、本年度は大臣もお骨折りになつたでしよう、十億一千万円というものが認められた。この金は学校施設費に用いられると同時に、私立学校はその経営を授業料に依存しておる度合が非常に大きい。授業料を上げるのにもこれは限度があるから、運営費のほうにも使うということでこれは発足して、そうして昨年度現金は二億六千万円ですか、今年度十億予算を取つた。ところが学生諸君には殆んど幸いすることなく、私立学校の授業料は更に本年度大幅に増額されておるわけなのですね。これは私立学校振興会法の立法当時の我々の考え方と若干齟齬しておると思うのです。経営者だけ助かつて、そうして学徒は何ら恵まれないというような形になつておると思うのですが、これに対して大臣はどういう所見を持たれておられるか、先ずこの二点をお尋ねしたい。
  111. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 育英会のことも成るほど物価の値上りとか何とか申しますというと、それに応じているかいないかわかりませんけれども、とにかく率を少し上げ、又人の数も少し増した、これが実は私の精一ぱいの努力であつたわけであります。それから私学振興会のこともこれはもう今まで通りでこれは十億なんというものは初めから受付けてくれなかつたわけでございますが、何とかして出して頂くことになつたわけです。それで私学振興会のほうへ出しました金が何ら学生の役に立たなくなつたのではないかという仰せは誠にその通りでございまして、恐らく授業料が上つたために学生はむしろ負担が殖えたのじやないかと考えられる節もあるのであります。併しこれもやはり予算のなかなか取りにくい点でございまして、今たくさんの私学がありますが、それを授業料を上げずに、又安くしてそうして学生の負担を軽くして、又経営も施設も十分になつて行くというほどにはやはり金が足りませんから、そういうところまで行かなかつた。ただ問題は私学といたしまして、私の考えでは若し国立でこの私学を経営しておりましたならば、相当な金が要る。而もそれを私学でやつて下すつておるのだから、その私学が設備とか何とかで困つておるというものを国家が面倒見ないのはこれはよろしくない。で私学振興会法ができた次第でございますから、毎年何とか相当なできるだけの金額は補助して行つたらいいじやないかという意味で今年十億くらい取つたわけでありまして、学生の立場から考えますれば、私は同情する点がたくさんあると思いますけれども、併し大きな眼から見まして、大きな財政的措置からいたしまして、これ以上は二十八年度ではできなかつたという結果になつております。
  112. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長の御答弁願えますか。
  113. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 御承知ように本年度の私学振興会の出資金は十億でございます。昨年二億六千万円、それに三十六年度からの繰越が一億三千万円ございまして、昨年は三億九千万円の金が主として短期の経営資金に充当されたのでございます。本年の十億は主として学校施設に充当するということに予算の決定がなつております。本年の計画といたしましては十億を学校施設の拡充に充当いたしまして、前年度の三億九千万円これは短期の貸付をいたしましたので、これが二十八年度中に返つて参りますので、これを以て学校の経営の短期の資金に充当いたしたい、かよう考えております。
  114. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなた方のベースも上つた、私立学校勤務者の諸君のベースも上つた、私立学校振興会というものができて経営者にはともかく十億ばかりの金が渡る、学生のほうは授業料が上つて来る、これじや学生はちよつと納得できんと思うのですね。まあ二十三年の十月の五百円或いは千九百円がスライド・アツプされれば、これは納得できるでしようが、私は納得できないところがあると思う。その一点から考えれば、二十三年十月頃の教育の機会均等ということを具現しよう考えたその気持と現在とはよほど退却しているというように言わざるを得ないわけです。私立学校振興会法はできた、国庫からの補助、或いは貸付をするとなれば、私は大臣にお伺いいたしたいのですが、或いは授業料の値上げ、或いは入学時におけるところの寄附金の半強制的な取立、これらについては何らかの発言権は認められるのですか、認められないのですか、如何ですか。
  115. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 私ちよつと詳しいことを存じませんけれども、授業料の値上げをしちやいけないとか何とかいうことを文部省としては言えないのではないかと思います。これは一つ専門家から御答弁させます。
  116. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 私立学校の授業料の値上げにつきましては、只今文部省といたしましてはこれに対して指示をする権限はございません。ただ文部大臣といたしましては私立学校を経営いたします学校法人の経理内容につきまして予算決算を見るという限度でございます。
  117. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 半強制的な入学時におけるところの寄附金について如何ですか。税務署は関係ございましようが、文部省としては……。
  118. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 御承知よう只今私学の入学の場合に、学校の建設寄附金というものを、入学願書を出すと同時にさような趣旨を了解させておるようでございますが、それにつきましては私学それぞれ学校の経営ということを考えまして、その必要からさような措置をとつておるものと考えますが、これにつきまして文部当局といたしまして何らか指示をするということには簡単に行かないのではないかということに考えます。又それが非常な弊害がございまして、社会的な問題を起すというようなことになりますれば、これは何らか措置を、法規上ないにしても何らかの措置を講じなければならないかとも考えますが、只今のところはそれに対しまして積極的に措置をするということにはなつておりません。
  119. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは弊害がないこともない、弊害のある程度にもう数年前からなつておると思う。半公然と相当多額の寄附を取られているわけなんです。私立学校振興会法がかかつた場合には、やはり学校の運営費も対象になるのだということで、まあ私たちも寄附金強要というものが少しでも少なくなれば、私立学校学生諸君が助かるからというような気持もあの法案審議の過程に我々の気持に作用したのですが、大臣今丁度入学期ですが、これについてどういうふうにお考えになられますか。なお局長のさつきの言葉ですね、それは弊害があるとすれば、何らかの措置を云々ということはどういうことを予想されておるのですか。先ず大臣答弁を……。
  120. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) まあ私は文部省といたしまして、私立学校に対してどういうよう関係になつているかということから考えますというと、これに対して何らのことをすることのできない立場におります。けれどもお説のように入学金というものを非常に高く取りまして、そうして入学を許しておるということは、これはやはり私立学校の経営が非常に困難であるから、せめて入学できるような人は、又落第して入れない人がたくさんあるのですから、その特権料とでも申しますか、そういう意味で取つているのだろうと思いますが、併しこれは一般社会経済から見まして、入学料を法外にたくさん取るとかということは、何か学問の神聖を壊すような、感じがいたしますので、私個人の考えといたしましては、これは面白くないことだと、こう考えております。それじやさてどうしたらいいかと申しますと、やはりこれもその学校の経営の基礎というものからこれは十分検討しなければならんと思います。その辺のことは政府委員から、一つ又いい名案でもあれば御答弁させます。
  121. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 只今のところでは、私学の法外な授業料以外の寄附金というものを取締る権限はございませんが、これが若し非常な弊害がありますれば、なおよく実情を調べまして、適当措置するように研究いたしたいと、かよう考えております。
  122. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は強く要望しておきたい点は、とにかく法律ができて十億に余る国費というものがそちらに差向けられるわけですから、これが学生諸君に直接に何らか恩恵として現われるように、私立学校振興会の運営をやつてもらいたい。立法当時の学校運営の云々ということは、そういうことを意味しておつたと思うのです。更に施設にいたしましても入学時施設充実のためにということで以て寄附金を取る。その寄附金を取ることに対する一つの手助けにもなるであろうというよう立場において、あの法律というものは通過いたしておるわけなんですから、国庫から出されるところの十億に余る金が、学生の恩恵と無関係立場において運営されるようなことがあつてはならないと思いますので、この点は十分強く要望いたしておきます。  なお、文部省に資料として要望いたしておきますが、全国の高等学校、これが昭和二十八年度からどの程度授業料を値上げするように決定されたか、その一覧表。それから各私立大学はどの程度の授業料の引上げをやつたか。それからなおどの程度入学のための寄附金というものが行われているかという資料を整えて本委員会に提出して頂きたいということを要望いたしておきます。高等学校の授業料の値上げについては、これは義務教育学校職員法案と関連性がございますので、その法案を論ずる場合に財政的な立場から更に質疑をいたしたいと思いまするので、この際は割愛いたしておきます。  育英費の問題が出たわけでありますが、五百円或いは千九百円を、七百円更に大学は二千円、こういうふうに引上げられたのでございますけれども、授業料の引上げその他あたりと考え、現在の学生の実態から総合的に考えた、場合に極めて不当な金額であつて、これによつて心身共に健全で教育の機会に貧しきが故に恵まれないところの子弟を、教育機会均等の立場から救済するのだというようなことは、私はおくびにも出せないと思います。従つてこれらの問題については大野文部大臣当時から文部当局においては随分と善処されて参つたようでございますけれども、未だに解決しない点を不満に思うと同時に、今後更に善処して頂きたいと思います。  あと一、二点で質問を終りたいと思いますが、先ずお伺いしておきたい点は、大臣は大学の再編成というものをどういうふうにお考えになつておられるかということなんです。文部事務当局としては、いわゆる七十二の名ばかりの大学、これを一応ともかく大学らしきものにするために当初四十八億、その後若干数字を訂正されて五十三億を要求されたと思うのでございますが、最終予算化されたものは一十億一千万となつております。これは私は六・三・三・四の最後の仕上げを行う大学教育を重視する立場から非常に遺憾に考えるわけなんですが、そういう占大臣はどういうふうにお考えになつておられるか。大学問題について先ず伺いたいと思います。
  123. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申し上げます。大学の再編成とか充実とかということは、これは相当力を入れなければならんと思いますが、併し先ほども申上げましたように、予算的措置として十分なことができませんでした。今後なお引続き将来に向つて予算措置をしてやつて行きたいと、こう考えております。
  124. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学再編成についてはどういう意向を持つていらつしやるのですか。
  125. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) ちよつと伺いますが、再編ということにつきましてはどういう考え……。大学の再編は今学校設置法とか設置審議会なんていうものによつて答申が出ておりまして、その方向に向つてつておるものと私は心得ております。若し間違つておりましたら政府委員からお答え申上げます。
  126. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 大学の整備につきましては、学術を重んずるところの、即ち大学院を置く大学と、それから専門教育重点を置く大学、教員養成を主とする大学、こういうふうに大きく三つの範疇に分けまして、それぞれ特色のある大学にして行きたい、かよう考えます。
  127. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それを一応肯定してお伺いしますが、そうなりますと、一つの総合大学で曾ての師範学校が昇格して教育学部となつている。併しこの教育学部というのは教育養成だけやつているわけですが、そういう大学は切離されることになる、こういうふうに了承していいわけですか。
  128. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 教員養成を主とする大学の中には当然学部も含まれますから、学部を切離すという意味ではないのであります。で、教員養成をしておるところの、単独に教員養成のみをしている大学は勿論あります。一般に総合された大学から切離さなくても、教員養成の部門を重視する、こういう意味でございます。
  129. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 新聞にも出ておりましたが、学問を主とする大学は旧制の総合十二大学に限る。そうすると昔の例えば百医科大学、単科大学ですね、ああいうものはどういうふうになつているわけですか。それらも又大学院の設置との関連があると思いますが、その点を伺いたいと思います。
  130. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 専門教育を主とする大学の中に入つております。
  131. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうなると、そういう大学には大学院というのは将来設けられないと、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
  132. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 医学部につきましては、将来どうするかということは特に考えなければならんと思つておりますが、今年度は取りあえず旧制の大学に大学院を置くことにいたしたのですが、将来医学部をどうするかという問題は、医学教育上非常に問題がありますので、今後十分研究して参りたいと考えております。
  133. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはまだ最終決定してないかと思いますが、大学院を置くか置かんかということは、博士号を授与できるかどうかということと関連して参ると思いまするので、これは私はかなり重大な問題だと、こういうふうに考えます。今日は予算のことをやつておりますので、大学の三種類の区分については余り突つ込んでお伺いいたしませんが、お伺いいたしたい点は、私立大学の経営困難というのも、これは設置基準というものを無視して、極めて甘く大学らしからんものに設置認可したという私は一つの原因もあると思うのです。更に七十もの国立大学を作つて、これをどういうふうに育てて行くかという点について苦慮しておる。その苦慮した一つの現われが、只今政府委員答弁として現われて来る。これは六・三・三制が発足した当時の考え方とは、相当私はずれて来ておると思うのです。ところが年々歳々新らしい大学と学部というのは殖えて来るのです。これは日本の産業構造、受入態勢等も考えて、大学、学部、学科というものを私は総合的に計画立案しなければならん問題じやないかと思うのです。今国立大学の設置法の一部改正というのが出ておりますが、これにおいても学部が六つ殆えます。それからこれは非常に結構ですが、短期大学は五つ殖える。学科の増設は十ある。それからこれも結構ですが、特別教・科教員養成の学部ですか、これが五つ殖える。こういうふうに年々歳々殖えて行つておるわけなんですね。よく産業とマッチするとか何とか言われますが、どういう計画の下にやられているのかという点を私は疑わざるを得ない。昨年神戸の商船大学ができる場合に、大学は政治的な立場において作られることが云々と、まあ政治的な立場においてできたかできんかということはここでは論じないとして、そういう立場において随分論ぜられたのですが、今ある大学を五十三億をかけて最低の施設ができるというのを、二十億一千万円に予算は打切つている。まあ保安庁経費のことを引つ張り出すわけじやないのですが、三百三十億出ておりますね。保安庁の新営費もできている。或いは保安人学の予算もたつぷり取れているわけなんです。これらを併せ考えるときに、一体日本の大学をどういうふうに育てて行こうとされておるのか。まあ一言言つて大学の再編成というものをどういうふうにお考えになつていらつしやるのかということを私は大臣にお伺いせざるを得ないのであります。改めてそういう角度から御答弁頂きたいと思います。
  134. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 大学の再編成につきましては、これは大きな問題でございまして、無論お説のように充実して行かなければならん一面、又学部を増設するとか何とかいうことはありますが、これも一つの過渡期でございまして、将来は先ほど政府委員から申上げましたような三種類の大学に整備して行かなければならんと、こう考えておりますが、これは予算とも関係がありますから、十分検討しながら明年以後のことも成案を得たいと思つております。
  135. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 国立大学の整備でございますが、これは私のほうの整備関係から申上げますと、大学を三種類に分けまして、学問を重視する大学とか、職業課程を重視する大学とかというふうに分ける問題は別にいたしまして、とにかく現在の大学を整備するためには今後どれだけ経費がかかるか、どれだけの坪数が要るかという見地から全体計画を立てまして、それによりますと、将来只今の大学が整備されるためには約九十万坪を建築しなければならんということになるわけでございます。この九十万坪を第三次計画に分けまして、そのうち第一次計画といたしまして、昭和二十八年から昭和三十年までにそのうち二十四万坪を整備するという計画でございます。この第一次計画の二十四万坪の計画のうち、昭和二十八年度は第一年度といたしましてこの三分の一、つまり八万坪を昭和二十八年度は是非必要だという見地から予算要求をいたしたのでございます。併しながら、我々の努力が足りません結果、実際に査定されました坪数は三万四千坪でございます。要求額の四二%にとどまつたわけでございます。甚だ遺憾でございましたが、ともかく三万四千坪ということに相成つたわけでございます。従いまして、この計画がまあずれるということになりましたことは、甚だ遺憾でございますが、ともかく昭和二十八年度といたしましては、三万四千坪を重点的に配分いたしまして、目下その配分基準につきましては私のほうで作成中でございますが、先ずその配分の基準といたしましては、やはり何と申しましても大学が戦災に会つておりますので、この戦災学校を第一義的に取上げまして、これを充実するということにもつて行きたいと考えております。そのほか、いわゆる蛸の足と申しますか、各地区に散在しております校舎を一カ所にまとめまして総合的にするという考え方、或いは国立学校の中の老朽のものを建築するという考え方、そういつたことで折魚只今その配分基準につきまして検討を進めております。
  136. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政治家というものは、橋を架けたり、トンネルを開けたり、或いは建物を建てる等、視覚に訴えられるものをやる傾向があるということは、天下周知の事柄なんです。で、教育の問題においても、それは大学を新たに作りたい、学部を新らしく作りたい、これは私は相当そういう気持が動くだろうと思う。神戸の商船大学にしても、そういう気持が相当動いたということを絶対に否定するということも私はできないと思います。だから、その当時予算関係において論議されたわけなんです。ところが、大学の今の設備の状況が極めて不十分なものであつて、苦肉の策として皆さんがたは、学問を主とするもの、或いは教員養成、或いは職業教育というようなことで糊塗しようとされておる。そうして、今の何カ年計画かの局長説明を聞くと、随分下廻つた整備計画の、而も僅か四割程度しか認められない、こういう実情であるのに、年々歳々こういうふうに学部、学科というものが大量に増加されて行く。一体これでいつになつたら整備できるのですか。そうして、その卒業した学生を日本の現代の産業構造下において、機構下において、吸収できるのですか、できないのですか。そういうものと併せ考え、私は大学にしても学部にしても学科にしても生み落さなくてはならないと思います。私はその文教政策の根本の打出し方というものは極めて重大だと思うのですが、大臣どういうふうにお考えになられますか。大臣答弁を頂いて、次に当面の責任者である大学学術局長答弁要求いたします。
  137. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 実は本年度の卒業生が十三万四千おりまして、そしてこれが就職に非常に困つておるということを聞きまして、私自身としては、大学まで卒業させたが就職できんようでは困るということで、随分苦労をしておる次第でございます。そこで今お説のように、お説を若し御推察申上げるならば、売れもしない人材をたくさん出して、不経済じやないか、もう少し何とか考えたらいいじやないかというようにも受取れますが、併し私といたしましては、只今のところでは成るほど大学卒業生が十分就職口がなくて困つておる、気の毒だ、こういう感じがしますけれども、併し文化国家といたしまして、平和な又文化の高い個性豊かな人間を作つて行くという新憲法の精神から申しますれば、向学心に燃える青年はできるだけ学問をさしてやつて、そして向学熱というものを満足さしてやる。又その結果といたしましては教養の高い国民がたくさんできて行くということが私はいいことだと思います。(「そういうことを私は否定しておりませんよ」と呼ぶ者あり)でありますから、その意味におきまして、只今段階におきましては就職でお困りのかたがありますけれども、何とかそれは、学校ばかりの問題じやなくて、社会一般のいろんなことを是正しまして、できるだけ就職ができるような方向に努力しながら、やはり学問をしたい子弟には学問をさしてやりたいというのが私の個人の考えでございます。
  138. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はそういう点をお伺いしているのではないのです。文化国家であつて教育できるのならば一人でも多くより高い教育を与えて、そして国民の教養水準を高めるということは勿論のことです。問題は、この予算面から見るように、一体正常な教育を与えるだけの予算ができるかできないかということです。現存あるのさえこれでしよう。いつ一体これらを整備できるところの年次計画を持つておられるのかどうか。学生は入学を許可すれば、それは喜びましよう。併しながら十分な教育を与えられなかつたら、却つて禍いを残して行くではございませんか、その点を私はお伺いしておるのです。
  139. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 急にその整備計画が充実して行くとは考えませんけれども、一応案を立ててやつておる次第だと思います。政府委員から御答弁申上げます。
  140. 近藤直人

    政府委員近藤直人君) 私先ほど第一次計画だけを申上げましたが、第二次計画は三十一年から三十三年です。
  141. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 結構です。そんな夢物語は結構です。第一次計画の一割もなしきらんようなことで、第二次計画の三年も五年もの夢物語はよしてもらいたい。ともかく国家百年の大計をなす最も計画的でなければならない文教政策が、私は計画性に乏しいということを指摘せざるを得ません。質問でございますから、それはそこにとどめて、最後の質問をいたします。  それは、現在中学校には夜間中学というものは認められてないのですが、若干自然発生的にできております。高等学校ちやんと学校教育法によつて定時制高等学校なり夜間の高等学校というものが認められております。大学には夜間学校というのが認められております。昼間は昼間で最高学府に連なるところのコース、或いは勤労青年の余暇を割き、夜間において教育を受けるところのコースはコースで最高に続いておる。いわゆる袋小路になつていない。こういう教育体系というものは、戦後打立てられた教育体系であつて、私は誠に結構だと思うのでございますが、お伺いいたしたい点は、大臣はこれらの定時制高等学校、或いは夜間大学、夜間学部、こういうものの育成に如何なる熱情を持つていらつしやるかということをお伺いするのと、それから各県に夜間大学をどの程度設けられるところの計画の下に現在進めておられるかということ、と申しますのは、当初夜間学部は、全国僅かながらも四校発足し、昨年更に新設され、本年度五校が短期大学としてここに予算化されておるわけでございますが、これは私は現在の定時制高等学校の実態からいつて非常に不十分だと思うのです。これらのまあいわば勤労青年層といいますか、そういう人の教育機関についての考え方を持つていらつしやいましようし、又計画的なものを持たれて、その立場から私は提案されて参つておられると存じますので、その点を伺いたいと思います。
  142. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 昼間学校へ行けなくて、而も学問をもつとしたいというような身体の丈夫な頭のいいというような人がたくさんあるでしようから、そういう人の要望を容れるためには、やはり夜間の学校の、まあ定時制とか何とかというようなことも拡張して行くべき筋合いだと私は考えております。
  143. 田中義男

    政府委員(田中義男君) 定時制高校につきましては、文部省としても相当その充実のための計画を立てまして、二十八年度におきましても実は相当多額の予算要求をもいたしたのでございますが、ただその中心が給与費に対する国庫負担でございました関係で、この問題は平衡交付金等の関連もありますので、簡単な解決を得ませんで、結局僅かでございましたけれども独立分校に対する理科設備の充実のための補助費を一千万円得たというにとどまりました。併し、勤労青年に対する定時制高校の教育の振興については一般の輿論も非常にこれを唱道いたしておりますので、私どもとしてもできるだけその振興のための法制化にも努力をしまして、その実現を期したいと考えておるのでございます。  なお、夜間中学のお話もございましたが、これは御承知のやうに、誠に自然発生的にできておるのでございます。事情は誠に止むを得ないとは考えながら、併し何分にも義務教育ではあり、又他面労働基準法その他との関係もございまして、なかなかはつきりと割り切れない困難な事情がございますので、十分慎重な考慮の下に解決をいたしたいと考えておる次第でございます。  なお夜間大学の問題については、大学学術局のほうから答弁を願いたいと思います。
  144. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 夜間大学につきましては、地方の実情、それから学校の種別、分布状況等を考慮いたしまして、計画を立てておる次第であります。
  145. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いや、一県にどの程度夜間の短期大学を設けるという計画だという立場で進められておるかということ、こういうことです。例えば昼間でいえば一県一大学とか、或いは一県二大学という方針を持たれておるわけですが、その点を伺つておるわけなんです。
  146. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 夜間の学部につきましては、いろいろな藩がございまして、昼間のようなわけには参りませんので、やはりその土地々々の状況によつて夜間の志望者が非常に多いというところと、同時に全国的な分布状況も見なければなりませんので、今お話のような、昼間に一校を置いたから、夜間も一校置くというわけには参らんと思います。
  147. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣にお伺いいたしますが、夜間の大学は今後も充実、或いは増設して行く、そうすることによつて定時制高等学校を終えた学生の諸君が、大学の教育の機会に恵まれるようにする、教育の、機会均等を具現して行くのだと、こういうふうにさつきの大臣の御答弁を了承してよろしうございます。
  148. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答えいたします。そういう理想で進んで参りたいと思います。
  149. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう理想を持つていらつしやるのなら、御努力要望いたしておきます。  私はここで資料を要求いたしておきますが、官立、公立、私立を問わずですね、夜間の大学の分布状況が現実にどうなつておるか、資料を頂きたいと思います。  次にこれと同じ問題でございますが、質問申上げますが、現在の定時制高等学校は躍進の過程にあるか、衰退過程にあるか、いずれと文部当局は把握されておられますか、お伺いしたいと思います。
  150. 田中義男

    政府委員(田中義男君) 躍進というほどの進み方はいたしておるとは認めませんけれども、徐々に就学率から申しましても、ともかく進んでおると認めております。
  151. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 資料をちよつと出して頂きましよう
  152. 田中義男

    政府委員(田中義男君) わかりました。
  153. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は終戦後の教育の機会均等と、それから勤労青年の教育に対する積極的な国民の意欲によつて学校、本校、分校、その数並びに生徒数の面においても非常によいスタートを切つた定時制高等学校が、その後の無理解といいますか、運営の悪さ等もありましよう。財政的な不如意もあずかつて、むしろ私は衰退の傾向にあるのではないかという点を、私は部分的でございますが、懸念いたしておるものでございます。従つて資料によつてはつきりと確信いたしたいと思いますので、資料を要求いたしておきます。  もう二、三点で終りますが、大臣は病気をしてまで夜間大学に行く必要はないじやないか、こういうことを大臣が発言されたということを、私は或る紙上で拝見したのでございますが、そういう……、まあ新聞というのは、しやべりもしないことも書くこともあるのですが、これは相当に勤労青年の諸君に衝撃を与えておるようでございますが、その真偽のほどをお伺いしたいと思います。
  154. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 先ほども申上げましたが、若い青年が勤労の意欲と同時に向学の意欲に燃えて、そうして夜間大学でも定時制の高校でも行きたい、こういうことを考えておる。その衷情は我々、親であり、じいさんである連中は十分諒として、そういう人の要望をかなえてやらなければならない。ただ人の親の心としてどう考えるかということを、私は真情を吐露するのですが、若し私の子供が身体が弱いのだ、身体が弱いけれども、学問がしたくてしようがない。併し私が貧乏でございまして、とにかく十分学費をやつて、その子供が楽々と学問をして行ける、それで健康に何らの影響を与えないという場合なら、その学問をしておる子供に、ああ行きなさいと言つてやりますけれども、併し親として一番大事なことは、本人、子供の健康でございます。子供が健康であつて、そして幸福で長生きができるかどうかということを一番私は考えるのが親の人情だと思います。私はその親の人情の立場から考えまして、成るほど隣りの人は夜間大学に行つている。わしのところも夜間大学に行かなければならないと、こう思いましても、夜間大学へ行つて、昼は一生懸命勤めて、そして晩又一生懸命学問をすると、当然健康を害してしまうというような人には、私は大局的立場から見ましては、そういう人は、やはり勤労をやめて専心学問をするか、若しくは勤労をして学問をやめるか、こういうことのほうが親の情としては当然だと思います。それで、私が一番心配しますことは、私そういう体験を持つているのです。と申しますことは、日本銀行に、元は高等小学、当時の高等小学を卒業した者を見習として採りました。これは非常に優秀で、而も健康な人間を採用したのです。そして初めは給仕をさせておきまして、そうして夜学に通わせまして、それで比較的知識を得ましたならば、それを試験をして書記補にし、書記にして累進して行くことに、まあ制度があつたのでございます。私が入りましたのは大正四、五年頃でありましたが、その当時に優秀なる身体の丈夫な人が入つたのでございますが、多くのパーセンテージの人は、皆身体を壊して肺病になつちやつて、成るほどその中には非常な優秀な人が多い。大学を卒業して入つた人間を押し除けて、そうして自分自身でロンドンまでやつて頂いたような人もおりますけれども、これは寥々たるものでございまして、たつた一人しかございません。大部分の人は全部健康を害して…、全部とは申しませんが、大体において健康を害しております。それでその制度をやめたのです。そういうこともございますから、先ず子供の向学心には、これはもう親としても、じいさんとしても、同情すべき、衷情忍びがたきものがございます。併しながら本当の落ちるところはどこかと申しますれば、私は親の心としては、まあまあ学問はできなくてもよろしい、長生きしてくれたほうがよろしいと思うのが本当の人情だろうと、こう考えまして、まあ夜学にでも行かれるならば、その夜学へ行かれる人は、その会社、若しくは個人の商店でもよろしうございますが、勤めていて、又その人が知識体験を得てくれるということは、その会社、主人の将来役に立つのですから、そういうような青年を使つておりますならば、夜学に行けたならば、日に一時間か、二時間くらいは勤務を免除してやつて、それからできるならば、少しは小遣もやつてくれ、そして夜学へ行く連中はそれを以て身体もセーヴし、小遣もセーヴして、助けにして行く、そうしてまあやつて行ける、こういう制度が理想的のあり方じやないかというような、こういうような趣意のことを私は話したことがございます。今もやはりまあ私の親の心としましては、そういう感じを持つております。
  155. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 当人の岡野文相から、親心という立場から私は承わつて安心したのでございますが、世間では大臣の発言を、昼間偏重で、夜間教育系統というものを軽視すると、抹殺するという方向に岡野文政は行くのではないか、こういう誤解を与えて、勤労青年諸君に非常に衝撃を与えたわけですが、只今まあ大臣説明を承わつて、私安心いたしたわけであります。私も岡野文部大臣としては、そういうお考えであつただろうとは推察をいたしておりました。併し私ここで大臣にお伺いいたしたい点は、大臣も最後の段階においてちよつと触れられましたが、皆結局彼らによりよい教育環境を整えてやるというところに私は尽きると思うのです。具体的に言えば、使用者が、本人が行く場合に、労働基準法を守つて、勤労時間というものをはつきり守つて、時間が来たならば学校にやつてやるとか、或いは経営者のほうで、或いは授業料も多額にならないようにするとか、更には学校教育者が健康管理に留意してやる、こういうような相互的な教育環境というものを整えてやることにおいて、私は決して成立たない問題でもないと思います。現に夜間の学校を出た学生は最も健康で、堅実で、会社で使つては非常に能率が上るというようなことを私どもは経営者側から承わつておるわけですが、大臣にお伺いいたしたい点は、そういう勤労青年の諸君に教育環境を整えて行くことに努力すること、そういう方向に進めることに、大臣としては教育の機会均等という立場から賛成なのであつて、何もそういう夜間の学校というものを自分は抑えて、昼間一辺倒で行くという考え方を持つているのではない、こういうよう大臣の御答弁を了承してよろしいわけですか。
  156. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。その通りでございます。
  157. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の質問長くなりましたので、お聞きになる堀越先生や、山本先生、非常にお疲れのことでございますので、最後の質問をして、私はこれで一応打切りたいと思いますが、それは大臣は、この勤労青年の教育を尊重されるということを一応答弁されますけれども、やはり一抹の不安はあるわけなんです。で具体的な、私はここで定時制の高等学校を引張り出しますが、定時制が果して躍進の過程にあるか、衰退の過程にあるかということは、やがて提出されるでありましよう文部当局の資料によつて判断いたしますが、先般の本文部委員会でもちよつと話が出た問題でございますが、又本日の政府委員答弁でも出て参りました。それは定時制高等学校教育を振興させるために、現在平衡交付金の中に入つている予算を、義務教育学校と同様にこれから分離して、そうして定時制高等研学校のほうの振興を期したい。というのは、定時制高等学校というのはこの前身でありましたところの……、それが当を得ていたか得ていなかつたかともかくとして青年学校、これと同様に、殆んど義務制に準じて取扱われて来た。従つて人件費についても四割の補助というものがされておつた。これは法的な根拠もあつたわけです。従つてこのたび義務教育学校関係費が、平衡交付金から彼此流用できないようにこれが抜き出されるとするならば、定時制高等学校の費用も抜き出してやりたいというので、文部事務当局としては二十四億三千万円というものを要求された。ところがあの自治庁の反対になつた大きな問題であつた義務教育学校関係で、九百二十億を平衡交付金千七百一十億から引抜くことに成功した。これはまあ岡野文部大臣としては私は得意なところであろうと考えたのですが、にもかかわらずですね、現在依然として生きているところの定時制高等学校補助の法律があるにもかかわらずですね、遂にこれが平衡交付金から抜き出すことができずに、僅かに設備の充実、それからこれはまあ滑稽でございますが、どういうふうにきめられるか知りませんが、全国に三教室、モデル教室を作ると、これはまあいつか茶話にでも聞きたいと思いますが、ここで聞くのには余りにもおかしい話でございますが、合わせて千百五十万円が予算化されただけであつて事務当局の定時制高等学校教育の振興に対するところの考え方というものは全然通らなかつた。これは私この質問の冒頭にですね、誠に失礼でございますが、岡野文部大臣義務教育学校義務教育学校職員法案、この法律に一辺倒になつて、それにすべてを大臣は投入されて、他の方面は全く半面は閑却されておる。そういう憾みがあるということを私は冒頭に申上げたのですが、この定時制高等学校の場合にも、そういう教育は振興させたいと大臣答弁されながらも、こういう問題があるわけなんですが、これをどういうふうにお考えになるのか、なお義務教育のあれが抜かれて、事務当局が、強く要望したにかかわらず、これが僅かの金が抜き得なかつた。而もこれは義務教育に準じて取扱われておる、多年に亘つて。而も根拠法律がある、人件費四割補助というのは……。にもかかわらずできなかつたという点ですね。それらの経過についても私は大臣の見解を承わりたいと思います。
  158. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 義務教育関係一つ浮び上りましたものですから、そういうようなお叱りをこうむると存じますけれども、一体といたしまして、実は文部省予算がいつも通りにくいことは事実でございまして、これに対して随分努力をし、又事務当局のほうも努力をしたのでありますけれども、定時制高等学校の問題はそういうふうになつてつたのであります。義務教育のほうに没頭したためにそのほうが閑却されたのではなくて、それはすでにもう大体きまつてしまつたあとに、義務教育の問題に移つたわけでございますから、両方関連下さいましてお考え下されたい。私どもとして実は甚だ心外なのでございますけれども、先ほどもちよつと申上げましたように、十分なる文部省予算よう取らなかつたということだけは、私は遺憾に存じておるわけでございます。
  159. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私のお伺いしておる点は、要するに一貫していないということなんです。一貫していないという点を私は質さんとしているわけでございます。  以下は意見になりますので、又他日もございますし、今日は誠に長くなつて、ほかの委員諸君にもお気の毒でございまする故、一応質問を打切つておきます。
  160. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) さつき大学附属研究所の予算について局長がいないので保留しておつたのでございますが、今内藤局長がおりますから……。
  161. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 はあ、答弁だけお願いします。
  162. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 研究所の研究費の点のお尋ねがあつたのでございますが、これは前年度の実行予算の一割増で組んでございますので、金額にいたしまして約五千万円ほどの増額になつております。そこでこの研究費で十分従来の研究が維持できるかと、こういうお尋ねでございますが、私どもとしては不十分ではありますが、この金額で何とかやつて行けるという気持でおります。
  163. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今の答弁に関連してですが、まあそれはあなたとしてはこれで現状維持はできないと思うなんと、いうよう答弁は、大臣を前にしてなされないと思うのですが、こういう何ですか、予算については、学術会議方面の意向も聞かれるのでございますか。なお又これらの予算について日本学術会議あたりは何らかの意思表示をなさつておられるのですか。その点も伺いたい。
  164. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) これは国立学校経費と同じように、研究所の経常費でございますので……。
  165. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 科学研究費のほうも含んでお尋ねしたいんです。
  166. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) ああそうですが。科学研究費のほうにつきましては学術会議のほうから十四億の予算の意見が出ております。併し国立学校及び研究所の経営費の分につきましては具体的な数字は出ていないわけであります。
  167. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ということは第一線では満足されて何ら御不満はないと、研究は継続されて行けると、こういうことを私に納得させようとされておるのですか。
  168. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) それはこの点につきましては私ども決して満足しておるわけではございません。そこで来年度は特に大蔵省と相談の結果、大学の研究所を含めた財政の確立という点で調査費を百万円ほど頂いておりますので、今後如何にして大学の経営費、研究所の経営費を合理的に獲得できるかという点を調査研究いたして参りたいと思つております。
  169. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に数字だけ伺いましよう。各大学の一教室一に幾ら金が要つて、具体的に一人の教授或いは助教授に研究費は何がし、要するに、手に渡るものかということを一つ教えて下さい。
  170. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) これはまあ大学の性格によつて種別によつていろいろ異なつておりますが、今の教官研究費というのは、御承知通り予算面では学生経費と合せまして一本で校費ということになつておりますので、そこで具体的に各大学に幾ら要るかということはそれぞれ大学の事情によつて違いますので、光熱水道料等を全部本部で持つ場合は……。
  171. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 概略を聞いているんです、幅がありましよう、その幅を聞いているんです。
  172. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) その学校の種別によつているく違うと思うんですが、先生のおつしやるのは一人当りという意味ですか。
  173. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ええ、一人ですね。それは大学によつても学部によつても違うでしようが、おおむねをお伺いしているんです。年間どれくらい要るんですか。それを即答できないんじや困りますよ、それが問題ですよ、ずつとぴんはねて行くんでしよう
  174. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) いや、びんはねという意味ではございません。只今申上げましたように教官経費は学生経費と合して一本で校費になつているんですから、学校の運営費に使うわけですから、当然に光熱水道料、通信、運搬費、製本、印刷費というものを引きますので、そうすると教官一人の手に渡るというものは、大体学校の種別によつて教官経費は、研究所は御承知通りABCのクラスがございますので、明確にはお答えできませんが、大体三万から七万ぐらいの程度だと心得ております。
  175. 山本勇造

    ○山本勇造君 今日は予算について大臣質問することになつてつたんでありますが、矢嶋委員のほかにも大分質問のかたがおありのようでありましたが、只今おいででないようでありまするが、私は実は予算に直接関係を持つておらないのでありますけれども、委員会のお許しを得まして御質問を申上げたいと思います。まあ質問というものは、質問することによつて、そして又それに答弁することによつてその質疑応答の間でそれが建設的になつて行くのが、僕は議会本来のあり方だと思うんです。ところがこの頃はともすると質疑応答で破壊的になつて行く傾向が見られるんで、私はこの議会のあれとして甚だ残念に思つておるのであります。併し私は今のようなあり方が議会の本来のあり方だと思うんで、御質問申上げることは、その質疑応答によつてその議がだんだんによくなつて来るというふうにあることを望んでおるものであります。まあそういうつもりで大臣の御答弁を願いたいと思うのであります。  或る意味におきますと、私の今日の質問はここでふさわしくないかも知れないのでありますが、併し僕は教育の面から見て大変に犬事なことだと思いますので御質問いたすのでありますが、小学校の国語の教授の仕方におきまして、片仮名を先に教えるか、平仮名を先に教えるかという問題です。現在では平仮名を一年級で教える、片仮名は二年になつて初めて教えるというやり方でありまして、戦前のつまり片仮名で始まつて、平仮名をだんだん覚えて行くというのとは逆になつております。なぜそういうふうになつたかといいますと、これはもう憲法が片仮名であつたのが平仮名になつた。又世の中も新聞にしろ、雑誌にしろ或いは日記を書くにしろみんな平仮名だ。平仮名がまあ日本の国としては主たる仮名になつている。だからして小学校においても先ず平仮名を教えて、そうしてその本筋の仮名を教えてるんだ。こういうふうな建前から、恐らく今までと変つて平仮名を先ず一年級から教えるというふうになつたのではないかと私は思うのでありますが、これについて私は疑問を持つているわけであります。実は戦後憲法の改正がありますときに、私は民間人でありましたけれども、これから法律の文章も今までのように片仮名でなくて平仮名にしたほうがいいのではないかというようなこと等を建議した一人なんでありまして、そういう上から言つて、この国語の教授の上で、平仮名を尊重されることは私は或る意味で有難いのでありますが、併しながらものを教えるのには順序がありますんで、実際に今やつているのは平仮名がずつと使われているのでありまして、片仮名は電報とか一外国語にしか使われないのでありますからなんでありますけれども、併し私は学習という上からいうと、世の中で使つているのは平仮名なんだから、何でも最初から平仮名を教えなくちやいけないというのは少し考え違いではないか。例えば大人が今食べている御飯は何かというとこれは白米である。それなら赤ん坊も大人が食べているのだから白米を真先に食べさせるのが当然ではないかという議論に似ているのでありまして、赤ん坊のときはお乳をやるとか、おまじりをやるというのが順序だと思う。ところがその順序を取違えて、大人が皆それをやつてるんだから、小学校へ入つて来た字を知らないものに教えるものは、真先に大人の食べている白米を食べさせるということは、これは正しいことかどうか、私は非常に疑問に思うのであります。本来仮名というものは、今平仮名とか片仮名とか言つておりますけれども、仮名の発生当時におきましては、片仮名も平仮名もない、そういう名前もありません。古い点本等を見ますと、平仮名も片仮名も混つて書かれているのでありまして、その区別はない。ところがだんだんに発達して来まして、そうして学者の間、或いは坊さんの間で点本のほうから片仮名を漢字の横に書き出した。それが片仮名の発生みたいなものであります。それから平仮名のほうは、今平仮名と言つておりますけれども、平仮名という言葉も、実は後世の言葉でありまして、昔は、少くとも平安朝におきましては女手と言つて女が書くものである。というのは非常に優美な形、まあ歌を書く、男でも歌の場合は平仮名で書きますが、優美な形なんで、見た上から言うと、平仮名は確かに優美で美しいのです。従つて私は憲法等のときでも、平仮名を使えと言つた点は、その点にあるのでありますが、併しながら、平仮名のほうは曲つた曲線が入つておりますから、優美ではありますけれども、初めてこれを学ぶという上からすると大変むずかしい。片仮名のほうは、御承知通り点とか線で以てでき上つて、非常に簡略な形ですからね、小学校の一年に入つたときでも、点を打つとか、横に棒引くとか縦に棒引くとか、或いは画をつけるとかいうことは、これは非常に楽にできるのです。ところがそのいろはのいの字を書かせる、あいうえおのあの字を書かせるということになると、形を真似るだけでも容易でない。事実、これは私は小学校の先生に大分会つておるのですが、実に小学校の一年にこれを教えるのは困る。子供もおぼえにくいし、教えるほうも非常に困るというわけなんです。ところが今言う通り片仮名ですと線でありますから、大変覚えいいので、これだと入つて来たてでも覚える。のみならず入つて来たてどころか、幼稚園ですでにおぼえてしまえる性質のものなんです。  それからもう一つ片仮名のほうのあれは、点と線でありまするから、今度は漢字を書いて行くときに、これができておると漢字を覚えるときに大変に都合がいい。ところが今平仮名で先に教わつちやつているものですから、漢字を覚えるときにでも、どうも字がくずれてしまつて、きちんとした字を書いていかない。これが一方で漢字の当用漢字等の問題があつて、漢字をだんだん覚えなくなつたというように言われるのですけれども、一つは初めから平仮名でやりますから、もう崩した書体を初めから教わるので、どうも本当の漢字のきちんとした画や何かがうまく行かないわけです。ところが片仮名で最初にやりますと、書きやすいばかりでなしに、漢字の問題も点や線を含むものが非常に最初から呑み込めて来るわけです。ウという字を知つているから、ウ冠りのときにはすでにやつているので、ウ冠りというのがぴつと入つて来るというようなわけでありまして、片仮名のほうから行くと学習の上からも又後々に漢字を学ぶ上からも非常にいいので、実際に教えておる立場の先生たちから聞きまするというと、片仮名で始めてもらいたいということを非常に言つておるのであります。のみならずこの問題は、これは昔のことでありますけれども、あなたの御所管文部省におきまして、明治三十七年だつたと思いますが、「平仮名片仮名読み書きの難易に関する実験報告」というのを、文部省の中に設けられた国語調査委員会で出しておるのです。これはどういうふうな人が調査したかと言いますと、この当時最も有名な心理学者の元良博士と、それから松本亦太郎氏と、この二人がこの仕事をやりまして、そうしてもう文部省からこういうものがすでに出ておるのです。そうしてこの研究の結果からすれば、片仮名のほうが読みやすくて書きやすい。平仮名のほうがそれに書くという上から行くと書く速度は遅くなる、或いは読む上から行つても、読む字数が少くなつて読みにくいということが、このもうすでに実験報告で、これだけの有名な心理学者が、而も文部省の中から出ているのです。終戦後においてこういう、ふうにしてしまつたというのは実は僕は非常に不満なんです。勿論あなたの時代じやない、ずつと前の時代文部大臣のときにやつたわけですけれども、これは国語審議会に諮つたとか、或いは私ども相談を受けておつたらば、こんなところに持つて行くわけないと思うのですけれども、無論私は相談を受けておりませんし、又国語審議会にも、実は先ほど念のために電話をかけたのでありますが、審議会でも正式に諮問を受けていないらしい。省内でやつた仕事らしいのですが、先ほども言う通り、今の世の中は原稿ばかりでなしに、新聞でも雑誌でもみんな平仮名だから平仮名でやつたほうがいいのだという趣意は一応わかりますけれども、丁度私が一例にとつたように、赤ん坊にすぐ、大人がみんな白米を食つているのだから、赤ん坊も白米で育てろというのは無理だと同じように、このやり方には非常に疑問を持つておるのです。そういう上からあなたのお考えがどうであるか。国語国字の問題は、教育の上から非常に大事なんで、これが又非常にやさしくおぼえて行くようになつて行けば教育の実は非常に上つて行くのですから、その上で実は国語国字の問題を非常に昔から熱心に考えておるのですが、問題がどうもこのままになつておるのは、如何にも僕は疑問に思いますので、あなたのおやりになつた事柄じやありませんけれども、併し現在今ここに行われておるので、これはあなたとしてどうお考えになるか。又今後どういうふうにそれならば進まれて行かれるか、それらの点についてお考え一つ伺いたいと思うわけです。
  176. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。先般ちよつと承わりましたので、実は私も小学校へ行つている子供がございませんので、ついうつかりしおりまして、それで只今いろいろ詳しい、いろんな御高説も伺いまして御魂至極く御尤もでございます。これは早速一つ文部省の当局によく検討させまして、善処したいと思います。問題はどういうふうになつてそれができたのか、まだ実は知らないのでございますが、よく研究いたさせることにいたします。併し只今の御造詣の深いところを伺いまして、非常に私の頭を啓発して頂いて有難うございました。
  177. 山本勇造

    ○山本勇造君 なお、まあ附言みたいなものですが、実はなぜこういうことを言う気になつたかというと、実は今年の正月の朝日新聞に私が大臣ならというのが、それぞれ総理大臣とかさまざまの大臣が出て来て、これには、文部大臣には波多野勤子女史が、心理学者の波多野完爾君の奥さんですが、自分が文部大臣なつたら真つ先に何をやるかと言つたらば、今の世の中で片仮名を小学校で最初に教えて、そうして平仮名を教えるというやり方をとりたいということを、この私設文部大臣は実は申しておるくらいで、これは単に僕が国語の問題であれしているというだけでなしに、それから先ほど申しましたよう小学校の先生たちも非常に困つておる問題でありまして、又こういう心理学をやつているような人たちも考えていることで、もつと本当言いますと、私はこういうものはなるたけここで言つてあれするよりも、僕は文部省自身がこれをなぜやつてくれないのか。そういう意味で本当のことをぶちまけますと、前局長に私はこれを言つて、私が言つたからこういうふうになつたというのじやいかん。それよりもあなたがた調べなさいと言つたのですけれども、調べが遅々として進まないでおり、そうして田中さんになつたから又田中君にも実は前に申しておるわけです。ところがやはり何か調べていた人がつい最近に亡くなつたそうで進んでいないらしいのです。そういうふうにしているので、僕は成るべく文部省の、これは僕らに言われないでも、文部省自体でやつてもらいたいと思つていたのですが、今のようなことでどうもさつぱり進まないものですから、今日は僕は公けに質問して、単にこれだけの問題でなくて、これからの学習の上から非常に大事な問題ですから、一つあなたの関係機関がよくあれされまして、成るべく早くその問題についての答案を得られるようにして頂きたいと思います。
  178. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 山本先生が我が国の国語国字の問題について非常に御研究なされ、常々関心を持たれているのは私は敬意を表するものでございますが、大臣はこれを文部事務当局に検討させるという答弁をされたわけでございますが、それに関連いたしまして従来本委員会で問題になつて解決されていない点についても、今後私は文部省の研究と近い将来における答弁要求いたしておきます。と申しますことは、今も一山本委員のほうから、これは文部省のほうから率先して研究すべきじやないかというような注文がされましたが、実際にそういう点については怠慢だと思います。私は曾つて数度に亘つて当用漢字の問題の質問を申上げましたが、義務教育の小中学校で教えているところの当用漢字と、或いは国会、殊に又宮中方面で用いられる漢字とは全く別もののように取扱われておる。これに対して文部省は何らかの私は見解を持つへきだと思うのです。でなければ義務教育に対する国の責任、政府の責任というものはどこにあるのですか。法律に基いて義務教育をやつてつて、そうして一つ方針を定めて地方に流して、その大きな枠内において地方では教育をやつているのに、それと無関係立場において文字が、言葉が用いられるということは私はこれは重大な問題だと思う。それに対しますところの文部当局の研究、所見というものは正式には未だに明確にされておらないわけなんです。で想起して頂くために申上げておきますが、曾つて立太子礼の当時の吉田総理の言葉、更には秩父宮殿下が亡くなられた当時、当初は各新聞は皆御逝去御逝去という活字を用いたために、国民の皆さん読めたわけなんです。ところが宮内庁の発表によつてこれは薨去と改められて、その後新聞の活字は皆薨去となつたわけであります。これは御逝去という表現の仕方が間違いであつたのかどうか、その根拠はどういうところにあつたのか。そういう点をやはり明確にして教育の場における言葉なり、或いは文字と実際の社会に用いられるところの文字と言葉というものは関連性がなければ、これは私は義務教育という立場から大きな問題が残ると思います。これらについて私は積極的に文部当局は責任を以て研究され結論を出すべきだと思う。従つて先ほどの片仮名、平仮名に対しまするところの山本委員文部当局に対する要求と併せて私はそういう点を要求いたしておきます。
  179. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それじやちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  180. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記をつけて。  地方行政委員会から本文部委員会に対しまして義務教育学校職員法案及び義務教育学校職員法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして連合委員会開会要求の申込がありました。当委員会として連合委員会を受諾することについて御異議ありませんか。
  181. 木村守江

    木村守江君 連合委員会の申出に対してこつちで賛成することは当然だと思われます。従つてこの連合委員会の開催日取り等については、委員長、理事会においてきめるようにいたしたいと考えます。この点お諮り願います。
  182. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私木村君の意見に賛成でございますが、本委員会委員長、理事会で一方的にきめて地方行政委員会に押しつけるわけにも行かないと思うのです。従つて委員長、理事会の意向大体まとまりましたら、それを委員長の責任において、地方行政委員長と協議されて決定されますよう追加提案いたします。
  183. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 僕も異存はないのですけれども、ただ、だらくと連合委員会をやられても困るから、これはこつちから申込んだ場合の先方の委員会でも同じようなことでありますから、成るべく早くやれるものならやるということにして、そして又更に足りなければ、委員外発言として来てもらつて……。明日理事会も開くのですから要望としてだらだらとやらないで、きまりをつけるような連合委員会を開いて頂きたいと思います。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  184. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 御三人の提案御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  185. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それでは明日理事会に諮りましてこちらの肚をきめ、向うと協議の上決定いたしたいと思います。さように決定いたします。  これを以て本日の委員会は散会いたします。    午後五時二十五分散会