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1953-03-06 第15回国会 参議院 通商産業委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月六日(金曜日)    午後三時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     結城 安次君    理事            栗山 良夫君            境野 清雄君    委員            古池 信三君            重宗 雄三君            左藤 義詮君            山本 米治君            加藤 正人君            石川 清一君            西田 隆男君   政府委員    通商産業政務次    官       小平 久雄君    通商産業省重工    業局長     葦澤 大義君    特許庁長官   長村 貞一君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   —————————————   本日の会議に付した事件通商及び産業一般に関する調査の件  (白木屋澁澤倉庫等の株の買占め  問題に関する件)  (昭和二十八年度の電力需給計画に  関する件) ○不正競争防止法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○中小企業金融公庫法案内閣送付) ○火薬類取締法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○中小企業信用保険法の一部を改正す  る法律案内閣送付) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 結城安次

    委員長結城安次君) 只今より通産委員会を開きます。
  3. 栗山良夫

    栗山良夫君 実はこれは必ずしも通商産業省の問題だけでもないのです。或いは所管違いかも知れませんけれども、やはり産業経済に直接関係のある問題であることには間違いない、そのことは何かと申しますと、最近非常に証券界で問題になつておる株の買占問題で、例えば澁澤倉庫白木屋東亜合成野田醤油、更に大日本印刷いろいろたくさんあります。従つてその真相を私はやはりこの委員会で一遍正式に調べたいと思います。通商産業省はこれについて今までどんな態度でおいでなつたか、それをちよつとお聞きしたい。
  4. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 株の買占問題につきましては、実は私個人と申すのは恐縮でありますが、新聞紙上等においては承知いたしておりますが、まだ役所のほうでどの程度調査をしているか聴取いたしておらないのであります。言うまでもなく株の関係所管大蔵省関係だと思いますが、産業界に大いにこれは影響があるものでありますので、実は本日は所管局長も参つておりませんから、後刻取調の上通商産業省の立場においてどういう調査をしているか御報告いたします。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、今私が数個の例を挙げて指摘したのですが、そのほか最近の流行みたいになつて大分あるようですから、それを一遍お調べになつて後刻御報告願いたい。  それから緊急動議のほうは何かと申しますと、私はやはり今一番問題になつている澁澤倉庫とか白木屋、これについて買占められておるほうの会社側責任者並び従業員が非常に動揺しておりますから、労働組合の代表、それから買占めたほうの誰か責任者、そういうものを一応参考人として呼びまして、国会委員会の席上で一つ堂々と事態を明らかにしたいと思うのでありますが、そういう動議を私は提出いたします。
  6. 結城安次

    委員長結城安次君) 如何でございますか。只今白木屋澁澤倉庫等買占に関する事件につき買占者及び買占められる側の責任者と、そのところに勤める労組の方の意見を聞きたいという御提案がありましたが。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 結城安次

    委員長結城安次君) 御異議ないと認めて、それでは……。
  8. 境野清雄

    境野清雄君 今栗山君からお話のあつた先に、通産省の考え方をいつ頃知らせてもらうのか、それを聞いた上ですぐやられるほうが順序としていいのじやないかと、こう思います。
  9. 結城安次

    委員長結城安次君) 通産省のほうはいつ頃……。
  10. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) これは大した時日も要しないと思いますから、来週早々にでも一つ報告いたしましよう。
  11. 栗山良夫

    栗山良夫君 実はこれらの株の買占を見ておりますと、全然買占めておる人は裏へ廻つて覆面で、証券会社を動かして買占めて、いよいよ事を起そうというときに一挙に名義の書換をやつて表に出て行く、何ともしようがないというような状況にあるようですが、これはやはり独禁法の問題にも関係があるわけです。従つて私は今お願いをした参考人を呼んで直接の当事者の意見を聞くと同時に、これはやはり大蔵省意見公正取引委員会意見通商産業省意見とやはり併せて聞く必要があると思う。やはりここで関係人全部寄つて事態を明らかにしておいたほうが将来のためにいいのじやないか、こういう工合に私は考えるわけです。
  12. 結城安次

    委員長結城安次君) 境野委員に申上げますが、この次に向うの相手方の都合もありましようから、それをそのときに先に聞いてしまつて、それで政府のほう、大蔵公正取引委員会通産意見を聞く、或いはそれを逆にするかどつちか、同日にやつたらいいじやないですか、一緒に……。
  13. 栗山良夫

    栗山良夫君 一緒でもいいと思います。大蔵省公正取引委員会通産省利害関係人全部……。
  14. 境野清雄

    境野清雄君 どうです。通産省意見を先に聞いて、そうしてあと一緒にやつたらどうですか。
  15. 結城安次

    委員長結城安次君) それでもいいです。通産省に一番先に意見を発表してもらつて……。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると月曜日の委員会で大体全貌だけ調べて頂いて通産省に報告して頂いて、そうして参考人はいつ呼ぶかということですね。
  17. 境野清雄

    境野清雄君 月曜日に来て頂いて……。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 日だけは……。
  19. 結城安次

    委員長結城安次君) そうすると月曜日に通産大蔵、公取の方においで願つて意見を聞いて、それから先に日を決して来て頂く、こういうことに取計らつてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 結城安次

    委員長結城安次君) さようにいたします。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 その次にお願いしたいのは、二十八年度の電力需給計画ですね、それから業種別割当、こういうものは私は石炭対策と併せまして非常に重要だと思うのですが、だから先ほど電源開発の基本問題については、機会を改めて電源開発審議会から伺うことにいたしまして、この基本計画の中に当然入るわけですけれども、特に二十八年度の電力需給計画というものは、もう決定寸前にあると私は思います。特に大口需用小口需用との関係等は、去年の割当等も大分問題になつておるようなわけですから、従つて本年度はどういう方針で行かれるか、これも成るべく早く一つ委員会説明をして頂きたいと思うのです。
  22. 結城安次

    委員長結城安次君) そうすると続いて四法案提案理由、つまり不正競争防止法の一部を改正する法律案中小企業金融公庫法案火薬類取締法の一部を改正する法律案中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、この提案理由を聞きたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 結城安次

    委員長結城安次君) 提案理由説明を願います。
  24. 小平久雄

    政府委員小平久雄君) 不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  先般発効いたしましたる我が国連合国との間の平和条約に附属しておりまする宣言に従いまして、我が国は近く国会の御承認を得ましたる上、いわゆる貨物の原産地虚偽表示防止に関するマドリツド協定に加入することになつております。  そもそも自由競争に立脚した経済の健全且つ公正な運営は、国際信用を高め、貿易を振興し我が国経済再建の原動力となるものでありまして、政府といたしましてすでに去る昭和二十五年、当時の不正競争防止法を大幅に改正強化いたしておるのでありまして、現在協定の趣旨はおおむね織込まれておるのでありまするが、更に協定の線に従いまして、虚偽原産地表示等を付する行為につきましては、その範囲を拡張いたしますると共に、ぶどう生産物原産地地方的名称でありまして、普通名称なつておりまするものに関する特例を設ける必要がありますので、ここにこの法律案を上程いたした次第であります。何とぞ慎重御審議上速かに可決せられんことを御願いいたします。  次に中小企業金融公庫法案提案理由を御説明申上げます。  先ず提案理由について御説明申上げます。我が国経済自主体制を確立するためには、その基盤をなす中小企業の振興を図ることが目下の喫緊事でありますが、このためには、その必要な設備資金及びこれに伴う長期運転資金を積極的に導入することが刻下の急務であることは言を待たないところであります。然るにかかる資金は、長期且つ或る程度低利であることを必要とする関係上、一般金融機関融通にまつことは困難であり、従つて国家資金により調達する必要があります。ここにおいて、昨年末衆、参両院における国家資金による中小企業長期資金融通制度の創設に関する御決議に即応し、中小企業者に対する長期金融の特別な恒久的政府機関として中小企業金融公庫を設立しようとするものであります。これが本法案提案した理由であります。なお特別会計によらず、公庫を設置することといたしましたのは、農林漁業金融公庫の例に倣い、長期貸付責任の所在を明確にすることと業務の円滑な遂行を期そうとすることのためであります。  次に本法案概略を御説明申上げます。先ず中小企業者に対する長期資金融通を目的として中小企業金融公庫を設置し、これを法人とするものであります。これが資本全額政府出資とし、その金額は一般会計からの出資金五十五億円と産業投資特別会計からの法定出資金との合計額であります。  業務につきましては、中小企業者に対する設備資金又は長期運転資金貸付を行うのでありますが、その業務の一部を金融機関に委託することができるものとしております。貸付限度は一企業者当り貸付累計一千万円(中小企業協同組合調整組合又は調整組合連合会については三千万円)以下、貸付金利は年一割、償還期限は一年以上最長五年、据置期間は一年以内を予定しておりますが、これら貸付に関する業務方法及び業務委託基準業務方法書に記載することとしております。なお業務方法書事業計画書等主要事項については主務大臣認可を要するものとして行政との密接な関連を保持せしめることといたしております。役員については、総裁及び監事は政府任命とし、理事任命についても主務大臣認可を要するものとしております。会計については公庫予算及び決算に関する法律の定めるところにより、大体、国の予算及び決算に準じて取扱いをするものとし、利益金を生じた場合は、全額を国庫に納付するものといたしております。なお、公庫政府から資金の借入をなし得るものとし、今後の政府追加出資と共に貸付の財源となし得ることといたしております。  以上が法案の内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決賜わりますようお願い申上げる次第であります。  次に火薬類取締法の一部を改正する法律案について提案理由を御説明申上げます。  この法律改正の主要な点は、煙火消費につきまして都道府県知事許可を受けなければならないとすることでありまして、この点につきましては、従来銃砲火薬類取締法(明治四十三年四月十三日法律第五十三号)により、又昭和二十一年十月十日ポツダム共同省令兵器航空機等生産制限に関する件」が施行になりましてからは、この省令によりまして法的規制を加えて参つたのでありますが、昨年十月二十四日この省令が失効いたしました結果、仕掛煙火、打揚煙火消費につきましては、何らの法的規制がなくなることになつたのであります。併しながら煙火消費につきましては、災害防止の観点から法的規制を加える必要があり、この際必要な法的規制を行い、一定数量以上の煙火消費につきまして、都道府県知事許可を受けなければならないものとすると共に、煙火消費の技術上の基準を定め、この基準従つて煙火消費せしめるよう改正いたしたいと存ずるのであります。  次に、煙火消費に関する事項以外に、火薬類取締法施行して参つた今日までの経験に鑑みまして、この法律の適用を受けないがん具用煙火その他の火工品範囲を法的に明確にすると共に、火薬庫譲受等の場合における許可制度簡素化し、又火薬類作業主任者等免状交付の際の手数料徴収を受験の際の手数料徴収に改める等所要の改正を加えることが適当であると認められますので、この改正法律案提案いたしました次第でございます。  何とぞ慎重御審議上速かに可決せられんことをお願いいたします。  次に中小企業信用保険法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申上げます。  御承知のように中小企業信用保険法は、中小企業者に対する事業資金融通を円滑にするため、金融機関中小企業者に対する貸付につき政府信用保険を行う制度として昭和二十五年十二月に発足をいたし、更に一昨年十一月の改正により指定法人の行う中小企業者債務保証をも保険対象に加えて今日に至つたものでありまして、専ら中小企業者信用を補完することにより中小企業金融円滑化に寄与して参つたのであります。今制度発足以来の利用状況を見ますと、金融機関相手方とする保険におきましては満二年間の付保実績が九千八百件、約百二十四億円に及び、指定法人相手方とする保険におきましてもこの一年の間に九千件、約三十億円の利用を見たのでありまして、制度の普及と共にその利用は逐次上昇の一途を辿つているのでありますが、現在の金融情勢下におきましてなお多大の困難を有する中小企業促進のためにはこの際本制度に及ぶ限りの改善を施し、その効果を一層大ならしめる必要があると考えるのであります。  今回改正を必要とする諸点といたしましては、第一に中小企業者の定義を改正し、資本の額による制限を現在の五百万円以下から一千万円以下に、常時従業員の数による制限を現在の二百人以下から三百人以下に拡大すると共に新たに医療関係法人調整組合対象に加えること、第二に相互銀行或いは無尽会社の行う給付を貸付に準じて保険すること、第三に保険関係が成立する貸付金限度を現在の五百万円から一千万円に引上げること、第四に保険金支払請求権行使の始期を現在の保険事故発生後六カ月経過時から三カ月経過時に繰上げること、第五に保険金支払に伴う代位の規定回収金の納付の規定に改めて手続の簡素化を図ること、第六に指定法人相手方とする保険について保険金てん補率を現在の五〇%から六〇%に引上げること、第七に中小企業金融公庫、日本開発銀行及び国民金融公庫の行う代理貸に際し、代理金融機関債務保証保険する制度を新設することでありますが、これによりまして制度の能率的な運用と大幅な利用促進とが期待されるのでありまして、中小企業金融円滑化に大いに資するところがあると存ずるのであります。  何とぞ右につきまして慎重御審議の上御賛同あらんことを、お願いいたす次第であります。
  25. 結城安次

    委員長結城安次君) 只今法案提案理由の御説明がありましたが、この法案に対する質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  26. 結城安次

    委員長結城安次君) それでは連合委員会開催に関してちよつとお諮りいたしますが、先般経済安定委員会に付託になりました、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び近く提出を予定されておりまする同施行法案につきましては、先の委員会における打合せの通り経済安定委員会に対して連合委員会開会せられるよう申入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 結城安次

    委員長結城安次君) 御異議ないと認めます。なお本件につきましては経済安定委員会においてもすでに了承済みでございまして、その第一回は来たる三月十日午後一時から提案理由説明及び逐条説明を聴取いたす予定になつておるそうでありますので、御了承の上当日御出席をお願いいたします。  それから武器等製造法案に関して御質疑に入りますか、如何いたしましようか……。  では本日はこれにて散会いたします。    午後四時四分散会    ——————————