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1952-11-28 第15回国会 参議院 厚生委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十八日(金曜 日)    午後一時三十六分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十六日委員山田佐一君辞任に つき、その補欠として草葉隆圓君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤森 眞治君    理事            藤原 道子君            堂森 芳夫君    委員            草葉 隆圓君            長島 銀藏君            常岡 一郎君            山下 義信君            谷口弥三郎君            深川タマヱ君   政府委員    厚生省兒童局長 高田 正已君    厚生省保險局長 久下 勝次君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省社会局長 安田  巖君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員会設置の件 ○小委員の選任の件 ○小委員長指名の件 ○社会保障制度に関する調査の件  (厚生省関係予算に関する件)   —————————————
  2. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは只今から厚生委員会を開きます。  先ず遺族援護に関する小委員及び小委員長指名を申上げます。小委員長島銀藏君、草葉隆圓君、常岡一郎君、井上なつゑ君、堂森芳夫君、高田なほ子君、谷口弥三郎君、深川タマヱ君、西園寺公一君。そうして小委員長草葉隆圓君にお願いいたします。   —————————————
  3. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは先日に引続きまして、厚生省関係予算について、今日は社会局兒童局保險局関係説明を承わります。先ず社会局からお願いいたします。
  4. 安田巖

    説明員安田巖君) 社会局関係明年度予算概算要求内容を御説明申上げます。会計課長から大体一通りお話があつたと思いますので、主だつたところを御説明して行くようなやりかたでやつて参りたいと思います。  社会行政統轄運営に必要な経費、これは殆んど人件費とこれに伴う費用でございますので、説明を省略いたします。その次の社会事業に関する調査企画等に必要な経費、これは……。
  5. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 必要なところだけを……。
  6. 安田巖

    説明員安田巖君) それじや一つ委員長お話もございましたので、必要なところだけをお話申上げたいと思います。  ずつと飛んで参りまして、生活保護に必要な経費のところを御説明申上げたいと思いますが、昨年は御承知のように二百四十六億一千四百万円でございましたが、来年度の私ども要求は三百八億八千万円になつております。これは今までの、過去一カ年間の実績から見まして、人員がどのくらい殖える、照価がどのくらい殖えるかというようなことを考慮いたしましたことと、それからいろいろその後の物価値上り等を見まして、基準を改訂いたしまして、現在のところで一例を挙げますというと、東京都のような、いわゆる一番物価の高いところで、標準の五人家族が大体七千二百円でございますが、これを千円くらいの目標で上げてあるのであります。それが二百四十六億から三百八億に上りました理由でございますが、なおこれには米価改訂は来年一月からございますけれども、これが組入れてございませんので、これから大蔵省と折衝いたしますときには、そういうものが入つて来るだろうと考えております。この費用は、御承知のように必要な経費大蔵省のほうでも必ず認めて頂けるもので、ただ見積りが正しいかどうかということが問題になる程度でございますので、米価改訂等もこれから一つ折衝いたしますときには、中に入れまして持つて行きたいと、こう思つておるのでございます。  それからその次に大きな予算といたしましては、百二十七と書いてございます身体障害者保護更生に必要な経費というものがございます。この中で大きな問題は、更生医療補装具給付の問題であります。厚生医療というのは、昨年国会で認めて頂きまして、戦傷者には実は今年から適用いたしておるものでございます。手足を怪我いたしておるような者が、外科的な手術によりまして、その機能を回復する、そうして職業につきやすくなるというようなことを狙つた医療でございます。これはこういうふうな項目がございませんと、一応症状は固定いたしておりまして、病人ではないのでございますので、普通の生活保護医療や、保險医療では取扱つてくれませんので、こういうものを考えたわけでございます。そこでここにありますのは、戰傷病者更生医療を本年やりましたのでございますが、来年は一つ一般身体障害者にそれを及ぼしたいということが私どもの念願でございます。その費用、一億一千九百万円ばかりがこれに入つております。更生医療の必要なのは、数から申しますとやはり一般身体障害者のほうがずつと多いのでありますので、できれば一つ年度是非この予算を通したい、こういう考えでございます。それからその次、補装具等の支給の補助でございますが、これは二億五千五百万円ばかりこの中に入つております。昨年は八千六百万円ばかりでございましたが、実施をいたしてみますというと、だんだんそういう要求もございますし、又現在の予算額では到底賄い切れませんので、こういうような予算要求いたしたような次第でございます。それからそのほかには、身体障害者更生擁護施設といたしまして、六千五百八十万円が入つております。これは各府県身体障害者更正指導所というのをどんどん建てておりますけれども、来年は八カ所分を見込んだわけでございます。で、この仕事はどういうことかと申しますと、身体障害者福祉司身体障害者を見つけ出しまして、そうして福祉事務所で例の身体障害者手帳を出すのでございますが、その中で更生指導所に入れまして、多くの場合はこれは金の負担のできない人が多うございますので、国費で見るようになりますけれども、中で医学的、心理学的、乃至は職業的な判定をいたしまして、そうして又補装具装着が必要なものにつきましては、補装具装着をしてやる。そうしてそれの又装養訓練をする。そしてそれが一応できますというと、更に簡單職業指導をやる、そして外へ出すというような仕事をやつておるのでありまして、これは非常に各府県で効果を挙げております。但しまだできていないところがございますので、そういうところを来年度八カ所設けたいと、こういう趣旨のようでございます。それから庇護授産施設というのがございます。庇護というのは保護というような意味庇護でございますが、庇護授産施設を六カ所、これが六千五百万円ばかりのものを出しております。これはイギリスにはこのシエルタード・ワーク・シヨツプというのがありまして、これは民間の団体がやつておるのでありますけれども身体障害者は御承知のようにその労働能力が六〇%とか、七〇%とか言われておりますから、そういう人を雇つて仕事をいたしましても、やはり能率が上りにくいわけであります。そこで共同作業所のようなものをそのコーポレーシヨンが作りまして、それに政府が若干の赤字補填をやる、というような式のものだそうでございます。その通りには行きませんけれども、日本でも前段申しましたところの更生指導所なんかに入れまして、外へ出すといたしましても、すぐに職がないとか、或いはだんだんそういう人が殖えますというと、職場がだんだん狭くなつて参りますので、そういう共同授産所と申しますか、作業所的なものを設けまして、そしてその建設費なり、事務費の若干を見てやることによつて稼働力の足りないところをカバーして行ごう、こういう構想で今年新らしく出して見たようなわけでございます。それからもう一つ更生資金貸付金を一億九千九百万円ばかり見たのでございます。これは二万円ばかりのもので、六千六百六十人分くらいを見たわけでございます。で、これは身体障害者が今申しましたようにいろいろ仕事を身につけて外に出たといたしましても、仕事を一番初めに始めます資金なんかがございませんので、そういう身体障害者に独特の更生資金考えて見たいということが、この予算の狙いでございます。で、これは当初は国民金融公庫にお願いをいたしまして、これだけの金を国民金融公庫の中に入れて頂くようなつもりで、実は予算を出しておるわけでございます。国民金融公庫では御承知のように年九分の利息になるのでございますが、その後いろいろ考え方を変えまして、現在では、できれば一つ県にこの仕事をやらせまして、そうして県でやりまするならば、大体年六分でやるというような構想に改めまして、折衝いたしておるような次第でございます。これらが身体障害者保護更生に必要な経費の主なる内容でございます。  それからその次に一つ飛ばしまして、戰傷病者保護更生援護に必要な経費というのがございますが、これは主なものは一つ戰傷病者更生医療給付をするということと、それから戰傷病者補装具給付をするということでございます。これは本年の実は予算に入つておりまして、やりましたのを、来年若干の増額要求いたしておる次第でございます。金額を申しますというと、総額が六億六千八百五十万円でございまするが、そのうちで更生医療が二億四千九百万円ありました。それから補装具のほうが四億一千九百万円ございます。昨年は更生医療が一億二千四百万円、補装具が四億一千万円ばかりでございますから、補装具のほうは殆んど殖えておりませんが、更生医療のほうは約倍額を要求しているようなわけでございます。それからもう一つこの中で戰傷病者等委託訓練費というのがあるのでございます。これは一千九百七十万円ばかりでございます。これは戰傷病者にいろいろ先ほど申しました更生指導所あたり仕事を與えるのでありますが、丁度自分のやりたいと思うような仕事をそこでやつていないような場合もございますので、まあつまり通いで、例えば時計屋に入れてやるとか、或いは洋服屋に行くとかいうようなことにいたしまして、そうして交通費とか作業衣とか仕事に要する器具というようなものを見てやつたらどうかという新らしい計画なのでございます。これは大した額ではございませんけれども通りますならば相当喜ばれるのじやないか、こういうふうな考えでございます。  それからその次に結核回復者保護施設設置に必要な経費でございます。これはいわゆるアフター・ケアーのことでございますが、御承知のように結核は予防と治療とアフター・ケアーと三つ揃わないと完全な結核対策でないと言われるのでございますけれども、不幸にして現在まではアフター・ケアーに国から金を出しておりません。そこで来年は非常に少額でありますけれども八カ所計画を立てまして、そうして二分の一を補助する、これを県に一つやらせてはどうかというような考えでこの予算を計上いたした次第でございます。    〔委員長退席理事堂森芳夫委員長席に着く〕  それから次に参りまして消費生活協同組合法施行に必要な経費というのがございます。この中で一番大きいのは、一億円消費生活協同組合の発展を助長いたしますために事業資金として貸付をする金が入つておるのであります。産業組合が分割をされまして、消費生活協同組合とそれから中小企業協同組合、それから農業協同組合と分れたわけであります。生活協同組合以外のほうは御承知のように中小企業に必要な金庫がございますし、農業のほうでは農林中央金庫がございまして、それぞれ系統の金融機関があるわけであります。生活協同組合のほうだけが金融機関がございませんので、これが生活協同組合仕事をして行く上に非常な障害なつておるので、取りあえず来年一億円を要求いたしております。これは県のほうにこの金を流しまして、大体今のこれは私ども構想でございますけれども最初二年は据置で、あと三カ年を三分六厘五毛あたりで国から県へ貸す、そうして県は協同組合には最初の二カ年に大体四分、あと三年償還が始まりましてから七分五厘くらいで貸して行つたらどうかという案を持つておるわけでございます。  それから公益質屋法施行に必要な経費でございますが、このうちで大きなのは公益質屋設置補助金が一億九千八百九十二万円ばかり要求してございます。これは公益質屋百九十二カ所の設置相当するわけでございます。御承知のように戦前公益質屋というのは大体千百四十カ所あつたのでございますが、現在は本年の補助予算計算に入れまして、二十七年度の末にでき上ります見込を全部加えまして四百六十カ所しか現在ないわけでございます。戦前の大体三分の一くらいしかないわけでございます。これは御承知のように地方では非常な要求がございまして、二十七年度二十五カ所承認いたしたのでございますけれども、申込は百二十カ所ばかりであります。地方公益質屋ができますというと、それが必ず赤字が出ないで大体とんとんに立派にやつて行ける社会事業施設の殆んど唯一のようなものであります。民間質屋でございますと御承知のように大体月一割の利子がございます。公益質屋でございますと月三分で而も民間のほうは一月計算でございますが、公益質屋のほうは十五日で計算いたします。例えば非常に短い期間でありましても、二月にかかりますと、片一方は二割、片一方は一分五厘ということで、相当貧困階層に喜ばれておる施設でございます。是非こういう方面に力を注いで参りたい、こういうふうに考えております。  あとはここで特に御説明するほどのものもないかと思いますが、ただ百三十九に浮浪者保護更生に必要な経費とございますが、これは浮浪者更生施設を二十八カ所、一時保護所を六カ所作りたいという予算でございます。御承知のように六大都市を限つて見ましても相当浮浪者がございます。なお又東京の真中に本来家が建つべからざる所に掘立小屋を建てておりまして、いろいろな意味からも一日も早くこれを普通の所に移さなければならんというような場所がたくさんございますので、六大都市のこういつた浮浪者に対する対策といたしましてこういう予算を組んだわけでございます。  大体こんなところでございますが、御質問がありましたならならばお答えをいたしたいと思います。
  7. 堂森芳夫

    理事堂森芳夫君) 質問あとからまとめてすることにいたしまして……兒童局長
  8. 高田正已

    政府委員高田正已君) お手許に参つております二十八年度一般会計歳出予算概算要求額事項別表というものの兒童局分のところにありますが、順に従いまして簡單に御説明申上げます。  最初にございまするように全体的な問題といたしまして前年度予算額は六億一千六百万円でございますが、来年度の二十八年度要求額は百五億六千五百万余円になつております。これはその主たる理由は御承知措置費平衡交付金    〔理事堂森芳夫退席委員長着席〕 に入つておりましたのを補助金に十三国会で直すように御修正を頂きましたので、それに伴う補助金措置費の増加ということが一番大きな原因になつております。個々につきまして極く簡單に御説明申上げます。  一番目の兒童局一般行政経費、これは特別御説明を加えるほどのことはございません。二番目の兒童福祉事業に必要な経費、これにおきましては中身といたしましては中央兒童福祉審議会経費でありまするとか、兒童福祉司、或いは相談所職員現任訓練費用でございまするとか、それからいろいろと周知徹底を図る費用でございまするとか、或いは要保護兒童調査費用でございまするとか、なおいろいろと細かい事務費がございまするが、補助金に相成りますると相談所補助金と、一時保護者補助金と、兒童福祉事務所兒童福祉関係事務を行いまするにつきましての補助金と、なお都道府県兒童福祉法施行を監査いたしまするその補助金と、かような補助金を含んでおります。兒童相談所の問題につきましては新らしく十カ所増設いたしたいという要求と、それから今日存在いたしまする私ども事務的にD級と申しておりまするが、即ち判定の組織を持つておらない小さい相談所、七十六カ所ございまするが、それをC級に格上げいたしたい、かような要求を含んでおります。  その次の三番目の母子家庭対策に必要な経費、九億一千九百万円ほどございますが、これは全然新規要求に相成つております。内容といたしましては母子家庭対策のまあ協議会というようなもの、それから母子相談員のトレーニングをやるというような費用、それから補助金といたしましては母子相談員を新たに設置いたしまするにつきましての補助金、それから母子福祉指導員設置いたしまするにつきましての補助金、それから貸付事務審査をいたしまするに要する費用、まあ大体この三つが区別に上つております。それから貸付に要しまする資金を二分の一国から貸付けるという費用を八億四千一百万円ほど含んでおります。資金種類でございまするが、生業資金技能修得資金技能修得中の生活費貸付資金事業をやつておりまする途中におきまする運転資金子供学校に通わせたり或いは職業補導所に通わせたりいたしまする場合の養育資金、大体かような種類を含んでおります。この金額をはじきました基礎といたしましては私どもがいろいろな資料によりましてそれぞれの資金貸付希望者を大体の資料によりまして推定をいたしまして、その希望者のうちからすでにある制度で、資金貸付を受けておると思われるものを差引まして、その残りを四カ年計画で行うという計算をいたしております。そういう観点から対象者の人数を出しておるわけでございます。なおこの予算の建前といたしましては都道府県特別会計を設けてかような資金貸付をいたす場合に、その半額を政府から都道府県貸付ける、こういうことになつておりまするのでこの八億四千一百万円に都道府県費が八億四千一百万円同額だけ加わりまして、実際の貸付はこの二倍になるという予定でございます。以上が母子家庭対策に必要な経費の概略の説明でございます。  その次の四番目の兒童福祉施設整備に必要な経費、これは御承知相談所、一時保護所教護院精薄教護施設保育所母子寮、その他広く兒童福祉施設を新たに設置いたしましたり、或いは修理をいたしましたり増改築をいたしましたりするに要する経費でございますが、十五億九千五百万円ほどの要求をいたしております。前年度既定予算の額と相当開きがございまするが、それぞれ必要なものを予定いたしまして、かような要求をいたしたわけでございます。この中で一番大きなものといたしましては母子対策に関連を持つわけでございまするが、母子寮保育所が両方を合せまして十億ちよつと切れるくらいの金額でございます、保育所が五億三千四百万円、母子寮が三億八千六百万円、保育所におきましては新設二百五十カ所、増改築二百二十九カ所、母子寮におきましては新設百二十カ所、増改築百七十五カ所を予定をいたしておるわけでございます。その他の約六億弱のものがその他の各種の兒童福祉施設整備費予定されておるというわけでございます。  それから五番目の孤児、浮浪児等保護に必要な経費、この中におきましては里親制度に関するものと人身売買対策に関するものと混血兒対策に関しまするものと、それから施設に入つておりまする子供たち職業補導に関しまするもの、大体大きく分けますとかような経費を含んでおります。それから六番目のこれは特別に御説明を加える必要はないかと思います。  七番目の兒童保護に必要な経費、これは全然新らしい新規要求なつておりまするが、先ほど一番最初に申上げました兒童福祉施設に収容をいたした、或いは里親委託をいたした子供たちの食い扶持その他の施策に要する費用でございまして、前年は平衡交付金に含んでおつたものでございます。それを五十五億ほど要求をいたしております。  それから八番目は保育所母子寮に必要な経費でございまするが、この中では特別にお話を申上げまするのはただ一つでございまして、脱脂粉乳を従来給食いたしまする際に、政府買上げまして無料給食をいたしておつたわけでございまするが、本年度からそれが有料ということに相成りました。それをもう一度保育所給食実情に徴しまして、政府で全部買上げて本人には無料で食べさしてやるという要求が六億九千万円ほどの金額として入つております。学校給食のほうと歩調を合せましての要求でございまするので、彼此睨み合せて政府部内の問題に相成るかと思います。それからこの中に六千五百万円ほど既設保育所に対する補助金が含まれております。次の兒童環境改善に必要な経費の中には兒童厚生施設のうち、兒童遊園設置費に対しまして補助をいたしたいという要求が一億二千八再万円ほど含まれております。十番目は大した問題でございませんが、十一番目に母子衛生に必要な経費ということに相成つておりますが、この中では御承知の妊産婦の健康診断に要する経費乳幼兒健康診断に要する経費新規要求といたしまして乳幼児の特殊疾病対策に要する経費、かようなものを含んでおります。  十二番目に身体障害兒対策に必要な経費、このなかには身体障害兒の肢体不自由見をも含めまして、身体障害兒療育措置費補助といたしまして、先ほど社会局長ちよつと御説明になりました、大人の場合の更生医療に当るようなことでございまするが、身体障害兒療育相談に当りまして、これはこうすれば簡單に治るというふうな場合におきまして、それらの者がその医療を受けまするについて、経済的に負担ができないというふうな者に対する経費を支出してやる、その補助金が含まれております。それからもう、ろう、あ兒その他の身体障害兒に対しまして車椅子とか安全杖とか補聴器等交付或いは修理をいたす費用もこの中に含まれております。大体以上が説明の大略でございまするが、そのほかにお手許資料ではあとのほうに載つておりまするが、国立教護院武蔵野学園に要する経費と、それから国立の肢体不自由見の施設に要する経費、二つがあとのほうに出ております。いずれも特別御説明を加えるところはないかと存じます。甚だ簡單でございますが説明を終ります。
  9. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは引続きまして久下局長にお願いいたします。
  10. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 保險局長でございますが、お手許にお配りしておりまする昭和二十八年度厚生省所管予算要求調でございます。それの第九枚目に保險局という見出しがございます。  一般会計から御説明申上げます。最初社会保險行政統括運営に必要な経費が本年度に比較いたしまして相当増額要求に相成つております。これは勿論ベース・アツプ等関係もあるのでございますが、この中で特に申上げたいと思いますることは、これは本省及び地方を通じまして社会保險業務を担当しております職員費用が主でございます。これに、つきまして来年度ども新規考えておりまする項目は、先ず一つ社会保險審査委員会というものを、新たに設けたいという考え方でございます。これは御承知の道け、現在法律に基きまする社会保險審査会というのがございまして、労使並びに公益の各代表の委員が入つて保險給付に関しまする不服の審査をいたしておるのであります。いろいろ仕事をいたしておられるかたがたにお願いしておりまするので、その関係上、会議を開く回数が思う通り頻繁に開けないのでございます。従いまして年々激増して参りまする不服申立審査事務が今日非常に遅れておりまして、被保險者に非常な不便をかけている実情でございますので、来年度特別職審査委員会を設けまして、五人の委員に、これに若干の事務職員を配置いだしまして、審査委員会というものを新たに設けて行きたいという要求をいたしておるのでございます。そのほかに地方には各府県に御案内の通り保險課審査官一名ずつ配置してございます。これが第一次審査機関としてやつておりますが、特に大都市を抱えております府県に非常に多忙を加えております。少数ではございまするが、これを増員して参りたいという考え方一つでございます。それからもう一つの新らしい項目は、社会保險の現場の仕事は申すまでもなく、現金の取扱い等をいたしておりますので、私どもとしても極力全力を挙げて、現在指導、監査等いたしておるのでありまするが、これにつきましてやはり常時業務運営の監査をいたしまする監査官制度を設けたいというような項目が入つております。そういう意味合いにおきまして、特別職五名、一般職十四名の新規増員の要求をいたしておるのでございます。これだけをこの項目については申し加えておきます。その次に社会保險事業統轄運営に必要な経費、これは社会保險審議会或いは先ほど申上げました指導、監査をいたしまするための費用などを計上したもので、特に御説明申上げる必要はないかと存じます。  それからその次に、社会保險診療報酬事務及び支拂基金の監督に必要な経費でございます。中身は、社会保險診療報酬支拂基金という制度がございます。これの監督でございますとか、或いは社会保險医療協議会の運営に必要な経費であります。支拂方式の調査は、本年度岡山県においてすでに実施をいたしたのであります。来年度も引続き他の地方において一、二やつて行きたいという計画もございます。それの費用を一括して計上したものでございます。それからその次の、健康保險の運営並びに調査企画に必要な経費、その中身は、健康保險組合の監査に必要な経費と、健康保險組合の事務担当者の報酬に必要な経費、これを計上してあるものでございます。  それからその次に社会保險数理事務に必要な経費は、これは現在数理課というのがございまして、いろいろ社会保險の統計資料を作り、又連絡をいたしておりますので、それの費用に計上してあるのでございます。それからその次の国民健康保險に必要な経費として挙げてございまするのは、国民健康保險指導をいたしております。国民健康保險事務運営に必要な経費でございまして、このところは取立てて申すようなことはございません。会議費でございますとか、旅費でありますとか、器具というようなものが人づておるわけでございます。  次の社会保險審査に必要な経費最初に申上げました社会保險審査委員会というものを設けますので、この事務運営の費用でありまして、例えば証人を喚問いたしますための旅費でありますとか、或いは委員の人が調査に出掛けます旅費でありますとか、そういうようなものがこの中に入つておるのでございます。勿論これは地方審査官事務運営もこの項目で取扱うことに相成つております。全体としては相当ふくれた予算に相成づておるわけでございます。  その次の社会保險の国庫負担金に必要な経費、これは金額相当大きくなつております。昭和二十八年度要求は百十一億一千四百五十八万四千円になつておりますが、これが大きくふくれておりますのは、健康保險並びに船員保險に対します医療給付費の国庫負担を計上してあるからでございます。政府管掌健康保險分だけで五十一億ほどの予算なつております。他の費用を加えまして、その部分だけが大部分を占めております。そのほかに健康保險、船員保險及び年金保險に対します事務費の国庫負担がございます。これが今年度は被保險者一人当り百三十七円五十銭に相成つておりますが、来年度はいろいろの費用の増嵩を見まして被保險者一人当り二百八十九円四十八銭という單価になるような状況に相成つておるわけであります。そういうもので事務費補助医療費国庫負担分が殆んど大部分を占めまして、そのほかに結核施設補助が加わつておるわけでございます。  ついでに結核施設関係を申上げておきたいと思いますが、厚生省全般の結核施設の整備の方針に従いまして、社会保險におきましても先ず政府管掌健康保險で、来年度は一千七百ベツドにしたい、それから健康保險組合に補助をいたしまして二千百ベツド、合計三千八百ベツド、そのほかに船員保險で二百ペツド、合計四千ペツドを社会保險としても結核ベツド増設の一翼をかつて整備をしたいという考え要求をしておるのであります。  それからその次の健康保險組合補助に必要な経費、これは大きなものはやはり医療給付費の国庫負担二割分でございます。そのほかに事務費が本年度政府管掌の被保險者一人当り百三十七円五十銭を組合被保險者総数にかけまして決定しておるのでございます。来年度は二百八十九円四十八銭に單価を上げまして、事務費のほうも全額補助をするというような建前で入れておるのでございます。先ほど申しました結核ベツドの、二千百べツドの補助分もこの中に計上され工おるのであります。  最後は国民健康保險助成に必要な経費でございます。これは先ず第一は主な項目だけを申上げますると、事務費の全額補助がございます。本年度は被保險者一人当り五十三円の要求をいたして予算がきまつておるのでございますが、来年度はべース・アツプ等も考慮いたしまして、被保險者一人当り七十二円五銭になる計算になりまするので、これに被保險者総数二千九百三十万ほどになるものと予想いたしまして、予算要求なつておるわけでございます。第二は医療給付費に対する国庫負担でございます。これは例年の通り、二割の国庫負担をしてもらいたいということを要求しておるのでございます。この金額が約四十六億をちよつと超えております。それから保健婦に対する補助は、従来から認められておるのでありまするが、これも人員が増しまするし、又一人当りの單価も二千九百円を三千九百円ぐらいに殖やしまして、総数五千八百九十九人を設置できるように予算要求をいたしたいという計算なつております。それからもう一つは、本年度すでに御案内の振興奨励交付金という制度で、保險料の徴収のいいところに奨励金を出しまして、そうして国民健康保險制度の運営の強化を図りたいというものでございます。本年度は四億でございましたが、来年度はこれを増しまして十二億円余の要求をいたしております。この内容は、本年度は徴収割合七割を超えたものに対しまして、その七割を超える金額に対する一定割合だけを交付するようになつておつたのでございます。これでは非常に條件がきつうございまするし、又七割以内の徴収をしておるものにも全然奨励金が参らないということにもなりますので、それらの点の條件を緩和いたすことにしまして、十二億円の要求をいたしたのでございます。次は再建整備貸付金要求でございますが、この中に十五億円余の金額が入れられておるのでございます。これもすでに法律の御審議を前国会でお願いをいたしたのでございますが、御案内の通り條件が非常に窮屈でございまして、而も一番難点は二十六年度末にありました赤字の半額だけを貸付けるということになつておりまして、あとの半額は保險者が自分で調達しなければならない。而も貸付金交付を受けたときに直ちにこれを半分を調達して医者に拂わなければならないというような建前になつておりましたので、條件がきつうございするので、なかなか借りる申請が出て来ないのが現状でございます。そこで私どもの来年度考えといたしましては、貸付額にいたしましても先ず八割ぐらいは貸してもらいたい、同時に又赤字につきましても、本年度相変らず赤字が増す様子でございまして、只今の見込では二十七年度末に三十一億円の赤字になるということでありまするし、二十七年度末までの赤字を解消をするようにしてもらいたいという新たな要求を出して、その金額年度分十五億に相成るのでございます。そのほかに申上げたいことは、災害を受けました国民保險医療機関がございますが、これの復興が今まで補助金がなかつたのでございます。今度は是非項目を別にしてこれを認めてもらいたいというので出したのでありまするが、同時に災害関係では貸付金要求いたしております。本年度鳥取の大火災で鳥取市が国民健康保險をやつておるのでございますが、必然的に保險料の減免をいたさなければなりません。一方国民保險をやめる意思はないというようなことで、何とか助成の途を講じて欲しいという熱心なお話がありまして、財務当局と話合をいたしまして五百万円足らずの、四百五十万円ほどの金が、大体低利資金貸付けてもらえるようなことになつたのであります。来年度はそれに倣いまして、正式に予算の上に貸付金制度を認めてもらいたい。災害のための貸付金制度を認めてもらいたいというようなことを要求してございます。それから大事なことを申し落しましたが、直営診療所施設は御承知通り、ずつとここ数年四億円ずつ認められておりますが、これの増額の御要望も強いのでありまして、来年度は十億、二倍半の要求をいたしておる次第でございます。以上が国民健康保險助成に必要な経費の主な合計でございます。  それから特別会計のことをちよつと申上げておきたいと思いまするが、同じ資料の十五頁、極く大体のことで、御質問がございましたらあとお答えをさして頂きたいと思いますが、先ず健康保險の問題でありまするが、只今私どものほうで計画をいたしておりまするのは、既定の健康保險事業を遂行するだけでなしに、来年度は新たに先ず適用範囲の拡張をして見たいという考えをしております。現在強制適用の時外にありまするもののうち、例を挙げて見ますと、土木建築、医療看護、教育、研究、社会福祉等々の事業が現在強制適用になつておらないのであります。これらの事業にも適用を拡げることにしまして、その数が私どもの推算では五十一万七千人ほどになる予定でございます。こうした五十万を超えまする範囲中の人々に、健康保險を適用して参るようにしたいということが、第一でございます。それから第二は現在健康保險給付は、二年間で打切られることになつております。すでに国家公務員共済保險におきましては、結核に対して一二年間の給付が実施されておるような実情でございますので、給付期間の延長が、各方面の御要望でもありますので、来年度は是非一年延長をしまして、三年の給付を実現したいという考え方で、予算要求してあるのでございます。これが特別会計のうちの健康勘定の、今年と変つておる主な点でございます。なお又被保險者も、今年度要求は四百十万ほどで要求しておりますが、このまま推移いたしましても、四百三十六万人くら」いの被保險者になる予定でございます、その分も加えまして、従つて政府管掌健康保險は、私ども計画通り承認をされるといたしますると、新規適用を含めまして、来年度中頃には四百八十万を超える被保險者の数になるという計算でございます。そんな関係から、そのほかにも標準報酬の自然の上りなどもありまして、総額におきまして御覧の通り、本年度は二百九十億でやつておりましたのが、来年度は三百二十億というふうに、予算がふくれ上ることになつておるわけでございます。  次は年金勘定の分で申上げたいと思うのでありますが、年金制度につきましては、まだ御説明の機会もございませんでしたけれども、私どもとしては年金制度の全面的な改正を考えておるのでございます。これは終戦後のインフレ対策として、応急措置がとられたままに今日なつておりまして、これは早晩改正をしなけれがならないということは、当時から言われておつたのであります。そういうことが一つと、それからもう一つは、来年末に坑内夫に対する養老年金の支給が、改正される運びになつております。現在の制度のまま放つて置きますと、これらの坑内夫に対して、年額千二百円の年金しか支給できないということになつておるのであります、即ち月百円というような殆んど問題にならない年金を支給しなければならないような制度なつております。それらのことも考え併せまして、この機会に、来年度の養老年金受給者の発生をもう控えておりますので、是非改正をしたいということで今案を練つて、いろいろ各方面と折衝いたしているのでございます。予算はそれらのことを考慮に入れまして要求をいたしているのでございます。これは改正の内容をかいつまんで申上げますと、第一は、健康保險で申上げましたと同じような裏腹の制度でもありますので、適用範囲を拡充いたしたいということが一つございます。又標準報酬が現在最高八千円で抑えてありますので、給與の実態に合いまするように、現在の案では、私どもの腹案では三万六千円に上げるということにいたしてございます。最低は二千円になつておりますが、これを三千円に上げる。結局標準報酬は最低三千円、最高三万六千円という線にまで持つて行きたいというのが一つの腹案でございます。それから年金の給付にいたしましても、細かい点は省略いたしますが、例えば養老年金について一例を申上げますると、先ず給付開始年齢が現在五十五歳でございますが、これを六十歳に延ばして見たらどうだろう。坑内夫の五十歳を五十五歳にする、女子も五十歳を五十五歳にする。それから給付金額につきましては定額制と標準報酬比例制と町方加味して見たいというような考え方を以ちまして、一つの例で申上げますと、一万円の平均標準報酬の人に対しましては、養老年金が二十カ年の満期としまして三が六千円出るような建前にして見たいという考えでございます。そのほかにこれに伴いまして、障害年金或いは遺族年金等も同様な改正をしたいという考えでございますが、ただ脱退手当金はこの改正の機会に廃止したらどうだろうかという考えを持つているのでございます。いずれにいたしましてもそういうような大まかなことだけでは、了解を頂けないと思いますが、大筋だけそういうようなことで、全体の計算をして見まして、同時に国庫負担も現在坑内夫に対して給付金二割、それから、一般労務者に対しましては一割の給付費の負担があることになつております。これも一律に国庫負担二割に上げてもらいたいという要求をいたしたわけでございます。これらのことを考えました数字がここに出ておりますのでございまして、差当り来年度におきましては、年金受給者も少ないのでありますので、実際の給付金額は実質的には相当の上廻りを示しますし、又国庫負担もその意味で上るはずでありますが、実際は年金受給者が三千人程度に予想されますので、予算としては国庫負担は年金関係で二億程度にとどまるはずでございます。二億程度増額するにとどまるはずでございます。  業務勘定におきましては、特別申上げることもございませんが、先ず、一つ申上げたいことは、先ほど来申上げておりますように、厚生年金及び健康保險を通じまて、政府管掌関係の社会保險の被保險者数が相当増加して参ります。これに伸いまして、事務担当者の増員が必要でございます。一応要求としては千五百三十人ほどの事務職員の増員を要求しているのでございます。そのほかに結核ベツドを今年は九百五十床でございましたものを、千七百床に殖やすというようなものも入つております。そういうのが主な要素でありまして、金額相当にふくれているわけでございます。  それから船員保險につきましては、以上申上げました健康保險と年金保險との改正に伴つたことを同様に船員保險においても行いたいという考え方でありますので、特段にこの部分については申上げることもございません。大体極く大ざつぱの御説明で恐縮でございましたけれども、私のほうからの説明を終りたいと思います。
  11. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは保險局説明を承わりまして、本日はこれで委員会を散会することにいたします。    午後二時三十九分散会