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政府委員(慶松
一郎君) 薬務局
関係につきまして簡単に御
説明いたします。
資料の中で九十一番は、これは普通のものでございますから省略して、九十二番は貿易
対策に必要な
経費でございますが、これは大体我が国の薬は従来二割五分ばかりが国外に輸出されてお
つたのでございます。ところが現在におきましては、すでに化学工業におきまして、最も大きな地位を薬の生産が占めておるのでございますが、併し輸出されておりますものは僅かに一%ぐらいに過ぎません。即ち従来の十分の一ぐらいしか出ておらないのでございます。そこでこれを何とかして海外に少しでもたくさん出したいという
意味からいたしまして、海外の市場
調査乃至は宣伝を目的といたしまして、宣伝のパンフレツト等を
一つ作りたいというのがこの九一十二番の貿易
対策に必要な
経費でございます。なおこのためには、人も派遣いたしたのでございますがこの旅費に関しましては、別途渉外
関係で全部含んでおりますので、ここに入
つておりませんのでございます。
それから次は薬業
関係の中小企業育成に必要な
経費でございます。これは今回の新内閣におきましても、その点を取上げておるところでございますが、薬業
関係におきましては、大体製造を業としております者が三千件近くございますが、そのうちで先ず八割以上というものが中小企業と申しますよりも、むしろ小企業でございます。その
意味におきまして、これらを何とかして
補助して行くことが政府としても必要でございます。国家としても必要でございますので、その
意味におきまして、中小企業の
診断とか或いは中小企業の組合、協同組合等の設立に関しまして、国といたしましても
指導或いは育成を図りたいという
意味から、このような
経費を計上いたしておるのでございます。
次は稀少物資云々、これは実はむしろ世界的な問題でございまして、薬
関係については、極めて少いのでございますが、例えばニツケルとかチタンとか、そうい
つたものに関するこの配給の問題でございます。
次の九十五番、企業合理化促進法の施行に必要な
経費、企業合理化促進法と申しますのは、これは本年の三月に成立いたしました
法律でございますが、この
法律におきましては、我が国の
一般の企業に、
一般的に申しまして、我が国の企業が戰争中の空白のために、外国のそれに比しまして遅れておるのを
補助いたしまして、そうして盛んにしようということから起
つたのでございますが、私
どものほうの
関係にも薬或いは衛生資材その他の企業がございますが、それに対しましてこの企業を合理化し乃至は新らしい発見、発明の工業化に対しまして助成をしようとするものでありまして、これは全く新規なものでございます。即ちこれにおきましては新規な優秀な薬等の工業化に対しまして
補助金を出そうというのでございまして、この
考え方は別に
厚生省だけのことでございませんで、通産省或いは運輸省、郵政省その他農林省等にもあるものでございます。で本年の
補正予算におきましてもこの点を
要求したのでございますが、実はこの
関係は本年は通産省が持
つておりますこういう
一般的な
補助金、これを幾らか分けてもら
つておりますので、その
意味において
大蔵省の認められるところにならなか
つたものでございます。併しながら私
どもといたしましてはこの点を何とかして確保いたしたいと念願いたしておるのでございまして、そういたしますことによりまして、外国に拂
つておりまする薬
関係の
技術に対しまする特許料その他等もよほど防げるのではないかと存じておるのでございます。参考までに今日我が国の製薬界が外国に対して特許料を拂
つております金額は本年は約一億五千万円、来年は二億になり、再来年は四億になるというような計算に
なつておるのでございますが、これをできるだけ防ぎたいというのが私
どもの考えでございます。
次は従来もございまする価格の
調査に必要な
経費でございますが、このことは又一面保險におきまする薬の値段等にも関連いたしておりまして、保險
関係の薬の価格
調査等にもこれを応用いたすことに
なつております。
次は従来
通りのものでございます。
次の薬事衛生に必要な
経費、これも従来と
余り違
つておりませんが、ただ薬剤師の免許の登録の許可とか或いは薬局の
実態調査とか、そうい
つたことが計上されておるのでございます。
薬事審議会の
運営に必要なる
経費、これは単価増等の
関係で昨年よりも殖えておるものと存じます。
次に薬剤師の試験審議会の
運営に必要な
経費、これはただ単価増を見込んでおるのでございます。なお多少殖えておりますのは、これは
委員の改選がございますので、その
意味において旅費等がいささか多く
なつておる次第でございます。
次の公定書と申しますのは、公定書に必要な
経費、これは御存じの薬局法或いは国民薬品集等でございますが、・薬局法は新らしい薬局法が昨年公布されましたし、又その英訳文も本年出た次第でございますが、その補足的な役目をいたします国民薬品集の改訂を目下や
つておりまして、その印刷出版等の
経費でございます。
次は従来もございます用具、化粧品衛生材料等の製造業の登録許可に必要なる
経費でございます。その中で特に昨年度に比ベまして殖えておりますのは、いろいろ避妊用の器具用具がございます。その効果につきまして、乃至はその安全度等につきましての
調査をいたしたいと考えておる次第でございます。
毒物、劇物の取締法に必要な
経費、これは昨年来新らしく行われるように
なつたものでございます。勿論これは従来ございましたが、それが
法律的に改正されたものでございまして、その実績に鑑みますともう少しお金が要るということでございます。
次百四番から百七番までは特に新らしい点はございません。百八番におきまして必要薬品の追試確認に関する
経費というものを組んでありますが、これは新らしい薬ができました際に、これは従来は
国家試験をいたしませんで、殆んど国立の大学とか、或いは
研究所等におきまする民間業者が依頼いたしましたそういう
成績だけを以て、判定をいたしてお
つたのでございますが、併しやはり国家といたしましても、そうい
つた試験を必要とするという
意味から、こういう
経費を考えたものでございます。
次は極く小さい金額でございますが、重要資源の
調査に必要な
経費、資源開発に必要な
経費、これはいろいろな薬用植物或いは動物臓器等、いろいろ新らしく使われるものがございますので、その
調査をいたそうと存ずるのでございます。
次は百十一番の輸入医薬品の取締に必要な
経費、これは輸入されます医薬品の量、或いは数、種類がだんだん殖えて参
つておりますので、今日では横浜或いは神戸或いは東京の羽田等に人を派遣いたしまして、一々取締りをや
つておるのでございますが、大体その際に必要なものを計算いたしますと、この
程度になるという次第でございます。
次の国家検定或いは細菌製剤の必要の検定に要します
費用につきましては、従来よりは多少殖えておるという
程度でございます。
次は麻薬の取締に要しまする
経費は、これは特に申上げる点もございませんが、但し本年度におきまして相当殖えております点は出張費或いは旅費におきまして従来のでは不足であるという考えから、そういう経験から
要求が殖えておるのでございます。
百十六番の特殊薬品の供給確保に必要なる
経費と申しますのは、これは大体ワクチン或いは血清類等の細菌製剤の買上
費用でありまして、通常は
余りに
発生をしない、併しながら一旦そういう病気が
発生をいたしました際には、いろいろの点で急にその
予防に要します、或いは
予防乃至は治療に要しまするワクチン等の供給が間に合わないだろうと考えられますために、或いは発疹チブス、或いはコレラ、或いはインフルエンザ、
狂犬病等に要しまするワクチンを買上げまして、そうして国家でこれを保管して置くという次第でございますが、
只今申上げましたワクチン類のほかに瓦斯壊疽血清、ワイルス血清、破傷風血清等も一応同様に取上げるべきである。こういうふうに考えておる次第でございます。
なお医薬品の配給に必要な
経費と申しますのは、本年度においては幾らかございますが、明年は全く配給の統制がなくなりますので、従いましてこの必要を認めない次第でございます。
以上が薬務局の明年度の
予算の概要でございます。