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1953-02-17 第15回国会 参議院 厚生委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十七日(火曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤森 眞治君    理事            大谷 瑩潤君            藤原 道子君            山下 義信君    委員            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            井上なつゑ君            常岡 一郎君            谷口弥三郎君   衆議院議員            亘  四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省医務局清    算指導課長   小沢 辰男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員補欠選任の件 ○医師会歯科医師会及び日本医療団  の解散等に関する法律の一部を改正  する法律案衆議院提出)   —————————————
  2. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは只今から厚生委員会を開きます。  十六日付で厚生委員の異動がございまして、これに伴いまして小委員欠員補充を行いたいと存じます。前例によりまして委員長から指名をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 異議ないと認めます。それでは遺族援護に関する小委員赤松常子君の補欠として堂森芳夫君、深川タマヱ君の補欠として一松定吉君、母子福祉に関する小委員深川タマヱ君の補欠として一松定吉君、以上指名いたします。   —————————————
  4. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 次に医師会歯科医師会及び日本医療団解散等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。御質疑ございませんか……。それではどなたか御質疑がなければ私からちよつとお伺いいたしたいと思いますが、この医療団解散によりましてあとに残余財産ができてこれの処分方法ですね、この法律ではどういうふうにしてどういうところに処分するということが余り明瞭でないのですが、「日本医療団から譲渡された医療機関及びその他の公的医療機関整備」ということになつておりますが、これは一体どういう方法財産処分されるのでしようか。現在のこの清算人処分するようになりますのでしようか。或いは何か一つ委員会のようなものでも設けて、それによつて処分されることになりますのでしようか。その点を一つ
  5. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) この改正日本医療団から委譲を受けました医療機関整備するために清算して残つた財産を使用できるような途を開こうというのが第一の狙いなのでございます。そうしてこの具体的にどの病院にどれだけというようなことは特に考えておらないのでございまして、この医療団から譲り受けたこの医療設備にいろいろと不備な点がございまして、各譲り受けたほうにおきましてこれを整備しなければならない。特に地方公共団体等におきましては、譲り受けたが十分な設備がまだ完備しておらないためにいろいろ不自由しておる、そういうところの実情をまあ一番よく検討のできる立場にある厚生省医務局が、そうした医療設備改善という一貫した方針で今日まで来ておりますものですから、その医務局考え方に大体信頼してそうした配分等については詳しいことはそれに一任したら一番間違いないのではなかろうか、かように考えたのございます。この公正を期するという考え方からして委員会等お話もございましたが、やはり一時的なものでもございますし、そこまで立ち入らんで、厚生大臣の認可を得るというここにキイ・ポイントをおいて配分を公正に取扱うということを信頼しておるわけでございまして、そうした配分の具体的な問題についてはまだ何ら考えておらないのでございます。
  6. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) もう一つ、これで清算はもう全部完了したわけになるのでございますか。まだ清算状態で、そういうふうに医療機関に対してやろうというわけなのでございますか。
  7. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 清算はおおむね完了に近いということを承知しておるのでございます。まだいろいろ係争中のものもありまして事務としては残つておる現在でございます。それらにつきましては詳しいことはその清算のほうを担当されておりまする厚生省から代表されて入つておられる事務担当官がおりますから、そちらのほうから一つ何かについて若しお話願えたら結構じやないかと、かように考えております。
  8. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 小沢課長お尋ねいたします。まだ清算を終らないで、今残余財産の大体の見込がありますが、それを地方に出してやろう、これはやはり清算の過程なんでございますか。清算終つたのでやるというわけなんでございますか。
  9. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私厚生省医療団清算関係指導監督という立場にありますと同時に医療団清算人を兼ねておりますので、医療団清算人としての立場から、一言清算の現況と只今質問の点にお答えを申上げてみたいと思います。  現在の清算のまだ未処理事務と言いますか、そういうものは経営移管をしていないもの、従つて現在やはり医療施設にして運営しておりながら清算をするという医療団特殊性から、現在医療施設として経営中のものが二カ所ございます。これは駐留軍に接収されておりましたものでございますが、まだ返還になつておらないのでございます。一カ所は茨城県にございますがこれは未だ県の引取がきまりませんのでそのまま継続しております。その移管未了のものがあります。  それから財産関係の未処分財産では細かい動産類が主なのでございますがそれと経営はしておりませんけれども建物を接収されたままになつておるものがありまして、そういうふうなものを合せて若干未処理財産がございます。  それから訴訟事件は現在懸案事項として残つておりますものが十一件それから未収入関係でございますが、不動産動産処分をしたものでまだ未収入になつておりますのが若干ございます。その他債務関係といたしまして、昔医療団が資金を得るために発行しました医療債権、これが十口ございますが、償還期限が来ておりませんので、これは返還をしないでまだそのままになつておる。そういつたような類の清算事務の残務でございます。大体の主体は非常に順調に片付いておるのでございます。  で、只今お尋ね清算結了までの一つ事務として、この整備のための処分をするという考えか、或いは全部終つてからかというお尋ねのように承つたのでございますが、本来から言いますと、当然十六条の出資金分配を終りましてそれからやるのが当り前だと思うのでございます。而も出資金分配というのは対内債務でございますので、対外債務の例えば医療債券その他の支払を完了しましてから対外債務たる出資金分配をやりまして、その剰余があつた場合に医療施設のために使うというのが法律の順序だろうと思うのであります。併しながらこの出資金補助金を差引いた残りというはつきりした規定がございまして、各出資者出資額も明瞭でございますので、これだけを別にはつきりと残しておくということはいと容易なことでございますので、同時に出資金分配を全部終らないでも、それからなお対外債務につきましてははつきりと医療債券金額もわかつております。それらのものをきちんと債務関係として除いてはつきりした剰余というものが十分計算できると思うのであります。従いまして地方庁から数年来からの非常な熱望のように承わつておりますので、やはり並行いたしまして実際事務としては進めて参つたほうがいいのではなかろうか、かように考えておるのでございます。この国会法案改正をして頂きましてその途が開かれるということになりましたら、施行後十分よく前の資料その他検討しまして事務を取運んで行くことになるのじやないかというふうに考えております。
  10. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) もう一つお尋ねいたしますが、医療団から譲渡された医療機関には、公的医療機関はここに明確に書いてありますが、民営の医療機関、殊に個人医療機関等も当医療団体のほうへ売つてつて返還されたものが相当あると思うのですが、こういうものに対してもこの残余財産処分するという御方針でございましようか。
  11. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 只今の御質問につきましての提案者としての考えといたしましては、そうした経営者移管によつて取扱をどうするかというという点なのでございますが、現在までは何ら特別の考えがなく、ただ医療団清算によつて生じた残余でありますので日本医療団設立目的に副うということであればいいと、こう考えておるわけであります。具体的には先ほど申しましたようにまあ厚生省医務局の今日まで一貫したそうした日本医療発達のための方針でございますから、これを信頼してやはり任しておくというように考えておる次第であります。
  12. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは小沢課長、そういう私的の医療機関も中に含まれておると解釈してよろしうございましようか。
  13. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 只今提案者のほうから御説明がありましたが、私どもとしては法律改正後は法律趣旨といいますか、正しくそれを実行する側でございますので、お前のほうでどう考えておるかと言われますと、ちよつと只今提案者の御答弁以外には申上げかねると思うのでございますけれども、ただこの条文からいつてどういうふうになるだろうかというようなお問合せとして考えてみますと、この条文医療団から委譲を受けました医療機関及びその他の公的医療機関とございます。これをみますとそういうような設置者移管ということを特別にそれによつてどうこうするようなはつきりした御意思がないように見受けられるのでございまして、要は日本医療団設立目的趣旨に副うように日本医療団清算によつて生じた剰余を使うようにするというふうに私どもとしては拝見いたしたわけでございます。私ども実は地方から、この引受先のほうからいろいろと陳情がありましたときに確かに医療団といたしましても民法公益法人規定が、一般的に公益法人としては必ず財団法人であれば定款に定めた通り残余財産を使う、併し定款に別段定めがないときにはその当初の目的に類似するようなものに使つてよろしいというふうに民法規定がなつております。同時にそれでもなお且つ処分されないようなものがあればそれは国庫に帰属する、こういうように民法の一般の財団法人規定がなつていると思われるのでありますが、それと同じ趣旨であるというふうに今度の改正の御趣旨を承わつておるのでございますが、私どもはそういうふうに拝承しておりますけれども
  14. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) もう一点伺いますが医療団ができました当時、個人病院等相当医療団のほうに買上げられる。ところがたまたま経済の大変動のために相当買上げのときに金はもらつたが、これが封鎖になりましたり或いは貨幣価値が非常に変つたということで、相当個人的に経済的な打撃を受けている場合が相当あるように思うわけであります。こういうようなものに対して、何か少しも面倒をみてやろうとかそういうお考えはございませんでしようか。
  15. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 今の考えかたといたしましては、只今委員長お話でございますと、医療団買受けるときの状態を主にしてのお話のように承りましたが、その点を特に考えてこの法案作つたのではなくて、むしろ医療団から買受けた機関という点を主にして考えたわけでございます。従いまして、医療団に売つたときのそうした個人立場からのものは余りこれ以上は考えておらなかつた次第でございます。
  16. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) もう一点伺いますが、医療団解散に伴うて、個人病院等がそのまま医療団から買受けている場合が相当ある。これが買上当時の価額医療団から譲り受けた当時の価額には相当大きな開きができておる。この差額が今日のこの残余財産に大部分がなつているのではないか。そうしますと、時価変動というものがありますが、先ほど申上げましたように経済変動によつて相当個人的に打撃を受けておる。それが買受買受けたのですが、相当に苦しい立場におかれたので、こういうようなものに対して残余財産ができた場合には何とか面倒をみてやるというような考えはございますまいかということです。
  17. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 只今の御質問の点は全く御尤なお考えでございまして、これの処分の衝に当ります厚生省立場に私どもは期待をいたしているわけでございまして、そうした点もやはりこの処分に、分配については当然考慮してもらわなければならない、かように考えておりまして、個々のそうしたケースに、いろいろ事情の異なる内容が多々あるのではなかろうかと思いまして、そういう点は一任して医務局の公正な考え方に立脚してこれを取扱つて頂きたいと、かように考えております。
  18. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 小沢課長にもう一つお伺いしておききますが、我々が医療団解散の当時において、こういう残余財産相当できるということは殆んど期待しなかつたように心得ております。これだけの残余財産ができましたとすれば、医療団によつて被害を、被害と言うと語弊があるかも知れませんが、損失を受けたような人がある場合には、これをできるだけ考慮して頂いて、そうして不平のないようなお取扱いを十分して頂くというふうにお願いしたいと思うんですが、そういうふうなお考えはございますか。
  19. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 只今委員長仰せ通り、こういうような剰余金が出るということは、実は監督の衝に当りました厚生省でも、当時この立法厚生省大蔵省で相談して作つたのでございますが、その当時からも予想をしていなかつたのでございます。で、御承知のように戦時中には産業設備営団交易営団、或いは農地開発営団住宅営団その他の特殊法人がたくさんございまして、現在それがいずれも清算継続中でございますが、これらの団体のうちで私ども関係する医療団だけが大変口幅つたい言い方でございますが黒字清算をやつております。非常に私どももその点から見まして、医療団解散に当られましておやめになつ理事、或いは現在の清算人かたがた及びそれらの職員のかたがたについて、非常にその御努力を衷心厚生省として感謝いたしておるのでございます。赤字が出まして国庫相当負担しておるのが例でございますのに、ひとり医療団だけがかかる成績清算ができたということにつきまして、私ども、恐らく戦時中の団体においては初めてのものじやないかと思うのでございます。  然らばこの原因はどこにあるかといいますと、たしかにお説の通り理由原因というものが非常に大きなものであると思うのでございます。と申しますのは、厚生省でも大蔵省でも、この清算法令を作りますときに、要するに大体の見通しをつけまして、大体時価評価を厳格にやり、その半額程度であれば収支とんとんに行くんじやないかというように固い見積りをしたわけであります。ところがその結果これだけのものが出たといいますのは、勿論一つには一つ一つをゆるがせにせずに主張すべきものは主張しまして、権利の放棄なり或いは譲歩を絶対しなかつたという点と同時に、このいわゆる時価の見積、工合といいますか、或いは本来から言えばこの七割なり八割なり、九割引でやつて清算としてはよかつたんじやないかと思うのでございまして、そういう点から言えば当然これはそうした、いわゆる前の出資金額は五十万であつたものが五百万なり六百万になつたという点に大きな原因があると思うのでございます。  併しながらこれは勿論私ども提案者ではございませんので、或いは合致するかどうかわかりませんけれども、私ども前々から考えておりましたのは、医療団剰余金はそういうふうになつたものであつても、私はこれはいわゆる普通の何といいますか、会社あたり清算と違いまして、清算剰余金が出たからみんなに分配するんだという考え方ではないのであります。飽くまでもその残つたものは国庫に入れるような規定になつておるけれども、でき得れば自分たちとしては、そういう折角清算として法規に適合した清算をやつて、なお且つこれだけの成績を挙げた以上、その金は当然医療団が設立されたあの目的に合うように、医療普及とその改善というものに使つて行くべきではないだろうかというような気持を持つてつたのでございまして、残つたから出資者に対して或いは又医療団の昔の関係者に対するその利益金配分というような考え方ではなくして、医療団が折角目的といたしまして而もなお且つ戦時中或いは戦後の状況からしてできなかつた医療普及改善ということの理想の一端にでも資することができたらというのが、この医療団のほうの考え方であつたわけでございます。たまたま国会のほうで医療団の旧医療施設を現在運営されておりますかたがたの熾烈な御要望を反映されまして立法をされたのでございますが、大変その点では私ども非常に感謝をし、同時に誠に時宜を得た施策であるというように感謝をいたしているわけでございますが、私ども前々考えておりましたのは利益金配分の思想ではなく、本当にそれを医療団がなしてなし得なかつた医療改善普及というものにこれを使いたいというのが趣旨でございました。  で只今お尋ねのそういうような、たしかに戦時中のいろいろな施策によりまして、結局いろいろな点の不備な状況にあつたものがたくさんおありになると思うのでございますが、若しも医療団のこの関係の中でそういうようなものが出て参りましたら、当然これは十分研究をしなければいかんと思うのでございますけれども、根本的には医療団剰余金というものは、何と言いますか、利益配分という意味じやなくて医療施設改善するという医療団の本当の理想であつたものに少しでも役立てばというような意味で、私ども実は従来非常に心の中では希望しておつたのでございます。  只今お尋ねの点は恐らく個々事例の中にそういうような、この医療団から移管を受けました、話は前後いたしますが、施設の中で私的医療機関は十一カ所でございます。これは私どもとしてはやはり今提案者も、御説明になりましたような趣旨に沿うものであつて、できるだけ解決し得るようなそういう事例が、その線の中にのるものについてそういう事例があれば私どもとしてはできるだけの、勿論この法律改正がなくても清算に従事する者として、或いは又厚生省の者として十分善処して参らなければならんと思うのでございますが、この法律改正の十六条の二というこの条文の適用にあたつては、飽くまでもやはり譲受けられた医療施設改善のために費用を出すという、その何と言いますか、線のほうに入つて来るようなもので、而もそういうような事情のあるものについては、私どもはお説のように十分一つその具体的な例を見ながら解決いたして行きたいとかように考えているわけでございます。  どうも少し説明が不十分でございますが、具体的な事例をお聞きいたしませんと、なかなか抽象的にどういうものについてはどうだということがちよつとお答えしかねるのですが、又具体的な事例をいろいろ拝承いたしまして検討を加えれば恐らく解決の途はあるのじやないかというような気がいたしますけれども具体性がありませんのでちよつと私ども答弁に苦しみます。
  20. 山下義信

    山下義信君 大体要点は委員長からの御質疑で我々がお尋ねしたいところは尽きたのですが、私はこの問題はかねて関係者が注目しておることであつて、いろいろ世間うわさが流布されて、それで六億前後の金を持つておるそれでその金は税金とは違うんだ、それで特殊な性格の金なんである、言換えると、まごまごすると不当な手段によつて、或いは不当に処分される虞れが多分にあると、世間が注目しておつた問題であると私は了承するのです。それで我々がうわさに聞いておる限りにおいては、或いはその処分について当時の権力者が或いはその処分方法考えてみた、或いは各種の方面から、つまりこの金を目がけていろいろとその要望があるというようなことも聞いておつて、蔭ながら多年まあ懸案であつたのですが、どうか適正な処分がされるようにということを本員は望んでおつたのであります。今回の提案につきまして、提案者説明を承わつてみると我々の希望するような線で、極めて公正妥当な考えかたの下に御処分に相成るという目的提案になりまして、私ども大体において提案者の御苦心、又この本案の意図するところにつきましては、賛意を表するにやぶさかでないのであります。  併し若干伺つておかなければならんかと思う点は、只今委員長も御指摘になつたのですが、この法律字句の上で見ると、例えば「日本医療団から譲渡された医療機関及びその他の公的医療機関」とこうある、そして具体的に言えばこれらの医療機関というものの中には、前段の場合には私立医療機関というものが含まれているんだと、或いは公的医療機関というものの中には国立医療機関というものが含まれているのかどうかという点も問題になるのじやないかと思うのです。それで国立医療機関という場合においては、これは国の経費で当然やるべきものであつて、この種の処分金によるということはあるべきではないのでありますから私は、書いてないじやないかということは想像されますけれども明白でない。或いは国立医療機関などというものは、公的の医療機関とは称しないのかもわからん。それは今御答弁を伺つてみなければわからん。それから、若し日本医療団から譲渡された医療機関というものの中に、私立医療機関を含むものであるということになると今提案者の御説明並び厚生省事務当局の御答弁では明確でないが、必ずしも明確になさる必要はないが、併し法律の建前としてはできるならば明らかにしておく必要があると私は思う。それでそれが含まれておるかどうかということです。  それでもう一点伺うのは、この法文の最後にある字句の上で言えば、「その残余財産処分することができる。」とある。この処分というのは如何なる形式処分をするのかということです。で、ただ処分というと、いろいろ処分の仕方というものが明確でない、財産処分形態というものは、どういう形の処分というものになるのかということを伺つておかなきやならん、まあそれを一つ。今の三つの問題、医療機関というものの内容、それから処分形態形式はどういう形式をとるのかということを一つ聞いておきたいと思います。
  21. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 山下先生の御疑念の質問の点、全く私どもも同感でございまして、最初日本医療団から譲渡を受けた医療幾関、このものには、現実のまま国で譲渡を受けたものその他の地方公共団体譲渡されたもの全部がこれに含まれていると考えられると解釈しているわけであります。  それから、その他の公的医療幾関、これは国で譲渡を受けたものを除いた考え方になつているのでございましてそれで地方公共団体で、これを譲り受けまして、その整備をしなければならないということで、もはや整備相当手を加えたというものもございます。併しながら地方公共団体のほうで手を加えて整備をしたそのものを、本来であれば、他のそうした公共団体が持つている医療団から譲り受けたもの以外のものを整備するに当然使う性質の金額でありたものを、医療団から受けたものに先へこれを使つたというような場合も考えられますので、それの補填というような意味で、その他の地方公共団体の幾関ということをここに入れたわけでございます。
  22. 山下義信

    山下義信君 医療幾関の中には私立医療幾関を含むのですね。
  23. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 最初日本医療団から譲渡された医療幾関、この中には先ほど若しなんでしたら言い落したかもわかりませんけれども私立のものも全部そのまま実体を含んでいると解釈しております。
  24. 山下義信

    山下義信君 わかりました。後段の質問処分形態はどういう形のもので処分されて行こうとされるのか伺いたいと思います。
  25. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 最後の整備のために処分し得る途、処分の方でございますか。
  26. 山下義信

    山下義信君 そうです。
  27. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) これは大体におきまして、そうしたところに配分する一種の補助金というような考え方にこれを考えておつたような次第でございます。
  28. 山下義信

    山下義信君 この清算人が直接この譲り受けたこれらの処分をしようとする対象に、この清算人が直接まあ何と言いますか、極く通俗な言葉で申しますというと、金を送つてそれで金を配るというやり方もありまするし、又或いは地方公共団体の手を通じてその金が、残余財産が渡つて行くという形もある。税金でなくとも公金ですから、清算業務としてのやり方はこの法律並びに民法等によりましてやり方があるわけでありますが、その処分形態というもののとり方は、又その清算人の法規に基くとり方をするならばいかなるとり方もできる。従つて処分の仕方というものにつきましてはいろいろやり方があろうと思う。若し数種のやり方があると思うが、仮りに地方公共団体の手を通じてこれらの最終処分が行われるということになりますと、又いろいろ御注文申上げなければならんようなことも起きて来る。そこで処分形態はどういう方式による処分考えられてあるかということを伺つたのですが、これは何か処分形態についてお考えがありましようか。
  29. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) 大体処分形態でございますが、先ほど申しましたように、補助金というような考え方を主にいたしまして、そうしてその対象として考えられるものは地方公共団体を中心にして考えている次第なんでございます。地方公共団体にこれを渡しました後におけるそれからの配分というものは、又地方公共団体の要求リストというような形のものの検討の上で渡すという段階に相成ろう、かように考えております。
  30. 山下義信

    山下義信君 この十六条の二項によりますと、これも委員長がすでに指摘されたのでありますが、言い換えれば現行法第十六条の処理状況はどうなつているかという御質疑があつた。同じことを私も聞くのですが、この法文で言いますと、第十六条の二の第二項です。残余財産分配の終了後一年以内にこれをやるということになる。同じことですが、すべての残余財産分配の終了というのは大体いつ頃という見込ですか。先ほどでの御答弁では必ずしも清算事務が終了しなくても、つまり残余財産分配というのは実際には終了しなくても、バランス・シートの上でその処分のつくような形に一応数字をしておけばついたも同じであつてすぐこれができるというような御答弁でありましたが、そうなんですか。そうするのですか。本当の残余財産分配が終了した後の一年以内にやろうというのですか。若しバランス・シートの上で処分がついた形にしておいて後日何も紛議が起きないし、問題も起きない。そのバランス・シートのままで結構けりがつくのだということならば大体今日でもそれが作れたらできるということになるのですが、従つてこの法律の実際の実施は条文にはこうしてあるが、やろうと思えば今言つたようにすぐでもやれるということになりますと、この本当の実施は近いということも考えられる。その辺は見通しとしては実際の処分はいつ頃行うという見通しでしようか、その点一つお答え願いたいと思います。
  31. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 法律施行後のことてございますので、私どもからお答えさして頂きますが、先はど申しましたように、又今山下先生がお聞き取り下さいました通り出資金分配を全部終り、従つて対内債務を全部終つてからというまでの時期を待つ必要はない。それは出資金額は十分計算もできますから法律が成立いたしましたら実際準備に入り、又その実行が可能ではないかと思うのでございます。併し勿論対外債務を終り、それから対内債務出資金分配終つて、それから正式の残余財産ということを考えるのが本来は当り前だと思うのでございますけれども、十分計算も立ち、それだけのものは別にちやんと残して進めて行くということもできると思うのでございまして、私どもといたしましては若しも法律が施行されましたならば、できるだけ早く少しでも改善に資するようにやらして頂きたい。こう考えるわけであります。
  32. 山下義信

    山下義信君 私も懇切ていねいに質問をしているのですから、もつと率直にお答え願わなければいかんと思います。今のような通り一遍ではせつかく私の懇切ていねいな質問もしよせんがないのです。新年度の五月頃には大体処分方法がきまつてこれが実際に実施されるような見通しがありますか。もつと先になるようになりますか。その時期の見通しは事務当局はどう考えられておるか、その予定は。
  33. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 正月には実施の段階まで入り得ると思います。又入りたいと思うのであります。
  34. 山下義信

    山下義信君 わかりました。それで法律は大体のことしか書いてないのですから、いろいろ検討することになると、先ほどの委員長の御質疑等いろいろの問題があると思う。それでまあ当局を信頼し、又提案者の非常に正しい意図というものが立法意思がここにはつきりしているわけですから、それから逸脱されるような具体的な処分方法考えられるはずはないのですが、ちよつと参考に聞いておきますが、この第十七条を改正しておる。従つて今回のこの法案目的につきまして厚生大臣の認可を要するとこうなつております。最終決定を厚生大臣の権限に委ねてあるのです。それでこの法律が極めてまあ漠然と或る一つ処分方法についての枠を定めてあつて、具体的なこの処分方法については、この清算事務に従事する者が定めてそれで厚生大臣の認可を要することになる。その厚生大臣の持つている第十七条の権限というものはどういうふうに解釈しておいたらいいのですか。或いは極めてこの形式的なことを言いますると、この処分案を持つてつて厚生大臣が認可せんということになると又処分案を変える。厚生大臣の認可するまで処分案を変えなければならん。それは言葉を換えて言うと、厚生大臣が実質的にはいろいろ処分内容についての権限を持つということになるのですね。第十七条の厚生大臣の権限、第十六条の二で我々が国会が認めるこの清算人の権限というものとの関係はどう心得ておいたらよろしいのであるのか明らかにしておかなければならん。それで言い換えるとせつかく筋を通すようにこの十六条の三で一通り筋が通つてつて厚生大臣の独善的な態度があると、この法の実施の上に歪曲される虞れがある。それで第十七条のこの厚生大臣の認可と清算人との間の権限を明確にしておかなければならん。私の記憶で今はつきりと具体的に覚えていないが、何かの法律を作るときに、厚生大臣が二度も拒否することができないで、一度は認可権を以て或る程度の容喙をするが、二度、三度拒否することのできないように監督大臣の権限をセーブしてあつた立法が我々の厚生関係であつたように記憶するのですが、ともかくもこの第十七条で厚生大臣の認可権を認めておいた。それと清算人との権限の関係をどう提案者考えておるかということを明確にしておいて頂いて、厚生大臣がその権限を濫用しないように御答弁の中で明らかにしておいて頂ければいいのじやないかと、こう考えます。
  35. 亘四郎

    衆議院議員亘四郎君) これは厚生大臣の権限濫用の虞れに対する戒めということに相成りますけれども、大体この厚生省医務局が、日本医療整備のために一貫した一つ方針があると考えるわけであります。そしてその方面の考え方に基きましていろいろ配分計画がなされるときに、それが方針に合致したものであるならば、徒らに大臣がこれに対して処分に反対するというようなことはあり得ないのじやなかろうかと、かようにまあ信頼しておるわけでございまして、一応立法の建前から言つて厚生大臣という形にしたようなわけであります。
  36. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 只今山下先生の御質問に、大変僭越でございますが敷衍さして頂きたいと思いますが、実は医療団清算事務をずつと一応やつております今までのやり方をちよつと御紹介いたします。御参考になると思いますから。私は実は清算人が三人おりますその一人として入つております。同時に職員がずつと行政整理をやつて参りましたので現在は十名ぐらいでございますけれども、事前に大体、勿論今度のこの法律以外でございますけれども、全部相談をしまして厚生省の意向をたしかめ、厚生省でもそれを十分検討しまして大体打合せができたところで承認申請を持つて来るように今までさしておるものでございますから、そういう点は私たちの今後の運営に当りましても十分考えて行けば、二度、三度突返すようなそういう先生のそれはないようにできるものじやないか、又絶対にないと思うのでございますが、御了承を願いたいと思います。
  37. 山下義信

    山下義信君 私の質問は終りましたが希望を申述べておきます。立法府が行政府の仕事に容喙することはこれは避けなければなりませんが、でき得ればこの配分案等が事務当局で事務的におよそ案がきまりましたら、容喙する意味でなしに参考に委員長若しくは当厚生委員会へ、まあ何と言いますかそういうところへも内示せられて、決して容喙はしません、参考に漏れ承わるようにして頂きたいと思いますからそれを一つ要望いたします。
  38. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 他に御発言ございませんか。
  39. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 大体山下先生委員長がお聞き下さいましたので、私は伺うこともないのでございますけれどもこれは六億幾らの金を一応必要なところへ配分して、それから残つたお金を分ける、分けて残つたお金を国庫に納めるというように書いてあると思うのでございますが、大体の見通しとしましてどのくらいほど配分なさるのでございましようか。どのくらいほど国庫に納める金が、十八条に書いてありますが、残つて来るか、私の了解する限りでは全部配分してしまうのじやないかと思いますが、ちよつとその点承わつておきたいと思います。
  40. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 現在この十六条にございます出資者に対する分配、その前に当然対外債務を払わなければなりませんので、対外債務、それから出資金分配を全部終りまして、なお且つ六億見当は十分残余財産として残り得るという見通しを持つているのでございまして、その六億余につきましてこの規定によります医療整備のために配分をしまして、なお残余があればというふうに十八条に書いてあるのでございますけれども、十八条の規定民法の公益財団法人規定にありますように、処分されないで残る財産がいわゆる国庫に帰属するという一般の規定の例を踏襲したのでございます。大部分は処分されることになるだろうと思うのでございますが、今幾らが残り幾らが国庫に入るかということにつきましては、私ども以上申上げました以外にちよつと申上げにくいと思うのでございますが。
  41. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 他に御発言ございませんか。
  42. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 御質問も大体終つたようですから、討論を省略して直ちに採決せられんことの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  43. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それではどなたも御質疑がないと認めて御異議ございませんか。   【「異議なし」と呼ぶ者あり】
  44. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) では大谷委員質疑打切り、討論を省略して直ちに採決に入ることの動議に御異議ございませんか。   【「異議なし」と呼ぶ者あり】
  45. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 御異議ないと認めます。  それでは質疑を打切り、討論を省略して採決をいたします。  原案通り可決することに御賛成のかたの挙手を願います。   【賛成者挙手】
  46. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 挙手全員。原案を可とすることに決定いたしました。  それから委員長が議院に梶出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。    〔多数意見者署名〕     大谷 瑩潤  山下 義信     藤原 道子  草葉 隆圓     中山 壽彦  長島 銀藏     井上なつゑ  常岡 三郎     谷口弥三郎
  47. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 御署名洩れはございませんか……、署名洩れないと認めます。  なお本会議における委員長の口頭報告については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 異議ないと認めます。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後二時三十九分散会