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国務大臣(
小笠原三
九郎君)
只今お話の諸点、いずれ御尤もでございますが、第一にお尋ねのありました
勤労意欲の増進は、これこそは魂の入らんことでは
農産物の
増産はできませんので、これについては是非ともそういつたことに努めたいと
考えております。まあ、いわゆる農魂というもの十分に
一つ養
つてもらうようにということで、実は昨日も篤
農家などのかたをお招きして、私はいろいろ
お話し申上げたのでありますが、これは機会ある毎に皆さんの御協力を得てやり、更に昔ありましたようないろいろな道場式な、何と申しますか、青少年を
農村流に鍛えるようなことも、漸次や
つて参りたいものだと
考えております。それから
予算がとれるかどうか、こういう
お話でございまして、この点は、いわゆる
日本の
食糧自給の問題ほ、池田さんもよく御存じの
通りに、これは三つの点で、どうしても大きい
予算をと
つてもやらなければならんのです。第一はそれは民生安定の点であります。第二はさつき私
ちよつと申しました
通り、年々四億ドルずつも入れておりまして、この損が恐らく一年に三百億くらいは補填しなければならん大きな問題でありまするし、それからこれがひいて、例えば、これは私の聞き違いでなければ、十月の月などは
日本の輸出は六千万ドル、それに八千万ドル輸入した。これは大体
食糧だ、こういう工合に言われておるような次第でありまして、こういつた点等からも、
国際貸借改善の上からも、是非これはやらなければならんことでありまして、今度の首相の演説にも相当強く、而も
予算の点まで触れて出ておりますから、是非私はこの
予算は皆さんの御協力を得てとりたい、かように
考えております。それから反当
収穫の
増加の点について
お話がございまして、誠に御尤もでございます。仮に一反歩から今までよりも一割か二割余計に穫れば、これは
食糧問題は解決されるわけでございまするが、これにつきましては、さつき
お話のようないわゆる
耕土培養その他の問題がありますが、なかんずく
畜産問題とよく結び付けて、そうして現在
地方が枯れておるのは、いわば金肥のみによつた点が多いのじやないかと思われますので、厩肥、堆肥等を十分に入れることにいたしますれば、それくらいの
増産はできるのじやないか、かように
考えて、今年の
補正予算で初めてでありますが、サイロ及び
堆肥舎等に対することを、少し
予算化いたしてございますので、そういつたことを今後ますます進めて
参つて、お
示しのような反当
収穫の
増加に努めたいと
考えております。
金融の点については、これは現在のところ、私
どものほうは
農林漁業金融公庫を作りまして、これは相当利用を願いますれば、又私
どもも或いは財政支出等なり
政府資金等をこれに入れてもらうことにしまして、相当大きくやれるのじやないか、又補償その他のこともやりますと、相当行けるのじやないかと
考えておりますので、この点は私もまだどの程度できるかということは、率直に申上げますと、三十分な確信を持ちませんが、私も以前
金融業に携わ
つておりまして、こういう問題は
一つ十分働きのあるような工合に持
つて参りたい
所存でおります。それから
治山、治水の
関係は、これもお
示しの
通りでございまして、これに対しましても、これはいつも災害が起ると、すぐあとから、いや
治山治水だと言われますので、これは平素からや
つてゆかなければならん。さつき
ちよつと申しましたように、本年は二億円植林の費用な
どももらいましたのは、これは植林として初めてのことでございますが、漸次にそんな工合で、根本的な
治山治水事業へ持
つてゆきたい。なお今度の総理の演説の重要
政策にも、特に
治山治水ということを語
つてありますので、この点は建設省あたりとも相携えて、漸次に効果あるものに持
つて参りたい、かように
考えております。それから次に
農業団体の
お話がございましたが、今お
示しの
通りに
農業団体の
組合等再建にまだ相当な
資金が要るのじやないか、けれ
ども又これはどことい
つていいのかわかりませんが、占領中、占領行政下に行われた問題で、
日本向きでないように思われる点もありまするので、世間に今
農業団体再編成という問題が言われているのは、その点でございますが、併し
農業団体再編成につきましては、
農林省にも一案はあるようでありますが、私の
考え方を率直に申上げますと、かくある今の
団体が、できればその
団体同志で民主的に話し合われまして、それで或る結論を得られたら、それは一番望ましい。併し若しその結論が得られませんでしたときには、余り遅れても
農業者全体のために、どうかと思われまするので、少し脇のほうからお手伝いでも申上げてみようか、かように実は
考えておりますが、俗にいいます。天降り的にこれをおやりなさいという
考え方は毛頭持
つておりません。