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1953-03-06 第15回国会 参議院 大蔵委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月六日(金曜日)    午前十一時十六分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            菊川 孝夫君    委員            黒田 英雄君            西川甚五郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            森 八三一君            松永 義雄君            堀木 鎌三君   政府委員    日本専売公社監    理官      今泉 兼寛君    大蔵省主計局法    規課長     白石 正雄君    大蔵省主税局税    制第一課長   泉 美之松君    大蔵省主税局税    制第二課長   塩崎  潤君    大蔵省銀行局長 河野 通一君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君    説明員    日本専売公社副    総裁      勝田雄次郎君    日本専売公社販    売部長     石田 吉男君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件製塩施設法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○製造たばこ定価決定又は改定に  関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○国有林野事業特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○開拓者資金融通特別会計において貸  付金の財源に充てるための一般会計  からする繰入金に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○漁船保険特別会計における漁船再  保険事業について生じた損失を補て  んするための一般会計からする繰入  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○解散団体財産収入金特別会計法を廃  止する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○所得税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○法人税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○富裕税法を廃止する法律案(内閣送  付) ○租税特別措置法の一部を改正する法  律案内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より委員会を開きます。  本日は最初に製塩施設法の一部を改正する法律案について、先ず内容説明を聴取いたします。
  3. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 製塩施設法の一部を改正する法律案の主なる改正点は二点でございます。  第一点は、従来この災害復旧をやります際に、災害復旧費としての補助の対象となり、又比較的高い率を認めておりましたのは、原形復旧というのがまあ建前になりまして、原形復旧について政府補助を与え一更に原形復旧では不十分であつて災害を受ける虞れがあるようなものについては、若干のこれに改良を加味したものまで補助すると、こういう建前をとりまして、この改良関係についても補助はいたしておりましたが、従来の法律ではその改良関係については原形復旧に比べて約一割程度補助率を低めて補助しておつた、こういう状況でございまするが、今回の改正によりますれば、この原形復旧にすることが著しく困難であるか、或いは不適当な場合において、これに代る必要な施設をする場合一この場合は原形復旧と同様の補助率補助したい。これが改正の第一点でございます。  それから第二点は、その当時の災害が非常に激甚であつた場合、現行の補助率を以てしては、業者自己負担で以てその復旧に堪えられないといつたような場合に、災害復日事業の円滑な遂行を困難とするような事態が発生する虞れがありますので、そういつた場合においては特別に高い補助率を以てこれを国が助けて行こうという次第でございまして、補助率はそれぞれ塩田及び濃縮施設については十分の八、塩田防災施設については十分の九というふうに、相当高率の補助を以て復旧関係を促進して上げよう、これが第二点でございます。多少あとこれに関連してその指定方法とか、その他について規定はいたしましたが、主だつた改正点はこの二点にあるわけでございます。概略説明申上げます。
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) 続いて御質疑をお願いいたします。
  5. 松永義雄

    松永義雄君 提案理由説明のうちで、原形復旧困難のときには、これに代るべき施設を設ける必要があると、そうすると普通に読むと何か新らしいものを作るというような感じがあるのですが、そういうことになるのですか。
  6. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 原形復旧と申しますと、大体元の場所に元の形のものを作るというのが、これが原則でございまするが、状況によつて場所を多少変えて作るとか、それから同じ形のものでは又再災害を受ける関係もありますので、形を違えて例えばこの堤防であつた場合等において、従来一メーター堤防であつた、そういつたものを一メーター二十、三十程度に或いは蒿上げする必要がある、そういつた点を意味しているのでありまして、場合によつては或いは元の場所に、元の形ということではなくて、場所もそれから形も若干変えて復旧すると、こういう場合もあり得るかと考えます。
  7. 松永義雄

    松永義雄君 同じく提案理由説明の中で、「現在、原形復旧部分についての補助率より一割低くなつております。しかし、」云々として「原形復旧と同じ率を適用することといたしました。」という文言がございますが、これと同じような取扱をした場合が他の場合にあるのでございましようか。
  8. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 御質問の趣旨ちよつと私呑み込めませんのであれでございますが、今までは製塩施設法においては一割程度区別して補助しておつたわけでございまするが、大体これと似たような関係建設関係、それから農林関係災害関係について大体同じような規定がございまして、すでに建設関係、それから農林関係については、特に農林関係についてはこの前の議会においてやはりこれと同一程度趣旨改正がすでにできておりまして、それに合して今回も、製塩施設についても同様の規定をする、こういうことになつております。製塩施設そのものをば今度の法律改正によつて同様のことができるということに初めてなるわけでございます。
  9. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。……それでは一応これは打切つておきます。
  10. 中川以良

    委員長中川以良君) 引続きまして製造たばこ定価決定または改定に関する法律の一部を改正する法律案について先ず内容説明を聴取いたします。
  11. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 今回の法律案の骨子は大体三点に分れておりまして、第一点は日本専売公社がこの二十八年の四月から新らしく両切紙巻たばことして富士というのを新発売することになりまして、目下その準備を進めておるわけでございまするが、この定価を十本当り六十円にする、この最高価格法律で御決定願いたいということが一つ。  それから昭和二十六年に値下げをすでに行なつておりまするところの朝日ピース、光、桃山及び日光、これはすでに最高価格を十円ずつ引下げておりまするので、その引下げておる現状に合して最高価格を御改定願いたい、これが第二点でございます。  第三点は憩その他のすでに発売をやめておりますたばこにつきましては、この定価の表の中から削除して、すでにないたばこのことであるから、そういつた最高価格をきめる必要がございませんので、これを削除して頂きたい。これが第三点でございます。
  12. 中川以良

    委員長中川以良君) 御質疑をお願いいたします。
  13. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 第一に各たばこ小売価格表が出ておりまするけれども、これの原価計算と言いますか、一体原価幾らにつくのであるかという点を一つ説明願いたい。  第二に小売マージン一つ一つどれだけにつくか、これを御説明願いたい。事務当局一つ……。
  14. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) お答え申上げます。十本当り定価で申上げますと、朝日製造原価は四円六十七銭、それから今回御審議を頂いております新製品富士につきましては十二円七十一銭、それからピースが八円七十三銭、光が六円八十三銭、新生が三円九十七銭、ゴールデンバットが三円三十四銭、ききようが五円六十一銭、みのりが四円二十四銭、桃山が十二円四十六銭、日光が五円八十四銭、そういつたことになつております。  それから小売手数料の問題でございまするが、現在小売手数料ピースと光と桃山、この三種類につきましては八分の手数料になつております。その他のものにつきましては、一律に七分の手数料と相成つております。
  15. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この手数料のきめ方はこれは専売公社総裁がきめるのであるか、それとも大蔵大臣の認可によつてきめることになつているのですか。
  16. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 手数料をきめる権限は公社総裁にあるわけでございまするが、ただ実行上の問題として手数料の金額をきめる問題は予算に関連を持つて参りまするので、その意味において公社総裁大蔵大臣と相談してきめる、こういう慣例になつております。
  17. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に、大体たばこ小売業を営んでおる人はどちらかと申しますと、老齢者であるとか、未亡人であるとかいうような人……まあ百貨店とかビルディングの玄関であるとかいうようなのは特別といたしましても、そういつた階級の人が多いと思うのでありますが、で、このたばこ指定業者として申請してその許可を受けるというのか、免許を受けるためにまつわる、巷間伝えるところによりまするといろいろの噂は飛んでおるし、又実際にその申請をした人からいろいろと陳情が我々のところに寄せられまして、これが免許を受けるには莫大な運動費を出さなければとても許可にならんというようなことが飛んでおるので、国の事業においてそういうことが仮にあるとするならばこれは粛正しなけりやならんと思うのでありまするが、監理官としてお尋ねしたいのは、先ず標準等についてどういうふうにきまつておるものであるか、その点について内規がちやんときまつてつて、こういう枠にはまつておるものは許可すると、ちやんときまつておるのか、この点一つお伺いしたいと思います。
  18. 今泉兼寛

    政府委員今泉兼寛君) 法律では極く抽象的な欠格条項について規定してございまするが、更にその法律に基いてどういつた場合にこれが適格かということは総裁の通牒として第一線のほうに内規的なものは規定してございます。その概略を申上げますると、大体刑の執行中であるとかそういつたような刑法上の不適格は別といたしまして、大体全国の販売数量、それを地域的に又勘案した場合に、或る町或る村においては大体このくらいの売行きがある、それを大体何戸くらいの小売店販売さしたら適当か、こういつたつまり喫煙人口とそれに対する販売予定数量というものを加味いたしまして、たばこを喫う人に対しまして迷惑のかからん程度の、喫煙者便宜ということを先ず考え、更に小売人も一応のやつぱり商売でございまするから、その商売が成立つて行く、つまり生計費その他から勘案してその商売が成立つて行く、それには一カ月どのくらい取扱つたらよろしいかと、こういつた点を勘案いたしまして、大体周囲の喫煙人口がどのくらいあるか、それからそれに対してこの村この町には何人くらい小売人が必要かと、そういつた点を考えまして小売店指定する、こういうことになつております。従つてこれは非常に繁華街であるとか普通の町であるとか村落等によつては一律には参りませんので、繁華街については、まあ距離も非常に既設の小売店から今度予定されている小売店までの距離は短かくてよろしい、そうじやないもつと市になれば更に距離拡める、村落等においては一村に幾らといつたようなふうな基準を設けまして、買う人の便宜とそれから商売上の成立ちということできめているわけでございます。この状況は、毎年々々相当喫煙人口も殖えて参りますし、たばこ売上高等も相当殖えて参つておりまするので、年々小売人は増すことになつております。特に二十八年度においては相当売上げの増ということも考えられまするので、二十八年度については二十七年度に比べて相当大勢の小売人を増加して参りたい、こういう予定を立てておる次第であります。
  19. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 公社の副総裁もお見えになつておりまするので、二十八年度において今監理官お話のように小売業者を殖やすということになりますると、これは又申請競争も起きて来て、忌わしい事故の起る危険性もそれだけ多くなると思うのでありまするが、それで第一点にお伺いしたいのは、今までそういう総裁のほうへ申請をした国民の中からそういう苦情或いは陳情等で来ておるものはないかどうか。いわゆる、どうも専売出先機関において不公平な取扱を受けて困るというような陳情が来ているなにがあるかないか、この点をお伺いしたい。  それから第二点で、今までそういう事故として検察当局の発動があつたものがあるかないか。それから、あつたら去年どのくらいあつたか、あるかないかという点と、それから総裁として部内的に行政処分をせられたものがあるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  20. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) お答えいたします。第一に来年度相当殖やすというように考えておりまするが、この基準に準拠いたしましてできるだけ公平にやつて行きたいというふうに指導するつもりでありますし、従来からもそうやつておるのであります。これに関して私どもに直接に苦情を申込んで来るということは、具体的ななにはありません。それで、二十七年度にそういうことで処分せられたものは、贈収賄罪になるわけですが、今はありませんですが、前にはそういうこともあつたようにも記憶しておりまするが、これはもう我々の組織の中から、こういう不心得者は具体的なことを聞けばその行政処分の前にできるだけ排除する方針で来ております。十分に公平にやつておるつもりであります。
  21. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この公平におやりになる具体的な方法として、例えば申請書が出て、その直接申請人出先第一線の係員の間の折衝或いは調査だけできめられるのであるか、それとも村に設ける、或いは町に設けるというようなときには利害関係者等意見も徴してやるような方法になつておるのか、ただ申請者と当事者間の取引と言いますか、折衝によつてきめられておるのかどうか、ほうぼうの意見を聞くということになつておるか、その点伺います。
  22. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 今のは実務的のことですから、販売部長が来ておりますから販売部長からお答えします。
  23. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 申請を出しまするところは、私のほうの出張所というのがございますが、そこへ申請書を出すことになつております。それで申請書が出て参りますと、出張所では誰でもいいというわけではございません。一応責任を持ち得るような職員ということにしておりますが、言葉はあいまいですけれども、何と申しましようか、本格的の社員とでも申しましようか、割合いろいろな判断が公正にでき得るような職員実情調査をいたしまして申請書に附属した書類に、今も監理官からお話のありました例えば距離であるとか、売行きの見込であるとか、或いは小売屋さんに集まるであろう大体の人口であるとか、それから戸数であるとか、その他いろいろのそういう実情を調べまして、その調査員としての意見をそこに附けさせることにしております。それでその書類地方局の、その上のクラスのオフィスになるそこに廻りまして、地方局課長、それから部長、それから地方局長地方局長最後決定権を持つております。そこでもう一度判断を加えまして、若し出張所調査が不審があるというふうな場合には、地方局からも直接調査に参りまして、その上で局の決定をするということにいたしております。
  24. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に最近俗に言うパチンコという遊技場たばこがたくさん出て、これは専売公社たばこ販売数量を殖やす上においては誠に助けになつておると思うが、実際問題としては、あれは見方によりますと専売法小売業者との関係が非常にむずかしくなつて来るのではないかと思うのでありますが、あのように大量に一人の人にたばこをたくさん売るということは、これは専売法に直接は抵触はしないだろうけれども、若干専売法精神からいえばおかしいのじやないか、こういう点も言い得ると思うのですが、まあ贈答品としてやる二十個や三十個とは違いまして、小売業者から一旦店先へ持つて帰つてそうして長い間並べておくということになりますと、専売法精神からいうとちよつと疑問があるのではないかと思いますが、事実よくはやる遊技場等を獲得するために小売業者のほうで今お話のあつたマージンを少し引いて、そして街に流しておるというような噂も飛んでおるのですが、そうなつて来ますと、又販売競争ともなり、専売法違反になるという危険が多分にあると思うのですが、この点について販売部のほうの指導、それから専売公社としてはああいうものによつてつてもらうことは結構だという方針で臨んでおるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  25. 石田吉男

    説明員石田吉男君) お話のようにパチンコのお蔭で或る程度売行きがやはり伸びておる点はあろうかと思います。それで私ども非常に困つておりますことは、パチンコたばこが出ますことはたばこ売上げが殖えることでありまして、専売仕事といえば先ずできるだけ売上げを伸ばすということが何としても大事な仕事であるかと思います。そういう面からたばこが売れる場合にはできるだけ売りたいという考え方が一つございますが、一面只今お話のありますように、パチンコ屋へ卸さない小売人からは非常に苦情があるわけです。で当初、一昨年ぐらいでございましたけれどもパチンコ屋のほうにたばこが卸せない小売人のほうから大分いろいろ苦情がございまして、それも近所パチンコ屋だけやるのならまだよろしいのでございますけれども、非常に遠いところのパチンコ屋まで供給するというふうなことになりますと、その地域小売屋さんにもかなりの影響がある。これはそれぞれ地域別小売屋さんのほうで組合を作つておりますが、自主的な組合でございますけれども、この組合の中でいろいろそれが問題になりまして、一時私どものほうではパチンコ屋へ卸すときに、非常に急激に一軒の小売屋さんの売行きが殖えたという場合には、こちらで売上げの実績を見ておるとわかりますけれども、或る程度のところまでは伸びることは認めるけれども、それ以上はこちらからたばこ小売屋さんに売らないということを一時やつたことがあります。その後だんだん落着いて参りまして、最近では組合の中でそのパチンコ屋に供給する組合の中の小売屋さん同士の話合いとでも申しますか、そういうことで大体分野をきめて来たようでありまして、一時ほど苦情が出なくなりました。最近は大体落着いておる模様でございます。  それからもう一つは、どうしても一人の小売屋さんが或るパチンコ屋にまとめてたくさん卸すということになりますと、そこにお話のような値段を引いて渡すという問題が起きて参ります。これにつきましてはなかなか証拠を握ることは困難なのでありますが、いろいろな資料を用いまして、なお私のほうには御承知外国たばことか、たばこ密製造とかを取締るために専売監視というのがあります。これがパチンコ屋と直接関係のある小売屋さん、そういう店を始終注意をいたしまして、割引販売の虞れがあればこれを取締るということで、最近ぼつぼつ各地域でそういうことをやつてつた小売屋さんが検挙されております。なおパチンコ業者組合のあります場合には、その組合のほうと連絡をとりまして、このたばこ販売の秩序と申しますか、そういうものを乱さないようにいろいろな相談もし、それから買うときも一人の小売屋さんからだけでなしに適当に近所小売屋さんから分けて買つてくれというふうなこともお話をいたしまして、よく理解してくれて協力を頂いておる組合もございますので、一時は私ども大分困りましたけれども、最近は余りそういう点で小売屋さんの苦情がなくなつたように考えております。
  26. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に品質の問題ですが、専売局のレッテルを貼つて、これはあなたのほうで小売業者であれば壜へ入れておくとか、ガラスの戸棚へ入れておけとちやんと指導して保存されておるのが、パチンコの店に並べてあるものの中には専売局のマークのないもので改装したり、それを又国民はどういうものが入つておるかわからないから、今はそういうものが入る余地はないと思いますが、併し品質低下等のことは一応考えられると思うのですが、ところがあなたのほうは監督が届かんのでありますから、そういう面を今後どういうふうに処置して行くかということが一つの問題だと思うのです。  次にお尋ねしたいのは行政協定発効以来今日まで行政協定違反によつて外国たばこ検挙数、これがどれだけ挙つておるか、それを一つと、そういう事故があるかないかお知らせ願いたいと思います。
  27. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 只今行政協定違反によつてというお話がございましたが、あれは行政協定違反ではございませんで、たばこ専売法違反になります。行政協定に基く外国たばこ取締に関する特例法が出ておりますが、これはむしろアメリカ人のほうを取締法律でございまして、アメリカ人といえどもアメリカ人同士の例えばアメリカ兵隊さんの間でたばこのやり取りをしておるのは差支えないけれども、それを日本人に渡した場合はアメリカ兵隊といえども日本たばこ専売法によつて罰せられる、こういう規定でございます。それで外国たばこ違反事件は私のほうで検挙いたしましたのが、これは二十四年度から数字が出ておりますが、二十四年度が約千七百六十件、それから二十五年度が約五千四百十件、それから二十六年度が一万一千七百件、二十七年度、本年度でございますが、これは十二月までで一万四千六百五十件であります。
  28. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 最後にこのたばこ値段をだんだんと専売公社のほうでも設備近代化し改善して、そうして更に今御発表になりました製造原価を切下げて行くという余地があるかどうか。それからそういうことを研究しておられるかどうか。当分の間はこのくらいな定価で維持して行く、これ以上は下る余地がないかどうか、こういう点について副総裁からお答え願いたい。
  29. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 菊川先生も御承知のように、たばこ値段の大部分税金でありまして、それで国家の要請によりまして私ども稼いでおるようなわけでありまして、この製造原価を引下げるという点につきましては、四六時中皆研究いたしまして努力いたしておりまするが、それによつて引下げられる金高というものは、極く僅かなものでありまして、ひとえにこの税金が下がらない限りは、今のところどうしてもそういうわけに参りませんが、私どもといたしましては、その引下げられる原価で以て、実質的に値下、げをするという意味で、製品品質をよくする、原料をよくする、或いは包装をよくすると、こういうような面に向わなきやならないような状況でありまして、現にゴールデンバット等も今まではこの紙は一重の包装でありましたが、二月のなかば頃から中を蝋紙で包みまして、昔のような感じ包装に戻しておる次第でありまして、現在のところはそういう程度で我々は努力をしておるわけなんであります。
  30. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この製造原価を引下げたら、益金のほうはそれだけ上ることになるわけです。それで定価が下がらないとするならば、益金にそれだけ多く上ることになるのでありますが、今のお説の製造原価引下げについて、設備近代化、或いは国内たばこの品種の改良等によつて、その余地がもうこれ以上あるのかないのかということが一つと、それからもう一つお尋ねしたいのは、この二十四年から今まで違反事件の統計が出ておりまするけれども、最近二、三年間の製造原価の推移を一つわかつておりましたらどのくらい……、パーセンテージで上つておるかどうか、それがおわかりになるかどうか。簡単で結構です。余りむずかしい数字まで……。これは上つているほうに向つているかどうか。
  31. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 私から御説明を……只今長い間の数字を持合わしておりませんのですが、大体製造原価内容の六割程度は葉たばこの価格でございます。葉たばこの収納価格が一般の農産物、特に主食の米、麦、こういうものの値段が毎年上つて参りますので、大体生産費を調査して、葉たばこの収納価格をきめるわけでございますが、主食のそういうものの値段が上ると、葉たばこのほうも自然に上つて来る、そういうことが一番製造原価の値上りの大きい点でありまして、そのために製造原価は年々上つて来ております。それでこの製造原価をもつと上げないようにして、収益率も落さず、そこでたばこ定価のほうへ何らかの、そういう面から定価を引下げると申しますが、そういうふうにしたらどうかというような御趣旨かと思うのでありますが、これはその弁解をいたすわけではございませんけれども、この製造原価の中に占めます……、例えば経営の能率化によつて、その原価を下げるという点が非常に金額的に言いますと、少いと言いますか、まとまつた金額になつて参りませんので、只今たばこ定価をつけておりますのが大体五円くらいの単位を基準にしてつけております。従いまして通貨価値がかなり変つて来て、一円とか、二円とかいうものを動かして、それで取引が成立するというふうなことになりますれば、この能率の向上その他によりまして、原価に影響を来たしました分をすぐ定価に現わすということができるかと思うのでありますが、現在のような通貨価値の状態、或いはまあ値段のつけ方、取引の状況から申しますと、私ども原価を下げるようにいろいろな面でやつては、努力はいたしておりますが、それが直ちに、幾らつたからすぐ定価に、幾ら定価を下げるというふうなところまではちよつと来にくいような状況でございます。
  32. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 次に輸出の問題でございますが、これはこちらのこの値段で行くと、非常に製造原価は安いと、こう思うのでありますが、これは併し相手国の関税、その他の対策があるので、ただこちらで安いから売れるということばかりにも行かんと思うのでありますが、やはり戦争が終つてから今日まで、輸出ということが実績として上つている点があるかどうか。それから今後もその面に進出を考えておるかどうか、この点を一つお伺いしたいと思うのですが……。
  33. 石田吉男

    説明員石田吉男君) たばこの輸出につきましては、葉たばこ製造たばこと二種類ございます。只今お話はまあ主として製造たばこかと思いますが、二十七年度では、製造たばこの輸出によりまして外貨を獲得できる金額が約六億四千万円ほどになる見込でございます。そのうち一番多く参つておりますのが、これがまあ輸出とも言えないかも知れませんが、実は沖縄へ参つておりまして、沖繩向けへ、ピース、光、或いは新生、それから刻み少少と、相当沖繩へ参つております。  それからもう一つは、特需がございまして、ゴールデンバットと同じ品質のものでありますが、特需のものとしてこれが完全に米ドルを以て支拡われております。その他につきましては、殆んどまとまつた製品は出ておりません。これは只今お話のありましたような貿易上のいろいろな障害もございますし、それからもう一つは、たばこというものは、ただ安くてうまいというだけではなかなか人が買つてくれないのでありまして、例えば仮に香港へ出すというふうな場合には、香港の小売屋日本たばこをみんな置いてくれるというふうなところまで行きませんと、なかなか広く売るということができないのであります。そのためには、こちら側も輸出商でありますか、或いはまあ仮に香港といたしますと、香港における輸入商が、相当宣伝費を先に使いまして、それぞれの卸商なり、或いは小売商に日本たばこをばらまいてくれるということを先にやらないといけないのでありますが、何しろそのたばこの貿易によつて得る利益のマージンというものは非常に少いものですから、思い切つて初めにそういう投資をしてくれる商人というのが、なかなかないのであります。私のほうではまあそういうところからいろいろ申込もありますので、少し大げさですけれども、先ず欧州を除いて、殆んど各国ヘピースの罐入りの見本を、要求あり次第どんどん送つております。それから東南アジアの方面では、曾つて戦争中に日本たばこを知つていた民族も大分あるわけでありますから、その辺へ宣伝向けのポスターを作りまして、そういう申込があれば、その商人にポスターを渡すというふうなこともいたしておりますが、只今申上げましたような事情で、なかなか思うようには参らないのであります。この場合の輸出値段は、大体国内、この製造原価に多少の利益を見込んでいるだけでございまして、非常に安い値段で出しております。  それから葉たばこでございますが、これは二十七年度で大体二億八千万円ぐらい輸出できる見込でございます。主に参りますところは欧州方面、それからエジプト、例えばシリヤというふうなところへも参つておりますが、これも値段さえ安ければ、品質的には相当歓迎されておりまして、値段さえ安ければもつともつと出る見込があみ、かように考えております。葉たばこの輸出値段のほうも、私のほうが耕作者から買います値段に、公社の中でいろいろチャージがかかりますが、そのチャージをかけまして、殆んど利益を抜きにして、日本の輸出貿易のために、販路の開拓という意味から、できるだけ利益を見ない安い値段で売つております。これも非常に毎年の収納価格が上りますために、だんだんこちらの値段が上つて参りますので、ほかの国の葉たばこ競争するのに非常に不利な地位になつております。残念でございますが、できるだけ、これも輸出を続けたいというように考えておるのであります。
  34. 森八三一

    ○森八三一君 最近非常にたばこ売行きがよくなつておりますことは、又見ようによつていいか悪いか、いろいろ議論があると思いますが、そういうような情勢でありましても、なお且つ相当の外国たばこが間に流れておるというような状況でありますのは詐常に残念であると思います。こういうような状況を解消して行きますために、いろいろ公社としても御苦労を願つておるとは思いまするが、私考えまするのに、やはり外国たばこに比べて品質的にいいものを経済的に安くということでなければならん、これはまあ常識的にそうなると思うのでありますが、そこでその目的を達成いたします一つの重大な要素としては、原料である葉たばこの優秀なものが低廉に生産されねばならん。そこにはたばこの耕作に従事している多数のたばこの耕作農民諸君の熱意というものが十分盛上つて来なければならん、こう思うわけです。そういうことに関連いたしまして一つお伺いいたしたいと思うのは、現在の葉たばこの収納に関しまする価格の決定方法は、どういう方法をとられているか、現在の実施されておる葉たばこの収納代金はいつ決定されたものであるかという点を先ず最初にお伺いしたいと思います。
  35. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) お説のように葉たばこの価格というものは非常に重要なことでありまして、会社といたしましては農業パリティー、それから農家の生産費を精細に調査いたしまして、かれこれ勘案いたしまして決定いたすのであります。昨年までは公社決定しており、その際も耕作者の団体の意向も聴取いたしまして決定いたしておりましたが、本年からは総裁の諮問機関として葉たばこ収納価格審議会というものを設けまして、正式に耕作者の代表者の意見をまとめまして、それを参考にして決定するということになつております。それで昨年の二十七年度の収納価格は、昨年の八月の末か九月の初め収納直前に決定した次第であります。本来雷えば昔はこれは丁度十二月頃に種蒔きをやるのでありまするが、戦争前はその前に価格を公示いたしまして、これでこの値段で来年度は買上げるから作りなさいということでやつておりましたが、戦争後は御承知のように物価の変動が激しいものでありまするから、収納の前に価格を決定せざるを得ない事情にありましたが、経済状態もだんだん平生になつて参りますので、これはやはり前のように変えたい意向ではございます。
  36. 森八三一

    ○森八三一君 価格形成に関する審議会というものが設けられまして、総裁の諮問に答えるという形は一応形の上では極めて民主的にできておりますが、恐らく私の想像いたしまするところでは、その諮問委員会には一応の公社としての採算上考えられまする原案のごときものをお示しになつて、それでよろしいかどうかというような順序の取運びになるのではないかと思うのであります。その際に今副総裁お話がございましたように、農業パリティーなり価格パリティーなりによつておきめになる、そこにその当時の経済事情も参酌してというお話があつたのでございますが、具体的に原則としては基準年次を基礎にした価格パリティーで一応弾き出しておられるのか、それにプラスされる経済事情のアルフアーというものはどういうように、昭和二十七年度産葉たばこの昨年八月後に決定されたとおつしやる、その価格について具体的に一体どうなつておるのか、そういうことを一つお話を伺いたいと思います。
  37. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) 詳しいことは生産部長が今おりませんですから、生産部長説明させたいと思いますが如何でございましようか。
  38. 森八三一

    ○森八三一君 私がそういうことをお伺いいたしますのは、今一番重要な物資で価格が政府のほうできめられておりますのは、御案内の米価であると思います。米価は昭和二十六年産米価までは純粋のパリティー計算で出て参つておりますが、昭和二十七年産の米の価格の決定当りましては、これはもう生産費計算でもありませんし、パリティー計算でもありませんし、恐らく現在実施されておる七千五百円という米価は、理論的に説明する根拠は何ものもない、完全な政治的な米価だというように私どもは考えておるのでございます。そこでそういうことが如何にしろとにかく七千三十円という米価が七千五百円という米価に一応上つて来ておる。更に超過供出につきましては二千五百円追加されておるというような事実は、最近における労働報酬なり、生活費なりというもの等を勘案いたしますると、それぞれの生産に従事する、たばこについて申しますればたばこ耕作者の再生産を保障して行くのには相当勘案をしなきやならんということから行われたものと思うのでございます。そこでこういうように非常に収益が上つておりますることは国全体から見て非常に喜ぶべきことでありまするが、この根源を培養して参りますのには、やはり耕作者が喜んで耕作をするというように仕向けて行かなければならない。それには何と申しましてもいろいろ各般のことについて奨励的な施策も講ぜられる補助金のようなものも出ていると承わつております。と申しましても基本的なものは耕作者が直接受ける葉たばこの買収金の額が重要な要素をなすと思うのであります。そこで昭和一十八年産の葉たばこの価格も恐らくだんだん決定されると思いますが、そういう場合に、こういうような公社全体の収支のバランスの実況から行きまして、相当にやはり耕作者に対する手当を殖やしてやらなければならんというように考えなければ、前段申上げました本当の外国たばこを駆逐して行くような、いい物を安く作つて行くというような熱意を盛り上げて行くには十分でないという結果になると思います。ということを考えますが、こういう点について一体副総裁はどうお考えになつているか、その点をお伺いしておきます。
  39. 勝田雄次郎

    説明員勝田雄次郎君) たばこ売行きが非常によろしいので来年度も相当売らなければならない。そのためには葉たばこを準備しなければならない。それで来年度におきまして八千町歩余り増加しなければならない。その生産意欲を増すためには、何かそういう今お話のような面におきましてやらなければなかなかこれは困難であろうかとかように考えております。できるだけ耕作農民が……、具体的には申上げかねますが、耕作農民が喜んで作つてくれる、作れるというようなことはいたしたいと思つております。
  40. 森八三一

    ○森八三一君 耕作農民が喜んで作れるように善処したいということで、抽象的には納得できるのでありまするが、具体的に恐らくその諮問委員会にお出しになりまする原案的なものを御決定になる場合には、やはり一応は物価指数を基礎にして根拠ができて、その上に最近の経済事情なり今お話のようなお気持というものが織込まれてプラスアルソアーという数字が付いて結論的な収納代金の決定がきめられると私は思いますが、その場合に、最近における非常に零細な耕作農民でありまするし、平坦地を耕しておる農家とは違つて、山村の極めて不便な地帯における耕作者か大部分と思いますので、そういう諸君の再生産が可能である範囲において、あたかも米価に二千五百円がプラスされておるというようなことを十分勘案して、八千町歩増産するには十分効果を挙げまするように御配慮を頂きますることを希望いたしまして質問を終ります。
  41. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質問ございませんか。
  42. 小林政夫

    ○小林政夫君 この小売販売人の指定期間の中で、第十二条の第二項の意味を……。
  43. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 具体的に実例を申上げたほうがおわかりいいと思いますが、法律によりますと、例えば四月一日にこういうものを指定いたしますと、それから三年間以内の範囲内で、三年間まではそのまま継続して小売人としての資格があるということにしております。ところが私のほうでは例えば売行きが非常に落ちてしまつてちよつと一軒の小売人としては成立ち得ない、或いはしばしば注意をするにもかかわらずたばこをしめらしてしまつたり、保存の仕方が非常に悪いとか、そういうような場合にはこの小売屋さんにやめてもらう必要がある、そういうことで現在では二年ごとに全体の小売人を全部もう一度従来の実績なり成績なりを調べ直しまして、そうして二年ごとに更新をして行くというやり方をいたしております。その場合にただこの小売人は非常に従来よくないと、それから注意をしてもなかなか言うことを聞いてくれないというので、その際にいきなり不指定にしてしまう、従来の資格を継続しているのをやめてしまうということが必ずしも穏当でないように思いますので、そういう場合にはどうぞ一つこれだけのことを、例えば店を直して下さい、或いは取扱に注意して下さいというふうな注意を与えまして、その間どの程度改善するか様子を見るというふうなことで、例えばほかの小売人ですと全部二年間の期間と指定しますが、そのときに半年なら半年、或いは一年なら一年、現在は半年だけにしておりますが、先ず半年を限つて指定の継続を認める。その間にいろいろ誠意を以て私どもの注意することをやつてくれた場合には、改めてあとの一年半を指定する。どうもなかなかこちらの言うことを聞いてくれないし、店を直さないというものは半年であとの資格を消失してしまうということにしております。その場合には半年の指定のときにこの条項を使うのであります。
  44. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほどの菊川委員の御質問に対して原価のお答えがございましたのですね。この原価マージンの入らない製造原価、併し一応総裁を含めての人件費等、あれを入れてなら収支とんとんであるという原価なのですか。
  45. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 先ほど今泉監理官から御答弁申上げました原価は、いわゆる一般管理費とか、或いは販売費等いろいろの経費を必要とします。そういう一般管理費と販売費が入つておりません。なおそのほかに小売人に対する歩合、これも除いております、入つておりません。
  46. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、恐らく菊川委員の質問した原価という意味ではなかろうと思いますが、一般管理費、要するにどれだけのマージン、その販売益金として計上される益金というものを差引いたいわゆる原価、一般管理費或いは販売諸掛り、これを含めた原価というものはどういうものですか。
  47. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 二十八年度の予定で申上げますが、只今申しました一般管理費と販売費、これは全品種につきまして等分して割りかけております。大体二十八年度の予定が十本当りの単価にしまして五十三銭一厘で、各品種にこれだけのものを加算して頂きますればよろしいわけであります。
  48. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると先ほど述べられた製造原価というものに対して十本宛ずつと均分に五十三銭一厘を加える、こういうことですか。
  49. 石田吉男

    説明員石田吉男君) それが総原価になります。
  50. 小林政夫

    ○小林政夫君 併しそれはいろいろ私は部内のことはよくわかりませんが、十本宛のコスト、いわゆる直接製造原価の高いものも安いものも十本宛均分に割りかけるという方法で個々の朝日或いは富士ピースというようなものの厳密な原価が出るのですか、それから刻みたばこもあるし、そういうようなことはどうなりますか。
  51. 石田吉男

    説明員石田吉男君) この五十三銭一厘の中に入りますのは例えば本社の経費でございます。それからこれは私どものほうで工場から出張所まで製品を全部運びまして、その運んだ製品を今度出張所職員がいろいろ扱つて、業務員というのがおりますが、これが自動三輪車に乗つたり或いは配給車に乗つたりして小売屋さんのところまで届けます。その場合に一例を申上げますと、一つの配給車の中に朝日も積むし、光も積むし、ピースも積むし刻みも積む、こういうことでありまして、只今申上げました本社の経費とか、或いはこういう輸送費、或いは配給所の費用、こういうものが各品種ごとに分けられないので、従いましてこれを全部合計いたしまして全体の本数に割りかける、こういう計算をいたしております。
  52. 小林政夫

    ○小林政夫君 刻みの場合はどうなんですか。
  53. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 刻みについても同じでございます。
  54. 小林政夫

    ○小林政夫君 十本について……。
  55. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 刻みの場合には一グラムを一本という計算で、本数で申しますときは刻みは全部グラムと考えて頂けばよろしいと思います。
  56. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると今の菊川君の尋ねた一体製造コストが安く上つたかどうかというような判定をするのには、今の総原価を比較してみなければならんと思うのですが、そういう比較に使える今の計算ですね。
  57. 石田吉男

    説明員石田吉男君) はあ、お話の通りでございまして、ここにはまとめた数字だけしか申上げませんでしたが、手許に私持つておりませんのですけれども、この内容的には各要素別に非常に細かい数字がございまして、これも例えば各工場ごとにその比較もできる、各地方局ごとに比較もできるというふうに検討できるようにいたしております。
  58. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると例えば酒のごとく今の総売上高から総原価を引いたものを各別のたばこ税というような形にして、その今総原価と言われたものを企業としての公社の収入と考えますか、企業努力を現わすためにはその予定されたものよりもうんと安く上る、それだけが公社の利益だ、こういう純粋な企業努力による利益か成果だとかいうことの言い切れるような確信のある今のは数字なわけですか。
  59. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 具体的な先ほど申上げました数字でこれでどうか、こういうふうにおつしやられますと、実は私今手許にありますので申上げたのは二十八年度の予算で一応計算した数字で申上げておりますので、この数字でどうかというお話になりますとちよつと私お答えいたしかねるのでありますが、まあ一つの考え方の問題として申しますと、実はその問題は相当むずかしい問題でございまして、例えばこの工場原価につきまして一例を申上げますと、たばこを製造する場合に原料に使う歩留りの工合がございます、歩留りの工合をつかまえまして昨年よりどの程度歩留りが上つたか、或いは機械の工率を各工場別に見る。或いは出勤の工合を見るとか、こういうようなのが皆数字になつて出て参りますので、そういう個々の要素については或る程度比較できるものもございます。それからこれは今度販売のほうになりますが、販売をいたします場合に、一日に例えば小売屋さんを三十軒廻る場合と十五軒廻る場合には能率に非常な差があるわけでございます。こういうものが明確に出るかと言われますと、或る程度数字で出て来る部面もありますけれども、それじやどの程度怠けていたかというようなことが、例えば天候が悪かつたとか道が悪かつたとかいういろいろなことがございまして、計数的に出て参りましても、そのまま使えない部分もございます。それでそういうものを全部組合せて果してどの程度能率を上げたかというふうなことになりますと、総括的には全体の成績を見るというふうなことでは言い得るかと思いますが、全部についてそういうことが言えるかというとちよつとむずかしいと考えられますので、非常にあいまいなお答えで恐縮でございますが、その程度に考えております。
  60. 小林政夫

    ○小林政夫君 甚だ答弁が明快を欠くので、私は政府監理官にも聞きたいわけですが、他に急ぐ予定の法案の審議の都合もあるようでありますから、今日はこれで打切つておきますが、十分一つはつきりした答弁を、これは相当大きなことを考えておるのですが、重大なことを……慎重に答弁してもらいたい。
  61. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質問ございませんか。一応本法律案に対する質疑はこの際は打切つて他に移ります。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  62. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。次にそれでは国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について先ず内容説明を聴取いたします。
  63. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 本法律案は国有林野事業特別会計におきまして、国有林野関係事業を経営しておるわけでありまするが、その中で営んでおりまする治山事業につきましては民有林野の治山事業と同一性質のものでありまするので、一般会計において行なつております民有林野の治山事業をも本特別会計の職員をして行わしめるというようにすることが適当であろうという考え方から、民有林野について一般会計から委託を受けてする治山事業をも本特別会計において営まれるように改正したいという趣旨であります。従いましてその財源につきましては一般会計が負担することが当然でありまするので、受託治山事業に従事する職員についての給与その他の経費の財源に充てるためには一般会計から繰入金を予定しておるわけであります。なおこれと関連いたしまして従来国有林野事業の附帯業務として取扱つて参りました公有林野に官行造林をするという事業をもこの際明定いたしまして、本特別会計の事業であることを明らかにしようとしておるわけであります。
  64. 中川以良

    委員長中川以良君) 御質疑を願います。
  65. 松永義雄

    松永義雄君 今提案理由の詳細な説明を承つたのですが、提案理由に述べられておるこの特別会計で治山事業を行わしめる。そうして特別会計の職員がこれに当るというふうに解されるのであります。そこで今までは一般会計でやつてつた。然らば将来はその一般会計に所属する職員はこの提案理由の程度においては治山事業を行わないで、特別会計にのみ行わせるのか、又一般会計に所属する職員が特別会計のほうの職員となつて仕事を行うことになるのか、その点を、簡単でいいです。
  66. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) この法律改正をいたしました趣旨は、この前の休会前の国会で、国有林野その他の企業特別会計職員につきましては、公労法の適用を受げる、従つて給与を法律で縛つておるというのを法律の適用をはずす、給与準則で各企業がそれぞれきめるというように御改正を願つたわけでありますが、その結果、国有林野事業関係いたしておりまする職員が、二万人ほどおるわけでありますが、同じ職場に一般会計の治山事業に従事しておる職員が五百名ほどおるわけであります、そうしますと、同じように机を並べて、殆んどその仕事を、同一のことをやつておるのに、一方は一般会計なるが故に法律の適用があるし、」方は特別会計なるが故に法律の適用がなくして、給与準則の適用があるということになることは、非常に実際問題として困る点が出て来るというような点を考慮いたしまして、共に特別会計の事業に従事する職員ということにして、この前の法律の、改正になりました法律の適用を受けさせよう、こういう趣旨に出たわけであります。従いまして、お尋ねの件のように、今まで一般会計の定員として組まれておりました職員が、特別会計の定員のほうに移りまして、そうして治山事業に従事するということになるわけであります。
  67. 松永義雄

    松永義雄君 もう一点で結構ですが、治山事業といえばちよつと国営事業のように考えるのです。この民有林野の治山事業ということになれば、これは国家的に見て、国家の行うべき仕事であるとも考えますが、その利益は民有林野におけるところまで相当大きいと思うのですが、そうした場合に所有者は何らかそれに対して受益者負担というか、何か負担金みたようなものがあるのでしようか、ないのでしようか。
  68. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 治山事業はいわゆる公共事業として大体行われておりまするので、これはそれぞれの法律に基きまして、地元の分担金その他を国に納付することになつております。従いまして、その分担金は、一般会計の歳入となりまして納付せられることになります。
  69. 松永義雄

    松永義雄君 そうしますと、分担金は自治体が納めるということになるのですか、所有者自身が納めるという……。
  70. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 原則といたしまして、関係する府県、市町村の公共団体が納めることになつております。
  71. 小林政夫

    ○小林政夫君 先ほどの松永さんの質問で定員法も変えておるわけですか。
  72. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 定員のほうも改正になるはずであります。
  73. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは提案されておりますか。
  74. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 今の答弁はちよつと間違いましたから訂正さして頂きます。定員は農林省全体として何名となつておりますので、定員法のほうは改正いたしません。答弁を間違いましたから訂正さして頂きます。
  75. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、予算書を見ると一般会計の本年度繰入金一億八百五十八万六千円か、その算出の基礎は……。
  76. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) これは一億八百五十八万六千円の内訳は、五百二十九名分の人件費が主になつております。そのうち職員の基本給が八千九十八万七千円、その他職員特別手当とか超過勤務とか休職者給とか庁費というものと合せて一億八百五十八万六千円になつておる。
  77. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうしますと五百二十九名という職員はベース・アップがあつた、その職員数としては動かないのか、これも行政整理等もあるでしようが、この分が一般会計で負担するのだという区別は将来どういうことになる、本年度は……。
  78. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) これは民有林におきまする治山事業を大体分担しておる職員というように考えて積算されておりますので、その民有林関係事業が非常に多くなつて、これだけの職員ではとても間に合わんということになれば増員することもありましようし、又ベース・アップがあるという場合におきましては五百二十九名分についてその財源を又殖やすというようなことになるだろうというふうに考えるわけであります。
  79. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあこの一括してやるということは国有林だとか、或いは民有林だとか、或る程度仕事の限界がつきにくい場合もあるのじやないか、それをむしろ一貫してやるということが能率がいいという趣旨でこういうふうな処置をとろうとするわけですか。そう厳密に割り切るということが、なかなか将来むずかしいのじやないかと思う。その点は適当に按分してやるということですね。
  80. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) できるだけ詳細に検討をしてやるというように考えております。
  81. 中川以良

    委員長中川以良君) よろしうございますか。ほかに御質疑ございませんか。……それでは一応これで質疑を打切ります。
  82. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、内容説明を聴取いたします。
  83. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 開拓者資金融通特別会計におきましては、開拓者に対する貸付金をいたしておるわけでありますが、この財源は従来一般会計から繰入れることによつてつて来たわけであります。二十八年度におきましても、やはり一般会計からの繰入金によつて賄おうというように予算措置を講じておりまするので、それに関連する法律案であります。
  84. 中川以良

    委員長中川以良君) 御質疑をお願いします。別に御質疑ございませんか。……一応これは質疑は打切りにいたしておきます。
  85. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に進みます。それでは次に漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、内容説明を聴取いたします。
  86. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 本法律案漁船損害補償法の規定によりまして、拿捕、抑留等の事故を保険事故とする特殊保険につきまして、昭和二十七年度において只今まで一応予定せられましたところの、算定せられましたとこるの損失を補償するために一般会計から繰入をしようとするものでありまして、休会以前の国会において決定せられました法律案と同様の性質のものであります。
  87. 中川以良

    委員長中川以良君) 御質疑を御願いします。別に御質疑ございませんか。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  88. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。  それでは国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について、御質疑は格別ないようでございまするが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  89. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  91. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致でございます。よつて本法案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十三条によつて委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名    黒田 英雄   伊藤 保平    堀木 鎌三   大矢半次郎    菊川 孝夫   小林 政夫    小宮山常吉   西川甚五郎    松永 義雄   森 八三一
  93. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に開拓者資金融通特別計会において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の御質疑は格別ないようでございまするので、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを頂きます。……格別御発言もないようでございますので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  96. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお諸般の手続は前例により委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    大矢半次郎   堀木 鎌三    伊藤 保平   黒田 英雄    菊川 孝夫   小林 政夫    小宮山常吉   西川甚五郎    松永 義雄   森 八三一
  98. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案につきましては、格別御発言もないようでございまするので質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  99. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それについてちよつと委員長にお尋ねしたいのですが、水産委員会からこれについて当委員会意見を申述べて来たような事実はないか、或いは連合審査等をおやりになつたかどうか、その点についてちつとも承知しておりませんので、この経緯を委員長から、或いは専門員から御説明を願いたいと思います。
  100. 中川以良

    委員長中川以良君) 水産委員会からは今のようなお話のことは今まで全然ございません。連合委員会のほうも、又何か意見の申入れも今まで承わつておりません。
  101. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 委員長から念のために水産委員長のほうへ御連絡になつたようなことはございませんか。これは今までの経緯から見まして関係あると見るときには、相互に連絡することになつておりますが、専門員室の今までの慣習等一つお知らせ願いたいと思います。
  102. 中川以良

    委員長中川以良君) 一つ専門員からお答え願います。
  103. 木村常次郎

    ○専門員(木村常次郎君) 御承知のように同じような法案が前回も出ておりまするし、特に再保険金を予算においても計上を殖やしておるわけですが、前のときにも別に水産のほうから申入もございませんし、又こちらも申入れたこともございません。又今回も向うからも申入れて参りませんし、こつちからも申入れません。  それから菊川さんの言われているのは或いは木船再保険の問題ではないですか。木船再保険特別会計法案というのは新規に出るんですが、これは向うに本法案が付託されてありまして、木船再保険特別会計法案は或いはそれかも知れません。今の問題については何もありません。今の問題については何もございません。
  104. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 はい、わかりました。
  105. 木村常次郎

    ○専門員(木村常次郎君) 何かあつたと思いましたか。
  106. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 いや、念のために、漁船ということになつておりますので、その漁船特別会計のその特別会計に繰入れるという点についてですね、例えば繰入方が少いとか、これの修正というような点について、水産委員会のほうでちよつと僕は聞いたように思つておりますので、何かそれじや委員長のほうに申入れておいてくれということを伝えておいたのですが、何もなければそれでいいのです。
  107. 木村常次郎

    ○専門員(木村常次郎君) 何もありません。
  108. 中川以良

    委員長中川以良君) それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを頂きます……。格別御発言もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それでこれより採決に入ります。漁船保険特別会計における漁船保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決すべきことに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  110. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお諸般の手続は前例によつて委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     森 八三一   西川甚五郎     小宮山常吉   菊川 孝夫     黒田 英雄   伊藤 保平     堀木 鎌三   大矢半次郎     松永 義雄   小林 政夫   ―――――――――――――
  112. 中川以良

    委員長中川以良君) 続いて解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律案につきましては、別に御発言もないようでございますので、御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  113. 小林政夫

    ○小林政夫君 いや、あります。
  114. 中川以良

    委員長中川以良君) ではどうぞ。
  115. 小林政夫

    ○小林政夫君 本法によつて国庫に帰属した財産に関する収入金の総額は一体どうなつていますか。
  116. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 本特別会計が設定せられましてから、二十七年の十二月末日現在までに収納済みになりました額は、七億六千四百九十五万三千二百八十二円と相成つております。
  117. 小林政夫

    ○小林政夫君 もう一回。
  118. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 七億六千四百九十五万三千二百八十二円、なお二十七年十二月末日現在におきまして、未収入額として残つておりますのが、一億五千四百七十万七千二百七十七円というようになつております。
  119. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、この二つを合したものが結局総収入金だという  ことになりますか。
  120. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) さようであります。
  121. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。……別に御発言もないようでございまするが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  124. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお諸般の手続は、前例により委員長に御一任を願いたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    大矢半次郎   堀木 鎌三    伊藤 保平   黒田 英雄    森 八三一   西川甚五郎    小宮山常吉   小林 政夫    松永 義雄   菊川 孝夫   ―――――――――――――
  126. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  127. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。それでは暫らく休憩をいたします。    午後零時五十六分休憩    ―――――・―――――    午後二時五十九分開会
  128. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) これより委員会を再開いたします。  所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案富裕税法を廃止する法律案租税特別措置法の一部を改正する法律案、右四案を一括議題として質疑を行います。
  129. 小林政夫

    ○小林政夫君 質疑に入る前に、所得税法の一部改正案のこれは正誤表か何か出ておりますか。この第五条の四ですね、第五条の四の中で、第九条の第二項ということは第三項にならなければならないのじやないか、泉君どうですか。
  130. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御指摘の通り、これは法律案の修正漏れでございます。早速訂正の手続をとります。
  131. 小林政夫

    ○小林政夫君 甚だ私自身としては偶然の機会に発見をしたわけでありますが、前のもうすでに審査終了をした酒税法関係においても相当法案にミスがあり、正誤表において修正をいたしましたが、我々としてはそう、これは自分としては偶然に発見をしたのだけれども、そう一々法文の末まで目を通すわけに行かない、政府のほうで慎重に、少くとも法文の技術的な問題についてミスのあるものを提案するような事態にならないように、どうも最近の法律案は非常に粗漏であるということを痛感をしておるのですが、以後厳重に一つ慎重なる提案をお願いしたい。  もう一点、いろいろこの税法上で今度の修正について相当問題のある点が内容説明等において或いは改正案の要綱等においても、改正趣旨の点を挙げて、以下は条文整理というように簡単に扱つておりながら、その実内容的には相当重要なものがあるわけです。一々目を通して見ると、例えば今問題になつておるこの第三条の二、或いはそれに関連して六十七条の第三項或いはこの匿名組合契約等に基く利益の分配というようなものについては新たに挿入されたものであつて、相当重要な審議の対象になつておるわけであります。そういうことが提案理由の説明だとか、或いは又いういう点を改正いたしました、改正したいと思いますという提案の中に漏れておるということは、政府の提案、我々の審議を求める態度としては、それは読めばわかる、自分で問題点を探して来いというようなことなのでしようけれども、甚だ不親切な提案の仕方であると思いますが、如何でしよう。
  132. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御指摘の第三条の二、それから第六十七条の二、及び第六十七条の第三項の追加規定、それから匿名組合の源泉徴収の関係に関しまする規定につきましては、私どもはまあ規定の整備ということと考えておるわけでございますが、この点につきましては提案理由を、読上げる提案理由の中には詳細には申上げてないのでございますが、そのあとで内容説明を申上げました際に詳しく申上げたのでございますが、あいにく小林委員は御欠席であつたのではないかと思いますが、私としましては、内容は詳しく申上げてあるのであります。
  133. 小林政夫

    ○小林政夫君 三条の二、六十七条の第三項関係については一応触れられたようだが、匿名組合契約等に基く利益の分配の問題については触れてないのです、あなたの内容説明には。
  134. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 申上げたはずですがね。
  135. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあ、いずれにしても、最初からただ法規その他税法の規定について必要な整備を図るものという中には入りにくい事柄で、一応要綱等には挙げて置いて頂くのが親切な提案の仕方だと考えますから、以後そういうふうに、成るべく問題点は一応この点とこの点とを我々は十分調べればいいというふうなことで、審議の促進にもなるし、そういうふうな提案の仕方に願いたいと思います。  それでは今の匿名組合契約等に基く利益の分配、この点の第一条第二項第三号、それから第一条第四項、第四十二条第三項、第六十一条第一項第六号、こういうところがそれに関係したことと思いますが、もう一度ただ条文だけの説明でなしに、なぜこういう規定を新らしく入れたかというニュアンス等を含めての説明を願います。
  136. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御説明申上げます。匿名組合契約と申しますのは、御承知のように商法の規定によりまして、営業主に対しまして匿名組合員出資をいたしまして、その営業主から利益の分配を受けるということになつておるのでございます。で、これに対しまする課税の制度といたしましては、一応法人格のない単なる商法上の契約に基いてできておるものでございますから、本来所得税及び法人税の建前からいたしますると、営業主でありまするものに課税するということになるわけでございますが、その利益の分配額を、それでは営業主が支払つたのであるから、営業主のほうの所得に一計算して課税すべきなのか、或いは営業主のほうからは損金と見るべきなのかという点が問題になるわけであります。従来匿名組合といたしましては我が国に例が実は余りなかつたのであります。ところが最近御承知のように保全経済会でありますとか、或いは仏教経済会でありますとかというような形をとりまして、これは必ずしも商法にいわゆる営業主というものでございませんで、若干商法の規定によります匿名組合というには至らないきらいがあるのでございますが、併しともかくも承認した営業主ではありませんけれども、一定の事業を行いますものに対しまして出資をいたしまして、それから利益の分配を受けるという形のものがいろいろできてきておるのであります。そこでそれに対する課税をどうするかということをいろいろ検討を加えて来ておつたのでありますが、現在までの研究の段階におきましては、やはり一応の出資をして、それに対して利益を分配するといたしましても、それは法人としての性格を持つておるものではありませんから、個人として見なければならない。個人としますれば、やはり一応借入金に対する利子と同様にそれは損金に見て、営業主なり或いは事業主のほうでは課税できないのではないか。とすれば、出資をして利益を受取つたものに対して課税しなければならないわけであります。ところが御承知のように、保全経済会であるとか、或いは仏教経済会であるとかというような場合におきましては、そのほかの匿名組合的な金融組合を中心としまして、それに出資いたしておりますものの名称は、本来営業主或いは事業主であるものに対してはわかつているはずなのでありますが、現在の税務の実情におきましては、それを一々追及することが困難なのであります。そこで実際申告納税によつて課税いたしますといたしましても、なかなか実行できない。そこで今回は源泉徴収ということによりましてやつてつたらどうか。そして源泉徴収すべきものを、その徴収義務に違反しますと、源泉徴収義務者に対して強制徴収の規定を適用してやつてつたらどうかというふうに考えたのであります。勿論私が以上申上げましたのは、必ずしも保全経済会であるとか、或いは仏教経済会であるというものが直ちに匿名組合契約であるか、或いは、匿名組合契約類似のものであるかということにつきましては、まだ断定が加わつておらないのでありますけれども、そういうふうな断定が仮にされました場合におきましても、そういう組合から利益の分配を出資者に対していたします際には、利子の所得と同様に源泉徴収したらよくはないかというふうに考えまして、今度源泉徴収の規定をおく。源泉徴収の規定をおきますと同様に、その納税義務者たる出資者には、所得税法上のいわゆる無制限納税義務者ばかりでなく、制限納税義務者、つまり日本に居所を有しておりますけれども、まだその居所が一年に達しない、或いは日本に居所、住所を有しないものが出資をすることもあり得るわけでございます。そういつた場合におきましても、源泉徴収によつて課税するならば、その所得は日本から生じた所得でありますから、当然課税することができますし、又課税すべきものということになりますので、所得税法の一条の二項におきまして無制限納税義務者に対して課税する所得の範囲に匿名組合契約又はこれに類似する契約に基いて利益の分配をするときに、制限納税義務者が受けるときでもその利益の分配に対して課税する、こういう趣旨規定を設けたのでございます。
  137. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の経済保全会だとか、そういう類似のものについては相当問題があるわけですが、こういう特に条文を設けるということについては、まだ今の説明ではそういつたものが、匿名組合契約その他或いはそれに準ずるものに該当するかどうかということがきまらないということでありますが、そういうものを或る程度税法の面から取締つて行こう、二)いう意図で出されたものと解していいのかどうか。そういうことであれば銀行局等とも打合せて考えられた提案であるかどうか。
  138. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) この規定は勿論銀行局とは打合せておりますが、何も税の建前或いは税制の面からいたしまして、ああいつた形式のものを取締るというつもりでおるわけではないのでございまして、先ほど申上げましたように、そういう形式をとりまして利益の分配を受けました場合に、本当は申告納税をすべき建前なのでありますが、申告納税によりまして実務上課税ができませんので、止むを得ず申告納税よりは源泉徴収という形に持つてつたほうが課税ができる。所得が生じておりますことは事実でありますから、その課税の仕方をどうするかというだけの問題でございまして、これによつてああいつた形式のものを取締るどうこうというような考えは別段持つておらないのであります。
  139. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、今当嵌るかどうかということははつきり言い切れないということでありますが、それはどういうことですか。
  140. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは或いは銀行局のほうからお答えして頂くほうがいいのかとも思うのでありますが、現在保全経済会、或いは仏教経済会乃至はそれらに類似するものにつきまして、法律上如何なる性格のものであるかということにつきまして、必ずしも政府部内の見解が一致いたさないのでございます。この点につきましては、匿名組合或いはこれらに類似する形式のものであるという一つの見方と、それから信託の見方と、それからいわゆる貸金業法違反のものであるというふうに見るものと、およそ大きく分けまして三つぐらいに分けられるかと思うのでございますが、現在法務府のほうにおかれまして、いろいろ検討を重ねておられますが、まだその結論は出ておらないように聞いております。
  141. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、一応この問題に関連して銀行局の出席を要求しておきます。そうすると、そういうふうに政府部内の意見が一致しておらないということであると、こういう法文を設けて経済保全会等に対する課税の場合、現在あるものは一体この法律の、改正法律の施行までには政府の態度を一致というか、態度をはつきりするつもりであるかどうか。
  142. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) それまでには当然はつきりさせなければなりませんが、この前一応発表されたかと思うのでございますが、現在国税庁のほうにおきましては、現在の保全経済会、そのほかのものは別といたしまして、保全経済会自体につきましては、あれは個人の事業であるといたしまして課税するということに態度をきめております。
  143. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから今の問題は一応銀行局の見解を聞いて更に質疑をすることがあると思いますので、保留しておきます。  六十七条の二と、それから六十七条の第三項、一応もう一遍重ねて、今一括して説明があつたわけですが、一応今のこの匿名組合契約等に基く利益分配に関する、まあ私が調べたところによると、今度新らしく挿入されておる関係・条文は第一条の第二項の第三号、それから第一条の第四項、第二条第四号、第四十二条の三項、第六十一条第一項の第六号、こういうふうになつておるんですが、一応逐条的に説明して下さい。
  144. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 所得税法の第一条の第二項の第三号におきまして、今申上げましたように、匿名組合契約及びこれに準ずる契約で命令で定めるものによる利益の分配を受けるときというのを追加いたしましたのは仮に制限納税義務者がそういつた利益分配を受ける場合におきましても、これに対して日本から生じた所得の源泉でありますから課税をするという建前規定しておるのでございます。それから一条の四項の規定は、これは法人がそういつた匿名組合の利益の分配を受けるときにおきましてこれに課税する。四項のほうはいわゆる日本法人でございまして、日本に本店又は主たる事務所を有する法人の場合でございます。それから別段今回改正になつておりませんが、五項におきまして、いわゆる外国法人、日本に本店又は主たる事務所を有しない法人につきまして、やはりそういつた利益の分配を受けるとき課税をするというのは、現在第二項第二号乃至第四号というのが規定されておりまして、その中に三号が入りますので、三号のほうを改正しますと、当然そのほうに入つて来るということになるのでございます。それからその次は御指摘がありませんでしたが、第十七条におきまして制限納税義務者に対する税率の規定があるわけでありまして、御承知のように制限納税義務者を個人に対しましては税率は二〇%、源泉徴収の税率の二〇%にとどめるという規定が第十七条にあるわけでございます。その中に「第一条第二項の規定に該当する個人の同項第二号に規定する所得、」というふうになつておりまして、その三号のほうの改正規定がそのまま十七条のほうの規定に働くということになるのでございます。それから十八条の規定でやはり一条四項の日本法人が匿名組合契約に基く利益の分配を受けるときは二〇%の税率で課税をする、所得税を課税するということになる、これも所得税の源泉徴収になるわけであります。それから先ほどお話のありましたように四十三条でございますが、その前に実は四十一条におきまして、四十一条の第一項におきまして、「この法律の施行地において第十七条若しくは第十八条に規定する所得につき支払をなす者又はこの法律の施行地において第一条第二項第一号の規定に該当する個人に対して同項第六号乃至第八号に規定する所得若しくは同条第五項第二号に掲げる所得につき支払をなす者」ということで、今申上げました十七条、第十八条の規定に該当する所得につきまして支払をする場合には二〇%の源泉徴収をしなければならないということになつております。それからやはり四十一条の二項におきまして「第一条第二項の規定に該当する個人の同項第二号乃至第八号若しくは同条第五項第二号に掲げる所得又は同項の規定に該当する法人の同項に規定する所得につきこの法律の施行地外において支払がなされる」、つまり匿名組合契約なんかについて支払地を日本以外の地に定めた場合におきましても、やはり源泉徴収の二〇%というものをその支払者の日本国内にある営業上の管理の責任者などが源泉徴収をしなければならないという規定があります。やはりその規定が適用になるわけであります。それからお話のありましたように四十二条の三項のほうにおきまして、無制限の納税義務者に対しまして、匿名組合契約或いはこれに準ずる契約の利益の分配をするときに源泉徴収しなければならないという規定があるわけであります。同時にその徴収すべきものを徴収しなかつた場合におきましては、強制徴収の適用があるということが、四十三条のほうに規定があるわけであります。それからあとお話がありました六十一条の第一項の第六号におきまして、匿名組合契約に基く利益の分配をなす者は支払調書を提出しなければならない、こういうふうな法律関係になつております。
  145. 小林政夫

    ○小林政夫君 もう一回聞きますが、これにまあかかろうかと、まだはつきりしてないが、これに該当しようかとあなたのほうで予想されているのは、今現在日本で事例の起つているのは、例えば保全経済会とか、株主相互とか、それを一遍挙げてみて下さい。
  146. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話のように現在起つているものに対して課税するわけでございますが、将来匿名組合契約或いはこれに類似する契約によりまして利益の分配をする形式のものが現在のもの以外でできました場合におきましても、勿論それは適用になるわけでございます。
  147. 小林政夫

    ○小林政夫君 いや、そういうわけじやないのです。それはまあ当然なんですが、現在現われているものなんですね、まだあなたのほうは先ほどのお話のようにはつきり態度はきまらないが、大体こういうところが該当するかも知れないということ、この通りのものであつたら該当するのだということだが、一応この法律の網にかかるものとして、保全経済会だとか、或いはいろいろありますね、株主相互、一応今名の上つているものとして、どういうものが該当しそうだと思われているかということです。
  148. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) それは先ほど申上げましたように、保全経済会或いは仏教経済会、そのほか詳しく御承知だと思いますが、八十有余のそういつた形式をとりましたものがあるわけでございます。このほかのものといたしましては、現在のところ宇部にそういう匿名契約のものがあるのではないかといつた話があるのでありますが、その組合契約の写しを拝見いたしますと、どうも匿名組合契約ではなくて、民法上のいわゆる組合というように見えますので、これには適用できない。従つて先ほどお話にありましたように、保全経済会及びこれに類似するものに適用するということになると思います。
  149. 小林政夫

    ○小林政夫君 他の株主相互金融の優待というか、こういうようなものはどうなりますか。
  150. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 株主相互金融の優待権というものに対しましては、これは株主相互金融というものの実態が非常に不明確なのでございまして、この検討を十分いたさなければならないのでございますが、現在のところ、この株主に対する優待につきましては、配当として課税するということでやつて行きたいというふうに考えております。
  151. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、更に銀行局長に一応今のようなものについての最近の状況等を聞いて、この点について質疑をしたいと思います。
  152. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) 今すぐ来られるそうです。
  153. 小林政夫

    ○小林政夫君 前の六十七条の三項に「当該所長等の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがある場合について、」とありますね。これの主体、私がかねてから論議しておる個人と法人とどう違うかというようないろいろ問題がありますが、この具体的な事例ですね。それを聞きたい。
  154. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは現在同族会社の行為又は計算の容認規定と同様になつておるわけでございますが、従いまして同族会社の行為、計算でそれを準用した場合に基いて、その株主に対する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合に、その行為、計算にかかわらず政府の認めるところによつて課税するということと同じようになるわけでございますか、例えて申上げますと、この場合は法人で、その法人の事業所か三つ以上でありまして、その営業所の二分の一以上に当る営業所の所長、主任等と、それからその法人との間におきまして、例えばその所長、主任等がまあ法人に出資をいたします。その出資をいたします場合におきまして、不当に低い価格でそれを買取つて、そうして個人に金は少ししかやらない。実際はもつとたくさんの金をやるべきであるというような場合におきまして、不当に安い出資をさせる。本来ならば適正な時価で評価してやるべきものを非常に低い出資をさせる。或いはその営業所の主任等が持つている資産を不当に安い価格で法人に買取つたことにいたします。例えば営業所の主任などが山林を持つているといたしまして、その山林を時価で買取りますればいいのでございますが、そうでなしに、非常に安い価格で買取つたということにいたしますと、本来ならばその個人にこの山林につきまして譲渡所得が発生することになるべき筋合のものでありますが、ところが非常に安い価格でありますと譲渡所得は発生しないということになるわけでございます。そういう行為或いは計算をいたします場合におきまして、その営業所の主任、所長等に対する課税が適当に行われないという場合におきましては、法人の行為、計算の如何にかかわらず、その山林の伐採或いは譲渡所得というものを適正に評価いたしまして、その評価額に基いて課税を行うということにして行く、まあそのほかいろいろ事例が挙げられると思いますが、若し御必要がございますれば、具体的な事例はいろいろあとで資料を提出いたしても結構だと思います。
  155. 小林政夫

    ○小林政夫君 一つその具体的な事例を文書で書いて出して下さい。それから今度第六十七条の二ですが、こういう規定を置く必要が生じた具体的な事例をお話して下さい。若し話をするのに秘密会にしてくれということなら秘密会にしてもよろしいと思います。
  156. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) まあ秘密会にして頂いたほうがいいと思いますが。
  157. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) 速記止めて下さい。    午後二時三十九分速記中止    ―――――・―――――    午後四時十分速記開始
  158. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) 速記を始めて下さい。
  159. 小林政夫

    ○小林政夫君 今度税法で匿名組合等の利益の分配ということを、源泉徴収できるようにしようということについて、一体どこを狙つておるんだという話になりまして、今華々しくデヴユーしている保善経済会だとか、或いは鈍行経済会だとか、株主相互金融というようなものも、まだ部内においては的確にこの匿名組合品等の利益の分配ということの適用ができるかどうかということは定まつておらないということでありますが、一応こういつたものについての銀行局の見解をお聞かせ願いたい。それとなお、どういう一体組織でやつているのか、まいろいろ新聞等には出ておりますけれども、保善経済会だとか、銀行経済会だとか、株主相互金融などというのはどういうふうにやつておるのか、それも知らないのです。そういうところから一つ講義をしてもらうかたがた、あなたのほうの見解を聞かして頂きたいと思います。
  160. 河野通一

    政府委員(河野通一君) お尋ねの点は、従来から非常に問題になつております貸金業者、或いはそれに準ずるような金融法規との関係においているいる問題のある業態についての問題であります。大体大きく分けますと、金融法規との関係で問題になりますのは、先ず第一に、典型的な貸金業者、これはまあ貸金業の取締に関する法規で取締られているわけであります。その貸金業者の中に株主相互金融という一つの形態があります。それからこれは貸金業者でないのでありますが、今御指摘のありました匿名組合方式による不特定の多数の人々から出資の形で資金を集めておる形態がある。それから更に物品の割賦販売という形式をとりながら、事実上物品を渡さないで、金を渡す、従つて一種の、これを見ますると、積金をして行く、掛金をして行く、それを集めて一定の額に来たら寄附の形をとるか、或いは預金を返すという、そういつたような形、それから更に事業協同組合品、これは出資は受入れることができるし、而も加入、脱退が自由であるという原則から、出資の形式をとつて、事実上預金にまぎらわしいような資金の集め方をしている。その他にも類似のやり方はたくさんあるのですが、大きく分けますと、いろいろ金融法規との問題になりますのは、今申しましたような形態が大体大きな類型であります。そのうちでも一番問題になりますのは、今御指摘のありました株主相互金融の方式の匿名組合の方式であります。一昨日ですか、衆議院の大蔵委員会のほうにおきまして、実は政府といたしましてのこれらの問題について長い間、一年半に亙つて二の問題を検討いたして参りました結果、大蔵省だけでなく、政府関係各省の間に意見の一致を見まして、政府としてのこれらの問題に対する態度の概要につきまして御説明申上げたのであります。その一環として、只今お尋ねの株主相互金融及び匿名組合方式による資金の受入れ方式というものについて、先ずどういうことをやつているのかを先に申上げて、それに対する私どもの見解を申上げたいと思います。お断りいたしておきますが、今ここで所得税法の問題として問題になつておりまする源泉徴収の問題は、いわゆる株主相互金融の方式には関係のない匿名組合方式によるものに適用があるかないかでありまして、この二つの間には経済的には非常に似たところがありますが、形式は違うということを先ず申上げておきます。  株主相互金融は、一概に株主相互金融方式と申上げましても、これが又実に千差万別であります。従つてこの株主相互金融方式なるものはこうであるということは言い得ません。言えませんが、先ずいろいろ共通した要素を取上げて見ますると、おおむねまあ一種の典型的な方式というのは、こういうものであろうということは申上げられます。これはどういうことをやるかというと、資金を公衆から集めますのは、先ず株を募集する形で集める。例えば百万円なら百万円の株式会社を先ず作る。その程度の金は役員個人なりが集めて、その程度の金は調達して来る。そうして帳簿上の要求いたしておる手続を踏んで、百万円の株式会社を作る。そうしてその株を役員が引受けるのです。役員はその株を基本的には大体持つておりますが、    〔理事伊藤保平君退席、委員長着席〕  最近商法の改正によりまして、授権資本の制度ができまして、増資をいたします場合に必ずしも株主総会を開く必要がない。取締役会で決議をすればその授権資本の範囲では株券をどんどん売つて行ける。この仕組を利用いたしまして、先ず百万円の資本金の株式会社を増資をいたしまして、これを例えば更に百万円を増資する。その株を先ず役員が引受ける。そうしてその引受けた株を加入者、本当の意味の加入者たる人々にそれを売るわけです。そうするとその株を引受けた加入者はその際において現金を払込まない。払込まないで、その株式会社が、非常に複雑になつて恐縮でありますが、株式会社がその加入者の株を買取る代金を融資をする、帳簿上だけです。そうしてその融資をして、その金は加入者には入らない。その株を、売つたその会社の役員に入ることになる。非常に複雑ですが、そういう形式をとる。そうして加入者はその会社からそのとき金を日賦なり月賦なり、或いは十日ごとの割賦で返済をして行く。五千円なら五千円の株式を一日百円ずつ日賦で納めて行けば五十日で五千円を納める。そうするとその人は実質上そこで初めて正規の株主になるのです。形式上は株を買取つたときにすでになつておる。五千円を払込んで株主になりますと、その三倍まで金を貸してやる。或いは若し借りたくない人ならば株主の優待金として月に相当高い程度の配当をする。月三分もありますし、月三分もありますが、そういつた場合配当をするという形式で、非常に複雑でありますが、それを極く簡単に申上げたわけであります。これらの形式が、いろんな形で商法違反になるかならんかというところに問題がある。この手続の段階において、或いは利益配当に関する総会の決議がなければ利益配当をしてはいけないとか、或いは蛸配を禁止しておる商法の規定とか、これらの規定に反するか反しないかの問題はたくさんあります。併しそれらを仮に合法的にやつておる。又御承知のように証券取引法で証券の関係のいろいろな規定があるわけですが、これらの規定に反しておるものもたくさんあるのであるけれども、仮にこれらの手続を全部適法に行なつてつたものがあるとした場合、然らばそれはそういう形で資金の受入れ方式は一体預金であるか、銀行法に言つておる預金、或いは株式取締法に言つておる預金に該当するか、これがこの問題の一番大きな点であります。この問題は非常にむずかしい問題でありまして、言葉は非常に悪いのですが、この前も実は衆議院で申上げたのですが、紙一重の点がある。結論がなかなかむずかしかつたのでありますが、長い間の研究の結果、これは金融業法に言つておる預金、或いは預金に準ずる資金の受入れ方式ではないとは言いがたい。従つてこれは出資である株式を引受けた、従いまして普通の事業会社の株を個人が持たれると同じである。ただそれが、その事業会社が貸金業をやつておるというだけのことであつて、そうして会社の株を持つ場合と何ら差異はない。ただこの場合において、地方におきましては或いはそれらの事情のよくわからない方がある。ミス・リードのような広告等をしたために、利子の高い預金だぐらいに思つて、これに加入された方々がないとは言えない。併しそれは飽くまで預金をされたのじやない。その元本についての危険を負担した株式を取得されたのだということをはつきりしなきやならん。今後におきまして、これははつきりしなければならん。この方法はなかなかむずかしいのでありますが、私どもできる限りの力を尽しまして啓蒙をいたして参りたい。事実をはつきりしたい。預金者が与えられておるいろいろな金融法規上の保護は与えられておりませんということを、この際はつきりする必要があるという観点に立つておるのであります。ただ、今申上げましたのは、冒頭にお断り申上げましたように、典型的な形のものであります。実際のやり方は千差万別でありまして、株主相互金融の今申上げましたような典型的な形に加えて、明らかに預金を取つておると認められるやり方であり、それは例えば株式代金の代り金といつたような形に借受金といいますか、或いは不特定多数の人から借入金をする、借入金の名目で預つておる。或いは短資証券といつたような名目の証券がございます。これは私のほうにおきましてはそのすべてが預金であるとまでは言い切るわけには行きませんが、これらにつきましては、今後、今申上げましたような一線をはつきり画しまして、金融業法に違反する行為は厳重に取締つて頂きたい、かように考えておる次第であります。  それからなお、株主金融についての御質問にお答え申上げたいと思いますが、匿名組合方式というのがあります。これも株主相互金融と同じように非常に無理な形が実はある。これは御承知かと思いますが、その事業をやつておりまする事業目的というものは、主として証券に投資する、或いは不動産に投資するというのが大部分であります。併し一部には貸金利をやつているのもあるように聞いておりますが、実は遺憾ながら私どものほうで届出を受けていないようなわけで、的確な事実を把握することはできない。仮にこれらの業者が証券投資或いは不動産に対する投資だけをやつておりますれば貸金業者ではない。従つてこれを私どもは監督する、取締をする実は権限を持つておりません。検査もできません。ただ問題はそういう形で、匿名組合に対する出資の形で資金を集める方式が、一体金融業法に言つている預金であるかどうか。株主相互金融と同じ意味におきまして問題があるわけです。この点も長い問実は検討いたしましたが、結論といたしましては、商法に言つている匿名組合方式というものでないとは言い切れない。この匿名組合方式による資金の集め方、従つてこれは預金或いは預金に準ずる資金の受入れ方式ではない、こういう結論に到達いたしたわけであります。併しながらこれも株主相互金融と同じように、無理な形で実はあるようでありまして、その中で更に預金の受入れと断ぜざるを得ないようなものも出て来るかと思います。そういたしました場合には、金融業法違反として厳に取締つて行く、こういつた形でこの二つの問題を考えております。その裏にある大きな考え方はどこにあるかという点は、私どもはやはり日本の今の経済の現状から見まして、貸金業という制度が正規の金融機関以外に存在をする必然的な理由はある。併し貸金業というのは自分の金、自己資金或いは特定少数の数人の知人から金を借りて来ることがある。そういう特定少数の人からの借入金、これも自己資金に準じておりますが、自己資金をもとにして貸金業をやる限りにおいて許される。一般公衆から預金を取つて貸金業をやるということは、正規の金融機関でなければいけない。そういう意味ではつきり割切つてこの問題を取扱いたい。そうして株主相互金融について申上げましたように、その株主となつたいわゆる加入者の利益が、その会社が仮にうまく行かなかつたために非常に迷惑をかけるという場合におきましては、それは言葉は非常に悪いのですが、泡沫会社の株をつかまされた、知らないでいろいろな等とかいろいろなことで元も子もなくしたという場合と同じことである、法律的には。それは個人的にはお気の毒であるけれども、それに対して政府は泡沫会社の株を引受けて、それによつて損した方を保護するような施策が制度としてあり得るかというと、現在のところはない。それと何ら異ならないものであるということだけはこの際はつきりしておかなければならんというふうに私どもは考えている次第であります。  なお御説明の足りません点は御質問によつてお答えいたしたいと思います。
  161. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、先ほどの泉税制第一課長説明だと、今お話の株主相互金融の優待金は配当として見ると、こういうことでしたね、そうですが。  それから銀行局長にお尋ねいたしますが、こういうことで、今の株主相互金融をやる株式会社というものは、賞の株式会社として扱つて株主なら株主だけの責任を持たす、そうすると現有行われている株式会社は、名義書換その他商法所定の手続ですね、こういうことは合法的にやつているわけですか。税務当局からみても明かに御方針として、ちやんと見えるような状態になつているのか、どうか。
  162. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 株主相互金融の問題でありますが、私から便宜お答え申上げます。先ほど来申上げましたようにいろいろな商法なり、或いは証券取引法なり、これらに規定いたしておりまする規定、或いは刑法、極端なことを言えば詐欺罪等の起訴が成立つようなものもあり得るわけであります。これらの規定違反をいたしておるものが少からずあるということが言えると思います。併しこれは具体的に調査をいたしてみなければ何とも言えない。典型的な場合においては、ちやんと商法の適法な手続、証券取引法上の手続なり、或いは帳簿の整備、これらはちやんとできております。そうして総会にかけなければならんことはちやんとかけております。取締役会の決議を経るものはちやんと経る、こういつたような手続を踏んでおるものがあるようであります。これらについての問題としてお考え願いたいのでありまして、別に商法違反をしておりますとか、或いは証券取引法に違反しておりますものは、それぞれの理由によつて取締られるのであります。違反として取締られる。併しそれは取締られても株式会社としての税の取扱の点は、泉君から又お話申上げると思いますが、実体或いはその株式代金というものが利益配当である、利益の処分であるという実体には、私影響ないと考えております。それが仮に商法違反であつても、手続法の違反であつても、それは実体には変りない。匿名組合の問題も先ほどございましたが、やはり同じ事情でありまして、先ほど保全経済会ということの具体的な固有名詞を小林さん言われたのでありますが、私はそういつた固有名詞についてはかれこれ申上げることは差控えたいと思います。匿名組合の中にもいろいろございます。この所得税法に言つております、今度の改正案に載つておりますこの規定の条項が適用されるかどうかは、これから十分調べてみなければいかん。これは税務当局で十分調べられた上でその規定を適用するだけの実質があるかないかを個々に当つて頂くより仕方がない。私先ほど申上げましたのは、個々の何々金融会社がどうだという問題でありまして、これらの点につきましても実体は私どもは更に十分に究めなければならん。その場合においては或いは金融法規違反の事実がないとも言えない。併し典型的なものは、今申上げましたように金融法規違反とはなりがたい、こういうことでございます。
  163. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると優待金のほうですね、株主相互金融の優待金のほうは普通の株式会社のように半年決算をして、そのときに配当をするという形ではないわけです、随時出しておる。そうするとそれを税務署のほうで配当金と見るという場合においてはどういうことになりますか。
  164. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御承知のように配当が事業年度ごとにそれぞれの株主に対しまして一定比率で収益を分配することになるわけでございまして、お話の株主相互金融という場合におきましては、株主となる時期が実はいろいろ違つおります。そのために本当ならば優待金を配当所得といたしますと、その配当所得が、それぞれ当然の配当金と同じように金額が違つて然るべきものというふうに考えられるのでありますが、そこら辺は実体をもう少し究めてみないと、どういうふうに計算しておるのかわかりかねる点がございますが、併し株式会社という形をとつて貸金業を営んでおる場合に、その株主に対して分配されたものは配当と見る以外には見方がないのであります。従つて通常の観念からいたしますと、均一配当をしなければなりませんものを、均一配当をしておるかも知れないのであります。併しこれは税法の建前としては配当として源泉徴収をしなければならない、この規定を発動して行く方法以外に課税の方法はないというふうに考えられるのでございます。
  165. 小林政夫

    ○小林政夫君 税法上では商法の規定の株式平等の原則に違反しておるかどうかということは問題外として、要するに優待金は配当金だから源泉徴収をしろ、徴収してなければいかん、簡単に言えばこういうことになるわけですか。
  166. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) さようでございます。
  167. 小林政夫

    ○小林政夫君 それから銀行局長に特にお尋ねいたしますが、こういうような匿名組合等に基く利益分配についての今度はつきり条文を挙げて、又株主相互金融の優待金等に対する措置も一応これがきつかけではつきりしたのじやないかと思います。が、こういうことによつてそういつた金融という建前から言つて余り好ましからざる貸金形態が或る程度抑えられるというようにもお考えになりますか、どうですか。
  168. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 私は真に今の商法違反とか、いろいろな違反があれば別でありますが、違反のない限りにおきましては、こういつた形態の貸金策というものがその形態と実質がぴつたり合つておれば私は好ましくない状態と言う必要はないと考えております。従つて私はいろいろな機会に国会議員の方から質問を受けるのでありますが、未だ曾つて不正金融業者であるとか、やみ金融業者といつたようなことを言つたことはありません。それが真に人を惑わすようなことをやつたり、或いは詐欺的な行為で以てそうでないものをそうだと思わせたといつたような行為をいたしますものはこれは別でありますが、真にそういう形態のものとして皆受取るならば、これは自己資本で貨金業をやるということは何ら取締る必要はない。不穏当な好ましくない業態であるということを言う必要はないのであります。ただ、今のお話のように、まままぎらわしいことをやる、例えば大蔵省公認というような看板を使つて、何か大蔵省の免許を受けたような金融機関であるかのような印象を与えるとか、或いは何々金庫というような名前を使つて、正規の金融機関である信用金庫とまぎらわしいような言葉を使う、これらの点によつて公衆を惑わす、つまりそれが正規の金融機関である、預金を受けてもよいような金融機関であるというふうに惑わして、その結果公衆が迷惑を受けるというようなことは、これは好ましくないと存じております。業態自体を静かに考えますれば、これは好ましくないという必要はないと思います。併し一方こういう機関はこういう性質のものであるということを国民の方々によくわかつて頂いて、併せて、私はまだ具体的に研究は進んでおりませんが、今は信用金庫という名目を使わなければよいことになつております、信用金庫法では。併し私はこういつたような種類の業態につきましては、単に金庫という名称を用いさせないというような禁止法律を作るのがよいのじやないか、それが弊害をもたらしておるということは確かに事実のようでありますから、そういつたようなことも考えなければなりません。この点につきましては、いろいろな点で立法技術上検討を要する点があるのであります。今にわかにそういう法律を作る意思がありますというようなことを申上げるわけには行きませんが、そういう点については、私どもとしてはできるだけ公衆を保護する、公衆に実際の姿を明らかにさせるように、つまり惑わすことのないような法律上の措置なり、行政上の措置はできるだけ講じて参りたいと考えております。  なお、こういつた貸金業等に対する政府としての見解がはつきりいたしました結果、税務上の問題もいろいろ泉課長から申上げたようなことになるのでありますが、その結果どうなるかということは、私は関心は持つておりますが、今の見通しはわかりません。関心は持つて十分に今後の推移を見究めたいと考えております。
  169. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあ一応そういうふうに言われるでしようが、この六十一条に「支払調書を政府に提出しなければならない。」と、こうなつておりますが、その支払調書は勿論支払先、利益を受けた人の名前、某に幾らと、こういうことを勿論書くわけですね。
  170. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) さようでございます。勿論そういうことを書くのでございますが、現実にまあ一部のものにしか渡つておりませんから、全部がそうだと言い切るわけに行きませんが、今までのところ調べてみますと、出資者は冨士山の頂上におつて西郷隆盛であるとかいつたような名前のものしか実は出ていないのであります。支払調書だけでは結局申告納税だけの課税はできない。従つてどうしても源泉徴収をやつて行きませんと、適正な課税はできないということになるのです。
  171. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると、入会金のほうも、まああちこちになりますが、入会金のほうも、株主というものは一応は特定されていて、株主自体が今の富士山頂の西郷隆盛とかいうような事例が起つて来るのですね。
  172. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 勿論そういう事例があるわけでございます。
  173. 小林政夫

    ○小林政夫君 例えば匿名組合だとか、いろいろ具体的に保全経済会だとか、或いは株主相互金融をやるその組合自体、又株主相互金融をやる法人自体に対してというか、その利益に対する課税ということは一応遺漏大くできる。併しそれをもらつた個人の総合課税という面から行くと、まだこれでも徹底しないということにはなるわけですね。一応まあこういう金融方式が成立するのは、保全経済会自体も儲かるということもさることながら、大体そこに出して置けば余り相当利廻のいい入会金等をもらつても自分の所得にならないということがあると思うのですね。そうすると、一般の普通の商法、まあ普通の正当な匿名、正当なというと必ずしも適当でないかも知らんが、当り前の事業をやつておる法人の株主と、これはあたかも銀行預金に対して無記名定期をやるのと、それから普通定期預金をやるのとの違いのようなことが出て来るのじやないかと思うのですが、どうですか。
  174. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話のように個人の所得を総合して課税するという建前から行きますれば、単に源泉徴収のみならず、源泉徴収された所得に他の所得と総合課税するということが必要なのであります。ただ法制的に見ますと、この匿名組合形式をとる場合、或いは株主相互金融の形式をとる場合におきましても、税務署に対して提出する支払調書は、先ほど申上げましたように非常にインチキなのでありますが、本人同志は、法律上の建前といたしましては、出資をするのでございますから、本人同志は正確にどこそこの誰それであるということがわかつておるはずなのであります。で、単にわからないというのは、税務署に対してだけ知らせないという形になつておるのであります。従いまして課税に当りましては、勿論源泉徴収だけにとどめるのでなしに、真実にその出資者である、或いは株主であるというものの名前を探究して課税を行うということに勿論努力しなければならんと思つておりますが、今申上げましたような事由で税務署に知らせない、本人だけがわかつておるという形になるのであります。そこで本当からいたしますれば、現在預貯金利子なんかに適用いたしておりますような源泉選択の税率によりまして、総合課税をしないで源泉選択の高い税率で課税して行くということを考えるべきと思われるのでありますが、これは御承知のように現在の選択税率というのは、納税者の申出があつた場合に限つて源泉選択税率にいたしておるのであります。その法制の建前からいたしますと、匿名組合或いはこれに類似するような場合におきまして、源泉選択の税率を申出によつてやると言いましても、それは必ず申出しないにきまつておるのであります。そこでそれでは強制的にやるかということになりますと、今申しました法制の建前から申しますと、当然税務署には知らせないような形になつておるかも知れませんが、営業主或いは事業主と匿名組合員の間におきましては、真正な姓名がわかつておるのでありますから、これに高い普通の源泉徴収税率の二〇%を超える税率によつて課税するということは、どうも法制上困難であるというふうに考えられるのでございます。いろいろ検討いたしましたけれども、現在の段階におきましては一応普通の税率で源泉徴収して、そのあとは真実の姓名を探究することに努めるほかはないというふうに考えられるのでございます。
  175. 小林政夫

    ○小林政夫君 それは併しあれでしよう。自分がもらつたということを知らさないもの、だから一般的にこの匿名組合等による利益の分配とか、或いは株主相互金融の入会金というものは、全部今度は四〇%の源泉徴収をするということになれば、お話のようなことになるかも知れませんが、はつきりと支払先のわからない、会社と匿名組合の間には勿論わかつておることは当然なんですが、税務署のほうに知らせないというものについては選択課税を申告したものとみなすというくらいのことはやつてもよさそうに思うのだけれども、どうですか。
  176. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) それがまあ税務署に知らせないというのじやない。知らせるのは知らせるのでございますが、この知らせるのは実在の場所に実在していない名前で知らせて来るのでありますから、結局その支払調書をもらいまして調べに行きましても、その住所にはその該当者は住んでおらない。確かに名前はその人の名前であるかも知れませんが、住所は違つた人の住所を使うというような形をとるのでありまして、そこで果してそれがインチキなのか、或いは前にそこにその住所があつたのか、何しろ配当のときから調査して課税いたしますまでの間に期間があるものでございますから、非常に困難なのであります。併しそれを一々追及して行きますれば、真実の所得者が誰であるかということがわかるべきはずのもので、お話のように源泉選択の税率を選択したとみなすのだという規定をいろいろ検討いたしたいと思いますが、現在の法制の建前としてはなかなかむずかしいのじやないかというふうに考えております。
  177. 小林政夫

    ○小林政夫君 そうすると一応税務署に届出ておるから、まあそこまでやるかやらんかは別として、建前としては、届出で言つて来たことと違つておるということになつて来たら、又帰つて支払調書を出して見て、先に行つてお前嘘を言つておるじやないか、本当の者は誰だということを聞き返して正当な受領者を探し出す途は開かれておる、こういうことですね。
  178. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) さようでございます。お尋ねのようにやつて行くことになるわけであります。ただそれが非常に手数がかかるという点は止むを得ないと思つておりま参す。
  179. 小林政夫

    ○小林政夫君 それじや私はまあこの点についてはいいです。
  180. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 実は今銀行局長は非常に金融界に及ぼす影響を考えての慎重な答弁をしておられるのだが、国警長官が新聞談話等で、不正金融を取締るとか何とか、厳重に取締る云々という談話を発表しておられるのですね。その結果、今小林君の言つていた匿名組合、株主相互金融ですか、そこらで東京を中心に埼玉、それからこの近くで盛んにこれは大変だというわけで取付け騒ぎといつては語弊がありますが、解約の申込が盛んに起つて来ておる。これは書いてある数字はよくわかりませんが、どうも八億ぐらいに及んでいるんじやないかというようなことを言つているんですが、あんたのほうでそういう情報が入つているかどうか。そうするとこれは又及ぼす……どこの相当な銀行、門戸を張つておりましても、さあそういうふうな状態で取付け騒ぎが起りますと、これは非常な危機に瀕するのではないか。ましてや今もあんたも言われましたように、多少法律違反するかどうかということについては、それは疑問があるけれども、まだ完全なもの、基礎の固まつたものとは言えないということは、これは認めなければならない。そういう所へそういう事態が発生しますと怪我人がたくさん出るということになる。どうぞそういうのを軌道に乗せるとか、或いは非常にいいものに仕上げるといいますか、法律に合致したように、国民一般に迷惑を及ぼさないようにするには、一遍の荒療治ということは私は危険があると思うんですが、その点についてお尋ねしたいのは、先ほど申上げました八億ぐらいのような問題が起きている、そうして非常に恐慌を来たしているということを聞いたんですが、これはまあ私らも調査しようと思つたつてできない。銀行局のほうでそういう情報が入つておるかどうか、それからその影響が報告されておるかどうか、あんたのほうで調査されておる範囲内において、わかつておる範囲内において、若し速記が工合が悪ければ削つてもよろしうございますから、一つ御答弁を願いたい。
  181. 河野通一

    政府委員(河野通一君) 一昨日から昨日にかけて政府当局としてこの問題についているくな形でまあ見解、態度を表明したのでございます。その後のこれに対する影響は私どもどういう影響が出るかということについて注視はいたしております。今まで私ども見ましたところでは、政府部内からこういう点で非常に具体的にまあ取付け騒ぎが起つておるというようなことは聞いておりません。ただ、何か政府としてはあれだけはつきり態度を表明したのであるから、どういうふうな何か怒られるのではないかというような、まあ言葉は非常に悪いでしようけれども、不安といいますか、そういつた空気が一部にあるということはちよつと聞いておりますが、具体的に株主相互金融会社なら株主相互金融会社の窓口に殺到してまあ取付け的な状態が起つておるということは目下のところでは聞いておりません。それでただここで問題になりますのは、国警長官の言つた不正金融という言葉の意味も、その意味するところとは私ども全く同意見なのであつて、不正金融は厳重に取締らなければならない、これははつきりしておる。ただ不正なる金融とは何であるかということを先ず言わないでやりますと、不正でない金融まで不正だと思われる虞れもありますから、私はその点は慎重に、むしろ余り慎重過ぎるという批評まで受けて私は答弁をいたしておるのでありますが、不正なる金融はこれは絶対に取締る。これは何といつて取締る。問題は不正という言葉を以て正当なる貸金業者までいけないという印象を与えることはこれはいけない。こういう意味で慎重に発言をしなければならない、こう考えております。
  182. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 もう一点だけ、あとでこれはどう持つて行くかという問題についてはいろいろ意見もありますので、これは又機会を改めてお聞きをすることにいたしますけれども、影響は今のところはないというお話でございますが、そこでこういうものが生まれて来た必然性と申しますか、必要性を考えて、そうしてこれに対する対処をしてもらわんと、その根源を一つ衝くように、まあ銀行局のほうにおいては十分考えて、これは必要あつてできて来た、そういう工合に繁昌するにおいては、どこにあるかというようなことはいろいろ見方がありましようけれども、やはりそういうことになると、正規の金融機関のサービス、中小企業に対するサービスの面において欠くるところがあつたんじやないか。又銀行業者から言わせると、預金者の保護が大事だ、こういうふうに表面はなるんですが、中小企業者のほうから言わせると、大企業中心主義に陥つてしまつたからだんだんこういうことになつたんだ、こういうふうに水掛論になると思うんですが、その点を勘案されて一つ御処置願いたいと思うんですが、こういう点から一つあなたのほうでやはり何らかの対策は講じておられるのか。何とかしなければならんというふうに考えておられるのか。これを一つ
  183. 河野通一

    政府委員(河野通一君) まあこの問題が実は大きい問題でありまして、私どもが結論を出すまでに大変時間を取るものの一つなんで、結論を先に申上げますと、私どもは先ほども小林さんの御質問にお答え申上げたのでありますが、金融制度としては、私どもはこの貸金業者というものの存在の理由はある。併し貸金業者というものの意味は、自分の金を貸す限りにおいてそれは認められる。正規の金融機関としては、中小の金融機関まで入れますると、例えば信用金庫、相互銀行或いは信用組合に至るまで、これは御承知のように一万、二万の金まで貸しております。制度としてはできている。併しこれは先ほどお話のように、預金を預けております預金者の利益というものを考えなければならんから、どうしてもそれが預金者の利益を害するような貸出はできない。これはどうしても私どもは一線として確保しなければならん。併し今お話もありました通り、この問題の判断程度の問題ということにかかると思うのであります。大銀行が大企業に対する金融にのみ重点をおいて、中小企業に対して非常に冷淡だ、こういうお叱りをいろいろな機会に承わつているのであります。私もこれはまさしくそういうことじやいけないということを、大銀行といえども中小の金融に対してもう少し熱意を持たなければいかん。大銀行もこういつた方面へ折角努力はいたしておりますが、おのずから日本全体にある資本が足りないということは、日本の資本という言葉は非常にいろいろお叱りを受ける意味になるかも知れませんが、そういう意味ではなくて、とにかく資金なり資本が非常に日本は足りないんだ、従つて資金を利用する方々に万遍にはどうしても金融がつかないということは、これは否定できないと思う。そういつた意味で正規の金融機関から借りられないと、正規の金融機関はできるだけ中小の金融には努めさせますが、併しなお且つ預金者を保護するという立場から、金融できないものに対しましては、危険は高い。危険は高いが、併し高い金なら貸そう、高い保険料を取つて高い利子でなら金を借しましようという業態は私はあつていい。ただその代り、その場合には、言葉としては非常に悪いのですが、いわゆる高利貸的なものになるのであつて、併しその場合の高利貸的なものは、自分の金を貸すのでありますから、預金者に迷惑をかけることはない。ただ問題は借手の弱味につけ込んで反社会的な高利を取るということはいけない。その意味でいわゆる弱者保護の見地から、過当なる高金利は取締ることが絶対に必要である、こういう考え方に徹しているのでありまして、制度としては、私は、今ある既存の金融機関と、いわゆる貸金業者との間に特別の立法で以て金融機関を制度化しようという議論が実はあるのでありますが、私どもはこれらの点から絶対に反対だ、こういう意見を表明いたしているわけであります。
  184. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 大変恐縮でございますが、先ほどつい小林委員が余り自信を以ておつしやいますものですから、引かかつて間違つた答弁をいたしましたので、訂正さして頂きたいと思います。租税特別措置法の第五条の四の第一項の規定中、九条第二項というのは三項とすべきものではないかというお話がございましたが、これは昭和二十五年分及び昭和二十六年分の所得税につきまして、この本邦通貨以外の通貨で所得を得たものなどに対しまする課税でございますので、昭和二十五年及び昭和二十六年におきましては所得税法第九条第二項でいいのであります。今度その規定所得税法第三項と直しましたけれども、それは直したのは昭和二十八年度分以降の所得税に適用されるのでございますから、依然措置法といたしましては九条二項のままでいいということになりますので、九条三項に訂正すべきものというふうに申上げましたのは間違いでございますので、訂正さして頂きたいと思います。折角どうも、引かかつたような恰好になりまして恐縮でございますが。
  185. 小林政夫

    ○小林政夫君 まあその点は保留しておきますが、先ほどの問題に返しますが、徴税官のほうにこの株主相互金融とか、匿名組合による貸金業者に対して、銀行局のほうでは特別そういうことで検査するということはない。一番実態に触れて行くのは徴税官だと思うのです。そのときに一応徴税するという、その事業体から徴税する、税収を確保するという意味においては、どういう違反をやつていても、商法上の違反をやつていようとどうしようと、とにかく源泉徴収で入ればよいのだという態度で行かれるのか。実態を調べた結果、非常に株主平等の原則にも反し、或いはいろいろな好ましからざる関係法規の違反を犯しておるというような場合に、積極的に徴税当局としてはそれを取上げて株主を保護する、或いは匿名組合に対する加入者、出資者を保護するというような観点を併せてこうやられるかどうか、そういう点はどうですか。
  186. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 徴税当局といたしましては、勿論所得の実情に応じまして、それに対する課税を行うということが使命でありますので、その課税をやるということに全力を尽すわけでございますが、勿論その課税を得ました結果、法律違反の疑いがあるというような面が出て参りますれば、それぞれ相当の監督官庁に対しまして注意を喚起いたしまして、そのほうの権限の発動を促すということは勿論やつて行かなければならんと思いますが、併し税務当局におきましてそういう是正をさせるということは、これは本来の職務でございませんので、そういうことはできないし、又すべきものでもない。当然権限あるものの権限の発動を待つということにすべきものと考えております。
  187. 小林政夫

    ○小林政夫君 その点は当然なんですけれども、銀行局の下請をやるようになるのだが、一応そういう場合にあなたのほうと、銀行局と主税局の打合せというか、銀行局の言われる健全なものは差支えないが、不健全なものについては、ただ税収が確保されたらそれでいいということにして、ほかの点を見逃すのか、積極的に権限のある官庁にこういうことをあれはやつておるぞということを教えて、この権限ある官庁の権力の発動を促すというようなこと、少くともこの点について、ほかの問題もいろいろあるでしようけれども、ほかのケースもあるが、この貸金業をやる者について、そういうような含みもあつてこういうような改正をされているのかということ、この改正の機会にそこまでやろうという肚で、これは政府としてといいますか、特に銀行局と政府と打合せの結果でしようが、そこまで考えておられるか。
  188. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) その点につきましては、従来からもひとり銀行局との間のみならず、税務上法律違反をしておるというような疑いのある場合におきましては、それぞれその監督官庁に十分連絡して適正な法の執行ができるようにという連絡はいたしております。特に銀行局等におきましては同じ省内のことでもありますし、又いろいろ連絡の点もございますので、主税局は勿論、国税庁の間でいろいろ連絡をされておるわけでございます。今後もそれを続けて行きたいということを考えるわけでございます。勿論税務官吏は、御承知のようにその調査当りまして知り得た祕密を他に漏洩してはならないという規定があるのでございますが、今申上げましたような法律違反のものは、特に公益に違反するような面におきましては、この祕密漏洩してはならないという法律の適用を受けないものという考えを持つておりますので、今後もそういう方針でやつて行きたいと思つております。
  189. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは本日はこれにて散会をいたします。    午後五時六分散会