運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-18 第15回国会 参議院 通商産業委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十八日(木曜日)    午後二時十九分開会  出席者は左の通り。    委員長     結城 安次君    理事      栗山 良夫君    委員            古池 信三君            小滝  彬君            左藤 義詮君            松平 勇雄君            高橋龍太郎君            島   清君            西田 隆男君            石川 清一君   委員外議員    経済安定委員長 境野 清雄君   国務大臣    通商産業大臣 小笠原九郎君   政府委員    通商産業政務次    官       小平 久雄君    通商産業省重工    業局長     葦澤 大義君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業省公益    事業局長    森  誓夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○織物消費税法廃止に伴う特別措置  に関する法律案境野清雄君外五十  四名発議) ○電気及びガスに関する臨時措置に関  する法律案内閣送付) ○武器等製造法案内閣送付) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 結城安次

    委員長結城安次君) それでは只今から委員会開会いたします。  先ず第一に、本日の議題なつております織物消費税法廃止に伴う特別措置に関する法律案、この提案理由境野清雄先生からお伺いいたします。
  3. 境野清雄

    委員外議員境野清雄君) 只今議題となりました織物消費税法廃止に伴う特別措置に関する法律案提案理由を御説明申上げます。  いわゆるシヤウプ勧告に基く税制改革の一環として、昭和二十四年十二月二十七日法律第二百八十五号織物消費税法等廃止する法律が公布せられ、昭和二十五年一月一日から施行せられたことは周知の通りであります。  然るに織物消費税はいわゆる庫出税でありました関係上、税法廃止当日における販売業者手持品についてはその全部、生産業者手持品についてはその大部分が納税済であつたわけであります。而して当該業者はその手持品販売に当りましては、無税品の出廻り、又は出廻り期待のため市場の買控えに対処するために、少くとも税額相当値引を止むなくせられた状態であつたのであります。  一方、昭和二十一年九月、絹織物、人絹織物及び毛織物の消費税が従来の従価一割五分から四割に引上げられました際には、政府生産業者及び販売業者手持品在庫品を厳格に調査いたし、その税差額を徴収して参つたわけであります。税率引上げに際しましてはその差額を徴収し、引下げ又は廃止によつて、現にそれがために関係業者が莫大な損失を蒙り、相当数倒産者をも生ぜしめた事態に対して、何らの措置を講じないということは、理論上から申して不合理と申さなければなりません。殊に、昭和二十五年十一月法律第二百五十二号酒税法の一部を改正する法律実施により、酒税税率引下げが行われました際、製造業者及び販売業者手持品在庫品について、それぞれ既納税額現行税額との税差額について戻税措置がとられた事例もあり、更に、昭和二十四年度産米供米報償用として各都道府県農業会政府より配給せられた諸物資のうち、綿布、タオル、作業衣等繊維製品が爾後の市価低落に伴い著しい欠損を来したため、昭和二十五年末より同二十六年初頭にかけて数次に亘り総額五億七千万円を各農業会に補償いたした先例もある次第であります。  従いまして、織物消費税廃止に伴い、その戻税規定も当然廃止と相成りましたため、同法廃止昭和二十四年十二月三十一日午後零時現在において保有いたしておりました生産業者既納税在庫品及び販売業者税込手持品税額相当分損失補てん額として払戻しせんとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上御賛同賜らんことをお願いいたします。
  4. 結城安次

    委員長結城安次君) 只今発議者総代として境野清雄先生から御説明がありましたが、皆さん本案に対する御質疑の御研究もまだ済んでおらんかと思いまするが、この次に御質疑いたしたいと思いますが、如何でございますか。或いは本案全体についての趣旨精神等について又御質問があれば……如何でございますか。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこれを質問或いは論議する前に、資料一つ提案者のほうにお願いしたいのですがね。それはこれだけの金額支出する法律案なつておりますけれども、その内容については大臣のほうで以て殆んど委任立法みたいな形になつているわけであります。従つてそれではちよつと私ども審議のしようがありませんので、この昭和二十五年一月一日午前零時現在においてこの法律案対象なつた品物の明細ですね。細かくは必要ないと思いますが、国税局別にどの程度消費税が納められておつたのか。これを一つ国税局別くらいの金額一つ出してもらいたい。  第二に、そういうような既往に遡つて対象物件というものは、どういう根拠を持つて認定をせられたのか。認定の方法、或いはその認定根拠ですね。そういうものをこれはやはり明らかにしてもらわなくちやいけない。それからこういうものは若し通つたとすれば予算措置は一体どうなるか。  更にこれは委員長にお願いしておきますが、大蔵委員会とのやはり連合委員会が必要かと思います。それから通産、大蔵当局の意見をやはり聞く必要がある。まあ慎重審議一つお願いいたします。
  6. 境野清雄

    委員外議員境野清雄君) 只今資料につきましては、次の委員会までに早速提出するように手配いたします。
  7. 結城安次

    委員長結城安次君) 皆さんにお諮りいたしますが、この法案只今栗山委員から御発議通り予算措置、或いは税の関係その他ございますので、それらの関係大蔵委員会にかかつておりますので、連合委員会大蔵としなければ、結局はここだけで審議しても無駄になるかと存じますので、大蔵との連合委員会開会することに申入れしたいと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 結城安次

    委員長結城安次君) それじや委員長のほうから大蔵委員会に向つて連合委員会を要請いたします。  只今資料はこの次までに御提出願うといたしまして、次に大臣参議院予算委員会で今どうしても手を引けんそうでありますが、二時半には出たいと言つておりますので、それまでの間、今日の議案第二の電気及びガスに関する臨時措置に関する法律案予備審査)、これを前回に引続いて……。
  9. 小滝彬

    小滝彬君 この織物消費税法の問題はあれですか、この次この委員会だけで資料をもらつて討議をして、そのあと連合委員会をするのですか。むしろこれは大蔵委員会と非常に関係があるから、早速連合委員会に……。
  10. 結城安次

    委員長結城安次君) いや、委員長只今そういうつもりで大蔵委員会連合委員会申込むというつもりであります。
  11. 小滝彬

    小滝彬君 わかりました。
  12. 結城安次

    委員長結城安次君) それでは前回に引続きまして、電気及びガスに関する臨時措置に関する法律案、これを審議いたします。それから石原公益事業局長は今日電産の問題で今どうしてもちよつと手を引けんそうでございますので、政務次官と次長が参つております。公益事業局森次長及び技術長吉岡俊男君が出席しておりますので、御質疑お願いいたします。じやあどうぞ御質疑をお願いします。御質疑ございませんか……。
  13. 栗山良夫

    栗山良夫君 私、前回大臣出席のときに、この法律案質疑をいたす前にいろいろ御準備を願うように頼んでおいたのですが、それが資料のような恰好で前以て御説明が願えるならば御説明願いたいと思います。どういうことになつていますか。速記をやめて……。
  14. 結城安次

    委員長結城安次君) 速記中止。    〔速記中止
  15. 結城安次

    委員長結城安次君) 速記を始めて。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 実はこれに関係する問題として相当前になりますけれども電力会社原価と、実際の実績収支状況がどうなつているかということについての説明を願いたいということを申上げてありまして、石原公益事業局長が、できているからいつでも説明するというお話だつたのですが、それがまだ説明を頂いておりません。それから前回のときには、私はこの臨時措置法質疑する場合にも基本的なものとして再編成後の電気事業について、好ましい点、好ましくない点等相当日数が経過いたしましたから、具体的に電力行政の面から見ていろいろな問題が出ているだろうから、そういうものを一つ整理をして、具体的に示して頂きたいというお願いもしてあつたはずなんです。特に、その後再編成が断行された当時とは大部違いまして、新たに立法措置によつて電気事業にいろいろな問題が発生しております。又発生しようともしたわけでありますから、そういつた問題に対する基本的な考え方も併せて伺いたい、こういうことを申上げたのであります。まあ尤も質問の途中で返事を頂いてもいいのですけれども……。
  17. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 只今栗山委員から御質問のありました電気事業原価及び収支状況につきましては、これは公益事業局長が参りましてからお答えいたすことにいたします。  再編成後の電気事業の面に公共事業令が如何なるよい効果をもたらしたか、或いは又悪い効果をもたらしたか、或いは開発会社とか、或いは復元等問題等電気事業のあり方の問題との関係、そういうことにつきましては、本日大臣から口頭を以てお答えいたすことになつておりますので、それによつて御了承をお願いいたしたいと思います。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 それじや大臣出席されるまで質問を保留いたします。
  19. 結城安次

    委員長結城安次君) かしこまりました。ちよつと速記をやめて……。    〔速記中止
  20. 結城安次

    委員長結城安次君) 速記を始めて……。  それでは先ほどの電気ガスのをちよつと延べまして、本日第三に掲げられておりまする武器等製造法案に関する提案理由を御説明願います。
  21. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 武器等製造法案提出理由を御説明申上げます。  武器製造につきましては、終戦直後の昭和二十年十月十日よりポツダム共同省令「兵器、航空機等生産制限に関する件」によりまして全面的に禁止されておりましたところ、このポツダム共同省令改正により本年四月九日から武器製造は例外的に許可されるようになりました。特に本年五月頃から駐留軍武器発注額相当額に上りましたため、いわゆる特需としての武器製造は、漸く活溌となつて参りました。然るに先に述べましたポツダム共同省令は、本年十月二十四日を以つて失効したため、その後の武器製造については法的規制がなくなり、公共の安全を維持するために何らかの措置をとる必要を生じて参りました。而もこの間にあつて関係業界の受注に対する熱望は、ややもすると濫立弊害を示す傾向さえ見受けられる事態に立ち至つております。このような情勢に鑑みまして、速かにこの法の空白状態をなくしますと共に、武器生産混乱から来る国民経済への悪影響を避けるため、武器製造事業について規制を加える必要があると考え、ここに武器製造案を提案いたしました次第であります。以下この法律案の主な点につきまして大略を申述べます。  第一にこの法律案は、公共の安全を確保するため、武器及び猟銃等製造販売その他の規制を行うだけではなく、武器製造事業について国民経済との均衡を失わしめず、この事業濫立による弊害を排除し、或いは又海外に対する政治的配慮などの理由から、余りに製造能力が過大となることは厳に抑えなければなりませんので、武器製造事業許可を要することとし、その製造能力必要限度にとどめることにしました。  第二に、この法律案の適用を受けるものは、武器については銃砲銃砲弾爆発物等公共の安全を確保しますと共に事業調整を行う必要が特に大きいものに限定し、又猟銃等については公共の安全の確保という観点から選定いたしました。  第三に武器製造事業許可制と併行して、武器製造販売等を行う者の契約内容を届けさせ、契約が不当なものであるときには戒告することができることにして、不公正競争が生ずるのを防ぐことといたしました。  以上がこの法律案提案理由及び主要な内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
  22. 結城安次

    委員長結城安次君) 只今大臣から提案理由の御説明がありましたが、本法案は五章三十五条に亘る相当大きな法案であり、且つ相当権利義務に関する制限等もありまするようですから、又内容をよく御熟読の上御質疑を願うとして、本日は趣旨説明伺つただけにしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 結城安次

    委員長結城安次君) ではさよういたします。
  24. 結城安次

    委員長結城安次君) 引続いて電気及びガスに関する臨時措置に関する法律案審議いたします。  先ほど森次長から、大臣が参りまして御説明するというあの件に関して御説明をお願いいたします。
  25. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 栗山委員の御質疑に対してお答えいたします。  審議会法案附則第五項で示されておりまする通り法令改正に関する重要事項を調査審議する諮問機関であります。本審議会につきましては、公共事業令の一年有半に亘る運用を通じ、問題として残つておる点、例えば供給地域独占の問題、託送及び施設供与の問題、地帯間電力融通の問題、料金地域差調整問題等々を審議願おうとするものであります。而して電気事業法案電気事業公益性私益性との調整を通じまして、電気事業の健全なる発達と需用者の保護を図るという構想には変りはないのであります。従いまして法案附則第五項の解釈上は、九分割や復元問題についても再検討するものと考えられるのでありまするが、当審議会に対しましては、こういう問題について諮問する考えはないのであります。  電気事業企業形態組織の問題は、再編成が結成された際にもいろいろな案があり、それぞれ尤もな点もあつたと考えますが、決定されましてからまだ日が浅く、これを再度改変いたしますることは徒らに混乱を生ぜしめまするので、その時期ではないと考えまするし、又再編成復元問題等は単なる法令改正の問題でもなく、まさにそのこと自体が基本的な重大問題でもあり、別個法律乃至別個審議会で論ぜらるべきものであると考えるのであります。前述のような問題につきましては大いに論議を尽し、改正すべきものは改正いたしたいと存ずる次第でございます。次にお尋ね電気事業編成令施行後の電気事業功罪について申述べますると、電気事業編成実施電気事業民主化がその基本的な狙いであり、公共事業令電気事業民主的運営を通じまして、公益性私益性との調整を図り、電気事業を健全に発達せしむることを基調としていたことは御承知通りでございます。電気事業編成後一年半に過ぎざる現在、その功罪を早計に論断することはいささか不適当でありまするが、私は現在までのところでは、電気事業の十余年の国家管理体制を脱却せしめ、企業的自主性を回復せしめ、民主的運営に委ねることは適当であつたと考えるものであります。即ち電力会社経営者は、日発配電時代に比べて企業意欲が振起されており、問題を自主的に解決せんとする気持を持つていることは喜ばしい次第であります。電源開発につきましても当時に比し地方の実情に即した計画が活溌に実施されておると考えます。又日発配電当時は業者間で機構と人員配置の上で重複しておる点、例えば日発支店配電本社日発地方本社配電支店が多かつたのでありますが、現在は相当是正せられていると認められるのであります。併しながら現在の電力会社業務運営につきましては、サービスの点等につきましてもまだ不十分と認められる点が相当ありますることは、誠に遺憾でありまして、当省といたしましても今後十分に監督し、是正を図りたい所存であります。なお現在供給地域独占水火力調整金等、種々論議の爼上に上る問題が残つておるのでございまするが、これらにつきまして、電気及びガス関係法令改正の機会におきまして、慎重に検討を加えて妥当な結論を得たいものと存じておる次第でございます。  更に政府電気事業編成令による現在の電気事業組織建前を崩すべきではないというか、電源開発促進法による電源開発株式会社設立と矛盾するのではないか、こういうお尋ねに対しましては、電源開発促進法は御承知通りに、電力会社実施しがたい大規模又は実施困難な電源開発を促進する目的で制定せられたものでございまして、電源開発株式会社開発した電力は、電力会社設備もろとも吸収されるか、又は電力会社を通じて配電される旨、法律上明らかに定められており、電気事業編成令建前と矛盾するものではないと存じます。なお電気事業編成に当り、立案の基本方針として閣議了解を見ました電気事業編成要綱においても、只見川のような大規模電源開発、その他開発困難な地域開発につきましては、別途の措置を講ずる旨を謳つておる。電源開発促進法による電源開発会社設立は、電気事業編成建前を崩すものではなく、むしろその精神を補完したものではないかと考えております。  更にお尋ね電気設備復元問題についてお答え申上げますると、電気設備復元につきましては、先国会におきまして議員立法として上程されたこともありまするので、政府といたしましても、今後十分研究を進めたいと存じておりまするが、目下のところではまだ結論を得ておらん次第でございます。
  26. 結城安次

    委員長結城安次君) 御質疑はございませんか。
  27. 栗山良夫

    栗山良夫君 大臣ちよつと御質問する前に、只今頂いた二十七年度上期電力会社損益明細並びに利益金処分表というのがございますが、これの御説明をして頂きたいと思います。私がお願いしましたのは、これと今年の春行われた電気料金値上のときに計算をせられた基礎になつておる原価との比較を頂きたい、そういうことを申上げたわけであります。その問はどういう工合なつておりますか。
  28. 森誓夫

    説明員森誓夫君) お手許には原価との比較を併せ書いた資料をお届けしてございますが、私のほうの資料で申上げます。全国合計のところで、簡単に申上げますると、収入の欄で、電燈料原価に対して原価九九・五%になつております。それから電力料のほうは一〇〇・六%になつております。その他の収入等も加えまして、総合して収入は一〇二%ということになつております。支出の欄では大きい項目について比較を申上げますると、先ず給料、手当についてでありますが、これは一一一・三%になつております。原価に比べまして実績が多くなつております。次に燃料費についてでございますが、これは豊水であつた関係上、原価織込みに対して六八・五%になつております。あとは細かい項目でございますので、内訳は省略いたしまして、支出合計について申しますると、実績原価織込みの一二〇%ということになつております。それで収支の差引の比較におきましては、実績原価織込みの六二・二%ということになつております。大体大きい項目について申上げました。なお又これは会社別にも資料ができておりまするが、御質問に応じましてお答えいたします。
  29. 栗山良夫

    栗山良夫君 私が伺いたいのは、会社別のほうが問題になるのですが、収入支出とは大体額がそう大して距つておりませんから、収入のほうでも結構ですから、会社別のパーセンテージをちよつとわかりましたら……。
  30. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 北海道電力実績原価織込みの九七・二%、東北電力は同様の比率で九九・四%、東京電力は一〇六%、中部電力は一〇六・七%、北陸電力は一〇六・五%、関西電力は九九%、中国電力が九七%、四国電力は九九・二%、九州電力は一〇三・五%ということになつております。
  31. 栗山良夫

    栗山良夫君 支出のほうもついでにお願いします。
  32. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 北海道電力九八・八%、東北電力九六・六%、東京、電力一〇三%、中部電力一一四・八%、北陸電力一〇三%、関西電力一〇五%、中国電力九三・四%、四国電力九七・五%、九州電力一〇三・二%、以上であります。
  33. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今の御説明を聞きますと、料金原価計算というものは非常に理想的に各社とも行われたように一応伺うわけですが、この中で一つ疑問が起りますのは、非常に多額に上る燃料費が六八・五%に過ぎなかつた。要するに水が非常によく出たということでありますが、それでなお且つ支出相当原価と開いておるわけでありますが、そうするとどこかそのほかに原価よりとび離れて多額に支出されたものが中にあるわけですか。
  34. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 只今申上げませんでしたが、支出の中に渇水準備金を別途計上いたしてあります。この金額が四十一億五千七百万円という額に上つております。なお補足さして頂きたいのでありますが、只今申上げました収入原価金額は、新料金が四月の初めから適用されたものとして計上をいたしたものであります。
  35. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると、大体常識的には北海道から九州まで収支状態は同じような水準で実績を挙げ得たというふうに理解してよろしうございますか。
  36. 森誓夫

    説明員森誓夫君) まあどの会社もそう原価実績とが大きい開きがありませんが、ただ大観的に申上げますると、水力地帯のほうが割に実績がよろしい。それから火力地帯のほうが割にまあ実績が悪い。九州はちよつと例外になつておりますが、大勢はそんなところですが、大体において原価実績とがそう大した開きがないというふうに収まつていると見てよろしいかと思います。
  37. 栗山良夫

    栗山良夫君 過日来のいわゆる電産の争議等の場合には、私どもが外から窺つていると、北海道から九州まで各社において非常に大きな企業格差があつたような工合に言われておるのですけれども、今の数字を伺うと、どうもそういう工合に私ども理解できないのですが、その関係通産省としてはどういう工合にお考えなつておるのでしようか。
  38. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 我々が持つておりまする資料はこの資料でございまするので、この資料から見ますると、そうひどい格差があるということは明瞭に結論できないのでございまするが、会社としてはおのおの企業経営の内部におきまして、それぞれの一つやり方について或る自信を持つておるとかいうことがあつて、それによつて態度を変えておると思うのでございまするが、併しそのほかにも考えられますることは、需用構成がいろいろ違つておりますとか、或いはまあ豊水等相当期待しているものがあるかも知れないとも思われまするが、併しこれらはいずれも各社のそれぞれ独自の見方をしているのでございもして、我々としてこれが客観的にそういう見方が正しいということは保証いたしかねると存じます。
  39. 栗山良夫

    栗山良夫君 その各社が主張したその立場というものが全部正しいというような工合には通産省ではまだ考えていないと、こういうことですか。
  40. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 計数から見ました場合には、十分その説明はできかねるところがあると考えます。但し各社それぞれ企業努力やり方によつて、それぞれの見込みによつたのであろうというふうに考えておるわけです。
  41. 栗山良夫

    栗山良夫君 私の伺つておりますのは、この原価比較して著しく標準の率、いわゆる一〇〇%から上廻るほうは別といたしまして、下廻るものがあれば、料金のきめ方が悪かつたとか、惑いはその他いろいろなことが言えるのでしようけれども、今の御説明を聞くと、著しく下廻つたものはないのですね。それですから、従つて私は料金のこの前の査定というものはほぼ理想通り行つたのではないかということを申上げておるので、そういうふうに各社企業差がないような場合に、大体うまく料金査定ができたのではないかと、そういう工合にあなたのほうでお認めになるかということを申上げておるのです。
  42. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 料金査定は、先ず結果から申しまして大体において妥当であつたということを我々はこの実績から考えております。
  43. 栗山良夫

    栗山良夫君 この程度企業差というものは、私は日本発送電が現にあつて、そうして殆んど完全に全国プールを経理的に行なつておつた当時でも、各企業内部の経営の含みというものがあつたと私は思うのですがね。その点のお考えは如何でしようか。
  44. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 私はここで昔の日発時代の経理のことにつきまして正確なお答えはできませんが、併しこの半期の収支原価が大体において各社共そう経営の差を見せていないということにつきましては、若干申上げたいと思います。それは、まだ再編成後日が浅うございまして、それほど企業間の差が出ておりませんが、併しこれからだんだん開発等につきまして差ができて来るとか、或いは企業努力の点で相当差ができて来るということは、もう少し将来に目をいたしますると、必ずしも否定できないことであろうと考えております。
  45. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこで私は通産大臣に伺いますが、非常に今重要な森次長からの発言でありますが、伺つておきたいと思います。それは、現在のところは再編成直後であるからして、こういう工合に九会社共ほぼ同じような状態で行けた。併し今後電源の開発とか、或いはその他企業努力等が各社によつて違うので、相当に差が出て来るであろう、こういうことを言われたのですが、その差というのは収入面でも開き、私は又支出面でも若し開いて来るとすれば来ると思うのですね。そういう場合に、この電気事業の将来の経営のあり方ですが、独立採算による自主経営というものの限界をどの程度に置いてこの行政監督を指導せられようとしておるか、そこのところを通産大臣としての御信念を一つ承わつておきたいと思います。今の森次長のお話だと、完全な独立採算による自主経営を許すかのごとき私は印象を受けたのですけれども、そういうような恰好で自由企業としてお認めになつておるのか、或いは相当なやはり行政的な措置を加えて行かれるのか、ここが私は一番問題点だと思います。
  46. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 今栗山さんのお話の点は、私ども非常に重大な問題だと思います。つまりこういつた電力事業公益性に鑑みまして、相当規制を加えることは今後も是非やつて参りたいと思いまするし、それからこの九分割をしたときの狙いでもありまする、当時としては地域差を或る程度置くことは止むを得なかつたのでありまするが、併しこの地域差をだんだん狭めて行くということは、これは今の公益性の点から見て私は是非やらなければならんものであると考えております。従つて、それではこれをどういうふうにして狭めて行くかという問題になりますと、例えば問題の水火力調整金のような問題がありますが、あれに類似したような機構を考うべきであるか、或いはそれとも又別途の方法を考うべきかという問題につきましては、今後私ども一つ案を練りまして、又御協議申上げたいと考えておる次第でございます。ただ過日来非常に問題となつておる収益力が違うところが又電源開発が行われるに従つて一層加わつて来るかも知れませんので、それらにつきましては、いずれにしても地域差を増すような方向に持つてつては大変ですから、地域差を狭める方向に持つて行きたいと、これを私は根本の考え方といたしております。
  47. 栗山良夫

    栗山良夫君 よくわかりました。その地域差を狭める方向に持つて行くという工合におつしやつたのですが、それと今森次長が述べられた将来の見通しというものは、自然的にやればこれは全く相反するような方向に私は進んで行くと思います。ますます地域差は拡大して行くと思いますがその間の調整政府として本当におとりになるつもりなんですか、今までの大臣だとどうもその点はつきり伺えなかつたのですがね。
  48. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私は電気事業の公益的性質からみまして、是非とも地域差というものを狭める必要があるということを痛感しておる一人なんですけれども、今申上げた通りに現在の段階では相当地域差、収益状況が違いますので、止むを得ませんけれども、併しこれはだんだん狭めるほうへ持つて行くということは、これは私はそういう信念を持つて申上げておきますが、併し今後の通産行政をあずかるものも、電気事業というものの本質から考えたら、何人もそういうところへ私は結論が行くことと信じております。
  49. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますと、今はその間の調整を追加調整金で行なつているけれども、これが正しいか、或いは将来別途な方法で行くかは考えたい、こういうことをおつしやつたのでありまして、問題の要点にはお答え頂いたわけでありますが、更に申上げまするならば、只今各社とも非常な勢いで電源開発を促進されておるわけであります。ところが、この電源開発開発原価というものは非常に高くついておる。恐らく只今電気事業が持つておりまする設備の再評価額の三倍或いは四倍の額に私は達するのじやないか、こういう工合考えております。そういうような多額な費用を投じて電源開発をやる。特に只今地域差の高くついておるような九州とか中国、四国或いは北海道のような所は発電原価は更に私は高くなるだろうと思う。小規模で而も利用率の低い水を使うわけでありますから高くなる。そういうような所で電気を起しました場合に、必然的に資本比が私は嵩んで来ると思います。そういう資本比をそのまま各会社の経理へ流れ込ませてしまえば自動的にやはり料金は高くなる、こういうことになるわけですが、その辺のお見通しというものはどういう工合考えられておられるか。
  50. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 大体栗山さんのお話のように今後は電源開発の費用が相当高くかかりまするから、そういう費用の嵩む結果、電源コストが高くなることもこれは疑いないことと思います。併しながら例えば石炭を使つておるものに対して電力を振向けることによつて生産費を安くする工業その他もたくさんございます。それから又今の鉄道にしましても、今日の高い石炭を使わずに電力に変えますれば、もう少し経済的に行けるのじやないかと思われる節もあります。そんなようなこともありますから、もう少し先へ行きまして事情をよく勘案した上で、どうしても動力その他に振向けるものについても特別な考慮をいたさなければならん場合は、先般どなたでしたか、動力はもう自由にしたらどうかというようなお話も出たのでありますが、それはそういうことがいいのかどうかということは、私は動力につきましてもどうもまだ電力の今の状況からそういうことに直ちに御賛同申上げかねると申したのでありますが、動力の電気代金については特別に又考慮するというような方法もそのときにおいて考えられるのじやないかというふうにも考えますので、いずれにしても電源開発によつて今のような生産費の高いときに電源開発をやることで電力が非常に安くなるとは考えませんが、併し必要な事業の方面にそれが余計振向けられるということによつてほかの電力のほうをそう上げんでもいいのではないかというふうにも考えております。併しどうもまだ私の研究は熟しておりませんから、一応の私の考え方を率直に申上げる次第です。
  51. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今のところはまだ御意見があることと思いますが、もう一つつておきますが、地域差の関係は基本的な構想として大臣のお考えを私そのまま生までお聞きしておきます。もう一つはそういうような考え方で地域差を狭めつつ行くのですが、それは飽くまでも地域差のバンドを縮めるというわけですが、最近のように発電所がどんどんできて参りますと、恐らく私は資本比の嵩み方によつて電気料金の引上げというものも当然日程に上つて来るのじやないかと思いますが、そういうものは今年の四月やつたわけですけれども、発電所の新らしい開拓によつて、基本だけは需用者が負担しなければならんというような時代に、そういうものはここ当分はないとお考えになりますか、或いは近くやらなければならんとお考えになりますか。
  52. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私は実は当分ないというふうに見ておるのであります。それは栗山さん御承知のように、今度の電源開発等にも財政資金、いわゆる国家資金を相当多額に投入するのでありまして、これは単純な民間資金にまで持つて行くのじやございませんので、むしろ財政資金を相当多量に入れ替えて、それから又過日ここでもちよつと御質問がございました外資等についてもできるだけ入れたい。外資等につきましてはこの間申上げましたように利息を五分、向うは五分と言つております、そういうものが入つて来ますと、今の一割以上払つておる金利から見ますると、大変違つて来ることになつて参りますので、それから又国の財政投資をした分についてもその負担を財政負担にすることもだんだんとできて行くだろうと思いますので、先行きのところは、少くともそう先の長い二年三年先は知りませんが、ここ一年くらい先は何も料金を上げないで行ける、こういうふうに考えておりまして、又上げさせたくないと自分は存じております。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 政治的にはそういうことでいいでしようけれども、今通産省のほうは健全経営ということを言つておられて、当然資本比がこの原価計算の上に殖えて行くものはこれは見て行くという理論的な立場を恐らく事務当局はとられると思うのですが、そういう如何にも財政資金を仰いだりしてもこれは何がしかの利息はやはり払いますし、又設備として一遍簿価に乗れば償却はすぐ始つて行くわけですから、経費のほうにはすぐ影響を持つて来るわけであります。従つて今のようなスピードで電源開発が行われて行くときに、ほかの諸条件は別です、新らしい電源開発をやつたために資本比が殖えて行くことが料金に影響を及ぼして来る時期ですね、それは一体いつ頃と大体お考えなつておるか、これはまあ考え方は大臣から伺いましたが、事務当局はどれくらいに計算なさつておるのでしようか。
  54. 森誓夫

    説明員森誓夫君) 只今私のほうで昭和二十二度までの電源開発計画を検討いたしておりまするが、この案はまだ最終的な結論には達しおりませんが、一応これによつて計算したところを申上げますると、昭和二十八年度におきましても若干単価が上つて来ることになつております。その後毎年少しずつ上つて参りまして、昭和三十二年度の状態を見ますると大体二割程度上るのではないかというふうになつておりますが、これはいろいろな過程が入つておりまして、正確な数字だとは申上げませんが、大体の見当を示したものでございます。
  55. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると、三十二年度になつて予定の電源開発が進んで行きますと、それに関係する部分として今の料金の二割程度は上げなくちやならん、特に全国平均におきましてね……、そういうふうに理解していいのですね。
  56. 森誓夫

    説明員森誓夫君) さようでございます。
  57. 結城安次

    委員長結城安次君) 今予算委員会のほうから大臣出席を要求されておるようでございますから、どうぞ特に大臣でなければいけない質疑を今先にお願いしたいと思います。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 そこで話はもう一度元へ戻るわけですが、電気事業の独立採算による自主経営という、この考え方が今通産大臣が言われましたことと、只今電力事業者が主張しておることとの間には、相当な隔りがあるように私は考えるわけであります。たとえて申しますと、水火力の調整金のごときは、もうなくしてしまいたい。これは五カ年間になくする、漸次なくすることに約束ができておるのでありますが、これはなくすればするだけ今の諸条件から言えば地域差は、拡大されて、今日のままに置いておいてもなお且つ地域差は拡大する虞れがありますから、取ればなお更拡大して行きます。そういうようなこと、水火調整金をなくしてしまうということが、電気事業の独立採算的自主経営であると、こういう工合電気事業者のほうでは考えておる向きがあります。通産省のほうではそうでない。こういうことになりますと、ここに電力行政の監督をするものとせられるものとの間に、思想的に大きな、私は隔りがあると思いますが、その点はどういう工合にして今後指導されて行くか。現にそういうような考え方を持つておりまするために、電気事業者のほうにおいては再編成後には電力行政の監督は成るべく開放せられて、本当に自由企業と同じようにやつて行きたい、こういう空気が極端に言えば出ておるようでありますけれども、その間をどういう工合調整されて行くか、これがやはりいろいろな電気事業に対する問題の私は根本になつていると、考え方の相違が根本になつていると、こういう工合考えます。通商産業省としては再編成後こういうような根本の問題について、政府としても、通産省としてもはつきりした見解を明らかにせられたことは一回もないと私は思うのでありますが、これもやはり電気事業の今日のいろいろな問題を昏迷にしておる一つの大きな理由であろうと思いますから、この点を一つ明白におつしやつて頂きたい。
  59. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 私ども電気事業に対する根本的な考え方は純民営のものとして許したものであるから、企業者としての自主性については、又私益性についてはこれを或る程度認めまするが、併し電気事業そのものがすでに公益事業でありますから、従つてこの公益面についての監督は十分にこれをいたさなければならんと考えております。従いまして、更に言葉を換えて言いますると、公益事業公益性と私企業である意味の私益性、この間の調整を図りつつ事業の進展を図つて参りたい。更にもう少し具体的な言葉で申しまするならば、料金その他の監督権は、いわゆる委任許可権は通産省の手で持つておりまするし、又今後持つて参りますし、更に各種の公益事業として必要でありまするところの監督はこれを緩めない考え方を持つております。従いまして、例えば利益配当その他の問題につきましても、そういつた見地からものが割出されまするから、この純民間事業で或るものは三割も五割も配当したという実例もございまするが、この種の企業にはそういうことは私どもは結果として出て来ないだけの監督を十分して参る考えでおります。
  60. 栗山良夫

    栗山良夫君 公益性私益性調整を図ると言われましたけれども、そのやはりウエイトの置き方というものが問題になろうかと思うのです。電気事業全体を考えた場合には公益性を強要する理由もあるわけで、それは全事業でなくてもいいという考え方を私は持つておるのですが、例えば先ほど大口の需用などは自由にしたらどうかという話がございましたけれども、私はこれも一つのやはり考え方だと思うのです。大体においては公益性のほうが私益性よりも尊重されて行かなければならんじやないかという工合考えるのでありますが、大臣はやはり公益性私益性との大体同じようないわゆるウエイトを置いて今までやつて来たと大して変りない電力行政でやつて行く、こういうようなお考えなのでしようか。
  61. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) どうもウエイトをどうするかという問題は、そのときどきの実は事情にもよつて多少の変化があることかと考えます。つまり私企業として完全に成立つて行く上におきましては資本を収集するとか、言葉を換えていうと株式の払込みをするとか、増まをするという問題がいろいろ起つて参ります。さようなときには少し私益性の点を見てやりませんと、その企業の健全な発達がむずかしいのではないか、併しすでに相当な発達を、形態を備えているものにつきましては、もつと利益がそれで上つて来るようなものにつきましては、このときは公益性のほうにウエイトを置きまして監督を厳重にして参る、こういうことに分れて来るのじやないか。理論としては例えば公益は私益に優先するか、私益は公益と相並んで行くか、こういうような理論的な問題につきまして言うならば、ただ私どもはこれは調整するということしか申上げられません。現実の問題について申上げますならば、これはそうむずかしい問題ではなく行けるのではないかと思つております。
  62. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからお急ぎのようですからもう一点だけ伺つておきますが、それはこの法律案によりますと、電気事業法の改正に対して審議会を設けて研究をすると言われたのでありますが、その研究をする主要題目等も先ほど伺つたのでありますが、それによりますと、やはり地域独占をどの程度に今後強化するのか、緩めるのか、或いはその他復元の問題、或いは再編成そのものを論議するというようなことはこの審議会ではしないので、再編成の理念の下に審議会の運営をやつて行きたい、こういう工合にお述べになつたのでありますが、審議会としましては、電気事業電気事業法が唯一の監督法だとするならば、今枠外にされたような問題も全部引くるめて一本で抜本的な解決をされることがやはり必要ではないかと私は考えておりますけれども、そういう御意思はございませんか。
  63. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) この問題につきましては、先ほど申しました通り、すでに決定しておる九分制の問題とか、復元問題を論じますことは却つてこの問題を紛糾させ、まだ出発して以来日が浅いものを又動揺さすこと等にもなりますので、こういつた問題はこちらから進んで諮問しない、審議会には諮問しないという考え方を持つておりまして、審議会で諮問するのは供給地域独占の問題とか、或いは施設供与の問題とか、地帯間の電力融通の問題とか、或いは料金地域差調整の問題、つまりそういつたような現段階における各種の起つて来る問題について御審議を願おうと思つていますので、すでに決定した根本問題についてはこれは御諮問をいたそうとは実は考えておらないのであります。但しその委員会等で御意見が出来ますれば、その御意見についてはこれを承わつておくことはもとよりこれは当然であります。
  64. 栗山良夫

    栗山良夫君 まだこれに関連した項目質問申上げたいのでありますが、お急ぎのようですから次回に譲ります。  ただ、大臣に重ねて御所信を伺つておきたいのは、電力行政が再編成後どちらかと申しますと、少しとまどいをしておるような恰好のように私は見受けているのです。それで通産省として或いはできんなら閣議決定でもいいのですが、そういうような恰好におけるはつきりした態度というものをですね、表明されていないわけです。少くとも先ほど言葉の上ではあなたは非常に巧みな表現を使われたけれども、再編成或いは公共事業令ができたときには電源開発促進会社を始めるという構想は全然なかつたわけです。なかつたというよりは電源開発をやるためにこそ再編成をし公共事業令を施行するのだということですが、あれと電源開発とはイコールになつておつたのです。又復元の問題も、再編成が施行されたときに現在の日本の電気事業を九つに割つて完全な地域独占を許すのだということが前提になつているが、復元の前提にはなつていない。こういうふうに内容的にその後変化をして来ておるが、政府はどういうような所信を持つているか明らかになつていない。従つて私はまだ二、三項目が残つておりますけれども、今申上げましたような根本的な問題を通産省一つ整理されて、そうしてその所信をもう少し明らかにせられて、政府の所信として私はやはり国民に発表せられる必要があるのではないか、こういう工合考えますけれども、そういう御用意はございませんですか。
  65. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) 只今のところ何らそういう用意はいたしておりませんが、御意見を伺つてみて大変私ども大きないろいろ示唆を受けた点がございます。又今お話のような工合に、どういうふうに電力行政をして行くかということでとまどいしておるところがあつては、これは非常にとらんところでございますから、至急私ども研究してみまして、そうして以後お話のようにこれを閣議決定に持つて行くべきだとするならさように持つて参ります。いずれにしても御迷惑になつている点がありますれば、できるだけこれをはつきりさせたいと思います。ただ私就任して日も浅いためにまだ私が存じません点がありまするので、もう少し日を私にかして頂きますれば、十分御期待に副うようにいたしたいと思います。
  66. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあ会期はだんだんと迫つて参りましたけれども、これは成るべく早い機会に一つ、先ほど大臣のお考えは一応伺つたのでありますけれども、私はそれではまだ未成熟だと思いますので、もう少し掘り下げてまとめたものを一つ一応お示しを願いたいと思います。
  67. 結城安次

    委員長結城安次君) ほかに大臣に……。
  68. 島清

    ○島清君 私遅れて参りましたので、或いはどなたかお聞きになつたかも知れませんが、若し御答弁になつておれば御答弁の必要はありません。あと速記録を読ませて頂きますが、今栗山君が質問をされました問題と関連してでございますが、この私企業面と公益面とを調整して行かれるというような御答弁でございましたが、私はこれは九分割をとやかく申上げるわけではないが、少くとも今度のストライキを通じまして公益面が害されたと言えるのではないかと私は思う。ところが政府の今の御答弁ですが、少くとも私企業面と公益面との調整の不可能とまでは申上げないまでも、少くとも公益面と私企業面との調整の不完全性と言いますか何と言いますか、そういうものは事実が立証しておると思うのです。それにつきまして、今大臣の御答弁の結論として何かお考えがあるかどうか、それを承わりたい。
  69. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原九郎君) すでにお答え申上げたと思いまするが、これは私どももまだこの今のような私企業に、純然たる民間事業電力事業が移つてからは日が浅いものでございますので、従つてこれらのことを十分見極めた上で、それで私企業の一方では私益性と言いますか、又電気事業本来の公益性、それで両方がまあ電気事業は一方では健全に発達して行くのだということ、こういうこと、又他方にはこれを需用している需要者の保護と、こういつたような点等からいろいろ調整を図りたいと思つているのでございまして、今回のストのごとき問題は、これは幸いに近くもう自主的に私ども解決さるることと、固く労使双方の常識の下に解決されることを固く信じておりますが、併しこれが公益性を非常に害する場合には今のような緊急調整等の問題の発令等を見ますので、そういう問題もございまするので、かたがたこの間の、これ一つを以て直ちに今までの電気事業に対する方針を変えて行くというところまでの実は結論には達しておりませんので、併しこういつた実例等も併せ考えまして、それから又公共事業令の一年有半運用しましたその実例等もよく勘案いたしまして、更に今度の法令改正審議会等にいろいろお話をいたしまして、立派な一つ電気行政をやつてもらいたい、かように考えている次第でございます。
  70. 結城安次

    委員長結城安次君) 別に大臣に対して御質疑がなければ……あと小平政務次官、森技術長も残つておりますから、御質疑を願います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  71. 結城安次

    委員長結城安次君) 速記を始めて、経安のほうで明十九日午後一時から中小企業金融に関して参考人を多数おいで頂いて事情を聞くそうでありまするが、過般中小企業金融に関する決議案まで出した通産委員会としては、これをやはり同時に聴取しておく必要があると認められまするので、連合委員会を申込むことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 結城安次

    委員長結城安次君) では申込むことにいたします。  それから次に、先般取りきめました二十二日の経安通産連合委員会における参考人は開銀総裁小林中氏は所用のため当日出頭し難い、見返資金の担当理事者梅野友夫氏を代理として差出したいという申出がありましたが、如何いたしましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 結城安次

    委員長結城安次君) それではそういうことにいたします。  それから野田卯一氏は当日先約があるために午前中だけ出席するということですが、如何いたしましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 結城安次

    委員長結城安次君) それでは野田氏に対する質問は午前中にできるように皆さんにおいて御用意願いたいと思います。  それから松本蒸治氏は風邪と血圧のため出席し難い、松永氏はお見えになるようですから、これで御了承願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 結城安次

    委員長結城安次君) それから当日の議事進行に関する件でありまするが、参考人の多数出席がありまするので、議事を取進めるために、委員長から各項目を作つて総括的に質問しまして、それに対する答弁を一応求めて、それに関連して委員の各位から御質問願うということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 結城安次

    委員長結城安次君) では、そういうことにいたします。  それから農林委員会に付託になつおります農山漁村電気導入促進法案は、農林と通産との二重監督の虞れがありまするので、連合審査を申入れる必要があると存じます。さよう取計らつてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 結城安次

    委員長結城安次君) それではそういうことにいたします。  本日はこれで閉会いたします。    午後三時五十九分散会