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1952-12-17 第15回国会 参議院 通商産業委員会中小企業に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十七日(水曜日)    午後二時八分開会   ————————————— 昭和二十七年十二月三日通商産業委員 長において小委員を左の通り指名し た。            小林 英三君            松本  昇君            古池 信三君            左藤 義詮君            加藤 正人君            奥 むめお君            栗山 良夫君            小松 正雄君            竹中 七郎君            石川 清一君 十二月九日通商産業委員長は左の者を 委員長に指名した。    委員長     松本  昇君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松本  昇君    委員            古池 信三君            栗山 良夫君            竹中 七郎君            石川 清二君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    大蔵省銀行局総    務課長     福田 久男君    中小企業庁振興    部長      石井由太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○下請代金支払遅延に関する件 ○物品税に関する件 ○年末の中小企業金融に関する件   —————————————
  2. 松本昇

    委員長松本昇君) これから中小企業の小委員会開会いたします。  第一、下請代金支払遅延に関する件、これは只今御協議いたしましたように、親企業かたがたを呼んで、一方的でなく……。今日までは下請業者参考人としてお呼びしていろいろ意見を聴取したわけでありますが、今度は一方的でなく親企業かたがたも呼んで、そうしてその親工業としての立場におけるいろいろな事情もよく聴取して、その上でどうするかということについて更に進めて行きたいというふうに皆さまの御意向が一致したようでありまするから、来春早々成るたけ早い機会にそういうふうな手配にいたすことにいたします。それて御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松本昇

    委員長松本昇君) それではさよう取計らいます。  次は物品税に関する件でありまするが、物品税は戦時中の非常時における特別な購買力抑制のためにできた特別の税法でありまするが、もう大分終戦後長い期間もたつているので、大部分のものが改廃されて、今日ある一部の業者のみがこれを負担をしているというので、非常に業者が、殊に中小企業者が多く、中には非常な零細業者も非常に多いので、陳情が出ておりますので、参考人を呼んでこの業者の苦痛を聞いたらという御意見も出ておりますので、この特別国会開会中に、数日中にこれを呼んで、そうしてこの参考人の話を聞くことにしたいという意見も出ておりまするが、さよう取計らつてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松本昇

    委員長松本昇君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。その日にちと呼びます参考人は、委員長に御一任願えましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松本昇

    委員長松本昇君) 御異議ないと認めます。  次に年末の金融情勢についてでありまするが、これは先般本会議において決議されましたが、なおその現状並びに対策の具体的な事項について事務当局にお伺いしたいと思いますが、本日大蔵省並び中小企業庁出席を煩わしておりますので、先ず大蔵省国庫余裕金預託状況、それから預託の際の条件、これが第一であります。第二には国民金融公庫の借入申込み貸付状況、三、下請企業への支払い遅延に関して銀行等を如何に指導しておるか、その指導状況等をお伺いしたいと思います。先ず国民金融国庫預託状況預託の際の条件等について最初にお伺いいたします。
  6. 福田久男

    説明員福田久男君) 年末金融について本会議でも大臣から御答弁申上げたと思いますが、かいつまんで申しますと、今年の年末に、特に第四四半期を通じて考えてみますと、一般的に申しますと、中小企業の問題を離れて全体から申しますと、国庫からの支払い超過額が昨年に比べて非常に多くなつたのであります。昨年は千二、三百億程度の国からの支払い超過額があつたのでありますが、本年度はそれを更に二百億乃至三百億程度は上廻るであろうと思います。特に供米状況が非常に進捗いたしておりまして、食糧管理特別会計支払いが可なり多くたるわけであります。そのほかの国庫支払いも進んでおりますけれども、一番大きな、大宋をなすものは、今申上げました供米代金支払いということが一番大きな要素をなすわけであります。これらの資金は、農業協同組合預り金として、まあ俗に言われております歩留り預金というものとして、農業系統機関を通じてだんだん農林中金のほうに還流し、又一部は更に地方銀行、或いは相互銀行信用金庫等にも流れて来るわけでありますが、そういつた金融機関を通ずる流れのほかに、農家の都市における支払いなり、或いは農業生産資材、或いは今まで掛買買つてつたものの支払いとかいうようなもので、だんだんと都市に浸潤して来るわけでありまして、コール状況も非常に潤沢になりまして、コール・レートもかなり下つたのであります。極く最近におきましては、食糧管理特別会計の発行する食糧証拳発行限度法律通りませんので、農林中金はそれらの余裕金そつちのほうに廻わし関係もあつてコールが少し強含みになつておりますけれども、法律通りますと、又それが立替金が払われますので。金融市場は概して申しますと、もう少し楽になつて来るということが言い得ると思います。ただそれは一般的な状況でありまして、一般的には、今申しましたように、特別に資金を積極的に放出するという施策をとりますと、少し金融は緩め過ぎるということになりはしないかと思います。併しながらそれは一般論でありまして、中小企業につきましては、それらの状況とは別な観点から特別な配慮が必要だと思いまするし、又そういつた趣旨の御質問或いは御決議等もございましたようなわけでございます。  そこで中小企業に対する全般的な考え方といたしましては、飽くまで第一段としては、一般市中金融機関、特に相互銀行とか信用金庫とかを活用することを第一義とし、併しながら信用力が足りないという面もございまするので、信用保証制度或いは保険制度といううものによつて先ずそれを補強し、なおそれでも満たされない部分を財政資金によつてできるだけの資金の供給を行うという仕組で従来考えられておつたのでありますが、その一般金融機関が活動するのに一層それを促進いたしますために、年末においては七十億の指定預金を過般行なつたわけであります。勿論十月におきましても百億以上の指定預金をいたしまして、年末に押迫つてつても効果が乏しいかも知れないので、手順が少しよ過ぎたくらいに、十月の中旬だつたが、或いは下旬だつたかと思いますが、百億程度指定預金を行なつたのでありますが、その後いろいろな事情を勘案いたしまして更に七十億を追加し、現在指定預金残高は全体といたしましては四百億を超えておると思います。  そこで、只今質問を受けました指定預金配分とか条件とかいう点でございますが、恐らく七十億の、過般、先週でしたか行いました指定預金のことだと思いまするので、それにつきまして簡単に申上げてみたいと思います。総額七十億のうち配分いたしましたものを大まかに分けてみますと、銀行三十五億、相互銀行に十八億、信用金庫に十二億、商工組合中央金庫に五億で、合計七十億でございます。そこで銀行に対する配分に当りましては、特に中小金融という今回の預託趣旨を十分勘案するために、従来とかく行なつております預金高というような資金量による按分の方法をとらないで、比較的小さな貸付をしておる、具体的には資料関係で一口三百万円以下の貸出金というものを各銀行について調査したものがございましたので、各銀行ごとに三百万円以下の貸出合計幾らあるということを調べまして、それを基準として配分をいたした次第でございます。特に大銀行につきましては、中小企業専門店舗活動状況が実はいつもお叱りを受けるのでありますが、余りお賞めを頂くような状況でございませんので、その中小企業専門店舗活動状況というものも、大銀行についてはこの配分に当つて勘案をいたした次第でございます。なお銀行につきましては、今回の預託はそういつた趣旨で行われたものであるから、十分その趣旨則つてこの預託金運用に善処するように、預託と同時に銀行局長から通牒をいたしまして注意を喚起し、併せて一般業務においても中小企業金融についての配慮方を促した次第であります。それから相互銀行信用金庫は御承知通り中小企業を行うことを建前とした金融機関でもございまするので、その配分割合につきましては、銀行に比べまして、資金量等から勘案しますと、多くが廻されております。なお商工組合中央金庫につきましても、特に全体の金額から見ると、金額は、割合は多くなつておるわけであります。かようにいたしまして、現在のこれらの金融機関に対する預託額を御参考までに申上げますと、この七十億の預託を含めまして、銀行は百四十億、相互銀行は百三十二億、殆んど銀行相互銀行とは金額が近ずいて参つております。それから信用金庫は八十二億、商工組合中央金庫は五十八億、たつた一つ機関で五十八億の預託商工組合中央金庫は受けておるわけでございます。例えて申しますと、約全国の銀行が七十ばかりあるのに対して百四十億、商工組合中央金庫はたつた一つ機関で五十八億、三分の一以上、三割五分以上を一つ機関預託を受けておるという実情になつております。合計いたしますと、四百億を超えるのでございます。なお条件でありますが、預託期間は一応三カ月ということで、三カ月を預託期間といたしております。金利は日歩一銭六厘であります。これは他の預託も同じ金利でございます。第一の御質問はそのへんであつたと思います。  第二の国民金融公庫状況でありますが、国民金融公庫におきましては、今回の補正において、御承知のように一般会計から三十億の出資をお願いいたしております。又資金運用部特別会計から二十億の借入れができるような措置を、併せて講ずることにいたしておるのであります。これによりまして、そのうち国民金融公庫資金運用部からの借入れにつきましては、予算通りませんでも、国民金融公庫法改正通りますれば、資金運用部から借入れられる法的措置を講じております。従いまして予算の成立前でも借りられる。現にその準備をいたしておりまして、はつきりと、参議院を通過した日を記憶しておりませんが、十三日に公布されたと思います。でそのうち二十億の借入れのうち、すでに一部は資金運用部から借入れの手続きをいたしておるはずでございます。それによつて従来の資金源に追加されまして、年末の融資に役立つように備えた次第でございます。十二月中における国民金融公庫貸出回収金その他を加えまして三十五億円ぐらい上る予定で、融資のほうの事務を処理しているように聞いております。通常の月より十二月は可成り多くなつてしいると思います。  それから第三に、下請に対して下請代金の決済の円滑化についての点でありますが、どうもやはり一般金繰りが苦しくなりますと、とかく安易なと申しますか、下請のほうにしわを寄せるという傾向が、過去においてあつたことは御指摘の通りでございます。金融機関立場といたしまして、できるだけこの円滑化のための措置は必要であると思います。ただおのずから限界があるとは思いますが、できるだけの配慮を加えるべきじやみかろうか。先ず取引銀行相互の間で、例えば大企業とその取引銀行との間、或いは下請企業とその取引銀行との間、その四者の間で、何と申しますか、取引を通じこのいろいろな配慮、別な言葉で言いますと、手形授受さえも行われておらない場合がかなりあるのじやなかろうか。手形を渡しますと、手形交換所のある都市でありますと、必ずそれが取立てに廻れば、否応なしに代金を払わなければならん。従つて矛形を渡さないというような取引状況も中には可成りあるのじやなかろうかと思います。  先ず第一番としては、その手形授受は励行するようにすることが一つの大きな目標ではなかろうか。それから手形授受いたしますと、その間の金繰りが、つまり手形を割る、或いは手彫を担保に借りるという問題が起つて来るのでありますが、大企業が比較的資力、信用がありますので、下請取引先である金融機関としても割合金融をつけやすいということが、概して言えるのじやないか。そういう意味合から取引銀行を指導されて、そういつた方向へ持つて行くということを考えることが適当ではないかというふうに思ひますが、これもおのずから一定の限界がございまして、そういうことを言う下請ならば、ほかの下請に変えるというようなことを、仮りに親企業から言うような場合には、その場合に無理矢理にそれをやれという強制もできませんので、その間は具体的な実情において、金融機関のほうもできるだけ善処するとしいうように、指導して参りたいというふうに考えております。
  7. 松本昇

    委員長松本昇君) 今の問題に対して委員かたがたから御質問がございましたら一つ……。
  8. 古池信三

    ○古池信三君 今のこと以外でもいいですか。
  9. 松本昇

    委員長松本昇君) どうぞ。
  10. 古池信三

    ○古池信三君 ちよつとお尋ねをいたしたいのですけれども、開発銀行ですね。あそこの中小企業向け金融というものはどんなふうになつておりますか。
  11. 福田久男

    説明員福田久男君) 日本開発銀行は御承知のように、中小企業を含めまして私企業に対する融資全部を承継いたしたのでありますが、そのうち二回に分けて行いまして、九月の中旬に第一回、十月の十九日に第二回だつたと思います。その第二回の承継の中に中小企業が含まれております。従つて十月の十九日ですから、かれこれ二カ月近くなりますが、その前から途中ギヤツプができないように、十月の初めから申込は受付ける態勢で進んで参つておるわけであります。ただ何分期間がまだ余り経過しておりませんので、その成績について正確な判断がつくだけの資料はございませんけれども、引継ぎに当りまして、見返資金がやつておりましたよりも若干範囲を拡げまして、従来資本金五百万円を建前といたしておりましたものを一千万円まで、融資額を五百万円を限度といたしておりましたものを一千万円まで上げまして、丁度五百万円と一千万円の間がエア・ポケツトになつておるというような、いろいろな各方面のお話もございましたので、その機会に拡張いたしまして、又同時に融資方式につきましても、甲種とか乙種とかいう貸付方式を考えまして、従来一切協調融資であつて、必ず何がしか何割かの市中金融機関資金を併せて出すという、いわゆる持出しになる形の方式で進んでおつたものを、その方式を存置いたしますと同時に、資金源としては全額開発銀行から出し得る途も開きました。又保証程度が高いものにつきましては、市中銀行限りと申しますか、事後報告的なことで簡便に事務の処理ができるというふうな途も併せて開いたのであります。その結果申込等も、或いは融資承諾等も、割合にいいように聞いておるのでありますが、何分先ほど申しましたように、期間が短いものでございますから、少くとも見返資金当時よりはよくなつておるということは、はつきり申上げ得ると思います。資金源といたしましては、見返資金から承継いたしますものを、開発銀行融資業務を引継ぎました後、二十五、六億程度あるわけであります。それで以てそのうち、代理金融機関に対しておおむね目標額配分もすでに終つております。今後その成行きを十分注目して参りたいというふうに考えております。
  12. 古池信三

    ○古池信三君 大体わかりましたが、何ですか、実績はどんなふうになつているかということまで、まだ検討はすんでおりませんですか。
  13. 福田久男

    説明員福田久男君) ちよつと手許に持つておりませんが、一カ月くらいの間に五億くらいの融資承諾が行われたように私は記憶しております。従つて見返当時に比べますと、倍を超えているんじやないかというふうに考えます。
  14. 古池信三

    ○古池信三君 それからこういうことを聞くのですが、これは本当でありましようか。地方銀行では、開銀の分については信用保証協会保証対象にならないから、内心貸出しを渋つておる、そういうような噂があるのですが、それは事実あるのでございましようか。
  15. 福田久男

    説明員福田久男君) 信用保険の問題じやないかと思いますが、信用保険、つまり協調融資融資する分につきましては、保証協会或いは信用保険対象になることはかまわないわけであります。つまり市中金融機関融資そのものでございますから、協調でない場合と同じ扱いを受けるわけであります。全額開発銀行資金が出される場合におきましては、市中銀行融資ではなくて、開発銀行融資を代理貸付されるという形になりますので、法律上は開発銀行貸付市中銀行はそれに対して或る保証義務を負うわけです。その保証義務について更に保険するか、保証するかという問題でありますが、保険につきましては、中小企業信用保険法建前上、信用保証協会川保証業務については、先般の法律改正によつて対象となることになつたわけでありますが、それ以外のものについては、その途も開かれておりませんし、問題点として検討はいたしておりますが、まだ結論を得る段階に至つておりません。
  16. 古池信三

    ○古池信三君 そうすると信用保証協会保証対象にはなり得るわけですね。それはまだなつていないのですか。
  17. 福田久男

    説明員福田久男君) 信用保証協会融資について保証するのであつて保証協会の場合は金融機関保証対象じやなくて、中小企業者保証を受けるもの、事業者対象になる。それで金融機関受益者になるという立場になるわけです。ところが今の場合に、そこの理論構成が非常にむずかしいので屍理窟に亙るかも知れませんが、中少企業者としては保証対象となるべきものが、何と申しますか、金融機関との間でははつきりしない。一方相手開発銀行の場合に、建前としては保証し得ると思いますが、まあ相手開発銀行だから保証する必要がないじやないかというような観点から、お話のような御意見が出て来るかと思います。それはもつぱら保証協会の運営上の問題じやないかと思います。
  18. 古池信三

    ○古池信三君 そうしますと、今のような場合に、仮に代理貸しをしてそこに回収できないような事態が起つた。こうなると、それは全額地方銀行がその危険を負担しなければならんというわけですか。或いは開銀のほうで負担するのですか。
  19. 福田久男

    説明員福田久男君) それは代理契約においていろいろな方式が定められておりまして、一〇〇%保証する場合、これが一つあります。この場合には、一々開発銀行はいわゆる稟議というか、そういう審査をいたしません。市中銀行にお任せする。資金は全部開発銀行信用貸付に使つて行くというのが一つでございます。もう一つは、七〇%保証する、三〇%は開発銀行損失負担するという途もございます。この場合も資金は、全額開発銀行資金を使う。もう一つは、協調融資で七〇%開発銀行資金を使つて出す、残り三〇%は市中金融機関自分資金を出すというような、いろいろな方式がございます。
  20. 古池信三

    ○古池信三君 結局、地方銀行としては、その保証が完全に得られない。或いは又逆に言えば、その危険を相当自分銀行負担しなければならんというような虞れがある。そういうような意味合いから、代理貸しを余り好まないのじやないかということは想像できますね。  それからもう一つ、ついでにお尋ねしたいのですけれども、開銀から各銀行に対する枠の割当と言いますか、これが割合に細かくなつて少額になつておるために、結局手数は同じことだというので、地方のほうでは好まれないというようなことはないでしようか。
  21. 福田久男

    説明員福田久男君) 第一の点は非常にむずかしい問題でございまして、例えば別の例で申しますと、中小企業信用保険を例にとりますと、七割五分は国が負担するが、二割五分の危険は金融機関負担させるということになつております。その限度を上げるべきじやないかという御意見もかねがね承わつております。ただその際に考えなければならん点は、自己責任原則という問題だと思います。つまり金融機関に任せきつておる、金融機関に任せきつた場合に、その行為に伴う結果の、仮に損失があつた場合の危険をほかのものが負担するという責任の持てない行為が行われるという危険性があると思います。まあ何パーセントがよいのかというのは程度問題ですが、応分の負担はすべきではなかろうかというふうに思います。ただその程度が果して適当であるかどうかということは議論の対象になり得ると思います。  それから第二の枠の配分が非常に小さいのじやないかという点でございますが、先ほど申しましたように、引継ぎましてからあと五カ月間を目標にいたしまして、二十五億のうち十八億くらいを配分したと思います。あと若干残つておりますけれども、それはまあその後の調整用に使う、つまり非常に成績のいいところにそのリザーブ分を廻そうというつもりでおるわけでございまして、何分期間が五カ月間であり、又取扱機関の数も可なり多いので、数はちよつと忘れましたが、相当多くの数に、幾らつたはつきりわかりませんが、相当な数に上つております。そういう関係で、一つ当りにしますと余り大きな金額になつておらないわけであります。今後のそれぞれの代理機関活動状況を見て行くうちに、漸次実情に合うように直して行きたいというふうに考えております。
  22. 松本昇

    委員長松本昇君) 私から一つ質問しますが、以前に私が承知しておる話では、復金から開発銀行のほうに引継いだ中小企業金額が九十八億円くらいあつたように伺つておるのですが、それはそのまま今後も九十八億円をやはり中小企業のほうに向けて行く方針なんですか。その点はどうなんでしようか。
  23. 福田久男

    説明員福田久男君) 今御質問復興金融金庫時代中小融資いたしました金額残高は、お示しのように百億程度あると思います。ただこれは融資しておる金であつて、百億の金が今貸せる姿であるかというと、決してそうではないので、恐らく回収額は十億足らず、数億程度ではないかと思います。そこで回収した分をどこへというような、回収金運用と必ずしも紐を付けて考えることがいいのかどうか若干問題だと思うので、回収金は全部回収金として一括考え、それだけでは足りませんので、政府のほうからの出資なり或いは借入なりによつて調達した資金、その総額運用資金源といたしまして、それに見合つて電力幾ら造船幾ら中小幾らというようにおおむねの目標を考えておいて、それに則つて開銀が自主的に運営するということになると思いますが、ただ中小企業から回収した分は中小企業に向けろと、向けたことに、見方によればなるかも知れませんが、それだけでは中小企業としては少な過ぎるということが言えると思うのであります。ただ九十八億がそのまま今使える形であるのであれば、これは御意見の点もよくわかるのですけれども、必ずしもそうでないということを御了承頂きたいと思います。
  24. 松本昇

    委員長松本昇君) ほかに何か御質問ございますか……、それでは私もう一つ金融公庫の年末に申込まれておる資金というものが、需要資金が百十八億ほどあるというふうに、これは中小企業庁のほうの調査ですが、そういうふうにあるようでありますが、これが今のお話だと三十億前後を貸せるというので、大分需要と貸す金との間に開きがあるようでありますが、これはどういうふうに調整して行くようなことになるのでしようか。
  25. 福田久男

    説明員福田久男君) 国民金融公庫申込みは、普通の月におきましても、なかなか申込み通り資金が貸せない。つまり資金源が少いために十分に行渡つておらないのでありますが、通常の月でも二割五分とかというような程度しか、或いは三割という程度しか融資ができておらないと思うのであります。御承知のように、国民金融会庫は一切の財源を財政関係に仰いでおりまして、政府からの借入はできます、或いは政府からの出資は受けられますが、それ以外の資金調達方法が認められておらないために、限られた資金でできるだけの有効な活用ということに努めておるわけであります。年末におきましても、金額はつきり憶えませんが、申込みも可なり多いと思います。或いは百十八億という数字がそれであるかとも思いますが、それに対しましてまあ三十五億は十二月に貸出すことを公庫自身としても考えておりますので、我々から見ますと、三割見当になるので、まあ例月に比べて遜色はないと、申込額に対する融資額割合としては、例月そのものが、普通の月そのものが余りにも資金不足になつておるので、年末としては、多くなつ資金需要に対して割合としては少くとも例月以上の割合を保つということで、問題はあと資金源がどういうふうに殖えるかということにかかることになります。
  26. 松本昇

    委員長松本昇君) それでは一つ石井部長に、中小企業庁としての年末資金需用と資金計画を、中小企業庁としての考えを一つ発表してもらいます。
  27. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) お手許に配付いたしました資料に、私どもといたしまして当面掴み得る限りの資金需要並びにこれに対する資金の手当状況等を御参考のために提出申上げた次第でございます。  先ず第一が商工中金でございますが、全国四十八底舗の十二月中の貸出要求、これが百三十二億、これに対しまして、中金といたしまして今まで貸出しておりました資金の回収される見込み七十七億、それから債券発行の手取金、これは十億発行いたしておりますが、うち三億五千万円見当は前の旧債の借替えになつておるものでございますから、資金増といたしましては六億五千万円、それから預金の増加の三億を見込みまして、日銀からも一次高率一杯を借り切るという考え方で、別枠十二億プラス一次高率の十億、合せて二十二億、債券発行の手取金がコール等に出ておりましたのを全部引揚げまして八億五千万貸出に廻す。それから国庫余裕金は、先ほど大蔵省から御説明がありましたように、十二月十三日五億預託されましたので、これを財源といたしまして合計百二十二億、約十億資金が不足するということに相成るわけであります。併しながら百三十二億の各店舗からの申入れに対しましては、それぞれ本部においての審査官で審査いたしますれば若干の減少をいたす分もございますので、前年十二月には十一月に対しまして約二十七億の貸増をいたしたのでありますが、本年はこれが五十五億の貸増になつておるわけでありまして、大体五十五億程度で間に合うのではないかという見込みでございます。若し資金需要が非常に旺盛でございまして、只今手当いたしておりまする資金で不足であるという状況に相成りますれば、今回の補正予算で計上されました政府からの貸付金二十億をも年末金融の一部には資金源として充て得るという見込みを持つて処理いたしておる次第でございます。  それから国民金融公庫のほうは、只今大蔵省から御説明がございました通り、公庫自身について調べてみますると、十一月の下期における申入れが約七十一億の、その半分として……、十二月中の見込みが八十三億、合計百十八億見当が資金の借入申込みとしては現われて参る予定なのでございますが、大体三〇%見当が従来とも貸付の実績単位と相成つておるわけでございまして、三十五億を貸付ける計画を以て資金手当をいたしておる。資金手当自身といたしましては本年の予算で頂きました五十億のうち、十二月末に残つておりまするもの約八億、補正予算で組入れられまするものの出資五十億と、運用部からの借入二十億、このうちの出資のほうは或いは補正予算の成立が遅れるといたしますと見込み得なくなりまするので、一応運用部からの借入二十億、それから十一月後半と十二月で回収されるものを十億とみまして、約三十八億程度資金手当があるのでございまして、母子家庭の貸付等の金額を考慮いたしますると三十四億程度中小企業に向くのではないかというふうに想定いたすわけでございます。  御参考のために商工中金と国民金融公庫の昨年九月から昨年の十二月までの貸出しの状況を添附いたしまして、本年は昨年の中金にいたしますれば九十三億の貸出しに対しまして今年は百二十二億、若し要すれば百三十億見当までの貸出しができるということによりまして、相当資金軍が殖えておるということをお示ししたのであります。又国民金融公庫につきましても昨年月間貸出し十八億に対しまして約倍額に近い三十五億程度貸出されるということによりまして、やはり金融機関の年末の資金手当の状況を書出したつもりでございます。  それからもう一表のほうは、これは御要求によりまして財政資金中小企業向けに流れているものはどういう形式、どういう方向に、どのくらいあるかという御要求でございましたので、一応各系統金融機関別並びに財源の性質別に現わしてみたわけでございます。大蔵省と正式の突き合せをいたしておりませんので、若干の数字等についての移動があるかとも存じますが、政府出資金といたしましては、中金に対しまして或いは国民金融公庫に対しまして、農林中金に対しまして若干づつの出資があるが、これがしめて百五十三億、それから一般会計貸付金として二十億と上つておりますのは、今回の補正予算で中金等にいたす予定の二十億でございます。それから資金運用部からの貸付は、これは国民金融公庫だけでございますが、これが約六十億、それから運用部の金融債の引受けが中金に対して四十四億、農林中金に対しまして六十四億、いずれも十二月十六日現在でございます。それから国庫余裕金預託は、中金、相互銀行信用金庫農林中金等を合せまして、いわゆる中小企業の専門的な金融機関と目せられるものを入れまして三百七十二億でございます。ほかに市中銀行に対しましては約百億預託されておりまして、只今大蔵省から御説明がありましたように中小企業向け貸付けの実績等に応じまして預託されておりまするから、大体の考え方といたしましては、このうちの幾分かは中小企業に流れておるわけでございます。又申し落しましたが、資金運用部金融債の引受けは、興銀、勧銀、北海道拓殖銀行に対しましてもそれぞれあるわけでございまして、北拓、勧銀或いは興銀の一部はこれ又中小企業にも流れて参つておるわけでございます。そのほかの財政或いは準財政資金といたしましては、見返資金中小企業向け貸出残高が約三十二億、それから先ほど委員長から御指摘のございました復金中小企業向け貸出しの残として、これはもうすでに貸出されてあるものが約百四億、それから開発銀行の見返資金を引継ぎまして貸出す予定のものが約三十億、そのほかに信用保険特別会計に二十億の信用保険基金を頂載いたしておるわけでございます。以上総合いたしますると九百一億、これが中小企業向け金融機関乃至は特別会計というような政府機関或いは公庫というような政府機関に投入されておるということに相成るわけでございまして、なお市中銀行に債券引受け或いは預託等の形で別に六百七十九億が流れており、このうちの何がしかが中小企業金融機関に行き渡つておるということに相成るわけでございます。なお年末金融一般的問題といたしましては私どもの見解も、只今大蔵省から大体御説明がございましたように、コールの出合の状況或いは供米代金の消化の状況乃至は手形交換高の状況等から考えまして、中小企業も相当楽ということには参りませんけれども、前年に比べまして特に甚だしいという危機に立つておるようなことはないのじやないかというふうに考えられます。又信頼すべき銀行筋の意見を総合いたしましても、新しい資金需要というよりも、今までのすでに信用を受けておりましたものの借替というような資金需要のほうが多いようでありますので、年末金融それ自体といたしましては比較的平穏に推移するのではなかろうかというような見通しを持つておる次第でございます。
  28. 松本昇

    委員長松本昇君) 石井振興部長にお伺いしますが、大蔵大臣が一昨日決議に対して商工中金に対しては日銀から三十億円程度の援助を行うということを述べたのですが、この三十億円は資金計画にあるわけですか。
  29. 石井由太郎

    説明員石井由太郎君) これは表に書いてございます日銀借入金二十二億という数字と符合いたしておるわけでございまして、この日銀借入金に対しましては、状況によりまして勿論貸増しもできることでございますし、又いずれ政府からの借入金も二十億来るわけでございますから、これの見返りで若し金が要りますれば先金を借りるということで、二十二億というのは必ずしも固定いたしておりませんので、三十億程度に殖える場合も想定し得ると考えております。
  30. 松本昇

    委員長松本昇君) 速記をやめて。    午後二時五十九分速記中止    —————・—————    午後三時十二分速記開始
  31. 松本昇

    委員長松本昇君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時十三分散会