運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-11-26 第15回国会 参議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十六日(水曜 日)    午後一時三十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     藤森 眞治君    理事            藤原 道子君            堂森 芳夫君    委員            小杉 繁安君            中山 壽彦君            井上なつゑ君            常岡 一郎君            谷口弥三郎君            西園寺公一君   政府委員    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    (厚生省医務局    長事務代理)    厚生事務官   高田 浩運君    厚生省薬務局長 慶松 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○小委員の選任の件 ○小委員長の指名の件 ○社会保障制度に関する調査の件  (厚生省関係予算に関する件)   ―――――――――――――
  2. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  会議に入ります前に、昨日御決定願いました小委員会設置の件につきまして、取りあえず決定いたしました部分を御報告いたします。  母子福祉に関する小委員中山壽彦君大谷瑩潤君、常岡一郎君、井上なつゑ君、山下義信君、藤原道子君、谷口弥三郎君、深川タマヱ君、西園寺公一君を指名いたします。なお小委員長山下義信君を指名いたします。  優生保護に関する小委員は次回に指名いたしたいと存じます。   ―――――――――――――
  3. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは厚生省予算関係につきまして先ず公衆衛生局長から御説明願います。
  4. 山口正義

    政府委員山口正義君) 公衆衛生局関係の二十八年度の予算只今大蔵省要求しておりますものにつきましては、昨日会計課長から全部まとめまして一通り説明を申上げたのでございますので、或いは重複する点があるかと存じますが、特に公衆衛生局立場から申上げたいことを簡単に御説明いたしたいと存じます。公衆衛生局関係仕事は非常に分野が多岐に亘つておりますので、或いは一つ一つ細かい点になるかも知れませんが、大体のことを御説明申上げたいと存じます。  第一は、優生保護法関係予算でございますが、これは二十七年度の予算額が一千二十万円ございますが、二十八年度は五千二十七万円要求いたしております。特別に変りましたことは、優生手術交付金を二十七年度は九百人分認められておりますのを三千四宙四十二人、これは人数を増加して要求いたしておりますので、額が殖えておるわけでございます。  次に受胎調節普及に必要な経費につきましては、二十七年度は約二千二百万円でございましたが、二十八年度は約一億四千四百万円要求いたしております。これの主な点は優生保護相談所整備運営に必要な経費が非常に大きく増額されて要求しているわけでございます。それは二十七年度の予算におきまして、三百二十九ヵ所の整備並びにその運営に必要な経費が認められたのでありますが、二十八年度はその三百二十九ヵ所に加えて、更に四百三十八ヵ所を新らしく作るということに必要な経費並びにその優生保護相談所事業をやつて参りますのに必要な経費要求しているのでございます。言い換えますならば、優生保護相談所の数を倍以上に殖やすということ、それからその運営に必要な経費をできるだけ多く見込んだという点でございます。  次に精神衛生関係予算でございますが、これで特に局として申上げたいことは、これは病床が現在非常に不足しております。病床充足率は百%以上に上つておりますので、どうしても急速に精神病床増加しなければならないという建前で、二十七年度は五百床認められただけでございましたが、それを二十八年度は三千床増設したいという要求をいたしておるのでございます。  次に栄養改善に必要な経費でございますが、そのうちで栄養調査は前年通り実施して行きたい。但し単価その他が上つておりますので額が殖えておりますが、これは特別に変つたことはございません。  それから次が栄養歌書法に基きまして集団給食施設指導をやらなければなりませんが、それに必要な経費を新らしく要求いたしております。それからやはり栄養歌書法によりまして、保健所栄養相談所というものを附設することになつております。その栄養相談所施設整備して行きますのに必要な経費を約五千三百万円要求いたしております  次は栄養士養成施設でございますが、これは特に前年度と変つております点は、栄養士養成施設は現在全国相当数ございますが、なお私どもから見まして、どうしてもこの県には作つてもらわなければならないというところに栄養士養成施設を作つてもらつて、それに対して補助費を出そうというので、全国で五ヵ所に栄養士養成施設つてもらうのに必要な経費を計上いたしております。  次が食生活改善に必要な経費でございますが、これは食生活改善指導をやつて参りますために、部落などを廻つて実際に食生活指導をしますに必要な、いわゆる食生活改善車と申しますか、俗にキッチン・カーと申します、それを各府県に一台ずつ購入したい。それに必要な補助費を計上いたしておるのでございます。以上が栄養改善に必要な経費でございます。  次は保健所関係予算でございますが、これは一口に申しますと、保健所が現在七百四十二ヵ所、これは二十六年度末でございますが七百四十二ヵ所ありまして、二十七年度の予算で十カ所新設を認められておりますので、七百五十二ヵ所になりますが、私ども整備目標としましては、全国に八百九十一ヵ所整備したい、こう考えて、その差額を三ヵ年計画で増設して行きたいという計画なのでございます。二十八年度におきましては、いわゆるC級新設が五十三ヵ所、それから現在ございますC級からA級に格上げいたしますのが四十カ所、それからC級からB級に格上げしますのが二十ヵ所、それ輝け保健所の建物を整備するということを計画しているのでございます。それに必要な建築の費用、それから新設いたしましたり、或いは格上げいたしますと、中の定員の増加を必要といたしますので、それに必要な経費、それから現在の保健所におきまして結核関係仕事、その他の保健指導仕事をして参りますのに施設の不十分な所がございます。例えばレントゲン関係施設が不十分な所がございますので、それを整備して行きたいというような費用を計上しているのでございます。一口に申しますれば、先ほど申上げましたように新設並びに格上げに要する費用及び内部の整備に必要な費用保健所関係要求いたしているのでございます。  それから次は結核関係予算でございますが、これは結核予防法に基きましていろいろな仕事をいたしておりますが、二十八年度新らしく要求いたしておりますのは、結核患者実態調査、これは健康診断で、或いは患者の届出によつて大体の様子がわかつておりますが、併しこれを極く詳細に科学的に同じような標準で全国五十六地区を選びまして、そうしてそこで詳細に調べて、実際に結核患者実態がどういうふうになつているかということを調べるという費用を新らしく一千六百万円ばかり要求いたしております。そのほかは結核関係従事者研修委託費とか、或いは予防会に対する補助金、これは昨年よりやや額を増加して要求いたしておるわけでございます。  それから府県に対します補助費といたしまして一番大きなのは医療費補助金でございますが、これは二十七年度は十八億ばかり認められましたのを、二十八年度は二十六億八千八百万円ほど要求いたしております。これは内容的には従来と特に変つたところはございませんが、ただ医療費公費負担の枠が少し拡大されましたので、それに要する費用を見ているわけでございます。結核関係でもう一つベツドのほうでございますが、ベツドは御承知のように昭和三十年に十九万床を整備するという計画で進んでおりまして、昭和二十七年度末に十三万六千床になりますので、その十九万床と十三万六千床との差をあと三年で整備するというので、二十八年度には一万八千床、これは厚生省全体として要求いたしております。そのうちで医務局関係国立療養所が三千床、公衆衛生局関係公立法人立が合せて一万一千床でございますが、公立が七千五百床、法人立が三千五百床、そのほかに社会保険関係が四千床要求いたしております、合計一万八千床でございます。  癩予防関係は、従来の費用と特別に変つたことございませんが、先般改組されました元の癩予防協会、新らしい財団法人藤楓協会に対してこの事業を活溌にやつてもらいますために救癩思想普及患者慰安などに関して国が補助金を出したいというので六百万円余りを計上いたしております。  次が伝染病関係でございますが、これで特別に申上げますことは、伝染病予防費補助、これは二十七年度は約七億計上されておりますが、二十八年度は前年度からの不定額及び現在残念ながら赤痢が少し増加して来ておりますので、それに対する補助費を多く見込まなければなりませんので、二十八年度は十三億五千万円ばかり要求いたしております。それから新らしいものといたしましては日本脳炎実態調査に必要な経費、これは現在の日本脳炎の感染、発病ということにつきましてまだ不明な点がございますので、これを実際にフイールドを使いまして行政調査をやつて日本脳炎発生に関する実態をよく調べてみたいという経費でございます。それからもう一つ別項目といたしまして、赤痢特別対策に必要な経費、これは只今申上げましたように赤痢昭和二十三年の発生が最低で、二十四年以後毎年々々増加して来ております。本年は現在までにすでに十万を突破しております。いろいろ私ども対策に腐心しておりますが、現在やはり増加の傾向にございますが、これを根本的にいろいろ又検討し直さなければならないのではないかというので本省調査会設置いたしまして、そうしてその調査会の手によつて全国を徹底的に科学的に調べるということと、それから赤痢だけに特別に防疫機動班というものを作つて現地で迅速に防疫措置をやつて行きたい。つまり防疫関係自動車設置して、それで防疫を実施して行きたいという特別な経費を一億三千三百万円ばかり要求いたしております。  それから伝染病院隔離病舎整備につきましては、これは従来と同じように本年も約三千床弱整備できることになるのでございますが、来年もやはり三千五百五十床整備したいというので要求を出しております。  それからもう一つ地方病としまして日本住血吸虫病、これは山梨、広島、福岡、佐賀の四県に主に流行しております地方病で御承知通りでございますが、その対策といたしまして別の項目で三十九番の所に住血吸虫病予防対策、これは健康診断をやつたり或いは畑に消毒薬を撒く、石灰窒素を撒くというような対策に必要な経費でございますが、もつと根本的に日本住血吸虫病中間宿主の宮入貝の繁殖を妨げようという建前から、農耕地の細い溝をコンクリート化することを数年前から試験的にやつておりまして、その成績が非常に良好でございますので、これを本格的に取上げて本年は僅か一分間やつただけでございますが、来年はその十倍十万七千間ばかりをコンクリート化したいということで一億四千五百万円の予算要求いたしております。  次は研究所関係予算でございますが、これで特別に申上げますことは、現在までいろいろの地方地方病が起つておりますが、それの調査地方府県研究所に委託するというような費用或いは府県地方衛生研究所施設整備の不十分な所を整備して行きたいというような費用要求いたしております。それからもう一つ民間研究所補助するという意味で、財団法人癌研究所運営に関する補助金、それから北里研究所に関する補助金、そういうものを計上いたしておりますが、癌研究所は勿論癌の治療或いは予防に関する研究をやつてもらうわけでございますが、北里研究所におきましては、ここで特に優秀な技術者にペストとか或いはボツリスムス、つつが虫などの研究をやつてもらうために補助金を出したいというので一応要求をいたしておるわけでございます。  次は検疫関係でございますが、この五十二番は本省検疫課費用でございまして、検疫所は百八十二番とずつとあとのほうに出ておりますが、これは検疫を実施いたしますのに、五十二番は本省費として統轄運営に必要な経費でございます。百八十二番は現地における検疫所運営に必要な経費でございますが、一口に申上げますと、海外との交通がだんだん盛になつて参りまして、検疫対象人員或いは船舶、航空機というものの数が殖えて参りますので、だんだん費用増加して参りますということが一つと、それからいろいろな地方から検疫所設置して欲しいという要望が私どものほうに多く参つております。これは厚生省立場からだけで決定できるものではなくして、運輸省或いは大蔵省と相談してきめて行かなければならないものでございますが、一応補正予算で八カ所新設要求いたしましたが、補正予算ではそれは認められませんでしたので、お手元に差上げております百八十二番のほかに、検疫所の八ヵ所の整備を実施したいという予算を別にこれに附加えて追加的に要求することにいたしております。なお群八十二番の中には検疫を円滑に実施いたしますために必要なる施設、例えば船舶その他の施設整備費を一応計上して要求いたしております。  それから次は環境衛生関係でございますが、その第一は五十三番の清掃事業強化推進に必要な経費でございまして、これは従来私どものほうでたびたび要求してなかなか認められなかつた費用でございますが、現在清掃市町村の責任においてやることになつております。その清掃に必要な施設、例えば塵芥焼却場、或いは屎尿消化槽、或いは屎尿の貯溜漕、或いは屎尿汲取りのための自動車、そういうものを特に現在必要性に迫られて困つておる土地に対してそれを整備してもらう、それに必要な経費に対して国が四分の一の補助率補助して行きたいというので四億六千四百万円を計上して要求しておるわけでございます。  それから鼠族昆虫駆除関係、これは実際の経費平衡交付金に入つておりますが、私どものほうで一応今度計上いたしておりますのはその仕事を円滑にやつて参りますために、それに携わる人たちに対して講習を繰返しやつて行くという費用要求いたしております。それが千五百万円ばかり要求いたしております。  それから次は五十五番の営業関係予算でございますが、これは特別に変つておりますことは営業関係の、つまり興行場とか旅館、公衆浴場或いは理容所美容所というような所の環境衛生を監視するわけでございますが、それを科学的に実施いたしますために必要な器具を保健所整備させたいというための費用に対して補助をやつて行きたいというので、千七百万円ばかり計上いたしております。それからもう一つは、理容師美容師、クリーニングなどにつきまして、そこで営業に従事しておる人たちに対する健康診断に要する費用に対して国が補助をするという予算でございます。  それから次は水道関係でございますが、簡易水道関係、これは二十七年度は一億二千五百万円、これは四分の一の補助率で計上されまして百八十四カ所補助をやつたわけでございますが、これは現在農村の生活改善ということにつきまして公衆衛生立場から是非強力にやつて行かなければならない仕事と考えておりますが、二十八年度は七億一千百万円余りを計上しまして、現在のところでは約四百七十ヵ所を対象として補助をやつて行きたいというふうに考えております。それから上水道の施設費補助、これは二十七年度は約八千万円でございましたが、二十八年度は六億五百五十万円、箇所数にしまして百七十四カ所を一応考えて補助をやつて行きたいというので計上いたしております。下水のほうはこれが現在非常に遅れておりますので、二十七年度は二億円ばかり補助が認められたのでございますが、二十八年度はうんと増額しまして二十五億一応計上いたしております。箇所数にしまして百二十二ヵ所というふうに要求いたしております。そのほか水道関係南海震災による地盤変動関係、或いは石炭を戦時中に掘りましたために井戸水が枯渇したための対策としての特別鉱害、或いは戦後石炭を掘つたために井戸が枯渇したための一般鉱害対策というような費用を計上いたしております。  食品衛生関係では、これは食品衛生法に基いて仕事を実施いたしておりますが、特別に変つておりますことは、輸入食品の中にいろいろ食品衛生上有害なものが見出されることがございます。現在はときどき抜き取りをやつて検査しておるわけでございますが、これを全品検査をやりたいというような関係予算を大きく計上いたしております。それからもう一つは直接生食品を取扱う従業員に対しまして健康診断法律できめて実施して行きたい、そのための必要な経費を計上いたしておるのでございます。  それから最後狂犬病関係でございますが、これは現在関東になお狂犬病相当数発生しておりまするので、特別に狂犬病診断を早くやる技術を覚えさして、そうしてその狂犬病診断に必要な経費に対して補助をやつて行きたいというので一応の経費を計上いたしておるのでございます。  以上甚だ概略でございますが、公衆衛生関係予算の御説明を申上げました。
  5. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) 只今の御説明について委員のかたから御発言があるかも知れませんが、引続いて医務局関係の御説明を承わりたいと思います。
  6. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) それでは私から医務局関係の来年度の予算の大きな項目について申上げたいと思います  六十九番については御説明を省略いたします。七十番につきまして非常に減つておりますのは、医業に関しまする調査を来年度行いませんので減額いたした次第であります。  それから死因調査についても、それからその次の七十二番についても説明を省略いたします。  それから七十三番の病院管理研修所、これは創立してから今年の六月を以て満三年を経過いたしましたが、その間において病院長その他事務関係の者の講習会等を行いまして非常に成績を挙げておりますし、今後病院経営の上においてこの病院管理研修所の占める地位は相当大きいと考えられますので、更にこれを充実いたしたいというふうに考えておる次第であります。  それからその次に国家試験等に関する経費でございますが、例年の例によりまして医師国家試験乃至予備試験を行いますと同時に、実地修練に対しましては、できればいわゆる実地修練生につきましては宿舎が提供できるように、その面の或る程度補助を考えるというようなことで計上いたしておる次第であります。  それから七十六番の医療機関整備に必要な経費でございますが、これは例年承知の問題の経費でございますが、二十七年度におきましては一般経費としては五千万円、この数字はこれは国立病院関係のものが入つておりますから違つた数字なつております。それを来年度におきましては十億円程度増額をお願いをしたいと思つておる次第でございます。これは御承知のように各県及び国において立てました病院設置計画に基きまして、基幹となるべき病院一定の年内に、一定の年度に分けてこれを整備して行くような構想の下に考えておる次第でございまして、どこまでも一般病院診療所、即ち開業医のかたがたと協力できるような態勢において運営できるようなそういう病院を成るべく速かに整備しまして、医療内容の向上に資したい、そういうふうな考え方でございます。  それからその次の医療金融金庫に必要な経費、これも御承知のいわば多年の懸案に属する経費でございますが、これにつきましては申上げるまでもなく府県市町村につきましてはこれはいわゆる起債がきくわけでございますが、その他の法人でありますとか、或いは私人でありますとか、そういつたようなものは一般金融に頼らざるを得ない状況なつておるのでございますが、これが全般的な金融事情とからみまして、非常に難澁をいたしております関係上、これら地方公共団体以外の病院診療所整備改善に資しまするためには、どうしてもそのための特別の金融機関を考える必要があるのでありまして、その意味において低利で相当長期償還年限内容とする金融にいたすべくこういつた考え方をしたのでございますが、この七億と申しますのは、そのほかに三億を一般医師乃至法人関係団体、そういつたところから出資をし、七億を財政支出をして、そうして十億を以て医療金融金庫を作る、そういうような構想に基くものでございます。  それからその次、八十一番に国立予防衛生研究所口腔衛生部設置をいたしたい、歯科衛生部門につきましては、御承知のようにほかの公衆衛生部門に比べますと、いろいろな面において立遅れを示しておることは御承知通りでございますが、そういつた立遅れを取戻しますためにも、先ずこの研究部門を充実をしたいという念願からこういう企てをいたした次第でございます。  それから保健婦、助産婦、看護婦関係につきましては講習に要しまする経費増額、それから養成所設置に対する補助金増額、そういつたものが大体の内容なつております。  それから療養所関係でございますが、これは必ずしもこの項目にとらわれないで御説明申上げたほうが或いはおわかりいいかと思いますので、そういうふうにさして頂きたいと思います。先ず第一に増床関係でございますが、来年度におきましては、結核は・三千床の増床計画をいたしております。そのほかに勿論今年度の三千床の国立病院からの転換が入つて来るわけであります。  それから癩につきましては千五百床の増床を企てております。精神につきましては八百床の増床を企てております。それから一般的な項目を省きまして、いつも御指摘を頂いております賄費でありますとか、医療費でありますとか、或いは燃料費でありますとか、或いは被服費でありますとか、そういつたものについてはそれぞれ相当額の引上げを見込んでおります。それから側々の項目に挙がつておりませんが、前々から御承知のいわゆる癩の研究所につきましては、これは建設費だけを見込んでおります。それから最後のほうの国立病院特別会計について御説明申上げます。最後から二枚目です。国立病院特別会計につきましては、御承知のように国立病院地方委譲の問題がございまして、これは勿論来年度に引継がれるわけでありますが、と申しますのは、この委譲法律の成立が七月の末でありまして、それから各県との話合いが具体的に始められたわけでございますけれども、選挙その他いろいろな事情が重なりまして、遷延をいたしておりまして、現在的確な将来の見通しがつきかねておるような状況でございます。そういう意味におきまして更に予算編成最後の締切りの時期までにその辺のところをはつきり態度をきめて行くというようなことで、ここにはかりそめの、いわば案ということになつておるわけでございます。それで委譲関係につきましては、御承知のように秋田県につきましてはすでに決定をいたしまして、近日に形式、実質共委譲をするということになつております。その他数件につきましては更に具体的な話合いが進んでおるものもございますが、まだ県会等の最終的な決定には至つていない状況でございます。  それから来年度の国立病院経営上私たちが特に意図しておりますのは、先ほど療養所について申上げたと同じような賄費医療費その他の増額部分を、やはりこれは前々からの問題でもございますし、達成をいたしたいというふうに考えております。それからいつもいつもお叱りを頂きます整備関係でございますが、これが例年整備費が必ずしも額が多くない関係上、現実的には各病院整備の進捗がはかばかしくないのでありますが、来年度においては、一つうんと整備費を計上をして、更にこの整備の促進を図りたいと思いまして、十五億円くらいの整備費を見込んでおります。  それから二十七年度の補正予算について簡単に申上げておきます。二十七年度の医務局関係補正予算のうち一般会計分、即ち療養所の分につきましては今申上げました燃料費、それから食糧費につきまして、それぞれ単価の引上げを行うことにいたしております。これは例えば患者の食糧費につきましては、結核療養所については八十二円でありましたのを九十三円に補正をして、来年の一月一日から実施をすると、そういうふうにいたしております。
  7. 藤原道子

    藤原道子君 九十三円ですか。
  8. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 九十三円でございます。それから癩及び精神、脊髄につきましては九十一円でございます。これは御承知のように結核の分と、その他の分とは差がございますので、そういうふうなことになつております。  それから国立病院特別会計関係につきましては、一番大きいのは、昨日も会計課長から申上げましたように、当初委譲予定の六十施設につきましては、いわゆる九ヵ月予算を組んでおりましたが、これを来年の三月末日まで、即ち年度終りまで計上いたすことにいたしました。ただ秋田病院につきましては、これは今申上げましたように、すでに確定いたしておりますので、この分を除きまして、三ヵ月分更に計上するという措置をとつております。  それから経営上の食糧費の、例えば食糧費の単価の値上りにつきましては、療養所について申上げたと同様でございまして、燃料費につきましても、それぞれ単価の増をいたしております。それからなお施設整備につきましても、差しあたり取急ぐ分につきまして計上いたしております。  その他極めて細目に亘りますので、説明を省略さして頂きたいと思います。
  9. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それでは引続いて薬務局関係をお願いします。
  10. 慶松一郎

    政府委員(慶松一郎君) 薬務局関係につきまして簡単に御説明いたします。  資料の中で九十一番は、これは普通のものでございますから省略して、九十二番は貿易対策に必要な経費でございますが、これは大体我が国の薬は従来二割五分ばかりが国外に輸出されておつたのでございます。ところが現在におきましては、すでに化学工業におきまして、最も大きな地位を薬の生産が占めておるのでございますが、併し輸出されておりますものは僅かに一%ぐらいに過ぎません。即ち従来の十分の一ぐらいしか出ておらないのでございます。そこでこれを何とかして海外に少しでもたくさん出したいという意味からいたしまして、海外の市場調査乃至は宣伝を目的といたしまして、宣伝のパンフレツト等を一つ作りたいというのがこの九一十二番の貿易対策に必要な経費でございます。なおこのためには、人も派遣いたしたのでございますがこの旅費に関しましては、別途渉外関係で全部含んでおりますので、ここに入つておりませんのでございます。  それから次は薬業関係の中小企業育成に必要な経費でございます。これは今回の新内閣におきましても、その点を取上げておるところでございますが、薬業関係におきましては、大体製造を業としております者が三千件近くございますが、そのうちで先ず八割以上というものが中小企業と申しますよりも、むしろ小企業でございます。その意味におきまして、これらを何とかして補助して行くことが政府としても必要でございます。国家としても必要でございますので、その意味におきまして、中小企業の診断とか或いは中小企業の組合、協同組合等の設立に関しまして、国といたしましても指導或いは育成を図りたいという意味から、このような経費を計上いたしておるのでございます。  次は稀少物資云々、これは実はむしろ世界的な問題でございまして、薬関係については、極めて少いのでございますが、例えばニツケルとかチタンとか、そういつたものに関するこの配給の問題でございます。  次の九十五番、企業合理化促進法の施行に必要な経費、企業合理化促進法と申しますのは、これは本年の三月に成立いたしました法律でございますが、この法律におきましては、我が国の一般の企業に、一般的に申しまして、我が国の企業が戰争中の空白のために、外国のそれに比しまして遅れておるのを補助いたしまして、そうして盛んにしようということから起つたのでございますが、私どものほうの関係にも薬或いは衛生資材その他の企業がございますが、それに対しましてこの企業を合理化し乃至は新らしい発見、発明の工業化に対しまして助成をしようとするものでありまして、これは全く新規なものでございます。即ちこれにおきましては新規な優秀な薬等の工業化に対しまして補助金を出そうというのでございまして、この考え方は別に厚生省だけのことでございませんで、通産省或いは運輸省、郵政省その他農林省等にもあるものでございます。で本年の補正予算におきましてもこの点を要求したのでございますが、実はこの関係は本年は通産省が持つておりますこういう一般的な補助金、これを幾らか分けてもらつておりますので、その意味において大蔵省の認められるところにならなかつたものでございます。併しながら私どもといたしましてはこの点を何とかして確保いたしたいと念願いたしておるのでございまして、そういたしますことによりまして、外国に拂つておりまする薬関係技術に対しまする特許料その他等もよほど防げるのではないかと存じておるのでございます。参考までに今日我が国の製薬界が外国に対して特許料を拂つております金額は本年は約一億五千万円、来年は二億になり、再来年は四億になるというような計算になつておるのでございますが、これをできるだけ防ぎたいというのが私どもの考えでございます。  次は従来もございまする価格の調査に必要な経費でございますが、このことは又一面保險におきまする薬の値段等にも関連いたしておりまして、保險関係の薬の価格調査等にもこれを応用いたすことになつております。  次は従来通りのものでございます。  次の薬事衛生に必要な経費、これも従来と余りつておりませんが、ただ薬剤師の免許の登録の許可とか或いは薬局の実態調査とか、そういつたことが計上されておるのでございます。  薬事審議会の運営に必要なる経費、これは単価増等の関係で昨年よりも殖えておるものと存じます。  次に薬剤師の試験審議会の運営に必要な経費、これはただ単価増を見込んでおるのでございます。なお多少殖えておりますのは、これは委員の改選がございますので、その意味において旅費等がいささか多くなつておる次第でございます。  次の公定書と申しますのは、公定書に必要な経費、これは御存じの薬局法或いは国民薬品集等でございますが、・薬局法は新らしい薬局法が昨年公布されましたし、又その英訳文も本年出た次第でございますが、その補足的な役目をいたします国民薬品集の改訂を目下やつておりまして、その印刷出版等の経費でございます。  次は従来もございます用具、化粧品衛生材料等の製造業の登録許可に必要なる経費でございます。その中で特に昨年度に比ベまして殖えておりますのは、いろいろ避妊用の器具用具がございます。その効果につきまして、乃至はその安全度等につきましての調査をいたしたいと考えておる次第でございます。  毒物、劇物の取締法に必要な経費、これは昨年来新らしく行われるようになつたものでございます。勿論これは従来ございましたが、それが法律的に改正されたものでございまして、その実績に鑑みますともう少しお金が要るということでございます。  次百四番から百七番までは特に新らしい点はございません。百八番におきまして必要薬品の追試確認に関する経費というものを組んでありますが、これは新らしい薬ができました際に、これは従来は国家試験をいたしませんで、殆んど国立の大学とか、或いは研究所等におきまする民間業者が依頼いたしましたそういう成績だけを以て、判定をいたしておつたのでございますが、併しやはり国家といたしましても、そういつた試験を必要とするという意味から、こういう経費を考えたものでございます。  次は極く小さい金額でございますが、重要資源の調査に必要な経費、資源開発に必要な経費、これはいろいろな薬用植物或いは動物臓器等、いろいろ新らしく使われるものがございますので、その調査をいたそうと存ずるのでございます。  次は百十一番の輸入医薬品の取締に必要な経費、これは輸入されます医薬品の量、或いは数、種類がだんだん殖えて参つておりますので、今日では横浜或いは神戸或いは東京の羽田等に人を派遣いたしまして、一々取締りをやつておるのでございますが、大体その際に必要なものを計算いたしますと、この程度になるという次第でございます。  次の国家検定或いは細菌製剤の必要の検定に要します費用につきましては、従来よりは多少殖えておるという程度でございます。  次は麻薬の取締に要しまする経費は、これは特に申上げる点もございませんが、但し本年度におきまして相当殖えております点は出張費或いは旅費におきまして従来のでは不足であるという考えから、そういう経験から要求が殖えておるのでございます。  百十六番の特殊薬品の供給確保に必要なる経費と申しますのは、これは大体ワクチン或いは血清類等の細菌製剤の買上費用でありまして、通常は余り発生をしない、併しながら一旦そういう病気が発生をいたしました際には、いろいろの点で急にその予防に要します、或いは予防乃至は治療に要しまするワクチン等の供給が間に合わないだろうと考えられますために、或いは発疹チブス、或いはコレラ、或いはインフルエンザ、狂犬病等に要しまするワクチンを買上げまして、そうして国家でこれを保管して置くという次第でございますが、只今申上げましたワクチン類のほかに瓦斯壊疽血清、ワイルス血清、破傷風血清等も一応同様に取上げるべきである。こういうふうに考えておる次第でございます。  なお医薬品の配給に必要な経費と申しますのは、本年度においては幾らかございますが、明年は全く配給の統制がなくなりますので、従いましてこの必要を認めない次第でございます。  以上が薬務局の明年度の予算の概要でございます。
  11. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それではこの程度にいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 藤森眞治

    委員長藤森眞治君) それではこれで委員会は散会いたします。    午後二時四十一分散会