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1952-12-22 第15回国会 参議院 通商産業・経済安定連合委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年十二月二十二日(月曜 日) 午前十時五十四分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
通商産業委員
委員長
結城
安次
君
理事
松本
昇君 栗山 良夫君 竹中 七郎君
委員
石原幹市郎
君 北村 一男君 古池 信三君
左藤
義詮君
高橋進太郎
君 松平
勇雄
君 奥 むめお君 島 清君 西田 隆男君 石川 清一君
経済安定委員
委員長
境野
清雄
君
理事
田村 文吉君
委員
木村 守江君
清澤
俊英
君 須藤 五郎君
委員外議員
地方行政委員長
油井賢太郎
君
政府委員
通商産業公益事
業局長
石原
武夫君
建設省河川局長
米田 正文君
説明員
大蔵省理財局経
済課長
龜岡
康夫君
参考人
前
建設大臣
野田
卯一
君
福島県知事
大竹
作摩
君
東京電力株式会
社会長
安藏 彌
輔君
東北電力株式会
社社長
内ケ崎贇五郎
君 元
公益事業委員
会委員長代理
松永安左ヱ門
君
日本開発銀行理
事
梅野
友夫君 前
建設省河川局
長 目黒
清雄
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
本名
、
上田地点
の
水利権
問題に関す る件
—————————————
結城安次
1
○
委員長
(
結城安次
君)
只今
から
通産
、経済安定両
委員会
の
連合委員会
を開会いたします。
経済安定委員長
と
協議
の結果、私が
連合委員会
の
委員長
の職を行うことに
決定
いたしました。 本日の
議題
は
本名
、
上田
の
水利権
移転問題であります。
本件
に関しましては去る十二月十二日の
連合委員会
におきまして、
建設省
及び
通産
省の
政府当局
に対し
質疑
を行な
つたの
でありまするが、現職の人だけでは
事態
を明らかにすることができませんので、
委員会
の
決定
に従い本日は多数の
参考人
の御
出席
をお願いいたしまして
調査
を続することに相成りました。 この際
参考人
の
皆様
に一言御あいさつを申上げます。本日は御多忙のところをお繰合せ願いまして御
出席
頂きましたことを厚く御礼申上げます。本日の
議題
でありまする
本名
、
上田
の
水利権
問題は法律的に見ましても疑問とされる点があります。又
行政
上の
取扱
につきましても前例のない
処分
ではないかとの批判が多く起
つて
おりまするため、
新聞雑誌等
にも広く取上げられ、
国民
に不明朗なる印象を与えておりまするので、当
連合委員会
といたしましてはその真相を明らかにし、
国民
の疑惑を解き、今後の
電源開発
に寄与せんとするものであります。
参考人諸君
におかれましては当
委員会
の意のあるところを御斟酌願いまして、率直明解に事実をお述べ下さるようお願いいたします。
参考人
のうち
小林開発銀行総裁
は所要のため見返
資金担当理事
の
梅野
君に替えられたいとの御申出がございます。
松本参考人
は病気のために
出席
できない旨の御申出がありましたので、いずれも承認いたしました。御報告申上げます。 なお本日の
質疑
を能率的に進行いたさせるため、
委員長
より
重要事項
と思われます点を一、二ずつ各
参考人
にお尋ねいたしまして、その
趣旨
を明らかにして
委員各位
の
質疑
の御
参考
にいたしたいと思います。 なお
委員長
におきまして
調査
のため必要と認める次の
資料
を要求いたしておきました。
本名
、
上田
の
水利使用認可申請書
、
施設変更認可申請書
、及びこれにつき
建設
、
通産
両
省内
にて
認可
に至るまでの
手続稟議書類原本一式
を提出すること、
委員会配布資料
として
東北
、
東京
両
電力会社
の
融通電力契約量
を示す
資料
及び
本名
、
上田
の
施設認可
に関した条件、これも
資料
として要求いたしておきました。 それでは先ず第一に本日の
参考人
としての
野田参考人
にお尋ね申上げますが、
本名
、
上田
の
水利権認可
に至るまでの
経過
。それから
本件
に関し、
公益事業委員会
、
東京電力
、
東北電力
と
交渉
された相手は誰か。それから非常に
異例
な
処分
と存ずるのでありまするが、かくのごときは非常に慎重に
取扱
うべきものと心得ておりまするが、
省議
にも
次官会議
にもかけず、
公益事業委員会
にも
協議
しなか
つた
理由
を御説明願いたいと思います。それから
公益事業委員会
は七月末まで存続し、
公共事業令
の規定により
協議
すべきであ
つた
にもかかわらず、その
措置
をとらなか
つた
理由
及び
電源開発促進法案
が七月七日に
参議院
にて修正議決され、同法の
施行
により
只見川開発
は
電源開発会社
で行われることが明らかにな
つて
おりましたにもかかわらず、急遽
本件
を
閣議決定
に持込んだ
理由
について御説明願います。それから第五といたしまして
水利権取消
の
理由
として
河川法
第二十条三号及び六号により
公益
上の必要を挙げておりまするが、
公益事業者相互
間において、
公益性
に軽重をつけることは今後の
需給バランス
を第一と
考え
て
判断
するのが当然と
考え
られますが、
電力行政
を担当する
公益事業委員会
との
協議
なしに行われた
決定
は、根本的に
公益判断
の
重要根拠
をなくするものと
考え
ますが、この点に関する
参考人
の御所見を伺いたいと思います。以上五点について。
野田卯一
2
○
参考人
(
野田卯一
君)
只今
の
委員長
の御
質問
の諸点を
中心
にお答えをいたしたいと思います。
本件
のいきさつでありますが、私が直接
関係
しました
部分
に限定して申上げたいと思いますが、私がこの問題を
建設大臣
として検討を始め、いろいろと
交渉
をいたしましたのは本年の五月であります。
あと
から調べたところによりますと二月に
福島県知事
から
稟議
があ
つたの
でありますが、私が
建設大臣
として直接この問題にいろいろと触れて来たのは五月と私は
記憶
しております。いろいろと
事務当局
と共に
本件
を取上げまして各種の
観点
から検討いたしたのでありますが、その
結論
といたしましては
上田
、
本名
の両
発電地点
の
開発
は
東北電力
にやらせるほうが
早期開発
という点から申しましても、又でき上
つたの
ちにおける
管理運営
の点からも適当であるという
結論
に到達したのであります。
早期開発
の点につきましては御
承知
のように現在、その当時としてでありますが、
下流
の柳津、片門におきましては昨年の秋以来
発電工事
が進められておるのであります。それがどんどん進んで参ります。その極く近所に
上田
、
本名
があるのでありますから、あらゆる点におきまして極めて
工事促進
上都合がよろしいということがそこにあるわけであります。又
地元民
の態度といたしましても
東北電力
の
実施
を非常に切望しており、これに対しまして非常に円滑な
関係
があり、又
東北電力
の
施行
を切望する空気があ
つたの
であります。又本
地点
の
調査資料等
につきましてはこれを一切
東北電力
が保有をいたしており、又本
地点
に精通している全部の
技術陣
が
東北電力
に属しておるというような点から申しまして、その他いろいろありましようが、
早期開発
という
至上命令
、
我が国電力界
の
至上命令
を達成するためには、
東北電力
にやらせるがよろしいということに相成り、又でき
上つた
後におきましても
下流部
に宮下以下すでに六つの
発電所
があり、又将来更に
建設
さるべき揚川、上野尻というような約十に亘る
発電
の
地点
がありまして、これが全部
東北電力
が経営をいたしておるのでありまして、
本名
、
上田
はその
直上流
といいますか、すぐ上のところに当
つて
おるのであります。将来この十の
発電所
に接着したこの
二つ
の
発電所
もやはり
東北電力
に一括経営させることが必要だと
考え
られる。又
送電線
との
関係
におきましても、それが
国家
的に見て適当であるというようないろいろな
観点
を総合いたしまして、
東北電力
にやらせることが最も適当であるということになりまして、これを実現する
方法
といたしましては、
東京電力
が
水利権
を持
つて
おりますのでこれを
取消
しまして、別途に
東北電力
に与えるという
方法
と、もう
一つ
は
東京電力
から
東北電力
にそれを
平穏裡
に譲渡させるという
二つ
の
方法
があるのであります。
福島県知事
からの
申請
は
東北電力
に与えるために
東京電力
のを
取消
すという
方法
で、
建設省
といたしましては成るべく
平穏裡
にこの問題を処理したいというふうに
考え
まして、即ち
東北電力
に
東京電力
から譲渡をするというようなことでやれないだろうかというように
考え
まして、それにはどうしても
東京電力
に
考え
てもらわなければならんというわけで、私は五月の下旬に、当時の
東京電力
の
社長
でありました安藏さんに来て頂きまして、たしか
国会
内の
建設省政府委員室
であ
つた
と思いますが、そこに来て頂きましていろいろと我々の検討した結果を申上げ、
建設省
の
判断
を申上げまして、是非その線に
沿つて一つ話
をつけてくれるように、その線に
一つ
協調してくれるようにということをお願いを申上げたのであります。 その後
東京電力
のほうも我々の
趣旨
に
賛同
するような
御返事
が頂けるものと期待してお
つたの
でありますが、なかなか
返事
がありません。そのうちにいろいろと
東京電力
のほうでは、たしかあの頃だと思いますが、例の
役員問題等
で大分やかましい問題があ
つたの
であります。そんなことで、私も
返事
の請求をその最中にするということも、向うもお困りだろうと思いまして、多少時期がずれましたが、その後落着きましても依然として
御返事
がなか
つたの
であります。そこで遂に待ち切れませんので、七月になりまして、七月の上旬に
東京電力
の重役のかたに来て頂きまして、督促といいますか、あれはどうな
つた
、早くしないと困るということを申上げまして、困るから何とか早く解決してもらいたいということを要請いたしたのであります。又中旬に更に来てもらいまして、
事態
が急迫して、急迫ということは即ち時期がずれますと
工事
が遅れまして、それがために
工事
の
実施
が一年間延びるという結果に相成りまするので、できるだけ早くやりたい、この問題をきめて
工事
の
実施
をしたいという点から七月中旬に又来て頂きまして、三度目でありますが、お願いいたしましたが、どうしても
結論
が出て参らない。我々の同調する
結論
が出て参りません。 併しながら時間は刻々と迫
つて
参りますので、我々といたしましてはいろいろと
相談
をいたしました結果、これはやはり
河川法
に基きまして
東京電力
の
水利権
を
取消
し、
東北電力
に新らしく与えるという
方法
をとる以外に途がないということに相成りまして、これは
建設省
限りでもできるのでありますが、事の
重要性
と言いますか、事の
異例
に亘る点から
閣議
の
最高判断
を経てやるのがよろしかろうというわけになりまして、七月二十五日の
閣議
に諮りましたところ、
皆さん
の御
賛同
を得ましたのでそれでやろうということになり、その後
書類
の
手続
、
調査
、
調査
というよりも
調査書類
の整備、或いは
手続
、いろいろなものをやりまして、八月の四日に至りまして、
福島県知事
の
申請
に
認可
を与えるということに相成
つた
次第であります。それが第一点であります。 それから第三点の
東京電力
、
東北電力
、並びに
公益事業委員会
の誰と話合
つた
かという点でありますが、
東京電力
につきましては、
只今
申しましたように五月の下旬には安
藏社長
にお会いいたしました。それから七月には
堀越取締役
に二度会
つて
おります。それから
東北電力
はその間殆んど正式に会
つた
ことは私の
記憶
には殆んでありません。それから
公益事業委員会
といたしましては
公益事業委員会
の
松本
さんであると
松永
さんには私はお会いした
記憶
はあります。 それから第三点の
省議
、
次官会議
でありますが、これは私たちのほうといたしましては
省内
におきましては、
関係
の者と十分に
協議
を遂げておるのでありまして、私は別に
省議
という固定的な形には別に
考え
ておらないのであります。すべての問題を処理するに当りまして、
関係
のものと
相談
してやるという
方法
をと
つて
おるのでありまして、それに
従つて
や
つたの
でありますが、それから
次官会議
というものでありますが、これは今申しましたように
建設省
限りでやれるのでありますが、事が
異例
に亘りますので
閣議
の
最高判断
を求める意味におきまして
閣議
に諮りまして、
皆さん
の
意見
はどうであるかということを確かめたのであります。
閣議
の
結論
を出しましてそうしてそれから
皆さん
の御
賛同
を得まして、
あと
で
次官会議
に付議するという、事務的にはそういう
措置
をと
つたの
であります。 それからこの問題を申す場合に
河川法
の問題でありますが、
河川法
との関連において
需給バランス
を
考え
たかということでありますが、
需給バランス
につきましてはこの問題の処理は早く
電源開発
するというところが重点でありまして、先ほど申しましたようにいろんな点から申しまして
早期
に
開発
をするためには
東北電力
だけにやらせるほうがよろしいという
結論
に到達いたしまして、とにかく早く
電源
を
開発
しなければならないということが最も重視されてお
つた
ときでありますので、それに
従つて
処理したわけであります。
電力
の
需給
につきましてはこれは
通産大臣
が
需給調整
の権限を持
つて
おりますのでそれによ
つてバランス
をと
つて
行く。御
承知
のように工場の設置、或いは
需給関係等
時々の状況に応じて非常に違
つて
来ますので、そういうことは
あと
で
通産大臣
が処理される、こういう建前で進んだのであります。 それからもう
一つ電源開発会社
ができると申しましても、御
承知
のように議会の審議が手間どりましてなかなかすぐにはできなか
つた
ことは御
承知
の
通り
であります。ところがこれが早く
許可
をいたしませんと一年延びてしまうというところに
問題点
がありますのでそれを待ち切れなが
つた
、非常に
事態
が時間的な
関係
から申しまして、
電源開発会社
の設立を待つかということと、それから
電源開発会社
にやらせるかどうかということにつきましては、これは
只見川
のことは、文字は
電源開発法
につきまして
参議院
において入れられたのでありますが、我々の
意思
としては、実は
経済安定本部長官
である周東さんなんかが
中心
とな
つて
電源開発法
の原案というようなものまで
相談
してお
つたの
でありますが、その当時から
電源開発会社
の
開発対象
として
只見川
を取上げるということはもう
政府
の中でも一致していた
意見
であります。併しどの
地点
を取上げるかということにつきましては、これは御
承知
のように現地の
事情
もいろいろあり、問題は大
規模
にして困難なということでありますから、御
承知
の
通り
そういうものは主として私の申上げる限りにおきましてはこの
上田
、
本名
ということは余り問題にしておらなか
つたの
であります。これは極めて容易にできる、非常に簡単な御
承知
のような
発電所
でありますので、大
規模
にして非常に困難という……、我々は特にこの
会社
を作
つて
やらなければならないという
対象
からは余り
考え
ておらなか
つた
ということはこれは申上げておきたいと思います。
結城安次
3
○
委員長
(
結城安次
君) 大体私のなにはこれでございますが、もう
一つ
抜けておりますが、
公益事業委員会
が
電力需給
、又
電源開発会社担当者
の
決定
が
規則
、法律的にな
つて
おるにかかわらずそれと
協議
しなか
つた
という
理由
……。
野田卯一
4
○
参考人
(
野田卯一
君) これは申上げておきたいのでありますが、
公益事業委員会
は
知事
が二月に
建設大臣
に
申請
したと同時に、
知事
は
公益事業委員会
に対しまして
意見
を求めなければならない。一方において
建設大臣
のほうに
申請
すると同時に
公益事業委員会
のほうに
意見
を求めなければならないというように法律で相成
つて
おるのであります。それに
従つて福島県知事
は
公益事業委員会
の
意見
を求めた。それに対して
公益事業委員会
が
意思表示
をしなければならないというときには、
建設大臣
に
相談
しなければならないということにな
つて
おるのであります、
規則
で。その
相談
は私
ども
は受けておらないということであります。
結城安次
5
○
委員長
(
結城安次
君) 続いて
参考人
に全部伺いますか。
清澤俊英
6
○
清澤俊英
君
議事進行
について。途中で、配られた
質疑
の要項ですね、変更されちやかなわんです。私
ら取扱
がどうもかなわんので……、今、何か大分
整理
して……。
結城安次
7
○
委員長
(
結城安次
君) これは前に、
参考人
に
皆さん
が
質問
する場合に重複するといけませんから、明らかにしておきたい点だけを今私が
質問
いたすと、こう私が申上げたので、これを全部私が
質問
するわけではありません。(「了承」と呼ぶ者あり〕
島清
8
○
島清
君 何か
あと野田
さんは本日御
事情
があ
つて
何か……。
結城安次
9
○
委員長
(
結城安次
君) それはこの前は
野田
さんは今日午前中だけだと申上げましたが、
野田
さんのほうの非常なお骨折で、つまり
野田
さんの御好意で今日午後も成るべく出る、併し余り遅くなるとちよつと用事がある……。
島清
10
○
島清
君 そうですが、それではよろしうございます。
結城安次
11
○
委員長
(
結城安次
君)
大竹参考人
にお伺いします。
東北電力
から
本名
、
上田
の
水利権使用許可申請
を受理した日付、
建設大臣
及び
公益事業委員長
に
認可申請
を行な
つた日時
をお述べ願いたい。それから第二に、
許可申請
を
建設大臣
及び
公益事業委員長
に
禀伺前
に
当事者
たる東電と
協議
した事実があるかないか、この二点だけお伺いします。
大竹作摩
12
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
の第一点の
東北電力
から
本名
及び
上田
の
水利使用
に関する
許可
の
申請
を受理いたしました日は
昭和
二十六年の五月一日であります。これを
建設大臣
及び
公益事業委員会委員長
に
認可
の
申請
をいたしました日は
昭和
二十七年二月十三日であります。 第二点の
許可申請
を
建設大臣
及び
公益事業委員会委員長
に
禀伺前当事者
たる
東京電力
に
協議
した事実があるかどうかということでありますが、この
上田
、
本名
の
水利権
に関しましては、先に
電力国家管理法
、
発送電法
が制定されまして二千キロワツト以上の
既設発電所
、これらが全部
日本発送電株式会社
に吸収されたのであります。又五千キロ以上の
発電
をなす際には、これを
日本発送電株式会社
の
開発命令
を以て行な
つて
来た。すでにこうした
社会情勢
からして、既得の
水利権
というものは一応その場合に形はあ
つて
もその意義というものは消滅しておるものである。私はかように
考え
て参
つたの
であります。又この問題に対しましても
河川発電用
の
所用水利認可申請
に対しまして
証拠金
の納付を原則といたしておるのでありますが、
昭和
十八年にこの
証拠金
を返して欲しい、それが要はこの
国家
の
現状
からして維持の必要がないという
趣旨
からその返納を要請されましたので、その
水利使用
の
証拠金
を返しておる事実もあるのであります。かように
考え
まして、又
建設省
の
河川局長
の
通牒
によ
つて遊休水利権
の
整理
、そのほか弱小の
水利権等
の
整理
を行う旨の
通牒
に接しましたので、
只見川
の
開発
の
国家再建
に対する
重要性
を痛惑いたしまして、私は先に申述べましたようにこの
水利権
というものがただ
財産権
のようなものではない、この
水利権
というものはいわゆる
公益性
によ
つて
、
公益
はこれを先行するものである、私はかように
考え
てお
つたの
であります。 たまたま
只見川
の
開発
が
我が国
の逼迫したるところの
電力事情
に対して、この
開発
が最も理想的に科学的に技術的に検討して最良な
方法
で行われなければならんという
考え
に到達いたしましたので、この元与えておりました
水利権
に対して、一部
新潟
県の
関係
ある
部分
に対しましては、
新潟県知事
と連署の上この
水利権
の
取消
に対しまして、
主管省
である
建設大臣
並びに
公益事業委員会委員長
に対して
取消
の
申請
をいたしてお
つたの
であります。かような
実情
から
考え
まして、この
差迫つた電力事情
を如何になすべきかということを
考え
ました際に、
河川
管埋者として、この
只見川
の
開発
に関して、特にこの
上田
、
本名
に関しましては
公益
上どうしても現下の
実情
から観察いたしまして
早期開発
が一番要請される。この
早期開発
はいわゆる
早期開発
と、一
河川
、一水系、一
運営
であることが最も望ましい。これがこの
公益事業委員会
がこの
電力編成
に当りまして示されたるところの
基本方針
であろうと思うのであります。又
開発
に関しましては、一にこの
地元民
の
協力態勢
がなか
つた
ならば私は決して
早期開発
なんというものは実現し得ないものである、かように
考え
まして、この
上田
、
本名
の
早期開発
に当
つて
は、
東北電力株式会社
になさしめることが
早期開発
の目的を達する上に一番望ましいものである、かように
考え
て参
つたの
であります。 ただここにお尋ねになられました、
当事者
であるところの
東京電力
に対して
話合い
があ
つた
かどうかということに対しましては、これは
話合い
をいたさなか
つたの
であります。私は今
考え
まして、その
措置
はそれらに対しては遺憾の意を表します。これに対して慎重に
東京電力株式会社
に対して
話合い
をしなか
つた
ということに対しては今なお
考え
て遺憾の意を表します。ただ
早期開発
というものが非常に差迫
つて
いる
現状
に鑑みましてかような
措置
をと
つたの
であります。
結城安次
13
○
委員長
(
結城安次
君) 続いて安
藏参考人
にお伺いしますが、今回の
水利権取消
に関して
監督官庁
から公式に又は非公式に
交渉
を受けた
経過
を御説明願います。 それから続いて
東京電力地区
は
東北電力地区
に比べて未
開発
の
電源
が非常に少いというようなことを言
つて
おる人もありますが、これらに対するお
考え
のほどをお願いいたします。
安藏彌輔
14
○
参考人
(安藏彌
輔君
)
只今
問題になりました
本名
、
上田
の
発電所
のことについて、
官庁
から直接、
間接交渉
があ
つた
かという第一の御
質問
に対して
御返事
申し上げます。
本名
、
上田
の
水利権
を如何にするかということにつきましては、私が
東京電力
の
社長
になる前に即ち去年、二十六年五月一日に私は
社長
にな
つたの
ですが、その以前に私は
公益事業委員会
の
技術顧問
の
嘱託
を命ぜられました。これは二十六年の一月の半ばから
嘱託
にな
つて
くれと、私その希望によりまして
嘱託
になりました。いわゆる
技術顧問
ということでな
つたの
であります。早速集
つた
ときにすでに
水利権
或いは
発電所
について各
電力会社
の所属が問題にな
つたの
でございます。そのことをいろいろと議論したことはございます。例えば
東京電力
に属しておる
阿賀野川
とか或いは北陸にありまする成出とか或いは関西にありまする丸山、いろいろございます。その中に
只見川
の問題がございました。そのときにはこれは
別会社
でやるんである。これは今までのかか
つた
費用は一応
東北
に譲るが、これは
別会社
でやるんだと、到底一
会社
でできないから
別会社
でやるというふうにいろいろと
話合い
がありました。そういうことが私の頭にきつ
ぱりと残
つて
おります。それからその後
関係官庁
といたしましては、
公益事業委員会
におきましても、
只見川
は
別会社
でやるというような
趣旨
が終始一貫しておりました。 然るに先ほど
野田
さんもおつしや
つた
通り
、五月の末項に当
国会
の
建設大臣
のお部屋ですか、私は呼ばれまして
お話
を承わりました。そのときには
本名
、
上田
を
東北電力
にやらしたい、こういう御意向をお漏らしになりました。私は即座にそれに対して
反対
の
意思
を申し上げました。従来の
関係官庁
……むしろあの辺は当然別の
会社
でやるべきである、話は細かくなりますが、
阿賀野川
の
発電所
は帰属としては
東京電力
に行くべきである、あの
発電所
を作り、あの
発電所
の
送電線
を作り、そうして
東京
へ送
つたの
はすべて当時の
東京電燈
がや
つたの
でありまして、あの電気は殆ど
東京
へ
行つて
お
つたの
であります。これをその当時九
電力会社
ができるときに摩擦を少くするために、又
別会社
を作るというために一時的にあつちにや
つた
ということを伺
つて
おります。そんなわけですから私は
野田
さんの
お話
に対しては全面的に
反対
いたしましてどうぞこれは
考え
直して下さいということで私はひきさが
つたの
であります。その後二回に亘りまして私
ども
の
常務堀越
さんにお会いにな
つた
ときにも
お話
がございました。当時
東京電力
には重役問題でがたがたがあ
つた
ことは
皆様
御
承知
の
通り
であります。併しながら重役問題と
会社
の外部に対する問題とは全く違います。あくまで私はこれに
反対
の
意思
を表示し、そうして
会社
内が一丸となりましてこれを研究し、そうして私
ども
がとかく
開発意欲
がないのだというような疑いを持
つて
おるので、この際あえて進もうじやないかということでたしか六月三十日に改めて従来の設計を変更した
実施
認可申請
を福島県に出したのでございます。 その後議会におけるところの
開発
促進法、或いは
公益
委員会
の廃止等の声がおのおの進んでいるときに七月の二十四、五日かと思います。
建設大臣
に呼ばれましてこういうふうにきめたから、そう
承知
しろという最後の
お話
を承わりまして私は驚いたのでございます。たいがいそんなことはないだろうと思
つて
お
つた
にかかわらず、そういうことの申入を受けまして早速ほうぼうにいろいろと陳情したわけでございます。お役所の
関係
はそれだけでございまして、福島県からも何にも
お話
がございません。又
東北
からも何にも
お話
はございません。 その前に
東北電力
と私
ども
が立会いまして
別会社
を作るという
相談
をたびたびや
つて
おります。これには
公益
委員
のかたが無論立会
つて
おりまして、その
会社
の定款をどうするとか、或いは金はどういうふうに出すとか、送電をやろうとかいうことを
相談
してお
つたの
でございます。その裏においてそういう動きがあ
つたの
で私
ども
は非常に驚いたわけでございます。お役所との
関係
は以上でございます。 第二の問題は電気の未
開発
でございますか。
結城安次
15
○
委員長
(
結城安次
君) 未
開発
電源
……。
安藏彌輔
16
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私どの電気は非常にたくさん送
つて
おります。日本の恐らく四分の一か三分の一ぐらいの電気を私
ども
は扱
つて
これを供給しておるのでございますが、この電気の需用というものはどんどん進んでおります。私
ども
これに対する供給を十分にやる責任を持
つて
おるのでございます。然るに先般九
電力会社
が成立した以後におきまして、私
ども
の管内には未
開発
水力というものは大きいものはございませんのです。すでに
東京電力
、或いはその傍系において
開発
し尽しております。
只今
は目ぼしいものは殆んどございません。一カ所一万キロ、二万キロ、せいぜい三万キロぐらいでございます。ただ残
つて
おると言えば言えるのは利根川の上流だけでございます。折角私
ども
これはや
つて
おります。そんなわけでして、私
ども
が供給の責任を持
つて
おる
関係
上、どうしてもこの
電源
は私の地区以外、即ち
只見川
、これは私
ども
の
会社
の前身である
東京電燈
時代から持
つて
お
つて
、これは唯一の
電源
として私
ども
かあいが
つて
お
つたの
でございます。その他信濃川にあ
つた
ものも今は
開発
してございます。私
ども
の唯一残
つて
おる
只見川
に対しては十分なる関心を持ち、これを
開発
せんと努めたのでございます。先ほど
福島県知事
から日本発送電
会社
法、或いは配電
会社
法ができたからこの
水利権
は消滅したというような誠に妙な
お話
があ
つた
ようでございますが、私
ども
はこれは是非やるべきものという確信の下でや
つて
おるのでございます。然るに日発ができました上は、五千キロ以上は日発がやるということはそのときの法律で明らかでございます。それでそのうちの一部は日発と話合ができまして
只今
運転しておる宮下、或いはその、
下流
の柳津、片門、これは話合ができて、向うはや
つて
おるのでございます。そこで当然日発がやればこの電気は何も
東北
だとか関東だということは限
つて
おりません、全国的に見て需用に応じてこれを供給するのでございます。その後私
ども
は九
会社
ができたときに
水利権
は一切
東京電力
に引受けたのでございます。 その前に
只今
福島県知事
さんがおつしや
つた
通り
、その前の年に
水利権
を
整理
するためにこれは
取消
せということを
建設大臣
のほうに
申請
したようでございます。それを聞きましたために私
ども
は直ちにこれに
反対
の
意思
を表示し、更に九
会社
が設立後においても私
ども
は県庁或いは各方面に、この
取消
の無法なることを陳情し私
ども
にやらしてもらいたいということを言
つたの
でございます。そんなわけでして
只見川
の
水利権
のごときは、
東京
を預かる
電力会社
といたしましては最も大切なる
電源
であるということを言わざるを得ないのであります。私
ども
の持
つて
おる未
開発
地点
並びに将来の
只見川
の大切なることは以上のことでおわかりのことと思います。
結城安次
17
○
委員長
(
結城安次
君) 続いて内ケ崎
参考人
にお尋ねいたしますが、
上田
、
本名
の
認可申請
手続
の
経過
及びこれに要する資金特に見返資金手配の
経過
を御説明願いたい。 それから第二番目はこの
只見川
公益事業委員会
のほうから
東京電力
、
東北電力
両社で別個の
会社
或いは両社以外でも別個の
会社
を作
つて
共同してやるべきものだという
お話
があ
つた
と伝えられておりますが、若しそういう
お話
があ
つた
とすれば、そのときに拒絶のその
意思表示
をしておりますかどうか。若し拒絶の
意思表示
をしなか
つた
とすれば、その
理由
は何でありましようか。 それから第三番目に
水利権
が
電力会社
にと
つて
最も重大なるものであり、殊に生命と申すべきものでありましようが、その担当者たる
東北電力
の
社長
として十分これは御納得の行き、又御体験もなす
つた
ろうと思いますが、こういう重大な事項を
東京電力
に御
相談
しなか
つた
というのは何か特殊の
事情
がおありかどうか。それを御説明願いたいと存じます。
内ケ崎贇五郎
18
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 私
東北電力
の
社長
内ケ崎贇五郎
でございます。
只今
の御
質問
の第一点、
上田
、
本名
に関する
官庁
関係
の許
認可
の
手続
をどうしてお
つた
かということに対してお答えいたします。
水利使用
の出願は
昭和
二十六年五月一日でございます。これは
電力
再編成によりまして、新
会社
が発足いたしましたその当日と相成
つて
おります。と申しますのは、日本発送電
会社
から、再編成に際しましてこの両
地点
並びにほかの出願
関係
の権利義務を一切
東北電力
が引継いだという
関係
で、私はそれを継承いたしまして、それに
東北電力
といたしましての
意思
を加えまして、当然
東北電力
がこれをやるべきものであるという
考え
の下にそれを継承するためにその
手続
をと
つたの
であります。そうして
許可
は
昭和
二十七年の八月六日に頂戴いたしました。それから
工事
実施
認可申請
はその
許可
を頂戴いたした後、即ち
昭和
二十七年の八月十五日に
申請
をいたしましてその
認可
を二十七年の九月十五日に頂戴いたしております。そういたしまして
工事
着手の届を九月の二十九日に提出いたしております。 第二点の
公益事業委員会
から
只見川
の
開発
について
相談
を受けてお
つた
ろうという
お話
でありまするが、その
お話
を確かに受けております。そのために
東北電力
といたしましては、
東京電力
の安
藏社長
と高井副
社長
と二人、私のほうからは私のほかに二名出まして両三回に亘りましていろいろ御
相談
をいたしまして、その際に私のほうから定款の案等も出しましていろいろ
相談
をいたしました。併しその際には最初からこんな
本名
、
上田
に対してはこれは
東北
電がやりますよ、いろいろなものを我々のほうが引継いでいるのであ
つて
、あなたのほうはただ単に
水利権
というようなものを一応引継いだ、これは
あと
からもう一度申上げますが、一応引継いだに過ぎないのであるから引継いで、我々がや
つて
然るべきものであるから我々のほうがこれをやりますよと、こういうことを主張いたしたわけであります。併し
東京電力
におきましてはそれは困るということで話が到頭妥結いたさずに済んだのであります。爾来ほかのほうの問題がいろいろ起りまして、
東京電力
のほうからも何らの話もありませんので、私のほうといたしましては自分らのほうの立場上、即ち
電力
事業者としては一日も速かに
電源
の
開発
をいたしまして、日本の再建を図らなければいかんという義務を我々負わされている
関係
上、これをどうしても速かに即発すべきであるという見解の下にすべての
手続
を
只今
申上げましたように取り進めたわけであります。 第三点の
水利権
は電気事業者としては非常に重大なものであるが、この点に対して同業者の
水利権
を自分のほうへ持
つて
来るということはどう
考え
るか、こういう御
賛同
でありまするが、その点につきましては第二問の際にちよつとお答えいたしましたように、実は
電力
の再編成に当りまして
工事
中及び未
開発
水利権
帰属の
決定
に対して
公益事業委員会
としまして、これは企業再編成計画に関する指令書、
決定
指令書でありますが、その中に
基本方針
というのがありますが、その中に
工事
中の
発電所
、未
開発
水利権等
の帰属
決定
方針という中に第五番目にな
つて
おりまするが、配電
会社
が現在所有する
水利権
は一応新
会社
に引継がせる、こういうことにな
つて
おります。これが
決定
指令の方針ございます。一応引継いだのでありまするからして、我々としては我々のほうの立場の必要上
相談
をいたしましてそれで私のほうで
開発
をしたい。そのほかのいろいろな
調査
資料
或いはそれの関連してお
つた
技術者等は全部私のほうが引継いでいるのでありますから、当然我々が
開発
すべきである。こういう
観点
から先ほど申上げましたように、再三御
相談
をしたのでありまするが、どうしてもそれは困るということで
意見
の一致を見なか
つた
ために第二問にお答えしたようにとり進めた、こういうわけであります。
結城安次
19
○
委員長
(
結城安次
君)
松永
参考人
にお尋ねいたしますが、東電側は
公益事業委員会
の指示に従い共同
開発
の線に沿うて単独
開発
を企てなか
つた
と言う。
東北
側は再編成に当り
只見川
の
調査
資料
を引継いだのだから、引継いだ
東北電力
が
開発
すべきものであ
つて
、
水利権
は一応東電に残したに過ぎないと申しておりますが、スタートから重大な食い違いを両者間に生じているわけであります。両者を指導しておりました
公益事業委員会
といたしまして、これらの間の
事情
が若し何かおありなら御説明願いたいと思います。
松永安左ヱ門
20
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 大変今日にな
つて
みますと、えらい天下の大きな問題とな
つて
、両者の間に大変な食い違いがあるように結果として現われておりまするが、その食い違いにな
つた
点は、今安藏君から
お話
にな
つた
ように、
東京電燈
は自分は
水利権
を余り持たない。
阿賀野川
あたりも実はもらいたいんだ
つた
けれ
ども
、
公益
委員会
の御指示に
従つて
いさぎよく
阿賀野川
方面は放棄したのである、だからせめてこの宮下から上の
地点
は多大なる、大きなる水力を包蔵しているところである。
東京電燈
は自分のほうの
水利権
は別に利根川方面に僅か持
つて
いるだけであるからこれを大いに
開発
して、そうして関東の大事業地に対して供給を図らなければならん
一つ
の義務を持
つて
いる。
建設大臣
から
お話
があ
つて
も、内ケ崎君から御
相談
があ
つて
もこれは是非自分のほうでやりたい。併しながら
公益
委員会
が
只見川
のごとき大きなものは、単に
東京電燈
の
水利権
を持
つて
いる、又需要が或る程度あるからとい
つて
一
会社
でや
つて
いいか悪いかということは相当考慮しなければならん。これは
只見川
に限りません。その頃天竜川のことも
考え
られておりました。それから北上川のことも
考え
られました。又少し遅れましたなれ
ども
、四国の吉野川の大
河川
の
開発
についてもやはり共同
開発
ということがその当時論議され、研究され、又外国の
調査
団或いは視察の示唆等も、かかることはどうしても利害
関係
のある方面で資本的にも技術的にも協力されるほうが日本のためにいいんだろうというような注意もあります。私
ども
その方針で進んでお
つたの
でありまするから、
東京電燈
が自分の
水利権
をそのまま生かし、自分だけでやろうということには同意しかねたのであります。同時に
東北電力
からは、
只今
のいろいろ内ケ崎君から
事情
を述べられたように、さような
お話
がたびたびあ
つた
かと思いますけれ
ども
まあお待ちなさいと、小さい
地点
で簡単に事の済むのは、大きな
東京電力
の
話合い
さえつけばどうでも解決のできる問題である。これは両者の
話合い
である。大体において
一つ
只見川
を協力されるという線に沿うておやりになるほうがよかろうというので、二十五年の十二月、丁度私
ども
の
公益
委員会
ができたばかりであ
つた
と思います。十五日に
公益
委員会
ができたのであります、その頃から
お話
して、二十六年に続いてその
お話
を
東北電力
さんにも申上げ、
東京電力
さんにもさようなことを申上げて、
開発
方式を両者でおやり下さい。で
地点
の大体は、柳沢、片門はすでに着手しておる。それから宮下の増設
工事
というのはすでに
公益
委員会
においても
実施
を認めております。でそれ以上の
地点
の小なるものは、
お話
中に又何とか解決
方法
もあるから、大体においてこの解決を、大きな方面に取上げておやり下さいということをお勧めしたに過ぎませんのですが、その間
東北電力
のほうでは
水利権
に向
つて
もやはり熱心な御努力があ
つた
かのごとく思われるのでありますが、そういうことが多少今日の食い違いにな
つて
おるかと思いまするのと、それから
建設
方面及びその他の
本名
、
上田
に関する
水利権
の
官庁
間の事務的の連絡は、比較的私
ども
のほうにどうするかという
意見
のお問い合せが少か
つたの
であります。又ありましても大体の
東京電力
と、
東北
との共同
開発
の線で
水利権
なるものがそれに含まれて、共に解決するという
考え
を持
つて
おりましたのでありましたから、御
相談
があ
つて
も或いはさような気持で
御返事
したかと思いまするが、それが余り御
相談
がなか
つた
。それで一方的にそのほうは進んでおる。それから
東北
も又、その一方的にそれをお進めにな
つて
おるというのが、多少今日の行違いを大きくしたようにまあ
考え
るのであります。そのことがよか
つた
悪か
つた
ということは別といたしまして、成行きはさように……。事実を申上げたのであります。
結城安次
21
○
委員長
(
結城安次
君) 次に
梅野
参考人
にお伺いしますが、
電源開発法
見返資金の貸付に至るまでの
手続
は、通常の場合と今度の場合と少し違
つて
おるかのようにも伝えられておりますが、若し違
つて
おるとすればどういうふうに違
つて
おるかということの、つまり見返資金放出の
手続
についてちよつと御説明願います。
梅野友夫
22
○
参考人
(
梅野
友夫君)
開発
銀行が見返資金を引継ぎましたのは本年の九月の十四日でございます。従いまして同日以降見返資金による
電力
融資というものは、
開発
銀行がその事務を
取扱
うことにな
つた
次第でございますが、今お尋ねの見返資金による貸付が、
本件
に関しましては通常の場合と違
つた
かどうかということに関しましてお答えいたしますが、これは
結論
を先に申上げますたば何ら普通の場合と違
つた
手続
はいたしておりませんのでございます。即ち
東北電力株式会社
から
本名
、
上田
開発
に要する資金として融資申込を正式に受理いたしましたのは本年の十月一日でございます。尤も先ほ
ども
申上げましたように、九月の十四日以降見返資金を引継ぎます
関係
上、その前からしてすでに事務の
手続
を円滑にするために、引継ぎ前後において問題にな
つて
おる、或いは宿題にな
つて
おる案件はどういうものがあるのかということは、お役所からもかねがね説明に来ておられましたし、又
東北電力
としても、こういう計画を以
つて
役所に目下
手続
をしているのであるという話をして来ておられたのでございますが、併しながらそれはまだ私
ども
が正式に聞く段階でなく、ただ
参考
として聞くという恰好で役所並びに
会社
から話を聞いてお
つたの
はかねがねあ
つた
わけでございますが、併しながら正式に受理をいたしましたのは十月一日でございます。尤もその前に九月の二十五日付で大蔵省から
通牒
を受けておりまして、
只見川
の
本名
、
上田
両
発電地点
の
開発
に要する見返資金の融資について
通牒
は受けてお
つたの
でございます。それで先ほど申上げましたように、十月一日に正式に申込の受理をいたしました。それから内部的な審査をいたし、融資の
決定
をいたしまして十一月の一日に第一の融資を実行いたした次第でございまして、正式受理から融資の実行に至るまでの間、普通の
手続
と何ら変ることなく、審査をいたしまして融資の実行をした次第でございます。 以上でございます。
結城安次
23
○
委員長
(
結城安次
君) これで
参考人
から今陳述を伺いましたが、
質疑
に入りたいと存じます。 〔
清澤俊英
君発言の
許可
を求む〕
結城安次
24
○
委員長
(
結城安次
君)
清澤
君、ちよつと待
つて
下さい。これから
質疑
に入
つて
、あなたから先に……。
質疑
じやないのですか。
清澤俊英
25
○
清澤俊英
君 いや、先に、
質疑
じやないのです。
只今
本名
、
上田
のことについて、資金面のことについて大蔵大臣からの
通牒
があ
つた
というのはその日付はいつなのですか。
梅野友夫
26
○
参考人
(
梅野
友夫君) 大蔵省から
通牒
を受けましたのは、今申上げましたように九月の二十五日でございます。
結城安次
27
○
委員長
(
結城安次
君) よろしうございますか。じやこれから
質疑
に入りたいと存じます。
島清
28
○
島清
君 ちよつと本格的な
質疑
に入る前に、福島
大竹
知事
に補足的な
質問
を、
委員長
の
質問
に対する補足的な点を質しておきたいと思いますが、
本名
、
上田
の
申請
を、
東北電力
からする場合に、それを確かに奥只見、前沢、田子倉、滝、大津岐の五件の使用
許可申請
を同時になされておるはずでございまするが、これはそうであ
つた
かどうか。それからそれに対しましては、どういうようなお
取扱
をなさるつもりであるかをちよつと御説明頂きたいと思います。 〔
委員長
退席、
通商産業委員
会
理事
栗山良夫君
委員長
席に着く〕
大竹作摩
29
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでございますが、奥只見、田子倉そのほか上流
地点
の
水利権
に対しましては、先に
国会
で通過いたしました
電源開発法
によ
つて
、最も
只見川
の使命に合致するところの
開発
がなさるべきものが適当です。
栗山良夫
30
○
委員長
代理(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
栗山良夫
31
○
委員長
代理(栗山良夫君) 速記を始めて下さい。 それでは休憩いたします。午後一時から再開いたします。 午後零時一分休憩 —————・————— 午後一時十九分開会
結城安次
32
○
委員長
(
結城安次
君) それでは午前に引続き開会いたします。
西田隆男
33
○西田隆男君 それでは私は先ず第一に
福島県知事
にお尋ねしたいのですが、あなたはさつきの御
意見
を述べられておる過程において、
東京電力
に福島県側として
相談
しなか
つた
ことは、非常に遺憾であるという、遺憾の意を表しておられたようですが、それはこの問題に関連して、我々はデマだと
考え
ておりますが、いろいろな批判が行われて来ている
実情
に鑑みて、遺憾の意を表されているのか。或いは
東北電力
が
只見川
の
二つ
の
発電所
の
許可申請
を指定、
決定
される上においては遺憾とは
考え
なか
つた
が、その後の情勢において遺憾と
考え
られたのが、その点をもう一遍
一つ
はつきり……。
大竹作摩
34
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでありますが、
東京電力
に対して事前にこの
上田
、
本名
の問題に対して
交渉
をしなか
つた
ことに対して、私は先刻その問題に対しては率直に遺憾の意を表する、こう申上げたのであります。それがこの
上田
、
本名
の要
地点
は先にも申述べましたように、現下の
電力事情
に鑑みて、
公益
上どうしても
早期開発
を成すという
観点
から、今まで
調査
の点或いは
開発
意慾に燃えている点或いは地方沿岸住民との
関係
を
考え
まして、東化
電力
に対して
許可
を与えたのであります。このことに対しまして、事前に話をしなか
つた
ことが遺憾であると申上げましたのは、私は
東京電力
からはこの問題に対してまだ曾
つて
一応の話もなか
つたの
であります。繰
つて
、今度
東北電力
は今申上げましたように、
調査
の点、又県とも密接に連繋を保
つて
参
つたの
であります。かような
観点
から私はこの問題を、早急に解決するためには、どうしても
東北電力
でなければならんという
結論
に達したので、今申上げました
措置
をと
つたの
であります。その間に
東京電力
に対して事前に
交渉
しなか
つた
遺憾の意というものは、その要は非常にこの問題が何と申上げますか、混ぐらかるという表現が適当かも知れませんが、かようなことを
考え
まして、やはりこれは私の処置は、始まりに
考え
た信念に基いて行な
つたの
でありまして、その間に話をしなか
つた
ということに対しての遺憾の意を表したものであります。
西田隆男
35
○西田隆男君 今の御答弁聞いて、大体わか
つた
ような感じもいたしますが、あなたが
福島県知事
として、以前この
只見川
の
水利権
を
東京電力
が持
つて
お
つた
ということはすでに御
承知
のはずであり、あなた自身はさつきの御
意見
の中にも、日本発送電の例を引かれて共同で
開発
したいのだという御
意見
を述べておられる点から見ても、
東京電力
が
水利権
を持
つて
お
つた
ということは御
承知
のはずです。
従つて
許可
したことの良し悪しは別問題として、そういう関連において
東北電力
が若し
福島県知事
宛に
認可申請
をしたならば、当然これは両
当事者
である
東京電力
に一応儀礼的にも
お話
をお進めにな
つて
、
東京電力
側の意向を聞かれて、いずれが正しいかという
判断
は
福島県知事
としては、判所を下されるのは、これは当然であると思います。その結果がいい悪いということを私は申上げているのではなく、あなたが遺憾の意を表されたという遺憾の意の表し方が、
許可
した後のいろんな批判に対して遺憾の意を表してお
つたの
か。最初からそういう
意思
を持
つて
お
つた
けれ
ども
、理窟の如何にかかわらず、
相談
をしなか
つた
という点に対して遺憾の意を表しておられるか。こういうことを私はお聞きしているのですが、御答弁はもう再度要求はいたしませんけれ
ども
、
福島県知事
として
東京電力
と
東北電力
との間の
只見川
電源開発
の問題については、多少手落があ
つた
ということだけは、あなたもお認めになりますかどうですか。
大竹作摩
36
○
参考人
(
大竹作摩
君) 私はただ
関係
を持
つて
おりまする
東京電力
会社
に対しての情の上からの遺憾の意であります。
東北電力
にこの
水利権
を与えることが
公益
上最も適当と信ずるのであります。
西田隆男
37
○西田隆男君 情の上からの遺憾の意だということですが、さつきも私が申上げましたように、
東京電力
が過去においては
水利権
を持
つて
お
つた
という事実はあなたも御
承知
でおられる。
従つて
若し福島
知事
としてお裁きになるなら、どちらに
許可
されるかは別問題として、当然
東京電力
側に一応の形式的にでも
意見
を聞かれるということが行われなければならんと思う。それが今日のあなたの御
意見
を聞いていると、行われていないように
考え
られるので、
従つて
これは遺憾の意を表されている意味合が、そういう
手続
、形式的であ
つて
も、実質的であ
つて
も、そういう
手続
きを経てなか
つた
ということに対して、遺憾の意を表されているのかということをお聞きしているのですが、もう御答弁は要りません。大体あなたの午前中の
お話
と、今の御答弁で大体の
判断
はつきますから……。別にそれは法律でどうということではありませんから、御答弁は要りません。 それから安藏さんにお尋ねしますが、あなたの今日の午前中の
お話
を聞いておりますと、
東北電力
との間に、
只見川
の
開発
についていろいろ
お話
合をしてお
つた
最中に、こういうことをされたという御見解の表明があ
つたの
であります。ところが内ケ崎さんの
お話
を聞いておりますというと、
二つ
の
発電所
は
東北電力
としては東電側の申立を拒否したのだという
お話
があ
つた
ようであります。
従つて
私の、あなたに御
意見
を聞きたいのは、安藏さんが、
東北電力
側と
協議
をされてお
つた
間において、あなたがたはこの
本名
、
上田
、
二つ
の
発電所
を含めて両方で
会社
でも作
つて
、
只見川
の
開発
を総合的にしようじやないかという
お話
合を、
協議
を進めておられたのかどうか。それともただ漠然として
只見川
というだけの
意思表示
で話を進めてお
つたの
かどうか。この点をもう一遍お聞きいたしたい。
安藏彌輔
38
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私
ども
は私
ども
の持
つて
いる
水利権
、即ち宮下以上の
水利権
を含めて共同の
会社
を作
つて
やろうということをはつきり申上げておりました。又私もそういう
考え
でおりました。然るにそのときに内ケ崎さんから一応は先ほどの御
意見
もございましたが、これについて十分闘
つて
、そういう
意見
もまとまらなければ、これはこれで裁定する
方法
があ
つた
と思います。そこへ行かないうちに、片方のほうの行動に出られたことは私非常に遺憾と思
つて
おります。
西田隆男
39
○西田隆男君 そこで最後に
野田
さんにお尋ねしたいのですが、あなたが
建設大臣
になられて、この
只見川
の両
発電所
の
開発
の問題を決裁される上において、午前中
参考人
各位から御
意見
を述べられたようなことは、十分に御
承知
の上で、あなたは処置なす
つたの
かどうか。これを一点……。
野田卯一
40
○
参考人
(
野田卯一
君)
只見川
の
開発
の問題については、事後的にいろいろと
調査
してわか
つて
来たことがたくさんあるのでありまして、
只今
参考人
諸氏の述べられたことのうちでも、知
つて
いることもあるし、知らんこともある、こういうことになると思います。
西田隆男
41
○西田隆男君 あなた非常に上手に逃げられますが、今日のあなたの
参考人
としての御
意見
を聞いておりますと、ただ早く
電源
の
開発
をしなければならんというのが一番ウエイトを持
つた
理由
であ
つて
、そのほかには、今少し
東京電力
と話を進めた上で、
許可
してもよろしいというような点が多々見受けられる。そこでまあ世間ではいろんな批判をし、いろんな疑惑の眼を以てこの問題を
考え
ている。今日
参考人諸君
の御
意見
を聞いておりながら世間でいろいろ疑惑の眼を以てこれを見ることは尤もだ、どうも余りに個所が多過ぎる、
許可
する過程において。
皆さん
が本当に誠心誠意、
野田
さんが言われるようなことを重大問題としてお
考え
にな
つて
いるならば、当然まだ手を尽さなければならんことがたくさん残
つて
おる。そういう方面のことを手をお尽しにならないで
許可
をされたというところに、この問題の何かこんがらか
つた
面があるように私は
考え
る。こういう問題は
国会
を通じて
国民
諸君にはつきりわかりやすくすることが非常にいいと思う。つまりその点はこう
考え
たからこうだ
つた
、こういう点を全然知らなか
つた
ということを、若し
お話
になれるならもう一度御
意見
を伺いたい。
野田卯一
42
○
参考人
(
野田卯一
君)
只今
申しましたように、先ほどから
参考人
の
お話
は、非常に多岐に亘
つて
おるのでありまして、私は
建設大臣
としては
建設大臣
の立場から
判断
を下すに必要な範囲を
事務当局
と
相談
をしてや
つた
程度であります。先ほど申上げましたように、
電源開発
を早くやらなければならない。こういう
事情
もありまして、御
承知
のように
電源開発法
を出したいきさつも、どうしても日本の
電源開発
を早くやらなければならんという
趣旨
から出したのであります。
只見川開発
でも、今度の両
発電所
の噂というようなものが出たのも、
電源開発
を促進する、一刻も早くやるという
趣旨
から出たのでありまして、若し御疑問の点があ
つた
ら、こういうことをしたらどうかというお尋ねであ
つた
ら……並べてたくさんおつしや
つたの
で、その点を……。
西田隆男
43
○西田隆男君 では具体的に伺いましよう。先ず第一にお伺いしたいのは、あなたが福島県側から
申請
をされたことに対して、福島県側に対して
東京電力
との間に何らか
話合い
をしたかどうかということをお聞きにな
つた
ことがあるかどうか、それを
一つ
お願いいたします。
野田卯一
44
○
参考人
(
野田卯一
君) これは
話合い
がなかなかうまく行かない。二人の
話合い
でうまく行かないというようなことを聞いております。
西田隆男
45
○西田隆男君
話合い
がうまく行かないかどうかということを聞いておるのじやなくて、福島県側から、
東京電力
とは、何らこの問題に対して話合
つて
いないということをあなたはお聞きにな
つた
ことがあるかどうかという、こういう問題です。
野田卯一
46
○
参考人
(
野田卯一
君) 私は別に福島県側からそういうことを聞いておりません。
西田隆男
47
○西田隆男君 そうすると、あなたは福島県側の
意見
は
書類
が出たまま、何ら福島県側に対しては
意見
は聞かれなか
つた
、こう解釈してよろしゆうございますか。
野田卯一
48
○
参考人
(
野田卯一
君) それは役所の仕事が忙がしいときでありましたから、
事務当局
はそういう点で連絡したかも知れませんが、私はそういうことがあ
つた
かなか
つた
か、よく
記憶
いたしません。
西田隆男
49
○西田隆男君 それでは
河川局長
、あなたお聞きになりましたか。
目黒清雄
50
○
参考人
(目黒
清雄
君)
福島県知事
から
書類
が出ましてから、いろいろ直接ではありませんが、その辺の様子は承わ
つて
おります。なかなかこの問題はむずかしいという感じを抱いておりました。
西田隆男
51
○西田隆男君 私はこういうことをお伺いしておるのでなく、今
野田
さんに聞いたら、自分は知
つて
ないが、事務局が知
つて
おるかも知らんという
お話
なんで、
河川局長
としては
福島県知事
から
申請
があれば、当然問題になるというように思
つて
お
つた
ということは、御
承知
のはずで、それはぎりぎりあれから言
つて
も当然なんで、福島県から話をするのが筋道だと思う。
従つて
あなた方が、福島県側の
認可申請
書を御覧にな
つて
、福島県側と折衝されたときには、そういうことがあ
つた
かなか
つた
か。先ず
建設省
側として
東京電力
に当る前に、福島県側の知
つた
ことについてお聞きになるのが筋道だと思う。そういうことをお聞きにな
つた
かどうか、こういうことをお尋ねしておる。
目黒清雄
52
○
参考人
(目黒
清雄
君) 福島県と当局の間の
交渉
は、まだ
交渉
がついておらんということを
承知
しております。
西田隆男
53
○西田隆男君 それはあなたはいつ頃お聞きになりましたか。
目黒清雄
54
○
参考人
(目黒
清雄
君) はつきり時期はわかりませんが、大体私のほうでこの問題の方針をきめましたのが五月ですから、その以前と
考え
ております。
西田隆男
55
○西田隆男君 方針をきめるというのが五月でなくて、
認可申請
書が出たのが五月一日ではありませんか。そうじやないですか。
目黒清雄
56
○
参考人
(目黒
清雄
君)
認可申請
書は二月に出ておりますので、二月から五月までの間に我々のほうでは相当研究しております。
西田隆男
57
○西田隆男君 それでは本省側としては、結局福島県の
認可申請
につきまして、以前の
水利権
者であ
つた
東京電力
との間には何ら話合
つて
いないということを知りながら、この問題をこういうような筋書に運ばれたと、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
目黒清雄
58
○
参考人
(目黒
清雄
君) その
通り
だと思います。
西田隆男
59
○西田隆男君 それでは、今度は
野田
さんに
一つ
聞きますが、五月一日に安藏氏に話をした。これはまあ
東京電力
側の御
意見
を聞かれたのですか。或いは
建設省
として
東京電力
側に処置をせいと言われたのですか。いずれか知りませんけれ
ども
、
建設大臣
として五月一日に安藏氏に
意見
を聞かれたということを言
つて
おるのですが、この点は
建設大臣
は今安藏さんが言
つた
ように、
東京電力
側から福島県側に何ら話合
つて
いないということを御
承知
の上で伝えたものとすれば、
東京電力
側から水利問題について
意見
表示がなか
つた
という単なる事実に基いて、
東京電力
側ともう少し納得の行くような段階に至るまで
話合い
をされずして、七月二十五日の
閣議
にかけられたということは、少し手落ちだと思うのですが、
建設大臣
としてどうお
考え
になりますか。
野田卯一
60
○
参考人
(
野田卯一
君) 私はその点は余り
建設省
としては要点でないと
考え
ておりますので、
建設省
としては、
福島県知事
から出て来たものがいいかどうか、又それをすることがいいかどうかという点に重点を置いて研究したわけです。
西田隆男
61
○西田隆男君 それは非常に誤
つた
考え
です。
建設省
というものは、県から来たから福島県のものを審査すればいいということは表面の
理由
であ
つて
、それを審査するのは、ああいう問題をスムースに解決する意味においてしなければならん。
従つて
建設省
側としては、福島県のほうから
申請
をしたものが適当であるから、これは
認可
すべしということは、
意思
があればできますので、
東京電力
側に対しては、もつと丁寧に親切に、納得の行くように話をされることが、これが民主政治の根本原理である。それをあなたは午前中の
参考人
としての御
意見
の折でも、審査一点張りでや
つて
おられる。それは
委員会
当時において、もう少し何とか
話合い
をなさるときに余地があるようなふうに
話合い
をなさ
つた
ほうがいいと思うのですが、これ以上あなたの御答弁は求めません。 それからもう一点
石原
さんにお伺いしますが、あなたは
公益事業委員会
から事務引継をされる過程において、この両
発電所
の
開発
の問題について、これをお聞きにな
つた
と思うのですが、その後
通産
省が
閣議
を
決定
したのか、
建設省
で
許可
したのか知りませんが、相当に開きがあるにかかわらず、
通産
省がずつと遅れて
認可
されたような形にな
つて
おりますが、この間のいきさつについて伺
つて
おきます。この間の
経過
の話を
一つ
お聞かせ願いたい。
石原武夫
62
○
政府委員
(
石原
武夫君) 御
質問
の第一点の事務引継という点は、
公益事業委員会
からという御
趣旨
だと思いますが……。
西田隆男
63
○西田隆男君 そうです。
石原武夫
64
○
政府委員
(
石原
武夫君)
公益事業委員会
から
電力行政
の全般的な事務引継をいたしましたが、その際にこの問題は特に御説明なり何なりでは知りませんでしたし、又こういう問題が起
つて
おるということも
お話
は受けません。ただ
申請
書は二月当時
公益事業委員会
に出ておりました。そのまま未処理にな
つて
おりますが、これは事務の移管と共にそのまま
書類
は当然事務上引継を行な
つた
ということにな
つて
おります。それからその後、八月一日以後、電気
行政
が
通産
省に廻りましてからのこの点に関する
取扱
いについて御説明いたしますが、
本件
につきまして、私が
承知
をいたしましたのは八月四日でございます。これは当日
次官会議
の報告と申しまするか、出ておるようでありますし、その当時
建設省
のほうからも、事務的に
お話
があ
つた
ことがございまして、これを
承知
いたしまして、私といたしましては大至急上司に御
相談
をいたしまして、すでにそのときに、七月二十五日の
閣議決定
という事項も私は上司から伺いました。それで
従つて
上司と御
相談
いたしまして、
通産
省といたしましても
建設省
と同
意見
の趣きを回答するという態度をきめまして、すぐさような処置をとるようにいたしたわけでございます。ところが、非常に遅れております
理由
、
只今
お尋ねがございましたが、丁度当時機構改革で、新らしく
電力行政
が変
つた
ということで、人事も動き、多少ごたごたいたしておりましたのと、もう
一つ
はこれは事務的に事務所が引越したりいたしましたので、さような
関係
で事務処理が遅れまして、十二日に至りまして起案をいたしました。今日はそれを持
つて
来ておりますので、御覧頂けばはつきりいたしますが、十二日にそれを起案をいたしまして、これは政務次官の御決裁を得ておりますが、大臣の御決裁を得たのは十九日でございます。さようなことで非常に遅れたのでありますが、ただこの
公共事業令
に基きます
許可
をいたします、その日付を四日に実は遡
つて
施行
いたしました。これは事務的に
異例
ではございましたが、すでに福島県のほうからも、
建設省
から
許可
を得ており、できるだけ早く
通産
省の
意見
を回答してくれという御希望もございましたし、たまたま
通産
省の事務的な
関係
で遅れましたのと、すでに四日には上司の指示を受けておりましたので、上司の御決裁を得ます際に日付を四日まで遡ることの御決裁を得て、四日付で
施行
しております。
西田隆男
65
○西田隆男君 そうすると、七月二十五日の
閣議
で
決定
する前には、あなたは何も御
承知
なか
つた
わけですか。
石原武夫
66
○
政府委員
(
石原
武夫君) あの当時は全く聞いておりません。尤も所管も全然違う仕事をいたしておりました。
西田隆男
67
○西田隆男君 そうすると、あなたが
公益事業委員会
の仕事を引継いで、
公益
事
業局長
としての仕事をお始めにな
つたの
はいつ頃ですか。
石原武夫
68
○
政府委員
(
石原
武夫君) これは一日付けで発令にな
つて
おりますので、形式的には一日と申しても結構だと思います。私も一日に従来の
公益事業委員会
の事務所へ参
つて
、一部の者と話をして多少仕事の問題の点等を聞いたりいたしましたので、実質的に落ちついて仕事をいたしたのは四日頃かと思いますが、一日、二日と従来の
公益事業委員会
がありました事務所に参りまして、一部民間のかたの
お話
を伺いましたので、一応一日というふうにお
考え
願
つて
結構であります。
西田隆男
69
○西田隆男君 そうすると、二十五日の
閣議
で
決定
したことに対して、あなたは
公益
事
業局長
として八月一日からお仕事を始められた。
従つて
八月四日までの間に、当時の
通産大臣
から当然
事情
をお聞きにならねばならんはずのものだと思うのですが、これも八月四日まであなたは何ら
通産大臣
からは話をお聞きにな
つて
おりませんか。
石原武夫
70
○
政府委員
(
石原
武夫君)
お話
の
通り
、四日までは私は
承知
いたしておおりません。
西田隆男
71
○西田隆男君 そうすると、四日にあなたは勿論内容を知られて、あなた自身の御
意見
というか、
公益
事
業局長
としての御
意見
を
通産大臣
か若しくは
省議
等において検討をされたであろうと思われるのですが、その際に述べらたたことがありますか。
石原武夫
72
○
政府委員
(
石原
武夫君)
只今
のお尋ねは、四日に事務的にも
建設省
から御連絡を受けまして、これは担当の課長その他から説明を聞きまして、
閣議決定
の
趣旨
も聞きまして、私といたしましては、すでに
閣議
で
決定
をし、
次官会議
の御報告があ
つたの
で、その
趣旨
に
従つて
処置すべきものと
考え
まして、上司の御
相談
を受けて、そのようにきめたわけであります。
西田隆男
73
○西田隆男君 そこで
石原
さんによくお
考え
願いたいのですがね。私は七月二十五日に
閣議
で
決定
して八月の四日までは知らなか
つた
ということ自体が大体問題だ。少くとも
通産大臣
が
閣議
に出ておるんですから、
閣議
で
決定
したということですから、こういう重大な問題については、
公益
事
業局長
であられるあなたに、すべてのものが
決定
するまでに当然
お話
にならねばならんことであり、
お話
になれば、とにかく
公益
事務局長は局長としての立場から御
意見
の開陳があるべきであり、そのいずれもなんにもなさらないで、八月四日に初めて
建設省
からの連絡があ
つて
、八月の十九日に
通産
省できめたものを八月四日に遡及して
施行
する。ところが、さつき「
異例
だけれ
ども
」と言われた。
異例
であるけれ
ども
というこの
異例
が特な
異例
である、特別な
異例
である、や
つて
はならない
異例
であるというふうに私
ども
にはどうも受取れるのです。少くとも
電源
の
開発
に関して
建設省
は、
野田
さんが全責任を持
つて
おられるかおられないかは知りませんが、機構改革の
あと
には
通産
省が監督権を持
つて
おる。それを
建設省
が、
閣議決定
をしたからというので、八月四日にまで遡及して
許可申請
の免許をしたということは、これは事務的の
手続
きの上にも我々はどうも妥当とは
考え
られないのです。もう少し何か我々の納得するような御説明が事
業局長
からあ
つて
然るべきだと思うのですが、どうですか。
石原武夫
74
○
政府委員
(
石原
武夫君) 重ねての御
質問
でございますが、我々といたしましては、
閣議決定
後、
次官会議
でも
相談
をいたしまして、至急に
措置
するようにいたしたのでありますが、たまたま事務所を引越すとか、いろいろなことがございましたので遅れましたので、普通ならば、一両日くらい遅れることは何ら差支えないと思いますが、非常に遅れた
関係
もございまして、福島県に対しても非常にお気の毒だと思いましたので、それは当時すでにきま
つた
ことでもございますし、
意見
を今申し述べるという程度の問題でございますので、実際的に問題なか
つたの
で、一応日付を遡ることを
考え
まして、これは上司にも起案のときにはつきりさような
趣旨
を聞きまして、御決裁を得たわけであります。特段の意図はなか
つたの
であります。
西田隆男
75
○西田隆男君 この当時の
通産大臣
は
閣議
でこの話を聞いたということを言
つて
おりましたかどうか。
石原武夫
76
○
政府委員
(
石原
武夫君) これは
閣議
で二十五日、かような事案がかか
つた
ことは後に承わりました。
西田隆男
77
○西田隆男君 いや、
通産大臣
は
出席
をしてお
つたの
ですか。
石原武夫
78
○
政府委員
(
石原
武夫君) 御
出席
だ
つた
と思います。私は。
西田隆男
79
○西田隆男君 だ
つた
と思いますなんて、あなたは御
承知
のはずですよ。
石原武夫
80
○
政府委員
(
石原
武夫君) 二十五日にかようなものが
閣議
にかか
つた
ということは承わりました。
西田隆男
81
○西田隆男君 もう私はいいです。
栗山良夫
82
○栗山良夫君 私
野田
さんにちよつと伺いますが、先ほどの御証言の中で大体わか
つて
おるのですけれ
ども
、もう一遍確認をしておきたいのは、あなたがこの
水利権
を
東北電力
に移すことによ
つて
、その
水利権
が直ちに
東北電力
の手によ
つて
行使せられまして、水力
発電所
の
工事
が着工されると、こういう見通しの下に
許可
をせられたかどうか。ただ昔のように、いつ着工するかわからないような
地点
について、一応既得権としての
水利権
を与えることがありましたが、そういう
考え
方でなくして、
水利権
を
許可
すれば直ちに
工事
に
東北電力
が着手するとこういう見通しの下におやりにな
つた
かどうか。
野田卯一
83
○
参考人
(
野田卯一
君) 急いでこの
決定
をすれば、御
承知
のように冬になりますと、
只見川
は渇水いたします。その渇水期に締切
工事
をやる、その締切
工事
を渇水期にやるために、その締切
工事
に先立つ諸般の
工事
をやらなければならん、それに間に合う、こういうような確信がありました。
栗山良夫
84
○栗山良夫君 そういたしますと、そういう前提で御
質問
をいたしますが、さような工合に直接
工事
に結び付いておる
水利権
であるといたしますと、一遍
許可
を与えました以上は、その
工事
に対する役所の許
認可
等の責任も当然生じて来るわけであります。
従つて
私はもう一度そういうような立場で、当時の
公益事業委員会
、
只今
の
公益
事業局が相当監督をしなければならんような点までも含めておやりにな
つた
かどうかが、これが問題になるわけでありますが、もう一度、そういう前提であるといたしまするならば、
東北電力
に移すことによ
つて
、
東京電力
に移すよりもより以上の効果を挙げると、こういう工合に認定をせられた
理由
というものを
一つ
明らかに聞かして頂きたい。
野田卯一
85
○
参考人
(
野田卯一
君) それは冒頭に述べましたように五月私がこの問題に触れ出しましてから、いろいろと
事務当局
と研究、検討いたしました結果、
東北電力
にやらせるほうが
電力
の
早期開発
というような目的から適当である、そういう
結論
に到達して、先ほど申しましたように、
東京電力
に対しまして、その線で
一つ
問題を解決するように同調を求めて、それが再三の
交渉
でも見通しがつきませんので、荏苒として日を送
つた
らば
工事
はできなくなるという視点から、ああいう
措置
をと
つた
、こういう次第なのであります。
栗山良夫
86
○栗山良夫君 あなたは
公共事業令
を大体よく御
承知
だと思いますが、
公共事業令
の第二十八条は、
発電所
の施設をいたしたい場合には、事業主が届出をするわけでありますが、そのときに通商産業大臣は、その
申請
書について次の三つの点が適合しておるかどうかということを審査しなければならんということにな
つて
おります。その一は、「その
公益
事業の開始が一般の需用に適合するものであること。」二は、「その
公益
事業の開始が公共の利益を増進するものであること。」、第三が、「その
公益
事業を適確に遂行するに足る財政的基礎があること。」この三条件が満されるかどうかということを審査しなければならんということにな
つて
おります。ところが今までの証言によりますと、あなたはこの
公共事業令
に
行政
監督をしておる当時の
公益事業委員会
には何ら御
相談
にな
つて
いない。又その後発足いたしました
公益
事業局に対しても発言権のない状態において
決定
をされておるわけでありますから、
従つて
今あなたが言われたような立場で申しまするならば、先ほど来
建設大臣
として
建設大臣
の権限を行使したに過ぎない。こうおつしや
つて
おりますけれ
ども
、おやりにな
つた
ことはもつと広汎な
公共事業令
にも触れるようなことをおやりにな
つた
わけでありますから、
従つて
只今
のこの三つの
公共事業令
第二十八条が定めておりまする内容について、具体的にどのような審査をせられたか。その点を
一つ
承わ
つて
おきたいと思います。
野田卯一
87
○
参考人
(
野田卯一
君)
只今
の
公共事業令
の規定は我々直接
関係
のない時だと思います。それから
本件
に関しましては御
承知
のように
福島県知事
が第一線といたしまして、
許可
をしたり
許可
を
取消
したりするわけで、そこで
許可
を与える、又
許可
を
取消
すことを
福島県知事
がやる際に、私のところへこうや
つて
よろしいですかということを聞きに来るわけであります。
従つて
そのときに同時に
福島県知事
は
公益事業委員会
に対して、こうしたいと思うが、
公益事業委員会
の
意見
はどうであるかということを聞くわけです。私のほうに来たものは、私のほうで私の
意見
を
福島県知事
に言
つて
やる。
公益事業委員会
は
福島県知事
から
意見
を求められると、自分の
意見
を発表する前に、
建設大臣
のところへ来て
相談
をされることにな
つて
いる。その
相談
された結果によ
つて
、今度は
公益事業委員会
が
福島県知事
に応答される。こういう建前にな
つて
おります。その線で私は進んでおります。
栗山良夫
88
○栗山良夫君 それは私聞かなくても、そういう形式的な
手続
きの問題はよく
承知
しておるのです。そういうことでなくて、今あなたがおつしやるようなことをやるならば、今日の問題にな
つて
いるような
方法
で払下が起きたり、或いは了解をしないためにいろいろ異議が出るようなことはないわけであります。それが行われていないということは、当時の
建設大臣
が或る意味においては独断でこういうことを遂行されたということになるのであ
つて
、
従つて
問題はあなたが先ほど
早期開発
のために一番よろしいと、又
電力
の
運営
の面からい
つて
もよろしいということによ
つて
許可
をしたと、こうおつしやるのでありますから、そういうことであるならば、具体的にそういうような条件を満すか満さないかということは、
公共事業令
の二十八条がその審査すべき内容をきめておるわけであります。そうい
つた
ような点から検討しなければならない、こういうことに
結論
はなるわけであります。
従つて
更にそれじや私もう
一つ
突込んで聞きますが、当時は
電源開発
促進法が
国会
において非常に審議をせられておりました。あなたも答弁に立たれたわけですが、それはその
開発
審議会の条文の中に、
電源開発
調整審議会というものは、促進
会社
の行うもの、事業者の行うもの、その他地方公共団体の行うものまで含めて、誰が担当すべきかということを最終的に
決定
する機関である、こういう工合に私了承しておりますが、その点を御存じであるかどうか。
野田卯一
89
○
参考人
(
野田卯一
君)
電源開発
促進法の中で、
電源開発
調整審議会が重要な役割をして、そうして
電源開発会社
がどの
地点
やるということの
決定
は、この
電源開発
調整審議会できめられたということは了承しております。
栗山良夫
90
○栗山良夫君 そうしてその中には当時の
電力行政
を司
つて
お
つた
公益事業委員会
の
委員長
がメンバーに入
つて
お
つた
ことは御
承知
でございますか。
野田卯一
91
○
参考人
(
野田卯一
君) もう一遍ちよつと……。
栗山良夫
92
○栗山良夫君 その審議会のメンバーに
電力行政
の最高責任者である
公益事業委員会
の
委員長
が入
つて
お
つた
ことは御
承知
ですか。
野田卯一
93
○
参考人
(
野田卯一
君) よく今はその時にそういうことを知
つて
お
つた
かどうかということは、ちよつと
記憶
いたしません。
栗山良夫
94
○栗山良夫君 御
記憶
にないということであれば、ここに印刷物がありますから、お目にかけてよろしいわけです。その点先ず明かにして頂きたいと思います。これは現物を今持
つて
来ますが、
公益事業委員会
の
委員長
というのは、確実に入
つて
おるわけですけれ
ども
、それはお認めになりませんか。
野田卯一
95
○
参考人
(
野田卯一
君) 私はこう言
つたの
です。その当時に、五月か六月に論議してお
つた
ときに、それが入
つて
お
つた
ということを君が知
つて
お
つた
かというお尋ねだと思うのです。その知
つて
お
つた
かどうかということは、その時は知
つて
お
つた
か知りませんが、その時の知
つて
お
つた
かどうかということの
記憶
は今ないということを言
つて
おるのであります。
栗山良夫
96
○栗山良夫君 そういう言葉の言い廻しを言
つて
おるのじやなくて、
電源開発
調整審議会の中に、それでは
国会
を通過した瞬間でもよろしうございますが、
公益事業委員会
の
委員長
というものがメンバーとして入
つて
いたかいないか、この点をお聞きしておるわけです。
野田卯一
97
○
参考人
(
野田卯一
君) それは条文見せて頂けばよくわかると思います。
島清
98
○
島清
君 関連して
野田
さんにちよつとお伺いしたいのですが、
野田
さんは
東北電力
のほうに
電源開発
をやらしたほうがよろしいという先入主で、その前提の下に、
東京電力
側のほうの責任者にお会いをしたのが五月の幾日かでございまするが、その席上で安藏さんに
東北電力
に譲る
意思
はないかと、
相談
よりもむしろ職権を以て勧告みたように聞えるようなことをや
つて
おられるんですが、その
東京電力
にさように表現をされる前に、
東北電力
にやらさなければならないという、この根拠を、どこに求めておられるかをお答えをお願いしたい。
野田卯一
99
○
参考人
(
野田卯一
君) それは先ほど申上げましたように、この問題を
建設省
の中でとり上げまして、
事務当局
といろんな
観点
から検討した結果、
東北電力
にやらせるほうが、
早期開発
の上において非常に好都合で、そのほうがベターである。それから又でき上
つたの
ちの
運営
管理上もそのほうがいいのだという
結論
に到達したわけであります。その
判断
に到達したわけであります。その線に
従つて
問題を処理するには先ほど申しましたように、片方を
取消
して、片方に与えるという行き方もあれば、
東北電力
と
東京電力
と話合で、
東京電力
が
東北電力
に譲渡される。普通の
話合い
で譲渡まで行けば問題はないわけです。穏やかに行かれる線で極力行かないかということで
相談
を申込んで、君たちのほうで調べた研究の結果はこういう
判断
にな
つた
、そういう
話合い
に持
つて
行つて
もらう。そうして我々の
意見
に同調してや
つて
頂くように
お話
したということです。
島清
100
○
島清
君 あなたが
東北電力
のほうにやらしたほうが総合
開発
ができるんだというこの一人でおきめにな
つた
ことは、私は問わないといたしまするが、併し今栗山議員の
質問
からいたしまして、
水利権
を
許可
するについては、大体
公益事業委員
等のそれぞれの
関係
者の
意見
も十分に尊重して、そうして
建設大臣
としての
許可
というものを与えるべきじやないかというようなことが
質問
にあ
つた
わけでございまするが、栗山君に対する御答弁の中には、何かその自分は
河川
行政
を与かる
建設大臣
として、そうしてその線から単に
行政
的な処置をしたんだというように解されるような御答弁があ
つたの
でございまするが、あなたは併し
建設
行政
を離れて、むしろ
通産
行政
、むしろ
公益
事業のほうに入られて、そうして
許可
を
行政
的な
措置
をされているような答弁でございまするが、少しそこらの説明が足りないようですが……。
野田卯一
101
○
参考人
(
野田卯一
君) それは私もわからないのでありますが、制度の建前が
水利権
は
建設省
のほうで許す、それから電気事業のほうは
公益事業委員会
でやられる。それが県
知事
のところへ
行つて
総合されるというような建前にな
つて
いるわけであります。御
承知
のようにそういう
関係
から問題が出て来て、
水利権
の問題を
取扱
う者としてベストを尽した、こういうことです。
島清
102
○
島清
君 あなたはあなた自信でベストを尽されたかも知れませんが、あなたのベストの尽し方によ
つて
天下がこういう工合に非常に批判的な目を向け、
東京電力
としては非常に迷惑をしているわけなんで、そういうところに出発いたしまして、今日の
委員会
が開かれているわけでございまするが、あなたのベストを尽される、あなたの御認定をなさる前に、あなたはそのあなたの部下のそれぞれの責任者の
意見
を徴し、更に
省議
等も
決定
をしてあなたの一体ベストを尽したのだという最後的
結論
に到達されたかどうか。それともあなたは省外でいろいろのことを聞かれたり、見られたりして、そうしてそういうような
結論
に到達されたかどうかを御説明願いたい。
野田卯一
103
○
参考人
(
野田卯一
君) 私はこの問題につきまして、
只見川
の問題につきましては、大臣就任以来非常に関心と、又一面責任がありますので、自分としては相当検討をして参
つたの
でありますが、私は、私というよりむしろ
建設省
全体が
只見川
問題は熱心に研究しております。それから御
承知
のように
只見川
につきましては、この前に柳津、片門というような問題があり、そういうような点を現地に
行つて
見るとか、各方面から検討いたしております。又その過程におきまして、私大臣就任以来各方面から
只見川
の問題についてはいろいろ話を聞いたり、
省内
でいろいろ問題を聞かされている。そういうものの全部が集
つた
総合的な
判断
の結果、
東北電力
にやらせたほうがよろしいという
判断
にな
つた
、こういうことであります。
栗山良夫
104
○栗山良夫君 この官報を見て下さい。七月七日の本
会議
、七月七日の本
会議
で可決にな
つた
電源開発
促進法の第九条には、審議会には
公益事業委員会
の
委員長
が参加することにな
つて
おります。
野田卯一
105
○
参考人
(
野田卯一
君) 知らないとは言
つて
おりません。速記を見て下さい。
栗山良夫
106
○栗山良夫君 知らないと言
つた
から……。
野田卯一
107
○
参考人
(
野田卯一
君) 覚えがないと言
つた
んで、知らないと覚えがないのとは違う。
栗山良夫
108
○栗山良夫君 私は覚えがあると思
つて
見せているのだ。そこでですね。こういう促進法ですら
電源開発
については水利
地点
だけの問題でなしに、そこで起された電気の運用の問題、
工事
を進めて行くための資金の問題等がありますから、
従つて
電力行政
の最高の監督権を持
つて
いる責任者を参画せしめることにな
つて
いるのでありますから、当然先ほどあなたが言われたように、この
工事
は
水利権
を
許可
すれば直ちに
工事
に着工するのだと、そういう前提の下に
許可
されているとするならば、当時の
公益事業委員会
に
相談
せられるのが当然じやないか。こういうことを私はお聞きしているわけです。あなたは
相談
がなか
つた
からする必要はないとおつしや
つた
んだが、それは普通の場合の
水利権
の
許可
の状態とは違う。
従つて
その点は私は手落ちはなか
つた
かということをお尋ねしているわけであります。
野田卯一
109
○
参考人
(
野田卯一
君) 私はこの点は余り手落ちはなか
つた
というふうに自分では思
つて
いるのであります。それは何故かと言いますと、
公益事業委員会
というのはございます。ございますが、
建設省
で検討いたしまして、大体肚は片方を
取消
して、
東京電力
を
取消
して
東北電力
に与えようという肚をきめた。肚を本当に本ぎめするまでにはやはり
閣議
の
最高判断
を求める必要がある。
閣議
に諮
つて
、
閣議
のほうで御賛成を得ましてからいろんな
手続
、
書類
などを整備しまして、それから
公益事業委員会
に諮るという
手続
をと
つたの
であります。ところが
公益事業委員会
がなくな
つて
、その後身は
通産
省であるから、
通産
省に諮
つた
ということにな
つて
おります。
栗山良夫
110
○栗山良夫君 どうも話が堂々めぐりしますが、それじやもう一点だけ聞きます。先ほどのように
工事
が緊急に着手されるという見通しを立てられた場合には、資金の問題が私はあ
つた
と思いますが、その資金の点はお
考え
になりましたか。
野田卯一
111
○
参考人
(
野田卯一
君) 資金の点は、御
承知
のように数百億の枠でありますが、この枠の中でこの問題が緊急のものであるということになれば、これは最後に
閣議決定
にな
つて
いるんですが、その枠内でできるものと
考え
ております。
栗山良夫
112
○栗山良夫君 これは大体見返資金のことをおつしや
つて
おると思いますが、見返資金というのは年度計画がありまして、そうして全部個別に積上げてお
つた
わけですが、その中に
上田
、
本名
の
地点
はなか
つた
はずであります。若しあなたが今そういう工合にできる予定であ
つた
と、こうおつしや
つた
場合に、大蔵省等々と或いは折衝された結果そういう工合に見通しを立てられたのかどうか。
野田卯一
113
○
参考人
(
野田卯一
君) 今入
つて
いるとか、入
つて
おらんということをおつしやいましたが、その入
つて
いる、入
つて
いないということについては私聞いたことはありませんし、
建設省
としても聞いておらない。
栗山良夫
114
○栗山良夫君 それでは
上田
、
本名
の
地点
に必要な資金が大蔵省として出せるかどうかということについて見通しを持
つて
おやりにな
つたの
かどうか。
野田卯一
115
○
参考人
(
野田卯一
君) そういう数百億の金があるわけですが、或る程度のものは賄えるという
考え
でいたわけです。
栗山良夫
116
○栗山良夫君 大蔵省のほうとは御折衝にならなか
つた
わけですか。
野田卯一
117
○
参考人
(
野田卯一
君) 大蔵省に折衝はずつと後のいつも段階になるんです。
栗山良夫
118
○栗山良夫君 それは
許可
された後ですか。
野田卯一
119
○
参考人
(
野田卯一
君) 御
承知
のように
許可
する前に今の
閣議決定
でや
つて
いるわけです。大蔵大臣も当然
出席
されております。
栗山良夫
120
○栗山良夫君 わかりました。そのときにはその
閣議
の中で必要な資金は出してやろうということが
決定
されたわけですか。
野田卯一
121
○
参考人
(
野田卯一
君) 別に
閣議
で幾ら金を出すということは
決定
したのじやなしに、出す場合は出すという別に
閣議
が持たれるわけなんです。御
承知
の
通り
大蔵大臣は肚にそういうことを含んで賛成なさ
つた
かどうか知りませんが、恐らくそれは常識でおわかりになることだと思います。
栗山良夫
122
○栗山良夫君 そういたしますと、次に福島県の
知事
にお尋ねしますが、福島県の
知事
は、両方から競願にな
つて
お
つた
わけですけれ
ども
、この場合にやはり今前
建設大臣
が言われる
通り
に、
工事
は
早期
に着手されるものと、そういう見通しの下に
許可
にな
つたの
ですか。
大竹作摩
123
○
参考人
(
大竹作摩
君)
東北電力
に
工事
をなさしめることが最も
早期開発
になると存じます。
栗山良夫
124
○栗山良夫君 そうすると重ねて同様な
質問
を申上げますが、その場合に
早期開発
の大前提は
開発
資金の問題ですけれ
ども
、この
開発
資金のことについてはあなたはどういう工合にお聞きにな
つて
おりますか。
大竹作摩
125
○
参考人
(
大竹作摩
君) この問題に対しましては、
開発
に対するところの諸準備、殊に資金の面な
ども
よく質して大丈夫だということに到達したのであります。
栗山良夫
126
○栗山良夫君 資金の面を質されたわけですか。
大竹作摩
127
○
参考人
(
大竹作摩
君) 質しました。
栗山良夫
128
○栗山良夫君 それは、大変失礼なようですけれど、いつどこえ質されたか。
大竹作摩
129
○
参考人
(
大竹作摩
君)
東北電力
より本県に対してかねて
申請
中の
上田
、
本名
の両
地点
の
認可
に対して、主管
建設省
に対してこの促進方を要請された、その際に若し
認可
にな
つた
場合は、それらの準備のことをよく質しておこう……。
栗山良夫
130
○栗山良夫君 ちよつとよくわかりませんが、質された場合、どこへ
交渉
にな
つた
わけですか、大蔵省でございますか。
大竹作摩
131
○
参考人
(
大竹作摩
君) 私はこうした資金に対して、大蔵省でありません、
東北電力
に
許可
を与えるために、
東北電力
から
主管省
に
申請
中のものに対する促進方に参
つた
際に、これらの問題、殊に資金の問題に対してはどうだ、これは十分の見通しがついている、つく、こういうことであります。
栗山良夫
132
○栗山良夫君 それじや
東北電力
の内ケ崎
社長
にちよつとお伺いいたしますが、その資金の用意はどんな工合に
交渉
されたのでしようか。
内ケ崎贇五郎
133
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 資金は確信を持
つて
集め得る、こういうことを
福島県知事
に対して、私は直接申しませんけれ
ども
、
会社
のほうからそういうことを申しております、はつきりと。それで私のほうは、金は十分に集め得るという確信を持
つて
や
つた
仕事でありますが、こういう重大な立派な
発電所
ですから、どうしても日本の再建にはこの
発電所
は責任を持
つて
我々はやる、こういう覚悟で来たのですが、金くらいはどこからか集め得るという確信を持
つて
や
つた
わけであります。
栗山良夫
134
○栗山良夫君 それは大変結構な御
意思
ですけれ
ども
、私が
承知
しておる限りにおいては、今日少くとも大
発電所
と言われる
発電所
の
開発
資金というものは見返資金等を
中心
にして依存しておることはあなたも御
承知
だろうと思います。
従つて
確信と申しましても野放しの確信ではないだろうと思いますが、どの程度具体性を持
つた
確信を当時持
つて
おられたか、どの程度
交渉
しておられたか、その点を詳しく
一つ
お伺いいたします。
内ケ崎贇五郎
135
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) その
手続
をいたしましたのは、
申請
書として正式に出ましたのは、
公益
事業局に対しては二十七年の九月八日、経済審議庁に対しても九月八日、大蔵省に対しましては九月の九日、そのほか
開発
銀行に対しましても九月十日にお願いをしたのですが、そのときにはまだ
開発
銀行は正式に事務をと
つて
おられませんでしたから、事前にそういうお願いをするという申出をしております。それで正式にそれを受理されたのが先ほど
梅野
さんから
お話
のありました十月一日に正式に受理された。そういうふうに
手続
は進めましたけれ
ども
、そういうふうに
許可
のないうちからそういう正式の
書類
を差出すわけには行きませんから、正式の
手続
をと
つて
おりませんけれ
ども
、各方面に対しては是非我我のほうとしてはこの仕事をやるのだから、
一つ
見返資金においても或いは一般の市中融資にしても是非我々のほうに融資をしてもらいたい、こういう運動をしまして、必ずや我々のほうにはそういうものの御融資を願える、こういうように確信をしてや
つた
わけであります。
栗山良夫
136
○栗山良夫君 もう少し掘下げて伺いますと、形式的な
申請
書の問題は別としまして、いわゆる事前
交渉
と申しますか、そういうものは大蔵省なり、或いは当時の経済安定本部なり、或いは
通産
省なりに前以ておやりにな
つて
おりますか。
内ケ崎贇五郎
137
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 各方面にお願いをいたしました。我々のほうはこの
発電所
を是非やりたい、そうしてそのほうの金は
一つ
出してもらいたいということは、ひとりこの
発電所
のみならず、ほかのものについてもお願いいたしております。
栗山良夫
138
○栗山良夫君 そうすると、各方面とおつしや
つた
ことは、私が今挙げたような所も当然含ま
つて
おると解釈してよろしうございますか。
内ケ崎贇五郎
139
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 今おつしや
つたの
は……。
栗山良夫
140
○栗山良夫君 大蔵省、経済安定本部、
通産
省。
内ケ崎贇五郎
141
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 先ほど私申上げましたように、正式の
手続
をいたしました所、その方面には各方面にいろいろお願いをいたしております。もう一遍はつきり申しますというと、大蔵省も無論入
つて
おります。今はつきり申上げた
通り
に、
公益
事業局は
あと
ですが、その前には
公益事業委員会
にもお願いし、それからあの頃の経済安定本部、それから大蔵省、日本銀行等、
只今
申した権限を持
つて
おられる所、そういう方面にはひとりこの
二つ
の
発電所
のみならず、ほかの
地点
の
開発
、或いは
送電線
、変電所であるとか、そういうものに対する資金の融資については皆お願いに上
つて
おります。
栗山良夫
142
○栗山良夫君 それは余り話が漠然としておるのですが、(「それは腕がいいんだよ」と呼ぶ者あり、笑声)
結城安次
143
○
委員長
(
結城安次
君) どうぞ発言者以外の人は黙
つて
いて頂きます。(「異議なし」「退場を命じて下さい」「余りくどいよ」「くどいとは何だ」と呼ぶ者あり)木村君、黙
つて
いてくれ給え。
栗山良夫
144
○栗山良夫君 退場を命じて下さい。うるさくてしようがない。
結城安次
145
○
委員長
(
結城安次
君) 栗山
委員
、
質問
を続行して下さい。
栗山良夫
146
○栗山良夫君 それでは内ケ崎さんにもう一度お尋ねしますが、今のはほかの社でおやりになるような一般的な資金運動をおやりにな
つた
ように私は思うのですけれ
ども
、今日は
上田
、
本名
の問題を取上げてお聞きしておるわけです。
従つて
上田
、
本名
の問題について特に具体的な、事前に中央
官庁
等へ御
交渉
にな
つた
ことがあれば、その日時、内容等を承わりたい、こういうことをお聞きしているわけです。
内ケ崎贇五郎
147
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 何日にや
つた
ということは覚えておりません。私直接参
つた
ということは殆んどありません。みな係の者が、経理の
関係
の者、或いは技術の説明が入用であれば技術の担当者、みな手分けをいたして参
つて
おりますから、何日にどこへ参
つた
というようなことはちよつとここで御答弁いたしかねます。
栗山良夫
148
○栗山良夫君 そういたしますと、そういう運動をなさ
つて
いわゆる確信をつかんだとおつしや
つた
わけですが、その確信、この程度の金が要るという確信をはつきりとおつかみにな
つたの
はこれはやはり
水利権
の
許可
が下りてからでございますか。
内ケ崎贇五郎
149
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) はつきりと確信を得たのは、確信をつかんだというのは、私が確信をしたという意味でございます。その確信をしたのは、
水利使用
の
許可
をもら
つた
んだから、八月六日にもらいましたから、そうなれば必ずや資金は見返資金のほうも出して頂けるだろう、そのほかの市中の金融も確実に行くだろうと
考え
ましたのは八月六日に水理使用の
許可
をもら
つた
以後であります。併しその前からもこうい
つた
ような
地点
に対しては必ずや私は資金は、必ず私の予期しておるような方面からは金を出して頂ける、かように前からも
考え
ておりましたが、はつきり確信を得たのは
只今
申した
通り
でございます。
栗山良夫
150
○栗山良夫君 それは何ですか、その確信を得られた、相手から貸してやろう、出してやろうという話がなければ、確信に私はならないと思いますけれ
ども
、そういうことがあ
つたの
でありましようか。
内ケ崎贇五郎
151
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) そういうことはこれは貸すほうのかたの立場でありまして、私にはわかりませんけれ
ども
、私はいやしくも
水利使用
の
許可
を出した以上は、必ずや金を出して頂ける、かように確信したということであります。
栗山良夫
152
○栗山良夫君 ここに
通産
省の、あなたの所からお出しになりました、
東北電力株式会社
に対する
上田
、
本名
両
発電所
の新設
許可
についてという設備
認可
ですね、これを御
申請
になる、これを
通産
省と
公益事業委員会
がお
取扱
になりました
書類
がございます。その中にいわゆる大臣宛の禀伺をしておるわけです。この禀伺の中にいわゆる伺いというのを書いてございます。
許可
をしたらいいといういろんな条件があります。その中に
工事
資金との調達
関係
としまして、二十七年度分の
工事
資金二十億二千六百万円の調達については七月二十七日、今年の七月二十七日です。大蔵省から見返資金十二億円の貸付承認があり、残顔八億二千六百万円については市中銀行からの借入れが
決定
した。
地点
別の区分は次の
通り
、
上田
九億九千五百六十一万円、それから
本名
十億三千五十六万円、こういう額にな
つて
おります。これは役所の証拠
書類
でございます。
内ケ崎贇五郎
153
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) それは私のほうから……。
栗山良夫
154
○栗山良夫君 若しそれが……非常に食い違うんですが、七月二十七日ですからね。
通産
省のほうで御答弁願
つて
もいいし、或いは大蔵省に伺
つて
もいいですが、この点明らかにしておいて頂きたい。
内ケ崎贇五郎
155
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) これは
東北電力
から
申請
した
書類
という意味ですか、あなたのおつしやるのは。
栗山良夫
156
○栗山良夫君 いやいやそうではありませんが……。
内ケ崎贇五郎
157
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) それでは私の答弁の限りではございません。
栗山良夫
158
○栗山良夫君 大蔵省が貸付承認したというのですが、
従つて
あなたのほうは熱心に先ほどおつしや
つた
ように運動をせられているわけだから、大蔵省もこういうことをお聞きにな
つた
かどうかということを私は尋ねたいものだから、いろいろ聞いてお
つたの
であります。
内ケ崎贇五郎
159
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) そういうことは聞いておりません。
栗山良夫
160
○栗山良夫君 わかりました。そうしますと、
只今
のことでありますが、重ねて伺いますが、
野田
建設大臣
は御
承知
にな
つて
おりますか。
野田卯一
161
○
参考人
(
野田卯一
君) どういうことですか。
栗山良夫
162
○栗山良夫君
只今
私が読み上げた問題です。
野田卯一
163
○
参考人
(
野田卯一
君) そういう細かい
書類
は私は見ておりません。
栗山良夫
164
○栗山良夫君 そうしますと、これは大蔵省を
一つ
お呼び願いたいと思うのです。
政府委員
でも……。
高橋進太郎
165
○
高橋進太郎
君 それに関連してちよつと……。今の栗山
委員
の読み上げられた公文書のようなんですが、その公文書の
関係
はどういう
委員会
としては形式で提出したのですか。その
関係
はどうな
つて
おりますか。
結城安次
166
○
委員長
(
結城安次
君)
委員長
から申し上げます。正式に要求しておきました。
清澤俊英
167
○
清澤俊英
君 関連して内ケ崎さんにお伺いしますが、この問題にな
つて
おります
本名
、
上田
の両
地点
において
許可
前に、いろいろな
工事
の建築物などができてお
つた
り
発電
用の機械などが発注せられておるというようなことを聞いておるのでありますが、これはそういう事実があ
つたの
でありますか。
内ケ崎贇五郎
168
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
許可
前に
工事
はや
つて
おりません。
調査
をやりましたが、
調査
は非常に熱心にや
つて
おります。
結城安次
169
○
委員長
(
結城安次
君) 機械の発注云云というのがありましたが、そのことも御答弁願います。
内ケ崎贇五郎
170
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 機械の発注については、事前にいろいろこれは検討を要する問題でありますから、各メーカーに対しては大分前からいろいろな研究はやらしてあります。最後に
決定
いたしましたのは、いよいよ
水利使用
の
許可
をも
つた
ときに、その以後において、いよいよ話をきめまして、これは大分我々のほうの仕事ができることが確実となりましたから、それでその後において注文をいたしております。
清澤俊英
171
○
清澤俊英
君
工事
調査
とおつしやいますが、これは
大竹
知事
にも、両方にお伺いしますが、
大竹
知事
のほうでは
本名
地区ですか、
上田
地区ですかには
工事
の宿舎の事務所が、それから
本名
地区にはもう変電所の整地
工事
が行われているということを聞いておるのですが、それは事実行われているのですか。
大竹作摩
172
○
参考人
(
大竹作摩
君)
上田
、
本名
の両
地点
に対しまして
河川
の
調査
、これらに対する或いは
工事
だとか、かようは問題に対しては、
東北電力
にその
河川
の利用を与えております。今御指摘になりましたようなことはちよつと私わかりません。
内ケ崎贇五郎
173
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) もう一ぺんはつきり……何をや
つた
ということをおつしや
つたの
ですか。何を御
質問
りにな
つたの
ですか。
清澤俊英
174
○
清澤俊英
君 そういうような
工事
ができておるか、それはおやりにな
つて
おるのかどうか。
内ケ崎贇五郎
175
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
調査
に必要なことだけをや
つて
おります。
工事
はや
つて
おりません。
島清
176
○
島清
君 今の
清澤
君の
質問
に関連して、内ケ崎さんは機械等の発注はしなか
つた
が、研究はしてもら
つた
、こういうような御答弁でございましたが、
上田
、
本名
の
電源開発
をするために特別の機械が必要で、そうしてその特別の機械を或るメーカーに研究してもらわなければできないような特殊の機械でございますか。
内ケ崎贇五郎
177
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
発電所
の
建設
をやりますときにはどこにでも非常に前から研究をするのです。私のほうは二十六年五月一日に
会社
ができまして、そういう
書類
を引継いで以来研究を続けております。機械を例えば何台にするとか、ヘツドを何本にするとかというようなことはいろいろその都度、その場所に最も適応したような設計をやる必要があるので、これは十分に研究を遂げて然る後にいたすものであります。
島清
178
○
島清
君 関連して……。それはまあ非常な天下の一大事にな
つて
おります
上田
、
本名
の問題でございまするから、
東北
のほうで慎重に研究をされるということは、これは当然でそういうようなことをお聞きしておるわけではございませんが、その御研究の結果、メーカーなどに対しても研究をしてもら
つた
結果、
許可
がおりて、発注をして、そして機械を入手されたのはいつからでございますか。さぞかし一年、二年ぐらい日にちがかかると思いますがどうなんですか。
内ケ崎贇五郎
179
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 機械はまだ入
つて
おりません。
島清
180
○
島清
君 何も入
つて
おりませんか。
内ケ崎贇五郎
181
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
上田
、
本名
の主要な機械は入
つて
おりません。
島清
182
○
島清
君 今そうすると、私は技術的なことはよくわかりませんが、
本名
、
上田
の
開発
の
工事
は
電源開発
の点から言いますと、どの程度
工事
が進んでおるのですか。
内ケ崎贇五郎
183
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
電源開発
とおつしやいましたが、ただその
発電所
の
工事
は約現在二〇%がた進歩いたしております。これは主として土木のほうの
工事
でございます。機械のほうはあなた大体今お
考え
にな
つた
通り
に、すぐにはできませんので、何カ月という期間がかかりますので、それを今詮索中でございます。
島清
184
○
島清
君 その土木に使うような機械も、
許可
以前に発注いたしたことはございませんか。
内ケ崎贇五郎
185
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) そういう
工事
用の機械は
本名
、
上田
の特定の
地点
に使う機械もありますし、共通に使う機械も幾らでもあるのです。私のほうは下の
発電所
で今柳津、片門、それから宮下、沼沢沼、四つの大
発電所
をや
つて
おります。その方面で使う機械を流用することもありますし、それが古くなれば、新たに新らしい注文をすることはありますが、そういう共通の
工事
用の機械というようなものは注文いたしております。それは我々は是非あの
地点
は必ず我々のほうに
許可
してもらえる、かように私は確信してお
つた
から、そうい
つた
ような手をまあ打
つて
おります。
清澤俊英
186
○
清澤俊英
君
野田
さんにお伺いしますが、先ほど午前中に
許可
の条件のうちですが、
東北電力
はこういう
開発
に対する
調査
並びに施工上の条件も揃
つて
お
つて
、直ちにこれに着手できるからということが、
許可
の要件の
一つ
にな
つて
お
つた
と思うのです。間違いございませんか。
野田卯一
187
○
参考人
(
野田卯一
君) これは御
承知
のように、あらゆる
書類
に載
つて
おる事実であります。
清澤俊英
188
○
清澤俊英
君 そこで内ケ崎
社長
さんにお伺いしますが、それほど確実な
資料
が全部揃
つて
おります場合に、
調査
をせられるということは、
只今
水利の
調査
をや
つて
いるんだ、こうおつしや
つて
おりますが、でなくして、実際
工事
に着手する下準備の
調査
をおやりにな
つたの
ではないか、こういう点をお伺いします。
内ケ崎贇五郎
189
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
工事
をやりますには長年の
調査
をいたす必要があります。その
調査
をや
つて
お
つた
という意味であります。あらゆる
調査
をや
つて
おります。
清澤俊英
190
○
清澤俊英
君 そうしますと、その点が
只今
栗山君によ
つて
問題にな
つて
おります大蔵省の正式の
申請
前に、大蔵省はすでにこれこれの金を廻すんだというような資金計画を公文書で出しておられる、
公益
事業局のほうに出しておられるということと関連して見ますと、何かしら我々から
考え
ましたら、又ここへ集ま
つて
おられるすべての人が
考え
まする点が、これは何かそのうしろに、もつと前に、そういうような
政府
の意図がはつきり内ケ崎
社長
等にはつかまれているのではないか、ただ漠然とこれだけの
工事
をやれば国のためになるのだから、当然金が集まり得るというような漠然たる
考え
でなく、何かそういうものがあ
つた
ればこそ、たくさんの金をかけて、そうして継続
工事
として、自分の現実に
水利権
ではない場所にぐんぐんと進出して仕事をして行くという勇気が出て来たのじやないか、こう
考え
ますので、私はその点をお伺いしたいのですが、私はどうしてもあなたがたは
政府
との間において或る期限前、
許可
前にまあ金は出してやるからというような御内諾があ
つたの
だ、こう思いますので……。
内ケ崎贇五郎
191
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
政府
との了解は何もございません。ただ私は
電源
の
開発
が、現在の日本においては
至上命令
であるということを
考え
ておりますから、我々はあらゆる努力を払
つて
資金を獲得する、こういうふうに
考え
ております。殊にこの二カ
地点
の資金は、ひとり見返資金だけではございません。市中銀行からも調達しなければできません。そういう方面に対しても皆手を打
つて
おります。
清澤俊英
192
○
清澤俊英
君 まあそれは
社長
とここで幾ら議論しましても、そういう了解があ
つた
と言われることはないと思いますから、その点は私は打切りますが……。
島清
193
○
島清
君
大竹
知事
にお伺いしますが、あなたは先ほど私がお伺いいたしましたときに、ほかの五
地点
は
東北電力
のほうじやなくて、他に適当に
電源
を
開発
したほうがいいと思うということでございましたが、その言葉の裏は、
あと
の五
地点
というものは、
東北電力
から
申請
は出ておるけれ
ども
、
東北電力
には
許可
しないで、
東北電力
以外の
開発
会社
といいますか、共同
開発
といいますか、そうい
つた
ような機関がなすべきである、こういうような
結論
の下にそうおつしや
つたの
でございますか。
大竹作摩
194
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでありますが、私はこの
あと
に残されたる田子倉上流は、
国会
で法律で定められました
開発
会社
に
開発
させることが最も適当である、かように
考え
ておるのであります。
島清
195
○
島清
君 そうすると、
東北電力
から如何なる要請があ
つて
も
東北電力
には
許可
しない、そういう決意であると了解してよろしうございますね。
大竹作摩
196
○
参考人
(
大竹作摩
君) 現在法令は今申上げましたように、而もその第何条かに
只見川
という指定もあるのでございまして、これは今申上げましたように、この
国家
の最高の機関で
決定
されたものに
開発
さすべきが当然であると
考え
ております。
島清
197
○
島清
君 わかりました。あなたは
東北電力
のほうに
上田
、
本名
の
地点
を
許可
する条件として住民の協力ということを非常に力説されましたが、その住民の協力というものはいろいろございましようが、
電源開発
について特に
上田
、
本名
について住民の協力というものは具体的にはどういうことを意味するのでございますか。
大竹作摩
198
○
参考人
(
大竹作摩
君) 私は観念として
電源開発
というものは地方の沿岸住民の
意思
を最も尊重し、そうしてなさるべきものである、かように
考え
ております。これは沿岸住民というものは長年の門
河川
のために或いは災害を蒙り、或いはその他にこれは辛酸を経て参
つて
いるのであります。
従つて
住民の
意思
というものはこれは尊重しなければならない。又今日この
電力
の
事情
からして
早期開発
をなすところの第一の要素は住民の協力である、その住民の協力というものはどうか、これは御
承知
のように今計画されておりまする
建設
方式はダム式であります。殊に少いところの田畑或いは住家が水没してもこの
開発
に対して協力をするというのが現在の情勢であるのであります。御
承知
のように
本名
、
上田
の
開発
に対する
認可
を
主管省
から得たのは今
皆さん
御
承知
の
通り
であります。
従つて
この
工事
というものは、先にもとの
建設大臣
からも内ケ崎
社長
からも申述べましたように、その最も急を要するこの冬期の渇水期において
開発
をなさなければ、折角の
早期開発
の使命が果されない、こういうようなことでありまする
関係
からしてもこの地元が如何に大切か。現在の
本名
、
上田
もこの
認可
を得ましてから地元の
協力態勢
がどうであるか、今申上げましたような或いは長年住み慣れた住家や田畑を失う地方住民というものは、明日から、この
建設
の命令が出たのだから、すぐに
国家
が着工する。そうするにはあなたがたの或いは田なり或いは畑なりに立入りをしなければならん。併しここで全部が満足するような補償の問題を
決定
するところの時日がないかも知れない。併しながら私は
皆さん
を決して困らせるようなところの補償の協定はしない。絶対私を信じて明日からこの
開発
に便宜を与え、そうしてこれらの補償に対して協力をして欲しい。その際に集ま
つた
両
地点
の各代表者は異議なくこれを了承してくれたのであります。かような
観点
からして地元の協力ということは最も大切であるということを私は申上げたのであります。
島清
199
○
島清
君 そうしますと、早い話が
東北
地方の住民、それから福島の住民というのではなくして、流域の住民の利害の調整ということで了解してよろしうございますね。
大竹作摩
200
○
参考人
(
大竹作摩
君) これは今私の言い廻しが或いはどうであ
つた
か知りませんが、私の申上げておりますことは、この
電源
の
開発
というものはその縁故住民の
意思
を尊重しなければならん。現在或いは水没その他の犠牲になるところのその住民の協力を得なければならん。そういう点において今申上げました縁故住民というものは本
工事
に対して全面的の支援協力をいたしておるのであります。
島清
201
○
島清
君 それはくどいようでございますが、流域の住民はこれは大体損害補償のことだと思いまするが、損害補償は
東京電力
が仮に一段歩について十二万円の補償をするとする、
東北電力
が十万円の補償しかできないというようなことになると、いろいろな支障がありましようが、それには私は住民のほうは必ずしも
東京電力
を捨てて
東北電力
に走るとは思いませんが、どうなんでしようか、それらのことは。
大竹作摩
202
○
参考人
(
大竹作摩
君) これは過般の
電力
再編成に当りまして、この沼沢沼、或いは今關東に送電されております猪苗代水系のうち秋元、小野川或いは沼上、戸ノ口、これらの
発電所
に対して我々
東北
に住んでおりますものとして非常な関心を持
つて
お
つたの
であります。その際に一水系一運管が最も望ましいという基本的な原則からして猪苗代水系のうちの秋元、小野川、沼上ですが、これからの弱小な
発電所
まで
東京電力
に所属したのであります。こういう
観点
からして幸いに沼沢沼の
発電所
はこれは
東北
に帰属して頂いた、かようなる
観点
からして我々
東北
民としてこの現在の
東北
の
電力
の
需給
状況から
考え
まして、先に衆議院の
参考人
としても申述べましたように、私は一地区、一地方のものがこの逼迫したところの電気を専横するというような
考え
は毛頭持
つて
おりません。
国家
の大局から見て最も公平に分配されなければならない、かように
考え
ております。
島清
203
○
島清
君 私はそういうことを聞いておるのではない。
結城安次
204
○
委員長
(
結城安次
君)
皆さん
に申上げますが、まだ
質疑
のかたがたくさんございますので、できるだけ
質問
応答ともに簡潔にお願いします。
大竹作摩
205
○
参考人
(
大竹作摩
君) かような
現状
からして我々
東北
民は少くとも
上田
、
本名
の
地点
は
東北
の手によ
つて
開発
したい。私は
福島県知事
としてかような信念をも
つて
お
つた
。従いまして、地方の協力もこれは一に
東北電力
に対してはただに金のことだけでないということを申上げたのであります。
高橋進太郎
206
○
高橋進太郎
君 先ほど島
委員
の
質問
に対して、福島の
大竹
知事
は
あと
の残
つたの
についてはこれは
東北電力
会社
をしてやらせる、こういうような
お話
がございましたけれ
ども
、
東北
民の持
つて
おる感情というのは、要するに例えば福島で
発電
された、猪苗代湖にしても、
東京
に持
つて
行つて
東京
ではどうか、こういうと我々の見たところでは
東京
ではネオンもつく、或いは各種の歓楽街においてはあかあかと電気がついておる。ところが
東北
のほうではその日の米摺りにも
電力
が停電停電とい
つて
非常に不足している。こういう状態は
東北
民としては非常に感情的にも満足しない。而も水害なんかは、我々の手で治山治水というものをや
つて
、そうして水源を涵養していながら、それは全部都会地に持
つて
行かれる。或いは現在においてはいわゆる水火力調整金のような形で、而も何らのいわゆる恩恵を受けない、こういうような不合理が
東北
民の感情にあると思うのです。
従つて
そういうようなので、どうしても未
開発
の
東北
については安い
電力
を似て、我々の手で
開発
してそうして……我々はこれを十分に
考え
ているわけなのですが、
大竹
知事
の今の
お話
だと、残余のものは
電源開発会社
、いわゆる
東北
と運命を共にする
東北電力
会社
にやらせず、
電源開発会社
にやらせるという御見解は、どうも我々として納得行かないのですが、それはどういうお
考え
なのでございましようか。
結城安次
207
○
委員長
(
結城安次
君) 簡単に御
意見
をお述べ願います。
大竹作摩
208
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
の高橋さんのお尋ねにお答えいたします。私は根本的には、この
国家
の最高の機関で定めた
電源開発会社
……。併しながら今申上げました
東北
の
実情
から鑑みて、
東北電力
がこれに大いに参加することは私希望しております。
島清
209
○
島清
君 一人ばかりしやべ
つて
もいけませんから、簡単に要点だけを
質問
いたします。
野田
さんに
質問
いたしまするが、
野田
さんは、
水利権
の
許可
の
決定
権は
知事
にある。
知事
が禀請した場合には、
建設大臣
は
建設大臣
として
行政
的な処置をなされるわけでありまするが、これは
閣議
にかけて
決定
しなければならない事項なのでございますか。
野田卯一
210
○
参考人
(
野田卯一
君) 私はそれは
閣議
にかけなければならんと……、一般的な意味合いにおける
水利権
の問題は、特に
閣議
にかけなければならない事項だとは
考え
ておりません。
島清
211
○
島清
君 ちよつと聞き取れませんでしたが……。
野田卯一
212
○
参考人
(
野田卯一
君) 一般的な問題として、
閣議
にかけなければならん問題ではないと思います。
島清
213
○
島清
君 この問題だけを
省議
にかけないで、
閣議
におかけにな
つた
というのはどういう意味ですか。
野田卯一
214
○
参考人
(
野田卯一
君) 私は別に、
省議
にかけないということを断定されても困ります。
省議
というのはいろいろな形があります。それから
閣議
にかけたのは、
只今
申しましたように、
水利権
を
取消
して、その
水利権
を移すということは今まで例のないことでありますから、
最高判断
を仰ぐために
閣議
に諮
つた
、こういうわけでございます。
島清
215
○
島清
君 今
省議
にかけなか
つた
ということについて
野田
さんから随分抗議が出ましたが、実はこの前の
委員会
で、今の担当係官の人に来てもらいましたところが、大体
省議
にはかけておらんという証言を、答弁を頂いておるわけです。それだからあなたが
省議
にかけたとおつしやるならば、その
経過
を御説明願いたいと思います。
野田卯一
216
○
参考人
(
野田卯一
君) 私のほう、
建設大臣
としてのやり方は、
省議
というものはどういうものを指されるか、私にはわからないのでありますが、省の中で
相談
して、
相談
できめるということだけなのでございます。
島清
217
○
島清
君 そうすると何ですか。この係官を呼んで一々あなたの部屋で、あなたが指示をしてそうして動かしたと、こういうことなんですか。それとも又係担当官の人が一堂に集
つて
、あなたの部屋でもかまいません、どこでもかまいませんが、どこへでも集めて、省の
重要事項
としてそれを皆の
意見
を徴して
決定
した、こういう
手続
をとられたという意味なんですか、どうですか。
野田卯一
218
○
参考人
(
野田卯一
君) 島さんも役人を一遍おやりにな
つた
かどうか知りませんが、各省々々でいろいろなやり方がありまして、いろんな大臣の中にはいろいろなやり方がある。そこで責任は大臣がとるのであります。その際に同じ時に人を集める場合もあるし、ときどき人を、違
つた
時間に会うこともあります。いろいろなやり方があるのでありますということを申上げたわけでございます。
島清
219
○
島清
君 私は勿論おつしやる
通り
社会運動を長いことや
つて
おりまして、役人の飯を食
つた
ことはありませんが、あなたはどういうふうにやられたかということであります。あなたはどういうことをやられたいか。
野田卯一
220
○
参考人
(
野田卯一
君) 私は
相談
をしたということを申上げております。
島清
221
○
島清
君
相談
をしたのですか。
野田卯一
222
○
参考人
(
野田卯一
君) そうです。
島清
223
○
島清
君 いや、だからその
相談
というものが如何なる
相談
をされたかというのです。
野田卯一
224
○
参考人
(
野田卯一
君) もう私は答弁しません。
島清
225
○
島清
君 私のお聞きしているのは、現在の担当の
建設省
の役人を呼んで聞いたところが、
省議
にかけておりません、我々は関知しておりませんと、こういうような答弁を頂いているのです。併しあなたは
相談
をされたと言う。而もこれは非常に
重要事項
であ
つて
、あなたは
閣議
にかけておる。併しあなたが
閣議
にかけたということは、大臣としての責任が負えるか負えないかというような十分の確信がなければこそ
閣議
にかけているのです。それじや
閣議
にかける前提としては省の係担当官の一人々々を或いは一堂に会しなくてもよろしいのか、
省議
として不当な
決定
と見なければならないはずだ。
建設省
においても係官がいつの間にそれがきま
つた
かわからないというような状態のうちに
閣議
で
決定
をされた。そこに我々が知りたい点があるのです。その
重要事項
について御答弁なさらないというと、我々が想像するように、ここに不明朗なものがあ
つた
と断定をして差支えありませんか。
野田卯一
226
○
参考人
(
野田卯一
君) 先ほでから繰返して申上げるように、私は大臣になりましてからのやり方は、先ほど申した
通り
なんです。どの係官の人が……、
省議
にかけたというのは、或いは場合によ
つて
は殆んど全部の人を集めてこういうようにやるようなこともあるかも知れません。併しそういうことは私はやらないのであります。これはやり方は大臣の方寸にあるものでして、責任はやはり大臣にある。で、どういうやり方をするということは、大臣大臣がきめて、大臣大臣によ
つて
やり方が違います。私はこの問題はこういうふうに処理するがいい、この問題はこういうふうに処理するがいいということでありましようが、人に
相談
してきめるということだけであ
つたの
です。
結城安次
227
○
委員長
(
結城安次
君) 島
委員
、ちよつと申上げます。今あなたと
野田
前大臣との行き違いは、
省議
をや
つた
かやらんかという問題で、この前の速記にありますが、やらなか
つた
。
野田
前大臣は、自分は自分の方針によ
つて
やるのだから、それでや
つた
と、これじやもうこれ以上
お話
しても無駄かと思いますから、この点は
一つ
ここらでお引取りを願います。
島清
228
○
島清
君
承知
いたしました。
委員長
の御忠告を待つまでもなく、私
質問
の要点を変えようと思
つたの
です。それで今度は……。
結城安次
229
○
委員長
(
結城安次
君) 島さん、まだたくさんありますか。
島清
230
○
島清
君 いや、ありません。
開発
銀行について二点だけ聞かして下さい。
結城安次
231
○
委員長
(
結城安次
君) よろしうございます。
島清
232
○
島清
君
開発
銀行にちよつと聞きたいのですがね。大体先ほど栗山
委員
からも指摘された
通り
、見返資金の使途というものは年次計画が立てられて、
上田
、
本名
というものはその計画の中にまあ入
つて
なか
つた
ものを、早急に
東京
の
水利権取消
で
東北電力
にやうして、そして早々の間に見返資金が
決定
された。こういうことから疑問を世間から受けたわけですね。そこであなたはたしか普通の貸出の
方法
で、いささかも手加減を加えてはいない、こういう御答弁でございましたが、一体何ですか、あなたが八月の二十五日ですかに見返資金を扱われるようにな
つて
、こうい
つた
ような多額の金額をこの
東北電力
に
決定
をされる、同一のスピードで問題処理された事件の
一つ
をお示しを願いたいと思います。
梅野友夫
233
○
参考人
(
梅野
友夫君)
開発
銀行といたしましては、勿論設立の
趣旨
に則りまして、特に
電力
及び海運の融資については重点的に
考え
、且つ事務の
取扱
いを迅速にやるということを以て事務の
取扱
いの根本方針としております。で、
電力
につきましては、先ほど申上げましたように、
開発
銀行に見返資金の承継を受けましたのは九月の十四日、それまでは扱
つて
おりません。今回の
東北電力
の申込が、
開発
銀行になりましてからの
電力
事業者からの申込としては第一番目の案件であ
つた
わけであります。従いまして当初の
開発
銀行の建前といたしまして、
電力
問題はできるだけ迅速に他の産業の申入れが仮にたくさんあるといたしましても、成るべく早くする、それが日本の経済再建の基礎
工事
であるという認識を持
つて
おります
関係
で、この申込を受理してからは、
申請
を受理しましてからは、その審査にも非常に重点的に優先的に事務の
取扱
をいたした次第でございます。従いまして
開発
銀行は他に一カ月程度で審査を終了した例があるかと言われると、私としましては今どういう
会社
にどのくらいの日数でや
つた
かという事実は、
資料
は今ここには現に持合しておりませんが、それは幾らもあります。他の例もあります。
島清
234
○
島清
君 わかりました。わかりましたが、大蔵省あたりから
電源開発
については最優先的に扱えと、こうい
つた
ような紐が附いた、こういうのですが、他にこれ以外のケースがあ
つたの
ですか。
梅野友夫
235
○
参考人
(
梅野
友夫君) 御
質問
の要旨がちよつと私ぼやけておりますが、他の例というのは
電力
に関する例というのですか。
島清
236
○
島清
君
電力
に関してこの
東北電力
のほうにお出しにな
つた
枠以外に、更にもつとこうい
つた
ような例がたくさんあ
つたの
ですか。
梅野友夫
237
○
参考人
(
梅野
友夫君) 今まで
東北電力
の申込を受理するまではこの件のみでございますが、その後におきまして他の
電力会社
も新らしく従来の計画以外に新規に着手する
工事
の計画がございまして、これについて
政府
としては
政府
資金を付けたいという希望があるものの
交渉
は受けております。それの審査は始めております。
関係
当局と連絡して
調査
をしてはおります。
島清
238
○
島清
君 ちよつと確認だけもう一点あるのです。そうすると
東北電力
のほうに御
決定
になるまでは、こういうケースというものは
東北電力
以外にはなか
つた
と、こういうふうに了解してよろしうございますね。
梅野友夫
239
○
参考人
(
梅野
友夫君) その
通り
でございます。
石原幹市郎
240
○
石原幹市郎
君 私は先ず
松永
さんに二、三点ちよつとお聞きしたいと思うのでありますが、この問題がこういうふうにいろいろ議論されるに至りましたもとは、私はやはり
只見川
の上流部の
水利権
の帰属が
電力
再編成に際しまして極めて不明確であ
つた
ということ、殊に私は
本名
、
上田
の
地点
については非常に問題があ
つた
と思うのであります。こういうところから端をいろいろ発しておると思うのでありまするが、いろいろの機会に伺
つた
ことで、大体はまあわかるのでありますが、あの再編成の際に
水利権
の帰属につきまして、
調査
は
東北
にやらすと、それから
水利権
は一応
東京電力
に持たすというふうにきめられました。当時の再編成の
中心
でありました
松永
さんはどういう
考え
だ
つた
かということをもう一回私は聞かして頂きたいと思います。殊に一応ということを附けておられることについて聞いて置きたいと思います。
松永安左ヱ門
241
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君)
水利権
が旧来ありますものは無論これを尊重して、
東京電燈
で持
つて
いたものは
東京電燈
において行うのは当然であります。再編成は単にこればかりじやなく、一般の九
会社
についても同じような方針をと
つて
おります。ただ
調査
云云につきましては、
只見川
は他の一部の
河川
と違
つて
、
下流
の
本名
、
上田
といえ
ども
上流の大きな
調査
と関連するのでありまして、その
調査
はいろいろの機関で私
ども
調査
をし、自分のほうでも
調査
をし、或いは顧問団の人にも研究をお願いしておりましたけれ
ども
、事実あの方面の
関係
技術者は多く日発から
東北電力
に引継いでありましたので、その
部分
的或いは実地的な
調査
をしまして、そうして大きな
只見川開発
の基礎的
調査
の
部分
にせんならんのであります。
本名
、
上田
の問題も
調査
を
東北電力
のかたがたにお願いしたという次第でありまして、ほかに何も……。
石原幹市郎
242
○
石原幹市郎
君 そこでこういろいろ
電源開発
をや
つて
行きまする上においては、勿論その前は厳密なる
調査
が必要でありまするし、又これをやるについては、これをやり得る実力を持ち、
技術陣
といいまするか、いろいろの陣容が整備していなければこれはできないのでありまするが、
只今
の
お話
によりますると、
調査
の
関係
は一切
東北電力
のほうに任せる。而も大体従来
調査
をや
つて
お
つた
ような人であるとか、或いはこの
只見川開発
の実際
技術陣
容というものも
東北
に行く。これは我々その後の様子を見ましても、これは何人が見てもそう見えると思うのでありまするが、そこで
電源
の
早期開発
が非常に叫ばれておりまするときに、
調査
は一方にやらせ、陣容をそつちへ置いておいて、そうして権利だけは一応こつちにあるというようなことにきめられたということについて、これは私は田子倉であるとか或いは奧只見であるとか、大きな
開発
の困難な、大
規模
なものについては或いは一応議論になるとか思いまするけれ
ども
、
本名
、
上田
のような、これは
あと
でも言いまするが、こういう
地点
についてこれを
早期
にやらにやならぬというようなことについては一体どういうお
考え
を持
つて
おられたか、この点伺いたいと思います。
松永安左ヱ門
243
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 私は
本名
、
上田
のみを
東北電力
に急いで
調査
してくれと頼んだ覚えはありません。
石原幹市郎
244
○
石原幹市郎
君 ちよつと私の伺いましたことを取違えておられるようなのでありますが、それでは聞き方を変えまして、この再編成の際にいろいろのものが両方に引継がれたわけでありまするが、大体先ほどから見ておりますると、宮下から下がどうも
東北
であ
つて
、それから上は一応
東京
であるというような漠然たる
考え
で安藏会長もそういうような意味に言われておりましたが、現に宮下と上の沼沢沼はこれは
東北電力
に帰属されたのでありまして、それで今回問題にな
つて
おりまする
本名
、
上田
というのは極く近い距離の上流部でありまして、これは決して大
電源
或いは大
規模
……困難という
地点
でも何でもないのでありまして、それで今回の、先般の再編成の際における両者に分属した、帰属の
決定
方針の中にも、
本名
、
上田
というものは一応どこにもないのでありまして、沼沢沼が
東北
に引継がれたということと実は関連いたしまして、極めて近接な地域である
本名
、
上田
というものについては非常に
水利権
の帰属についてすら私は大いに論議の余地があると思うのでありまするが、これは私の
考え
が若し間違
つて
おれば私は
考え
方を変えて行かなきやならんと思うのでありまするけれ
ども
、この点について如何でありますか。
松永安左ヱ門
245
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 沼沢沼の
お話
も出ましたが、これらの問題は日本発送電のときにすでに着手して、あれはポンプで揚げて、最大ピークの計画でありまして、もとより
只見川
の
工事
の一部ではありますけれ
ども
、上流に影響するほどのものではないのでありまして、これは
石原
さんが当時の
知事
としてよく御
承知
にな
つて
いることで、私に
質問
して頂くのがむしろ不思議に思うのです。 それから次に宮下云々の
お話
もありましたが、宮下も再編成のあ
つた
当時はもう一台増加したいという御希望がありました。これは少し
調査
したいから待
つて
くれということを申上げたと思
つて
おります。それから柳津、片門はやれるような態勢にはな
つて
おりましたけれ
ども
、いろいろな資金の
関係
そのほかで、
記憶
はいたしませんけれ
ども
、柳津、片門も
早期開発
するがよかろうということを
承知
いたしましたのは、大きな上の問題と余り関連しないという確信の下に許したのでありました。この
本名
、
上田
の問題に上と下と引つかけていろいろの御
質問
がありますると、私
ども
実に迷惑いたしますから、どうぞその辺はあなたは万事御
承知
のことでありますから……。
石原幹市郎
246
○
石原幹市郎
君 そこで私が先ほどから言
つて
おるように、
電源開発
の、殊に
早期開発
が非常に叫ばれておる。あなたはそのときの責任者として再編成に当り、帰属等もきめられたのでありまするが、そこで
松永
先生はこの
只見川
の上流、殊にこういう近接した
下流
をや
つて
おるすぐ近くの
電源
でありまするから、
東北電力
がこれをやればすぐにも
開発
できるような
地点
がある場合には、一刻も早くこれは私はやるように、当時は
公益事業委員会
で、その後も非常に
電源開発
界の元老でありまするから、この問題は一刻も早く解決できるように努力といいまするか、いろいろ指導されるのが当然ではなか
つた
かと思うのでありまするが、そういう点について先生はどういうふうに、
委員会
自体ではその後はどうされたかということについて伺いたいと思います。
松永安左ヱ門
247
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君)
只今
の
お話
は、
只見川
の全体の
開発
に関する
考え
と一緒になりまするために、止むを得ず御
質問
の範囲を少し拡げて申上げんといかんと思います。
只見川
の
開発
というものに対してすでに懸念されている問題が
二つ
も三つもあります。その
一つ
は、
新潟
の分流案であります。それから
一つ
は、できるだけ大きなダムを造りたいという
考え
が
一つ
、これも相当困難な問題であります。然るに
東北電力
或いはそのほかの御
関係
者では本流案というものをむやみに支持される。その奥にはだんだん一段ずつ積上げて
行つて
、遂に分流案を、或いは大きなダムの問題もなし崩しに困難ならしめるような慾望を起さしてはいかんということを
公益
委員会
としては常に心配したのであります。これは地元或いはその
関係
者として当然な行き方でありますけれ
ども
、
国家
の大局から
考え
ますると、一段上りに上
つて
行つて
、遂に優先的にその立場を採用することの止むなきに至らしめるということは、
只見川
のごとき大きな
電源開発
をする上でよほど注意しなければならない問題でありますために、
本名
、
上田
のごとき上流に
関係
するものをいろいろな点においてやはり考慮しなければならないのであります。その当時いろいろ御希望もありましたけれ
ども
、これは何か
只見川
の
開発
と関連しておやりにな
つて
、そうして
関係
の町村、或いは両者の御
関係
においてもこれは急いでこのほうを先にやろうじやないかということに異議がなければやるべきであ
つて
、この
考え
方を以て進んでおられるという疑いを世間に持たしてもいかん問題と思いまして、
本名
、
上田
、そのほかについては非常に慎重な態度をと
つたの
であります。これだけお答えいたします。
石原幹市郎
248
○
石原幹市郎
君 ここで本流案、分流案の問題を議論すれば切りがありませんから、その問題については私は触れませんが、要するにあの当時から今日にかけて
電源開発
を早くして、日本のピンチを救わなければならんのではないかということが、
電源開発
促進法を生ましたゆえんでありまして、最も手近なところで相当大きな
電力
が出る、而も
本名
、
上田
のごとき、一年か二年でこれは相当の
電力
が出せるという所があるのでありますから、どちらに優先的の何をやるとかどうとかいうようなことでなしに、
早期開発
を目指す日本としては、そういう場所があれば当然私は許して行かなければならんのではないかと思いまするし、又もう
一つ
、問題を変えまして、
福島県知事
は、
昭和
二十七年二月十三日にこの問題の
意見
を具しまして、
公益事業委員会
に出しておるのであります。ところが
公益事業委員会
からはその後何ら
福島県知事
に対して、どうしたらいいというようなことの指示もなければ、呼出しがあ
つた
かどうか、これは私は存じませんが、少くとも
書類
上においては何らの指示もない。先ほど前
建設大臣
のいろいろ
意見
も聞いておりまするというと、
建設省
あたりに
相談
、或いはこういうものが来ておるが、
建設省
ではどう
考え
ておるかというようなことについていろいろ
相談
されたことが更にあ
つた
であろうか、ないであろうか、こういう点についても一応承わ
つて
おきたいのであります。
松永安左ヱ門
249
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君)
公益事業委員会
ができましたのは十二月十五日であります。
只今
の
お話
は十二月十三日でありまして、私
ども
任命を受けたのは十五日であります。無論事務の引継ぎは
事務当局
がや
つて
おります。けれ
ども
その十三日に受付けた、
通産
省は重大なる
許可
事項或いは変更事項として私
ども
に
お話
があ
つて
おりません。或いは
建設省
あたりからも何ら
お話
はありません。これは事実であります。
石原幹市郎
250
○
石原幹市郎
君 ちよつと
お話
が、何か少し日にちが何のようでありますが、
福島県知事
が
只見川
筋
本名
、
上田
両
発電所
の
水利使用
許可
の
申請
、
東北電力
からこういうものが出ておる、こういうことにつきまして
公益事業委員会
に
意見
を求めておるのでありまするが、それは
昭和
二十七年の二月の十三日頃ではないかと思うのでありまするが、でありまするからこれは当然
公益
委員会
は勿論あ
つた
わけでありまして、七月末に
公益事業委員会
がなくな
つたの
でありますが、その間相当の月日があ
つたの
であります。この間に
福島県知事
に対して何か指導されたか、或いは又
建設省
に
相談
されたか、或いは
東京
なり
東北
両
電力会社
等に対しまして、この問題を早く何とかして、一刻も早く
電源開発
に進むようにというようなことについて指導されたかどうかという点についてもう一回伺います。
松永安左ヱ門
251
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 先刻十二月十三日に出したことについて
御返事
を申上げてありますが、それは御了解になりましたか……、御了解にな
つた
と仮定いたしまして、その翌年
福島県知事
から願書が
建設省
にもあり、私
ども
のほうにも廻
つたの
であろうと思います。それについてお答えいたします。それは私
ども
のほうでは
許可
しない
考え
でもありましたし、又
福島県知事
から十分な口頭を以て、そのほかを以て強い御
申請
がありません。単に何か
事務当局
に
書類
をお出しにな
つた
に過ぎないと思
つて
おりました。深くこの問題について立入
つて
おりません。
石原幹市郎
252
○
石原幹市郎
君
公共事業令
の五十九条によりますると、今
通産
省になりましたが、当時は
委員会
でありますが、「
委員会
は、前項の規定により
意見
を求められたときは、
建設大臣
に
協議
するものとする。」という項があるのでありまして、その前年に何か
書類
を出されたそうでありまするが、更めてこの新らしい
書類
が来ました際には当然
建設大臣
のほうにも
協議
あ
つて
然るべきであり、或いは又こういう大問題でありまするから、
知事
なり或いは両
電力会社
等に対して何らかの
措置
を私は講じていなければならんのじやないかということが
考え
られるのでありまして、私はこれは
松永
先生を別に責めるとかどうとかいう意味ではありませんが、その間数ケ月に亘
つて
何らの
措置
がとられてないということは、
公益事業委員会
としても若干手抜かりといいますか、手落ちがあ
つた
ような感じがするのでありますが、如何でありますか。
松永安左ヱ門
253
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君)
只今
のを
公益
委員
にお責めになるのは少し不思議に思う。お門違いと思いますから御返却いたします。ただその間
公益事業委員会
は何も手数をとらなか
つた
とか、或は
只見川
の
開発
について無関心であ
つた
かということに対しましては非常な関心を持ち、重大に
考え
ましたので、かかる問題は若し
建設省
から御
相談
があれば、その
理由
を申上げて、これはおやめにな
つた
ほうがいい、
知事
に対してもそれはおやめにな
つた
ほうがいいと申上げるのです。一向
相談
がなければ如何にもいたし方がない次第でありますから、これは
石原
さんに御返却いたしておきます。
石原幹市郎
254
○
石原幹市郎
君
松永
さん、ちよつとその
相談
がないというのですけれ
ども
、立派な文書で書面を出しておるのですから、これほど大きな
相談
はないと思うのと、
公共事業令
によりますると、
委員会
は「
建設大臣
に
協議
するものとする。」とあるのですから、これは
建設大臣
のほうから
相談
がないからおれのほうは何も言うことはないというふうに言われるのは、ちよつと
公共事業令
からいうとおかしいと思うのでありまするけれ
ども
、これはそれじや一応それにいたしまして、
松永
さんとそれから
野田
さんでも目黒さんでもいいのでありますが、
本名
、
上田
の
水利権
について私は根本論としてやや明確を欠いておるものがあると思うのであります。そこで
本名
、
上田
はこれは
東京電力
に属したものと思うのかどうかということについて、これは極めて確然としてみるかどうかということについて右か左かということだけで結構ですからお答え願います。
目黒清雄
255
○
参考人
(目黒
清雄
君)
水利権
につきましては確然と
東京
にあります。
石原幹市郎
256
○
石原幹市郎
君 それでは次に目黒前局長に伺
つて
おきたいのでありまするが、
河川局長
名を以て遊休
水利権
は
整理
したいという
通牒
が出ておるのでありまするが、これは
電源開発
を促進さしたいと、少しでも
電力
のある所はそれを
開発
して行きたいというところから出された
通牒
であるかどうか。
目黒清雄
257
○
参考人
(目黒
清雄
君) 遊休
水利権
の
整理
をしてもらいたいというのは、
昭和
二十五年三月に出しております。この
趣旨
は、
水利権
の
取扱
いが非常に重大であるにかかわらず、
取扱
いが疎漏であ
つた
ということ、その例を挙げますると、すでに
水利権
が期限が切れてもそのままにしてあるものもあります。それから
水利権
の期限延長をしましたときに、その期限延長に対して
意見
を付さないで、そのまま府県が握りつぶしておいて処理をしない問題もあり、更に
工事
着手をしましても、途中ずるずるべ
つた
りにな
つて
お
つて
、完成の能力のないようなものさえもそのまま見逃してあるということがわか
つたの
であります。
従つて
それらをこの際
整理
して、必要な所、
開発意欲
のある所へこの
開発
をせしむべきじやないかというふうに
考え
たのが、この
趣旨
でありまして、今のような現存する
水利権
、かかる
理由
のものはいたし方もありませんが、ほかのものまで強権を発動しようという
趣旨
でこれを出したのではなか
つたの
であります。ただそれを多少誤解を受けたというような点がありまするので弁明しておきます。
石原幹市郎
258
○
石原幹市郎
君 安藏会長さんに承わ
つて
おきたいと思うのでありまするが、
東京電力
としては
上田
、
本名
、あれを果して、出願はされたようでありまするが、自分で
開発
の
意思
を持
つて
お
つたの
かどうかということと、まあ非常に失礼な言い方でありまするが、実際それだけの力、能力があ
つたの
かどうか、これは私のそういう意味は、こういう大事なときでありまするから、無駄なく能力を使わなければならんと思うので、その隣りで大
工事
をや
つて
いる
東北電力
が、その少し上をやればこれは簡単にできるのであります。
東京電力
がこれをやるということにな
つた
ならば、これは非常な時間も期間も要するし、そこに大きな無駄な重複した設備をいろいろやらなければならん、こういうことになるのでありまするが、そういう意味から
電力
界のいわゆる専門家の立場から、
東京電力
があそこに出願されたということは、
東北
がまあ出願してやろうとしているのだからそれを抑える意味、抑えるといいますか、言いがかりをつけるという意味でや
つた
んじやないかというふうにも見えるのでありまして、そういう意味から
東京電力
は当時どういうお
考え
、立場であ
つた
かということを。
安藏彌輔
259
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 先ほ
ども
申上げました
通り
、
本名
、
上田
上流はすべて別の
会社
でやろうということを私は確信を持
つて
おります。私
ども
はその線に沿うてこそ
東北電力
と私
ども
の
会社
がいろいろ
協議
をしてお
つたの
であります。たまたまそのときに、先ほど
社長
が言
つた
通り
、
本名
、
上田
をおれにやらしてもらいたい、これはおのおのの
会社
がおのおのの
会社
で主張するのは当り前で、私
ども
も主張いたします。ここにおいて十分に
協議
して、元がなければ元がないでよし、それは返す
方法
があるのであります。それをやらないのでや
つた
ことが私は非常に遺憾である、而も
東北電力
という
東北
における代表的の
会社
である、それが一方において手を握
つて
やりつつあるにかかわらず、一方においてそういうことをやるということは、不信極まるものであると私は言いたいのであります。ところで私は、あの
水利権
はやると、やる力はあると思います。決してないとは思いません。さればこれこそ私が六月三十日に更めて出頭したわけであります。決して嫌がらせとかそんなことを私たちは
考え
ておりません。少くとも
東京電力
は日本の代表的
会社
であります。堂々とやりたいのであります。
石原幹市郎
260
○
石原幹市郎
君 そこで、私は非常に残念に思うのでございまするが、一刻も早くこういう所が
開発
できるなら
開発
したいと、殊に
上田
、
本名
のごときは、少し期間がずれればもう一年延ばさなければならないのでありまするから、そういう問題が引つかか
つて
いるときでありまするから、これは当時の
公益事業委員会
なりいろいろの人がもう少し親切に
意見
を出したり主張をして何とかや
つて
おけばよか
つたの
じやないか、それが何ら
相談
がないから、別にこつちから
返事
する必要もないというような、これは
松永
先生に、非常に心では失礼な言い分であると思いながら言うのでありまするが、そういうことでは、この
早期開発
を叫んでいるときに非常に残念であ
つたの
でありまして、そこで大体準備も力もあるこの
東北電力
なり或いはこの
水利権
を持
つて
おる
福島県知事
がそういう
公益
的の見地から私はこれを断固としてや
つた
ということは、これはむしろ日本の
電源開発
促進の上からい
つた
ならば賞揚すべきようなことで、こういうことがなければ、こういう思い切
つた
ことがなければ私は思い切
つた
電源開発
は進まないと思うのであります。私はそういうふうに
考え
るのであります。これを以て
質疑
を終ります。
結城安次
261
○
委員長
(
結城安次
君)
石原
委員
の
質疑
はこれを以て終りました。
左藤義詮
262
○
左藤
義詮君 先ほど
大竹
知事
は
早期開発
には
東北
でやらしたほうがいい、こういう御
判断
にな
つたの
でありますが、いろいろ
地元民
の協力とかもございましようが、一番の重点は資金の問題だろうと思います。この資金につきましては、内ケ崎
社長
から各方面に努力した、こういう
お話
がございましたが、努力して金などはすぐにできるという確信をお持ちにな
つた
と、こういうことでございますが、併し具体的には大蔵省なり、安本のほうからは何ら
決定
の指示は受けておいでにならない。ただ主観的にこの
電源開発
の
至上命令
というところから必ずできるという非常な強い確信をお持ちにな
つた
。それが
知事
を動かし、或いは県庁を動かした、かように伺
つたの
でございますが、それでは一点安藏さんに伺いますが、
東京電力
のほうは資金の見込みで
東北
と同様或いはそれ以上の確信をお持ちにな
つて
お
つた
かどうか、特に設計の変更の
認可申請
をなさる際に、こういう確信を以てせられたかどうか、その点を
一つ
伺いたいと思います。
安藏彌輔
263
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私
ども
東京電力
といたしまして、いろいろ拡張計画
工事
をや
つて
おります。総額年に百七十億の予算を以ていろいろや
つて
おります。私
ども
あれに着手する金をすぐ当座にどうということは心配しておりません。当座の金くらいはその百七十億において賄えるという自信は十分持
つて
おります。
左藤義詮
264
○
左藤
義詮君
東北
のほうは、これからいろいろ
開発
銀行なり、市中銀行にも折衝をするが、併し自信はある、
東京電力
のほうは、おれのほうはすでに持
つて
いるのだから折衝も無論するが、それ以上に今自分の持
つて
いる金でもやれる、こういう御確信のようでございますが、こういう
二つ
のそれぞれ確信を持
つて
申請
をしておいでになる、その及落を
決定
なさる
知事
が、而も一方は
取消
しをする、こういう重要な問題でありますが、その
決定
をなさる場合に、ただこれは主観的に
判断
せられたのか、地元のひいきでやられたのか、それとも我々第三者に納得せしめられるだけの特に資金計画を主にしまして、成るほど
東北
のほうが
東京
よりは優れている、この
通り
早期
にできるという公平な客観的な及落を御
決定
にな
つた
基準をお示し頂きたい。
大竹作摩
265
○
参考人
(
大竹作摩
君) 今のお尋ねでありますが、この問題に対しましては、先に申上げておいたのでありますが、私の
考え
として、
水利権
というものは絶対的の
財産権
でない、少くとも
国家
の
現状
から
考え
まして
公益
上最も
早期
に
開発
できることが一番大切である。殊に我々
東北
民がこの今の
本名
、
上田
の
地点
の
開発
は、これは非常に大きな問題であります。先にも申上げましたように、我々一地域、一地方でこの
電力
を独占しようなどとは
考え
ておりません。併しながら
国家
に
早期開発
が非常に要請されておりまする際に、両者の間でいずれが
早期開発
が可能であるかということにつきましては、私は
東北電力
が最も
早期
に
開発
できるものであるという大信念を持
つて
おる。これは先に申上げましたように、第一に
東北電力
が
上田
、柳津片門の両
地点
の
開発
を今なしております。その進捗振りを見ましても、又先にも申上げましたように、やはり何と申上げましても地方民の協力、かような
観点
からしてこの両
地点
はどうしても
東北電力
がなすことが最も
早期開発
が一番可能なり、かように
考え
ます。それからもう
一つ
は、安
藏社長
からも申述べられたのでありますが、両者の協力に対しましては、
東京電力
さんとこれの合弁
会社
の御計画もあ
つた
ように
記憶
しております。併し如何なる
観点
からしても、我々地方のことをあずか
つて
おりますものとして、この両
地点
だけは
東北電力
になさしめることが
早期開発
の線に一番副える、そうして日本の
差迫つた電力事情
に貢献できるものだ、かように
考え
ましてしたのであります。
左藤義詮
266
○
左藤
義詮君 元ほど御
決定
にな
つた
動機には、
東京
に任しておいては、非常に遅れてしまう。
東北
のほうが早い。今一番大事な問題は資金の問題でございますが、私はなぜ
東北
のほうが
東京
よりは早く資金が集ま
つて
早く仕事ができるという
判断
をなす
つた
か、その客観的な基準をお尋ねしているのですが、言を他にしてお答えになりませんから、これはあなたの主観的な御
判断
であ
つて
、我々が客観的に納得の行くような
一つ
の基準は、この資金そのものに対してはお示しにならない、かように解釈いたします。なお安
藏社長
にお伺いいたしますが、
東京電力
の今後の
発電
計画、これは非常に日本全体からも大事な問題でありますが、
我が国
の
電力
の
需給
から見ましても、今後五百五十万キロの
発電
を必要とするのでありますが、石炭、石油の資源の劣
つて
おる日本にと
つて
、水力によるダム式
発電
に主力を置かなければならんと思うのですが、これに対するお
考え
、次に又現に
東京電力
が
只見川
上流の奥只見
地点
を
調査
しておられるようですが、去る十九日衆議院の合同
委員会
で
松永
先生から、この
地点
の
開発
は分流による
発電
が
早期開発
から見て最も妥当だ、
只今
もそういうような御陳述がございまいました。これに対して斯界の権威であり、且つ東電の会長としての安藏さんの所信を伺いたい。
安藏彌輔
267
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 第一の問題の貯水池を有するダム式の
発電所
をやるべしという問題、これは議論の余地はありません。私は如何なる席においてもそれを広言しております。殊に日本の石炭
事情
等を
考え
ましても、又現在のごとき日本の石炭が外国よりも倍以上もするというときにおいて、火力
発電所
を拡張するなんてことは以てのほかだと思
つて
おります。但し火力
発電所
は相当古いのであります。能率がばかに悪いのであります。最近のものはそれの能率が五割もよろしうございます。従いまして石炭の消費が非常に減ります。その
関係
上新たなる火力
発電所
の拡張も止むを得ないと思います。それで第一の
質問
は
御返事
できたと思います。さてその次の分流案、本流案、これは天下ごうごうとした、まだまとまりのないものでございます。私もこれについては
意見
を持
つて
おります。併しながら従来の福島県並びに
新潟
県の主張を伺いますというと、福島県では水は一滴も流すのは御免だ、如何なることがあ
つて
も水を分流することは御免だということを言
つて
おります。
新潟
県では、いやそんなことはいかない。技術的、科学的、
国家
的見地から見て一番いい
方法
でや
つて
もらいたい、こう言
つて
おります。これでは壁に突当
つて
おります。ここにおきまして、私のような責任ある地位にある者がどちらがよいということを軽々しく言うことは避けたいと思います。私が会長を止めた第三者ならば、これはいいと思いますけれ
ども
、そういうことは言えないと思います。一方におきまして、又こういうことを言
つて
います。この間、
上田
、
本名
の訴訟をやりました。私
ども
あの
行政
の、県の処理というものは違法であるという確信のもとに、
只今
訴訟をいたしまして、裁判所にお願いをしております。このお願いしたことが
東北
方面の人の感情を非常に害しまして、たしかあの当時におきましては、私のところに
東北
の議員さんが四十名ほど押しかけて、東電はあんな不都合なことをしたのだから、猪苗代の水力の使用を取上げるということを決議し、或いは決議せんとし、それを私のところに
交渉
に持
つて
来るということでございました。誠にこれも暴論の甚だしいものと思います。それから又こういう投書も参
つて
おります。東電が
新潟
案を支持するならば、立ちどころに猪苗代を取上げる、殆んど恐喝的なことを言
つて
おります。これらの
事情
を勘案いたしまして、私はここでは
意見
を申上げることは控えたいと思います。(笑声)
左藤義詮
268
○
左藤
義詮君
只今
の重要な御発言に対しては申上げたいことがございますけれ
ども
、大分時間を急がれているようですから、内ケ崎さんに……。すでに
早期開発
ということで許されて二〇%
工事
が進んでおるという
お話
でございましたが、これを請負
つて
おります業者の名前、金額、これを
決定
せられた
方法
等について伺いたいと思います。
内ケ崎贇五郎
269
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
本名
発電所
の請負は間組であります。請負金額は四億三千万円、それから
上田
発電所
、これは請負人は前田組、請負金額は約四億二千万円でございます。それから請負の
決定
方法
でありまするが、我々のほうの
会社
といたしましては、従来特定見積りをとる場合、それから競争見積りをとる場合、尤も競争見積りと言いましても、請負業者の数は非常に多うございます。それでこの
工事
をやるには十分これは資力の点において、或いは技術の面において十分に達成し得るという見通しを付けたものの中から適当数、これは余り多く二十も三十もや
つて
もいたし方ないので、三、四軒の程度で競争見積りを徴するという
二つ
の場合がございます。それを適当に
判断
するということは、最も安くそれを請負わせることができる
方法
、そのときの
判断
によ
つて
いろいろ違います。これはいろいろな物価の移り変りということもありましようし、そのほかその組がどこどこの
工事
を請負
つて
、全体的には能力があ
つて
も、現在は能力がないじやないか、いろいろな各方面のことを考慮に入れまして、特定見積りに
決定
するか、或いは競争見積りにするかということは
社長
の
判断
に待つ、これが経営のこつでございます。それで今回の場合はどういたしましたかというと、
二つ
の
発電所
は、
上田
、
本名
の
発電所
は特定見積りにいたしました。その前にやりました柳津、片門、これは競争見積りでや
つて
おります。その都度違います。最近いろいろな
工事
をや
つて
おりますが、特定のときもあるし、それから競争見積りのときもいろいろございます。以上でございます。
左藤義詮
270
○
左藤
義詮君
本名
、
上田
は特定で見積せられた。特定にせられたのは前田、間だけでありましたか、そのほかの分は相当数は特定者に見積をお出させになりましたか。
内ケ崎贇五郎
271
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 特定ということは
一つ
の組だけ頼むという意味でございます。
左藤義詮
272
○
左藤
義詮君 そうすると、間、前田に指定する前に他の組に対して
交渉
せられた、或いは見積を、大体内輪見積でもですが、
相談
をなす
つた
ということはございませんか。
内ケ崎贇五郎
273
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) それはございません。そうやることが競争見積ということでございます。それで最初に御説明申したわけであります。
左藤義詮
274
○
左藤
義詮君 そうすると間、前田の両組だけを指定なす
つて
、それに見積をお出させなす
つて
、それでこれが一番いいというふうに
社長
の御
判断
でなす
つた
、かように解釈してよろしうございますか。
内ケ崎贇五郎
275
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君)
会社
のことをきめますときには最後に
社長
が
判断
いたしますが、ひとり
社長
が独裁ではや
つて
おりません。おのおの
会社
におきまして
手続
をとりまして、最もいい
方法
でやる、こういうわけでございます。
左藤義詮
276
○
左藤
義詮君 或いは
社長
御自身ではないかも知れないが、どなたか間、前田組に
決定
する前に、他にも渡りを付けてみられたということは全然ございませんか。
内ケ崎贇五郎
277
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) そういうことはございません。それが特定見積でございます。
栗山良夫
278
○栗山良夫君
委員長
、先ほどの結果はどうなりましたか。
結城安次
279
○
委員長
(
結城安次
君) 大蔵省から見えております。大蔵省理財局の
龜岡
康夫君にどうぞ御
質問
なす
つて
下さい。
栗山良夫
280
○栗山良夫君 これは話が途中でちよつとおわかりにくいかと思いますが、実は
只今
係争中にな
つて
おりまする
東京電力
と
東北電力
との
水利権
の委譲の問題に関連しまして、実は
上田
、
本名
の二
発電所
地点
に対して、七月二十四日
閣議決定
を以て
東京電力
から
東北電力
へ
水利権
が移されたのでありますが、その当時に
水利権
を渡すと同時に
工事
に着工するという建前から資金の
措置
がいろいろ
政府
筋でとられてお
つた
ようであります。そのとられてお
つた
内容について一応御説明を頂きたい。特に私が先ほど申しましたのは、
只今
通産
省のほうからの非公式な問題になりましてからの
お話
を承わ
つて
おりますと、若干行き違いがあるように承わ
つて
おりますので、この点を若し
事態
が明らかにな
つて
おりまするならば、
通産
省当局のほうから
一つ
発言を願いたいと、こう思います。実は
閣議決定
にな
つたの
が七月二十四日、それから
通産
省のほうの
施設変更認可申請書
の中の禀伺の中には、七月二十七日見返資金十二億円の承認が大蔵省からあ
つた
、こういう工合にな
つて
資金
措置
の裏付が明記されておるのです。
従つて
そういう事実があ
つた
かなか
つた
か、これを
一つ
承わりたい。
龜岡康夫
281
○
説明員
(
龜岡
康夫君) 今の御
質問
につきましてお答えいたします。
只見川
本名
、
上田
両
地点
の
電源開発
資金につきましては、
通産
省から七月二十四日付で大蔵省に対して照会が参
つて
おります。それに対しまして、大蔵省からは八月二十三日付を以て、
通産
省においてこの
地点
の
許可
を与えられる場合においては見返資金から所要額について検討の上融資する用意がある、こういう回答を出しております。それに対しまして、九月九日に至りまして、
通産
省から改めてこの
地点
の
開発
工事
の
許可
を与える方針であるからという通知がございました。この結果、大蔵省におきましては、
本件
については九月の十四日付を以て見返資金の融資は
開発
銀行に引継がれるということになるから、その旨を御了承願いたい、こういうふうに回答いたしております。以上でございます。
栗山良夫
282
○栗山良夫君 私は非常に不思議に思うのですけれ
ども
、見返資金の貸付の承諾が八月の二十二日に行われて、すぐ明る日の二十三日に回答が出る、こういうようなことは、私
ども
常識で、今までの見返資金の運用からいうと、ちよつと
考え
られないと思うのですがね。こういう工合に形式的の即座にものが運ぶような工合にな
つた
内部のいきさつはどういうことにな
つて
おるのか。
龜岡康夫
283
○
説明員
(
龜岡
康夫君)
只今
申しました八月の二十二日に照会が参りまして、八月二十三日に回答を出しましたのは、見返資金を融資するという回答はいたしておりませんので、この両
地点
の
開発
については具体的に計画を検討した結果、その前に
通産
省において
工事
許可
その他か与えられた場合においては考慮いたしたい、こういう文面でございまして、融資するという回答はしていないのであります。
栗山良夫
284
○栗山良夫君
通産
省のほうから…。
石原武夫
285
○
政府委員
(
石原
武夫君) 今栗山
委員
の御発言に関連して
御返事
を申上げますが、第一点は、先ほど栗山
委員
が朗読をされました七月二十二日に見返資金から両
地点
に対して融資がきま
つて
おるという記載があるという
お話
でしたが、これは
書類
にはまさにその
通り
記載してございます。私
ども
実は甚だ申訳ない次第でありますが、その後取調べましたところ、これは八月二十二日の誤まりだと
考え
られます。と申しますのは、
只今
大蔵省からも
お話
がありましたように、我々はこの
閣議決定
後
許可
をいたしますに際して、
公共事業令
の定むるところによりまして、資金が如何にな
つて
おるかということをどうしても確める必要がありますので、その
関係
で
通産大臣
から大蔵大臣宛に八月二十二日に御照会申上げまして、翌日御回答を得たのであります。むしろあらかじめわか
つて
おりますれば、かかる
手続
は必要なか
つたの
でございますが、そういうことが全然わか
つて
おりませんので二十二日に御照会申上げたのであります。それではなぜ八月二十七日という数字を書いたかと申しますと、これは大蔵省が八月二十三日付で御回答頂きましたのが、
通産
省の文書の受付で八月二十七日にな
つて
おります。それを七月二十七日と八月二十七日と書き違えたものと
考え
ます。甚だ事務的に迂闊でございまして恐縮でございますが、我々としては七月中にかようなことがきま
つた
ということは毛頭聞き及びもしておりませんし、さようなことは断じて事務的に間違いまして書き違えたという以外に了解はできませんので、その点は
書類
にはその
通り
書いてございますが、申訳ないと思いますが、事実はさようなわけであります。
栗山良夫
286
○栗山良夫君 どうも間違いであ
つた
という
お話
でありますから、私もそれ以上追及する証拠を持
つて
おりませんので一応了承をして置きます。ところで
通産
省にもう少しお尋ねをしたいのは、実は私はこれを
東京電力
にやらせるべきであるとか、或いは
東北電力
にやらせるべきであるとか、そういうような
意見
は私何も持
つて
おりません。ただ
野田
前大臣が言われたように、
発電所
は一刻も早く完成することがよいという
考え
を持
つて
おるのであります。ただ問題はそういう
結論
を出す場合に、早く作りたいからというので、途中の道行きはどんな
方法
をと
つて
もいいということには私はならんと思う。そこはやはり或いは法律にも照らし、又利害
関係
人或いは
官庁
関係
にも完全な連絡をと
つて
、そうしてなお且それで
決定
し得ないときに、最後に
閣議決定
によ
つて
政治的な断を下すということが私は道順でなきやならんと思う。ところがそういうことが何ら行われないで、或るものは聾棧敷に置かれ、或る者は不服を持
つた
まま利害
関係
人同士も、或いは役所の中においてもそういうことが行われて、いきなり
野田
大臣が
閣議
に持込んで
決定
してしま
つた
。もうこれできま
つたの
だから全部やれとい
つた
ような恰好で押されたところに私は問題があると思う。
従つて
そういうことがあるから、私今日も実は驚いたのですが、今朝
国会
へ出て見ますと、私の文書函の中に吉田・白洲の陰謀という衆議院の栗田英男君が出したパンフレツトが入
つて
いる。ここの中を見て、これが若し事実であるとするなら、
国民
は何のために税金を納め、そうして何のために
電源開発
をするのか非常な疑惑を招くような赤裸裸な文字が綴られているわけです。更に私は見返資金というものはなかなか出にくいものであるということはよく言われているのでありますが、そういうものが文書の日付でも一日違いで出てしまう。或いは又
電力行政
、
電源開発
の面において非常に重要な責任を果すべき
通産
省系統が、何ら
意見
を述べる余地もなか
つた
というような、こういう事実がある、或いは噂があるということになりますと、これは将来の
電源開発
の進め方に非常な問題を残す、これは決して
東北電力
なり、
東京電力
の
当事者
が云々される、或いは非難されるということでなくて、これはこの裁断を下した当時の
政府当局
のやはり責任であり、失態である。こういうふうに断ぜざるを得ないわけであります。そこで
通産
省にお伺いしたいのは、七月二十四日に
決定
をされて、八月の四日でありますか、これが公表せられたときに、その後これをうまくとりなしをするための施設変更
認可申請
を処理するために、いわゆる聴聞会というものを開いて、いろいろ議論されておりますが、これは
通産
省として八月一日に新らしく出発をいたしました
公益
事業局が、その跡拭いをせられたわけでありますが、
公益
事業局としては、
建設省
がとりましたこういうような方式、いわゆる
東京電力
案、
東北電力
案、
二つ
を検討することなしに、検討と申しますのは、私が申上げました
公共事業令
の第二十八条による検討をすることなしに、このまま鵜呑みにされたようでありますが、これで非常に結構であ
つた
と、こういう工合に今でもお
考え
にな
つて
いるかどうか、これは
通産
省の御
意見
を伺
つて
おきたい。
石原武夫
287
○
政府委員
(
石原
武夫君)
只今
お尋ねがございましたうち、七月二十五日
閣議決定
がありました結果につきましては、
通産
省としては、その当時
関係
しておりませんでした。勿論
従つて
御指摘を頂くようなことは勿論なか
つたの
でありますが、その当時の行き筋は私のほうは直接
関係
がございませんので、それが果してよか
つた
かどうかという点は、ちよつと私としてお答えいたしかねますので、これは他の適当なかたからお答えを願いたいと思います。それからなお
公共事業令
の二十八条の
許可
は、その後私のほうでいたしておりまするが、その際には聴聞会等を開きまして十分検討をいたしまして、現在両
地点
が
東北電力
で
開発
することが適当だという
結論
に達して
許可
をいたしたのでございます。
栗山良夫
288
○栗山良夫君 そこで私は非常に疑問を持
つて
おるのは、その聴聞会の
意見
書がここにあります。
通産
省審査官として森さんの判で通商産業大臣高橋龍太郎君宛の
意見
書がありますが、その
意見
書に、それを
許可
することの妥当性ということが
反対
論、賛成論を集約して
結論
として出されております。そこに、私が今ちよつと要点だけ読み上げますと、
本件
許可
の妥当性についてというのが(一)と(二)と二点を挙げておる。その
一つ
のほうはどういうことにな
つて
おるかと申しますと、
閣議決定
においては本流案、分流案の
決定
に触れないとされているが、少くとも
本件
許可
に当
つて
は
電源開発
調整審議会の了解を得ることが公明なる
措置
である、こういう工合に書いてあります。要するに
通産
省当局としましては、この
決定
については多分に不服がある、調整審議会の了解を得ることが公明なる
措置
である、疑惑を招かない
措置
であると書いてあります。これは聴聞会の
意見
書であります。それから(二)のほうはどういうことが書いてあるかと申しますと、
水利権
に絡み
本件
は各種の疑惑の的とな
つて
おるので、特に公明なる
措置
が必要である。
従つて
既定の
閣議決定
により
本件
許可
は既定の事実であるとしても、上記各事項につき十分なる検討を行な
つた
上処理することとし、特に趨勢から
判断
するときは
反対
論者の妥当な点も相当あるので、両
発電所
完成後の
需給
の如何によ
つて
は
電源
帰属の経緯を加味した融通の余地を残す必要がある、こういう
二つ
の
意見
が付けられています。この
意見
は少くとも私が第三者として見ますというと、
本件
許可
の問題についての
結論
としては私は賛成論ではないと思う。どちらも一方は問題を保留し、一方はその結果がよくないというので保留のやはり条件が出ておる。こういうようなことが出ておるということは、如何にこの
許可
が役所の間の処理において円滑を欠き、そうして或る一人の人が強行されたかということを明白に私は物語
つて
おると思う。この責任は私はこれ以上申しませんけれ
ども
、おやりにな
つた
かたは、将来日本の
電力
事業の発展のためには私はおとりにならなければならん責任であろう、こう
考え
るのであります。私大体これで
質疑
を終ります。
木村守江
289
○木村守江君 私は安藏東電会長にお尋ねいたしますが、今更申上げるまでもなく、日本で最も大事なことは
早期
電源
の
開発
によ
つて
産業の振興を図ることであると
考え
るのであります。今日いろいろな議論をされましたのも、要するにいずれへの方式をと
つた
ほうが
早期
電源開発
であるかということに帰着すると
考え
るのでありますが、東電といたしましては、一体
上田
、
本名
両
地点
の
開発
に際して今までどういうような具体的な
方法
をと
つて
おられましたか、又この
開発
に対しましては、どういうような
方法
をとろうと
考え
ておられましたか、明白にお答えを願いたいと思います。
安藏彌輔
290
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 先ほ
ども
申上げました
通り
、この
地点
は初めから
東北
、
東京
共同でやる、或いは
別会社
でやるという方針でや
つて
おります。従いまして私
ども
の
技術陣
も日発からも来ております。ここにおいて十分に設計し、用意はしてお
つた
ことですが、先ほ
ども
申します
通り
、
交渉
半ば、
東北
と私
ども
が
交渉
半ばです、機は熟しておりません。先ほ
ども
言う
通り
大いに議論をすべきなんです。おのおの
会社
の立場において議論をいたしますのは当然であります。私
ども
のほうも議論もあります。
東北
さんもあります。これは当然十分や
つて
おつつかせる、それにはいろいろ
方法
があります。恐らく
公益
委にもありましようし、
建設大臣
もありましようし、そうしてやるべきが私は常道であるという確信の下にや
つた
、それを裏をかいたり何かしてやる、成るほど先ほど言
つた
不信も甚だしいということで言い尽きると思います。
木村守江
291
○木村守江君 私はその
東北電力
と東電との間の感情的ないろいろな裏切りとか、そういう話を聞いておるのじやないのであります。一体
早期
電源開発
をするという場合に、両社の折衝をしたということについては、すでに多数のかたがたから証言されたのでありまするが、先ほ
ども
お話
がありました
通り
、
上田
、
本名
の
開発
については
東北電力
が自力で以てやりたいという明確な
意見
を発表いたしております。そういうようなことから
考え
まして、これは
東京電力
としては
東京電力
として
開発
する独自な具体的な方策があらなければならないと
考え
まして、その独自の具体的な方策について明白にお答え願いたいと思います。
安藏彌輔
292
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私は特に
上田
、
本名
が独自の技術を要するとは思
つて
おりません。ありふれたダムであります。これが奥只見或いは田子倉というような所ならば或いは独自云々ということがあるかも知れませんが、最も普通のダムであります。一番問題とするところは先ほど言
つた
資金の問題、資金については私
ども
先ほど申しました
通り
毎年二百億近く使
つて
おります。資金的には私は
東北
よりも一層力があるという自信を持
つて
おります。
従つて
これらの
発電所
のごときは殆んどこれという問題もなしに実現は可能と信じております。
木村守江
293
○木村守江君
只今
の安藏会長の御答弁によりますと、その独自な技術は要らない、私は別にその独自な独特な技術ということを意味しておるのではないのであります。どういうような具体的な設計によ
つて
電源開発
をするかということを聞いておるのでありまして、少くともどういうような
工事
をなさるにも私は設計なくしては、具体的な設計なくしてはできない。どんな簡単なダムを造るにいたしましても、私はその設計を作るのにはすぐに一日や二日では、一カ月や二カ月ですぐにできるというようなことを言われるようでありまするが、私は専門的技術家ではありませんが、そういうものは到底でき得ないことではないかと
考え
るのでありまして、そういう点から
考え
まして、東電においてはこれはいわゆる技術的にどういうような具体的な設計があ
つた
かということを聞いておるのです。
安藏彌輔
294
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 設計のことについて申上げますというと、従来の
水利権
は水路式でありまして、
只見川
第二或いは沼沢という名目の下に水路式でございます。私
ども
はこれはかねてからダム式でやるべきだ、時勢の進展に伴いまして旧式の
方法
でやるのはよろしくない、これはダム式でやるべきだということで設計を変更し、その設計ができたために用意はしてお
つたの
ですが、従来は
交渉
中であるために私は遠慮してお
つた
、併しながら先ほ
ども
申しました
通り
建設大臣
からいろいろ言われておる、これは東電が意欲がないからそういうことになるのだろうということで、私
ども
は改めて完全なるダム式の設計をしてや
つたの
でございます。決してそれは先ほど申しました
通り
嫌がらせだとか何だとか、は
つた
りだとか、そういうことは決してございません。飽くまでやるつもりでや
つたの
でございます。決してこれをや
つた
ところで東電ができないだろうということでは、これは少し御心配し過ぎるのではなかろうかと思います。
木村守江
295
○木村守江君 どうも東電の会長の
お話
を聞いておりますと、非常に抽象的な答弁でございまするが、東電は
上田
、
本名
の
地点
の
開発
に際しまして、本当に実地
調査
をしてそうして具体的な設計を作
つた
ことがありますか。
安藏彌輔
296
○
参考人
(安藏彌
輔君
) その当時においてはや
つて
おりません。併しながらデーターを持
つて
おりまして、これによ
つて
設計をしております。
木村守江
297
○木村守江君
只今
データーを持
つて
おるから、それによ
つて
施工すると申されましたが、少くとも先ほど来論議されておりまする
通り
、設計書を持
つて
お
つて
も、その上に
地元民
との特別なる協力なくしては到底
早期
に
工事
の着工はでき得ないということは、あなたは商売人でありますから、よくおわかりだろうと思うのであります。こういう点をどういうふうに
考え
ておられますか。
安藏彌輔
298
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 無論
工事
をやるためには設計も完全にしなければなりません。又それに対して準備もあ
つた
でしよう、又
地元民
との
交渉
、あらゆる懸案も解決しなければならないことは当然であります。だけれ
ども
、先ほど申しました
通り
、これは飽くまで
東北
でやるという信念の下でや
つて
おりますから、
東北
と競争的にやろうなんということは甚だ混乱させてよろしくないということで私
ども
は差控えておりました。
木村守江
299
○木村守江君 どうも会長の話を聞いておりますと、
東北電力
では、もうあなたのほうと一緒にやらないということを初めから明瞭に断わ
つて
おるのです。この
上田
、
本名
については
東北電力
が自力でやりたいということを言
つて
おるのでありまして、
東北電力
と一緒にやろうと思わんから、おれのほうは何もしていなか
つた
というようなことを言
つて
おられますことは、あなたがおれのほうには何も
資料
はないのだ、おれのほうには何の設計もないのだ、おれのほうには
地元民
たちの何の
交渉
もないのだ、
東北電力
と一緒になればできるのだというように、
東北電力
に縋るよりほかに何もないというふうに聞き取られますが、さように聞き取
つて
差支えないですか。
安藏彌輔
300
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私は先ほ
ども
申上げました
通り
、飽くまで協力してやりましようと、その線で進んだのでありますが、先ほど
建設大臣
の言われた五月の幾日に初めて
建設省
ではこういうふうにしろと、これは絶対
反対
ですということを私はそのときに申上げた
通り
でございます。従いまして私
ども
は、これは
東北
はいわゆる不信の行為をしたということで憤然としたのでございます。それ以来私
ども
は過去の
資料
その他によ
つて
しつかりまとめたものを出願し、これを実行せんとしたのであります。如何せん七月の末項になりますと、又々
建設大臣
からこういう
お話
がありまして、誠に遺憾であると常に思
つて
おるのであります。
木村守江
301
○木村守江君 どうも話がわかりませんが、
東北電力
では御
承知
のように
昭和
二十七年の七月に
河川
水利使用
計画を出しておるのです。あなたのほうではこれから大体五ケ月ほど遅れて出しておるのですが、それは一体どういうわけですか。
安藏彌輔
302
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 先ほど申上げた初めの二月幾日に出したということは、私全然知
つて
おりませんし、その当時盛んに折衝してお
つたの
であります。わかりましたか。
木村守江
303
○木村守江君 それではあなたのほうでは
東北電力
が
水利使用
計画の
申請
を出したのが全然わからなくて、そのために遅れて出したのだ、そうしてその六月に出した
申請
には、あなたのほうのデータを添えて出したのだということに了解してよろしうございますか。
安藏彌輔
304
○
参考人
(安藏彌
輔君
) その
通り
でございます。
木村守江
305
○木村守江君 そうしますと少くとも
電力
の再分割の際に、この
只見川
の
電源開発
のいわゆる
調査
資料
というものは財産として
東北電力
へ受け継がれたかのように聞いておりますが、その
東北電力
のデータを出したということになりますか。
安藏彌輔
306
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私
ども
にも当時の日本発送電
会社
においてそれに関連した人がたくさん来ております。従いましてそこらのデータとしてはわか
つて
お
つて
、特に
東北電力
に行
つた
データ云々ということはございませんでございます。
木村守江
307
○木村守江君 そこに大きな問題があると思うのです。丁度
水利権
があなたのほうにある、それを
東北電力
が取
つた
かのように言う。ところがその
調査
資料
は財産として
東北電力
にある。それをあなたのほうが
東北電力
からかつぱら
つて
、あなたのほうでや
つた
というような私は恰好になりはしないかというようなことを
考え
ておりますが、この点
東北電力
と
相談
をなさらなくてそういうことをしたあなたのほうに……、あなたのほうは
東北電力
を先ほど来不徳義極まるように口を極めて悪口を言
つて
おりますが、自分のほうが悪口を言われる材料を提供しておるように思われますが、どうでありますか。
安藏彌輔
308
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私
ども
はそのままのデータではなく、それは単なる
参考
でありまして、私
ども
の独自の設計
資料
を入れ、設計に考慮を払
つて
おるのであります。私
ども
は
東北電力
の持
つて
行
つた
資料
を云々したということは言いたくありませんが、私
ども
は私自身において
資料
を無論
参考
にいたしますが、私
ども
独自の立場において設計したものであります。
木村守江
309
○木村守江君 先ほどあなたは、私のほうでも
東北
が日発当時に調べた
資料
があるということを言われましたが、その日発当時に調べたいわゆる
調査
資料
は財産として
東北電力
に継がれておるのであります。それを出したということは、明らかに
東北電力
のいわゆる財産をかつぱら
つて
それを出したというような不徳義極まるところの行為だ(笑声起る)ということを言われても、何ら差支えなくな
つて
しまうのです。
安藏彌輔
310
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 先ほど私が申上げました
通り
、それは
参考
としただけでありまして、私
ども
は独自の工夫、考案を入れて出したのであります。
結城安次
311
○
委員長
(
結城安次
君) 木村君、まだ長いですか。
木村守江
312
○木村守江君 今始ま
つた
ばかりでしよう。先ほど来聞いておりますと、これは東電においても
本名
、
上田
の
早期開発
をしたいという意欲は非常にあ
つた
。まあ安藏さんの本当の気持をそういうふうに善意に解釈いたしまして、
早期開発
をしたいという
考え
はあ
つた
と私はこう解釈いたして
判断
して参りますが、六月三十日に
水利権
使用の
申請
を出しまして、そうしてそれから
東北
とのいろいろな問題があ
つて
、それから
許可
にな
つて
着工するまで一体幾らぐらいかかると思いますか。あなたがたいつでもこういうような
書類
を
取扱
つて
官庁
と
関係
をしておるのですが、どのくらいの日にちがあ
つた
ら
許可
はもらえて着工できると思いますか。
安藏彌輔
313
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私
ども
は新たに出願したものではございません。すでにあ
つた
ところの
水利権
の変更を出したのであります。従いましてこれは
官庁
内における
手続
のむずかしいものではなかろうと思
つて
おります。新たなるところの出願をいたしますと、地方を視察するとか随分ごたごたいたします。併しながらすでに
許可
のあ
つた
水利権
であります。その水路式をダム式に変更するということでありますから、私
ども
は
官庁
関係
においては好意さえあれば、而も先ほどのような非常な好意さえあれば、これは容易にできると思います。ただし
あと
は私
ども
の責任においてなすことが時間を短縮するか否かということにあると思います。
結城安次
314
○
委員長
(
結城安次
君) 木村さんにちよつと御
相談
いたしますが、今
資料
云々の問題は当時
公益事業委員長
代理の
松永
さんが一番よく知
つて
おると思いますから、ちよつと御説明を願いましようか。
松永
参考人
から、
東北
へ
只見川
の
資料
を渡したということが今かつぱら
つた
とか何とかいろいろ問題にな
つて
おりますが、どういう気持で
東北電力
に渡したかということを、若し当時の
事情
がおわかりでしたら
お話
下されば結構であります。
松永安左ヱ門
315
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君)
只見川
の
開発
を
考え
ますのには、どうしても
只見川
全体に亘
つて
の
考え
をせんなりません。で、日本発送電が旧来いろいろ調べております
資料
は十分なりとは言いがたいのであります。併し何しろ年数をかけてや
つた
ものでありますから、これを相当慎重にするのは無論であります。私
ども
はそれで満足するわけには行きませんので、
公益事業委員会
の技術部において再検討する、それからそれだけでも足りないので、
技術顧問
団の渡来を求めました。それだけでは行きませんので、
東北
そのほかの新
会社
の
技術陣
を又招集して、その一部として、殊に大きな一部として
只見川
の問題は考慮いたしました。併しそれと共にOCIの
調査
を願
つて
始めることとなりましたために、
只見川
全体に対しての
資料
というものは、前の日発の
資料
のみによることは無論できんのであります。又
資料
はあるはずだと、特に
本名
、
上田
の
資料
を渡したとか、或いはそれが一種の権利のごとく
考え
られているということは、そういう
事情
に徴しましてもないのであります。
調査
資料
即ち財産であるということではないのであります。この
資料
は
公益
委員会
においでになれば東電でもどこでも御覧下さることができるのでありまして、当時
只見川
に
関係
のある技術者はみんなこの
資料
を大体知
つて
おります。例えば雨がどのくらい降るとか、或いは地質はどうな
つて
おるかということは全部わか
つて
おります。一番簡単なのは
本名
、
上田
でありますから、これは技術者のほうに公開をしてみんなが知
つて
おるのでありまするから、特にその点において論議を尽される必要はなかろうかと思
つて
おります。
結城安次
316
○
委員長
(
結城安次
君) よくわかりました。
木村守江
317
○木村守江君
松永
先生の
お話
よくわかりました。 続けて安藏会長にお尋ねいたしますが、会長はそんなに簡単に、その再出願、水路式をダム式に変更した
申請
であるから簡単に
許可
ができるというようなお
考え
を持
つて
おられまするが、御
承知
のようにこの
水利権
は、日本発送電ができました当時に、あなたのほうの
会社
からすでに持
つて
お
つた
水利権
の保証金を返してくれと言
つて
、金を返してもら
つて
、そのときに恐らくはもうこの
水利権
は日本発送電という一種独特の力のある、法律の上の力のある権力を以て
電源開発
する
会社
に移
つて
しま
つた
。それがあなたのところに返
つて
来て、そうして今度それに対してあなたのところが、返
つて
来たのに対して、新らしくいわゆる保証金というものも積まないであるその権利の上に、今度は水路式をダム式に変更の
許可申請
を出したのだから、すぐ
許可
が下りるだろうというようなことは、あなたのほうの
申請
にも相当いわゆる手落ちの点がある。特にこの
東北電力
が前にダム式の
申請
を出しておるというときであるから、そう簡単には
許可
が下りないということを
考え
られなか
つたの
かどうか。
安藏彌輔
318
○
参考人
(安藏彌
輔君
) どうも話がよくわかりませんが、これは水利の出願をするときに、従来は
水利権
の出願をいたしますときに、いい加減の人がやつちやあ困る。それでその
水利権
の、馬力数に応じまして保証金というものを積まれたのが従来の常道でございました。私
ども
如何なる
河川
においても、出願するときにそこの馬力が一万馬力ならば何万円というものを積立てておるのでございます。これは現金でなくてもよろしいので、公債でもよか
つたの
でございます。これは常道であります。私
ども
もあらゆるところにそれを積立ててございますが、併しながら日本発送電
会社
ができるとか、或いは配電
会社
というものが
国家
の法律によ
つて
できます。これは殆んど
国家
機関のようなものでございます。これが保証金を取るなんかというのは全く意味がないのであります。従いまして
只今
規則
が出ましてそれは不要にな
つたの
でございます。従いましてこれは取下げるのが当り前なんでございます。日本発送電が出願するときにそういう保証金は出さないのでございます。私
ども
が出す必要はないのでございます。従いましてこの保証金を下げたから
水利権
がなくな
つた
というような先ほど
福島県知事
から
お話
があ
つた
ようでございまするが、これはやはり間違いだと思います。
木村守江
319
○木村守江君 ちよつと今の話はわか
つて
いるのですよ。ところが日本発送電がなくな
つて
、そうして
水利権
があなたのほうに移
つた
場合には、あなたのほうではやつぱりその保証金を積まなくちやいけない。日本発送電というような特殊
会社
とは違うんだ。そういうようなこともせずに、そうして今度おれのほうで昔持
つて
お
つたの
だから、その権利があるのだから計画の変更であるから簡単に下りるというような
考え
方は余り甘過ぎはしないか。
安藏彌輔
320
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 少し食い違いがあるようでございます。今ある
水利権
は日本発送電に渡
つて
おりません。 〔
委員長
退席、
通商産業委員
会
理事
栗山良夫君着席〕 従来
東京電力
にあるそのままでございます。従いましてその
水利権
はそのままにな
つて
おります。私
ども
が変更の出願こそすれ、
水利権
はそのままに私
ども
にあるのでございます。
木村守江
321
○木村守江君 それではこのことはそのくらいにしまして、先ほど来申上げました
通り
、こういうような状態で一体六月の三十日に
申請
を出しまして、いつ頃から
工事
が始まることになると
考え
られましたか。具体的にはつきり言
つて
下さい。
安藏彌輔
322
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 先ほ
ども
申上場げました
通り
、出願の許
認可
はお役所側にございます。お役所側の動き如何によ
つて
きまるのでございます。併しながら私
ども
は新規出願になりまするとこれは大変のことでございます。いろいろの条件をつけて、いろいろの
関係
の
意見
を求めてそうしてやるのでございまするから、或いはこの
許可
認可
に一年もかかることもございます。併しながら先ほど申上げました
通り
、これは変更に過ぎないのであります。現にある
水利権
の変更でございまするから、これは
官庁
のお
手続
如何によ
つて
は簡単に済むだろうと、こう申上げたのであります。併しその後の
工事
如何は私
ども
の努力如何できまります。
木村守江
323
○木村守江君 まあ会長の言われる
通り
ですね。極めて簡単に
申請
が承認されたといたしましても、これは少くとも一、二カ月は要すると思うのであります。そうして一、二カ月を要しました
あと
、地元との折衝並びに本当のその実地の細部の
調査
等を含めましたならば、どう
考え
ましてもこれは九月の下旬、十月にならなければ着工できない。どんなに早くかか
つて
も十月を越さなければ着工できないというのが常識的な観察ではないかと思うのであります。ところが御
承知
のように十月を過ぎましてあそこの
工事
を始めました場合に、果していわゆる冬期の渇水時に間に合せられるかどうか。これは全く不可能な問題でありまして。かように
考え
て参りますと、いわゆる
東京電力
の申されているところの
早期開発
は、少くとも
東北電力
がや
つて
おりまするところの
工事
より一年はどうしても遅れるということになりまして、いわゆる
電源
の
早期開発
ということは全く不可能なことになるということは明らかに事実が物語ることであろうと私は思うのでありまして、この点はどんなに自信ある会長であ
つて
も承認せざるを得ないと思うが如何でありますか。
安藏彌輔
324
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 抽象論でございまして、私
ども
はそれには同意いたしかねます。
木村守江
325
○木村守江君 勿論これに対して答弁いたしましたならば、これは全く
東京電力
は
早期開発
の意欲なしというふうな断定を下されることになりますから、会長としまして答弁でき得ないのは尤もでありましよう。了承いたします。(笑声)この
東京電力
会社
が発行いたしました
只見川
筋
水利権取消
し
処分
に至るまでの変遷の概要、
二つ
のパンフレツトがありますが、この中を見ますと、
只見川開発
方針というような項目の中に、
只見川
の
開発
方式は、
東京電力
はOCIの
調査
を依頼する等、慎重なる検討の上採用の方式を選定したいというように、OCIの
調査
を非常に重要視されておるように
考え
ておられまするが、この
上田
、
本名
の
開発
につきましてもOCIの
意見
を非常に尊重されるお
考え
があ
つた
でありましようか、ちよつとお伺いいたします。
安藏彌輔
326
○
参考人
(安藏彌
輔君
)
只見川
の
開発
については、先ほど
松永
先生がおつしや
つた
通り
、これは重大なものであるから、慎重にやるべきだ、それにはOCIも頼んでやろうということの議がございまして、それにきまりました。併しながらその際に私
ども
も、
東京電力
も、
東北電力
も、又
電源
調査
会も一緒にな
つて
やらうということでございまして、私
ども
の技術員もその一団に加わ
つて
調査
を進行してお
つたの
でございます。従いまして
調査
の
経過
についても、私
ども
は十分にわか
つて
おるところでございます。
木村守江
327
○木村守江君
只今
私は、OCIの
結論
を非常に尊重してやるように書いてありまするが、その点につきまして、もう一度はつきり承わります。
安藏彌輔
328
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私はOCIの
意見
そのものを全く容れる
考え
はございません。
島清
329
○
島清
君 ちよつと今の
質問
に関連をいたしましてお聞きしたいのでございますが、この
早期開発
というものは、
工事
に着手することを意味するのですか。ちよつと
大竹
さんにお尋ねしたい。それとも又あそこの水を一滴でも多く余計に、早く電化するということを意味するのですか。どちらなのですか、ちよつと伺いたい。
大竹作摩
330
○
参考人
(
大竹作摩
君)
本名
、
上田
に関しては、早急に
発電
化したいというのが私の
考え
であります。
島清
331
○
島清
君 ああそうですが、わかりました。そういたしますと、非常にこの
早期開発
ということが、
東北電力
のほうに
水利権
を
許可
したのだという
理由
の最も重要な
部分
にな
つて
おります。ところが
東北電力
は、資金を見返資金、その他他の銀行等に仰がなければならない、こういうことだし、併し
東京電力
のほうは、自社においてその程度のものは賄える、こういうことなのですが、どうですか。その
東京電力
のほうが、我々から見ますると、資金のほうが、
早期開発
の最も適格性を持
つて
おるように思えるのですが、
東京電力
側の資金のことについて検討されたことがあ
つたの
ですか。
大竹作摩
332
○
参考人
(
大竹作摩
君) この
東北電力
に
許可
を与うべく
建設省
に禀伺いたしました際から、これは
早期開発
の
観点
から、先刻も事例を申上げましたように、この
地点
はどうしても
東北電力
にやらしたいという見地でありますので、
東京電力
に対しての資金の検討はいたしておりません。
島清
333
○
島清
君 そこで、それじや
大竹
さんの
早期
の
電源開発
並びに
早期
電源開発
の可能性の最も重要な
部分
は資金であるというようなことは、今日の
只今
の御
意見
によりまして、資金などはまあどうでもよろしい、とにかくあなたとしては
東北電力
さんにやらせるのだということを信念的にきめてお
つた
という、こういうふうに了解して差支えありませんね。
大竹作摩
334
○
参考人
(
大竹作摩
君) 勿論
電源開発
に対しましては、資金が最も重要であります。併しながら私は先にも申上げましたように、
東北電力
の柳津、片門、或いは沼沢、宮下の増設、これらの図式から見まして、資金というものが、先に申上げましたように、係の者が来まして、促進方を要請されます際に、資金の面を質しましたところが、資金の面は決して御心配ないという答弁でありまするし、今申上げましたような今までの事例から見まして、資金の面も大丈夫であるという確信を私は得ておるのであります。
島清
335
○
島清
君 関連の
質問
はそれだけですから、
あと
で又
質問
します。
木村守江
336
○木村守江君 最後に
一つ
。もう
一つ
最後にお伺いしますが、先ほど安藏会長は、福島県は
只見川
の上流の
開発
については一滴もこの水を
新潟
に流さないと言明しておるというようなことを言
つて
おりまするが、少くとも福島県の
知事
は、
国家
がこれが最も
国家
的に有利な
開発
方式であるならば、分流案であるといえ
ども
、決してこれに反抗するものではないというようなことを言
つて
おるように
考え
ておりまするが、この点改めて
福島県知事
にお伺いいたしたいと思います。
大竹作摩
337
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只見川
の
開発
方式に関してでありますが、これは私は科学者でもなければ電気の技術者でもありません。併しながら、この只見側の
開発
に関しましては、長年深い関心と研究を続けて参
つて
いるのでございます。
我が国
の大きい
電源
の宝庫としての
只見川
の
開発
は、私は絶対に貯水方式でなければならないという固い信念を持
つて
おります。而して、一滴の水といえ
ども
これは最も有救に使わなければならないという
考え
は、今もいささかも変
つて
おりません。併しながら、
国家
的大所の見地から立
つて
、このあらゆる……
松永
委員長
さんが申されましたように、OCIなり、各科学者が研究
調査
されました結果、これは、福島県に水を流すよりも、
新潟
県にこの水を全部流したのが
国家再建
のためにこれがよいのであるという
結論
を得ました際には、私は釈然としてそれに賛意を表するものであります。
木村守江
338
○木村守江君 私は
只今
福島県知事
の
お話
を聞きまして、安藏会長の言明が間違
つて
おるということを
考え
ますので、この際
取消
しを願います。
安藏彌輔
339
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私は一滴の水も流しちや困るということは、私が捏造したものでも何でもございません。ここにいる県
知事
さんからたびたび聞いたお言葉でございます。今日初めてこういうことを承わり、誠に県
知事
さんの頭の進歩したことに敬意を表するものであります。(笑声)
木村守江
340
○木村守江君
只今
安藏会長から非常に奇怪な話を聞いたのですが、
知事
は先ほど来
国家
的見地から
電源
の
早期開発
を主張しておるのでありまして、そういう点から私は真剣に話をいたしておると思うのであります。それは頭の進歩したとか、進歩しないとか、これはお互いにそういうことを言
つた
ならば、もう
意見
があると思いまして、そういうような証人同士のお互いの言い合いはこの際やめてもらうべきであると私は
考え
ます。而して最後にお聞きいたしますが、一体東電は、
只見川
上流の
水利権
を今でも持
つて
おるそうでありまするが、これからどういうような
開発
計画を持
つて
おられますか、具体的に御説明願いたいと思います。
安藏彌輔
341
○
参考人
(安藏彌
輔君
)
只今
水を一滴も流さない、今度はこれはよろしいということにな
つたの
ですが、これはただOCIの
結論
を前提としてのように私は聞いております。そうじやなくて誰が見ても、誰がや
つて
もこういう
結論
であるということにおいての御承諾ならば非常に満足と思います。
只今
の
お話
ではOCIの
結論
を条件としてのようでございます。私はOCIの
結論
も大いに
参考
となると思います。併しこれはいろいろと又議論する余地があると思います。従いましてOCIの
結論
をそのまま呑むことは私はいたしかねるということは先ほど申上げた
通り
であります。私
ども
はもう少し念を押したいのでございますが、 〔
委員長
代理栗山良夫君退席、
委員長
着席〕 もうOCIとか何とかいう条件なしに水はどうでもいいのだ、とにかく天下の一番いい
方法
でやるのだということがはつきりいたしまするとこの上ない幸いと思うのでございます。それから
只今
奥只見方面のことも御
質問
がございました。私
ども
はこれに対しては十分の準備をしてこれを
開発
せんとしておるのでございます。その
方法
につきましても、これは今日
電源開発
審議会というものができましたから、その審議を経なければできませんですが、少くともこれに対する用意は無駄ではない、如何なる
方法
であ
つて
も無駄ではないということをやり、進行せんとするのでございます。
清澤俊英
342
○
清澤俊英
君 先ほどから
お話
を伺
つて
おりますが、
大竹
知事
さんにお伺いしたい点で、明らかにな
つたの
が大分ありますので、先ほどどなたか御
質問
にな
つて
お
つた
ようでありますが、一点お伺いしたい点があります。
東京電力
から六月三十日に水路変更の
申請
がありました際に、
知事
さんはこれを七月の何日かに、この
地点
における
開発
は
東京電力
がやることが至当だと、こう思うからと、こういうことで突つ返された、こういう事実があるのでありますが、この点につきまして私
ども
は余り法規に詳しいほうではありませんが、
公共事業令
等を見ますると、こういう
申請
がある場合には、
知事
さんとしては一応自分は
反対
であ
つて
も、
反対
の
意見
を付してまだ生きておりました
公益
委員会
にこれを取次がなければならない、こういうふうにな
つて
いるのでありますが、そのことをしないで、すぐ自分はそういう
開発
は
東北電力
にやらせるのだからそういうことは余計なことだ、こういう態度で突つ返されておりますが、これを突つ返されましたところの
取扱
上の法律的な根拠とでも申しましようか、それよりもなお進んで私は重要視しておりますのは、その心持がどういう気分が先行してこういう強硬な態度をとられたか、こういうことを
一つ
お伺いしたい。まだ二、三点あります。
大竹作摩
343
○
参考人
(
大竹作摩
君) 六月三十日に
東京電力
から
只見川
上流に対するところの設計変更の
申請
があ
つたの
であります。併しこれは先に申上げましたように、私は
水利権
というものが絶体的な財産ではない、地方の
財産権
ではない、この差迫
つた
ところの
電力事情
の上から
考え
て最も
早期
に
開発
をしなければならないという私は
考え
を持
つて
おりましたので、この
水利権
に対しては、変更についてはお質しになりましたように、
建設省
にも
公益事業委員会
にもこれを禀議、打合せ等をいたさなか
つたの
であります。
清澤俊英
344
○
清澤俊英
君
公共事業令
五十九条には「都道府県
知事
は、
発電
水力の利用について
河川法
第十七条から第十九条までの規定による
許可
又は
認可
の
申請
があ
つた
ときは、
意見
を附して
委員会
に報告し、
委員会
の
意見
を求めなければならない。」とな
つて
おるのでありまするから、あなたの
意見
が必要なしという
意見
ならば、それを附して
意見
を求めることが一応の
手続
じやないかと思うのでありまするが、その点を
一つ
お伺いしたいと思います。この点につきましてなお
公益事業委員長
代理の
松永
さんに、こういう場合には
知事
の専断的な
考え
方でこれを中断していいのか悪いのか。やはり五十九条の
手続
だけは踏まなければならなか
つたの
ではないかどうかという点を明らかにして頂きたいと思います。
大竹作摩
345
○
参考人
(
大竹作摩
君) 私は不
許可
にするという場合には、禀伺、
協議
の必要なしという見解を持
つて
おるのであります。
松永安左ヱ門
346
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) どうも
知事
さんのお扱い方がいいとか悪いとか今批評する立場でもありませんが、御
相談
があ
つた
ら穏当であ
つた
ろうかと思います。法律上の解釈はこれは別でありますが、まあ併しそうおきめにな
つた
ことであり、あえてそれを批判はいたしません。
清澤俊英
347
○
清澤俊英
君
松永
委員長
代理にお伺いするのはちよつと無理だろうと思いますので、
政府委員
の、
石原
さんにこの点がおわかりだ
つた
ら
一つ
……。
石原武夫
348
○
政府委員
(
石原
武夫君)
河川法
の
関係
ですか。
清澤俊英
349
○
清澤俊英
君
河川法
じやないですよ。
公共事業令
五十九条はそのときに活きておるのですから、こういう
申請
があ
つた
場合には、一応の
手続
として
申請
すべきであ
つた
かどうか。
結城安次
350
○
委員長
(
結城安次
君) こういうことだ、つまり
許可
認可
の
申請
が県にあ
つた
場合には、
建設大臣
に
相談
しなくちやならないが、それをやらなくていいかという……。
石原武夫
351
○
政府委員
(
石原
武夫君)
只今
の法律上の問題でちよつと御即答いたしかねますが、
河川法
の
関係
で、先ず
知事
は
建設大臣
に禀伺をしなければならんということに相成
つて
おります。それと併せて
公益事業委員会
或いは
通産大臣
に
意見
を求めるということにな
つて
おりますので、
河川法
の解釈上、
只今
のような不
許可
処分
の場合におきまして、
建設大臣
に禀伺をするのだということでございますれば、当然
公益事業委員会
或いは
通産大臣
も同様になると思います。或いは今
知事
の発言がございましたように、
河川法
上不
許可
処分
の場合には、
建設大臣
に禀伺をせんのだということであれば、
委員会
或いは
通産大臣
には禀伺がないでいいのじやないかと思いますが、その辺の扱いを十分
承知
しておりませんので断定的なことはすぐちよつと即答いたしかねます。
清澤俊英
352
○
清澤俊英
君 その次に
大竹参考人
にお伺いいたしたいのは、
地元民
の好意的な応援を得て……、こういう
お話
と同時に、島君の
質問
に対して、この点に関していろいろのことをおつしや
つて
おりましたが、その中に
一つ
、大手沢でしたか、何か亜炭鉱山か何かあるのでありますが、これがなかなか面倒言うているので、僅かの滞納を
理由
としてこれを御
処分
なさ
つた
、そうしてその
処分
の
あと
で、その地元の村には若干の、六千円とか何とかという
お話
でありますが、若干の金をや
つて
、なお
あと
五百万円の金を醵出したとかしないとかいうようなことでごちやごちやしておりますが、これが訴訟とな
つて
、そうして
知事
さんが敗けたというようなことが伝わ
つて
おるのでありますが、そういう事実ありますか。
大竹作摩
353
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでありますが、大手沢の鉱区に対して、県税の徴収事務の条例によ
つて
滞納金に対して地方事務所長にこの問題を委任してお
つた
、そのために所管所長は大手沢鉱山の滞納に対して滞納
処分
の送達をいたしたのであります。その際にその大手沢を大平沢というように誤記いたしたために、そのまま公売
処分
に付したのであります。その大手沢と大平沢とのために本人に送達ができなか
つた
ということをその
あと
で私はわか
つたの
です。
従つて
この問題は出先機関の事務所長のなした行為ではありますが、少くともその送達が人の権利を公売にするという際に、その送達が少くとも本人の手に渡らなか
つた
ということは違法でありまして、そうしてこれは訴訟に敗けたとか勝
つた
とか、その訴願を受けました際に、これは県に手落ちがあ
つた
ということでこれは
取消
した、かようなことにな
つて
おるのであります。
清澤俊英
354
○
清澤俊英
君 いろいろ小さい問題を幾つもお伺いしますが、そこで一番
知事
さんにお伺いしたいのは、先ほど
水利権
の問題に対して、の諸観念がいろいろの
経過
を経て来ておるのですが、この
水利権
については
財産権
というようなもので
考え
るべきものでなくして、天下の大道を歩む大きな立場に立
つた
公益
的な立場で
水利権
というものは
決定
せられるものである。だからすべてのものに対して、本来あるところの
水利権等
のものはすべて無視してよろしいとこういうような御態度を先ほど御表明にな
つて
おります。それに関連して私は
知事
さんにお伺いしたいことは、これほど
水利権
が
公益性
を持
つた
、
重要性
を持つものだと、こうおつしや
つて
おる半面において、今申しましたような鉱山の権利を過ぎてしま
つた
あと
で、いろいろの問題ができてしま
つた
あと
で、先端の係員が
取扱
を間違
つたの
だからすぐ
取消
した、或いは
調査
上の問題であるから、こういう名目の下に
東北電力
が
申請
して参りますものには何かの含みを持
つて
ずんずんと、現に誰が見ても変電所の整地
工事
であるというように見られるものを
調査
のための何かの準備だと言われればそれまででありますが、そうしたようなことを進められ、まあしばしば問題にな
つて
おりまするように、水利の権利の問題等に対しましても、
東京電力
が一応は自分の持ちまする権利の使用変更を出しておる。独断的な見地に立
つて
これを不
許可
にしてしまうというようなことを、
一つ
一つ
数えまするならば山積していると思う。あなたが一
電源開発
の
水利権
そのものが
公益性
を持
つた
非常に誇らかなものだと、こうお
考え
になるならば、こういうものの
一つ
一つ
の
取扱
の上にそれが出て来なけりやならない。あなたはみずから御表明にな
つて
おる
通り
、おれは技術家でもない、電気の経営者でもない、一
知事
でしかないのだと、このように御表明にな
つて
、最もその経験においてそういうものを反映する上には私と同様甚だ不適任な立場におられるそのかたが、如何なる
理由
を持
つて
すべてのものに強硬にや
つて
行かれるか。地元に問題を起し、
地元民
の抗議があ
つて
も、その抗議で又問題を起して、現に今の
地点
より先に参りまして、田子倉の、田子倉部落で大問題を起している。私のところにもしばしば来て何とかしてくれ何とかしてくれと言
つて
いる。他県へ来て頼んでいる、議会へ来て頼んでおるというような問題まで起きておる。それに対して島君が先ほ
ども
質問
されておりまするような、非常な強権的なもののやり方をしておられる。これはあなたが
水利権
が
公益
的なもので
財産権
等じやないと言われる。その公正な位場の
判断
と、や
つて
おられることは全く矛盾した御行動をとられておるが、これに対して私は
大竹
知事
はどうお
考え
にな
つて
いるかということをお聞きすると同時に、いま
一つ
重要な問題としてお伺いをしようと思
つて
おりましたことは、先ほどから問題にな
つて
おりまする動き、
只見川
の
開発
に対して、今まで
知事
が辿られた
通り
の
一つ
の信念といいますか独断的な信念とでも申しましようか、
只見川
の水は一滴もほかへ流さん、一
河川
一
水利権
によるところの
開発
が妥当であるから、それ以上は一歩も譲らんという御信念があるかないか、こうお伺いしようと思いましたが、幸いにしてそうでないのだ、天下の大道に立
つて
その
公益性
に従うと、こう言われまするから、非常にまあこの点に対しましては私は明朗性を探り出して来たのでありまするが、今までの過去においては私はそういうふうに
考え
ておりまするが、あなたは今までそういう点について矛盾があ
つた
とお
考え
にな
つて
おるかどうかということをお伺いしたい。 その次に関連
質問
としまして
松本
委員長
にお伺いしますることは、(「
松本
委員長
はいないよ」と呼ぶ者あり)先ほど御説明の中に、この
上田
、
本名
の
開発
は少くとも大した問題じやないのだ、併しながらそれを今すぐさま県
知事
などが強行せられることは、当然この二点を拠点として逐次上流へまでその拠点を延ばして
行つて
、そうして
工事
を貫徹しようという動きがあると、こういうふうに
松本
さんは見られておるが、今までの
知事
さん等の動きに対しましては、どういう点がそういうふうなことを
松本
委員長
に感じさせた点でありますか。簡単でよろしうございますが、
一つ
お伺したいと思います。
松永安左ヱ門
355
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 別にそうむずかしいことじやありませんが、そういうふうな一歩一歩、
本名
、
上田
というものを橋頭盤にして既成事実を作
つて
行くやの
考え
方を世間に持たすということは、
只見川
を大きく、
早期
に、又できるだけ安く完全に
開発
するのに種々の故障を起し得られるものである。その点について心配しておりましたので、この問題も
地点
は小さいけれ
ども
、問題の扱い方としては大きく
考え
まして、
東京電力
並びに
東北
において宮下以上のものは共同計画をおとりになるほうがよかろうと
考え
てお
つた
ついでに申上げたと思います。それだけ申上げます。
大竹作摩
356
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでありますが、今私は率直に申上げましたように、大手沢の鉱山の
処分
に対する
手続
は出先機関である事務所長の、その
手続
上に対して遺憾がありましたが、これを
取消
しまして両者の間に円満な補償の問題を取決めるように取計ら
つて
お
つたの
であります。ただかようなるこの
水利権
を
取消
し、
東北電力
に与えたということは非常な暴挙である。かようなお叱りのようでありますが、私は何といたしましても日本のこの
差迫つた電力事情
からして、この際
上田
、
本名
の
開発
は
東北電力
にやらせるということが一番
国家再建
に寄与するものであるという固い信念から私はいたしたのでありまして、今後決して暴挙をするというようなことは
考え
ておりません。
清澤俊英
357
○
清澤俊英
君 このことは私は
あと
は
大竹
知事
との問答は議論になりますからその問題はそれでやめます。
松永
委員長
代理にお伺いしたいのは、先ほどから大分お伺いをしたいと思う点が明らかにな
つて
おりますが、ただ
一つ
残
つて
おります点でお伺いしたいことは聞き洩らしたのじやないかと思いますが、
石原
委員
からの
質問
にな
つて
おりました
昭和
二十七年の二月の十三日に
福島県知事
から
東北電力
に対する
水利権
の問題について原資の
書類
が来ているのであります。その
書類
を受取
つた
かどうか、こういう点をはつきりして頂きたいと思います。それが第一点。 第二点といたしましてお伺いしたいのは、聞きまするならば
松永
委員長
代理は
電力
再編成の前後を通じて、前から、編成後も一貫したる
考え
方で、
只今
もこの場所で御説明にな
つた
通り
上田
、
本名
の両
地点
に対してはどうしてもこれを一
会社
で
開発
させることは無理であるから、これを
東北電力
と
東京電力
との合同によ
つて
開発
させることが妥当である、これが一番いい
方法
である、こういうことでいろいろ努力にな
つて
おられたということを聞いているのでありますが、それをどういう工合いにあなたは
中心
にな
つて
その努力を進められて来たのかということと、それほど重要なものをなぜに
通産
省又は当時の
経済安定本部長官
又は
建設大臣
等に、その
相談
をされたかも知れませんが、今まで明らかにな
つた
ところではしておられないようでありますが、そういうふうな点にまでの力を借りてでもこれをやろうとなさらなか
つたの
であるか、その点と、今
一つ
はこの両者が折衝する中に立たれて
東北
配電と東電とが話を進めるようにどれだけの尽力をせられ、どういう
経過
を以てお
つた
かという点を
一つ
お伺いしたいと思います。
松永安左ヱ門
358
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 二十七年の二月十七日の
書類
は
委員会
のほうに出ているに間違いはないと思
つて
おりますけれ
ども
、私はその
書類
の受理並びにその
取扱
いについては事務局の手にありましたので、五人の
委員会
においてはつきり事務局からその御
相談
はその当時あ
つて
おりません。 それからなおそのことについて
公益
局長が見えておりますからその日にちや、或いは受付けたということは今お聞き下さ
つて
もよろしうございます。無論参
つて
いるに相違ないと思います。 それから第二の
本名
、
上田
のかくのごとき大きなものは
東京電力
と共にやるべきであるような重大なものであ
つた
という
お話
でありまするが、それはそれに相違ないのですが、私が先刻から申上げてお
つたの
は、
只見川
を如何に有利に、申上げるまでもなく日本に残
つた
一番大きな
発電
地帯であります。これをダムにするがいいということは大体議論がないのであります。ところが
本名
、
上田
はダムと言うほどのものじやなく、梯子段式のまあ一時的の貯水池であります。本当に一時間か二時間かのオーバーフロウのきくものであります。私
ども
の言う
只見川
のダムというものは、一年を通じて水を貯える本当のダム、このダムの高さ、或いは水量、降雨量、降雪量、それが根本でありまして、それからこれをやる場合には資本の
関係
からい
つて
も或いは
水利権
を持
つて
おられる
東京電力
との
関係
からい
つて
も、又測量そのほかに親身にな
つて
骨を折
つて
もら
つて
いる
東北電力
あたりの完全な協力を得てもらいたい、而も非常に大きな資本が要るから、出資するとしても何十億もの出資をしなければならない。これは一時にできないことである。
政府
にも
相談
し、いろいろせんならん思いまして二十六年頃から話を始めた。私の
記憶
によりますれば二十六年の十二月に何度目かのお寄合いを願
つた
ときに、どなたか
社長
か何かが御不参であ
つた
ために一月の六日に二度目か三度目の集りを願
つたの
であります。一月の十四日と思います。そのときに
只見川
を大きく
開発
するのにはどういうふうに資本を出すか、誰がその
工事
の任にあたるかなどというようなこと、それから
開発
地点
はどこからやるだろうかというような大体のお
話合い
が、両
社長
、副
社長
四人、そのほか技術
参考
者のかた、それから中立性の人として
電源
調査
会の役員をしている鈴木鹿象君をそれに参加せしめまして、
公益
委員会
直接に罷り出ていろいろなことを申上げるのもいけないと思いまして、大体のアイデアを鈴木君に申上げて両者にも申上げて十四日に
お話
があ
つたの
であります。でありまするから、二月十七日の願書など及び福島県から来ております書面のごときも無論そういう大きな構想の邪魔にはなりましても決してプラスにならんことであります。この
取扱
いはついて無論慎重を期して
許可
するとか
許可
せんというわけには参りません。事務局にしてもよくそれは知
つて
おりますから、
書類
を
委員会
にすぐ出してどうしてくれぬかということを言わなか
つた
ものだろうと想像するのであります。 もう
一つ
お話
に対して的確に申さなければなりませんが、さような意味におきまして
本名
、
上田
というものは非常に大きな問題である、なぜこれをお前のほうはおろそかにするかということを言われることは丁度
反対
でありまして、大体
只見川
をきめるについて
本名
、
上田
を持
つて
いるものは、先刻から申上げるように或いは下手にやるとこれが本流案の橋頭堡になる虞れがある。又分流案のほうから言いますとこれを徒らに蹴飛ばすというようなことになりますると
東北
その地元のいろいろ反抗も起ります。よほど慎重にせんければならんものでありまする。その点は重大でありますけれ
ども
、
只見川
の大きな
開発
からいうと一小
部分
であります。両者の間で
話合い
がつきさえすればそれは
東北
でおやりになればいいだろう
知事
さんのほうからもそういうことを言うて来ておるのだから。
只今
から言うと
本名
、
上田
は大変大きな問題で大
只見川
を上手に円満に
開発
することから言いますと、この問題はやはりその大きな問題の一部として包括して解決するほうが一番
只見川
全体の
早期開発
、
本名
、
上田
を
早期開発
したために
あと
の百何十万キロが遅れるということになりますると、何と申しますか、一を求めて十を失うというようなことになる、その点において
本名
、
上田
は当時におきましては考慮すべき問題であります。資金
関係
、或いは技術
関係
、或いは
早期開発
に重点を置く問題ではなか
つた
ことは御
承知
を願いたいと思います。
清澤俊英
359
○
清澤俊英
君 ちよつと事務的なことをお伺いしたいと思いますが、その点まだ不安でありますが、後に別の機会に又事務的なものに対してはお聞きすることにいたします。 今度
野田
建設
前大臣にちよつとお伺いしたいのは、大体この
本名
、
上田
の両
地点
の
許可
をいたしまする所要な点は時期が非常に切迫している、
開発
の時期を遅らせると一年長くなるから早くきめてやらなければならんという点、それから地元が非常に好意的であ
つて
工事
の連絡上非常に便利であるという点、既設の
発電
並びにこれから
発電
して行く
下流
の
発電
との関連において非常な
重要性
を持つというような点と、
只今
問題にな
つて
おります資金、技術等がたまたま
東北
電にある。これらにまあ自分は妥当なものとして
閣議
にかけて
決定
してしま
つたの
である、こういう御答弁が大体主だと、こう
考え
ておりますが、
只今
も
松永
委員長
からお伺いしますれば、この
許可
をいたしましたことは将来の
開発
計画において非常な重大性を持
つて
いる、こういうことは明らかにな
つて
いのでありますし、それからでき上りましたところの
電力
の使用量に対しましても
需給関係等
については
東北電力
のほうで
東京電力
等が主張しております
通り
非常なこれも
一つ
の
考え
方の中に入れなければならないのだと思う。又聞きまするならば、前に
政府
からの令命等によりまして
東京電力
では三十億有余の金をかけて群馬県から
東京
に通ずる二十七万数千キロの数千ボルトの高田線が完備しておるというような点が少しも
考え
られておらないで、ただ丁度先ほど
大竹
知事
にお伺いするように、もう先人的に
早期開発
のためには何物を措いても今この両
地点
をやることが如何なる物をも犠牲にしても一番大切のことと、こういう
福島県知事
の独断的な
考え
方を丁度鵜呑みにしたようなお
考え
にな
つて
いるのではないかと思います。而もこの
水利権
を
許可
しますには
水利権
の第何条か、第十七条かによりますれば、これには
公益性
を十分認めた場合にこういう
措置
がとられるにかかわらず、あなたの
許可
を与える肚をきめられた
理由
の中には更に
公益
的なものを
考え
なければいけない、技術的な
建設
がうまく行くか行かんかそれだけの話でありますが、実際上の
公益
上の問題に幾多の疑義を残してこれを許された、本当に無理をして許されたという点に対しましては、現在
野田
さんはこれに対してどうお
考え
にな
つて
おるかどうかという、こういう点をお尋ねすると同時に、これはどうも無理な
一つ
のコースをとられたのではないかと
考え
ると同時に私はあなたの尊厳を害するようでありますが、現にこういう、先ほ
ども
栗山君によ
つて
指摘せられましたが、吉田氏らの陰謀、その吉田氏の側近によ
つて
圧力を加えられて、そうして賢明なる
野田
さんがこういう無理なことをや
つたの
ではないか、こういうように
考え
られる点が非常にありますので、この点について
一つ
明確なあなたの御心境をお伺いしておきたいと思います。これが
一つ
。その次には現在この問題が
結論
的に見て、あなたは自分のや
つて
来たことがどうも出過ぎたというようなお感じはないのかどうか、私は少くともこれが巷間の無名氏がばら撒きまするパンフレツトなら別でありますが、少くとも衆議院の栗田英男氏が吉田氏らの
只見川開発
の声明を究明し、この中に盛
つて
おります事項を見ますならば殆んど戦慄するような事項があります。こういうものを議会に堂々と配られて、そうして今社会的にはこの
電源開発
を繞りまして、そうして実際の
取扱
い方は政治的な重大な問題として展開しておると同時に、
国民
がこれを議会のそとから眺めましたならば、今明らかにね
つた
いろいろな点が伝えられまするならば、ここには一大疑惑を持つであろう、こう私は
考え
るのであります。そうした場合に、民主主義の出発なお日が浅い今日、その
国民
感情が将来において、そうして
国民
の思想を非常に悪化させるところの重大な
一つ
のポイントを今投げかけつつあるのではないか、こう私は
考え
まするとき、率直な
一つ
野田
さんが、過去は問いません、今までや
つた
この事実に対しましては、あなたの御信念が正しいと思
つて
や
つた
であろうが、してしま
つた
あと
でいろいろな不明朗な
手続
きを残したりいろいろな疑惑を残した、その結果から
判断
して今どういう御心境におられますかを附加えてお伺いしたい。
野田卯一
360
○
参考人
(
野田卯一
君) この問題につきまして私もしばしば私の
意見
を申上げて、又従来の
経過
等を御説明する機会を与えられておるわけであります。私は今はおきましても自分がとりました
措置
は現在の与えられたる条件の下においては決して悪くない、正しか
つた
と思
つて
おります。それからこの問題につきまして栗田君が文書を作
つて
配られました。私のところに参りましたので私も拝見いたしましたが、それと同じ、或いは恐らくそれよりもつと激越な、もつと細かいいろいろな
質問
が実は本月十九日の衆議院のやはりこういう会合において直接栗田君から私に向けられた。それに対しまして私は詳細に答弁してございますので、速記録によ
つて
御
承知
願いたいと思います。で、私はこの問題がどうしてこう大きくな
つた
かと申しますと、これはやはり
只見川
が日本の最大の
電力
資源である、三百万キロを包蔵する大なる資源である。これにつきまして、この
開発
方式につきまして、例の福島県の本流案と
新潟
県の分流案というものがいろいろとくすぶ
つて
お
つた
、これは御
承知
の
通り
であります。これにこの問題が巻込まれたと私は思うのであります。先ほ
ども
松永
さんが言われましたが、我々は全然そういう気持で
取扱
つたの
ではない。ところがこの問題が起りました発端というのは、御
承知
のように確か読売新聞かどこかの新聞だ
つた
と思いますが、福島県からの電報といたしまして、この
決定
がわか
つた
ときに、これは福島のほうでわか
つた
らしいのですが、本流案が勝
つた
というようなことを見出しででかでかと書かれたことを私は
記憶
しておる、そういうことがいたく
新潟
県を刺戟いたしまして、これは大変だ、やられちまうぞ、こういうふうにな
つて
、この問題に
本名
、
上田
の
決定
によ
つて
本流案が強引にきめつけられでしまうのだ、こういう間違
つた
印象を
新潟
側に与えましたために、
新潟
県の人々がわつと沸き上
つて
、そうして猛烈に運動した。それに対してそんなことはないというので、福県のほうも又わつと沸き
上つた
、こういうことで一犬虚に吠えれば万犬これに応ずというようなことにな
つて
しま
つた
。私はそう思う。ところがよく当
つて
見ますと、今日の会談でもわかるように、この間の衆議院でも同じでしたが、何もこれで本流案、分流案をこれで
決定
しようというような
考え
は私は持
つて
おりません。
事務当局
も持
つて
おりません。それから
質問
を御覧になればそれでわかるように、その問題については全然触れていなくて、
閣議決定
におきましても全然それには触れておらない。非常に
事務当局
はその点に戒心をいたしましてあの
決定
がなされておる。それはよく調べればよくわかるのでありますから、今日に至りましては本流案、分流案をこれによ
つて
決定
するのではなかろうか、そういう肚を
野田
は持
つて
お
つたの
ではないか、こういうような御疑問は解消しておると思う。併しながら一遍盛り
上つた
ものは、やはりそれが静まるまでに一定の時期を要する。でありますから、こうして
皆さん
がお寄り下さ
つて
問題を裁いて公の前に知らせて、そうしてどこにポイントがあ
つた
かということをお尋ね下さ
つた
ことは、私は民主主義の建前から結構であると思います。でありますから私はできるだけ詳細に御説明申上げ、そういうことはない、こうであるということをはつきり申上げて御了解を求めている次第であります。
清澤俊英
361
○
清澤俊英
君 非常に不満足な御答弁で、私のお伺いしていることとちよつと別な御答弁にな
つて
いますけれ
ども
、非常に
早期開発
ということをしたために、こういう点で非常な無理が出ているのでありますが、少くとも
野田
さんとしては、当時の責任大臣として、今日本の
電源開発
の方式等に対して、どういう問題が起きているかということぐらいはよくおわかりにな
つて
いると思う。それがただ
早期開発
のためにはこれこれこれの点が非常に有利だからというので、非常にそれ以上に重要な、
只今
の
公益
委員長
の言われるような
開発
の方式とか、或いは
資料
の問題とかいうような重要な問題を抜きにしてこれをおきめにな
つた
か。一体日本の国にここ以外に電気の
開発
すべき
地点
はなか
つたの
かどうか。聞きますればOCIの設計課、
調査
課などによりますと、
本名
七万五千キロ、それから
上田
が六万キロ、今度お寄せにな
つたの
が
本名
において五万五千キロ、
上田
において四万二千五百キロ、六百キロですか、こうした差額が約四万キロ以上できた。非常に
電源開発
の拠点とでも申しましようか、その資源が非常に枯渇して、一滴の水といえ
ども
最も有効に使いたい、それを活かして行きたい、日本の国の現実に副うようにして行きたいということは誰しも
考え
ている問題だと思いますのに、そういう点などを全部無視して、そうしてこれをどうしてもせんければならんというところに私はどうしても納得が行かない。このくらいの十万キロ足らずのものならば、ほかに
電源開発
をすべき場所は幾らもあ
つた
と思う。大臣としてはこういう重要なものは一月ぐらい
あと
へ延ばしても、一年ぐらい
あと
へ残しても、こいは
一つ
徹底的な
調査
の上で
開発
するということが
考え
られなければならない、私はそう思います。 そういうことをやらないで、日本の国においてこれだけ
電源
を
開発
しなければ、これをしなければ明日の電燈がつかないというお
考え
の上に立
つて
おられるように、どうも福島県の
知事
さんでも、
早期開発
、
早期開発
……、
早期開発
をして悪いとは誰も言わないが、そういう態度の上においては更に考慮が払われておるかどうか。これは
東北電力
に対しましても
福島県知事
に対しましてもお伺いしたいのである。大体
東北電力
が持
つて
いる水源地というものはたくさんあると思う。それをなぜやらないか。何も紛糾したところへ、それを或いはいろいろ人の感情を壊して、そうしてだんだん
電源開発
を圧迫するようなところに問題を起すことに拍車をかけるようなことをなぜみんなや
つて
おるのか、それをなぜ大臣は許したか、こういうことが私はお伺いしたいのであります。一体その点が私には了解できない。
野田卯一
362
○
参考人
(
野田卯一
君) 私の率直な気持を申上げますと、今回の
措置
によりまして本省、
上田
にとにかく一年遅れないで
開発
ができまして、非常に日本の国に貢献すると思いますが、同時に私はこれが
只見川
の
開発
の全体の速度を促進こそすれ、決して遅らせないと思
つて
おります。これは結果が証明しております。 それから、これだけしかなか
つた
かと言いますと、これだけでは困るのであ
つて
、幾ら狭い日本でも、相当なる
地点
はあると思うのでありますけれ
ども
、
一つ
一つ
とりますと……。やはりできるだけ能率を上げるものからとり上げて
開発
するということが重要じやないかと思いまして、ここはそういう点から見て最も適格な
地点
であ
つた
と思います。
栗山良夫
363
○栗山良夫君 ちよつと関連して。私はさつき清潔君の
質問
に対して
野田
君の御回答をじつと静かに聞いてお
つたの
でありますが、その中で
本名
、
上田
の
地点
を
決定
したことは
只見川
の今問題にな
つて
おる本流案、分流案の将来の
決定
に対して何ら影響力を与えようというような気持は毛頭なか
つた
、今もそういう信念でおるということをおつしや
つて
おりますが、これはあなたの御
意見
でありますが、その当時の
建設大臣
の
意見
と違
つた
意見
が同じ役所の中にあるということは私は事実を以て指摘いたします。而もそれは当時の
公益事業委員会
ではございません。この
決定
がなされた
あと
、いよいよ実行に移すために
施設認可
をする必要がありまするから
公共事業令
の定めるところによ
つて
聴聞会を開かれ、その聴聞会を主催しました
通産
当局のいわゆる聴聞調書の
意見
書の中にそのことがはつきり
結論
として書かれておる。私が
只今
通産
当局からもらいました先ほど読上げましたものの中には二十七年九月十六日のものでありまして、通商産業省審査官森哲夫から高橋龍太郎宛のものでありまして、それで而もこの中の先ほど読上げました
結論
は略したのでありますが、もう一遍重要でありますから読上げます。
一つ
は
本件
許可
の妥当性についてということであります。その一のほうでありますが、それは最初のところで途中略した所がありますから、それが問題になるところでありまするからもう一遍読上げたいと思います。
閣議決定
案においては本流案、分流案の
決定
に触れないとされているが、
反対
論三、四の指摘するごとく、又現に
本名
、
上田
以下の
工事
により本流案のための既成事実ができつつあることは事実であ
つて
、この点につき
只見川開発
方式を至急に
決定
する必要がある、少くとも
本件
許可
に当
つて
は
電源開発
調整審議会の了解を得ることが公明なる
措置
である。この途中のところは先ほど読上げることを略したのでありまして、
野田
さんの言われるように完全に影響力を与えないとはこれは書いてない、影響力を与えることは事実である、
従つて
将来放
つて
おき、上流の
決定
に又いろいろな紛争をまき起すような虞れがあるからして、
只見川開発
方式というものは
本名
、
上田
が
決定
された以上至急に
決定
されなければいかんというのが
意見
書にな
つて
おるわけであります。
従つて
これだけ重要な問題で、而も
国民
から関心を持たれている問題が今日においてもなおまだ
建設省
と
通産
省との間において
意見
の相違があるということは、これは重要であろうと私は思うわけであります。この点は
委員長
に私は
意見
の一致が両省の間でできるように更にこの
調査
を進められるようにお願いしておきたいと思う。又若し将来そういう機会がないとするならば、本日ここで
通産
省並びに
建設省
のほうからもう一遍、時間が遅くなりましたが寄
つて
頂いて、そうしてこの点を明らかにして頂きたいと思います。
結城安次
364
○
委員長
(
結城安次
君) 栗山
委員
の申出了承いたしました。
清澤俊英
365
○
清澤俊英
君 極く小さい問題ですが、この
本名
、
上田
の両
地点
の
閣議決定
の
あと
で、目黒当時の
河川局長
はこの
決定
に対しては非常に
反対
しておられる、こういうことが確実なところから入
つて
おるのでありますが、それに間違いないでしようか。
目黒清雄
366
○
参考人
(目黒
清雄
君) 我々は上司を補佐する義務がありますのでいろいろいきさつを申上げましたり、勿論いろいろの
資料
を提供し、大臣の御
判断
を願い、而もそれが五月頃には大体今の
交渉
の段階に入
つた
わけであります。それから
あと
でありますから
閣議決定
後我々が
反対
するというようなことはありません。又我々としてそういう
閣議決定
に
反対
する
理由
は何も持
つて
おりません。
清澤俊英
367
○
清澤俊英
君 あなたはそういうふうに言われるに違いないと私は
考え
ておりますが、これは確実にたくさん証人もおりますが、
事務当局
では全部
反対
してお
つた
、こういうことを言うておるのでありますが、今の場合
河川局長
はそういうふうに言われると思いますので、この
質問
は止めますが、もう
一つ
伺
つて
おきたいのは、従来こういう
閣議決定
というような重要問題を
決定
される場合には
野田
さんの場合を除いて
建設省
の習慣として俗にいう
省議
とでもいいましようか、重要な
関係
者を集めて一応の
意見
を取りまとめてそれ持を出すというようなことが行われてお
つたの
かどうか、この点をお伺いしておきたい。
目黒清雄
368
○
参考人
(目黒
清雄
君) 役所の行き方は必ずしも
一つ
の形式でや
つて
おる場合ばかりではありません。いろいろ仕事の
重要性
というようなことから、下からいろいろや
つて
上に持
つて
行く場合も、上から
決定
されて下
つて
来る場合もあります。要するに今のような形式はそう我々のところでは固く
考え
ておりません。御
承知
の
通り
水利権
に関する
関係
は
河川
局が大
部分
でありまして、ほかの局に
関係
するようなことがないのでありますから、大臣と
河川局長
或いは我々の下僚と
相談
いたしますれば、それが
省議
の形と
考え
ていいだろうと思います。形式は我々は重要に
考え
ておりません。
島清
369
○
島清
君 時間がございませんから要点だけをお聞きいたします。内ヶ崎さんにお聞きしたいのは
只見川
の
調査
費用の額、更にその費用の額のうちに日発時代に出したものと、
東北電力
時代にな
つて
からのものと、更にあなたのほうはこれを
一つ
の財産として秘密に保管されておりまして審議庁あたりからのその
資料
の提出を拒んでおられまして、
国家
的見地から総合的の
開発
をする
資料
を求めるのに目下非常に困難を来たしておりますが、その三点について御答弁願いたいと思います。
内ケ崎贇五郎
370
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 第一の
調査
費用が日発から幾ら引継いだかという御
質問
でありますが、
只今
そういう数字は頭に覚えておりませんが、大体のところは五、六千万円程度のことと
考え
ております。
島清
371
○
島清
君 八千万円じやないですか。
内ケ崎贇五郎
372
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) 正確な数字はお入りようなら、前以てそういう話があれば覚えて来ますが、
社長
は一々そういう細かい数字は暗記しておりませんから、或いはあなたがおつしやいましたように八千万円かも知れません。それから第二点は
東北電力
になりましてからは一ヵ年に五、六千万円程度の予算で
調査
費用というものを計上しまして、これは独り
只見川
だけではありません。
東北電力
全体の計画にそういう程度の金を毎年使うつもりでや
つて
おります。それから第三点、
調査
資料
の
お話
でありまするが、これは先ほど
松永
先輩からも
お話
ありましたように、私のほうはそういうものを握
つて
どこへも出さないということはありません。正式に私のほうへ申出を頂けば、そのぼうには御提出いたしております。現に
公益事業委員会
からもそういう
資料
を出せという
お話
がありまして、それを出してあります。ただ黙
つて
持
つて
行かれることは、これは自分らの
財産権
を犯されるのですから、そういうことは慎んで頂かなければいけませんが、正式にお前のほうはあれを引継いだのだから、
一つ
天下
国家
のためであるから出せという
お話
であれば、いつでも欣然喜んで出します。
島清
373
○
島清
君
大竹
さんと
野田
さんに要点だけをお聞きします。
只今
松永
さんが御指摘になりました
通り
、
只見川
の
開発
というものは、中間において橋頭堡というようなものを作られると、非常に
開発
に支障を来たすのじやないかというような意味の御
意見
が述べられましたが、私なんかも
只見川
を
調査
をいたしましてよく知
つて
いる者の一人といたしまして、決して
上田
、
本名
のこの
水利権
争いというものは、
国家
の資源でありまするところの
只見川
を有効的に
早期開発
に有益にな
つた
とはいささかも
考え
ておりませんし、将来は非常に災いをなすであろうということを非常に心配をして憂えております。そこで
大竹
さんはその扱いについて遺憾の意を表されましたが、若し仮に何かあなた以外乃至第三者的な権威ある機関と言いましようか、そうい
つた
ようなものが、あなたに対して
国家
的な総合的な
開発
の面から遺憾の意を、更に裏付けをいたしまして
東北電力
とか或いは
東京電力
とかいうようなものに囚われないで、そうして早朝に電気化するというような
話合い
の勧告等がなされた場合には、それに応ずるだけの御
意思
があるかどうかということをお聞きしたい。 更に
野田
さんに対しては、或いは今日この
委員会
に出られる前までは、あなたはあなたが大臣として扱われた点については遺憾はなか
つたの
だとそうお
考え
にな
つて
お
つた
かも知れませんが、併しながらあなたの
行政
的な事務を扱われまするところの基礎的な条件を出しまするところの
知事
さんからは若干遺憾があ
つた
ということを表明された、そのことについてあなたが今日
清澤
君から指摘されました
通り
遺憾の意を表さないということは、どうも私たちは良心的に了解しにくいです。もう一遍今日
只今
の気持を
一つ
お聞きしたい。その二点……。
大竹作摩
374
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお呼ねでありますが、
上田
、
本名
の両
地点
に対しましては、これは絶対的に
東北電力
がなすことが当然であるという
考え
を今以て持
つて
おります。
従つて
第三者なり権威筋から御
交渉
があ
つた
としても、この
地点
だけはやはり
東北電力
に
開発
なさしめ、現在非常にこの
東北
の
発電
状態が悪い、こういう点にも大いに寄与してもらう、ただ一地区、一地方に専念すべきものでないということを望む次第であります。
野田卯一
375
○
参考人
(
野田卯一
君)
お話
を承わりましたが、別段遺憾の意を表したいと思いません。
松平勇雄
376
○松平
勇雄
君 大分遅くなりましたので、簡単に二、三の点を御
質問
いたします。
松永
参考人
にお伺いまするのでありますが、先ほどの御答弁の中に、この
本名
、
上田
の
開発
を
東北電力
にやらせると、
一つ
の
開発
を完成するために十の
開発
を遅らせるというような
お話
があ
つて
、非常にこれが
只見川
の全体の
電源開発
に邪魔になるというような
お話
がありましたが、これは分流案というものを賛成されての御議論でありますか、それとも本流案を賛成されての御議論でありますか、それを
一つ
伺わして頂きたいと思います。
松永安左ヱ門
377
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 本流案を元とし、或いは分流案を元として申上げたものでありません。全体の
只見川
の
開発
から申上げたのであります。それから
本名
、
上田
を
東北電力
が
開発
すれば、全体の
只見川
の
開発
を遅らす虞れがあるというようなことは私の見解で申上げたのじやありません。御
承知
の
通り
技術的に亘りますから省略いたしますが、段階式の
発電
というものは或る限度がありまして、もうだんだん勾配が高くな
つて
参りますと、むしろ或る大きなダムから水路にすぐに直結するのが工費の上からも、或いは能率の上からもいい場合があります。
本名
、
上田
はよほど勾配が急にな
つて
おりますので、貯水量も
従つて
或る限度がありますからたくさんすることができません。そういう観念からOCIも私のほうも調べてお
つたの
でありますけれ
ども
、だんだんその問題が今日のように紛糾しておることを
考え
ますると、その当時からみんなが心配してお
つた
ように、この段階式というものをどこまでも持
つて
行くということになると、自然全体の計画もそれに囚われる虞れがあるのであります。のみならず
東京電力
並びに
東北
のごときこの大きな
開発
に力を合せるという場合に、この
本名
、
上田
のごときは、殆んどかれこれ九万キロと
考え
ましても、十分の一或いは十五分の一にしか当らないもののために、種々の面倒を起さないことを念願としまして、よく
話合い
をして、お
話合い
がついたならば、この
本名
、
上田
は或る程度の設定はきま
つて
おるのだから、これを根本的に直す必要はないのだからどなたか早くおやりになるように心掛けたらよかろう、大体はこの僅かの問題のために将来の
開発
を面倒にせんように、その分流案がよければ分流案に潔く話ができるように、或いは本流案と申しますか、大きなダム式と言いますか、それがいいというなら又そのほうに話が行くように、要するに行掛りを成るべく作らんようになす
つた
ほうがいいというので、話を十二月から一月にかけ専らしてお
つた
次第であります。折柄議会では
電源
促進法案が出、それから
電源開発会社
案というのがそろそろ頭を出して参りました。まだこれは
決定
していないものであります。ともかくかかる大きな
開発
は、一
会社
があわてて急いでやるということは、却
つて
早期開発
にならない。世間はいろいろな誤解を起すから、いわゆる橋頭堡を作るとか、或いは既成事実を作り上げて行くというようなことは、世間は往々にして
考え
る事柄であ
つて
、それのないようにおやりになるのがよかろうという注意をその当時したというわけで、私はそれは橋頭堡であるというそういう非難がましいことを申上げているわけじやありません。
松平勇雄
378
○松平
勇雄
君 もう
一つ
お聞きしますが、安
藏参考人
から先ほどまあOCIの
調査
は余り重視しない、それにこだわらずにや
つて
行くというような
お話
があ
つたの
ですが、私の聞いておりますところによりますと、OCIというのは世界的に権威のある
調査
団で、
従つて
何億という国費を使
つて
調査
を依頼したのでありまして、私は相当これは権威のあるものであるというふうに思
つて
おるのであります。
従つて
この
調査
の結果というものはよほど重視しなければいけない。かように
考え
ておるのでありまするが、今安
藏参考人
は余りこれに重点を置かないというような
お話
でしたが、
松永
前
委員長
代理は如何お
考え
にな
つて
おられますか。
安藏彌輔
379
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 今の御
質問
に私の答弁が
関係
しておるようですから申上げます。私はOCIの
調査
を軽々しくしてはおりません。無論あれは重要視しております。ただ私は先ほど申上げたのは、あのままは受け入れません、こういうふうに申上げたのであります。誤解のないように願います。
松永安左ヱ門
380
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 松平さんは安藏君の答弁について私の
考え
をお聞きにな
つたの
でありますが、まあ大体安藏君もそのつもりで、今
返事
された
通り
の意味でおつしや
つた
と思うので、
一つ
あれで差支えない。ただ一言……国の金を使
つて
OCIに
調査
をしてもらいました。無論これは尊敬せにやなりませんが、OCIの
考え
方につきましては技術家でありますからできるだけ一キロワツトでも安く作
つて
やりたい、これは当然のことであります。ところが
只見川
のごとき雪が非常に多い、或いは伊南川方面のごとき非常に太平洋の雨が多い、かかるものを合流して作ります場合は必ずしも安く作らなければならんということはない。やはりできるだけ積る雪も降る雨もできるだけ大きなものをキヤツチしてこれを流すということが必要であります。その点においてOCIの議論は少くとも私の議論とは違
つて
おります。OCIはよく
記憶
しませんけれど、あれを上手に作るためには余りに雨、雪を溜めるということに囚われずに安く作
つて
そして火力
発電所
を以て補給するがいいということが議論にな
つて
おります。それから
新潟
の分流案は結構でありますけれ
ども
、どうも地質
調査
がまだ十分できておらんのに軽卒に
新潟
案に賛成することはできないと言
つて
おる。然らば地質
調査
というものは全くしてないか、或いは全く見込がないものであるかというとOCIはそうは言うていない。自分のほうは
調査
する時間が誠に少い、先ずよく
調査
のできなか
つた
ものはまあまあそれはそうとしておくほうがよかろうというようなまあ常識的な議論でありました。これは
電源
調査
会或いはそのほかの
調査
においては、地質の
調査
においてはなすべきものは、まだそれはいい、疑いの存するがために設計を途中半端にきめるということは甚だ遺憾であると思
つて
おります。まあそれくらいのこと、そのほか詳しいことをみんな申しますれ
ども
、私の感じから言うとそんなことでありますから、OCIは……それから大変な何億とおつしやられましたが、私の
記憶
では六千何百万円だと思いますから、そう大したことはありません。
松平勇雄
381
○松平
勇雄
君 最後にもう一遍安藏東電会長にお尋ねいたしますが、さつき木村
委員
からお尋ねした問題でありますが、大変どうも私はつきり呑込めないもので、もう一遍重復するかも知れませんけれ
ども
お尋ねいたしますが、日発から
東京電力
が
上田
、
本名
の
水利権
を譲受けた、そのとき福島の
知事
の話では、当然
証拠金
といいますか、それが納めらるべきであ
つたの
が納められていない、
従つて
知事
としては
水利権
が確保されていないというふうに
考え
た、というような
お話
でしたが、これはどうして
証拠金
をすぐ日発から継承されたときにお納めにならなか
つたの
でありますか。
安藏彌輔
382
○
参考人
(安藏彌
輔君
)
上田
、
本名
を日発から引受けたものではございません。従来とも私
ども
が持
つた
水利権
なんでございます、ということを再三申上りげたのであります。
松平勇雄
383
○松平
勇雄
君 そうしますと、これは
昭和
十八年前に納めた
証拠金
を取返してあるのでありまするが、その後日発が直ちに取返されたわけなんでありまして、その後日発がなくな
つた
なら、その
証拠金
というものが必要であると思うのでありますが、その点に関しましては……。
安藏彌輔
384
○
参考人
(安藏彌
輔君
) 私もそうだと思いました。併しながら一度返されてそれをどこの県でも何とも言
つて
参りません。私は納むべきだと思いました。金額なんか問題じやありませんが、返された
水利権
がなくな
つた
とかいう問題ではございませんので、そういう事実があ
つて
然るべきだと思いますが、何らの指令もございません。
清澤俊英
385
○
清澤俊英
君 これは
東北
蔵力の
社長
さんと
大竹
福島県知事
にお伺いいたしますが、この「吉田、白洲の陰謀」というパンフレツトを見ますと非常に重大なことが書いてあります。「私の
調査
によれば、
東北電力
は総選挙に際して、
大竹
福島県知事
、蓮沼県
会議
長を通じ、五千万円を自由党に非公式に献金し、
福島県知事
に対しても三千万円を献金しておる。其の他についても
調査
中であるが……」こういうのが一項。もう
一つ
は福島県におきまするところのこの
電源開発
のいわゆる
本名
、
上田
等を買受けました
開発
の
相談
のすべては
東北
配電のほうから係員が来て金が支払われておる、こういうようなことが明らかにな
つて
おるのでありますが、これをこの
通り
かどうかをお伺いすることは実は野暮過ぎる、こう思いますので、そういうことはないとおつしやるのじやないかとこう思いますので、それでお伺いいたしませんが、先ほど
野田
元
建設大臣
にお尋ねしまして満足な答弁を得ておりません。で、非常に遺憾には思
つて
おりますが、それと関連して、結局今問題にな
つて
おるのは何かしら吉田、白洲の、いわゆる吉田側近が無理押しをや
つて
、そうしてその陰には
東北電力
並びに福島県と密接な
関係
の下に何かしら無理をや
つたの
じやないか、これが世間一般で
考え
られており、又我々もそうではないかと思
つて
、一生懸命そうでないという線を出すために実は努力しておるのでありますが、なかなか明朗性がはつきりして参らんというようなとき、こういうものが仮に出たとしますならば、先ほ
ども
申上げました
通り
このパンフレツトはただ単なる巷間のパンフレツトではなく、衆議院議員の栗田英男という銘を謳
つて
相当信憑性に足るとでも申しましようか、責任のあるパンフレットが出ているのでありますが、この点についてこういう問題をそのまま闇に葬
つて
おかれるつもりか、何らかの処置を以て身の明しを立てられる御決心を持
つて
おられるのかどうかということを
一つ
御回答頂きたいと思います。
結城安次
386
○
委員長
(
結城安次
君) 簡単にお願いします。
大竹作摩
387
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
のお尋ねでありますが、これはかような事実は全然ありません。この問題に対してはよく研究して適当な処置を講じたいと思
つて
おります。
内ケ崎贇五郎
388
○
参考人
(
内ケ崎贇五郎
君) さような事実はございません。 それからもう
一つ
は我々は無理なことをや
つた
とは
考え
ておりません。当然やるべきことをや
つて
成功しておると、さように
考え
ております。
従つて
何らの弁明や何かの必要は毛頭ないと
考え
ております。
結城安次
389
○
委員長
(
結城安次
君) お諮りいたしますが、
地方行政委員長
の
油井賢太郎
君より
委員
外発言をしたいという申出がございます。これを
許可
することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
結城安次
390
○
委員長
(
結城安次
君) それでは簡単にお願いいたします。
油井賢太郎
391
○
委員外議員
(
油井賢太郎
君) ちよつと
松永
さん並びに
大竹
さんに一点だけお伺いしておきたいのですが、
電力
の
開発
というものは資金と技術さえあればこれはいつでも簡単にできるような
考え
を持
つて
いる人が相当あるようですけれ
ども
、我々
考え
ますというと、地方自治体或いは地方住民というようなものの協力ということは相当大きな問題になると思うのであります。
松永
さんは全国各地に亘
つて
電源開発
に経験の深いかたであられますけれ
ども
、今日までにおいて住民の協力がなか
つた
というようなことによ
つて
非常に支障を来たした
電源開発
の経験がおありであるかどうかという点と、
大竹
さんにお伺いしておきたいのは、福島県下おいて若し地方民の
意思
に反するような、いわゆる地方住民の
考え
方と違うような
開発
が行われる場合に、たとえ如何なる資金を厖大につぎ込んでも円満に行かれるということが私は困難だと思いますが、福島県の場合に当
つて
はどのような
事態
にな
つて
おりますか、この一点を伺いたいと思います。
松永安左ヱ門
392
○
参考人
(
松永安左ヱ門
君) 今のお尋ねは御尤もでありまして、どうしても
電源
の
開発
、殊に最近の傾向でありま下る埋没地を多く出すがごとき問題は、つまりダム式
建設
に移りまする場合は最も地方の協力を得なければなりません。旧来これに対して弁償金を払えばいいとか、或いは地方官憲がその他と協力して高圧的に行くというような古い歴史を顧みましても、それはことごとく失敗しております。今後その問題が大誉なりますれば、ますます地方民の協力を得なければなりません。併しその協力を得るというのは、ただ金を出すとか或いは強権でどうするとかという協力ではなくして、そのダムを作ることそれ自身がその地方のために大きな利益になる、その利益のあり方について地方のほうによく申上げる、それから具体的にどういうことが他方の利益になるかということを示すことそれから又換地がないと言えば換地を世話することについて万全な努力をしなければならんということ、私はその方面に鉱山そのほかの浸水没地があるという場合におきましては、技術的に金をかけて万全な操作をして、僅かな鉱山の権利といえ
ども
やはりこれを保護して行くという大きな雅量と力を以てこの
開発
に当らなければいかんと思います。世の中にはよく
政府
事業であると
開発
は楽だ、こういうことを言いますが、或いは民間ではなかなか大きな仕事はやりにくいと言いますが、私は今日地方のかたは
政府
の命令だからとい
つて
へえと言
つて
権利を投げ出す時勢ではない、やはり民間でも
政府
でも地方人とよく
お話
にな
つて
、第一は利害得失の点について明らかに
お話
にな
つて
、次にはできるだけ感情を弄しないようにして
お話
になることが必要だと今日といえ
ども
信じております。
大竹作摩
393
○
参考人
(
大竹作摩
君)
只今
の油井さんのお尋ねでありまする、
早期開発
には資金と技術さえあればできるか、これは地方民の協力がなければできないと思うがどうかというお質しでありますが、これは資金と技術のみで決してその目的を達成されるものではありません。絶対的に地方民の理解と協力がなければこれは事を運ぶことはできないということを銘参記して頂きたいと思うのであります。
結城安次
394
○
委員長
(
結城安次
君) 本日は
参考人
のかたがたには長い間誠に有難うございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時七分散会