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1953-03-12 第15回国会 参議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十二日(木曜日)    午後二時八分開会   —————————————   委員の異動 三月十一日委員飯島連次郎君辞任につ き、その補欠として藤野繁雄君を議長 において指名した。  出席者は左の通り。    委員長     下條 恭兵君    理事            石川 榮一君            赤木 正雄君    委員            石坂 豊一君            島津 忠彦君            廣瀬與兵衞君            深水 六郎君            前田  穰君            三浦 辰雄君            三輪 貞治君            田中  一君   政府委員    経済審議庁審議    官      今井田研二郎君    大蔵省主計局総    務課長     佐藤 一郎君    建設省河川局長 米田 正文君   事務局側    常任委員会専門    員       菊地 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    農林省大臣官房    総合開発課長  庵原 文二君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○道路整備費財源等に関する臨時槽  置法案衆議院提出) ○建設行政に関する調査の件(特殊土  じよう地帯に関する件)   —————————————
  2. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 只今から建設委員会を開会いたします。  道路整備費財源等に関する臨時措置法案議題に供します。本案に対し御質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中君 質疑はもう尽きたと思いますので、早速討論並びに採決に入つて頂きたいと思います。
  4. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 田中君の動議に御異議ございませんか。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 質疑は尽きていますが、併しまだ各会派の中で十分懇談は尽されておりません。で私はこの法案を成るべく円満に持つて行くために、委員長はこの際懇談なすつたらいいと思います。速記をやめさして……。
  6. 田中一

    田中一君 今赤木さんの発言がありましたが、懇談はもうし尽しております。従つてもう委員長の判定でもはや採決をしなければならない段階に来たと考えております。従つて若しもこれ以上懇談するというならば、この法案国会法によりまして、もう参議院における審議権はないのです。衆議院において要請があるならば、認定されるならば、参議院において否決されたものとして衆議院に回付される運命にある法案である。従つて委員長にそのような気持があるならば、国会法を遵法いたしまして衆議院に差戻すというか、返すというふうにそういうことに措置を願いたいと思います。
  7. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記をやめて。    〔速記中止
  8. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記を始めて。  田中君の質疑打切り動議が成立しておりまするので、これから討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  9. 田中一

    田中一君 討論を省略して直ちに採決に入ることの動議提出いたします。
  10. 石川榮一

    石川榮一君 田中君の動議賛成します。
  11. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それでは只今から採決に入ります。  道路整備費財源等に関する臨時措置法案議題に供します。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  12. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告内容等手続は先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 御異議ないものと認めます。  次に本案を可とされましたかたは、成規手続によりまして、順次御署名を願います。   多数意見者署名     石坂 豊一  石川 榮一     島津 忠彦  廣瀬與兵衞     三輪 貞治  田中  一     深水 六郎   —————————————
  14. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 特殊土壌の件といたしまして、政府委員が参つておりますから、一つ質疑を願います。只今出席政府委員大蔵省から佐藤総務課長審議庁から今井田審議官、そのほか農林省建設省河川局長その他が見えております。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 昨年四月四日に審議いたしました特殊土壌の問題につきまして、少しく質疑がありますから、関係当局にお尋ねいたします。これは一応そのときの速記録を読まんと皆さんが御了解に苦しまれる点がありますので、速記録要点だけを一つ読みます。  四月四日の私の質問には「「特殊土ようシラスボラコラ、アカホヤ等特殊な火山噴出物及び花こう岩風化土その他特に侵しよくを受けやすい性状の土じようをいう。以下同じ。)」これに対してシラスボラコラ噴出物はよく知つていますが、これだけを切り離すことはできないかと申したときに、衆議院その他の関係から、それは小可能である。そういうことを言われましたから、私はこの法案にある通りに、今読み上げた通りに「花こう岩風化主その他特に侵しよくを受けやすい性状の土じよう」これを含んだものを特殊土壌考えて、これから質疑をいたします。それは恐らくこの提出法案に明記してありますから提案者も決して私の申すことに対しては御異議はなかろうと思いますが、どうでしようか、それを先ず承りたいと思います。」それについて提案者上林山君が、「赤木氏の御意見は建設的な理解ある御意見だと思いますので勿論異議はございません。」こういう答弁をされています。  それから又一部の私の質問に、「殊にこの法律で申しますと、シラス災害の実態とその対策、これを見ましても侵蝕防止に過ぎないのです。侵蝕防止というのは、言い換えれば砂防工事なんです。そういう実情でありますから、若しもこの法案を通過させまして、特にこういう地帯だけに今日の砂防費をたくさん持つて行くということになりますと、これは大臣のお手許で」云々とあります。それから又私の質問に、「第六条に審議会の組織の中に都道府県知事二人、都道府県議会議長二人、市町村長二人、市町村議会議長一人、農業者団体代表者三人以内とありますが、これは恐らく鹿児島及び宮崎の二県をお考えの上でかようにされたことと思いますが、さよう了承して差支えありませんか。これは提案者に伺います。」これに対して衆議院の上外山提案者は、「全国的に委員を物色して適正を期するというような御意向であれば、提案者としてもその点を考えているのでありますから、そういう御意向でありますならば、調整をとることに何らやぶさかでないというだけを御説明申上げておきたいと思います。」  なおもう少し要点だけを申上げますと、「中国地方近畿地方も富山県地方石川地方も、或いは長野地方新潟地方も、たくさんこれは入れるべきものと私は解します。特殊土壌、特に浸触という点があるならば、その観点からして都道府県のごときもの、都道府県知事二人を、これを中国から一人近畿から一人、北陸から一人、それから長野方面から一人、もう無論そういうふうに全部入れなければいかんと思いますが、これは後に論議します。」もう少し読みます。又私の質問に「先ほどお尋ねいたしました審議会都道府県知事都道府県議会議長市町村長市町村議会議長、これは各二名、合計八名になつております。私は本来言うならば、この特殊土壌全国の大きな面積に亘つておりますが、先ほどお話しされた通りに、中部とか、或いは近畿東海北信、或いは東北、各地区代表のやはり知事とか議会議長村長市町村議会議長、こう  いうような人も加わるべきと思いますが、併し、そういたしますと、これを修正しなければ、このまま仮に通るとするならば、この知事とか、議会議長村長その他の市町村議会議長、この八人の中で、今申した通りに、中部近畿東海北信四国東北、  こういう地区の人を適宜に入れられるお考え提案者は持つておられますかどうか、承わりたい。」これに対して提案者は「できるだけ御意見の線に沿つて調整をとつて期待に副うようにいたしたいと思います。」私が、へそれでは満足いたしません。できるだけですか。」提案者は、「御意見通り善処いたしたいと思います。」「では先ほど私が申しました通りに、もう一遍はつきり申しますが、中国近畿東海東北北信四国、こういう地区から必らず知事なり、或いは議長なり、市町村長なり、市町村議会議長をお入れになるということに了承して差支えありませんか。」「御意見通り調整できる点は具体的に調整いたしますし、調整できない数になりましたならば近い将来改正に努力して善処いたしたいと思います。」「どの点が調整できないか、お考えを承わりたい。」「数の按分がありますので、只今総計して、数を聞き洩らしましたので、非常にたくさんの数のように聞きましたので、そういうふうに申上げたわけでありますが、若しそうでなければ御意見通り善処いたしたいと思います。」「八人でありますから、私の申したのは……、八人以上じやありません。もう一遍今度は逆に提案者からはつきり言つてもらいたい。どこどこの地区の誰。」又そこに田中議員質問がありますが、又私は、「提案者として、これは無論内閣総理大臣が任命するということになつております。そのときに今申したことをはつきりあなたは総理大臣に約束をされますか、どうですか。」、提案者「御意見の線に沿つて総理大臣に具体的に折衝をいたして御期待に副うように努力いたしたいと思います。」、大体今委員長或いは委員先生のお聞きの通りにこの特殊土壌審議する場合にシラスだけというなら、これは鹿児島県或いは宮城県、或いは熊本の一部でいいが、花崗岩地帯、殊に浸蝕地区特殊土壌に入つている以上、全国一般にこれは及ぶものである、言い換えれば今日やつている砂防と何ら変るところはない。そういう観点からこの私の質問提案者も同調されまして、従つてこの委員の数も全国から出すということになつているのであります。これに対して、その結果私は政府に承わりたいのは、審議庁に承わりたい。今どういう方がこの委員になつておられるか、それを先ず承わりたい。
  16. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 今日たしかお手許に資料を差上げてあると思うのでありますが、委員は、政府関係の者を除きましては鹿児島県知事山口県知事宮城県会議長広島県のやはり議長、それから都城の市長、熊本県の宮地町長鹿児島県の勝目村村会議長岡山県玉野市の議長、それから学識経験者といたしまして京大教授村上先生九大教授田町先生、それから鹿児島県の信用農業協同組合連合会長宮崎県の農業協同組合理事、それから全国土地改良協会理事兼同協会事務局長でありますところの安部さん、こういう方々委員にしております。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 あの法案審議いたした場合に、今井田さんもお聞きになつていたと思います。又今私がこの速記録を読上げた通りに、この法案提案者は私の申す通り全国から八人の人を選ぶことになつております。それにかかわらずこういう偏頗な委員をなぜお選びになつたか、これを伺いたい。
  18. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 先ほど赤木先生からのお話もございましたように、この法案が成立します際に、やはりこの委員会におきまして、経済審議庁といたしまして、当時の安本といたしましてのこの法案に対する態度は御説明申上げた通りでありまして、私ども法案の成立を事務的には必ずしも私個人といたしましては喜ばないということは申上げた通りであります。然るにその後この法案を、そう申しておりました経済審議庁におきましてお世話申上げることに政令できめられまして、従つてその後のこの法案の処理一切に関しましては、提案者であられまするところの当時の上林山さん及び瀬戸山さんの御内意によりましていろいろいたしたのであります。殊に委員選定等につきましては、両先生の主としての御意見によりまして、私ども率直に申上げまして、当時におきましてはさほどこの方面に対します知識がございませんでしたので、主として両先生の御指示によりまして委員選定その他を行なつたというのが率直な事情でございます。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 今お話上林山君、もう一人瀬戸山君も、これは今衆議院におりませんからかれこれ言いませんが、今のお話で申しますと、提案者参議院を裏切つたと、こういりふうに断定して差支えないと思いますが、政府如何がお考えになりますか。
  20. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 私瀬戸山先生上林先生の御真意のほどは私にはわかりませんけれども、私もどにお示しになりました大体のお考えは、先ほど私が申上げた通りであります。それからお尋ねのことには若干外れで、一おるか知れませんが、特殊土壌地帯といたしまして如何なる地帯を選ぶかということが、やはりこの委員選定の際の一つの目安になることは当然でございまして、これにつきましては先ほど赤木先生の当時の御質問速記録で拝聴したのでありますが、この法案を私どものほうで、事務局としてお引受けいたしました当時の出発点は、全国的にいわゆる特殊土壌と称するものはありますけれども、或る程度それを限定したものに解釈して参ろうではないかということであつたのであります。もつと具体的に申上げますと、この法案狙い特殊土壌であつて、非常に災害を受ける地域と、それから特殊土壌であつて農業生産力が非常に低位である地域、これらのものに対して一つの助成を行なつて行こう、振興の方法を、特別の対策をとつてつて行こうという二つ狙いを持つていることが第一条に、第二条でありましたか、窺われるわけであります。その二つ狙いのうちの第一の問題、即ち特殊土壌であつて、なお且つ非常に災害一が多くて土壌が常に浸蝕される、かよう地域に対する対策を先ず第一段の対策として取上げようではないか。先ほど赤木先生がおつしやいました全国的に拡がつております特殊土壌対策は第二段の対策としてやろうではないかということに、これ又当時の提案者方々等の御意見も伺いまして出発したわけであります。さよう観点からいたしまして、私どもも若しさようなことに地域を指定いたしますれば、御関係方々は当然或るところに限定されるということも、これ又止むを得ないのではなかろうかというふうなことも考えましていろいろ考慮いたしましたが、先ほど申上げましたよう委員方々審議会委員を御委嘱申上げたというふうな経過になるわけでございます。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 全責任提案者の二人に帰している、こういうふうな御答弁よう推察できます。併し先ほども申した通りに、この浸蝕ということを提案者特殊土壌一つの条項に調つている、この法案にもある。それにかかわらず浸蝕に対して、そういう地域特殊土壌に特に選定していない、今日の状況から見ますと……、これは一体、どういうわけなんですか。
  22. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 先ほど私申上げましたように、或いはお答えが質問の要旨にちよつと外れているかも存じませんが、第二条におきまして、特殊土壌でありまして、災害その他によりまして年々非常に土地浸蝕を受けましたり被害があつたりする地域に対して特殊の振興方策をとろうという狙いと、それから特殊土壌でありまして、災害その他を受けないけれども農業生産力が非常に低位である、こういう地域に対してやはり同じよう振興対策をとろうではないかというふうな二つ狙いが併立的にこの法律にはあるよう見受けられるのであります。で無論法律であります以上、同時に二つ目的を併行してやるのが当然のことではありましようけれども、いろいろ準備にも手間がかかりますし、又全国的にさよう土地調査して参ることも非常に困難でもありますし、又時日も要しますので、差当り比較的わかりやすい、即ち基準が、地帯を指定する基準の作りやすいところであつて、なお且つ緊急を要しますところの第一の目的、即ち特殊土壌であつて災害を年々受けておりまして、そのために特別の被害をごうむつておる、こういう地域から先ず出発して対策考え参ろうという方針とつたわけであります。で、決して第二段の全国的にございます特殊土壌地域に対します対策を忘れておるわけでもございませんし、又それをやらないというわけではないのでありまして、先ず出発といたしましてはさようなところから手を著けて参ろうというのが当時の我々の方針であつたのであります。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 この法案精神をすつかり一方的に解釈してというより、自分のほうに利益のようにばかり曲解してやつた審議会の結果が、どれほど砂防行政の上に今日不健全……、今までの行政根本精神を破つておるか、これをどういうふうにお考えになつておるか、私はあなたの意見を聞きたい。
  24. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 今日の砂防行政全般如何よう被害を与えておるかということを、私不敏にいたしまして砂防関係のことを余り存じませんので、どの程度の影響があるかということにつきましてはお答え申上げることができない次第でございます。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 お知りでなければ私教えて上げます。この偏頗の法案のために、昨年確かに補正予算予算が付いたのです。併し特殊土壌というときに浸触とかそういうことは盛られてあるにかかわらず、それを無視して、ただ雨量が多いとか、台風が特に一方的に通るとか、そういうことばかり厳重に審議会では検討した。一つの例を申しますと、広島にしましても岡山にしましても、古風の進路はきまつております。でありますからそういう区域には特殊土壌地域として、その特殊土壌へ取つている予算が行きます。併しそれ以外の土地には、同じ岡山県でも治水上非常に必要なところの仕事ができない。これは委員長のお国の新潟県でも同じことなんです。あなたのほうのお国でもそういうことがたくさんある。又それがあるためにあの法案全体を考えている。それが今日こういう偏頗なものができている。新潟県も岡山県も被害の大きなものです。そういうことを審議会でやつておるのです。そうして先ほど申す通り雨量の強度、台風の強度とおつしやいましたけれども、それよりも大きい、もつともつと非常に特殊土壌浸触のために困つている、それこそ農家が流れてしまう、そういうところがたくさんありながら仕事ができないのです。なおはつきり申しますと、仮に私が想像するのですよ。まあ二十八年度の砂防予算四十八億で、大蔵省特殊土壌のために持つて行けという予算がたしか六億五千万円であります。そういたしますと、そういう予算を持つて来ましても、限定されたところに……、そうするとそれは砂防の全体の予算の中なんです。特殊土壌のために特に予算が付いたのでは文句言いません。そうではないのです。砂防全体のうちの予算の六億五千万円持つて来た。そうすると東北地方のみならず、日本の三分の二の府県は非常に迷惑するのみならず、特殊土壌地域でも、先ほど申した通り岡山広島その他の府県にしましても、地域がきまつておりますから、県内で砂防行政仕事をすべきところもできないのです。こうい、砂防行政をこの審議会のために無惨に破壊されているのです。それでこの前私があなたに質問したときに、今の審議会考えは悪いからこの区域を拡げるということをおつしやいましたが、あれ以後大分時期もたつておりますから、もうすでに二十八年度の予算もそろそろ府県に徹底する時期でありますから、すでに審議会もその後開かれて、たしか区域は一応広くなつておると思いますが、どれほど区域が広くなつておるか、それを承わりたい。
  26. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 先般赤木先生のさような御注意がございまして、私審議会会長ともいろいろ相談いたしたのであります。ところがそれ以前の審議会におきまして、施策を集中的に行いますために、成るべく地域はこれ以上拡張いたさないということに審議会として一応の方針がきめられておつたのであります。で、本日、先ほど田中委員からも御発言がございまして、速記録を取寄せるというお話がございましたが、あいにく全部出払いまして、審議庁に一部しかございませんので、今作成中でございますので、近くお手許に差上げますから、お読み願えばおわかり願えるのでありますが、その直後でありましたので、もう少し模様を見てから拡張するから、それまでの間待つてもらいたいというふうな御意見でもありましたので、では赤木先生から強いそういう御要求があるから、成るべく早い機会に提出するようにしてもらいたいということで、私どものほうといたしましては、赤木先生の御指摘の御趣旨に副いますかどうかは別といたしまして、一応拡張がありますればこういう地域を拡張することが望ましいではないかと思われる地域調査も若干はできております。併しいずれにしましても、これの最終決定は我々事務当局にあるのでなしに審議会にありますので、これらのことは審議会におきまして決定してもらうことになるわけでありますが、いずれにいたしましてもそのときから遺憾ながら赤木先生の御趣旨通りには拡張いたされておらないというのが現状であります。
  27. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は一例と、て申上げましたけれども、私が申したことは決して私だけではありません。この法案審議したときの状況をお聞きになれば、この速記録をお読みになれば、どういうふうにこの法案審議されたか、はつきりわかる。つまりこの法案審議に全然副わないで審議会委員をきめた。いわば先ほど申した通り参議院を無視して、この法案精神を無視しておるのです。そういうことになつておるのです。でありますからして、これに対して政府も相当の責任があるはずです。少くとも総理大臣が決定しておるのです。総理大臣責任があるのです。あなたはそれに対してどういうお考えなんですか。
  28. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 私どもといたしましては、この事務局といたしまして、審議会の運営につきましては成るべく国会の諸先生方の御意見が反映いたしますようにできるだけの努力はいたしておるつもりでおります。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほど申す通り審議会委員は誰が推薦しましても、この決定権総理大臣であります。総理大臣は少くともこの法案を御承知のはずなんです。この法案を御承知の上で審議会のメンバー、委員をおきめのはずなんです。それならば誰がどういう人間を推薦しても、うかくそういうことをされないのが、私は少くとも総理大臣の、この法案を御覧になつて責任だと思う。私も審議会ができる前に、総理大臣お忙しいようですからしてこの法案読みおになる時期がないならば、これを輔佐する政府役人が、それはこの法案趣旨とは違います、これを言われるのが政府役人の役目だと思う。それに対する責任はお持ちになつておるのですか。
  30. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 先ほど来申上げておりますように、この法案を先ず運用いたしますときに、全国地域対象にするか、災害の比較的頻度の多い地域対象にするかということにつきまして、一応政府部内の関係各省意見も聞いたのであります。その際先ず災害頻度ということで地域を絞ろうではないかということに大体の方針がきまりましたので、地域は御指摘ように一部に偏することになつたわけであります。さような前提で人選を仮にいたすといたしますと、成るべく当該の地域関係の深い方を御選任することも一つの筋ではなかろうかというふうな考え方で、それぞれの御推薦になりました方をお選びするのも止むを得なかろうということで、私ども政府の一員といたしましてもそれをお受けしたということになつておる次第であります。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一遍伺います。それは結論といたしましては、鹿児島県或いは宮崎県選出の議員が特にシラス地帯考えて、シラス地帯ができんようにこの法案は作つた。併しこの全般的の法案になつてこれが通過した以上、この法案をよくお読みになれば、やはりどういう人を審議会衆議院の諸君の推そうと、それは違います、法案全体の精神が違いますと、それについて総理がその人を決定する前に、少くとも政府の役人といたしまして、そういう人の推した審議委員ですね、それに対してこれが正しいか正しくないか、法案をお読みの上で総理大臣お話なつたことがあるか、それを承わりたい。
  32. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 私どもから直接総理大臣お話し申上げたのではありませんで、総理府の然るべきところに、以上の人選は妥当であるという復旧はいたしてございます。それは先ほど申しましたような前提でございまして、対象が或る地域に限定されると、全国的ではないということが大前提でございまして、その前提の下におきましては以上の人選は適当であろうということは復旧した次第でございます。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 大前提の置きどころが根本的に間違つているのです。それから誰が復旧したか、その人の名前を聞かしてもらいたい。その人をここに呼んで来てここで審議したい。
  34. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) その大前提と申しておりますのは、先ほどから申上げておりまするように、第二条に二つ目的がここに併列的に書かれておるんであります。その両者を、先ずこれを或いはどちらかを先に行うかということがいろいろ論議されました結果、先ず最初の目的の完遂にこの際出て参ろうと、両方一度にやることは殆んどできないから、最初の目的のために先ず態勢を整えようというのが大前提になつたわけでありまして、これは何の誰々がやつたということでなしに、皆できめました結果さようなつたわけであります。  それから第二のお尋ねの誰がやつたかということになりますと、これはまあとにかく経済安定本部でありましたか、従つて経済安定本部長官ということにはまあなるわけでありますが、事務的には私どもがその衝に当つてつたのであります。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 同じことを繰返すようですけれども法案審議状況をよくお読みならば、よく御承知ならば、それでできないわけないのです。仮に鹿児島県或いは宮崎県選出の代議士がそういうことをしましても、それは法案のあの経過、これはよく御承知だと思います。田中先生もよく御承知なんです。  あの状況をよく御承知ならばそれはできないはずなのです。それをなさるならば、なぜシラス地帯をなさらんか、シラス地帯特殊土壌ができないから、それならそれは全国に及ぶのではないか。それでこの法案が通過したんです。若しシラス地帯だけならこの法案は通過しはしないのです。これは全般的なものですから、止むを得ずみんなむしろ認めて通過さしたのです。それはこの法案速記録をよく御覧になればはつきりわかつているのです。そういうことを御承知でありながら、どの大前提であるか知りませんけれども、一方的に解釈になつて、或いは鹿児島県、宮崎県、そういうふうな代議士に引かれてそういうふうの審議会のメンバーをおきめになつたことは非常に間違いがあると言わざるを得ません。何と申しましてももう少し法案が通過した状況をよくあなたがお考え下さるならば、それはそれでできないはずないのです。まああなたに対してはこれだけ申します。  それから大蔵当局おられますかね……、大蔵当局に私はこれは質問でなくてお願いするのです。今お聞きの通りにこの特殊土壌法案が特に来年度も六億五千万円か持つて行くということになつておるのですね、そういたしますと、仮にこれをどういうふうに建設省ではおやりになるか知りませんが、二十七年度の例を見まして、或いは九州地方、九州でも佐賀県がありません、長崎がありません、これは台風が通らないということでそんな妙なことになつており、又仮に岡山県にいたしましても山口にいたしましても、広島県にいたしましても、或いは兵庫県にいたしましても、或る一部に台風が来る、そこらは通つて行く、そのほかの土地は全然地区外になつておる。ところが一つ岡山県の例を申しましても、岡山県の瀬戸内海に面した面は、これは成るほどその地域に入つておりましよう。ところがあそこは砂防地域から申しますと、その上流のほうにたくさん施工を要する土地がある。併しそれは特殊地域じやないのですよ。だから遺憾ながら砂防工事をしていない。特殊土壌と申しましても砂防地の一角ですからね、あなたも御承知通り。そうすると今まで何十年、どの府県にはどれくらい施工している。即ち大体均衡を保つて来た砂防行政が寸断されてしまつたのです、事実上。これは非常に困つてしまう。何とかしてこれは一つ考え願えませんか。これはあなたの考えを聞くのです。実際困つている、衷情を訴えて……、これでは実際日本の三分の一だけ仕事ができる。三分の一と申しましても、岡山県のごとき広島県のごとき、山口県のごとき、それも今申しましたように、或るところはできるが或るところはできん、それで県下全体の砂防行政が困つてしまう。こういうよう状況であります。又現在の日本の全体から考えましても、たくさんの約日本の三分の一くらいの県を見ましても、あとの三分の二の県は六億五千万がよそへ行つてしまうから非常に困つている。これでは一体一生懸命になつて砂防法が通つて建設省大臣初め局長、皆さんの御尽力で通つた予算新潟県のごときには支出できん、こういうことになつてしまう。これは何とかできませんですか、これは懇願するのです。
  36. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 実は打明けて申上げますと、これは議員立法としまして、新らしい経費でございますが、この特殊土壌につきましては、むしろ赤木先生のおつしやいますげと逆に特殊土壌が足らんじやないかとか、もつとはつきりさせにやいかんじやないかという、御意見とは逆なんですね。又要望が、むしろ陳情等を通じて私どもり耳に入るわけなんです。この法案考え方につきましてもいろいろな角皮から両方の議論があるわけなんでありまして、まあそういう意味で私たちも予算を作ります際に、直接これの主管の大臣である安本長官と執行の責任のある各省、いろいろ各方面大臣意見を伺いましてまあやつたわけなんですが、只今ような議論は、これは勉強不足だつたわけなんですが、先生ような議論を私はこういう席で初めて聞きましたのですが、まあ各省とそれから案の考え方もそれぞれの立場がありますからして、よく相談もいたしまして、今後予算の執行について勿論各省大臣がその当面の責任を以ておやりになるわけでありますが、今後の編成の問題或いは又流用その他の問題につきまして、執行上大蔵大臣の立場から考える際には、勿論この全体のバランスを崩すことのないようにできるだけ考慮して行きたい、こういうふうに考えております。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 そこでですね、今実情を申したのですがね、これは一般の仮にまあ五十億円砂防予算に取る、併し特殊土壌は五十億の上に又三億円取る、こういうお話ならまだわかるのですよ。それほど少い四十八億の予算で以て、そのうちの六億五千万を特殊土壌に持つて行くということは、これはあとの予算がもう少くなることはわかつているのです。折角何十年かかつた砂防行政が寸断されちやう。これは大蔵省として決して御本意じやなかろうと思う。同じ政府ですからどういうふうにこれはなさる、二十八年度早速何とかできませんかね。
  38. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 議員立法に対しては政府予算上相当の敬意を払つて、できるだけ努力するという建前で近来やつておりますからして、そういう意味で最近議員立法されました法律案でもありますので、十分敬意を一面表したわけであります。御趣旨の点もよく承わりまして、何と申しましても予算はつきりきまりましたものにつきましては、政府としてそう自由勝手に裁量することは許されないわけでありますが、併し又各省並びに安本の意見も、只今の御議論等を通じて又十分検討すべき点はしまして、執行上許される範囲でできるだけ御趣旨の点も考えて行きたい、こういうふうに只今のところはその程度しか申されないと、かように存じております。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 大分大蔵省は私の言うことをよく聞いて下さつて結構ですが、河野主計局長も本当に困つておる、主計局長は砂防行政をよく御承知ですから……、こんな馬鹿な予算、これは議員立法が如何に悪いかということを示した第一の例なんです。こんなことでは日本の砂防行政その他の行政もできません。こういう悪例になりましたからは、これをいつまでもおいてはおけませんから、又我々立法者といたしましても直すことは直しますが、この際一つ大蔵省としても成るべく早く、できれば二十八年度予算に関しても、もともとこの法案審議状況は今お聞きの通りなんであります。シラス地帯はこの法案が通らんならば……、やつと通つたのですが、我々の要求その他に対しましてもこの数字は裏切つておるのです。そういうことをやられておるのですから、このことを一つ考え下さいまして善処せられたいと思います。
  40. 田中一

    田中一君 今赤木さんの質問に関連いたしますが、特殊土壌対策の経費として、農林省の仕分としてどこに入るかわかりませんが、私が今調べたのは、一農林省関係土地改良費で一億六千万円、山林事業費で七億七千五百万円が出ておるのです。そのほかに開拓地その他上地、土壌に対するものが若干出ておりますが、そのほかにはどうですか。
  41. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) 砂防費六億五千万円、治山で七億七千五百万円でございます。それから別に農林省のほうで土地改良について考えておりますが、農林省のほうから…。
  42. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 御説明申上げます。農林省関係特殊土壌では二十八年度関係予算といたしましては、総額で十一億六千五百万円を予定いたしております。その中で農地関係が三億三千八百万円ばかりありまして、その内訳は土地改良事業、この中には団体営灌漑排水とか小規模の土地改良とか、或いは開拓事業費、これは開拓事業におきまする酸性土壌を改良するという費用でございます。こういうものを引括めまして三億三千八百万円、それから林野の関係で治山事業が只今大蔵省から御説明のありました七億七千五百万円、それから農業改良の関係でアカホや対策事業費でございますが、これが四千二百万円、それから防災茶園が四百五十万円、農業改良と合計いたしまして四千六百万円、そのほかに桑園の開設関係といたしまして特殊土壌地帯の特に防災的な意味を持つて桑園を開設するというのが五百二十万円含まれております。以上合計いたしまして十一億六千五百万円ということになります。
  43. 田中一

    田中一君 この金は全国的にばら撒かれるのですか、それとも一方的な西南地区特殊土壌に補助されておるのですか、どうなつておるのですか。
  44. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 私からお答え申上げます。それは特殊土壌地帯といたしまして政府が指定いたしました地帯に対するものであります。
  45. 田中一

    田中一君 今井田さんは曾つてこの特殊土壌法案審議に当つて自分はこの法律によつて全国的に及すことは困る、自分としてはそれは考えられないのだ、国土総合開発法があつて全部それはやるのだから、部分的なものであるならば自分は賛成するけれども全国的に拡がることは不賛成だということの意思表示を曾つてされております。従つて先ほど赤木さんからのお一話も伺いまして、非常に今井田さんは誠実な官僚と見られます。良心的な官僚と見受けられます。併しながら自由党の諸君の圧力で、止むを得ずといいながら、自分の狙い通りなつたということでありますが、今の建設省関係砂防費から来るところの六億五千万円というものは、主としてどういう方面に使うように予定されておりますか。
  46. 米田正文

    政府委員(米田正文君) 今のお尋ねの六億五千万円は府県への補助費でありますが、これは兵庫県以西の十三県に対して六億五千万円配分をいたしておるのであります。それで砂防事業費、今お話のありました四十八億の中に六億五千万円が入つておるのでありまするからして、この砂防事業費と特殊土壌経費とを調整して配分を決定いたしたのであります。
  47. 田中一

    田中一君 農林省のほうの今の十六億の特殊土壌はどういう配分をするおつもりでございますか。
  48. 庵原文二

    説明員(庵原文二君) 審議庁から説明がありましたように、特殊土壌として指定されました地帯に配分されるわけでありますが、まだ詳細な配分計画は立てておりません。
  49. 田中一

    田中一君 大蔵省に伺いますが、赤木委員質問に対してあなたは、非常に偏頗な砂防費、偏頗な配分をしているというよう質問に対して、あなたは承認したように見受けられたのです。従つてその砂防予算というものは、砂防予算のうちの特殊土壌予算は偏頗に……、配分の仕方は二十八年度はどういうふうになつているのですか。
  50. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ちよつと私から御説明申上げますが、実は各省、安本等の意見も総合して、二十八年度の予算を私どものほうも編成いたしたつもりでございます。それでその結果が、只今赤木先生のおつしやいましたよう意見を、私案は初めて伺つたのでありますが、若しそういうようなことが行き過ぎであるようであれば、勿論各省としてもそういう御意見を、その実行の過程において十分尊重せられるだろう、勿論大蔵省といたしましては予算の実行につきましては、原則として予算を組んだものをそのまま実行するというのが建前でございますし、それを実行する責任は各省の大臣にあるわけでございまして、若し各省がそういうような再検討の結果、実行上大蔵省に御相談でもあるというような腸骨には、十分御意見も承わつて、そうしてできるだけ、若し言われるようなととが事実ありとすれば、そういう弊習を避けるようにしたい。こういう考えで申上げたのであります。
  51. 田中一

    田中一君 そういう偏頗な行き過ぎがあるとお考えになつているのですか、それとも今まであなたが査定し予算を組むときに、そういうものはなかつたとお考えになりますか。
  52. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) これは特殊土壌の問題は、砂防の問題とじても新らしく提起されて来た問題でありまして、大蔵省といたしましても予算の編成に際して当の直接の担当責任者であるところの安本なり、各省の意見を尊重して編成する、こういう建前で一貫しております。勿論安本におきましては、総合開発を担当せられておる責任上、十分全体のバランスを取つて考えになつておることでありますからして、私どもは原則としてその意見を尊重して参る、こういうやり方をいたしております。今初めてこういうよう赤木先生ような御意見にも接したわけでありまして、一応二十八年度の予算の編成におきましてはそういう点を十分考慮して編成せられたものというふうに勿論私ども考えております。
  53. 今井田研二郎

    政府委員(今井田研二郎君) 只今大蔵省からのお答えにもありましたように、一応事務を掌つております経済審議庁におきまして、関係各省の御意向を取りまとめまして大蔵省予算をお願いする。いわば取りまとめ役のようなことを審議庁でやつておるのであります。その際私ども考え方でありますが、御承知ように、昨年この法案通りました結果、補正予算として約六億近いものが付けられたわけであります。いわばその分は純増になつておると考えております。そこで私ども砂防なら砂防というものを考えます際も、従来の砂防費も食つて指定地域に計上するというふうな考え方で調整を行なつたのではないのでありまして、少くとも昨年度の六億程度のものは純増の姿で次年度も通常もらえるだろう、予算は付けられるだろう、或いは更にそれ以上をお願いしたいという角度で、既存の各省でおやりになつておられたものは別の問題といたしまして、当該地に対しまして純増をお願いしたい、こういう角度で調整し、又はそういう角度でお願いしたという程度でありまして、全体の砂防行政を棄そう、或いは従来付いておりますところを削つて参ろうということは考えておらないのであります。
  54. 赤木正雄

    赤木正雄君 今井田さんにお伺いいたしますが、あなたは純理論に行けばそうだと、こういうふうなお考えですが、併し実際はそうは行つていない。又行くはずもない。元の砂防予算が大きければいいのですが、四十八億しかないうち、六億五千万円特殊土壌に持つて行くと仮に考えますと、鹿児島県のごときは普通の砂防費を一文も持つて行くことはできない。持つて行けば大変なことになる。そうするとほかの府県砂防費は全然マイナスになる。そういうことになる。全体の砂防費考えないで一方的に考えておるのです。これを大蔵省当局もよく聞いてほしい。或いは特殊土壌予算として鹿児島県のごときは普通予算も少し持つてつて、両方併せて鹿児島予算をごうすればいいというようなお考えかも知れませんが、私の想像では、若しも普通予算鹿児島に持つて行きますと、そうするとほかの府県に対する普通の砂防費の非常にマイナスになる。だがら鹿児島特殊土壌予算を持つて行きましても、恐らく各府県に例のない厖大なものになつてしまう。少しも均衡が取れていない。
  55. 田中一

    田中君 私も専門的ないいお話を伺つた。恐らく赤木さんも本年度の予算には反対なさると思いますが、不満足な予算を組んでおる政府ですから、大蔵省にそういう要求をするよりも、先ず国会予算に反対なすつて、これを是正するということにお考え及んでいらつしやると思いますから、大変結構なお話を伺つたと思います。(笑声)
  56. 赤木正雄

    赤木正雄君 今井田さんに一つお願いしますがね。この審議会のメンバーを早速考えてもらいたい。この法案審議したときの状況とは全然逆なんですから、若しあの審議会できめておるやつが、災害頻度とか何とかいいますが、全体のことを考えずにやつておる。それがために今申上げましたように、兵庫県のごときも淡路島はできるが、兵庫県の東のほうには全然入らない。或いは滋賀県のごときはあれだけ大きな禿赭地があつても全然できない。或いは岐阜県のごときも土岐川方面は全然砂防はできない。非常に不均衡です。これでは折角の砂防工事をあなたのほうで寸断されておるのだ。大蔵省も、その結果が非常に悪いから、これは一つ特に私はお願いしたい。主計局長によく御斡旋を願いたい。
  57. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ほかに御質問がなければ、本日はこれを以て散会いたします。    午後三時二十八分散会