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1952-12-18 第15回国会 参議院 通商産業委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年十二月十八日(木曜日) 午後二時十九分
開会
出席者
は左の
通り
。
委員長
結城
安次
君 理事
栗山
良夫
君
委員
古池 信三君
小滝
彬君
左藤
義詮君 松平
勇雄
君
高橋龍太郎
君 島 清君 西田 隆男君 石川 清一君
委員外議員
経済安定委員長
境野
清雄
君
国務大臣
通商産業大臣
小笠原
三
九郎
君
政府委員
通商産業政務次
官 小平 久雄君
通商産業省重工
業局長
葦澤
大義君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
説明員
通商産業省公益
事業局長
森
誓夫君
————————————— 本日の会議に付した事件 ○
織物消費税法
の
廃止
に伴う
特別措置
に関する
法律案
(
境野清雄
君外五十 四名
発議
) ○
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関 する
法律案
(
内閣送付
) ○
武器等製造法案
(
内閣送付
) ○
連合委員会開会
の件 —————————————
結城安次
1
○
委員長
(
結城安次
君) それでは
只今
から
委員会
を
開会
いたします。 先ず第一に、本日の
議題
と
なつ
ております
織物消費税法
の
廃止
に伴う
特別措置
に関する
法律案
、この
提案理由
を
境野清雄先生
からお伺いいたします。
境野清雄
2
○
委員外議員
(
境野清雄
君)
只今議題
となりました
織物消費税法
の
廃止
に伴う
特別措置
に関する
法律案
の
提案理由
を御
説明
申上げます。 いわゆる
シヤウプ勧告
に基く
税制改革
の一環として、
昭和
二十四年十二月二十七日
法律
第二百八十五
号織物消費税法等
を
廃止
する
法律
が公布せられ、
昭和
二十五年一月一日から施行せられたことは周知の
通り
であります。 然るに
織物消費税
はいわゆる
庫出税
でありました
関係
上、
税法廃止
当日における
販売業者
の
手持品
についてはその全部、
生産業者
の
手持品
についてはその大部分が
納税済
であつたわけであります。而して
当該業者
はその
手持品
の
販売
に当りましては、
無税品
の出廻り、又は出廻り期待のため市場の
買控え
に対処するために、少くとも
税額相当
の
値引
を止むなくせられた
状態
であ
つたの
であります。 一方、
昭和
二十一年九月、絹織物、
人絹織物
及び毛織物の
消費税
が従来の
従価一割
五分から四割に引上げられました際には、
政府
は
生産業者
及び
販売業者
の
手持品
、
在庫品
を厳格に調査いたし、その
税差額
を徴収して参つたわけであります。
税率引上げ
に際しましてはその
差額
を徴収し、
引下げ
又は
廃止
によ
つて
、現にそれがために
関係業者
が莫大な
損失
を蒙り、
相当数
の
倒産者
をも生ぜしめた
事態
に対して、何らの
措置
を講じないということは、理論上から申して不合理と申さなければなりません。殊に、
昭和
二十五年十一月
法律
第二百五十二
号酒税法
の一部を
改正
する
法律
の
実施
により、
酒税
の
税率引下げ
が行われました際、
製造業者
及び
販売業者
の
手持品在庫品
について、それぞれ
既納税額
と
現行税額
との
税差額
について戻
税措置
がとられた事例もあり、更に、
昭和
二十四年度産
米供米報償用
として各
都道府県農業会
が
政府
より配給せられた諸物資のうち、綿布、タオル、
作業衣等
の
繊維製品
が爾後の
市価低落
に伴い著しい欠損を来したため、
昭和
二十五年末より同二十六年初頭にかけて数次に亘り総額五億七千万円を各
農業会
に補償いたした先例もある次第であります。 従いまして、
織物消費税廃止
に伴い、その戻
税規定
も当然
廃止
と相成りましたため、同
法廃止
の
昭和
二十四年十二月三十一日午後零時現在において保有いたしておりました
生産業者
の
既納税在庫品
及び
販売業者
の
税込手持品
の
税額相当分
を
損失補てん額
として払戻しせんとするものであります。 何とぞ慎重御
審議
の上御賛同賜らんことをお願いいたします。
結城安次
3
○
委員長
(
結城安次
君)
只今発議者総代
として
境野清雄先生
から御
説明
がありましたが、
皆さん
の
本案
に対する御
質疑
の御
研究
もまだ済んでおらんかと思いまするが、この次に御
質疑
いたしたいと思いますが、如何でございますか。或いは
本案
全体についての
趣旨
、
精神等
について又御
質問
があれば……如何でございますか。
栗山良夫
4
○
栗山良夫
君 私はこれを
質問
或いは
論議
する前に、
資料
を
一つ提案者
のほうにお願いしたいのですがね。それはこれだけの
金額
を
支出
する
法律案
に
なつ
ておりますけれ
ども
、その
内容
については
大臣
のほうで以て殆んど
委任立法
みたいな形に
なつ
ているわけであります。
従つて
それでは
ちよ
つと私
ども
も
審議
のしようがありませんので、この
昭和
二十五年一月一日午前零時現在においてこの
法律案
の
対象
に
なつ
た品物の明細ですね。細かくは必要ないと思いますが、
国税局別
にどの
程度
の
消費税
が納められてお
つたの
か。これを
一つ国税局別
くらいの
金額
を
一つ
出してもらいたい。 第二に、そういうような既往に遡
つて
の
対象物件
というものは、どういう
根拠
を持
つて
認定
をせられたのか。
認定
の方法、或いはその
認定
の
根拠
ですね。そういうものをこれはやはり明らかにしてもらわなくちやいけない。それからこういうものは若し
通つた
とすれば
予算措置
は一体どうなるか。 更にこれは
委員長
にお願いしておきますが、
大蔵委員会
とのやはり
連合委員会
が必要かと思います。それから通産、
大蔵当局
の意見をやはり聞く必要がある。まあ慎重
審議
一つ
お願いいたします。
境野清雄
5
○
委員外議員
(
境野清雄
君)
只今
の
資料
につきましては、次の
委員会
までに早速提出するように手配いたします。
結城安次
6
○
委員長
(
結城安次
君)
皆さん
にお諮りいたしますが、この
法案
は
只今栗山委員
から御
発議
の
通り予算措置
、或いは税の
関係
その他ございますので、それらの
関係
は
大蔵委員会
にかか
つて
おりますので、
連合委員会
を
大蔵
としなければ、結局はここだけで
審議
しても無駄になるかと存じますので、
大蔵
との
連合委員会
を
開会
することに申入れしたいと思いますが、如何でございましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
7
○
委員長
(
結城安次
君) それじや
委員長
のほうから
大蔵委員会
に向
つて連合委員会
を要請いたします。
只今
の
資料
はこの次までに御提出願うといたしまして、次に
大臣
が
参議院予算委員会
で今どうしても手を引けんそうでありますが、二時半には出たいと言
つて
おりますので、それまでの間、今日の議案第二の
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
(
予備審査
)、これを
前回
に引続いて……。
小滝彬
8
○
小滝彬
君 この
織物消費税法
の問題はあれですか、この次この
委員会
だけで
資料
をもら
つて
討議をして、その
あと
で
連合委員会
をするのですか。むしろこれは
大蔵委員会
と非常に
関係
があるから、早速
連合委員会
に……。
結城安次
9
○
委員長
(
結城安次
君) いや、
委員長
は
只今
そういうつもりで
大蔵委員会
に
連合委員会
申込むというつもりであります。
小滝彬
10
○
小滝彬
君 わかりました。
結城安次
11
○
委員長
(
結城安次
君) それでは
前回
に引続きまして、
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
、これを
審議
いたします。それから
石原公益事業局長
は今日電産の問題で今どうしても
ちよ
つと手を引けんそうでございますので、政務次官と
次長
が参
つて
おります。
公益事業局森次長
及び
技術長吉岡俊男
君が
出席
しておりますので、御
質疑
お願いいたします。じやあどうぞ御
質疑
をお願いします。御
質疑
ございませんか……。
栗山良夫
12
○
栗山良夫
君 私、
前回大臣
の
出席
のときに、この
法律案
の
質疑
をいたす前にいろいろ御
準備
を願うように頼んでおいたのですが、それが
資料
のような恰好で前以て御
説明
が願えるならば御
説明
願いたいと思います。どういうことに
なつ
ていますか。
速記
をやめて……。
結城安次
13
○
委員長
(
結城安次
君)
速記中止
。 〔
速記中止
〕
結城安次
14
○
委員長
(
結城安次
君)
速記
を始めて。
栗山良夫
15
○
栗山良夫
君 実はこれに
関係
する問題として
相当
前になりますけれ
ども
、
電力
九
会社
の
原価
と、実際の
実績
の
収支
の
状況
がどう
なつ
ているかということについての
説明
を願いたいということを申上げてありまして、
石原公益事業局長
が、できているからいつでも
説明
するというお話だ
つたの
ですが、それがまだ
説明
を頂いておりません。それから
前回
のときには、私はこの
臨時措置法
を
質疑
する場合にも基本的なものとして再
編成
後の
電気事業
について、好ましい点、好ましくない
点等
を
相当
日数が経過いたしましたから、具体的に
電力行政
の面から見ていろいろな問題が出ているだろうから、そういうものを
一つ整理
をして、具体的に示して頂きたいというお願いもしてあつたはずなんです。特に、その後再
編成
が断行された当時とは大部違いまして、新たに
立法措置
によ
つて電気事業
にいろいろな問題が発生しております。又発生しようともしたわけでありますから、そういつた問題に対する基本的な
考え
方も併せて伺いたい、こういうことを申上げたのであります。まあ尤も
質問
の途中で返事を頂いてもいいのですけれ
ども
……。
森誓夫
16
○
説明員
(
森誓夫君
)
只今栗山委員
から御
質問
のありました
電気事業
の
原価
及び
収支
の
状況
につきましては、これは
公益事業局長
が参りましてからお答えいたすことにいたします。 再
編成
後の
電気事業
の面に
公共事業令
が如何なるよい
効果
をもたらしたか、或いは又悪い
効果
をもたらしたか、或いは
開発会社
とか、或いは
復元等
の
問題等
と
電気事業
のあり方の問題との
関係
、そういうことにつきましては、本日
大臣
から口頭を以てお答えいたすことに
なつ
ておりますので、それによ
つて
御了承をお願いいたしたいと思います。
栗山良夫
17
○
栗山良夫
君 それじや
大臣
が
出席
されるまで
質問
を保留いたします。
結城安次
18
○
委員長
(
結城安次
君) かしこまりました。
ちよ
つと
速記
をやめて……。 〔
速記中止
〕
結城安次
19
○
委員長
(
結城安次
君)
速記
を始めて……。 それでは先ほどの
電気ガス
のを
ちよ
つと延べまして、本日第三に掲げられておりまする
武器等製造法案
に関する
提案理由
を御
説明
願います。
小笠原三九郎
20
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君)
武器等製造法案提出
の
理由
を御
説明
申上げます。
武器
の
製造
につきましては、終戦直後の
昭和
二十年十月十日より
ポツダム共同省令
「兵器、
航空機等
の
生産制限
に関する件」によりまして全面的に禁止されておりましたところ、この
ポツダム共同省令
の
改正
により本年四月九日から
武器
の
製造
は例外的に
許可
されるようになりました。特に本年五月頃から
駐留軍
の
武器
の
発注額
が
相当額
に上りましたため、いわゆる特需としての
武器
の
製造
は、漸く活溌と
なつ
て参りました。然るに先に述べました
ポツダム共同省令
は、本年十月二十四日を以
つて
失効したため、その後の
武器
の
製造
については
法的規制
がなくなり、
公共
の安全を維持するために何らかの
措置
をとる必要を生じて参りました。而もこの間にあ
つて関係業界
の受注に対する熱望は、ややもすると
濫立
の
弊害
を示す傾向さえ見受けられる
事態
に立ち至
つて
おります。このような情勢に鑑みまして、速かにこの法の
空白状態
をなくしますと共に、
武器生産
の
混乱
から来る
国民経済
への悪影響を避けるため、
武器製造事業
について
規制
を加える必要があると
考え
、ここに
武器製造案
を提案いたしました次第であります。以下この
法律案
の主な点につきまして大略を申述べます。 第一にこの
法律案
は、
公共
の安全を確保するため、
武器
及び
猟銃等
の
製造販売
その他の
規制
を行うだけではなく、
武器製造事業
について
国民経済
との均衡を失わしめず、この
事業
の
濫立
による
弊害
を排除し、或いは又海外に対する
政治的配慮
などの
理由
から、余りに
製造能力
が過大となることは厳に抑えなければなりませんので、
武器製造事業
は
許可
を要することとし、その
製造能力
を
必要限度
にとどめることにしました。 第二に、この
法律案
の適用を受けるものは、
武器
については
銃砲
、
銃砲弾
、
爆発物等
、
公共
の安全を確保しますと共に
事業
の
調整
を行う必要が特に大きいものに限定し、又
猟銃等
については
公共
の安全の確保という観点から選定いたしました。 第三に
武器製造事業
の
許可制
と併行して、
武器
の
製造
、
販売等
を行う者の
契約
の
内容
を届けさせ、
契約
が不当なものであるときには戒告することができることにして、不
公正競争
が生ずるのを防ぐことといたしました。 以上がこの
法律案
の
提案理由
及び主要な
内容
の概略であります。何とぞ慎重御
審議
の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
結城安次
21
○
委員長
(
結城安次
君)
只今大臣
から
提案理由
の御
説明
がありましたが、本
法案
は五章三十五条に亘る
相当
大きな
法案
であり、且つ
相当
に
権利義務
に関する
制限等
もありまするようですから、又
内容
をよく御熟読の上御
質疑
を願うとして、本日は
趣旨
の
説明
を
伺つた
だけにしてよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
22
○
委員長
(
結城安次
君) ではさよういたします。
結城安次
23
○
委員長
(
結城安次
君) 引続いて
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
を
審議
いたします。 先ほど
森次長
から、
大臣
が参りまして御
説明
するというあの件に関して御
説明
をお願いいたします。
小笠原三九郎
24
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君)
栗山委員
の御
質疑
に対してお答えいたします。
審議会
は
法案附則
第五項で示されておりまする
通り
、
法令改正
に関する
重要事項
を調査
審議
する
諮問機関
であります。本
審議会
につきましては、
公共事業令
の一年有半に亘る運用を通じ、問題として残
つて
おる点、例えば
供給地域独占
の問題、託送及び
施設供与
の問題、
地帯間電力融通
の問題、
料金
の
地域差調整
の
問題等
々を
審議
願おうとするものであります。而して
電気事業法案
は
電気事業
の
公益性
と
私益性
との
調整
を通じまして、
電気事業
の健全なる発達と
需用者
の保護を図るという構想には変りはないのであります。従いまして
法案附則
第五項の解釈上は、九分割や
復元
問題についても再検討するものと
考え
られるのでありまするが、当
審議会
に対しましては、こういう問題について諮問する
考え
はないのであります。
電気事業
の
企業形態組織
の問題は、再
編成
が結成された際にもいろいろな案があり、それぞれ尤もな点もあつたと
考え
ますが、決定されましてからまだ日が浅く、これを再度改変いたしますることは徒らに
混乱
を生ぜしめまするので、その時期ではないと
考え
まするし、又再
編成
、
復元問題等
は単なる
法令改正
の問題でもなく、まさにそのこと自体が基本的な重大問題でもあり、
別個
の
法律
乃至
別個
の
審議会
で論ぜらるべきものであると
考え
るのであります。前述のような問題につきましては大いに
論議
を尽し、
改正
すべきものは
改正
いたしたいと存ずる次第でございます。次に
お尋ね
の
電気事業
再
編成令施行
後の
電気事業
の
功罪
について申述べますると、
電気事業
再
編成
の
実施
は
電気事業
の
民主化
がその基本的な狙いであり、
公共事業令
は
電気事業
の
民主的運営
を通じまして、
公益性
と
私益性
との
調整
を図り、
電気事業
を健全に発達せし
むることを基調
としていたことは御
承知
の
通り
でございます。
電気事業
再
編成
後一年半に過ぎざる現在、その
功罪
を早計に論断することはいささか不適当でありまするが、私は現在までのところでは、
電気事業
の十余年の
国家管理体制
を脱却せしめ、
企業的自主性
を回復せしめ、
民主的運営
に委ねることは適当であつたと
考え
るものであります。即ち
電力会社
の
経営者
は、
日発配電時代
に比べて
企業意欲
が振起されており、問題を自主的に解決せんとする気持を持
つて
いることは喜ばしい次第であります。
電源開発
につきましても当時に比し
地方
の実情に即した計画が活溌に
実施
されておると
考え
ます。又
日発配電
当時は
業者
間で機構と
人員配置
の上で重複しておる点、例えば
日発支店
と
配電本社
、
日発地方本社
と
配電支店
が多か
つたの
でありますが、現在は
相当
是正せられていると認められるのであります。併しながら現在の
電力会社
の
業務運営
につきましては、サービスの
点等
につきましてもまだ不十分と認められる点が
相当
ありますることは、誠に遺憾でありまして、当省といたしましても今後十分に監督し、是正を図りたい所存であります。なお現在
供給地域
の
独占
、
水火力調整金等
、種々
論議
の爼上に上る問題が残
つて
おるのでございまするが、これらにつきまして、
電気
及び
ガス関係法令
の
改正
の機会におきまして、慎重に検討を加えて妥当な
結論
を得たいものと存じておる次第でございます。 更に
政府
は
電気事業
再
編成令
による現在の
電気事業組織
の
建前
を崩すべきではないというか、
電源開発促進法
による
電源開発株式会社
の
設立
と矛盾するのではないか、こういう
お尋ね
に対しましては、
電源開発促進法
は御
承知
の
通り
に、
電力会社
の
実施
しがたい大
規模
又は
実施
困難な
電源開発
を促進する目的で制定せられたものでございまして、
電源開発株式会社
が
開発
した
電力
は、
電力会社
に
設備もろ
とも吸収されるか、又は
電力会社
を通じて配電される旨、
法律
上明らかに定められており、
電気事業
再
編成令
の
建前
と矛盾するものではないと存じます。なお
電気事業
再
編成
に当り、立案の
基本方針
として
閣議了解
を見ました
電気事業
再
編成要綱
においても、只見川のような大
規模
な
電源開発
、その他
開発
困難な
地域
の
開発
につきましては、別途の
措置
を講ずる旨を謳
つて
おる。
電源開発促進法
による
電源開発会社
の
設立
は、
電気事業
再
編成
の
建前
を崩すものではなく、むしろその
精神
を補完したものではないかと
考え
ております。 更に
お尋ね
の
電気設備
復元
問題についてお答え申上げますると、
電気設備
の
復元
につきましては、
先国会
におきまして
議員立法
として上程されたこともありまするので、
政府
といたしましても、今後十分
研究
を進めたいと存じておりまするが、目下のところではまだ
結論
を得ておらん次第でございます。
結城安次
25
○
委員長
(
結城安次
君) 御
質疑
はございませんか。
栗山良夫
26
○
栗山良夫
君
大臣
に
ちよ
つと御
質問
する前に、
只今
頂いた二十七年度上期
電力会社
損益明細並びに
利益金処分表
というのがございますが、これの御
説明
をして頂きたいと思います。私がお願いしましたのは、これと今年の春行われた
電気料金値
上のときに
計算
をせられた基礎に
なつ
ておる
原価
との
比較
を頂きたい、そういうことを申上げたわけであります。その問はどういう
工合
に
なつ
ておりますか。
森誓夫
27
○
説明員
(
森誓夫君
) お手許には
原価
との
比較
を併せ書いた
資料
をお届けしてございますが、私のほうの
資料
で申上げます。
全国合計
のところで、簡単に申上げますると、
収入
の欄で、
電燈料
は
原価
に対して
原価
九九・五%に
なつ
ております。それから
電力料
のほうは一〇〇・六%に
なつ
ております。その他の
収入等
も加えまして、総合して
収入
は一〇二%ということに
なつ
ております。
支出
の欄では大きい
項目
について
比較
を申上げますると、先ず給料、手当についてでありますが、これは一一一・三%に
なつ
ております。
原価
に比べまして
実績
が多く
なつ
ております。次に
燃料費
についてでございますが、これは
豊水
であつた
関係
上、
原価
織込みに対して六八・五%に
なつ
ております。
あと
は細かい
項目
でございますので、内訳は省略いたしまして、
支出合計
について申しますると、
実績
は
原価
織込みの一二〇%ということに
なつ
ております。それで
収支
の差引の
比較
におきましては、
実績
は
原価
織込みの六二・二%ということに
なつ
ております。大体大きい
項目
について申上げました。なお又これは
会社別
にも
資料
ができておりまするが、御
質問
に応じましてお答えいたします。
栗山良夫
28
○
栗山良夫
君 私が伺いたいのは、
会社別
のほうが問題になるのですが、
収入
と
支出
とは大体額がそう大して距
つて
おりませんから、
収入
のほうでも結構ですから、
会社別
のパーセンテージを
ちよ
つとわかりましたら……。
森誓夫
29
○
説明員
(
森誓夫君
)
北海道電力
は
実績
は
原価
織込みの九七・二%、
東北電力
は同様の比率で九九・四%、東京
電力
は一〇六%、
中部電力
は一〇六・七%、
北陸電力
は一〇六・五%、
関西電力
は九九%、
中国電力
が九七%、
四国電力
は九九・二%、
九州電力
は一〇三・五%ということに
なつ
ております。
栗山良夫
30
○
栗山良夫
君
支出
のほうもついでにお願いします。
森誓夫
31
○
説明員
(
森誓夫君
)
北海道電力
九八・八%、
東北電力
九六・六%、東京、
電力
一〇三%、
中部電力
一一四・八%、
北陸電力
一〇三%、
関西電力
一〇五%、
中国電力
九三・四%、
四国電力
九七・五%、
九州電力
一〇三・二%、以上であります。
栗山良夫
32
○
栗山良夫
君
只今
の御
説明
を聞きますと、
料金
の
原価計算
というものは非常に理想的に
各社
とも行われたように一応伺うわけですが、この中で
一つ
疑問が起りますのは、非常に多額に上る
燃料費
が六八・五%に過ぎなかつた。要するに水が非常によく出たということでありますが、それでなお且つ
支出
が
相当
に
原価
と開いておるわけでありますが、そうするとどこかそのほかに
原価
よりとび離れて多額に
支出
されたものが中にあるわけですか。
森誓夫
33
○
説明員
(
森誓夫君
)
只今
申上げませんでしたが、
支出
の中に
渇水準備金
を別途計上いたしてあります。この
金額
が四十一億五千七百万円という額に上
つて
おります。なお補足さして頂きたいのでありますが、
只今
申上げました
収入
の
原価
の
金額
は、新
料金
が四月の初めから適用されたものとして計上をいたしたものであります。
栗山良夫
34
○
栗山良夫
君 そうすると、大体常識的には
北海道
から
九州
まで
収支
の
状態
は同じような水準で
実績
を挙げ得たというふうに理解してよろしうございますか。
森誓夫
35
○
説明員
(
森誓夫君
) まあどの
会社
もそう
原価
と
実績
とが大きい
開き
がありませんが、ただ大観的に申上げますると、
水力地帯
のほうが割に
実績
がよろしい。それから
火力地帯
のほうが割にまあ
実績
が悪い。
九州はちよ
つと例外に
なつ
ておりますが、大勢はそんなところですが、大体において
原価
と
実績
とがそう大した
開き
がないというふうに収ま
つて
いると見てよろしいかと思います。
栗山良夫
36
○
栗山良夫
君 過日来のいわゆる電産の
争議等
の場合には、私
ども
が外から窺
つて
いると、
北海道
から
九州
まで
各社
において非常に大きな
企業
の
格差
があつたような
工合
に言われておるのですけれ
ども
、今の数字を伺うと、どうもそういう
工合
に私
ども
理解できないのですが、その
関係
は
通産省
としてはどういう
工合
にお
考え
に
なつ
ておるのでしようか。
森誓夫
37
○
説明員
(
森誓夫君
) 我々が持
つて
おりまする
資料
はこの
資料
でございまするので、この
資料
から見ますると、そうひどい
格差
があるということは明瞭に
結論
できないのでございまするが、
会社
としてはおのおの
企業経営
の内部におきまして、それぞれの
一つ
の
やり方
について或る自信を持
つて
おるとかいうことがあ
つて
、それによ
つて態度
を変えておると思うのでございまするが、併しそのほかにも
考え
られますることは、
需用構成
がいろいろ違
つて
おりますとか、或いはまあ
豊水等
を
相当
期待しているものがあるかも知れないとも思われまするが、併しこれらはいずれも
各社
のそれぞれ独自の
見方
をしているのでございもして、我々としてこれが客観的にそういう
見方
が正しいということは保証いたしかねると存じます。
栗山良夫
38
○
栗山良夫
君 その
各社
が主張したその立場というものが全部正しいというような
工合
には
通産省
ではまだ
考え
ていないと、こういうことですか。
森誓夫
39
○
説明員
(
森誓夫君
) 計数から見ました場合には、十分その
説明
はできかねるところがあると
考え
ます。但し
各社
それぞれ
企業努力
の
やり方
によ
つて
、それぞれの見込みによ
つたの
であろうというふうに
考え
ておるわけです。
栗山良夫
40
○
栗山良夫
君 私の伺
つて
おりますのは、この
原価
に
比較
して著しく標準の率、いわゆる一〇〇%から上廻るほうは別といたしまして、下廻るものがあれば、
料金
のきめ方が悪かつたとか、惑いはその他いろいろなことが言えるのでしようけれ
ども
、今の御
説明
を聞くと、著しく下廻つたものはないのですね。それですから、
従つて
私は
料金
のこの前の
査定
というものはほぼ
理想通り
に
行つたの
ではないかということを申上げておるので、そういうふうに
各社
の
企業差
がないような場合に、大体うまく
料金
の
査定
ができたのではないかと、そういう
工合
にあなたのほうでお認めになるかということを申上げておるのです。
森誓夫
41
○
説明員
(
森誓夫君
)
料金
の
査定
は、先ず結果から申しまして大体において妥当であつたということを我々はこの
実績
から
考え
ております。
栗山良夫
42
○
栗山良夫
君 この
程度
の
企業差
というものは、私は日本発送電が現にあ
つて
、そうして殆んど完全に全国プールを経理的に行
なつ
ておつた当時でも、各
企業
内部の経営の含みというものがあつたと私は思うのですがね。その点のお
考え
は如何でしようか。
森誓夫
43
○
説明員
(
森誓夫君
) 私はここで昔の日発時代の経理のことにつきまして正確なお答えはできませんが、併しこの半期の
収支
の
原価
が大体において
各社
共そう経営の差を見せていないということにつきましては、若干申上げたいと思います。それは、まだ再
編成
後日が浅うございまして、それほど
企業
間の差が出ておりませんが、併しこれからだんだん
開発
等につきまして差ができて来るとか、或いは
企業努力
の点で
相当
差ができて来るということは、もう少し将来に目をいたしますると、必ずしも否定できないことであろうと
考え
ております。
栗山良夫
44
○
栗山良夫
君 そこで私は通産
大臣
に伺いますが、非常に今重要な
森次長
からの発言でありますが、伺
つて
おきたいと思います。それは、現在のところは再
編成
直後であるからして、こういう
工合
に九
会社
共ほぼ同じような
状態
で行けた。併し今後電源の
開発
とか、或いはその他
企業努力
等が
各社
によ
つて
違うので、
相当
に差が出て来るであろう、こういうことを言われたのですが、その差というのは
収入
面でも
開き
、私は又
支出
面でも若し開いて来るとすれば来ると思うのですね。そういう場合に、この
電気事業
の将来の経営のあり方ですが、独立採算による自主経営というものの限界をどの
程度
に置いてこの行政監督を指導せられようとしておるか、そこのところを通産
大臣
としての御信念を
一つ
承わ
つて
おきたいと思います。今の
森次長
のお話だと、完全な独立採算による自主経営を許すかのごとき私は印象を受けたのですけれ
ども
、そういうような恰好で自由
企業
としてお認めに
なつ
ておるのか、或いは
相当
なやはり行政的な
措置
を加えて行かれるのか、ここが私は一番問題点だと思います。
小笠原三九郎
45
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) 今
栗山
さんのお話の点は、私
ども
非常に重大な問題だと思います。つまりこういつた
電力
事業
の
公益性
に鑑みまして、
相当
な
規制
を加えることは今後も是非や
つて
参りたいと思いまするし、それからこの九分割をしたときの狙いでもありまする、当時としては
地域
差を或る
程度
置くことは止むを得なか
つたの
でありまするが、併しこの
地域
差をだんだん狭めて行くということは、これは今の
公益性
の点から見て私は是非やらなければならんものであると
考え
ております。
従つて
、それではこれをどういうふうにして狭めて行くかという問題になりますと、例えば問題の水火力
調整
金のような問題がありますが、あれに類似したような機構を考うべきであるか、或いはそれとも又別途の方法を考うべきかという問題につきましては、今後私
ども
一つ
案を練りまして、又御協議申上げたいと
考え
ておる次第でございます。ただ過日来非常に問題と
なつ
ておる収益力が違うところが又
電源開発
が行われるに
従つて
一層加わ
つて
来るかも知れませんので、それらにつきましては、いずれにしても
地域
差を増すような方向に持
つて
行
つて
は大変ですから、
地域
差を狭める方向に持
つて
行きたいと、これを私は根本の
考え
方といたしております。
栗山良夫
46
○
栗山良夫
君 よくわかりました。その
地域
差を狭める方向に持
つて
行くという
工合
におつしや
つたの
ですが、それと今
森次長
が述べられた将来の見通しというものは、自然的にやればこれは全く相反するような方向に私は進んで行くと思います。ますます
地域
差は拡大して行くと思いますがその間の
調整
を
政府
として本当におとりになるつもりなんですか、今までの
大臣
だとどうもその点はつきり伺えなか
つたの
ですがね。
小笠原三九郎
47
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) 私は
電気事業
の公益的性質からみまして、是非とも
地域
差というものを狭める必要があるということを痛感しておる一人なんですけれ
ども
、今申上げた
通り
に現在の段階では
相当
地域
差、収益
状況
が違いますので、止むを得ませんけれ
ども
、併しこれはだんだん狭めるほうへ持
つて
行くということは、これは私はそういう信念を持
つて
申上げておきますが、併し今後の通産行政をあずかるものも、
電気事業
というものの本質から
考え
たら、何人もそういうところへ私は
結論
が行くことと信じております。
栗山良夫
48
○
栗山良夫
君 そういたしますと、今はその間の
調整
を追加
調整
金で行
なつ
ているけれ
ども
、これが正しいか、或いは将来別途な方法で行くかは
考え
たい、こういうことをおつしや
つたの
でありまして、問題の要点にはお答え頂いたわけでありますが、更に申上げまするならば、
只今
各社
とも非常な勢いで
電源開発
を促進されておるわけであります。ところが、この
電源開発
の
開発
原価
というものは非常に高くついておる。恐らく
只今
電気事業
が持
つて
おりまする設備の再評価額の三倍或いは四倍の額に私は達するのじやないか、こういう
工合
に
考え
ております。そういうような多額な費用を投じて
電源開発
をやる。特に
只今
地域
差の高くついておるような
九州
とか中国、四国或いは
北海道
のような所は発電
原価
は更に私は高くなるだろうと思う。小
規模
で而も利用率の低い水を使うわけでありますから高くなる。そういうような所で
電気
を起しました場合に、必然的に資本比が私は嵩んで来ると思います。そういう資本比をそのまま各
会社
の経理へ流れ込ませてしまえば自動的にやはり
料金
は高くなる、こういうことになるわけですが、その辺のお見通しというものはどういう
工合
に
考え
られておられるか。
小笠原三九郎
49
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) 大体
栗山
さんのお話のように今後は
電源開発
の費用が
相当
高くかかりまするから、そういう費用の嵩む結果、電源コストが高くなることもこれは疑いないことと思います。併しながら例えば石炭を使
つて
おるものに対して
電力
を振向けることによ
つて
生産費を安くする工業その他もたくさんございます。それから又今の鉄道にしましても、今日の高い石炭を使わずに
電力
に変えますれば、もう少し経済的に行けるのじやないかと思われる節もあります。そんなようなこともありますから、もう少し先へ行きまして事情をよく勘案した上で、どうしても動力その他に振向けるものについても特別な考慮をいたさなければならん場合は、先般どなたでしたか、動力はもう自由にしたらどうかというようなお話も出たのでありますが、それはそういうことがいいのかどうかということは、私は動力につきましてもどうもまだ
電力
の今の
状況
からそういうことに直ちに御賛同申上げかねると申したのでありますが、動力の
電気
代金については特別に又考慮するというような方法もそのときにおいて
考え
られるのじやないかというふうにも
考え
ますので、いずれにしても
電源開発
によ
つて
今のような生産費の高いときに
電源開発
をやることで
電力
が非常に安くなるとは
考え
ませんが、併し必要な
事業
の方面にそれが余計振向けられるということによ
つて
ほかの
電力
のほうをそう上げんでもいいのではないかというふうにも
考え
ております。併しどうもまだ私の
研究
は熟しておりませんから、一応の私の
考え
方を率直に申上げる次第です。
栗山良夫
50
○
栗山良夫
君
只今
のところはまだ御意見があることと思いますが、もう
一つ
伺
つて
おきますが、
地域
差の
関係
は基本的な構想として
大臣
のお
考え
を私そのまま生までお聞きしておきます。もう
一つ
はそういうような
考え
方で
地域
差を狭めつつ行くのですが、それは飽くまでも
地域
差のバンドを縮めるというわけですが、最近のように発電所がどんどんできて参りますと、恐らく私は資本比の嵩み方によ
つて
電気
料金
の引上げというものも当然日程に上
つて
来るのじやないかと思いますが、そういうものは今年の四月やつたわけですけれ
ども
、発電所の新らしい開拓によ
つて
、基本だけは
需用者
が負担しなければならんというような時代に、そういうものはここ当分はないとお
考え
になりますか、或いは近くやらなければならんとお
考え
になりますか。
小笠原三九郎
51
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) 私は実は当分ないというふうに見ておるのであります。それは
栗山
さん御
承知
のように、今度の
電源開発
等にも財政資金、いわゆる国家資金を
相当
多額に投入するのでありまして、これは単純な民間資金にまで持
つて
行くのじやございませんので、むしろ財政資金を
相当
多量に入れ替えて、それから又過日ここでも
ちよ
つと御
質問
がございました外資等についてもできるだけ入れたい。外資等につきましてはこの間申上げましたように利息を五分、向うは五分と言
つて
おります、そういうものが入
つて
来ますと、今の一割以上払
つて
おる金利から見ますると、大変違
つて
来ることに
なつ
て参りますので、それから又国の財政投資をした分についてもその負担を財政負担にすることもだんだんとできて行くだろうと思いますので、先行きのところは、少くともそう先の長い二年三年先は知りませんが、ここ一年くらい先は何も
料金
を上げないで行ける、こういうふうに
考え
ておりまして、又上げさせたくないと自分は存じております。
栗山良夫
52
○
栗山良夫
君 政治的にはそういうことでいいでしようけれ
ども
、今
通産省
のほうは健全経営ということを言
つて
おられて、当然資本比がこの
原価計算
の上に殖えて行くものはこれは見て行くという理論的な立場を恐らく事務当局はとられると思うのですが、そういう如何にも財政資金を仰いだりしてもこれは何がしかの利息はやはり払いますし、又設備として一遍簿価に乗れば償却はすぐ始
つて
行くわけですから、経費のほうにはすぐ影響を持
つて
来るわけであります。
従つて
今のようなスピードで
電源開発
が行われて行くときに、ほかの諸条件は別です、新らしい
電源開発
をやつたために資本比が殖えて行くことが
料金
に影響を及ぼして来る時期ですね、それは一体いつ頃と大体お
考え
に
なつ
ておるか、これはまあ
考え
方は
大臣
から伺いましたが、事務当局はどれくらいに
計算
なさ
つて
おるのでしようか。
森誓夫
53
○
説明員
(
森誓夫君
)
只今
私のほうで
昭和
二十二度までの
電源開発
計画を検討いたしておりまするが、この案はまだ最終的な
結論
には達しおりませんが、一応これによ
つて
計算
したところを申上げますると、
昭和
二十八年度におきましても若干単価が上
つて
来ることに
なつ
ております。その後毎年少しずつ上
つて
参りまして、
昭和
三十二年度の
状態
を見ますると大体二割
程度
上るのではないかというふうに
なつ
ておりますが、これはいろいろな過程が入
つて
おりまして、正確な数字だとは申上げませんが、大体の見当を示したものでございます。
栗山良夫
54
○
栗山良夫
君 そうすると、三十二年度に
なつ
て予定の
電源開発
が進んで行きますと、それに
関係
する部分として今の
料金
の二割
程度
は上げなくちやならん、特に全国平均におきましてね……、そういうふうに理解していいのですね。
森誓夫
55
○
説明員
(
森誓夫君
) さようでございます。
結城安次
56
○
委員長
(
結城安次
君) 今予算
委員会
のほうから
大臣
の
出席
を要求されておるようでございますから、どうぞ特に
大臣
でなければいけない
質疑
を今先にお願いしたいと思います。
栗山良夫
57
○
栗山良夫
君 そこで話はもう一度元へ戻るわけですが、
電気事業
の独立採算による自主経営という、この
考え
方が今通産
大臣
が言われましたことと、
只今
の
電力
事業
者が主張しておることとの間には、
相当
な隔りがあるように私は
考え
るわけであります。たとえて申しますと、水火力の
調整
金のごときは、もうなくしてしまいたい。これは五カ年間になくする、漸次なくすることに約束ができておるのでありますが、これはなくすればするだけ今の諸条件から言えば
地域
差は、拡大されて、今日のままに置いておいてもなお且つ
地域
差は拡大する虞れがありますから、取ればなお更拡大して行きます。そういうようなこと、水火
調整
金をなくしてしまうということが、
電気事業
の独立採算的自主経営であると、こういう
工合
に
電気事業
者のほうでは
考え
ておる向きがあります。
通産省
のほうではそうでない。こういうことになりますと、ここに
電力行政
の監督をするものとせられるものとの間に、思想的に大きな、私は隔りがあると思いますが、その点はどういう
工合
にして今後指導されて行くか。現にそういうような
考え
方を持
つて
おりまするために、
電気事業
者のほうにおいては再
編成
後には
電力行政
の監督は成るべく開放せられて、本当に自由
企業
と同じようにや
つて
行きたい、こういう空気が極端に言えば出ておるようでありますけれ
ども
、その間をどういう
工合
に
調整
されて行くか、これがやはりいろいろな
電気事業
に対する問題の私は根本に
なつ
ていると、
考え
方の相違が根本に
なつ
ていると、こういう
工合
に
考え
ます。通商産業省としては再
編成
後こういうような根本の問題について、
政府
としても、
通産省
としてもはつきりした見解を明らかにせられたことは一回もないと私は思うのでありますが、これもやはり
電気事業
の今日のいろいろな問題を昏迷にしておる
一つ
の大きな
理由
であろうと思いますから、この点を
一つ
明白におつしや
つて
頂きたい。
小笠原三九郎
58
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) 私
ども
の
電気事業
に対する根本的な
考え
方は純民営のものとして許したものであるから、企
業者
としての自主性については、又
私益性
についてはこれを或る
程度
認めまするが、併し
電気事業
そのものがすでに公益
事業
でありますから、
従つて
この公益面についての監督は十分にこれをいたさなければならんと
考え
ております。従いまして、更に言葉を換えて言いますると、公益
事業
の
公益性
と私
企業
である意味の
私益性
、この間の
調整
を図りつつ
事業
の進展を図
つて
参りたい。更にもう少し具体的な言葉で申しまするならば、
料金
その他の監督権は、いわゆる委任
許可
権は
通産省
の手で持
つて
おりまするし、又今後持
つて
参りますし、更に各種の公益
事業
として必要でありまするところの監督はこれを緩めない
考え
方を持
つて
おります。従いまして、例えば利益配当その他の問題につきましても、そういつた見地からものが割出されまするから、この純民間
事業
で或るものは三割も五割も配当したという実例もございまするが、この種の
企業
にはそういうことは私
ども
は結果として出て来ないだけの監督を十分して参る
考え
でおります。
栗山良夫
59
○
栗山良夫
君
公益性
と
私益性
の
調整
を図ると言われましたけれ
ども
、そのやはりウエイトの置き方というものが問題になろうかと思うのです。
電気事業
全体を
考え
た場合には
公益性
を強要する
理由
もあるわけで、それは全
事業
でなくてもいいという
考え
方を私は持
つて
おるのですが、例えば先ほど大口の需用などは自由にしたらどうかという話がございましたけれ
ども
、私はこれも
一つ
のやはり
考え
方だと思うのです。大体においては
公益性
のほうが
私益性
よりも尊重されて行かなければならんじやないかという
工合
に
考え
るのでありますが、
大臣
はやはり
公益性
と
私益性
との大体同じようないわゆるウエイトを置いて今までや
つて
来たと大して変りない
電力行政
でや
つて
行く、こういうようなお
考え
なのでしようか。
小笠原三九郎
60
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) どうもウエイトをどうするかという問題は、そのときどきの実は事情にもよ
つて
多少の変化があることかと
考え
ます。つまり私
企業
として完全に成立
つて
行く上におきましては資本を収集するとか、言葉を換えていうと株式の払込みをするとか、増まをするという問題がいろいろ起
つて
参ります。さようなときには少し
私益性
の点を見てやりませんと、その
企業
の健全な発達がむずかしいのではないか、併しすでに
相当
な発達を、形態を備えているものにつきましては、もつと利益がそれで上
つて
来るようなものにつきましては、このときは
公益性
のほうにウエイトを置きまして監督を厳重にして参る、こういうことに分れて来るのじやないか。理論としては例えば公益は私益に優先するか、私益は公益と相並んで行くか、こういうような理論的な問題につきまして言うならば、ただ私
ども
はこれは
調整
するということしか申上げられません。現実の問題について申上げますならば、これはそうむずかしい問題ではなく行けるのではないかと思
つて
おります。
栗山良夫
61
○
栗山良夫
君 それからお急ぎのようですからもう一点だけ伺
つて
おきますが、それはこの
法律案
によりますと、
電気事業
法の
改正
に対して
審議会
を設けて
研究
をすると言われたのでありますが、その
研究
をする主要題目等も先ほど伺
つたの
でありますが、それによりますと、やはり
地域
独占
をどの
程度
に今後強化するのか、緩めるのか、或いはその他
復元
の問題、或いは再
編成
そのものを
論議
するというようなことはこの
審議会
ではしないので、再
編成
の理念の下に
審議会
の運営をや
つて
行きたい、こういう
工合
にお述べにな
つたの
でありますが、
審議会
としましては、
電気事業
は
電気事業
法が唯一の監督法だとするならば、今枠外にされたような問題も全部引くるめて一本で抜本的な解決をされることがやはり必要ではないかと私は
考え
ておりますけれ
ども
、そういう御意思はございませんか。
小笠原三九郎
62
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) この問題につきましては、先ほど申しました
通り
、すでに決定しておる九分制の問題とか、
復元
問題を論じますことは却
つて
この問題を紛糾させ、まだ出発して以来日が浅いものを又動揺さすこと等にもなりますので、こういつた問題はこちらから進んで諮問しない、
審議会
には諮問しないという
考え
方を持
つて
おりまして、
審議会
で諮問するのは
供給地域
の
独占
の問題とか、或いは
施設供与
の問題とか、地帯間の
電力
融通の問題とか、或いは
料金
の
地域差調整
の問題、つまりそういつたような現段階における各種の起
つて
来る問題について御
審議
を願おうと思
つて
いますので、すでに決定した根本問題についてはこれは御諮問をいたそうとは実は
考え
ておらないのであります。但しその
委員会
等で御意見が出来ますれば、その御意見についてはこれを承わ
つて
おくことはもとよりこれは当然であります。
栗山良夫
63
○
栗山良夫
君 まだこれに関連した
項目
で
質問
申上げたいのでありますが、お急ぎのようですから次回に譲ります。 ただ、
大臣
に重ねて御所信を伺
つて
おきたいのは、
電力行政
が再
編成
後どちらかと申しますと、少しとまどいをしておるような恰好のように私は見受けているのです。それで
通産省
として或いはできんなら閣議決定でもいいのですが、そういうような恰好におけるはつきりした態度というものをですね、表明されていないわけです。少くとも先ほど言葉の上ではあなたは非常に巧みな表現を使われたけれ
ども
、再
編成
或いは
公共事業令
ができたときには
電源開発
促進
会社
を始めるという構想は全然なかつたわけです。なかつたというよりは
電源開発
をやるためにこそ再
編成
をし
公共事業令
を施行するのだということですが、あれと
電源開発
とはイコールに
なつ
てお
つたの
です。又
復元
の問題も、再
編成
が施行されたときに現在の日本の
電気事業
を九つに割
つて
完全な
地域
独占
を許すのだということが前提に
なつ
ているが、
復元
の前提には
なつ
ていない。こういうふうに
内容
的にその後変化をして来ておるが、
政府
はどういうような所信を持
つて
いるか明らかに
なつ
ていない。
従つて
私はまだ二、三
項目
が残
つて
おりますけれ
ども
、今申上げましたような根本的な問題を
通産省
で
一つ整理
されて、そうしてその所信をもう少し明らかにせられて、
政府
の所信として私はやはり国民に発表せられる必要があるのではないか、こういう
工合
に
考え
ますけれ
ども
、そういう御用意はございませんですか。
小笠原三九郎
64
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君)
只今
のところ何らそういう用意はいたしておりませんが、御意見を伺
つて
みて大変私
ども
大きないろいろ示唆を受けた点がございます。又今お話のような
工合
に、どういうふうに
電力行政
をして行くかということでとまどいしておるところがあ
つて
は、これは非常にとらんところでございますから、至急私
ども
研究
してみまして、そうして以後お話のようにこれを閣議決定に持
つて
行くべきだとするならさように持
つて
参ります。いずれにしても御迷惑に
なつ
ている点がありますれば、できるだけこれをはつきりさせたいと思います。ただ私就任して日も浅いためにまだ私が存じません点がありまするので、もう少し日を私にかして頂きますれば、十分御期待に副うようにいたしたいと思います。
栗山良夫
65
○
栗山良夫
君 まあ会期はだんだんと迫
つて
参りましたけれ
ども
、これは成るべく早い機会に
一つ
、先ほど
大臣
のお
考え
は一応伺
つたの
でありますけれ
ども
、私はそれではまだ未成熟だと思いますので、もう少し掘り下げてまとめたものを
一つ
一応お示しを願いたいと思います。
結城安次
66
○
委員長
(
結城安次
君) ほかに
大臣
に……。
島清
67
○島清君 私遅れて参りましたので、或いはどなたかお聞きに
なつ
たかも知れませんが、若し御答弁に
なつ
ておれば御答弁の必要はありません。
あと
で
速記
録を読ませて頂きますが、今
栗山
君が
質問
をされました問題と関連してでございますが、この私
企業
面と公益面とを
調整
して行かれるというような御答弁でございましたが、私はこれは九分割をとやかく申上げるわけではないが、少くとも今度のストライキを通じまして公益面が害されたと言えるのではないかと私は思う。ところが
政府
の今の御答弁ですが、少くとも私
企業
面と公益面との
調整
の不可能とまでは申上げないまでも、少くとも公益面と私
企業
面との
調整
の不完全性と言いますか何と言いますか、そういうものは事実が立証しておると思うのです。それにつきまして、今
大臣
の御答弁の
結論
として何かお
考え
があるかどうか、それを承わりたい。
小笠原三九郎
68
○
国務大臣
(
小笠原
三
九郎
君) すでにお答え申上げたと思いまするが、これは私
ども
もまだこの今のような私
企業
に、純然たる民間
事業
に
電力
事業
が移
つて
からは日が浅いものでございますので、
従つて
これらのことを十分見極めた上で、それで私
企業
の一方では
私益性
と言いますか、又
電気事業
本来の
公益性
、それで両方がまあ
電気事業
は一方では健全に発達して行くのだということ、こういうこと、又他方にはこれを需用している需要者の保護と、こういつたような
点等
からいろいろ
調整
を図りたいと思
つて
いるのでございまして、今回のストのごとき問題は、これは幸いに近くもう自主的に私
ども
解決さるることと、固く労使双方の常識の下に解決されることを固く信じておりますが、併しこれが
公益性
を非常に害する場合には今のような緊急
調整
等の問題の発令等を見ますので、そういう問題もございまするので、かたがたこの間の、これ
一つ
を以て直ちに今までの
電気事業
に対する方針を変えて行くというところまでの実は
結論
には達しておりませんので、併しこういつた実例等も併せ
考え
まして、それから又
公共事業令
の一年有半運用しましたその実例等もよく勘案いたしまして、更に今度の
法令改正
審議会
等にいろいろお話をいたしまして、立派な
一つ
電気
行政をや
つて
もらいたい、かように
考え
ている次第でございます。
結城安次
69
○
委員長
(
結城安次
君) 別に
大臣
に対して御
質疑
がなければ……
あと
小平政務次官、森技術長も残
つて
おりますから、御
質疑
を願います。
ちよ
つと
速記
をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
結城安次
70
○
委員長
(
結城安次
君)
速記
を始めて、経安のほうで明十九日午後一時から中小
企業
金融に関して参考人を多数おいで頂いて事情を聞くそうでありまするが、過般中小
企業
金融に関する決議案まで出した通産
委員会
としては、これをやはり同時に聴取しておく必要があると認められまするので、
連合委員会
を申込むことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
71
○
委員長
(
結城安次
君) では申込むことにいたします。 それから次に、先般取りきめました二十二日の経安通産
連合委員会
における参考人は開銀総裁小林中氏は所用のため当日出頭し難い、見返資金の担当理事者梅野友夫氏を代理として差出したいという申出がありましたが、如何いたしましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
72
○
委員長
(
結城安次
君) それではそういうことにいたします。 それから野田卯一氏は当日先約があるために午前中だけ
出席
するということですが、如何いたしましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
73
○
委員長
(
結城安次
君) それでは野田氏に対する
質問
は午前中にできるように
皆さん
において御用意願いたいと思います。 それから松本蒸治氏は風邪と血圧のため
出席
し難い、松永氏はお見えになるようですから、これで御了承願います。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
74
○
委員長
(
結城安次
君) それから当日の議事進行に関する件でありまするが、参考人の多数
出席
がありまするので、議事を取進めるために、
委員長
から各
項目
を作
つて
総括的に
質問
しまして、それに対する答弁を一応求めて、それに関連して
委員
の各位から御
質問
願うということで御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
75
○
委員長
(
結城安次
君) では、そういうことにいたします。 それから農林
委員会
に付託に
なつ
おります農山漁村
電気
導入促進
法案
は、農林と通産との二重監督の虞れがありまするので、連合審査を申入れる必要があると存じます。さよう取計ら
つて
よろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
76
○
委員長
(
結城安次
君) それではそういうことにいたします。 本日はこれで閉会いたします。 午後三時五十九分散会