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1952-12-01 第15回国会 参議院 農林委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月一日(月曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十六日委員加賀操君、飯島連 次郎君、片柳眞吉君、村上義一君及び 加納金助辞任につき、その補欠とし て、楠見義男君、徳川宗敬君、藤野繁 雄君、岩崎正三郎君及び石原幹市郎君 を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            三橋八次郎君            東   隆君    委員           池田宇右衞門君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            赤澤 與仁君            楠見 義男君            羽生 三七君            岩崎正三郎君            小林 亦治君   政府委員    農林大臣官房会    計課長     増田  盛君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林大臣官房長 渡部 伍良君    食糧庁長官   東畑 四郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○農林政策に関する調査の件(昭和二  十八年度農林関係予算に関する件)  (昭和二十八年米穀年度食糧需給計  画に関する件)   —————————————
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今から農林委員会を開きます。去る二十六日農林委員の変更がありましたから御披露申上げます。加賀さん、飯島さん、片柳さん、村上さん、加納さんの各委員辞任になりまして、新らしく楠見さん、徳川さん、藤野さん、岩崎さん、石原さんの各委員農林委員に就任になりました。  次にお諮りいたしますが、理事西山龜七君より理事辞任いたしたいとの申出がございますが、許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしたいと存じます。  次に委員辞任いたしました加賀君及び只今辞任されました西山君の理事補欠互選を行いたいと思いますが、その方法は如何いたしますか、お諮りいたします。
  4. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 理事互選成規の手続を省略いたしまして委員長において指名せられんことの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  5. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今異議ないものと認めて宮本さんの動議によりまして、理事徳川君及び滝井君を御指名いたしたいと思います。   —————————————
  7. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次いで本日の審議に入りますが、本日の審議事項は公報で御通知いたしておりましたように、昭和二十八年度農林関係予算昭和二十八米穀年度食糧需給計画及び食糧増産五カ年計画を予定いたしております。  先ず昭和二十八年度農林関係予算を議題に供します。農林省官房長会計課長関係局長から御説明を願うことにいたします。会計課長増田君であります。
  8. 増田盛

    政府委員増田盛君) 会計課長であります。それでは私より二十八年度農林関係予算要求重要事項に関しましてお話申上げます。  お手許に私のほうより説明資料として差上げましております資料が二つあるのでありまして、一つ昭和二十八年度農林予算概算要求重要事項一覧表というのが一つと、それから先ほど一枚紙で昭和二十八年度農林関係予算要求内訳表、十一月二十九日附のものが行つております。一枚の紙であります。  先ずその一枚紙で概略をお話を申上げまして、次に各項目に関しましてお話申上げたいと思います。一枚紙で御覧願えば一目瞭然なんでございますが、昭和二十八年度概算要求額がありまして、更に二十七年度と対比してございます。二十七年度は当初、補正なつております。区分は実は非常に大きな項目で区分いたしまして農林予算特別会計の繰入関係公共事業費関係、その他一般経費関係というふうに分けてあります。先ず昭和二十八年度要求額でございますが、合計欄を見て頂きますと、二千五百七十億が要求であります。そこで前年度、二十七年度と対比いたしますと、昭和二十七年度の合計は千四百五億と、こうなつております。これは今回の補正予算を入れました総額でございます。当初予算が千百十九億、今回の補正によりまして、二百八十六億増加いたしまして、都合千四百五億と、大体二十八年度要求額は千百億程の増額要求をしておるのでございます。更にこれを細目を見ますと、特別会計の繰入が八百九十億を要求いたしております。これに対しまして、前年度は六百七十七億であります。まあそう大した要求でないのでありまして、非常に目立ちますのは農林漁業資金融通特別会計要求が、前年度繰入が六十五億のところ二百億要求しておるという点が変つております。尚この際一言いたしますが、食糧管理特別会計に対する繰入に関して、この表中にあります通り五百億というふうに一応数字を出してございますが、これは実は要求書といたしまして、まだ未決定でございます。これだけは一応推定いたしまして五百億、二十七年度、本年度輸入補給金が三百八十八億、歳入不足補填金が百十四億六千万円ですが、ほぼ五百億近くになるのでありまして、来年度補給金にけ考えましても、これくらいの繰入か必要だろうという意味で五百億とししおります。    〔委員長退席理事三橋八次郎委員長席に着く〕 史に公共事業費関係でございますが、これは実は非常に大きく要求といたしまして殖えております。千二百九十五億、大体千三百億要求いたしております。千三百億の要求でございまして、それに対しまして昭和二十七年度は四百七十三億でありまして、大体三倍近い要求をいたしております。これが非常に大きく殖えておりました大きな項目でございます。その他一般経費、この中にたくさんいろいろなものがあるのでございますが、これが僅かに三百八十三億、前年度二百五十五億、そうへらぼうな要求じやないのでありまして、大体五割増の要求をいたしております。こういう関係でありまして、明年度農林関係予算要求はやはり予算編成方針に基きましてできるだけ重点的に要求いたしたつもりでございます。以上簡単でございますがこの表に関します御説明を終ります。  次に一覧表、三十枚ほどの綴りがあるのでありますが、それに関しましてお話申上げたいと思います。この項目も実は重要事項だけ取上げまして持つて参つたのでございますが、併し時間の関係もございますので、このうちで又特に項目を選びましてお話し申上げたいと思つております。左のほうの番号予算要求書番号でございまして、飛び飛びになつております。それでは二千五百七十何億かの中で水産庁関係を除きましてお話し申上げます。  先ず官房のところでございますが、左の番号で申上げます。十二番総合助成施設実施四億九千四百万、これは新規事業でございます。大体積雪寒冷単作地帯市町村農業振興計画に即応しまして、これをできるだけ取上げて行く、市町村におきます農業振興計画の一環として共同施設に対します助成であります。現在は積雪寒冷単作地帯対策としまして、土地改良だけが予算の上に載つておるのでございますが、これでは極めて地帯的に不均衡であり、不十分でありますので、やはりその町村々々の具体性を持つて盛り上げて来ました振興計画の場合に、共同施設一つ取上げて行く、これは大体助成町村がそこに九百五十カ町村ありますが、これは全体で言いますと、二千八百五十カ町村であります。これは全部でありますが、これのうちに先ず第一年度分は九百五十カ町村を取上げて行く、三年間で全部やつてしまう、  一町村平均しますと、百万円くらいの金を二年間で五十万円ずつ実施して行く、非常にたくさんのものがありますが、例えば農協で作ります石灰の集積所であるとか、或いは数戸で共同してやる、コンクリート畦畔とか、或いは猪の防止施設とか、それからレンゲの刈取機とか、数戸、乃至部落と農協で共同して設置をするものに対しまして助成しよう、こういう構想でございます。  それから次は農林経済局、二番農業委員会、これが三十七億、前年度三十億、七億増になつております。これは団体編成の問題にもからんで来る問一題でありますが、一応は前年度踏襲の線を要求いたしております。若干の単価増、或いは数量の増があつたのでありますが、前年度踏襲しまして、延長といたしまして要求をいたしました。それから一つ飛びまして四番農林漁業関係教育機関生徒奨学資金、これは新規要求であります。一億五千三百万、これは一言に言いまして、現在農林省関係教育機関がいろいろあるのであります、例えば農業講習所協同組合学校、或いは下関の第二水産講習所等たくさんあるのでありますが、これに対しては文部省が所管する奨学資金貸付の対象になつておらない。従いまして今回こういうところに在学する生徒に対しまして貸付をやろう、卒業の日から五カ年で返還させる。金額文部省の場合と同額であります。詳細に次の表に書いてございます。最近の農村におきます中堅農民養成、その他農家の子弟の養成のために是非この制度を何らかの形で確立したい、こういうふうに考えております。  次に五番の農業協同組合一億三千百万、これは特に摘要の欄にあります(1)、(2)、(3)というのは金額が殖えておりますけれども、筋としては変つた点はございません。ただ(4)に農業協同組合事業活動促進対策費中央会)といたしまして八千五百万円あります。この内容は新たに農業協同組合中央会全国組織としまして設立しまして、これの経営活動促進に対しまして助成をする、中央会事務費に対して、或いは中央会支会が県にできるわけでありますから、この支会に三人の書記を置きまして、これに対する人件費事務費、それから更に末端の地区に五百五十人、全国で五百五十地区でありまして、これに対しまして駐在員を置くわけでありますが、こういうものに対する人件費事務費の二分の一を助成しようというので八千五百万円であります。これは御存じ通り団体編成の問題とからんでおります。この予算要求をいたします当時はこの中央会構想だけが先に滑つてつた関係もありまして、これだけ強く要求いたしておりますが、問題としましては全体として整理をして見なければいかん経費だと思つております。それから六番の再建整備は変つた点がございません。これは補正予算でやはり前年度七億八千万円、補正予算で更に五億七千六百万円追加いたしまして、大体二十七年度資金需要国家資金のピークとなつております。それから二十八年度からは急角度に漸減というか、相当減つて参ります。  十四番目が中央卸売市場に対する施設助成でございます。一億四千万、大体施設に対して助成をする、従来の改築乃至増築に対して助成して行こう。これは大正十五年に中央卸売市場法が出た当時は農林省から助成いたしたそうでありますが、現在では何らこの措置がないのであります。問題を提起する意味においてこういうふうにいたしております。  一つ飛びまして十七番の農林金融行政では二百億、前年度予算が六十億、これは資金財源から見ますとそこにあります通り四百八億であります。二百億が農林金融公庫を作りましてこの公庫に対する出資という形になります。あとの二百億が預金部からの借入れ、八億が回収金、大体四百八億で、前年度の倍で運用いたしたい、こういうわけであります。  次が二十番の農業共済保険実施百四億、前年度が百六億でございます。これは大体実は前年度の二十七年度共済保険の大きな改革が行われたわけでございまして、水稲の料率改訂国庫負担負担割合、それから共済基金の造成、こういう大きな仕事があつたのでありますが、そのほかにもまだこまごました仕事が残つております。この点に関しては詳細に農林経済局長から又適当な折にお話申上げるのでありますが、予算として非常に大きくここに変化があります点だけ申上げ、ておきます。事務費の点も若干増額要求いたしておりますが、特に「特別会計へ繰入」という項がございます。六十八億が七十六億でございますが、実はこれは実費的に相当殖えるのでございまして、連合会出資金、一番最後にありすが、連合会基金に対する出資が十五億前年度つたのでありますが、今回は必要がないのでゼロ、特別会計に対する赤字が三億あつたものも今回はゼロであります。そのほかに殖えましたものは低被害無事戻金、丁度真中頃に書いてあります。五億六千四百万円、これが新規構想であります。低被害無事戻金、これは一定期間の間に農家が受取る共済金が、支払つた掛金よりも一定割合において低いというような農家に対しましてまあ保険の維持上やはり或る程度の払戻しをやつたほうがいいという結論になりまして、大体三年間くらいで引続き該当する農家に対しましては、掛金の範囲内において払戻そう、こういう構想でございます。趣旨は結構なんでありますが、保険の理論としましてはわれわれむずかしいことでございまして、この点に関してもいずれ詳細に適当の機会に御説明いたしたいと思います。更にもう一つ次家畜勘定の点で改正を行うとした点でありますが、家畜勘定への繰入が八億九千七百万円、これは前回は四億二千九百万円でございます。これは大体家畜保険掛金国庫負担金でございますが、大体倍殖えております。倍に殖えました理由は、現在まで別々でありまた死亡廃用保険疾病傷害保険一緒にしよう、一緒にしますと死亡廃用義務加入でございますから、農家掛金に対しまして国庫負担がございます、疾病傷害保険のほうは従来任意保険でありましたが、これを一本にして全部義務加入にしますと、その分だけ国庫負担の分が殖えるわけでございまして、そういう国庫負担の増が相当あります。その他いろいろ理由に吉ましてこれが殖えております。大体大きな改正としてはこの二つであります、が、このほかに蚕繭共済制度に関しても細かい点で改正を加える、こういう構想なつておりますが、これは予算面には直接影響ありません。それでは共済保険に関しましてはその程度にいたします。  次に統計調査部に移ります。統計調査部が2の農作物調査、これは大体前年度踏襲でありますが、次の頁をめくつて頂きまして(3)に「被害調査」というのが出ております。これが前年度よりも強く要求されるわけなんでありまして、現在各府県別には相当精細な被害が出ておつたのでありますが、これをもう少し郡の段階まで制度を持たせる、そうするとひとり作物調査の目的以外に、農業共済保険の目的に使えるのであります。従つて郡単位の所にもう少し制度を持たせまして調査を厳密にやる、そうしますとそれに必要ないろいろの支出があるのでありまして、大体このために新らしい人員増をやつておるのであります。八百人ほどの人員増をやつております。その点が今後も定員関係で問題になつて参ると思うのであります。  それから次に二つ飛びまして次の頁になります。次に6の土地改良事業による増産効果測定調査五千二百万円、これは新規要求でございまして、これは農林省で準備いたしております食糧自給促進法案の中の狙いの一つでありまして、確実に自給を実施したならば、その増産効果を出しまして国会に報告する、こういうためにはやはり精密な増産効果測定をやる必要があるということでございまして、この増産効果も極めて土地改良開拓等多岐に亘つている関係がございまして、取りあえず土地改良一定範囲におきましては統計調査部が受持つ、統計調査部が今直ちに分担し得ない地区に関しましては他の方法によつて農地局が分担するということでこの経費を出しております。五千二百万円は統計調査部調査による経費でありまして、農地局のほうには又農地局でこれと違つた種類事業に対しまして、違つた方法調査をやる経費が出ております。  次に農地局に移ります。2の土地改良法施行三億九千六百万、前年度二億より倍ほど殖えておりますが。これは大体事業量が殖えたのでありまして筋として変つておりません。ただここでお話申上げたいのは、劈頭の交換分合事業費補助でございますが、これは従来計画費補助でありまして、計画費だけの補助でございます。計画費と申しますと結局事務費補助でありまして、事業実施費用に対する補助がございませんので、いろいろ問題になつておつたのであります。端的な例は、交換分合に伴う小さな道路や、用排水路助成がなかつた、従いまして今回はこの経費公共事業費のほうで二億二千万円ほど要求いたしております。交換分合事業費としまして二億二千万、農道、用排水路ということで要求しておりまして、これはこの金額の以外であります。  それから次の頁、九番自作農創設維持経理事務)二十八億、前年度一億、これはに(3)書いてあります特別会計の繰入の経費でございます。自作農創設特別措置特別会計という会計に対する繰入二十七億、これは政府が農地を買取る方式によります金融措置でございますが、農地担保金融と称しておりますが、厳密に言いますと、政府買取り方式による金融でございます。これに対して現在は八億五千万で操作しておるわけでございますが、御存じ通り自作農創設特別会計の内部の余裕金で賄つております。災害関係或いは疾病或いは相続、いろいろの関係がございまして、とても八億五千万では不足いたしますので、明年度は更に特別会計へ二十七億の繰入をしましてこれでやつて欲しい。この二十七億という前提には、来年度特別会計の内部には余裕金を生じないという前提で二十七億要求いたしております。次に十三番の開拓者資金融通特別会計へ繰入、それを三十一億、前年度十六億、これも飛躍的に殖えております。この殖えましたのは、結局二十七年度は当初七千戸の入植戸数と、この七千五百五十と書いてありますが、これは七千二百四戸の誤りでありまして、当初補正予算で七千二百四戸ということになつたのであります。それを来年度開拓地に対する入植戸数を一万五千戸を要求しておりますので、それで大幅に殖えたのであります。更に開拓者関係団体から非常に要望の強い営農促進対策資金というものがございます。これは本来開拓者資金融通を受けられなくなつた過年度入植者、古い年度入植者昭和二十五年度以前でございますが、大体開拓者資金は三カ年継続融資でございますから、三年前の古い入植者に対しましては、爾後の営農関係資金が通常では借受けられないのでございますが、これを二年ほど前からこういう枠をとりまして実はほそそれでございますが、家畜導入資金といたしまして借受けておつたのでございます。今回更に役畜の導入資金を増大すると共に、新らしく乳牛を大きく取上げてもらいたい、こういう要望に応えまして、八億七千五百万円を要求いたしました。  十五番が、日本農村青壮年北南米派遣千四百万は金額は僅かでございますが、(1)のほうの米国派遣費はこれは現在実施しておるのでございます。予算上は前年度二十五人、今回の要求は四十六人、一県当り一名ということで要求しております。現在実施中でございます。それから次の(2)のほうがブラジル派遣費でありまして、次にあります海外移民と密接な関係がありますが、ブラジル南米移民再開に当りまして、やはり同様の趣旨によりまして内地のお百姓さんをブラジル開拓地開拓施設を見学させよう、視察させようという経費でございます。  十九番海外移民三千四百万円、これは外務省との関係は、大体港までが農林省の分で、港から現地に行くまでは外務省でやると、こういう話になつております。そこでここにあります通り募集選考から講習会を開く、それから集結費、これは乗船港までの集結の旅費が大部分でございます。仕度料も極めて僅かでありますけれども入つております。下に計画戸数が書いてありまして、こういうものに対する旅費、日本の輸送料仕度料、こういうものを入れまして二千二百万円、計画戸数は大体普通の移民が六亘戸、それから単独で行きます模範移民が一千人と、こういう計画なつております。この海外移民に関しましては実は補正予算におきましても要求したのでございますが、特に本年度中に明年度移民予定地を視察させようと、これは技術者に視察させようという予算要求したのでありますが、見送りになりました。農林省としましては若干の費用がついておりますけれども、極めて少額でございます、  次に二十番が農村青年開拓事業等就労補導三千八百万円、これは補正予算で実は一応趣旨が貫徹しまして、六百七十六万三千円が補正予算で認められております。結局これの延長なつたわけでありますが、これは通常産業開発青年隊でございますが、農林省ではああいう言葉を使つておりませんが、ああいう名称で呼ばれております。特に建設省関係要求もありますので、これと一線を画する意味におきまして、こういう青年は結局当該入植地に対しまして将来集団的に入植すると、こういう構想をとつております。  それから次に万年筆でちよつと抜けたところが書いてあります。農地改良拡張による食糧増産効果測定七千九百七十五万一千円、これは先ほど統計調査費の項でお話申上げました通り統計調査部違つた、例えば開拓地とか統計調査部で直ちにやれないというようなところ、そういうところの調査費でございます。これと統計調査部の豊川と合せて一本ということになるわけであります。  それから次は農地改良達成事業であります。八百七十八億、前年度の大体三倍でございます。これは食糧増産五カ年計画の線では五百七十億という数字が出て参りますが、これは積極増産と言いますか、増産効度がプラスになつて来るわけでありまして、このほかにこの経費の中には減産防止、例えば災害復旧という費用が全部入つておりますから、結局災害復旧とか防災溜池とか積極増産として数字に現われて来ないのです。減産防止としまして現水準を維持するという意味におきましては、絶対的に必要だという経費が全部入つております。そういうものを含めますと八百七十八億になる。こういうことであります。詳細に関しましてはいずれあと食糧増産五カ年計画の項におきましてお聞きとり願いたいと思いますので、私の説明からは省略させて頂きます。  次に進みまして、九頁に行きます。農業改良局、先ず2の食糧農作物種子対策等食糧生産確保経費でございますが、十二億、これは大体大ざつぱに言いますと、前年度よりそう著しく変つた数字はないのでございますが、非常に細かいところで新規要求がございます。上のほうから見まして管理事業費府県分)としまして、これが大体六千二百万円、括弧が前年度分でございますから倍になつておりますが、これは現在の採種圃管理事業に対する費用は米麦だけになつておりますが、そのほかにそれ以外のものを要求いたしております。更に現在は圃場検査でございますが、現品検査を是非やりたいということであります。それから次の管理事業費の中で一市町村分新規要求であります。市町村計画を作ることになつておりますから、この市町村事務費に対する助成をしようというのであります。それから原種圃設置費には甘藷が新規であります。原原種圃、これは全然新規構想であります。府県の農地試験場に現在原種圃があるのでありますが、更に原原種圃を作ろうということであります。その他数量が殖えておりますけれども、特に変つた項目はございません。次の頁に移つて頂きまして、次の頁の(6)水稲健苗育成費温床苗代保温折衷苗代、これは前年度より坪数を少し殖やしまして単価は据置きまして、坪数を少し殖やしまして千七百万坪にしました。前年度は千五百万坪でありました。そこで少し数字が殖えます。それから新規要求(7)の通し苗代、低位生産田解消対策九百十万円、これは新規要求でございます。これは東北におきまして通し苗代一万町歩、苗代跡地が五千町歩あるそうでございますが、これを五カ年で解消しよう、いわば保温折衷苗代延長でございます。特別要求いたしております。  それから4の耕土培養対策金額は倍になつておりますが、これは事業量が殖えたというだけでございます。  それから5のアカホや対策、これは補正予算におきましては時期の関係事業実施ができませんので調査費だけ認めたのでありますが、来年度から本格的に実施をするということになります。  それから6畜産振興に伴う堆肥増産、これは堆肥舎の設置に対する助成でございますが、大体補正におきましても同様の金額要求いたしておつたのであります。これは大体補正予算におきまして決着がつきまして、あとで畜産局のところに出て参りますサイロの設置の補助金と同様にこの経費は農林漁業の特別会計資金で賄うということになりまして、補正予算ではこの堆肥舎とサイロは合せまして一億五千万貸出す、こういうことになりまして、一応補助金は国家融資のほうに変つたという、特融のほうに変つたという分になつておるのでございます。  それから8の、北海道農業振興、二つありまして、北海道の機械化、これは従来の経費でございます。心土耕、混層耕の経費でございます。新規要求は(2)農業用小型索引車等施設費、これが三千三百万円でありますが、非常に高い機械で、このジープトラクターと言いますか、新らしい、アメリカにおきまして小型索引車、小型と申しましても相当大きいのであります、比較的大きな農法に使いました小型索引車に一連の作業機を設置いたしまして、これがワンセットで二百六十万するのでありますが、この二分の一を補助する、大体二十五組を作る予定でおります。北海道の比較的大規模な農家の見本的な機械化のための助成でございます。  それから十番が西南暖地等水田生産力増強六千百万円、これは御存じ通りでございます。南海道或いは以西の地帯、最近におきましては関東地方も取り上げようということでこの中に入つておりますが、常習的風水害地帯の水・田面積が四十七万町歩もあること、これに対する災害を避けること、而も水稲水田生産力を高めること等のために最近の新らしい技術を総合しまして水田の作付方式を転換して行こう。こういう経費でありますが、大体中身は新らしい、新種の導入や或いは保温折衷苗代の油紙の購入費或いはホリドールの購入費に対する助成でございます。これが大部分であります。(2)のほうはそのために更に水稲作付方式その他の試験をやつて行こう、こういう経費でございます。極めて技術的な問題でござい嘗て、特にいろいろ問題があつて水稲の早植栽培だけを取上げようとしておりますので、問題が多岐でございますから特別に改良局からお聞き取り願いたいと思うのでございます。  それから十一番に特殊農作物関係新規要求をそこに書いてございます。  十五番植物防疫、前年十一億、今回十八億大幅に殖えております。併し大体の数字としては余り変化がありません。先ず(1)の指定病害虫の駆除費でございますが、稲の種子消毒、これは大体前回と同じであります。三百万町歩のものでございまして、同じ事務費等が少し殖えておりますが、それから次に稲の病害防除、これがいもちの二十万町歩、これは前回と同じなんでありますが、ただ金額が殖えております。稲の病害防除で、これはいもちです。毎年これは同じでありまして二十万町歩を対象にしておりますが、殖えておりますのは、あとにずつと出て来るのでありますが、今までは薬剤一回撒布分を見たのでありますが、今回は一回半を見ると、いもちに関しては毎年一回半と、まあ平均一回半としても一回やる所も或いは二回やる所も或いは三回やるところもあるが、一回半とこういうことであります。次に稲の害虫防除六億二千万円、これは三倍に殖えております。これはうんかと二化螟虫とございまして、うんかは大体殖えておるが、一回分が一・五回ということになりまして殖えたのでございますが、二化螟虫を積極的に殖やしております。二十七年度におきましては一万町歩だけ消費したのであります。今回は十四万町歩要求しております。二化螟虫、これはホリドールの見通しがつきましたので一万町歩を一躍十四万町歩にしようとした、但し薬剤の単価がその割合に減つて来ますから、安くなつて来ますから大体その辺のところでとまつておる、こういうことでございます。麦の種子消毒、これは前年と同じであります。麦の病害防除はこれも前年度と変つた点は殊にございません。(2)指定病虫害特別防除費、これは例の病虫害の異常発生と言いますか、今まで申上げましたのは平常防除でございますが、やはり二分の一補助なんでありますが、(2)のほうも二分の一補助でございますが、特別防除、特別異常発生といつた点に関しましてやはり農薬を整備しまして二分の一助成をするも同様に異常発生対策費、これは特に異常病虫害発生に対する予備費的なものとしまして前年同様二億の金を準備しておくと、こういうことであります。それからあと(4)、(5)は御存知の通り年度と同じであります。なおこの表の中にないのでありますが、農薬購入費としまして国が大体整備数量の一割だけ持つている金額がこのほかにございます。農薬購入金を準備して行く。  それから新らしい要求としましてはここに落ちておりますが、輸出柑橘無病地帯の設定費補助、これは輸出みかんに対する新らしい対策としまして、金額は僅かでございますが約四百万円ほど輸出柑橘無病地帯設定費補助、これによりましてアメリカが非常に嫌います柑橘の潰瘍病を防除しまして、更に輸出を再開させよう、たしか二十二年から輸出が禁止されておりますので、この輸出を再開し促進しようという経費が盛込れております。  あとに飛びまして二十四番、これはやはり農業改良普及員の制度でございまして、団体編成関係でございますけれども、経費は人員も前年の延長で特に変つた点はございません。  それから二十六番、農業技術の国際連絡交流千百万、ここでも実は外国に少年と壮年をやるという計画で以てややこしいのでありますが、最初申上げましたのは農地局関係、これは改良局で、ちよつと違うのであります。(1)が青少年を米国に派遣する、これは4Hクラブの少年をこの国際大会に派遣しよう、こういう経費であります。(2)のほうはやはり僅かでありますが、スイス、デンマークに一年滞在させまして往復十四カ月、向うの酪農経営を習わせよう、こういう経費でございます。  それから三十二番生活改善の普及三億二千九百万、これが大幅に殖えております。専門技術員、普及員とも大きく増員することになつております。二十七年度におきましても相当の増員を見たのであります郷、更に増員しよう、括弧内が前年度でありますから比較して御覧頂きます。(2)、(3)に展示施設或いは共同施設に対する設置の助成がございます。これは新規要求でございます。  次に畜産局のほうに移ります。畜産局のほうは家畜の改良増殖二億一千、これは前年度と同じ考え方であります。  それから5の乳牛の輸入、十カ年間乳牛百万頭という畜産振興計画に即応してこの計画を最初立てたのでありますが、どうも現地の価格が高騰し輸送費が上つて来まして、輸送費に対する若干の助成をしなければ内地に入る場合の的確性がないというのでこの際要求したのでありますが、実は補正予算でも下りなんでおります。補正予算でもどうも認められなかつた。来年度なつてこれはやはり乳牛増殖計画と関連しまして何とかしなければならんと思いますが、われわれ難楽書冒して、この点更に研究を要することと思つておるわけであります。  次に六番が草資源の造成改良四億、これは特に力を入れたいと思つておるものでございまして、ここにいろいろの点で書いてありますが、この牧野の更に河川敷、堤塘、道路敷、傾坂等まで含めてありますけれども、この広大な牧野面積に対しまして重点的に助成をしまして改良して行く、こういう経費でございます。  それから十番有畜営農の確立十五億四千七百万、前年度は八千五百万で、御存知の通り家畜導入に対します利子補給だけ計上いたしたのであります。ところが利子補給だけではどうも円滑を欠くいろいろな事情がございまして、特別会計には、特に現行のまま融資して行きますと一年間に二十数億の金がどんどん貸出されるわけでありまして、これが回収を見込みましてもやはり数年後に一番資金のピークは百三十億くらいになるのであります、そこでとても普通の一般金融では賄えないので、この際特別会計を設置しようということであります。大体特別会計資金は二十六億を予定しておるわけでありますが、このうち一般会計の繰入を十四億、十三億は預金部から借りる、こういう計画であります。新らしい特別会計要求がここにあるわけであります。  それから次に十一番がサイロ等の建設補助四億六千一百万円、これは先ほど堆肥舎のところでお一話申上げました通り、一応補正で処分がつきまして農林漁業資金の中でやる、で、ここで申上げますが、農林漁業資金は案は補正予算で八億の資金の増加を見たわけでありますが、この八億の中に一億五千万円だけサイロで堆肥舎が補正予算の中に組まれております。  それから畜産局は以上にしまして蚕糸局に移ります。  2に生糸の需給増進四億九千七百万、これはもう御存知の通りのドル地域向の輸出奨励金でございます。二十七生糸年度は六千俵、二十八生糸年度は四千俵、これだけの対米輸出を確保する、これを輸出する場合におきます国内価格との値開きを助成しよう、こういうことであります。この経費は実は補正予算でも要求したのでありますが、やはり補正予算の筋ではないので途中からやめまして、挙げて明年度予算の場合に検討する、二十八年度予算で検討するということにいたしたわけでございます。  次に八番の養蚕振興対策、蚕糸局の基本的なものの一つでございますが、特に変つた点はございません。  九番の蚕糸の技術的改良、これも一例年のことでありますが、(2)の蚕業技術指導強化費で養蚕農業の専任技術員の増員の要求をいたしております。  次に食糧庁、劈頭食生活改善九億六千二百万、これは次の7の2の食糧管理特別会計繰入二十六億二千六百万と関連があるわけでありまして、一括御説明申上げます。これは都市生活におきます食生活の改善の事務費が若干ありますが、大部分が学童給食に対します助成施設であります。刷り物にあります通り、都市におきますのは講習会とか、或いはキツチンカーで、これは自動車に台所セットを乗せて宣伝する施設だそうでございまして、十大都道府県でありますが、一府県一台百七十五万円の自動車の助成をしまして宣伝させよう、こういう経費でございます。問題は(3)の学童食生活改善費補助九億でありますが、これの考え方は、実は、一食補助額三円四十四銭と書いてございます。給食人員六百万人、これは落ちておりますが、給食日数は二百十五日、一食三円四十四銭、人員六百万人、給食日数が二百十五日。この補助額三円四十四銭が何で出て来たかと申しますと、これは完全給食を実施しますと十八円四十六銭かかる。ここに書いてございませんが、十八円四十六銭が完全給食の一食当りの経費でございます。ところが普通の家庭におきましては十五円二銭が平均だそうでございます。十五円二銭、これはCPS或いは農家経済調査の結論でございますが、十五円二銭。この差額が三円四十四銭でございます。というのは、まあどこにおつても家庭の児童が食事をする場合十五円二銭だけはかかるのであります。従つて完全給食を実施する場合のこの差額を助成したらいいのじやないかということで、この補助額を、差額を三円四十四銭といたしまして、給食人員六百万人と更に給食日数二百十五日を掛けますと、四十四億三千七百万円が出て来るわけであります。この場合に昭和二十七年度で実際実施しますと、先ず小麦粉の安価払下げの方法があるわけであります。どれだけ安く払下げるかと申しますと二十六億。それから残りを一つ公共団体と国で半々で持とうじやないか、こういうことであります。小麦粉のほうは食管特別会計で持つ、その残りの副食相当分は公共団体と国で九億ずつ持つということで、こういうことで九億という数字が出て来たので、実はこれははつきりすつきりした数字なつていないのでございまして、いろいろ問題もあるかと思うのでございますが、そこで何分にも対象人員が非常に厖大でありますので、これを作ります場合には、あれこれとやつたんでありますが、なかなかいい数字が出て来ないのでありまして、極めて紆余曲折を経まして、こういう数字に落着いたのであります。  次に7の2と書いてありますが、現在どうやつているかと申しますと、現在は小麦粉を食管会計の負担におきまして半分で、これは半分というのは小麦粉の半分じやないので、原麦の半分という恰好をとつております。要するに食管会計は原則としまして原麦の操作をやる会計でありますが、特に学童給食の場合には委託加工をやりまして、小麦粉にして払下げるのでありまして、その場合の小麦粉のコストの計算の中には、原麦価格の半分ということで織込んでおるのであります。大体原麦も外麦が大部分であります。外麦を一応国内価格に直しまして、そしてそれを半分目にしまして、小麦粉に委託加工して払下げる、その政府の受持ち分が二十六億になる、こういうのが二十六億の数字でございます。ところが二十七年度補正予算におきましては、もう御承知のことと思うのでございますが、大体この赤字が十五億弱に出ておるのであります。これも非常に十五億が当初予定いたしましたときは二十三億ということで要求したのでありますが、それが実際最近におきまして、文部省関係その他から集つて来る数字によると、大体十五億しかにならんというのは、当初予定した学童給食が、いろいろな関係によりまして非常に人員が減つているから、給食日数が減つておるという点ではないかと思うのであります。これはこういう数字を作つたときにはそういう関係がはつきりいたしておりせんので、一応二十五億ということで要求した次第であります。  それから次に食糧管理特別会計繰入れ五百億のほうが入つておりますが、これは価格差補給金としまして一応出しておきました。劈頭申上げた通りであります。ここの前年度予算の二百七十億という中に、補正予算関係のものが全然入つておりませんから御注意願いたいと思います。  次に林野庁に移ります。林野庁は六番の積寒地帯林業振興でございますが、これは北海道の耕地防風林の造成、耕地防風林の造成は、公共事業費の中に、基幹防風林のほうは大体できるのでございますが、零細な耕地防風林ができませんので、この際要求したい。それから次の頁、十二番に森林計画四億二千八百万、これは筋としましては特に変りがございませんが、補助職員の増の要求がある、こういう点非常に要望が強いのでありまして、現在二千九十九人を二千二百二十四人、森林区一地区には是非これは置きたい、こういうことでございます。次の保安林整備強化これも特に変つた点はございませんけれども、一番最後に九十二人の県庁の職員に対する助成新規要求として出ております。更に十五の林業改良普及、これも人員要求がございます。その他大体農業改良普及員に準じていろいろな助成をしてくれという新規要求、人員要求があります。以上であります。御参考までに申上げますが、森林組合の技術職員に対する助成要求してございまん。森林組合の技術職員その他何の名目を問わず、職員に対する助成はこの表には出ておりません。現在のところまだ要求しておりません。それから十六番の森林病害虫の駆除、四億八千四百万、これは従来は松くい虫だけであつたのでありますが、明年度はくりたまばち以下いろいろ要求いたしております。くりたまばちで申上げますが、これは二十七年度に大発生しまして取りあえず予備費で五千百万円出したのでありますが、まだ足らんというので今回は補正予算で同様に五千百万円要求いたしました。そこで両方で一億二千万円ほどのやつでありますが、来年度は更に一億五千万円要求しておる、こういうことになつております。それから次は林業事業三百三十一億、前年度九十五億、いわゆる公共事業費でございます。これに関しても更に精細な説明が要るわけでございますが、時間の関係がありますので今回は省略しまして、林野庁当局より適当な機会に御説明申上げます。  大体私の説明はこれで終るわけでありますが、最後に、一応の建前としまして、定員増の要求が一番最後から二番目の表に出ておるわけでございまして、局別に出ておりますが、大体三千二百名ほどの定員増を要求しております。更に一番最後の紙では、特殊地帯におきます経費がどのように各項目の中に含まれておるかという表を付けておきました。一応のメモ程度で書いたのでありますが、それぞれの項目の中に特に積寒地帯と銘を打たないで、或いは急傾斜或いは特殊土壌と銘を打たないで、要求しておる項目が大部分でありますので、その中から拾い上げますと、単作地帯九十七億、急傾斜地帯二十億、特殊土壌地帯三十八億、こういうふうに一番最後に各局別、事項別に締括りに御参考にいたした次第でございます。  それでは私の概略の説明はこれで終ります。
  9. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 今御説明されました分に対して質疑がありましたらお願いたします。
  10. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 定員増の三千名ですが、水産庁をみんな入れてですか。
  11. 増田盛

    政府委員増田盛君) そうでございます。
  12. 楠見義男

    ○楠見義男君 大きな問題や小さい問題、いろいろあるんですが、大きな問題については、私実は食糧増産問題に関連して先般も農林大臣にお伺いして不十分の点がまだ残つているんですが、農林大臣は本日お見えになりましようか、それとも又別の機会にお見えになりましようか。
  13. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 今日は農林大臣はお見えにならんそうでございます、食糧のほうは事務的に一応説明を聞きまして必要があつたら大臣に来て頂く、こういうことになつております。
  14. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは事務的の問題だけ会計課長にお伺いしますが、この予算の基礎になつているベース・アップの問題ですね、これは今政府のほうで直そうとしているあのベース・アップが基準になつているんですか、それとも人事院勧告のものが、基礎になつているのか、或いは今までのものが基礎になつているのか、その点はこれはどうなつておりますか。
  15. 増田盛

    政府委員増田盛君) これはベース・アップの点は全然考慮しないで、ペース・アップ以前のもので要求いたしております。
  16. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、これは今度二千円殖えますね、これはもう大体国会が仮に通るとすれば、これによつて事務費その他はずつと変つて来るわけですね、そう了解していいわけですな。
  17. 増田盛

    政府委員増田盛君) これは人件費の点はベース・アップがきまればその点で殖えて来ます。但し非常に細かいものでございまして、例えば超過勤務手当等は大蔵省の線と違つた要求をいたしております。従つて超過勤務手当等の場合には俸給が上りますと、これは当然一時間当りの単価が違つて来ますのでそういう点は変りますけれども、時間数等は全然別個の、農林省自身の立場から要求しておりますし、変る点もありますが、今言いましたようにベース・アップに伴うものは大体これで変化して上るというふうに考えております。
  18. 楠見義男

    ○楠見義男君 それで今の超勤の問題なんですが、最近も御承知のように随分地方でも中央でも操まれておる問題なんですが、これは前年度は御要求なつておるのは何時間分御要求なつておりますか。
  19. 増田盛

    政府委員増田盛君) 1前年度は東京と地方と区別しまして、大体東京の場合には十二時間、六時間、いわゆる十二時間が本官で雇用人が六時間、地方は、今東京と申上げましたが実は農林省本省と申上げたほうがいいかと思いますが、それ以外の出先機関はその半分であります。本官が六時間、雇用人が三時間、それを今回要求した場合にはこの中央、地方、それから本官、雇用人の区別を全部撤廃しまして一律に二十時間、こういうことで要求しております。
  20. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから長期欠勤といいますか、病気の人については特別の定員外にして十分に休養させるという制度がありますね。折角ああいう制度があるにかかわらず、予算といいますか、定員の割当といいますか、枠をきめちやつて、そのために実際長欠して休みたいと思うものが休めないという事実は御存じ通りあるわけなんですが、その点は前年度とそれから明年度について、何らか予算の上についてはお考えになつておりますか。
  21. 増田盛

    政府委員増田盛君) 今の点は実は厚生課長の所管でございまして、私の知つておる関係では、私はそういうことを特別予算要求の場合に聞いておりませんので、特に考慮しておりません。
  22. 楠見義男

    ○楠見義男君 少し細かい事務的のことで恐縮なんですけれども、二頁のさつきお話になつ中央会の問題ですが、中央会の農業協同事業活動促進経営指導の問題ですが、これは従来からの団体編成如何にかかわらず、農業団体としては非常に要望しておつた問題なんですが、ところがさつきの御説明で行くと、団体編成の中で特にこの中央会の分が先行してこういうことになつておるという御説明があつたのですが、団体編成の成否如何にかかわらず、これが若し団体編成ができないとすれば、全指連とかそういうところにおいてこういうことをやらせると、こういうふうに了解していいのですか、若し予算が認められた場合。
  23. 増田盛

    政府委員増田盛君) 私の先ほど説明が少し不十分だつた点もあると思いますが、現在ではやはり団体編成の中で考えられておる問題でございますが、併しやはり予算要求した当時の事情もございまして、団体編成の帰趨如何にかかわらず、やはりそういう要望が非常に強いのでありまして、そういう点ではやはり切離してもこういう予算が一応成り立ち得る、こういうことで要求しております。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 わかりました。それからその次の農協再建整備の問題なんですが、固定化資金の利子補給が減つているのは、だんだんピークから下つて来たからなんですが、新たに現在農協において、大体全購連それから全敗連、それから地方の県連、販連、購連、こういう所で固定しているのは御承知のように百億乃至百三十億ある、この資金が非常に高利であるために、高利といつたつて一般金融金利なんですが、そのために経済連が非常に困つている。従つてその固定しているものの何といいますか、流動化といいますか、昔やつた損失特別融通……損失補償のような、ああいうときに考えたと同じような構想を、これは補償は伴つておらないようですけれども資金化に一ついて随分やかましく言われているんですが、そういう融資の問題はこれとは別にお考えになつておりますか、それともその問題は今まだお取上げになつておらないか。
  25. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 只今の主として経済連の問題ですが、これは非常にむずかしい問題でして、経済連の再建整備をもう少し掘下げてやらなければいかん。具体的に申しますと、例えば農村工業であるとか、要するに一番大きいのは不良資産で焦付いているのが多いので、それにただ肩替りするというだけでは、いつまでたつても再建整備できませんから、我々の所で一、二の経済連に付けているのは、例えば農村工業のやつを一応そこから切離してそれの規模を縮小するなり、やり方を変えることによつて将来収益がよくなるという見込のあるやつは、特別融通のほうから経済連が出資した別の会社を作るわけですね。そこで例の九割以上の農業団体に勧告されて、そこで特別融通の金を出して行く。それから更にもつと全般的に及ぼすようなプリンシプルを考えなければいかんというので、現在中央金庫で岡山と福島、これは差障りないと思いますが、それに特別に人を派して、そうしてもう少し具体的に風潰しに検討して行く、そうしてその結果どういうフォームで今の組織、経済連の再建整備をやつて行くかということを研究中であります。今度の予算には一応従来通り再建整備の金しか入つておりません。これは結局非常にむずかしい問題ですが、やはり債権者、国自身、これらがそれぞれ詰めて行つて、赤で落すものは落して行かなければならんし、信連なら信連、中金なら中金の貸している金で条件緩和をして国から金を出して行くということで、基本原則はそれでいいのですが、具体的にどういうものはどういう程度落すかというような重点ですね、細かいことについてはもう少し御猶予をお願いしたい。
  26. 楠見義男

    ○楠見義男君 この問題は、結局県信連にだんだんとしわ寄せがされて行く傾向にあるわけですね。そうすると金融機関の県信連がそういうふうにしわ寄せされて、そこが信用力といいますか、そういうものがなくなるということになると、農村金融全体の非常に大きな問題になるものですから、だんだんとそこへ火がつきかかるような全国的な情勢ですね、従つてこれは一つ御検討願いたいと思います。  次に統計調査の問題なんですが、ここで実は私どもかねて非常に主張しておることは、統計調査仕事について実際手足になつて協力しておるのは、御承知のように作物報告調査員、全国で二十万くらいの人がいるわけなんです。この人たちに非常に協力を仰いで、そうして農林統計は実は非常に正確を期するように努力して今日まで来ているのです。ところが実働は現在でもすでに四日ぐらい引張り出しておるわけですが、さつきの御説明のように、これから新らしくこういう調査が加つて来ると、大体今の我々の計算でいつても十日ぐらい引張り出すようなことになるわけです。ところがその謝礼といいますか、手当は一年百五十円ということで、これは非常に馬鹿にしたようなことであると同時に、むしろその面から完全な協力を求むるのも非常に困つておるということで、これは昨年或いは一昨年あたりからやかましく言つておる問題なんです。ところが人数が何分にも多いものだから、増額ということが非常に困難です。仮にそれを五百円にしてもすぐに七千万ぐらいの増額が必要だ、こういうことで非常にやかましい問題なんですが、併しほかの調査員、例えば国勢調査なら国勢調査のことを考えても、手当は二千円くらい出しておるというようなことから、非常に不公平感と同時に、業務遂行上困難を感じて、従来からやかましい問題なんですが、今度のこの予算にはその増額は入つておりますか、入つておりませんか。
  27. 増田盛

    政府委員増田盛君) 金額只今詳細な書類がないのでございますが、入つております。併し今おつしやつたように一人当り余り大きな金額要求をしておりませんのですけれども、若干の増を見て入つております。
  28. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは是非一つ頑張つて頂きたいと思うのです。それから七頁、日本農村青壮年北南米派遣、実は私はこの、派遣の問題については、実際の経験からいつても、それから向うの現地側、受入れる側においても、非常に好意的に忠告をしてくれておることは、今年のように半年じや駄目だ、やはり実際向うの農村を知るためには、三農年おらなければいかんということで、後ほどにも出て来る、先にも御説明があつたヨーロツパのほうは十四カ月、一農年置く、こういうことになつておるのですが、北南米は依然として六カ月というふうになつておるのですが、これは何か間違いじやないのでしようか。
  29. 増田盛

    政府委員増田盛君) いや、これは六カ月で間違いございません。
  30. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうですが。
  31. 増田盛

    政府委員増田盛君) 向うの農地局要求も六カ月でございまして、片方の改良局のは一カ年といいますか、これは一カ年はやはり非常に短かつたので直したのですが、局が違う関係で、一貫してそこで期間の検討を詳しくやつたわけではございません。併し片方はすでにやつておりますので、特に一応六カ月となつたわけであります。
  32. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは私が次官ならどつちかに統一させますけれども、次官じやないですから、それは御随意ですけれども、実は向うのほうから、日本青年を受入れたほうから、同じことをやるならこういう中途半端なことは日本はおやりにならんほうがいい、むしろ日本政府がだめなら個人的にも二十人でも引受けてやろうというようなことを言つて来ておるくらいなんです。それほど向うから見れば、実は日本政府は少し足りないことを、能のないことをやつておるのではないかということを、一年の私の経験で思われるのですが、その愚を重ねないような意味で、人数が減つてもやはり一農年おやりになつたほうがいいと思うのです。これは私の個人的な意見ですから、こういう要望日本側じやなしに現地側からもあるということを御参考までに申上げておくのです。  それからこれはその次の八頁で、先ほど会計課長からもお話があつたように、この欄の仕事は別の機会に伺うということになるわけですが、この中の下から四番目の開墾建設工事、これは相当増額をしておるのです。これは従来言われておつたことは、開墾と建設、工事が明らかにアンバランスだ、従つて特にその場合に、アンバランスの場合に建設工事が遅れておつたということが、非常に問題になつておつたのですね。ところが今度もこういうふうに増額をされるということは、そのバランスが或る程度とれることになるのでしようか。
  33. 増田盛

    政府委員増田盛君) そうでございます。これは殖えておりますのは、建設の遅れを取戻すということで、大体これができれば、まだ完全じやございませんけれども、大体バランスがとれる、こういうふうに思つております。
  34. 楠見義男

    ○楠見義男君 それからその次の改良局ですね、改良局の末端の改良普及員、これは増員はないのですか。何か御説明では、前年度と大差ないような御説明があつたのだけれども……。
  35. 増田盛

    政府委員増田盛君) 前年度通りです。増員を要求しておりません。
  36. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは最初に農林大臣の施政方針演説を聞いたときに、食糧増産をやる上において、特にその指導事業は必要じやないか。今、三橋さん弔は試験研究の充実の必要性を非常に強調され、私も全く同感だつたのですが、それと同時に普及事業、指導事業についてもその必要性を述べ、又その所見を伺つたところが、来年度はそれを殖やすつもりだということを農林大臣は言つておられたのですが、それは嘘かな。とにかく事実は増員されていないのです。
  37. 増田盛

    政府委員増田盛君) 県職員という限りでは、改良普及員は県職員なんで、この項目に関しては増員しないでやれます。
  38. 楠見義男

    ○楠見義男君 ついでですがね、これは項目に亘らずに全般の問題なんですが、今申上げた試験研究事業ですね、これの充実というものは、来年度予算においてはどういうふうに予算上お考えになつておりますか、試験研究事業……。
  39. 増田盛

    政府委員増田盛君) 国の試験研究だけでなしに全般でございますか。
  40. 楠見義男

    ○楠見義男君 ええ、そうく。
  41. 増田盛

    政府委員増田盛君) 国の試験研究に関しましては、御承知の通り農、業試験場、水産研究所、その他蚕糸試験場までありますが、これは別に相当量の増額要求をしております。特別更に全体の試験研究、これは補助まで含めた点に関しましては、今までの、従来の線の強化でございますが、特に地方の試験場に関して、ここに書いてあつて省略したのでございますが、実は特に大きな点と申しますと、十二頁に少しその一端を書いてございますが、地方の試験研究機関に関するもの、これの中では二十、二十一と、この二つを実は大きく取上げまして、育種関係に関する指定試験、それから土壌、肥料の指定試験、これを実は重点項目としまして取上げた次第でございます。
  42. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 普及員のお話がありましたが、この間大臣の一話があつたのは、増産計画に伴つて、普及員のほうではなしに、土地改良とか、只今の試験とかの方面の人を殖やすということを言つたのではないかと思いますが、普及員は生活改善普及員が多少殖える。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 渡部ざん、その問題は大臣はそうじやないのですよ。僕は今あなたが言われたようなことも述べたのですよ。これだけの食糧増産をやるには相当の人が要るだろう。にもかかわらず現在物件費というものを大蔵省が削つて行つて、従つて非常勤職員というものが農地局系統には随分多いと、それすら非常に困つておるのだと、むしろ殖やさなければならんじやないか一こういうことを言つたのですが、農林大臣は国務大臣の資格を持つてか知らんけれども、閣議においては新規増員をしないという方針を今きめております。こういうことを言うから、そんな馬鹿なことはないじやないかと、そのほうすら考えていない。ところが改良普及員の話をしだら、これは大臣よく御存じなかつたかも知れないけれども、改良普及員のほうは大いにやらなければいかんということを言つておつたから、それで聞いたんですがね。それからこれは突飛なようで実は大事な問題だと私自身は思つているのですが、これは植物防疫の問題ですね。従来通り二分の一補助という問題、ところが実際は二分の一の補助をもらつても、やる人が一生懸命やつておつても、まわりの人がやつてくれなければ結局植物防疫というものは、うんかとか、二化螟虫の問題は特に問題なんですね。而も予算では「回とか一回半とかいうことであつても一実際にかかつている人は三回も四回もやる。非常な犠牲を忍んでやつている。ところが本人は一生懸命やるのであるけれども、ほかの人がやらなければ、うんかにしても螟虫の問題にしても駄目だと、従つてここで植物防疫の問題はもつと、今までのような非経済な考え方よりも、公共性を持たした考え方、言い換えれば全額国庫負担というような、全額にしたつて全体一千億殖えるときにこれで行けば十八億くらいのものなんですが、そういう構想というか、切賛えの時期はそろそろ来ているのじやないかと思うのですが、そういうことは予算のときにはこれは問題にならなかつたのでしようか。
  44. 増田盛

    政府委員増田盛君) その点全額の議論までしなかつたのですが、実は内部で何か決算補助的な考え方ですね、やつたら必ずもらえる。やはり災害ですから事前に予測するということはなかなかできない場合もあるので、その場合にやつたあとででももらえるのだと、最初に準備して置くのはいいでしようけれども。というのは、今の家畜疾病も家畜伝染病予防法なんかに基いた考え方は決算補助という建前になつておらないのですが、結果においては決算補助的な色彩が多いのです。こういうふうに予防のために薬剤を使用したということがはつきりして来たら、それに対して必ず助成の裏付けをする、こういうことを議論しているのですけれども、実はあんまり議論を起さないで過ぎてしまつたという結果になつております。
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは一つ将来の問題として御検討頂ぎたいと思います。  十五頁なんですが、生糸の需給増進の問題で、輸出奨励という観点から実はその点が非常な狙いになつて繭糸価安定法ができたことは御承知の通りなんです。ところがそのほかに案は政府手持の生糸が現在ないものだから、なかなかあの法律が予想通りには活用されておらない。ところが今度こういう生糸の需給増進について政府が本腰を入れるということは私は結構だと思うのですが、その糸価安定施設との関連においてお伺いするわけなんですが、この予算の内容として、具体的に海外に対する輸出価格と国内価格というものの具体的な価格をどういうふうに見ておられますか。
  46. 増田盛

    政府委員増田盛君) 只今の点では、実は大分古い当時の状況なんですが、一応生糸年度で申しますと、生糸価格が四、五月だけ適用されますので、その場合には国内価格を二十三万円にしまして、それから輸出価格二十一万五千円と、差額が一万五千円でありますから、その一万五千円ということで計算しております。それから二十八生糸年度に関しましては、国内価格が増産の結果大体二十一万円まで下る。それから輸出価格が二十万円だということで差額一万円と、実は大分最近の情勢は違つて来ておりますけれども、一応当時はこういうことで計算いたしました。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 現実の価格が非常にこれはまあ遊離していることは問題外にしまして、要するにそれじやこの問題は、一万五千円を奨励金として出すとこういうふうに理解しておけばよろしいわけですね。
  48. 増田盛

    政府委員増田盛君) 一万五千円、それからあとのほうは一万円。一万五千円と一万円と七つあるわけです。
  49. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから食糧関係なんですが、さつきの、非常に詳細過ぎて実は却つてわからなくなつたのですが、あの給食の補給金の問題ですね。これはCPSその他で以て十五円二銭とこう見て、完全給食の場合十八円四十六銭、差額の三円四十四銭とこういう積算基礎になつておるような御説明であつたのですが、これは、米の値段も今度上りますね、来年から。それから麦の値段も恐らく上るだろうと思うのですが、そういうふうになつて来た場合に、これは重点は、完全給食をした場合の経費について、基礎がCPSとかその他の普通の家庭の一食分の費用という現実の問題との差額を出すというのじやなしに、三円四十四銭というものが基礎だとこういうふうに理解すべきでしようか、差額を持たない……。という意味は、実はこれはここへ移つて来たまでに非常に経過があるのですね、御承知のように。文部省予算で計上してやつておつたところが、これは幸か不幸か農林省におつ被せられた恰好なんです。そこで現在、まあ御承知のように東京あたりでもそうなんですが、地方でも同じように、だんだんと学校給食費というものが高くなつて来る。そこで高くなつて来ると、現に東京あたりでも、私どもの知つている学校でも大体その二割ぐらいというものは給食費も出せない。従つてほかのPTAの会費等からその出せない子供の分を背負つているというふうな恰好なんです。それほど現実には金持と貧乏人とがだんだんと差がついて来たのですね。そこで完全給食はできない、併し完全給食をやろうとすれば、二割とか三割というものの給食費を取らなけりやならん、増徴しなけりやならん。それは家庭が困るというので、或いは一日くらいやめようかというような学校もぼつぼつ出て来ている。ところが一方、どうして出て来ているかというと、だんだん給食費は現在のままではやつて行けないとこういう状態なんです。それは文部省の時はよかつたが、農林省が背負い込んだ途端にそういうことになつて来た。別にこれは農林省が非難を受けることがどうとかいうことは問題ないにしても、狙いが食生活改善という大きな旗じるしでやる以上は、農林省は筋の通つたことをやらないと、食生活の改善でなしにただ非難だけを受けるという恰好になるのですから、この数字をやつぱり一応承わつておくのですが、筋の通つたことをやつて頂きたいと思うのです。金額は多少変つても、これは希望ですが、実際はどうなつているのでしよう。我々はよく聞く問題ですが、給食費は今まででもとてもやつて行けない。高くなつておる。ミルク代も今までは安かつたが今度は高くなるとか、或いは麦代が高いとかいろいろなことを聞かされるのですが、実際はどうなんでしようか。
  50. 増田盛

    政府委員増田盛君) 今資料を持つて来ていないから詳しいことを申上げられないのですが、この予算を作つた時には、大体これだけ出せばそう負担を……、或いは現在の負担を倍ぐらい、まあ三百円どまりまでは家庭に負担してもらつていいだろう、それ以上の分は……これはまあちよつと数字は正確でないが、考え方ですね、それ以上のものは出して行かなけりやならんとこういうふうな計算をしたと考えております。今度は米の値段が上り、それにつれて麦の値段が上れば単価は上げなけりやいかんのだけれども、一応この予算がきまればこれで行くことになるだろうと思います。これは併し給食の問題は、今東京で大体児童一人当り三百円、それがマキシマムのものだと言つているのですが、それでも給食費を持つて来ない者が相当ありますから、それではいかんからもう少し根本的に考え直さなけりやいかんのでありますが、これは又農林省文部省、厚生省の間の関係が必ずしもまだしつくり行つていないのです。ですから相当問題にしてもう少し突き進まなければ進めないじやないか、こういうふうにも考えます。
  51. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから最後に公共事業の三百四十一億が八百七十八億になるというこの中に災害復旧関係がどのくらい入つていましようか。
  52. 増田盛

    政府委員増田盛君) 農地事業の項でございますか、これはこの表の中に……。
  53. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは山林もあると思うのですが……。
  54. 増田盛

    政府委員増田盛君) 出ております。一番最後の所に災害復旧費として出ておりますが、九頁でございます。災害復旧費二百二十四億。まあ過年度災害に対する分でございますが、二百二十四億でございます。
  55. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは農地、山林、水産含めてですね。
  56. 増田盛

    政府委員増田盛君) いや、違います。
  57. 楠見義男

    ○楠見義男君 農地だけ……。
  58. 増田盛

    政府委員増田盛君) これは農地だけでございます。それぞれの項に全部災害復旧費を出しております。
  59. 楠見義男

    ○楠見義男君 わかりました。全体の予算の大蔵省との折衝の状況というのは、これからですか、或る程度進んでいるのですか。それから進んでおつて、大体の見当がわかつておるのか、どういう状況なんです、今は。
  60. 増田盛

    政府委員増田盛君) もう折衝は全然しておりません。
  61. 楠見義男

    ○楠見義男君 これからですか。
  62. 増田盛

    政府委員増田盛君) 要はこれを九月当初作りまして提出しまして、それから何カ月かに亘りまして説明しまして、そこで向うはもう自分で準備したまま内示をやらないで、最近では更に重要事項に関して再検討して計数の最後的整理をしているというそういう状況ですから、全然もういわゆる交渉というものはやつておりません。
  63. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) ちよつとお諮りをいたします。来年度予算につきましては、たくさん重要な問題が残されておるようでありますから、今後随時機会を見まして善処いたしたいと思いますが如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 楠見義男

    ○楠見義男君 異議ないのですが、私は一点だけ伺いたいのです。それはこの間の農林大臣の施政演説の中で、私は一つの突つかい柱として非常に重要視しておるのは、例の価格安定施策なんですが、農産物の価格安定施策、その予算要求というものはこれにはないのですか。
  65. 増田盛

    政府委員増田盛君) この中には入つており嵐せん。
  66. 楠見義男

    ○楠見義男君 それはお出しになるのですか、つもりはないのですか。
  67. 増田盛

    政府委員増田盛君) いずれそのうち私のところにございましたら要求いたしますけれども、まだ予算要求書の形ではまだ全然出ておりません。
  68. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 価格支持の問題は、只今甜菜糖とか澱粉では一応食管で買取ることとしておるので、それに必要な金は食管の特別会計に計上することにしております。これは恒久的な制度として食管特別会計を使うべきか、新たな制度にすべきかということを今研究中でありまして、まだこの予算に盛るという段階にまで行つておりません。なかなかむずかしい問題がありまして、まだほんの要綱ができまして事務的に関与しておる程度であります。
  69. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は最後にどうしてこういうことを伺うかというと、だんだんと放言だけでは済まなくなつて来る。効果が挙らなくなつて来た。例えば今年の春の澱粉のように、放言か、放言でないにしても、とにかくああいう旗じるしを挙げただけで、一つ目的が達せられたのは、もう二度目三度目になつて来ると効かなくなつて来る。同時に例えば今年の菜種の問題にしても、現実に買わなければもうてんで効果が挙らんという問題がだんだんとそういう情勢になつて来るわけです。それよりももつと心配なのは、例えば綿糸その他の問題について、日銀総裁は関西へ行つてそのアメリカの〇〇〇に類するような構想を述べられたりしておる。そこでうつかりすると、又農林のほうが取残される心配がある。特にこの内閣はそういう傾向のあるところなんですが、従つてそうなつて来ると、制度を立てたところが、実は資金源も或いは予算源もないということで、ただこの問うちからも新内閣のその構想で十年間も内閣が続くようなことを前提としての場合を挙げられたのでは、実は非常に細かいことは取残されるという心配があるので、そこでこの予算は非常に興味を持つておつたのですが、肝心の目玉がないのです。これは私農林大臣にはよくお伺いするつもりでおりますけれども……。
  70. 渡部伍良

    説明員(渡部伍良君) 先ほどお話しましたように、農林省関係は非常にイージイ・ゴーイングだけれども、食糧庁に逃げ込む食糧が主でありますかり、そのほかの問題については、例えば肥料とか、飼料とか、必需資材の対束の問題もありまするので、そこに逃げ込んでしまうというわけに行きませんから、そういう意味でまあ制度として根本的に考えて行く、当面の問題はそこにあります。   —————————————
  71. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 次に昭和二十八年米穀年度食糧需給計画を議題に供します。食糧庁長官から御説明して頂きます。
  72. 東畑四郎

    説明員(東畑四郎君) 昭和二十八米穀年度の需給計画を御説明いたします。又これは今後の推移で刻々修正を要するのでありますけれども、只今のところの一応の計画であります。内地米九十九万四千トン、石で云いますと、玄米六百六十二万八千石となつております。これは二十七年産米がこの中にございまして、大体七百五十万石程度買いまして、そのうちで食つたものがございますので、六百六十二万八千石というのが持越であります。買入は四百十二万五千トンでございますが、二千七百五十万石、これは来年の産米と言いますか、二十八年産米がこの中でやはり含まれておりますので、持越にあります米と、それから買入が二千七百五十万石のうちの米、それから十二月までに食つた米が二十七年産米でありまして、それを総計二千七百五十万石と実は予定いたしまして、計画をいたしております。この点は需給推算は予算と若干実は異なつております。予算では二千八百二十五万石というような大きな数字を立てておりますけれども、需給推算は安全をとりまして、二千七百五十万石というふうに予定しておりまして、新米、古米のほうはずれずれというふうにお考え願いたいと思います。合計いたしまして三千四百十二万八千石、五百十一万九千トンというふうにして持越を含めました供給であります。需要額は三百八十七万八千トン、これが主食でございまして、二千五百八十五万三千石、これが玄米換算石であります。このうちで新米のやはり早食いというものが当然起るのでありまして、来年度の米の早食いの百二十五万三千石、これは大体本年と同じでありますが、来年度の産米の早食いに当ります。これもずれずれの関係、トンで言いますと、十八万八千トンということになります。それから一応百万石というのが、これは工業用でございますけれども、これはまだ決定いたしたわけではございません。あとロス等を入れまして四百一万七千トン、二千七百三十八万石というものが内地米と、需給持越が若干殖える。百一万トン程度の持越をとつております。この持越のうちで古米が大体七万五千百トン、新米が九十三万七千トン、合せまして百万トンの持越を予定いたしております。その大きな持越の増加はございません。大体二千七百五十万石程度米が集まりまして、百二十五万三千石程度の早食いができるということになりますと、今後の人口増、あとで申上げます増加等を考えまして、先ず内地米が六百七十四万石程度持越せる、こういうふうになつております。それから外米でございますが、外米が六十万四千石、これが持越しであります。それから買入が百工万七千トンでありまして、玄米換算六百八十五万石、そのほかに砕米等が下に計上いたしてありますが、若干主食代替で砕米等を加工して配つておるというふうでございます。計で申上げまして外米が百十一万八千トン、砕米が八万二千二百トン、石で言いますと七百四十五万四千石、砕米五十四万八千石というのが供給でございます。需要は内地米との関係において考えるのでありますけれども、九十九万二千三百トン、なお砕米が一万トン、工業用には外米一万トン、砕米三万五千トン、これはアルコールその他のり等に、廻しております。合計いたしますと内外米合せまして四百八十八万トンが主食用の需要であります。三千二百五十二万五千石。そのほかに工業用、これは酒用等を含めまして十九万五千トン、百三十万石でございますので、減耗等を織込みますと五百十七万九千トン、三千四百五十二万六千石というのが本米穀年度の需要量であります。この消費の中には人口増或いは労務加配増等を約十八万四千トン程度織込んでおります。人口増等はこれは過去の実績等によつて織込んでおるのであります。なお昨年非常に需給操作が困難でございましたので、ランニング・ストツク等を相当少くいたしまして、これ等も若干回復をさせる、卸小売段階におけるランニング・ストツクも相当回復させるというので約七万二千トン程度増加を見ております。こういうところの需要等を織込みますと、大体申上げましたような供給需要がこれで行くわけです。昨年の需給推算よりは、若干そういう点で楽に組んでおるのであります。これがあらましの米の需給計画昭和二十八年度分というように御了承を願いたいと思います。補正予算等では、この中の三月末までの分が計上されております。会計年度予算は組みますので、米穀年度と必ずしも数字等が合いません点は御了承願いたい、かように思います。
  73. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) これに対しまして御質疑は……。
  74. 楠見義男

    ○楠見義男君 この需給推算の基礎になつておる人・口はどのくらいになつておりますか。
  75. 東畑四郎

    説明員(東畑四郎君) 八千四百万ちよつと越しております。
  76. 楠見義男

    ○楠見義男君 それからもう一つ、米食率ですね。米食率は生産地とそれから消費地に分けて、前年度との比較はどういうふうになりましようか。
  77. 東畑四郎

    説明員(東畑四郎君) この点は現状維持でございます。ただ七万二千トン程度のランニング・ストックの増加を見ておりますので、多少ズレがありますが、そういう点は楽になるように、こういうように考えます。
  78. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから外米の輸入の見通しは、これは大体この程度で可能とこう見ていいのですか、どうでしようか。
  79. 東畑四郎

    説明員(東畑四郎君) 只今のところビルマ、タイ等は、大体政府計画しております程度は来るのじやないかというふうに思いますが、アメリカ等が輸出許可制ができまして、まだどの程度参りますかはつきり実はいたしておりません。大体どうも我々が予定しておりますようには来ないというように、実は最近電報が来ておるのでありまして、世界の貿易量全体が四百七、八十万トンでございます。その中で補正予算では百五十万トン米穀年度で百一万トンを輸入したいと考えておりますが、そう楽に入るとは実は考えてりおません。本年の輸入実績約九十四、五万トンになつておりますが、等から考えますと、先ず百一万トン程度の輸入計画で、そう無理ではないだろうというように思つております。
  80. 楠見義男

    ○楠見義男君 昨日でしたか、タイの生産事情の現地からの通信があつて、それは非常に風水害、或いはその他の災害で輸出力は百二十万トンが精一ぱいだろう、こういうふうな報道があつたのですが、日本から見ると、実は非常に輸入ソースとしては、大きなソースのタイのそういう生産事情を一応織込んで、こういう数字なつているのですか、そういうその後の生産事情の変化を織込まない前のこれは数字なんでしようか。
  81. 東畑四郎

    説明員(東畑四郎君) 私のほうは実はタイのほうは一応百三十万トンの輸出力があるであろう、こういう予想をいたしまして計画をいたしておるのでありますが、国別の輸入計画というものは、実は申上げますとまだ価格が問題になりますので、ここで発表を差控えたいと思いますが、百三十万トン程度の輸出力がある、こういう前提の下に計画をいたしております。
  82. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) ほかに御質疑ございませんか。今日はもう1一つ議題があつたのですが、時間がないようですから、この次にいたしまして、今日はこれで散会いたしたいと思います。    午後三時五十六分散会