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1952-12-22 第15回国会 参議院 厚生委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年十二月二十二日(月曜 日) 午後一時二十四分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
藤森
眞治
君
理事
大谷 瑩潤君
藤原
道子
君
堂森
芳夫君
委員
長島
銀藏
君 河崎 ナツ君
山下
義信
君
谷口弥三郎
君
政府委員
厚生省医務局長
曾田
長宗
君
厚生省医務局次
長
高田
浩運
君
厚生省児童局長
高田
正巳君
厚生省保険局長
久下
勝次
君
事務局側
常任委員会專門
員 草間 弘司君
常任委員会專門
員 多田 仁己君
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
○
社会保障制度
に関する
調査
の件 (
国立大竹病院
の
火災
に関する件)
—————————————
藤森眞治
1
○
委員長
(
藤森眞治
君) それでは
厚生委員会
を開きます。 日程に先立ちまして、
山下委員
から
国立大竹病院
の件について御質疑がありますそうですからどうぞ……。
山下義信
2
○
山下義信
君 最近
国立大竹病院
が
焼失
したということでありますが、この
火災
の
状況
それから
被害
の
程度
、
火災
の
原因
、それから
善後処理
の
状況
というものを一応御
報告
を承わりたいと思います。
曾田長宗
3
○
政府委員
(
曾田長宗
君)
病院
のほうから
報告
が参
つて
おりますので、それによりますと十二月十二日の十六時三分に、第三
病棟
と申しております
病棟
の
南側中央部
から
出火
いたしまして、風が
相当
に強か
つた模様
でありまして、それと
水利
の便が悪いと申しますか、水圧が非常に弱か
つた
とい
つた
ようなことから、取りあえず
職員
が
消火
に努め、そうして
患者
の
避難
というようなことに当
つたの
でありましたが、遂にその
病棟
の隣りにございます
倉庫
に引火し、更にそれだけでも食いとめることができませんで、遂に更に
隣接病棟
であります一
病棟
というのに移
つた
。で、その頃になりますというと初めて市内の
消防隊
も駈けつけて参りましたのですが、火の手が廻
つて
しまいましたので如何とも術がなか
つた
ということでございます。焼けましたこの
病院
の
坪数
は、第一
病棟
が延八百九十八坪、それから第三
病棟
が延六百八十六坪、それから
倉庫
が千十四坪ということにな
つて
おりまして、総建坪六千七百七十四坪のうち、
坪数
といたしましては約四分の一ぐらいのものが
焼失
したということにな
つて
おります。この
倉庫
の中に保管しておりました被服、医薬品、
医療器械
、
一般物品
というようなものも遂にこれを搬出することができませんで、とうとう焼いてしま
つた
というような
状況
でございます。
患者
につきましては
職員
挙げて
避難
に努めましたために、
無事死傷等
の
事故
はなか
つたの
であります。 この
火災
に対しまして取りあえずとりました
措置
としては、先ず
患者
につきまして、第一及び第三
病棟
に
収容
されておりました
結核患者
でございますが、これが二百七人おりました。これを丁度
大竹病院
はかなり
建物
が広うございまして、
空床
にな
つて
お
つた
ところがございますので、そちらのほうに移しました。その
病棟
は
一般病棟
及び
仮病棟
というふうに称えておる
病棟
でございます。なおこの
焼失
によりまして、この
建物
は今申上げましたように
十分余地
があるのでありますが、
寝台
でございますとか或いは
毛布等
の
焼失
に対しまして、これに対する
措置
としては、
寝台
百個を
国立療養所
の
賀茂病院
、それから
毛布
五百枚を
岩国病院
、それから
毛布
五百枚及び
藁蒲団
百枚を
国立療養所
の
柳井病院
から
至急
に運搬いたしまして、
患者
の
収容
にはどうにかこうにか間に合
つて
おるというような
状況
でございます。 それからその後の
復旧
の問題でございますけれ
ども
、これにつきましては、今のところは
先ほど
申上げましたように本
病院
がかなり
建物
に
余裕
を持
つて
おりましたので、今日までの
入院患者定数
二百八十にな
つて
おるのでありますが、これを全部
収容
するのに
建物
の広さとしては十分であろうかと
考え
ておりますが、それに必要な手を加えることによりまして、この定員を
収容
するにはおおむね支障はないものと
考え
られておるのでございます。 なおこの
出火
の
原因
につきましては、今なおこの
最後
的な決定には至
つて
おらない。
国警
で現在
調査
中の
状態
でございますが、
発火
いたしました所が、
先ほど
も申したのでありますが、どうやら
ごみ箱
の中から火が出たらしいというようなことを申しておりました。何が故にこの
ごみ箱
から
出火
したかということにつきましては、その
ごみ箱
の中に火の気のある物を放り込んだというようなことがあ
つたの
ではないかというような
疑い
があるわけであります。なおこの点については
国警
が主になりまして、
病院等
でも
十分調査
をいたしておる
状況
でありますということでございます。 一
通り
御
報告
申上げましたが、なお御質問がございましたら……。
山下義信
4
○
山下義信
君
状況
はよくわかりました。それでこの
患者
の
収容処置
については、他に
空床
、まあ
病棟
に
余地
があるから、そのほうに移した。大変結構なことで、誰も
被害者
がなか
つた
。
患者
に異状がなか
つた
ことは結構だと思うのでありますが、焼けた
あと
の
建物
の
復旧
というものについてはどう
考え
ておられますか。
曾田長宗
5
○
政府委員
(
曾田長宗
君)
先ほど
も申上げましたのでありますが、この
病院
は、私は現場はまだ存じないのでありますけれ
ども
、川をはさみまして、
北側
と
南側
の二つの
部分
に分れておるのでございまして、
病棟
は主としてこの
南側
のものを
患者
の
収容
に使
つて
おりまして、この
南側
のほうは、
只今
焼けました二
病棟
のほかに
急性伝染病
を
収容
いたします
病棟
八百十六坪、それから六
病棟
と申しておりますところに六百八十六坪、そのほか
北側
のほうには
仮病舎
と申しておりますのが八百三十三坪ございます。それから
一般病棟
と申します、これは本館に当るわけでありますが、これが一千八十坪ということにな
つて
おるのでございまして、今
お話
し申上げましたように、焼けました
病棟
が一千二百九十六坪を占めておるのでございます。こちらの
北側
の
病棟
が、この
結核病棟
のように
患者
が混んでおりませんので、非常に
空床
が多いというような
状況
にな
つて
おりましたので、この中にベツド或いは
寝具類
を持込みますれば、大体この
北側
の
病棟
で以て
南側
の焼けました
病棟
の
焼失
を補うことができるのではないかというふうに
考え
ておりますので、
只今
のところでは、この
建築物
としては特別に
復旧
いたそうという
考え
は持
つて
おりません。
山下義信
6
○
山下義信
君 わかりました。最近のまあ一ヵ年間くらいの間に
国立病院
とか或いは
療養所
とかいうものの
火災事故
というようなものがどの
程度
ありましたか。
曾田長宗
7
○
政府委員
(
曾田長宗
君) 過去一ヵ年というのが
ちよ
つとあれでございますが、二十七年度で
ちよ
つと初め御
報告
申上げますが、二十七年度は
国立病院
で六件、それから
国立療養所
で五件、この大小の
出火事件
がございました。
山下義信
8
○
山下義信
君 一番大きな
火災
というのは、
全焼
というのがありますか。
曾田長宗
9
○
政府委員
(
曾田長宗
君)
全焼
というのはございません。
山下義信
10
○
山下義信
君 一番大きいのでどの
程度
、三分の一くらいですか、
病院規模
の大体の予想……。
曾田長宗
11
○
政府委員
(
曾田長宗
君) 一番大きいのは、
富山
が今までのところでは一番大きいのではないかと思います。焼けました
坪数
としては今度の
大竹
は一番大きいのでございます。
富山
は二十七年の三月二十一日、これはむしろ前年度かも知れませんが。
山下義信
12
○
山下義信
君 わかりました。それじや今の
資料
、折角お調べ下さ
つたの
ですから、
一つ
又刷
つて
頂いて頂戴したいのですが、
委員会
で。
最後
に
一つ
、折角
国立病院
の
火災事件
を承わ
つたの
ですが、この
火災
に対する各
国立病院
や
療養所
の
防災設備
といいますか、
非常設備
というものが万遺憾なくできているのですか。ただそのときどきの
発火
の
原因
や風向きの
原因
とかで、
消防設備
或いは
火災非常体制
を動員しても、そのときの
状況
で遂に
火災
の拡大が免れなか
つた
ということは、これは止むを得ませんが、一応
消火器
であるとか、或いはそういう
水利
の
準備
で刈るとか、タンクといいますか、そのときの
火災
のときにおける人員の
非常配置
とか、
患者
の
避難
とかい
つた
ものが万遺憾なき
体制
が大体においてできているのですか。或いは又
予算等
の
措置
でそうい
つた
ような
消火器
とかいろいろなことが不十分であるか、どういう
状態
であるか、大体でよろしうございますが、承わりたい。
高田浩運
13
○
政府委員
(
高田浩運
君) 私から申上げます。御
承知
のように
国立病院
にいたしましても
療養所
にいたしましても、
建物
それ
自体
が非常に脆弱な
建物
でございますので、
火災
の予防につきましては、これは
普通以北
の
注意
、
準備
を払わなければならないのでございます。過去におきましても
病院
、
療養所
について、
相当
火災
が出ております
関係
上、私
たち
としましては、これの
防止策
について、例えば電線の、いわゆる
電気関係
の
施設
については定期的に全面的な検討をさして、その辺から来る
漏電等
のことがないように
注意
をしたり、或いは今
お話
の
消化器関係
のまあ
施設
を整備いたしましたり、或いは
職員
につきまして、
発火
時の
防火等
にまごつかないように、かねてから
十分準備体制
を整え、訓練をさせる、そういうふうな
措置
をと
つて
おるのでございますけれ
ども
、根本的に言えば、
建物
それ
自体
を
不燃質物
にすれば一番いいわけでございますけれ
ども
、それは現在のところそこまで手が及んでおりませんので、一応現在の
建物
がそういう
状態
であるという認識の上に立
つて
、今申上げましたいろいろな
措置
を手を尽しておるような次第でございます。
山下義信
14
○
山下義信
君 この
委員会
の時間を取
つて
も恐縮でございますが、ただよそに転換するにしても、現在の国が管理をしておるそういう
医療機関
の一体この
防火体制
といいますか、そういうものの
設備
というか、そういうことの大体、今次長の言われたようなことの、何といいますか、
資料
を
一つ作
つて
頂きたい。そうしてそれをするにしましても、
残つた分
を完全にやらなければならんと思いますから、これは
予算
などにも
関係
があることですが、これを
資料
として要求しておきますから、そのようにして頂きたい。 もう
一つ保険局
で伺いたいのですが、最近
福岡
県のほうで何か
保険関係
の
事件
が起きたということですが、で、
福岡
県の
民生部長
も逮捕された。
本省
の
保険局
の
職員
にも何か
関係
があるかのごとくに伝えられておる。私も真相をよく知らないんです。それでどういう
事件
ですか、又
本省
の
職員
に
関係
がありますかどうか、お答えを願いたいと思います。
久下勝次
15
○
政府委員
(
久下勝次
君)
福岡
県の
事件
は現在まだ
捜査
の段階でございまして、明確なことは私
ども
にもわか
つて
おらないのでありますが、大体今日まで
承知
いたしておりまするのによりますると、
福岡
県下
に
政府
が
土地
及び
建物
を買収いたしまして設置いたしました
保養所
の隣りの
土地
の
処分
の問題で
一つ
問題が起きているようでございます。それからその他
請負工事
の面或いは自動車の
購入等
に絡みまして
疑い
をかけられ、
捜査
をされておるようでございまして、現在までのところ県の
民生部長
、
保険課長
、前の
保険課長補佐
、現在の久留米の
社会保険出張所長
、それと
保険課
の
庶務係長
、この四名が
召喚
をされておるのでございます。本日の電報によりますると、
民生部長
は釈放されましたようでございます。なおこの問題は最近の話によりますると、県の
衛生関係
にまで飛火をしておるような形勢でございます。さような
程度
きり具体的な
内容
ははつきりしないのでございますが、
本省
の
関係者
につきましては、実は丁度今月の初めでございました。各県において行な
つて
おりまする
事務監査
に私
ども
のほうの
職員
が出掛けたのでございまして、その
あと始末
と申しますか、
最後
の締括りな
ども
ございますので、
庶務
の
課長
が出向くのが
慣例
にな
つて
お
つたの
でございます。その際警察とは全然無
関係
に、
新聞社
がかなりこれを大げさに、丁度
監査
が終りまして、翌日、私
ども
の
課長
が出掛けます前に、
庶務係長
が先ず
召喚
をされまして、私
ども
の
課長
その他の
職員
が向うを立ちました
あと
で
課長
並びに前
課長補佐
が逮捕されるというような事柄でありましたので、あたかも
監査
の結果と申しますか、そういうことに非常な関連があ
つた
かのごとく
新聞
に書き立てられたようでございます。併し実質的には
結論
的に申上げますと別段の深い
関係
もないようでございますが、何かにも
本省
に直接
関係
のございまする
仕事
なり、
仕事
と申しますか、事業なり或いは
保険料
の
徴収等
に絡み合
つた
問題でもありますので、先日私のところの
庶務課長
が
参考人
として呼ばれまして、いろいろ事情を聴取されたようでございます。この話の
内容
は、
監査
に参りまして、
監査
が
終つた日
に
民生部長
と簡単な夕食をしたという以外は殆んど
九分通り
は、むしろ
社会保険
に関します
保険課
なり
保険出張所
の
仕事
のやり振りと申しますか、機構と申しますか、こういうことについての
参考意見
を求められたようであります。
庶務課長
はそれだけのことでその晩も一日
参考人
として聴取されまして、又翌日追加的に呼ばれて、東京に帰
つて
おるような
状況
でございまして、
只今
のところは
本省
には何ら
関係
がないように私
承知
いたしております。県の
先ほど
来申上げました
人たち
の被疑事実なり或いはその
程度
なりにつきましては、まだ
捜査
の途上でございまして、何とも申上げられないのでございますが、ただ要するに
結論
として私
ども
のほうといたしましては、かような
事件
が起きましたことは私
ども
の責任重大であることを痛感いたしまして、大変恐縮に思
つて
おる次第でございます。 実は私も言訳ではございませんけれ
ども
、
保険局
に対しまして、すぐにこの種の問題につきましては厳重に
全国課
、
所長
に警告いたし、その後におきましても、
機会
あるごとに
注意
もし、又日頃の
事務監査
につきましても、
事務
の
余裕
のありまする限りは出向きまして、
実地監査
をし、間違いのないように指示してお
つたの
でありますが、その矢先かような
不詳事件
が起きまして、大変恐縮に思
つて
おる次第でございます。
山下義信
16
○
山下義信
君 この問題はこの
程度
で今日は承わ
つて
おきます。私は
保険局長
を信頼しております。今の
局長
の言われたようにどうぞ御留意を願いたい。今の御
報告
の
程度
でしよう。こういうことは余りあなたのほうの
職員
にも
関係
ないのだろうと思いますが、私は、
厚生省
の省内におけるいろいろスキヤンダルに近いものを、耳にしておる。いずれそのときに一括してこれは問題として
取扱
つて
頂きたいと思いますから、これはこの
程度
で了承しておきます。 それでこの
機会
に私は
保険局長
に承わるのですが、
厚生省
では最近
保険
の運営上について
保険医
の、何というか、
不正診療
というか、
不正請求
というか、そういうことについて
調査
したことがあるかどうか、
調査
したことがありますれば、その
調査
の結果はどういうことにな
つて
おるか、それからそれは
保険担当医
の
調査
だけでなく、 〔
委員長退席
、
理事藤原道子
君
委員
長席に着く〕 一方被
保険者
の
不正受診
と申しますか、そういうことのほうの
調査
と両方の概略を
一つ
承わりたいと思うのです。これ又詳細な
調査
の結果がありますれば、
数字等
は
資料
として
至急
に
一つ委員会
に出して頂きたいと思うのです。それで先だ
つて
の
船員保険
の法案の出たときに伺おうかと思いまして時間がなく、たまたま今日
機会
を得させて頂いたので、最近の
保険医師
の
取扱状況
について
本省
が
調査
したことがありますれば、その
状況
の大略を承わりたいと思います。
久下勝次
17
○
政府委員
(
久下勝次
君) お答え申上げます。
保険医
の
監査
につきましては、私
ども
はこれを
指導監査
という名称を用いておりまして、
本省
から
監査要綱
を示しまして随時それぞれの該当の
都道府県
と協力をして
監査
をいたしておるのでございます。最近の問題になりましたのは
広島
県でございます。過去の
数字
につきましては
ちよ
つと今手許に持
つて
参りませんでしたので、
只今
の御
要望
によりまして後ほどお
届け
を申上げたいと思います。 この
監査
と申しまするのは、文字
通り
私
ども
としては指導的な
立場
に立
つて
監査
をするという
考え
を持
つて
おるのでございます。
監査
をいたしまする
対象
を選びますにも公平な原則をきめまして、そうして所在の
都道府県
の
関係者
と
共同立会
の上で
監査
をするという方針をと
つて
おるのでございます。なおそのほかに
本省
が
立会
います
監査
のほかに、各
都道府県
が独自の
立場
で
監査
をいたしておるのであります。その他いろいろ
保険医
としての不正事実が発見をせられますので、これにつきましてはそれぞれの
法律
、特に
健康保険法
でございますが、
健康保険法
の定むるところに従いまして
保険医
に対する
行政処分
が行われる
慣例
でございます。 最近の
広島
の例で申上げますると、
本省
と県が
立会
で
監査
をいたしました結果、約三名ほど
保険医
としての
指定
を
取消
す必要があるという人が出て参りました。そのほかに県が独自で
監査
をいたしまして、
保険医
を二名ほど
取消処分
をしたいというような申請が参
つて
おるのでございますが、この点につきましては、まだ
広島
県には私
ども
のほうの
意見
を回答いたしておらないのでございます。と申しまするのは、
保険医
の
行政処分
、特に一番重い
取消処分
をいたします場合には、
全国
的な調整を保ちます必要もありまして、権限は各
都道府県知事
が持
つて
おるのでございますが、その都度
本省
に内議をいたさせまして、
本省
において
全国
的な
立場
で公正にこれを判断をいたしまして県に回答をするというような
処置
をと
つて
おるのでございます。
広島
の問題につきましては七名の
取消処分
をしたいという
知事
からの
意見書
が参
つて
おるのでありますが、一応
審査
をいたしましたところでは、他の府県の従来の
実例
から見ましても、この
程度
の
処分
は止むを得ないのではないかというふうに感じておるものでございます。そのほかに
戒告
、
注意
というような、
注意
なんというのは
法律
にございませんが、そういうような
処分
もいたすことにな
つて
おるのでございます。その他の今まで従来実際に行いました
保険医
の
行政処分
につきましては、後刻取りまとめまして御
報告
を申上げたいと思います。 それから
お話
の中にございました
被爆保険者
の
不正受診等
、被
保険者
の不正の問題でございますが、これは昨年の秋でございましたか、本年の春でございましたか、
兵庫
県におきまして数個の
病院
で全然
資格
のない者が他人の被
保険者証
を使
つて
受診したりするような非常なたくさんの
不正受診
の
実例
を
調査
の結果発見いたした事例がございます。本年春の
全国保険課所長会議
に
報告
がございましたので、その要領に従いまして
全国
的にこの種の
不正受診
を一定の基準で取調べをするように通知を出したのでございます。この県まだ全部の
結論はま
とま
つて
おりませんけれ
ども
、若し帰りまして
報告
のありましたところがございましたならば、要点だけを御
要望
に
従つて
お
届け
を申上げたいと思います。
山下義信
18
○
山下義信
君 大略はわかりました。どうか
一つ
できるだけ最近の
資料
を頂きたいと思います。それで世間の噂では、最近
保険医
の不正が非常に多いという噂が高いのですね、それから同時に、私は一方的なことは言わん、被
保険者
のほうもかなり
保険証
の
不正使用
というか、その
資格
のいろいろな不正なことも多いということなんです。双方がそうやり出すと、これはもう
保険制度
は、ただ単に
経済
上の問題でなく、
制度自体
の大きな
欠陥
があ
つて
崩壊せざるを得ん。今のところは
経済
的な面で
ポンプ
を一生懸命注ごうというので我々はかり立てられて勢子にな
つて
多少の微力をいたしつつある。併しながら何
ぼやつて
も金のほうの水の出を
ポンプ
で押しかけても、
制度
に根本的な
欠陥
があ
つた
んじや運営全きを得ない。どうしてもこれはそういうふうな
実情
を明らかにせればならんと思う。こういうことに対するまあ対策と言うか、
状況
を明らかにすることを当局も遠慮してはいかん、何もはばかることはない、そうして若しそこに弊害のあるところがあ
つた
ならば、
制度
の上にでもどこにでも明快なメスを入れて、そうして
保険
の
制度
の能率も挙げ、適正なものに持
つて
行かなか
つた
ならば、
全国
民の
福祉
の向上は期し得られない。今
お話
のあ
つた
兵庫
県下
の一部の御
調査
でも、
調査
の
対象
の十幾百かの
医師
の殆んど六〇%が不正であ
つた
。
調査
の
対象
にしたのは、それはこれはとめどをつけた人だけを
調査
したので、そういうパーセンテージが
上つたの
かわからんが、併しそれにしても驚くべき数で、一
県下
に何百名というような
保険担当医
の
取扱
いの、軽微な或いは
規則違反
の
程度
であ
つた
か知らんけれ
ども
、かなり重い
違反
もあるようでございます。
指定
の
取消
というようなことに該当する
医師
の数も一
県下
で恐らく
兵庫
県の
実例
などで百五十名くらいあ
つたの
じやないかと思うのです。そういうことでは行けようはずがない。それで若し多数の
全国
に不正な
医師
が仮にあるとすると、そうすると
幾ら保険経済
に国費を負担するということを我々正々堂々論じても、その
相当
なものが不正のところを肥すに過ぎんということにな
つたの
では意味をなさん。
保険経済
を堅固にするゆえんは、我々素人でわからないが、やはり
医療内容
を向上させて十分な被
保険者
の
福祉
を向上させて行かなければならんのであ
つて
、そういうことがあ
つて
はならない。それで
保険医
の
公共性
を強調いたして、或いは
減免税
その他の国家としての施策も立てなければならんが、大いに御協力申上げなければならんが、こういう不正なことがあると正しいお医者さんは迷惑するのです。そう思うのですね、全部が全部でないのにそういうことを言われますと、そういうことによ
つて医師
全体のこうむる損害というものは
尨大
なものじやないかと思う。大体非常に多いのですか。
久下勝次
19
○
政府委員
(
久下勝次
君)
保険医
の不正問題につきましては、実は御
承知
の
通り全国
に
保険医
の
指定
を受けておるのが五万名も超えております。非常に多数でございまして、僅かな
職員
を以てこれを万遍なく
監査
をするということは不可能に近いのでございます。私
ども
や
つて
おりますのは、先ず第一は
保険
の
審査委員会
などでたびたび問題になるような人、その他の
関係
から各県でそれぞれ公平な
立場
でこの人を一度調べたいというようなことで打合せがありました場合に、
本省
から係官を派遣して調べておるわけであります。従いまして全般的な比率においては、
監査
を受けた者のうち、
相当数
の問題を起したかたがたが出て参りますが、一面におきましてこの問題は実は最近の
状況
では、
保険医
の
指定
を
取消
すということが同時に又
医師
としての生活を奪うというと語弊がございますけれ
ども
、
保険
が
医師
の診療しておりまする
相当
多くの
部分
を占めておりますので、私
ども
としてはこの点についてはその辺の
実情
も考慮して、検査は勿論公正にやりますと同時に、その結果によりますけれ
ども
、
処分
につきましては正しいものは勿論正しいものとします。又不正をいたしましたものでも、その
状況
によりましてはできるだけ穏便な
措置
をとると同時に、又逆に到底改心の見込がなく、他の
保険医
に対しても今
お話
のような非常な迷惑を及ぼすようなことをしでかしておりまするかたに対しましては断固として
取消処分
をするというような
処置
をと
つて
おるのでありまするが、全体の数から見ますると、
今ちよ
つと全部の数は持
つて
来ておりませんので大変恐縮でございますが、そう多いとは
考え
ておりません。
先ほど
ちよ
つと申上げました最近の例で
広島
の
実例
を申上げましたが、一側の
内申処分
で七名の
取消
が出るということは、今まで私の知る限りでは例がございません。大抵一、二名でとどま
つて
おります。
山下義信
20
○
山下義信
君 今の
数字
は私多少の、若干の誤謬があ
つた
かも知れませんが、私の得ている
数字
では二十六年度で二千八百九十二名を
調査
した結果、百五十一名の
指定取消
、七百五十七名の
戒告
、百七十四名の
注意
、約六〇%の不正があ
つた
と、こういうことで、本年の
厚生省
は
調査
を今
局長
の言われた
通り
にしたはずでありますから、一応その結果を見なければ最近の
状況
がわからん。
是非一つ新
らしい
資料
を御提出を願いたい。 それで今
保険医
の
指定制度
はどうな
つて
おりますかね。誰が
指定
することにな
つて
いますかな。
久下勝次
21
○
政府委員
(
久下勝次
君)
保険医
は
都道府県知事
が
指定
することにな
つて
おります。
山下義信
22
○
山下義信
君 私の記憶では恐らく四ヵ年ほど前に、丁度この反対のあすこは第十何号
委員
室だ
つた
か、
保険
法の改正をいたしましたときに、
知事
が今
局長
の言われたように
指定
することにな
つて
お
つたの
を、やかましい修正、
意見
が出て、そうして何でも
医師
会に相談するか誰かに相談をしてそして
指定
するように条件附でこの
法律
をそこで直したような記憶があるのでありますが、条文を見ずしてお尋ねしては恐縮なんですが、ただ
知事
が勝手に
指定
ができるように、一人でできるようにな
つて
いますか。
久下勝次
23
○
政府委員
(
久下勝次
君)
法律
上
保険医
と申します者は
知事
が
健康保険法
の規定に基いて
指定
をする事にな
つて
おります。併しながらこれは運用上は又私
ども
の
考え
方といたしましては、
健康保険法
の知むるところに従いまして診療担当規定というのを、厚生大臣がきめて
全国
に流しております。この診療担当規定というものを
承知
の上で
医師
の中入れに従う公法上の契約と解しているのであります。それが
保険医
でございますが、そのほかに恐らく
保険医
には、
保険医
と称しておりませんが、
保険者
の
指定
するものというのが多少ございます。これは
政府
管掌の場合には私
ども
のところで具体的な例で申上げますると、
国立病院
、
国立療養所
というのは、これは
保険者
の
指定
するものとして、
保険医
とい
法律
上の扱いではございませんが、実質は同じでございますけれ
ども
、
病院
療養所
でや
つて
います。そのほかこの例は各健康
保険
組合などに例がございまして、健康
保険
組合などが独自の
立場
でそれぞれの
医療機関
と契約をすることができるようにしてあります。その意味ではないかと思います。
山下義信
24
○
山下義信
君
取消
すときは
知事
が勝手に、
法律
はできているのたが、あなたのほうへ相談するようにな
つて
いますね、実際は。これは
資料
を頂きましてこの問題につきまして他日検討させて項くことを、留保いたしまして私の質疑は一応終ることにいたします。
藤原道子
25
○
理事
(
藤原
道子
君)
ちよ
つと速記をとめて下さい。 午後二時五分速記中止 —————・————— 午後三時四十四分速記開始
藤原道子
26
○
理事
(
藤原
道子
君) それでは速記を始めて下さい。暫時休憩いたします。 午後三時四十五分休憩 〔休憩後開会に至らなか
つた
〕 —————・—————