運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-12 第15回国会 参議院 農林委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十二日(金曜日)    午後二時三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            徳川 宗敬君            三橋八次郎君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            小串 清一君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            楠見 義男君            藤野 繁雄君            鈴木 強平君   政府委員    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農地局長 平川  守君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  細田 吉藏君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    日本国有鉄道営    業局貨物課長  遠藤 鐵二君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林水産業施設災害復旧事業費国庫  補助暫定措置に関する法律の一部  を改正する法律案衆議院提出) ○農林政策に関する調査の件  (貨物運賃等級改訂農林関係に関  する件)   —————————————
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは只今から委員会を開きます。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。続いてかねてから予備審査をいたしておりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案は、昨十一日衆議院を通過して、本委員会に付託されましたので、只今からこの審議に入ります。なお差支えなければ、先般御了解を得て置きましたように、本日採決いたしたいと存じます。質疑が残つておりましたら質疑を願いたいと思います。
  4. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 皆さんの御了解を得まして、委員長から質疑が残つておりましたらこの際質疑ということでございますが、大体質疑が尽きておるということは、少々語弊があろうと思いますけれども、この際質疑を御了解の下に打切つて、直ちに討論採決ということに、皆さんの御了解を得べく提案する次第であります。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようであります。では只今池田さんの御発言によりまして、多数皆さん賛成がございましたので、質疑がないものと認めまして、これから討論に入ります。御意見のおありかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
  6. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 各地方とも災害を受けておるところのものは、非常に経済的にも困つておるのでありますから、災害復旧事業補助金の交付については、できるだけその手続を簡単にして、補助金を速かに交付して頂くようにお願いいたしまして、本法律案賛成いたします。
  7. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 只今藤野委員からも申されましたごとく、かねて予算総会におきましても、大蔵当局に対し、農村漁村方面における災害については、それぞれ復旧に対し、農民の汗と熱との努力によつて、これらの復旧に対し非常な力を以て復旧に当つておるにもかかわらず、未だ災害に対するところの復旧費助成が二年三年に亘るというがごときは当を得ない、速かに経費予算の上に計上いたしまして、これを、復旧補助を又復旧の目的にかなうような方途を講ぜよと強く要望いたしましたところ、一、二年の間には必ずやるという答弁を得ておる現段階に鑑みて、農林当局におかれましても、大蔵当局のこの意向を強く把握いたしまして、只今藤野委員のおつしやる通り、急いで助成方法を講ぜられんごとを強く要望いたしまして、賛成するものでございます。
  8. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ほかに御発言ございませんか。別に御意見がないようでございますので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 録第九号
  9. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、それではこれより採択に入ります。農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  10. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 全会一致でございます。よつて本案全会一致を以て可決すべきものと決定されました。  なお本会議におけるところの委員長口頭報告内容と事後の手続は、慣例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 異議ないものと認めましてさよう取計らいます。  次に本案を可とされましたかたは順次御署名を願います。  多数意見者署名    瀧井治三郎  徳川 宗敬    三橋八次郎 池田宇右衞門    石原幹市郎  小串 清一    西山 龜七  宮本 邦彦    藤野 繁雄  鈴木 強平   —————————————
  12. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは続いて国鉄貨物運賃等級改訂の件を議題といにします。今回国鉄において貨物運賃等級全曲的改訂を企図せられ、農林関係方面に大きなセンセーシヨンを起しているようでありますので、今日運輸国鉄及び農林当局等から、等級改訂の理由、目標、内容、並びに改正農林業及び民生に及ぼす影響等の点についての見解を求めたいと存じます。運輸省鉄道監督局国有鉄道部長国鉄営業局長辰林省官房長出席を求めてありますので、それぞれ各只今申上げましたかんがたから御説明願いたいと存じます。  それでは日本国有鉄道営業局貨物課長遠藤さんから御説明願います。
  13. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 国鉄貨物課長遠藤でございます。先ず貨物等級意味についてちよつと御説明をいたします。    〔委員長退席理事三橋八次郎委員長席に着く〕 国有鉄道は他の運輸機関運賃と異ばりまして、その運賃に公共的な制度を採用することが必要であると考えらますが、その公共的な運賃制度の内合はどういうことかと考えますと、我々三つ原則を考えておるのであります。  先ず第一が統一的な運賃制度でございます。これは国有鉄道の線路にも由の中、或いは平坦線とか或いは人口の多い所とか少ない所とか、いろいろ地理的な條件が異なつております。その結氷運送原価線区によりましても異はるのであります。そういう原価の高い線区で高い運賃を頂きますということは、その地方産業の発達を阻害するのでございまして、国鉄はその公共性に鑑みまして全国的に統一された達見率を適用するということを従来とも考えて参つておるのであります。  又その原則の第二が遠距離逓減制度でございます。貨物運送は物の移動を容易にするということが使命でありますので、そのためには遠距離が割安となるような遠距離逓減制度を採用することが必要でありまして、従来ともごの制度を採用いたしております。  原則の第三は、貨物等級制度でありまして、これは運賃負担力を加味いたしまして、等級制度を設定することであります。旅客にも一等、二等、三等の等級がございます。これは旅客のほうは、その利用者の意思によりまして選択ができるのであります。貨物等級はそれとは異なりまして、貨物負担力があるかないかということによりまして、運賃の上に差別を付けるという制度でございます。運賃負担力の小さい貨物を遠くまで運送させることが可能となりまするように、運賃負担力の小さな貨物運賃を引下げ、運賃負担力の大きい貨物には高い運賃を課して行く。そうしてすべての産業につきまして、それがそれぞれ発展し得ろように運賃制度としても寄与しようというところが貨物等級制度でございます。  さて現行貨物等級制度は、昭和五年に大改正されましたものが骨子となつておりますが、その後昭和十五年更に戦争中も数次に亘りまして改正が行われたのでありますが、いずれにいたしましても昭和五年の大改正基礎なつておりまして、その後約二十年経過いたしております。又戦争中にいろいろ改正をされましたが、それは戦争中の諸事情に即して心改正でありますので、最近に至りますと経済事情も異なり、その他社会万般関係変動が生じておりますので、現行貨物等級が不適当であるという御意見が各方面から非常に強かつたのであります。又国有鉄道といたしましても、只今のような比較的安定いたしました経済状態になりますと、戦争中或いは戦前のこの制度国有鉄道営業にとりましても不適当な点が非常に多い。そういう内外両面から現在の貨物等級が不適当であるという結論になりまして、昭和二十五年頃から貨物等級を全面的に改正しようということを考えておつたのでございまするが、何分当時は朝鮮動乱等関係がありまして、経済事情が安定いたしません。そこで経済事情が或る程度安定する時期を選ぼうということで、その時期を窺つてつたのであり事が、本年の春からいよいよ等級改正に着手をいたしまして、国鉄総裁諮問機関といたしまして、国会議員かたがた、或いは各関係官庁代表かたがた、或いは経済界代表者学識経験者というかたがたから成る等級審議会を設置いたしまして、これを国鉄総裁諮問機関といたしまして、如何にすれば公正妥当な貨物等級表が得られるかということを御審議願つたのであります。等級審議会は数回に亘りまして慎重御審議を願いまして、十月の十日に第一次答申、十一月十五日に第二次答申を頂いたような次第であります。答申第一号、第二号はそれぞれお手許に配付してございます資料の中に入つております。これは内容を詳細御説明を申上げますと非常に長いので、極く簡単に結論的なことだけを御説明したいと思います。  先ず貨物等級改正基準をどういうふうに定めたらいいかということでございます。改正基準の第一に考えられましたのが、運賃負担力でございます。先ほど申上げましたように負担力の多い貨物には高い運賃負担力の少い貨物には低い運賃、これが決定要素の第一でございます。そうしてその負担力を決定する、これを客観的に測定するには何の基準によるかということを考えますと、いろいろな尺度が考え得るのでありますが、すべての貨物に通じまして共通な要素といたしましては、先ず価格によるほかはないということで、貨物価格が先ず第一に取上げられたのであります。それから負担力を決定するには、価格のみならず貨物の用途であるとか、類型貨物均衡ということも附帯的には考えなければならないということでございます。  次に等級決定要素の第二といたしましては、運送原価でございます。これは資料の三枚目の初めのほうにございますが、鉄道原価は地域によりましては非常に違いますが、それを除きまして貨物種類のことを考えますと、種類によりましては、原価は余り変らないのであります。ワムとかトムとかという車に積載いたしますが、そういうものについては、品物が変つても、原価はそう大きな変化はないのでありますから、運送原価の点につきましては、通常の経費のほかに、特別の経費を要するものだけを考えればいいのじやないか。こういうことで特種貨車が要るか要らないかとか、鉄道危険負担があるかないか、或いは運輸上の特別の措置をする必要があるかないかということを考えれば、その程度でよろしい、こういうことでございました。  次にこの等級制度そのものが公共的な観点に立つて作られるものでありますけれども、そうやつて作られました結果の各個々物資につきましても、物資ごと公共性ということも考える必要があるのでございまして、第三に出ておりますところの公共性に基く調整がそれでございます。即ち一般社会生活上日常不可欠の消費物資は、これは負担力の有無にかかわらず安い運賃を適用すべきである、こういうことでございます。それから又只今説明申上げました趣旨要素によりまして査定されまして新らしくできましたその等級が、過去の等級に比べまして著しく高い地位にはまりました結果、その産業に対しまして著しい影響を与えるという場合には、別に調整を行う必要があるということでございます。  以上のような考え方によりまして等級を査定いたしたのでありますが、お手許の表の最後の頁を御覧願いたいと思います。最後の表に右側に一級から十二級までが並んでおりますが、先ず価格によりますところの等級の区切る基準を、ここに害いてございますような、等級一級から十二級までとし、十二級は最も安い貨物、先ず最も安い貨物は、殆んど只の貨物がございますが、そういうものから二百円まで、十一級は二百一円から四百円までということで、そういうことで以下だんだん二倍飛び、二倍半飛び、三倍飛びというふうに価格区切りをきめまして、これによりまして各貨物をそれぞれその級に当てはめたのでございます。その際価格のこの区切りでございますが、先ほど触れました運送原価の問題は、例外的に、例えば危険品はこの価格による等級より一級又は一紙上がるとかいうよぎな操作は多少いたしております。  それからこの表にございませんが、これはこの一級から十二級までが我々は普通等級と称しております。そうして公共性に基く調整措置といたしまして、特別一級、特別二級、特別三級、こういう三つ等級を設けまして、公共性に基く調整措置として運賃を逓減する貨物はその特別等級に編入をいたしたのであります。これは価格には関係がないわけであります。  それからその次に軽量減トン制度でありますが、これはちよつと御理解が困難な点があるかとも思いますが、貨物価格実車量一トン当りで査定いたしました結果、軽量貨物貨車一車に満載された状態におきまして、全貨物の総価格当該使用貨車標記荷重トン数によつて除した貨車トン一トン当り価格とは差異があるのであります。即ち実重量一トン当り一万円の貨物は、それが軽量貨物でありますと、十五トン車一ぱい積んでも七トン半しか積めないといたしますると、貨車標記トン数一トン当り価格は一万円でなくて五千円になるわけであります。そういう差異が生じます結果、負担力から考えまするとこの運賃等級を修正しなければならないという問題であります。それから次に第二と書いてございますのは、貨物小口扱貨物で出されるか、車扱貨物で出されるかの、荷主さんから御覧になりました運賃上の均衡の問題であります。国鉄といたしましては小口扱貨物は非常に扱いが複雑でございますので、車扱でまとまる荷物が小口扱貨物に出貨されるということは非常に困る問題でありまして(二)によりまして国鉄営業上の見地からも、その軽量貨物に対します運賃上の均衡を図る必要があるのであります。これがいわゆる軽量減トンの問題であります。  このようにいたしまして一応等級の分類、或いは軽量減トンを行うのでありますが、この一級から十二級、或いは特別一級から特別三級までの特別等級にはどういう運賃を適用するかという問題でありますが、現行貨物賃率によりますと、最高原価を一〇〇といたしまして二五〇の指数でございます。平均運送原価を一〇〇といたしまして最高が二五〇でございます。最低が六八になつております。例えば生糸というような非常に値段の高いものは最高一級こ五〇でございまして、米は国民最低必需物資ということで最低等級にはまりまして六八という指数に相成つております。それを今回等級審議会答申によりまして、最高最低の幅を縮めたのであります。なぜそういうようなことをするかということにつきましてちよつと御説明申上げますと、現在の貨物等級で六級以下のものはそういう原価より安い割引運賃の適用を受けておるのでありますが、その割引額が現在およそ百十二億円に達しております。百十こ億円程度原価から割つた部分があるわけでございます。即ち一〇〇を原価といたしまして一番安いものは六八になつておりますから、その減額の部分が百十二億円ということになります。そういたしますと、鉄道公共性はさることながら、企業としてこれを維持して行かなければなりませんので、その百十二億円を運賃負担力の高い貨物にそれをかけて行くのであります。即ち五級以上の貨物に、その下から減額した部分を上の貨物にかけて行く。こういうことで経営をやつておるのでありますが、国有鉄道が完全な独占事業であります間はそういうことが可能なのであります。諸外国におきましても完全な独占時代にはそういうことをそれぞれやつてつたのであります。ところが自動車その他の運送機関の進歩によりまして、不完全な独占という程度状態に相成つて参りますと、二五〇というような非常にきつい運賃をかければ、それはもう鉄道には余り来ないのでありまして、ほかの運送機関がそれを運送する。例えば一級品は二五〇という高い運賃でありますので、殆んど発送がないのであります。五日間に全国でも僅か一車しかないというような状態であります。その結果下の減額する部分を上のほうにかけて行くということは、企業といたしますると容易に行い得ないという段階になりつつあるのであります。でありますので最高を今回は二〇〇にとどめる、二五〇を二〇〇にする、そうして最低の六八を七五に引上げ、上下の幅を縮めるということを考えたのでございます。最低の七五の意味につきましてちよつと御説明申上げますと、国有鉄道貨物に関しまする運送原価の5ちの直接的な経費輸送作業費でありますが、これが丁度全支出の八割に当つております。運送原価は、指数にいたしますと一〇〇のところでございまして、その一〇〇に対しまして八〇の直接の作業費がかかるのであります。併しながら貨物営業は大体今まで欠損状態に相成つておりまして、今回一割値上を御承認頂きましてもやはり或る程度欠損が出るのでありまして、それを旅客営業のほうから旅客営業の収益によつて賄うのでありますが、大体五分程度欠損でございまして、運賃平均は九五ぐらいのところにあるのでありますから、八〇まで頂かないで九五の八掛、即ち七五程度運賃を直接費として頂いたらどうであろう、こういうことで最低を七五の線にとどめたのであります。そういたしまして価格によりますところの刻みの中心を、昔の、現在の六級、新らしい等級の七級に置きまして、七級と申しますと、三千二百円から六千四百円までの区切りのところでございますが、これが鉄道貨物のうち約四割程度を占める非常に大量な貨物がここに入るわけであります。石炭木材がここに入るのであります。これが運賃算出基礎となりますので、この曾つての六級、今度の七級、それぞれそれを九五、曾つての六級が九五でございます。今度の七級が九五でございます。石炭木材その他賃率水準の同じところを七級に移しまして、上下の幅を適当に切り、いわゆる賃率を定めた、こういうことに相成つております。  いろいろ技術的なことを申上げて大変恐縮でございますが、そういう状態の下に仕事を進めて参りました。そうして私ども勿論貨物運賃国民生活或いは産業の基盤となつておることは十分承知いたしておりますので、この改正経済界の実情に合わなければならない、これは当然のことであろうと思います。そうして審議会の慎重御審議願つたのでありますが、更に又具体的の個々貨物につきましても関係各省或いは関係産業団体かたがたの御意見を十分に取入れまして、これが公正妥当なものとなりますよう慎重に進めて参つたような次第でありますが、只今までのところではおおむねの物資につきましては関係官庁なり或いは業界の御了解を頂いたような次第でありますが、一部の物資につきましてはまだ御意見を伺い、只今検討中のものもあるわけでございます。全部の等級表の完成はもうちよつと時日がかかるように考えております。今後とも十分に関係官庁或いは業界の御意見を尊重いたしまして、経済界に無用の摩擦が起きないように考慮したいと考えております。この従来六八という指数を当てはめておりました公共的に最も強い性格を持ちました米等が、最低が七五に上りました結果、それで運賃の額からいたしますと約一割の値上になります。又それに一割値上がつきますので合せて二割の値上になるわけでありまして、誠に関係方面には御迷惑をおかけいたすわけでございますが、何分国鉄公共企業体という恰好で、全部収入によつて支出を賄わなければならない。而も鉄道が完全に独占事業ではないというような点から出発をいたしておる点がございますので、その点何分の御了承をお願いいたしたいと思います。以上であります。
  14. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 細田部長、何か補足的な御意見はございますか。
  15. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 私鉄道監督局国有鉄道部長細田でございます。  今回の国有鉄道運賃改正でございますが、これは政府といたしましては運賃値上をいたしました結果から増収がおおむね一割、値上をするために利用減もございますが、そういつたものも勘定に入れまして結果において収入が一割増加いたすということで案を作成し、只今国会で御審議中なのでございます。ただこの機会貨物につきまして等級改正を同時に実施するということになりましたので、賃率といたしましては、運賃の一番元になります、賃率と称しておりますが、国有鉄道運賃法に別表として書いてありますが、この賃率におきましては一割の値上でございますが、これに等級改正が加わります関係で、或るものは一割以上になり、或るものは現在よりも下るというようなものもございます。そういう結果に相成つておるのでございます。只今等級をどうして改正するかというような点につきましていろいろ専門的な説明国有鉄道のほうからあつたのでありますが、戦後数回に亘りまして国有鉄道運賃改訂を行なつておるのでございますが、その際もいつも貨物等の問題が非常に問題になりまして、昭和五年に作つたままの貨物等級ではこれはいろいろな不合理な点が多いじやないか。つい最近では昨年の十一月から運賃改正を実施したのでございますが、そのときは等級は全然いじりませんで、賃率自体を上げたわけでございます。その際にも国会におきましても現行等級の不合理な部分については是非とも機会を見て検討を加え改正をいたせというようなことの御意見が非常に多かつたのであります。そこでこれは国有鉄道総裁がきめるということになつておるものでございますが、国有鉄道といたしましてはこの春からこの大事業に手を着けたというようなわけでございます。私どもといたしましては最も問題にいたしておりますのは、最低運賃を、最低等級指数を上げました関係上、直接原価を償うという観点から上げました関係からいろいろな問題が起つて参りまして、著しい変動があるというようなものが計算上出ます場合につきましては、これを何らかの形で調整をいたして急激な変動を与えてはならないというような見地から、国有鉄道に対しまして要望を出しておるようなわけでございます。私どものほうの運賃改正手続といたしまして、運輸審議会というものに大臣から諮問をいたすことになつておるのでございますが、この運輸審議会におきましてもそういつた一割の運賃値上と併せて著しく値上になるものにつきましては、考慮をいたせといつたような答申も頂いておりますし、又貨物等級審議会総裁に対する等級審議会答申にもそういつた趣旨のことが盛つてあるわけでございまして、そういつた点からいろいろ検討をいたしておるような次第でございます。只今貨物課長が申しましたように、まだ最終的な結論に到達いたしておらないものもあるわけでございまして、今後御意見を十分承わりまして、等級調整をいたして参りたいと、かように考えておるような次第でございます。いろいろ御質問ございます節に又お話を申上げるごとにいたしたいと思います。
  16. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 等級改正につきましては、只今国有鉄道及び運輸省のほうからお話がございましたが、貨物課長の御説明にありました原則に従いまして計算をいたしまして、その結果中間段階におきまして、どういう折衝の段階なつておるかというのは、お手許に表が差上げてございます。縦書の表と横書の表、二つでございますが、「貨物等級改正案、農林関係二十七年十二月四日」、そうして現行改正との比較、B|A、こういう表であります。それともう一つ一枚紙で「二月一日実施予定の貨物運賃等級に関する農林省の申入」、二十七年十二月八日という表があります。それは一枚刷りであります。その二つを御覧になつて頂きたいと思います。  農林関係物資につきまして一応試算されたものにつきまして、例えば減トンをどういうふうにするか、或いは又公共性割引きをどういうふうに考えるか、公共性の中でも、現行賃率と非常に違うものはどう処置するかという点について議論をしておるのであります。その主な点を申上げますと、木材につきまして、これは縦の表の終りから二枚目の中間あたり、桐、桐枝木、銘木その他、原木木曾ひのき、原木けやき、かし、その他、ずつと木材関係がありまして、その木材の中で、原木のその他は、従来の等級が七級でありまして、指数が八五、これを今度の新等級で七級にし、指数が九五になる、それに減トンを加味しますと、指数が八八になる。そうしますと、現行賃率に比較し三二%の値上になる。実際にはこれに一割の一般的な運賃の値上りが加算されるから、最終の姿としては一三%の値上になる。こういうふうにお読み願えばいいのでありますが、これに、そのほかその下の坑木、パルプ用材、不工製材、その不工製材の中の「その他」です「その他」については貨車の利用率、減トン数のところに小形中形とありますが、一番上の段で、中形では八八になるけれども、小形では減トンがないから九五の指数になる。その利用率で平均すると、指数が八八よりも上ることになるから彼此平均しますから、それでは困るからこれをもう少し下げてもらいたい、その方法としては二十一級特別等級指数八五のものを原木その他についてそのまま適用するか、或いは暫定的に八五として今後一年以内に減トンを精査しまして、規則通り、調査の結果によつて指数を訂正するかどつちかにしてくれ、こういうことになつております。それから魚でありますが、魚は従来は甲乙丙の三種に分れておつたのを、今度は下級は上級に比し、下級は大衆魚、上級は上等魚というふうに二つに分けることにしたのであります炉、その中の大衆魚としての下級魚の中の鮮魚、冷凍魚、塩魚、乾魚、皆それぞれ野菜並に二十三等級指数七五にしてくれ、こういう要求を出しておるのであります。この点は改正案で見ましても、二十一級にすれば、下級魚につきましては一割の値上をしなければ運賃は変りないのでありますが、最近の粉食奨励、栄養食糧、食生活の改善という線に沿えばもう少し下げたほうがいいという強い説がありますので、そういう申入れをしておるのであります。この二点につきましては、議論が平行線になりまして、話がつかないということになつております。  その次には、そのほかの物資につきまして、先ほど説明がありました現行運賃に比較して非常な著しい差があるものは調整するという條項に従いまして、それではどの程度越えれば著しい辺かということを農林省としましては運賃の値上を込めまして、等級改正による賃率の上げを加算して、それが三割以上になる。言い換えますれば、一割の運賃を見ない場合に、現行等級指数によつて改正等級指数が二割を超過するものについては二割にとどめる、こういう要求をしておるのであります。これにつきまして、この申入れをした以来、更に滅トンを最寄りの駅に行つて調査して、減トンで二割以下になるというようなものは二割以下に引下げますし、減トンでもできないものは特別の割引をするというようなことで一時の品目について検討を加えております。まだ結論に達しておりませんが、この点で農林省と運輸省との意見の食い違いは、鉄道のほうは貨物等級表としては計算通り出たものでやつておいて、一定の期間、当分のうちこの趣旨に従つて特別の割引をしたらいいとそういう提案をなさつておりますので、それらについて更に今事務的に協議をしておるような段階にあります。それからいわゆる生活必需物資につきまして、その次に掲げておる国鉄案と農林省案というので見ますと、調味料、牛一馬、鳥卵、飼料、農薬、澱粉、大豆、油、畳表等につきまして、鳥卵、飼料につきましては、鳥卵は大体農林省の案通りになりますが、飼料、農薬、澱粉等につきましてこれをどの程度歩み寄るか……、澱粉などについては遠距離割引を考えれば問題は解決するのじやないかという国鉄の申出もあります。そういう点を協議中でありまして、まだ全部は話がついておりません。なお、遠距離割引の問題では、次に掲げておるような品目につきましてそれぞれ大体品目としては大部分のものが意見一致しておりますが、具体的に何キロ以上について何%の遠距離割引をするかということがまだ国鉄のほうで収入減の検討が終りませんので、最後的な結論にはまだ到達しておりません。そのほか鉄道のほうで相当まあサービを約束されておる点は、一軍二駅着制度というもの、つまり今までは貨車扱いになりますと一軍の荷物は全部一駅に下さなければならなかつたのを、今度は一車を二駅に分けて下せる、併し一割五分だけ運賃を余計取ると……、これはまあ実際の荷主にとつては非常に便利な制度になるのでありますが、そういうサービス、或いは列車指定運賃の割増を現行二割を三割にするとか、そのほか急送品に対する割増運賃の議とか、いろいろな点が考慮されておるのであります。数字的に、具体的にはもう少し協議をしなければならないと、こういう段階にあります。簡単でありますが、今までの交渉の経過について御説明いたしました。
  17. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 只今説明に対しまして質疑がございましたら……。
  18. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 ちよつと、丁度これに関連はしておりますが、それ前に、遠藤課長殿も見えておりますから一つお尋ねしますが、実際、冬季を迎えまして列車が三割或いは五割減をしておる、貨物列車においても相当列車が少く運転しているというような実情から申しまして、青森のりんご、その他におけるところの野菜、又薪炭等が滞貨して輸送困難になるというような点を先ず一点聞きたい。  それから野菜、果実においては、実際これだけの運賃がたとえ一割でも一割五分でも増加した場合に現在りんごなどは、青森県においても、長野県においても、岩手においても原価が一貫目四十円内外のものが運賃を払つて農家の実収入については殆んど収入がなくなつてしまう。野菜も又キヤベツ、白菜等も同じ運命にあるのでありますが、渡部官房長の御説明によれば目下運輸省と折衝中であるというようなことを言われますが、国民の日常生活、食生活の実態を考えて見ますときに、又生産者農民の実情を考えて見まするときに、果して当を得た処置であるかどうかと疑わざるを得ないようなことのみであります。従つて我々は十分に検討を煩わさなければなりませんが、先ず以て今日滞荷荷物の野菜——薪炭、果実の状況をこの際つまびらかにして欲しい。
  19. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) すでに新聞紙上等でも御承知のごとく炭労ストの影響を受けまして国有鉄道の客貨の列車を約三割削減せざるを得ない状態でありまして、十一日から御質問の荷物列車につきましては三三%の削減、三分の一削減をいたしておるような次第でございます。もともと十一月、十二月というのは出荷の最盛期でございまして、この時期に三分の一の列車を削減いたすということの影響は想像に余りあることだと考えております。そこで非常に残念ではございますが、最低限度の生活必需品の優先輸送ということを、これは戦争中いろいろやつておりましたようなことでありますが、やらざるを得なく相成つておるような次第でございます。どういうものを優先輸送しているかということでありますが、これは石炭が足りませんから石炭は勿論優先輸送しております。それから主食、それから大衆魚、それから野菜、味噌、醤油、それから六大都市向けの薪炭、こういうものを今優先輸送をいたしておるような状況でございます。で、各地の滞貨は漸次殖えて参つておるような状況でございまして、特に御指摘のありました青森のりんごとか、みかんは今出廻りの季節でございますが、こういうものは勿論優先輸送のほうに入れておりませんので相当滞貨いたしておるように記憶いたしております。詳細な今どの駅に何トンあるということはちよつと資料を持つて来ておりませんが、まだ三分の一削減は十一日からでございますので、今後がむしろ大きな問題かと考えておるような次第でございます。我々としましては、大体昭和二十二年くらいな貨物列車の数なんでございまして、その頃よりは運送を要する数量はうんと殖えておるのであります。何とか一日も早くこういつた状況から解除できますことを希望いたしておるわけでございまして、昨日も特に石炭国有鉄道のほうに出すというようなお話もございまして、いろいろ事務的にも検討いたしておるような次第でございます。何といたしましても、ストライキを解決するということがございませんければ、元のような状況に復するというわけに参りませんので、一日も早くそういつた状況になるように我々としても希望いたしておるわけでございます。なお例年は先ほど申しましたように数量が殖えておりますので、臨時に貨物列車を普通のときよりも一割或いはそれに近いものを殖やさなければならんような状況でございますので、逆にそれが三分の一減つたということは、その影響するところは非常に大きいというふうに考えておる次第でございます。具体的な、何がどこにどのくらい溜つておるというようなことにつきましては、若し必要ございますれば調査をいたしましてお知らせいたしたいと思います。
  20. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 只今誠に率直に実情を御答弁下さいまして、私どもも心配いたしておる点も明らかになりましが、今度は普通なら大臣、政務次官などの政治的解決というふうにお聞きしたいのだが、実際又事務当局といたしましても、官房長以下各関係局長、課長等の皆さんにおいても十分にこれを考えてもらわなければならん。農家が本当に自分のものを生産するについては、全くすべてをそこに傾注いたしまして、折角生産された「りんご」が駅頭と凍死してしまう、腐つてしまうというようなことになつたときに農家の気持はどうだ、昨にこれが現金化されないという場合には一体生産意欲が出るか出ないか、又野菜もその通りであります。殊に最近は長野その他の林産県は、東京は炭、ガス等がなくて、その他の都市もそうであろうと思いますが、これらに対して薪炭を送ろうとしても貨車がない。幸いにトラック輸送で僅かずつやつておりますが、若しごのトラックの輸送がますます利用価値を高め、頻繁に利用されるということになると、折角値上げした運輸省方面貨車に対しての利用価値も減つてしまつて、値上げをしたが却つて収益が少なくなつたという点もないとは言えません。それは第二といたしまして、こうした果実、野菜、殊に「りんご」「みかん」は昨年の五割増の収穫があつて、この際こそ国民の保健維持の上に如何に果実が役立つかということを最もわからせる絶好の機会であるにかかわらず、先ほど申しましたように滞貨してこの運行をとめておる、これは何といつても事務当局においても十分に折衝することの責任がないとは言えませんが、大臣を督励いたしまして、或いはあらゆる機関に、いわゆる通産省に、或いは運輸省に連絡をとつてどういう手を打つておりますか。又生産農民に対しましては、現金の全然ないかたがたに融資を図りまして、これらに対するところの年末或いは来年度の農業生産の計画に役立つ方法を講じておりますか、御答弁を煩わしたいと思います。
  21. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 消費地に対する生活物資優先輸送につきましては、細田部長のほうからお話のあつた通りでございます。これは各省が特別の連絡会議を以ちまして、遺憾のないように処置をするという、こういう段取になつております。更にその他の物資、又優先輸送をやる物資につきましても、従来普通のときよりもなかなかむずかしいのであります。それに対する処置をどうするかということにつきましては、勿論万全の処置を講じなければなりません。この点につきましては、出荷団体等からいろいろの注文が出て来ております。例えば資金融資という問題も出ております。或いはトラックを余計廻せという要求も出て来ております。それぞれの団体或いは府県当局と協力しまして、できるだけのことをやりたい、こういうふうに考えております。
  22. 西山龜七

    西山龜七君 私はそれぞれの係のかたにお尋ね申上げたいと思います。第一の問題は、運賃改正になり、積込、精卸その他の附帯費用というものは、これはやはり運賃改正によりまして改正をするか、改正をせずに従来通りやるかどうか、これが第一点。第二点は、自動車の運賃とそれから船舶の運賃改正するか、そのままで、これは鉄道関係がないからそのままに置くかどうか、これが第二点。それから第三点は、現在鉄道の輸送しておる貨物の量と、自動車が輸送しておる量は大体どのくらいの比例でやつておるかということが第三点。それからその次に、貨物運賃改正をしたがために自動車と船舶にその貨物をとられて、実際には一割値上をして増収を図ろうとしても運輸省は逆に収入が減少するという虞れはないかどうか、これが第四点。それから第五点は、今度の運賃改正というものにつきまして、運輸省はどのくらいの距離を、例えて申しますならば、その距離によつてこれくらいの短距離は盲動車によつて輸送すべきである。先ずこれくらいの距離なら鉄道によつて輸送すべきものであるとか何とかいう、距離によつて自動車に依存するとか、鉄道に依存するとかいうこれは分れ道になると思いますので、それをどういうような基準によつて鉄道にその荷物を吸収するという方針であるか、これが第五点、それからもう一つは、先ほど運賃をきめます基準として、その積荷の価格によつて運賃をきめておると、こういうお話がございましたが、そうしますと、その価格なるものがどれくらい値上りになり、どれくらい値下りになつた場合に初めてその運賃が又上り下るものか、その六点につきまして、それぞれの係のかたから御答弁願いたいと思います。
  23. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 私のほうの担当のことにつきましてお答え申上げます。先ず最初には通運料金の問題であります。通運料金と申しておりますもの、いろいろ貨物の積込、積卸、集荷、配達、こういつたものであります。これにつきましては、私どものほうの自動車局の所管になつておりますが、只今研究いたしております。で、特に通運料金で今回問題になります点は、先ほど説明がありました減トンという制度を昔のように復活いたしまして、減トンと申しますのは、トン当りの容積、単位容積当りの重量が軽いために貨車に一ぱい積んでも満トンにならないというものにつきまして、減トンいたすわけでありますが、これが現在までの通運料金の建前といたしては、鉄道運賃計算、トン数で通運料金を取つておるわけでございます。十五トン車であれば十五トン、十トン車であれば十トンという運賃計算、従量で取つておるわけでありますが、今回は減トンいたしますから、このままでありますと値下げになるわけです。それにつきまして、通運料金全体の水準を通運業者の原価計算その他を勘案いたしまして、きめておるわけでございますので、その点につきましては、若干の修正をいたさねばならなくなるのではないかと考えております。そのほかの事情で値上するかどうかという点につきましては、私只今のところでは何とも聞いておりません。いろいろ今検討を加えておるようでございますが、今申しました減トンの関係だけにつきましては、少くとも改正が必要であろうというように考えております。  それから船舶の運賃でございますが、これも実は私のほうの海運局の所管でございますが、只今のところでは値上をいたすという計画を聞いておりません。これにつきましては、海運局の関係でございますので、若し私の説明に誤まりがございますれば、改めてお答えいたしたいと思います。只今のところでは伺つておりません。船舶の運賃鉄道と比較いたしまして非常にまだ高位になつております。この関係戦争中船舶から鉄道に移りました貨物が船へ還らないのであります。そういつた状況でございますので、値上はいたさないのではないかというふうに百私承知をしております。  それから鉄道と自動車の量でございますが、鉄道はおおむね一億六千万トンの貨物を扱つております。これに対しましてトラックは約四億トン運んでおります。これはそのトラックの四億と申しますのは、実は鉄道の両端における小運送、鉄道貨物がトラックで倉庫なら倉庫、生産地なら生産地、集荷地なら集荷地から駅まで来る、それから駅に着きまして、駅から又荷主の所まで配達する自動車、これが含まれております。勿論鉄道の一億六千万トンが全部自動車で小運送されるものではございません。殊に石炭などはもう殆んど専用線から出るというふうになりますから、これが全部二度ずつかかれば、それだけで三億二千万というものを差引かなければいけませんが、これが鉄道の両端に入つておりますものも合せてそういう形になつておるのでございます。そういつたことで数字はかなり大きい数字になつておりますが、通運のものとその他のトラックというものとの数字につきましては、はつきりいたしておりません。トラックとしてとつておるものでございます。ただ距離でございます。輸送の距離、鉄道車扱いの平均輸送距離は約二百五十キロと御承知を願いたいと思います。その二百五十キロは戦前の状況では大体百三十キロから百五十キロぐらいが鉄道平均均輸送距離でございましたが、今日では申上げました海運との関係その他から非常に伸びて参つておるような状況でございます。トラックの平均輸送距離につきましては、ちよつと数字を持つておりませんが、これは恐らく数十キロ、平均して通運のものも入れますから、三、四百キロぐらいは普通じやないか、平均いたしますと……。そんなにもなつていないのじやないかというふうに考えております。そのほかの点につきましては、国有鉄道貨物課長からお答え申上げます。
  24. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 先ず運賃改正一割値上の結果、他の運輸機関に荷物が行かないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、今回いろいろの措置を講じまして、他の運輸機関貨物が転化しないようなふうにいたしております。と申しますのは、トラックとの関係は近距離の運賃の比較でございます。この近距離の運賃につきましては、国鉄最低運賃という制度を設けておるのでございます。一車を使えば、距離にかかわらずその計算された結果の運賃が如何に安くても、そこまでは頂くという最低運賃という制度がございます。只今十トン車につきましては二千円でございます。又十五トン車につきましては二千五百円、大型貨車につきましては三千円と、こうなつております。そうすると、今回一割値上はいたしますが、この最低運賃は据置く予定に相成つております。なぜ据置くかと申しますと、最低運賃は昔は四円であつたのであります。それが現在では平均二千五百円、六百数十倍の値上になつております。これでは如何にも不合理であるので、今回は引下は行わないけれども値上はやらない、据置くのであるという結果、極く近距離の貨物につきましては、貨物自動車との競争條件車扱いにおいて同じでございます。一車の扱う貨物について同じでございます。それから小品貨物でございますが、小口貨物のほうも同じく最低運賃只今八十円であります。一件につきまして八十円でございますが、それを据置く予定になつております。この関係も従来と変化がございません。先ず小品貨物とトラックの分野と言いますものは、六十キログラムの荷物につきましては百二十キロメートルぐらいの所が、それから五十キログラムの荷物につきましては八十キロメートルぐらいの所が鉄道運賃とトラックの運賃とが見合う点でございます。それ以上距離が伸びますと鉄道のほうが安くなるということになつております。最低運賃の据置等によりまして、小口貨物につきましても、値上によつて自動車にその荷物が流れないような措置が講じてあるわけでございます。  それから距離でありますが、距離は国鉄貨物運送は戦前百五十キロメートル程度でございましたが、只今運輸省からの説明通り、現在二百以上になつております。これは一面近距離の荷物が自動車に代つて来るということと、それから船舶運賃が昔と比較いたしまして、倍率が鉄道より非常に高いのでございます。それは船の運送原価が高くなつておるごとに基因すると思いまするが、非常に高くなつておりまして、物資別の海陸の運賃の比較をいたしますと、現在は船と鉄道との関係が大体とんとんくらいのところが多いのであります。北海道の石炭について申しますれば、船のほうが大体安いとか、或いは木材についても北海道から本州向けは船のほうが多少は安いのであります。その他品目に上つてそれぞれ船運賃鉄道運賃の比較は違いますが、船のほうが幾らか公定標準運賃では安いのでありますが、それにしても船のほうは積替等の関係で非常に大量の場合以外は、やはり荷主のかたは鉄道をお使いになることの御希望が多いのでございまして、今回一割値上になりましても、鉄道の荷物が船のほうに大量に行くということはちよつと考えられない。場合によりますと、鉄道が一割上げますれば、船もそれに応じて一割かつきりではありませんが、自己の採算を有利にするために船運賃調整することも考えられないことではありませんので、一割値上によつて大量に鉄道の荷物が船のほうに行くということは先ず先ずあるまいと考えております。  それから最後価格の値上り、値下りによつて等級が変るかどうかという御質問でございましたが、これは先ほど御説明申上げませんでしたが、価格によりますところの等級の刻みは普通等級といたしまして、一級から十二級ありまして、十二級が二百円まで、十  一級が四百円まで、十級が八百円まで、九級が千六百円まで、八級が三千二百円まで、七級が六千四百円まで、六級が一万二千八百円までというように二倍跳びになつておりますので、今回我々がこの価格を当嵌めますにつきましては、鉄道は勿論、現地の人間を使いまして調査をいたしますし、又関係業界或いは各官庁の御意見を十分に承わりまして査定をいたしたのでありますが、その査定が間違つておりますれば、等級の決定までには修正も可能であると思います。それから、それでは等級炉一旦決定したあとにおき価格変動したならばどうかということでございますが、等級はかなり永続的な制度でございまして、そのときどきの価格変動によつて絶えず等級を上げたり下げたりいたしますと、非常に事務が複雑になります。各駅におきましては、厖大な貨物等級表を見ながら、運賃の算出を毎日やつておるわけでございますので、絶えずこれを修正変更するということは事務的に不可能なのであります。併しながらそういうような賃物が相当大量に、或いはその品目が殖えました場合には一部の修正を行う、こういうことがございます。現に一昨年も一部の修正をいたしました。戦争中にも小さな手直しは数回いたしたわけであります。それで過去の例から見ますと、二年、三年目くらいには一部の修正をいたしておるのでありますが、そんなわけで値段が上つて上のクラスに入つた、或いは下つて下のクラスに入つたから、すぐそのときに修正をするということは行かないのじやないかと考えております。
  25. 西山龜七

    西山龜七君 先ほど運輸省の監督のかたからお答えを願いましたが、私の質問はそれじやなしに、鉄道へ積むために自動車を利用するのじやなしに、現在の貨物運賃というものに対して、やはりこれも鉄道貨物運賃が上つたと同じように貨物運賃を引上げるかどうか、こういう質問であります。それからもう一つは、鉄道が一億六千万トン扱つておる、車が次の駅へ持つて行く、又積卸しをする、それに四億トン扱つておるという意味ではありません。鉄道の輸送をしておる貨物の総量と、トラックが全国的に輸送しておる貨物の総量が、大体どのくらいのものをトラックが輸送し、鉄道が輸送しておるか、こういうことであります。
  26. 細田吉藏

    政府委員細田吉藏君) 第一の点でございますが、最近トラックの運賃につきましては改訂をいたしたわけでございます。これにつきましては、今までのトラック運賃は或る幅を持たせておつたわけであります。鉄道は確定運賃制度というものを採用いたしましてきめたのございます。これは私どもの自動車局のほうできめたわけでございまして、形式的には最低よりも上廻つておる、最高より低いというところできめたわけでございますが、トラックの運賃を更に上げるということはないと考えております。  それから先ほど申上げましたので誤解があるようでございますが、四億トンと申しますのは、自動車の運んでおるものの総量でございます。ただ一方が四億トンで一方が一億六千万トンというのは、これはただそれだけで御比較になりますと、自動車は非常に多いじやないかということになりますが、その中には鉄道の両端の小運送、これは荷馬車によるものもございます。それから専用線などで小運送は全然しなくてもいいものもあるわけでございますが、その鉄道の駅からの自動車が運んでおるものも引つくるめまして四億トンでございます。
  27. 西山龜七

    西山龜七君 わかりました。
  28. 楠見義男

    ○楠見義男君 私少し遅れて参りましたから、或は他の委員のかたと重複した御質問を申上げるかも知れませんが、その際はそう言つて頂きますれば、あとでその経過を伺いますから、具体的に各品目についての細かい質問は別の機会にお願い申上げたいと思うのですが、一般論として、運輸省或いは国有鉄道、どちらでも結構なんですが、お伺いしたいのは、今回の等級格差の変更に関連して、従来も行われておりましたが、公共性ある物資調整をお考えになつておるのですが、その場合の公共性の認定というものを、それぞれその物資を取扱うところの役所が最終的に決定し得るような体制にしておるのか、直接その物資を所管する行政庁とは別個に運輸省独自のお考えでそういうことを御判定になるのか、先ずこの点をお伺いしたいと思います。
  29. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 等級国有鉄道総裁の権限になつておるのでございます。この等級の性格は運送契約の内容なつておりますので、鉄道の用語で言いますれば、貨物運送規則の別表なのでございます。従いまして運送規則、運送契約を総裁がきめますので、その附表たる貨物等級表も、国有鉄道の総裁がこれを定むることになつております。併しながらこれを全面的に改正するということは非常に重要な問題でございますので、手続といたしましては運輸大臣の承認を経なければならないというふうに考えます。  それから各省との関係でございますが、そうやつて国有鉄道総裁がきめるごとになつておりますので、法律的にはないわけでございまするが、併し実質的には関係各省の御意見を十分に傾聴いたさなければなりませんので、今回の改正に際しましても、等級審議会そのものにも、これは国鉄総裁諮問機関ではありますけれども関係各省代表のかたにも入つて頂いておるし、国会のかたにも入つて頂いておる。それからその後におきましても事務的の打合せは引続きしておりまして、ずつとやつておるような次第でございます。
  30. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 今のに附加えますが、今度やつたのは今のお話貨物等級審議会国有鉄道の中にできまして、そこに官庁としましては、審議庁、農林省、通産省、それから各荷主の代表者が寄つて、そこで等級審議をしたのです。そうして初めの我々の審議会諮問されたときの審議、これは最後等級表までをこの審議会にかける、又かけてくれと、こういうふうな申込を我々しておつたのですが、運賃一割値上のやつが急にきまつて、それに間に合わせなければいかんということになりまして、具体的の品目の何級にするかという問題は、国有鉄道関係官庁の事務的な打合せは審議会から委任されたと、こういう恰好になつております。
  31. 楠見義男

    ○楠見義男君 大体手続の経過だけはわかりましたが、私は実は希望を申上げておきたいのですが、それは同じ公共性物資の間においても、或いは又そうでないものと、公共性のある物資として一応取扱われたものとの間においても、取扱うところの所管省においては、運輸審議会なり、或いは他の方面で御覧になるのと違つた、所管省としては責任ある立場に立つた観点から見た場合には違つた結論が出る場合が出て来ると思うのです。従つてそういうような場合には、やはりこの運賃の値上が結局逆に生産者に大きな影響を与える場合も多いと私は思うのです。従つてそういうようなことは責任ある官庁が中心になつて進行をとつて頂くと同時に、それもやはり運輸省のほうでもでき得る限り尊重して頂きたい。これは影響するところが非常に大きなものですから、これだけ一つお願いしておきたい。  それからもう一つお尋ねする点は、この審議会答申の際にもそういうことが明らかになつておつたように私は承知しておるのですが、今等級格差の変更においては、別の一割の、給与ベース改訂に伴う財源としての一割の運賃値上はこれは別でありますが、等級格差の背景においては運賃収入は不増不減の原則と言いますか、それが重んぜられておるというふうに私承知しておるのですが、そういうぶうで間違いございませんか。
  32. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今楠見さんからいろいろお尋ねがあつたのでありますが、大体了承したのでありますが、運賃改正国会の同意を得なくちやできないのですが、等級改正国会の同意を得なくてもいいと、こういうふうなことであれば、この等級改正国鉄の収支には非常に関係があるのでありますから、等級改正国会の同意を得るのが、或いは承認を得るのが適当であろうと思うのでありますが、これは大臣か、或いは政務次官にお尋ねしなくちやできない問題であるかもわかりませんが、こういう点についてどういうふうにお考えになつているか。一応お伺いしたいと思います。
  33. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 国有鉄道運賃法の中の七條と九條の二つの規定で、運賃は「運輸大臣の認可を受けなければならない。」ということが九條二項にあるわけですね、七條には、貨物運賃の二項に「車扱貨物運賃は、貨物等級表等級に従い、別表第三の賃率による。」、こういうふうになつておりますから、この二つの條項の解釈を有権的にどういうふうに解釈するかの問題じやないかと思うのですが、この点は運輸省の責任者からお聞き願つたほうがいいかと思うのですが、そういうふうに……。
  34. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今度のこの運賃等級改正の結果、私の知り得た範囲では、或いは間違つておるかもわかりませんが、農村物資については相当多額の値上りになるように考えられるのであります。そこで心配であるのでありますから、どんな農林物資がどのくらい上つて、その全額がどのくらいになるか、こういうふうな数字が今直ちにおわかりにならなかつたら、あとで資料でいいので一ありますが、一つお尋ねしたいと思つておるのであります。
  35. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) もうちよつと正確に……。
  36. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 農村物資が非常は上つておるように考えられるから、何がどのくらい上つてつて、総体の金額がどのくらいになるかという数字を、或いは今資料を頂いたので、それがわかつておるかどうかわかりませんが、そういうふうな資料をお願いいたしたいと思います。
  37. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) お手許に配付しておる表で見て頂きまして、最終の結論に達しておりませんが、この表の通り、仮にきまるとすれば、値上りの率がどうなるかというのは、この縦の表で値上り率は出ておるのでございます。これの金額が、つまり増収分がどれだけになるかということはあとで、これは大変な計算でしよつちゆう変つておりますが、この計算ができておるかどうか存じませんが、できておればすぐ出ますが、できていなければ、もう一遍あとで計算して差上げたいと思います。
  38. 楠見義男

    ○楠見義男君 藤野さんの質問に関連して、もう少し私は突込んだことをお伺いいたしたいのですが、それは藤野さんから御要求になつ資料をお作りになるときに、併せてやつて頂きたいのですが、今の農林省の官房長から、これを見ればわかるということでそれを示された。それで行きますと、さつき承知したように、等級格差の改訂においては不増収不減収の原則だと、こういうことでありましたが、ずつとこの表を一覧しますと、その改訂の等級格差表によれば、不増収不減収でないようなちよつと感じを受けるのです。そこでその場合に、これはさつきも申上げたように、消費者から見れば生活必需関係物資が農林物資には多い、それから又逆に生産関係から言えば、零細な生産者が多いために、運賃の改訂によるところの圧力というものが、零細な生産者に大きな影響を及ぼす虞れも多い。そういう観点から、実はその貨物等級改正については我々は非常に関心を持つておるわけなのです。そこで農林関係のもので、不増収不減収でなくして、実は増であつたり、或いは減であつた場合に、仮に減である場合には、それをどの部分で今回の改訂では補つておられるか、増である場合にはどの部分を実は農林物資は限つておるのか、こういうことを知りたいために、例えば通産物資なら通産物資と農林物資、それからそのほかの物資というようなものについての、一つお調べもありますれば、それをお示し頂きたい。
  39. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 これは余り小さくなるかわかりませんけれども、造林事業というものは、治山治水に非常に関係がある。こういうふうなことからいたしまして、政府は五割の補助金を出して農林事業或いは治山治水というようなものに力を入れているのでありますが、今回の運賃改正の結果から見てみますると、木炭であるとか、薪であるとか、或は不工製材品であるとか、苗木であるとか、或いは林産物の運賃が非常に上つた結果、五割の補助金は出してでも、その上つたところの金額が五割の補助金以上になつて、却つて補助金よりもより以上の金を農民は継足さなくちやできない、こういうふうな結果になるのじやなかろうかと、こう心配するのであります。今一例をとつて説明してみまするというと、一町歩の造林費は二万八千三百四十円で、補助金は一万四千百七十円である。それが今度の改正の結果、一町歩当りの減収が一万七千五百二十六円で、更に賃率等級の両方の値上げにしてみまするというと、一万九千四百七十三円、こういうふうになつて、補助金は一万四千百七十円だ、運賃の値上げは一万九千四百七十三円だということであれば、公共性がある治山治水事業、造林事業というようなものはだんだん衰微して、国土保安ができないようになつて来るのではなかろうか、こう心配されるのであります。運賃のためには公共性は十分認めるというお話であるのでありますから、そういうふうな公共性のあるものに対しては、何とか公共性を認めて運賃逓減の方法を講ぜられるべきであると、こう考えるのであつて、是非そうしてもらいたいと思うのでありますが、御意見を承わりたいと思うのであります。
  40. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 林業関係の大宗貨物でありますところの木材等につきましては、等級変更によりました多少の変動はございまするが、そう大きな割合ではないのであります。ただ造林用苗木、桑苗木につきましては、国鉄の最初考えました案によりますと、非常な値上りになりまして、等級改正運賃改正と合せまして三割を超すような結果になつてしまいますので、農林御当局からも是非これをもつと逓減しろという御意見がございまして、只今のところ最低等級にまでこれを下げまして、それにいたしましても、やや現在より水準が上るようなことになりまするが、新らしい制度といたしましても、最も安い低級の賃率を適用したい、かように考えております。
  41. 徳川宗敬

    徳川宗敬君 前の御質問にもありましたように、今度の運賃の改訂が不増減の原則によつてやられたということでありますけれども、今のお話にもあつたように、木材その他の林産物に対しては非常に不当な値上りになつておるよう匹思うのですけれども、この不増不減の原則に合致するように公平な是正をされることを希望するのですけれども、これについての御意見を伺いたい。
  42. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 今回の等級改正は、等級といたしましては、全く不増収不減収で計画をしております。それは、旧等級によりますところの各物資運賃等級別に新らしい表に移して参りまして、各貨物全部を移し替えましても、結果は不増収、不減収のように立案をいたしておるのであります。ただ農林関係のものにおきましては、値下りをするものもそれは大量にございますが、値上りするものが更に多いのであります。と申します。まあ最大の原因は、冒頭に御説明申上げましたのですが、直接的な経費国鉄としては頂くべきだという観点から、従来六八という指数、三割二分引でございますが、そごまで限界を引いておりました。直接経費ということになりますると、これがおおよそ七五、二割五分引きということになるわけであります。そうして、その三割二分なり何なり、大きな割引きを受けておりましたのが、主としてこれは林業には少いのであります。殆んどありませんが、農の関係にあつたわけでございます。そういうような関係で、最低が上りました結果、農の関係につきましては、下るものより上るものが多い、こういう結果になつておるわけであります。そうして、それでは国鉄はそれだけ増収しておるかというと、実はそうではありません。総体といたしましては、むしろ減収になつておりますので、それがどこにあるということは、どこからどこにということを計画いたしておりません。総体で計算いたしております。結局通産関係のほうに或いは行つておるかも知れませんけれども、そういうことでございます。併し繰返して申上げておりまするように、最低が上りましても、極端に或る物資につきましての打撃が多くないようにということでいろいろ折衝いたしておる、こういうことでございます。
  43. 徳川宗敬

    徳川宗敬君 今の答弁にありましたように、急激な運賃の値上りを防ぎたいというお話でありましたけれども、どうかその通りに、殊に林業関係に関しては、従来から見て急激な値上りになる点が多々あると思います。そういう点を十分もう一遍御考慮願いたいと思います。希望を申上げておきます。
  44. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは別に今度の改訂について反対とか、或いは又批判的なことを申す意味でも何でもないのですけれども、実情もできるだけ確保したいという観点から、例えば従来の指数最低五五なら五五のものを今度は七五にするとか、こういうことはおやりになつておりますね、そのこと自体、別に私は今申しますように、必ずしも批判的にどうこうというのではありませんが、まあ強いて言えば、それは運輸省がお考えになつたことで、その影響はおきめになつたとたんに生産者と言いますか、消費者というか、そのほうはお役所のほうで一方的におきめになつて、或いは審議会答申の結果かもわかりませんが、その結果直ちにあふりを喰うことになるわけです。従つて徳川さんからお話があつたように、経過的にはやはり或る程度のことは、急激な変化を与えないような配慮はお考えになつて然るべきじやないか、これは私も考えなければならんところなんですが、それと同時に今藤野さんや、徳川さんから具体的な問題が出て来ましたから、私も実は具体的に今日は言うつもりはなかつたのですが、申上げるのですが、例えば公共物資の問題で、肥料、農機具、農薬というようなものは、これは農林省としては生産用資材としての大宗というか、三本柱に考えておられるわけですね、それを運輸省のほうの観点から、肥料、農機具はこれは公共物資かもわからんが、農薬はおれのほうは公共物資とは考えないというような考え方はせずにしておいてもらいたい。これはやはりそれを主管しておる役所の見解というよりも、むしろ一般的な筋の通つた分類の仕方をしてもらいたい。或いは農林物資と他の物資との関係で、例えば建築用資材なら建築用資材で、セメントならセメントは公共物資だけれども、畳表だとか、藺草だとかいうようなものは、これは運輸省としては公共物資とは考えんとか、そういうことでなしに、やはり彼此均衡と申しますか、筋の通つた分類の仕方をしてもらいたい、こういうことを実は申上げるつもりで、細かくなりますから、抽象的な原則論をお伺いしたわけなんですが、具体的の品目が出て来ましたから、これは併せて御参考までにお願いしておきます。
  45. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) ほかにございませんか……。私から一つお聞きしたいのですが、今度の等級改正というようなことにつ甚しては、いろいろな目的があつてやられることだと思うのでございますが、そのうちの一番大きな目的というのは一体何でございますか。等級改正の問題ですね、一番大きな目的は何でございますか。
  46. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 一番大きな目的と申しますと、それは鉄道に対する経済界なり何なりの御注文が、運賃負担の公平を図られ、こういう御意見が最も強かつたのでございます。まあそういう意味からいたしまして、我々といたしましては、それを最重点に置いて考える、それから国鉄の立場からいたしますると、現在の制度が先ほど申上げましたように、戦争中からかなり歪められた点がたくさんあるのでございます。サービス本位から離れまして、量の輸送というようなことに重点を置きまして、そういうことでやはり等級改正しなければ、例えば今申上げた減トンの問題などは、これはやはり等級問題に触れなければ、この問題を解決ができないわけでありますが、そういう部内部外両面の理由によりまして等級改正に着手したと、こういうわけであります。
  47. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) そうなつて参りますと、各等級の各種目の均衡ということも今回十分お考えのことだと思うのですが、先ほど楠見委員からもお話がございましたように、農業の生産資材であります肥料、飼料、農機具というものと農薬というものとは、従来非常に等級が違つておつたと思いす。併し生産というものの重要性から鑑みまして、農薬は肥料、飼料、農機具などとは同率に行くべきものだと考えるのでございますが、今度改正されましたこの案を見ましても相当等級が違つておるように思うのでございますが、これらを直すというお考えはございませんですか。
  48. 遠藤鐵二

    説明員遠藤鐵二君) 只今御指摘の農機具、それから農薬につきましては、まだ只今のところ農林省のほうと私のほうで折衝の最中でございます。
  49. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) これは従来非常に等級が違つてつたのでございますが、肥料、飼料にこういう等級を与えるとしましたならば、やはり農薬などもこれと同一に取扱つて頂きたいということは、これはまあ一般の要望でございますから、十分御考慮をお願いしたいと思います。今日の審議の状況並びに各方面の要望等につきましては、十分参酌の上善処せられますように要望いたします。  本日はこれで散会いたします。    午後三時五十七分散会