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1952-11-28 第15回国会 参議院 電気通信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十八日(金曜 日)    午後二時二十九分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十四日委員河崎ナツ君辞任に つき、その補欠として佐多忠隆君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     溝淵 春次君    理事      山田 節男君    委員            鈴木 恭一君            新谷寅三郎君            水橋 藤作君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君   政府委員    郵政政務次官  平井 義一君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社副総裁    靭   勉君   —————————————   本日の会議に付した事件電気通信事業運営状況に関する調査  の件(電気通信業務に関する件) ○電波行政に関する調査の件(電波及  び放送に関する件   —————————————
  2. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) 只今より、電気通信委員会を開会いたします。  先ず電気通信事業運営状況に関する調査事件電波行政に関する調査事件を議題といたします。  高瀬郵政大臣おいででありますから説明を願いたいと思います。
  3. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 私、このたびの組閣に当りまして郵政大臣を拝命いたし、郵便、貯金、保険の三事業と共に、当委員会で御審議をお願いいたします、電波行政並びに電気通信に関する事務をお預りすることと相成つたのでありますが、この部面におきましては、電波の獲得、或いはテレビジヨン放送免許を初め、立後れの甚だしい電話施設整備拡充等解決を要する重要課題が横たわつておるのでありまして、私といたしましてもお引受けいたしました以上、これら懸案の解決に微力ながら懸命の努力をいたす所存でありまりますから、委員各位におかれましては何とぞ御教示、御支援を賜わりますよう先ず以てお願い申上げる次第であります。  前国会当時からかなり日もたつておりますのでこの機会電波及び放送、並びに電気通信業務の当面している問題につきまして概略御説明申上げたいと存じます。  最初電波及び放送について申上げます。  先ず、無線局開設状況でありますが、我が国無線局の総数は、本年十月末日現在で、約七千六百局でありまして、これを昨年十月末に比較いたしますと実に約千六百局、二十六%の増加となつております。増加した無線局の大体の内訳を申上げますと、陸上無線局千百十七、船舶局四百三十四、放送局三十、航空機局八、となつております。増加いたしました陸上無線局のうち主なものは、警察関係の五百六十八局でありまして、民間事業関係無線局相当著しい増加をみておるのであります。なお、アマチユア局は、昭和十六年十二月以降諸般事情から開設を禁止されておりましたが、電波監理委員会当時、七月二十九日三十局に対して初めて予備免許を与えたのでありますが、十日末現在における概況を申上げますと本免許を与えたもの三十七局、予備免許を与えまだ本免許に至らないもの六十九局、開設申請中のもの約八十件となつております。  次に、日本放送協会放送についてその概況を申上げますと、同協会放送局数は、十月現在で第一放送を行うもの八十三、第二放送を行うもの五十四となつておりまして、受信契約も本年八月には遂に一千万を突破いたしておりまして同協会におきましては、更に聴取改善努力を払つている状況であります。  次に、一般放送事業者放送、即ち、いわゆる民間放送について申上げます。民間放送につきましては、昨年八月十五日運用を開始いたしました新日本放送を初めとして、現在までに運用を開始した局は、計十七局でありまして、これらの放送局は、概して発足前に予想していた以上の成績を以て順調に事業発展を遂げている模様でありまして、誠に喜ばしく存じている次第であります。このほか現在予備免許を与えられ、目下建設準備中のものに、長崎平和放送及びラジオ新潟の二局があります。なお、現在開設申請している標準放送には東京中央放送ラジオ高知浜松放送その他がございます。  次に、テレビジヨン放送について申上げます。テレビジヨン放送につきましては、去る七月三十一日電波監理委員会が、日本テレビ放送網株式会社開設予備免許を与え、全日本放送株式会社及び日本テレビジヨン放送協会の二社に対して予備免許を拒否いたしました。又、日本放送協会及びラジオ東京については、予備免許を留保することを決定して他の未審査の申請と共に当省に引継いだわけであります。  現在テレビジヨン放送局開設申請状況は、東京に三局名古屋に一局、京都に一局、大阪に二局、神戸に一局計八局となつております。当省といたしましては、テレビジヨン放送に使用できる電波チヤンネルが極めて少ないので、先ず、このチヤンネル割当計画を設定すべきであるとの見地から、全国的なチヤンネルプランの設定について鋭意研究中でありましたが、テレビジヨン放送は都市を中心として発達することが当然予想されること及び電波の有効な利用ということを考えた場合大きな人口にサービスし得るようにすべきであるとのことから、大都市地区に対する割当を先ず確立することを必要といたしますので、第一段階として、京浜、名古屋、京阪神の三大地区に対するチヤンネル割当計画案を作成いたしました。併しながら、これがテレビジヨン放送事業に影響するところ誠に大なるものがありますので、去る十月十日これを電波監理審議会に諮問いたした次第であります。当省といたしましては、同審議会の答申を尊重し、速かにこれを決定した上、この電波の面その他諸般事情を慎重に考慮いたしましてテレビジヨン放送局開設申請に対する処理を行いたいと考え、目下、慎重に調査検討中であります。  次に、国際放送について申し上げます。国際放送は、本年二月から再開し、政府の命令により日本放送協会をして実施させているものでありまして、現在北米西部、華中、華北、比島、インドネシア及び印度の五地域に向けて放送を行なつております。使用国語は、日本語及び英語で、放送時間は、各地域ごとに一日一時間、延五時間となつております。併しながら、我が国がすでに国際社会に復帰した今日、我が国実情を諸外国に伝え、世界各国の理解と支援とによつて我が国の復興を図り、国際親善に寄与するためには、なお一層、この放送拡充する必要が痛感されますので、その具体策について目下種々考慮中であります。  電波及放送関係につきましては、これで御説明を終りたいと存じますが最後に、電波行政運営について一言申上げます。電波監理委員会の廃止によつて、当省の所管となつ電波行政につきましては、放送を初め、我が国社会、教育、文化及び産業等の面に影響するところ誠に大なるものがありますので、重要事項決定に当つては、当省の附属機関たる電波監理審議会に諮問することになつており、又、その議決は十分これを尊重することになつておりますので、行政運営は従来と同様極めて民主的に行われるものと考えている次第であります。この審議会は、去る八月二十日第一回の会議を以ちまして以来、原則として、第一及び第三金曜日に定例会議を開いておりますが、なお、必要に応じまして、しばしば臨時会議を開いておる次第でございます。  次に電気通信事業に関する業務について申上げます。最初日本電信電話公社業務について申上げますと電報電話共にその利用数は次第に増加し、電報の速度及び正確度におきましても或いは又電話通話完了率におきましても逐次改善の実を挙げているのでありますが、電話架設の需要は極めて多く申込の積滞しているものは約四十万にも及んでいる実情でありまして、今後なお一層設備拡充サービス改善努力が必要と考えるのであります。  公社といたしましても十一月一日から事務の重複を省き、業務運営能率化を図るため、中央、地方を通じて機構を簡素強力なものといたしました。なお、公社の取扱う公衆電気通信業務基準につきましては、前々国会公衆電気通信法案として提出し、前国会継続審議となり、解散によりまして廃案となつたのでありますが、郵政省といたしましてもその後の情勢変化に応じ若干の検討を加え、今国会に再提出いたす予定でありますので、いずれ御審議を願う運びになるものと存じておる次第であります。  次に公社の二十七年度補正予算について申し上げます。この補正額は、収入支出共に百三億余円の増加であります。この金額の内訳を主なものについて申上げますと、収入におきましては、業務収入四十九億余円、電信電話債券の発行による収入が二十億円、電話設備負担金等収入が十二億余円となつております。次に支出におきましては、給与改訂に要する経費三十八億二千万余円、国連軍へのサービス供給に要する経費十六億一千万余円、建設改良工事費四十二億八千万余円  以上が支出の主な項目であります。  なお、建設改良工事につきましては、只今申上げました四十二億八千万円を以ちまして、分局開始二局、方式変更四局、加入者開通二万二千加入電信電話専用線五万七千キロを主要工程とする拡張改良工事計画しております。  以上の補正額を加えまして、昭和二十七年八月一日以降の日本電信電話公社予算収入七百二十三億余円、支出八百六億余円となる次第であります。この収支の差額約八十三億余円につきましては、電気通信事業特別会計より引継ぎました現金及び作業資産等によつて賄う予定であります。  次に公社労働組合の主な活動状況について申上げますと、かねて全国電気通信労働組合では現在の給与ベースを不満として、本年二月一万六千八百四十七円給与ペース中心とする給与改訂要求書電気通信大臣に提出いたし、以来屡次に亘る交渉を続けて参り、日本電信電話公社発足後は、公共企業体等労働関係法に基く正規の団体交渉事項として両者引続き交渉中でありましたが、組合は九月八日に至り公共企業体等中央調停委員会に対し調停申請いたしましたところ、同委員会は十一月八日職員本俸を八月以降平均月額一万一千七十四円、扶養手当七百十二円、勤務地手当一千八百五十五円、計一万三千六百四十一円、ほかに特殊勤務手当四百三十四円を加えますと、合計一万四千七十五円の調停案を提示して参りましたが、政府といたしましては、諸般事情から、本調停案を実施することは到底困難な状況にありますので、公社職員についても、一般公務員と同様約二〇%のベースアツプを実施することに決定し、前に申上げた補正予算中にその所要額を計上した次第であります。  次に国際電気通信全権委員会議について簡単に申上げます。本会議は去る十月三日からアルゼンチン国ブエノス・アイレス市において約六十ヵ国、四百名の代表の参加の下に開催されており、我が国からは花岡、高木の両全権を含め六名の代表団を出席せしめ、これに対処させておるのであります。この会議は、終戦後我が国が参加する国際電気通信関係会議中重要なものであつて、一九四七年のアトランテイツク・シテイ国際電気通信条約日本はこの条約に一九四九年に加入いたしておりますが、この条約の改正を初め管理理事会構成国の改選、国際周波数登録委員会委員選挙問題等多数の重要問題が討議されております。  次に国際電信電話株式会社設立関係について申上げます。第十四国会におきまして、国際電信電話株式会社法が制定公布せられ、去る九月十日からその施行を見たのでありますが、政府といたしましては同会社設立事務を処理させるために十月二十日、二十七名の設立委員を任命し、又日本電信電話公社から、当社に対し、出資、若しくは譲渡する電気通信設備評価を担当する電気通信設備評価審議会委員七名につきましても、去る十一月十八日に任命をいたし、目下着々設立準備を取進めておる次第であります。  最後に八月一日より当省において監督することとなりました私設有線電気通信設備でありますが、これら施設の規律につきましては新たな観点から基準を設ける必要があり、去る第十三国会有線電気通信法案及びこの施行法案を提出しましたところ審議未了となりましたので、更に今国会に提出する予定目下準備を進めておる次第であります。  以上を以ちまして、当面の問題につきまして一応御説明を申上げたのでありますが、皆様におかれましては、電気通信事業発展のため、ますます御支援御鞭撻下さるようお願いする次第であります。
  4. 山田節男

    山田節男君 今の御説明にあつた例の電々公社ベース・アツプの問題です。これは我々のほうへも再三再四いろいろ何しておりますが、ただこの際大臣並びに公社総裁、副総裁がおられますので質問いたすのですが、こういつたようなベース・アツプの問題を、政府としてはやはり二千円という一般公務員と同じように扱いたいと、こういうことを言つておられるのですが、これは我々もう法律作つてまだ三カ月くらいしかたつておりませんが、大体この電々公社法を作る場合に、給与総額の問題、何とか国鉄或いは専売公社がやつておるような、給与面において余り固い枠を設けない、いわゆる何と言いますか、高能率、高賃金ということを言つておられるし、我我も他の二会社法に比べて、殊に役員を含めての給与の面においては、相当電公社責任者が広い幅を以てやるように、これはまあ衆議院電通委員も了承してくれて、非常に難関であつたけれども、とにかくこういうものを作つた、ところがこういう趣旨作つたにかかわらず、やはり他の公社と同じように、やはり予算資金上できないというようなことで終始して、一般官公労と同じように扱う、勿論財政的に言えばわかりますが、我々にも最近作つたこの法律趣旨はそういうようにしないで、成るべく高能率、高賃金の幅を持たして、そのために給与総額に関する部分でもいろいろ障害はありましたが、衆議院全会一致で我々に同調してくれてこういう実は法律ができたわけであります。そこでこれは大臣からお伺いすればなお更いいのですが、資金上、予算上この法律に基いてもなお二千円くらいしか、一般官公労並みにしかできないというこの理由を、これを若し大臣からでも御説明願えれば、ワンポイントだけでもいいです、あとは又次の機会において詳しくお聞きしたいと思いますが、ポイントだけ一つ御答弁願えれば結構だと思います。
  5. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 簡単に御説明申上げて、なお足りないところがありましたら総裁から御答弁申上げるということにしたいと思います。只今のように公社にしたということは、一般公務員の場合とは違つて、やはり給与問題等につきましても、もつと企業的な要素を多く入れて幅を持たしてこれを考えるようにするという趣旨が入つておる、こういうお話で、私もそれは承知しております。公社経営というものは官業よりはよほどそういうことで自由に弾力的にやるべきであると私も考えておるので、その点は同感でございます。ただ今度調停委員会調停案がある、それにもかかわらず一般公務員と同じ二〇%ベース・アツプというようなことにしたという点でその趣旨に反することがないかという、こういう意味の御質問じやないかと思いますが、私の考えでは別に公務員と同じにしなければならんという意味でこれをきめておるわけでは決してないのであります。調停委員会調停案が、料金引上げとか、その他公社の財政的な困難というようなことが一切関係なくできるものならばもつと考慮ができると思つたのでありますけれども、どうしても料金引上問題と関連して来るということがありましたので、どうにもそのままは実行困難であろうと考えたわけであります。そうして、じやあなぜ二〇%と同じにしたかという問題になりますが、まあ調停案通りには行かないにしても、一般公務員が二〇%も引上げられるのに、公社がそのままというはずはないのでありますから、せめて二〇%くらいはこれはどうしたつて引上げざるを得ない、それを料金引上と関連なしにやれるかどうかということについて公社ともよく相談をいたしまして、まあその程度なら何とかやれるだろうと、こういうことで実は同じようなことになつた、こういうわけでございます。
  6. 山田節男

    山田節男君 そうすると今の大臣のおつしやることは、二〇%のベース・アツプを認めるということは、幸いと言いますか、官公労のほうは二〇%ということにきまつたから、それを仮に一つの目途としておやりになつたという意味か。これは御承知のように、すでにこのペースアツプ調停案ができまして、公共企業体調停委員会一つの案を出してそれを従業員は呑んだ、そうして公社経営者のほうはこれを呑まない、こういう一つの妙な今段階に入つて来て、そうして政府官公並みベース・アツプを認めよう、これが私は現在の段階じやないかと思います。そこで今の二〇%というものを官公労並みにしたということは、それは裁定の目安として仮にそういうものを認めるのか、その点なんです。調停委員の案を組合が呑んで公社が呑まない、そこで呑まないが官公労並みペースアツプを認めよう、こう言われておるのですから……。
  7. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 調停案通りに実施するということになりますと、料金引上問題、その他いろいろな問題がありまして、決定は困難であると考えて、併しその料金引上等に関連しない範囲においてできるだけやはりベース・アツプをもしたいと、こういう考えでやりまして、一方では一般公務員について二〇%のベース・アツプがあるのでありますから、まあこれを一つ標準考えたには違いありませんが、それで考えて見て、その程度ベース・アツプ行つて料金引上等の問題もなく円滑に公社の財政で行けるかどうか、これをよく相談してきめたわけであります。ですから公務員と同じに行かなければならんという意味では決してございません。
  8. 水橋藤作

    水橋藤作君 関連いたしますからお伺いいたします。後刻この問題についてお伺いいたしたいと思いますが、時間の都合がございますから簡単にお伺いいたしますが、中央調停委員会調停したものを組合が呑んで官側は呑まないというつまり行き方は、今の労働攻勢にとつて反対なんですね。これは非常に政府としては考えてもらいたいと思います。それから今大臣がこの調停によると料金値上しなければならんだろうということを言われますが、この調停によつて料金の値上をしなくとも僕は出せる方法はあると思います。これは便法としてそういうお言葉をお使いになるか知らんけれども、やり方によつてはやれると思う。今山田委員も言われましたが、高賃金、高能率制ということも考えておられるし、この予算内で政府もこの調停案を誠意を以て組合と同じように了承されるならば、僕は予算面からの出し方は多少先の佐藤郵政大臣も言われたように、必ず弾力性を持たして期待に副うようにするということも言つておられたので、考え方によつたらできるというふうに我々は考えるわけなんです。但しその補正予算を組まれるときに、ただこの差額がこれによつて料金が値上になるからというようなことでなしに、何とかこれは調停案なるものは組合は了承したのに対して、官側がこれを了承できないということは、これはよほど今の労働攻勢から言つて考えなきやならんということが中心となつて考えられた場合は、料金を値上しなくともこの調停案には応じられると、我我はかように考えるわけなんで、何らかの方法によつてこの調停案を実施されるよう、今日はお願いするという恰好で、質問はこの次に譲りたいと存じます。時間もございませんので、そういう要望を添える程度で今日は質問は保留いたします。
  9. 山田節男

    山田節男君 大臣に、これは私質問というよりか、希望をいたしますが、この日本電信電話公社法は、先ほど申上げたように、従来の国鉄専売公社の非常にやりにくい点を、これは相当革命的な公社法を翼は作つた、殊に今まで公社として一番問題のある公労法の第一六条ですか、これの枠にはめられて能率的な経営ができないということを恐れたために、与党としてはいろいろこれに反対があつたにかかわらず、こういつたような非常な、何と言いますか、公社法としてはむしろ流線形なものだと思つて実は我々誇りを持つてつておるこの法律最初適用において、ベース・アツプの問題においてどうも国鉄専売公社と同じように扱うのでは、それではどうしても立法者として苦心をして作つた法精神というものが現われていない。これは政治的にも重大な意味を持つ。殊に我々はそういうような国会全会一致以つてこういう一つの新らしい公社法作つて、そうして新らしい経営者に対しても多大の期待を持つておる矢先において、ベース・アツプの問題で何らほかの公社と変らないということになりますと、これは私は経営者の腕如何に疑問を持たざるを得ないと同時に、この主管大臣がそういう法の精神に従うようにしてもらわなければならん。我々立法者として法を作つた甲斐がない。そこで私が先ほど来申上げておるように、本当に行政主管者としてやはり法の精神を酌まなければならない。これは他の公社法を御覧になればわかりますが、ここで実は非常に苦労をしておる、他との比較においてそういう新らしい点がありますが、殊にこの点は新らしい公社の行き方として高能率、高賃金ということを法案の提案の理由として大臣説明したときに、我々は趣旨は結構だ、経営者にとつても、資金計画においても、或いは給与の面においても、従来の公社のように制約を受けないで、思う存分腕を振つて高能率、高賃金制度をやり得るような法律作つた。ところがこの法律適用の第一段階において、給与ベースにおいて、これは従前と何ら変らないじやないかということになれば、これは我々立法者立場として誠にこれは不満なんであります。この点は一つ立法の歴史、立法趣旨一つ大臣にお酌み取り願つて、もう少しこの、何と言いますか、法に合うような工合にこれを取扱つて頂きたい。そうすれば私はこれは今困つておる国鉄或いは専売公社法も、もうすでにこの電電公社法ができたために国鉄専売公社も実は考えておるわけです。そういう意味もありますから、この問題については特に主管大臣として、もつと慎重にお考え願いたい。それから労働立法立場から言えば、一つのこういつたような公共企業体仲裁委員会裁定というものに対して、調停案に対して組合が呑んだ、これを政府が許さない、公社はそれを呑まない、こういうようなことになつて来ることは、これ又そういう意味において、やはり労働関係法においての政府公社法適用の場合において、これ又一つの従来と非常に違う行き方を示しておるだけで何ら新味がない、そこに私たちはこの法案扱つた者として、非常にこれ又不満なんです。この点を主管大臣十分一つ考慮願いたい。一つこれは至急尽力して頂くようにお願いいたしておきます。
  10. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) それでは折角梶井総裁靱副総裁、電々公社の両氏がおいでになつておりますから、初めてでありますからちよつと御挨拶願います。
  11. 梶井剛

    説明員梶井剛君) 私が梶井でございます。どうぞよろしく。
  12. 靭勉

    説明員靭勉君) 靱でございます。どうぞよろしく。
  13. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  14. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) では速記を始めて下さい。
  15. 水橋藤作

    水橋藤作君 問題が重大でありますのでこの際ちよつと聞いておきたいのは、この調停がなされてから補正予算を提出されたか、又は予算を出された後に調停がなされたのか。それによつて当局といたしましての見解も我々によつてわかると思うのですが、電々公社の当事者としての見解をお伺いしておく意味において、一つその点だけをお伺いしておきたいと、かように考えます。
  16. 靭勉

    説明員靭勉君) お答え申上げます。補正予算につきましては、かなり前から大蔵省とは事務的折衝をいたしておつたのでございますが、御承知のように解散、新内閣の設立というような関係でかなり手間取つておりまして、いよいよ新内閣ができまして補正予算の本格的審議に入りました際におきましては、まだ調停は出ていなかつたのでございます。併しながら私どもとしましては、一定の基準を以ちまして補正予算におきましてもベース・アツプを織込んで大蔵省に提出し、更にそれには料金値上の問題も含んでおりました。十一月八日に調停委員会が開かれまして調停案が示されましたので、私どもといたしましては直ちにその調停案政府に送りますと共に、大蔵省に対しましては調停案に基くところの補正を組替えまして提出し、その後大蔵省と事務的折衝を行なつてつた次第であります。我々は皆さんがたの御存じの通り、電々公社予算につきましては、本年度におきましては大蔵大臣が調整してこれを閣議で決定した上国会へ出すという形になつておりますので、私ども聞きました範囲におきましては、ベース・アツプをどの程度にするか、料金値上をするかしないかということは、閣議におきまして政府の方針として決定される。従いまして予算がその線に沿うて決定された。法律的にはまさにそういうことになりまして、現在国会補正予算が出ておる次第であります。その点御了解頂きたいと思います。
  17. 水橋藤作

    水橋藤作君 了承いたしましたが、この次の委員会は大蔵大臣ちよつと質問したいことがありますから、大蔵大臣の出席を要求いたします。
  18. 溝淵春次

    委員長溝淵春次君) ほかには御意見ございませんでしようか……。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    〔午後三時十五分散会〕   —————————————