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1952-12-05 第15回国会 参議院 電気通信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月五日(金曜日)    午前十一時七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     溝淵 春次君    委員            鈴木 恭一君            新谷寅三郎君            佐多 忠隆君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君   政府委員    郵政政務次官  平井 義一君    郵政省電気通信    監理官     金光  昭君    郵政省電波監理    局長      長谷 愼一君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   —————————————   本日の会議に付した事件放送法第三十七条第二項の規定に基  き、国会承認を求めるの件(内閣  送付) ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件  (電気通信事業運営状況に関する件)   —————————————
  2. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは只今より委員会を開会いたします。  先ず放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件、予備審査でありますが、議題といたします。平井郵政政務次官提案理由説明を求めます。
  3. 平井義一

    政府委員平井義一君) 提案理由説明を申上げます前に一言お詫びを申上げたいと思います。  かねて当委員会皆さんから御心配を頂いておりましたブエノスアイレスにおける国際電気通信全権委員会議のその後の経過でありますが、昨日出先全権からの電報によりますと、管理理事会構成員の選挙の結果、日本は得票三十二票で、残念ながら当選することができませんでした。当省といたしましては、出先及び外務省筋とも緊密に連絡をとり、我がほうに有利な結果をもたらすよう種々努力をいたしたのでありますが、遺憾ながらこのような結果になつたのであります。この問題につきましてはもとより微妙な国際情勢に支配される面も多いとは思いましたが、当委員会が寄せられました御厚意と御鞭撻に対しましても甚だ申訳ない次第でございます。一言お詫びを申上げる次第でございます。  只今議題となりました日本放送協会昭和二十七年度追加収支予算等提案理由説明を申上げます。  日本放送協会昭和二十七年度追加事業計画収支予算及び資金計画に対する郵政大臣意見書について御説明申上げます。  日本放送協会事業計画収支予算及び資金計画につきましては、放送法第三十七条に次のような規定がございます。即ち、協会は、毎事業年度のこれら事業計画収支予算等郵政大臣に提出し、郵政大臣は、これを検討して意見を附し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならないことになつております。追加、変更の場合も同様手続をとることとなつております。  昭和二十七年度の同協会事業計画収支予算等につきましては、第十三回国会においてすでに承認済でありますが、今般同協会においては新たにテレビジヨン事業を開始する計画を持ち、昭和二十七年度事業計画収支予算等に対する追加事業計画収支予算等を作成し、只今申上げました放送法第三十七条の規定に基いて提出して参つた次第でございます。  今回協会から提出されました追加事業計画収支予算等の詳細は、お手許の書類の通りでございますが、その概要について御説明申上げますと、同協会においては、従来実施しております標準放送、いわゆる中波放送に加えて、新たに将来全国あまねくテレビジヨン放送が受信できるようにする目的を以てその第一看手として、昭和二十八年二月から東京において五キロワツトテレビジヨン放送業務を開始し、且つ、これを十キロワツトに増力する工事を本年度内に実施し、又、大阪及び名古屋において昭和二十八年度中にテレビジヨン放送局を設置するため必要な調査を本年度内に実施しようとするものでありまして、収入支出におきましておのおの二億九千五百六十四万円の追加を行おうとするものでございます。  収入につきましては、受信料として月額二百円を徴集するものとし、年度内収入六十四万円を見込み、ほかに二億九千五百万円の借入金を予定しております。支出といたしましては、二億五千六百万円を建設費に当て、三千八百六十四万円を番組費技術費給与等に当て、且つ、予備金として百万円を計上しております。  郵政省におきまして、右の追加事業計画収支予算等を詳細に検討いたしましたところ、同協会テレビジヨン放送事業を行うことは、放送法趣旨にも合致し、且つ、我が国の放送政策上も適当なことと認められ、又この事業計画収支予算の個々の内容も妥当であると認めた次第でございます。  これを以ちまして大臣説明を終りたいと存じますが、なお詳細につきましては、御質問によりお答え申上げたいと存じます。  何とぞ御審議の上、速やかに御承認を賜わりますようお願いいたします。
  4. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 只今の御説明について、これは如何いたしますか。
  5. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 只今の御説明大臣提案理由説明がございましたが、なお郵政省意見書参考にお聞きしまして、意見書についてこれは大臣として御説明になるか、事務当局からでもよろしいと思いますが、そして質問は次回にお延ばし願いたいと思います。
  6. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 鈴木さんの意見如何でしようか
  7. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それもいいですが、この前の委員会では、何か一応質問は見合わせて置こうという理事会お話つたので……質問が始められそうですが、まあ電関係質問というのはまだ全然しないのですね、今日はむしろそれをやられて、これらは皆さんに最近配付されたわけでありますから読まれて、次回に質問されてもいいじやないかと思います。
  8. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 新谷さんの御意見如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは新谷さんの御意見のごとくいたします。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この意見書は……。
  11. 平井義一

    政府委員平井義一君) 電波監理局長にいたさせます。
  12. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは内容説明だけ聞いておきます、監理局長から。
  13. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 先ほど大提案理由の際に御説明申上げましたように、放送法第三十七条の第二項の規定に基きまして、放送協会事業計画収支予算或いは資金計画につきまして国会の御承認を得ます場合には、郵政大臣がそれらにつきましての意見を附して御審議をして頂くということになつておるのでございます。その法律上の定めによりまして、郵政大臣がこの御審議を受けます事業計画収支予算についての意見書が、お手許の印刷物の一番最後に附いてございますので御覧願いたいと思います。内容はお目通し願いますと大体御了解して頂けるのではないかと思いますが、御参考のために要点だけを簡単に申上げさして頂きまして、なお御質問に応じまして詳しく申上げたいと思います。  意見書最初は、日本放送協会法律上定められております使命と申しましようか、そういう点からこの事業計画なり収支予算というものをどう考えなければいけないか、テレビジヨン放送を始めるということにつきまして、どういう考え方を持つべきであるかということを前書として述べてございます。その後に事業計画収支予算資金計画等につきまして、郵政省といたしまして調査をいたしました結果に基きまして大臣意見が述べられてございます。  事業計画について先ず申上げますと、先ほど提案理由として説明がございました点に触れましたごとく、先ず東京におきまして従来日本放送協会実験局或いは実用化試験局という形でテレビジヨンの研究或いは準備を進めて参りましたが、それらの施設も利用いたしまして、空中線電力キロワツトテレビジヨン放送を来年の二月から、若しも順調に進むならば二月から本放送として始めたいというのが骨子でございまして、なお五キロワツトでは東京附近の十分な、或いは理想的なと申上げたほうがいいかと思いますが、サービスができませんので、併行して空中線電力を十キロワツトに増力をしよう、こういうのがその内容でございます。なお来年度引続いて大阪名古屋におきましてもテレビジヨン放送建設を行い、逐次本放送を始めようという計画なつておるので、その調査といたしまして後ほど申上げますが、約三百万円の調査費を以て調査を行うというのが事業計画骨子でございます。  なお放送番組でございますが、これは当然公益法人である日本放送協会等プログラムといたしましては教育、報道或いは娯楽という点におきましても健全明朗な娯楽を行うということに重点を置くべきことは当然でございますが、このプログラム如何ということはその経費にも大いに関係いたします。この放送をいたします番組経費につきましては、日本における先ほど申上げました実験或いは実用化試験局としての実績も勘案し、又諸外国テレビジヨン放送の実際の実例等も勘案いたしまして、一般ラジオ、いわゆるラジオ放送プログラムの四倍を見込んでおるのでございます。これらの点は郵政大臣としてもいずれも妥当なものと考えております。なお放送時間は初期のうちは一日四時間程度を見込んでおりますが、順次拡充と共に殖やして行こうと、こういう考え方なつております。先ほどの御説明でもございましたが、来年の二月から本放送を始めるということになるのでございますが、年度内テレビジヨンを受けるいわゆる受信契約者数がどういうことになるかということにつきましてはいろいろの見方がございますが、一応受像機価格国民購買力というような点から考えまして、一応年度内に二千百名に達するものと見込んでございますが、これの算定根拠というような点もいろいろ調査いたしましたが、大体健実見込み方をしておるものだろうと私どもは見ております。なおこれはほんの御参考でございますが、現在東京附近にどのくらいのテレビジヨン受像機が実際に実在しておるかという点はいろいろ調査いたしておりまして、的確な数字はつかんでおりませんけれども、千から二千の間にあるということは各方面の人々から見られても大体意見の一致を見ておるところでございます。一方併行的に確実な数を調べるべく調査いたしておりますが、大体の見当はそういうことになつております。  次に収支予算について簡単に申上げますと、この収支予算書は、追加予算総則追加予算書とからなつておりますが、追加予算総則の中で特に申上げなくてはならない点は、先ほども触れましたが、テレビジヨンのいわゆる受信料月額を二百円と定めておる点、それからこのテレビジヨン関係経費一般ラジオ経費との経理を区別するという根拠的な考え方から当然なことではございますが、この本予算に定めてある経費金額事業計画に定めた事項以外には流用を禁じておる、この二点が特に御注意願いたい点でございます。その内容につきまして多少御説明を申し上げますと、先ほどお話がございましたごとく収入支出の総額はおのおの二億九千五百六十四万を予定いたしておりますが、支出といたしては先ほども御説明申上げましたように建設等二月頃から事業運営を初めますので、資本支出事業支出とに分れるわけでありますが、資本支出が大部分でございまして二億五千六百万円、事業支出のほうは三千八百六十四万円を見込んでございます。そのほか予見しがたい予算の不足を見込みまして、予備費として百万円を計上してございます。  この資本支出内容について一、二申上げますと、先ほど申し上げましたように東京テレビジヨン放送局建設するための必要な土地、建物、放送設備等一切の経費が二億五千百五十九万円、大阪及び名古屋における調査費等先ほども申上げましたように三百万円、建設に従事する要員の経費が百四十一万円を見込んでございます。事業支出といたしましては先ほども申上げましたように来年の二月から放送を開始するものと予定いたしまして、本年度内二カ月分の予算を計上してございますが、人件費といたしましては所要人員百三十一名、これに対する経費五百四十七万四千円を見込んでございます。そのほか番組経費といたしましては先ほども御説明申上げましたように標準放送の約四倍を基準と考えまして、放送費として二千百二十四万二千円、その他の関係といたしまして、技術費が三百十一万、普及費として八十万、加入費九万、管理費四十万、舎屋費三万、厚生保健費五十九万、共通費三十五万余円、その他支払利息六百五十四万円等をそれぞれ見込んでおるのでございますが、これらの内容につきましてもいろいろ調査いたしました結果、おおむね妥当な見積りだと認められるのでございます。  次に収入でございますが、先ほども申上げましたように事業収入といたしましては年度内受信契約者が二千百名となることを見込みまして、月額二百円として算出いたしますと六十四万円となるのでございます。一方支出の点で御説明申上げましたように資本、いわゆる建設資金、或いは事業支出としても相当多額の経費を要しますが、これらはすべて長期借入金によつて賄う計画なつております。その全体の額は二億九千五百万円に上るのでございます。なおこの調達協会財政的基礎から見ましても十分確実性のあるものだと認められます。大体融資先のほうの意向等も確かめてみましたが、大体この額の借入れは十分確実性のあるものと認められた次第でございます。なお月額二百円ということにつきましては、現在のラジオ放送受信料五十円と、先ほど申上げましたプログラムその他放送運営費が約四倍を見込んでおるような点、或いは新聞雑誌その他の購読料、あるはその価格、その他外国における例等を勘案いたしまして、尤もこれは放送協会が今後如何なる計画の下にどの程度まで放送事業計画を進めて行くかという協会経費面から考えました受信料というものも出て来るわけでございますが、それらの点を勘案いたしまして、一応妥当な金額と認めた次第でございます。  最後資金計画でございますが、これは年度内只今説明申上げました事業計画を遂行するのに必要な経費資金調達の方法を示したものでございまして、これも妥当なものを認められた次第でございます。  以上申上げましたように本追加事業計画収支予算或いは資金計画はいずれも妥当であり、その間の相互の調整につきましても適切なものであると認められましたので、この全体の計画につきまして郵政大臣は妥当であるという判定を下された次第でございます。
  14. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件は、説明を聞いただけにいたしまして、質疑は次回の委員会にすることにことに御異議ございませんか。
  15. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 一つ調査資料だけもらいたいと思うのですが、このテレビジヨン最初計画でありますので、今後日本放送協会としてはどういうふうな計画を以てこのテレビジヨンというものをおやりになるか、この長期計画をお持ちになつておると思いますが、それを一つお見せ願いたいと思います。頂戴したいと思います。
  16. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それと関連しまして、長期計画、特に収支計算資金計画として、どの時期にバランスがとれるようになるのか、そういう点の見通しも一応ははつきりわかるような資料をお出し願いたいと思います。
  17. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 鈴木先生佐多先生の今の資料、特に収支計算等に対する今後の具体的な資料を次回の委員会までにお出し願いたいと思います。
  18. 平井義一

    政府委員平井義一君) 資料は用意してあるそうですから、次回までにお配りいたします。
  19. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 成るべく委員会の前に一つ……。   —————————————
  20. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 次に電気通信事業運営状況に関する調査事件及び電波行政に関する調査事件議題といたします。両調査事件については、郵政大臣所管事項として、前回の委員会において高瀬郵政大臣から説明を聴取したのでありますが、これに対して御質疑のあるかたは、只今政務次官が来ておられますが、大臣もおつつけ来られるとのことでありますから、御質問がございますれば、これに関連する当局人々が来ておられますから御質問願います。
  21. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 私この前の委員会で、質疑に入られる前に退席したものですから、或いはこういう問題が質疑され、或る程度答弁されたかも知れません、重複するかも知れませんけれども、根本的な問題で伺つておきたいと思うのですが、最近職員賃金改訂に関して調停にかかつて、いろいろ私たちも話を聞いておるでありますが、郵政省の根本の方針としてこういう噂も聞くのですが、それは事実かどうかを確めたいのです。郵政省はもと一緒にやつてつた郵政事業或いはその他簡易保険等仕事も兼業として持つておる。電信電話のほうは会社なつたけれども、待遇等についてはやはり郵政職員との均衡考えて、公社にはなつたけれども、特別の待遇はできるだけ避けなければならないのだ、こういうふうなお考えを持つておられるように、噂ですが聞き及ぶのですが、それは事実ですか、どうですか。郵政省の御意見を伺いたいと思います……。お答え願えなければ、あとで大臣が来られたときにお尋ねしてもよろしいのです。大臣来られてからにいたしましようか。
  22. 平井義一

    政府委員平井義一君) まあ私も大臣と特別打合せしたわけではありませんが、大臣意向を聞きましたところ、大臣といたしましては、公社公社としての賄いにおいてできるだけのことをすることもいいだろう、こういう意見でございます。決して公社なつたけれども、郵政省一緒に進んで行かなければならんというようなことは考えてないようであります。
  23. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 この問題については、大臣が来られましてから後ほど更にもう少し具体的にお尋ねしたいのですが、結論は、今のお話のような方向で考えられなければならん筋合いだと思うのです。この機会に郵政省がそういう考えを持つておるということは、これは非常な誤報であるということで了解をしておきます。  それからもう一つ伺いたいと思いますのは、私ども前国会日本電信電話公社法、その他の法律案審議いたしました際に繰返して申上げて、政府当局もそういう意向だ、今お話のように、どうも公社としては、やはり他にも公社がありますけれども、電信電話という事業を遂行するのにふさわしいすべての制度機構組織労働条件等考えなければならん。それによつて電信電話事業というものを、従来の一般官庁事業として扱つてつたところから今度は脱却して、国民のために電信電話を十分に発達させるようにしたいということが、基本的な問題であつた考えるのでありまして、そういう点から申しますと、一体監督官庁として、この公社に対して今度初めて補正予算も出、来年は初めての一年間の予算も出るわけですが、そういう場合に、電信電話公社というもののそういう基本的な目的に副つたすべての機構組織或いは制度というようなものを考えて御立案になつておるかどうか。予算を拝見しておりますと、まだ何か中途半端で、官庁会計から脱却し得ない。尤も今度補正だけですから、もともとが官庁会計でありましたから、止むを得ない点がありましようが、どうもまだそういう臭いが多分にするのです。そういう考えでは、電信電話公社をなぜお作りになつたかと言いたいくらいなんですが、例えば今度の調停に関する問題のごとき、一体政府電話料金なんかについてどういうふうな考えでおられるか、鉄道は一割か一割幾らかの値上をしてもよろいしんだ、これは大して国民経済影響を及ぼさない、併し電信電話のほうは非常に影響があるんでいまないんだというようなお考えなのか、或いはこれは電信電話のほうはこういうことはやらんでも十分公社性格にふさわしいところの制度を樹立して行くに差支えないんだというお考えなのか、それらのことはもう少し具体的に伺いますけれども、その電信電話公社というものができた以上、その基本的な性格に照してすべてを改善し改革して行くという御熱意がおありになるかどうか、その態度を先に明らかにして頂きたい。
  24. 平井義一

    政府委員平井義一君) 大臣が見えたのでありますが、質問の途中でありますから私から概略だけ申上げておきますが、給与調停案につきましては、御承知のごとく公社予算で賄い切れないというので政府はこれを呑めなかつたのであります。但し大臣といたしましては、公社国営から公社になつたのでありますから、勿論電信電話発展のために公社なつたという観点から、大いに発展のために努力すると大臣は常に念願しておるのであります。ただ来年度の予算につきましては、この料金が問題になるのでありまして、料金は目下のところ大臣心鏡といたしましては、できる限り上げないでやつて行きたい、こう考えておるようでございますが、諸般の事情その他を研究いたしまして、電信電話料金を来年度上げても差支えないという大臣結論が出ましたときにおきましては、おのずから来年度の予算が違つて来るのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  25. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 郵政大臣にお尋ねしますが、先ほど出席になる前にお聞きしたことは、郵政大臣電信電話公社監督をされ、そうして一方では郵便事業であるとか簡易保険事業等を持つておられるので、どうも職員なんかの待遇について官営事業である郵政事業等に非常に遠慮をされて、電信電話のほうとしては当然公社としては待遇その他かくあるべきだという考えがあつても、官営事業郵政事業のほうに鞘寄せされるということを郵政省意見であるかのごとく私は聞いたことがあるんですが、それでそういうことは万あるまいと思つて政務次官にお聞きしたところが、政務次官はそんなことはないということで一応安心したのですが、当然この日本電信電話公社法をお出しになるときにそういうことを割切つておるはずですが、大臣としてやはり政務次官が答弁されたと同じように、勿論並み外れたことはできないでしよう、できないでしようが、電信電話事業を遂行するのに必要且つ適切な施策というものはどんどん積極的にやつて行くんだという態度が望ましいのですが、その点についての大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
  26. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) お答えいたします。国営事業から公社に形態を変えた趣旨、それから国営事業性質公社性質等違い等から申しまして、給与が全然同じでなければならんということはないと私も考えております。ですから理論的には差があつても決して差支えがない問題である。ただお話のように実際運営上は同じ庁舎の中で以て両方の職員が似たような仕事をしておるという点で、その場合に両者に非常な違いがあるというようなことになりますと、やはり実際問題としてはいろいろ困難が起きて来るわけでありますから、理論的には決して差支えないわけでありますけれども、実際実施する上においてはそういう点はやはり十分考慮はしておかなければならない。こういう私の考え方でございます。
  27. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 高瀬さんはこの法案の審議のときにおられなかつたので、今の後段の答弁をされますが、その問題は政府としてはすでに割り切つた問題なんです。私はそのために一体窓口をどうするのだ、今度は会社公社官営事業郵政省の機関と三つ列ぶ場合に、或いは場所が、オフイスが同じで仕事をしなければならん場合がある。それをどう調整されるかということを、窓口事務について特に私は再三注意も喚起し、質問もしたのです。その当時の佐藤大臣は、それについてはそういうことの起らんようにうまく調整して参りますというお話があつて、これは非常にむずかしい問題ではあるけれども、私はそれで政府のほうでも十分にその点は配意をされて、この公社法を運用されて行かれるものと期待しておつたのです。その問題はすでに済んだことです。それを今ここで逆にやはりそうことがあるから多少はその均衡考えなければならんというようなお考えだと、又これは政府の方針が法案提出当時とまあ大分変つて来たというようなことになるわけです。例えば大都市において窓口なんかは、今これは経費が非常にかかるのでございますけれども、電信電話と郵便とこれを分けてやつておられる。これも一つの方法です。或いは田舎の窓口になりますと、両方を併せて、両方を配置して持つて行くということは非常に不経済でもありましようから、そういつたものは例えば委託事務にして、どつちか一方に委託するというようなことも考えられる、いずれにしてもその同じ窓口に列んでいて待遇が不均衡になるという問題は、何らかの方法を講じて政府が調整を図つて行くべきであつて、若し必要があれば電信電話公社職員に成るべく郵政職員も近付けて行くというのが事業の、労働の実態から見ては当然のことと思います。それを逆に郵便関係職員待遇その他は一般公務員のほうに鞘寄せしておいて、公社をそれに鞘寄せして行くということは、一体公社を作つた理由から言れても私は本末顛倒しているのじやないかと考えるのですが、その点如何ですか。もう一遍お答え願いたいと思います。
  28. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 新谷さんの御意見全く私は同感であります。ですから今後の施策といたしましては、そういう趣旨をできるだけそう困難なく、実際上問題にならないようにやつて行くという方向へ持つて行きたいと、こう考えております。
  29. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 他の委員質問がありますからもう一つで今日は打切りますけれども、先ほど途中からお聞きになつたようですから……。それは私この電信電話公社法のときに再三申上げたのですが、公社ができる目上は、これは一つ電信電話、これは会社でないが、内容事業会社のようなものですから、それにふさわしいすべての組織機構もお作りになるがいいだろう、又その待遇もそうされるがいいだろう、又政府事業だとできないようないろいろな社債とか特に外債等についても十分に考えられて、事業運営に適当な方法をおとりになるがいいだろうということを再三申上げてこの公社法に賛成をしたのですが、先ほどもちよつと申しあげましたけれども、公社は必ずしも私は料金を高くしたほうがいいということは、国民の一人としては私は言わないのですが、併し半年余りの間十分研究されて、節約すべきものは節約をし、そうして出すべきものは出す。出すべきというものの中にはいろいろあります。倒えば従業員の待遇問題もありますし、それから今まで欠けておりましたようなサービス面の強化ということもありますし、現業職員をもう少し殖やして管理委員を減らすというような問題もありましよう。そういうやるべきことをやつて、そうして本当に料金の原価計算をされて、これだけはどうしても公社仕事としてやつて行く場合には心要なんだという結論が出るならば、それを堂々とお出しになるのが、公社法を作つた趣旨にも合致するものであり、今後の電信電話事業発展させるゆえんでもあると思うのです。それを如何にも私たち見ておりまして歯痒いと思いますのは、そういう基本的なことをお考えなつておるかどうか知りませんが、先ほどもちよつと申上げたように鉄道のほうは一割幾らぐいは、これは大して国民生活に影響がない。電信電話は何か非常に影響があるかのごときお考えで、料金問題なんかも簡単に片付けられてしまつている。こういうふうになりますと、私はまあ財政計画を詳しくまだ検討しておりませんので、結論的には申上げませんが、仮に或る程度料金引上げでもしないと、公社考えているような待遇問題とか、或いは将来の建設問題が軌道に乗らないということであれば、これはやはり大局的に、仮にそういう空気が……官業或いは官業的な仕事がどんどん料金を上げて、如何しもインフレ防遏政策から言う逆行するかのごとき印象を与えるというような空気だけから、そういつた問題を簡単にお取扱いになりますと、折角ここで発足する電信電話公社というのが、将来の発展をもう初めに先ず頭を叩かれるということになる。その結果はまあ電信電話が発達しないで、やはり旧態依然たるもので、なぜそれならば電信電話公社にしたのだというようなことも国会としては論議せざるを得ないことになると思うのです。これは財政計画とかどうとか詳しいことは必要ありませんけれども、今申上げたような趣旨で今後御検討になつて、料金問題その他についても公社にふさわしいあらゆる制度な整度を整えるという御熱意を私は詳細に伺つておきたいのであります。御熱意のあるところを伺つておきたい。
  30. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今お話大体私も同感でありますが、国鉄と電信電話公社との関係でありますが、料金の問題は決してただ一般影響が一方は多いけれども一方は少い。そんな意味で今度の問題がきまつたわけでは決してありませんで、やはり国有鉄道の財政状態と電信電話の財政状態と違いますし、そうして今度二割アツプと比率は同じでありますけれども、それによつて与えられる公社に対する影響はやはり違つております。ですからそういうような点がいろいろ考慮されまして、違つた回答になつたというわけであります。併し今後料金の問題は永久に考えないというわけでは決してございませんで、やはり今お話がありましたような公社の合理化という問題も十分考えなければなりませんし、又料金値上げによる影響ということも考えなければなりませんし、いろいろの点を考慮して検討して行きたいと、こういう考えでおるわけであります。
  31. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 関連いたしますが、この前の委員会でも御質問いたしましたですが、聞くところによると、今日は大蔵大臣出席できないというそうで、非常に遺憾に思つておりますが、後刻まあ事務的のことをお伺いするといたしまして、大臣にお伺いしたいのは、先ほど新谷委員も縷々述べられているように、今国会においてもう通信事業発展のために再三の決議までいたしまして、電信電話の復興のために挙げて努力しようということが全会一致で決議されていることは御存じの通りだと思います。従つて我々もそれを期待し又努力しつつあるわけなんですが、いつも申します通り、特に電信電話発展は物の面と人の力がマツチしなければ発展できないのだということを私は申上げているし、自分もそうだと信じておるわけなんです。そこでこの法案立法当時の佐藤大臣の御意見にもありましたように、高能率、高賃金制を以て事業発展に寄与させるという提案理由説明もありました。そこで発展は相当発展しつつあることは認めます。その例をちよつと無線局に例をとりましても、本年末現在では七千六百局、去年の十月に比較して、一カ年に千六百局からの局が殖えている。これはやはり或る意味において無線及び通信事業発展過程にあるということは明らかでありまするが、これに対しまして、七千六百局に対して千六百も一カ年に局が殖えているにもかかわらず、先だつて私が申しましたが、電波監理委員会というものを内局に縮小したということはマツチしていない。反比例になつておるということを再三僕は指摘しているわけなんでして、これも止むを得ずそういう結果になつたのでいたし方ないといたしまして、七千六百局に殖えて、その当時の一年間に対してのその人員の補充はどういうふうにされているか。これはやはり高能率、高賃金という面からいつて、高能率という意味において、従業員の努力によつてこれだけの局が運営されているとするならば、これに伴うのは高賃金であります。然るにこの調停案におきましては、今の日本の労働運動史上において、政府側と組合側と反対な立場をとつておられることは、この前も申しましたが、組合側が承諾したのにもかかわらず、政府側のほうでそれを認めたところの中労委の正しい調停承認しないという結果は、これはゆゆしき問題だと私は考える。そこで大臣といたしましては閣議においてその実施のために相当努力されたと私は信じます。それでこの実施でき得ないという、つまり何と言いますか、諸般の事情と申しまして、具体的に言いまするならば、予算面から来るところの事情で止むを得ずそれを呑めないのだということになつた理由、ただ諸般の事情、要するに予算措置としてできないのだというだけでは、我々はこれは納得できない問題だというふうに考えますので、閣議においての大臣の努力された経過及びその諸般の事情という内容を少し具体的に御説明願えれば、我々も今後の組合運動及び我々としてのとるべき態度をそういう面からしてはつきりさせたい、かように考えます。
  32. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今お話の千五百局という増加の分は、今聞きますと、大部分が民間のアマチユア局だそうでありまして、公社関係のないものだそうであります。これは御承知になつておいて頂きたいと思います。  それで調停案との関係でありますが、調停案を若し公社が呑むということになりますと、現在の財政状態から申しますと、どうしても料金の問題に触れて来ることになります。それで政府としては、現在の国民生活の状況等から申しまして、できるだけそういう料金値上というものはいろいろな方面からこれを防いで行きたい、やりたくない、やるべきでない、こういう方針を持つておりましたので、そういう見解を公社には話はいたしました。で公社としてはやはり同じような見解から、これを現在の状態では呑むことができない、こういう考えであつたと思います。
  33. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 先ず最初の局の問題ですが、私も承知しております。局が千六百も殖えて、そうして人員がそのままでやれるわけはない。民間の局が千六百殖えるに連れて、やはり公社のあらゆる仕事が殖えて来る。つまりそれに関連して来たところの仕事が相当殖えて来るというふうに私は考えたので御質問したのですが、これはまあこれで了解いたしますが、先ほど来私はその中労委の調停案に対しての政府考え方について、政府当局といたしましては、現在の労働運動が、組合運動及び日本の各労働状態が如何なる状態に置かれているかということを御存じないと私は思う。殊にこの公社のごとき、組合が納得したものを、ただ値上げしなければその中労委の裁定が呑めないという簡単に片付く問題じやないというふうに我々は考える。そこでどうしても値上げすることが政府としてこれは諸般の事情から止むを得ないとするならば、政府の最悪の場合は、剰余金が五百億もあるのですから、その半分出してもできるという肚をきめればできる。僕はできると思う。予算面に出す気になれば私はほかからも出る途がたくさんあると思う。特に、この何と言いますか、今の日本の置かれている再軍備費に該当するような予算と申しますか、報道機関とか、或いは平和回復準備の費用とか、具体的に言えばいろいろありますが、そういうものと比較した場合、いずれが大事かと、今の労働運動を何とか問題を解決したいという熱意がありさえすれば、私は予算の出し方は、直ちに料金に引つかけて、その調停を実施するためには料金を値上げしなければできないのだという考え方はもう少し考え直して頂きたい。特に、この郵政大臣においてはそういう熱意を持つて、私は閣議で相当協力して頂けるものというふうに考えておつたのですが、日本の大蔵官僚といたしましては、相変らず今の考え方を、日本の今の経済の持つて行き方をどこまでも固執するがために、それの実施困難の場面があるかも知れませんが、せめて担当の大臣が、この通信事業発展させるための、先ほど申しました通り人的な要するに大きな力というものを必要とするということを認められるならば、是非ともこの問題の解決に努力されることと期待し、又信じておつたのでありますが、なお又後刻大蔵大臣なり或いは閣議の結果を聞きましてお伺いすることにいたしまして、又ほかの委員質問があると思いますから、後ほどこの問題については大蔵当局に又お伺いすることにして、大臣に対する御質問は打切ります。
  34. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 大臣は公共企業体等中央調停委員会調停は考慮され、或いは重んぜられるおつもりであるかどうか。
  35. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 公共企業体労働関係法にある問題でありますし、勿論尊重しなければならんと考えております。
  36. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それは当然なお答えだと思うのですが、私たちが調停委員会委員長の山中篤太郎氏からの申入れを聞きますと、公共企業体等職員給与に関する調停事案の取扱いに、今般体調停委員会において電々公社職員の基準賃金改訂に関する紛争調停中、これを考慮することなくその給与に関する補正予算の閣議決定が行われたことは極めて遺憾であります。このようなことでは法律の予定する制度の活用を無視することとなり、公労法に定められた紛争の円満な解決を阻害することになりますというような実は申入れが来ている。これから見ると、少しも大臣調停事案を考慮しておらない。完全に無視しておる。口では重んずるとか考慮しましたとか、政府はよく言つておられるが、実際の行為においては何らその事実が現われていないのではないか、これは組合諸君なり何なりが言うのみならず、中央調停委員会委員長が声を大にして述べておられる。而も正式に申入れまでしている実情でありますが、これに対してはどういうふうにお考えなつておりますか。
  37. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 実は昨日、山中委員長そのほかの委員が見えまして、同じような文書を私は受取りました。私は就任したのが十月の末日頃でありますが、その当時も調停にかかつておりました。その事情はよく聞いておりました。そうして組閣早々補正予算の問題が閣議に当然出て、始めておりました。併し調停の様子は毎日聞いておりまして、大体の結論は聞いておりました。ですから閣議決定以前においても、又調停案の正式な私人の提出以前においても大体内容は知つておりました。そうしてそれを考慮しながらやつたわけでありますが、閣議での補正予算の確定は調停案の出てからあとでございます。ですから全然考慮しなかつたというわけでは決してございませんので、この点は御了承頂きたいと思います。
  38. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の御答えでは、ただどういう事情になつているかということを聞いただけで、それを実現すべくどういうふうに努力したか等々のお話をしたのですね。少しも考慮されたのではなくて、ただ報告は聞いただけということにしかならいのであります。考慮されたら考慮された結果が、結果として事実において現われていなければならないにかかわらず、それが今度の扱いには何ら現われていないのではないか、その点を先ず伺います。
  39. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 予算の上で似て調停案を呑むという形の現われておらないということは事実であります。併し内閣は組閣早々から補正予算審議いたしますについて、料金の問題等は十分検討しておつたわけでありますから、料金値上というようなことは、できるだけこれを防ごうと、こういう方針で行つておりまして、調停案も出て参りましたし、それと関連して検討をいたしました結果、調停案を呑めないと、内閣としては呑むわけに行かないという見解で以て補正予算を組みましたので、それが現われておらなかつた、こういうわけであります。
  40. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 内閣としては調停案が呑めないという結論なつたというお話でありますが、国鉄なり或いは専売なりは裁定を呑まれて予算措置をしておられるんだと思いますが、国鉄なり専売がそれを含まれたのに、あなたのほうだけが呑まれない特殊な理由はどこにありますか。
  41. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 補正予算審議中は、まだ専売の仲裁案は決定しておりませんでした。国鉄は裁定が出ておつたわけでこれを考慮したわけでありますが、それも全部呑むというわけには行かないというわけで、大体一般公務員の二割のベース・アツプというようなことと関連しながら考えて、国鉄の裁定はそれにやや近い状態でありますし、自然そういう結果になつたと私は考えております。
  42. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 国鉄の裁定が完全に呑まれていなくつて二、三問題の残つておることはおつしやる通りですが、併し基本的な給与の問題については、裁定は完全に呑まれておると思うのです。ところが、あなたのほうでは基本的な本俸を二十七年八月以降平均月額一万一千七十四円にするということ自体が、何ら呑まれていないし、実現していない、その点は国鉄その他と扱いが別になつておるとしか思えない。ところが実際の必要から言えば、調停案の中にはつきり示してありますように、国鉄は現在の現給にしても一万一千三十二円、専売は一万七百四十七円、電々公社は一万三十八円と、非常に低位にあるので、仮に国鉄なり専売公社が裁定が実現しなくつたつて、電々公社つて実現しなければならんという実情であるにかかわらず、現実はそういう状態であるにかかわらず、実現されたことは、逆に国鉄なり専売公社が大体において実現して、あなたの、最も低いあなたのところだけが実現してないというような事情、この点は今大臣はほかの公務員の給与ベース等とも関連をしましてとおつしやいましたけれども、さつきこれは新谷委員なり何なりの御意見があつて、それに単純に右へ倣へすることはしないのだと、公社の特殊性を活かすのだということをおつしやつておりながら、すぐその口の裏から今のようなお答をされる、そういうことでは我々はどうも調停を重んずるとか或いは公社の特殊性を活かすとかいう問題は口先だけで、実際には何らそれを実現しておられないとしか思えないのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
  43. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 一般公務員並みに二割アツプという問題は、実は調停案を呑むわけにどうしても公社の財政状態から行かないと、併し一般公務員が二割アツプされるのに、それじやそうかと言つて全然これをやらないでいいかと言えば、そうは行かないと私は思う。そこで公社のほうの意見も聞きまして、この程度ならば今の財政状態でもやれるというような意見でありましたので。少くともこの際はこれくらいはやらなければならないんだ、こういう意味で考えたわけであります。
  44. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 予算上不可能であるというようなお話ですが、そうして而もそれは値上げの問題を了承することができないから、政府の政策として値上げを、料金の改訂等々を考えられないから、従つて予算の措置もできないのだというようなお答えのように思いますが、さつき新谷委員お話もあつたんですが、私たちも政府料金なり米の値段なりを上げることには反対です。反対であると政府もおつしやつておりながら、米であるとか或いは鉄道運賃であるとかというような直接に庶民大衆の生活費にかかるような問題の値上げはやつておられて、そうして電信電話、これが庶民大衆の生活にどういうふうに影響を及ぼすかというような点は、後ほどもつと詳しくお聞きしたいと思いますが、私たちの素人考えでは、生活に直接響くという面においては、電信電話のほうがもつと間接的なものじやないか、そういう若し政府が物価を上げないと、料金を上げないというお考えであれば、鉄道とか或いは米の値段とかを抑えましたから、従つて電話料金その他も抑えなければならないのですと言うのならば、これは一応筋は通ると思うのです。そうでなくて、生活費その他については私たちの感じからすれば、むしろ若干間接的なものであるというようなものだけそんなに固執しておられるというようなことに、政府の非常な御手落といいますか、考え方が間違つている点があるんじやないか、こういうふうに思うのですが、ほかのところは上げておきながら、特に電信電話のほうをお上げにならなかつた理由はどこにあるか。
  45. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 国鉄この関係は、国鉄の財政状態と電信電話公社の財政状態とは大分違つておると思います。そうして国鉄のほうが非常に現在までの状況から申しますと、困難な状況にあると私は考えております。そこにまあ一つの違いがあるというようなところと、又今度の裁定案を国鉄が呑むことによつて国鉄の負担の増す割合というものと、調停案を呑むことによつて電信電話公社の負担の多くなる割合というものに違いがあると私は思う。そういうような点からおのずから違う処置も止むを得ない、こう考えておるわけであります。それから米価のほうの問題も無論政府としては上げたくないという方針だと思いますが、上げなければどうしてもやはり政府一般会計負担が殖えなければならん。政府の責任になる赤字になります。ですからその点も違うことになると私は思つております。
  46. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 この値上が企業体に及ぼす影響が違うんだというお話、この点はもう少し詳しく御説明を願いたいと思いますが、あとのほうの米の値上をやらなければそれが食糧管理特別会計の赤字になつて、政府の負担になるからこれはやるのだというようなお話ですが、それならば政府の負担になるかといつて国民大衆の負担になることは構わないのかどうか、その点を先ず伺います。
  47. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) この問題は少し郵政大臣の所管とは範囲が広くなると思いますから……。
  48. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 国務大臣としてお答え願つている……。
  49. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 私の国務大臣個人として……。
  50. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 国務大臣個人ということはないでしようよ。(笑声)国務大臣として言つて下さい。いずれ大蔵大臣にも聞きますけれども……。
  51. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 無論どちらにしても国庫負担になるというようなことになります。税金でやればやつぱり国民の負担でありますし、それから値上げをすると消費者の負担になるというわけでありますから、どの程度まで税金のほうでやるか、どの程度まで消費者の負担でやつてもらうかということは、これはやつぱり一つの政治の方針できまるべき問題で、そう理論的にどうでなきやならんというようなことじやないのじやないか。そうなりますと、或いは政策、方針の、見解の違うということに結局はなるかと思つております。
  52. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 政府はよく米の値段を上げなければ、従つて消費者の負担を守つてやあうとすれば、一般会計の赤字になるのである、そうするとそれがすぐ増税にもはね返るのじやないか、こういうふうに議論をされるのだけれども、それはすぐそこへ飛ばれるのはおかしいと思うのですよ。まだ現在の政府の財政の中で廻し得る金はあちこちにたくさんあると思うのです。もうこれは大臣がようく御存じの通りに、この一、二年の間に政府は非常な財政蓄積をして来ていると思うのです。殊に手つとり早い話が、来年度は剰余金が四百六十億とか何億かありましようが、これだつて半分は使えることになつているのにかかわらず、財政がないないと言いながらそういうものは楽だと来年度繰越しになつている。更にひどいのは、すでに大蔵大臣も御説明なつたように、安全保障諸費六百五十億をとられた。我々はあんなものをとる必要がないじやないか。我々は原則的には保安隊なり或いは駐留軍の問題を認めませんから、全額削減しろという基本的な態度ですが、そこまで行かないにしても、あんな六百五十億というような予備費的なものをたんまりとつておく必要はないのじやないか。それだけの金があるなら財源がないないと言わずに、給与ベースその他の処置をする、或いはその他の社会福祉に措置をするということこそが必要なんじやないかということをやかましく言つたにかかわらず、政府は六百五十億も予備費的なものをとられている、それで一体どのくらい使われているかという問題が非常に疑問になつたので、私はこれを報告をして欲しいということを申上げたら、我々から追及されないうちにと言つて、つい二、三日前、御承知の通りこれの使用状況を報告された。ところがそれではつきとしたことは、六百五十億のうちにまだ手のつかないのが五百十五億ある。これは将来使う予定ですとか何とか言つておられるけれども、すでに年度を三四半期まで過ぎて何ら手つかずで残つておる。而して何か大臣お話によると、急遽いろいろな支出見込を立てて会計の付け替とか何とかを急いでおられるようだが、そういうふうな醜い操作をしなければならないようなふうにたんまりと金を持つておられるにかなわらず、こういう非常に緊切した問題については財源が足りませんというようなことを言つて口を拭つておられる。これじやああいう費用が国民生活を圧迫をしているのだということは余りにもはつきりしているのじやないか。それらの点を真剣に考えることなしに、すぐ増税になりますからと言つて国民大衆におつかぶせて来られる。こういう態度は我々の了承しかねる問題なんですが、これについてどういうふうにお考えになりますか。
  53. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 防衛費予算の使い方等の問題に非常に関連のあることでありますが、これはやはり内閣の政策、方針と関連する問題でありまして、私どもはやはり今年度予算に盛られておる千八百何億かの防衛関係諸費というものは、今日の日本の状態から申しまして必要な経費であると、こういうふうに考えておりますので、その点は或いは佐多委員と見解を異にするという結果になるかと思います。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 必要かどうかの問題については政策の問題でありますから、私はここで大臣と争おうとは思いません。別の機会にやりまするが、ただあれだけ必要だつたのかどうか、仮にああいうものが必要であるとしても、あれだけ必要であつたのかどうかという問題になれば、これは実績で御説明を願う以外に方法はないと思うのですよ。ところが使用実績その他から見れば明らかにあんなものは必要でなかつたということがはつきりしているのだ。そういう余裕の財源をたんまりあつちこつちに持つておりながら、こういう非常に緊切した生活を守つてやらなければならないような問題に対しては、財源がございませんからとか、予算措置ができませんからと言つて口を拭つておられる態度は、どうも我々了承しかねるのですが、その点はどうなんですか。
  55. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) どうもその点につきましては、先ほどお答えした以上のことは私からは申上げることはできないのであります。
  56. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 じやその議論は別な機会に譲ります。  もう一遍、値上げが違つた企業体に対しての影響が違うのだということ、それからもう一つ加えて、これは或いは事務当局からお願いしたほうがいいかも知れませんが、値上げが一体国民生活なり何なりに及ぼす影響は、運賃の場合或いは米の値上げの場合とどう違うのか、どういう状況にあるのか、その辺も一つ……。
  57. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 先ほど国鉄裁定を呑むことによる国有鉄道財政に対する影響と、電信電話公社調停案を呑むことによる電信電話公社財政に対する影響の違うということを申しましたが、それは御承知のように、元来基本給が国鉄と電信電話公社で違つてつたわけです。それで裁定によりますと、この際基本給を国鉄並みにしようと、こういうことになつておるわけなんで、ですから国鉄のほうは基本給に対して今度の裁定案を呑みましても二割幾らかになる。併し電信電話公社のほうは調停案を呑みますと三割幾らかになるという違いが出るわけなんです。その点を申上げたわけなんです。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それならば問題ははつきりするのですが、それならばですね、現在低く切下げておいて、今までにあなたがたは完全に払つておられないのだから、今までのものを遡つてそれを補償してやらなければならないというようなことになるのじやないか。それをば現在の給与が低いからただ二割値上げというようなことで調子を合わすということは、今までほかのところに比べて低かつたことを更に継続して行くというような結果にしかならないので、こういうことにこそ電信電話公社の特殊性を主張をして、上げる率はもつと別に勘案するというようなことがあつて、初めてこの調停を考慮しましたとか、尊重しましたとかいうことが言えると思うのです。ただ現在の現給が低いから二割アツプすると違つて来るのですということでは、何らこれは考慮されていないという結果になりはせんですか。
  59. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 只今申しましたように、国鉄の基本給と、それから電信電話公社の基本給が違つておる。これは今度起きたわけではなくて、今まであつたことであります。で大体これを直そうというのが調停案であります。それで電信電話公社の財政から、又諸般の事情を考えて、これは直せるならば私は直すのに賛成なんであります。同じ公社の従事員であつて甚だしい不均衡のあるということは、決して正当なことじやないのです。その点だけは私は合理的だと思うのです。ただ併し、それはどうしても公社の財政と関連して来る問題でありますから、今まで違つてつたのを現在の公社の財政状態ですぐ直せるかと言えば、財政状態の現状ではすぐは直せない。やはり将来の財政状態等と関連してこれを直して行く、これよりほかないのじやないか。これが私の結論で、その意味では調停案を私は尊重しておるつもりでおります。
  60. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 少しも調停案を尊重しておられることにならんので、財政状態が悪いから直せないのだということは、どういうことなんですか。
  61. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) これは先ほどから申しますように、今の財政状態から申しますと、料金を何とかしなければこれは呑めないのだと、こういうことが一番大きな理由であります。
  62. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それならばもう一遍その点をお願いしますが、米とか、国鉄運賃とかいうようなものは上げておかれて、これだけ上げないという理窟は通らなくなるのじやないですか。そこに特殊性があるとおつしやるのならば、むしろ逆なんじやないか。今非常に低いのだから、こつちは仮に上げる場合の必要性から言えば、若し上がるということになれば、国鉄にも或いは米にもまして上げなければならない必要性があるのじやないか。ということは、今申上げたように、給与その他が非常にほかとは不均衡に低くて、そういう意味では搾取しているわけなのだから、上げる必要なり何なりは非常に大きい、而もそれが上げた影響から考えて、庶民大衆にどつちが直接な影響を与えるかという問題になれば、私はむしろこつちのほうが関接的じやないかという感じさえ持つているのです。そういう必要性は非常に強いです。それから物価を上げてはならないという、要求を抑えなければならない理由からすれば、ほかのものより弱いというよう状況のときに、ほかのほうは然るべく措置をすることを言つておきながら、これだけ捨てて置くという理窟は通らなくなる。なぜその点をう少し主張して、ほかのものを上げることは不賛成だけれども、少くともこれだけはそういう事情から上げることも止むを得ないじやないかというような態度になられなかつたのかどうか。
  63. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) その点は先ほどお答えしたところでおわかり下さるのじやないかと思うのですが、国鉄の裁定を呑むということが国鉄の財政に対する影響と、それから調停案を呑むということが電信電話公社の財政に対する影響との違いがある。ですから、国鉄のほうは基本給で、二割幾らで、それでも到底やれない、そういう事情がありますので、一割アツプということも止むを得ないというとになつたわけであります。それならば、今まで非常に国鉄との釣合がとれていないのをどうするのだと、こういう御質問になるかと思いますが、それも先ほどお答えした通りでありまして、これは無論将来是正すべきものであると、こう考えますけれども、今日の電信電話公社の財政状態等から言えば、すぐこれを実行することが困離であるというところから、今度のような結果になつたと、こういうわけであります。
  64. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 関連いたしますので、もう二つだけお伺いしておきたいのですが、先ほどからの答弁を聞きますと、調停案は尊重すると、而も国鉄との不均衡も是正したいのだと、併しながらこれを実施するためには料金を値上げしなければならんのだ、だから止むを得ないと、こういうふうに結論としておつしやつておるように聞くのですが、そういうふうに了解してよろしいでしようか。
  65. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 料金の問題が主たる理由であります。そのほか調停案内容につきましても、私はなお検討を要すべき……、金額等については検討を要すべき点もあると考えております。
  66. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 調停案に対してつまり金額に対してのあれがあるということは、不均衡をこの際是正すべきであるという見解を持つておられる大臣とのバランスがおかしいのではないですか。どういうことなんですか。
  67. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) つまり均衡を、正しく均衡させなければならんと、それについて調停案金額はそういう正しく本当に均衡をとる結果になつておるかどうかということについては、なお検討を要すると、こういうわけであります。
  68. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 そうしますと、結論として、時間をかかりますから、結論だけ聞いて行きますが、そうすると、調停案は正しく均衡のとれた調停とは考えられないと、又検討しなければならんと、それがために調停を呑むことができないのだと、こういう大臣は見解なんですか。
  69. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 調停案の基本給の計算の仕方、その他特殊勤務とか、勤務地手当とか、それらとの関連の問題等については、なを検討を要する点があるのではないかと、こういう考えであります。
  70. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 これが後ほど大きな問題になると思いますから、はつきりしておいて頂きたいのは、調停案を呑みたいのだと、併し料金を上げなければならんと、国家予算からして上げることはできないという見解と、もう一つ調停案内容において不十分な点があると、もつと検討をするということは、今更検討をするなんということと言われるのはおかしいと思いますが、調停案にたいして不服なんだと、だからこれは呑めないのだという二つの見解に分れる、どつちが大臣の持つておられる見解かということ、結論だけでいいです。  それから結論として私が申上げないことは、先ほどから大臣のおつしやることは、主として料金の値上げをしなければならんが故に……、これを均衡もとらしたい、調停案も尊重したいと、併し料金の値上げによらなければならんからこれは止むを得ないのだということになりますと、今の調停案を出された給与問題が従業員の犠牲において、やりたいし、やらなければならないのだが、料金値上しなければならないのだからそれはできないのだということになると、つまりその負担を従業員が負担する結果になる。私はこういうふうに考えるのですが、それともう一つ結論だけ三つ聞いておきたい。これは後刻大きな問題がこれに対して加味して来ると思いますので、結論だけで結構です。最悪の場合、この調定案が出されて、先ほど申しました通り、労働攻努のこの激しいときにかかわらず、組合が素直にこれを呑んだにかかわらず、官側はそういう理由でこれを呑めないということになりますと、この結果起るところの、我々の望ましくない事態が起つた場合は、これははつきり官側の責任だと私は考えますが、その点大臣はどういうふうにお考えなつておられますか。
  71. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 第一の点でありますが、調停案趣旨はは、不均衡是正というところが根本であります。この点は私は正しい見解だと思うのです。ただ極く細い点では、調停案については、そういう不均衡是正という点で、金額の点についてなお検討を要する点があると、こういう見解であります。  それから第二の、料金値上げをしない、だから調停案を呑まんということは、労働者にだけ犠牲を強要するという結果になつて不公平じやないかと、こういう御見解だと思います。その点は、労働者に対しては甚だお気の毒に思うのでありますが、料金を上げるということは、又一般の消費大衆の生活から申しますと、或いは産業発展というような点から申しますと、相当強い影響のある問題でありますから、そのほうも我々としては考えなければならん、こういうことであります。  第三のこれがどうしてもうまく折衝が行きませんで、非常に憂うべき事態が来た場合は、官側の責任であるということを考えるかと、こういうような御見解でありますが、無論官庁としては、監督官庁でありますから、そういうような事態の是非とも起らないようにしたいという希望を持ち、努力もいたすわけでありますが、そういう事態が起きた場合に、政府だけの責任だと、こういうことに考えられないと思つております。
  72. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 この調停案を、中労委を尊重されておればですね、中労委の裁定が出た場合に、一方は呑んで、一方は承諾しなかつたと、仮にあべこべにですね、官側がこれを承諾したが、組合が呑まなかつたといつて、組合員が、つまり組合運動の過程においてやはり自分の最高の手段をとつた場合には、これは政府としては、責任は組合にあるとおつしやると思う。これと反対の立場から立つて、この組合の最も正しい運動、これを最後的のものまで持つた場合、国民に及ぼす影響その他は私は政府側にあるというふうにまあ考えるわけなんで、これはまあ議論になりまするからこの辺でやめますが、先ほどのように、そういうことのないように努力したいという大臣のお気持に対しては期待をするのでありまするが、その努力たるや何であるからということは、言うまでもなくこの調停案を完全実施することにかかると思う。と同時に、今の担当大臣として、所管大臣として、この問題が解決つかなかつた場合は、私は所管大臣として通信事業発展、及び従業員に対してのつまり高能率高賃金制、或いは労働行政その他に関しまして、大臣が誠意がない……、一方的な、つまり閣議においてきめられたことについての大臣の努力がどこまで実を結ぶかによつて決定するものでありまして、先ほどの努力するというお言葉に期待を申上げて、一つこれは円満解決するよう、何とかこの補正予算も、私は必ずこれは修正さるべきものだと確信しております。その際是非とも閣議において大臣が身を挺してこれを一つ頑張り抜いて頂くよう、一つ今日の委員会はこれに対して反対がないところから行きますと、参議院の委員会は、挙げてこの調停案を円満解決し、労働運動を、この問題を円満に解決したい。又事務当局としても非常にこの組合運動に対しての対処方に苦労されておられると私は考えますので、この際一つこのあらゆる大きな問題を円満解決することがですね、大臣の閣議においての努力にかかつておるというふうに我々考えまするので、これを要望いたしまして、私の質問を終ります。
  73. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ちよつと今のに関連して……。今大臣は、調停案をなお検討してというようなお話でしたが、これはもうさつきのお話によると、検討するまでもなく、十分に検討された結果、非常に重んじたとおつしやるのだから、十分に検討された結果、今のところでは呑めないというようなことになつているのじやないか。それならばこの調停案自身がもう少し疑問があるという点が更にどこにあるのか、そいつをば少し御説明願いたい。
  74. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 今申しましたのは、私の了解するところによりますと、国鉄の基本給と電信電話公社の基本給とに違いがあると、そこにまあ一番大きな不均衡の標準があるわけですね。その場合に、国鉄の基本給の計算の仕方というものと、それから調停案による基本給の計算の仕方というものに少し違いがあるように思う。だからそこは大したことじやないと思うのですが、やはり均衡という点から言えば考えなきやならんと、こういうわけなんです。
  75. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それじや事務当局に聞くのですが、どういうふうに……、数字的に説明して下さい。
  76. 金光昭

    政府委員(金光昭君) お答えいたします。国鉄の仲裁裁定の本俸の中には、特別手当の〇・五カ月分と、それから勤務地手当のうちの五%分を基本給に含めてあるというふうに聞いております。
  77. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 関連して最後一つ……。佐多委員や水橋委員からいろいろ御質問があつたので、実は私も次の機会にお尋ねしようと思つたことが、大分具体的に今日は答弁されましたので、郵政省の方針とも言いますが、政府の方針がだんだん明瞭になつたのですが、私は前国会政府の提案された日本電信電話公社法の法案の審議に当りまして、而もこれを他の国鉄公社とか、専売公社のいろいろの制度がありますけれども、それを更に越えて公社らしい公社を作ろうというので、実は我々委員が相談をしまして、相当大幅の修正をして、結局両院協議会まで行つてきまつた問題でありますので、その審議に当つた者として根本的な考えを申上げておきますが、国鉄や専売公社等は御承知のようにまだ公社なつたけれども、官業的な色彩が非常に強いのです。併しこの電信電話公社法ではそういう面をできるだけ除きまして、公社の総裁が事業の責任者として、この電信電話事業国民のための発展を十分に腕を振つてやれるようにというので、相当にこれは考えたつもりでありまして、その趣旨については政府も全く同感であつたのでありまして、従つて今の問題のごときも、この公社の発足のときに先ずつまづいてしまつたということになりますと、一体公社の特殊性なんというのはどこにあるのかということになるので、具体的に私は、数字はどの数字がいいとか悪いとかいうことを今ここで具体的に批評はしませんけれども、併し公平な議論が、調停をして、そうして大体これが世間の見るところ妥当なものであるということであれば、やはりその線に副つて最大限の考慮を政府でも払うべき筋合いであると私は思うのであります。殊に日本電信電話公社職員は大体においてこれは勤務地が電信電話性質上都市に多いのです。この点は国鉄や専売とは更に違うのです。そういつたことも考えますと、本給について、基本給についていろいろ議論されるのは、比較をされるのはまだいいのでありますけれども、勤務地手当のごときものを入れたものと比較して、而もその総体においてどうのこうのというようなことは、これはやはりこの公社事業の特殊性を無視したものじやないかとさえも逆に私は考えるわけなのです。そういう点も、公社事業は特殊でありますから、その特殊の性格にふさわしいような待遇条件というものをやはりここで樹立して行かないと、又これをあとに引延ばしても、結局その日暮しをするだけで、問題は必ず起つて来るのですから、法律制定の精神から是非この最近の機会にこういう態勢が整うように大臣としても最大限の努力をされることを私は希望しておきます。
  78. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今政府委員から御説明なつた点、どうも御説明聞いただけではつきりわかりませんので、これは数字の問題になりますから、後ほど資料にしてはつきりわかるように、説明が必要であつた説明を付けて一つ資料としてお出し願いたい。  そらから更にどうも問題の中心は、料金引上げが可であるか不可であるかというような問題にどうもなるんじやないかと思いますので、一つこの料金を引上げることが一般物価に対して、或いは生活に対してどういう影響を及ぼすのか。それからそれを引上げることによつて負担力のほうからみて、国鉄の運賃或いは米の負担の問題と比較して、電信電話料金の負担能力はどういうふうに違うのかということは、これは使用者なりなんなりが、どういう階層なりどういうところに大体固まつておるのか、そういう点も何かわかるような資料を別途お出し願いたい。その上でもう少し議論したいと思いましす。
  79. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 了承いたしました。
  80. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 もう時間も過ぎましたし、御意見もあるようでありますが、今日はこれで散会いたしまして、次回に……。
  81. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 公社の総裁への質問は又にいたします。
  82. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは前へちよつと返りまして、お諮りしますが、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件、これに関連しまして、委員各位に御了承願いたいと思いますのは、本件の審査に当つてはNHK関係者を随次当委員会出席を求めることが多々あると思うのでありますが、その場合には参考人として出頭を求めたいと思いますが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それではそういうことにして、なお参考人の決定等はあらかじめ委員長に御一任願いたいと思うのですが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それではさように決します。本日はこれを以て散会……。
  85. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 本日これで終るというのですと、結末がつかんと思うのですが、私、大蔵大臣を呼んでいるのですが、大蔵大臣が御出席にならない理由、或いは私がこれから質問しようということについて、大臣の代行に来られたかたが答弁できるのかどうか。大蔵大臣が来られないとすれば、午後から来られるのか来られないのか、或いは後刻に廻されるのか、その点はつきりしておかないと、今日は出席されることになつているはずですから、それをはつきりしておいて、今日の委員会を午後開くか開かないか、又後刻とはいつするのか、大臣の都合のいいのはいつであろうかということを、今日の委員会の決定事項としてきめて頂きたい。
  86. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 水橋委員にお答えしますが、大蔵大臣は今日は止むを得ないことで、どうしても午後も出席が不可能のようでありますが、日を改めて出席されるとのことでありますから……。
  87. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 事務当局からおいでになつて、事務的に回答されたのじや私、満足できんと思います。満足し得る回答を得られないと思う。従つて事務局から折角おいで願つても、大臣出席のできるまで、私待ちたいと思いますが、そうかといつていつまでこのままに放つておくわけにも行きませんので、近いうちに大臣の暇を見て是非とも出席されるよう要望いたしまして、それに併せてこの次の委員会を開催するよう、それまで保留いたします。
  88. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) さように了承いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後零時五十五分散会    —————・—————