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説明員(
石井由太郎君) お手許に配付いたしました
資料に、私どもといたしまして当面掴み得る限りの
資金需要並びにこれに対する
資金の手当
状況等を御
参考のために提出申上げた次第でございます。
先ず第一が商工中金でございますが、全国四十八底舗の十二月中の
貸出要求、これが百三十二億、これに対しまして、中金といたしまして今まで
貸出しておりました
資金の回収される見込み七十七億、それから債券発行の手取金、これは十億発行いたしておりますが、うち三億五千万円見当は前の旧債の借替えにな
つておるものでございますから、
資金増といたしましては六億五千万円、それから預金の増加の三億を見込みまして、日銀からも一次高率一杯を借り切るという考え方で、別枠十二億プラス一次高率の十億、合せて二十二億、債券発行の手取金が
コール等に出ておりましたのを全部引揚げまして八億五千万
貸出に廻す。それから
国庫余裕金は、先ほど
大蔵省から御説明がありましたように、十二月十三日五億
預託されましたので、これを財源といたしまして
合計百二十二億、約十億
資金が不足するということに相成るわけであります。併しながら百三十二億の各店舗からの申入れに対しましては、それぞれ本部においての審査官で審査いたしますれば若干の減少をいたす分もございますので、前年十二月には十一月に対しまして約二十七億の貸増をいたしたのでありますが、本年はこれが五十五億の貸増にな
つておるわけでありまして、大体五十五億
程度で間に合うのではないかという見込みでございます。若し
資金需要が非常に旺盛でございまして、
只今手当いたしておりまする
資金で不足であるという
状況に相成りますれば、今回の補正
予算で計上されました政府からの
貸付金二十億をも年末
金融の一部には
資金源として充て得るという見込みを持
つて処理いたしておる次第でございます。
それから
国民金融公庫のほうは、
只今も
大蔵省から御説明がございました
通り、公庫自身について調べてみますると、十一月の下期における申入れが約七十一億の、その半分として……、十二月中の見込みが八十三億、
合計百十八億見当が
資金の借入
申込みとしては現われて参る予定なのでございますが、大体三〇%見当が従来とも
貸付の実績単位と相成
つておるわけでございまして、三十五億を
貸付ける計画を以て
資金手当をいたしておる。
資金手当自身といたしましては本年の
予算で頂きました五十億のうち、十二月末に残
つておりまするもの約八億、補正
予算で組入れられまするものの
出資五十億と、
運用部からの借入二十億、このうちの
出資のほうは或いは補正
予算の成立が遅れるといたしますと見込み得なくなりまするので、一応
運用部からの借入二十億、それから十一月後半と十二月で回収されるものを十億とみまして、約三十八億
程度の
資金手当があるのでございまして、母子家庭の
貸付等の
金額を考慮いたしますると三十四億
程度が
中小企業に向くのではないかというふうに想定いたすわけでございます。
御
参考のために商工中金と
国民金融公庫の昨年九月から昨年の十二月までの
貸出しの
状況を添附いたしまして、本年は昨年の中金にいたしますれば九十三億の
貸出しに対しまして今年は百二十二億、若し要すれば百三十億見当までの
貸出しができるということによりまして、相当
資金軍が殖えておるということをお示ししたのであります。又
国民金融公庫につきましても昨年月間
貸出し十八億に対しまして約倍額に近い三十五億
程度が
貸出されるということによりまして、やはり
金融機関の年末の
資金手当の
状況を書出したつもりでございます。
それからもう一表のほうは、これは御要求によりまして財政
資金で
中小企業向けに流れているものはどういう形式、どういう方向に、どのくらいあるかという御要求でございましたので、一応各系統
金融機関別並びに財源の性質別に現わしてみたわけでございます。
大蔵省と正式の突き合せをいたしておりませんので、若干の数字等についての移動があるかとも存じますが、政府出
資金といたしましては、中金に対しまして或いは
国民金融公庫に対しまして、
農林中金に対しまして若干づつの
出資があるが、これがしめて百五十三億、それから
一般会計の
貸付金として二十億と上
つておりますのは、今回の補正
予算で中金等にいたす予定の二十億でございます。それから
資金運用部からの
貸付は、これは
国民金融公庫だけでございますが、これが約六十億、それから
運用部の
金融債の引受けが中金に対して四十四億、
農林中金に対しまして六十四億、いずれも十二月十六日現在でございます。それから
国庫余裕金の
預託は、中金、
相互銀行、
信用金庫、
農林中金等を合せまして、いわゆる
中小企業の専門的な
金融機関と目せられるものを入れまして三百七十二億でございます。ほかに
市中銀行に対しましては約百億
預託されておりまして、
只今大蔵省から御説明がありましたように
中小企業向けの
貸付けの実績等に応じまして
預託されておりまするから、大体の考え方といたしましては、このうちの幾分かは
中小企業に流れておるわけでございます。又申し落しましたが、
資金運用部の
金融債の引受けは、興銀、勧銀、北海道拓殖
銀行に対しましてもそれぞれあるわけでございまして、北拓、勧銀或いは興銀の一部はこれ又
中小企業にも流れて参
つておるわけでございます。そのほかの財政或いは準財政
資金といたしましては、見返
資金の
中小企業向けの
貸出し
残高が約三十二億、それから先ほど
委員長から御指摘のございました
復金の
中小企業向けの
貸出しの残として、これはもうすでに
貸出されてあるものが約百四億、それから
開発銀行の見返
資金を引継ぎまして
貸出す予定のものが約三十億、そのほかに
信用保険特別会計に二十億の
信用保険基金を頂載いたしておるわけでございます。以上総合いたしますると九百一億、これが
中小企業向けの
金融機関乃至は特別会計というような政府
機関或いは公庫というような政府
機関に投入されておるということに相成るわけでございまして、なお
市中銀行に債券引受け或いは
預託等の形で別に六百七十九億が流れており、このうちの何がしかが
中小企業金融機関に行き渡
つておるということに相成るわけでございます。なお年末
金融の
一般的問題といたしましては私どもの見解も、
只今大蔵省から大体御説明がございましたように、
コールの出合の
状況或いは
供米代金の消化の
状況乃至は
手形交換高の
状況等から考えまして、
中小企業も相当楽ということには参りませんけれども、前年に比べまして特に甚だしいという危機に立
つておるようなことはないのじやないかというふうに考えられます。又信頼すべき
銀行筋の
意見を総合いたしましても、新しい
資金需要というよりも、今までのすでに
信用を受けておりましたものの借替というような
資金需要のほうが多いようでありますので、年末
金融それ自体といたしましては比較的平穏に推移するのではなかろうかというような見通しを持
つておる次第でございます。