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1953-03-13 第15回国会 参議院 電気通信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十三日(金曜日)    午前九時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     溝淵 春次君    理事            新谷寅三郎君            山田 節男君    委員            鈴木 恭一君            尾崎 行輝君            森崎  隆君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君   政府委員    郵政省電気通信    監理官     庄司 新治君    郵政省電気通信    監理官     金光  昭君    郵政省電波監理    局長      長谷 慎一君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   説明員    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社業務局長   田辺  正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基  き、国会承認を求めるの件(内閣  提出、衆議院送付) ○有線電気通信法案内閣送付) ○公衆電気通信法案内閣送付) ○有線電気通信法及び公衆電気通信法  施行法案内閣送付)   —————————————
  2. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは只今より電気通信委員会を開会いたします。  前回に引続きまして、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件について質疑を続行いたします。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大臣に要点だけお伺いしますから、簡単にお答え願いたいと思いますが、先般来問題になつております日本放送協会地域別放送局の問題、この問題については私も意見をまじえて申上げましたから、詳しく申上げるまでもなく大体前提はおわかりのことと思いますから、これは省きまして、今後各地において府県別の局を置いてくれという非常な要望があつた場合には、これは置くことを許される方針であるかどうかということが第一であります。  若しそうでないとするならば、この地域別放送局といえどもこれは全聴取者がやはり聴取料を出して、そういう経理で以て賄つて行くものであるから、或る地域は置くけれども、或る神域には置かないということは全国的に見ると非常に不公平になる。それならば非常に多数の聴取者がある所だけを置くのだというような議論も出て来るでしようが、それについては何か一つ基準でもこしらえて行われるのかということが第二点。  それから一方最近非常にたくさんの民間放送会社ができつつあります。その民間放送会社が今後はこの勢いで進んで参りますと、殆んどいわゆる地域別放送をやることになると思いますが、それとの関連をどういうふうにお考えになつておるのか。NHKがまさか小さな民間放送会社と対立的な関係において、そういう放送会社ができるからNHK放送局も置かなければならんというようなことは考えておられないと思いますが、民間放送会社が一面地域的な放送について或る程度の責任を持つてつておるなら多少の経費がかかりましようが、例えば県庁の公示事項とか、市の公示事項というようなものは多少料金を出してもこれは電波の時間を買つて、それでも賄えるのだと考えられるのです。非常に周波数の少いところに而も経営上非常な無理をしてでも地域別放送局日本放送協会が持つて行かなければならんという積極的な理由については非常に疑問があるのですが、先ずその点についてお答え願いたいと思います。
  4. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 地域的な放送についてのこれからの方針という点じやないかと思うのでありますが、それについてはお話がありましたように、電波だとか財政とがいう無論制約はあるわけでありますが、そのほかの点につきましては、やはり第一はその必要ということを考えなければならんわけでありましようが、理想から言えばできるだけたくさんNHKについてもできたほうが地域人たちには都合がいいということがありましようが、それはやはり必要度というものを考えて行くべきでありましようし、具体的にはつきり基準というものを私としては今考えておりませんが、抽象的に申しまして、その地方人たち要望、その要望妥当性というようなものを十分検討いたしまして、必要がある場合は置くべきじやないか、こういうような抽象的な考えは持つておるわけであります。なお具体的な細かい点でお答えする必要があるとすれば局長からお答えいたします。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 局長からの御答弁は必要でないのです。あなたに方針だけ伺えばいいのですから……。今のお話だと、まだ抽象的なこういう気持は持つておるというだけで、具体的にこれを例えば全廃すべしとか、或いは必ず府県別に置くべしというような確たる方針がないように思われますが、その通り了解してよろしうございますか。
  6. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 今申上げた通りでありまして、どこにも置かなければならんとも考えておりません。併し地域別放送を行わなければならんというような必要はそれぞれ根拠があつて考えられるわけでありますから、そういう根拠について検討をいたしまして必要がある場合には置くのだ、こういうような考えなんです。
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 いずれ討論のときに私の意見を申上げますが、それじやあもう一つ更に進んでお尋ねいたしますと、このNHK地域別放送局の設置如何という問題は昨日も政府委員から御説明があつたのですが、相当日本中波放送のために必要な周波数飽和状態になつてしまつて、需要が非常に多いけれども、実は周波数割当に困難を感じておるという状況だということです。そういう技術的な周波数割当上の問題もありましようけれども、そのほかに我々として関心を持ちたいのは、日本放送協会財政問題といいますか、事業経営する形といいますか、そういつた方面からもこれは考えて行かなければならんと思うのです。日本放送協会地域別放送局をお持ちになつて、大電力放送によつて中心になる放送局電波も十分受けられるのだけれども、そのほかに聞きたい人があれば別の電波でもつて地域別ローカル放送も聞けるのだ、つまり中央から中継する放送も聞えるけれども、ダイヤルを回せば地域別放送も聞えるのだと、こういうことにしたいというのが先般来お話のある地域別放送局だと思うのです。そこで私これは繰返して申上げますけれども、提出せられた資料に書いてあるような大電力放送局によつてもどうしても聞けない地域、そういう山間部とか非常に辺鄙な所で聞えない所、これは何としても経費使つてでも全国民に聞かせるために小さいステーシヨンを作つてもらわなければならんと思います。これは放送法にちやんと書いてあります、方針は。ですから私はとやかく言うのではありませんが、私の言つておる地域別というのは、大電力放送局によつても十分聞える、併しそのほかに別にローカル放送も併せて聞かせなければならんというのが今度の問題、私はそれを問題にしておる。その意味においてこの抽象的には、お出しになつ資料に書いてあるような日本の地理的な事情とか、或いは周波数割当見地から見た考慮ということは、私は全面的に書いてあることに賛成なんでありますけれども、今問題になつておるような点を考えると、放送協会が一体そういうような地域別放送局をこしらえて、而も世論によつてとおつしやるから、各地から世論が起つて来れば、やはり作つて行かなければならない。而も先ほど申上げたように、全国民に公平に電波の、つまり放送の利益を受けさせようというようなことになりますと、或る地域は作る、或る地域は作らんというわけには行かんと思う。きつとそこに追込まれる。そうすると結局は世論の盛り上つた地域では漸次に作つて行くという方針をおとりにならざるを得ない、私はそう思います。そうしますと、この地域別放送局というのは基準の問題ですね、放送局設置基準の問題は別といたしましても、やはり相当の分量はローカル放送で満たして行かなければならない。そうなると、番組編成とか、或いは地方ニュースを取材するための放送記者、その他の要員の問題も現在以上にこれは動員されないことには、そういう地域別放送局を置く理由がなくなつて来るのじやないか。そういう見地から言いますと、日本放送協会経営方針としてもこの問題は将来に大きな影響を及ぼす問題だと私は考えます。そういう点から言つて放送協会全体の経営上の問題として、そういうことを将来共に考えるのがいいかどうかということについて、これも何と言いますか、方針として右か左かというふうにはつきりは出ないでしようけれども、おのずからそこに抽象的であつて一つ方針というものがあつて然るべきだと思うのです。その方針について大臣の所見を伺いたいのです。と言いますのは、一方では必要な経費でも、山田君も昨日指摘していましたが、最近はそうではないかも知れませんけれども薄謝協会と言われるように、番組編成その他について相当必要な経費も節減しておられる、研究費その他についてもやらなければならん事柄でもまだ不十分な点が多々ある。にもかかわらず、一方でそういうふうな経営上非常に経費の要るようなことをここでスタートしてやろうというようなことになることは、私は全体の経営方針としては余り好ましくない方針ではないか、こういう考えを持つものですから、将来の放送協会経営方針についての大臣の御意見を伺いたい。
  8. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 大体さつき申上げた程度のことを考えておるわけでありますが、無論放送協会経営財政というものに制約をされるということは考えておるわけであります。ですから放送協会財政から言つてそれは困難であるというような場合には、無論その点を十分考慮しなければなりません。若しどうしてもそれでもやらなければならんということならば、聴取料の問題も出て来るでしようし、よほど厳重に考えて行かなければならんわけでありますから、すべて必ず置くのだという方針は無論とれないわけで、今おつしやつたように、実際問題として或る所を認めるということになれば、ほかもどうしても認めざるを得なくなるというようなことから困難が起きやしないか、こういう御心配だと思います。併し、だからと言つていろいろの事情から考えて見て、地方の要求、必要というものが是非置くべきであろうと考える場合には、全然又許さないのだということも、一面から言いますと非常に不都合な場合もあるのじやなかろうか。そこではつきり必ず置くのだ、或いは決して置かないのだということにはできないというようなわけで、さつき申上げましたような抽象的な標準で以て十分にいろいろの点を検討してきめて行くのだ、こういう考えを持つておるわけであります。
  9. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 御答弁の中でお触れになつた点を実は聞きたかつたのですが、結局私は置く置かんの問題は、何か基準があるかと言つても、基準がない、恐らくそれはできないでしよう。そうなると、結局地方で非常に世論が盛り上つてやかましく言われる所には置かなければならん。現在電波を出してない局が相当あります。スタジオだけの局もありますが、そういうところから電波を出してくれと言われた場合には、これは先ず何よりも先に置かなければならん、電波を出すようにしなければならんだろうと思います。そういうことで放送協会のその方面経費はよりふくれて来るだろうということが予見される。そこで若し地域別放送局を置いたほうがいいのだ、放送政策としても置かなければならないのだという結論をお持ちになつておるとすれば、最後的にはあなたがおつしやつたように、聴取料値上げをしてでもこれは置かなければならんということになりますから、そういう肚まで作つて、この問題について当つておられるかどうかということを私は聞きたかつたのです。
  10. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今の私の方針としては、そこまで考えておりません。現在の放送局財政状態という下で考えておるわけでありまして、それで到底財政的にそういうことはできないというような場合には、これはやはりやめるべきである、こういうことを今考えておるわけであります。
  11. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それならば先ほど来私が申上げましたように、これは現在その局があつて建物とか人員を配置してあるという、そういう現在の既成事実ですね、それにとらわれないような判断をされる必要が私はあると思うのであります。先ほど来申上げたように、周波数の問題と言い、或いは放送協会の将来の大きな経営方針と言い、いずれもこれは大きな方針の問題でありますから、一歩誤りますと、思わざるところに影響が及んで来る。結局大臣考えていないとおつしやるが、聴取料値上げもしなければならんというところに来るかと思いますから、この点は今方針としておきまりになつていないならば、今後行政府として電波割当、或いは局の免許を改めてされる場合、十分に考慮される必要があるかと考えるのであります。まだ私ほかにもありますけれども、非常に時間も急がれておりますから、この程度で私の質問を打切ります。
  12. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ほかの委員のかた御質問ございませんか。  それでは質疑はこれで打切ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) さように決定いたします。直ちに討論に入りたいと思います。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  14. 山田節男

    山田節男君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして本放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求める件につきまして、承認を与えるものであります。  今回出されました明年度の、NHK昭和二十八年度の収支予算事業計画及び資金計画に対しましては、すでに詳細なる審査を経て、政府並びにNHK当局の意向を確かめたわけでありますが、この予算に盛られておる明年度NHK事業計画は、テレビジヨンの本放送を開始するということにおきまして、まさに画期的な予算であると思うのであります。テレビジヨンはもとより日本におきまして最初のこれは試みでありまして、将来の健全なる発展も一にかかつてこの日本放送協会明年度におけるテレビジヨン事業的、技術的の開拓如何にかかつておると申しても過言でないと思うのであります。こういう意味におきまして、私どもは多大の期待を持つわけでありまするが、この予算を見ることによりまして、ラジオ標準放送予算テレビジヨン予算におきまして、例えば事業経費におきまして、ラジオにおいては五十七億円、然るにテレビジヨンにおきましては二億四千万円というように非常にアンバランスであることは、多少不安を感ずるのでありますけれども実行予算におきまして、この予算総則の第四条第二項の規定がありまするけれども、本国会意思としましてはこれほどリジツドな予算総則を期待しておつたのではございません。かような意味におきまして、テレビジヨンネットワークの拡張につきましては、鋭意その趣旨を体してできるだけのネットワーク拡充に努力されたいことを希望するのであります。  なおこの審査過程で申上げました通りテレビジヨン視聴料につきましては、これは来たるべき補正予算の時期に至るまでに政府当局と十分検討されまして、合理的な視聴料自主的経営主体とするNHK事業体として再検討されることを強く要望するものであります。  なお国際放送につきましても、これは政府におきまして、この国際放送重要性に鑑みまして、今年度におきましては極めて僅少な助成金を交付するにとどまつておりまするけれども、これは来たるべき補正予算においても国際放送につきましてはもつと理解を持つべきであるということを政府に強く要望するものであります。  なお今問題になつておりまする大電力周辺局の調整の再免許に関する問題でありまするが、我々に寄せられた国民輿論の動向並びにその内容からいたしましても、政府はこの国民の輿望に沿うように措置されんことを希望するものであります。  なお私はこのテレビジヨンの開始されることによりまして、従来の演出者に対します著作権、殊に企画権というものが重大な意味をなすことを欧米諸国の実際に見て痛感するのであります。これに対しましては、監督官庁である郵政省は勿論、NHKにおきましても、殊に著作権並び企画権、この保護に対して、如何なる対策をなすべきかということについても、十分なる検討をされんことを願うものであります。  本案を通観して考えますることは、NHK公共事業体としまして標準放送において、或いはテレビジヨン放送におきまして鋭意努力されんとする意思を発見するのでありまするが、なお先ほど申上げましたように、テレビジヨン放送を併せて行う、このことは将来の日本テレビジヨン放送によつて起る幾多の部面における革命的な変化に対しまして、公共放送として飽くまで日本文化並びに経済再建その他の面に寄与する建前において事業主体とされんことを強く希望いたしまして、本議題に対しまして賛成をいたすものであります。
  15. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 私は自由党を代表いたしまして、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件、即ち日本放送協会昭和二十八年度収支予算事業計画及び資金計画につきましては、以下申述べます意見を附しまして国会承認すべきものと認めます。  日本放送協会放送法の制定によりまして従来の性格を一変して新たな公共企業体として発足されてここに三年、その間放送法趣旨に則られまして、協会当局は鋭意努力されておりますることは、私どももよく了知いたしておるのでございます。特にテレビジヨンが認可せられまして予定通り電波を発射せられておりまするし、私ども非常に懸念、心配しておりましたマイクロ・ウェーブの中継も多年に亙つて研究の効果を示されまして、大阪まで成功せられましたことは、技術当局の各位に対しても敬意を表する次第でございます。どうか今後とも放送協会放送法趣旨に則られまして、国民電波を十分活用せられんことを希望いたすものでございます。  今回の予算並びに事業計画等につきましていろいろ拝見いたしますると、郵政大臣意見書にもありまする通り、総括的には妥当と認めるのでございまするが、先ほど山田さんからもお話のありましたように、テレビジヨンといわゆる従来の標準放送との予算の立て方につきましては、テレビジヨンNHKに許可されたということは、私が申上げるまでもなく公共放送としての放送法建前によりまして、特にNHK標準放送公共放送として行なつておる、そうしてテレビジヨンをひとしく公共放送としての建前から行わしめる、テレビジヨン放送に対しましての使命を達成するのに、NHKが、その立場から、いろいろの条件から最もこれが妥当と見られたものと思うのでありまして、殊に経営経済放送合理化という点からこれが考えられなければならないのであります。勿論聴取料或いは視聴料というものが違つております。一方は五十円、一方は二百円というふうにきめられておりまするので、そのコストによつて仕事の幅というものが明確にされなければならない、いわゆる受益者負担立場から見ましてもそれをはつきりいたしてございますが、今回の予算を見ますと、極めてはつきりと分けておられるようでありまするが、やや形式に堕しておるのじやないか、我々はそれをNHKにその形式を要求するのではないのであります。ただこれは私見でありまするけれどもそういつた面においての実際のアカウントというものは別にお作りになつて参考書として私どもの手許に下さつても、事業の実態というものはわかるのじやないかと私は思うのでございます。  その次には海外放送放送文化の向上の問題でございます。この問題は極めて重要であることは私が申上げるまでもないのであります。この点につきましては政府も特に考慮を寄せられまして、余りに放送協会負担を過重ならしめないように、この仕事重要性に鑑みまして政府としての配慮をお願いいたしたい。  なお電波拡充の問題は日本放送協会が存立いたしまする大きな使命であるのでありまして、この点につきましては、先ほど新谷委員からもいろいろ御質問があるのでございます。それにつきましては或いは放送電力の問題、中継局の問題、或いは電波の問題、受信機の性能の問題、こういうものはいろいろ絡み合つて来るとは申しながら、率直に申しまして、この使命達成に対する放送協会の態度というものが私はやや不徹底ではないかと思うのであります。政府におかれましても、協会におかれましても、この一大使命達成のためにいま少し構えを十分に持たれまして、特に今度の五月が丁度電波の再編成の機会でもあるのであります。その問題を中心としてその再編成のときにも考慮を願いたい、これを私は強く要望いたします。  以上を以ちまして私は承認することに賛成いたします。
  16. 水橋藤作

    水橋藤作君 日本放送協会の二十八年度予算、いわゆる三十七条による国会承認を求める件につきまして、私は二、三の希望及び意見を述べまして賛成いたしたいと存じます。  先ず第一にお願いしたいことは、電波発展に伴いまして従業員労務過重になることを非常に心配いたしておるのであります。先ほど来からいろいろ皆さんのお話もありましたが、私といたしまして考えますことは、昨年度が定員が百二十一人で、今年度百八十八名、六十七名の増員で、日本テレビをこの僅かの人数によつて賄うということは、相当大きな労務過重になるというふうに危惧するのであります。然るに又一方では政府においては行政整理を目標としておりまするので、この上若しや行政整理があるというようなことが加味された場合は、放送の万金を期上得られない結果を来たすのじやないかというふうに考えまするので、その点を十分に考慮に入れて頂きたいということを先ず一点。  それから先ほど山田委員からも申されましたが、テレビは先ず五年間くらいは赤字であるだろうという見通しもつくのでありまして、その赤字を補填するためにラジオの大衆的の聴衆に迷惑をかけるようなことがあつてはいかん。同一企業体であるが故に、場合によつてはそういうこともあり得るのじやないかというふうに国民の疑惑を招くことがありますので、経営形態はつきりして頂きたいということを希望するのであります。  それからもう一つは、今新聞その他でいろいろな報道をされておりまする受信機の問題に関連いたしまして、特定の人の利潤を目的とする受信機取扱、要するに日本の産業を破壊するような受信機取扱方に対しましては、政府といたしましては通産省と十分に連絡をとられまして、そうして国民の今いろいろな輿論が起きおりまするその輿論を解消するような処置を講じて頂きたいということを希望いたしまして賛成いたします。
  17. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私は緑風会を代表しまして、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件について承認を与えることに賛意を表するものであります。  ただ一、二希望意見を附したいと思うのでありますが、第一点は、この議案に関係のある予算編成の方寸でありまするが、これは従来も再三申上げたのでありますけれども、今回は更にテレビジヨンに関する予算が出ておりまして、質疑を通じまして明らかにいたしましたような諸点に関しましては、なお予算編成方針について根本的に検討をする必要があると考えます。特にラジオテレビジヨンとの相互の予算の流用の関係でありますとか、或いは研究費の問題でありますとか、そういつた問題についても問題がありますと同時に、日本放送協会国民の付託を受けてこの事業をやつておるというような使命に鑑みまして、例えば減価償却費のごときはもつとこれは今後の放送事業をよく改善する意味において十分の配慮をすべきである。そうしないと日本放送事業というものの改善が遅れるのじやないかということを私は懸念いたしまするので、予算編成方針について更に十分な考慮を要すると考えるのであります。  それから予算事業計画等とは直接関係のないことでありますけれども先ほど主管大臣質問をした点で、地域別放送局の問題について一言申上げます。この地域別放送局の設置の可否については、これは単純に理論でも割り切れないと思いますが、併し余りに安易に現状だけにとらわれて処理されることにつきましては、これは考慮を要すると思うのであります。現在の日本の持つておりまする周波数の非常に窮屈なこと、それから日本放送協会が今後新らしく地域別放送局を設置することのいいかどうかという問題、これが直ちに日本放送協会の一般の財政に非常に大きな影響を持つものであり、従つて国民の支払う聴取料というものにも関連をする問題でありまするから、この問題を処理されるに当りましては、既成の事実にとらわれないで、技術的に新らしいチヤンネル・プランというものを作られるそうであります場が、そういうことも考えて、放送協会事業経営の根本の方針についても再検討を加えられて、そうしてこの問題の処理に当られるように政府において善処せられることを特に強く要望しておくものであります。  なおもう一点は、これは前回の審議のときにも申上げたのでありますが、放送事業の中核機関として日本放送協会は存在しておるのであります。徒らに民間放送会社と競争的な態度をとられたり、或いは援助を惜しんだりすることがあつてはならないと思います。特に今まさに第一歩を踏み出そうとするテレビジヨンに関しましては、これはいわば日本全体がまだ試験時代と言つてもいいのでありますから、公共機関である日本放送協会は、特にこのテレビジヨンの急速な発展のために、技術研究その他あらゆる面においてこの放送事業の中核機関たる職責を全うできるように、これは民間放送会社との対立というようなことでなしに、むしろその中核機関として放送事業全体のために尽すという態度を以てあらゆる努力をして頂きたい、この三点を希望いたします。
  18. 尾崎行輝

    ○尾崎行輝君 只今新谷委員緑風会を代表して申述べられた、全くそれに同感でありまして、この点について賛意を表するものでありまするが、私の立場といたしまして、つまり聴取者立場から見まして、これは単にNHKだけでなしに、民間放送業者並びに受信擬製造業者の諸君に御注意を与えるというのは、僣越になるかも知れませんが、すでに気付いておられるかも知れませんが、現に行なつておられないものについて私の希望を述べたいと思います。  それは最近或ることから私は実験し、そうして感じたのでありますか諸君は何と言つたらいいのでありますか、ラツシユアワー人種とでも申しまするか、朝の七時から八、九と、それから一方の六、七、八と、この人たちに果してラジオを聞かれるように努力しておいでになるでありましようかどうか。無視しておられるというのは酷評かも知れませんが、それらに対して特別の注意を払つておられないようである、大部分は聞いておられないと思う。ところが都会においてはこの人たちは非常に多数である。而も電車やバスの中で以て非常に怠屈な時間と而も押し合つて苦しい精神状態にあるこの人たちにいい音楽によつて慰安を与える、或いはいわゆる臨時のニュースを与えてこの人たち国民としてのいろいろの考えを啓発するというようなことは非常に大切であろうと思う。而もそれは多くは一家の主人公、働き盛りの人であつて、その人たちの頭に入れるということは非常に大きな影響がある。それを無視しておられるということは甚だ奇怪千万である。それらのことを明敏なあなたがたがおわかりになつておらないはずはない、とつくにおわかりになつておる。特に受信業者のかたば、非常にそうすれば多くの乗物に据えつけるようになりますれば、非常に受信機は売れるようになり、あの営利に鋭いかたがたがそれらのことに注意を向けておられないことはないのである。それが実行できていないというのは、そこに何かしらあります。それは私の単なる想像かも知れませんが、これはNHKも、民間放送も何かお互いに非常な、今、新谷委員も言われたように、競争意識に燃え過ぎていて、和衷協同の実が上つていないのじやないか、この輸送機に、いろいろバスであるとか、電車であるとか、或いは国鉄の線とかに乗せるについてはいろいろな困難があろうと思う。或る車にはNHKを聞かせるようにする、或る車にはラジオ東京を、或る車には文化放送をというように、お互いに妥協し合つて、話合つてするようにしなければならないような技術上の困難もあろうかと思うのです。それにはどうしてもお互いが本当に仲好く公衆のために福祉を与えよう、特に大切な人たちのために聞かせようという熱意に燃えれば一遍に解決するのである。技術的な困難はそういう希望があれば突破できると確信しておるのであります。どうかそれらについてよくお互いに仲好く、本当に公共の福祉のためにラジオを盛んにして行くという熱意に燃えて、どうかやつて頂きたい。このことを希望いたします。
  19. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは以上を以ちまして討論は終結いたしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 異議なきものと認めます。  それでは本法案につきまして、即ち放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件につきまして採決をいたしたいと存じます。原案に御賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕
  21. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 全員御起立でございます。全会一致本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  本件に関する委員長の本会議における口頭報告は先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 御異議ないと認め、さよう取計らいます。  それでは賛成のかたは多数意見者の  御署名をお願いいたします。    多数意見署名      新谷寅三郎  山田 節男      鈴木 恭一  尾崎 行輝      森崎  隆  水橋 藤作     池田七郎兵衞   —————————————
  23. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは暫時休想いたします。    午前十時三十五分休憩    —————・—————    午後一時五十五分開会
  24. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは午前に引続いて委員会を開会いたします。  有線電気通信法案公衆電気通信法案有線電気通信法案及び公衆電気通信法施行法案のいずれも予備審査、三案に対する質疑をお願いいたします。
  25. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 あとで大臣が来られましたら大臣に昨日に引続いてお尋ねしたいことがあるのですが、その点は保留いたしまして、少し事務的なことですが質問を続けたいと思います。少し細かい問題でございますが、電々公社ができて、非常に国民としてはまあサービスがよくなることを期待しておるのですが、今度の法律案の中にも多少は織込まれておるかも知れませんけれども、内容を見まするとまだ十分でない。場合によつてはむしろサービスが悪くなるような傾向のある条文もあるように考えられますが、その一つとしましては、加入区域の問題でございますが、まあ加入区域の整理の問題といいますか、これは随分長い間放任されておりまして、私どもの郷里なんかで見ましても、いわゆる特別加入区域というようなものが、人口の密集しておる農村地帯なんかに随分たくさん残されているのです。今度もまあ請願のような形で国会にも出ておるのですけれども、これはなぜ早くこういつたものを整理されないのか。全国的に何か基準でも作つてそうして整理しようというお考えかも知れませんが、併しもう明瞭な分が随分たくさんあるわけです。これをやはり特別の料金を出さないと電話も附けられないというようなことで非常に農村も困つているというような状況がありますが、今度の施行法関係にもそういう条文があるので、普通加入区域内の架設でも、一定基準以上になつた場合には特別料金を……、特別の負担をさせるとかいうような条文もあるのですが、もつと根本的には、私は成るべく早く実情に合つたように加入区域というものの整理をして頂きたい。まあ電話が割合に簡単に附くようにして頂きたいという考えと、今申上げたような施行法の十条でございますか、十条に書いてあるような普通加入区域内の架設でも、これは勝手に、勝手というと言葉がおかしいのですけれども、或る一定基準というものをどこに線を引かれるか、これは国民にはわからないのですが、或るところで線を引いてしまつたら普通加入区域でも特別の負担をしなければならん。或いは現在の普通加入区域というものでも線の引き方によつては特別に負担をしなければならんというようなふうにも見えるのですね。これはサービスをよくするという点からいうと、むしろ逆行するのじやないかというふうに考えられますが、電話の普及の上からいつておかしいというような感じがするのですが、どういうふうにお考えになつておりますか。
  26. 田辺正

    説明員(田辺正君) お答え申上げます。加入区域の問題につきましては、我々もお話ございましたように、現在の区域を整理と申しますか、現在の区域を改めて検討いたしまして直して参らなければならんと考えておるわけであります。現在の加入区域の設定の基準がございまするけれども、これはその基準ができましてから大分たつておりまして、お話のよう現在の実情に副つておらん点もあるわけでございますので、只今加入区域の設定の基準につきまして検討中でございます。この基準が新らしくでき上りましたならば、それによりまして全国の加入区域を成るべく早い機会に整頓をしたいというふうに考えておるわけでありまする  それから第二点の、現在の加入区域内におきましても一定の制限を超えた距離につきましては負担さしておる、それは甚だ不当ではないかというお話でありますが、加入区域というものは、これは御案内のように普通加入区域と特別加入区域がございますが、普通加入区域内におきましては、今やつておりますようなそういう一定の距離を超えました分について負担をさせるということは、もともと普通加入区域の趣旨に反するわけであります。我々も十分その点については承知いたしておるわけでありますが、何分現在の拡張或いは改良の資金の関係から、又現在の線路の設備の状況から、止むを得ずああいう措置に出ておるわけでありまして、こういう点も逐次考えまして、成るべくその制限距離を廃して行く方向に進みたい、又そういうふうにいたしまして電話の利用の形を成るべく正常にいたして参りたい、そういうふうに考えておるわけであります。
  27. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 大臣にお尋ねしたいのですが、ちよつと今の関連した問題だけまとめるためにお聞きしておきますが、そうすると何ですか、特別加入区域、普通加入区域のこれの改訂といいますか、やはり変えることはまだ案を検討中だとおつしやるのですか、これはもう如何にお考えになつてもそう理論的に、全国的に極めて合理的なものができるということはなかなか期待できないと思うのですがね。これはもう数年来私たち国会でも何回となく同様の請願もあるし、現実の問題として電話を附けたいのだけれども、非常に負担が多いので附けられない。而もそれが山間僻地であればともかくとして、平坦部の非常に人口の多いととろでもなお形の上で特別加入区域が残つておるものだから非常に困るというような状況なんで、これは一日でも早くおやりにならなければいけないのじやないか、そういう明瞭なものだけでも早く解決されるような方法はないのですか。
  28. 田辺正

    説明員(田辺正君) 現在におきましても普通加入区域のきめ方が事情に副わないという点につきましては、これは少しはやつております。併し今の普通加入区域の設定の基準というものをやはり私は再検討する必要があると考えておるわけであります。と申しますのは、これは無論普通加入区域を拡張いたしますれば加入者の負担が激つて参ります。併しその加入区域というものをどういう範囲まで認めるかということは、事業経営上相当大きい問題と私は考えておるわけであります。ただ現在におきましても、例えば単位面積の加入数が何個以上になつたとか、或いは近い将来に何個以上になるであろうという場合、そういう場合に普通加入区域を拡げることになつておるわけでありまして、そういうものにつきましては、これは全国的にではありませんけれども地方につきましてはやつておるわけでありまして、無論そういうふうな今の基準に照しても明らかに不当なものにつきましては、これはお話のございました通りに早くやらなければならんと思います。併し又同時に日本の電話というものの現状並びに将来を考えまして、加入区域の設定基準というものを再検討するということも、これは全国的には幾ら考えてもできないじやないかというお話がございましたが、併し今の加入区域というものをきめられたのは相当古い昔でありますけれども、これはやはり外国の例なりその他参照いたしまして作つたものだと存じておるのでありまして、そういうふうな意味におきまして加入区域の新しい設定の基準を作るということ、これは是非やらなければならんというふうに考えておるわけであります。まあ先ほど申上げましたように、今の設定基準に照しましても不合理なもの、これはやはりありますので、そういう部分につきましては早く是正して参りたいと考えております。
  29. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 同じような問題で関連してもう一つありますが、それは料金にも関係し、サービスにも関係しておるのですが、前から電話には、戦争の期間内の遺物で特急というのがありますね。特別の急報ですね。そういう特急というような料金がありますが、これは私は料金制度の建前からいうと実におかしなことで、結局は電話局に申込をしても普通ならば通じません特急ならば何分くらいで通じます、急報であれば何時間かかりますというふうな問合せがあると返事をするわけですが、結局例えば東京、大阪間ですね、特急ならば三十分なら三十分で通ずるとしますと、大体そう何時間もやつておるわけに行かないから、皆特別の急報で申込むわけですね。結局これは料金制度から見まして、形の上では東京、大阪間何円と、こう書いてありますけれども、実際はまあこの特別の急報でないと通じないというような実情なんですね。そこでこれは施設にも関係いたしますが、そういうふうな特別の料金並びに制度を本来の建前にされると困るので、それだけの需要があるのならば、むしろ施設を殖やして、普通報と急報でやつて行くように早く施設の改善をしなければならんということを再三申上げて、靱副総裁がおられますけれども、先般の料金改訂のときにも早くおやめなさいということに対して、成るべくこれは早くやめたいという御意見を伺つたのですが、やはり今度の法律案を見ましても入つておるのですね。こういうふうになりますと、これがもうあなたがたの頭からいうと当り前になつてしまつて、普通報なんて申込むのはこれは初めから間違いなんだというふうなことになつて、施設改善のほうにもう一段の努力を欠かれるというようなことになりはしないかと思うわけです。やはりサービス面からいつても料金制度の建前からいつても、普通報と急報というような建前で、それで通信が疏通するような設備を整えて行かなければならん。それが建前だと思いますが、それについてはなぜまだこういつた制度を残されたのですか。
  30. 田辺正

    説明員(田辺正君) お話誠に御尤もでございまして、お話の筋に対しましては私何も反論、反論というとおかしいですが、反対申上げる筋はございません。ただ日本の現在の市内線の状況並びに市外線の需要の状況から考えますというと誠に止むを得ない措置でありますけれども、暫らく特急制度を置かなければならんというのであります。市外線の増加につきましては、昨年或いは一昨年におきましては、二十万キロ近い市外通話の回線の設備をいたしたわけでありますが、そういうふうに市外通話の需要というものが相当殖えておりますので、なかなかそれだけでは全国的に市外通話の疏通難を緩和するわけには行きません。従つて現在全部の市外通話のうち、大体三割程度が特急というふうな状況になつておるわけでありまして、これはもとより事業経営上決して好ましい姿ではないわけであります。併し、現在市外通話の収入が電話の収入のうち約半分ちよつと以上を占めておるわけでありまして、今の特急をやめますというと、普通電話料を相当程度値上げしなければ、今の市外通話の収入を確保できないわけであります。ところが地方に参りますというと、区間によりまして、大部分が普通通話で、特急は一割であるとか、或いは至急を合せましても二割とかいうふうな区間が相当あるわけであります。従つてそういうふうな地域におきましては、仮に全国的に特急を廃止いたしますというと、普通通話料を相当値上げしなければならない状況になるわけでありまして、そこに一つ問題があるわけであります。我々といたしましてはそれに備えますために、備えると申しますか、今のお話のように、今後できるだけ特急通話というものを早い期間に減すために、市外線の増設につきましては予備施設等を極力利用して、毎年の予算工程以上にいろいろ工夫をこらしまして、市外線の拡張に苦心をいたしておりますが、それでもなかなか思うようにはできません。近く東京、大阪の間に殆んど特別至急に近い状況の通話をいたすように市外線の増加を図つておるわけでありますが、その場合には特急、至急というのをやめまして、一本の料金になるわけであります。これは料金法に書いてあります別に定める区間、指定区間ということになつておりますが、その方向に全国の回線が早くなるようにいたしたいというふうに考えておるわけでありまして、無論これは全国的にすべてそうするには相当時間がかかりますが、国内の市外通話については成るべくそういうふうにして行きたい。そうして料金は一本になるわけであります。そうしてそれによつて市外通話の料金が一本になりましても、大体前と同じ程度の収入が確保できる。併し同時に回線を殖やします前に、いろいろな面で合理化といいますか、一回線当りのコストを極力下げて参る。そうして我々努力いたしまして、今度提案いたしておりますような料金になつて参りますと、仕事をやつて参るわけでありますが、そういうふうな方向でお話趣旨に副つて参りたいと考えております。
  31. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうしますと今の特別至急通話というようなものは、書いてはあるけれども、それはまあ現状から見て止むを得ない措置だから、これは暫定的なものとしておいたのだ、で、そういうふうに回線が充実して来れば、こういう制度というものは早くやめるようにしたい、こういうふうに考えてよろしいのですか。
  32. 田辺正

    説明員(田辺正君) 暫定的と申しますというと、それに期間の観念が入つて参りまして、まあ十年とか二十年とかいうのは暫定的じやないわけでありますけれども、そういうふうに非常に短い期間をお考え下さいますというと、今の我々の計画から考えましてわからないことになるわけでありますけれども、思想的にはこれはやはり暫定的であるというふうにお考え頂いて結構だと思います。ただ暫定的というと、ここ一年でどうか二年でどうかということになりますと、設備拡張、改善の資金の額によりまして、その時期が早くもなりましようし、遅れても参ると思います。その意味で暫定的とお考えになることは私は異論ございません。
  33. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 今の料金問題に関連いたしまして、只今新谷委員から三段制の市外通話というのはおかしいじやないかと、私も実はそう思つております。是非特別至急通話というふうな制度はやめて、料金体系を整えられることが必要だと思つておるのですが、それで一つお聞きしたいことは、今もお話がありました通り、市外通話の料金というものは大体五〇%以上六〇%くらいになるのじやないかというふうに聞いておるのです。そこで資本投下或いは本当のサービスの点から考えてみて、これは私そう自信を持つて言えないのですが、大体電話の収入の体系からいうと、市内のほうが六〇、市外が四〇というふうな形が最もノーマルな状態じやないかというふうに私は曾つて聞いておるのですが、それが今日市外料金というものが非常に殖えて市内料金が逆に減つて来ておる。逆に四〇、六〇、こういうふうな形になつて経営形態からいつてみても、私は市外料金というものは不当に高く取られておるのじやないかと思つておるのです。そういうふうな点に対しては公社としてはどういうふうにお考えになつておりますか。
  34. 田辺正

    説明員(田辺正君) 電話料金を市外と市内にどういうふうに分配するかという問題につきましては、大体鈴木委員のお考えのように公社も考えておるわけであります。現にアメリカにおきましても、市内通話の収入が六〇%近く、市外が四〇%程度というふうになつておると聞いておりますが、我が国におきましては、現在は大体市外のほうが五十二、三で、市内のほうは四十七、八と思つております。これは実は一昨年の十一月に電話料金を改正いたしましたが、そのときにおきましては、コストにおきましては市内が五十五に対しまして市外のほうは四十五でございました。ところが料金の徴収のほうは丁度逆になつておつたわけであります。それでこの前の料金改正の場合におきましては、市内のほうの料金の値上を相当高くいたしまして、その結果まだ五十対五十になりませんけれども、およそそれに近付いておるわけであります。これは市内と市外の料金をどういうふうに分配するかということは、単にコストだけからは論じがたいものがあると思うのでありまして、そのほかにいろいろな要素を加えなければならんと思うわけでありますが、とにかく収入とコストとをやはり或る程度関連させるということが、料金の設定の基本原則の一つでもあろうと考えますので、我々といたしましても大体その方向に進んで参りたいというふうに考えておるわけであります。
  35. 山田節男

    山田節男君 この市外電話料金と市内通話料金の比率の問題ですが、今法案で見ると、市外通話に関しては五割乃至八割の値上をしておる。そうして今の話から見ても、電話料の収入金の三分の二近くのものは市外通話だ、而もその主要なるものは特別至急通話の料金だ、いわゆる普通通話の三倍の料金の累積が今の電話料金の主要なる部分を占めている。これはいずれ後に大蔵大臣並びに郵政大臣質問する資料としてちよつとお聞きしたいのですが、大体今年度の、昨年の四月から十月までですか、第二四半期とか第三四半期までに市内電話の料金、それと市外通話の料金との数字があればちよつと見せて下さい……。それではパーセンテージでもいいし、金額でもよろしうございますから。
  36. 田辺正

    説明員(田辺正君) 市外もそれから市内も専用料がございます。市外専用料、市内専用料、只今申しますのは専用料を別にいたしまして申上げますが、市内の料金におきましては、昭和二十七年度末施設によりますところの一年間の収入の見込が、電話の基本料、これは度数制を基礎にした基本料でございますが、それが三十七億でございます。それから度数料が約百三億でございます。これはラウンド・ナンバーで申上げます。それから均一使用料、度数料をやつておらないところの均一使用料でございますが、均一使用料が百七億になつております。そういたしますというと、これで以上申上げました数字を合せますというと二百四十七億になります。それからそのほかに附加使用料というのがございますが、附加使用料どいうのは、これは市内の料金である場合もありますし市外の料金である場合もございますが、附加使用料が合せて二十九億ございますが、そのうち大体三分の二見当は市内と考えられますので、大体二十億程度を載せまして、二百六十七億というのが市内料金の大体の収入でございます。それから次に市外のほうの料金におきますというと、市外通話料は二百八十五億でございます。それで先ほど申上げましたように、専用の関係を省きますというと、大体二百六十七億対二百八十五億となりまして、六十対四十でございませんで、四十七対五十三くらいのパーセンテージじやないかと思いますが、大体そういうふうになつております。
  37. 山田節男

    山田節男君 この市外通話の中で、例えば東京、大阪……、まあこれは大阪、神戸でもいいですが、それの市外通話料金と、それから東京、横浜間、こういうような区別での大体概数がわかりますか。それから若しそれがむずかしければ、今の市外通話料金の二百八十五億というもののうちで、特別至急通話で通話料金が占めている額の大体の見当ですね。
  38. 田辺正

    説明員(田辺正君) それでは申上げます。昭和二十六年度の調べでございますが、パーセンテージで申上げますが、普通通話は六七・七%であります。それから至急通話が一三%であります。それから特別至急通話が一八・二%でございます。その他定時とか予約とかいう数がございますが、それが一・一%、それで合計百となつているわけであります。
  39. 山田節男

    山田節男君 今の田辺業務局長の言われた数字と私の手許に持つている数字と相当開きがあるのですがね、これは昭和二十六年度の市外通話の料金の分類ですか。
  40. 田辺正

    説明員(田辺正君) そうです。
  41. 山田節男

    山田節男君 今の田辺局長の言われたことに私は間違いないと思うのですが、これは相違ありませんか。
  42. 田辺正

    説明員(田辺正君) 今申上げましたのは通話時数でございます。
  43. 山田節男

    山田節男君 いや、時数ではなくて私は料金を聞いております。
  44. 田辺正

    説明員(田辺正君) それではこれは一〇〇%になつておりませんで甚だ恐縮でありますが、そういたしますと、料金にいたしますと大体三五%程度が特別至急通話の収入でございます。
  45. 山田節男

    山田節男君 それから普通と至急……。
  46. 田辺正

    説明員(田辺正君) 至急を申上げます。至急が大体一七%程度でございます。それから残りが普通と考えて下さつてよろしうございます。
  47. 山田節男

    山田節男君 これも間違いありませんか、非常に違いがあるのですが、これは時間を取りますから……。もう一度済みませんけれども、今質問申上げたパーセンテージ、金額、それからできれば大阪、神戸、横浜、この間の普通、至急、特別通話の料金を、これは後日でよろしいから見せて頂きたい。
  48. 水橋藤作

    水橋藤作君 大臣に二、三点御質問申上げます。  先ず政府が、毎度私が申上げますが、電信電話の普及に対しては政府が誠意を持つていないということでたびたび本委員会或いは本会議で全会一致を以て可決いたしまして、協力を要望し、そして必ずこの次には御期待に副うようにするという回答もしておられるのでありまするが、先ずこの今年の予算編成を見まして、資金運用部特別会計からの借入金が四十億でありますが、昨年は、数字に間違いないと記憶しておりますが、たしか百二十五億かの資金運用を得たわけなんであります。これでも我々としては十分でないということをたびたび申上げたわけなんですが、昨年と比較すると余りにも数字が隔つておるのであります。我々に考えさせるならば、成るほど民間資金を入れるからというような画も考慮されたとは考えまするが、政府において相当電信電話の普及をするという公約をし、又さるべきだというふうに我々は固く信じておるにもかかわらず、この数字から行きまするなら、それと反対な要するに結果を生んでいるというふうに考えるのであります。昨年の百三十五億から四十億という馬鹿気た数字によつてつまり資金を運用している。而も資金運用がほかの方面に相当流用されていることも我々よく承知しているのでありますが、この電信電話の普及が遅れているということは、実にかかつて政府のつまり努力が足りないからだということを我々はたびたび申上げているのですが、この数字に対しまして、昨年と比較した数字に対しまして、根拠一つ大臣から御説明願いたいと思います。
  49. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 電話の普及につきましては、緊急に必要であるという点は全く御同感で、やらなきやならないというつもりでおります。ただ資金関係が思うように行つておらないという点で甚だ不十分の状態にあることは遺憾でありますが、今お話の資金運用部からの借入金の金額は、確かに昨年度本予算で百三十五億でありまして、今年度は四十億に減つておるということは事実であります。併し一方で拡張の資金調達の方法として、本年度は新らしく公募公債によつて百億というものがあります。と同時に一般会計からの繰入れによる二十億というものがありまして、合せますと百六十億になつておるわけであります。ただ資金運用部から借入れるということと公募社債によるということとは、調達上の便宜からいうと確かに違いがありまして、資金運用部から借りるほうが便利であるし低率であるし、運用上非常に都合がいいことは事実であります。ただ資金運用部の金の運用計画の上におきましていろいろの必要が各方面にある関係から、資金調達の方法として国有鉄道と電信電話公社につきましては公募社債によるということになりましたので、只今申上げたような結果になつたわけであります。
  50. 水橋藤作

    水橋藤作君 いろんな事情から止むを得ないこともあると思いまするが、大臣といたしましては、今の説明通り四十億で以て十分だというふうに、つまり電信電話に対するところの協力方が十分だというお考えの下で満足しておられるか、止むに止まれずいろんな情勢でそういうことになつたというふうに、まあ御答弁のように拝聴してよろしいですか。
  51. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 甚だ不十分であると考えておりまして、電信電話の公社の五カ年計画によりますと、一年どうしても七百億円くらいの建設費を要するわけで、少くともそのくらいはほしいというのが私の考えであります。併し現在の日本の資金状態から申しますと、これは実際来年度七百億を電話拡張費に使うということは非常に困難であるという事情も了解ができるわけであります。で郵政省としてはそこまで行かないでも、できるだけ多くを確保したいという方針でやりましたわけであります。
  52. 水橋藤作

    水橋藤作君 先般、私の質問に対しまして佐藤大臣は、今回は止むに止まれずこういう工合になつたが、来年度からはつまり決議の趣旨に副うて努力するということを申されているわけなんですが、殊に幹事長の職にあられて、これに対しまして相当協力されたことと思いまするが、そういう公約があるにもかかわらず、昨年度に比較して余りにも低額であるということについて、私としてはこれは政府が我々に公約を実施していないものというふうに解釈するわけなんであります。  次にこの料金の値上げに関連いしまして、戦争によつて犠牲になつて、局舎なり或いは設備が大きく損害を受けて、その修理その他に相当の費用がかかつて、止むに止まれず料金を値上げしなきやならんというような面も相当あると思う。これらに対しましては、やはり政府としても相当の誠意を持つて、そうして公社の成り立つように、成り立たないからすぐ料金を上げるのだという、つまり商売的の考え方じや、政府がもつと力瘤を入れるべきだと私は考えますが、これに対しまして大臣は如何なる考えを持ち、又如何なる善処をしておられるか、先ず二点お伺いいたします。
  53. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 料金値上げをうんとやれば公社の財政は非常に楽になりますし、建設方面の資金ももつと得られるということになるわけでありますが、料金の問題は、これは国民生活或いは経済発展に非常に深刻な影響を与えますので、できるだけこれはやつぱり低くしておつて、而も公社の財政もやれるというふうにしなきやならないという方針でやつておるわけであります。それで公社としては、今度の程度値上げでは財政上余り十分ではないという考えであつたのでありますが、今言つたような見地から十分検討をいたしまして、総収入に対して一割程度値上げということにきまつたわけであります。それで今度の値上げに上りまして、借金の利息の支払いであるとか減価償却を前よりも十分やれるというようなことにはなりました。ですからそういう減価償却のための多くなつた金は、これはやつぱり新らしい設備の増設なり、古いものの改善に使われて行くという点で、前よりは非常に古い設備の改善も楽にやれるということになつたと思うのであります。そういうものを合せて考えますと、大体の計算で、昭和二十七年度は三百六十億円ぐらいを新規の建設のほうに使つたわけでありますが、二十八年度は四百七十億円ぐらいは使えるというようになります。百億円以上はそういう増設とか改善とかという建設に使えるというふうになつたと思つております。
  54. 水橋藤作

    水橋藤作君 百億を建設方面に使える、要するにまあ一般会計から設備、つまり修繕によつてあらゆる局舎なり或いは設備の破壊を政府が補償するということが建前だというふうに我々は考えまするが、それができなくとも、せめて借入金でもほかのに比較してもう少しやるべきだというふうに考えるわけなんであります。その意味において政府が十分に電信電話への関心を持たないというふうに断定せざるを得ないのであります。  第三点といたしまして、又自由党、今の内閣が機構改革を意図して人員整理をやるというようなことを言つておりまするが、電信電話の拡張及び修理するには、やはりいつも申上げる通わ金の力ばかりでは目的を達し得られないのであつて、人の力が是非とも必要であり、又電信電話の発展に伴うて人もやはり殖やさなきやならんというふうに考えまするが、今度の政府といたしましては、現業たる公社に対しての人員整理とか或いは機構改革等に関連いたしまして、大臣としては如何なる見解をお持ちになつておられるか、その点を一つ
  55. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 今の内閣考えております行政改革の方針一つは、欠員不補充等によりましてできるだけ定員を減らそうと、こういうことが一つの大きな目標であります。それで、併しそれに対する例外の部分がありまして、郵政現業員は例外としてこれを適用しないということになつておるわけであります。直接の政府関係でない、準政府機関のような公社についても今言つたような行政改革の方針行政整理方針が準用されることになつておりますが、今言つたように、郵政現業員に対しましては例外とするということになつておりますから、公社につきましても同様のことと私は理解しております。
  56. 水橋藤作

    水橋藤作君 新規採用をいたさないということで、欠員があつた場合に補充しないということは、取りも直さずこれは減員になるわけなんですが、やはり何といいますか、量によりましても大きくまあ変るわけでありますが、結局においては行政整理になる形になるのですが、成るほど公社になつたときに高能率、高賃金ということで、よく働いてよくたくさんの生活を保障するという意味から行きまして、私は無駄な人を無理に使えというのではないのでありまするが、やはり事業の拡張或いは修理の万全、或いはサービスを満点にするには、絶対に現業は人の力でやる、これを料金を値上げし、あらゆる方法をとつても、結局新規採用をしなくても、自然淘汰を待つにいたしましても、人員が不足することによつて目的のサービスがやはり又もとの姿、今でも復旧したとは申しかねますが、やはり一般公衆に与える悪影響と申しますか、又いろいろな支障を来すような虞れのないように、一つ大臣におかれては現業官庁、特に郵政、電通においての今までの労務が余りにも他官庁と比較して過重であつたということの十分認識の上に立つて人事管理を行なつて頂きたいというふうに考えるわけであります。  それから次に、先刻どなたかからもお話がありましたが、電信と電話と一括して企業体一つでありますので、電信については先ほどの金光さんの報告では六十億からの赤字である、これに給与改訂を見まするならば相当の額の赤字になるということの報告がありますし、我々もそれを承知しておりますが、電信電話と郵政の速達と、これと対照した場合、相当これは後刻競争の形に現われて出やせんかというように我々は考えるわけであります。
  57. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ちよつと水橋さん、今衆議院で三法案の採決をするらしいので大臣の出席を求めて来ましたので、恐縮ですが……。
  58. 水橋藤作

    水橋藤作君 それは重大ですから……。
  59. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) それではあとで又。
  60. 水橋藤作

    水橋藤作君 公社側から一つ二つお伺いしたいのですが、先刻報告がありましたが、ここに報告も出ておりますが、全国的な局舎の改善及び局舎の建設で一億を予算に入れておられますが、金光さんの報告にも、一億では到底問題ではないというふうに言つておられますが、全国廻つて見ますと、手だにもとの郵便局に間借りし、而も便所もろくに使えない、水も十分に汲ましてくれないという現実を我々はほうぼうで見せられるのであります。そこで同じもとの従業員だからそんなことはあり得ない、一遍交渉して見たらどうだということで、組合の幹部が交渉に行つたところ、君たちにそういうことを許していたらいつになつたらこれは解決がつくかわからんというようなことで、断固として水もやれないというような状態の場所があるのであります。そこで全国的に局舎の改善及び新設が一億や一億や、或いは五億では到底これは目的を達せられないのでありまして、これは相当の力瘤を入れて従業員のために、或いは衛生的にも、或いは何といいますか、能率的にも是非とも局舎の新設及び改造に努力しなければならんと、こういうふうに考えますが、総裁は如何なる考えをお持ちになつておられますか。
  61. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 只今お話通り郵便の局舎に同居しております場合に、さような局舎として非常に不適当な状態にあるということは、我々もたびたび知つておるのであります。何分その局舎の数が非常に多いのでありまして、これを一朝一夕に独立した局舎に移し変えるということは容易でないのであります。従つて計画といたしましては、年々歳々一部分ずつ独立した局舎に移して行くという方針を今とりつつあります。なおそのほかに一億円と申しますのは局舎の修理その他の経費と思いますのですが、今申しますように新らしい局舎を建てる分は一億円以外のものでありますから、相当の金額がやはり局舎新設に投じられているわけであります。なお郵便と電信電話と同居しているために水もやれないというのは、これは少し甚だしいように思うのでありまして、水も空気もいわば人類として同様に享有し得る権利のあるものでありまするから、若しそういうことがあるとするならば、これは単なる感情上の問題に過ぎないのじやないかと思われます。従つてさような不自由なところは、郵政省のほうに我々からお願いいたしまして、平等に水も飲めるようにしてもらいたいと思つております。
  62. 水橋藤作

    水橋藤作君 これは先ほどちよつと申上げましたが、良心的に申しますならば、もとは同じ従業員でありましたので、そうしたことは許されないと、こういうのです。併しながらそうして不自由なくやつたのでは、いつまでたつてもやつて行かれない。だが止むに止まれず涙を呑んで断行するのだ、こういうことを言つたということを現実に聞いて来たのであります。こういつたようなことは一応考えさせられるので、私が聞いただけでもそういうようなのがありまするので、それに関連して困つているのはたくさんいるというふうに考えます。そこで私の希望といたしましては、これは全国的に、まあ公社に任せておいたのではいつできるかわからんというふうなことからして、地元で公債でやるから一つ是非とも局舎を建ててもらいたいという申出があり、我々のほうも、そういうことはできる、これはできると思うというふうに我々は言つておりますが、さて、やつてみるとなかなかそれが捗らないような状態に現在あるように思いまするので、地元で公債を負担してくれた場合は、積極的に一つそれを実施して頂くというふうな方向に持つてつて頂けるかどうか、その点ですね、総裁はどういうふうに考えておられるか。仮に地元がそれだけ公債を負担した場合には、直ちに局舎に対して協力してやるという建前か、そういう建前になつておられるかどうかということを一つお伺いしたい。
  63. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 只今の地元で社債を持つてやろうというお考えは……局舎を作る経費だけを持つてやろうというお話が多いのであります。事実局舎を新しく作りますると、それが移転するためには、現在稼動しております交換機をそのまま外して持つて行くわけに行きません。従つて内部に新しい機械を入れなければならない。又折角そういう機会におきましては、従来行詰まつているもの、或いは方式として古いものはできるだけ改善して行きたい、そういう意味におきまして局内の施設というものが相当の又経費を食うのであります。大体平均して申しますと、局舎を建設する費用と内部の機械とが一対五のような割合になつております。一対五。
  64. 水橋藤作

    水橋藤作君 一対五、一はどこですか。
  65. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 局舎です。ですから地元で以て局舎を負担して頂いた場合においても、なお且つ五だけの新たなる経費を公社側としては支出しなければならん羽目になつているわけであります。それでありまするから、地元で負担して頂くことは非常に我々としては有難いことであり、極力その御希望に応じたいという気持は持つているわけですが、同時に予算の枠の関係からその全部に応じることができない。従つて折角そういうお考えがありましても次の年度に譲つて頂くというようなことがあるというわけであります。
  66. 水橋藤作

    水橋藤作君 一応尤もと存じます。併しながら地元で局舎を建てるという、つまり建てるために全額の社債を負担するという熱意にお応えし、又そういうチャンスをつかみ、又公社としてもその誠意に応えるという意味から、地元で局舎の建つ費用だけを負担するというようなところでは、努めて優先的に、費用もかかりましようが、そういう方面一つ地元の目的に副うように努力されるよう要望いたします。  それから次に、今度の提案された法案の中でいろいろありますが、特に組合その他からも要望があるのですが、修理ですね、機械の修理その他を民間にやらせるというようなことが方針でいられるように考えるわけなんですが、これは非常に我々として不可解だと思うので、もともと民間にあつたやつを無理矢理にいろんな反対を押し切つて官が接収したような恰好になつている。そうして漸く落ち着いたところで民営に移すというようなことは、非常に通信事業の一元化という方面からいつて逆行ではないかというふうに考えるのですが、これは何か特殊な利益があるという見解にお立ちになつているか、この問の公聴会なんかは、我々の運動が効を奏したのだと吹聴している者もありまするので、非常に一般から疑惑を持たれているわけなんですが、これにはやはりそうでないと、こういう利益のためにこうであるという立派な、我々が納得行くような一つ説明を願いたいと考えます。
  67. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) PBXを民間の人にもやらす途を開いたという問題につきましては、これは御承知の通りに、占領当初におきましてPBXが全部民間でやつておりました頃、GHQの指令によりまして、官がそれを取上げてしまつたという事情があることは御承知の通りであります。併し官が取上げた場合において、PBXの施設を民間の人がみずからしたいという希望がありますときにも、その経費は民間の人が負担しても、その所有権は全部官に移つてしまうということに今まではなつておるのであります。その代りに同時にその保守を官が責任を持つてやるということになる。その点が所有権と管理の問題が非常にまずいのでありまして、やはり民間のかたが自分のところの必要から設備をされるのに、その経費を出されたときにはやはり所有権は向うにあるのが至当ではないだろうかと我々は考えたわけで、それからもう一つは、今申上げたように、勝手に民間で殆んど全面的にやつてつて、それがGHQの指令によつて官で皆やるようになつて、その結果むしろよかつたという結果を招いておるのだろうと私は思いますが、併し曾つてそういう状態であつたのにかかわらず、今日においても全面的にその門戸を閉ざしてしまつて、民間には絶対に許さないのだということはどうだろうか、むしろその施設をしようという需要者の意思を成るべく尊重いたしまして若し官のほうがいいというのならば官のほうへお頼み下さい、又民間のほうがいいという考えであるならば民間のほうにお頼み下さい。そうして今度の場合においては、そういう施設に対しては社債を発行いたしまして、そうして官の所有に移すわけでありますけれども、併しそれはこつちの借入れた金でありまするから、その品物に対する代金というものは将来において償還されてしまうわけであります。こちらが取上げてしまうということはないようになつて来るわけであります。そういう二つの点を考慮いたしまして、民間においてもやり得るように道を開いたというに過ぎないのでありまして過去におけるがごとく民間のみにおいてやるというわけでは毛頭ありません。全く元に戻したという意味ではありません。
  68. 水橋藤作

    水橋藤作君 よくわかりましたが、成るほど終戦後指令によりまして吸収されたことも、我々あの当時は反対いたしましたが、通信事業の一元化ということから、又従業員の要するに雇用その他か円満に行くならば、これも通信事業の一元化或いは技術の一本化というようなことからこれも止むを得ないのではないか、これは又むしろ一時動揺いたしましても、最後には通信事業の一元化という意味からこれは好結果になるかも知れんというふうに考えたわけであります。そこで必ずしも終戦直後に通信事業の一元化を目的としてやつたことは、我々は結果においては悪いとは考えていないし、又その下に非常に円満に従業員も喜んでやつているやつを、今度又新たに一部門戸を開いたということは、或るほど結構だとは思いまするが、その半面に、その門戸が非常に大きな独占的なことになりまして、ひいては今の従業員にいろいろな影響を来たすようなことがあると、又結果において五年か六年たてば元の姿になり得る可能性があるというふうに一応考えた場合には、やはり我々は賛成しかたいのであります。仮に従業員がそれだけの仕事がないから首になるとか、或いは又特定の人が特定の利益を得るためにいろいろな支障があるとか、又は機械の統一を欠くために一いろいろな仕事が多くなれば事故が発生するたびに従業員が苦労しなければならんとか、まあいろいろあると思いますが、そういう欠点がありはせんかということが我々の気にするわけなのであります。そういう意味において、私は折角まとまつた通信事業の一元化に賛成したいと考えておるのであります。  それから次に、先ほど大臣にちよつと質問いたしましたが、この料金にからんで通信と電話ですが、先ほどちよつと申上げましたが、六十億からの赤字である。これに給与改訂をいたしますと又八十億からの赤字であるということは、これはいつまでたつても放つておいて、電話に負担をかけているというような結果からどうかと思う点と、それから速達と通信とのバランスが、公社が元々の逓信省一本であつた場合は別ですが、やはり会計その他が別になつたからには、この競争と申しますか、こういうようなものが先へ行つては激上くなりはせんかというふうに一応考えることができると思います。これに対しまして総裁はどういうふうに何かお考えになつておられるか。
  69. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 只今の速達、郵便と電信との競争ですね……。
  70. 水橋藤作

    水橋藤作君 郵便と電信との競争、それからつまり料金の点からのバランスその他から考えて、これは先へ行つては大きく競争形態になりはせんかということなんです。要するに例を挙げますならば、電信が高い、高いからもう速達のほうがいいのだというようなことが一般に拡がつた場合には、電信は大して速くもないし、少しくらいのことなら速達でやれ、片方は官ですから相当設備もするでしよう。又速達を図る意味においていろいろ企画も立てるでしよう。そうすることが電報の機能と速達の機能との競争が、料金とのバランスがしまいに破れておかしな恰好になることがありやせんかということが一応考えられるので、これに対して総裁は何かお考えになつておられるかどうか。
  71. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 電信は御承知の通り時間的に考えられておるサービスであります。従つて一分でも早く到達するようにという意味においてサービスをやつておるわけでありますが、今日までにおいては、終戦後の混乱のために、電報の速度というものは相当時間がかかつておりまして、最近だんだんその時間が短縮されて参つておりまして、現状におきましては速達よりも遥かに短い時間で配達されておると、我々は考えておるのであります。従つて少くも当分の間速達郵便と電報とが競争状態になるとは思つてはおりません。併し一面電報のほうも成るべく機械化することによりまして、そうして経済的に経営する、又同時に誤謬を少くして、ますます時間を短縮するようにという方向に改良を進めて行かなければならんと思つております。併し何分にも世の中の文化が進んで来るに従いまして、自然同じような目的に使われるものが競争状態になるということは或る程度避けられないのではないか。例を申上げますと、或る程度鉄道とバス、トラックというものは競争状態になりやすいのでありまして、自然鉄道の運賃においても、短距離でありまするならばバス或いはトラックのほうが有利になつて来る。遠距離になれば自然鉄道のほうが有利になつて来るというふうになりまして、将来において若し速達と電報と競争するような状態になります場合があると考えましても、遠距離であります場合には電信のほうが有利である。近距離は速達のほうが有利であるというようなことに或いはなるかも知れないという多少の懸念は持つておりますけれども、併しおのおのその特異性がありますから、特異性によつて並立して行けるのではないかというふうに考えております。
  72. 水橋藤作

    水橋藤作君 私もさように一応考えますが、又半面電信の料金が高くなつた、数字に制限された、而も一方は数字は相当使えるし、又飛行郵便あたりで札幌あたりへ行くには二時間か三時間で行くとかいうふうなところから、電信の料金の値上げに対しては速達との比例が相当考えられなければならんというふうに一応考えるわけなんです。  第二には、この電信の赤字ですね。これを電話に依存しているということは、電話加入者が電信の要するに赤字負担しているという結果になるので、これは急激にはできなくとも、だんだんにこれを何とかもう少し合理化しなければならんというふうに我々は考えますが、たびたびこの点を申上げますが、いつ出る企画を見ましても、この方向に向つていないというふうに考えておるのですが、この点は総裁は、電信電話は一貫した事業であるのだから、一つ形態にあるのだからいいという考えをお持ちになつておられるか。後刻何らかの機会にもう少し合理化しなければならんというふうな考えを持つておられるか。又そういうふうな方向に進んで行かれる考えを持つておられるか、その点を一つ
  73. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 電信におきまする一つの欠陥は、中継をやりますときに人手を使わなければならんということであります。従つて人件費が電信におきましては電話に比較して非常に大きな部分を占めている。それで中継ということは必ずしも入手によらんでも、欧米の例を見ましても、漸次機械的に、自動的に中継をするという方向に向つているのです。それで公社といたしましては、電気通信研究所で電信の機械的中継という方式を研究いたしました。今般水戸にそれを実施して見まして、その結果を十分検討しまして、更に改良すべきところがあつたら改良いたしまして、今後の計画においては、主な中継局を全部機械化して行くという方式をとるわけであります。それによりまして経済的に大分救われて来るんじやないかと思います。そのほか電報という問題は、これは一つの性格的に、二十四時間勤務をしなくちやならんということであります。従つて電報に従事している人は夜でも配達をし、夜でも受付をしなくちやならんという、サービスが、これがどうしてもその経費を嵩ませる根本原因をなしておるわけであります。これを何らかの工夫によりまして、勿論二十四時間サービスするのでありまするけれども、泊る人をどういうふうにしたならば一番無駄な経費が少くなるか、又配達の経費というものが相当大きなフアクターを占めております。大体私の記憶では経費の約三割を占めている。三割を占めているのをもう少し機械化して、人員が少くて現在のサービスが維持できるようにする方法はないだろうか、勿論現在自転車や或いはモーターの附いている自転車も使つておりまするけれども、併し田舎へ参りますとなかなか弱いモーターの自転車じや坂を登れないのでありまして、そういう点にもう少しオートバイであるとか、その他強力な機械を使いますと、スピードも出ますし、従つて人も少くなるだろうと、そういうふうな方面の節約も現在研究しつつあります。従つて電信業務というものは世界各国の実例を見ましても、アメリカ以外は黒字のところはありません。従つて電信業務というものを全然電話に依存しないでやるということは困難でありますけれども、併し現状に鑑みまして、できるだけ合理的な経済的な経営の方向へ進めることには努力しております。
  74. 水橋藤作

    水橋藤作君 お話よくわかりました。私も水戸へ行つて現状を見て参りまして、電信の機械化の発展には驚いて参りましたが、これに関連いたしまして、又一方余り機械化したために従業員の要するに首切りが始まる。失業を殖やすというようなこともありまするので、一朝一夕には行かんというようにまあ考えているわけなんであります。  次に先ほど大臣にちよつと質問いたしまして、大臣答弁がありましたが、今度のやはり行政整理と申しますか、機構改革等で人員の淘汰を考えておりますが、いつも申上げます通り、この現業官庁、特に電信、電話交換等はやはり人の力でありますが、是非とも公社においては人員不足のためにサービスを低下しないような方針を立てるべきだというふうに考えておりますが、今度の現状で料金の値上げをし、又事業の拡張をし、又機械を整備し、いろいろ仕事が多くなるのですが、固定人員につきましては総裁は如何なる考えをお持ちになつておられるか、その点……。
  75. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 固定人員……。
  76. 水橋藤作

    水橋藤作君 いや、固定人員でなく、現在の定員数ですね、定員数で十分であるとお考えになつておられるか、又は政府が仮に行政整理をやるというような場合に、総裁は如何なる考えをお持ちになつておられますか。
  77. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 現在現業の局は人員の不足に悩んでいるところが相当あります。従つて昨年十一月に機構改革をいたしまして、管理部門を縮小いたしました。そうして機構として縮小したばかりでなく、人員も減らしました。その減らした人員を主として現業のほうへ配置転換をするという方法をとりまして、現在の定員において最も有効にサービスができるように措置はいたしました。  次に将来における人員整理という問題につきましては、先ほど大臣のお答えの通りに、郵政と同じように公社のほうも整理から除外するということでありますれば、我々としては非常に幸いだと思います。併しこの公社のほうの事業というものは、御承知の通り年年歳々設備が殖えて参ります。従つて如何に合理化をするとは言いながら、なお人員の増加というものは必然的に殖えて参ります。従つて現在の人を成るべく有効適切に使うというほうには努力いたしますけれども、整理をしなくちやならんというような必然的な問題は起らないのではないだろうか。従つて定員の問題につきましては、我々は今後増員する分に対して極力合理的に増員するにとどめて、無駄な人を入れない、そうして今日いる人を最も能率よく働いてもらうという方向に行きたいと思います。
  78. 山田節男

    山田節男君 これは大臣と電々公社の総裁と一緒の席で私質問したいと思つておりますが、今大臣おられませんから、総裁にだけ御質問申上げる点をこの際質問いたします。  第一は料金の問題でありますが、我々が日本電信電話公社法を作つたのは、これは相当に慎重に作つたつもりであつて、従来の専売公社とか或いは国鉄公社、こういつたものはどうも従来の官僚的な部面があつて公共企業体としての自主的な自由奔放な経営ができない、この点を特に考慮してこの日本電信電話公社法を作つたわけです。そうして非常な期待を以てこの公共電気通信事業合理化され、能率化されて、又公衆電気通信の整備拡充ができることを期待しておるわけであります。今回こういう法案が出されて、更に来年度の電々公社の予算等を睨み合せて見ると、相当期待に反するような点が現われて来ておるわけです。なかんずく電信電話料金ですが、殊に電話料金というものは、こうして公共企業体にして自主的な経営をやるということになれば、これはもう料金がこの企業体の最も重要な収入源であることは申すまでもない、従つてこの経営を将来健全に、而もこの法律が命令するように公衆電気通信の整備拡充をやる、この重大な使命を持つて生れた電電公社としては、料金というものに対して最も科学的な、又経営者、経営の責任者の立場から見れば、これは慎重に考えらるべきものであり、又考えられただろうと思うのです。ところがこの公衆電気通信法案に現われておる料金の面を見ますと、遺憾ながらそういう表現がちつとも出ていない。極めて不健全な極めて悪く言えば無責任なことになつておると私は思わざるを得ない。これは賢明な総裁、副総裁以下理事諸君が相当私は考慮れていろいろ研究せられたことに違いないと思う。併しこうして法案に現われておるところは、我々の期待に非常に反しておる。でこのことは私は大蔵大臣或いは郵政大臣にも相当責任があるのじやないかと思うのですが、今両大臣ともおられませんから、総裁或いは他の理事者から、こういう結果になる前に、厳正な経営立場から料金制度というものについて一体どういう具体的な案を持つておられたか、若し速記に載せることが差支えがあれば、これはもう速記を少し停止しても、本当にどういう料金政策というものをとつて、数字的にどういうプランを立てたのだということを若しここで公表して頂ければして頂きたとと思うのですが、この点如何でしよう。
  79. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) それじや速記をとめて頂いて……。
  80. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後三時十五分速記中止    —————・—————    午後三時五十二分速記開始
  81. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 速記を始めて下さい。
  82. 山田節男

    山田節男君 それで私設の有線電気通信が今言つたように大資本家といいますか、資力のあるものはどんどん拡張して非常な利益を受ける、これがますます普及して来た場合に、これは法案によると、こういう私設の有線電気通信施設に対しては最低限度の技術基準というものがあつて、相当予防的な措置を講ずるようになつておりますが、若しこういつたような私設の有線電気通信が非常に発達して来た場合に、電々公社でやつておられる電気通信というものに対して一つの混乱が起きやしないか、こういうようなこともこれは素人が考えて予想されるのですが、そういうことはないということが保障できるかどうか。こういう点について見解をお聞きしたい。
  83. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) これは将来のことでありますので、保障することは非常に困難なんでありまするけれども、現在までの実情を見ておりますると、その範囲が極めて狭いのでありまして、今後の通信方式、通信組織と混乱を生ずるという虞れは目下のところはないと思つております。
  84. 山田節男

    山田節男君 私は大臣が来られるまでちよつと……。
  85. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後三時五十六分速記中止    —————・—————    午後四時二十分速記開始
  86. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時二十一分散会